説明

物質の無菌混合のためのパッケージ製品、挿入体、および、区画室、並びに、これらと共に使用するための方法

第1の物質を保持するための容器と、前記容器内に少なくとも部分的に挿入されて第2の物質を保持するための製品挿入体とを備えるパッケージであって、前記パッケージの外部操作によって第1の製品と第2の製品とを融合させることができるパッケージ。パッケージ製品および方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2009年1月12日に出願された米国出願第61/143,971号の利益を主張する。また、本出願は、2009年11月14日に出願された米国出願第61/261,315号の利益も主張する。前記出願のそれぞれの開示内容は、全ての目的のため、参照することによりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、複数の物質の混合機能を有するパッケージに関し、より詳細には、無菌混合機能を有する無菌パッケージに関する。
【背景技術】
【0003】
無菌予充填パッケージは、市販されており、医療産業、化粧品産業、および、食品産業において、並びに、この分野外の用途において一般に使用される。無菌パッケージは、環境に晒されること、汚染物質に晒されること、および、ガスおよび水分の透過を最小限に抑えあるいは回避するため、内部に収容される製品とパッケージの外部との間に密封バリアを備える。
【0004】
様々な用途では、無菌パッケージの内容物をパッケージの外側へ送出することが望ましく、また、そのようなパッケージにはそのような目的のための流体輸送デバイスが設けられる。また、幾つかの用途では、無菌パッケージが内部の内容物の送出器として機能することが望ましく、そうするために、無菌送出パッケージには、ノズル、スパウト、ドロッパ、スプレーヘッド、局所アプリケータ、眼球アプリケータ、または、耳アプリケータカニューレ、ニードル、微小針、または、所望のアプリケータまたはデバイスに接続するためのアダプタ(コネクタ、取付具、チューブ、ホース、または、シール部材を含む)などの適用可能なアプリケータを備える出口ポートの形態を成す流体輸送デバイスが設けられる。一般的な構成では、アプリケータが無菌パッケージ内に閉じ込められ、それにより、アプリケータは、パッケージ内に収容される製品に晒されるが、同じバリアによって製品と同様の程度まで環境から保護される。アプリケータは、一般に、容器を形成するプロセスで形成されるパッケージの不可欠な特徴であり、あるいは、パッケージを形成するプロセス中に、パッケージを充填する前に、あるいは、パッケージを充填した後にパッケージ内に挿入される。更に、無菌パッケージには、一般に、好ましくはユーザの手またはパッケージの外面によってアプリケータを汚染させることなく、無菌パッケージの完全性を破壊してアプリケータを露出させるための手段が設けられる。単一の装置部品でパッケージを形成し、充填し、シールするために、多くの製造方法が長年にわたって開発されてきた。
【0005】
無菌送出パッケージの例としては、ドイツのWaiblingenにあるRommelag(登録商標)によるBottlePak(登録商標)無菌容器製品ラインが挙げられる。BottlePak(登録商標)は、ブロー・フィル・シールプロセス(以下、時として、「BFS」プロセスと称される)を利用して、単一の機械において無菌状態でパッケージを形成し、充填し、シールする。BFS法は、一般に、以下のステップ、すなわち、a)押し出しステップ−高分子から押し出されるプラスチックパリソンが開放されたブロー成形モールドによって受け入れられてパリソンヘッドのダイの下側でカットされる、b)成形ステップ−主モールドが閉じると同時に底部をシールする。特別なマンドレルユニットが、首領域上に定着して、圧縮空気または真空を使用してパリソンを容器へ形成する、c)充填ステップ−特別なマンドレルユニットにより、用量投入ユニットより正確に測定された製品が容器内に充填される、d)シールステップ−特別なマンドレルユニットが引き込まれた後、ヘッドモールドが閉じて真空により所要のシールを形成する、e)モールド開放ステップ−ブロー成形モールドの開放に伴って、容器が機械から出て、サイクルが繰り返される、を備える。BottlePak(登録商標)容器には、時として、ねじり切られるときにパッケージと一体に形成されたアプリケータを露出させるねじり切り部が設けられる。そのようなBottlePak(登録商標)製品は、先の尖ったドロッパを有する単一用量点眼薬アンプルまたはルアーロックコネクタを有する小型非経口容器を含む(http://www.rommelag.com/en/05 application/05 other pharmaceutical.htmlを更に参照)。幾つかのBottlePak(登録商標)製品は、充填後でかつねじり切り形態部に近接してシールする前にパッケージ内に挿入される挿入体を備え、それにより、パッケージの破壊可能な部分のねじり切り時に、挿入体は、露出されて、パッケージ内に収容される製品の送出を容易にする(ここでは、以下、「ブロー・フィル・インサート・シール」プロセスまたは「BFIS」)。そのような製品の例としては、皮下注射投与のためのステンレススチールカニューレ挿入体を備える約3mlベローズ−構造圧搾可能容器が挙げられる。BottlePak(登録商標)BFIS製品の他の例はゴムセプタムを備える1リットル注入ボトルであり、ゴムセプタムには注入セットをスパイクを介して接続できる。この製造方法は、米国特許第7,192,549号明細書、米国特許第7,004,213号明細書、米国特許第5,836,922号明細書、米国特許第5,687,550号明細書によって教示される。
【0006】
BottlePak(登録商標)製品と同様のBFS製品およびBFIS製品は、Weiler(登録商標)(Elgin,lilincis)http://www.weiler−bfs.com/asep−tech systems/applications.htmlから入手できる。
【0007】
BFSおよびBFISユニット用量投入容器に類似する形態および機能の更なる無菌パッケージは、フォーム・フィル・シールプロセス(「FFS」)によって製造され、イタリアのSarong(www.sarong.it)およびイタリアのVillafranca Di medollaのUnifil(www.unifil.it)から入手できる。FFS法は、熱成形され、部分的にシールされ、充填された後に、単一の装置部品に対してシールされる連続フィルムストリップから個々のパッケージを形成する。挿入体は、成形ステップ後であってシールステップ(前充填または後充填)前またはパッケージをシールした後にパッケージへ導入することができる。
【0008】
同様の無菌パッケージは、後側(すなわち、送出側ではない)から充填されてその後のステップでシールされる幾つかのパッケージまたは個々のパッケージのストリップの射出成形により製造される。射出成形ステップ中または射出成形ステップ後に挿入体をパッケージ内に組み込むことができる。そのようなパッケージおよびそのようなパッケージを形成するための装置は、イタリアのLameplast(登録商標)Rovereto di Novi(www.lameplast.it)およびドイツのBensheimにあるSanner Plastic Technology(www.sanner.de)から入手できる。
【0009】
製品の滅菌が望まれる場合には、事前滅菌された原材料、構成要素、および、物質を使用して無菌・滅菌条件下で製造を行なうことにより、あるいは、製造後または特定の製造ステップ後に製品を滅菌することにより、あるいは、前記手法の組み合わせにより、滅菌を達成することができる。
【0010】
幾つかの用途では、無菌パッケージが複数の物質区画室を含み、それにより、複数の区画室を混合させて送出前に製品を形成できるようにすることが望まれる。非無菌用途では、多くの区画室または別個のパッケージを開放するため、および、1つのパッケージまたは区画室の内容物を他のパッケージまたは区画室へ導入して製品を形成するために、幾つかの方法を適用できる。例えば、www.justformen.comが提供するJust−For−Menなどの毛髪染剤製品は、2つのボトルを収容する小売りパッケージの形で売られる。この場合、前記パッケージの内容物を適用前に混合させる必要がある。前記ボトルの一方は、第2のパッケージの内容物を受けるのに十分な自由空間を備え、それにより、製品を生成するための手順は、a)両方のボトルから閉塞体を取り外すこと、b)小さい方のボトルの内容物を大きい方のボトルへ注ぐこと、c)撹拌して送出することである。該方法は、実用的で簡単であり、専用のパッケージ構造または付加的な装置を必要としないが、そのような方法は、適用(送出)までかつ適用(送出)中に無菌状態が維持されなければならない用途では受け入れることができない。
【0011】
幾つかの特許は、キャップ内に格納される物質と前記キャップが装着される容器の内容物とを混合させるためのキャップを開示する。米国特許第7,464,811号明細書は、ボトルの口部に螺合できる開口付きの内側チューブと、内側チューブに協働して係合されかつフランジ構造を介して内側チューブ上にわたってスライド可能に制限される外側ハウジングとを備える、混合キャップを教示する。外側ハウジング内に収容される予め負荷がかけられた原料を、内側チューブ上にわたって外側ハウジングを単に押圧することによりボトル内に導入しあるいは排出することができ、それにより、原料は内側チューブの開口を流通してボトルの液体内容物へ至ることができる。その後、ボトル内で組み合わされた原料および液体を、漏れやこぼれの虞や危険を伴うことなく振動させることができる。この混合溶液および当技術分野において知られる混合キャップの多くは、2つの主要な不都合に見舞われる。すなわち、a)キャップ内の物質は、環境からの分離が容器内の製品と同じレベルで保護されず、また、b)キャップおよび容器の内容物の融合の手順において、パッケージの無菌完全性が破られる(米国特許第7,464,811号明細書の場合、キャップのスライド可能な部分は、シールされた製品空間内にキャップの外側部分を含むように滑り落ちる)。
【0012】
パッケージの2つの区画室の製品を無菌混合するための様々な解決策が生み出されてきた。そのようなパッケージの1つの利点は、それらが長い保管寿命を与え、および/または2つの区画室の製品の組み合わせが劣化を加速させあるいは温度や露光などの条件に影響される場合の保管条件に耐えられるという点であり、または、第1の区画室内の物質と第2の区画室内の物質との間の相互作用を回避できることである。他の用途では、2つの区画室の製品が所望の適用ステップとして反応するとともに、適用(送出)前にだけ、適用(送出)中にだけ、あるいは、適用(送出)直後だけ反応が起こるように2つの区画室の製品を別個に維持しなければならない。
【0013】
Fontanaの米国特許第7,025,200号明細書は2成分即席製品用のボトルを開示しており、このタイプのボトルは、第1の成分のための容器であって、上側口部を備える容器と、第2の成分を収容するためのリザーバであって、口部内に略同軸に挿入されて上方に開口しており、ダイヤフラムによって構成される底部を有するリザーバと、リザーバ内に挿入でき、2つの成分を混合させるためにダイヤフラムを穿孔するようになっている穿孔器と、上方領域で容器を閉じるための取り外し可能なキャップとを備え、キャップは、容器に固定される下側環状部と、穿孔器と協働するとともにシール手段として作用するのに適する中間脆弱領域で環状部に強固に結合される上側円筒部とを備え、円筒部に作用する下向きの圧力が、円筒部を環状部から取り外すようになっているとともに、穿孔器をリザーバ内でスライドさせて下側にあるダイヤフラムを穿孔するようになっている。様々な別の手法は、2つの区画室を混合させるために必要な機構細部、ステップ、および、作用がある程度異なる米国特許第3968872号明細書、米国特許第5029718号明細書、米国特許第5543097号明細書、米国特許第5884759号明細書、米国特許第6148996号明細書、米国特許第6435341号明細書を含む従来技術に開示されている。本発明の発明者は、これらの従来技術の手法が以下の幾つかの共通の欠点に見舞われていると考える。
【0014】
a)シール品質:第1の区画室と第2の区画室との間のシール、および、区画室のうちの少なくとも1つと環境との間のシールは、圧入によってあるいは少なくとも一部を介して薄い成形プラスチック壁によって達成される。本明細書中で使用されるこの特許における圧入シールという用語は、2つの半弾性構成要素を互いに抗して押し進めることにより引き起こされるシールであって、前記2つの構成要素間の外周接触ラインに変形が引き起こされてこの接触ラインを通じた物質の移動が防止されるようになっているシールを示す。表面応力は、適度な圧力または力がシールの機能に抗して作用している場合であっても、シールを維持する構成要素の弾性に起因してこの接触ラインに沿って残存する。成形プラスチック部品という用語は、射出成形またはブロー成形または類似の方法によって、あるいはこれらの方法のうちの1つを組み入れる方法によって製造される部品を示す。成形部品の壁は制限された水分バリア特性を有し、したがって、一方の区画室内の製品が水または溶液でありかつ他方の区画室内の製品が超乾燥状態に維持する必要がある超乾燥粉末または他の形態の固形物である場合、成形部品は、長期間にわたって所要のバリアを与えることができない。同じ欠点が圧入シールにおいて存在する。
【0015】
b)従来技術の他の欠点は、それが無菌送出(すなわち、送出、適用、投与など)をサポートできないという点である。これらのパッケージは、内容物が放出されるときに通気されるようになっているからである。あるいは、それらの発明者によって提案されていないが、従来技術のパッケージは、空気がパッケージを通り抜けないで、圧搾して内容物を放出させることができる。ここでの欠点は、それらの異なる手法における構成では、該構成が圧搾され得ないパッケージのかなりの部分を占めるあるいは強化するため、内容物の効率的な急送率を得ることができないという点である。
【0016】
先に挙げられた欠点は、部分的には、米国特許第6,203,535号明細書、米国特許第5,176,634号明細書、米国特許第6,996,951号明細書、米国特許第4,602910号明細書、米国特許第5,462,526号明細書、米国特許第5,287,961号明細書、米国特許第4,961,495号明細書、米国特許第4,608,043号明細書、米国特許第5,425,447号明細書、米国特許第3,749,620号明細書、米国特許第6,017,598号明細書、米国特許第3,074,544号明細書、米国特許第3,608,709号明細書、米国特許第3,847,279号明細書によって克服され、これらの全ては、脆弱シール(時として、剥離可能シールと称される)によって互いから分離される少なくとも第1および第2の区画室を備え、前記2つの区画室のうちの少なくとも一方に存在する圧力により脆弱シールが分離して2つの区画室の内容物が混合されるようになっているフィルムパッケージを開示する。特にSmithの米国特許第5,176,634号明細書は、希釈剤および薬剤を格納して互いに混合させるために設けられる柔軟な容器を教示する。容器は、脆弱シールによって分離される複数の区画室を組み込み、区画室内に希釈剤および薬剤が格納される。容器の操作によってシールが破裂され、それにより、内容物が互いに混合されて標準的なIV装置により患者へ送出される。そのようなパッケージの急送率は、パッケージが効率的に潰れるのを妨げる抵抗または障害が殆どないため、高い。シールは、前記フィルムパッケージの2つの壁間の溶着によって形成され、この場合、十分な溶着幅が良好な水分バリア特性をもたらす。これらの手法は従来技術の欠点の一部を克服するが、これらの手法は、先に挙げられた従来技術の第1のグループの硬質容器の人間工学的特性を欠く。幾つかの用途において、柔軟なパッケージは、例えば、世界の他の部分においてはより一般的である輸液バッグではなく半硬質ボトルにとって欧州市場で通例の注入容器の分野では、一般的な形態のプレゼンテーションを満たさない。
【0017】
米国特許出願公開第20060276755号明細書は、同軸に位置合わせされる入口および出口を含むチャンバを有するハウジングと、通路が貫通されて成るチャンバ内に配置される薬剤カートリッジと、10気圧を下回るバースト圧を有する通路をシールする膜と、チャンバと流体連通する出口を有する手動で作動できる流体送出デバイスと、流体送出デバイスの出口とチャンバ入口との間に配置される手動で作動されるバルブであって、該バルブに対する圧力により流体を送出するためのバルブとを含む、バルブ付き薬剤送出デバイスを教示する。この発明の薬剤送出デバイスは、最初にバルブの上流側の圧力送出デバイスの圧力チャンバを加圧した後にバルブを開放して膜を開放することにより、制御された単位用量の薬剤を要求に応じて送出するとともに、薬剤をチャンバ出口を通じて急送するために利用されてもよい。この特許では、第2の物質を有する第2の区画室が第1の物質を有するシリンジの外部にあり、したがって、環境がもはや本質的に無菌でないときに2つの区画室の混合が起こる。また、この特許は、最初に第1の物質と第2の物質とを混合する方法を教示するが、送出が混合と同時に行なわれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、本出願の発明は、多区画室であって、前記区画室間で高いバリア特性を与えることができ、良好な急送率を有するとともに、人間工学的な成形パッケージを更に可能にして、汚染の危険を減らす方法で製造できる多区画室を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
