説明

燃料電池搭載車両

【課題】ハイブリット車の電気系統の構成を流用可能であり、高電圧のハーネスの本数の増加を抑えることができる電池搭載車両を提供する。
【解決手段】燃料電池搭載車両1は、燃料電池11と、畜電池17と、燃料電池11と畜電池17に電気的に接続され、車両1内の電力を制御する電力制御装置10と、畜電池17と電力制御装置10との間の電気流路に設けられ、畜電池17の電力を分岐する電力分岐装置16と、電力分岐装置16と電気的に接続され、電力分岐装置16によって分岐された電力が供給され、燃料電池11の発電のために作動する発電用補機類15と、を有している。電力分岐装置16と電力制御装置10は、ハーネスを介さず直接的に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学反応により発電する燃料電池を搭載した燃料電池搭載車両に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池搭載車両は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池を動力源として用いている。燃料電池搭載車両は、石油燃料を用いない車両として実用化が進められている。
【0003】
その一方で、電気と石油燃料を併用するハイブリット車は既に実用化されている。このハイブリット車に対し、燃料電池搭載車両は、石油燃料を全く用いない点で有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−127747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、燃料電池搭載車両の実用化を進めるにあたり、生産性を上げ生産コストを抑えるため、ハイブリット車の電気系統の構成を燃料電池搭載車両に流用することを考えている。
【0006】
しかしながら、燃料電池搭載車両には、燃料電池の他、燃料電池の発電の際に作動する例えば水素ポンプ、冷却水ポンプ、電気ヒータ等の発電用補機を搭載する必要がある。よって、ハイブリット車の電気系統の構成を燃料電池搭載車両に流用するためには、それらの発電用補機を、車両の電力制御装置(Power control unit)に新たに電気的に接続する必要がある。電力制御装置は、車両の電源となるバッテリなどの電力を制御するものである。
【0007】
かかる場合に、ハーネスにより発電用補機を電力制御装置に接続すると、高電圧のハーネスが多数本必要になり、例えば衝突時の安全性を確保するため、各ハーネスにプロテクターを設けたり、車両内に各ハーネス用の隙間を設ける必要がある。これは、車両の重量の増加やコストの増加を招くことになる。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ハイブリット車の電気系統の構成を流用可能であり、高電圧のハーネスの本数の増加を抑えることができる電池搭載車両を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明は、電気化学反応により発電する燃料電池を搭載した燃料電池搭載車両であって、畜電池と、少なくとも前記燃料電池と前記畜電池に電気的に接続され、車両内の電力を制御する電力制御装置と、前記畜電池と前記電力制御装置との間の電気流路に設けられ、前記畜電池の電力を分岐する電力分岐装置と、前記電力分岐装置と電気的に接続され、前記電力分岐装置によって分岐された電力が供給され、前記燃料電池の発電のために作動する複数の発電用補機と、を有する、燃料電池搭載車両である。
【0010】
本発明によれば、前記畜電池と前記電力制御装置との間の電気流路に電力分岐装置が設けられ、当該電力分岐装置によって分岐された電力が、燃料電池の複数の発電用補機に供給されるので、畜電池と電力制御装置が電気的に接続されているハイブリット車の電気系統の構成を流用できる。また、電力分岐装置から各補機に分割された電力を供給できるので、高電圧のハーネスの数の増加を抑えることができる。また、補機の電力源として畜電池を用いることにより、補機に適した電圧の電力を各補機に好適に供給できる。
【0011】
上記燃料電池搭載車両における前記電力分岐装置と前記電力制御装置は、ハーネスを介さず直接的に連結されていてもよい。
【0012】
前記電力分岐装置と前記電力制御装置は、互いに直接連結し固定するための連結部を備え、前記連結部は、前記電力制御装置の後面側に設けられていてもよい。
【0013】
前記電力分岐装置と前記電力制御装置を固定するための複数の固定部を有し、前記複数の固定部は、前記連結部に近い固定部よりも前記連結部に遠い固定部の強度が弱くなるように設計されていてもよい。
