説明

物品搬送装置

【課題】短尺物品及び長尺物品のいずれであっても搬送することが可能となるものでありながら、載置支持している物品の搬送姿勢がスタッカークレーンの走行に伴って乱れるおそれが少ない物品搬送装置を提供する。
【解決手段】収納棚とスタッカークレーンと作動を制御する制御手段とが備えられ、複数の物品移載装置の夫々に対応させて物品の走行経路の長手方向での位置を受止め規制する一対の位置規制部材57,58が備えられ、長尺物品Cが移載されたときの物品存在予定領域の下方側に位置することになる位置規制部材58が、位置規制用の作用位置と下方に引退する引退位置とに位置変更自在に構成され、短尺物品搬送処理状態において可動式の位置規制部材58を前記作用位置に切り換え、長尺物品搬送処理状態において可動式の位置規制部材58を前記引退位置に切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品収納部を縦横に並べて備えた収納棚と、その収納棚の前方の走行経路に沿って走行自在で且つ前記収納棚の前後幅方向に沿って物品を移載する載置搬送式の物品移載装置を前記走行経路の長手方向に沿って並ぶ状態で複数備えたスタッカークレーンと、前記スタッカークレーンの走行作動及び前記物品移載装置の移載作動を制御する制御手段とが備えられ、前記制御手段が、前記走行経路の長手方向に沿って短尺な短尺物品を前記複数の物品移載装置の夫々にて各別に載置支持する短尺物品搬送処理状態と、前記走行経路の長手方向に沿って長尺な長尺物品を前記複数の物品移載装置にて分担して載置支持する長尺物品搬送処理状態とに切り換え自在に構成されている物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記物品搬送装置は、前記スタッカークレーンに一対の物品移載装置がスタッカークレーンの走行経路の長手方向に沿って並ぶ状態で備えられ、前記短尺物品搬送処理状態において、前記短尺物品を移載するときは一対の物品移載装置のうちの1台の物品移載装置によって載置支持し、長尺物品搬送処理状態において前記長尺物品を移載するときは一対の物品移載装置にて分担して載置支持するようになっており、前記走行経路の長手方向に沿う寸法が異なる前記短尺物品及び前記長尺物品のいずれであっても、スタッカークレーンによって搬送することができるように構成したものであり、従来では、長尺物品を移載する場合に載置搬送の際に邪魔にならないように、前記各物品移載装置の走行経路の長手方向の両側脇には部材が存在せず開放された状態となっていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−272610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成においては、前記複数の物品移載装置夫々の前記走行経路の長手方向の両側脇には部材が存在せず開放された状態となっていたから、前記走行経路の長手方向に沿う寸法が異なる前記短尺物品及び前記長尺物品のいずれであっても搬送することが可能であるものの、次のような不利な面があり改善の余地があった。
【0005】
すなわち、上記従来構成では、前記短尺物品搬送処理状態及び前記長尺物品搬送処理状態のいずれの状態であっても、物品を載置支持した状態でスタッカークレーンを走行経路に沿って走行させて移動する場合、載置支持している物品の走行経路の長手方向の両側脇には部材が存在せず開放される状態となるので、スタッカークレーンが停止状態から走行を開始して定常走行状態にまで増速させるときや定常走行状態から走行を停止させるべく減速させるときに、載置位置がずれてしまうおそれがある。
【0006】
説明を加えると、スタッカークレーンは、停止状態から走行を開始して定常走行状態にまで増速させるときには走行速度を漸次増速させることになる。又、逆に、定常走行状態から走行を停止させるときには走行速度を漸次減速させることになる。このように走行開始時に増速するときにおける増速や走行停止時に減速するときの減速を長い時間をかけてゆっくり行うと処理能力が低下するので増速や減速は短時間で行う必要がある。
その結果、スタッカークレーンが停止状態から走行を開始して定常走行状態にまで増速させるときには増速が短時間で行われるので、物品移載装置が載置している物品が静止慣性力に起因して位置がずれてしまうおそれがある。又、スタッカークレーンが定常走行状態から走行を停止させるべく減速させるときには増速が短時間で行われるので、物品移載装置が載置している物品が動慣性力に起因して位置がずれてしまうおそれがある。
【0007】
このように物品が位置ずれすると、その後において物品をスタッカークレーン側から物品収納部側に移載する移載作動を実行するときに、移載作動を適正に行うことができない状態になるおそれがある。特に、最近では搬送処理の高速化が望まれており、スタッカークレーンの走行速度の高速化の要求があるが、このようにスタッカークレーンを高速化すると、上述したような載置している物品が位置ずれを起こすおそれが大となるものであった。
【0008】
本発明の目的は、スタッカークレーンの走行経路の長手方向に沿って短尺な短尺物品及び前記走行経路の長手方向に沿って長尺な長尺物品のいずれであっても搬送することが可能なものでありながら、スタッカークレーンの走行に伴って載置支持している物品の位置ずれが発生するおそれが少ない物品搬送装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る物品搬送装置は、複数の物品収納部を縦横に並べて備えた収納棚と、その収納棚の前方の走行経路に沿って走行自在で且つ前記収納棚の前後幅方向に沿って物品を搬送する載置搬送式の物品移載装置を前記走行経路の長手方向に沿って並ぶ状態で複数備えたスタッカークレーンと、前記スタッカークレーンの走行作動及び前記物品移載装置の移載作動を制御する制御手段とが備えられ、前記制御手段が、前記走行経路の長手方向に沿って短尺な短尺物品を前記複数の物品移載装置の夫々にて各別に載置支持する短尺物品搬送処理状態と、前記走行経路の長手方向に沿って長尺な長尺物品を前記複数の物品移載装置にて分担して載置支持する長尺物品搬送処理状態とに切り換え自在に構成されているものであって、その第1特徴構成は、
前記複数の物品移載装置の夫々に対応させて、前記短尺物品搬送処理状態において、前記短尺物品が前記スタッカークレーン側に移載されたときの物品存在予定領域における前記走行経路の長手方向の両側脇に位置して、前記物品存在予定領域に存在する前記短尺物品の前記走行経路の長手方向での位置を受止め規制する一対の位置規制部材が備えられ、
前記複数の物品移載装置の夫々に対応させて一対ずつ備えられる複数の位置規制部材のうちで、前記長尺物品搬送処理状態において、前記長尺物品が前記スタッカークレーン側に移載されたときの物品存在予定領域の下方側に位置することになる位置規制部材が、位置規制用の作用位置と前記物品存在予定領域よりも下方に引退する引退位置とに位置変更自在な可動式の位置規制部材として構成され、
前記可動式の位置規制部材を前記作用位置と前記引退位置とに切り換え操作自在な位置変更操作手段が備えられ、
前記制御手段が、前記短尺物品搬送処理状態において前記可動式の位置規制部材を前記作用位置に切り換え、前記長尺物品搬送処理状態において前記可動式の位置規制部材を前記引退位置に切り換えるように、前記位置変更操作手段を制御するように構成されている点にある。
【0010】
第1特徴構成によれば、前記短尺物品搬送処理状態において、短尺物品がスタッカークレーン側に移載されたときの物品存在予定領域における走行経路の長手方向の両側脇に位置して、短尺物品の走行経路の長手方向での位置を受止め規制する一対の位置規制部材が備えられ、前記制御手段は、前記短尺物品搬送処理状態においては、前記可動式の位置規制部材を前記作用位置に切り換えるので、前記物品存在予定領域に短尺物品を位置させて載置支持している状態でスタッカークレーンを走行経路に沿って走行させる場合には、物品存在予定領域における走行経路の長手方向の両側脇に位置している一対の位置規制部材によって、短尺物品の走行経路の長手方向での位置を受止め規制することになる。
その結果、スタッカークレーンが走行を開始して増速するときに短尺物品の静止慣性力に起因する位置ずれが回避され、又、スタッカークレーンが減速して走行を停止するときに短尺物品の動慣性力に起因する位置ずれが回避されることになり、短尺物品の走行経路の長手方向での位置ずれを防止することが可能である。
