説明

燃料電池システム及び燃料電池自動車

コンパクト化及び性能の安定化を図った燃料電池システムを提供する。2つの燃料電池スタックである第1燃料電池スタック(31)及び第2燃料電池スタック(32)と、第1、第2燃料電池スタック(31),(32)に水素を供給する水素供給機である高圧水素タンク(11)と、燃料電池スタックに空気を供給する空気供給機である圧縮機(12)と、第1、第2燃料電池スタック(31),(32)に供給される空気を加湿する加湿器(20)とを備える燃料電池システムである。加湿器(20)は、第1、第2燃料電池スタック(31),(32)の間に配置され、加湿器(20)の供給空気出口と第1、第2燃料電池スタック(31),(32)の空気供給口(Q1)のそれぞれとは、同じ長さの空気供給管(51)で接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システム及び燃料電池自動車に関し、詳しくは、加湿器と2つの燃料電池スタックを有する燃料電池システム及び燃料電池自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車の動力源などとして、クリーンでエネルギ効率の優れた燃料電池、特に固体高分子型燃料電池が注目されている。この燃料電池は、燃料ガス(水素)及び酸化剤ガス(空気)が供給されると、電気化学的に発電する一種の発電機である。固体高分子型の燃料電池は、その内部にプロトン導電性の固体高分子からなる電解質膜を備えており、この電解質膜は、加湿されることによりその性能を良好に発揮する。そのため、高分子型燃料電池システムにおいては、乾燥した酸化剤ガスを加湿した上で燃料電池スタックに供給するため、加湿器が設けられている(例えば、特許文献1参照)
【0003】
前記した燃料電池スタックは、固体高分子膜を挟んだセパレータを単セルとして、これを多数積層させた発電機部分であり、燃料電池自動車などのアプリケーションが必要とする電圧、電力に応じて、積層枚数や大きさが設定される。
また、前記した加湿器は、例えば、酸化剤ガスを水蒸気交換可能な中空糸膜内に通すとともに、燃料電池スタックから排出された酸化剤ガス(以下、これを「オフガス」という)を加湿器内の中空糸膜外に通すことで、オフガス中の水蒸気を新たに供給される酸化剤ガスへ供給するように構成される。
【特許文献1】特開2002−75418号公報(段落0016、図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような燃料電池システムは、酸化剤ガスを加湿する必要がある一方で、酸化剤ガスの通路内、特に加湿器内の中空糸膜内で結露が発生すると、酸化剤ガスの流れが阻害され、燃料電池システムの効率が悪くなるおそれがある。また、燃料電池システムをアプリケーションに搭載する際には、燃料電池スタックをアプリケーションにコンパクトに搭載したいという要望もある。
このような背景に鑑みて本発明がなされたもので、本発明は、燃料電池の性能を安定化させるとともに、コンパクトにアプリケーションに搭載することを可能にする燃料電池システム及び燃料電池自動車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した課題を解決するため、本発明の燃料電池システムは、酸化剤ガス及び燃料ガスからなる反応ガスが供給されて電気化学反応により発電する少なくとも2つの燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに供給される少なくとも一方の反応ガスを加湿する加湿器と、前記加湿器の反応ガス出口から2つの前記燃料電池スタックの反応ガス供給口へ前記反応ガスを送る反応ガス供給管とを備える。そして、前記加湿器は、前記2つの燃料電池スタックの間に配置され、前記反応ガス供給管は、前記加湿器から前記2つの燃料電池スタックへ向けて分岐しており、その分岐点から前記2つの燃料電池スタックの反応ガス供給口までの長さがほぼ同一に構成される(第1の発明)。
【0006】
このような燃料電池システムによれば、燃料電池スタックを2つに分けることで、アプリケーションにおける燃料電池のレイアウトの自由度や、重量バランスを改善することが可能になる。また、燃料電池スタックを2つに分けた場合には、各燃料電池スタックへの反応ガスの供給状態が同等でないと、一方の燃料電池スタックの能率が落ちてしまうが、本発明の燃料電池システムでは、加湿器の反応ガス出口と、2つの燃料電池スタックの反応ガス供給口のそれぞれとは、反応ガス供給管で接続され、反応ガス供給管の分岐点から2つの燃料電池スタック反応ガス供給口までの長さはほぼ同一に構成されていることから、2つの燃料電池スタックにバランス良く反応ガスが供給される。なお、2つの燃料電池スタックへ通じる反応ガス供給管は、同じ太さであればさらに良い。
さらに、この燃料電池システムは、加湿器を2つの燃料電池スタックの間に配置したことから、燃料電池が発する熱により適度に加温される。そのため、加湿器内で反応ガスが加湿されながら、温度が上昇していくので、加湿器内の反応ガスの通路で結露が発生することがない。したがって、反応ガスは、安定した流れとなり、燃料電池の安定した動作が可能となる。
【0007】