【0014】
前記電力分岐装置は、平面から見てL字状に形成され、前記電力制御装置の一の側面と後面に沿って形成されていてもよい。
【0015】
前記電力分岐装置の前面が前記電力制御装置の前面よりも後方に位置していてもよい。
【0016】
前記電力分岐装置と前記畜電池は、ハーネスによって電気的に接続され、前記ハーネスは、前記電力分岐装置の上面に接続されていてもよい。
【0017】
前記電力分岐装置のケースの上面には、傾斜部が形成され、前記傾斜部には、前記ハーネスの端子を嵌め込み固定するための嵌め込み穴が形成され、前記ケースの前記傾斜部の高い側に位置する側面には、前記ケース内で前記ハーネスの端子と前記電力分岐装置側の接続端子とを固定するための工具を挿入するための挿入口が形成されていてもよい。
【0018】
前記複数の発電用補機には、電気ヒータが含まれ、前記電気ヒータは、前記電力分岐装置よりも低い位置に設けられていてもよい。
【0019】
前記電力分岐装置と前記電力制御装置は、車両の左右方向に並列され、前記電気ヒータは、前記電力分岐装置の後方側に配置され、前記電力分岐装置から前記電気ヒータに通じるハーネスは、前記電力分岐装置の前記電力制御装置と反対側の側面から出力されていてもよい。
【0020】
以上の燃料電池搭載車両は、前記電力分岐装置と前記発電用補機とを互いに固定する固定部材をさらに有していてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ハイブリット車の電気系統の構成を流用可能であり、高電圧のハーネスの本数の増加を抑えることができるので、車両の生産性を向上しつつ、コストを大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】燃料電池搭載車両の電気系統の構成の概略を示す模式図である。
【図2】車両内における装置の配置例を示す模式図である。
【図3】車両内の下段における装置の配置例を示す模式図である。
【図4】電力分岐装置の構成の概略を示す斜視図である。
【図5】電力分岐装置のケースの上面部の構成を示す断面図である。
【図6】電力分岐装置と電気ヒータとの高さ方向の位置関係を示す説明図である。
【図7】リブと切り欠きのある固定部を有する電力分岐装置の構成の概略を示す斜視図である。
【図8】電力制御装置と補機とを固定部材で接続する例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる燃料電池搭載車両1の電気系統の構成を模式的に示す図である。
【0024】
燃料電池搭載車両1は、例えば電力制御装置(PCU)10に対し、燃料電池(FC)11、前輪を駆動する駆動用モータ12、燃料電池11の発電の際に燃料電池11に酸素を供給するためのエアコンプレッサ13、車室内を空調するエアコン14、燃料電池11の発電の際に作動する複数の発電用補機(発電用補機類)15、電力分岐装置16、及び畜電池17が電気的に接続された構成を有している。
【0025】
電力制御装置10は、車両1内の電力を制御するものであり、燃料電池11で発電された電力や畜電池17の電力を駆動用モータ12などの電力が必要な装置に供給したり、燃料電池11で発電された電力を畜電池17に蓄電する。
【0026】
畜電池17は、電力分岐装置16を介して電力制御装置10に接続されている。電力分岐装置16には、発電用補機類15が電気的に接続されている。例えば電力分岐装置16には、燃料電池11を温めるための電気ヒータ20、燃料電池用ポンプ、例えば燃料電池11を冷却するための冷却水ポンプ21のインバータ22、燃料電池11に燃料ガスとしての水素ガスを供給するための水素ポンプ23のインバータ24がそれぞれ電気的に接続されている。したがって、畜電池17の電力は、電力分岐装置16を介して各補機に供給される。
【0027】
図2及び図3は、燃料電池搭載車両1における電気系統の搭載例を示す。電力制御装置10は、例えば方形状に形成され、車両1の前部の中央に設けられている。図2に示すように電力制御装置10の一の側面(図2の右側側面)には、電力分岐装置16が配置されている。電気ヒータ20、畜電池17及び燃料電池11は、電力制御装置10の後方側(図2のX方向は前方を示す。)に配置されている。インバータ22、24は、電力分岐装置16の右側に配置されている。駆動用モータ12、エアコンプレッサ13、エアコン14、冷却水ポンプ21及び水素ポンプ23は、電力制御装置10よりも下の階層に設けられ、図3に示すように例えば駆動用モータ12は、電力制御装置10の左側、残りのエアコンプレッサ13、エアコン14、冷却水ポンプ21及び水素ポンプ23は、電力制御装置10の右側に配置されている。
