説明

特に半導体光源を含む白色または着色光源のための変換材料、その製造方法、および前記変換材料を含む光源

本発明は、特に1次光源としての半導体光源を含む白色または着色光源のための変換材料に関し、この変換材料は、約1mmの厚さdを有するバルク材料として用いられるとき、350nmから800nmの波長領域において、また1次光源が発光する領域において、80%を超える内部透過率τを有するマトリックスガラスを含み、発光団を含まない焼結マトリックスガラスの透過率およびリミッタンス(remittance)の合計は、350nmから800nmのスペクトル領域において、また1次光源が発光するスペクトル領域において、少なくとも80%を超える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に半導体光源を含む白色または着色光源のための、変換材料、さらには、前記変換材料を含む光源に関する。
【0002】
本発明は、特に、1次光源(この光源における1次放射は例えば青色光を含み得る)の放射の、別の波長の光(これは以下では2次放射とも呼ばれ、例えば1次放射と重複する黄色光を含み得る)への、少なくとも部分的な変換のための変換材料を提供しようとするものであり、場合によっては広帯域の2次放射は、着色または白色光を生成できる。
【0003】
変換材料の適切な選択およびシステム全体の調整により、この光源の光の色または色座標を調節することが可能である。
【背景技術】
【0004】
1次光源の放射を他の波長の光に変換するために用いられるのは、発色団(発光団)であり、これらは、また、慣習的に、「蛍光体」とも呼ばれている。これらの発色団は、通常、マトリックスに埋め込まれており、このマトリックスは1次光の放射を伝播する。変換の度合いは、変換材料の厚さと、発色団を伴う1種または複数のドーピングの種類および濃度とによって調節できる。
【0005】
放出される光の色座標は、この場合、変換の度合いを通じて、一定の範囲内で調節できるので、白色光が生成されるとき、得られる全放射の暖色および寒色のいずれの白色点も可能になる。
【0006】
例えば、青色光(これは、1次光源から放出される)と、黄色光(これは、1次光源の青色光の変換によって生成される)とを重ね合わせることによる白色光の生成は、しばらく前から知られている。
【0007】
現在、確立されている技術的解決策は、ポリマーマトリックスに存在し、束縛された蛍光体に基づいており、ポリマーマトリックスは、通常、エポキシ樹脂またはシリコーンからなる。
【0008】
これらの実施形態の場合における欠点は、特に、環境条件、例えば、湿気および放射、とりわけ短波長(UV)に対する、および、例えば120℃を超える高められた温度に対する、ポリマーの脆弱さである。独立に、または組み合わされて発生するとき、これらには光学ポリマー特性の低下、または経年劣化を引き起こし、これらは、どの場合でも、すでに、ある程度、最適ではない。膨潤、かすみ、変色(黄色化、茶色化)、または、それどころか、続いて起こるポリマーの分解によって、これらの使用された光学システムの性能および耐用年数は、ひどく損なわれる。
【0009】
LEDおよびレーザーダイオード(LD)に基づく半導体光源の性能容量、特に光出力が増すにつれ、これらの光源の性能の向上が、とりわけ、大きな許容出力密度および大きな電流を有する半導体システムのため、システム全体が、一層大きな放射出力だけでなく、また一層大きな熱負荷にも曝されるという理由で、熱安定性が益々重要性を呈する。
【0010】
現在すでに普通に見られる温度レベルは、約150℃と150℃を著しく超える範囲にあり、ある場合には、実に180℃を超え、200℃を超える温度に向かう明らかな傾向を辿る。したがって、数万時間以上の長期使用では、ポリマーは、現在、すでにそれらの適用の限界にあり、このような光源の耐用年数を制限するパラメータとして分類されうる。
【0011】
EP 0 936 682 B9(Nichia、「Light emitting device and display device」)において、GaN系青色発光ダイオード(LED)が、変換のための黄色蛍光発色団と共に、1次光源として記載され、この発色団は、(Y1−rGdAl12:Ce(rは0と1の間)に基づく。透明材料、例えば、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、またはガラスが、発色団を埋め込むためのマトリックスとして用いられる。しかし、この場合、ポリマーの前記欠点の全てが現れる。この文書では、例えば特定の組成のZnリン酸塩の場合に起こるような、例えば発色団との反応性、例として、この環境におけるレドックス反応、および固有の着色(これらは、全光源の変換および性能特性に負の影響を及ぼす)のような、特定のタイプのガラスに固有の欠点に考慮が払われていない。
【0012】
US 2006/0113906 Al(Nichia、「Light emitting device and method of manufacturing thereof」)は、発光チップを保護および被覆するためのガラス板を有し、ガラスが、必須でB(20〜30wt%)およびZnO(50〜60wt%)と、任意選択で、SiO(0〜10wt%)および/またはTiO(0〜10wt%)および/または他の成分とからなり、200℃と700℃、好ましくは430℃と600℃の間にガラス温度Tgを有し、光変換のための蛍光物質を含み得る、ダイオードを記載する。ガラス板は半導体チップのカバーとして記載され、ガラス板はチップから離して配置される。さらに、このガラスは発色団を含み得ると記載されているが、例えば、Ce:YAG、および他の発色団は、カバーとしてここに記載されているガラス板を得るために必要であると思われる、ガラス溶融物中に加工することが不可能であることを、経験は示しているのに、このガラスが、この発色団を用いて如何にして製造されるかに、全く考慮が払われていない。通常の熱処理の間に、ガラスと発色団との間には相互の化学反応に向かう傾向が、2つの成分が、この点で、互いに、明らかに調和しない限り、通常存在する。さらに、それぞれの場合に、その発色団を含むガラスの具体的設計において、固有の着色、さらには偏析が、起こり得る。
【0013】
EP 1 471 777 A2に記載されているのは、Ceにより活性化され、また、ガーネット構造(この構造では、テルビウムおよびY、Lu、Sc、La、Gd、またはSmが、ホスト格子の主な成分である)を有する発色団である。用いられるシーリングコンパウンドは、すでに記載された欠点の全てを有するポリマーを含む。
【0014】
DE 10 137 641 Alは、ガラス体でできている、発色団を埋め込むためのドーム形マトリックスを記載する。1次光を放出するチップと、発色団が埋め込まれたドームとの間に、くぼみがあり、これは、高屈折率を有する光学的に透明な媒体で満たされる。このドームは、ガラスからなっていてよく、ガラスは、発光団、蛍光ガラス、または蛍光ガラスセラミックを含み得る。発光団が基本的に如何にしてガラスに埋め込まれるかは記載されているが、不適切なガラスの場合に、発光団が、埋め込み工程の間に攻撃され、そのために、その変換特性を、少なくとも部分的に、またはそれどころか完全に失い、ガラスの透過性がこの工程によって悪影響を受け、それゆえに、この場合、固有の着色に向かう著しい傾向が存在するために、LEDの効率がひどく低下し得るという事実に考慮が払われていない。
【0015】
DE 102005023134は、ガラスマトリックスに埋め込まれた発光団の使用を記載する。ガラスマトリックスとして記載されているのは、2種類のガラス、ホウ素クラウンガラス(例えば16〜25%のKOを含む)およびランタンクラウンガラス(例えば5〜25%のThOを含む)である。この公開文書においてもやはり、ガラスコンバーターシステムの製造可能性が考慮されておらず、1次光源およびコンバーターを含む、システム全体への、予想される負の影響が依然として存在する。さらに、ホウ素クラウンガラスのために、高いアルカリ含量、および、特に比較的高温での、半導体へのアルカリの移動(これは、耐用年数にとってひどく不利である)の理由で、チップとコンバーターとの間の負の相互作用が予想される。そこに挙げられているランタンクラウンガラスは、ThOの含量によって、思わしくないものとして特徴付けられ、さらに、用いられる原材料のために、高価である。製造、使用、およびリサイクルの間のその環境適合性は、さらなる深刻な問題を提出する。
【0016】
US 6,642,618 B2は、ゾル−ゲル・ガラスからなる層の使用を記載し、このガラスは、変換材料として、蛍光物質によりドーピングされている。蛍光物質として用いられるのは、(Sr、Ba、Ca)Ga:Eu2+のタイプの硫化物である。ゾル−ゲル法によって製造されるガラスは、PbO、Ga、Bi、CdO、ZnO、BaO、およびAlの群からの少なくとも1種の成分を含む。ゾル−ゲル法は、今度は、10μm未満の厚さを有する非常に薄い層だけが、成形体で作製できるので、コンバーターおよびそれ自体の、変動性に関する欠点を伴う。ゾル−ゲル法による固体成形体の作製は、原理的には可能であるが、24時間を超える長い乾燥時間(これは、多くの重要な用途にとって、費用が掛かり、実行不可能であるという評価を生じる)のために、それは厄介である。さらに、知られている前記ガラスは、また、RoHSにより禁止された成分を含む。
【0017】
RoHS(英語では、Restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment)は、要するに、電気・電子機器および部品の製造および加工において特定の物質を禁止するEC指令2002/95/EC、さらには、国家の法律における、指令の個々の実施を表し、その法律は、それぞれ、最大で0.01重量パーセントのカドミウム、最大で0.1重量パーセントの鉛、水銀、6価クロム、PBB、およびPBDEを許容する。
【0018】
ゾル−ゲル層のこの厚さは、同様に、発光団でドーピングされる能力を制限し、結果的に、非常に限定された数の妥当な色座標、とりわけ、青色に偏った色の印象を有するものだけを作製できるので、システムの有効性は上限を有する。目の感度の低下のために、青色部分は、全体の明度に僅かしか寄与しない。通常のゾル−ゲル前駆体の組成は、それらのタイプに応じて、化学的に非常に攻撃的な物質もまた含み(注目すべき濃度の鉱酸)、その製造中にチップが損傷され得るという、可能性を少なくとも伴う。
【0019】