前記した燃料電池スタックにおいては、前記加湿器は、前記燃料電池スタックから排気されたオフガスに含まれる水分を、水透過膜を介して反応ガスへ供給する膜型加湿器として構成することができる(第2の発明)。この場合には、水透過膜の表面での結露が防止されることで加湿効率を維持することができるので、本発明の利点が顕著に発揮される。
【0008】
また、前記した水透過膜を利用した加湿器を有する燃料電池スタックにおいては、前記加湿器内の水透過膜は、中空糸状であって、かつ一方向に揃えて配設され、前記燃料電池スタックは、前記中空糸状の水透過膜の管の方向に単セルが積層されて構成され、前記反応ガス供給口は、前記燃料電池スタックの単セルを積層した方向の一端面に形成され、前記反応ガス出口は、2つの前記反応ガス供給口と同じ側に向けて設けられるのが好ましい(第3の発明)。
【0009】
このような燃料電池システムによれば、2つの燃料電池スタックの間に加湿器が配置された状態で、加湿器の反応ガス出口と、2つの燃料電池スタックの反応ガス供給口の両方が、同じ方向で開口する。そのため、反応ガス出口と反応ガス供給口とを連通する反応ガス供給管を短くすることができる。したがって、反応ガスの圧力損失を低減できるとともに、反応ガス供給管内での結露も可及的に防止することができる。
【0010】
また、この燃料電池システムにおいては、前記2つの燃料電池スタックは、水平方向に並んで配置され、前記加湿器は、略円柱形状で、かつ少なくとも2つが上下に隣接して設けられ、前記加湿器から排出された前記オフガスが通流するオフガス排出管は、2つの前記加湿器と前記燃料電池スタックの一方とに囲まれた位置に配設されるのが好ましい(第4の発明)。
このように、複数の略円柱形状の加湿器と、一方の燃料電池スタックに囲まれた位置にオフガス排出管が設けられれば、デッドスペースが有効利用でき、燃料電池システムのコンパクト化に貢献できる。
【0011】
また、本発明においては、前記課題を解決した燃料電池自動車として、2つの燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに水素を供給する水素供給機と、前記燃料電池スタックに空気を供給する空気供給機と、前記燃料電池スタックに供給される空気を加湿する加湿器とを備える燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車を提供する。この燃料電池自動車においては、前記燃料電池スタック及び前記加湿器は、前記加湿器を中心に前記2つ燃料電池スタックを車両の左右に並べた状態で前記車両の床下に配設され、前記空気供給機は、前記燃料電池スタック及び前記加湿器より車両前方に配設され、前記水素供給機は、前記燃料電池スタック及び前記加湿器より車両後方に配設され、前記加湿器の供給空気入口は車両前方に、供給空気出口は車両後方に向けて配設され、前記燃料電池スタックの空気供給口及び水素供給口は、それぞれ車両後方へ向けて開口していることを特徴とする(第5の発明)。
【0012】
このような燃料電池自動車によれば、空気供給機が車両前方に配設されるのに対し加湿器の供給空気入口が車両前方へ向いているので、これらを繋ぐ配管を短くすることができる。また、水素供給機が車両後方に配設されるのに対し、水素供給口が車両後方へ向いているので、これらを繋ぐ配管を短くすることができる。さらに、加湿器の供給空気出口が車両後方に向けて配設されるとともに燃料電池スタックの空気供給口が車両後方へ向けて開口しているので、これらを繋ぐ配管も短くすることができる。
【0013】
この燃料電池自動車においては、前記燃料電池スタックへ冷却水を供給する冷却水供給管をさらに有し、前記燃料電池スタックへ空気を供給する空気供給管と、前記燃料電池スタックへ水素を供給する水素供給管と、前記冷却水供給管とは一体のマニホールドとして構成されるのが好ましい(第6の発明)。このように、反応ガス供給管、水素供給管、冷却水供給管を一体のマニホールドとして構成すれば、これらの供給管の配管をマニホールド1つの組み付けによって達成できるので、組み立て性が向上する。
【0014】
また、燃料電池システムの他の態様としては、酸化剤ガス及び燃料ガスからなる反応ガスが供給されて電気化学反応により発電する少なくとも2つの燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに供給される少なくとも一方の反応ガスを加湿する加湿器と、を備えた燃料電池システムであって、前記加湿器は、前記2つの燃料電池スタックの間に配置される(第7の発明)。
この燃料電池システムは、加湿器を2つの燃料電池スタックの間に配置したことから、燃料電池が発する熱により適度に加温される。そのため、加湿器内で反応ガスが加湿されながら、温度が上昇していくので、加湿器内の反応ガスの通路で結露が発生することがない。したがって、反応ガスは、安定した流れとなり、燃料電池の安定動作が可能となる。また、燃料電池スタックを2つに分けたことで、アプリケーションへのレイアウトの自由度が高くなる。
【0015】