【0028】
図2に示すように電力分岐装置16は、ハーネスを介さず直接的に電力制御装置10に接続されている。具体的には、電力分岐装置16は、図2及び図4に示すように平面から見てL字状に形成され、電力制御装置10の一の側面(右側側面)と後面に沿って形成されている。電力制御装置10の後面側には、電力分岐装置16と電力制御装置10を互いに直接連結し固定するための連結部30が設けられている。連結部30は、例えば電力制御装置10側の差し込み孔(図示せず)と、電力分岐装置16側の差し込み端子30aにより構成されている。よって、電力制御装置10の差し込み孔に電力分岐装置16の差し込み端子30aを差し込むことによって、電力制御装置10と電力分岐装置16が互いに固定され通電可能となる。
【0029】
電力分岐装置16には、図4に示すように電力分岐装置16と電力制御装置10を締結するための複数、例えば3つの固定部35、36、37が設けられている。固定部35〜37は、例えば貫通孔のある板状部材により構成されており、固定部材35〜37の貫通孔と、電力制御装置10の孔にボルトを通して電力分岐装置16と電力制御装置10を締結できる。
【0030】
また、電力分岐装置16は、図2に示すように電力分岐装置16の前面が電力制御装置10の前面よりも後方に位置するように固定される。
【0031】
電力分岐装置16の長辺部(電力制御装置10の右側側面に沿った部分)の上面には、畜電池17に通じるハーネス40が接続されている。図4及び図5に示すように電力分岐装置16のケースの上面には、傾斜部としての傾斜面50が形成されており、傾斜面50には、ハーネス40の端子40aを嵌め込み固定するための嵌め込み穴51が形成されている。電力分岐装置16のケースの傾斜面50の高い側にある側面(前面)には、ケース内でハーネス40の端子40aと電力分岐装置16側のハーネス60の接続端子60aとを固定するための工具Aを挿入する挿入口52が形成されている。挿入口52には、通常蓋53が設けられており、蓋53を開くことによって工具Aを挿入口52に挿入できる。
【0032】
ハーネス40の端子40aは、先端にリング状のO端子を有し、当該O端子にボルト61を通し、ハーネス60の接続端子60aをナット62でO端子に固定することにより、ハーネス40の端子40aとハーネス60の接続端子60aを電気的に接続できる。なお、ハーネス40の端子40aとハーネス60は、電力分岐装置16のケースに支持されている。
【0033】
電力分岐装置16の電力制御装置10と反対側(右側)には、図2に示すように接続端子54が設けられ、電気ヒータ20、インバータ22、24に通じる各ハーネス70、71、72が接続されている。
【0034】
電力制御装置10の後方面には、接続端子80、81、82、83が設けられ、各接続端子80〜83には、駆動用モータ12、燃料電池11、エアコン14、エアコンプレッサ13に通じる各ハーネス90、91、92、93がそれぞれ接続されている。これらの接続端子80〜83は、電力分岐装置16の連結部30の並びに設けられている。
【0035】
電気ヒータ20は、例えば電力制御装置10及び電力分岐装置16の後方側において、図6に示すように電力分岐装置16と高さが重ならないように電力分岐装置16よりも低い位置に設置され、仮に電力分岐装置16と電気ヒータ20が水平に移動しても衝突しないようになっている。
【0036】
本実施の形態によれば、畜電池17と電力制御装置10との間の電気流路に電力分岐装置16が設けられ、当該電力分岐装置16によって分岐された電力が、燃料電池11の発電用補機類15に供給されるので、畜電池と電力制御装置が電気的に接続されているハイブリット車の電気系統の構成を流用できる。また、電力分岐装置16を設け、その電力分岐装置16から各発電用補機に電力を供給できるので、高電圧のハーネスの数の増加を抑えることができる。また、発電用補機の電力源として畜電池17を用いることにより、補機に適した電圧の電力を各補機に好適に供給できる。
【0037】
また、本実施の形態では、電力分岐装置16と電力制御装置10は、ハーネスを介さず直接的に連結されているので、例えばハーネスを用いた場合のようにハーネスが外れたことを検出するインターロック等の機構が不要になりコストを低減できる。また、ハーネスを設けるスペースが不要であり、電気系統をコンパクト化できる。
【0038】