EP 1 605 526 Aは、埋め込まれた変換材料を含むガラス板の使用、さらには、これらの板の分割、およびドームへのそれらの加工を記載する。マトリックスガラスは、GeO、TeO、PbO、CaO、およびBの群からの少なくとも1つの成分を含む。しかし、前記の問題を含めて、欠点には、RoHSによる禁止を受けるPb含量、さらには高価なGeOおよび毒性のTeO原材料の使用が含まれる。
【0020】
日本の公開特許公報:2007−123410は、蛍光体が埋め込まれた高屈折性ガラスで覆われた発光ダイオードを記載する。ドーピングされたガラスは、粉末にしたガラス破片と個々の蛍光体との共同(同時)融解によって得られる。用いられるガラスは、TeO(40〜53mol%)、B(5〜30mol%)、およびZnO(3〜20mol%)を必ず含み、さらには、任意選択で、Ga、Bi、GeO、Y、La、Gd(0〜7mol%)、およびTaを含む。一方では、BiおよびTeO含量による、このガラスに固有の着色のリスク、また他方では、すでに上に記載された欠点、さらには、高価、および、ある程度は毒性の原材料(TeO、Ga、Bi、GeO)の使用(これらは、一部は、高い比率で存在する)は、その商業的使用にとって極めて不利である。さらに、特定の場合におけるその商業的適用は、偏析/結晶化の高い傾向のために、問題である。
【0021】
日本の公開特許公報:2007−016171は、700℃以上の軟化点を有し、窒化物系蛍光材料がその中に分散したオキシ窒化物ガラスからなる波長変換材料を記載し、この発光団は溶融物に前もって添加されるか、さもなければ、ガラス自体を発光団から実用的に製造することが可能である。反応性および固有の着色のような欠点が、ここでも同様に存在する。高められた相互の反応性が、特に、600℃を超える温度で、高められた温度要件(regimen)において、予想される。さらに、オキシ窒化物ガラスの製造は、例えばケイ酸塩ガラスの製造に比べて、複雑であり、費用が掛かる。
【0022】
WO 2007/145047 Alに開示されているのは、主成分がSnO、B、およびP、ならびにそれに分散した窒化物系蛍光材料を含む低融点ガラスからなる波長変換材料である。ここに記載されているガラスまたはガラス類は、P含量のために着色する傾向があり、したがって、少なくとも特定の組成では、効果的な波長コンバーターの製造には不適切である。
【0023】
EP 1 880 983は、コンポジット材料を記載し、これは、発光団とブレンドしたガラス粉末を混合し、焼き固めることによって得られる。このようにして製造されるコンバーターは、少なくとも10%のエネルギー変換効率を達成する。記載のガラスは−すでに挙げたものの多くが含むように−例えば、ZnO、B、およびアルカリを大きな比率で含み、それに伴う欠点を有する。記載の組成範囲および記載の製造方法は、特に、固有の着色の可能性をもたらす。したがって、システム全体の効率は、低下し、大きくても、10%の特許請求範囲の限界を僅かに超える値であり得る。
【0024】
要約すると、先行技術は、発光団およびマトリックス材料を含む波長コンバーターを有する、LEDまたはレーザーダイオード光源に基づく光源を記載し、これらの光源では、特に、マトリックス材料は固有の弱点および欠点を有する。ポリマーの場合には、これらは、特に、熱負荷および環境の影響に対するそれらの不安定性、さらにはそれらの比較的低い屈折率がある。
【0025】
挙げられた無機マトリックス材料の場合には、これらの欠点には、以下が含まれる。
・埋め込まれる発光団との化学反応性、これは、特に、高められた温度(ガラス質マトリックス)または高温(セラミックマトリックスもしくは溶融ガラス)でのコンバーターの製造工程の間に、蛍光体の蛍光特性に有害な影響を及ぼす、あるいはそれらの特性を無くしてしまう(例えばCe:YAGのような、熱安定性が工程温度を超えている蛍光体でさえも)。
・コンバーターの製造の間の発光団の損傷。
・それらを製造できるかを左右する、マトリックスの個々の成分の毒性。
・特殊な、またそれゆえに費用の掛かる合成、これらは、同様に、特殊な製造方法を必要とし、それは少量だけが製造されるので、今度は、コストを上昇させるように作用する。
・マトリックスガラスの高価な組成。
・記載されているマトリックス材料、ガラス、およびガラス類の、それらのアニーリング、粉末からの融解または再融解の後の、固有の着色の少なくとも可能性としての危険性。
【0026】
別々に、または合わせると、これらは、光出力の低い非効率コンバーターに、または機能しない例にさえ導き、このことは、本発明者が、前記ガラスおよびガラス類のいくつかについての、本発明者自身の実験によって実証することができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】EP 0 936 682 B9
【特許文献2】US 2006/0113906 Al
【特許文献3】EP 1 471 777 A2
【特許文献4】DE 10 137 641 Al
【特許文献5】DE 102005023134
【特許文献6】US 6,642,618 B2
【特許文献7】EP 1 605 526 A
【特許文献8】日本の公開特許公報:2007−123410
【特許文献9】日本の公開特許公報:2007−016171
【特許文献10】WO 2007/145047 Al
【特許文献11】EP 1 880 983
【特許文献12】庁内整理番号(internal file reference)08SGL0020DEPもしくはP 3156を有し、「Optik−Konverter−System fur (W)LEDs(Optical Converter System for (W)LEDs)」という名称の出願
【特許文献13】庁内整理番号08SGL0060DEPもしくはP 3063を有し、「Gehause fur LEDs mit hoher Leistung(Housing for LEDs with High Power)」という名称の出願
【非特許文献】
【0028】
【非特許文献1】EC指令2002/95/EC
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明は、異なる波長の光、またはそれらのスペクトル曲線に関して特徴の異なるスペクトルの光を加法混色することによって、白色または着色光を生成するための、少なくとも1種の発光団が埋め込まれたマトリックスガラスを有する無機波長変換材料を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
この問題は、請求項1に記載の特徴を有する変換材料によって解決され、その材料は、好ましくは、方法22の特徴を有する方法に従って製造される。利点のある実施形態は、個々の従属請求項の主題である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】、図1は、積分球3による、マトリックスガラスの試料2の、パラメータThalf(上)およびTforward(下)の測定を示す。
【図2】図2は、粒子の直径の関数としての、粒径分布の累積値を示す。
【図3】図3は、実施例IからIIIについて、光の波長の関数としての透過ThalfおよびTforwardを示す。
【図4】図4は、実施例IVおよびVについて、光の波長の関数としての透過ThalfおよびTforwardを示す。
【図5】図5は、Thalf/Tforwardの比を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
前記変換材料はガラスを含み、このガラスは、以後、マトリックスまたはマトリックスガラスとも呼ばれる。マトリックスガラスの出発材料は、バルク/嵩のある材料の状態で、またはそれから得られる、ほぐれた粉末として存在する。
【0033】
前記バルク材料または嵩のある材料は、その製造後の、すなわち、その融解後で、フリットの生成前および/またはガラスを粉末に粉砕する前のマトリックスガラスを表す。したがって、バルク材料は、成形体(compact)、または溶融ガラス体である。それは、均一な密度の固体の材料または物体である。バルク材料は、例えば、ガラス板またはガラスブロックとして存在し得る。
【0034】
本発明の骨格として特に存在するのは、変換材料であり、これは、約1mmの厚さdを有するバルク材料として、350nmから800nmの波長領域において、および1次光源が発光する領域において、80%を超える、純粋透過率(pure transmission)τを有する、マトリックスガラスを含み、
ここで、マトリックスガラスは、粒径d10≧0.7μm、d50≧3μm、およびd90≦150μmという粒径分布を有する粉末から、焼結されたコンパクトとして、構築される。その使用される準備の整った状態において、変換材料は、少なくとも1種の発光団をさらに含む。そのとき、この少なくとも1種の発光団は、マトリックスガラスに埋め込まれている、または組み込まれている。
【0035】
コンバーターは、特に、1次光源として、半導体光源を含む、白色または着色光源に適している。
【0036】
焼結されたコンパクトは、また、焼結ガラス体とも呼ばれる。それは、マトリックスガラスによって形成され、マトリックスガラスは、粉末に粉砕された後、焼結によって結合(bonded)される。マトリックスガラスは粉砕される。粉末はモールドに入れられる。焼結コンパクトは粉末の焼結によって形成される。
【0037】
本発明に従う粒径分布、d10≧0.7μm、d50≧3μm、およびd90≦150μmは、粉末で求められる。
【0038】
埋め込まれた発光団なしの焼結コンパクトに対して、350nmから800nmのスペクトル領域において、および1次光源が発光するスペクトル領域において、透過率と反射率の合計が、少なくとも80%を超え、好ましくは85%を超え、最も好ましくは90%を超えるように、好ましくは、焼結コンパクトは焼結され、および/または、粒径分布が選択される。
【0039】
特に、350nmから800nmのスペクトル領域において、Thalf:Tforwardの比が、1<Thalf:Tforward≦70になるように、焼結コンパクトは焼結され、および/または、粒径分布が選択される。この比は、その透過および/または散乱挙動に関して、製造される焼結コンパクトの特性を可能にする。さらなる詳細、ならびにパラメータThalfおよびTforwardの定義については、図1に関連する下の記載が参照される。
【0040】
また、本発明の範囲内にあるのは、1次光源として、半導体光源を含む、白色または着色光源のための変換材料であり、これは、
