説明

物体位置特定システム、物体位置特定方法、物体位置算出装置、及びコンピュータプログラム

【課題】複数の物体が混在する室内環境であっても、対象となる物体の位置を精度良く特定することができる物体位置特定システム、物体位置特定方法、物体位置算出装置、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】センサが移動状態である旨を検知した時刻情報及び識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグ、人間の存在する位置に関する位置情報を外部へ送信することが可能な人間位置特定手段、及び電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置を備える。物体位置算出装置は、人間の位置変化の加速度を算出し、算出した加速度の変化に応じて人間が移動している時間帯を推定する。センサが移動状態と検知した時間帯に人間が移動している時間帯が含まれる場合、移動状態と検知した時間帯の最終の時刻での人間の位置情報を、電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内に配置されている物体の位置を特定することが可能な物体位置特定システム、物体位置特定方法、物体位置算出装置、及びコンピュータプログラムに関する。特に、物体が箱等の筐体、袋等に収納されている場合であっても、精度良く物体の位置を特定することが可能な物体位置特定システム、物体位置特定方法、物体位置算出装置、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユビキタス技術に注目が集まり、資産の管理を主目的として、室内の物品にRFID(Radio Frequency Identification Tags)タグを装着し、物品の出入り、あるいは物品の位置を管理するシステムが多数開発されている。室内での物品の位置を適時把握することにより、盗難の防止、忘れ物の自動探索等のユビキタスサービスを実現することが可能となる。
【0003】
室内における物品の位置を特定するシステムとしては、超音波、赤外線、電波等を利用したシステムが多数開発され、市場への展開が図られている。例えば、古河機械金属株式会社は、3Dの超音波を用いた室内用の位置検出システムを販売している(非特許文献1参照)。非特許文献1では、空気中の伝播速度が電磁波(電波、赤外線)に比して極端に遅いという超音波の特性を生かし、マルチパスを排除する受信機を構成することにより、数センチ単位の位置精度で物品の位置を特定することができる。
【0004】
また、電波を利用したRFIDタグを用いた位置検出システムも開発されている(非特許文献2参照)。非特許文献2では、電池を内蔵し、電池寿命の長い、微弱電波を用いたRFIDタグを利用することにより、RFIDタグが装着されている物品がカバーに覆われたり、上下がひっくり返った場合であっても、位置検出を継続させることができる。
【0005】
また、非特許文献3で開示されているような、AT&T社が開発したACTIVE
BADGE(アクティブバッジ)を用いても同様のシステムを構成することができる。アクティブバッジは、赤外線通信によりIDコードを天井に取り付けられた受信機へ送信することができ、IDコードを受信した受信機の位置から、当該アクティブバッチのある位置を特定することができる。
【非特許文献1】古河機械金属株式会社WEBサイト、「ロケーションシステムZPS−3D」(http://www.furukawakk.jp/products/ZPS_1.html、平成19年1 月27日確認)
【非特許文献2】林等(HitoshiHAYASHI)、椿俊光(Toshimitsu TSUBUAKI)、小川智明(Tomoaki OGAWA)、清水雅史(Masashi SHIMIZU)、「アクティブ方式の長寿命RFIDタグを用いた資産追跡システム(AssetTracking System using Long−Life Active RFID Tags)」 (http://www.ntt.co.jp/tr/0312/files/ntr0412019.pdf、平成19年1月27日確認)
【非特許文献3】AT&T研究所(AT&TLABORATORIES)、アクティブバッジ(ACTIVE BADGE)(http://www.cl.cam.ac.uk/research/dtg/attarchive/thebadge.html、平成19年1月27日確認)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、非特許文献1では、超音波が指向性を有する(発信源から略100°の角度で円錐型に広がる)ことから、超音波を送信又は受信するデバイスは、限定した送信方向又は受信方向しか有し得ない。したがって、例えば超音波発信機を装着した物品が90°程度も傾いた場合、測定される物品の位置精度が大きく低下するという問題点があった。また、超音波発信機が箱に入れられた場合、袋、カバー等を被せられた場合等は、超音波による位置検出をすることができないという問題点があった。
【0007】
また、非特許文献2では、金属製のデスク、金庫、冷蔵庫等にRFIDタグを装着した物品を収納しない限り、通常の利用環境では、電波自体を受信することができる。とりわけ、400MHz程度の比較的低いUHF帯の電波を利用したRFIDタグを用いる場合には、スチールキャビネットのようなオフィス/家庭用のスチール製品内に収納した場合であっても、スチール表面に生じる渦電流による再放射によって、発信された電波を受信することができる。
【0008】
しかし、マルチパスの影響を受けやすく、電波の電界強度が必ずしもRFIDタグと電波を受信するリーダ/ライタとの距離に比例しないことから、検出した位置の精度が低くなりやすいという問題点があった。特に室内での物品の位置を検出する場合、位置検出誤差の平均値が約3mであることから、隣の部屋にあると誤認するおそれも高い。また、周囲に人がいると電界強度も変化することから、更に位置検出誤差が大きくなり、室内等の比較的狭い環境では実用に耐えないという問題点が残されている。
【0009】
さらに、非特許文献3のアクティブバッジを用いる場合、アクティブバッジと送受信機との間に遮蔽物がないことが前提となる。したがって、アクティブバッジを引き出しに入れたり、布製のカバーで覆ったり、小脇に抱えたり等することにより、通信が中断され、物品の位置を検出することができないという問題点があった。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、位置を特定する対象となる物体の周囲に障害物が存在しないといった理想化された環境ではなく、複数の物体が混在する室内環境であっても、対象となる物体の位置を精度良く特定することができる物体位置特定システム、物体位置特定方法、物体位置算出装置、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【0011】
また本発明は、物体が移動するのは室内の人間を介在するという前提の下、人間の一歩の踏み出しを検知することにより、対象となる物体の位置を精度良く特定することができる物体位置特定システム、物体位置特定方法、物体位置算出装置、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために第1発明に係る物体位置特定システムは、移動状態であるか否かを検知するセンサを含み、該センサが移動状態である旨を検知した時刻情報及び他の電子タグと識別する識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグと、人間の存在する位置を特定し、特定された人間の位置に関する位置情報を時刻情報と対応付けて外部へ送信することが可能な人間位置特定手段と、前記電子タグから移動状態である旨を検知した時刻情報及び識別情報を、前記人間位置特定手段から位置情報をそれぞれ受信し、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置とを有する物体位置特定システムであって、前記物体位置算出装置は、受信した位置情報に基づいて、人間の位置変化の加速度を算出する手段と、該手段で算出した加速度の変化に応じて人間が移動している時間帯を推定する推定手段と、移動状態である旨を検知している時間帯を含む前後所定の時間内に、前記推定手段で推定された人間が移動している時間帯が含まれるか否かを判断する判断手段と、該判断手段で含まれると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の時刻情報に対応する人間の位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する特定手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、第2発明に係る物体位置特定システムは、第1発明において、前記推定手段は、人間が移動している時間帯を、人間の位置変化の加速度が所定値より小さくなる時刻で挟まれた区間として推定するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
また、第3発明に係る物体位置特定システムは、第1又は第2発明において、前記センサは、振動を検知する振動センサであり、前記電子タグは、該振動センサが振動を検知している時刻情報を送信するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
また、第4発明に係る物体位置特定システムは、第3発明において、受信する時刻情報の受信間隔が所定値より短いか否かを判断する手段を備え、該手段で短いと判断した場合、前記移動状態である旨を検知している時間帯として時刻情報を記憶するようにしてあることを特徴とする。
【0016】
また、第5発明に係る物体位置特定システムは、第1又は第2発明において、前記センサは、移動加速度を検知する加速度センサであり、前記電子タグは、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
また、第6発明に係る物体位置特定システムは、第1乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記人間位置特定手段は、人間を含む画像を撮像する複数の撮像手段と、複数の該撮像手段で撮像された画像に基づいて、人間に相当する画像部分を特定する手段と、画像をステレオ処理して該画像部分の物理的位置を推定する手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
また、第7発明に係る物体位置特定システムは、第1乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記人間位置特定手段は、ミリ波を発信する複数の発信機と、複数の該発信機で発信されたミリ波の反射波を受信する手段と、反射波受信の時間差に基づいて人間の物理的位置を推定する手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