パッケージ製品が提供され、該パッケージ製品は、第1の物質を格納する少なくとも1つの容器と、容器内に少なくとも部分的に格納されて第2の物質を格納する物質挿入体とを備える。物質挿入体の少なくとも一部は物質間に柔軟バリアを備える。パッケージ製品の外部無菌操作によって柔軟バリアの完全性が失効される(柔軟バリアの機能が損なわれ)と、第1および第2の物質を融合させることができる。
【0020】
幾つかの構成では、物質挿入体が硬質または半硬質であってもよいフレームを備える。フレームは、容器の変形を柔軟バリアに結果として作用する力へ変換するため、あるいは柔軟バリアに加えられる圧力を感受部に加えられる力へ変換するため、柔軟バリアの感受部を支持する変形可能な部材であってもよい。幾つかの構成では、フレームの変形が、柔軟バリアのシールを破壊しあるいは該シールを破裂させるなど、柔軟バリアを破損させる第2の区画室の動作へ変わり、それにより、第1および第2の物質が融合できる。
【0021】
物質挿入体は一部または全体が容器内に配置され、また、1つ以上のそのような挿入体が設けられてもよい。パッケージ製品の操作中、物質挿入体の少なくとも一部が移動して、第2の区画室の容積が減少されてもよい。幾つかの構成では、物質挿入体が第2の物質を収容するパウチを備える。他の構成では、ブリスターパックが設けられる。更に他の構成において、物質挿入体は、柔軟バリアによって第1および第2の物質が分離される作動前位置と融合させることができるように、柔軟バリアの完全性が失効される作動位置との間で移動可能に容器内に配置されるプランジャアセンブリを備える。
【0022】
接合部は、例えば接着、溶着、機械的インターロック、または、これらのうちの1つ以上の組み合わせにより、容器と共に物質挿入体と機械的に係合し、それにより、流体密な(fluid tight:流体に対して漏れが生じないような)シールを形成することが好ましい。接合部は、圧力または物質挿入体の動作によってバリアの受容部の完全性が失効されるように柔軟バリアを支持する。様々な実施形態において、物質挿入体は、パッケージ製品の通例の使用中に容器に対して流体密なシール状態で取り付けられたままの接合部を介して容器と係合される。
【0023】
典型的な実施形態では、容器が第1の物質を格納するための第1の区画室を備え、物質挿入体が第2の物質を格納するための第2の区画室を備える。第2の区画室が柔軟バリアも備えることが好ましい。幾つかの構成では、第3の区画室が、第1および第2の物質の一方または両方と融合されるべき第3の物質を格納する。第3の区画室は、所望の環境によって第2の区画室を取り囲むために第2の区画室を実質的に封入してもよい。幾つかの構成では、物質挿入体接合部によって第3の区画室が第1の区画室から分離される。
【0024】
柔軟バリアは、フィルム、箔、積層体、フィルムと箔と積層体とを組み合わせる多層製品、射出成形部、ブロー成形部、または、これらの任意の組み合わせであってもよい。バリアは、脆弱シールを破壊するあるいはバリアを貫通破裂させるなどの様々な方法で失効されてもよい。これは、物質挿入体の動作によって、あるいは、第1および第2の物質の1つ以上の加圧によって引き起こされてもよい。柔軟バリアは、物質挿入体の圧力または動作がバリアの感受部を損なわせるように支持される。
【0025】
幾つかの構成では、容器の融合された内容物を送出するために流体輸送デバイス(FTD)が設けられる。FTDは、局所アプリケータ、スプレーヘッド、噴出ノズル、ドロッパノズル、鼻アプリケータ、経口アプリケータ、耳アプリケータ、侵襲的アプリケータ、コネクタ、または、これらの任意の適した組み合わせなどの様々な形態を有してもよい。FTD自体が全体的に容器内に配置される挿入体であってもよく、また、幾つかの構成では、取り外し可能なガードがFTDを周囲環境から無菌状態で保護する。製品は、必要に応じてあるいは望み通りに、FTDの連続使用を防止するためのFTD無効化手段を備えてもよい。幾つかの構成では、物質挿入体およびFTDが共通の挿入体である。幾つかの構成では、物質挿入体およびFTDが互いに近接して配置され、あるいは互いの先端側に配置される。幾つかの構成では、FTDの少なくとも一部が容器内に挿入され、一方、他の構成では、FTDの少なくとも一部が容器内に一体に形成される。様々な実施形態において、FTDは、容器内または物質挿入体内への物質の導入を可能にする。
【0026】
容器は様々な形態をとってもよい。幾つかの実施形態において、容器は、第1および第2の格納区画室と首部とを備えるボトルの形状をほぼ成して構成される。物質挿入体の一部または全体が首部内に収容されてもよい。物質挿入体は、首部の変形が物質挿入体の対応する変形をもたらすように首部に対して支持されるのが好ましい。これに関連して、首部を変形させるために別個のアクチュエータが使用されてもよい。ボトル形態および他の形態において、容器は、第1の物質を受けるための入口FTDと、融合された容器内容物を送出するための出口FTDとを備えてもよい。入口および出口FTDが同じであってもよい。他の形態は、圧搾チューブの形態を成す容器をもたらす。容器は、例えば、射出成形、ブロー成形、ブロー・フィル・シール、ブロー・フィル・インサート・シール、フォーム・フィル・シール、および、射出ブロー成形のうちの1つによって形成されてもよい。
【0027】
一体にシールされた容器を含むパッケージ製品で用いる物質挿入体であって、容器内に挿入体が少なくとも部分的に挿入されるようになっている、物質挿入体に関する構成も提供される。該して、物質挿入体は、(1)物質を格納する区画室、(2)容器の壁と対峙するための容器接合部であって、第1の材料からなる容器接合部、および、(3)第1の材料と異なる第2の材料からなる柔軟バリアであって、容器の十分な外部操作が容器の完全性を損なうことなく柔軟バリアの完全性を失効し、それにより、物質を区画室から送出できる、柔軟バリア、を備える。物質挿入体の他の典型的な実施形態は、(1)物質を格納する区画室、(2)容器の壁と対峙するための容器接合部、および、(3)力を伝えるために容器接合部によって支持される柔軟バリアであって、前記容器の十分な外部操作によって容器接合部が柔軟バリアの完全性を失効する力を柔軟バリアに及ぼす、柔軟バリア、を備える。
【0028】
物質挿入体のための区画室、容器接合部、および、柔軟バリアは、前述した異なる構成および組み合わせのうちの1つ以上をとってもよい。物質挿入体は、それぞれ前述したFTDとフレームとを備えてもよい。幾つかの構成では、柔軟バリアのための第1および第2の材料が単一の部品に組み込まれ、また、それらが多層柔軟バリアの層を備えてもよい。幾つかの構成では、第1の材料が接着剤である。
【0029】
フランジと、フランジから先端部へ延びる基端部を有する絞り加工されたキャビティとを備える物質区画室も提供される。先端部が物質を受け入れてもよく、一方、基端部は、キャビティの先端部内で物質を無菌シールする脆弱シールを形成するべく折り畳み可能である。物質区画室は、キャビティの先端部内に少なくとも部分的に配置されるFTDを備えてもよい。
【0030】
本開示によって様々な方法が考えられる。1つの実施形態は、前述したようなパッケージ製品と共に用いる方法を提供する。この方法によれば、柔軟バリアの完全性を失効させるために容器が外部から無菌状態で操作され、それにより、第1および第2の物質の融合を可能にするために容器内に融合区画室が形成される。方法は、FTDを通じて融合内容物を送出することを含んでもよく、この場合、FTDは、回転移動され、あるいは、FTDが融合区画室から分離される送出前位置からFTDが融合区画室と連通する送出位置へ移動される。他の構成では、FTDが容器内に少なくとも部分的に配置され、また、物質挿入体をFTDから離れるようにあるいはFTDへ向けて移動させることにより、または、容器をFTDに対して移動させることにより、パッケージ製品が外部から無菌状態で操作される。手動であるいはアクチュエータにより行なわれてもよい容器の外部操作中に、容器と対応して物質挿入体の少なくとも一部が移動する。幾つかの構成では、容器の外部操作時に、第1の物質、第2の物質、または、これらの両方が柔軟バリアに抗して押圧される。柔軟バリアの完全性は、容器の変形に応じた製品挿入体の動作により失効されてもよい。バリアは、脆弱シールを分離することにより、バリアを破裂させることにより、あるいは、他の方法により失効され得る。
【0031】
また、パッケージ製品を製造するための方法も考えられる。この方法によれば、(1)第1の物質を格納するための少なくとも第1の区画室を備える選択された形態の容器が形成され、(2)第2の物質で満たされる第2の区画室を備える物質挿入体が形成され、および、(3)第1の区画室と第2の区画室との間に柔軟な感受性バリアが介挿されるように物質挿入体が容器内へ少なくとも部分的に挿入される。これに関連して、バリアの感受性とは、任意の様々な態様で、例えば、シールを破壊することにより、バリアを破裂させることにより、バリアを穿刺することにより、あるいは、他の方法によりバリアの完全性を失効させることができることを意味するものである。幾つかの構成において、物質挿入体は、挿入体の一方の部分にFTDを有しかつ挿入体の他方の部分に脆弱シールを有するパウチを含むように形成される。パウチは変形可能なフレームまたは硬質フレームで支持されてもよい。他の構成では、物質挿入体がブリスターパックとして形成される。
【0032】
幾つかの実施形態は、それぞれが対応する物質で満たされる対応する区画室を備える複数の少なくとも部分的に折り畳み可能な物質挿入体を提供し、各物質挿入体は容器内に少なくとも部分的に挿入される。第1の区画室は物質挿入体間に介挿されてもよい。他の実施形態では、容器が複数の容器区画室を含み、各容器区画室が対応する物質を格納し、また、物質挿入体が容器区画室間に介挿される。好ましくは、容器は、少なくとも部分的に変形可能であり、圧搾チューブ、ボトル、または、任意の他の適した形態として構成されてもよい。
【0033】
この方法によれば、第1の物質は、物質挿入体の挿入前または挿入後に第1の区画室内に導入されてもよい。FTDが容器内に挿入されてもよい。また、方法はブロー・フィル・インサート・シール(BFIS)プロセスを組み入れてもよく、この場合、(1)第1の区画室を形成するために容器の少なくとも一部がブロー成形され、(2)第1の物質が第1の区画室内に導入され、(3)物質挿入体が容器内へ挿入され、(4)第1の物質および物質挿入体が容器内で無菌シールされ、および、(5)物質挿入体が容器の内部と流体密な態様で結合される。FTDは、容器内へ部分的に挿入されてもよく、あるいは、容器内に形成されてもよい。また、この方法によれば、容器が成形されてもよく、その場合、物質挿入体が容器の開口内に少なくとも部分的に導入されて好ましくはシールにより容器と係合状態で結合される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1a】物質挿入体がアプリケータ挿入体から分離される場合のパッケージの第1の典型的な実施形態を示している。
【図1b】物質挿入体がアプリケータ挿入体から分離される場合のパッケージの第1の典型的な実施形態を示している。
【図1c】物質挿入体がアプリケータ挿入体から分離される場合のパッケージの第1の典型的な実施形態を示している。
【図2a】物質挿入体がブリスターである場合のパッケージの他の典型的な実施形態を示している。
【図2b】物質挿入体がブリスターである場合のパッケージの他の典型的な実施形態を示している。
【図2c】物質挿入体がブリスターである場合のパッケージの他の典型的な実施形態を示している。
【図3a】物質挿入体がアプリケータ挿入体と関連付けられる場合の他の典型的な実施形態を示している。
【図3b】物質挿入体がアプリケータ挿入体と関連付けられる場合の他の典型的な実施形態を示している。
【図3c】物質挿入体がアプリケータ挿入体と関連付けられる場合の他の典型的な実施形態を示している。
【図3d】物質挿入体がアプリケータ挿入体と関連付けられる場合の他の典型的な実施形態を示している。
【図3e】図3a〜図3dに示されるパッケージを使用するシリンジを示している。
【図4a】物質挿入体がアプリケータ挿入体に含まれる場合の更なる典型的な実施形態を示している。
【図4b】物質挿入体がアプリケータ挿入体に含まれる場合の更なる典型的な実施形態を示している。
【図4c】物質挿入体がアプリケータ挿入体に含まれる場合の更なる典型的な実施形態を示している。
【図4d】物質挿入体がアプリケータ挿入体に含まれる場合の更なる典型的な実施形態を示している。
【図4e】物質挿入体がアプリケータ挿入体に含まれる場合の更なる典型的な実施形態を示している。
【図5a】第2の区画室がアプリケータ挿入体と関連付けられるフィルムパウチである場合の更なる好ましい実施形態を示している。
【図5b】第2の区画室がアプリケータ挿入体と関連付けられるフィルムパウチである場合の更なる好ましい実施形態を示している。
【図5c】第2の区画室がアプリケータ挿入体と関連付けられるフィルムパウチである場合の更なる好ましい実施形態を示している。
【図5d】第2の区画室がアプリケータ挿入体と関連付けられるフィルムパウチである場合の更なる好ましい実施形態を示している。
【図5e】第2の区画室がアプリケータ挿入体と関連付けられるフィルムパウチである場合の更なる好ましい実施形態を示している。
【図5f】第2の区画室がアプリケータ挿入体と関連付けられるフィルムパウチである場合の更なる好ましい実施形態を示している。
【図5g】第2の区画室がアプリケータ挿入体と関連付けられるフィルムパウチである場合の更なる好ましい実施形態を示している。
【図5h】第2の区画室がアプリケータ挿入体と関連付けられるフィルムパウチである場合の更なる好ましい実施形態を示している。
【図6a】図5a〜図5hの実施形態のためのフィルムカプセルを形成する1つの好ましい態様の詳細を示している。
【図6b】図5a〜図5hの実施形態のためのフィルムカプセルを形成する1つの好ましい態様の詳細を示している。
【図6c】図5a〜図5hの実施形態のためのフィルムカプセルを形成する1つの好ましい態様の詳細を示している。
【図6d】図5a〜図5hの実施形態のためのフィルムカプセルを形成する1つの好ましい態様の詳細を示している。
【図6e】図5a〜図5hの実施形態のためのフィルムカプセルを形成する1つの好ましい態様の詳細を示している。
【図6f】図5a〜図5hの実施形態のためのフィルムカプセルを形成する1つの好ましい態様の詳細を示している。
【図7a】印加前ではなく印加中に柔軟バリアが失効される場合の更なる好ましい実施形態を示している。
【図7b】印加前ではなく印加中に柔軟バリアが失効される場合の更なる好ましい実施形態を示している。
【図7c】印加前ではなく印加中に柔軟バリアが失効される場合の更なる好ましい実施形態を示している。
【図8a】典型的なパッケージおよびその製品挿入体の概略図を示している。
【図8b】典型的なパッケージおよびその製品挿入体の概略図を示している。
【図9a】パッケージ製品のための第2の容器の典型的な実施形態の図を示している。
【図9b】パッケージ製品のための第2の容器の典型的な実施形態の図を示している。
【図9c】パッケージ製品のための第2の容器の典型的な実施形態の図を示している。
【図9d】パッケージ製品のための第2の容器の典型的な実施形態の図を示している。
【図9e】パッケージ製品のための第2の容器の典型的な実施形態の図を示している。
【図9f】パッケージ製品のための第2の容器の典型的な実施形態の図を示している。
【図10a】第2の容器の更なる典型的な実施形態を示している。
【図10b】第2の容器の更なる典型的な実施形態を示している。
【図10c】第2の容器の更なる典型的な実施形態を示している。
【図11a】シール状態および開放状態における製品挿入体の典型的な実施形態の図を示している。
【図11b】シール状態および開放状態における製品挿入体の典型的な実施形態の図を示している。
【図11c】シール状態および開放状態における製品挿入体の典型的な実施形態の図を示している。
【図11d】シール状態および開放状態における製品挿入体の典型的な実施形態の図を示している。
【図11e】シール状態および開放状態における製品挿入体の典型的な実施形態の図を示している。
【図11f】シール状態および開放状態における製品挿入体の典型的な実施形態の図を示している。
【図11g】シール状態および開放状態における製品挿入体の典型的な実施形態の図を示している。
