説明

物品処理装置および物品処理方法

【課題】 変形又は異物付着による異常物品を取り扱う場合であっても、搬送路における物品の詰まりを抑制すること。
【解決手段】 本発明に係る物品処理装置は、カード状の物品を所定の搬送路に沿って搬送する搬送部30と、物品の厚さに対応する値に関する基準値を記憶する値記憶部21と、物品の厚さに対応する値を測定する厚さ測定部40と、厚さ測定部40による測定結果を記憶する厚さ記憶部22と、厚さ測定部40による測定結果と値記憶部21に記憶された基準値とに基づいて、物品を搬送路における所定の位置からより下流へ搬送するか否か判定する取込判定部23と、搬送路における所定の位置より下流の物品の詰まりを検知する詰まり検知部80と、詰まり検知部80が物品の詰まりを検知した場合には、値記憶部21に記憶されている基準値を厚さ記憶部22に記憶されている測定結果に基づいて変更する変更部25と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード形状の物品を搬送する物品処理装置および物品処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の物品処理装置として、交通機関における自動清算機等に用いられる特許文献1に示すような券処理装置や、クレジットカードまたはIDカード等の発行装置に組み込まれた特許文献2に示すようなカード搬送装置が知られている。
【0003】
特許文献1に示されている券処理装置は、1または2枚程度の乗車券や回数券などを搬送する機構を有する装置である。また、特許文献2に示されているカード搬送装置は、排出のための開口を設けたスタッカに複数のカードを積み重ねて収納し、最下段のものから一枚ずつ順番に開口から排出する装置である。
【特許文献1】特開平7−334714号公報
【特許文献2】特開平9−102018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、反り・折れ等により変形した物品、又はごみ等の異物が付着した物品などの異常物品を含むカード形状の物品を取り扱うことが想定された物品処理装置を開発するに当たって、以下のような問題に直面した。変形した異常物品は、装置の搬送機構に引っかかり易い為、上記特許文献1及び2に記載された券処理装置及びカード搬送装置に含まれる搬送路において詰まり易い。物品が詰まると、装置は稼動停止状態に陥る。また、異物が付着した異常物品は、搬送路において詰まり易いことに加えて、搬送路付近にある他の機能を持つ部品または装置に異物が付着して故障の原因となる。また、搬送路に異物が付着するために更に物品が詰まり易くなる。
【0005】
上記特許文献1に記載された券処理装置においては、利用者が券を一枚ずつ投入するので、比較的、券の変形および異物付着は少ない。また、上記特許文献2に記載されたカード搬送装置においては、未使用のカードを搬送するので異物の付着および変形はより少ない。このような状況により、上記特許文献1及び2に記載された装置においては、上記のような変形又は異物付着の比較的多い異常物品を取り扱うことが想定されていない。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、変形又は異物付着による異常物品を取り扱う場合であっても、搬送路における物品の詰まりを抑制した物品処理装置および物品処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る物品処理装置は、カード状の物品を所定の搬送路に沿って搬送する搬送手段と、物品の厚さに対応する値に関する基準値を記憶する値記憶手段と、物品の厚さに対応する値を測定する測定手段と、測定手段による測定結果を記憶する厚さ記憶手段と、測定手段による測定結果と値記憶手段に記憶された基準値とに基づいて、物品を搬送路における所定の位置からより下流へ搬送するか否か判定する判定手段と、搬送路における所定の位置より下流の物品の詰まりを検知する詰まり検知手段と、詰まり検知手段が物品の詰まりを検知した場合には、値記憶手段に記憶されている基準値を厚さ記憶手段に記憶されている測定結果に基づいて変更する変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の物品搬送方法は、カード状の物品を所定の搬送路に沿って搬送する搬送手段と、物品の厚さに対応する値に関する基準値を記憶する値記憶手段と、を備えた物品処理装置における物品搬送方法であって、物品の厚さに対応する値を測定する測定ステップと、測定ステップにおける測定結果を記憶する厚さ記憶ステップと、測定ステップによる測定結果と値記憶手段に記憶された基準値とに基づいて、物品を搬送路における所定の位置からより下流へ搬送するか否か判定する判定ステップと、搬送路における所定の位置より下流の物品の詰まりを検知する詰まり検知ステップと、検知ステップにおいて物品の詰まりを検知した場合には、値記憶手段に記憶されている基準値を厚さ記憶ステップにおいて記憶した測定結果に基づいて変更する変更ステップと、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る物品処理装置および物品搬送方法によれば、搬送する物品の厚さに対応する値を測定し、測定結果と値記憶手段に記憶された基準値とに基づいて物品を下流に搬送するか否か判定するので、物品の変形又は異物の付着等によって物品の厚さが所定の厚さより大きい異常物品を、所定の位置よりも下流に搬送しないように制御することができる。また、異常物品を所定の位置よりも下流に搬送した場合であっても、物品の詰まりを検知すると、基準値を測定結果に基づいて変更するので、詰まった物品に対する測定結果を基準値にフィードバックして、詰まった物品と同等の厚さの物品を以後搬送しないように制御することができる。以上のことから、異常物品を取り扱う場合であっても物品の詰まりを抑制することができる。
【0010】
また、本発明の物品処理装置では、詰まり検知手段によって、搬送路の複数箇所における物品の詰まりを検知することも好ましい。このように、搬送路の複数箇所における物品の詰まりを検知することにより、搬送路における物品の詰まり箇所を特定することができる。
【0011】
また、本発明の物品処理装置では、搬送路において、判定手段が判定を行う際に物品が位置する判定位置よりも下流の読取位置に位置する物品から、物品情報に記憶された物品に関する物品情報を読み取る読取手段と、判定手段が搬送しないと判定した場合に、読取位置よりも上流に位置する物品を搬送路から外れた所定の位置へ搬送するリジェクト手段と、を備えることも好ましい。このように、判定手段が搬送しないと判定した場合に、読取位置よりも上流に位置する物品を搬送路から外れた所定の位置へ搬送するので、物品の厚さが所定の厚さより厚い異常物品である場合に、読取手段が物品の読取を行う前に物品を搬送路から外すことができ、読取手段における物品の詰まりや汚れの付着を防止することができる。
