説明

燃料電池システム

【課題】二次電池の過充電を回避し、二次電池の寿命を長くできる、燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システム10は、セルスタック12と、二次電池66と、セルスタック12および二次電池66に電気的に接続される補機類90およびヒータ30と、燃料電池システム10の動作状態を制御するためのCPU52とを備える。CPU52は、出力モードと二次電池66の蓄電率とに基づいて、燃料電池システム10の動作状態を、セルスタック12の発電が停止している停止状態と、セルスタック12を発電させてセルスタック12を昇温させる昇温状態とのいずれかに制御する。昇温状態において、セルスタック12の発電によって発生した電力は、補機類90およびヒータ30で消費され、二次電池66は充電されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は燃料電池システムに関し、より特定的には、二次電池を備える燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術の一例が特許文献1において開示されている。
特許文献1に開示された電子機器システムは、電子機器と、電子機器に接続される燃料電池ユニットとを含み、燃料電池ユニットは、燃料電池と二次電池とを有する。そして、電源オフ時に、二次電池の残量が所定値より少なければ、二次電池を充電し、その後に燃料電池の動作を停止させる。これによって、次回の燃料電池の発電開始時において、燃料電池ユニットの補機類を支障なく駆動できることを目指している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−227832
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術を用いて二次電池を十分に充電した状態で、燃料電池の発電を開始させると、発生する電力によって二次電池を過充電してしまい、二次電池の劣化を早め、二次電池の寿命を縮めるおそれがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、二次電池の過充電を回避し、二次電池の寿命を長くできる、燃料電池システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池に電気的に接続される二次電池と、燃料電池を発電させるために燃料電池および二次電池に電気的に接続される補機類と、燃料電池および二次電池のうち少なくとも燃料電池からの電力を消費するために燃料電池および二次電池に電気的に接続されかつ補機類以外の電力消費部と、二次電池の蓄電量に関する蓄電情報を検出する蓄電検出部と、燃料電池および二次電池からの電力に関する出力モードを通常出力モードか高出力モードかに設定するためのモード設定部と、当該燃料電池システムの動作状態を制御するための制御部とを備え、当該燃料電池システムの動作状態は、燃料電池の発電が停止している停止状態と、燃料電池を発電させて燃料電池を昇温させる昇温状態とを含み、制御部は、出力モードと蓄電情報とに基づいて、動作状態を停止状態および昇温状態のいずれかに制御することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の燃料電池システムは、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、電力消費部は、燃料電池からの電力のうち補機類によって消費される電力以外の電力を消費することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の燃料電池システムは、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、電力消費部は、燃料電池を加温するためのヒータを含むことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の燃料電池システムは、請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、燃料電池および二次電池に電気的に接続される外部負荷の負荷量を検出するための負荷検出部をさらに含み、当該燃料電池システムの動作状態は、燃料電池を定常的に発電させる定格運転状態と、定格運転状態よりも低出力になるように燃料電池を発電させかつヒータの発熱によって燃料電池を保温する保温待機状態とをさらに含み、制御部は、出力モードと蓄電情報と外部負荷とに基づいて、動作状態を、昇温状態から定格運転状態および保温待機状態のいずれかに移行させることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の燃料電池システムは、請求項4に記載の燃料電池システムにおいて、制御部は、出力モードと蓄電情報と外部負荷とに基づいて、動作状態を定格運転状態と保温待機状態との間で切り替えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の燃料電池システムは、請求項5に記載の燃料電池システムにおいて、制御部は、出力モードと蓄電情報とに基づいて、動作状態を保温待機状態から停止状態へ移行させることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