【0011】
そして、前記制御手段は、前記長尺物品搬送処理状態においては、長尺物品がスタッカークレーン側に移載されたときの物品存在予定領域の下方側に位置することになる可動式の位置規制部材が前記物品存在予定領域よりも下方に引退する引退位置に切り換えるように前記位置変更操作手段を制御するので、位置規制部材が邪魔になることがなく、長尺物品を複数の物品移載装置にて分担して載置支持することが可能となるのである。
【0012】
しかも、このとき、複数の物品移載装置にて載置支持される長尺物品は、複数の位置規制部材のうちの可動式の位置規制部材以外の他の位置規制部材、すなわち、その長尺物品における前記走行経路の長手方向の両側脇に位置することになる位置規制部材によって前記走行経路の長手方向での位置が規制されることになる。その結果、短尺物品の場合と同様に、スタッカークレーンが走行を開始して増速するときに長尺物品の静止慣性力に起因する位置ずれが回避され、又、スタッカークレーンが減速して走行を停止するときに長尺物品の動慣性力に起因する位置ずれが回避されることになり、長尺物品の走行経路の長手方向での位置ずれを防止することが可能である。
【0013】
従って、第1特徴構成によれば、短尺物品及び長尺物品のいずれであっても搬送することが可能なものでありながら、スタッカークレーンの走行に伴って載置支持している物品の位置ずれが発生するおそれが少ない物品搬送装置を提供できるに至った。
【0014】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記位置変更操作手段が、前記可動式の位置規制部材を前記作用位置に向けて移動付勢する付勢手段と、その付勢手段にて前記作用位置に向けて移動付勢される前記可動式の位置規制部材を前記作用位置にて受止め保持する受止め体と、前記可動式の位置規制部材を前記引退位置に移動操作する移動操作手段とを備えて構成されている点にある。
【0015】
第2特徴構成によれば、可動式の位置規制部材は前記付勢手段にて前記作用位置に向けて移動付勢され、且つ、前記受止め体によって前記作用位置にて受止め保持されることになる。又、移動操作手段を操作することによって、作用位置にて受止め保持されている可動式の位置規制部材を移動操作することにより引退位置に切り換えることができる。
【0016】
すなわち、移動操作手段の移動操作が行われていないときは、付勢手段の付勢力と受止め体による受止め保持とによって可動式の位置規制部材を作用位置に位置保持することができ、引退位置に切り換えるときにだけ移動操作手段を操作させればよく、しかも、移動操作手段は一方向にのみ操作するものでよく簡素な構成のもので対応できる。
【0017】
従って、第2特徴構成によれば、前記可動式の位置規制部材の位置を切り換えるための前記位置変更操作手段を簡素な構成にしてコスト低減を図ることが可能となる。
【0018】
本発明の第3特徴構成は、第2特徴構成に加えて、前記移動操作手段が、通電することによって前記可動式の位置規制部材を前記引退位置に移動操作する電磁ソレノイドにて構成され、前記制御手段が、前記長尺物品搬送処理状態において、前記物品移載装置を移載作動させるときには前記電磁ソレノイドへ通電し、前記物品移載装置の移載作動を停止するときには前記電磁ソレノイドの通電を停止すべく、前記電磁ソレノイドの作動を制御するように構成されている点にある。
【0019】
第3特徴構成によれば、前記移動操作手段が、通電することによって可動式の位置規制部材を引退位置に移動操作する電磁ソレノイドにて構成されており、前記制御手段は、物品移載装置を移動作動させるときには電磁ソレノイドへ通電して可動式の位置規制部材を引退位置に移動操作することにより、位置規制部材が邪魔になることなく長尺物品を複数の物品移載装置にて良好に分担して載置支持することが可能となる。
【0020】
又、前記制御手段は物品移載装置の移載作動を停止するときには電磁ソレノイドの通電を停止することになる。例えば、長尺物品がスタッカークレーン側に移載されたときに、電磁ソレノイドへの通電が停止されて可動式の位置規制部材に対する引退位置への切り換えのための操作力が解除されて可動式の位置規制部材が前記付勢手段の付勢力によって作用位置に復帰付勢されても、そのとき可動式の位置規制部材の上方側には長尺物品が存在しているので、その長尺物品に接当することによって、引退状態が保持されることになる。
【0021】
一方、物品移載装置の移載作動を停止するときに、長尺物品がスタッカークレーン側に移載されていない状態、例えば収納棚側に移載されている場合には、電磁ソレノイドへの通電が停止されると、可動式の位置規制部材の上方側には何も存在していないので、付勢手段の付勢力によって作用位置に切り換えられることになるが、その後に行われる移載作動の際には、電磁ソレノイドへ通電して可動式の位置規制部材を引退位置に移動操作するので移載作動を良好に行うことができる。
【0022】
従って、第3特徴構成によれば、物品移載装置が移載作動するときにだけ電磁ソレノイドに通電し、移載作動を停止するときには通電を停止するので、例えば、スタッカークレーン側に長尺物品が移載されている間は常に電磁ソレノイドに通電するような構成に比べて、電力の無駄な消費を抑制することが可能となる。
【0023】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、前記スタッカークレーンが前記走行経路の長手方向に沿って並ぶ状態で複数備えられ、それら複数のスタッカークレーンの夫々に前記物品移載装置が各別に備えられ、前記制御手段が、前記短尺物品搬送処理状態においては、前記複数のスタッカークレーンを各別に走行させ、前記長尺物品搬送処理状態においては、前記複数のスタッカークレーンを前記走行経路の長手方向に沿って設定距離隔てて並べて走行させるように、前記複数のスタッカークレーンの走行作動を制御するように構成されている点にある。
【0024】
第4特徴構成によれば、スタッカークレーンが走行経路の長手方向に沿って並ぶ状態で複数備えられ、それら複数のスタッカークレーンの夫々に物品移載装置が各別に備えられており、前記短尺物品搬送処理状態においては、複数のスタッカークレーンを各別に走行させることになるので、それらの複数のスタッカークレーンを各別に走行させることで、複数の短尺物品を各別に異なる場所に向けて搬送させることが可能であり、搬送効率を向上させることが可能である。
【0025】
一方、前記長尺物品搬送処理状態においては、複数のスタッカークレーンを走行経路の長手方向に沿って設定距離隔てて並べて走行させるように複数のスタッカークレーンの走行作動を制御するようにしたから、複数のスタッカークレーンの夫々に備えられる複数の物品移載装置にて分担して長尺物品を載置支持した状態で複数のスタッカークレーンを走行させることができ、前記走行経路の長手方向に沿って長尺な長尺物品であっても載置支持して搬送することが可能となる。又、複数のスタッカークレーンの走行経路の長手方向に沿って隔てる前記設定距離を異なる値に設定すると、前記走行経路の長手方向に沿う長さが異なる長尺物品であっても良好に載置搬送することが可能となる利点もある。
【0026】
従って、第4特徴構成によれば、複数のスタッカークレーンによって前記短尺物品を効率よく搬送することが可能なものでありながら、複数のスタッカークレーンを利用して前記走行経路の長手方向に沿って長尺な長尺物品を良好に載置支持して搬送することが可能な物品搬送装置を提供できるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明にかかる物品搬送装置を物品収納設備に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
この物品収納設備は、図1及び図2に示すように、コンテナ等からなる物品Bを出し入れする前面が互いに対向するように間隔を隔てて設置した二つの収納棚1と、二つの収納棚1同士の間に形成した走行通路2を往復移動するスタッカークレーン3とを設けて構成されている。各収納棚1は、前後一対の支柱1aが棚横幅方向に間隔を隔てて複数立設され、前後一対の支柱1aの夫々には、棚横幅方向に延びる載置支持部1bが上下方向に間隔を隔てて複数配設されている。前記収納棚1における物品収納部4は、上下方向及び棚横幅方向に複数並ぶように設けられており、複数の物品収納部4の夫々は、載置支持部1bにて物品Bを載置支持する形態で物品Bを収納するように構成されている。
【0028】