【0012】
更に、本発明の物品処理装置では、リジェクト手段は、1以上のローラ対により前記物品を挟み込み、物品を挟み込んだ状態で物品を所定の位置へ搬送することも好ましい。このようにして物品を挟み込んだ状態で物品を所定の位置へ搬送するので、詰まり易い異常物品であっても、確実に所定の位置へ搬送することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、変形又は異物付着による異常物品を取り扱う場合であっても、搬送路における物品の詰まりを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本実施の形態に係るカード状物品は、厚さ2mm以下の略長方形のカード(以下、単に「景品」という)である。この景品は、パチンコやスロットゲーム等の遊戯を行った遊戯者(以下「利用者」という)が、その遊戯で獲得したパチンコ玉やコインなどのポイントに応じて受け取ることができる特殊な景品であり、他の商品やその他の対価と交換できる。景品の磁気テープ又はIC等の記憶部には、景品の真偽を示す識別情報、景品を提供した店舗に関連する情報、上記ポイントに対応する対価情報等の景品関連情報が記憶されている。
【0015】
本実施の形態に係る景品読取装置は、本発明に係る物品処理装置に相当し、景品交換所に設置されて、利用者によって投入された景品を対価情報に応じた貨幣と交換する装置である。利用者は、1枚から数十枚程度積層した状態である景品の束を景品読取装置に投入する。景品読取装置は、景品を一枚ずつ搬送しながら景品関連情報を読取処理し、貨幣を搬出する。利用者によって投入される景品の束には、反り・折れ等により変形した景品や、ごみ等の異物が付着した異常景品が含まれている場合がある。
【0016】
以下、添付図面を参照して、本実施の形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、説明中、上、下、左、右なる語を使用することがあるが、これは各図の上、下、左、右方向に対応したものである。
【0017】
まず、図1を参照して景品読取装置100全体の概要について説明する。図1は、本実施形態に係る景品読取装置100の概略構成を示すブロック図である。図1において、景品の流れを実線の矢印で示し、制御信号の流れを点線の矢印で示し、貨幣の流れを二点鎖線の矢印で示す。図1に示すように、景品読取装置100は、本体の正面に設けられて、利用者の操作に対応する接客部1を備える。接客部1は、シャッタ2、受皿3、及び表示/操作部4を含む。
【0018】
シャッタ2は、景品の投入口を覆うようにスライド移動して投入口の遮断及び開放を行い、投入口から景品読取装置100の内部へ景品以外のものが侵入することを防止する。受皿3は、後述する景品読取装置100の内部機構が貨幣及び返却する景品を搬出する。搬出先である。利用者は、受皿3から貨幣及び返却された景品を受け取る。表示/操作部4は、LEDによる表示とタッチパネル等の操作手段とを備えた液晶ディスプレイからなり、案内画面及び選択画面を表示して、利用者がタッチパネルを介して所定の選択及び操作が行えるように構成されている。
【0019】
また、景品読取装置100は、景品の搬送経路に、繰出部5、読取部6、収納搬送部7、及びスタッカ部8を備える。繰出部5は、利用者によって一枚〜数十枚重ねられて投入口から投入された景品を一枚ずつ分離して読取部6へ繰出す。繰出部5は、所定以上に厚さが厚い景品及び所定以上に変形した景品を規制する機能も有している。読取部6は、読取搬送部10と保留部11と返却搬送部12とを含む。読取搬送部10は、繰出部5から繰出された景品を所定の搬送路に沿って保留部11へ搬送すると共に、景品に記憶されている景品関連情報を読み取る。また、読取搬送部10は、後述するように景品に対して所定の判定を行う。
【0020】
保留部11は、景品関連情報が読み取られた後の景品を収納して一旦保留する。そして利用者から返却を希望する所定の操作が無ければ、収納搬送部7がスタッカ部8に景品を搬送する。利用者から返却を希望する所定の操作があれば返却搬送部12が景品を受皿3へ搬送して返却する。
【0021】
返却搬送部12は、搬送路を含んで構成され、読取搬送部10、保留部11、及び受皿3と接続されて、所定の景品を読取搬送部10及び保留部11から受皿3へ搬送する。所定の景品とは、読取搬送部10において読み取られた景品関連情報と、読取搬送部10による測定結果及び検出結果と、に基づいて異常と判定された景品を含む。また、所定の景品とは、返却を希望する所定の操作が利用者によってなされた景品を含む。
【0022】
スタッカ部8は、例えば、第1スタッカ8a、第2スタッカ8b、第3スタッカ8cの3種類を備える。収納搬送部7は、景品の種類に応じて各スタッカ8a〜8c内に景品を分別収納する。
【0023】
更に、景品読取装置100は、制御部13、貨幣処理部14、及び係員操作部15を備える。制御部13は、CPU、各要素(接客部1、繰出部5、読取部6、収納搬送部7、貨幣処理部14、及び係員操作部15)との接続を可能とするインターフェイス(いずれも図示せず)等を備え、景品読取装置100の動作制御を行う。制御部13による読取部6の制御は、読取搬送部10によって読み取られる景品関連情報、及び読取搬送部10による所定の測定及び検出の結果に基づいて行われる。また、制御部13は、取込制御部20を含む。取込制御部20は、後述するように、景品の読取を行う読取判定部への景品の取込を制御する。
【0024】
貨幣処理部14は、景品に記録された景品関連情報に含まれる対価情報に応じた貨幣を受皿3に払い出す。すなわち、貨幣処理装置14は、読取搬送部10によって読み取られ、制御部13に入力された対価情報に基づいて対応する貨幣を受皿3に払い出す。例えば、貨幣処理部14は、硬貨処理装置や紙幣処理装置が相当する。
【0025】
係員操作部15は、景品読取装置100の背面に設けられ、景品の集計情報を表示する表示部、各種設定を受け付ける押しボタン等が備え付けられている。
【0026】
図2を参照して、読取搬送部10のより具体的な構成について説明する。図2は、本実施形態の景品読取装置100に含まれる読取搬送部10の概略断面図である。図3の断面は、搬送方向に平行で、搬送面に対して垂直な断面である。読取搬送部10は、搬送部30(搬送手段)、厚さ測定部40(測定手段)、リジェクト部50(リジェクト手段)、第1〜第8の検出位置センサ81〜88、読取判定部(読取手段)を含んで構成される。図3において、景品は、搬送路32に沿って矢印A1方向(右方向)に搬送され、左側が上流側、右側が下流側に相当する。
