説明

物理量検出装置、ネットワークシステム

【課題】センサ検出結果を送信するための通信負荷を軽減するとともに、センサ検出結果を受信する受信装置の処理負荷を軽減することのできる、物理量検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る物理量検出装置は、センサが正常に稼動していない場合にはセンサの検出結果を送信せずにその診断結果を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量を検出する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の走行時の安全を確保するためには、角速度や加速度を検出するセンサが必要となる。これらセンサを、エンジンルームのように温度変化範囲が広く、振動や電磁ノイズの影響が大きい環境に設置して動作させる場合、センサ出力の信頼性を高く保つための工夫が必要になる。
【0003】
そこで、このような環境において用いられるセンサは、センサ内部に自己診断機能を備え、外部装置に対しその診断情報をセンサ出力と平行して送信する。外部装置は、受信した診断情報を基に、受信したセンサ出力が正常であるか否かを判断し、そのセンサ出力を採用するか否かを決定する。
【0004】
下記特許文献1〜2には、角速度や加速度などの物理量を検出し、その検出結果と、センサの稼働状況についての診断結果とを、外部装置に送信するセンサが記載されている。
【0005】
下記特許文献1に記載されている技術では、センサ出力と同一時点における故障診断出力を出力回路にて時分割して出力する。外部装置は、故障診断出力に基づき、次の時点に出力されるセンサ出力が正常であるか否かを判断している。
【0006】
下記特許文献2に記載されている技術では、センサ部が故障していると判断した場合は、センサ出力をグランドレベル(0V)に低下させることにより、センサ出力が異常であることを外部装置に通知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4311496号公報
【特許文献2】特開2000−2542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1では、センサの稼働状況についての診断結果をセンサ出力とともに送信する必要があるため、通信負荷が大きくなる。また、センサ出力を受信する外部装置の処理負荷も同様に大きくなる。
【0009】
上記特許文献2では、センサ出力そのものをもって異常状態である旨を外部装置に通知するようにしているため、センサ出力が異常である場合でも、通常のセンサ出力と同等の情報量が必要になる。そのため、特許文献1と同様に通信負荷や処理負荷が大きくなる課題がある。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、センサ検出結果を送信するための通信負荷を軽減するとともに、センサ検出結果を受信する受信装置の処理負荷を軽減することのできる、物理量検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る物理量検出装置は、センサが正常に稼動していない場合にはセンサの検出結果を送信せずにその診断結果を送信する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る物理量検出装置によれば、正常に稼動していないセンサの検出結果を送信しないようにすることにより、通信負荷を軽減することができる。また、センサの検出結果を受信する側の処理負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1に係る物理量検出装置1000の制御回路図である。
【図2】通信部171の機能ブロック図である。
【図3】データバッファ1711が保持するデータの形式を示す図である。
【図4】選択部1712の動作フローを示す図である。
【図5】図4の動作フローの結果として通信フレーム形成部1714が出力する通信フレームの構成例を示す図である。
【図6】実施形態3に係るネットワークシステム10000の構成図である。
【図7】ESC用ECU2000の機能ブロック図である。
【図8】ESC用ECU2000が物理量検出装置1000から通信フレームを受信したときの動作フローである。
【図9】物理量検出装置1000のROM202が保持する定義テーブル300の構成とデータ例を示す図である。
【図10】各ECUが保持する定義テーブル2100の構成とデータ例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る物理量検出装置1000の制御回路図である。図1において、角速度センサ101は、角速度を検出するセンサであり、振動子102、固定電極103、電極104および105、固定電極106および107、固定電極108および109を備える。
【0015】
振動子102は、所定の質量を持ち、所定の振動周波数で振動軸方向に振動する。固定電極103は、振動子102の振動方向の振動振幅および振動周波数を調整するために静電気力を作用させる。電極104および105は、振動子102の振動振幅および振動周波数を静電容量の変化によって検出する。固定電極106および107は、角速度を印加すると生じるコリオリ力により振動軸と直角の方向に振動子102に生じる変位を静電容量の変化によって検出する。固定電極108および109は、振動子102に働くコリオリ力を打ち消すように振動子102に静電気力を作用させる。
【0016】