前記物品Bとしては、走行通路2の床面に設置された走行経路としての走行レール6の長手方向に沿って長尺な長尺物品Cと走行レール6の長手方向に沿って短尺な短尺物品Dとがある。前記物品収納部4としては、長尺物品Cを収納する長尺用収納部41と短尺物品Dを収納する短尺用収納部42とが設けられている。
【0029】
前記走行通路2には、走行レール6が床面に設置されており、ガイドレール7が上方側に設置されている。そして、スタッカークレーン3がガイドレール7にて案内されながら走行レール6上を水平移動するように設けられている。前記走行レール6の両端部のうち荷載置台5側の端部には、制御手段の一例としての地上側コントローラ8が設けられている。収納棚1において、長尺用収納部41は短尺用収納部42よりも荷載置台5側に設けられている。
【0030】
前記収納棚1に入庫する物品Bや収納棚1から出庫した物品Bを支持する入出庫用の物品支持部としての荷載置台5が、収納棚1の棚横幅方向に隣接するように収納棚1の側脇に設置されている。前記荷載置台5は、長尺物品Cを支持する長尺用物品支持部としての長尺用荷載置台51と、短尺物品Dを支持する短尺用物品支持部としての短尺用荷載置台52とが設けられている。前記長尺用荷載置台51及び短尺用荷載置台52は、走行レール6を挟んで一対設けられており、長尺用荷載置台51が短尺用荷載置台52よりも地上側コントローラ8側に配設されている。
【0031】
前記地上側コントローラ8は、どの収納部4にどの物品Bを収納しているか、及び、どの収納部4に物品Bが収納されているか等の収納情報を管理しており、物品Bをどの収納部4に収納するか、及び、どの収納部4から物品Bを取り出すかを選択するように構成されている。
【0032】
前記スタッカークレーン3は、走行レール6の長手方向に並ぶ状態で二台設けられている。この実施形態では、二台のスタッタークレーン3のうち、荷載置台5側に位置するものを第一スタッカークレーン3aとし、収納棚1側に位置するものを第二スタッカークレーン3bとして説明する。
【0033】
二台のスタッカークレーン3の夫々は同じ構成となっており、図3に示すように、走行レール6に沿って往復走行自在な走行台車9、その走行台車9に立設された昇降マスト10に沿って昇降自在な昇降台11、その昇降台11に装着された物品移載手段としての物品移載装置12を備えて構成されている。従って、物品移載装置12を走行経路としての走行レール6の長手方向に沿って並ぶ状態で複数備える構成となっており、しかも、スタッカークレーン3が走行レール6の長手方向に沿って並ぶ状態で複数備えられ、それら複数のスタッカークレーン3の夫々に物品移載装置12が各別に備えられる構成となっている。
【0034】
又、二台のスタッカークレーン3は、図15に示すように、短尺物品Dを各別に支持自在で、且つ、図16に示すように、走行レール6の長手方向に沿って隣り合うもの同士を設定距離隔てて並べる状態において長尺物品Cを協同して支持自在に構成されている。つまり、長尺物品Cを搬送するときには、走行レール6の長手方向に沿って隣り合うスタッカークレーン3の走行台車9を設定距離R隔てることにより、二台のスタッカークレーン3の夫々における物品移載装置12にて長尺物品Cの両端部を支持するようにしている。つまり、二台のスタッカークレーン3は夫々の物品移載装置12が対向して位置するように並ぶ状態で設けられている。
【0035】
そして、地上側コントローラ8が、短尺物品Dを二台の物品移載装置12の夫々にて各別に載置支持する短尺物品搬送処理状態と、長尺物品Cを二台の物品移載装置12にて分担して載置支持する長尺物品搬送処理状態とに切り換え自在に構成されている。又、地上側コントローラ8は、二台のスタッカークレーン3夫々の走行作動並びに各スタッカークレーン3に夫々備えられる二台の物品移載装置12の移載作動を制御するように構成されている。
【0036】
以下、スタッカークレーン3の構成について説明する。
前記各スタッカークレーン3には、図3に示すように、単一の昇降マスト10が設けられており、この単一の昇降マスト10は、走行レール6の長手方向に隣り合うスタッカークレーン3から離れる側の走行台車9の端部部分に立設されている。昇降マスト10の上端部には、ガイドレール7にて案内されるように上部フレーム13が設けられている。
【0037】
前記昇降台11は、走行台車9に立設した昇降マスト10にて昇降自在に案内支持されており、昇降用ワイヤ14にて吊下げ支持されている。前記昇降用ワイヤ14は、上部フレーム13に設けた案内プーリ15と一方の昇降マスト10に設けた案内プーリ16とに巻き掛けられて、走行台車9の一端に装備した巻き取りドラム17に連結されている。
そして、巻き取りドラム17を昇降用電動モータ18にて正逆に回転駆動させて、昇降用ワイヤ14の繰り出し操作又は巻き取り操作によって昇降台11を昇降させるように構成されている。
【0038】
前記昇降台11には、上下方向での昇降台11の昇降位置を検出する昇降用ロータリエンコーダ19が設けられている。図示は省略するが、昇降用ロータリエンコーダ19の回転軸には、昇降マスト10の長手方向に沿って設けられたチェーンに噛合するスプロケットが設けられ、上下方向での昇降台11の昇降位置を検出できるようになっている。
【0039】
走行台車9には、走行レール6の長手方向に間隔を隔てて前後一対の走行車輪20が配置され、前後一対の走行車輪20の夫々には、走行レール6に対して下方側から接触することにより、走行レール6に対して上方への移動が規制されるように接触して走行車輪20の走行レール6からの浮上を規制するバックアップローラ29が設けられている。
【0040】
前後一対の走行車輪20のうち、走行レール6の長手方向に隣り合うスタッカークレーン3から離れる側に位置する走行車輪20aを駆動する走行用電動モータ21が設けられ、この走行車輪20aが推進用の走行車輪として構成されている。一対の走行車輪20のうち、走行レール6の長手方向に隣り合うスタッカークレーン3に近い側に位置する走行車輪20bが遊転自在な従動車輪として構成されている。
【0041】
前記走行レール6の長手方向の両端部には、図1及び図3に示すように、走行レール6の長手方向に測距用のビーム光を投射する走行用レーザ測距計22が一つずつ設けられている。この走行用レーザ測距計22は、走行台車9に設置されている反射体23に向けて投射して走行台車9までの距離を検出することにより、走行台車9の走行位置を検出するように構成されている。そのうち、荷載置台5側の端部に配設された第一走行用レーザ測距計22aは、第一スタッカークレーン3aにおける走行台車9の走行位置を検出し、且つ、収納棚1側の端部に配設された第二走行用レーザ測距計22bは、第二スタッカークレーン3bにおける走行台車9の走行位置を検出するように構成されている。
【0042】
次に、物品移載装置12の構成について説明する。
前記物品移載装置12は、収納棚1の前後幅方向に沿って物品Bを移載する載置搬送式の物品移載装置として構成されている。つまり、図5〜図8に示すように、物品移載装置12は、板状の固定フレーム30の上部に、収納棚1の前後幅方向すなわち物品移載方向に沿って設定範囲内でスライド自在に載置搬送部31が支持されており、この載置搬送部31は、物品Bを載置搬送する左右一対のベルトコンベヤ32を備えて構成されている。又、各ベルトコンベヤ32は、一対の無端回動ベルト32a,32bを物品移載方向に直列状態で並べる状態で備えて構成され、左右一対のベルトコンベヤ32を一体的に回動駆動する搬送用電動モータ33が設けられている。図9に示すように、前記固定フレーム30は昇降台11に固定状態で支持されている。
【0043】
図7に示すように、各ベルトコンベヤ32における各無端回動ベルト32a,32bは、夫々、物品移載方向中央側に位置する駆動輪34a,34bと端部側に位置するテンション輪35a,35bとの間で巻回張設され、図5に示すように、前記各駆動輪34a,34bが前記搬送用電動モータ33にてギア連動機構36を介して駆動される一対の駆動軸37a,37bにて夫々同期駆動される構成となっている。
【0044】
又、図9に示すように、前記各ベルトコンベヤ32には、前記各駆動輪34a,34bと前記各テンション輪35a,35bとの間に物品Bの荷重を受け止めて無端回動ベルト32a,32bの撓みを防止する複数の案内輪体38a,38bが設けられ、図8に示すように、前記駆動輪34a,34b、前記テンション輪35a,35b、及び、複数の案内輪体38a,38bの夫々が、物品移載方向に沿って延びる支持枠39a,39bにて回動自在に軸支される構成となっている。