また、第8発明に係る物体位置特定システムは、移動状態であるか否かを検知する第1のセンサを含み、該第1のセンサが移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び他の電子タグと識別する第1の識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグと、装着した人間が移動状態であるか否かを検知する第2のセンサを含み、該第2のセンサが移動状態である旨を検知した第2の時刻情報、装着された人間を識別する第2の識別情報、及び人間の存在する位置に関する位置情報を外部へ送信することが可能な人間位置特定手段と、前記電子タグから移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び第1の識別情報を、前記人間位置特定手段から第2の時刻情報、第2の識別情報、及び位置情報をそれぞれ受信し、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置とを有する物体位置特定システムであって、前記物体位置算出装置は、移動状態である旨を検知している時間帯の第1の時刻情報が、一又は複数の第2の時刻情報に含まれているか否かを判断する判断手段と、該手段で含まれていると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の第2の時刻情報での位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する特定手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
また、第9発明に係る物体位置特定システムは、第8発明において、前記第1のセンサは、振動を検知する振動センサであり、前記電子タグは、該振動センサが振動を検知している時刻情報を送信するようにしてあることを特徴とする。
【0021】
また、第10発明に係る物体位置特定システムは、第9発明において、受信する第1の時刻情報の受信間隔が所定値より短いか否かを判断する手段を備え、該手段で短いと判断した場合、前記移動状態である旨を検知している時間帯として第1の時刻情報を記憶するようにしてあることを特徴とする。
【0022】
また、第11発明に係る物体位置特定システムは、第8発明において、前記第1のセンサは、移動加速度を検知する加速度センサであり、前記電子タグは、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信するようにしてあることを特徴とする。
【0023】
また、第12発明に係る物体位置特定システムは、第8乃至第11発明のいずれか1つにおいて、前記第2のセンサは、移動加速度を検知する加速度センサであり、前記電子タグは、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信するようにしてあり、前記物体位置算出装置は、前記第2のセンサで検知された移動加速度に基づいて、人間が移動状態である旨を検知している時間帯を特定するようにしてあることを特徴とする。
【0024】
次に、上記目的を達成するために第13発明に係る物体位置特定方法は、移動状態であるか否かを検知するセンサを含み、該センサが移動状態である旨を検知した時刻情報及び他の電子タグと識別する識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグと、人間の存在する位置を特定し、特定された人間の位置に関する位置情報を時刻情報と対応付けて外部へ送信することが可能な人間位置特定手段と、前記電子タグから移動状態である旨を検知した時刻情報及び識別情報を、前記人間位置特定手段から位置情報をそれぞれ受信し、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置とを用いる物体位置特定方法であって、前記物体位置算出装置は、受信した位置情報に基づいて、人間の位置変化の加速度を算出し、算出した加速度の変化に応じて人間が移動している時間帯を推定し、移動状態である旨を検知している時間帯を含む前後所定の時間内に、推定された人間が移動している時間帯が含まれるか否かを判断し、含まれると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の時刻情報に対応する人間の位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶することを特徴とする。
【0025】
また、第14発明に係る物体位置特定方法は、第13発明において、人間が移動している時間帯を、人間の位置変化の加速度が所定値より小さくなる時刻で挟まれた区間として推定することを特徴とする。
【0026】
また、第15発明に係る物体位置特定方法は、第13又は第14発明において、前記センサは、振動を検知する振動センサであり、前記電子タグは、該振動センサが振動を検知している時刻情報を送信することを特徴とする。
【0027】
また、第16発明に係る物体位置特定方法は、第15発明において、受信する時刻情報の受信間隔が所定値より短いか否かを判断し、短いと判断した場合、前記移動状態である旨を検知している時間帯として時刻情報を記憶することを特徴とする。
【0028】
また、第17発明に係る物体位置特定方法は、第13又は第14発明において、前記センサは、移動加速度を検知する加速度センサであり、前記電子タグは、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信することを特徴とする。
【0029】
また、第18発明に係る物体位置特定方法は、第13乃至第17発明のいずれか1つにおいて、前記人間位置特定手段は、人間を含む画像を撮像する複数の撮像手段を用い、複数の該撮像手段で撮像された画像に基づいて、人間に相当する画像部分を特定し、画像をステレオ処理して該画像部分の物理的位置を推定することを特徴とする。
【0030】
また、第19発明に係る物体位置特定方法は、第13乃至第17発明のいずれか1つにおいて、前記人間位置特定手段は、ミリ波を発信する複数の発信機を用い、該発信機で発信されたミリ波の反射波を受信し、反射波受信の時間差に基づいて人間の物理的位置を推定することを特徴とする。
【0031】
また、第20発明に係る物体位置特定方法は、移動状態であるか否かを検知する第1のセンサを含み、該第1のセンサが移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び他の電子タグと識別する第1の識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグと、装着した人間が移動状態であるか否かを検知する第2のセンサを含み、該第2のセンサが移動状態である旨を検知した第2の時刻情報、装着された人間を識別する第2の識別情報、及び人間の存在する位置に関する位置情報を外部へ送信することが可能な人間位置特定手段と、前記電子タグから移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び第1の識別情報を、前記人間位置特定手段から第2の時刻情報、第2の識別情報、及び位置情報をそれぞれ受信し、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置とを用いる物体位置特定方法であって、前記物体位置算出装置は、移動状態である旨を検知している時間帯の第1の時刻情報が、一又は複数の第2の時刻情報に含まれているか否かを判断し、含まれていると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の第2の時刻情報での位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶することを特徴とする。
【0032】
また、第21発明に係る物体位置特定方法は、第20発明において、前記第1のセンサは、振動を検知する振動センサであり、前記電子タグは、該振動センサが振動を検知している時刻情報を送信することを特徴とする。
【0033】
また、第22発明に係る物体位置特定方法は、第21発明において、受信する第1の時刻情報の受信間隔が所定値より短いか否かを判断し、短いと判断した場合、前記移動状態である旨を検知している時間帯として第1の時刻情報を記憶することを特徴とする。
【0034】
また、第23発明に係る物体位置特定方法は、第20発明において、前記第1のセンサは、移動加速度を検知する加速度センサであり、前記電子タグは、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信することを特徴とする。
【0035】
また、第24発明に係る物体位置特定方法は、第20乃至第23発明のいずれか1つにおいて、前記第2のセンサは、移動加速度を検知する加速度センサであり、前記電子タグは、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信し、前記物体位置算出装置は、前記第2のセンサで検知された移動加速度に基づいて、人間が移動状態である旨を検知している時間帯を特定することを特徴とする。
【0036】
次に、上記目的を達成するために第25発明に係る物体位置算出装置は、移動状態であるか否かを検知するセンサを含み、該センサが移動状態である旨を検知した時刻情報及び他の電子タグと識別する識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグ、及び人間の存在する位置を特定し、特定された人間の位置に関する位置情報を時刻情報と対応付けて外部へ送信することが可能な人間位置特定手段とデータ通信可能であり、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置であって、受信した位置情報に基づいて、人間の位置変化の加速度を算出する手段と、該手段で算出した加速度の変化に応じて人間が移動している時間帯を推定する推定手段と、移動状態である旨を検知している時間帯を含む前後所定の時間内に、前記推定手段で推定された人間が移動している時間帯が含まれるか否かを判断する判断手段と、該判断手段で含まれると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の時刻情報に対応する人間の位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する特定手段とを備えることを特徴とする。
【0037】
また、第26発明に係る物体位置算出装置は、第25発明において、前記推定手段は、人間が移動している時間帯を、人間の位置変化の加速度が所定値より小さくなる時刻で挟まれた区間として推定するようにしてあることを特徴とする。
【0038】