容量検出器110は、角速度センサ101と固定電極104の間の静電容量および角速度センサ101と固定電極105の間の静電容量の差分を検出することにより、角速度センサ101に働く振動方向の変位を検出する。
【0017】
駆動周波数調整部151は、容量検出器110の出力をデジタル信号に変換するAD変換器145と、AD変換器145の出力を一定周期ごとに加算する積分器を有する。
【0018】
駆動振幅調整部152は、あらかじめ設定した基準振幅値とAD変換器145の出力の差分を取り、その出力を一定周期ごとに加算する積分器を有する。
【0019】
容量検出器112は、振動子102と固定電極106の間の静電容量および振動子102と固定電極107の間の静電容量の差分を検出することにより、振動子102に働くコリオリ力による変位を検出し、デジタル信号に変換する。
【0020】
角速度検出部153は、容量検出器112の出力をデジタル信号に変換するAD変換器146と、AD変換器146の出力を一定周期ごとに加算する積分器を有する。
【0021】
VCO(ボルテージ・コントロール・オシレータ)122は、駆動周波数調整部151の出力に応じた周波数の基本クロックを出力する。クロック生成部123は、VCO122の出力を分周して駆動信号および検波信号Φ1を出力する。
【0022】
2軸加速度センサは、振動子128および129、電極130〜133を有する。
振動子128は、左右方向(以下、X軸方向と称す)に加速度が加わったときに変位する。振動子129は、前後方向(以下、Y軸方向と称す)に加速度が加わったときに変位する。電極130および132は、X軸方向およびY軸方向の変位量を静電容量の変化によって検出する。電極131および133は、電圧を印加し、強制的に振動子128をX軸方向に、振動子129をY軸方向に変位させる。容量検出器135および136は、変位による静電容量の変化を検出し電圧として出力する。AD変換器148および149は、容量検出器135および136が検出した電圧をデジタル信号に変換する。温度センサ137は、周囲温度を検出し電圧に変換して出力する。AD変換器138は、温度センサ137の出力電圧をデジタル信号に変換する。
【0023】
角速度特性補正部139、X軸方向加速度特性補正部140、Y軸方向加速度特性補正部141は、温度センサ137の出力に応じて、角速度の検出結果と加速度の検出結果を補正する。
【0024】
診断部161は、駆動周波数調整部151の出力に基づき、駆動周波数が正常か否かを判定する。診断部162は、駆動振幅調整部152の出力に基づき、振動子101の振動軸方向の振動が正常か否かを判定する。診断部163は、角速度検出部153の出力に基づき、角速度出力が正常か否かを判定する。診断部164は、X軸方向加速度特性補正部140の出力に基づき、加速度センサが正常に稼動しているか否かを判定する。診断部165は、Y軸方向加速度特性補正141の出力に基づき、加速度センサが正常に稼動しているか否かを判定する。診断部165は、AD変換器138の出力に基づき、温度センサ137が正常に稼動しているか否かを判定する。
【0025】
診断電圧制御部167は、加速度センサが正常に稼動しているか否かを診断するため、強制的に振動子128をX軸方向に、振動子129をY軸方向に変位させ、電極131および133に電圧を印加する。
【0026】
通信部171は、角速度センサ101および加速度センサの出力を、物理量検出装置1000の外部装置に送信する。
【0027】
図1の点線で囲んだ部分は、マイコン200などの演算装置上に一体的に構成することができる。マイコン200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備える。
【0028】
CPU201は、マイコン200が備える各機能部の演算機能を実行する。ROM202は、CPU201が実行するプログラムを保持する。RAM203は、CPU201がプログラムを実行する際に必要となるデータなどを一時的に保持する。
【0029】
マイコン200上に構成する各機能部は、CPU201が実行するプログラムとして構成することもできるし、その機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアを用いて構成することもできる。また、マイコン200およびマイコン200上に構成する各機能部と同等の機能を、FPGA(Field Programmable Gate Array)のような書き換え可能な論理回路を用いて構成することもできる。
【0030】
以上、物理量検出装置1000の回路構成を説明した。次に、角速度センサ101の動作について説明する。
【0031】
振動子102は、駆動周波数調整部151と駆動振幅調整部152が出力する駆動信号によって振動する。固定電極104、105は角速度センサ101の振動子102の変位を検出する。容量検出器110は、その検出結果を受け取る。
【0032】
駆動周波数調整部151は、容量検出器110とAD変換器145を介して得られる振動子102の変位信号に対し、振動子102の駆動方向の振動が共振状態となるように駆動信号の周波数を調整する。
【0033】
駆動振幅調整部152は、AD変換器145を介して得られる振動子102の変位信号に対し、振動子102の駆動方向の振動振幅が振幅基準値に一致するように駆動信号の振幅を調整する。そして、得られた信号を乗算器124に出力する。乗算器124は、クロック生成123の出力と駆動振幅調整部152の出力を乗算し、駆動信号を作成して振動子102に出力する。
【0034】