【0045】
このようにベルトコンベヤ32を備える載置搬送部31は、搬送用駆動モータ33、ベルトコンベヤ32等を備えて構成されるが、これらの各装置を一体的に支持する板状の可動フレーム43が備えられている。そして、この可動フレーム43が、収納棚1の前後幅方向すなわち物品移載方向に対して設定範囲内でスライド自在に前記固定フレーム30に対して支持される構成となっている。
【0046】
つまり、図5、図6及び図8に示すように、固定フレーム30に物品移載方向に沿って長く延びる左右一対の断面略コの字形の案内支持体44が設けられ、これら左右一対の案内支持体44の夫々に対して、可動フレーム43の物品移載方向の前後両側端部夫々から固定延設された支持ブラケット45に支承した前後一対のガイドローラ46が係合して、上下方向の変位が規制される状態で且つ物品移載方向に対するスライド移動を許容する状態で係合案内される構成となっている。つまり、可動フレーム43は、左右両側夫々の前後両側部にて合計4個備えられたガイドローラ46にて安定的に支持した状態でスライド自在に前記固定フレーム30に対して支持される構成となっている。
【0047】
そして、ベルトコンベヤ32を物品移載方向に沿って設定範囲内でスライド操作するための操作機構が設けられている。説明を加えると、図7に示すように、固定フレーム30の下側に位置する状態でスライド用電動モータ47が設けられ、このスライド用電動モータ47によって回動操作される駆動プーリ47Aに、長手方向の両端部が夫々連結具48を介して可動フレーム43に固定され且つ複数の案内輪49によって巻回張設される駆動ベルト50が巻回され、スライド用電動モータ47を駆動することにより可動フレーム43が物品移載方向にスライド操作される構成となっている。又、可動フレーム43のスライド位置を検出するスライド位置検出用ロータリーエンコーダ53(図17参照)が備えられ、後述するように、そのスライド位置検出用のロータリーエンコーダ53の検出結果に基づいて、載置搬送部31が設定範囲内でスライド操作するようにスライド用電動モータ47の作動が制御される構成となっている。
【0048】
尚、駆動ベルト50を可動フレーム43に固定する前記連結具48は、可動フレーム43に対する取り付け位置を駆動ベルト50の長手方向に沿って変更調整可能なように長孔を介してビス止め固定される構成となっており、駆動ベルト50の緊張力を変更調整できるようになっている。
【0049】
前記コンベヤ装置32がスライドする前記設定範囲というのは、一対の収納棚1のうちの一方側の収納棚1における物品収納部4や荷載置台5との間で物品Bの受け渡し可能な位置(図9(イ)参照)と、他方側の収納棚1における物品収納部4や荷載置台5との間で物品Bの受け渡し可能な位置(図示は省略しているが図9(イ)の位置と対称な位置)との間の範囲であり、載置搬送部31がそれらの設定範囲の中央部に位置する待機位置に位置する状態でスタッカークレーン3を走行させる構成となっている。尚、図9(ロ)は、スライド範囲の中央に位置する待機位置を示す。
【0050】
前記駆動輪34a,34b、前記テンション輪35a,35b、及び、複数の案内輪体38a,38bの夫々を回動自在に軸支する前記支持枠39a,39bは、夫々、前記駆動軸37a,37bの軸芯周りで上下揺動自在に支持される構成となっている。そして、図6及び図9に示すように、その長手方向の中間位置から下向きに延設した支持アーム54Aに案内ローラ54Bが備えられ、この案内ローラ54Bが固定フレーム30の上面と固定フレーム30に設けられた浮上がり防止体55とにより係合案内され、浮上がり防止体55により浮き上がりが阻止され且つ物品Bの荷重が案内ローラ54Bを介して固定フレーム30の上面にて受止め支持される状態で載置搬送部31のスライド移動を許容するように構成されている。このように、ベルトコンベヤ32を略水平姿勢に維持しながら、支持枠39a,39bの上下揺動を許容する構成となっている。
【0051】
又、固定フレーム30の上面における前記案内ローラ54Bのスライド移動範囲の端部側箇所には、図9に示すように、案内ローラ54Bが乗り上げて支持枠39a,39bを駆動軸37a,37bの軸芯周りで上昇揺動させるための案内段部56が形成されている。このように構成することで、載置搬送部31が物品収納部4や荷載置台5に向けてスライドすると先端側が上昇するので、物品収納部4や荷載置台5にて載置支持されている物品Bの底部にベルトコンベヤ32が適切に作用する状態になる。
【0052】
そして、物品移載装置12には、前記短尺物品搬送処理状態において、短尺物品Dがスタッカークレーン3側に移載されたときの物品存在予定領域における走行レール6の長手方向の両側脇に位置して、物品存在予定領域に存在する短尺物品Dの走行レール6の長手方向での位置を受止め規制する一対の位置規制部材57,58が備えられている。そして、一対の位置規制部材57,58のうちで、前記長尺物品搬送処理状態において、長尺物品Cがスタッカークレーン3側に移載されたときの物品存在予定領域の下方側に位置することになる位置規制部材58が、位置規制用の作用位置と物品存在予定領域よりも下方に引退する引退位置とに位置変更自在な可動式の位置規制部材として構成されている。
【0053】
又、前記可動式の位置規制部材58を前記作用位置と前記引退位置とに切り換え操作自在な位置変更操作手段ISが備えられている。この位置変更操作手段ISは、前記可動式の位置規制部材58を前記作用位置に向けて移動付勢する付勢手段、その付勢手段にて前記作用位置に向けて移動付勢される前記可動式の位置規制部材58を前記作用位置にて受止め保持する受止め体、前記可動式の位置規制部材58を前記引退位置に移動操作する移動操作手段とを備えて構成されている。そして、前記移動操作手段が、通電することによって前記可動式の位置規制部材58を前記引退位置に移動操作する電磁ソレノイド59にて構成されている。
【0054】
そして、地上側コントローラ8は、前記短尺物品搬送処理状態において前記可動式の位置規制部材58を前記作用位置に切り換え、前記長尺物品搬送処理状態において前記可動式の位置規制部材58を前記引退位置に切り換えるように、前記位置変更操作手段ISを制御するように構成されている。すなわち、前記長尺物品搬送処理状態において、前記物品移載装置12を移載作動させるときには前記電磁ソレノイド59へ通電し、前記物品移載装置12の移載作動を停止するときには前記電磁ソレノイド59の通電を停止すべく、前記電磁ソレノイド59の作動を制御するように構成されている。
【0055】
説明を加えると、前記一対の位置規制部材57,58のうち、昇降台11の基端側すなわち搬送用電動モータ33配置側に位置する位置規制部材57は、図4及び図6に示すように、前記案内支持体44の外側面に固定され且つ上方に延設された支持部材60にて位置固定状態で支持される構成となっている。一方、反対側すなわち昇降台11の遊端側に位置する位置規制部材58は、位置規制用の作用位置と前記物品移載装置12の載置搬送面よりも下方に引退する引退位置とに位置変更自在な可動式の位置規制部材として構成されている。
【0056】
以下、前記可動式の位置規制部材58及び前記位置変更操作手段ISの具体的な構成について説明する。
図10に示すように、可動式の位置規制部材58は、その長手方向の両側部に設けられた支持部61にてその長手方向に沿う軸芯周りで回動自在に支点ブラケット62にて支持される構成となっている。この支点ブラケット62は前記案内支持体44に固定されている。つまり、前記各支持部59に設けられた支点ピン63が支点ブラケット62に回動自在に内嵌され、可動式の位置規制部材58がこの支点ピン63の軸芯X周りで回動自在に支持される構成となっている。
【0057】
図12に示すように、前記各支点ピン63に外嵌装着される状態で前記付勢手段としてのつる巻きバネ64が設けられている。このつる巻きバネ64はその一端部が可動式の位置規制部材58の下面側に接当し、且つ、他端側が固定部65にて位置固定されており、可動式の位置規制部材58は、このつる巻きバネ64の軸芯周りでの回動付勢力によって作用位置に向けて回動付勢される構成となっている。そして、可動式の位置規制部材58の基端側箇所が、支点ブラケット62における前記支持ピン61の回動軸芯Xよりも上方側に突出するように形成された上部側突出部62Aに接当して受止め保持され、それ以上の揺動が阻止される。この位置が作用位置に対応する位置である。つまり、支点ブラケット62が前記受止め体を構成する。