また、この燃料電池システムにおいては、前記燃料電池スタックは、積層された単セルの両端にエンドプレートを有し、前記加湿器と前記2つの燃料電池スタックのエンドプレートとが結合されるのが好ましい(第8の発明)。このように、燃料電池スタックと加湿器とを一体に結合することにより、燃料電池システムに振動が加わった場合でも、燃料電池スタックと加湿器とを接続する配管に余計な力がかからず、気密性を保つことができる。
さらに、前記2つの燃料電池スタック及び前記加湿器は、燃料電池ボックス内に配置され、前記2つの燃料電池スタックのエンドプレートは、前記燃料電池ボックスに固定されるのが好ましい(第9の発明)。このように燃料電池スタックと、燃料電池ボックスとを一体にすることにより、燃料電池システムの剛性が高くなり、共振周波数が高くなることで、共振を抑えることができる。
【0016】
また、第7の発明から第9の発明の燃料電池システムにおいては、前記2つの燃料電池スタックは、水平方向に並んで配置され、前記加湿器は、略円柱形状で、かつ少なくとも2つが上下に隣接して配置されるのが好ましい(第10の発明)。
このようなレイアウトによれば、2つの燃料電池スタックの間の狭い空間を有効利用して燃料電池システムのコンパクト化を図ることができる。
さらに、この燃料電池システムでは、前記反応ガスを通流させる反応ガス配管を、2つの前記加湿器と前記燃料電池スタックの一方とに囲まれた位置に配設するのが好ましい(第11の発明)。こうすれば、デッドスペースを有効利用して、燃料電池システムのコンパクト化を図ることができる。
【0017】
前記加湿器は、中空糸状の水透過膜を介して反応ガスを加湿する膜型加湿器として構成され、前記中空糸状の水透過膜は、その管の方向が前記燃料電池スタックの単セルの積層方向に揃えて束ねれば(第12の発明)、加湿器と燃料電池スタックの配管を可及的に短くすることができる。
【0018】
このように、第1の発明の燃料電池システムによれば、加湿器から2つの燃料電池スタックへの反応ガスの供給がバランス良くなされるとともに、加湿器が燃料電池スタックに加温されて、加湿器内の反応ガスの通路で結露が発生しないので、燃料電池の安定動作が可能である。また、燃料電池を2つに分けることでレイアウトの自由度や重量バランスを改善可能になる。
第2の発明の燃料電池システムによれば、第1の発明に係る燃料電池システムの効果がより顕著に発揮できる。
第3の発明の燃料電池システムによれば、反応ガス供給管を短くすることができ、反応ガス供給管内での結露を可及的に防止できる。
第4の発明の燃料電池システムによれば、デッドスペースを有効利用して燃料電池システムのコンパクト化に貢献できる。
第5の発明の燃料電池自動車によれば、燃料電池へ空気又は水素を供給する配管が短くできる。
第6の発明の燃料電池自動車によれば、燃料電池システムの組み立て性が向上する。
第7の発明の燃料電池システムによれば、加湿器内の反応ガスの通路で結露が発生しないので、燃料電池の安定動作が可能である。
第8の発明の燃料電池システムによれば、燃料電池スタックと加湿器とを接続する配管に余計な力がかからず、気密性を保つことができる。
第9の発明の燃料電池システムによれば、燃料電池システムの剛性が高くなり、共振周波数が高くなることで、共振を抑えることができる。
第10から第12の発明の燃料電池システムによれば、燃料電池システムのコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態に係る燃料電池システム2を搭載した燃料電池自動車1の構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る燃料電池システム2の概要を示す模式図である。
【図3】(a)は、車両後方から見た加湿器20と燃料電池スタック30の分解斜視図であり、(b)は、単セルFCの分解斜視図である。
【図4】加湿器20を車両左側から見た側面図である。
【図5】加湿器20を車両右側から見た側面図である。
【図6】加湿器20aの断面図である。
【図7】加湿器20及び燃料電池スタック30の配管を示す車両後方から見た斜視図である。
【図8】燃料電池スタック30及び加湿器20を平面視した模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、実施形態に係る燃料電池システム2を搭載した燃料電池自動車1の構成を示す斜視図であり、図2は、実施形態に係る燃料電池システム2の概要を示す模式図である。
図1に示すように、実施形態に係る燃料電池自動車1は、燃料電池システム2が搭載された自動車である。燃料電池システム2は、主として燃料ガスである水素を供給する水素供給機としての高圧水素タンク11と、酸化剤ガスである空気を供給する空気供給機としての圧縮機12と、加湿器20と、燃料電池スタック30とを備えている。燃料電池スタック30は、第1燃料電池スタック31と第2燃料電池スタック32とからなり、これらは、燃料電池自動車1(車両)の左右(水平方向)に並んで配置され、第1燃料電池スタック31と第2燃料電池スタック32との間に加湿器20が配置されている。第1燃料電池スタック31と第2燃料電池スタック32とは、燃料電池自動車1の車幅方向中心を境に左右に振り分けられているため、燃料電池自動車1の左右の重量バランスがとられている。
高圧水素タンク11から送り出される水素と、加湿器20を通って加湿された空気とは、ともに燃料電池スタック30へ供給され、内部で電気化学反応して起電力を発生する。