角速度検出部153は、コリオリ力による振動子102の変位を固定電極106、107と容量検出器112によって検出する。角速度検出部153は、固定電極108、109に電圧を印加して、電極108、109と振動子102の間に発生する静電気力により振動子102に働くコリオリ力による変位を打ち消す。すなわち、振動軸と直角方向に生じるコリオリ力よる振動子102の変位をゼロにするような電圧を角速度センサ101に帰還するようにサーボ制御を行う。角速度検出部153は、そのときの帰還電圧の振幅を角速度の検出信号として出力する。
【0035】
より具体的には、角速度検出部153は、固定電極108へ電圧を印加し、極性反転器125でその電圧を反転した電圧を固定電極109に印加することにより、振動軸と直角方向の振動変位を打ち消す。この振動が打ち消されている状態での積分器の出力を、角速度検出信号として出力する。
【0036】
次に、加速度センサの動作について説明する。振動子128は、X軸方向に加わる加速度により、変位に応じた容量の変化を固定電極130に生じさせる。容量検出器135は、AD変換器148を介して振動子128の変位信号を加速度として出力する。Y軸方向の加速度を検出するための振動子129および容量検出器136についても同様である。
【0037】
次に、特性補正部について説明する。角速度特性補正部139、X軸方向加速度特性補正部140、Y軸方向加速度特性補正部141は、温度センサ137の検出値に応じて、角速度センサ101の出力および加速度センサの出力に対し、温度補正演算と、ローパスフィルタによる高周波ノイズ成分除去を実施する。
【0038】
次に、診断部について説明する。診断部161〜163は、角速度センサ101の駆動機能、角速度検出機能が正常に稼動しているか否かを診断する。診断部164〜165は、加速度センサの2つの振動子128、129の固定電極131、133に診断電圧制御部167から診断用の電圧を印加し、強制的に各振動子を変位させることにより、検出素子が正常動作しているか否かを診断する。診断部166は、温度センサ137の出力が適性範囲内であるか否かを診断する。
【0039】
通信部171は、角速度特性補正部139、X軸方向加速度特性補正部140、Y軸方向加速度特性補正部141が補正したセンサ出力を、外部装置に送信する。また、診断部161〜166の診断結果を併せて外部装置に送信する。
【0040】
図2は、通信部171の機能ブロック図である。通信部171は、データバッファ1711、選択部1712、セレクタ1713、通信フレーム形成部1714を備える。
【0041】
データバッファ1711は、角速度特性補正部139から角速度センサ101の検出結果を受け取り、X軸方向加速度特性補正部140およびY軸方向加速度特性補正部141から各軸方向の加速度センサの検出結果を受け取り、温度センサ137から温度検出結果を受け取る。また、診断部163〜166から各センサに対する診断結果を受け取る。また、診断部161〜162から駆動周波数と駆動振幅に対する診断結果を受け取る。
【0042】
選択部1712は、データバッファ1711が保持している各検出結果および診断結果のうちいずれを送信パケットとして外部装置に送信するかを選択する。選択部1712は選択結果をセレクタ1713に出力する。
【0043】
セレクタ1713は、選択部1712からの指示に基づき、各検出結果および診断結果の全部または一部を選択し、通信フレーム形成部1714に出力する。通信フレーム形成部1714は、セレクタ1713が選択した各検出結果および診断結果の全部または一部を、通信パケットの形式に整形し、外部装置に送信する。
【0044】
図3は、データバッファ1711が保持するデータの形式を示す図である。以下、図3に示す各データの形式について説明する。
【0045】
角速度センサ101、加速度センサ、および温度センサ137は、検出結果を16ビットのデータとして出力する。この検出結果は、例えばプラスとマイナスの符号付きの値を2の補数で表現する。必要となる精度に応じて、ビット数を増減してもよいし、別の表現形式で検出結果を表してもよい。
【0046】
各診断部の診断結果を示す診断情報は、8ビットのデータとして構成されている。各ビットはそれぞれ、以下の項目に対する診断結果を0(正常)または1(異常)によって示す。
(ビットb7)角速度センサ101の駆動周波数(診断部161の診断結果)
(ビットb6)角速度センサ101の駆動振幅(診断部162の診断結果)
(ビットb5)角速度センサ101の角速度検出機能(診断部163の診断結果)
(ビットb4)ROM202の診断結果(CPU201が診断する)
(ビットb3)RAM203の診断結果(CPU201が診断する)
(ビットb2)X(左右)軸方向の加速度検出機能(診断部164の診断結果)
(ビットb1)Y(前後)軸方向の加速度検出機能(診断部165の診断結果)
(ビットb0)温度センサ137の温度検出機能(診断部166の診断結果)
【0047】
図4は、選択部1712の動作フローを示す図である。以下、図4の各ステップについて説明する。
(図4:ステップS401)
選択部1712は、データバッファ1711が保持している診断情報のビットb4に基づき、ROM202が正常稼動しているか否かを判断する。正常稼動している場合はステップS402へ進み、異常である場合はステップS403へ進む。
(図4:ステップS402)
選択部1712は、データバッファ1711が保持している診断情報のビットb3に基づき、RAM203が正常稼動しているか否かを判断する。正常稼動している場合はステップS404へ進み、異常である場合はステップS405へ進む。
【0048】
(図4:ステップS403)