また、第27発明に係る物体位置算出装置は、移動状態であるか否かを検知する第1のセンサを含み、該第1のセンサが移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び他の電子タグと識別する第1の識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグ、及び装着した人間が移動状態であるか否かを検知する第2のセンサを含み、該第2のセンサが移動状態である旨を検知した第2の時刻情報、装着された人間を識別する第2の識別情報、及び人間の存在する位置に関する位置情報を外部へ送信することが可能な人間位置特定手段とデータ通信可能であり、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置であって、移動状態である旨を検知している時間帯の第1の時刻情報が、一又は複数の第2の時刻情報に含まれているか否かを判断する手段と、該手段で含まれていると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の第2の時刻情報での位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する特定手段とを備えることを特徴とする。
【0039】
次に、上記目的を達成するために第28発明に係るコンピュータプログラムは、移動状態であるか否かを検知するセンサを含み、該センサが移動状態である旨を検知した時刻情報及び他の電子タグと識別する識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグ、及び人間の存在する位置を特定し、特定された人間の位置に関する位置情報を時刻情報と対応付けて外部へ送信することが可能な人間位置特定手段とデータ通信可能であり、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置で実行することが可能なコンピュータプログラムあって、前記物体位置算出装置を、受信した位置情報に基づいて、人間の位置変化の加速度を算出する手段、該手段で算出した加速度の変化に応じて人間が移動している時間帯を推定する推定手段、移動状態である旨を検知している時間帯を含む前後所定の時間内に、前記推定手段で推定された人間が移動している時間帯が含まれるか否かを判断する判断手段、及び該判断手段で含まれると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の時刻情報に対応する人間の位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する特定手段として機能させることを特徴とする。
【0040】
また、第29発明に係るコンピュータプログラムは、第28発明において、前記推定手段を、人間が移動している時間帯を、人間の位置変化の加速度が所定値より小さくなる時刻で挟まれた区間として推定する手段として機能させることを特徴とする。
【0041】
また、第30発明に係るコンピュータプログラムは、移動状態であるか否かを検知する第1のセンサを含み、該第1のセンサが移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び他の電子タグと識別する第1の識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグ、及び装着した人間が移動状態であるか否かを検知する第2のセンサを含み、該第2のセンサが移動状態である旨を検知した第2の時刻情報、装着された人間を識別する第2の識別情報、及び人間の存在する位置に関する位置情報を外部へ送信することが可能な人間位置特定手段とデータ通信可能であり、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置で実行することが可能なコンピュータプログラムであって、前記物体位置算出装置を、移動状態である旨を検知している時間帯の第1の時刻情報が、一又は複数の第2の時刻情報に含まれているか否かを判断する手段、及び該手段で含まれていると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の第2の時刻情報での位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する特定手段として機能させることを特徴とする。
【0042】
第1発明、第13発明、第25発明及び第28発明では、移動状態であるか否かを検知するセンサを含み、該センサが移動状態である旨を検知した時刻情報及び他の電子タグと識別する識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグと、人間の存在する位置を特定し、特定された人間の位置に関する位置情報を時刻情報と対応付けて外部へ送信することが可能な人間位置特定手段と、前記電子タグから移動状態である旨を検知した時刻情報及び識別情報を、前記人間位置特定手段から位置情報をそれぞれ受信し、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置とを用いる。物体位置算出装置は、受信した位置情報に基づいて、人間の位置変化の加速度を算出し、算出した加速度の変化に応じて人間が移動している時間帯を推定する。移動状態である旨を検知している時間帯を含む前後所定の時間内に、推定された人間が移動している時間帯が含まれるか否かを判断し、含まれると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の時刻情報に対応する人間の位置情報を、電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する。
【0043】
通常、室内に置かれた物体は人間によって移動させられる。また、人間が物体を移動させる場合には、人間が物体を持ち上げる又は置く時点で人間は一時移動を中断する。したがって、人間の位置情報を時系列に取得し、人間の位置情報及び移動加速度を検知することにより、人間が移動を停止して、移動を再開して再度停止するまでのタイミングと、物体に装着した電子タグが移動状態である旨を検知し始めて終了するまでのタイミングとが略一致している場合には、該人間が物体を移動したと推定することができる。よって、電子タグが移動状態である旨を検知しなくなった時点での人間の位置近傍に物体が存在すると推定することができる。
【0044】
また電子タグ、例えばRFIDタグを用いることで、位置の特定対象となる物体が箱、机の引き出し等に入れられた場合、袋、カバー等を被せられた場合等であっても、物体が移動状態である旨、例えば振動、加速度等を確実に検知することができる。しかも物体の位置の特定には、電子タグの情報ではなく、別途人間の位置を特定する人間位置特定手段を用いることで、電子タグに固有のマルチパスの影響を考慮する必要が無く、人間の位置の推定精度と同等の精度で物体の位置を特定することができる。したがって、隣の部屋にあると誤認する程度まで位置特定誤差が生じることがなく、精度良く物体の位置を特定することが可能となる。
【0045】
第2発明、第14発明、第26発明及び第29発明では、人間が移動している時間帯を、人間の位置変化の加速度が所定値より小さくなる時刻で挟まれた区間として推定する。これにより、人間の位置変化の加速度がゼロに近い、すなわち人間が略停止している時刻で挟まれた区間を人間が移動している時間帯と推定することができ、人間により物体が運ばれている時間帯として精度良く推定することが可能となる。
【0046】
第3発明及び第15発明では、センサとして振動を検知する振動センサを用い、電子タグが、振動センサが振動を検知している時刻情報を送信する。これにより、物体が移動状態であるか否かを、振動を検知しているか否かで判断することができる。
【0047】
第4発明及び第16発明では、受信する時刻情報の受信間隔が所定値より短いか否かを判断し、短いと判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯として時刻情報を記憶する。アクティブタイプの振動センサを備えた電子タグは、通常時には一定の時間間隔で信号を発信しているが、振動を検知した場合には、その時間間隔よりも短い間隔で信号を発信する。したがって、電子タグからの信号の受信間隔を監視することで、移動状態である旨を検知している時間帯を正確に特定することが可能となる。
【0048】
第5発明及び第17発明では、センサとして移動加速度を検知する加速度センサを用い、電子タグが、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信する。物体が静止状態から移動状態へ遷移する、あるいは移動状態から静止状態へ遷移する場合には、移動加速度が極大値又は極小値となる。したがって、移動加速度が所定値より大きい時刻情報を取得することで、移動状態である旨を検知している時間帯を正確に特定することが可能となる。
【0049】
第6発明及び第18発明では、人間位置特定手段として人間を含む画像を撮像する複数の撮像手段を用いる。複数の該撮像手段で撮像された画像に基づいて、人間に相当する画像部分を特定し、画像をステレオ処理して該画像部分の物理的位置を推定する。これにより、人間自体に信号発信装置等を装着すること無く、室内における人間の位置を精度良く推定することができ、人間により移動させられる物体の位置を精度良く特定することが可能となる。
【0050】
第7発明及び第19発明では、人間位置特定手段としてミリ波を発信する複数の発信機を用いる。複数の該発信機で発信されたミリ波の反射波を受信し、反射波受信の時間差に基づいて人間の物理的位置を推定する。これにより、人間自体に信号発信装置等を装着すること無く、室内における人間の位置を精度良く特定することができ、人間により移動させられる物体の位置を精度良く特定することが可能となる。
【0051】
第8発明、第20発明、第27発明及び第30発明では、移動状態であるか否かを検知する第1のセンサを含み、該第1のセンサが移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び他の電子タグと識別する第1の識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグと、装着した人間が移動状態であるか否かを検知する第2のセンサを含み、該第2のセンサが移動状態である旨を検知した第2の時刻情報、装着された人間を識別する第2の識別情報、及び人間の存在する位置に関する位置情報を外部へ送信することが可能な人間位置特定手段と、前記電子タグから移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び第1の識別情報を、前記人間位置特定手段から第2の時刻情報、第2の識別情報、及び位置情報をそれぞれ受信し、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置とを用いる。物体位置算出装置は、移動状態である旨を検知している時間帯の第1の時刻情報が、一又は複数の第2の時刻情報に含まれているか否かを判断し、含まれていると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の第2の時刻情報での位置情報を、電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する。
【0052】