【図12a】シール状態および開放状態におけるパッケージの典型的な実施形態の詳細図を示している。
【図12b】シール状態および開放状態におけるパッケージの典型的な実施形態の詳細図を示している。
【図12c】シール状態および開放状態におけるパッケージの典型的な実施形態の詳細図を示している。
【図12d】シール状態および開放状態におけるパッケージの典型的な実施形態の詳細図を示している。
【図13】使用状態の図8の容器を示している。
【図14a】外部デバイスが容器の開放状態への操作を容易にする場合のパッケージの典型的な実施形態を示している。
【図14b】外部デバイスが容器の開放状態への操作を容易にする場合のパッケージの典型的な実施形態を示している。
【図15】取り外し可能部が流体輸送デバイスへアクセスできるようにするとともに物質挿入体の一部を露出させる場合のパッケージの更なる典型的な実施形態を示している。
【図16】物質挿入体の一部が露出される状態のパッケージの更なる典型的な実施形態を示している。
【図17a】容器がチューブの形態を成すパッケージの更なる典型的な実施形態を示している。
【図17b】容器がチューブの形態を成すパッケージの更なる典型的な実施形態を示している。
【図18】物質挿入体が流体輸送デバイスよりも先端側に離間される典型的な実施形態を示している。
【図19】物質挿入体がフィルムバルブを有するフランジまで下げられる典型的な実施形態を示している。
【図20】物質挿入体が一体バルブを有するフランジまで下げられる典型的な実施形態を示している。
【図21】バルブが容器と一体である場合の典型的な実施形態を示している。
【図22】物質挿入体がフィルタを備える典型的な実施形態を示している。
【図23】第1の区画室および第2の区画室がねじキャップポートを備える典型的な実施形態を示している。
【図24】容器がスリーブ付きウェブから形成される典型的な実施形態を示している。
【図25】パッケージが2つの物質挿入体を備える典型的な実施形態を示している。
【図26】パッケージが2つのバルブを有する物質挿入体を備える典型的な実施形態を示している。
【図27a】第2の区画室のパウチのウェブが第1の区画室を形成する典型的な実施形態を示している。
【図27b】第2の区画室のパウチのウェブが第1の区画室を形成する典型的な実施形態を示している。
【図27c】第2の区画室のパウチのウェブが第1の区画室を形成する典型的な実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
第1の物質を収容する第1の区画室を備える容器、および、前記第1の物質を有する前記容器内に少なくとも部分的に配置される物質挿入体、の形態を成すパッケージが開示される。物質挿入体は第2の物質を収容する第2の区画室を備え、また、前記区画室の少なくとも一部が柔軟バリア壁から形成される。パッケージは、前記フィルム壁の完全性を失効させることにより前記第1の物質と前記第2の物質とを送出前に混合させるべく外部から無菌状態で操作される。該構成により、容器を半硬質にすることができ、したがって、パッケージが人間工学的に良好になる。フィルム壁は、第1の物質と第2の物質との間に良好なバリアをもたらし、それにより、製品の長い保管寿命および安定性を支援する。
【0036】
容器は、流体輸送デバイスを備える挿入体を更に備えることができる。流体輸送デバイスは、パッケージの内容物を所望の態様で所望の標的へ送出するためのアプリケータの形態を成すことができる。スパウト、オリフィス、チューブ、ホース、ドリッパ、ブラシ、スポンジ、ノズル、スプレーヘッド、皮下注射針、微小針または微小針配列、無針注射オリフィス、カニューレ、チューブ、または、これらの組み合わせ、あるいは、上記アプリケータのうちの1つ以上に対するコネクタ、通路、促進器、バルブ、セプタム、または、カプラのうちの1つ以上を含む指定された用途に適合するように、様々なアプリケータタイプが容器に組み込まれてもよい。該構成では、無菌シールされた容器の完全性が指定された場所で破壊されるときにアプリケータが露出されてアプリケータを使用のために利用できるようになっている。
【0037】
幾つかの実施形態では、物質挿入体およびアプリケータ挿入体が1つの挿入体として一体化され、それにより、パッケージの製造が簡略化され有益である。他の実施形態では、容器の開放操作も第1および第2の区画室を合併させる。他の実施形態において、パッケージの開放は、最初に区画室を混合するように操作することを条件とする。更なる他の実施形態において、区画室の合併は、最初にパッケージを開放操作することを条件とする。
【0038】
本発明は、1つの物質挿入体に限定されず、多区画室挿入体に適用できる。また、パッケージは、個別に利用できあるいは合併できる複数の第1の区画室を含んでもよい。
【0039】
送出という用語は、一般に、パッケージの内容物の任意の形態の急送を示し、投与、送出、注入、滴下、適用、注ぐ、塗布、拡散、注射、および、製品を標的位置へ所望の態様で導入する他の形態などの他の専門用語をとらえる。
【0040】
柔軟バリアという用語およびフィルムという用語は、一般に、単層フィルム、多層フィルム、押し出しフィルム、ブロー成形フィルム、圧延フィルム、積層フィルム、金属箔、セラミックまたは酸化物積層体、ブロー成形され、射出成形され、鋳造されたもの、当技術分野において知られた他の形態の柔軟バリア、あるいは、これらの組み合わせを示す。
【0041】
幾つかの好ましい実施形態では、第2の区画室の少なくとも一部がフィルムまたは箔から形成され、また、区画室のシールの完全性は、a)第2の区画室の少なくとも2つの壁同士の間の脆弱シールを分離しあるいは剥離することにより、b)穿孔物体によって第2の区画室の少なくとも1つの壁を穿孔することにより、または、c)第2の区画室の少なくとも1つの壁を破壊しあるいは破裂させることにより失効される(以下、時として、破られるあるいは開放されると称される)。
【0042】
幾つかの好ましい実施形態では、第2の区画室が完全に高バリアフィルムから形成され、それにより、水分およびガスに対する高いバリアがもたらされ有益である。
【0043】
第2の区画室は、パッケージの無菌態様での外的操作により第1の区画室を開放して該区画室との流体連通を成すように操作される。
【0044】
幾つかの実施形態において、上記第2の物質は、液体、溶液、ゲル、ペースト、圧縮粉末、遊離粉末、固形物または固形粒子、ペレット、凍結乾燥ケーキ、エマルション、ガス、または、これらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、第2の物質が乾燥形態のワクチンであり、第1の物質が希釈剤である。この場合、乾燥形態のときには、上記ワクチンが安定性を高めて保管寿命を延ばした。また、この場合、上記希釈剤と乾燥粉末ワクチンとが投与前に混合されて再構成される。
【0045】
投与は、局所的、経口的、経鼻的な注射など当技術分野において一般に使用される形態のうちの1つで、あるいは、吸入により、あるいは、当技術分野において知られる任意の他の手段により行なうことできる。
【0046】
幾つかの実施形態では、第1の物質および第2の物質のうちの少なくとも一方が容器の外的操作によって加圧され、それにより、柔軟バリアが失効され、第1および第2の物質が融合できる。柔軟バリアがその感受部の周囲で支持され、それにより、柔軟バリアに加えられる圧力が、柔軟バリアの感受部に加えられる力へ変換される。
【0047】
幾つかの実施形態において、物質挿入体の容器との接合部は、容器の変形が物質挿入体の動作へ変換するようになっている。接合部は、上記動作が柔軟バリアの感受部に加えられる力をもたらすように柔軟バリアを支持する。したがって、容器の外的変形により柔軟バリアが損なわれ、それにより、第1および第2の物質が融合できる。
【0048】
幾つかの実施形態では、パッケージがBFISプロセスで形成される。他の実施形態では、パッケージがFFS法で形成される。幾つかの実施形態では、第1の区画室(複数の区画室)がブロー成形されあるいは射出成形され、また、第1の区画室の成形前、成形中、あるいは、成形後に、または、第1の区画室の形成中あるいは形成後に、物質挿入体がパッケージへ導入される。
【0049】
物質という用語は、一般に、製品を形成する他の1または複数の区画室と合併できる前における充填区画室の内容物を示す。物質は、純粋または均一な物質、あるいは、物質の組み合わせであってもよい。
【0050】
以下の詳細な説明では、説明の一部を形成する添付図面を参照し、また、添付図面には、本発明を実施するための特定の実施形態が例示的に示されている。図中の参照符号の先頭の桁は、通常、複数の図面に現れる同一のあるいは共通の構成要素が時として同じ参照符号により示される場合がある点を除き、図番に関連する。図面により示される実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分に詳しく説明され、また、言うまでもなく、他の実施形態が利用されてもよく、本発明の思想および範囲から逸脱することなく変更がなされてもよい。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味に解釈されるべきではなく、また、本発明の範囲は添付の請求項によってのみ規定される。
【0051】
図の説明において、部品、特徴、または、アセンブリの前とは、適用する(または、送出する)端部に面する側のことであり、部品、アセンブリ、または、特徴の後とは、適用側から離れて延びる側のことである。
【0052】
最初に図1a〜図1cを参照すると、パッケージ製品100が示されている。容器110がパッケージ100と関連付けられており、容器110内には、アプリケータの形態を成す流体輸送デバイス挿入体(本明細書中では、以下、時として「アプリケータ挿入体」と称される)113および物質挿入体112が、上記容器内に形成される第1の区画室119と流体連通して別個に含まれる。図1aは、物質挿入体112が容器110内のその実際の位置からオフセットされる場合のパッケージ100の分解側断面図を示している。アプリケータ挿入体113は、ドロッパノズルの形態を成しており、容器110に一体形成されるねじり切り部122によって環境から無菌状態に保護される。ねじり切り部122は、アプリケータ挿入体113のドロッパノズル111の先端を露出させるために十分なねじり作用で破断する脆弱部123を介して容器110に接続される。図1のパッケージはBFIS法によって製造できる。僅かな設計変更により、射出インサート成形を含むプロセスによって、あるいはブロー成形を含むプロセスによって、あるいはFFSプロセスによって同様のパッケージを製造することもできる。製造方法がBFSまたはBFISである場合、アプリケータ挿入体を、容器110に直接に形成される同様の特徴に置き換えることができる。容器110が射出成形によって製造される場合には、アプリケータ挿入体113を、容器110に直接に形成される同様の特徴に置き換えることができるとともに、超音波溶着またはスピン溶着、または当技術分野において知られる任意の適用可能な接続方法によって、ねじり切り部122を容器110に接続することができる。物質挿入体112を別個の充填ラインで製造することができる。アプリケータ挿入体113は、ブラシ、スポンジ、へら、または、ワイパなどの局所アプリケータ、スプレーヘッド、噴出ノズル、鼻アプリケータ、経口アプリケータ、または、耳アプリケータ、針、カニューレ、ソフトカニューレ、カテーテル、チューブ、または、ホースなどの侵襲的アプリケータ、ルアーロックコネクタなどのコネクタ、針を受けるための隔膜または輸液セットスパイクなどの中空スパイク、当技術分野において知られる他のアプリケータ、または、前述したうちの1つ以上に対するカプラを含む、当技術分野において知られる様々な流体輸送デバイスのうちの1つ以上であってもよい。容器110は、ポリプロピレンまたはポリエチレンを含む当技術分野において知られる様々な材料から製造することができる。
【0053】
物質挿入体112は円筒バレル118を備え、この円筒バレル118内には該バレル118の後端からプランジャ116が配置される。フィルム部117の形態を成す柔軟バリアがバレル118の前端を覆ってシールし、それにより、上記フィルム117とプランジャ116の前端との間のバレル118内に第2の区画室114が画定される。第2の区画室は第2の物質115で満たされる。第2の物質115は、液体、エマルション、混合物、懸濁液、溶液、ゲル、ペースト、圧縮粉末などの固形物、スプレー乾燥粉末または粉砕粉末などの遊離粉末、凍結乾燥ケーキ、粒状物質、ペレット、ピル、ガス、または、当技術分野において知られる任意の他の形態、または、前述したものの組み合わせを含む様々な形態を成すことができる。フィルム部117は、バレル118を包み込んでプランジャ116の後端に接続するように延び、それにより、環境からの第2の物質の分離は、プランジャ116とバレル118との間の円筒状の嵌め合いのシール品質に依存しない。他の実施形態では、柔軟バリア117がプランジャ116の周囲を完全にシールするように更に延びており、それにより、物質挿入体112の周囲に一体のフィルムパッケージが形成され、その結果、第2の物質115の周囲のバリア特性が向上する。他の実施形態において、フィルム部117は、バレル118の前端に限られて、第2の区画室114の前側に対して緊密なシールをもたらし、また、第2の区画室の後端のシールは、タイトフィットシールなどのプランジャ116とバレル118との間のシールに委ねられる。柔軟バリア117に関連して、フィルムという用語は、一般に、単層フィルム、多層フィルム、押し出しフィルム、インフレーションフィルム、積層フィルム、金属箔、セラミックまたは酸化物積層体、他のタイプの膜材料、または、これらの任意の組み合わせを含むフィルムおよび箔のことである。柔軟バリア117は、(ヒートステイク、ホットプレート、超音波、RF、IR)のようなヒートシールを含む様々な手段によって、または、接着によって、または、当技術分野において知られる任意の他の手段によって物質挿入体112の残りの部分に対して取り付けることができる。フィルム部117は、バレル118の後端とプランジャ116の後端とを相互に接続する(バレル118の後端とプランジャ116の後端との間をブリッジする)折り畳み可能な部分125を備え、それにより、バレル118内へのプランジャ116の相対的な動作が可能になる。
【0054】
ここで、図1bを参照すると、作動前のパッケージ100の破断面を有する側面図が示されている。物質挿入体112は、製品112が容器110内に無菌状態で閉じ込められるように第1の区画室126の延在部内に収容される。この場合、フィルム部117は、第1の区画室126内の第1の物質119と第2の区画室114内の第2の物質115との間を分離する。第1の区画室126の延在部は、物質挿入体112のフィルム部117の折り畳み可能な部分125に類似する壁形状を有する折り畳み可能な部分124を備え、それにより、バレル118内で前進させるためにプランジャ116を操作するための柔軟性が与えられる。第1の物質119は、液体、エマルション、混合物、懸濁液、溶液、ゲル、ペースト、圧縮粉末などの固形物、スプレー乾燥粉末または粉砕粉末などの遊離粉末、凍結乾燥ケーキ、粒状物質、ペレット、ピル、ガス、または、当技術分野において知られる任意の他の形態、または、これらの組み合わせを含む様々な形態を成すことができる。第1の物質119を閉じ込める第1の区画室126の壁の部分は、第1の区画室126が強制的に折り畳まれるときに第1の物質119の効率的な急送を内部で可能にするベローズの形状を備える。バレル118は、容器の通常の動作中に影響を受けない容器110への接合部を形成する。バレルは、柔軟バリア117の感受部を更に支持する。
【0055】
ここで、図1cを参照すると、作動後のパッケージ100が示されている。矢印が示すように外力を加えることによりプランジャ116が前方へ移動される。プランジャ116を前進させることにより、第2の物質115がバレル118の前方で柔軟バリア117の感受部を押圧する。柔軟バリア117の感受部はバレル118によって支持されるため、第2の物質115に加えられた押圧が感受部に加えられる力へ変換され、それにより、感受部が破裂して、第1の物質119との流体連通が成され、2つの物質が融合区画室内で融合できる。他の実施形態では、フィルム部117の延在部がバレル118の前面に限られるとともに、内容物115の押圧によって柔軟バリア117が(破裂するのではなく)剥がれて、それにより、第1の流体119との流体連通が成されるように、バレル118とフィルム部117との間のシールが設定される。プランジャ116が前方へ完全に押し進められると、プランジャ116のヘッドがバレル118の前面および第1の区画室126の後壁と面一になる。更なる作動ステップでは、ねじり切り部122が除去され、その時点で、プランジャ116に対する矢印方向での更なる力の印加による第1の区画室126の圧搾により、融合された内容物がアプリケータ113を通じて吐出する(図示せず)。
【0056】