の燃料電池システムは、請求項6に記載の燃料電池システムにおいて、制御部は、出力モードと蓄電情報とに基づいて、動作状態を定格運転状態から停止状態へ移行させることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の燃料電池システムは、請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、燃料電池へ供給すべき燃料水溶液およびヒータが収容される水溶液収容部をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の燃料電池システムは、請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、ヒータは燃料電池に設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項1に記載の燃料電池システムでは、出力モードと蓄電情報とに基づいて、燃料電池システムの動作状態が停止状態か昇温状態かに制御される。たとえば、出力モードが通常出力モードから高出力モードに切り替えられたとき、または出力モードが通常出力モードでありかつ蓄電情報が第1閾値以下になれば、燃料電池システムの動作状態を停止状態から昇温状態に移行させ、燃料電池が所定温度に達するまで燃料電池を発電させる。昇温状態において、燃料電池の発電によって発生した電力は、補機類および電力消費部で消費され、二次電池は充電されない。したがって、昇温状態に入り燃料電池が発電しても、二次電池は過充電されることはなく、二次電池の寿命を長くできる。
【0016】
請求項2に記載の燃料電池システムでは、電力消費部は、燃料電池からの電力のうち補機類によって消費される電力以外の電力、すなわち余剰電力を消費する。したがって、二次電池の過充電を防止できる。
【0017】
請求項3に記載の燃料電池システムでは、燃料電池の発電によって発生した電力は、ヒータによって消費され、ヒータの発熱によって燃料電池が加温される。したがって、昇温状態において、燃料電池の昇温を早めることができる。
【0018】
請求項4に記載の燃料電池システムでは、出力モードと蓄電情報と外部負荷とに基づいて、動作状態を、昇温状態から定格運転状態および保温待機状態のいずれかに移行させる。たとえば、出力モードが高出力モードであり、蓄電情報が第1閾値を超えかつ外部負荷が第2閾値未満であれば、燃料電池システムの動作状態を昇温状態から保温待機状態に移行させ、定格運転状態よりも低出力になるように燃料電池を発電させる。一方、出力モードが通常出力モードであるか、蓄電情報が第1閾値以下であるか、または外部負荷が第2閾値以上であれば、燃料電池システムの動作状態を昇温状態から定格運転状態に移行させ、燃料電池を定常的に発電させる。保温待機状態では、燃料電池の発電によって発生した電力は、補機類およびヒータで消費され、二次電池は充電されない。したがって、二次電池が過充電されることはない。また、保温待機状態では、燃料電池の自己発熱は少ないが、ヒータで電力を消費することによって、ヒータは発熱し、その熱によって燃料電池を保温できる。したがって、必要なときに直ちに定格運転へ移行できる。
【0019】
請求項5に記載の燃料電池システムでは、出力モードと蓄電情報と外部負荷とに基づいて、動作状態を定格運転状態と保温待機状態との間で切り替える。たとえば、蓄電情報が第3閾値(<第1閾値)以下であるか、または外部負荷が第2閾値以上であれば、燃料電池システムの動作状態を保温待機状態から定格運転状態に移行させ、燃料電池を定常的に発電させる。一方、蓄電情報が第1閾値を超え、外部負荷が第2閾値未満でありかつ出力モードが高出力モードであれば、燃料電池システムの動作状態を定格運転状態から保温待機状態に移行させ、定格運転状態よりも低出力になるように燃料電池を発電させる。このように、保温待機状態において、二次電池の蓄電量が減少したときや、外部負荷が大きくなったときには、定格運転状態に移行することによって、二次電池の蓄電量を大きくでき、外部負荷の増大に対応できる。また、定格運転状態において、二次電池の蓄電量が十分大きくなり、外部負荷が小さくなりかつ出力モードが高出力モードになれば、保温待機状態に移行することによって、外部負荷の減少に対応すべく、燃料電池の出力を小さくして燃料の浪費を防止できるので、燃費を向上できる。
【0020】
請求項6に記載の燃料電池システムでは、出力モードと蓄電情報とに基づいて、動作状態を保温待機状態から停止状態へ移行させる。たとえば、蓄電情報が第1閾値を超え、かつ出力モードが通常出力モードであるかまたは高出力モードから通常出力モードに切り替われば、燃料電池システムの動作状態を保温待機状態から停止状態に移行させ、燃料電池の発電を停止させる。このように、保温待機状態において、二次電池の蓄電量が十分大きくなりかつ出力モードが通常出力モードであれば、停止状態に移行することによって、燃料電池の発電を停止させて燃料の浪費を防止でき、燃費を向上できる。
【0021】
請求項7に記載の燃料電池システムでは、出力モードと蓄電情報とに基づいて、動作状態を定格運転状態から停止状態へ移行させる。たとえば、蓄電情報が第1閾値を超え、かつ出力モードが通常出力モードであるかまたは高出力モードから通常出力モードに切り替われば、燃料電池システムの動作状態を定格運転状態から停止状態に移行させ、燃料電池の発電を停止させる。このように、定格運転状態において、二次電池の蓄電量が十分大きくなりかつ出力モードが通常出力モードであれば、停止状態に移行することによって、燃料電池の発電を停止させて燃料の浪費を防止でき、燃費を向上できる。