【0027】
搬送部30は、繰出部5から繰出された景品を通常動作として保留部11へ搬送し、返却動作として返却搬送部12へ搬送する。搬送部30は、搬送モータ31、ローラ、ベルト、及びガイド部材等によって構成される。搬送モータ31は、ローラ及びベルト等に連結して、制御部13による制御に基づいてローラ及びベルト等を駆動する。搬送モータ31が正転することにより、搬送方向(矢印A1方向)に景品を搬送し、搬送モータ31が逆転することにより、搬送方向と逆方向に景品を搬送する。
【0028】
厚さ測定部40は、搬送路32の上流側に位置し、搬送路32に沿って搬送される景品の厚さに対応する値を所定の位置(測定位置P1)において測定する測定器である。ここでの「景品の厚さに対応する値」とは、景品自体の厚さ、景品の厚さ方向の変形量、及び表面に付着したゴミの厚さ等を含めた厚さを意味する。
【0029】
また、厚さ測定部40は、詰まりの原因とならないことが予測可能な所定の厚さより薄い景品については厚さを測定せずに、測定位置P1を通過させるように構成されている。厚さ測定部40は、測定結果を取込制御部20へ出力する。また、厚さ測定部40は測定器であるので測定結果は測定誤差を含むが、厚さ測定部40から出力される測定結果は、マイナスの測定誤差を含まないように調整されている。すなわち、厚さ測定部40から出力される測定結果は、実際の景品の厚さ寸法よりも小さい値とならないように調整されている。厚さ測定部40の機構については後述する。
【0030】
リジェクト部50は、制御部13から出力されるリジェクト信号に基づいて、景品を搬送路32上の所定のリジェクト位置P2から、搬送路を外れた返却搬送部12へ搬出するリジェクト処理を行う部分である。リジェクト処理は、返却処理に含まれる。リジェクト位置P2は、測定位置P1より下流側に位置し、読取判定部よりも上流側に位置する。リジェクト部50の機構については後述する。
【0031】
読取判定部は、景品に記憶された景品関連情報を搬送路32において読み取ると共に、景品関連情報に基づいて景品の正当性を判定する。各読取判定部は、読み取った景品関連情報と判定結果を制御部13へ出力する。景品が不当と判定された景品は、異常景品として返却処理が行われることとなる。なお、各読取判定部は、景品の読取が不可能であった場合は、景品が不当と判定する。更に、厚さ測定部40において測定が行われない所定の厚さ以下の景品は、各読取判定部において正常に読取ができない為、読取判定部において不当と判定されて返却処理が行われることとなる。
【0032】
本実施形態では、読取判定部として、ステルスリーダ部91、近接センサ部94、及び磁気読取部97が用いられる。ステルスリーダ部91、近接センサ部94、及び磁気読取部97は、それぞれ搬送路32の上流から順に配置されて、搬送されて読取位置P3〜P5に位置する景品の景品関連情報を読み取る。各ステルスリーダ部91、近接センサ部94、及び磁気読取部97が景品を読み取る際に景品が位置する読取位置P3〜P5は、リジェクト位置P2よりも下流側に位置する。
【0033】
第1〜第8の検出位置センサ81〜88は、搬送路32上のそれぞれ検出位置センサに対応する検出位置において、景品が存在するか否か検出する。第1〜第8の検出位置センサ81〜88は、それぞれ搬送路32を挟んで設けられた一対の投光部と受光部から成る光学センサで構成されている。検出位置に搬送中の景品が存在すると、対応する投光部からの出力光が遮光されて受光部が出力光を受光しない。検出位置に搬送中の景品が存在しないと、対応する投光部からの出力光が受光部により受光される。各第1〜第8の検出位置センサ81〜88は、受光部によって出力光を受光したか否かを示す検出信号を制御部13へ出力する。
【0034】
図2に示すように、搬送路32の搬送方向に対して読取搬送部10における上記各構成要素は、第1の検出位置センサ81、厚さ測定部40、第2の検出位置センサ82、リジェクト部50及び第3の検出位置センサ83、第4の検出位置センサ84、ステルスリーダ部91、第5の検出位置センサ85、近接センサ部94、第6の検出位置センサ86、第7の検出位置センサ87、磁気読取部97、第8の検出位置センサ88の順に配置されている。
【0035】
すなわち、厚さ測定部40と、最も上流側の読取判定部であるステルスリーダ部91との間に第4の検出位置センサ84が配置され、ステルスリーダ部91を間に挟んで第4の検出位置センサ84と第5の検出位置センサ85とが配置され、近接センサ部94を間に挟んで第5の検出位置センサ85と第6の検出位置センサ86とが配置され、磁気読取部97を間に挟んで第7の検出位置センサ87と第8の検出位置センサ88とが配置されている。
【0036】
図3及び図4を参照して、厚さ測定部40の機構について説明する。図3は、厚さ測定部40の正面図である。すなわち、図3には、読取搬送部10において搬送路32の上流から見た厚さ測定部40を示す。図3には、説明のために、搬送路32、景品P、及び側面規制板48を厚さ測定部40と併せて示す。側面規制板48は、搬送方向と平行に設けられたガイドである。景品の長手方向の側面が側面規制板48に沿って搬送されることにより、搬送面における搬送方向に対して垂直方向の搬送位置が規制される。図4は、厚さ測定部40の右側面図である。図4には、説明のために、景品P及び搬送路32を厚さ測定部40と併せて示す。
【0037】
厚さ測定部40は、規制ローラ41、可動ローラ42、可動アーム43、可動アーム支点軸44、可動アームストッパ45、反射板46、及び変位センサ47を含んで構成される。
【0038】
規制ローラ41は、ローラ最上面が搬送面に位置して、固定軸を軸として回転することにより厚み測定部40に景品を搬入し、厚み測定部40へ景品を搬出する。3個の可動ローラ42は、規制ローラ41と共に搬送面を挟む位置において回転し、規制ローラ41と共に景品Pを挟む。可動ローラ42の回転軸は、可動アーム43に固定されている。可動アーム43は、固定された可動アーム支点軸44を軸にして、搬送方向に平行で搬送面に垂直な面において回転可能に構成されている。可動アームストッパ45は、可動アーム43の突起部の可動範囲を規制して、可動ローラ42の最下部と搬送面との間の距離が所定の距離を保つように、可動アーム43の位置を規定している。反射板46は、平面状の光反射面を有して、可動アーム43に固定されて、可動アーム43の回転と共に回転する。変位センサ47は、光電センサである。固定された変位センサ47は、反射板46から反射される光強度を検出して、光強度に対応するデジタル信号を測定結果として制御部13へ出力する。
【0039】