【0021】
また、燃料電池システム2は、燃料電池スタック30を冷却する冷却水の熱交換器として、ラジエータ13を備えている。ラジエータ13で冷却された冷却水は、第1燃料電池スタック31、第2燃料電池スタック32の内部を通過して、再びラジエータ13へ還流している。
以上の燃料電池システム2の構成要素のうち、加湿器20、第1燃料電池スタック31及び第2燃料電池スタック32は、燃料電池ボックス41内に収納されている。そして、燃料電池ボックス41は、フロアパネル42の下(床下)で、車両の前後に延びるメインフレームに固定されている。
【0022】
次に、図2を参照して、燃料電池システム2の各要素の概要を説明する。高圧水素タンク11から送り出される水素は、燃料電池スタック30のアノードAに供給される。アノードAで消費しきれなかった水素は、循環路16を介して再びアノードAに供給される。
圧縮機12から送り出された空気(本明細書において「供給空気」という。)は、加湿器20で加湿された後に燃料電池スタック30のカソードCへ供給される。また、圧縮機12から加湿器20を通らずにカソードCへ送る加湿器バイパス27が設けられ、供給空気の湿度を調整するため適宜加湿器バイパス27を介してカソードCへ供給空気が供給される。加湿器バイパス27へ通す供給空気の流量は、バルブ17により調整される。
アノードAに燃料ガスとして水素を供給し、カソードCに酸化剤ガスとして酸素を含む空気を供給すると、アノードAで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子膜MEを通過してカソードCまで移動し、カソードCの触媒によって酸素と電気化学反応を起こして発電し、水が生成される。
カソードCから排出された空気(オフガス)は、燃料電池スタック30内で発生した水を含んでおり、供給空気を加湿するため加湿器20に供給される。加湿器20内では、水透過膜である中空糸膜21を介してオフガスと供給空気との間で水(水蒸気)の交換が行われる。加湿器20から排出されたオフガスは、大気へ排出される。
【0023】
次に、図3から図7を参照して、加湿器20と燃料電池スタック30の詳細について説明する。
図3(a)は、車両後方から見た加湿器20と燃料電池スタック30の分解斜視図であり、(b)は、単セルFCの分解斜視図である。図4は、加湿器20を車両左側から見た側面図、図5は、加湿器20を車両右側から見た側面図、図6は、加湿器20aの断面図、図7は、加湿器20及び燃料電池スタック30の配管を示す車両後方から見た図である。
【0024】
図3(a)に示すように、加湿器20は、第1燃料電池スタック31と第2燃料電池スタック32の間に上下に隣接して配置されている。
第1燃料電池スタック31及び第2燃料電池スタック32は、それぞれ一つの燃料電池の単位である単セルFCを数十枚〜数百枚積層させたものである。各単セルFCは、図3(b)に示すように、カーボンやステンレスからなる薄板であるアノードセパレータAS及びカソードセパレータCSと、アノードセパレータASとカソードセパレータCSの間に配置された固体高分子膜MEにカソードC及びアノードAが形成されて構成される膜電極構造体(MEA)とを備えて構成される。アノードセパレータAS及びカソードセパレータCSは、溝39により固体高分子膜MEとの間にそれぞれ水素通路及び空気通路を形成している。また、アノードセパレータAS又はカソードセパレータCSは、隣り合う単セルFCのカソードセパレータCS又はアノードセパレータASとの間で、溝39により冷却水通路を形成している。
【0025】
各アノードセパレータAS及びカソードセパレータCSは、左右の縁部に孔P1〜P6を3つずつ有している。孔P1〜P6は、単セルFCを積み重ねていくことで、結合されて通路を形成する。すなわち、孔P1は空気供給通路に、孔P2は冷却水供給通路に、孔P3は水素排出通路に、孔P4は水素供給通路に、孔P5は冷却水排出通路に、孔P6は空気排出通路になる。そして、孔P1、孔P6は、前記した空気通路に連通し、孔P3及び孔P4は水素通路に連通し、孔P2及び孔P4は冷却水通路に連通している。
【0026】
図3(a)に示すように第1燃料電池スタック31及び第2燃料電池スタック32は、積層した単セルFCの両端に、単セルFCと同じ輪郭のエンドプレート33が設けられ、2つのエンドプレート33同士をボルトなどで締結することで、単セルFCが一体のスタックとなっている。
各エンドプレート33の車両内側の一辺には、加湿器20と結合するための結合片34が延設されている。結合片34は、各エンドプレート33について上下に1箇所、計2箇所設けられ、エンドプレート33は、第1、第2燃料電池スタック31,32の前後に1つずつ、計4枚設けられているので、総計8箇所に結合片34が設けられている。
加湿器20にも、エンドプレート33の各結合片34に対応する位置に、すなわち前後の上下、左右に計8つの結合片29が形成されている。
エンドプレート33の結合片34、及び加湿器20の結合片29は、それぞれ締結用の孔が形成され、この孔にボルトナットを通して締結することで、第1燃料電池スタック31、加湿器20、及び第2燃料電池スタック32が一体に結合される。なお、エンドプレート33と加湿器20の結合方法は、このような方法に限られず、スタックボルトとナットや、リベット、溶接などを採用することもできる。