【0022】
請求項8に記載の燃料電池システムでは、ヒータを水溶液収容部に収容することによって、水溶液収容部内の燃料水溶液を加温することができる。その燃料水溶液は燃料電池に供給されるので、燃料電池を加温できる。
【0023】
請求項9に記載の燃料電池システムでは、ヒータを燃料電池に設けることによって、燃料電池を直接加温することができる。
【0024】
なお、高出力モードにおいて出力される電力は、通常出力モードにおいて出力される電力より大きく設定される。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、二次電池の過充電を回避し、二次電池の寿命を長くできる、燃料電池システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の一実施形態の燃料電池システムの配管を示すシステム図である。
【図2】この発明の一実施形態の燃料電池システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施形態の燃料電池システムの動作を示す状態遷移図である。
【図4】燃料電池システムの昇温状態から保温待機状態に移行する挙動の一例を示すグラフである。
【図5】燃料電池システムの昇温状態から定格運転状態に移行する挙動の他の例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
図1を参照して、この発明の一実施形態の燃料電池システム10は、メタノール(メタノール水溶液)を改質せずにダイレクトに電気エネルギの生成(発電)に利用する直接メタノール型燃料電池システムである。
【0028】
燃料電池システム10は、燃料電池セルスタック(以下、単にセルスタックという)12を含む。セルスタック12は、それぞれメタノールに基づく水素イオンと酸素(酸化剤)との電気化学反応によって発電できる複数の燃料電池(燃料電池セル)14を含む。これらの燃料電池14は積層(スタック)されかつ直列接続されている。各燃料電池14は、固体高分子膜からなる電解質膜16と、電解質膜16を挟んで互いに対向するアノード(燃料極)18およびカソード(空気極)20とを含む。アノード18およびカソード20はそれぞれ、電解質膜16側に白金触媒層(図示せず)を有する。隣り合う燃料電池14間にはセパレータ22が挟まれている。
【0029】
また、燃料電池システム10は、燃料タンク24を含む。燃料タンク24は、セルスタック12の電気化学反応の燃料となる高濃度(好ましくは、メタノールを約50wt%含む)のメタノール燃料(高濃度メタノール水溶液)を収容している。
【0030】
燃料タンク24は、パイプP1を介して水溶液タンク26に接続されている。水溶液タンク26は、燃料タンク24からのメタノール燃料をセルスタック12の電気化学反応に適した濃度(好ましくは、メタノールを約3wt%含む)に希釈したメタノール水溶液を収容している。水溶液タンク26にはレベルセンサ28が装着されている。レベルセンサ28は、たとえばフロートセンサであり、水溶液タンク26内の液面の高さ(液位)を検出する。また、水溶液タンク26には、ヒータ30が収容されている。ヒータ30によって、水溶液タンク26内のメタノール水溶液が加温され、そのメタノール水溶液がセルスタック12に供給されることによってセルスタック12が加温される。水溶液タンク26には排気管E1が設けられている。水溶液タンク26内の気体は排気管E1を通って外部に排出される。パイプP1には燃料ポンプ32が介挿されている。燃料ポンプ32を駆動することによって、燃料タンク24から水溶液タンク26へメタノール燃料が供給される。
【0031】
水溶液タンク26は、パイプP2を介してセルスタック12のアノード入口I1に接続されている。パイプP2には、上流側から順に濃度センサ34および水溶液ポンプ36が介挿されている。濃度センサ34としては、たとえば超音波センサが用いられる。超音波センサは、メタノール水溶液の濃度(メタノール水溶液におけるメタノールの割合)に応じて変化する超音波の伝播時間(伝播速度)を電圧値として検出する。CPU52(後述)は、その電圧値に基づいてメタノール水溶液の濃度を検出する。水溶液ポンプ36を駆動することによって、水溶液タンク26からセルスタック12へメタノール水溶液が供給される。
【0032】
セルスタック12のアノード出口I2には、パイプP3を介してラジエータ38が接続されている。パイプP3におけるアノード出口I2付近には、温度センサ40が設けられている。温度センサ40は、メタノール水溶液の温度を検出し、それをセルスタック12ひいては燃料電池14の温度とみなす。ラジエータ38は、パイプP4を介して水溶液タンク26に接続されている。
【0033】
上述したパイプP1は燃料の流路となる。パイプP2〜P4は主としてメタノール水溶液の流路となる。
【0034】
セルスタック12のカソード入口I3には、パイプP5が接続されており、パイプP5には、エアポンプ42が介挿されている。エアポンプ42を駆動させることによって、外部からセルスタック12に酸素(酸化剤)を含む気体としての空気が供給される。
【0035】