【0058】
そして、図13に示すように、可動式の位置規制部材58の長手方向の中間位置において、前記支持ピン61の軸芯Xよりも少しだけベルトコンベヤ32側に寄った箇所において、可動式の位置規制部材58に固定のブラケット58Aを介して電磁ソレノイド59の操作片59aが枢支連結され、電磁ソレノイド59の本体側は前記案内支持体44の外側面に固定されているブラケット67に枢支連結される構成となっている。又、電磁ソレノイド59は、通電することで操作片59aが本体側すなわち下方側に縮退するように作動して可動式の位置規制部材58を引退位置に切り換える構成となっている(図13(ロ)参照)。そして、この引退位置では、図11(ロ)に示すように、前記支持部61が支点ブラケット62に固定の係止具68によって受止め係止され、それ以上の揺動が阻止される。このときの位置が引退位置に対応する位置である。電磁ソレノイド59への通電を停止すると操作片59aは伸長状態となり、つる巻きバネ64の付勢力によって可動式の位置規制部材58が作用位置に切り換わる構成となっている。従って、前記つる巻きバネ64、前記支点ブラケット62における上部側突出部62A、前記電磁ソレノイド59等によって位置変更操作手段ISが構成されている。
【0059】
図10及び図14に示すように、可動式の位置規制部材58が作用位置及び引退位置に切り換えられているか否かを検出するための一対の透過型の光センサS1,S2が設けられている。そのうちの一方の光センサS1は図14(イ)に示すように作用位置にあるときに遮蔽体69にて光が遮断される構成であり、可動式の位置規制部材58が作用位置であるか否かを検出する作用位置検出用光センサとして機能するものであり、他方の光センサS2は、図14(ロ)に示すように引退位置にあるときに遮蔽体70にて光が遮断される構成であり、可動式の位置規制部材58が引退位置であるか否かを検出する引退位置検出用光センサとして機能するものである。
【0060】
又、前記物品移載装置12には、図4及び図6に示すように、物品移載方向に沿って適宜間隔をあけて並ぶ状態で、物品の存否を検出する2個の物品存否センサS3,S4が設けられている。この物品存否センサS3,S4は夫々、物品移載方向と直交する方向であって且つ物品通過位置の下方側から斜め上方に向かうように光を投射する投光器72とその投光器72からの光を受光する受光器71からなる透過型光電センサにて構成され、可動フレーム43と一体的に物品移載方向に沿ってスライド移動するように、可動フレーム43から延設した支持部材73及び支持部材74にて夫々支持される構成となっている。
【0061】
そして、二台のスタッカークレーン3の夫々は、走行台車9の走行作動、昇降台11の昇降作動、及び、物品移載装置12の移載作動により、入出庫用の荷載置台5に載置支持されている物品Bを収納棚1の収納部4に収納するように搬送する入庫処理、あるいは、収納棚1の収納部4に収納されている物品Bを入出庫用の荷載置台5に取り出すように搬送する出庫処理を行うように構成され、長尺物品Cについては、長尺用荷載置台51と長尺用収納部41との間で第一スタッカークレーン3a及び第二スタッカークレーン3bにて搬送するように構成されている。また、短尺物品Dについては、第一スタッカークレーン3a又は第二スタッカークレーン3bにより各別に短尺用荷載置台52と短尺用収納部42との間で搬送するように構成されている。
【0062】
二台のスタッカークレーン3の夫々は、図17に示すように、地上側コントローラ8からの制御情報に基いて、スタッカークレーン3側に備えられたクレーン制御部75を介して、走行用電動モータ21の作動を制御して走行台車9の走行作動を制御し、且つ、昇降用電動モータ18の作動を制御して昇降台11の昇降作動を制御するとともに、物品移載装置12の移載作動を制御するように構成されている。また、地上側コントローラ8と第一スタッカークレーン3aとの間で情報の授受を行うための第一光伝送装置27と、地上側コントローラ8と第二スタッカークレーン3bとの間で情報の授受を行うための第二光伝送装置28とが設けられている。
【0063】
第一光伝送装置27及び第二光伝送装置28は、地上側の光伝送装置27a,28aとスタッカークレーン3側の光伝送装置27b,28bとの間で光伝送により情報の授受を行うように構成されている。地上側の光伝送装置27a,28aは、図1に示すように、走行レール6の端部に配設されており、第一光伝送装置27における地上側の光伝送装置27aは、第一走行用レーザ測距計22aの側脇に配設され、第二光伝送装置28における地上側の光伝送装置28aは、第二走行用レーザ測距計22bの側脇に配設されている。
【0064】
そして、地上側コントローラ8に備えられた通信コントローラ、スタッカークレーン側に備えられた通信コントローラ、第一光伝送装置27、第二光伝送装置28によって、通信ネットワークが構成され、前記地上側コントローラ8が、前記第一走行用レーザ測距計22a及び第二走行用レーザ測距計22bの検出情報により、前記各スタッカークレーン3a,3bにおける走行台車9の走行位置を管理し、前記各昇降用ロータリエンコーダ19の検出情報にて各スタッカークレーン3a,3bの夫々の昇降台11の昇降位置を管理するように構成されている。
【0065】
又、前記地上側コントローラ8は、スライド位置検出用ロータリーエンコーダ53の検出情報に基づいて物品移載装置12における載置搬送部31のスライド位置を管理するように構成され、前記各物品存否センサS3,S4の検出情報にて物品Bの搬送姿勢を管理するように構成されている。
【0066】
そして、地上側コントローラ8は、上述の通信ネットワークを介して、第一スタッカークレーン3a及び第二スタッカークレーン3bに各種の指令情報を与えることにより、二台のスタッカークレーン3の作動を制御するように構成されている。
【0067】
前記地上側コントローラ8は、物品Bを搬送する処理として、短尺物品を搬送すべく、二台のスタッカークレーン3のうちの搬送作動する単一のスタッカークレーン3の移動を制御する短尺物品搬送処理としての各別搬送処理、及び、長尺物品Cを搬送すべく、搬送作動する二台のスタッカークレーン3を走行レール6の長手方向に沿って隣り合うもの同士を設定距離隔てて並べる状態で移動させるように制御する長尺物品搬送処理としての一体搬送処理を実行するように構成されている。
【0068】
まず、各別搬送処理について説明する。
この各別搬送処理においては、まず、搬送作動する単一のスタッカークレーン3における物品移載装置12を物品受取箇所の短尺物品受取位置に移動させるべく、走行台車9を走行させる各別用走行制御及び昇降台11を昇降させる各別用昇降制御を行うとともに、物品受取箇所から短尺物品を受け取るようにすべく、物品移載装置12を移載作動させる各別用移載制御を行う。次に、前記スタッカークレーン3における物品移載装置12を短尺物品降ろし位置に移動させるべく、走行台車9を走行させる各別用走行制御及び昇降台11を昇降させる各別用昇降制御を行うとともに、物品降ろし箇所に短尺物品を降ろすようにすべく、物品移載装置12を移載作動させる各別用移載制御を行うように構成されている。
【0069】
前記各別用走行制御について説明する。
この各別用走行制御では、搬送作動する単一のスタッカークレーン3における走行台車9の走行作動を制御して、短尺物品受取位置における目標走行位置又は短尺物品降ろし位置における目標走行位置に走行台車9を走行させるべく、走行用電動モータ21の作動を制御する。
【0070】
具体的には、地上側コントローラ8はクレーン制御部75に目標走行速度を含む走行指令を指令し、クレーン制御部75は走行台車10の走行速度が指令された目標走行速度になるように走行用電動モータ21に与える電流値を調整する。走行台車9の走行位置が目標走行位置に達すると走行停止指令を指令して、走行用電動モータ21を作動停止させてブレーキをかけて走行台車9を目標走行位置に停止させる。
【0071】
前記各別用移載制御について説明する。
この各別用移載制御では、搬送作動する単一のスタッカークレーン3の物品移載装置12の移載作動を制御して、物品受取箇所から短尺物品を受け取る又は物品降ろし箇所に短尺物品を降ろす処理を行う。すなわち、目標走行位置に走行台車9を停止させ且つ目標昇降位置に昇降台11を停止させた状態において、物品移載装置12を作動させて移載作動を行う。
【0072】
図18のフローチャートに基づいて、各別用移載制御の具体的な動作について説明する。