通常、室内に置かれた物体は人間によって移動させられる。また、人間が物体を移動させる場合には、人間が物体を持ち上げる又は置く時点で人間は一時移動を中断する。また、人間が歩いて移動する場合、一歩足を踏み出すタイミングで他の時点と比して大きな振動、加速度等が生じる。したがって、人間の位置を時系列に取得し、人間の位置及び人間が一歩足を踏み出す都度発生する振動、加速度等を検知することにより、物体に装着した電子タグが大きな振動、加速度等を検知したタイミングと、人間が移動中に大きな振動、加速度等を検知したタイミングとが略一致している場合には、該人間が該物体を移動したと推定することができる。よって、電子タグが移動状態である旨を検知しなくなった時点での人間の位置に物体が存在すると推定することができる。
【0053】
また電子タグ、例えばRFIDタグを用いることで、位置の特定対象となる物体が箱、机の引き出し等に入れられた場合、袋、カバー等を被せられた場合等であっても、物体が移動状態である旨、例えば振動、加速度等を確実に検知することができる。しかも物体の位置の特定には、電子タグの情報ではなく、別途人間の位置特定手段を用いることで、電子タグに固有のマルチパスの影響を考慮する必要が無く、人間の位置の推定精度と同等の精度で物体の位置を特定することができる。また、人間自体が袋、カバー等を被せられる場合はほとんどないことから、人間自体に第2のセンサを装着した場合であっても、人間の位置及び一歩踏み出したときの振動、加速度等は確実に検知することができる。したがって、隣の部屋にあると誤認する程度まで位置特定誤差が生じることがなく、精度良く物体の位置を特定することが可能となる。
【0054】
第9発明及び第21発明では、第1のセンサとして、振動を検知する振動センサを用い、電子タグが、該振動センサが振動を検知している時刻情報を送信する。これにより、物体が移動状態であるか否かを、振動を検知しているか否かで判断することができる。
【0055】
第10発明及び第22発明では、受信する第1の時刻情報の受信間隔が所定値より短いか否かを判断し、短いと判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯として第1の時刻情報を記憶する。アクティブタイプの振動センサを備えた電子タグは、通常時には一定の時間間隔で信号を発信しているが、振動を検知した場合には、その時間間隔よりも短い間隔で信号を発信する。したがって、電子タグからの信号の受信間隔を監視することで、移動状態である旨を検知している時間帯を正確に特定することが可能となる。
【0056】
第11発明及び第23発明では、第1のセンサとして、移動加速度を検知する加速度センサを用い、電子タグが、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信する。物体が静止状態から移動状態へ遷移する、あるいは移動状態から静止状態へ遷移する場合には、移動加速度が極大値又は極小値となる。したがって、移動加速度が所定値より大きい時刻情報を取得することで、移動状態である旨を検知している時間帯を正確に特定することが可能となる。
【0057】
第12発明及び第24発明では、第2のセンサとして、移動加速度を検知する加速度センサを用い、電子タグが、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信する。物体位置算出装置は、第2のセンサで検知された移動加速度に基づいて、人間が移動状態である旨を検知している時間帯を特定する。人間が静止状態から移動状態へ遷移する、あるいは移動状態から静止状態へ遷移する場合には、移動加速度が極大値又は極小値となる。したがって、移動加速度が所定値より大きい時刻情報を取得することで、人間が移動状態である旨を検知している時間帯を正確に特定することが可能となる。
【発明の効果】
【0058】
第1発明、第13発明、第25発明及び第28発明によれば、電子タグ、例えばRFIDタグを用いることで、位置の特定対象となる物体が箱、机の引き出し等に入れられた場合、袋、カバー等を被せられた場合等であっても、物体が移動状態である旨、例えば振動、加速度等を確実に検知することができる。しかも物体の位置の特定には、電子タグの情報ではなく、別途人間の位置特定手段を用いることで、電子タグに固有のマルチパスの影響を考慮する必要が無く、人間の位置の推定精度と同等の精度で物体の位置を特定することができる。したがって、隣の部屋にあると誤認する程度まで位置特定誤差が生じることがなく、精度良く物体の位置を特定することが可能となる。
【0059】
第2発明、第14発明、第26発明及び第29発明によれば、人間の位置変化の加速度がゼロに近い、すなわち人間が略停止している時刻で挟まれた区間を人間が移動している時間帯と推定することができ、人間により物体が運ばれている時間帯として精度良く推定することが可能となる。
【0060】
第3発明及び第15発明によれば、物体が移動状態であるか否かを、振動を検知しているか否かで判断することができる。
【0061】
第4発明及び第16発明によれば、電子タグからの信号の受信間隔を監視することで、移動状態である旨を検知している時間帯を正確に特定することが可能となる。
【0062】
第5発明及び第17発明によれば、移動加速度が所定値より大きい時刻情報を取得することで、移動状態である旨を検知している時間帯を正確に特定することが可能となる。
【0063】
第6発明、第7発明、第18発明及び第19発明によれば、人間自体に信号発信装置等を装着すること無く、室内における人間の位置を精度良く推定することができ、人間により移動させられる物体の位置を精度良く特定することが可能となる。
【0064】
第8発明、第20発明、第27発明及び第30発明によれば、電子タグ、例えばRFIDタグを用いることで、位置の特定対象となる物体が箱、机の引き出し等に入れられた場合、袋、カバー等を被せられた場合等であっても、物体が移動状態である旨、例えば振動、加速度等を確実に検知することができる。しかも物体の位置の特定には、電子タグの情報ではなく、別途人間の位置特定手段を用いることで、電子タグに固有のマルチパスの影響を考慮する必要が無く、人間の位置の推定精度と同等の精度で物体の位置を特定することができる。また、人間自体が袋、カバー等を被せられる場合はほとんどないことから、人間自体に第2のセンサを装着した場合であっても、人間の位置及び一歩踏み出したときの振動、加速度等は確実に検知することができる。したがって、隣の部屋にあると誤認する程度まで位置特定誤差が生じることがなく、精度良く物体の位置を特定することが可能となる。
【0065】
第9発明及び第21発明によれば、物体が移動状態であるか否かを、振動を検知しているか否かで判断することができる。
【0066】
第10発明及び第22発明によれば、電子タグからの信号の受信間隔を監視することで、移動状態である旨を検知している時間帯を正確に特定することが可能となる。
【0067】
第11発明及び第23発明によれば、移動加速度が所定値より大きい時刻情報を取得することで、移動状態である旨を検知している時間帯を正確に特定することが可能となる。
【0068】
第12発明及び第24発明によれば、移動加速度が所定値を超えているか否かを判断することで、人間が移動状態である旨を検知している時間帯を正確に特定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0069】
以下、本発明の実施の形態に係る物体位置特定システムについて図面に基づいて具体的に説明する。
【0070】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る物体位置特定システムの概要を模式的に示す構成図である。図1において、位置を特定する対象となる物体10には、物体10が移動状態である旨を検知するための電子タグとして、振動を検知するための振動センサを備えた電子タグ、例えばRFIDタグ20が装着されている。物体10は、通常、人間30によって運搬され、位置を移動する。人間30により運搬される場合、必ず物体10には振動が生じ、移動が完了した時点で振動が止まる。
【0071】
RFIDタグ20は、例えば、セイコープレシジョン製アクティブRFIDタグWT―102等を利用する。図2は、本発明の実施の形態1に係るRFIDタグ20の概要構成を示すブロック図である。RFIDタグ20は、装着してある物体10の振動を検知する振動センサ201を備えている。振動センサ201は、内部に小さな錘2011を有し、ごく弱いバネ等の弾性部材により通常はオフ状態となっているスイッチ2012に接触している。人間30が物体10を動かした場合、その衝撃で錘2011が揺動してスイッチ2012がオン状態となり、その旨を示す信号を送信回路204へ送信する。
【0072】
またRFIDタグ20は、タイミング信号生成回路202を有しており、一定の時間間隔、例えば0.5秒間隔で、タイミング信号を送信回路204へ送信する。さらに、ID信号送信回路203を有しており、RFIDタグ20を識別する識別情報として、固有のID番号を送信回路204へ送信する。送信回路204は、受信したタイミング信号とタイミング信号との間で、振動センサ201からオン状態である旨を示す信号を受信した場合、外部に対して、受信したID番号及びオン状態である、すなわち振動を検知している旨を示す信号をタイミング信号の受信タイミングに合わせて送信する。なお、振動を検知していない場合、例えば4096秒に1回というごく稀なID番号送信を繰り返すことにより、電池の消耗を防ぎつつRFIDタグ20の動作確認を行うことができるようになっている。
【0073】
次に図1のリーダ/ライタ40は、RFIDタグ20から発信された信号を受信し、物体位置算出装置50へ送信する。したがって、リーダ/ライタ40は、物体10が人間30により移動されている場合には、1秒間に2回の割合で振動を検知している旨を示す信号及び該信号を発信するRFIDタグ20を識別するID番号を受信する。
【0074】
物体位置算出装置50は、少なくとも、CPU(中央演算装置)51、記憶手段52、RAM53、入力手段54、出力手段55、補助記憶手段56、通信手段57及び上述したハードウェアを接続する内部バス58で構成されている。
【0075】
CPU51は、内部バス58を介して物体位置算出装置50の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶手段52に記憶されているコンピュータプログラム100に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。RAM53は、SRAM、フラッシュメモリ等で構成され、コンピュータプログラム100の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム100の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0076】
記憶手段52は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)、ROM等で構成されている。記憶手段52に記憶されているコンピュータプログラム100は、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体90から、補助記憶手段56によりダウンロードされ、実行時には記憶手段52からRAM53へ展開して実行される。