セルスタック12のカソード出口I4には、パイプP6を介して気液分離器44が接続されている。気液分離器44は、パイプP7を介して水タンク46に接続されている。水タンク46は、水溶液タンク26に供給すべき水を収容している。水タンク46にはレベルセンサ48が装着されている。レベルセンサ48は、たとえばフロートセンサであり、水タンク46内の液面の高さ(液位)を検出する。
【0036】
水タンク46には排気管E2が設けられている。排気管E2は水タンク46の排気口に設けられ、セルスタック12からの排気を外部に排出する。
【0037】
上述したパイプP5〜P7は主として酸化剤の流路となる。
【0038】
水タンク46は、パイプP8を介して水溶液タンク26に接続されている。パイプP8には、水ポンプ50が介挿されている。水ポンプ50を駆動させることによって、水タンク46から水溶液タンク26へ水が供給される。
【0039】
上述したパイプP8は主として水の流路となる。
【0040】
ついで、図2を参照して、燃料電池システム10の電気的構成について説明する。
燃料電池システム10はCPU52を含む。
【0041】
CPU52は、必要な演算を行い燃料電池システム10の動作を制御する。CPU52には、クロック回路54からクロック信号が与えられる。CPU52には記憶部であるメモリ56が接続されている。メモリ56はたとえばEEPROMからなる。メモリ56には、燃料電池システム10の動作を制御するためのプログラムやデータおよび演算データ等が格納されている。
【0042】
CPU52には、モード切替スイッチ58からのモード切替信号、およびメインスイッチ60からの入力信号が与えられる。ユーザは、必要な電力に応じてモード切替スイッチ58を切り替え、モード切替信号をCPU52に与える。メインスイッチ60がオンされることによってCPU52に運転開始指示が与えられ、メインスイッチ60がオフされることによってCPU52に運転停止指示が与えられる。セルスタック12の発電動作中にメインスイッチ60がオフされた場合は、CPU52に運転停止指示および発電停止指示が与えられる。
【0043】
CPU52には、濃度センサ34、温度センサ40、レベルセンサ28および48からの検出信号が入力される。
【0044】
CPU52によって、ユーザに各種情報を報知するための表示部62が制御される。
【0045】
また、CPU52は、モード切替スイッチ58からのモード切替信号等に基づいて、出力制御回路64からの出力を制御する。たとえば、CPU52は、モード切替信号に基づいて、出力モードが通常出力モードか高出力モードかになるように出力制御回路64からの出力を制御する。
【0046】
出力制御回路64には、セルスタック12、二次電池66、外部負荷68および補機用電源70が接続されている。言い換えれば、セルスタック12と二次電池66とは出力制御回路64を介して電気的に接続され、外部負荷68はセルスタック12および二次電池66に、出力制御回路64を介して電気的に接続され、補機用電源70はセルスタック12および二次電池66に、出力制御回路64を介して電気的に接続されている。
【0047】
出力制御回路64は、たとえばDC−DCコンバータを含み、出力制御回路64には、セルスタック12および二次電池66からの電力が与えられる。出力制御回路64は、出力モードに応じた電力を、外部負荷68および補機用電源70に出力する。たとえば、出力制御回路64は、出力モードが通常出力モードであれば、200〜700Wの範囲内で電力を出力し、出力モードが高出力モードであれば、500〜1000Wの範囲内で電力を出力する。
【0048】
出力制御回路64とセルスタック12との間にはスタック電流センサ72が設けられ、出力制御回路64と二次電池66との間には電池電流センサ74が設けられ、出力制御回路64と外部負荷68との間には負荷電流センサ76が設けられている。セルスタック12にはスタック電圧センサ78が並列接続され、二次電池66には電池電圧センサ80が並列接続され、外部負荷68には負荷電圧センサ82が並列接続さている。
【0049】
スタック電流センサ72によって検出されたセルスタック12の電流検出値、電池電流センサ74によって検出された二次電池66の電流検出値、負荷電流センサ76によって検出された外部負荷68の電流検出値、スタック電圧センサ78によって検出されたセルスタック12の電圧検出値、電池電圧センサ80によって検出された二次電池66の電圧検出値、および負荷電圧センサ82によって検出された外部負荷68の電圧検出値のそれぞれは、CPU52に与えられる。また、電池電流センサ74によって検出された二次電池66の電流検出値は、電流積算器84によって積算され、CPU52に与えられる。
【0050】
CPU52は、入力された二次電池66の電圧検出値および/または電流積算器84によって積算された値に基づいて二次電池66の蓄電量を検出し、その蓄電量と容量とに基づいて二次電池66の蓄電率を算出する。CPU52は、スタック電流センサ72からの電流検出値とスタック電圧センサ78からの電圧検出値とに基づいて、セルスタック12の出力を算出する。CPU52は、負荷電流センサ76からの電流検出値と負荷電圧センサ82からの電圧検出値とに基づいて、外部負荷68の負荷量を算出する。
【0051】
二次電池66は、セルスタック12の出力を補完するものであり、セルスタック12からの電力によって充電され、その放電によって外部負荷68、補機類90およびヒータ30に電力を供給する。二次電池66としては、たとえば鉛電池が用いられる。