また、電力分岐装置16と電力制御装置10は、互いに直接連結し固定するための連結部30を備え、連結部30は、電力制御装置10の後面側に設けられているので、車両1の衝突時における連結部30の破損を抑制できる。また、高電圧の電流が流れる連結部30が破損しにくくなるので、安全性も向上する。
【0039】
さらに電力分岐装置16は、平面から見てL字状に形成され、電力制御装置10の一の側面と後面に沿って形成されているので、電力制御装置10と電力分岐装置16をコンパクトに一体化できる。
【0040】
また、電力分岐装置16の前面が電力制御装置10の前面よりも後方に位置しているので、車両1の衝突時に電力分岐装置16への直接入力が避けられ、電力分岐装置16が保護される。また、電力制御装置10には、一般的に衝突に対する補強が施されているため、結果的にその補強によって電力分岐装置16も保護することができる。よって、電力分岐装置16に新たに衝突対応の補強を施す必要がなく、車両1の軽量化、コストの低減を図ることができる。
【0041】
電力分岐装置16と畜電池17は、ハーネス40によって接続されており、ハーネス40は、電力分岐装置16の上面に接続されているので、車両1の衝突時における高電圧のハーネス40の接続部が保護される。また、電力分岐装置16の他の部分にハーネス40を接続する場合に比べて作業員のアクセスが容易になり、車両1の製造性、組み付け性を向上できる。
【0042】
電力分岐装置16のケースの上面には、傾斜面50が形成され、傾斜面50には、ハーネス40の端子40aを嵌め込み固定するための嵌め込み穴51が形成され、ケースの傾斜面50の高い側に位置する側面には、ケース内でハーネス40の端子40aと電力分岐装置16側のハーネス60の接続端子60aとを固定するための工具Aを挿入可能とする挿入口52が形成されている。このため、通常電力分岐装置16の前方にある部材、例えばラジサポアッパーなどと干渉することなく、工具Aを斜め上方から好適に挿入することができる。また、前方の部材に干渉せずに水平に工具が挿入可能になるまで、ハーネス40の端子40aとハーネス60の接続端子60aとの接続位置を上げる必要がないので、その分電力分岐装置16の高さを抑えることができる。この結果、歩行者保護や車両の低重心化を図ることができる。
【0043】
発電用補機類15には、電気ヒータ20が含まれ、電気ヒータ20は、電力分岐装置16よりも低い位置に設けられているので、車両1の衝突時に電気ヒータ20と電力分岐装置16が移動し衝突することを防止できる。また、電気ヒータ20が低い位置にあるので、ヒータ内にエアが溜まることが防止されヒータの動作が適正に行われる。
【0044】
電力分岐装置16と電力制御装置10は、車両1の左右方向に並列され、電気ヒータ20は、電力分岐装置16と電力制御装置10の後方側に配置され、電力分岐装置16から電気ヒータ20に通じるハーネス70は、電力分岐装置16の電力制御装置10と反対側の側面の接続端子54から出力されている。このため、車両1の衝突時にハーネス70の出力部の破損を防止できる。また、電力分岐装置16と電気ヒータ20との距離を確保できるので、ハーネス70を適正に接続できる。また、電気ヒータ20が電力分岐装置16の後方に配置されているので、衝突時の直接入力により電気ヒータ20が破損することを抑制できる。これにより、車両の安全性が向上する。
【0045】
以上の実施の形態における、電力分岐装置16と電力制御装置10を固定する固定部35〜37は、図7に示すように連結部30に近い固定部36、37よりも連結部30に遠い固定部35の強度が弱くなるように設計されていてもよい。例えば固定部36、37の板上にリブ100が形成され、固定部35の板に切り欠き101が形成されている。こうすることにより、車両1の衝突時に連結部30から遠い部分の固定部35が先に破断し、その周囲で例えば電力分岐装置16が変形して衝突エネルギを消費することによって、高電圧の電流が流れる連結部30を保護することができる。なお、連結部30に近い固定部と遠い固定部の強度を変える手段については適宜変更でき、例えば固定部の数を変えてもよいし、固定部の形状や材質を変えてもよい。
【0046】
以上の実施の形態において、図8に示すように電力分岐装置16と、その電力供給先の発電用補機類15の例えばインバータ22、24とが固定部材110により互いに固定されていてもよい。固定部材110は、例えば電力分岐装置16からインバータ22、24に亘って延伸し、電力分岐装置16とインバータ22、24のそれぞれに連結されている。こうすることにより、衝突時の電力分岐装置16と補機の相対的な変位が抑制され、それらの衝突を防止できる。なお、本実施の形態のように発電用補機類15の一部が電力分岐装置16と固定されていてもよいし、全部が固定されていてもよい。