景品Pが規制ローラ41と可動ローラ42との間に存在していないとき、反射板46の反射面は、搬送面と略平行に位置し、規制ローラ41と可動ローラ42との間の距離は所定の距離に保たれている。景品Pが規制ローラ41と可動ローラ42との間を通過する際には、景品Pの厚さに応じて、可動ローラ42が持ち上げられ可動アーム43と共に矢印A2方向(図4において時計回り)に回転する。可動アーム43が回転することにより反射板46が回転して反射面が移動し、反射面から反射される光強度が変化する。
【0040】
よって、変位センサ47から出力される測定結果は、搬送面から景品の上表面の高さに応じて変化する値を示す。すなわち、測定結果は、景品の厚さ、景品の変形、及び景品に付着した異物等を含む景品の厚さに対応する。なお、所定の距離よりも厚さが小さい景品が、規制ローラ41と可動ローラ42との間を通過する場合は、厚み測定部40は、動作せず、景品の厚さを測定しない。
【0041】
図5を参照して、読取判定部である、ステルスリーダ部91、近接センサ部94、及び磁気読取部97についてより詳細に説明する。図5は、読取判定部の概略図であり、図5(a)がステルスリーダ部91を示し、図5(b)が近接センサ部94を示し、図5(c)が磁気読取部97を示す
【0042】
ステルスリーダ部91は、ステルスリーダ92、ステルスリーダ搬送ガイド93、ローラ等を含んで構成される。ステルスリーダ92は、景品の景品関連情報を含むステルスコードを読み取る。ステルスリーダ搬送ガイド93は、ステルスリーダ92の読取位置P3に景品を誘導するガイドであり、それぞれ景品の上面と下面から景品の位置を規制するガイド93Aとガイド93Bとから構成される。本実施形態では、ガイド93Aとガイド93Bとの間の幅は1.2mmである。
【0043】
近接センサ部94は、近接センサ95、近接センサ搬送ガイド96等を含んで構成される。近接センサ95は、景品内に埋め込まれたマーカ(金属片)の有無または数を検知して景品関連情報を読み取る。近接センサ搬送ガイド96は、近接センサ95の読取位置P2に景品を誘導するガイドであり、それぞれ景品の上面と下面から景品の位置を規制するガイド96Aとガイド96Bとから構成される。本実施形態では、ガイド96Aとガイド96Bとの間の幅は1.2mmである。
【0044】
磁気読取部97は、磁気ヘッド98、規制ローラ99、搬送ベルト等を含んで構成される。磁気ヘッド98は、景品に書き込まれた磁気情報(景品関連情報)を読み取る。磁気ヘッド98と規制ローラ99との間に入る景品の最大厚さは1.2mmである。
【0045】
図6〜8を参照して、リジェクト部50の機構について説明する。図6は、読取搬送部10の概略断面図であり、リジェクト処理を行う状態を示している。図6に示すように、リジェクト部50は、2組のローラ対により景品を挟み込み、景品を挟んだ状態でリジェクト部50が矢印A3方向(図6において反時計回り)に回転して、景品Pを読取搬送部10の下方に位置する返却搬送部12へ(矢印A4方向へ)搬送する。
【0046】
図7は、リジェクト部50の正面図であり、通常動作状態を示す。図8は、リジェクト部50の正面図であり、リジェクト動作状態を示す。リジェクト部50は、主に、2対のローラ対、搬送ベルト57、ベース板64、リンク機構、モータ68、位置センサを含んで構成される。
【0047】
2対のローラ対は、第1のローラ51、第2のローラ52、2個のテンションローラ53によって構成される。ローラ対の周辺部品として、テンションローラ取付板金56、ローラ取付板金58等がある。2個のテンションローラ53は、それぞれテンションローラ取付板金56に取り付けられて搬送路32の上側に位置し、搬送路32側に加える押圧を制御可能に構成されている。
【0048】
第1ローラ51及び第2ローラ52は、2個のテンションローラ53に対してそれぞれ搬送路32を挟んで下側に配置されている。第1ローラ51及び第2ローラ52には搬送ベルト57が掛け渡され、搬送ベルト57の上面が搬送路32の一部を構成することとなる。搬送ベルト57は、第1ローラ51及び第2ローラ52と共に回転し、搬送ベルト57の上面に位置する景品をリジェクト位置P2に搬送する。
【0049】
第1ローラ51及び第2ローラ52の回転軸がそれぞれ平板状のローラ取付板金58に固定されて取り付けられている。ローラ取付板金58は、第2ローラ52及び搬送ベルト57と共に、第1ローラ51の回転中心54を中心に回転可能にベース板64に取り付られている。ベース板64は、固定されている。ローラ取付板金58には、第1ローラ51と第2ローラ52との間に長穴59が形成されている。長穴59には、リンク機構が連結されている。
【0050】
リンク機構には、リンク板B61、リンク板A63によって構成される。リンク板Bの端部側の裏面に形成された円柱状の突起62が長穴59に連結されて、リンク板Bの主面は、ローラ取付板金58の主面と平行に配置される。また、長穴59に沿ってリンク板Bの上部は横方向にスライド可能に構成されている。リンク板B61の他方の端部側は、ベース板64に固定され、その固定部67を中心にリンク板B61は回転可能である。
【0051】
リンク板Bの突起62と固定部67との間であって、リンク板B61の略中心部には突起が形成され、リンク板A63と連結されている。リンク板A63は、一方の端部がリンク板B61と連結され、他方の端部がモータ68のプーリに取り付られている。
【0052】
位置センサは、定位置確認センサ65と、搬送路切換確認センサ66と、が備えられている。定位置確認センサ65は、リンク板B61の下部に固定されている。定位置確認センサ65は光電センサであり、リンク板B61が傾斜すると、通常位置のリンク板B61によって遮光されていたセンサ用の光が投光されて、リンク板B61の傾斜を確認することができる。
【0053】
搬送路切換確認センサ66は、ローラ取付板金58の下方に固定されている。搬送路切換確認センサ66は、光電センサであり、通常状態で投光を検出し、ローラ取付板金58が搬送路切換位置に移動すると、ローラ取付板金58によって遮光され、ローラ取付板金58の搬送切換位置を確認することができる。
【0054】
上記構成のリジェクト部50において、リジェクト処理が開始されると、テンションローラ53がリジェクト位置P2にある景品を押圧して、第1ローラ51及び第2ローラ52と共に景品を挟み込む。図7に示す矢印A5方向にモータ68が回転すると、リンク板A63が下降し、リンク板A63と接続されたリンク板B61が固定部67を中心に時計周りに回転し、リンク板B61が傾斜する。
【0055】
リンク板B61が傾斜すると、リンク板B61の突起62が長穴59を右方向にスライドし、ローラ取付板金58と共に、第2ローラ52及び搬送ベルト57が、第1ローラ51の回転中心54を中心に反時計回りに回転して、第2のローラ52側が下降する。ローラ取付板金58が搬送路切換位置に移動すると、図8に示すように、搬送路が傾斜して、リジェクト部50の下側に配置された返却搬送部12(図示せず)と搬送ベルト57によって構成された搬送路とがつながり、搬送路の切換が完了する。