選択部1712は、ROM202の診断結果(ビットb4)を選択した旨を、セレクタ1713に通知する。
(図4:ステップS404)
選択部1712は、データバッファ1711が保持している診断情報のビットb5〜b7に基づき、角速度センサ101の角速度検出機能が正常稼動しているか否かを判断する。正常稼動している場合はステップS406へ進み、異常である場合はステップS407へ進む。
【0049】
(図4:ステップS405)
選択部1712は、RAM203の診断結果(ビットb3)を選択した旨を、セレクタ1713に通知する。
(図4:ステップS406)
選択部1712は、角速度センサ101の検出結果を選択した旨を、セレクタ1713に通知する。
【0050】
(図4:ステップS407)
選択部1712は、角速度センサ101の診断結果(ビットb5〜b7)を選択した旨を、セレクタ1713に通知する。
(図4:ステップS408)
選択部1712は、データバッファ1711が保持している診断情報のビットb2に基づき、加速度センサのX軸方向加速度検出機能が正常稼動しているか否かを判断する。正常稼動している場合はステップS409へ進み、異常である場合はステップS410へ進む。
【0051】
(図4:ステップS409)
選択部1712は、加速度センサのX軸方向加速度の検出結果を選択した旨を、セレクタ1713に通知する。
(図4:ステップS410)
選択部1712は、加速度センサのX軸方向加速度検出機能の診断結果(ビットb2)を選択した旨を、セレクタ1713に通知する。
【0052】
(図4:ステップS411)
選択部1712は、データバッファ1711が保持している診断情報のビットb1に基づき、加速度センサのY軸方向加速度検出機能が正常稼動しているか否かを判断する。正常稼動している場合はステップS412へ進み、異常である場合はステップS413へ進む。
(図4:ステップS412)
選択部1712は、加速度センサのY軸方向加速度の検出結果を選択した旨を、セレクタ1713に通知する。
【0053】
(図4:ステップS413)
選択部1712は、加速度センサのY軸方向加速度検出機能の診断結果(ビットb1)を選択した旨を、セレクタ1713に通知する。
(図4:ステップS414)
選択部1712は、データバッファ1711が保持している診断情報のビットb0に基づき、温度センサ137の温度検出機能が正常稼動しているか否かを判断する。正常稼動している場合はステップS415へ進み、異常である場合はステップS416へ進む。
【0054】
(図4:ステップS415)
選択部1712は、温度センサ137の検出結果を選択した旨を、セレクタ1713に通知する。
(図4:ステップS416)
選択部1712は、温度センサ137の温度検出機能の診断結果(ビットb0)を選択した旨を、セレクタ1713に通知する。
【0055】
図5は、図4の動作フローの結果として通信フレーム形成部1714が出力する通信フレームの構成例を示す図である。ここでは、CAN(Controller Area Network)フレームの形式で通信フレームを構成した例を示した。
【0056】
CAN通信フレームは、1フレーム内に、SOF(スタート・オブ・フィールド)、コントロールフィールド、データフィールド、CRCフィールド、ACKフィールド、EOF(エンド・オブ・フィールド)を有する。コントロールフィールドは、データフィールドの長さを示す値(DLC:Data Length Code)を保持する。データフィールド内には、各センサの検出結果と診断結果を格納することができる。
【0057】
(1)全てのセンサが正常である場合
全てのセンサが正常稼動している場合、選択部1712は、各センサの検出結果を選択し、診断結果は選択しない。その結果、通信フレーム形成部1714は、通信フレーム内に各センサの検出結果を格納するが、診断結果は格納しない。この場合、データフィールドの長さは、2バイト×4=8バイトとなる。
【0058】
(2)加速度センサが異常である場合
加速度センサが異常である場合、選択部1712は、加速度センサの検出結果を選択しない。これに代えて、各センサの診断結果を選択する。その結果、通信フレーム形成部1714は、通信フレーム内に、角速度センサの検出結果、温度センサの検出結果、各センサの診断結果を格納する。この場合、データフィールドの長さは、2バイト×2+1バイト=5バイトとなる。
【0059】
(3)角速度センサが異常である場合
角速度センサ101が異常である場合、選択部1712は、角速度センサ101の検出結果を選択しない。これに代えて、各センサの診断結果を選択する。その結果、通信フレーム形成部1714は、通信フレーム内に、加速度センサの検出結果、温度センサ137の検出結果、各センサの診断結果を格納する。この場合、データフィールドの長さは、2バイト×3+1バイト=7バイトとなる。
【0060】
(4)RAMが異常である場合
RAM203が異常である場合、選択部1712は、各センサの検出結果を選択しない。これに代えて、各センサの診断結果を選択する。その結果、通信フレーム形成部1714は、通信フレーム内に各センサの診断結果を格納する。この場合、データフィールドの長さは1バイトとなる。ROM202が異常である場合も同様である。
【0061】
全てのセンサが正常である場合と、ROM202またはRAM203が異常である場合は、データフィールドの長さが一意に定まる。よって図5に示す通信フレームを受信する外部装置は、これらの場合に関しては、DLCの値のみをチェックするだけで、データフィールドにいずれの値が格納されているかを判断することができる。
【0062】