【0047】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0048】
例えば上記実施の形態において電力制御装置は、畜電池及び燃料電池以外のエアコン、駆動用モータ、エアコンプレッサと電気的に接続されていたが、それに限られず、車両内の他の装置と電気的に接続されていてもよい。また、当該他の装置には、エアコンプレッサのように発電時に作動する発電用補機の一部が含まれていてもよい。また、上記実施の形態では、電力分岐装置に接続される発電用補機が、電気ヒータ、インバータを含む水素ポンプや冷却用ポンプであったが、発電用補機の種類や数も適宜変更できる。さらに、上記実施の形態では、電力制御装置と電力分岐装置が直接接続されていたが、ハーネスで接続されている場合も本発明は適用できる。
【符号の説明】
【0049】
1 車両
10 電力制御装置
11 燃料電池
12 駆動用モータ
15 発電用補機類
16 電力分岐装置
17 畜電池
20 電気ヒータ
22、24 インバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学反応により発電する燃料電池を搭載した燃料電池搭載車両であって、
畜電池と、
少なくとも前記燃料電池と前記畜電池に電気的に接続され、車両内の電力を制御する電力制御装置と、
前記畜電池と前記電力制御装置との間の電気流路に設けられ、前記畜電池の電力を分岐する電力分岐装置と、
前記電力分岐装置と電気的に接続され、前記電力分岐装置によって分岐された電力が供給され、前記燃料電池の発電のために作動する複数の発電用補機と、を有する、燃料電池搭載車両。
【請求項2】
前記電力分岐装置と前記電力制御装置は、ハーネスを介さず直接的に連結されている、請求項1に記載の燃料電池搭載車両。
【請求項3】
前記電力分岐装置と前記電力制御装置は、互いに直接連結し固定するための連結部を備え、
前記連結部は、前記電力制御装置の後面側に設けられている、請求項2に記載の燃料電池搭載車両。
【請求項4】
前記電力分岐装置と前記電力制御装置を固定するための複数の固定部を有し、
前記複数の固定部は、前記連結部に近い固定部よりも前記連結部に遠い固定部の強度が弱くなるように設計されている、請求項3に記載の燃料電池搭載車両。
【請求項5】
前記電力分岐装置は、平面から見てL字状に形成され、前記電力制御装置の一の側面と後面に沿って形成されている、請求項2〜4のいずれかに記載の燃料電池搭載車両。
【請求項6】
前記電力分岐装置の前面が前記電力制御装置の前面よりも後方に位置している、請求項5に記載の燃料電池搭載車両。
【請求項7】
前記電力分岐装置と前記畜電池は、ハーネスによって電気的に接続され、
前記ハーネスは、前記電力分岐装置の上面に接続されている、請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池搭載車両。
【請求項8】
前記電力分岐装置のケースの上面には、傾斜部が形成され、
前記傾斜部には、前記ハーネスの端子を嵌め込み固定するための嵌め込み穴が形成され、
前記ケースの前記傾斜部の高い側に位置する側面には、前記ケース内で前記ハーネスの端子と前記電力分岐装置側の接続端子とを固定するための工具を挿入するための挿入口が形成されている、請求項7に記載の燃料電池搭載車両。
【請求項9】
前記複数の発電用補機には、電気ヒータが含まれ、
前記電気ヒータは、前記電力分岐装置よりも低い位置に設けられている、請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池搭載車両。
【請求項10】
前記電力分岐装置と前記電力制御装置は、車両の左右方向に並列され、
前記電気ヒータは、前記電力分岐装置又は前記電力制御装置の後方側に配置され、
前記電力分岐装置から前記電気ヒータに通じるハーネスは、前記電力分岐装置の前記電力制御装置と反対側の側面から出力されている、請求項9に記載の燃料電池搭載車両。
【請求項11】
前記電力分岐装置と前記発電用補機を互いに固定する固定部材を有する、請求項1〜10のいずれかに記載の燃料電池搭載車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−17245(P2013−17245A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146104(P2011−146104)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】