【0077】
通信手段57は内部バス58に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワーク網に接続されることにより、外部の撮像装置、リーダ/ライタ、コンピュータ等とデータ送受信を行うことが可能となっている。
【0078】
入力手段54は、キーボード及びマウス等のデータ入力媒体であり、出力手段55は、CRTモニタ、LCD等の表示装置、あるいはレーザプリンタ、ドットプリンタ等の印刷装置等である。
【0079】
物体10を移動させる人間30の位置を特定する人間位置特定手段は、本実施の形態1では、上述の物体位置算出装置50及び複数の撮像装置60、60で構成されている。撮像装置60、60は、室内の天井近傍の人間の平均身長よりも高い位置に設置されている。撮像装置60、60で撮像された画像データは、物体位置算出装置50へ送信され、物体位置算出装置50は、同一領域が撮像されている複数の画像データから同一の対象物(人間30)と推定される部分を例えば画像クラスタリング処理等により特定し、同一対象物間でステレオ処理を施すことにより、三角測量の原理を用いて対象物である人間30の物理的位置を推算する。
【0080】
撮像装置60、60としては、通常の可視光撮像装置の他、近赤外線撮像装置、あるいは遠赤外線撮像装置を用いてもよい。特に遠赤外線撮像装置によれば、人間30の体温を確実に把握することができ、体温に応じた色彩分布に基づいて検出対象物である人間が存在する位置の特定も容易となる。
【0081】
なお、人間位置特定手段は、上述のような撮像装置60、60を用いた、いわゆる画像クラスタリング処理を用いた手段に限定されるものではなく、例えば焦電センサを室内の天井部分にアレイ(格子)状に配置しておくことによっても、人間の発する遠赤外線を確実に検知することができ、アレイ上の座標を容易に特定することが可能となる。これにより、検出対象物である人間の位置をより正確に特定することができる。
【0082】
また、ミリ波を発信する複数の発信機であるミリ波レーダを設置し、ミリ波の反射波を受信する時間差に基づいて人間の物理的位置を特定しても良い。このように、人間30の動きを検知するために、人間30に何ら発信機、センサ等を装着する必要が無く、室内という比較的狭い空間内で大きな誤差、例えば2乃至3m(メートル)といった室外まで到達する程度の誤差が生じることなく位置を特定することができる手段であれば、他の周知の手段を用いることもできる。
【0083】
図3は、本実施の形態1に係る人間位置特定手段を用いた場合の人間の位置座標の時間的経過を示す模式図である。図3では、説明を簡単にするために、人間の位置座標のうち平面座標の一座標方向(例えば、南北方向)に限って時間的経過を示している。
【0084】
図3に示すように、人間Aの位置座標変化を示す曲線31は、時間経過によってほとんど変化していない。人間Aは、寝ている等により動かずに静止しているものと推測される。人間Bの位置座標変化を示す曲線32は、時間が経過するにつれて略一定の傾斜角度で座標値が減少している。人間Bは、ふらふらと特に速度の変化もなく歩き回っているものと推測される。そして、人間Cの位置座標変化を示す曲線33では、移動速度が大きく変化していることが明らかであり、時刻T1、T2の近傍34、35では、移動速度が0(ゼロ)になっている。すなわち人間Cは、移動した後に一旦停止し、その後再度移動を開始しているという動きを二度していることがわかる。
【0085】
このように本実施の形態1では、人間が停止している、又は速度に大きな変化があり、一旦停止しているようなタイミング(図3でのT1、T2)を用いて、RFIDタグ20が装着された物体10の位置を算出する。すなわち、RFIDタグ20から振動している旨を示す信号を受信している時間帯の前後所定の時間内に、人間が停止している、又は速度に大きな変化があり、一旦停止しているような人間30が存在するか否かを照会し、存在する場合には、当該人間30の停止位置近傍に物体10が存在するものと推定して、人間30の位置座標を物体10の位置座標として記憶手段52に記憶する。
【0086】
図4は、本実施の形態1における振動を検知している時間帯と人間が移動している時間帯との照合の概念を示す模式図である。図4では、(b)に図3の人間Cの位置座標変化を、(a)にRFIDタグ20からの信号の受信間隔が一定時間より短い場合に‘1’と、長い場合に‘0’として、振動を検知している時間帯を算出した結果を、それぞれ示している。
【0087】
RFIDタグ20からの信号の受信間隔が一定時間より短い場合に物体10が振動していることを示していることから、図4(a)で‘1’となっている時刻T3からT4までの時間帯にて物体10が振動している、すなわち人間30に持ち運ばれていることを示している。物体位置算出装置50は、時刻T3からT4までの時間帯の前後所定の時間(例えば前後数秒)内で、人間が停止している、又は速度に大きな変化があり、一旦停止しているような時刻が存在する人間がいるか否かを検索する。図4では、人間Cが時刻T1、T2にて一旦停止していることから、人間Cによって物体10が持ち運ばれたと推定することができる。物体位置算出装置50は、RFIDタグ20が振動を検知している時間帯の最終の時刻T4での人間Cの位置座標を、物体10の位置座標として記憶手段52に記憶する。
【0088】
図5及び図6は、本発明の実施の形態1に係る物体位置算出装置50のCPU51の物体10の位置算出処理の手順を示すフローチャートである。物体位置算出装置50のCPU51は、撮像手段60、60から複数の画像データを受信し(ステップS501)、いわゆる画像クラスタリング処理を実行して、画像データごとに抽出対象となる人間がどの部分に相当するのか推定する(ステップS502)。CPU51は、推定された人間に相当する部分につき、複数の画像データを用いてステレオ処理し、時刻ごとに対象となる人間30の位置情報を推算する(ステップS503)。
【0089】
CPU51は、推算した位置情報に基づいて所定の人間30ごとの位置変化の加速度である移動加速度を算出し(ステップS504)、算出された移動加速度に基づいて、人間30が移動している時間帯を推定し、その開始時刻T1及び終了時刻T2を記憶手段52に記憶する(ステップS505)。
【0090】
一方、CPU51は、RFIDタグ20からのRFIDを識別するID番号及び時刻情報を受信し、RAM53に記憶する(ステップS506)。CPU51は、同一のID番号であるRFIDタグ20から直前に受信した時刻情報との時間間隔ΔTを算出し(ステップS507)、算出した時間間隔ΔTが所定の時間Tより短いか否かを判断する(ステップS508)。CPU51が、所定の時間Tより長いと判断した場合(ステップS508:NO)、CPU51は、同一のID番号であるRFIDタグ20が振動を検知している時間帯の開始時刻T3が記憶手段52に記憶されているか否かを判断する(ステップS509)。
【0091】
CPU51が、振動を検知している時間帯の開始時刻T3が記憶手段52に記憶されていないと判断した場合(ステップS509:NO)、CPU51は、受信した時刻情報を、直前に受信した時刻情報として記憶手段52に記憶し(ステップS510)、処理をステップS506へ戻す。
【0092】
CPU51が、所定の時間Tより短い又は等しいと判断した場合(ステップS508:YES)、CPU51は、同一のID番号であるRFIDタグ20が振動を検知している時間帯の開始時刻T3が記憶手段52に記憶されているか否かを判断する(ステップS511)。CPU51が、振動を検知している時間帯の開始時刻T3が記憶手段52に記憶されていないと判断した場合(ステップS511:NO)、CPU51は、この時点で記憶されている直前に受信した時刻情報を、RFIDタグ20が振動を検知している時間帯の開始時刻T3として記憶手段52に記憶する(ステップS512)。CPU51が、振動を検知している時間帯の開始時刻T3が記憶手段52に記憶されていると判断した場合(ステップS511:YES)、CPU51は、ステップS512をスキップし、処理をステップS510へ進める。
【0093】
CPU51が、振動を検知している時間帯の開始時刻T3が記憶手段52に記憶されていると判断した場合(ステップS509:YES)、CPU51は、直前に受信した時刻情報を、RFIDタグ20が振動を検知している時間帯の終了時刻T4として記憶手段52に記憶する(ステップS601)。
【0094】
CPU51は、記憶手段52に記憶してあるRFIDタグ20が振動を検知している時間帯の開始時刻T3近傍と終了時刻T4近傍との間、例えば開始時刻T3の前数秒と終了時刻T4の後数秒との間に、人間が移動している時間帯の開始時刻T1及び終了時刻T2が記憶されている人間30が存在するか否かを判断し(ステップS602)、CPU51が存在すると判断した場合(ステップS602:YES)、CPU51は、当該人間30により振動を検知しているRFIDタグ20が装着されている物体10が持ち運びされたものと判断し、振動を検知している時間帯の終了時刻T4における人間30の位置の近傍に物体10が存在するものとして、終了時刻T4における人間30の位置情報を物体10の位置情報として記憶手段52に記憶する(ステップS603)。
【0095】
人間が移動している時間帯を推定する方法は、特に限定されるものではない。図7は、人間が移動している時間帯を推定する方法の一例を示すフローチャートである。CPU51は、移動加速度が算出される都度、算出された移動加速度が所定値より小さいか否かを判断する(ステップS701)。CPU51が、移動加速度が所定値より小さいと判断した場合(ステップS701:YES)、CPU51は、当該時刻情報及び人間の位置情報を記憶手段52に記憶する(ステップS702)。
【0096】
この場合、CPU51は、記憶手段52に記憶してあるRFIDタグ20が振動を検知している時間帯の開始時刻T3近傍と終了時刻T4近傍との間、例えば開始時刻T3の前数秒と終了時刻T4の後数秒との間に、同一の人間につき移動加速度が所定値より小さい時刻情報で挟まれた時間帯が存在する人間が存在するか否かを判断し、CPU51が存在すると判断した場合、CPU51は、当該人間30により振動を検知しているRFIDタグ20が装着されている物体10が持ち運びされたものと判断し、振動を検知している時間帯の終了時刻T4における人間30の位置の近傍に物体10が存在するものとして、終了時刻T4における人間30の位置情報を物体10の位置情報として記憶手段52に記憶する。
【0097】
なお、本実施の形態1の人間位置特定手段では、人間30が誰であるか識別する程度まで人間30を特定していない。人間30が移動しない限り物体10が勝手に移動することが無いという前提に立っており、RFIDタグ20が振動を検知している時間帯の終了時刻近傍にて移動を停止した人間30が、当該物体10を持ち運んでいたものと推定される。同様に、その人間30が移動を開始した時点で物体10が移動を開始していると考えられることから、RFIDタグ20が振動を検知している時間帯の開始時刻近傍にて移動を開始した人間30が、当該物体10を持ち運んでいたものと推定される。したがって、移動を開始又は停止した人間30の位置情報を把握することで、物体10のおおよその位置を算出することが可能となる。