【0056】
引き続いて、図9を参照して、本発明に係る取込制御部20についてより詳しく説明する。図9は、本実施形態に係る景品読取装置に含まれる読取搬送部10及び取込制御部20の機能的な構成要素を示すブロック図である。
【0057】
読取搬送部10は、上述したように、厚さ測定部40と、リジェクト部50と、第1〜第8の検出位置センサ81〜88と、読取判定部90(ステルスリーダ部91、近接センサ部94、磁気読取部97)と、備える。取込制御部20は、値記憶部(値記憶手段)21と、厚さ記憶部(厚さ記憶手段)22と、取込判定部(判定手段)23と、詰まり判定部24とを備えて構成される。
【0058】
値記憶部21は、景品の厚さに対応する値に関する基準値を記憶する部分である。基準値は、1.2mmに対応する値以下に設定される。
【0059】
厚さ記憶部22は、厚さ測定部40によって測定した測定結果を記憶する部分である。また、厚さ記憶部22は、取込判定部23へ測定結果を出力する。
【0060】
取込判定部23は、厚さ測定部40による測定結果が示す測定値と値記憶部21に記憶された基準値とに基づいて、景品を搬送路における所定の位置からより下流へ搬送するか否か判定する部分である。所定の位置とは、リジェクト部50が返却搬送部12へ景品をリジェクトする搬送路上のリジェクト位置P2である。取込判定部23は、測定結果が基準値以下である場合に、リジェクト位置P2より下流へ搬送すると判定し、測定結果が基準値より大きい場合に、景品を異常景品と判定すると共にリジェクト部50へリジェクト信号を出力して、景品をリジェクト処理させる。取込判定部23による判定は、景品がリジェクト位置P2に存在する間又はリジェクト位置P2よりも上流に存在する間に行う。
【0061】
また、取込判定部23は、規制幅と測定値を比較して、測定値が規制幅以下である場合に、景品を異常景品と判定すると共にリジェクト位置P2より下流へ搬送すると判定し、測定値が規制幅より大きい場合にリジェクト部50へリジェクト信号を出力する。規制幅とは、ステルスリーダ搬送ガイド93の幅、近接センサ搬送ガイド96の幅、磁気ヘッド98と規制ローラ99との間に入る景品の最大厚さに依存する値であり、本実施形態では1.2mmである。
【0062】
詰まり判定部24は、各第1〜第8の検出位置センサ81〜88によって出力される検出信号に基づいて、搬送路における景品が詰まっているか否か判定する部分である。詰まり判定部24と第1〜第8の検出位置センサ81〜88とによって詰まり検知部80(詰まり検知手段)を構成する。詰まり検知部80は、リジェクト位置P2より下流側を含む搬送路32における景品の詰まりを検知する部分である。
【0063】
より具体的には、搬送方向に沿って隣合う2つの検出位置センサのうち、上流側の検出位置センサにおいて投光した光が遮光された後の所定の時間内に、下流側の検出位置センサにおいて光が遮光されなかった場合に、詰まり判定部24が2つの検出位置センサ間において景品が詰ったと判定する。また、所定の時間内に、下流側の検出位置センサにおいて光が投光されなかった場合に、詰まり判定部24が2つの検出位置センサ間において景品が詰ったと判定する。詰まり判定部24が、景品が詰ったと判定すると、詰まり検知部80が詰まりを検知したこととなる。上記所定の時間が経過したことは、下流側の各検出位置センサに対してタイマが設定されることにより検出可能である。
【0064】
詰まり検知部80は、詰まりを検知すると、検出した箇所を示す位置情報を含む詰まり信号を制御部13へ出力する。詰った景品は、返却処理されて、利用者に返却される。特に、詰まり検知部80は、リジェクト位置P2より下流で景品の詰まりを検知した場合、変更部にも詰まり検出信号を出力する。
【0065】
変更部25は、詰まり検出信号を入力すると、値記憶部21に記憶されている基準値を厚さ記憶部22に記憶されている測定値に変更する部分である。変更部25は、厚さ記憶部22から測定値を読み出し、値記憶部21に読み出した測定値を基準値として記憶する。すなわち、変更部25によって、値記憶部21に記憶される基準値が、実際に詰まりの原因となった景品の厚さに応じて変更されることとなる。
【0066】
引き続いて、図10を参照して景品読取装置100全体の動作の概要について説明する。図10は、本実施の形態に係る景品読取装置100の概略動作を示すフローチャートである。
【0067】
利用者が表示/操作部4を介して受付を開始するための受付開始操作を行うと、受付開始のための受付開始信号が表示/操作部4から制御部13へ出力される(S1)。受付開始信号が入力されると、制御部13からの制御信号に基づき、シャッタ2が開放し、利用者が景品を投入口から投入できる状態とする(S2)。利用者が投入口に景品を投入すると、景品読取装置100が景品を受け付ける(S3)。
【0068】
景品の投入を終えた利用者が、表示/操作部4を介して処理を開始するための処置開始操作を行うと、処理開始のための処理開始信号が、表示/操作部4から制御部13へ出力される(S4)。処理開始信号が入力されると、制御部13からの制御信号に基づき、シャッタ2が閉鎖する(S5)。
【0069】
シャッタ2が閉鎖されると制御部13から出力される繰出信号に基づいて、繰出部5が作動して、1枚の景品を読取搬送部10へ繰出す(S6)。そして、制御部13からの制御信号に基づいて、読取搬送部10が景品を搬送しながら景品関連情報を読み取る(S7)。各読取判定部が、景品が正当であると判定すると(S7でYes)と、制御部13からの制御信号に基づき保留部11が景品を保留して(S8)、ステップ10へ進む。各読取判定部が、景品が不当であると判定する(S7でNo)と、制御部13からの制御信号に基づきリジェクト部50が景品のリジェクト処理を行い(S9)、ステップ10へ進む。
【0070】
ステップ10へ進み、利用者によって投入された景品の繰出しが完了していない場合(S10でNo)は、ステップS6へ戻る。利用者によって投入された景品の繰出しが完了した場合(S10でYes)は、ステップS11へ進む。
【0071】
繰出しが完了すると、読取判定部から読取が完了した景品の景品関連情報が制御部13へ出力されて、制御部13の制御信号に基づき表示/操作部4が景品関連情報に含まれる情報を表示する(S11)。表示/操作部4を介して、制御部13が利用者による取消し操作を受け付けると(S12でYes)、返却搬送部12によって景品の返却搬送が行われる(S13)。景品の返却搬送が行われて受皿3へ景品が搬送されると、利用者が景品を受け取れる状態となり、景品が返却される(S14)。