更なる構成では、プランジャ116が第2の区画室114内へ延びて感受部117の近傍に達する破裂可能な部材を備え、それにより、プランジャ116が前方へ移動し始めると直ぐに、破裂部材がフィルム部117に達してフィルム117の破裂を促す。破裂部材は、単に、プランジャヘッドから延びる鋭利なスパイクであってもよい。
【0057】
更なる実施形態において、破裂部材は、第2の物質115と共に第2の区画室114内に移動可能に配置され、それにより、プランジャ116が前方へ移動し始めると直ぐに、破裂部材が柔軟バリア117の感受部を破裂させる。
【0058】
幾つかの実施形態では、アプリケータを更なる使用のために保護するべく、ねじり切り部122を交換することができる。アプリケータ挿入体が鋭利な物体である場合には、鋭利部との不測の接触を回避するために、ねじり切り部を交換することができる。
【0059】
パッケージ100は、第1の物質119を高バリアフィルム部117を介して第2の物質115から分離しつつ、高レベルの人間工学および良好な内容物急送率を与える。
【0060】
当業者であれば明らかなように、パッケージ製品100並びに本明細書中に記載されあるいは考慮される他のパッケージ製品およびパッケージは、発送用パッケージ、パウチ、光または他の環境的作用に晒されることを軽減するあるいは晒されないようにするパッケージなどの二次的なパッケージ内にパッケージングすることができる。
【0061】
また、当業者であれば分かるように、パッケージは、パッケージの使用を容易にするあるいはパッケージおよびその送出が利用されるようになっている更なるデバイス、アクチュエータ、または、システムで関連付けられ得る。
【0062】
また、当業者であれば分かるように、特定の実施形態は、パッケージ容器の共通の要素と組み合わせられる複数のパッケージまたはパッケージの複数の要素を備えてもよい。例えば、1つの実施形態では、物質挿入体と関連付けられる2つの第1の区画室がそれぞれ共通のアプリケータ挿入体と連通してもよい。
【0063】
ここで、図2a〜図2cを参照すると、更なる典型的なパッケージ200が示されている。図1のパッケージ100と同様、物質挿入体212が第1の区画室226の後方延在部内に収容される。図2aは、製品挿入体212が容器210内のその実際の位置から後方へオフセットされる場合の破断面を伴う分解側面図を示している。挿入体212は、第1のフィルム壁217と凹形状を成して形成される第2のフィルム壁221とを備える柔軟バリアから構成される。2つのフィルムは、それらの外周に沿って接続されて、第2の物質215を収容するブリスターの形態を成すシールされた第2の区画室214を形成する。挿入区画室は、FFSラインであるいは当技術分野において知られる任意の他の製造方法によって製造できるとともに、容器210の形成中にあるいは第1の物質(図示せず)充填ステップの直前に容器210へ導入できる。ブリスターの結合外周部が容器210への接合部を形成する。
【0064】
ここで、図2bを参照すると、物質挿入体212が第1の区画室226の後側のポケット229内に収容され、それにより、フィルム壁217が第1の物質219を第2の物質215から分離する。第1の区画室226の後壁227は、物質挿入体212へ向けて潰れるように押圧され得るドーム形状を有する。
【0065】
ここで、図2cを参照すると、パッケージ200が作動状態中において破断面を伴う側面図により示されている。後壁227は、矢印の方向で力を加えることにより第1の区画室226へ向けて潰れるように操作されており、それにより、物質挿入体212の第2の壁221も第2の区画室214内へ潰され、その結果、第2の物質215は、容器に対する接合部により支持される第1のフィルム壁を押圧する。これにより、第1のフィルム壁217に加えられる第2の製品の押圧が柔軟バリアの感受部に加えられる力へ変換され、それにより、柔軟バリアの感受部が破裂し、その結果、第1の物質215と第2の物質219とを融合させることができる。様々な機構が物質挿入体212の第1の壁217の破裂を促進できる。1つの実施形態において、第1のフィルム217は、第2の物質が第1の壁217を押圧しているときに応力集中を引き起こすスリットラインをその中心に沿って備える。物質挿入体212の第1の壁217は破裂されて示されており、それにより、第1の物質219と第2の物質215とが融合できるようにする流体連通が第1の区画室226と第2の区画室214との間で成される。その後の作動ステップは、ねじり切り部122を除去して、それにより、アプリケータ(図示せず)を露出させるステップ、アプリケータをその標的と関連付けるステップ、および、第1の区画室の後面を押圧し続けて製品をアプリケータを通じて吐出させるステップを含む。第1の区画室226は、内容物の効率的な急送配給を可能にするベローズ形状を有する。物質挿入体212は、ほぼ平坦であって、第1の区画室226の後壁と面一であり、そのため、内容物の効率的な急送を妨げない。
【0066】
ここで、図3a〜図3eを参照すると、更なる好ましい実施形態が示されている。図3aは、作動前状態のパッケージ300の断面図を示している。物質挿入体312はフィルムストリップ333の形態を成す柔軟バリアを備え、フィルムストリップ333は、第2の区画室314を内部に形成するように折り重ねられてそれ自体がシールされ、それにより、ストリップの第1および第2の遊離端部334、335が残存する。区画室314を形成するシールは、ストリップの第1および第2の遊離端部が引き離される場合に分離され得る脆弱シール(時として剥離可能シールと称される)である。ストリップ333の第1の端部は、アプリケータの形態を成す流体輸送デバイス挿入体313(「アプリケータ挿入体」とも称される)によって支持され、また、第2の端部はプラグ336によって支持される。アプリケータ挿入体313は、ニードル327とニードルハブ329とを備えるニードルアセンブリ331を備える。アプリケータ挿入体313はハウジング332を更に備えており、ハウジング332内には、ニードルアセンブリ331がそれをニードル331の長手方向に沿って後退させることができるように収容される。アプリケータ挿入体312は、無菌シール態様でハウジング332に取り付けられる基端部を有しかつニードルアセンブリ331の鋭利先端部をカバーするように延びるニードルプロテクタ337を更に備える。プラグ336は、容器310の後端に流体密な態様で接続される容器への円筒係合接合部と、後述するようにパッケージ300を作動させるための便利な手段を設けるようにシール部から後方へ延びるグリップ部とを備える。容器310は、ハウジング332を受けてこれと係合するようになっている前方開口と、プラグ336を受けるようになっている後方開口とを有するベローズを備える。アプリケータ挿入体313のハウジング332は、容器310の前方開口内に収容されて、該開口に対して流体密な態様でシールされる。プラグ336は、容器310の後方開口内に収容されて、該開口に対して流体密な態様でシールされる。ストリップ333および該ストリップ内に形成される第2の区画室314は、ストリップ333のそれ自体のシールが第1の物質319と第2の物質315との間の分離を成すように第1の区画室326内に閉じ込められる。
【0067】
ここで、図3bを参照すると、作動中のパッケージ300が示されている。プラグ336のグリップが矢印の方向に引っ張られ、それにより、第1の区画室が引き延ばされる。結果として、ストリップ333の第1の端部334およびストリップの第2の端部335が引き離され、それにより、区画室314の周囲のシールが分離し、そのため、第1の区画室326と第2の区画室314との間で流体連通が成され、これにより、第1および第2の物質が融合区画室内へ融合される。更なる実施形態では、プラグがハウジング332に対してねじられあるいは回転され、それにより、ストリップ端部が引き離されて、第2の区画室314の脆弱シールが分離されるようになっている。
【0068】
図3cは注入完了時のパッケージ300を示している。ベローズは、完全に折り畳まれた状態にあり、急送されない製品の最小の「デッドスペース」が残存する。この時点では、プラグ336がニードルハブ329と機械的に係合する。フィルムストリップ333は、圧搾されるときに容器310の内容物の効率的な急送の障害とならないように柔軟でかつ薄い。
【0069】
図3dは、ベローズがその当初の形状へほぼ回復された後のパッケージ300を示している。プラグ336はニードルハブ329と係合されたままであり、それにより、ニードルアセンブリが容器310内に引き込まれて、パッケージを再使用できないようになり、したがって、ニードルの先端が傷害または損傷を引き起こさないように保護される。
【0070】
図3eは、一般的な形態のシリンジ340を有するデバイス内に収容されるパッケージ300を示しており、シリンジ340は、バレル342と、アクチュエータ344と、これらの間に配置されてアクチュエータをバレル外へ付勢するスプリング346とを備える。パッケージ300はバレルの前壁348によって支持される。後側では、プラグ336がアクチュエータ344と係合される。デバイス340(パッケージと見なすこともできる)は、パッケージ300の操作、特に、スプリング346がアクチュエータ344をバレル342から押し出してプラグをアクチュエータと共に引っ張ることでバレルの当初の形状を再構成する段階を人間工学的に容易にすることができる。デバイスは、パッケージと共に単一の使用キットの一部を成すことができ、あるいは、パッケージ300を交換することにより複数回使用できる。
【0071】
ここで、図4a〜図4eを参照すると、アプリケータ413が物質挿入体412と一体化されて(以下、この実施形態では、総称して、「物質挿入体」と称される)、製造プロセスで一体となってパッケージ400の残りの部分へ導入される更なる典型的な実施形態が示されている。図4aは、パッケージ400の作動前の状態の分解断面図を示している。物質挿入体412は、ハウジング432と、ハウジング432内で移動できるニードルアセンブリ431(パッケージ400の内容物を被検体へ送出するための鋭利先端部と、パッケージ400の内容物とニードルとの間で流体連通を確立するべくハウジング432を穿孔するための基端鋭利部とを備える)と、ハウジング432内に受け入れられるとともに、ニードルアセンブリ431を後方へ移動させるべく操作してハウジング432を穿孔するためにハウジング内で移動できるニードルプロテクタ437とを備える。物質挿入体は、ハウジングに対して流体密な態様で取り付けられる開放基端部と先端部とを有する管状パウチ区画室の形態を成す柔軟バリアを更に備え、先端部では、パウチ継ぎ目が脆弱シール態様でそれ自体シールするべく折り畳まれる。ニードルプロテクタ437は、針刺し事故を防御しおよび/または使用時までニードルアセンブリに無菌状態を与える。
【0072】
ここで、図4bを参照すると、物質挿入体は、互いにそれらの外周に沿って付着されかつ第2の物質415を収容する第2の区画室414を形成するようにハウジング432に取り付けられる、第1および第2のフィルムから形成されるパウチ442を備える。第2の区画室414の第1のフィルムと第2のフィルムとの間の付着部は、シール力が弱められており、脆弱シール(時として、剥離可能シールと称される)部441を形成する。挿入体は、容器410の前方で首部444に収容される。ハウジングは、容器410と強固な流体密係合を成して接合する。1つの実施形態では、首部444が柔軟バリア部441に対して流体密な態様で更に取り付けられ、それにより、柔軟バリアの感受部が支持される。この場合、柔軟バリアと容器との間のシール力は、柔軟バリア自体の脆弱シール力よりも強い。脆弱シール部441は、第1の物質419と第2の物質415とを分離する。
【0073】
ここで、図4cを参照すると、第1の物質419と第2の物質415とが融合できるように第1の区画室426と第2の区画室414とが合併された後のパッケージ400が作動プロセスで示されている。2つの区画室(426、414)を合併させるための3つの好ましい方法について説明する。
【0074】
a)第1の方法では、ベローズ形状の第1の区画室426に対して矢印の方向で力を加えることにより第1の区画室426が加圧される。容器410の首部が流体密のシール態様で脆弱シール部441に対して取り付けられ、そのため、第1の区画室426内の圧力が首部を付勢して拡張させる。それにより、第2の区画室414の第1の壁と第2の壁とが引き離され、その結果、脆弱シールが分離されて、2つの区画室の合併が成され、区画室の内容物が融合される。
【0075】
b)第2の方法では、ユーザが、容器410の首部を変形させて第2の区画室414を締め付けることにより第2の区画室414を加圧し、それにより、流動可能な第2の物質415が加圧され、その結果、脆弱シール441が分離されて、第1および第2の区画室(426、414)が合併される。
【0076】
c)第3の方法では、容器410の首部が脆弱シール部441に取り付けられる。脆弱シール441に取り付けられる首部の細長い薄い領域が、このシール部の2つの先端部を互いの方へ押圧することにより圧縮され、それにより、これらの先端部が潰されて互いに離れるようにアーチ状に曲げられ、その結果、脆弱シール441が分離される。
【0077】
図4dは、プロテクタ437が押し戻されることによりニードルアセンブリ431の基端鋭利部がハウジング壁434の後部の薄い膜を突き抜け、それにより、パッケージ400の内容物との流体連通が成されるその後のステップを示している。ハウジング432の膜は、手の力でニードルの鋭利後端部の穿通を可能にしかつニードルと膜との間で流体密なシールを維持するべく、かなり弾力性がある高分子材料から形成されるのが好ましい。
【0078】
図4eは、送出状態の終了時のパッケージ400を示している。ここでは、製品のほぼ完全な急送を引き起こすため、プロテクタが除去されて、ベローズ形状の第1の区画室が折り畳まれる。
【0079】
ここで、図5a〜図5hを参照すると、アプリケータ挿入体513と物質挿入体512とが組み合わされる更なる好ましいパッケージ500が示されている。図5aは、ベローズ形状の第1の区画室526をその後端に有する容器と、一体型挿入体512/513を受けてこれと係合するための首部544とを示すパッケージ500の概略斜視図を与えている。挿入体は、基部の径方向外側に延びる4つのリブ539を有するニードルプロテクタ537を備える。4つのリブは、ニードルハブ529の対応するリブを収容するため、以後の図により良く示されるように中空である。図5bは、挿入体ハウジング532およびニードルアセンブリ531が容器510内のそれらの位置から移動されているパッケージ500の分解斜視図を示している。ニードルハブ529は、ニードル527を受け入れるための貫通穴と、容器510の4つの中空リブ539と連通するように径方向に延びる4つのリブ550と、挿入体ハウジングの対応するねじと螺合するねじ部552とを備える。
【0080】
図5cは一体型の物質挿入体512/513を示している。一体型の挿入体512/513は、ハウジング554と、ニードルアセンブリ531と、柔軟バリアから形成されるブリスターパックの形態を成す第2の区画室514とを備える。ニードルアセンブリ531は、(1)ニードル527であって、パッケージ500の内容物を被検体へ投与するための鋭利先端部と、第2の区画室を穿孔して融合された製品をニードル527へ導入するための基端部とを有するニードル527と、(2)ニードル527と関連付けられるニードルハブ529とを備える。ニードルハブ529は、ハウジング532内に収容されるとともに、ニードルハブが回転されるときにニードルハブが(ニードルの軸線と共通の)回転軸線に沿って前進するようにニードルハブ529の外面およびハウジングの内壁の対応するねじによってハウジングに係合される。物質挿入体512は、第2の物質515で満たされる第2の区画室514を形成するために脆弱シール555によって形成されてそれ自体シールされる、フィルム部517の形態を成す柔軟バリアを備える。フィルム部517は、その外周556に沿ってハウジング532の後端に支持可能に取り付けられる。ハウジングは「フレーム」とも称される。挿入体は、パッケージの一体化および容器とは別個の製造ラインで製造することができる。
【0081】
図5dは、休止位置にあるパッケージ500の側断面図を示している。一体型挿入体は第1の区画室526の前方の容器510内に収容され、それにより、第2の区画室514の脆弱シール555は、第1の物質519と第2の物質515との間に柔軟バリアを構成する。容器510は、挿入体に沿って延びて、ニードル527の周囲にねじり切り部522を形成する。ねじり切り部522は、ニードルハブ529の対応するリブと係合される中空リブを備え、それにより、ねじり切り部522が(除去のために)回転されるときにニードルアセンブリがそれと共に回転する。パッケージはBFISシールラインで製造することができる。ハウジングの外面は、強固な流体密態様で容器と係合するための接合部を形成する。
【0082】