【0098】
なお、同時期に移動を開始した人間30が複数存在する場合であっても、物体10の初期位置を事前に入力手段54を介して入力しておく、あるいは1回でも物体10を移動させておくこと等により、当該物体10の位置情報を記憶手段52に記憶させておくことができ、その近傍に存在する人間30にのみ当該物体10を持ち運ぶことができるという制約が生じる。したがって、どの人間30が当該物体10を持ち運ぶか特定することは容易である。
【0099】
以上のように本実施の形態1によれば、物体10を持ち運びする人間30を特定することなく、しかも人間30に何らかのセンサ、発信装置等を装着することもなく、小さい位置特定誤差の範囲内で室内に配置されている物体10の位置を特定することが可能となる。また、物体10が箱、机の引き出し等に入れられた場合、袋、カバー等を被せられた場合等であっても、物体10の振動を確実に検知することができ、しかも物体10の位置の特定には、RFIDタグ20から受信する情報ではなく、別途撮像手段60、60、・・・等を用いた人間位置特定手段を用いることで、RFIDタグ20に固有のマルチパスの影響を考慮する必要が無く、人間30の位置の推定精度と同等の精度で物体10の位置を特定することができる。したがって、隣の部屋にあると誤認する程度まで位置特定誤差が生じることがなく、精度良く物体10の位置を特定することが可能となる。
【0100】
なお、RFIDタグ20の仕様はこれに限定されるものではなく、装着した物体10が移動状態である旨を示す情報を識別情報とともに送信することが可能なRFIDタグ20であれば、特に限定されるものではない。例えば、加速度センサを装着したRFIDタグであっても良い。
【0101】
図8は、加速度センサを用いたRFIDタグ20の構成を示すブロック図である。図8に示すように、振動センサ201(図2参照)の代わりに加速度センサ211を備えており、物体10に装着することにより、物体10の移動加速度、すなわち間接的に持ち運びする人間30の移動加速度を検知する。
【0102】
加速度センサ211は、振動センサ201に比べて連続的な移動加速度情報を検知する。図9は、加速度センサ211で検知した移動加速度の信号出力値の例示図である。図9に示すように、物体10を持ち運ぶのは人間30であることから、人間30が一歩一歩踏み出すタイミングで大きな振動が物体10に伝播し、移動加速度が大きく変動していることがわかる。
【0103】
信号出力値から明らかなように、人間30が一歩進む都度、2つの大きな極大信号が生じており、特に一方が鋭く大きなピーク信号となっている。人間30が歩いた場合、特に足を地面に置いた瞬間に、人間30の体の中を、ピーク信号のような比較的高い周波数成分を含む移動加速度が伝播する。そこで、加速度センサ211の出力信号値の低周波成分をHPF(ハイ・パス・フィルタ)212でカットし、ピーク信号を強調し、ピーク信号検出回路213を通すことにより、人間が足を踏み下ろした瞬間のみ信号を外部へ送信することができるようになる。なお、ピーク信号検出回路213は、例えば微分回路で構成することができる。
【0104】
ピーク信号検出回路213からの出力信号は、送信回路204へ送信される。タイミング信号生成回路202は、一定の時間間隔、例えば0.5秒間隔で、タイミング信号を送信回路204へ送信する。さらに、ID信号送信回路203は、RFIDタグ20を識別する識別情報として、固有のID番号を送信回路204へ送信する。送信回路204は、受信したタイミング信号とタイミング信号との間で、ピーク信号検出回路213からの出力信号を受信した場合、外部に対して、受信したID番号及びピーク信号、すなわち人間30が一歩踏み出した旨を示す信号を、タイミング信号を受信したタイミングに合わせて送信する。
【0105】
リーダ/ライタ40を介してピーク信号を受信した物体位置算出装置50は、上述の処理と同様の処理を行うことにより、物体10の位置を人間30の位置情報を用いて特定することが可能となる。
【0106】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2に係る物体位置特定システムの概要を模式的に示す構成図である。図10において、位置を特定する対象となる物体10には、物体10が移動状態である旨を検知するためのセンサとして、振動を検知する振動センサを備えた電子タグ、例えばRFIDタグ20が装着されている。物体10は、通常、人間30によって運搬され、位置を移動する。人間30により運搬される場合、必ず物体10には振動が生じ、移動が完了した時点で振動が止まる。
【0107】
RFIDタグ20の構成については、実施の形態1と同様の構成であることから、同一の符号を付することにより、詳細な説明は省略する。移動状態である旨を示す情報を識別情報とともに送信することが可能なRFIDタグ20であれば、特に限定されるものではなく、振動センサ、加速度センサ等を備えたRFIDタグ20であれば何でも良い。また、リーダ/ライタ40、物体位置算出装置50の構成についても実施の形態1と同様であることから、同一の符号を付することにより、詳細な説明は省略する。
【0108】
物体10を移動させる人間30の位置を特定する人間位置特定手段は、本実施の形態2では、上述の物体位置算出装置50、人間30に装着されている信号を発信することが可能な発信装置、例えばアクティブバッジ70、及びアクティブバッジ70から発信された赤外線信号を受信する複数の受信装置、例えば赤外線フォトダイオード80、80、・・・で構成されている。アクティブバッジ70は、室内に存在する人間30の体の一部分に装着されており、赤外線フォトダイオード80、80、・・・は、人間30の位置の特定を容易にするために、室内の天井近傍にアレイ(格子)状に設置されている。
【0109】
図11は、本実施の形態2に係るアクティブバッジ70の構成を示すブロック図である。アクティブバッジ70は、加速度センサ701を備えており、人間30の一部、例えば胸ポケット等に装着しておくことにより、人間30の移動加速度を検知する。
【0110】
加速度センサ701は、実施の形態1の加速度センサ211と同様に、連続的な移動加速度情報を検知して出力する。したがって、実施の形態1と同様に、加速度センサ701の出力信号値の低周波成分をHPF(ハイ・パス・フィルタ)702でカットし、ピーク信号を強調し、ピーク信号検出回路703を通すことにより、人間が足を踏み下ろした瞬間の大きな移動加速度を検知した時刻にのみ信号を外部へ送信することができるようにする。なお、ピーク信号検出回路703は、例えば微分回路で構成することができる。
【0111】
ピーク信号検出回路703からの出力信号は、赤外線送信回路704へ送信される。ID信号送信回路705は、アクティブバッジ70を識別する識別情報として、固有のID番号を赤外線送信回路704へ送信する。赤外線送信回路704は、ピーク信号を受信した場合、外部に対して、受信したID番号及びピーク信号である旨、すなわち人間30が一歩踏み出した旨を示す信号を赤外線LED706を介して外部へ送信する。
【0112】
アクティブバッジ70から送信された赤外線信号は、天井部分近傍にアレイ状に設置してある赤外線フォトダイオード80、80、・・・により受信され、物体位置算出装置50へ送信される。どの赤外線フォトダイオード80、80、・・・から信号が送信されてきたのかに応じて、一歩踏み出した人間30の位置を把握することができる。なお、赤外線フォトダイオード80、80、・・・で赤外線を受信する原理等は周知の赤外線フォトダイオードと同様であることから詳細な説明は省略する。本実施の形態2では、アクティブバッジ70からの赤外線信号は人間30から上方へ向かって送信される。したがって、アクティブバッジ70をつけた人間が立っている場所の上方に設置してある赤外線フォトダイオード80が、人間30が移動して一歩踏み出す都度、アクティブバッジ70のID番号を含む信号を受信する。
【0113】
赤外線フォトダイオード80から、ID番号を含む信号を受信した物体位置算出装置50は、以下の手順で物体10の位置を算出する。図12は、本発明の実施の形態2に係る物体位置算出装置50のCPU51の物体10の位置算出処理の手順を示すフローチャートである。物体位置算出装置50のCPU51は、赤外線フォトダイオード80からアクティブバッジ70のID番号及び受信した赤外線フォトダイオード80の位置情報を受信し(ステップS1201)、受信時刻を特定する(ステップS1202)。CPU51は、赤外線フォトダイオード80のID番号及び特定した受信時刻をRAM53に記憶する(ステップS1203)。
【0114】
一方、CPU51は、RFIDタグ20からのRFIDタグを識別するID番号及び時刻情報を受信し、RAM53に記憶する(ステップS1204)。CPU51は、RAM53に記憶してあるRFIDタグ20から受信した時刻情報と、赤外線フォトダイオード80から受信した受信時刻とを比較照合し、両者が略同一となる赤外線フォトダイオード80から受信した受信時刻が存在するか否かを判断する(ステップS1205)。CPU51が、存在すると判断した場合(ステップS1205:YES)、CPU51は、該受信時刻にアクティブバッジ70からの信号を受信した赤外線フォトダイオード80の位置情報を取得し(ステップS1206)、取得した位置情報を物体10の位置情報として記憶手段52に記憶する(ステップS1207)。
【0115】
図13は、物体位置算出装置50での両信号の比較照合の原理を示す模式図である。図13(a)は、2つのRFIDタグ20、20(ID番号がそれぞれ“10”、“20”であるRFIDタグ)から、振動を検知した時刻情報が受信された状態を示している。これは、人間30が歩くために一歩を踏み出した場合に生じる振動が、物体10へと伝播し、物体10に装着されたRFIDタグ20が、一歩踏み出したタイミングに合わせてID番号及び時刻情報を送信してきたことを示しており、棒状の太実線部分のタイミングにて人間30が一歩ずつ歩いていることを示している。RFIDタグを識別するID番号“10”と“20”とでは、振動が生じるタイミングが明らかに異なっていることから、人間30が相違していることが明白である。
【0116】
一方、図13(b)は、天井近傍に装着された4つの赤外線フォトダイオード80、80、80、80(#1、#2、#3、#4と識別してあり、それぞれの位置情報は事前に記憶手段52に記憶してあるものとする)からID番号を含む信号を受信したタイミングを示しており、棒状の太実線部分のタイミングにて人間30が一歩ずつ足を踏み出していることを示している。
【0117】
人間30が一歩踏み出しているタイミングを照合した場合、ID=“20”のRFIDタグ20が振動を検知したタイミングと、赤外線フォトダイオード#4がピーク信号を検出したタイミングとが略一致していることから、ID=“20”のRFIDタグ20は、赤外線フォトダイオード#4の下を通過した人間30が保持している物体10に装着されていることがわかる。したがって、赤外線フォトダイオード#4がピーク信号の検出を終了した時点で、該人間30が歩くのを止めて物体10を置いたと推定することができ、最後のピーク信号検出時の人間30の位置情報を物体10の位置情報として特定することができる。
【0118】