【0072】
表示/操作部4を介して、制御部13が利用者による確定操作を受け付けると(S12でNo)、制御部13による制御信号にもとづき、貨幣処理部14が貨幣の出金処理を行い、利用者が貨幣を受け取れる状態となる(S15)。貨幣の出金処理が行われると、制御部13による制御信号に基づき、収納搬送部7が保留部11から景品を搬送してスタッカ部8へ分別収納する(S16)。以上の動作により景品読取装置100において景品の読取処理が行われる。
【0073】
引き続いて、図11〜図13を参照して読取搬送部10及び返却搬送部12における読取搬送動作及び返却搬送動作について説明する。読取搬送動作及び返却搬送動作は、図10におけるステップ7及びステップ9においてなされる動作である。図11、12は、景品読取装置100における読取搬送動作を示すフローチャートである。図11は、主に、読取搬送部10における搬送開始からリジェクト位置P2までの搬送動作を示すフローチャートである。図12は、主に、読取搬送部10におけるリジェクト位置P2から搬送終了までの搬送動作を示すフローチャートである。図13は、基準値変更の処理動作及び返却処理動作を示すフローチャートである。なお、図11〜13においては、「第1〜第8の検出位置センサ81〜88」を「第1〜第8のセンサ」と略記する。
【0074】
まず図11を参照して、読取搬送部10における搬送開始からリジェクト位置P2までの搬送動作を説明する。
【0075】
読取搬送動作が開始されると、搬送モータ31が正転を開始し、第1の検出位置センサ81に対してタイマがセットされる(S20)。タイマがセットされてから、詰まり検知部80によって第1の検出位置センサ81における遮光が検出される(S21でYes)と、ステップS25へ進む。
【0076】
詰まり検知部80によって第1の検出位置センサ81における遮光が検出されず(S21でNo)、所定時間経過(タイムアップ)してない場合(S22でNo)は、ステップS21に戻り、搬送モータ31の駆動を継続して第1の検出位置センサ81における遮光を監視する。タイムアップした場合(S22でYes)、第1の検出位置センサ81よりも上流で景品の詰まりが発生したことを詰まり検知部80が検出して制御部13へ詰まり検出信号を出力する(S23)。その後、所定の処理を行い(S24)、終了する。
【0077】
タイムアップ前に第1の検出位置センサ81の遮光が検出されると、厚さ測定部40によって景品の厚さの測定が開始と共に、第2の検出位置センサ82に対してタイマがセットされる(S25)。タイマがセットされてから、詰まり検知部80によって第2の検出位置センサ82において一旦遮光された後の投光が検出される(S26でYes)と、ステップ29へ進む。
【0078】
詰まり検知部80によって第2の検出位置センサ82における遮光後の投光が検出されず(S26でNo)、タイムアップしていない場合(S27でNo)は、ステップS26に戻り、搬送モータ31の駆動を継続して第2の検出位置センサ82における遮光後の投光を監視する。タイムアップした場合(S27でYes)、厚さ測定部40付近で景品の詰まりが発生したことを詰まり検知部80が検出して制御部13へ詰まり検出信号を出力すると共に、厚さ測定を終了する(S28)。その後、所定の処理を行う(S24)。
【0079】
タイムアップ前に第2の検出位置センサ82の投光が検出されると、景品の厚さ測定が終了し(S29)、測定結果が厚さ記憶部22に保存されると共に、第3の検出位置センサ83に対してタイマがセットされる(S30)。タイマがセットされて、詰まり検知部80によって第3の検出位置センサ83における遮光が検出される(S31でYes)と、ステップ34へ進む。
【0080】
詰まり検知部80によって第3の検出位置センサ83における遮光が検出されず(S31でNo)、タイムアップしていない場合(S32でNo)は、ステップ31に戻り、搬送モータ31の駆動を継続して第3の検出位置センサ83における遮光を監視する。タイムアップした場合(S32でYes)、第2の検出位置センサ82と第3の検出位置センサ83との間で景品の詰まりが発生したことを詰まり検知部80が検出して制御部13へ詰まり検出信号を出力する(S33)。その後、所定の処理を行う(S33)。
【0081】
タイムアップ前に第3の検出位置センサ83の遮光が検出されると、景品はリジェクト位置P2付近に位置することとなる。この状態で、取込判定部23が測定値と規制幅とを比較し、測定値が規制幅以下である場合(S34でYes)は、ステップ35へ進む。ステップ35へ進み、取込判定部23が測定値と基準値とを比較し、測定値が基準値以下である場合(S35でYes)は、取込判定部23によって正常景品と判定される。その後、図12のステップ40へ進む。
【0082】
測定値が規制幅より大きい場合(S34でNo)、及び測定値が基準値より大きい場合(S35でNo)は、取込判定部23によって異常景品と判定されて、図13のステップ78へ進む。
【0083】
引き続き図12を参照して、リジェクト位置P2から読取搬送部10における搬送終了までの搬送動作を説明する。尚、図12に示す搬送動作では、各読取判定部において景品が正常に読み取れる場合のフローを示す。
【0084】
測定値が基準値以下である場合は、第4の検出位置センサ84に対してタイマがセットされる(S40)。タイマがセットされてから、詰まり検知部80によって第4の検出位置センサ84における遮光が検出される(S41でYes)と、ステップS44へ進む。
【0085】
詰まり検知部80によって第4の検出位置センサ84における遮光が検出されず(S41でNo)、タイムアップしてない場合(S42でNo)は、ステップS41に戻り、搬送モータ31の駆動を継続して第4の検出位置センサ84における遮光を監視する。タイムアップした場合(S42でYes)、リジェクト部50で景品の詰まりが発生したことを詰まり検知部80が検出して制御部13へ詰まり検出信号を出力する(S43)。その後、図13のステップ78へ進む。
【0086】
タイムアップ前に第4の検出位置センサ84の遮光が検出されると、ステルスリーダ部91によってステルスリーダの読取が開始されると共に、第5の検出位置センサ85に対してタイマがセットされる(S44)。タイマがセットされてから、詰まり検知部80によって第5の検出位置センサ85における遮光が検出される(S45でYes)と、ステップS48へ進む。
【0087】
詰まり検知部80によって第5の検出位置センサ85における遮光が検出されず(S45でNo)、タイムアップしてない場合(S46でNo)は、ステップS45に戻り、搬送モータ31の駆動を継続して第5の検出位置センサ85における遮光を監視する。タイムアップした場合(S46でYes)、ステルスリーダ部91の読取を停止し、ステルスリーダ部91付近で景品の詰まりが発生したことを詰まり検知部80が検出して制御部13へ詰まり検出信号を出力する(S47)。その後、図13のステップ70へ進む。