この各別用移載制御においては、電磁ソレノイド59は常に非作動状態すなわち非通電状態であり、可動式の位置規制部材58はつる巻きバネ64の付勢力にて作用位置に保持するようになっており、可動式の位置規制部材58が作用位置にあるか否かは前記作用位置検出用光センサS1の検出情報にて確認するようになっている。そして、電磁ソレノイド59が非作動にもかかわらず光センサS1にて作用位置にあることが確認できないときは報知作動を実行する(ステップ1,2)。
【0073】
搬送作動するスタッカークレーン3における物品移載装置12を短尺物品受取位置に位置させた状態で、その物品移載装置12における載置搬送部31を物品受取箇所に向けてスライドさせるべくスライド用電動モータ47を作動させ、スライド位置検出用ロータリーエンコーダ53の検出情報に基いてスライド目標位置(設定範囲の端部位置)に達したことが検出されるとスライド用電動モータ47の作動を停止させる(ステップ3,4,5)。このとき、上述したように載置搬送部31の先端側が上昇して短尺用収納部42又は短尺用荷載置台52に支持されている短尺物品Dの底部にベルトコンベヤ32が適切に作用する状態になる。
【0074】
そして、搬送用電動モータ33を作動させてベルトコンベヤ32を回動操作して短尺物品Dを載置搬送し、搬送用ロータリーエンコーダ80の検出情報に基づいて搬送用目標位置に達したことが検出されると、搬送用電動モータ33の作動を停止してベルトコンベヤ32の回動操作を停止する(ステップ6,7,8)。このとき短尺用収納部42等に支持される収納用支持位置とスタッカークレーン3側の搬送用支持位置との間で短尺物品Dを移載することになる。
【0075】
前記ベルトコンベヤ32により短尺物品Dの移載が行われた後、スライド用電動モータ47の作動を開始し、スライド位置検出用ロータリエンコーダ53の検出情報に基いて載置搬送部31がスライド方向中央側の待機位置にまでスライドするとスライド用電動モータ47の作動を停止する(ステップ9,10,11)。
【0076】
このように、物品移載装置12は、載置搬送部31のスライド作動及びベルトコンベヤ32の載置搬送作動によって、短尺用収納部42又は短尺用荷載置台52との間で短尺物品を移載するように構成されている。そして、この各別用移載制御を実行するときは、図21(イ)に示すように、短尺物品Dは、走行レールの長手方向、すなわち、スタッカークレーン3の移動方向の両側に位置規制部材57,58が存在するので、スタッカークレーン3が走行するときに位置ずれするおそれが少ないものになる。
【0077】
次に、一体搬送処理について説明する。
この一体搬送処理においては、地上側コントローラ8が、複数の長尺用収納部41又は長尺用荷載置台51から選択した一つの物品受取対象を物品受取箇所とし、複数の長尺用収納部41又は長尺用荷載置台51から選択した一つの物品降ろし対象を物品降ろし箇所として、搬送作動する二台のスタッカークレーン3の夫々における物品移載装置12を物品受取箇所に移動させて長尺物品Cを受け取り且つ物品降ろし箇所に移動させて長尺物品Cを降ろすようにすべく、走行台車9の走行作動、昇降台11の昇降作動、及び、物品移載装置12の移載作動を制御するように構成されている。
【0078】
そして、地上側コントローラ8は、一体搬送処理において走行作動する走行台車9の走行速度を各別搬送処理において走行作動する走行台車9の走行速度よりも低く、且つ、一体搬送処理において昇降作動する昇降台11の昇降速度を各別搬送処理において昇降作動する昇降台11の昇降速度よりも低くすべく、走行台車9の走行作動及び昇降台11の昇降作動を制御するように構成されている。
【0079】
前記一体搬送処理の動作について説明すると、まず、地上側コントローラ8が、搬送作動する二台のスタッカークレーン3の夫々における物品移載装置12を物品受取箇所の長尺物品受取位置に移動させるべく、走行台車9を走行させる一体用走行制御及び昇降台11を昇降させる一体用昇降制御を行うとともに、物品受取箇所から長尺物品Cを受け取るようにすべく、物品移載装置12を移載作動させる一体用移載制御を行うことにより、物品受取箇所から長尺物品Cを受け取る。
次に、地上側コントローラ8が、搬送作動する二台のスタッカークレーン3の夫々における物品移載装置12を物品降ろし箇所の長尺物品降ろし位置に移動させるべく、走行台車9を走行させる一体用走行制御及び昇降台11を昇降させる一体用昇降制御を行うとともに、物品降ろし箇所に長尺物品Cを降ろすようにすべく、物品移載装置12を移載作動させる一体用移載制御を行うことにより、物品降ろし箇所に長尺物品Cを降ろす。
【0080】
前記一体用走行制御について説明する。
この一体用走行制御では、二台のスタッカークレーン3の夫々における走行台車9を走行レール6の長手方向に設定距離隔てる状態で走行させるように二台のスタッカークレーン3の夫々における走行台車9の走行作動を制御して、長尺物品受取位置における目標走行位置又は長尺物品降ろし位置における目標走行位置に二台のスタッカークレーン3の夫々における走行台車9を走行させる。
【0081】
物品受取位置における目標走行位置に対して走行するときには、二台のスタッカークレーン3の夫々における走行台車9を各別に走行作動させ、二台のスタッカークレーン3の夫々における走行台車9を物品受取位置における目標走行位置に停止させることにより、二台のスタッカークレーン3の夫々における走行台車9を走行レール6の長手方向に設定距離隔てる状態とする。
【0082】
このときの動作について説明すると、地上側コントローラ8は、目標走行位置に走行台車9を走行させるべく、二台のスタッカークレーン3の夫々におけるクレーン制御部75に対して同一の目標走行位置に走行させるための走行指令情報を指令する。二台のスタッカークレーン3の夫々のクレーン制御部75は、走行指令情報に基づいて走行用電動モータ21の作動を制御することによって、二台のスタッカークレーン3の夫々における走行台車9を走行レール6の長手方向に設定距離隔てる状態で目標走行位置に走行させることができる。
【0083】
尚、一体用走行制御では、二台のスタッカークレーン3の夫々における走行台車9を走行レール6の長手方向に隔てている距離が許容範囲から外れると、二台のスタッカークレーン3の夫々における走行台車9を走行停止させるようにして、長尺物品Cの落下を防止するように構成されている。
【0084】
前記一体用昇降制御について説明する。
この一体用昇降制御では、二台のスタッカークレーン3の夫々における昇降台11を同一の昇降位置に位置させる状態で一体的に昇降させるように二台のスタッカークレーン3の夫々における昇降台11の昇降作動を制御して、物品受取位置における目標昇降位置又は物品降ろし位置における目標昇降位置に二台のスタッカークレーン3の夫々における昇降台11を昇降させる。このときの二台のスタッカークレーン夫々の昇降台の動作は各別用昇降制御のときと同様であるから説明は省略する。尚、物品受取位置における目標昇降位置に対して昇降するときにも、物品降ろし位置における目標昇降位置に対して昇降するときにも、二台のスタッカークレーン3の夫々における昇降台11を同一の昇降位置に位置させる状態で一体的に昇降させる。
【0085】
尚、この一体用昇降制御では、二台のスタッカークレーン3の夫々における昇降台11の昇降位置の高低差が許容範囲から外れると、昇降停止指令情報を指令して二台のスタッカークレーン3の夫々における昇降台11を昇降停止させるようにして、長尺物品Cの落下を防止するように構成されている。
【0086】
次に、前記一体用移載制御について説明する。
この一体用移載制御では、地上側コントローラ8は、長尺物品Cを一対の物品移載装置12にて分担して支持しながらその長尺物品Cを物品収納部4等にて支持される収納用支持位置とスタッカークレーン3側の搬送用支持位置との間で移載すべく、一対の物品移載装置12の移載作動を制御するように構成されている。説明を加えると、搬送作動する二台のスタッカークレーン3の夫々における物品移載装置12の移載作動を制御して、それら二台の物品移載装置12にて物品収納部4に対応する物品受取箇所から長尺物品Cを受け取る、又は、物品収納部4に対応する物品降ろし箇所に長尺物品Cを降ろす。つまり、目標走行位置に二台のスタッカークレーン3の夫々における走行台車9を停止させ且つ目標昇降位置に二台のスタッカークレーン3の夫々における昇降台11を停止させた状態において、二台のスタッカークレーン3の夫々におけるクレーン制御部75に同じ移載指令情報を指令する。そして、二台のスタッカークレーン3の夫々におけるクレーン制御部75は、移載指令情報に基づいて各物品移載装置12を移載作動させる。