<実施の形態1:まとめ>
以上のように、本実施形態1に係る物理量検出装置1000は、センサが正常稼動している場合はそのセンサの検出結果を送信し、センサが正常稼動していない場合はそのセンサの検出結果を送信せずに診断結果を送信する。これにより、外部装置に通知する必要がある情報のみを送信することができるので、通信負荷を軽減することができる。また、外部装置は通知を受ける必要がある情報のみを受信するので、受信時における処理負荷も軽減することができる。
【0063】
また、本実施形態1に係る物理量検出装置1000は、各センサの検出結果のみを送信するときはDLC=8とし、各センサの検出結果を送信せず診断結果のみを送信するときはDLC=1とする。これにより、通信フレームを受信した外部装置は、いずれのデータが当該通信フレームに格納されているかを、データフィールドの内容を読み取らずに把握することができるので、処理負荷を軽減することができる。
【0064】
<実施の形態2>
実施形態1において、選択部1712は、図4で説明した処理フローを用いて、外部装置に通知する必要がある情報のみを選択することとした。これは、ネットワークの通信負荷および受信側の処理負荷を軽減する意義がある一方で、データフィールド内に含める情報量を所定限度内に収める意義もある。
【0065】
例えば通信フレームの形式としてCANフレームを採用した場合、CANフレームのデータフィールドは最大8バイトであるという制約がある。そのため、8バイトを超えるデータを送信する場合は、複数の通信フレームにまたがってデータを送信する必要があり、データを送信する側と受信する側の双方で処理負荷が増加してしまう。
【0066】
実施形態1で説明した手法によれば、データフィールドの最大サイズは図5(1)に示した8バイトとなるので、1通信フレームのみで全てのセンサの検出結果または診断結果を送信することができる。
【0067】
同様の手法は、CANフレーム以外のフレーム形式を採用する場合においても用いることができる。すなわち、選択部1712は、通信部171が採用している通信フレーム形式、通信パケット形式等において許容されている、1フレームまたは1パケット内に含めることのできる最大情報量内に収まるように、送信すべき情報を選択することができる。
【0068】
選択部1712が送信すべき最小限度の情報を選択しても、なお1フレームまたは1パケット内に情報量を収めることができない場合は、要求されているセンサ検出結果の精度に応じて、センサ検出結果の下位ビットを圧縮してもよい。
【0069】
例えば、実施形態1の図3では、各センサの検出結果を16ビットで表現することとしたが、センサ検出結果の精度として8ビットで表現できる範囲しか要求されていない場合には、下位8ビットを省略、繰り上げ、四捨五入などによって圧縮することができる。これにより、32ビット分の情報量を削減することができるので、データフィールドに格納することのできる最大情報量が4バイトであるフレーム形式等を採用した場合でも、1度の送信で全ての検出結果または診断結果を送信することができる。また、センサが5〜8個存在する場合でも、上記のように情報量を圧縮することにより、1度の送信で全てのセンサの検出結果を送信することができる。
【0070】
<実施の形態3>
図6は、本発明の実施形態3に係るネットワークシステム10000の構成図である。ネットワークシステム10000は、車両内に構成された車載ネットワークであり、物理量検出装置1000A、1000Bおよび1000C、ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)用ECU(Engine Control Unit)2000、ABS(アンチロック・ブレーキング・システム)用ECU3000、エアバッグ用ECU4000、ブレーキユニット5000を有する。
【0071】
物理量検出装置1000Aは、角速度と加速度を検出する検出装置である。物理量検出装置1000Bは、走行中の自動車の速度を検出する検出装置である。物理量検出装置1000Cは、走行中の自動車のハンドル角度を検出する検出装置である。これら検出装置は、実施形態1〜2で説明した物理量検出装置1000と同様の構成を備えるが、検出対象とする物理量およびその物理量を検出するために用いるセンサがそれぞれ異なる。外部装置に送信する情報を選択する構成については、実施形態1〜2と同様である。以下、物理量検出装置1000A〜1000Cを総称的に取り扱うときは、物理量検出装置1000と呼ぶ。
【0072】
ESC用ECU2000は、車両の横滑りを防止するように制御するECUである。ABS用ECU3000は、走行中に急ブレーキをかけたときにスリップを防止するための制御を行うECUである。エアバッグ用ECU4000は、車両衝突時のエアバッグの始動を制御するECUである。ブレーキユニット5000は、ESC用ECU2000の指示にしたがって、油圧を利用して前後左右4輪のブレーキを個別に制御する。
【0073】
図6に示す各検出装置1000A〜1000Cは、車載ネットワークを介して、センサの検出結果を各ECUに送信する。各ECUは、センサの検出結果を用いてそれぞれの制御機能を実行する。
【0074】
本実施形態3における「受信装置」は、各ECUがこれに相当する。本実施形態3では車載ネットワークと車載制御装置(ECU)をネットワークシステム10000の構成要素として例示したが、これら以外のネットワーク構成を採用することもできる。
【0075】