【0088】
タイムアップ前に第5の検出位置センサ85の遮光が検出されると、近接センサ部94による読取が開始されると共に、第6の検出位置センサ86に対してタイマがセットされる(S48)。タイマがセットされてから、詰まり検知部80によって第6の検出位置センサ86における遮光が検出される(S49でYes)と、ステップS52へ進む。
【0089】
詰まり検知部80によって第6の検出位置センサ86における遮光が検出されず(S49でNo)、タイムアップしてない場合(S50でNo)は、ステップS49に戻り、搬送モータ31の駆動を継続して第6の検出位置センサ86における遮光を監視する。タイムアップした場合(S50でYes)、ステルスリーダ部91と近接センサ部94との読取を停止し、ステルスリーダ部91及び近接センサ部94付近で景品の詰まりが発生したことを詰まり検知部80が検出して制御部13へ詰まり検出信号を出力する(S51)。その後、図13のステップ70へ進む。
【0090】
タイムアップ前に第6の検出位置センサ86の遮光が検出されると、ステルスリーダ部91による読取を停止すると共に、第7の検出位置センサ87に対してタイマがセットされる(S53)。タイマがセットされてから、詰まり検知部80によって第7の検出位置センサ87における遮光が検出される(S53でYes)と、ステップS55へ進む。
【0091】
詰まり検知部80によって第7の検出位置センサ87における遮光が検出されず(S53でNo)、タイムアップしてない場合(S54でNo)は、ステップS53に戻り、搬送モータ31の駆動を継続して第7の検出位置センサ87における遮光を監視する。タイムアップした場合(S54でYes)、磁気読取部97手前付近で景品の詰まりが発生したことを詰まり検知部80が検出して制御部13へ詰まり検出信号を出力し、図13のステップ70へ進む。
【0092】
タイムアップ前に第7の検出位置センサ87の遮光が検出されると、磁気読取部97による読取を開始すると共に、第8の検出位置センサ88に対してタイマがセットされる(S55)。タイマがセットされてから、詰まり検知部80によって第8の検出位置センサ88における遮光が検出される(S56でYes)と、ステップS59へ進む。
【0093】
詰まり検知部80によって第8の検出位置センサ88における遮光が検出されず(S56でNo)、タイムアップしてない場合(S57でNo)は、ステップS56に戻り、搬送モータ31の駆動を継続して第8の検出位置センサ88における遮光を監視する。タイムアップした場合(S57でYes)、磁気読取部97の読取を停止して、磁気読取部97付近で景品の詰まりが発生したことを詰まり検知部80が検出して制御部13へ詰まり検出信号を出力し(S58)、図13のステップ70へ進む。
【0094】
タイムアップ前に第8の検出位置センサ88の遮光が検出されると、磁気読取部97による読取を停止して(S55)、読取搬送部10における読取及び搬送が終了する。
【0095】
図13を参照して、基準値変更の処理動作及びリジェクト処理動作について説明する。
【0096】
第5〜第8の検出位置センサ85〜88においてタイムアップとなった場合、搬送モータ31を停止して(S70)、変更部25によって厚さ記憶部22から測定値が読み出され、変更部25によって基準値が測定値に変更される(S71)。基準値が変更されると、搬送モータ31が逆転を開始する(S72)。搬送モータ31が逆転を開始すると、第3の検出位置センサ83に対してタイマがセットされる(S73)。
【0097】
タイマがセットされてから、詰まり検知部80によって第3の検出位置センサ83における遮光が検出される(S74でYes)と、ステップS78へ進む。詰まり検知部80によって第3の検出位置センサ83における遮光が検出されず(S74でNo)、タイムアップしてない場合(S75でNo)は、ステップS74に戻り、搬送モータ31の逆転駆動を継続して第3の検出位置センサ83における遮光を監視する。タイムアップした場合(S75でYes)、搬送路において景品の詰まりが発生したことを詰まり検知部80が検出して制御部13へ詰まり検出信号を出力する(S76)。その後、所定の処理が行われ(S77)、一連の動作を終了する。
【0098】
タイムアップ前に第3の検出位置センサ83における遮光が検出されると、リジェクト位置P2まで景品が搬送される(S78)。また、取込判定部23によって異常景品と判定された場合、及びリジェクト部50付近で詰まりが発生した場合も、リジェクト位置P2まで景品が搬送される(S78)。
【0099】
リジェクト位置P2まで景品が搬送されると、搬送モータ31が停止し、リジェクト部50が下降して景品の搬送路が返却搬送路へ切り替えられる(S79)。すると、搬送モータ31が逆転駆動を開始して景品が返却搬送部12へ搬送されると共に、逆転タイマがセットされる(S80)。逆転タイマがアップすると(S81)、搬送モータ31が停止して(S82)、リジェクト部50が通常の位置に戻り(S83)、リジェクト処理を含む一連の処理が終了する。
【0100】
引き続いて、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態に係る景品読取装置100によれば、厚さ測定部40が搬送する景品の厚さに対応する値を測定し、取込判定部23が、測定値と値記憶部22に記憶された基準値とに基づいて景品をより下流に搬送するか否か判定するので、景品の変形又は異物の付着等によって景品の厚さが所定の厚さより大きい異常物品を、リジェクト位置P2よりも下流に搬送しないように制御することができる。また、景品をリジェクト位置P2よりも下流に搬送した場合であっても、詰まり検知部80が景品の詰まりを検知すると、変更部25が基準値を測定値に変更するので、詰まった景品に対する測定結果を基準値にフィードバックして、詰まった景品と同等の厚さの物品を以後搬送しないように制御することができる。以上のことから、異常景品を取り扱う場合であっても景品の詰まりを抑制することができる。景品の詰まりを抑制することで、景品読取装置100における稼動率を向上させることができる。
【0101】
また、本実施形態の景品読取装置100では、詰まり検知部80によって、搬送路の複数箇所における景品の詰まりを検知することにより、搬送路における景品の詰まり箇所を特定することができる。景品の詰まり箇所を特定することにより、景品読取装置100のメンテナンス等を的確に行うことができる。
【0102】