図5eを参照すると、第1および第2の区画室が合併されて融合区画室523が形成される第1の作動ステップでパッケージ500が示されている。第1の区画室526を矢印の方向で圧搾することにより、第1の物質515が加圧され、それにより、第2の区画室514の脆弱シールが分離されて、2つの区画室が合併される。第1の区画室526を矢印の方向に更に圧搾することにより、フィルム部517は、それがハウジング532の隔壁と強固に当接するまで拡張する。ニードルアセンブリ531の基端鋭利部はハウジング532の隔壁の貫通穴に収容され、それにより、ニードルの先端が上記穴内に閉じ込められて、ニードルの先端がフィルム部517を穿孔することが防止される。
【0083】
ここで、図5fを参照すると、パッケージ500がその後の作動ステップで示されている。矢印が示すようにねじり切り部522が回転され、それにより、ねじり切り部が容器510の残りの部分から外れる。ねじり切り部522の回転により、ニードルアセンブリ531がねじ552により回転して融合区画室へ向けて引き込まれ、それにより、ニードル527の基端がハウジング532の隔壁から突出してフィルム部517を穿孔し、したがって、パッケージ500の内容物とニードル527との間に流体連通が成される。1つの実施形態では、ニードルアセンブリ531と融合区画室との間での流体密なシールを容易にするシールが一体型挿入体に設けられる。
【0084】
ここで、図5gを参照すると、ねじり切り部522が除去されるその後の作動ステップでパッケージ500が示されている。
【0085】
図5hは、内容物の投与中のパッケージ500を示している。第1の区画室526が圧搾されるにつれて第1の区画室526の後側の凹部553がフィルム部517に嵌め込まれ、それにより、パッケージの急送率が向上される。当業者であれば分かるように、別の作動シーケンスが適用されてもよく、それにより、段階5fの後に、ベローズが解放され、フィルム部517が緩んでニードルから離れて移動できる。その後、プロテクタがねじり切られ、それにより、ニードルが容器内に引き込まれる。その後、パッケージが圧搾されて、製品が加圧され、柔軟バリアがニードルの後側鋭利部へ向けて拡張されて、バリアが破裂されてもよい。
【0086】
ここで、図6a〜図6fを参照すると、第2の区画室514の好ましい構造および製造方法が示されている。図6a、図6b、図6cは、フランジ部662と深絞りキャビティ661とを有するように処理された後のフィルム部517の形態を成す柔軟バリアの様々な図を示しており、キャビティは、フランジよりも基端側の基端部と先端部とを有する。ポケットは、熱成形、プラグアシスト成形、冷間成形によって絞り加工でき、あるいは、一部を、ブロー成形、射出成形、射出ブロー成形、ブロー射出成形、または、当技術分野において知られる他の適用可能な成形技術または形成技術によって形成できる。第2の物質(図示せず)はその段階でキャビティに充填される。図6d、図6e、図6fは、区画室514を形成するために深いポケット661が663にわたってシールされた後のフィルム部517の異なる図を示している。キャビティの先端に第2の区画室を形成するために、キャビティの基端部が押し潰されてそれ自体シールされる。シールは、ヒートステイク溶着、RF溶着、振動溶着、超音波溶着、レーザ溶着、接着、糊付け、または、脆弱シールを形成するための当技術分野において知られる任意の他の技術を含む様々な技術によって行なうことができる。シール663は、フィルム617の一方側(すなわち、第1または第2の区画室)の圧力の存在下で分離される脆弱シールである。この構造の利点は、それがフィルム部を流体密なシール態様でハウジング(図5の532)に接続するための滑らかで平坦なフランジ部662を与えるという点である。更なる実施形態では、流体輸送デバイスがキャビティの先端と関連付けられる。
【0087】
先の図における実施形態は半硬質容器を伴って示されているが、当業者であれば分かるように、本明細書中に開示される手法は、容器または第1の区画室がガラス容器のように硬質でありあるいはバッグのように柔軟である用途において適用可能であり有益である。
【0088】
図7a〜図7cはパッケージ700の他の典型的な実施形態を示している。物質挿入体712は、アプリケータ(または流体輸送デバイス)713を含むとともに、ハウジング732(この図および先の図ではフレームと見なされてもよい)と、上記ハウジングに取り付けられるニードル727と、第2の物質715を格納するための第2の区画室714とを備える。第2の区画室は、バレル718と、上記バレル718の2つの開放端をシールする柔軟バリア717とを備える。上記柔軟バリアの一部は、バレルの2つの端部で柔軟バリアの感受部を形成するためにバレルによって支持される。
【0089】
挿入体ハウジングは容器710に対する接合部を備える。容器は、第1の区画室726を形成するためにベローズとして形成される先端部と、ニードルプロテクタ737の形態を成すねじり切り部722を形成するために挿入体を越えて延びる首部744(図7b)とを備える。
【0090】
図7bは、ニードルプロテクタ737が除去された後のパッケージ700を示している。
【0091】
ここで、図7cを参照すると、ベローズが押圧される際に、第1の製品719および第2の製品715が柔軟バリア717の感受部を押圧する。柔軟バリア717に対するバレル718の支持は、柔軟バリアに加えられる押圧を、柔軟バリアの感受部に加えられる力へ変換し、それにより、これらの感受部が破裂し、第1および第2の物質を融合させて送出することができる。
【0092】
ここで、図8〜図27を参照して、他のパッケージの実施形態について説明する。(上記の)これらの図には、第1の物質を格納するための容器と、上記容器内に少なくとも部分的に配置される第2の物質を格納するための少なくとも1つの物質挿入体とを備えるパッケージ構成が開示される。製品挿入体は、上記物質挿入体を容器と係合させるための容器接合部を備える。容器は第1の物質を格納するための第1の区画室を備え、挿入体は第2の物質を格納するための第2の区画室を備える。第2の区画室は、第1の物質と第2の物質との間を分離するとともに感受部を有する柔軟バリアを備え、該バリアは、柔軟バリアに加えられる圧力またはパッケージに対する特定の変形を柔軟バリアの感受部に加えられる力へ変換する態様で支持され、柔軟バリアの完全性を失効させ、物質の融合を可能にする。柔軟バリアが危険に晒される場合には、以下、パッケージを時として開放するあるいは作動されると称する。柔軟バリアの完全性を破壊する前にあっては、以下、パッケージを時としてシールされたあるいは使用前と称する。以下、柔軟バリアの感受部は、時として、「開」状態および「閉」状態を有する「バルブ」と称される。
【0093】
(上記の)残りの実施形態の一部において、物質挿入体は、第2の容器を支持するためのフレームを更に備える。フレームは、製造中に容器に対する物質挿入体の導入を容易にする。幾つかの構成において、フレームは、柔軟バリアの感受部に対する支持を行なう。幾つかの構成では、フレームが容器接合部を備える。パッケージは、パッケージの外部操作によって引き起こされる容器の特定の変形が、柔軟バリアの完全性を失効させて第1の物質および第2の物質を融合できるようにするべく形成される。幾つかの構成において、フレームは、柔軟バリアの完全性を失効させる柔軟バリアの感受部に加えられる力をもたらすフレームへの対応する変形によってパッケージに加えられる変形に相当するべく、かなり弾力がある。幾つかの構成では、フレームが感受部を支持するべくかなり硬質であり、そのため、(容器の変形に起因して)圧力が柔軟バリアに加えられるときに、該圧力が感受部に加えられる力へ変換され、それにより、バリアの完全性が損なわれる。
【0094】
幾つかの構成において、パッケージは、物質を融合できた後にパッケージの融合内容物を所望の態様で標的位置へ送出するための流体輸送デバイスを更に備える。幾つかの構成では、流体輸送デバイスの少なくとも一部が容器に形成される。幾つかの構成では、流体輸送デバイスの少なくとも一部が物質挿入体に形成される。幾つかの構成では、流体輸送デバイスの少なくとも一部がフレームに形成される。幾つかの実施形態では、流体輸送デバイスの少なくとも一部が第2の区画室に形成される。幾つかの実施形態において、流体輸送デバイスの少なくとも一部は、容器、製品挿入体、第2の区画室、および、フレームのうちの少なくとも1つと関連付けられる挿入体である。
【0095】
幾つかの構成では、製品挿入体が複数の区画室を備える。容器の好ましい実施形態では、この区画室の少なくとも一部がフィルムまたは箔から成る柔軟バリア(以下、時として、一括して「ウェブ」と称される)である。ウェブは、上記区画室の壁を形成するためにその縁部にわたってシールされ、また、上記シールの少なくとも一部は、十分な剥離応力の存在下で分離され得る脆弱シールであり、使い捨てバルブとしての機能を果たす。ウェブは、フランジ形状膜を形成するために脆弱シール部を越えて延び、フランジ形状膜は、それが圧力または容器の特定の変形の存在下で力を脆弱シールへ伝えて柔軟バリアの完全性を失効させるように配置される。幾つかの構成において、フレームは、フランジと関連付けられるとともに、容器内の圧力または容器の変形が適切な態様でフランジへ伝えられてフランジを開放させるように必要な支持を与える。
【0096】
幾つかの構成では、容器の区画室のうちの少なくとも1つが物質で予充填される。幾つかの構成では、少なくとも1つの区画室が後の段階で充填される。幾つかの構成では、少なくとも2つの区画室の物質が融合されて製品が形成される。混合容器における用途としては、薬剤配合、ワクチン再構成、飲料または食品調製、研究室用途、サンプル生成、接着剤、化粧品などが挙げられる。
【0097】
幾つかの用途では、分析プロセスで容器が使用され、この場合、区画室のうちの1つがサンプルの特性を測定するための計器を収容し、該計器は化合物またはプローブであってもよい。幾つかの用途では、計器がポートを介して区画室へ導入される。
【0098】
幾つかの構成では、第1の区画室から離れるように容器接合部から延びる容器の領域が、第2の区画室を実質的に封入する第3の区画室を形成する。第3の区画室は、第2の区画室の周囲に所望の制御された環境を形成するための手段を与えて、第2の区画室を周囲環境または第1の区画室の環境から実質的に分離する。幾つかの構成では、第2の区画室を実質的に取り囲む乾燥した環境を維持するため、乾燥剤などの乾燥させる物質が第3の区画室内に配置される。これは、第2の製品が湿気に起因して効能を悪化させあるいは低下させる食品または医薬物質などの乾燥物質である場合に特別な利点を有する。他の構成において、第3の区画室は、不活性ガスまたは液体、あるいは、熱的に分離する充填材を収容する。幾つかの構成では、ラベル(Label)がパッケージから分離できないように上記第3の区画室がラベルを収容し、また、上記第3の区画室が天候や物理的なダメージに殆ど晒されない。
【0099】
また、ブロー・フィル・シール技術を使用して多区画容器を製造するための方法について説明しあるいは考える。
【0100】
図8aは、ボトルの一般的形状を有する密閉シールされた容器810の形態を成すパッケージを示している。容器810は、容器の内容物を注ぐためあるいは物質を容器810内へ導入するために閉塞体811の形態を成す流体輸送デバイスを一端に備える。容器は、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)などの熱可塑性物質、あるいは、水分または酸素の透過に対する高いバリアを与えるためにポリエチレン層またはPVC層とEVOH層とを含む多層プラスチックなどの幾つかの材料の組成体、を含む様々な材料から形成することができる。
【0101】
容器810は、射出成形、ガスアシスト射出成形、射出ブロー成形、ブロー成形、ブロー・フィル・シール技術、真空成形、フォーム・フィル・シール、押し出し成形またはスリーブ成形、あるいは、これらの任意の組み合わせを含む幾つかの技術によって形成することができる。容器810は第1の物質を第1の区画室内に保持する。
【0102】
図8bは、容器810の首部815内に収容される物質挿入体812を露出させる容器810の分解図を示している。物質挿入体812は第2の区画室814とフレーム813とを備える。第2の区画室は、第1の物質から分離して第2の物質を格納するように形成される。以降の図に示されるように、容器810の無菌シールの完全性を破壊することなく第1の物質および第2の物質を容器の外部操作によって混合させることができる。
【0103】
図9は第2の区画室814の異なる図を示している。図9aは第2の区画室814の概略図を示している。第2の区画室814は、フィルムまたは箔から成るパウチ921の形態を成す柔軟バリア(時として、それぞれをおよび一括して「ウェブ」と称される)を備える。パウチは、a)ウェブの2つの平坦なあるいは成形された部分がシールラインに沿ってシールされる、b)ウェブの平坦なあるいは成形された単一の部分がシールラインに沿って折り畳まれてシールされる、c)押し出し成形されたあるいはブロー成形されたウェブスリーブがシール輪郭に沿って平坦化されてシールされる、ことを含む幾つかのプロセスによって形成することができる。ポート923の形態を成す流体輸送デバイスの部分を第2の区画室814に設けるフィットメント922が、パウチ921を形成するフィルムの2つの層間に収容される。脆弱シール924がパウチ814の縁部に沿ってシールし、それにより、柔軟バリアの感受部が形成され、また、脆弱シール924を越えるウェブの端縁がフランジ925の形状へ形成される。ウェブは、PVC、PP、または、PEなどの単層フィルム、高い酸素・水分バリアのためのPE/PCTFEなどの多層フィルム、あるいは、AL/EVAなどの箔を含む幾つかの材料から形成することができる。パウチ921は、ラベル928または直に印刷される材料を更に備える。
【0104】
図9bは第2の区画室814の分解図を示している。フィットメント922は、ゲージニードルまたは注入セットスパイクなどの鋭利な物体を第2の区画室814へ流体密な態様で導入するためのセプタムバルブ926を閉じ込める。セプタム926は、ゴムセプタムが比較的高い水分および酸素の透過に見舞われるときに第2の区画室814に対する高いバリア完全性を維持する箔部927を上端に備える。フィットメント922は、パウチのウェブへの溶着にとって良好な適合性を有する材料、または、パウチのウェブに対してフィットメント922をシールする接着剤に適合する材料から形成される。幾つかの実施形態において、フィットメントは、交換式のねじ付きキャップのためのスパウト、スナップオンキャップ、または、使い捨て引き剥がしあるいはねじり切りキャップ、ルアーまたはルアーロックコネクタ、他のタイプのコネクタ、ニードル、液滴ノズル、スプレーまたはミストノズル、局所アプリケータを含む第2の区画室814への他のタイプのポート、または、上記ポートのうちの1つに通じるホースまたはチューブを与える。
【0105】
図9cは、異なる角度から見た第2の区画室814の概略図を示している。脆弱シール924は、フランジ925上のシールラインマーク930として示している。脆弱シールは、それが所定の分離張力(すなわち、印加力)で分離するようになっている。脆弱シール924は、シール924の一方側のウェブとシールの第2の側のウェブとの間の引き離し力によってシールが分離してパウチ921の完全性が侵され、それにより、フランジの外側との流体連通が成されるようになっている。脆弱シールの壁に作用する引き離し力は、a)第2の区画室814内の流体圧、b)脆弱シールに抗して容器814の内部から押し進む物質、c)フランジ925の外面931で与えられる流体圧、d)フランジ925および/または脆弱シール924に抗してフランジ925の外面931から押し進む物質、または、e)(スナックパウチを開放する慣例で行なわれるような)フランジ925の縁に作用する単なる引き離し力、によって形成することができる。このように、脆弱シールの形態を成す柔軟バリアの感受部は、使い捨てバルブとして作用し、以下では時として「バルブ」と称される。
【0106】
図9dは、第2の物質とフランジ925の外面931との間で流体連通を成す、脆弱シール924が分離された(すなわち、バルブ開放された)後の第2の区画室814を示している。以降の図は、バルブを開放することにより第1の区画室および第2の区画室が合併して、第2の物質が第1の区画室内の第1の物質と融合できることを示している。
【0107】
図9eは、図9fの断面図の方向を与えるために第2の区画室の正面図を示している。
【0108】
図9fは、パウチ壁921間に閉じ込められる第2の物質929を明らかにする第2の区画室814、フィットメント922、および、脆弱シール924の断面図を示している。第2の物質929は、ガス、液体、溶液、懸濁液、ゲル、ペースト、遊離粉末、圧縮粉末、ペレット、顆粒、固形物、または、これらの組み合わせを含む1つの物質または様々な形態の物質の組み合わせであってもよい。幾つかの好ましい実施形態では、第2の物質929が乾燥粉末形態の薬剤原料またはワクチンである。
【0109】
図10は第2の区画室1031の異なる形態を示している。
【0110】