【0052】
補助用電源70は、たとえばDC−DCコンバータを含む。補助用電源70には、燃料ポンプ32、水溶液ポンプ36、エアポンプ42、水ポンプ50、ラジエータファン86および気液分離器ファン88を含む補機類90と、ヒータ30とが接続されている。したがって、補機類90は、セルスタック12および二次電池66に、補機用電源70および出力制御回路64を介して電気的に接続されている。ヒータ30は、セルスタック12および二次電池66に、補機用電源70および出力制御回路64を介して電気的に接続されている。ラジエータファン86は、ラジエータ38の近傍に設けられ、ラジエータ38を冷却する。気液分離器ファン88は、気液分離器44の近傍に設けられ、気液分離器44を冷却する。
【0053】
CPU52によって補助用電源70が制御され、燃料電池システム10の動作状態が設定される。この実施形態では、CPU52から補助用電源70へは2ビットの制御信号が与えられ、燃料電池システム10の動作状態を「停止状態」、「昇温状態」、「保温待機状態」および「定格運転状態」に設定する場合には、それぞれ「00」、「01」、「10」および「11」の制御信号が与えられる。補助用電源70は、与えられた制御信号に応じた電力を、補機類90およびヒータ30へ与える。たとえば、補助用電源70は、制御信号が「00」のとき、補機類90およびヒータ30への電力はゼロとなり、制御信号が「01」のとき、補機類90およびヒータ30への電力は100W(補機類90へ50W、ヒータ30へ50W)となり、制御信号が「10」のとき、補機類90およびヒータ30への電力は100W(補機類90へ50W、ヒータ30へ50W)となり、制御信号が「11」のとき、補機類90およびヒータ30への電力は50W(補機類90へ50W、ヒータ30へ0W)となる。
【0054】
この実施形態では、ヒータ30が電力消費部に相当する。蓄電検出部は、CPU52と、電池電圧センサ80および/または電流積算器84とを含む。モード切替スイッチ58がモード設定部に相当する。CPU52が制御部に相当する。負荷検出部は、CPU42と負荷電流センサ76と負荷電圧センサ82とを含む。水溶液タンク26が水溶液収容部に相当する。
【0055】
ついで、図3を参照して、燃料電池システム10の動作状態の遷移について説明する。
まず、メインスイッチ60がオンされると、CPU52によって、燃料電池システム10が起動され、燃料電池システム10は、燃料電池14ひいてはセルスタック12の発電が停止している停止状態に入る。停止状態では、CPU52から補助用電源70へは「00」の制御信号が与えられる。
【0056】
停止状態では、CPU52は、セルスタック12および二次電池66の出力モードと二次電池66の蓄電率とに基づいて、燃料電池システム10の動作状態を昇温状態に移行するか否かを制御する。停止状態において、出力モードが通常出力モード(好ましくは最大480W)から高出力モード(好ましくは最大840W)に切り替えられたとき、または出力モードが通常出力モードでありかつ蓄電率が第1閾値(好ましくは90%)以下になれば、CPU52は、燃料電池システム10の動作状態を停止状態から昇温状態に移行させて、セルスタック12の発電を開始させる。このとき、CPU52から補機用電源70へは「01」の制御信号が与えられ、二次電池66からの電力が出力制御回路64および補機用電源70を介して補機類90およびヒータ30に供給される。それによって、燃料ポンプ32、水溶液ポンプ36、エアポンプ42、水ポンプ50、ラジエータファン86、気液分離器ファン88およびヒータ30が駆動され、セルスタック12が発電する。そして、温度センサ40によってセルスタック12の温度の検出が開始される。昇温状態では、セルスタック12は所定温度(好ましくは、60℃)に達するまで発電する。CPU52は、セルスタック12の温度に基づいてセルスタック12からの電力を取り出せるように、出力制御回路64を制御する。
【0057】
セルスタック12が所定温度に達すれば、CPU52は、出力モードと蓄電率と外部負荷とに基づいて、昇温状態から、定格運転状態(好ましくは530Wで発電)と保温待機状態(好ましくは100Wで発電)とのいずれかに燃料電池システム10の動作状態を移行させる。昇温状態において、出力モードが高出力モードであり、二次電池66の蓄電率が第1閾値を超えかつ外部負荷68が第2閾値(好ましくは500W)未満であれば、CPU52は、燃料電池システム10の動作状態を昇温状態から保温待機状態に移行させ、定格運転状態よりも低出力になるようにセルスタック12を発電させる。このとき、CPU52から補機用電源70へは「10」の制御信号が与えられる。一方、出力モードが通常出力モードであるか、二次電池66の蓄電率が第1閾値以下であるか、または外部負荷68が第2閾値以上であれば、CPU52は、燃料電池システム10の動作状態を昇温状態から定格運転状態に移行させ、セルスタック12を定常的に発電させる。このとき、CPU52から補機用電源70へは「11」の制御信号が与えられる。
【0058】