純粋なガラス体として、約1mmの厚さdで、350nmから800nmの波長領域において、および1次光源が発光する領域において、80%を超える、純粋透過率τを有し、
さらには、d10≧0.7μm、d50≧3μm、およびd90≦150μmの粒径分布を有する粉末から得られる粉砕されたガラス、それから得られ、モールドに置かれるグリーンコンパクト、ならびに、発光団なしに、焼結によって後で作製される焼結ガラス体の透過率と反射率の合計、
350nmから800nmのスペクトル領域において、および1次光源が発光するスペクトル領域において、少なくとも80%を超え、
さらには、350nmから800nmのスペクトル領域において、この焼結コンパクトのThalf:Tforwardの比が、1<Thalf:Tforward≦70である、
マトリックスガラスを含む。グリーンコンパクトは、焼結工程に供給される、粉末からなる物体である。
【0041】
本発明者等は、このようなマトリックスガラス、および特にそれから生成されるガラス粉末(これは、焼結後に、埋め込まれた発光団のマトリックスとなる)の特性は、コンバーターの光学的性質に決定的な影響を及ぼすことを確認した。
【0042】
本発明者等は、一方では、マトリックスガラスの粒径の大きさおよび分布が、焼結マトリックスガラス(無ドーピング)およびコンバーターエレメント(蛍光体によりドーピング)の光学的性質に、かなりの影響を及ぼすことを確認した。他方で、本発明者等は、また、選ばれる粒径は、より大きな直径に向かうに従い、焼結マトリックスガラス(無ドーピング)およびコンバーターエレメント(蛍光体によりドーピング)の光学的性質に、利点のある影響を及ぼすことも確認した。これは、先行技術と対照をなし、先行技術によれば、むしろ小さい粒径を有する粉末−例えば、約2.5μm未満の平均直径d50を有するもの−を供用する試みがなされた。
【0043】
この場合に広く一般に存在する見解は、粗すぎる粒子は焼結コンパクトの空隙率を増すことに繋がり、そのため、これは、制御不能の多数の散乱中心という結果を生じると推定され、それゆえに、結果は、制御された仕方で調節され得ない、コンバーターエレメントの光学的要件であることが予想され得る、という仮定から生じる。このようにして製造された物体またはコンバーターエレメントの効率は、満足のできないレベルに低下すると思われた。
【0044】
本発明者等は、対照的に、本発明に従う粒径分布によって、透過、反射、吸収、および/または散乱からなる、光学に関連する要件は、目標の仕方で、調節または変更できることを見出した。加えて、彼らは、大きなまたは粗い粒子は、結果的に、ほぼ透明な焼結コンパクトに導き、さらに、一層容易に焼結できることを見出した。
【0045】
本発明において透明マトリックスとして用いられるのは、好ましい実施形態の第1グループにおいて、熱膨張係数が3K−1と11・10−6−1の間にあり、屈折率nが1.6以上の値を呈するガラスである。
【0046】
前記マトリックスガラスは、用いられる蛍光体(例えば、Ce:YAG)が、融解/アニーリング/焼結の間に、全く、または注目に値する程度に、攻撃される、もしくは溶け出すということ(これは、その機能の、少なくとも制限を、または全ての喪失を生じると推定される)がない点に、さらに特徴がある。
【0047】
融解/アニーリング/焼結の後で得られる物質は、また、以下では、焼結コンパクトとも呼ばれ、でなければ、コンバーターもしくは変換材料と呼ばれる。
【0048】
マトリックスガラスの組成は、毒性のある、および/または環境に問題のある成分を含まない。
【0049】
変換材料の使用状態において、変換材料は、1μmと50μmとの間、特に好ましくは1μmと20μmの間、最も好ましくは1μmと15μmの間の平均直径d50を有する粒径をもつ少なくとも1種の発光団を含む。
【0050】
本発明の代替または追加の実施形態において、変換材料は、300nm未満、特に好ましくは100nm未満、最も好ましくは40nm未満の平均直径d50を有する粒径をもつ少なくとも1種の発光団を含む。
【0051】
1次放射は、発光団の添加により、吸収される。生成される2次放射は、1次放射と同様に、さらに散乱される。適切な吸収、従って1次放射の変換を保証するために、1次放射の散乱は大きすぎるべきではない。これは、比較的大きな発光団粒子(1μmと50μmの間、特に好ましくは1μmと20μmの間、最も好ましくは1μmと15μmの間のd50)によるか、さもなければ、ナノスケール粒子(300nm未満、特に好ましくは100nm未満、最も好ましくは40nm未満のd50)によるかのいずれかで実現される。発光団粒子が大きすぎると、それらは、焼結工程において加工することが難しい。さらに、実際に使用できる粒径は、変換エレメントの厚さ(通常<250μm)によって決定される上限を有する。
【0052】
また、本発明の範囲内にあるのは、変換材料の製造方法である。この製造は、ガラス原材料を融解すること、溶融物を、例えば水(または、冷却されたロールの間)に注ぐことによるフリット(または薄い破片)の生成、ガラス粉末へのフリットの粉砕、蛍光物質(蛍光体)によるマトリックスガラス粉末の処理、および、新しいガラス体/ガラスマトリックスコンポジット材料、コンバーターを形成するための、例えば焼結のような、熱処理を経て、好ましくは行われる。粉末へのマトリックスガラスの粉砕は、粉末が、粒径d10≧0.7μm、d50≧3μm、およびd90≦150μmの粒径分布を有する様に行われる。
【0053】
前記方法は、本発明による変換材料の製造に特に適している。
【0054】
一実施形態において、焼結は、特定の雰囲気内で行われる。この特定の雰囲気は、好ましくは、窒素、フォーミングガス、および/またはアルゴンによって、あるいは、減圧として、例えば、10−6mbarに下がった真空として与えられる。このタイプの工程計画は、外部の影響に対して、例えば酸化または還元に対して、発光団を保護する。さらに、特定のガラスへの埋め込みは、それによって、ともかく可能になる。さらに、このようにして、マトリックスガラスおよび/または発光団を特定のレドックス状態に調節することも可能である。減圧下での焼結によって、見込まれるポアの大きさおよび/または数を調節することができる、または最低限にすることが可能である。代替または追加として、これは、また、加圧(1軸または等方)焼結によっても実現でき、この場合、特定の雰囲気の調節は、加工される材料の組合せに対して利点のあるパラメータに従うように、注意を払われるべきである。これは、100barから3000bar、好ましくは500barから2500bar、最も好ましくは500barから1500barの範囲の圧力で行われる。次に、この熱処理は、ガラスの軟化点(EW)を約150K超えるまでの温度範囲で、あるいは、用いられるガラスの粘度が、h=1014dPasとh=10dPasの間、好ましくは、h=1013.5dPasとh=10dPasの間、特に好ましくは、h=1010dPasとh=10dPasの間の範囲にあるようにして、行われる。この場合、アニーリングは、0分から300分、好ましくは15分から300分、特に好ましくは100分から180分の範囲の保持時間で実施され得る。
【0055】
1μmと50μmの間、特に好ましくは1μmと20μmの間、最も好ましくは1μmと15μmの間の平均粒径d50を有する粒径をもつ発光団、例えば、Ce:YAG−が用いられる。代替または追加として、300nm未満、特に好ましくは100nm未満、最も好ましくは40nm未満の平均粒径d50を有する粒径をもつ発光団が、用いられる。
【0056】
前記方法の別の実施形態において、発光団は、前処理、好ましくは前熱処理を受ける。その温度は、発光団のタイプに応じて選択されるべきである。好ましくは、前処理は、特定の雰囲気内で行われる。これは、特に、窒素、フォーミングガス、および/またはアルゴンによって、あるいは、減圧として、例えば、10−6mbarに下がった真空として与えられる。
【0057】
本発明の別の実施形態において、例えば、焼結の間のガラスによる蛍光体の化学的攻撃に対する保護(またこの逆も)のための保護層、あるいは、例えば、LEDシステムにおける湿気に対するバリア層として備えられるものが、発光団の表面または外側に形成される。これは、マトリックスガラスとブレンドする前に行われる。この保護層は、発光団を、環境の影響および/または熱の影響から「遮蔽する」。発光団はカプセル化される。結果的に、発光団の劣化は防ぐことができる、または、少なくとも減少できる。保護層は、任意選択で、無機物であり得る。それは、例えば、湿式化学法、ゾル−ゲル法、PVDおよび/またはCVDによって、形成される、または被覆される。
【0058】
代替または追加として、最終加工され、後加工された変換エレメントは、また、例えば前記方法の1つに従って、保護層を付けられてもよい。例えば、湿気に対するバリア層は、保護層の1つの可能な実施形態を与える。
【0059】
前記方法の拡張として、焼結後に、焼結コンパクトへの、さらなる温度支援、および任意選択で圧力支援(1軸または等方)処理が行われる。結果的に、変換材料またはドーピングされていない焼結マトリックスガラスの、すでに上に記載された、光学的要件が、さらに最適に調節され、固体コンポジットが実現され、および/または見込まれる張力(tension)が除かれる。
【0060】
一実施形態において、前記のさらなるアニーリングは、第2の焼結である。このさらなるアニーリングは、250barから2500bar、好ましくは500barから1500barの範囲の圧力で好ましくは実施される。さらに、さらなるアニーリングは、用いられるガラスの粘度が、h=1014dPasとh=10dPasの間、好ましくは、h=1013.5dPasとh=10dPasの間、特に好ましくは、h=1010dPasとh=10dPasの間の範囲にあるような温度で、行われる。この場合、さらなるアニーリングは、30分から600分、好ましくは60分から300分、特に好ましくは100分から180分の範囲の保持時間で、実施される。ガラスマトリックスは、純粋で、コンパクトな、融合したガラス体またはガラス板(上記でバルク材料とも呼ばれている)としてでさえ、上記の工程による固有の色を有せず、したがって、1次光および2次光のどちらも、理想的な仕方で変わらない(これは、それらが、吸収による減衰またはスペクトル変化なしに、混合色に用いられることを意味する)ことをさらに特徴とする。
【0061】