【0027】
また、4つのエンドプレート33は、それぞれ断面L字形の固定ブラケット35(車両後方の2つのみ図示)により燃料電池ボックス41に固定されている。固定ブラケット35とエンドプレート33は、ボルトにより締結され、固定ブラケット35と燃料電池ボックス41も、ボルトにより締結されている。そして、燃料電池ボックス41は、車体のフロアパネル42(図1参照)に固定されている(図示せず)。
固定ブラケット35は、燃料電池の積層方向の端部に設けられ、燃料電池ブロックの締結力を維持している。
【0028】
第1、第2燃料電池スタック31,32に供給する水素、空気、及び冷却水は、車両後方のエンドプレート33に形成された各供給口又は排出口Q1〜Q6を介して供給、排出される。この供給口又は排出口Q1〜Q6へのガスの分配にはアルミニウム合金などからなるマニホールド50が用いられる。マニホールド50によるガスの分配の詳細は後述するが、マニホールド50は、加湿器20から排出される供給空気を、第1、第2燃料電池スタック31,32に導入し、また、第1、第2燃料電池スタック31,32から排出されたオフガスを加湿器20へ導入するために、加湿器20と第1、第2燃料電池スタック31,32とを繋いでいる。
【0029】
このように第1、第2燃料電池スタック31,32は、ともに加湿器20に結合されて一体になった上で燃料電池ボックス41に固定されているので、それぞれを個別に燃料電池ボックス41に固定した場合よりも、剛性を高くでき、その結果共振周波数を高くして共振の発生を抑えることができる。
また、加湿器20と、第1、第2燃料電池スタック31,32とが、結合片29,34を介して結合されているので、互いの相対位置が固定される。そのため、燃料電池システム2に振動が加わっても、マニホールド50に余計な力がかからず、マニホールド50と加湿器20又は第1、第2燃料電池スタック31,32との結合部において良好な気密性を保つことができる。
【0030】
次に、加湿器20の詳細について説明する。
図4に示すように、加湿器20は、中空糸膜21(図6参照)を利用した膜型加湿器で、2つの略円柱状の加湿器20aを上下に配置したものである。加湿器20aは、図6に示すように、円筒状のアウターパイプ22の内部に円筒状のインナーパイプ23が配置され、アウターパイプ22とインナーパイプ23の間に水蒸気を透過可能な水透過膜である中空糸状の中空糸膜21がアウターパイプ22の軸方向に沿って揃えて充填されている。燃料電池スタック30との関係では、単セルFCの積層方向に中空糸膜21の管が向くように揃えられている。中空糸膜21は、前端及び後端で束ねられ、互いに接着されて接着部21aを形成している。さらに、接着部21aは、アウターパイプ22及びインナーパイプ23とも接着されて、アウターパイプ22の前端及び後端には、中空糸膜21の内孔のみが開口している。アウターパイプ22の前端には空気供給管24a(供給空気入口)を形成するキャップ24が設けられ、後端には、空気排出口25aを形成するキャップ25が設けられている。
【0031】
インナーパイプ23は、後端からアウターパイプ22の内部(接着部21aより内側)に入った部分に複数の小孔23aが形成され、小孔23aは、インナーパイプ23の内部と、中空糸膜21が充填されている部分の中空糸膜21の外側とを連通している。また、インナーパイプ23の小孔23aよりもさらに内側の部分には、インナーパイプ23の内孔を塞ぐ隔壁23bが設けられている。また、アウターパイプ22の前端付近には、周面に沿って複数のオフガス排出孔22aが全周にわたって設けられている。オフガス排出孔22aの周りには、オフガス排出孔22aから排出されたオフガスを集めるため、オフガス収集管22bがベルト状に全周にわたって形成されている。
【0032】
このような加湿器20aでは、前端の空気供給管24aから供給空気が導入されて、中空糸膜21の内孔を通過し、加湿された上で、後端の空気排出口25aから排出される。一方、燃料電池スタック30から排出されたオフガスは、インナーパイプ23の後端から導入され、小孔23aを通って、中空糸膜21が充填されている部分の中空糸膜21の外側を通って前方へ流れる。そして、オフガスは、オフガス排出孔22aからアウターパイプ22の外部に出て、オフガス収集管22bを通って集合される。
【0033】
ここで、図4に戻って加湿器20の配管について説明する。
上下の加湿器20aの後端は、燃料電池スタック30から排出されたオフガスが導入されるオフガス供給管23cが設けられている。オフガス供給管23cは、二又に分岐して、それぞれが上下の加湿器20aのインナーパイプ23(図6参照)に連結されている。また、上下の加湿器20aのオフガス収集管22bは、車両左側(図4の手前側)で連結された上、オフガス排出管26(反応ガス配管)に連結されている。オフガス排出管26は、上下の加湿器20aが接して形成された隅に沿って車両後方へ延びるように配置されている。つまり、オフガス排出管26は、2つの加湿器20aと、第2燃料電池スタック32(図3参照)に囲まれた部分に配置されている。そのため、オフガス排出管26のレイアウトは、スペースを有効利用しており、燃料電池システム2のコンパクト化に貢献している。