図10aは第2の区画室1031の概略図を示している。フィットメント1034の形態を成す流体輸送デバイスの一部は、フィットメント1034およびセプタム1026が使用時まで第2の物質1029と接触しないようにパウチ1032の外面に取り付けられるフランジ1035を備える。パウチ1032は、フィットメント1034が取り付けられる領域が平坦で継ぎ目が全くないように、連続ウェブ部を折り畳むことにより形成される。
【0111】
図10bは、図10cの断面図の方向を与える第2の区画室1031の正面図を示している。
【0112】
図10cは、フィットメント1034のフランジ1035を取り付けるための継ぎ目のない表面1033をパウチ1032がどのように備えるのかを示す第2の区画室1031の断面図を示している。セプタム1026を通じて容器1031へ導入されるニードルまたはスパイクは、壁1033の一部を穿孔して、第2の物質1029との流体連通を成す。
【0113】
図11aは、物質挿入体812を共同して形成するフレーム813と関連付けられる第2の区画室814を示している。乾燥カプセル1118がフレームと関連付けられる。
【0114】
図11bは、第2の区画室がどのようにしてフレームへ導入されるのかを示す分解図を示している。パウチ921のフランジ925は、フレーム813のフランジ1141に対してシールする。フィットメント922がフレーム813の開口1142に収容される。フレーム813は、第1の容器内への物質挿入体812の導入および収容を容易にする硬質構造を第2の区画室に与える。フレームは、後述するように脆弱シール924の開放を容易にするために柔軟バリアの感受部の支持を行なう。
【0115】
図11cは、脆弱シールが分離される前の物質挿入体812の概略図を示している。フレーム813のフランジ1141は卵型または楕円リングの形態を成し、それにより、リングの長軸線上の点1143’、1143」が互いの方(または中心)へ移動されると、短軸線に近いリングの領域1144’、1144」が互いから離れて移動され、その結果、フランジ925領域でパウチ921の壁が引き離されて、脆弱シール924が分離される。物質がフランジ925の外面931に押し付けられる場合、フレームは、フランジの縁を強固に保持して、脆弱シール924を分離するためにフランジ925に作用する力の集中を促進する。
【0116】
図11dは、フレーム813のフランジ1141の領域が長軸線端1144’、1144」に沿って互いの方へ変形され、それにより、脆弱シール924が分離されてバルブが第2の容器814に対して開放されるときの物質挿入体812を示している。ラベル1145をフレーム上に設けることができる。情報をフレームに直接に印刷しあるいは貼り付けることもできる。
【0117】
図11eは、図11gの断面における方向を与える、物質挿入体が変形されていないときの物質挿入体812を示している。
【0118】
図11fは、フランジ1141の領域1143’、1143」で矢印1146’、1146」の方向に力を加えることによりフランジ1141が長軸線に沿って変形され、それにより、バルブが開放されたときの挿入体を示している。当業者であれば分かるように、物質挿入体812の先の説明では特定の形状、形態、または、サイズに限定しておらず、また、物質挿入体812を異なる特定の形式および用途に適合するように形成することができる。この特定の実施形態のフレームは、その挙動を向上させることができる金属要素の支持を伴ってあるいは伴わずに半硬質プラスチックから形成することができる。
【0119】
図11gは、第2の区画室814がどのようにフレーム813内に収容されるのか、また、柔軟バリアの感受部がどのようにフレームにより支持されているのかを描くために物質挿入体812の断面図を示している。
【0120】
図12aは、変形されていない状態のパッケージの典型的な実施形態の容器を示している。図12aは図12bの断面図の方向を与える。第1の容器810はブロー・フィル・インサート・シールプロセス(BFIS)によって形成される。ブロー・フィル・シール(BFS)技術とは、液体が充填された容器を形成するために使用される製造技術のことであり、医薬製品およびヘルスケア製品のパッケージングにおける無菌処理の優れた形態であると考えられている。ブロー・フィル・シール(BFS)基本的な概念は、人の介入を伴うことなく、機械の内側の滅菌密閉領域内において、連続的なプロセスで、容器が形成され、充填され、シールされることである。したがって、この技術は、滅菌医薬液体投薬形態を無菌状態で製造するために使用できる。プロセスは多段階である。最初に、製薬等級プラスチック樹脂が円形スロートを通じて垂直に熱間押し出しされ、それにより、パリソンと呼ばれるハンギングチューブが形成される。その後、この押し出されたチューブが2部品モールド内に囲繞され、チューブがモールドの上側でカットされる。モールドは、充填ニードルマンドレルが下降される充填ゾーンあるいは滅菌充填空間へ移動され、プラスチックを膨張させてモールド内に容器を形成するために使用される。容器の形成後、マンドレルは、容器に液体を充填するために使用される。充填後、マンドレルが引っ込められ、二次的な上端モールドが容器をシールする。全ての動作は、機械の内側の滅菌覆いチャンバ内で行なわれる。その後、製品が非滅菌領域へ排出される。ブロー・フィル・シール技術は、人の介入を減らし、そのため、滅菌調合薬の無菌調合のためのロバスト性が高い方法である。一般に、BFSプラスチック容器はポリエチレンおよびポリプロピレンから形成される。BFSプロセスの僅かな変形は、液体充填後に挿入体が容器へ導入され、その後に二次的な上端モールドが容器をシールする、ブロー・フィル・インサート・シールプロセス(BFIS)と呼ばれる。典型的な挿入体は、ゴムセプタム、コネクタ、および、ニードルを含み、また、そのような製品の1つの製造メーカーは、ドイツのWaiblingenにあるRommelag Kunststoff−Maschinen Vertriebsgesellschaft mbHである。
【0121】
図12bは図12aのパッケージ810の断面図を示している。第1の物質1251が容器の第1の区画室の一部を満たす。第1の物質1251は、気体、液体、懸濁液、ゲル、ペースト、遊離粉末、圧縮粉末、ペレット、顆粒、固形物、または、これらの任意の組み合わせを含む単一物質または幾つかの物質の様々な形態の組み合わせであってもよい。物質挿入体812は容器810の首部815に収容され、それにより、ポート1142が容器810の引き剥がし閉塞体811と位置合わせされる。フランジ1141の外面が容器接合部を形成する。フレーム813のフランジ1141が容器810の壁に対して流体密な態様でシールし、それにより、第1の物質1251または第2の物質929がない第3の区画室1252が形成され、その結果、第1の物質1251はパウチ814の周囲の領域に達することができない。パウチのフランンジ925は、第1の物質929と第2の物質1251との間を流体密な態様で分離する。幾つかの実施形態では、第2の区画室814内へ伝わり得る水分を減らすために、乾燥剤カプセル(図11aの1118)が第3の区画室1252内に導入される。
【0122】
図12cは、首部815において矢印1146’、11465」により示される方向で第1の容器810が変形され、それにより、フランジ(図11の1141)が変形されて、図11に示されるように第2の区画室814が開放される(バルブが開放される)ときの第1の容器810を示している。
【0123】
図12cは図12dの断面における方向を与える。
【0124】
図12dは、第2の区画室814のバルブが開放されて、第2の物質929(図示せず)が第1の物質1251(図示せず)と融合でき、それにより、製品1253を形成された後の第1の容器810の断面図を示している。つまり、容器810の無菌完全性を損なうことなく第1の物質を第2の物質に導入するためのプロセスが示されている。
【0125】
第3の区画室1252は、容器の内部にあるが第1の物質1251または第2の物質929またはそれらの製品1253から分離されて容器810の透明または半透明の壁を通じて見えるラベルまたは印刷情報を収容できる。これは、ラベルが天候に晒され、損傷され、置き違えられ、あるいは、交換されるのを防止できる保護態様でラベルを組み込むまたとない機会をもたらす。
【0126】
1つの実施形態では、パッケージがIV注入ボトルであり、この場合、第1の物質が注入用の水(以下、一般に当技術分野では「WFO」と称される)であり、第2の物質は、患者への投与前に輸液を形成するべく混合される熱安定性のある乾燥粉末形態の調合薬(例えば、インスリン、抗生物質、インターフェロン、イミグルセラーゼなどの生物製剤、および、ゲムシタビンなどの抗癌剤)である。
【0127】
1つの実施形態では、パッケージがワクチンボトルであり、この場合、第1の物質がWFOであり、第2の物質が熱安定性のある粉末形態のワクチンであり、第1および第2の物質が使用直前に混合されて、生成物がニードルによりシリンジへ引き出され、その後、生成物がシリンジにより患者アプリケータへ注入される。
【0128】
1つの実施形態において、第1の物質および第2の物質は、処置直前に組み合わされるべきホルモンである。
【0129】
1つの実施形態では、製品1253が飲料であり、第2の物質929は、消費の直前に飲料1251に加えられるビタミンなどの添加物である。
【0130】
1つの実施形態では、製品1253が粉ミルクであり、その場合、第1の物質が水であり、第2の物質が調乳粉である。
【0131】
1つの実施形態では、容器が分析システムの一部であり、その場合、パッケージの区画室の少なくとも1つは、製品の表示を与えるプローブまたは測定要素と関連付けられる。
【0132】
図13は、いつでも使用できる状態にある図12のパッケージを示している。ねじり切り作用によって閉塞体(図1の811)が除去され、また、箔保護(図9bの927)が剥がされており、この時点では、フィットメント922が注入チューブセットのスパイクをいつでも受け入れることができる状態にある。パッケージは出口ポート923が下方を向いた状態で配置され、また、製品1253がチューブセットから吸引力(強制的な圧送または重力)によって流出する。容器壁は、消耗する製品1253を補償するために内側に潰れる。更なる実施形態では、空気が消耗内容物1253を補償できるように、容器810を穿孔することができる。当業者であれば分かるように、バクテリアが容器810に侵入するのを防止する膜を有するポートなど、空気を容器810内へ導入する他の方法が可能である。
【0133】
図14は、楕円アクチュエータリングまたは環帯1471が容器810の首部815に装着される場合の好ましい実施形態を示している。リングは、バルブを開放して先の図に記載される混合作用を引き起こすために、容器810の首部815の変形を促進させる役目を果たす。図14aは、リング1471の長軸線−点1472’、1472」間−がフレームのフランジ(図11fの1143’、1143」)の長軸線を表わす首部815の長軸線−点1473’、1473」間−と位置合わせされる作動前位置を示している。図14bは、リング1471が1/4回転だけ回転され、それにより、その短軸線が点1474’、1474」間に跨って、容器の首部の長軸線点1473’、1473」が中心へ向けて押し進められて容器が変形され、その結果、先の図に記載される混合作用が引き起こされるパッケージの混合位置を示している。当業者であれば分かるように、容器の開放状態への操作を容易にするために他の外部デバイスを設けることができる。
【0134】
図15は、容器1580のねじり切り閉塞体1581がフランジへ向けて首部1515の根元まで延び、それにより、開放後に物質挿入体1512のかなりの部分が露出される、更なる好ましい実施形態を示している。1つの実施形態において、取り外し可能部分1581は、製品挿入体1512内の第2の物質(図9fの929など)が光に晒されないように保護するための不透明キャップであり、また、取り外し可能部分1581の除去後に内容物を視覚検査できるように、パウチ1521は透明である。1つの実施形態において、取り外し可能部分1581のねじり切り除去作用は、図14bにおける楕円リングの場合と同様の態様で容器1580を変形させ、したがって、第1の物質と第2の物質との混合作用を引き起こす。1つの実施形態では、取り外し可能部分1581が硬質であり、そのため、不測の混合を防止するための手段を備える取り外し可能部分1581の除去後においてのみ混合作用のためのフレームの変形を行なうことができる。
【0135】
図16は、物質挿入体が容器内に部分的に挿入されるパッケージの好ましい実施形態を示している。容器は、ブロー成形、射出成形、真空成形、フィルムスリービング、または、当技術分野において知られる他のプロセスを使用して形成することができ、また、物質挿入体1612は、容器1690の壁が形成される最中または形成された後に容器1690の開口へ導入される。
【0136】
図17は、容器1700がチューブの形態を成す好ましい実施形態を示している。図17aを参照すると、容器1701の壁は一般に射出成形によって形成され、また、チューブ1701の開放端は、挿入体1712および第1の物質1751がチューブ1701内に導入された後にシールされる。図17bを参照すると、熱溶着および/または圧入を含む当技術分野において知られる1つ以上の技術によってフランジ1741がチューブ壁に対してシールされる。
【0137】
図18は、第1の区画室内に設けられる流体輸送デバイスから離れて物質挿入体1812が容器1810内に収容される更なる好ましい実施形態を示している。
【0138】
図19は、フィルムバリア1921を支持している容器接合部を備える楕円フランジ1941に至るまで物質挿入体1912が下げられる更なる好ましい実施形態を示しており、フィルムバリア1921は、脆弱シール1924を一端に有するとともに、他端がフランジ形状1925へ拡張する。物質挿入体1912は、第1の容器壁1922内に直接に閉じ込められる第1の物質と第2の物質との間に感受バリアを形成する。脆弱シールは、容器1920が先の図に記載される態様と同様の態様で変形されるときに破裂する。
【0139】
図20は、容器2030を第1の物質2051のための第1の区画室と第2の物質2029のための第2の区画室とに分ける柔軟バリアまで挿入体が下げられる更なる実施形態を示している。挿入体は、容器2030の壁2031に対してシールする容器接合部を備えるフランジ41を備え、また、膜2032がバリアを形成するために内側に延びて容器の壁によって支持される。切り欠き(切り込み)2033が膜2032上に配置されており、該切り込みは、容器が変形されるときに破裂する。挿入体は、成形プラスチックまたはシートメタルを含む様々な材料から形成することができる。
【0140】
図21は、破裂可能な分離体2142が容器2140の壁2141に一体成形される更に好ましい実施形態を示している。分離体の切り欠き2143により、容器2140が変形されるときに分離帯2142が破裂する。
【0141】
図22は、物質挿入体2212がフランジ2227の外面を覆うフィルタ膜2252を含む点を除き図17の実施形態に類似する実施形態を示している。フィルタ2252は、第1の物質2251と第2の物質2229との混合を可能にするが、大きい物体(例えば、固体粒子、懸濁粒子、大きい分子または生細胞)が一方の物質から他方の物質へ侵入することを防止する。1つの実施形態において、フィルタ2252は、気相または液相が膜を横切って移動するのを防止する半透膜である。1つの実施形態において、フィルタは、物質の化学的または物理的な分離を引き起こす活性膜である。更なる実施形態では、区画室のうちの1つが分析計器を収容し、膜によって特定の材料が上記計器を横断して上記計器に到達できる。
【0142】
図23はパッケージの更なる好ましい実施形態を示しており、この場合、容器2360は、第1の区画室2364のための交換可能なねじキャップ2362と、第2の区画室2365のための交換可能なねじキャップ2363とを備える。キャップは、製造中のあるいはユーザによる物質の充填を可能にし、それにより、材料(例えば、添加物、試薬、サンプルなど)が物質に加えられ、あるいは、第1または第2の物質あるいは製品が除去される。更なる実施形態において、キャップは、分析計器または診断計器を導入し、観察し、あるいは、除去するために使用される。当業者であれば分かるように、当技術分野において知られる様々なタイプのポートをねじキャップの所定位置に設けることができ、また、任意の数のポートを第1および第2の容器に設けることができる。
【0143】
図24は、容器がウェブスリーブ2471から形成される実施形態を示している。引き剥がし切り込み2472は、端部2473の除去を容易にして、ユーザが製品に到達できるようにする。フレームのフランジがスリーブ内に収容され、その容器接合部が挿入後に溶着領域2473でスリーブ2471に対してヒートシールされる。
【0144】
図25は、容器2580が3つの物質を保持できる実施形態を示している。第1の区画室2581と第2の区画室2582との間で流体連通が成され、図12との関連で説明した態様と同じ態様で第1の区画室2581が第3の区画室2583を伴う。当業者であれば分かるように、任意の数の挿入体を容器と直列にあるいは並列に導入することができる。
【0145】