したがって、一般に、これにより、波長wもしくはスペクトル波長領域wの光を、スペクトル波長領域wの波長wの光に、あるいは、n種の発光団が用いられる場合、合わせて、基本スペクトル分布、z+z+・・・+z(因子zは、混合色に含まれる関連する波長もしくは波長領域の比率および色強度を与える)を有する光を得るために、波長wの光もしくはスペクトル波長領域wの光に変換することが考えられる。発光団の励起スペクトルに相当する光を、少なくとも一部は、そのスペクトルが放出する、例えばLED(発光ダイオード)またはLD(レーザーダイオード)のような、1次光源に基づけば、このことは別の波長の光の放出に繋がる。用いられる光源は、少なくとも部分的に他の波長に変換されなかったそれ自体の光との混合に寄与できるが、必ずしもそうする必要はない。
【0062】
したがって、また、
・熱的および化学的に安定であり、環境の影響に対して安定である、
・環境に問題のある如何なる成分も、または健康に問題のある如何なる成分も含んでいない、
・複雑な方法を用いないで、したがって費用を掛けずに、バルクに製造できる、
・埋め込まれる発光団に対して化学的に不活性を示す(またこの逆)、
・発光団を含まない、変換材料のマトリックスとして生成する際に如何なる固有の色も本質的に有さない(1)、また、(2)発光団を含む場合、その吸収帯のスペクトル領域において、特に本発明に従う粒径分布では、低反射(後方散乱)を有する、詳細には、
○マトリックスガラスは、バルク材料/ガラスとして、厚さd=1mmのマトリックスガラスを通る放射に対して、高い純粋透過率τ>80%を有し、350nmから800nmの波長範囲に吸収帯が本質的にないこと、および
○単独で焼結された(すなわち、ドーピングなし)マトリックスガラスの、好ましくは350nmから800nmのスペクトル領域(1つまたは複数の1次光源のスペクトル領域を含む)における、透過率および反射率の合計は、少なくとも>80%、好ましくは>85%、最も好ましくは>90%である、
○および/または、これらのスペクトル領域に渡って確定された反射および透過の差に寄与する最大および最小が、40%以上の、好ましくは25%にすぎない、最も好ましくは15%にすぎない、差でないこと、
○および/または、焼結状態で発光団によりドーピングされたマトリックスガラスの反射率は、1次光源のスペクトル領域において、<30%、好ましくは<25%、最も好ましくは<15%であること、および
○および/または、焼結状態で発光団によりドーピングされたマトリックスガラスの透過率と反射率の合計は、1次光源のスペクトル領域を除いて、350nmから800nmのスペクトル領域において、少なくとも>80%、好ましくは>85%、最も好ましくは>90%である、
○および/または、これらのスペクトル領域に渡って確定された反射および透過の差に寄与する最大および最小が、40%以上の、好ましくは25%にすぎない、最も好ましくは15%にすぎない、差でないこと
・ならびに/あるいは、好ましい実施形態の第1グループでは、1.6以上の屈折率を有する、
無機マトリックス材料/マトリックスガラスを提供することにも利点がある。
【0063】
それゆえに可能になるのは、さらなる光の色の生成に関する一般性を制限することなく、合わせて、白色光または生理学的に白色光の色の印象を得るための、青色光の黄色光への変換である。白色光は、以下において、可視光の完全なスペクトルだけでなく、むしろ、特に、少なくともヒトに、白色光の印象を生じさせる任意の種類の光もまた表す。
【0064】
特に、本発明は、好ましくは、以下を含む:
−合わせて、白色光の色の印象を得るための、発光団による、1次光源の青色光の、黄色光への変換。特別な場合は、青色LED、およびCe:YAGタイプの発光団(約560nmの波長領域に発光を有する)に基づき、白色と感じられる光源の製造である。
−合わせて、(RGBまたはRGGBの混合として)白色光を得るための、それぞれの場合に少なくとも1種の適切な発光団による、青色光の、黄色および/または赤色および/または緑色の光への変換。
合わせて、特定の色の光を得るための、それぞれの場合に少なくとも1種の適切な発光団による、青色光の、黄色および/または赤色および/または緑色の光への変換。
好ましい発光団は、ホスト材料として、酸化物、窒化物、オキシ窒化物、硫化物、オキシ硫化物、ハロゲン化物、ハロゲン酸化物、ハロゲン硫化物、テルル化物、およびセレン化物を含む群からの少なくとも1種の物質を含み、ホスト材料は、希土類(Ce、Eu、Tb、Gd、・・・)、遷移金属(Cr、Mn)、重金属(Tl、Pb、Bi)を含む群からの少なくとも1種の物質によりドーピングされている。
【0065】
記載された場合におけるUV光の変換では、青色スペクトル領域を放出するさらに1種の発光団が、それぞれの場合に、必要とされる。
【0066】
[第1グループのガラスおよびガラス類]
本発明に従う好ましいマトリックスガラスの第1グループは、次の特性を有する。
a.)1.6以上の屈折率、マトリックスガラスは、1.6以上、好ましくは1.65〜2.0、好ましくは1.8〜1.95の屈折率を有し、このため、発光団に合致する(特に、Ce:YAGのnは約1.8)。
b.)半導体エレメントの材料の屈折率との相違は、「最小限になる」、この屈折率は、半導体エレメントの構成に応じて、例えば、1.8(サファイア)、2.5(GaNもしくはInGaN)、3.5(AlInGaP)である。特に、コンバーターおよび半導体エレメントの直接接触において、この合致は、コンバーターへ光を効率的に送るために、可能な範囲内で、重要である。
c.)このマトリックスガラスは、本質的に、固有の色を有さない、これは、以下のことを含む。
○マトリックスガラスは、バルク材料/ガラスとして、d=1mmで、高い純粋透過率τ>80%を有し、350nmから850nmの波長領域において吸収帯を有さないこと、
○特に本発明に従う粒径分布、d10≧0.7μm、d50≧3μm、およびd90≦150μmの場合に、単独で焼結された(すなわち、ドーピングなし)、ベースガラス/ガラスマトリックスの透過率と反射率の合計は、350nmから800nmのスペクトル領域(それぞれの1次光源のスペクトル領域を含む)において、少なくとも>80%、好ましくは>85%、最も好ましくは>90%であること(1次光源が発光する範囲内のスペクトル領域が、1次光源のスペクトル領域と呼ばれている)、
○さらには、これらのスペクトル領域に渡って確定された反射および透過の差に寄与する最大および最少が、40%以上の、好ましくは25%にすぎない、最も好ましくは15%にすぎない、差でないこと、
○焼結状態で発光団によりドーピングされたマトリックスガラスの反射率は、1次光源のスペクトル領域において、<30%、好ましくは<25、最も好ましくは<15%であること、および
○焼結状態で発光団によりドーピングされたマトリックスガラスの透過率と反射率の合計は、1次光源のスペクトル領域を除いて、350nmから800nmのスペクトル領域において、少なくとも>80%、好ましくは>85%、最も好ましくは>90%であること、
○さらには、これらのスペクトル領域に渡って確定された反射および透過の差に寄与する最大および最少が、40%以上の、好ましくは25%にすぎない、最も好ましくは15%にすぎない、差でないこと。
【0067】
本発明に従うマトリックスガラスで、やはり有利であるのは、広い範囲で調節できるコンバーターの厚さである(約30μmから数1000μm)。これは、非常に効率的な変換材料を提供する場合に、大きな設計上の自由に繋がるが、理由は、発光団の濃度および絶対量を独立に変えることができ、このため、マトリックスガラスおよび1次光源を備える光源の色座標と効率を最適に調節できるためである。
【0068】
非常に有利であるのは、また、埋め込まれる蛍光体に対する化学的不活性である(逆の場合も同じであり)、これは、マトリックスガラスに対する、埋め込まれる蛍光体または発光団の化学的不活性を意味する。
【0069】
さらに、非常に有利であるのは、ガラスマトリックスと発光団が互いに対して不活性であるだけでなく、また高められた温度で互いに反応しないとき、あるいは、反応する場合に、発光団の特性が悪影響を受けない。これは、コンバーターの製造の場合、および得られる光源の動作中の両方で、当てはまる。
【0070】
また、有利であるのは、確立された工業的プロセスで、その工程を実施できることであり、これは、簡単な、妥当なコストでの最終形態の製造、または最終形態に近い製造、さらには、特殊なコンバーターの実現(例えば、発光団のドーピングの勾配、付加的な光学エレメント)を許容する。
【0071】
以下のガラスおよびガラス類は、本発明での必要条件を、驚くべき仕方で、非常によく満たす:
少量の亜鉛を含むランタンホウケイ酸塩ガラス、少量のイットリウムを含むアルミニウムホウケイ酸塩、およびアルカリ土類ケイ酸塩。
【0072】
実例となるガラスは、次の通りである:
・N−LaSF40(SCHOTT AG)、N−LASF46(SCHOTT AG)、
・P−LaSF47(SCHOTT AG)、K−VC89(Sumita)、
・N−KzFS5(SCHOTT AG)、S−NBH5(Ohara)、
・N−KzFS8(SCHOTT AG)、
・1.6以上のnを有するY含有ガラス(SCHOTT AG):N−LAK9、N−LAK33A、N−LAK34、N−LAF2、N−LAF7、N−LAF21、N−LAF34、N−LASF44、P−LASF47、およびK−LAFK60(Sumita)。
【0073】
さらに、本発明により、とりわけ、変換材料のためのガラスマトリックスを提供することが、有利にも可能であり、そのガラスマトリックスでは、特にまた環境保全への考慮によって、TlO、TeO、およびAsを用いないで、好ましくは、また、Bi成分も用いないで、望まれ、利点のある光学的性質(n/ν)が、同時に比較的低い加工温度で、可能となる。
【0074】
これらのガラスは、マトリックスガラスとして、如何なるヘーズ、結晶化、および固有の着色も有するべきでなく、さらに、固有の色なしに焼結可能で、後に含められる発光団に対して、可能な限り僅かに、化学的に反応性であるべきである。
【0075】
本発明に従うマトリックスガラスの第1グループでは、これらは、n≧1.6の屈折率nを、また好ましくは、比較的低い加工温度を有する。それらは、また、溶融および加工が容易であるべきであり、さらには、適切な失透に対する安定性を有するべきであり、このことは、連続運転される設備でのガラスの製造を可能にする。
【0076】
提供されるのは、特に、ヒ素を含まず、好ましくはBiを含まず、n≧1.6の屈折率nを有するガラスであり、これは以下の成分を含む(酸化物に対するwt%で)。
【実施例】
【0077】
次の表は、第1グループの実施例2から4を含む。
【0078】
【表1】