以上のような配管により、オフガスは、車両後方からオフガス供給管23c、インナーパイプ23を通って、加湿器20a内の中空糸膜21の外側を通った上、オフガス収集管22bにより集められ、オフガス排出管26を通って再び車両後方へ排出される(図6参照)。
【0034】
一方、図5に示すように、車両前方には空気供給管24aが設けられている。空気供給管24aは、三又に分岐して、うち2つは、キャップ24へ連通し、1つは加湿器バイパス27(反応ガス配管)へ連通している。また、車両後方のキャップ25及び加湿器バイパス27は、車両後方で空気排出管28(反応ガス出口、供給空気出口)へ集合している。そして、加湿器バイパス27は、上下の加湿器20aが接して形成された隅に沿って車両の前後に延びるように配置されている。このように、加湿器バイパス27は、2つの加湿器20aと、第1燃料電池スタック31(図3参照)に囲まれた部分に配置されているので、加湿器バイパス27のレイアウトは、スペースを有効利用しており、燃料電池システム2のコンパクト化に貢献している。
以上のような配管により、供給空気は車両前方の空気供給管24aからキャップ24を通じて中空糸膜21の内孔に入り、加湿された上で、キャップ25から空気排出管28を通じ、車両後方へ排出される(図6参照)。
【0035】
次に、図7を参照しながら、燃料電池スタック30の配管について説明する。
図7においては、マニホールド50の図示を省略し、マニホールド50内の通路のみを図示している。
図7に示すように、加湿器20の空気排出管28は、マニホールド50内の空気供給管51(反応ガス供給管)に連結されている。空気供給管51は左右に分岐し、燃料電池スタック30の内側上段の空気供給口Q1(反応ガス供給口、AIRin)へ連通している。空気供給管51は、左右の燃料電池スタック30(31,32)の中央で分岐しており、分岐点から空気供給口Q1までの長さは同じに設定されている。そのため、供給空気は、左右の燃料電池スタック30(31,32)へ、バランス良く供給される。
【0036】
燃料電池スタック30の外側下段には、空気排出口Q6(AIRout)が設けられている。左右の空気排出口Q6は、オフガス配管52で集合され、加湿器20下方のオフガス供給管23cに連通している。オフガス配管52は、左右の燃料電池スタック30(31,32)の中央で集合しており、左右の空気排出口Q6と集合点までの長さは同じに設定されている。そのため、左右の燃料電池スタック30(31,32)から排出されたオフガスはバランス良く加湿器20へ送り込まれる。
【0037】
水素は、車両後方から供給され、水素供給管53を通って、燃料電池スタック30の外側上段の水素供給口Q4(Hin)へ導入される。水素供給管53は、左右の燃料電池スタック30(31,32)の中央で左右に分岐しており、分岐点から左右の水素供給口Q4までの長さは同じに設定されている。そのため、水素は、左右の燃料電池スタック30(31,32)へバランス良く供給される。
【0038】
燃料電池スタック30の内側下段には、水素排出口Q3(Hout)が設けられている。左右の水素排出口Q3は、水素排出管54で集合され、左右の燃料電池スタック30(31,32)の中央で後方へ還流している。
【0039】
冷却水は、車両前方から、燃料電池スタック30の右側を迂回して燃料電池スタック30の車両後方へ導かれている。冷却水は、冷却水供給管55を通って、左右の燃料電池スタック30(31,32)の中央で左右に分岐しており、燃料電池スタック30の内側中段の冷却水供給口Q2(COOLin)に導入されている。そして、燃料電池スタック30の内部を通流して冷却した後、外側中段の冷却水排出口Q5(COOLout)から排出される。そして、冷却水排出口Q5に接続された冷却水排出管57は、左右の燃料電池スタック30から排出された冷却水を車両左側で合流させ、車両前方のラジエータ13(図1参照)へ還流するよう配管されている。
【0040】
以上のような各配管、すなわち、空気供給管51、オフガス配管52、水素供給管53、水素排出管54、冷却水供給管55、冷却水接続管56、及び冷却水排出管57は、すべて一体のマニホールド50として構成されている。そのため、燃料電池スタック30及び加湿器20の配管は、この一つのマニホールド50を燃料電池スタック30及び加湿器20へ固定するだけで完了する。
【0041】
以上のように構成された燃料電池自動車1及び燃料電池システム2の作用効果について説明する。
図1に示した水素供給機である高圧水素タンク11から供給された水素は、図7に示すようにマニホールド50の左右方向における中央部分に供給され、水素供給管53を通じて左右に分配され、水素供給口Q4へ導入される。この際、水素供給管53の分岐点から水素供給口Q4までの長さは同じに設定されているので、水素は、第1燃料電池スタック31と第2燃料電池スタック32の2つへバランス良く分配される。
このように、高圧水素タンク11は、車両の後方に配置されており、2つの燃料電池スタック30(31,32)の後側から供給されるとともに、同じく後側から排出されるので、水素の配管は可及的に短くでき、燃料電池自動車1の重量及びコストの低減に貢献できる。