一方、ID=“10”のRFIDタグ20が振動を検知したタイミングと、赤外線フォトダイオード#1及び#2がピーク信号を検出したタイミングとが略一致していることから、ID=“10”のRFIDタグ20は、赤外線フォトダイオード#1の位置から#2の位置へと移動した人間30が保持している物体10に装着されていることがわかる。このように、人間30が一歩踏み出したタイミングを正確に把握することにより、複数の物体10、10、・・・を複数の人間30、30、・・・が同時に持ち運んでいる場合であっても、どの位置にいる人間30がそれぞれの物体10を持ち運んでいるのか容易に特定することができる。
【0119】
なお、実施の形態1での撮像手段60、60を用いた人間位置特定手段は、人間30が歩くにつれて、頭部が上昇/下降を一定のリズムで繰り返している場合がある。あるいは、人間30の歩き方の癖により、一歩踏み出すごとの左右への揺れに対して一定のリズムを抽出できる場合もある。このような場合には、上述のアクティブバッジ70のような人間の一歩の踏み出しを検知する手段を用いずに人間の一歩の踏み出しタイミングを類推することができる。同様のことが、他の人間位置特定手段を用いた場合にも考えられる。
【0120】
また、RFIDタグ20の仕様はこれに限定されるものではなく、装着した物体10が移動状態である旨を示す情報を識別情報とともに送信することが可能なRFIDタグ20であれば、特に限定されるものではない。例えば、実施の形態1と同様、加速度センサを装着したRFIDタグであっても良い。
【0121】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形、置換等が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施の形態1に係る物体位置特定システムの概要を模式的に示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るRFIDタグの概要構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態1に係る人間位置特定手段を用いた場合の人間の位置座標の時間的経過を示す模式図である。
【図4】本実施の形態1における振動を検知している時間帯と人間が移動している時間帯との照合の概念を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る物体位置算出装置のCPUの物体の位置算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1に係る物体位置算出装置のCPUの物体の位置算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】人間が移動している時間帯を推定する方法の一例を示すフローチャートである。
【図8】加速度センサを用いたRFIDタグの構成を示すブロック図である。
【図9】加速度センサで検知した移動加速度の信号出力値の例示図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る物体位置特定システムの概要を模式的に示す構成図である。
【図11】本実施の形態2に係るアクティブバッジの構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る物体位置算出装置のCPUの物体の位置算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】物体位置算出装置での両信号の比較照合の原理を示す模式図である。
【符号の説明】
【0123】
10 物体
20 RFIDタグ(電子タグ)
30 人間
40 リーダ/ライタ
50 物体位置算出装置
51 CPU
52 記憶手段
53 RAM
54 入力手段
55 出力手段
56 補助記憶手段
57 通信手段
58 内部バス
60 撮像手段
70 アクティブバッジ
80 赤外線フォトダイオード
90 可搬型記録媒体
100 コンピュータプログラム
201 振動センサ
211、701 加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動状態であるか否かを検知するセンサを含み、該センサが移動状態である旨を検知した時刻情報及び他の電子タグと識別する識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグと、
人間の存在する位置を特定し、特定された人間の位置に関する位置情報を時刻情報と対応付けて外部へ送信することが可能な人間位置特定手段と、
前記電子タグから移動状態である旨を検知した時刻情報及び識別情報を、前記人間位置特定手段から位置情報をそれぞれ受信し、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置と
を有する物体位置特定システムであって、
前記物体位置算出装置は、
受信した位置情報に基づいて、人間の位置変化の加速度を算出する手段と、
該手段で算出した加速度の変化に応じて人間が移動している時間帯を推定する推定手段と、
移動状態である旨を検知している時間帯を含む前後所定の時間内に、前記推定手段で推定された人間が移動している時間帯が含まれるか否かを判断する判断手段と、
該判断手段で含まれると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の時刻情報に対応する人間の位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する特定手段と
を備えることを特徴とする物体位置特定システム。
【請求項2】
前記推定手段は、
人間が移動している時間帯を、人間の位置変化の加速度が所定値より小さくなる時刻で挟まれた区間として推定するようにしてあることを特徴とする請求項1記載の物体位置特定システム。
【請求項3】
前記センサは、振動を検知する振動センサであり、前記電子タグは、該振動センサが振動を検知している時刻情報を送信するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2記載の物体位置特定システム。
【請求項4】
受信する時刻情報の受信間隔が所定値より短いか否かを判断する手段を備え、
該手段で短いと判断した場合、前記移動状態である旨を検知している時間帯として時刻情報を記憶するようにしてあることを特徴とする請求項3記載の物体位置特定システム。
【請求項5】
前記センサは、移動加速度を検知する加速度センサであり、前記電子タグは、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2記載の物体位置特定システム。
【請求項6】
前記人間位置特定手段は、
人間を含む画像を撮像する複数の撮像手段と、
複数の該撮像手段で撮像された画像に基づいて、人間に相当する画像部分を特定する手段と、
画像をステレオ処理して該画像部分の物理的位置を推定する手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の物体位置特定システム。
【請求項7】
前記人間位置特定手段は、
ミリ波を発信する複数の発信機と、
複数の該発信機で発信されたミリ波の反射波を受信する手段と、
反射波受信の時間差に基づいて人間の物理的位置を推定する手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の物体位置特定システム。
【請求項8】
移動状態であるか否かを検知する第1のセンサを含み、該第1のセンサが移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び他の電子タグと識別する第1の識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグと、
装着した人間が移動状態であるか否かを検知する第2のセンサを含み、該第2のセンサが移動状態である旨を検知した第2の時刻情報、装着された人間を識別する第2の識別情報、及び人間の存在する位置に関する位置情報を外部へ送信することが可能な人間位置特定手段と、
前記電子タグから移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び第1の識別情報を、前記人間位置特定手段から第2の時刻情報、第2の識別情報、及び位置情報をそれぞれ受信し、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置と
を有する物体位置特定システムであって、
前記物体位置算出装置は、
移動状態である旨を検知している時間帯の第1の時刻情報が、一又は複数の第2の時刻情報に含まれているか否かを判断する判断手段と、
該手段で含まれていると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の第2の時刻情報での位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する特定手段と
を備えることを特徴とする物体位置特定システム。
【請求項9】
前記第1のセンサは、振動を検知する振動センサであり、前記電子タグは、該振動センサが振動を検知している時刻情報を送信するようにしてあることを特徴とする請求項8記載の物体位置特定システム。
【請求項10】
受信する第1の時刻情報の受信間隔が所定値より短いか否かを判断する手段を備え、
該手段で短いと判断した場合、前記移動状態である旨を検知している時間帯として第1の時刻情報を記憶するようにしてあることを特徴とする請求項9記載の物体位置特定システム。
【請求項11】
前記第1のセンサは、移動加速度を検知する加速度センサであり、前記電子タグは、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信するようにしてあることを特徴とする請求項8記載の物体位置特定システム。
【請求項12】
前記第2のセンサは、移動加速度を検知する加速度センサであり、前記電子タグは、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信するようにしてあり、前記物体位置算出装置は、前記第2のセンサで検知された移動加速度に基づいて、人間が移動状態である旨を検知している時間帯を特定するようにしてあることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の物体位置特定システム。
【請求項13】
移動状態であるか否かを検知するセンサを含み、該センサが移動状態である旨を検知した時刻情報及び他の電子タグと識別する識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグと、
人間の存在する位置を特定し、特定された人間の位置に関する位置情報を時刻情報と対応付けて外部へ送信することが可能な人間位置特定手段と、
前記電子タグから移動状態である旨を検知した時刻情報及び識別情報を、前記人間位置特定手段から位置情報をそれぞれ受信し、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置と