【0079】
次の表は、第1グループの実施例5を含む。
【0080】
【表2】

【0081】
次の表は、第1グループの実施例6を含む。
【0082】
【表3】

【0083】
好ましくは、
【0084】
【表4】

である。
【0085】
本発明によるガラスは、好ましくは、また、着色成分、および/または、光学的にアクティブな成分、さらにはレーザーにアクティブな成分を含まない。
【0086】
特に、好ましくは、本発明に従うガラスは、例えば、AgOもしくはBiのような、酸化を受け易い成分を含まない、および/または、例えば、Tl、Te、Be、およびAsの酸化物のような、毒性成分もしくは健康に有害な成分を含まない。
【0087】
本発明の別の実施形態によれば、この説明および特許請求の範囲に記載のガラスは、また、好ましくは、特許請求の範囲に挙げられていない他の成分を含まない。すなわち、このような付加的な実施形態によれば、ガラスは、挙げられている成分を、本質的には含む。「本質的には含む」という表現は、この場合、他の成分はせいぜい不純物として存在するだけであり、別個の成分として意図的にガラス組成物に添加されないことを意味する。
【0088】
本発明に従うガラスは、通常の清澄剤を少量、含み得る。好ましくは、添加される清澄剤の合計は、多くても2.0wt%、より好ましくは、多くても1.0wt%である。清澄剤として、本発明に従うガラスは、次の成分の少なくとも1つを含み得る(wt%で、残りのガラス組成物に付加して)。
【0089】
【表5】

【0090】
フッ素、およびフッ素含有化合物は、また、溶融および溶解操作の間、および焼結工程の間に、蒸発する傾向があり、結果的に、ガラスの組成を、または焼結後に、ガラスマトリックスを、精密に調節することを、一層難しくする。そのため、本発明に従うガラスは、好ましくは、また、フッ素を含まない。
【0091】
前記の表は、好ましい組成範囲の例示的実施形態を含む。実施例に記載のガラスは、様々なプロセスパラメータを用いて製造されたが、これらのパラメータは、ガラスの物理的性質に関連する。
【0092】
[マトリックスガラスの製造の例示的実施形態]
[製造実施例6の製造]
酸化物に対しての原材料を秤量し、1種または複数の清澄剤、例えば、Asを加え、次いで、よく混ぜる。ガラスの計量した量を、連続的でない溶融設備で、約1330℃で溶融し、その後、清澄化し(1380℃)、均質化する。約1380℃の注ぎ温度で、ガラスは、注がれ、例えばリボンのような所望の寸法に加工できる。大容量の連続設備では、温度は、経験によれば、少なくとも約100Kだけ下げられ得る。
【0093】
リボンは、ガラスを、2つのロールの上に注ぐことによって得られる。リボンは、破片よりも、焼結の前駆体である粉末に、より粉砕され得る。
【0094】
【表6】

【0095】
こうして得られたガラスの性質は、実施例6として次の表に記載されている。
【0096】
【表7】

【0097】
[変換材料の製造方法の好ましい例示的実施形態]
本発明による実施形態の第1グループおよび第2グループの両方について以下に記載される実施例は、それぞれの場合に、本質的に同じ製造方法に従う。
【0098】
d10≧0.7μm、d50≧3μm、およびd90≦150μmという分布を有する粒径に粉砕された、出発ガラスの粉末を、1μmと50μmの間、特に好ましくは1μmと20μmの間、最も好ましくは1μmと15μmの間の平均直径d50を有する粒径をもつ発光団(例えば、Ce:YAG)と共に、重量パーセントに基づいて秤量し、混合設備、例えば、Turbulaタンブリングミキサー(T2C型/Willi A. Bachofen社/バーゼル)、もしくはSpeedmix(DAC 150 FVZ型/Hauschildt Engineering)で、1分から120分間、好ましくは1分から5分間(Speedmix)、もしくは15分から120分間(Turbula)、最も好ましくは1分から3分間(Speedmix)、もしくは60分から120分間(Turbula)、ブレンドする。
【0099】
ここで、d50、または代わりに中央値は、粒子の50%が、この所定の値より細かく、50%がより粗い、粒径を与える値である。
【0100】
また、使用され得るナノスケールの蛍光体、すなわち、数ナノメートルの範囲、特に100nm未満から200nmの範囲の外径を有する発光団もまた存在する。
【0101】
粉末混合物、あるいは純粋なガラス粉末は、次に、約10mm、好ましくは5mm、最も好ましくは5mm未満であるが、少なくとも1mmの直径、および約3mmまたは1mmまたは0.5mmから0.1mmの高さを有する粉体が調製され得るような仕方で、小分けにされる。
【0102】
バルクは、バルクの境界を定める、例えば、チューブもしくはリング状のエレメントで熱的に安定な基材上に堆積され、手作業で圧縮される、および/または、1軸(例えば、Paul Weber社;PW40型のプレス)および/もしくは冷間静水圧(Paul Weber社;KIP500E型プレス)のプレス工程に供給され、この工程は、慣例の加工補助具の追加によって最適に設計され得る。1軸プレスの圧力範囲は、100barから5000bar、好ましくは500barから2500barである。これは、後に、境界を定める外側のものを、取り除くことができる様な仕方で行われる。
【0103】
その後、試料のアニーリングが、マトリックスガラスに、それらの軟化温度の観点で適する温度および時間の要件(加熱速度および保持時間)で行われる。ガラスの粘度曲線の勾配に応じて、一般的制限なしに、目標とするアニーリング温度Tは、EW(軟化温度)とVa(加工温度)の間の範囲に、通常、EW+150Kの要件内にある、あるいは、用いられるガラスの粘度が、h=1014dPasとh=10dPasの間、好ましくは、h=1013.5dPasとh=10dPasの間、特に好ましくは、h=1010dPasとh=10dPasの間の範囲にあるような温度範囲にある。加熱は、オーブン内で、バルク、または、場合によっては、いくつかのバルクに対して、平衡化温度レベルと見なすことが可能であるように行われる。
【0104】
特に、この場合に選択される時間要件は、通常、アニーリング設備のタイプ、大きさ、および構造(制御も)に応じて決まる。ここにあるオーブン(Nabertherm N70/H型;Naber C16コントロールおよびEurotherm 2604型)では、1K/分から30K/分、好ましくは1K/分から20K/分、最も好ましくは1K/分から10K/分の、目標とする温度までの加熱速度、および、オーブンの特性曲線による冷却の前の、0分から60分、好ましくは0分から30分、最も好ましくは10分から30分の保持時間が有用であると分かった。
【0105】
1回または複数のアニーリングの後、こうして生成したガラスマトリックスおよび少なくとも1種の発光団を含むコンポジット体は、粒径<1μm(片面)の研削(grinding)剤および/または研磨(polishing)剤を用いて、後加工され、その結果、両側で、もしくは片側で加工されていない、または両側で研磨された表面がある。
【0106】
反射および透過の光学的データの測定は、前記パラメータを求めるために、通常の分光計(例えば、Perkin Elmer Lambda 9または900)で、試料を積分球の前面に(透過)または背面に(反射)置いて、250nmから2500nmの波長範囲においてであるが、少なくとも300nmから800nmの範囲で行われた。パラメータThalfおよびTforwardの決定は、また、積分球によって行われる。さらなる詳細については、図1に関する記述が参照される。
【0107】
ガラスマトリックスに埋め込まれた発光団の内部変換量子収率は、埋め込まれていない発光団の内部変換量子収率に対して、20%以下だけ、好ましくは10%以下だけ、最も好ましくは5%以下だけ低下した。内部変換量子収率は、それぞれの場合に、発光団における励起による光遷移の減衰時間によって測定された。
【0108】
【表8】