図26は、第1の端部および第2の端部にバルブを有する物質挿入体2612を容器2690が収容するパッケージの実施形態を示している。第1のバルブ2692は第2の物質2629を第1の物質2695から分離し、また、第2のバルブ2693は第2の物質2629を第3の物質2694から分離する。バルブは、先の図のバルブと同様に手段により作動される。当業者であれば分かるように、物質挿入体2612が任意の数のバルブを含んでもよく、また、任意の数のそのような挿入体がパッケージ製品に含まれてもよい。
【0146】
ここで、図27を参照すると、パッケージの他の実施形態が示されている。図27aを参照すると、図11の場合と同様にウェブ2701が第2の区画室2702を形成し、また、ウェブは、第1の区画室2703の壁を形成するべくフランジを越えて延びる。フレーム2713は、第1の区画室に取り付けられて、図12の場合と同様に第2の区画室2702を支持する。
【0147】
図27bは断面図27cのための方向を与える。
【0148】
図27cは、ウェブ2701がどのようにして第2の区画室2702を形成しかつ第1の区画室2703を形成するべくフランジ2725を越えて延びるのかを示している。
【0149】
当業者であれば分かるように、本発明は先に例示した実施形態の内容に限定されず、また、本発明は、その思想または本質的特性から逸脱することなく他の特定の形態で具現化されてもよい。したがって、本実施形態は、あらゆる点で、例示的であると見なされるべきであり、限定的であると見なされるべきではなく、本発明の範囲は前述した説明によってではなく添付の請求項によって示され、したがって、請求項の意味するところおよび請求項と等価な範囲内に入る全ての変更は本発明に包含されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ製品であって、
a.第1の物質を格納する少なくとも1つの容器と、
b.前記容器内に少なくとも部分的に配置されて第2の物質を格納する少なくとも1つの物質挿入体であり、該物質挿入体の少なくとも一部が前記第1の物質と前記第2の物質との間に柔軟バリアを備え、それにより、前記パッケージ製品の外部操作時に前記柔軟バリアの完全性が失効されると、前記第1の物質が前記第2の物質と融合することが許容される、少なくとも1つの物質挿入体と、
を備える、パッケージ製品。
【請求項2】
前記第1の容器が前記第1の物質を格納するための第1の区画室を備え、前記物質挿入体が前記第2の物質を格納するための第2の区画室を備え、前記第2の区画室が前記柔軟バリアを備える、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項3】
前記容器が、前記第1の物質および前記第2の物質の一方または両方と融合されるべき第3の物質を格納する少なくとも第3の区画室を備える、請求項2に記載のパッケージ製品。
【請求項4】
前記第3の区画室が、所望の環境によって前記第2の区画室を取り囲むために前記第2の区画室を実質的に封入する、請求項3に記載のパッケージ製品。
【請求項5】
前記第3の区画室が物質挿入体接合部によって前記第1の区画室から分離される、請求項3に記載のパッケージ製品。
【請求項6】
前記第3の区画室に配置されるラベルを備える、請求項3に記載のパッケージ製品。
【請求項7】
前記第3の区画室内に乾燥材を備える、請求項4に記載のパッケージ製品。
【請求項8】
前記物質挿入体が前記第2の区画室を支持するフレームを備える、請求項2に記載のパッケージ製品。
【請求項9】
前記柔軟バリアが脆弱シールを備える、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項10】
前記柔軟バリアが破裂可能である、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項11】
前記物質挿入体がフレームを備える、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項12】
前記フレームが硬質である、請求項11に記載のパッケージ製品。
【請求項13】
前記フレームが半硬質である、請求項11に記載のパッケージ製品。
【請求項14】
前記フレームが、前記容器の変形を前記柔軟バリアに結果として作用する力へ変換するように前記柔軟バリアの感受部を支持する、請求項11に記載のパッケージ製品。
【請求項15】
前記フレームが、前記柔軟バリアの感受部を、前記柔軟バリアに加えられる圧力を前記感受部に加えられる力へ変換するように支持する、請求項11に記載のパッケージ製品。
【請求項16】
前記フレームが前記柔軟バリアに取り付けられる変形可能な部材であり、それにより、前記フレームの変形が、前記柔軟バリアを破壊して前記第1の物質および前記第2の物質が融合できるようにする前記第2の区画室の動作へ変わる、請求項8に記載のパッケージ製品。
【請求項17】
前記動作が前記脆弱シールを破壊する、請求項16に記載のパッケージ製品。
【請求項18】
前記動作が前記柔軟バリアを破裂させる、請求項16に記載のパッケージ製品。
【請求項19】
前記物質挿入体が、前記容器との機械的係合のための接合部を備える、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項20】
前記接合部が前記柔軟バリアに取り付けられる変形可能なフレームであり、それにより、前記フレームの変形が、前記柔軟バリアの完全性を失効させる前記第2の区画室の動作へ変わる、請求項19に記載のパッケージ製品。
【請求項21】
前記機械的係合が前記物質挿入体と前記容器との間に流体密なシールを与える、請求項19に記載のパッケージ製品。
【請求項22】
前記物質挿入体が、接着、溶着、機械的インターロック、または、これらのうちの1つ以上の組み合わせによって前記容器と機械的に係合される、請求項19に記載のパッケージ製品。
【請求項23】
前記接合部は、前記柔軟バリアの感受部の完全性を圧力によって失効させるよう前記柔軟バリアを支持する、請求項19に記載のパッケージ製品。
【請求項24】
前記接合部は、前記柔軟バリアの感受部の完全性を前記物質挿入体の動作によって失効させるよう前記柔軟バリアを支持する、請求項19に記載のパッケージ製品。
【請求項25】
前記容器の融合された内容物を送出するための流体輸送デバイスを備える、請求項1〜25のいずれか一項に記載のパッケージ製品。
【請求項26】
前記流体輸送デバイスの連続使用を防止するための流体輸送デバイス無効化手段を備える、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項27】
前記流体輸送デバイスが前記容器内に完全に配置される、請求項25に記載のパッケージ製品。
【請求項28】
前記容器が、前記流体輸送デバイスを周囲環境から無菌保護する取り外し可能なガードを含む、請求項27に記載のパッケージ製品。
【請求項29】
前記流体輸送デバイスの少なくとも一部が送出前位置と送出位置との間で前記容器に対して移動可能に支持される、請求項25に記載のパッケージ製品。
【請求項30】
前記流体輸送デバイスが、局所アプリケータ、スプレーヘッド、噴出ノズル、ドロッパノズル、鼻アプリケータ、経口アプリケータ、耳アプリケータ、侵襲的アプリケータ、コネクタ、または、これらのいずれかの組み合わせから成るグループから選択される、請求項25に記載のパッケージ製品。
【請求項31】
前記物質挿入体および前記流体輸送デバイスが共通の挿入体である、請求項27に記載のパッケージ製品。
【請求項32】
前記物質挿入体が、前記容器の融合された内容物を送出するための流体輸送デバイスを備える、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項33】
前記物質挿入体が前記流体輸送デバイスの近傍に配置される、請求項25に記載のパッケージ製品。
【請求項34】
前記物質挿入体が前記流体輸送デバイスよりも先端側に配置される、請求項25に記載のパッケージ製品。
【請求項35】
前記流体輸送デバイスの少なくとも一部が挿入体である、請求項25に記載のパッケージ製品。
【請求項36】
前記流体輸送デバイスの少なくとも一部が前記容器に一体形成される、請求項25に記載のパッケージ製品。
【請求項37】
前記流体輸送デバイスが前記容器または前記物質挿入体への物質の導入を可能にする、請求項25に記載のパッケージ製品。
【請求項38】
前記物質挿入体の少なくとも一部が、前記第2の区画室の容積を減少させるように移動できる、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項39】
前記物質挿入体の少なくとも一部が前記容器の変形に応じて移動する、請求項1〜38のいずれか一項に記載のパッケージ製品。
【請求項40】
前記物質挿入体が前記容器内に完全に配置される、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項41】
前記容器内に配置される複数の物質挿入体を備える、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項42】
前記物質挿入体は、前記柔軟バリアによって前記第1の物質が前記第2の物質から分離される作動前位置と、前記第1の物質および前記第2の物質を融合させることができるように前記柔軟バリアの完全性が失効される作動位置との間で移動できるよう前記容器内に配置されるプランジャアセンブリを備える、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項43】
前記物質挿入体が前記第2の物質を収容するパウチを備える、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項44】
前記物質挿入体が前記第2の物質を収容するブリスターパックを備える、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項45】
前記柔軟バリアが、フィルム、箔、積層体、フィルムと箔と積層体とを組み合わせる多層製品、射出成形部、ブロー成形部、または、これらの任意の組み合わせから成るグループから選択される、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項46】
前記柔軟バリアの完全性がシールを破壊することにより失効される、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項47】
前記柔軟バリアの完全性が前記柔軟バリアを破裂させることにより失効される、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項48】
前記柔軟バリアの完全性が前記物質挿入体を移動させることにより失効される、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項49】
前記柔軟バリアの完全性が前記第1の物質および前記第2の物質のうちの少なくとも一方を加圧することにより失効される、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項50】
前記容器が、射出成形、ブロー成形、ブロー・フィル・シール、ブロー・フィル・インサート・シール、フォーム・フィル・シール、および、射出ブロー成形のうちの1つによって形成される、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項51】
前記物質挿入体がフィルム区画室を備える、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項52】
前記柔軟バリアは、前記柔軟バリアに加えられる圧力が前記柔軟バリアの感受部を失効させるように支持される、請求項1〜51のいずれか一項に記載のパッケージ製品。
【請求項53】
前記柔軟バリアは、前記柔軟バリアの感受部が前記物質挿入体の移動によって失効されるように支持される、請求項1〜52のいずれか一項に記載のパッケージ製品。
【請求項54】
前記容器を変形させるためのアクチュエータを含む、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項55】
前記容器が、前記第1の物質を受けるための入口流体輸送デバイスを備える、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項56】
前記容器は、前記パッケージ製品が開放された後に前記容器の融合された内容物を送出するための出口流体輸送デバイスを備える、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項57】
前記入口流体輸送デバイスと前記出口流体輸送デバイスとが同じものである、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項58】
前記少なくとも1つの容器が、前記第1の物質を格納する第1の区画室と首部とを備えるボトルの形状に構成される、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項59】
前記物質挿入体が、前記首部の変形が前記物質挿入体の対応する変形をもたらすように前記首部に対して支持される、請求項58に記載のパッケージ製品。
【請求項60】
前記首部を変形させるためのアクチュエータを含む、請求項59に記載のパッケージ製品。
【請求項61】
前記アクチュエータが、前記首部を取り囲んで回転時に前記首部を変形させるようになっている非円形部品である、請求項60に記載のパッケージ製品。
【請求項62】
前記物質挿入体が前記首部内に少なくとも部分的に収容される、請求項58に記載のパッケージ製品。
【請求項63】
前記物質挿入体が前記首部内に完全に収容される、請求項58に記載のパッケージ製品。
【請求項64】
前記容器が前記第1の物質を受けるための入口流体輸送デバイスを備える、請求項58に記載のパッケージ製品。
【請求項65】
前記容器は、前記パッケージ製品が開放された後に前記容器の融合された内容物を送出するための出口流体輸送デバイスを備える、請求項64に記載のパッケージ製品。
【請求項66】
前記入口流体輸送デバイスと前記出口流体輸送デバイスとが同じものである、請求項65に記載のパッケージ製品。
【請求項67】
前記容器の少なくとも一部が圧搾チューブとしてほぼ構成される、請求項1に記載のパッケージ製品。
【請求項68】
製品パッケージであって、
a.第1の物質を格納するための第1の区画室を備える少なくとも1つの容器と、
b.第2の物質を格納するための第2の区画室を備える少なくとも1つの物質挿入体であり、該物質挿入体が前記容器内に少なくとも部分的に配置され、該物質挿入体の少なくとも一部が前記第1の区画室と前記第2の区画室との間に柔軟バリアを備え、それにより、当該パッケージの外部操作時に前記柔軟バリアの完全性が失効されると、前記第1の区画室が前記第2の区画室と連通することが許容される、少なくとも1つの物質挿入体と、
を備える、製品パッケージ。
【請求項69】
前記容器の融合された内容物を送出するための流体輸送デバイスを備える、請求項68に記載のパッケージ製品。
【請求項70】
前記流体輸送デバイスが前記容器内に完全に配置される、請求項69に記載のパッケージ製品。
【請求項71】
前記流体輸送デバイスが、局所アプリケータ、スプレーヘッド、噴出ノズル、ドロッパノズル、鼻アプリケータ、経口アプリケータ、耳アプリケータ、侵襲的アプリケータ、コネクタ、または、これらのいずれかの組み合わせから成るグループから選択される、請求項69に記載のパッケージ製品。
【請求項72】
前記物質挿入体および前記流体輸送デバイスが共通の挿入体である、請求項70に記載のパッケージ製品。
【請求項73】
前記容器が少なくとも第3の区画室を備え、前記第3の区画室が、所望の環境によって前記第2の区画室を取り囲むために前記第2の区画室を実質的に封入する、請求項68に記載のパッケージ製品。
【請求項74】
前記物質挿入体がフレームを備える、請求項68〜73のいずれか一項に記載のパッケージ製品。
【請求項75】
前記容器内に配置される複数の物質挿入体を備える、請求項68に記載のパッケージ製品。
【請求項76】
前記柔軟バリアの完全性がシールを破壊することにより失効される、請求項68に記載のパッケージ製品。
【請求項77】
前記柔軟バリアの完全性が前記柔軟バリアを破裂させることにより失効される、請求項68に記載のパッケージ製品。
【請求項78】
前記柔軟バリアの完全性が前記物質挿入体を移動させることにより失効される、請求項68に記載のパッケージ製品。
【請求項79】
前記柔軟バリアの完全性が前記物質挿入体を加圧することにより失効される、請求項68に記載のパッケージ製品。
【請求項80】
前記物質挿入体が、前記容器との機械的係合のための接合部を備える、請求項68に記載のパッケージ製品。
【請求項81】
前記機械的係合が前記物質挿入体と前記容器との間に流体密なシールを与える、請求項80に記載のパッケージ製品。
【請求項82】