【0042】
そして、図1に示した圧縮機12から送り出された供給空気は、図3に示すように前方の空気供給管24aから加湿器20(20a)に入って加湿された後、後方の空気排出管28から排出される。そして、図7に示すように、空気供給管51を通って左右に分岐し、空気供給口Q1から燃料電池スタック30内へ導入される。
この際、加湿器20内で加湿される供給空気は徐々に湿度が高くなるが、同時に加湿器20の両側にある第1燃料電池スタック31及び第2燃料電池スタック32から熱を受け、温度も高くなる。そのため、加湿器20内では、供給空気の湿度の上昇による結露が発生しにくい。
また、空気供給管51の分岐点から左右の空気供給口Q1までの長さは同じに設定されているため、供給空気は、第1燃料電池スタック31と第2燃料電池スタック32の2つへバランス良く分配される。
【0043】
燃料電池スタック30の左右の空気排出口Q6から排出されたオフガスは、図7に示すようにオフガス配管52を通って集合し、加湿器20のオフガス供給管23cへ導入される。加湿器20に入ったオフガスは、図6に示すように加湿器20内で中空糸膜21を介して供給空気を加湿した後、前方のオフガス収集管22bからアウターパイプ22の外側に出て、オフガス排出管26を通じ、さらにマニホールド50の上部を通り抜けて、図示しない配管により車両後方へ排出される。
このように、空気は車両前方の圧縮機12から加湿器20の前側に供給され、後側へ抜けつつ加湿される。そして、加湿器20の後側から、マニホールド50により左右に分配されて燃料電池スタック30に供給される。さらに、燃料電池スタック30の後側から排出されたオフガスが、加湿器20の後側へ供給され、加湿器20を抜けた後は車両後方に排出される。つまり、車両前方の圧縮機12と加湿器20の前方とを接続しているため、空気の配管は短くて済み、また、加湿器20と燃料電池スタック30の間の配管も、マニホールド50で済ませることができるので、可及的に短くすることができる。
【0044】
冷却水は、車両前方のラジエータ13で冷却された後、燃料電池スタック30の右側から後方へ迂回して、2つの燃料電池スタック30(31,32)内を循環した後、第2燃料電池スタック32の後方左側から排出され、燃料電池スタック30の左側を迂回して車両前方のラジエータ13へ還流する。
この際、冷却水の配管は、車両前方にあるラジエータ13から燃料電池スタック30の後方まで回り込ませるので長くなる。冷却水の配管はアースをとる必要があり、燃料電池から配管の接地点までの距離が長い方が漏電しにくいので、ある程度迂回させるのが望ましい。
【0045】
また、本実施形態の燃料電池スタック30は、2つに分けて配置し、空気及び水素の供給、排出口Q1〜Q6を片側の面に集中させて配置したが、この構成は次の点でもメリットがある。
図8は、燃料電池スタック30及び加湿器20を平面視した模式図である。第1燃料電池スタック31及び第2燃料電池スタック32の各単セルFCは、すべて直列に接続されており、第1燃料電池スタック31の前方、後方、第2燃料電池スタック32の後方、前方の順に接続され、電位が高くなる。すなわち、図8中の符号でいえば、V,V,V,Vの順に電位が高くなる。その際、電位Vと電位Vは、電気的に隣り合う単セルFCであるため、電位がほぼ同じである。このように、ほぼ電位が同じの面に、水素、空気、冷却水の配管を集中させることにより、電気短絡の可能性を低くすることが可能になっている。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態には限定されず、適宜変更して実施可能であることはいうまでもない。例えば、加湿器20は、3つ以上でも構わないし、オフガス排出管26や加湿器バイパス27の配置を左右逆にすることもできる。
燃料電池スタック30は、水平方向として左右に並んで配置したが、前後に並んで配置させてもよい。さらに、3つ以上の燃料電池スタックを設けた場合には、隣接する燃料電池スタックの間に加湿器を配置させてもよい。
また、本実施形態では、燃料電池の例として燃料ガスとして水素ガスを用い、酸化剤ガスとして酸素ガスを用いたが、これらに限らず、他の反応ガスを利用しても良い。さらに、加湿器も、空気(酸化剤ガス)を加湿するものに限らず、例えば燃料ガスや、燃料ガスと酸化剤ガスの双方を加湿するものでも構わない。
また、燃料電池システム2は、燃料電池自動車に限らず、家庭用電源に適用することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化剤ガス及び燃料ガスからなる反応ガスが供給されて電気化学反応により発電する少なくとも2つの燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに供給される少なくとも一方の反応ガスを加湿する加湿器と、前記加湿器の反応ガス出口から2つの前記燃料電池スタックの反応ガス供給口へ前記反応ガスを送る反応ガス供給管と、を備えた燃料電池システムであって、
前記加湿器は、前記2つの燃料電池スタックの間に配置され、