【0109】
[第2グループのガラスおよびガラス類]
以下に記載される、例示的実施形態の第2の好ましいグループのガラスおよびガラス類は、本発明に従う必要条件を、同様に満たすが、1.6未満の屈折率を有する。
【0110】
これらのガラスの屈折率は、好ましくは1.43から1.6、最も好ましくは1.45から1.49にある。結果的に、これらのガラスは、周囲のポリマー(1.3と1.6の間のnを有するポリマーを含むエポキシドまたはシリコーン)の光源/ユニットの屈折率に、比較的よく合致している。
【0111】
さらに、空気の屈折率、これは、最終的に、全光源システムを取り囲む媒体、との違いは、著しく小さくなる。
【0112】
この合致は、コンバーターを通過する励起光(例えば、青色LEDの光)、さらにはコンバーターで生成した光を、コンバーターから効率的に取り出す(out−couple)ために、半導体エレメントおよびさらなる周囲の(コンポーネント)エレメントに対するコンバーター材料の間接的な接触において重要である。ここで、間接的接触は、直接の機械的接触のない配置構成を意味すると理解されており、これは、特に、伝播する光(disseminating light)のエバネッセント場(これらの場は、個々の材料を取り囲む)が、測定できるほどには全く重ならない、または本質的に全然重ならないことを意味する。
【0113】
このグループの好ましいガラスは、例えば、リン酸亜鉛、ホウケイ酸塩、アルミニウムホウケイ酸塩、およびアルカリ土類ケイ酸塩を含む。
【0114】
実例となるガラスは、次の通りである:
・BF33/BF40(SCHOTT AG)、Pyrex(Corning)
・8250(SCHOTT AG)
・AF32(SCHOTT AG)、AF37(SCHOTT AG)、AF45(SCHOTT AG)、1737(Corning)、Eagle 2000(Corning)、Eagle XG(Corning)
・N−SK 57(SCHOTT AG)
・D263(SCHOTT AG)
・光学ガラスK−PBK40(Sumita)、K−CSK120(Sumita)、P−SK5(Hikari)、K−PSK50(Sumita)、D−K9L(GDGM)、D−ZK2(GDGM)、D−ZK3 (GDGM)
【0115】
利点をもって本発明により提供されるのは、とりわけ、変換材料のためのガラスマトリックスであり、そのガラスマトリックスでは、特に環境保全への考慮によって、TlO、TeO、およびAsを用いないで、好ましくは、また、Bi成分もなしに、望まれ、利点のある光学的性質(n/ν)が、同時に比較的低い加工温度で、可能となる。
【0116】
これらのガラスは、マトリックスガラスとして、如何なるヘーズ、結晶化、および固有の着色も有さず、さらに、固有の着色なしに焼結可能である。この場合、これらのガラスは、使用した発光団に対して、ほんの僅かに化学的に反応性である。
【0117】
さらに、これらのガラスは、融解および加工が容易であり、偏析および結晶化に対する適切な安定性を有し、このことは、連続運転される設備でのガラスの製造を可能にする。
【0118】
特に、ヒ素を含まず、好ましくはBiを含まず、n<1.6の屈折率nを有するガラスが提供され、これは以下の成分を含む(酸化物に対するwt%で)。
【0119】
次の表は、第2グループの実施例1を含む。
【0120】
【表9】

【0121】
好ましくは、
【0122】
【表10】

である。
【0123】
次の表は、第2グループの実施例2を含む。
【0124】
【表11】

【0125】
好ましくは、
【0126】
【表12】

である。
【0127】
次の表は、第2グループの実施例3を含む。
【0128】
【表13】

【0129】
好ましくは、
【0130】
【表14】

である。
【0131】
次の表は、第2グループの実施例5を含む。
【0132】
【表15】

【0133】
次の表は、第2グループの実施例6を含む。
【0134】
【表16】

【0135】
本発明に従うガラスは、好ましくは、また、着色成分、および/または、光学的に活性な成分、さらにはレーザーに活性な成分を含まない。
【0136】
特に、好ましくは、本発明に従うガラスは、また、例えば、AgOもしくはBiのような、酸化を受け易い成分を含まない、および/または、例えば、Tl、Te、Be、およびAsの酸化物のような、毒性成分もしくは健康に有害な成分を含まない。どのような場合でも、ガラスは、好ましくは、ヒ素を含まない。
【0137】
本発明の実施形態によれば、好ましくは、ガラスは、また、特許請求の範囲に挙げられていない他の成分を含まない。すなわち、このような付加的な実施形態によれば、ガラスは、挙げられている成分を、本質的には含む。
【0138】
「本質的には含む」とは、この場合、他の成分はせいぜい不純物として存在するだけであり、別個の成分として意図的にガラス組成物に添加されないことを意味する。
【0139】
本発明に従うガラスは、通常の清澄剤を少量、含み得る。好ましくは、添加される清澄剤の合計は、多くても2.0wt%、より好ましくは、多くても1.0wt%である。清澄剤として、本発明に従うガラスは、次の成分の少なくとも1つを含み得る(wt%で、残りのガラス組成物に付加して)。
【0140】
【表17】

【0141】
フッ素、およびフッ素含有化合物は、また、溶融および溶解操作の間、および焼結工程の間に、蒸発する傾向があり、結果的に、ガラスの組成、または焼結後に、ガラスマトリックスを精密に調節することを、一層難しくする。そのため、本発明に従うガラスは、好ましくは、また、フッ素を含まない。
【0142】
実施例に記載のガラスは、様々なプロセスパラメータを用いて製造されたが、これらのパラメータは、ガラスの物理的性質に関連する。
【0143】
製造実施例2
酸化物に対しての原材料を秤量し、1種または複数の清澄剤、例えば、Sbを加え、次いで、よく混ぜる。ガラスの計量した量を、連続的でない溶融設備で、約1320℃で溶融し、後で、清澄化し(1370℃)、均質化する。約1320℃の注ぎ温度で、ガラスは、注がれ、例えばリボンのような所望の寸法に加工できる。大容量の連続設備では、温度は、経験によれば、少なくとも約100Kだけ下げられ得る。リボンは、ガラスを、2つのロールの上に注ぐことによって得られる。リボンは、破片よりも、焼結の前駆体である粉末に、より粉砕され得る。
【0144】
【表18】

【0145】
こうして得られたガラスの性質が、実施例8として次の表5に記載されている。
【0146】
【表19】

【0147】
[変換材料の製造のさらなる例示的実施形態]
第2グループのガラスに関して下に記載される実施例は、それぞれの場合に、本質的に同じ製造方法(これについては、第1グループのガラスを参照)に従う。さらなる、または欠けている詳細については、先の説明が参照される。
【0148】
d10≧0.7μm、d50≧3μm、およびd90≦150μmという分布を有する粒径に粉砕された、出発ガラスの粉末を、1μmと50μmの間、特に好ましくは1μmと20μmの間、最も好ましくは1μmと15μmの間の平均直径d50を有する粒径をもつ発光団(例えば、Ce:YAG)と共に、重量パーセントに基づいて秤量し、混合設備(例えば、Turbulaタンブリングミキサー(T2C型/Willi A. Bachofen社/バーゼル)、もしくはSpeedmix(DAC 150 FVZ型/Hauschildt Engineering))で、1分から120分間、好ましくは1分から5分間(Speedmix)もしくは15分から120分間(Turbula)、最も好ましくは1分から3分間(Speedmix)もしくは60分から120分間(Turbula)、ブレンドする。
【0149】
粉末混合物、でなければ純粋なガラス粉末は、次に、約12mm/8mm/<5mmの直径、および約3mm/2mm/1mmの高さを有する粉体が作製され得るような仕方で、小分けにされる。
【0150】
バルクは、バルクの境界を定める、例えば、チューブもしくはリング状のエレメントで熱的に安定な基材上に堆積され、手作業で圧縮される、および/または、1軸および/もしくは冷間静水圧のプレス工程に供給され、この工程は、慣例の加工補助具の追加によって最適に設計され得る。これは、後に、境界を定める外側のものを、取り除くことができる様な仕方で行われる。
【0151】
その後、試料のアニーリングが、マトリックスガラスに、それらの軟化温度の観点で適する温度および時間要件(加熱速度および保持時間)で行われる。ガラスの粘度曲線の勾配に応じて、一般的制限なしに、目標とするアニーリング温度Tは、マトリックスガラスの軟化温度(EW)と加工温度(Va)の間の範囲に、通常、EW+150Kの要件内にある。
【0152】
加熱は、オーブン内で、バルク、または、場合によっては、いくつかのバルクに対して、平衡化温度レベルと見なすことが可能であるように行われる。
【0153】
特に、この場合に選択される時間要件は、通常、アニーリング設備のタイプ、大きさ、および設計(制御も)に応じて決まる。ここにあるオーブン(Nabertherm N70/H型;Naber C16コントロールおよびEurotherm 2604型)では、1K/分から30K/分、好ましくは1K/分から20K/分、最も好ましくは1K/分から10K/分の、目標とする温度までの加熱速度、および、オーブンの特性曲線による冷却の前の、0分から60分、好ましくは0分から30分、最も好ましくは10分から30分の保持時間が有用であると分かった。
【0154】
1回または複数のアニーリングの後、こうして生成したコンポジット体(ガラスマトリックスおよび少なくとも1種の発光団を含む)は、粒径<400μmの研磨剤および/または研削剤を用いて(両面)、後加工され、さらには、場合に応じて、例えば、<1μmまでの粒径のダイアモンド研磨剤が用いられ(片面)、その結果、両側で、もしくは片側で加工されていない、または両側で研磨された表面がある。
【0155】
反射および透過の光学的データの測定は、前記の値を求めるために、通常の分光計で、試料を、積分球の前面もしくは入射側に(透過)、または背面もしくは出射の後ろに(反射)置いて、250nmから2500nmの波長範囲においてであるが、少なくとも300nmから800nmの範囲で行われた。
【0156】
【表20】