【0087】
図19及び図20のフローチャートに基づいて、一体用移載制御の具体的な動作について説明する。
この一体用移載制御においては、二台のスタッカークレーン3夫々の各物品移載装置12の夫々について、基本的には同じ動作を指令するが物品の傾きの修正の場合には互いに異なる動作を指令することになる。
先ず、移載作動を実行するときには電磁ソレノイド59へ通電して可動式の位置規制部材58を引退位置に切り換えるべく制御する(ステップ21)。可動式の位置規制部材58が引退位置に切り換えられたか否かは前記引退位置検出用の光センサS2の検出情報にて確認するようになっている。このとき、引退位置検出用の光センサS2にて引退位置にあることが確認できないときは報知作動を実行する(ステップ22,23、)。
【0088】
従って、この一体用移載制御では、図21(ロ)に示すように、長尺物品Cがスタッカークレーン3側に移載されたときの物品存在予定領域の下方側に位置することになる位置規制部材58が物品存在予定領域よりも下方に引退する引退位置に位置変更するので、2台の物品移載装置12によって長尺物品Cを適正に載置した状態で移載することができる。
【0089】
次に、二台のスタッカークレーン3の夫々における物品移載装置12の移載作動を実行する。つまり、載置搬送部31を物品受取箇所又は物品降ろし箇所に向けてスライドさせるべくスライド用電動モータ47を作動させ、スライド位置検出用ロータリーエンコーダ53の検出情報に基いてスライド目標位置(設定範囲の端部)に達したことが検出されるとスライド用電動モータ47の作動を停止させる(ステップ24〜26)。
【0090】
そして、搬送用電動モータ33を作動させてベルトコンベヤ32を回動操作して(ステップ27)、二台の物品移載装置12によって分担して支持ながら長尺物品Cを移載する。このとき物品受取箇所としての長尺用収納部41又は長尺用荷載置台51に支持される収納用支持位置とスタッカークレーン3側の搬送用支持位置との間で長尺物品Cを移載することになる(図22参照)。
【0091】
移載作動を実行している途中で、一端部側の各物品存否センサS3,S3の検出情報に基づいて長尺物品Cの姿勢が適正姿勢に対して傾いていることが検出されると、長尺物品Cの姿勢を適正姿勢にするように補正する移載作動中の姿勢補正処理を実行する。例えば図23(イ)に示すように、二台の物品移載装置12の夫々における一端部側の物品存否センサS3のうちのいずれか一方の物品存否センサS3が長尺物品Cの存在を検知し、且つ、他方の物品存否センサS3が長尺物品Cの存在を検知しなければ、そのとき、移載される長尺物品Cが、走行経路の長手方向の一端側部分が他端側部分よりも先行するように傾いた傾斜姿勢であると判断して、二台の物品移載装置12のうちの先行して搬送している側、すなわち、長尺物品Cの存在が検知された物品存否センサS3が備えられる側の物品移載装置12における載置搬送を停止し、他方の物品移載装置による搬送を継続して実行する(ステップ28、29)。この移載作動中の姿勢補正処理については、二台の物品移載装置12の夫々における一端部側の物品存否センサS3により物品傾斜状態検出手段が構成される。
【0092】
その後、例えば図23(ロ)に示すように、一端部側の各物品存否センサS3,S3が共に長尺物品Cの存在を検知して長尺物品Cの傾きが修正されたことが確認されると、搬送停止している一方の物品移載装置12の搬送を再開して一対の物品移載装置12による移載作動を続行する(ステップ33)。しかし、一方の物品移載装置12における載置搬送を停止させたのち、設定時間以上経過しても傾きが修正されなければ報知作動を実行する(ステップ31,32)。
【0093】
傾斜姿勢が修正されたのちに載置搬送され、搬送用ロータリーエンコーダ80の検出情報に基づいて搬送用目標位置に達したことが検出されると、搬送用電動モータ33の作動を停止してベルトコンベヤ32の回動操作を停止する(ステップ34,35)。
【0094】
その後、スライド用電動モータ47の作動を開始し、スライド位置検出用ロータリエンコーダ53の検出情報に基いて載置搬送部31がスライド方向中央側の待機位置にまでスライドするとスライド用電動モータ47の作動を停止して移載作動が終了する(ステップ36〜38)。このように移載作動が終了すると、前記電磁ソレノイド59への通電を停止する(ステップ39)。
【0095】
そして、このようにして移載作動が終了した後に、長尺物品Cがスタッカークレーン3側の搬送用の支持位置に移載されている状態で、収納棚1の前後幅方向に傾いた傾斜姿勢であることが前記各物品存否センサS3,S4の検出情報に基づいて検出されると移載後の姿勢修正処理を実行する。例えば、図24(イ)に示すように、前記4個の物品存否センサS3,S4のうちのいずれかが長尺物品Cの非存在状態を検出すると、長尺物品Cが収納棚1の前後幅方向に傾いている傾斜姿勢であると判断して、非存在状態を検出した物品存否センサが物品存在状態を検出するように、いずれかの物品移載装置12あるいは両側の物品移載装置12のベルトコンベヤ32を搬送作動させる(ステップ40,41)。
又、このような姿勢補正処理を実行して設定時間以上経過しても傾きが修正されないときは報知作動を実行する(ステップ42、43,44)。
【0096】
図24(イ)では、各物品存否センサS4のいずれか一方が非存在状態を検出しており、その物品存否センサS4が設けられる側の物品移載装置12のベルトコンベヤ32を搬送作動させて長尺物品Cの傾きを修正する(図24(ロ)参照)。尚、このとき、前記各物品存否センサS3のいずれか一方が非存在状態を検出している場合に限らず、前記各物品存否センサS3のいずれか一方が非存在状態を検出し、且つ、前記各物品存否センサS4のいずれか一方が非存在状態を検出しているような傾斜状態であってもよく、そのような場合には、両側の物品移載装置12のベルトコンベヤ32を搬送作動させることになる。
【0097】
このように移載作動が終了して電磁ソレノイド59への通電を停止すると、可動式の位置規制部材58がつる巻きバネ64の付勢力によって作用位置に復帰揺動しようとするが、長尺物品Cをスタッカークレーン3側へ移載するときには、可動式の位置規制部材58の上方側には長尺物品Cが存在するので、その長尺物品Cによって揺動が阻止されることになる。一方、長尺物品Cを物品降ろし箇所へ移載するときには、長尺物品Cの移載は終了しているので、可動式の位置規制部材58が作用位置に復帰しても問題ない。又、次に長尺物品Cのスタッカークレーン3側への移載作動を実行するときには、電磁ソレノイド59の作動により引退位置に切り換えることになる。
【0098】
このように二台のスタッカークレーン3の夫々における物品移載装置12にて分担した状態で長尺物品を載置支持しながら各物品移載装置12を同期させた状態で載置搬送することで長尺物品Cを移載することができる。
【0099】
このように、地上側コントローラ8は、物品Bを搬送する搬送処理として各種の処理を実行可能であるが、どの物品Bを入庫するか出庫するかについての指令情報等の搬送要求情報が、人為操作式の操作手段による入力や上位コントローラから指令され、その搬送要求情報による指令内容に応じて、複数の処理から選択した処理を実行するように構成されている。
【0100】
図25にて前記短尺物品搬送処理における入庫処理の動きを実線矢印で示し、出庫処理の動きを破線矢印にて示している。この処理は、短尺用荷載置台52側に位置する第二スタッカークレーン3bを搬送作動するスタッカークレーン3として選択し、その第二スタッカークレーン3bが短尺物品を入庫したりあるは出庫するべく、第二スタッカークレーン3bについて各別用走行制御、各別用昇降制御及び各別用移載制御を行うことになる。尚、この処理において、第一スタッカークレーン3aが第二スタッカークレーン3bによる物品搬送を邪魔するおそれがあるときは、走行予定経路から退避させるべく、第一スタッカークレーン3aの作動を制御することになる。図25では、第一スタッカークレーン3aの現在位置が第二スタッカークレーン3bによる物品搬送を邪魔しない位置であるので、第一スタッカークレーン3aをその場に待機させている。
【0101】