図7は、ESC用ECU2000の機能ブロック図である。ESC用ECU2000は、受信部2001、演算部2002、ブレーキ制御部2003を備える。受信部2001は、物理量検出装置1000A〜1000Cより、各センサの検出結果を受信する。演算部2002は、後述の図8で説明する処理フローを実行し、各センサの検出結果を抽出する。ブレーキ制御部2003は、演算部2002が抽出した各センサの検出結果に基づき、ブレーキユニット5000に対して動作指示を出力する。
【0076】
ここではESC用ECU2000の構成のみを例示したが、ABS用ECU3000、エアバッグ用ECU4000も同様の構成を備えることができる。
【0077】
図8は、ESC用ECU2000が物理量検出装置1000から通信フレームを受信したときの動作フローである。ESC用ECU2000以外のECUについても同様の処理を実行することができる。以下、図8の各ステップについて説明する。
(図8:ステップS801)
演算部2002は、物理量検出装置1000から受信した通信フレームのDLCの値を取得する。DLC=8であればステップS812へ進み、それ以外であればステップS802へ進む。
(図8:ステップS802)
演算部2002は、DLC=8でない場合はいずれかのセンサについて異常が発生しているものと判断し、診断情報をログに記録する。ログの記録先は、例えばESC用ECU2000が備えるメモリやハードディスク装置などの記憶装置とすればよい。
【0078】
(図8:ステップS803)
演算部2002は、DLC=1であれば各センサの検出結果は物理量検出装置1000から受信した通信フレーム内に格納されていないと判断して本動作フローを終了し、それ以外であればステップS804へ進む。
(図8:ステップS804)
演算部2002は、通信フレームのデータフィールドが保持している診断情報のうち、ビットb5〜b7の総和を求める。総和が0であればこれらのビットが全て0であるので、角速度センサ101が正常稼動していると判断し、ステップS805へ進む。それ以外であればステップS806へスキップする。
【0079】
(図8:ステップS805)
演算部2002は、角速度センサ101の検出結果を、通信フレームのデータフィールドから取得する。取得した検出結果は、例えばESC用ECU2000が備えるメモリやハードディスク装置などの記憶装置に記録する。以下のステップにおいて各センサの検出結果を取得した場合も同様である。
(図8:ステップS806)
演算部2002は、通信フレームのデータフィールドが保持している診断情報のうち、ビットb2の値を取得する。b2=0であれば加速度センサのX軸方向加速度検出機能が正常稼動していると判断し、ステップS807へ進む。それ以外であればステップS808へスキップする。
【0080】
(図8:ステップS807)
演算部2002は、加速度センサのX軸方向の加速度検出結果を、通信フレームのデータフィールドから取得する。
(図8:ステップS808)
演算部2002は、通信フレームのデータフィールドが保持している診断情報のうち、ビットb1の値を取得する。b1=0であれば加速度センサのY軸方向加速度検出機能が正常稼動していると判断し、ステップS809へ進む。それ以外であればステップS810へスキップする。
【0081】
(図8:ステップS809)
演算部2002は、加速度センサのY軸方向の加速度検出結果を、通信フレームのデータフィールドから取得する。
(図8:ステップS810)
演算部2002は、通信フレームのデータフィールドが保持している診断情報のうち、ビットb0の値を取得する。b0=0であれば温度センサ137が正常稼動していると判断し、ステップS811へ進む。それ以外であれば本動作フローを終了する。
【0082】
(図8:ステップS811)
演算部2002は、温度センサ137の検出結果を、通信フレームのデータフィールドから取得する。
(図8:ステップS812〜S815)
演算部2002は、ステップS805、S807、S809、S811と同様の処理を実施する。
【0083】
<実施の形態3:まとめ>
以上のように、本実施形態3に係るネットワークシステム10000において、各ECUは、DLC=8でない場合、すなわち各センサの診断結果を受信した場合のみ、その診断結果をログに記録する。これにより、ログ記録処理に係る処理負荷を軽減することができる。
【0084】
また、本実施形態3に係るネットワークシステム10000において、各ECUは、DLC=8である場合は各センサが全て正常稼動していると判断し、ステップS802〜S811を省略して全ての検出結果を記録する。これにより、データフィールド内に含まれている診断情報の各ビットに基づきいずれの検出結果が含まれているかを判断する必要がなくなるので、各ECUの処理負荷を軽減することができる。
【0085】
また、本実施形態3に係るネットワークシステム10000において、各ECUは、DLC=1である場合はデータフィールド内に各センサの検出結果が含まれていないと判断し、これら検出結果を受信する処理を実施しない。これにより、受信処理の早い段階で以後の受信処理を実施しない旨を確定することができるので、各ECUの処理負荷を軽減することができる。
【0086】
また、本実施形態3に係るネットワークシステム10000において、各ECUは、診断情報に含まれているビットb0〜b7の値に基づき、データフィールドにいずれのセンサの検出結果が含まれているかを判断し、含まれていない検出結果を取得する処理を省略する。これにより、必要最小限の受信処理のみで各センサの検出結果を取得することができるので、各ECUの処理負荷を軽減することができる。
【0087】
<実施の形態4>