【0157】
本発明が、図1から5に基づいて、下で説明される。
【0158】
最初に、図1は、積分球3による、マトリックスガラスの試料2(これは、粉末に粉砕され、焼結されている)の、パラメータThalf(上)およびTforward(下)の測定を例示する。
【0159】
積分球3は、直径60mmであり、約12mmから15mmの直径を有する球開口部を有する。矩形のダイアフラム(断面積:6×12mm)が、追加の部品として積分球3の前に置かれる。光源1は、測定光線として、光軸に対して本質的に平行な光だけを放出し、積分球3から約50cmの距離に位置する。測定光線は、4×10mmの断面積を有する。調べられる試料2は、積分球3と光源1との間で、様々な距離に配置される。試料2は、約12mmを超える外径、または、約12mm×12mm超(矩形試料2の場合)を有する。試料の厚さは約1mm(±0.05mm)である。積分球3によって記録される光を検出するための光検出器を有する分光計4は、光線方向において、積分球3のすぐ後ろに配置される。
【0160】
halfの測定の間、平行光源1から放出され、まっすぐに透過した光の部分および試料2で散乱された部分の両方を記録するために、試料2は、積分球3から約3mm以下の距離に位置する。
【0161】
対照的に、Tforwardの測定の間、試料2は、積分球3から離れて位置する。その距離は、約43cmである。結果的に、本質的にまっすぐに透過した部分、または前方に透過した部分だけが記録される。
【0162】
この種の測定は、ここで調べられているドーピングされていない試料2、および/または、場合によっては、ドーピングされた試料2の、透過および/または散乱挙動に関する、分類を可能にする。試料2の分類、または試料2の特性評価は、比、Thalf:Tforwardによって表すことができる。
【0163】
光学的に理想的に透明で、散乱がなく、その結果、光線が専ら光線方向に進むと思われる試料2では、比、Thalf:Tforwardについて、1または1に近い値が得られると推定される。対照的に、大きな散乱挙動を示す試料では、Thalf:Tforwardの値は、非常に大きくなると推定される。
【0164】
このように、透過の測定の間、試料2は、前に、特に、積分球3の入射側に、位置する。これに対して、反射の測定の間、試料2は、後ろに、特に、積分球3の出射側に位置する。分光計4の検出器は、積分球3の円周上の任意の位置に置かれる。
【0165】
図2から5に示されるのは、前記ガラス実施例2(表2および3を参照)、ならびに前記ガラス実施例11(表2および3を参照)について求められたいくつかの結果である。図2に示されるのは、本発明に従う粒径分布であり、他方、図3から5は、Thalf:Tforwardについての関連する結果を示す。
【0166】
これらの光学的特性値は、例えば、市販の分光計(例えば、Perkin Elmer Lambda 9または900)によって測定できる。
【0167】
この目的のために図2に例示されているのは、粒子の直径の関数としての、粒径分布の累積値である(測定は、例えば、Cilas Model 1064粒径測定装置による)。詳細に示されているのは、前記の2つのガラス実施例2および11についての、3つの異なる粒径分布(KGV1、KGV2、およびKGV3)[KGV=粒径分布]である。図2に属する、d10、d50、およびd90の粒径に対する「数値」結果は、表7に要約されている。第1列に示されているのは、表8において用いられる表示である。
【0168】
【表21】

【0169】
図を、実施例11のKGV3(曲線V)を基に説明する:10%の粒子または顆粒が、約23.6μm未満の直径を有し、粒子の50%が、約55.8μm未満の直径を有し、粒子の90%が94.9μm未満の直径を有する。実施例11のKGV3の粒子は、最も大きい直径を有することが分かる。
【0170】
ガラス実施例2のKGV1(II)、ガラス実施例2のKGV2(I)、ガラス実施例11のKGV1(IV)、ガラス実施例11のKGV3(V)に対して用いられたプロセスパラメータが、表8に要約されている。この場合、2つの異なる方法が、ガラス実施例2のKGV1に対して記載されている:2回アニーリングの(II)、すなわち、焼結、およびその後の熱処理、さらには、例えば、第2の焼結、および1回のアニーリングまたは焼結の(III)。パラメータ(t@T/ ’)は、保持時間T(分)を表す。
【0171】
【表22】

【0172】
図3は、前記実施例IからIIIについて、光の波長の関数としての透過ThalfおよびTforwardを示す。図4は、前記実施例IVおよびVについて、光の波長の関数としての透過ThalfおよびTforwardを示す。ThalfおよびTforwardの曲線の分離、すなわち、縦座標の値の差が、比較的小さい場合、[その結果]、試料2は小さい散乱を有する。対照的に、曲線が互いに、比較的大きな分離を有する場合、試料2は、大きな散乱を有する。試料2の特性は、比、Thalf:Tforwardによって行われる。
【0173】
この目的のために、最後に、図5に示されているのは、Thalf/Tforwardの比である。示された実施例IからVの全てで、達成された比は、本発明に従い、利点のある範囲にある。粒子が最も大きい直径を有する実施例Vでは、実に1に近いThalf:Tforwardの値が得られている。焼結ガラス体は小さな散乱を有する。試料内の散乱が、望ましくないか、またはそれどころか望ましいかどうかは、コンバーターシステム(すなわち、埋め込まれた発光団を含む)に基づいて、あるいは、システムに課される必要条件に基づいて、変換−LEDシステム全体に基づいて決められる。例えば、屈折率が、互いに近いシステムでは、比較的大きな散乱が必要とされ得る。特に、透過率および反射率の合計に対する基準が満たされることもまた極めて重要である。
【0174】
請求項1乃至21のいずれか1項に記載の変換材料の特徴を好ましくは含み、また請求項22乃至28のいずれか1項の特徴を有する方法によって好ましくは製造される変換材料に相当する、1種または複数の発光団を含むマトリックスガラスを有する、光源、特に、白色もしくは着色光源を作り出すために、前記マトリックスガラスは使用され得る。
【0175】
好ましい実施形態において、光源は、1次光源、特に半導体光源を含み、これは、225nmから520nm、好ましくは350nmから480nmの領域の波長を有し、最も好ましくは400nmから480nmの領域の波長を有する光を放出する。
【0176】
別の実施形態において、1次光源は、LEDを含み、これは、400nmから480nm、好ましくは420nmから480nmの領域の波長を有する光を放出する。
【0177】
別の好ましい実施形態において、1次光源は、UV LEDを含み、これは、235nmから400nm、好ましくは350nmから400nmの領域の波長を有する光を放出する。
【0178】
さらに別の実施形態において、1次光源は、半導体レーザーダイオードの1次光源を含み、これは、400nmから480nmの領域の波長を有する光を放出する。
【0179】
光源は、1つまたは複数の、特にまた、いくつかの異なる1次光源を有し得る。
【0180】
これらの光源のさらなる説明、さらにはそれらの空間的配置構成と特性は、庁内整理番号(internal file reference)08SGL0020DEPもしくはP 3156を有し、「Optik−Konverter−System fur (W)LEDs(Optical Converter System for (W)LEDs)」という名称の出願に、また、庁内整理番号08SGL0060DEPもしくはP 3063を有し、「Gehause fur LEDs mit hoher Leistung(Housing for LEDs with High Power)」という名称の同じ出願人の出願に、見出すことができ、これらの出願は本出願と同じ日に出願された、また、これらは、全範囲が、参考文献として、この出願の内容の一部でもある。
【0181】
いくつかの1次光源および幾種類かの発光団により、特に、1種または複数の発光団を選択することによって、さらには、発光団の濃度および/またはコンバーター材料の厚さを調節することによって、(X、Y)色空間における次の色座標で発光することができる光源を作り出すことが可能である。
A=(0.16,0.02)
B=(0.05,0.30)
C=(0.02,0.76)
D=(0.21,0.76)
E=(0.72,0.28)
【0182】
このようにして、横断ABCDE内の色空間が、定められる、または取り囲まれ、その内部の、全ての色座標の光が、本質的に、その光源から放射され得る。
【0183】
前記横断、さらには下に記載される横断内での色座標の調節は、個々の発光団の比率および濃度、さらには、いくつかの光源の場合には、個々の光源の放出強度を確定することによって、一度に、また明確に定められた仕方で実施できる。
【0184】
さらに、いくつかの1次光源の場合には、特定の範囲内で、1つまたは複数の1次光源の放出強度を変えることによって、色座標を変えることが、さらに可能である。
【0185】
本発明の光源の別の実施形態において、特に、1次光源を選択することによって、1種または複数の発光団を選択することによって、さらには、発光団の濃度および/またはコンバーター材料の厚さを調節することによって、(X、Y)色空間における次の色座標で発光することが可能である。
F=(0.28,0.24)
G=(0.37,0.35)
H=(0.37,0.40)
I=(0.24,0.28)
【0186】
本発明の光源のさらに別の実施形態において、特に、1次光源を選択することによって、1種または複数の発光団を選択することによって、さらには、発光団の濃度および/またはコンバーター材料の厚さを調節することによって、(X、Y)色空間における次の色座標で発光することが可能である。
J=(0.37,0.35)
K=(0.37,0.42)
L=(0.50,0.45)
M=(0.50,0.38)
【0187】
本発明の光源のさらに別の実施形態において、特に、1次光源を選択することによって、1種または複数の発光団を選択することによって、さらには、発光団の濃度および/またはコンバーター材料の厚さを調節することによって、(X、Y)色空間における次の色座標で発光することが可能である。
N=(0.21,0.76)
O=(0.66,0.34)
P=(0.60,0.34)
Q=(0.15,0.76)
【0188】
このようにして、特に飽和色の緑−黄色−オレンジ色(琥珀色)NOPQを生み出すことが可能であり、さらに、1つまたは複数の1次光源を選択することによって、535nmから610nmのスペクトル領域における全ての飽和色を生み出すことが可能であり、それは、別の面では、単なるLEDの低い効率を有するにすぎないと推定される。
【0189】
以下の特許請求の範囲を理解するために、本発明の第1の実施形態では、用語「1次光源が発光するスペクトル領域において」は、1つの1次光源のスペクトル領域だけを含むことが許されることに留意されたい。この1つの1次光源は、この場合、これまでの説明に、または以下の特許請求の範囲に記される1次光源の1つである。
【0190】
本発明によるさらなる実施形態において、用語「1次光源が発光するスペクトル領域において」は、2つ以上の1次光源のスペクトル領域を含む。この場合、様々な放出スペクトルを有する2つ以上の1次光源が、特に一層大きな色空間にもまた跨るように、使用され得る。しかし、これらの2つ以上の1次光源は、それぞれ、これまでの説明に、または以下の特許請求の範囲にのみ記される1次光源だけを含む。
【0191】
記載の実施形態は、例としてのみ理解されるべきであることは、当業者には明白である。本発明は、これらに限定されず、むしろ、本発明の精神から逸脱することなく、様々な仕方で変更され得る。個々の実施形態の特徴、および説明の一般的な部分に挙げられた特徴は、それぞれ、各々の間でも、互いにも組み合わせることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約1mmの厚さdのバルク材料として、350から800nmの波長領域において、また1次光源が発光する領域において、80%を超える、純粋透過率τを有し、
d10≧0.7μm、d50≧3μm、およびd90≦150μmという粒径分布を有するマトリックスガラスの粉末から、焼結されたコンパクトとして成形される、
マトリックスガラスを含む、特に1次光源として半導体光源を含む白色または着色光源のための変換材料。
【請求項2】
ルミノフォアを含まない焼結コンパクトとして、350nmから800nmのスペクトル領域において、また1次光源が発光するスペクトル領域において、透過率および反射率の合計が、少なくとも80%を超え、好ましくは85%を超え、最も好ましくは90%を超える、請求項1に記載の変換材料。
【請求項3】
焼結コンパクトのための粒径分布が、350から800nmのスペクトル領域において、Thalf:Tforwardの比が、1<Thalf:Tforward≦70であるように選択される、請求項1または2に記載の変換材料。
【請求項4】
350から800nmのスペクトル領域において、また1次光源が発光するスペクトル領域において、このスペクトル領域に渡って確定された反射と透過の差に対する最大および最少の寄与が、40%以下、好ましくは25%以下、最も好ましくは15%以下の差である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項5】
焼結状態においてルミノフォアによりドーピングされたマトリックスガラスの反射率が、1次光源が発光するスペクトル領域において、30%未満、好ましくは25%未満、最も好ましくは15%未満であり、
焼結状態においてルミノフォアによりドーピングされたマトリックスガラスの透過率と反射率の合計が、1次光源が発光するスペクトル領域を除いて、350nmから800nmのスペクトル領域において、少なくとも80%を超え、好ましくは85%を超え、最も好ましくは90%を超える、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項6】
1μmと50μmの間、特に好ましくは1μmと20μmの間、最も好ましくは1μmと15μmの間の平均直径d50を有する粒径をもつ少なくとも1種のルミノフォアを含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項7】
300nm未満、特に好ましくは100nm未満、最も好ましくは40nm未満の平均直径d50を有する粒径をもつ少なくとも1種のルミノフォアを含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項8】
350から800nmのスペクトル領域において、但し1次光源が発光する領域を除いて、このスペクトル領域に渡って確定された反射と透過の差に対する最大および最少の寄与が、40%以下、好ましくは25%以下、最も好ましくは15%以下の差である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項9】
ガラスマトリックスに埋め込まれたルミノフォアの内部変換量子収率が、埋め込まれていないルミノフォアの内部変換収率に対して、20%以下、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下の低下である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項10】
マトリックスガラスが、バルク材料として、1.6以上、好ましくは1.65から2.0、最も好ましくは1.8から1.95の屈折率を有する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項11】
少量の亜鉛を含むランタンホウケイ酸塩ガラス、少量のイットリウムを含むアルミニウムホウケイ酸塩、およびアルカリ土類ケイ酸塩を含む、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項12】
それぞれの場合に、重量パーセントで、
【表1】