前記物質挿入体が、接着、溶着、機械的インターロック、または、これらのうちの1つ以上の組み合わせによって前記容器と機械的に係合される、請求項80に記載のパッケージ製品。
【請求項83】
一体にシールされた容器を含むパッケージ製品で用いる物質挿入体であって、前記容器内に前記物質挿入体が少なくとも部分的に挿入されるようになっている、物質挿入体であって、
a.物質を格納する区画室と、
b.前記容器の壁と対峙することのできる容器接合部であり、第1の材料からなる容器接合部と、
c.前記第1の材料と異なる第2の材料からなる柔軟バリアであり、前記容器の十分な外部操作が前記容器の完全性を損なうことなく前記柔軟バリアの完全性を失効させ、それにより、前記物質を前記区画室から送出できる、柔軟バリアと、
を備える、物質挿入体。
【請求項84】
流体輸送デバイスを更に備える、請求項83に記載の物質挿入体。
【請求項85】
前記流体輸送デバイスが、局所アプリケータ、スプレーヘッド、噴出ノズル、ドロッパノズル、鼻アプリケータ、経口アプリケータ、耳アプリケータ、侵襲的アプリケータ、コネクタ、または、これらのいずれかの組み合わせから成るグループから選択される、請求項84に記載の物質挿入体。
【請求項86】
前記区画室が柔軟なパウチである、請求項83に記載の物質挿入体。
【請求項87】
前記柔軟バリアが脆弱シールを備える、請求項83に記載の物質挿入体。
【請求項88】
前記柔軟バリアを失効させることが前記柔軟バリアを破裂させることを含む、請求項83に記載の物質挿入体。
【請求項89】
前記区画室がブリスターパックである、請求項83に記載の物質挿入体。
【請求項90】
前記第1の材料が接着剤を備える、請求項83に記載の物質挿入体。
【請求項91】
前記柔軟バリアが、フィルム、箔、積層体、フィルムと箔と積層体とを組み合わせる多層製品、射出成形部、ブロー成形部、または、これらの任意の組み合わせから成るグループから選択される、請求項83に記載の物質挿入体。
【請求項92】
前記第1の材料および前記第2の材料が単一の部分に組み込まれる、請求項83に記載の物質挿入体。
【請求項93】
前記第1の材料および前記第2の材料が多層柔軟バリアの層である、請求項91に記載の物質挿入体。
【請求項94】
フレームを更に備える、請求項83〜93のいずれか一項に記載の物質挿入体。
【請求項95】
前記フレームが前記容器接合部を備える、請求項94に記載の物質挿入体。
【請求項96】
前記フレームが前記柔軟バリアを支持する、請求項94に記載の物質挿入体。
【請求項97】
前記フレームと関連付けられる流体輸送デバイスを備える、請求項94に記載の物質挿入体。
【請求項98】
前記フレームが、前記柔軟バリアに力を及ぼすように前記容器の実質的な変形にしたがって移動でき、それにより、前記柔軟バリアを損なう、請求項94に記載の物質挿入体。
【請求項99】
前記フレームが、前記柔軟バリアに圧力がもたらされるときに前記柔軟バリアに対して実質的な力を与えることにより前記柔軟バリアを損なうべく実質的に硬質である、請求項94に記載の物質挿入体。
【請求項100】
一体にシールされた容器を含むパッケージ製品で用いられる物質挿入体で、前記容器内に前記物質挿入体が少なくとも部分的に挿入されるようになっている、物質挿入体であって、
a.物質を格納する区画室と、
b.前記容器の壁と対峙することのできる容器接合部と、
c.力を伝えるために前記容器接合部によって支持される柔軟バリアであり、前記容器の十分な外部操作によって前記容器接合部が該柔軟バリアの完全性を失効させる力を前記柔軟バリアに及ぼす、柔軟バリアと、
を備える、物質挿入体。
【請求項101】
フランジと、前記フランジから延びる絞り加工されたキャビティとを備え、
前記絞り加工された区画室が、物質を受け入れるために前記フランジよりも先端側にある先端部と、前記フランジよりも基端側にありかつ前記キャビティの前記先端部内で物質を無菌シールする脆弱シールを形成するべく折り畳み可能な基端部とを有する、物質区画室。
【請求項102】
前記キャビティの前記先端部内に少なくとも部分的に配置される流体輸送デバイスを更に備える、請求項101に記載の物質区画室。
【請求項103】
第1の物質を格納する少なくとも第1の区画室を含む容器と、第2の物質を格納する第2の区画室を含む少なくとも1つの物質挿入体とを備えるパッケージ製品で、前記物質挿入体が前記容器内に少なくとも部分的に配置され、前記第1の区画室と前記第2の区画室との間に柔軟バリアを含むパッケージ製品と共に用いる方法であって、
a.前記柔軟バリアの完全性を失効させるために前記容器を外部から無菌状態で操作し、それにより、前記容器内に融合区画室を形成するステップと、
b.前記第1の物質および前記第2の物質を前記融合区画室内で融合させるステップと、
を備える、方法。
【請求項104】
前記パッケージ製品が前記容器内に少なくとも部分的に配置される流体輸送デバイスを更に備え、
当該方法が、前記容器を開放して、前記融合された第1および第2の物質を前記流体輸送デバイスを介して送出するステップを更に備える、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記融合された第1および第2の物質を送出する前に、前記流体輸送デバイスが、前記流体輸送デバイスが前記融合区画室から分離される送出前位置から、前記流体輸送デバイスが前記融合区画室と連通する送出位置へ移動される、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記流体輸送デバイスが前記送出前位置から前記送出位置へ回転可能に移動される、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記パッケージ製品が前記容器内に少なくとも部分的に配置される流体輸送デバイスを更に備え、前記物質挿入体を前記流体輸送デバイスから離れるように移動させることにより前記パッケージ製品が外部から無菌状態で操作される、請求項103に記載の方法。
【請求項108】
前記パッケージ製品が前記容器内に少なくとも部分的に配置される流体輸送デバイスを更に備え、前記物質挿入体を前記流体輸送デバイスへ向けて移動させることにより前記パッケージ製品が外部から無菌状態で操作される、請求項103に記載の方法。
【請求項109】
前記パッケージ製品が前記容器内に少なくとも部分的に配置される流体輸送デバイスを更に備え、前記容器を前記流体輸送デバイスに対して移動させることにより前記パッケージ製品が外部から無菌状態で操作される、請求項103に記載の方法。
【請求項110】
前記容器の外部操作時に前記容器と対応して前記物質挿入体の少なくとも一部を移動させるステップを備える、請求項103に記載の方法。
【請求項111】
前記容器の外部操作時に前記第1の物質を前記柔軟バリアに抗して押圧するステップを備える、請求項103に記載の方法。
【請求項112】
前記容器の外部操作時に前記第2の物質を前記柔軟バリアに抗して押圧するステップを備える、請求項103に記載の方法。
【請求項113】
外部操作時に、前記容器が、前記柔軟バリアの完全性を失効させて前記第1の物質および前記第2の物質が融合できるようにする前記製品挿入体の動作へ変えるように変形される、請求項103に記載の方法。
【請求項114】
前記容器が別個のアクチュエータによって外部から操作される、請求項103に記載の方法。
【請求項115】
前記容器の外部操作が手動で行なわれる、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記柔軟バリアの完全性が脆弱シールを分離することにより失効される、請求項103に記載の方法。
【請求項117】
前記柔軟バリアの完全性が前記柔軟バリアを破壊することにより失効される、請求項103に記載の方法。
【請求項118】
パッケージ製品を製造する方法であって、
a.第1の物質を格納するための少なくとも第1の区画室を備える選択された形態の容器を形成するステップと、
b.第2の物質で満たされる第2の区画室を備える物質挿入体を形成するステップと、
c.前記第1の区画室と前記第2の区画室との間に柔軟な感受性バリアが介挿されるように前記物質挿入体を前記容器内へ少なくとも部分的に挿入するステップと、
を備える、方法。
【請求項119】
前記柔軟な破壊可能なバリアを含むように前記物質挿入体を形成するステップを備える、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
パウチを含むように前記物質挿入体を形成するステップを更に備える、請求項118に記載の方法。
【請求項121】
前記物質挿入体の一方の部分に流体輸送デバイスを形成し、前記物質挿入体の他方の部分に脆弱シールを形成するステップを更に備える、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記パウチを変形可能なフレーム内で支持するステップを更に備える、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記パウチを硬質フレーム内で支持するステップを更に備える、請求項121に記載の方法。
【請求項124】
前記物質挿入体をブリスターパックとして形成するステップを更に備える、請求項118に記載の方法。
【請求項125】
それぞれが対応する物質で満たされる対応する区画室を備える複数の少なくとも部分的に折り畳み可能な物質挿入体を形成するステップと、前記物質挿入体のそれぞれを前記容器内に少なくとも部分的に挿入するステップとを更に備える、請求項118に記載の方法。
【請求項126】
前記物質挿入体間に前記第1の区画室を介挿するステップを備える、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
それぞれが対応する物質を格納する複数の容器区画室を含むように前記容器を形成するステップを備える、請求項118に記載の方法。
【請求項128】
前記複数の容器区画室間に前記物質挿入体を介挿するステップを備える、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記容器を圧搾チューブ形態で形成するステップを備える、請求項118に記載の方法。
【請求項130】
前記容器をボトル形態で形成するステップを備える、請求項118に記載の方法。
【請求項131】
少なくとも部分的に変形可能な前記容器を形成するステップを備える、請求項118に記載の方法。
【請求項132】
前記容器の一方の部分に流体輸送デバイスを形成するステップを更に備える、請求項118に記載の方法。
【請求項133】
前記物質挿入体の挿入前に前記第1の物質を前記第1の区画室内に導入するステップを更に備える、請求項118に記載の方法。
【請求項134】
前記物質挿入体の挿入後に前記第1の物質を前記第1の区画室内に導入するステップを更に備える、請求項118に記載の方法。
【請求項135】
流体輸送デバイスを前記容器内に挿入するステップを更に備える、請求項118に記載の方法。
【請求項136】
前記物質挿入体の接合部を前記容器と係合させるステップを更に備える、請求項118に記載の方法。
【請求項137】
前記接合部を前記容器と強固に係合させて、パッケージ製品の通例の使用中に前記接合部が前記容器に取り付けられたままとなるようにするステップを備える、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記接合部を流体密なシール状態で前記容器と係合させるステップを備える、請求項136に記載の方法。
【請求項139】
前記容器の変形が前記物質挿入体の動作へ変わるような態様で前記接合部を前記容器と係合させるステップを備える、請求項136に記載の方法。
【請求項140】
ブロー・フィル・インサート・シールプロセスを組み入れる請求項118に記載の方法であって、
a.前記第1の区画室を形成するために前記容器の少なくとも一部がブロー成形され、
b.前記第1の物質が前記第1の区画室内に導入され、
c.前記物質挿入体が前記容器内へ挿入され、
d.前記第1の物質および前記物質挿入体が前記容器内で無菌シールされ、
e.前記物質挿入体が前記容器の内部と流体密な態様で結合される、
方法。
【請求項141】
(d)および(e)が同時に行なわれる、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記(e)が、前記物質挿入体を前記容器の内部と結合させることを含む、請求項140に記載の方法。
【請求項143】
(e)が、前記物質挿入体を前記容器の内部に溶着することを含む、請求項140に記載の方法。
【請求項144】
流体輸送デバイスの少なくとも一部を前記容器内へ挿入するステップを更に備える、請求項140に記載の方法。
【請求項145】
流体輸送デバイスの少なくとも一部を前記容器内に形成するステップを更に備える、請求項140に記載の方法。
【請求項146】
a.前記容器を成形するステップと、
b.前記物質挿入体を前記容器の開口内へ少なくとも部分的に導入するステップと、
c.前記物質挿入体の接合部を前記容器と係合させるステップと、
を更に備える、請求項118に記載の方法。
【請求項147】
流体輸送デバイスの少なくとも一部を前記容器内へ導入するステップを更に備える、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
前記流体輸送デバイスを前記容器内にシールするステップを更に備える、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
流体輸送デバイスの少なくとも一部を前記容器内に形成するステップを更に備える、請求項146に記載の方法。
【請求項150】
前記第1の物質を前記容器内へ導入するステップを更に備える、請求項146に記載の方法。
【請求項151】
前記第1の物質を前記容器内にシールするステップを更に備える、請求項146に記載の方法。
【請求項152】
前記物質挿入体を前記容器内にシールするステップを更に備える、請求項146に記載の方法。
【請求項153】
(a)が、ブロー成形、射出成形、射出ブロー成形、または、ブロー射出成形によって達成される、請求項146に記載の方法。
【請求項154】
前記接合部が前記容器に結合される、請求項146に記載の方法。
【請求項155】
前記接合部が前記容器に溶着される、請求項146に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図5g】
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【図5h】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図6f】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図9e】
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【図9f】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図11e】
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【図11f】
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【図11g】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図12d】
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【図13】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15】
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【図16】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27a】
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【図27b】
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【図27c】
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【公表番号】特表2012−515121(P2012−515121A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545538(P2011−545538)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/020824
【国際公開番号】WO2010/081174
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(510178286)アクティヴパック, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】