図26は前記長尺物品搬送処理における入庫処理の動きを実線矢印にて示し、出庫処理の動きを破線矢印にて示している。この処理は、第一スタッカークレーン3aと第二スタッカークレーン3bとが協同して長尺物品Cを入庫したりあるいは出庫するべく、第一スタッカークレーン3a及び第二スタッカークレーン3bについて一体用走行制御、一体用昇降制御及び一体用移載制御を行うことになる。
【0102】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、前記制御手段としての地上側コントローラが、前記長尺物品搬送処理状態において、前記物品移載装置を移載作動させるときには前記電磁ソレノイドへ通電し、前記物品移載装置の移載作動を停止するときには前記電磁ソレノイドの通電を停止すべく、前記電磁ソレノイドの作動を制御するように構成したが、このような構成に限らず、前記物品移載装置の移載作動を停止したときにも前記電磁ソレノイドへの通電を継続して実行するように構成してもよい。
【0103】
(2)上記実施形態では、前記位置変更操作手段が、付勢手段としてのつる巻きバネ、そのつる巻きバネにて前記作用位置に向けて移動付勢される可動式の位置規制部材を前記作用位置にて受止め保持する受止め体としての支点ブラケット、前記可動式の位置規制部材を前記引退位置に移動操作する移動操作手段としての電磁ソレノイドを備えて構成されるものを例示したが、このような構成に代えて、電動モータや油圧シリンダ等を用いて可動式の位置規制部材を位置変更させる構成としてもよい。
【0104】
(3)上記実施形態では、前記制御手段が、長尺物品搬送処理としての一体搬送処理において、走行経路の長手方向に沿って隣り合うスタッカークレーン間の離間距離を一定にしたが、長尺物品における走行経路の長手方向に沿う長さ情報に基づいてスタッカークレーンの離間距離を変更調整するようにしてもよい。
【0105】
(4)上記実施形態では、複数のスタッカークレーンの夫々に物品移載装置が各別に備えられる構成としたが、このような構成に代えて、例えば、図27に示すように、1台のスタッカークレーン3の走行経路の長手方向に並ぶ状態で2台の物品移載装置12を備える構成としてもよい。
【0106】
(5)上記実施形態では、前記物品移載装置において載置搬送部のスライド位置をロータリーエンコーダにて検出するようにしたが、リミットスイッチ等により検出するようにしてもよい。
【0107】
(6)上記実施形態では、物品移載装置がベルトコンベアにて物品を載置搬送する構成としたが、物品を載置可能なフォークを出退自在に備えるフォーク式の物品移載装置であってもよい。
【0108】
(7)上記実施形態では、二台のスタッカークレーンを走行経路に沿って往復移動自在に設けたが、スタッカークレーンの台数については適宜変更が可能であり、例えば、三台以上設けるようにして、各スタッカークレーンの夫々に備えられる物品移載装置にて分担して長尺物品を移載させる構成としてもよい。
【0109】
(8)上記実施形態では、収納棚が前後に一対備えられる構成としたが1つの収納棚だけを備える構成としてもよい。又、上記実施形態では、物品搬出入用の荷載置台を備える構成したが、このような荷載置台を備えることなく、収納棚のうちのいずれかの物品収納部を利用して物品搬出入作業を行うように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】物品収納設備の平面図
【図2】物品収納設備の側面図
【図3】スタッカークレーンの側面図
【図4】物品移載装置の平面図
【図5】物品移載装置の側面図
【図6】物品移載装置の側面図
【図7】物品移載装置の正面図
【図8】物品移載装置の正面図
【図9】物品移載装置のスライド状態を示す正面図
【図10】位置規制部材の支持構成を示す図
【図11】位置規制部材の支持構成を示す図
【図12】位置規制部材の支持構成を示す図
【図13】位置規制部材の支持構成を示す図
【図14】位置規制部材の支持構成を示す図
【図15】スタッカークレーンの側面図
【図16】スタッカークレーンの側面図
【図17】物品収納設備の制御ブロック図
【図18】制御動作を示すフローチャート
【図19】制御動作を示すフローチャート
【図20】制御動作を示すフローチャート
【図21】物品載置状態の物品移載装置の断面図
【図22】移載作動の作用説明図
【図23】移載作動の作用説明図
【図24】移載作動の作用説明図
【図25】短尺部材搬送処理における動作を示す図
【図26】長尺物品搬送処理における動作を示す図
【図27】別実施形態のスタッカークレーンの側面図
【符号の説明】
【0111】
1 収納棚
3、3a,3b スタッカークレーン
4 物品収納部
8 制御手段
12 物品移載装置
57,58 位置規制部材
59 電磁ソレノイド(移動操作手段)
62 受止め体
64 付勢手段
IS 位置変更操作手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品収納部を縦横に並べて備えた収納棚と、その収納棚の前方の走行経路に沿って走行自在で且つ前記収納棚の前後幅方向に沿って物品を移載する載置搬送式の物品移載装置を前記走行経路の長手方向に沿って並ぶ状態で複数備えたスタッカークレーンと、前記スタッカークレーンの走行作動及び前記物品移載装置の移載作動を制御する制御手段とが備えられ、
前記制御手段が、前記走行経路の長手方向に沿って短尺な短尺物品を前記複数の物品移載装置の夫々にて各別に載置支持する短尺物品搬送処理状態と、前記走行経路の長手方向に沿って長尺な長尺物品を前記複数の物品移載装置にて分担して載置支持する長尺物品搬送処理状態とに切り換え自在に構成されている物品搬送装置であって、
前記複数の物品移載装置の夫々に対応させて、前記短尺物品搬送処理状態において、前記短尺物品が前記スタッカークレーン側に移載されたときの物品存在予定領域における前記走行経路の長手方向の両側脇に位置して、前記物品存在予定領域に存在する前記短尺物品の前記走行経路の長手方向での位置を受止め規制する一対の位置規制部材が備えられ、
前記複数の物品移載装置の夫々に対応させて一対ずつ備えられる複数の位置規制部材のうちで、前記長尺物品搬送処理状態において、前記長尺物品が前記スタッカークレーン側に移載されたときの物品存在予定領域の下方側に位置することになる位置規制部材が、位置規制用の作用位置と前記物品存在予定領域よりも下方に引退する引退位置とに位置変更自在な可動式の位置規制部材として構成され、
前記可動式の位置規制部材を前記作用位置と前記引退位置とに切り換え操作自在な位置変更操作手段が備えられ、
前記制御手段が、前記短尺物品搬送処理状態において前記可動式の位置規制部材を前記作用位置に切り換え、前記長尺物品搬送処理状態において前記可動式の位置規制部材を前記引退位置に切り換えるように、前記位置変更操作手段を制御するように構成されている物品搬送装置。
【請求項2】
前記位置変更操作手段が、
前記可動式の位置規制部材を前記作用位置に向けて移動付勢する付勢手段と、その付勢手段にて前記作用位置に向けて移動付勢される前記可動式の位置規制部材を前記作用位置にて受止め保持する受止め体と、前記可動式の位置規制部材を前記引退位置に移動操作する移動操作手段とを備えて構成されている請求項1記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記移動操作手段が、通電することによって前記可動式の位置規制部材を前記引退位置に移動操作する電磁ソレノイドにて構成され、
前記制御手段が、
前記長尺物品搬送処理状態において、前記物品移載装置を移載作動させるときには前記電磁ソレノイドへ通電し、前記物品移載装置の移載作動を停止するときには前記電磁ソレノイドの通電を停止すべく、前記電磁ソレノイドの作動を制御するように構成されている請求項2記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記スタッカークレーンが前記走行経路の長手方向に沿って並ぶ状態で複数備えられ、それら複数のスタッカークレーンの夫々に前記物品移載装置が各別に備えられ、
前記制御手段が、
前記短尺物品搬送処理状態においては、前記複数のスタッカークレーンを各別に走行させ、前記長尺物品搬送処理状態においては、前記複数のスタッカークレーンを前記走行経路の長手方向に沿って設定距離隔てて並べて走行させるように、前記複数のスタッカークレーンの走行作動を制御するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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