実施形態1〜3では、物理量検出装置1000が備えるセンサ種別はあらかじめ定まっていることを前提としたが、実施形態3で説明したようにセンサ種別のみが異なる物理量検出装置1000を複数用いる場合でも、通信部171が実施する処理は同様である。
【0088】
そこで本発明の実施形態4では、通信部171の処理を各物理量検出装置1000について共通化するための構成を説明する。その他の構成は実施形態1〜3と同様であるため、以下では通信部171の処理を共通化する構成について主に説明する。
【0089】
図9は、物理量検出装置1000のROM202が保持する定義テーブル300の構成とデータ例を示す図である。定義テーブル300は、物理量検出装置1000がいずれのセンサから検出結果を取得して外部装置に送信すべきであるかを定義するテーブルであり、センサ種別フィールド301、ビット数フィールド302、搭載有無フィールド303、送信要否フィールド304を有する。
【0090】
センサ種別フィールド301は、物理量検出装置1000が搭載する可能性のあるセンサ種別を列挙するフィールドである。ビット数フィールド302は、センサ種別フィールド301の値で識別されるセンサの検出結果を表すために必要となるビット数を示す値を保持する。搭載有無フィールド303は、センサ種別フィールド301の値で識別されるセンサを当該物理量検出装置1000が搭載しているか否かを示す値を保持する。送信要否フィールド304は、センサ種別フィールド301の値で識別されるセンサの検出結果を外部装置に送信する必要があるか否かを示す値を保持する。
【0091】
図9に示すデータ例は、実施形態1〜2で説明した物理量検出装置1000、および実施形態3で説明した物理量検出装置1000Aに対応する定義テーブル300のデータ例を示した。この場合、物理量検出装置1000および1000Aは、角速度センサの検出結果、加速度センサの検出結果、温度センサの検出結果を取得して送信すべきであることが分かる。選択部1712は、定義テーブル300を読み取り、データバッファ1711に格納されているデータがいずれのセンサから取得した検出結果であるかを把握した上で、送信すべき検出結果のみを選択してセレクタ1713に通知する。
【0092】
定義テーブル300の内容を変更すれば、通信部171が実施すべき処理内容を定義することができるので、各物理量検出装置1000が備えるセンサ種別毎に通信部171を個別開発する必要がなくなり、定義データ300のみを調整すればよい。これにより、物理量検出装置1000の開発負担を軽減することができる。例えば、定義テーブル300の車両速度センサについてのレコードを有効化すれば、実施形態3で説明した物理量検出装置1000Bの通信部171が実施すべき処理を定義することができる。
【0093】
図10は、各ECUが保持する定義テーブル2100の構成とデータ例を示す図である。ここではESC用ECU2000が保持する定義テーブル2100の例を示したが、他のECUも同様の定義テーブルを保持することができる。
【0094】
定義テーブル2100は、ESC用ECU2000がいずれのセンサについての検出結果を処理すべきであるかを定義するテーブルであり、定義テーブル300と同様の役割をESC用ECU2000の側で果たすものである。定義テーブル2100は、センサ種別フィールド2101、ビット数フィールド2102、受信有無フィールド2103、処理要否フィールド2104を有する。
【0095】
センサ種別フィールド2101は、ESC用ECU2000が受信する可能性のあるセンサ種別を列挙するフィールドである。ビット数フィールド2102は、センサ種別フィールド2101の値で識別されるセンサの検出結果を表すビット数を示す値を保持する。受信有無フィールド2103は、センサ種別フィールド2101の値で識別されるセンサの検出結果をESC用ECU2000が受信するか否か、すなわち物理量検出装置1000からESC用ECU2000に宛ててその検出結果が送信されてくるか否かを示す値を保持する。処理要否フィールド2104は、センサ種別フィールド2101の値で識別されるセンサの検出結果をESC用ECU2000が処理する必要があるか否かを示す値を保持する。
【0096】
定義テーブル2100の内容を変更すれば、ESC用ECU2000の演算部2002が実施すべき処理内容を定義することができるので、各ECUが検出結果を処理するセンサ種別毎に演算部2002の処理内容を個別開発する必要がなくなり、定義データ2100のみを調整すればよい。これにより、各ECUの開発負担を軽減することができる。
【0097】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0098】
また、上記各構成、機能、処理部などは、それらの全部または一部を、例えば集積回路で設計することによりハードウェアとして実現することもできるし、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを実行することによりソフトウェアとして実現することもできる。各機能を実現するプログラム、テーブルなどの情報は、メモリやハードディスクなどの記憶装置、ICカード、DVDなどの記憶媒体に格納することができる。
【符号の説明】
【0099】