前記反応ガス供給管は、前記加湿器から前記2つの燃料電池スタックへ向けて分岐しており、その分岐点から前記2つの燃料電池スタックの反応ガス供給口までの長さがほぼ同一に構成されたことを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記加湿器は、前記燃料電池スタックから排気されたオフガスに含まれる水分を、水透過膜を介して反応ガスへ供給する膜型加湿器として構成されたことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記加湿器内の水透過膜は、中空糸状であって、かつ一方向に揃えて配設され、
前記燃料電池スタックは、前記中空糸状の水透過膜の管の方向に単セルが積層されて構成され、
前記反応ガス供給口は、前記燃料電池スタックの単セルを積層した方向の一端面に形成され、
前記反応ガス出口は、2つの前記反応ガス供給口と同じ側に向けて設けられたことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記2つの燃料電池スタックは、水平方向に並んで配置され、
前記加湿器は、略円柱形状で、かつ少なくとも2つが上下に隣接して設けられ、前記加湿器から排出された前記オフガスが通流するオフガス排出管は、2つの前記加湿器と前記燃料電池スタックの一方とに囲まれた位置に配設されたことを特徴とする請求の範囲第3項に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
2つの燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに水素を供給する水素供給機と、前記燃料電池スタックに空気を供給する空気供給機と、前記燃料電池スタックに供給される空気を加湿する加湿器とを備える燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車であって、
前記燃料電池スタック及び前記加湿器は、前記加湿器を中心に前記2つ燃料電池スタックを車両の左右に並べた状態で前記車両の床下に配設され、
前記空気供給機は、前記燃料電池スタック及び前記加湿器より車両前方に配設され、
前記水素供給機は、前記燃料電池スタック及び前記加湿器より車両後方に配設され、
前記加湿器の供給空気入口は車両前方に、供給空気出口は車両後方に向けて配設され、
前記燃料電池スタックの空気供給口及び水素供給口は、それぞれ車両後方へ向けて開口していることを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項6】
前記燃料電池スタックへ冷却水を供給する冷却水供給管をさらに有し、
前記燃料電池スタックへ空気を供給する空気供給管と、前記燃料電池スタックへ水素を供給する水素供給管と、前記冷却水供給管とは一体のマニホールドとして構成されたことを特徴とする請求の範囲第5項に記載の燃料電池自動車。
【請求項7】
酸化剤ガス及び燃料ガスからなる反応ガスが供給されて電気化学反応により発電する少なくとも2つの燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに供給される少なくとも一方の反応ガスを加湿する加湿器と、を備えた燃料電池システムであって、
前記加湿器は、前記2つの燃料電池スタックの間に配置されたことを特徴とする燃料電池システム。
【請求項8】
前記燃料電池スタックは、積層された単セルの両端にエンドプレートを有し、前記加湿器と前記2つの燃料電池スタックのエンドプレートとが結合されていることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記2つの燃料電池スタック及び前記加湿器は、燃料電池ボックス内に配置され、前記2つの燃料電池スタックのエンドプレートは、前記燃料電池ボックスに固定されていることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記2つの燃料電池スタックは、水平方向に並んで配置され、
前記加湿器は、略円柱形状で、かつ少なくとも2つが上下に隣接して配置されたことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
前記反応ガスを通流させる反応ガス配管を、2つの前記加湿器と前記燃料電池スタックの一方とに囲まれた位置に配設したことを特徴とする請求の範囲第10項に記載の燃料電池システム。
【請求項12】
前記加湿器は、中空糸状の水透過膜を介して反応ガスを加湿する膜型加湿器として構成され、
前記中空糸状の水透過膜は、その管の方向が前記燃料電池スタックの単セルの積層方向に揃えて束ねられていることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【国際公開番号】WO2005/034272
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【発行日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514455(P2005−514455)
【国際出願番号】PCT/JP2004/014469
【国際出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】