その後、CPU52は、出力モードと二次電池66の蓄電率と外部負荷68とに基づいて、定格運転状態と保温待機状態との間で動作状態を切り替える。二次電池66の蓄電率が第3閾値(<第1閾値、好ましくは50%)以下になれば、または外部負荷68が第2閾値以上であれば、CPU52は、燃料電池システム10の動作状態を保温待機状態から定格運転状態に移行させ、セルスタック12を定常的に発電させる。このとき、CPU52から補機用電源70への制御信号は、「10」から「11」に変更される。一方、二次電池66の蓄電率が第1閾値を超え、外部負荷68が第2閾値未満でありかつ出力モードが高出力モードであれば、CPU52は、燃料電池システム10の動作状態を定格運転状態から保温待機状態に移行させ、定格運転状態よりも低出力になるようにセルスタック12を発電させる。このとき、CPU52から補機用電源70への制御信号は、「11」から「10」に変更される。
【0059】
そして、出力モードと二次電池66の蓄電率とに基づいて、CPU52は、動作状態を保温待機状態から停止状態に移行させる。二次電池66の蓄電率が第1閾値を超え、かつ出力モードが通常出力モードであるかまたは高出力モードから通常出力モードに切り替われば、CPU52は、燃料電池システム10の動作状態を保温待機状態から停止状態に移行させ、セルスタック12の発電を停止させる。このとき、CPU52から補機用電源70への制御信号は、「10」から「00」に変更される。
【0060】
また、出力モードと二次電池66の蓄電率とに基づいて、CPU52は、動作状態を定格運転状態から停止状態に移行させる。二次電池66の蓄電率が第1閾値を超え、かつ出力モードが通常出力モードであるかまたは高出力モードから通常出力モードに切り替われば、CPU52は、燃料電池システム10の動作状態を定格運転状態から停止状態に移行させ、セルスタック12の発電を停止させる。このとき、CPU52から補機用電源70への制御信号は、「11」から「00」に変更される。
【0061】
燃料電池システム10によれば、二次電池66が満充電されている状態で、昇温状態においてセルスタック12の発電によって発生した電力は、補機類90およびヒータ30で消費される。言い換えれば、セルスタック12で発生した電力は、補機類90およびヒータ30で積極的に消費され、二次電池66は充電されない。したがって、昇温状態に入りセルスタック12が発電しても、二次電池66は過充電されることはなく、二次電池66の寿命を長くできる。その結果、燃料電池システム10に小容量の二次電池66を用いることができる。また、二次電池66が満充電されている状態でセルスタック12を円滑に発電できるので、二次電池66の負担を減ずることができる。特に、二次電池66として鉛電池を用いる場合に二次電池66の劣化を抑制できる。
【0062】
ヒータ30は、セルスタック12からの電力のうち補機類90によって消費される電力以外の電力、すなわち余剰電力を消費する。したがって、二次電池66の過充電を防止できる。
【0063】
セルスタック12の発電によって発生した電力は、ヒータ30によって消費され、ヒータ30の発熱によってセルスタック12が加温される。したがって、昇温状態において、セルスタック12の昇温を早めることができる。
【0064】
保温待機状態では、セルスタック12の発電によって発生した電力は、補機類90およびヒータ30で消費され、二次電池66は充電されない。したがって、二次電池66が過充電されることはない。また、ヒータ30で電力を消費することによって、ヒータ30は発熱し、その熱によってセルスタック12を保温できる。したがって、たとえば大電力を要する外部負荷68が接続されたときなど、必要なときに直ちに定格運転への移行が可能となり、二次電池66の過放電や過負荷を防ぐことができる。これによって、セルスタック12が発電していない状態から定格運転へ移行する場合と比較して、大電力を要する外部負荷68への対応が円滑となる。
【0065】
保温待機状態において、二次電池66の蓄電率が減少したときや、外部負荷68が大きくなったときには、直ちに定格運転状態に移行することによって、二次電池66の蓄電率を大きくでき、外部負荷68の増大に対応できる。また、定格運転状態において、二次電池66の蓄電率が十分大きくなり、外部負荷68が小さくなりかつ出力モードが高出力モードになれば、保温待機状態に移行することによって、外部負荷68の減少に対応すべく、セルスタック12の出力を小さくして燃料の浪費を防止できるので、燃費を向上できる。
【0066】
保温待機状態において、二次電池66の蓄電率が十分大きくなりかつ出力モードが通常出力モードであれば、停止状態に移行する。また、定格運転状態において、二次電池66の蓄電率が十分大きくなりかつ出力モードが通常出力モードであれば、停止状態に移行する。停止状態では、セルスタック12の発電は行われない。このように停止状態に設定することによって、セルスタック12の発電を停止させて燃料の浪費を防止でき、燃費を向上でき、高効率で運転できる。
【0067】
ヒータ30を水溶液タンク26に収容することによって、水溶液タンク26内のメタノール水溶液を加温することができ、そのメタノール水溶液がセルスタック12に供給されることによってセルスタック12を加温できる。保温待機状態では、セルスタック12の自己発熱が少ないため、当該自己発熱によってセルスタック12を十分に加温できないが、ヒータ30によってセルスタック12を加温できる。
【0068】
ヒータ30の消費電力分もセルスタック12で発電するので、ヒータ30を用いない燃料電池システムと比較して、セルスタック12は高負荷運転となり、セルスタック12の耐久性への悪影響が少なくなる。
【0069】