を用いる物体位置特定方法であって、
前記物体位置算出装置は、
受信した位置情報に基づいて、人間の位置変化の加速度を算出し、
算出した加速度の変化に応じて人間が移動している時間帯を推定し、
移動状態である旨を検知している時間帯を含む前後所定の時間内に、推定された人間が移動している時間帯が含まれるか否かを判断し、
含まれると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の時刻情報に対応する人間の位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶することを特徴とする物体位置特定方法。
【請求項14】
人間が移動している時間帯を、人間の位置変化の加速度が所定値より小さくなる時刻で挟まれた区間として推定することを特徴とする請求項13記載の物体位置特定方法。
【請求項15】
前記センサは、振動を検知する振動センサであり、前記電子タグは、該振動センサが振動を検知している時刻情報を送信することを特徴とする請求項13又は14記載の物体位置特定方法。
【請求項16】
受信する時刻情報の受信間隔が所定値より短いか否かを判断し、
短いと判断した場合、前記移動状態である旨を検知している時間帯として時刻情報を記憶することを特徴とする請求項15記載の物体位置特定方法。
【請求項17】
前記センサは、移動加速度を検知する加速度センサであり、前記電子タグは、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信することを特徴とする請求項13又は14記載の物体位置特定方法。
【請求項18】
前記人間位置特定手段は、
人間を含む画像を撮像する複数の撮像手段を用い、
複数の該撮像手段で撮像された画像に基づいて、人間に相当する画像部分を特定し、
画像をステレオ処理して該画像部分の物理的位置を推定することを特徴とする請求項13乃至17のいずれか一項に記載の物体位置特定方法。
【請求項19】
前記人間位置特定手段は、
ミリ波を発信する複数の発信機を用い、
該発信機で発信されたミリ波の反射波を受信し、
反射波受信の時間差に基づいて人間の物理的位置を推定することを特徴とする請求項13乃至17のいずれか一項に記載の物体位置特定方法。
【請求項20】
移動状態であるか否かを検知する第1のセンサを含み、該第1のセンサが移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び他の電子タグと識別する第1の識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグと、
装着した人間が移動状態であるか否かを検知する第2のセンサを含み、該第2のセンサが移動状態である旨を検知した第2の時刻情報、装着された人間を識別する第2の識別情報、及び人間の存在する位置に関する位置情報を外部へ送信することが可能な人間位置特定手段と、
前記電子タグから移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び第1の識別情報を、前記人間位置特定手段から第2の時刻情報、第2の識別情報、及び位置情報をそれぞれ受信し、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置と
を用いる物体位置特定方法であって、
前記物体位置算出装置は、
移動状態である旨を検知している時間帯の第1の時刻情報が、一又は複数の第2の時刻情報に含まれているか否かを判断し、
含まれていると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の第2の時刻情報での位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶することを特徴とする物体位置特定方法。
【請求項21】
前記第1のセンサは、振動を検知する振動センサであり、前記電子タグは、該振動センサが振動を検知している時刻情報を送信することを特徴とする請求項20記載の物体位置特定方法。
【請求項22】
受信する第1の時刻情報の受信間隔が所定値より短いか否かを判断し、
短いと判断した場合、前記移動状態である旨を検知している時間帯として第1の時刻情報を記憶することを特徴とする請求項21記載の物体位置特定方法。
【請求項23】
前記第1のセンサは、移動加速度を検知する加速度センサであり、前記電子タグは、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信することを特徴とする請求項20記載の物体位置特定方法。
【請求項24】
前記第2のセンサは、移動加速度を検知する加速度センサであり、前記電子タグは、該加速度センサが所定値より大きい移動加速度を断続的に検知している時刻情報を送信し、前記物体位置算出装置は、前記第2のセンサで検知された移動加速度に基づいて、人間が移動状態である旨を検知している時間帯を特定することを特徴とする請求項20乃至23のいずれか一項に記載の物体位置特定方法。
【請求項25】
移動状態であるか否かを検知するセンサを含み、該センサが移動状態である旨を検知した時刻情報及び他の電子タグと識別する識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグ、及び
人間の存在する位置を特定し、特定された人間の位置に関する位置情報を時刻情報と対応付けて外部へ送信することが可能な人間位置特定手段
とデータ通信可能であり、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置であって、
受信した位置情報に基づいて、人間の位置変化の加速度を算出する手段と、
該手段で算出した加速度の変化に応じて人間が移動している時間帯を推定する推定手段と、
移動状態である旨を検知している時間帯を含む前後所定の時間内に、前記推定手段で推定された人間が移動している時間帯が含まれるか否かを判断する判断手段と、
該判断手段で含まれると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の時刻情報に対応する人間の位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する特定手段と
を備えることを特徴とする物体位置算出装置。
【請求項26】
前記推定手段は、
人間が移動している時間帯を、人間の位置変化の加速度が所定値より小さくなる時刻で挟まれた区間として推定するようにしてあることを特徴とする請求項25記載の物体位置算出装置。
【請求項27】
移動状態であるか否かを検知する第1のセンサを含み、該第1のセンサが移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び他の電子タグと識別する第1の識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグ、及び
装着した人間が移動状態であるか否かを検知する第2のセンサを含み、該第2のセンサが移動状態である旨を検知した第2の時刻情報、装着された人間を識別する第2の識別情報、及び人間の存在する位置に関する位置情報を外部へ送信することが可能な人間位置特定手段
とデータ通信可能であり、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置であって、
移動状態である旨を検知している時間帯の第1の時刻情報が、一又は複数の第2の時刻情報に含まれているか否かを判断する手段と、
該手段で含まれていると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の第2の時刻情報での位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する特定手段と
を備えることを特徴とする物体位置算出装置。
【請求項28】
移動状態であるか否かを検知するセンサを含み、該センサが移動状態である旨を検知した時刻情報及び他の電子タグと識別する識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグ、及び
人間の存在する位置を特定し、特定された人間の位置に関する位置情報を時刻情報と対応付けて外部へ送信することが可能な人間位置特定手段
とデータ通信可能であり、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置で実行することが可能なコンピュータプログラムあって、
前記物体位置算出装置を、
受信した位置情報に基づいて、人間の位置変化の加速度を算出する手段、
該手段で算出した加速度の変化に応じて人間が移動している時間帯を推定する推定手段、
移動状態である旨を検知している時間帯を含む前後所定の時間内に、前記推定手段で推定された人間が移動している時間帯が含まれるか否かを判断する判断手段、及び
該判断手段で含まれると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の時刻情報に対応する人間の位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する特定手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項29】
前記推定手段を、
人間が移動している時間帯を、人間の位置変化の加速度が所定値より小さくなる時刻で挟まれた区間として推定する手段
として機能させることを特徴とする請求項28記載のコンピュータプログラム。
【請求項30】
移動状態であるか否かを検知する第1のセンサを含み、該第1のセンサが移動状態である旨を検知した第1の時刻情報及び他の電子タグと識別する第1の識別情報を外部へ送信することが可能な電子タグ、及び
装着した人間が移動状態であるか否かを検知する第2のセンサを含み、該第2のセンサが移動状態である旨を検知した第2の時刻情報、装着された人間を識別する第2の識別情報、及び人間の存在する位置に関する位置情報を外部へ送信することが可能な人間位置特定手段
とデータ通信可能であり、前記電子タグを装着した物体の位置を算出する物体位置算出装置で実行することが可能なコンピュータプログラムであって、
前記物体位置算出装置を、
移動状態である旨を検知している時間帯の第1の時刻情報が、一又は複数の第2の時刻情報に含まれているか否かを判断する判断手段、及び
該判断手段で含まれていると判断した場合、移動状態である旨を検知している時間帯の最終の第2の時刻情報での位置情報を、前記電子タグを装着した物体の位置情報として記憶する特定手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−275324(P2008−275324A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−115530(P2007−115530)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行所名 社団法人 情報処理学会 刊行物名 情報処理学会第69回全国大会(平成19年) 講演論文集 発行日 平成19年 3月 6日
【出願人】(503027931)学校法人同志社 (346)
【Fターム(参考)】