また、本実施形態の景品読取装置100では、各読取判定部において、ガイド等により景品の厚さが規定されるので景品が詰まり易いが、取込判定部23がリジェクト位置P2よりも下流にその景品を搬送しないと判定した場合に、読取判定部の読取位置よりも上流に位置する景品を搬送路32から外れた所定の位置へ搬送する。よって、景品の厚さが所定の厚さより厚い異常物品である場合に、読取判定部が景品の読取を行う前に景品を搬送路32から外すことができ、読取判定部における景品の詰まりや汚れの付着を防止することができる。
【0103】
更に、本実施形態の景品読取装置100では、リジェクト部50は、2対のローラ対により景品を挟み込み、景品を挟み込んだ状態で景品を所定の位置へ搬送するので、詰まり易い異常景品であっても、確実に返却搬送路へ搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本実施形態に係る景品読取装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る景品読取装置に含まれる読取搬送部の概略断面図である。
【図3】本実施形態に係る景品読取装置に含まれる厚さ測定部の正面図である。
【図4】本実施形態に係る景品読取装置に含まれる厚さ測定部の上面図である。
【図5】本実施形態に係る景品読取装置に含まれる各読取判定部の概略図である。
【図6】本実施形態に係る景品読取装置に含まれる読取搬送部の概略断面図であり、リジェクト処理を行う状態を示している。
【図7】本実施形態に係る景品読取装置に含まれるリジェクト部の正面図であり、通常動作状態を示す。
【図8】本実施形態に係る景品読取装置に含まれるリジェクト部の正面図であり、リジェクト動作状態を示す。
【図9】本実施形態に係る景品読取装置に含まれる読取搬送部及び制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
【図10】本実施形態に係る景品読取装置の概略動作を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態に係る景品読取装置の読取搬送動作を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態に係る景品読取装置の読取搬送動作を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態に係る景品読取装置の返却搬送動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0105】
1…接客部、2…シャッタ、3…受皿、4…操作部、5…繰出部、6…読取部、7…収納搬送部、8…スタッカ部、10…読取搬送部、11…保留部、12…返却搬送部、13…貨幣処理部、13…制御部、14…貨幣処理部、15…係員操作部、20…取込制御部、21…値記憶部、22…記憶部、22…値記憶部、23…取込判定部、24…詰まり判定部、25…変更部、30…搬送部、32…搬送路、40…厚さ測定部、50…リジェクト部、51…第1ローラ、52…第2ローラ、53…テンションローラ、80…詰まり検知部、81〜88…第1〜第8の検出位置センサ、90…読取判定部、91…ステルスリーダ部、92…ステルスリーダ、93…ステルスリーダ搬送ガイド、94…近接センサ部、95…近接センサ、96…近接センサ搬送ガイド、97…磁気読取部、100…景品読取装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード状の物品を所定の搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
前記物品の厚さに対応する値に関する基準値を記憶する値記憶手段と、
前記物品の厚さに対応する値を測定する測定手段と、
前記測定手段による測定結果を記憶する厚さ記憶手段と、
前記測定手段による測定結果と前記値記憶手段に記憶された基準値とに基づいて、前記物品を前記搬送路における所定の位置からより下流へ搬送するか否か判定する判定手段と、
前記搬送路における前記所定の位置より下流の前記物品の詰まりを検知する詰まり検知手段と、
前記詰まり検知手段が前記物品の詰まりを検知した場合には、前記値記憶手段に記憶されている基準値を前記厚さ記憶手段に記憶されている測定結果に基づいて変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする物品処理装置。
【請求項2】
前記詰まり検知手段によって、前記搬送路の複数箇所における物品の詰まりを検知することを特徴とする請求項1に記載の物品処理装置。
【請求項3】
前記搬送路において、前記判定手段が判定を行う際に前記物品が位置する判定位置よりも下流の読取位置に位置する前記物品から、前記物品情報に記憶された前記物品に関する物品情報を読み取る読取手段と、
前記判定手段が搬送しないと判定した場合に、前記読取位置よりも上流に位置する前記物品を前記搬送路から外れた所定の位置へ搬送するリジェクト手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品処理装置。
【請求項4】
前記リジェクト手段は、1以上のローラ対により前記物品を挟み込み、前記物品を挟み込んだ状態で前記物品を所定の位置へ搬送することを特徴とする請求項3に記載の物品処理装置。
【請求項5】
カード状の物品を所定の搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
前記物品の厚さに対応する値に関する基準値を記憶する値記憶手段と、
を備えた物品処理装置における物品処理方法であって、
前記物品の厚さに対応する値を測定する測定ステップと、
前記測定ステップにおける測定結果を記憶する厚さ記憶ステップと、
前記測定ステップによる測定結果と前記値記憶手段に記憶された基準値とに基づいて、前記物品を前記搬送路における所定の位置からより下流へ搬送するか否か判定する判定ステップと、
前記搬送路における前記所定の位置より下流の前記物品の詰まりを検知する詰まり検知ステップと、
前記検知ステップにおいて前記物品の詰まりを検知すると、前記値記憶手段に記憶されている基準値を前記厚さ記憶ステップにおいて記憶した測定結果に基づいて変更する変更ステップと、
を備えることを特徴とする物品処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−31019(P2007−31019A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−213168(P2005−213168)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(000143396)株式会社高見沢サイバネティックス (55)
【Fターム(参考)】