燃料電池システム10は、セルスタック12および二次電池66の出力モードとして、高出力が得られる高出力モードと、高効率かつセルスタック12が高耐久となる通常出力モードとを有し、必要に応じて出力モードを切り替えることができる。したがって、相反する特性である高出力と高効率・高耐久とを兼備した燃料電池システム10が得られる。
【0070】
ついで、図4を参照して、燃料電池システム10において昇温状態から保温待機状態に移行する挙動例について説明する。
図4において、時点Aは、停止状態から昇温状態に移行した時点である。時点Aでは、出力モードは高出力モードであり、二次電池66の蓄電率は100%であり、セルスタック12の発電によって発生する電力はゼロである。
【0071】
なお、セルスタック12の発電によって発生する電力(以下、「スタック電力」という)から、補機類90およびヒータ30で消費される電力を減じた値が、燃料電池システム10からの電力(以下、「システム電力」という)となる。スタック電力が所謂「グロス」、システム電力が所謂「ネット」に相当する。
【0072】
その後、スタック電力は増加していき、時点Bで、スタック電力と、補機類90およびヒータ30で消費される電力とが等しくなる。この時点でシステム電力がゼロに達する。その後時点Cまでは、スタック電力は、補機類90およびヒータ30で消費される電力より多くなり、システム電力がゼロより大きくなる。言い換えれば、時点AからBまでは、二次電池66からの電力が、補機類90およびヒータ30で消費され、二次電池66の蓄電率は減少し続ける。その後、スタック電力が補機類90、ヒータ30および外部負荷68での消費電力を上回ると、二次電池66の蓄電率は増加し、時点Cで100%に戻る。
【0073】
時点Cは、セルスタック12の温度が所定温度(好ましくは60℃)に達した時点に相当する。この例では、時点Cにおいて、二次電池66の蓄電率が第1閾値(好ましくは90%)を超え、外部負荷68が第2閾値(好ましくは500W)未満であり、かつ出力モードが高出力モードであるので、燃料電池システム10の動作状態は、保温待機状態に移行する。
【0074】
図4に示す例によれば、昇温状態におけるセルスタック12の発電開始初期には、セルスタック12の発生電力を小さくして、補機類90およびヒータ30による燃料電池システム10の電力自己消費が、スタック電力を上回るようにし、二次電池66からの電力を消費させる。その後、徐々に増加するスタック電力を、燃料電池システム10の電力自己消費で相殺させる。これによって、二次電池66の過充電を防ぐ。
【0075】
また、保温待機状態におけるスタック電力は、定格運転状態におけるスタック電力よりも小さく、補機類90およびヒータ30で消費される電力と略等しくなるよう設定されている。したがって、保温待機状態では、スタック電力は、補機類90およびヒータ30で消費され、二次電池66は充電されない。したがって、二次電池66が過充電されることはない。
【0076】
つぎに、図5を参照して、燃料電池システム10において昇温状態から定格運転状態に移行する挙動例について説明する。
図5において、時点Aは、停止状態から昇温状態に移行した時点である。時点Aでは、二次電池66の蓄電率は100%であり、スタック電力はゼロである。
【0077】
その後、スタック電力は増加していき、時点Bで、スタック電力と、補機類90およびヒータ30で消費される電力とが等しくなる。この時点でシステム電力がゼロに達する。その後時点Cまでは、スタック電力は、補機類90およびヒータ30で消費される電力より多くなり、システム電力がゼロより大きくなる。言い換えれば、時点AからBまでは、二次電池66からの電力が、補機類90およびヒータ30で消費され、二次電池66の蓄電率は減少し続ける。その後、スタック電力が補機類90、ヒータ30および外部負荷68での消費電力を上回ると、二次電池66の蓄電率は増加し、時点Cで100%に戻る。
【0078】
時点Cは、セルスタック12の温度が所定温度(好ましくは60℃)に達した時点に相当する。この例では、時点Cにおいて、外部負荷68が第2閾値(好ましくは500W)以上であるので、燃料電池システム10の動作状態は、定格運転状態に移行する。
【0079】
図5に示す例によれば、定格運転状態における外部負荷68は大きいので、図4に示す例と比較して、二次電池66の蓄電率は大きく減少する。この例においても、二次電池66の過充電を防ぐことができる。
【0080】
なお、燃料電池システム10における昇温状態の他の挙動例として、セルスタック12の発電を開始してからセルスタック12の温度が所定温度に達するまで、所定時間間隔で酸化剤欠乏処理を行うようにしてもよい。酸化剤欠乏処理とは、一時的にセルスタック12のカソード20への酸化剤の供給を停止するあるいは一時的にカソード20への酸化剤の供給量を減少させることによってカソード20を酸化剤欠乏状態にする処理をいう。この例によれば、昇温状態では、スタック電力およびシステム電力のそれぞれの波形が、鋸歯状をしつつ漸次大きくなるように形成される。
【0081】
また、燃料電池システム10における昇温状態のその他の挙動例として、セルスタック12の発電を開始してからセルスタック12の温度が所定温度に達するまで、スタック電力およびシステム電力のそれぞれの波形が、階段状をしつつ漸次大きくなるように形成されてもよい。
【0082】
上述の実施形態では、蓄電情報として、二次電池66の蓄電率が用いられたが、これに限定されない。蓄電情報は、二次電池66の蓄電量であってもよい。