101:角速度センサ、102:振動子、103:固定電極、104および105:電極、106および107:固定電極、108および109:固定電極、110:容量検出器、112:容量検出器、122:VCO、123:クロック生成部、128および129:振動子、131〜133:電極、135および136:容量検出器、137:温度センサ、138:AD変換器、139:角速度特性補正部、140:X軸方向加速度特性補正部、141:Y軸方向加速度特性補正部、145および146:AD変換器、148および149:AD変換器、151:駆動周波数調整部、152:駆動振幅調整部、153:角速度検出部、161〜166:診断部、167:診断電圧制御部、171:通信部、1711:データバッファ、1712:選択部、1713:セレクタ、1714:通信フレーム形成部、200:マイコン、201:CPU、202:ROM、203:RAM、300:定義テーブル、301:センサ種別フィールド、302:ビット数フィールド、303:搭載有無フィールド、304:送信要否フィールド、1000:物理量検出装置、2000:ESC用ECU、2001:受信部、2002:演算部、2003:ブレーキ制御部、2100:定義テーブル、2101:センサ種別フィールド、2102:ビット数フィールド、2103:受信有無フィールド、2104:処理要否フィールド、3000:ABS用ECU、4000:エアバッグ用ECU、5000:ブレーキユニット、10000:ネットワークシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を検出するセンサと、
前記センサの稼動状態を診断する診断部と、
前記センサの検出結果および前記診断部の診断結果を送信する通信部と、
前記通信部が前記センサの検出結果および前記診断部の診断結果のうちいずれを送信するかを選択する選択部と、
を備え、
前記選択部は、
前記センサが正常に稼動していると前記診断部が診断した場合は前記センサの検出結果を選択し、
前記センサが正常に稼動していないと前記診断部が診断した場合は前記センサの検出結果を選択せずに前記診断部の診断結果を選択する
ことを特徴とする物理量検出装置。
【請求項2】
前記通信部は、
前記センサの検出結果または前記診断部の診断結果を1つの通信パケット内に含めることができない場合は、前記センサの検出結果を記述する情報を下位ビットから順に圧縮して情報量を削減する
ことを特徴とする請求項1記載の物理量検出装置。
【請求項3】
前記通信部は、
前記センサの検出結果のみを送信するときはその旨を示す情報を併せて送信し、
前記センサの検出結果を送信しないときはその旨を示す情報を併せて送信する
ことを特徴とする請求項1記載の物理量検出装置。
【請求項4】
当該物理量検出装置が備える前記センサの種類を定義する定義テーブルを備え、
前記通信部は、
前記定義テーブルが定義している前記センサの検出結果およびそのセンサについての前記診断部の診断結果を送信する
ことを特徴とする請求項1記載の物理量検出装置。
【請求項5】
前記センサは、
互いに直交する第1方向および第2方向に変位可能な振動体を有し、
前記振動体を前記第1方向に振動させた状態において、角速度の発生により前記振動体が前記第2方向に変位したときの変位量を角速度として検出する
ことを特徴とする請求項1記載の物理量検出装置。
【請求項6】
前記センサは、
互いに直交する第1方向および第2方向に変位可能な振動体を有し、
前記振動体が前記第1方向および前記第2方向に変位したときの変位量を加速度として検出する
ことを特徴とする請求項1記載の物理量検出装置。
【請求項7】
請求項1記載の物理量検出装置と、
前記物理量検出装置が送信する情報を受信する受信装置と、
を有することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項8】
請求項3記載の物理量検出装置と、
前記物理量検出装置が送信する情報を受信する受信装置と、
を有し、
前記受信装置は、
前記物理量検出装置から前記診断部の診断結果を受信した場合のみ、その診断結果をログとして記録する
ことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項9】
前記受信装置は、
前記物理量検出装置から前記センサの検出結果のみを送信した旨の情報を受信したときは、前記センサが正常に稼動していると判断して前記センサの検出結果を全て記録し、前記診断部の診断結果を受信する処理を実施しない
ことを特徴とする請求項8記載のネットワークシステム。
【請求項10】
前記受信装置は、
前記物理量検出装置から前記センサの検出結果を送信しない旨の情報を受信したときは、前記センサの検出結果を受信する処理を実施しない
ことを特徴とする請求項8記載のネットワークシステム。
【請求項11】
前記受信装置は、
前記物理量検出装置から受信した前記診断部の診断結果が、前記センサが正常に稼動していない旨を示している場合は、前記物理量検出装置から受信した情報のなかに、当該センサの検出結果が含まれていないものとして取り扱う
ことを特徴とする請求項8記載のネットワークシステム。
【請求項12】
請求項1記載の物理量検出装置と、
前記物理量検出装置が送信する情報を受信する受信装置と、
を有し、
前記受信装置は、
前記物理量検出装置から受信する前記センサの検出結果の種類を定義する定義テーブルを備え、
前記物理量検出装置から受信した情報を、前記定義テーブルが定義している前記センサの検出結果およびそのセンサについての前記診断部の診断結果として処理する
ことを特徴とするネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−93301(P2012−93301A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242351(P2010−242351)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】