【0083】
温度センサ40は、アノード入口I1付近に設けられてもよく、また、燃料電池14自体の温度を直接検出するように設けられてもよい。
【0084】
ヒータ30は燃料電池14に設けられてもよい。この場合、燃料電池14を直接加温することができる。
【0085】
電力消費部は、ヒータ30に限定されず、ランプ等の電力を消費可能な任意の電気部品であってもよい。
【0086】
上述の実施形態では、燃料としてメタノールを、燃料水溶液としてメタノール水溶液を用いたが、これに限定されず、燃料としてエタノール等のアルコール系燃料、燃料水溶液としてエタノール水溶液等のアルコール系水溶液を用いてもよい。
【0087】
この発明の燃料電池システムは、自動二輪車、自動車および船舶等の任意の輸送機器に好適に用いることができる。
【0088】
この発明は、改質器搭載タイプの燃料電池システムや水素を燃料電池に供給するタイプの燃料電池システムにも適用できる。また、この発明は、据え付けタイプの燃料電池システムにも適用でき、さらに、パーソナルコンピュータ、携帯機器等の電子機器に搭載される可搬型の燃料電池システムにも適用できる。
【符号の説明】
【0089】
10 燃料電池システム
12 燃料電池セルスタック
14 燃料電池
26 水溶液タンク
30 ヒータ
32 燃料ポンプ
36 水溶液ポンプ
40 温度センサ
42 エアポンプ
50 水ポンプ
52 CPU
56 メモリ
58 モード切替スイッチ
66 二次電池
68 外部負荷
74 電池電流センサ
76 負荷電流センサ
80 電池電圧センサ
82 負荷電圧センサ
86 ラジエータファン
88 気液分離器ファン
90 補機類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
前記燃料電池に電気的に接続される二次電池と、
前記燃料電池を発電させるために前記燃料電池および前記二次電池に電気的に接続される補機類と、
前記燃料電池および前記二次電池のうち少なくとも前記燃料電池からの電力を消費するために前記燃料電池および前記二次電池に電気的に接続されかつ前記補機類以外の電力消費部と、
前記二次電池の蓄電量に関する蓄電情報を検出する蓄電検出部と、
前記燃料電池および前記二次電池からの電力に関する出力モードを通常出力モードか高出力モードかに設定するためのモード設定部と、
当該燃料電池システムの動作状態を制御するための制御部とを備え、
当該燃料電池システムの動作状態は、前記燃料電池の発電が停止している停止状態と、前記燃料電池を発電させて前記燃料電池を昇温させる昇温状態とを含み、
前記制御部は、前記出力モードと前記蓄電情報とに基づいて、前記動作状態を前記停止状態および前記昇温状態のいずれかに制御する、燃料電池システム。
【請求項2】
前記電力消費部は、前記燃料電池からの電力のうち前記補機類によって消費される電力以外の電力を消費する、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記電力消費部は、前記燃料電池を加温するためのヒータを含む、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記燃料電池および前記二次電池に電気的に接続される外部負荷の負荷量を検出するための負荷検出部をさらに含み、
当該燃料電池システムの動作状態は、前記燃料電池を定常的に発電させる定格運転状態と、前記定格運転状態よりも低出力になるように前記燃料電池を発電させかつ前記ヒータの発熱によって前記燃料電池を保温する保温待機状態とをさらに含み、
前記制御部は、前記出力モードと前記蓄電情報と前記外部負荷とに基づいて、前記動作状態を、前記昇温状態から前記定格運転状態および前記保温待機状態のいずれかに移行させる、請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記出力モードと前記蓄電情報と前記外部負荷とに基づいて、前記動作状態を前記定格運転状態と前記保温待機状態との間で切り替える、請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記出力モードと前記蓄電情報とに基づいて、前記動作状態を前記保温待機状態から前記停止状態へ移行させる、請求項5に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記出力モードと前記蓄電情報とに基づいて、前記動作状態を前記定格運転状態から前記停止状態へ移行させる、請求項6に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記燃料電池へ供給すべき燃料水溶液および前記ヒータが収容される水溶液収容部をさらに含む、請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記ヒータは前記燃料電池に設けられている、請求項3に記載の燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−45581(P2013−45581A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181903(P2011−181903)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】