を含むマトリックスガラスによる、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項13】
それぞれの場合に、重量パーセントで、
【表2】

を含むマトリックスガラスによる、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項14】
それぞれの場合に、重量パーセントで、
【表3】

を、
好ましくは、それぞれの場合に、
【表4】

を含むマトリックスガラスによる、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項15】
マトリックスガラスが、バルク材料として、1.6未満、好ましくは1.43から1.6、最も好ましくは1.45から1.59の屈折率を有する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項16】
リン酸亜鉛、ホウケイ酸塩、アルミニウムホウケイ酸塩、および/またはアルカリ土類ケイ酸塩を含むマトリックスガラスによる、請求項1乃至9または15のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項17】
それぞれの場合に、重量パーセントで、
【表5】

を含み、
好ましくは、それぞれの場合に、
【表6】

を含むマトリックスガラスによる、請求項1乃至9、15または16のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項18】
それぞれの場合に、重量パーセントで、
【表7】

を含み、
好ましくは、それぞれの場合に、
【表8】

を含むマトリックスガラスによる、請求項1乃至9、15または16のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項19】
それぞれの場合に、重量パーセントで、
【表9】

を含み、
好ましくは、それぞれの場合に、
【表10】

を含むマトリックスガラスによる、請求項1乃至9、15または16のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項20】
それぞれの場合に、重量パーセントで、
【表11】

を含むマトリックスガラスによる、請求項1乃至9、15または16のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項21】
それぞれの場合に、重量パーセントで、
【表12】

を含むマトリックスガラスによる、請求項1乃至9、15または16のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項22】
製造可能性の最低限の必要条件は、変換材料が、その製造後に、請求項4に記載の特徴を有するということでありながら、TlO、TeO、およびAsを使用せず、好ましくはまた、Biおよび/またはPbO成分も含まない、そのマトリックスガラスの製造可能性をさらに特徴とする、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項23】
ホスト材料として、酸化物、窒化物、オキシ窒化物、硫化物、オキシ硫化物、ハロゲン化物、ハロゲン酸化物、ハロゲン硫化物、テルル化物、およびセレン化物を含む群からの少なくとも1種の物質を含み、該ホスト材料が、希土類(Ce、Eu、Tb、Gd、・・・)、遷移金属(Cr、Mn)、および重金属(Tl、Bi)を含む群からの少なくとも1種の物質によりドーピングされているルミノフォアを含む、請求項1乃至22のいずれか1項に記載の変換材料。
【請求項24】
マトリックスガラス、特に請求項1乃至23のいずれか1項に記載の特性を有するマトリックスガラスを準備すること、
マトリックスガラスを、粒径d10≧0.7μm、d50≧3μm、およびd90≦150μmの粒径分布を有する粉末に粉砕すること、
粉砕されたマトリックスガラスを、粉末状で存在するルミノフォアと混合すること、
粉末状で存在するルミノフォアと混合された、粉砕されたマトリックスガラスを、プレスすること、
さらには、マトリックスガラスとルミノフォアを含む、プレスされた混合物を焼結すること
を含む、変換材料、特に請求項1乃至23のいずれか1項に記載の特徴を有する変換材料の製造方法。
【請求項25】
特に、窒素、生成ガス、および/またはアルゴンによって、または低下した圧力として与えられる、特定の雰囲気において焼結することをさらに特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
特に、窒素、生成ガス、および/またはアルゴンによって、または低下した圧力として与えられる、好ましくは特定の雰囲気における、ルミノフォアの前熱処理をさらに特徴とする、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
マトリックスガラスおよびルミノフォアを含むプレスされた混合物の加圧焼結をさらに特徴とする、請求項24乃至26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
加圧焼結が、100から3000bar、好ましくは500から2500bar、特に好ましくは500から1500barの範囲の圧力で実施されることをさらに特徴とする、請求項24乃至27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
ルミノフォアの表面への保護層の形成をさらに特徴とする、請求項24乃至28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
最終加工され、好ましくは後加工された変換要素への保護層の形成をさらに特徴とする、請求項24乃至29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
保護層が、湿式化学法、ゾル−ゲル法、PVDおよび/またはCVDによって形成されることをさらに特徴とする、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
1μmと50μmの間、特に好ましくは1μmと20μmの間、最も好ましくは1μmと15μmの間の粒径平均直径d50を有する粒径をもつルミノフォア、例えばCe:YAGが用いられる、請求項24乃至31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
300nm未満、特に好ましくは100nm未満、最も好ましくは40nm未満の粒径平均直径d50を有する粒径をもつルミノフォアが用いられる、請求項24乃至32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
焼結が、マトリックスガラスおよびルミノフォアを含む混合物をプレスした後、出発ガラスにそれらの軟化点の点で適合した温度および/または時間要件(加熱速度および保持時間)で行われる、請求項24乃至33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
焼結が、マトリックスガラスおよびルミノフォアを含むプレスされた混合物を、マトリックスガラスの軟化温度EWと加工温度Vの間の範囲にある目標温度に、好ましくは、軟化温度より高く、軟化温度より約150K高い温度までの温度範囲にある目標温度に加熱することを含む、請求項24乃至34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
用いられるガラスの粘度が、h=1014dPasとh=10dPasの間、好ましくは、h=1013.5dPasとh=10dPasの間、特に好ましくは、h=1010dPasとh=10dPasの間の範囲にあるような温度で焼結が実施される、請求項24乃至34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
加熱の間、1K/分から30K/分、好ましくは1K/分から20K/分、最も好ましくは1K/分から10K/分の加熱速度が用いられる、請求項24乃至36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
マトリックスガラスおよびルミノフォアを含む、プレスされ加熱された混合物が、その冷却の前に、ほぼ目標温度で、0から60分、好ましくは0から30分、最も好ましくは10から30分の時間、保持され、その後、室温まで冷却される、請求項24乃至37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
さらなるアニーリング、すなわち、マトリックスガラスおよびルミノフォアを含む、プレスされ焼結された混合物の、温度支援、および任意選択で圧力支援処理を、さらに特徴とする、請求項24乃至38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
さらなるアニーリングが2回目の焼結であることをさらに特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
さらなるアニーリングが、250から2500bar、好ましくは500から1500barの範囲の圧力で実施されることをさらに特徴とする、請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
用いられるガラスの粘度が、h=1014dPasとh=10dPasの間、好ましくは、h=1013.5dPasとh=10dPasの間、特に好ましくは、h=1010dPasとh=10dPasの間の範囲にあるような温度で、さらなるアニーリングが実施されることをさらに特徴とする、請求項39乃至41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
さらなるアニーリングが、30から600分、好ましくは60から300分、特に好ましくは100から180分の保持時間で実施されることをさらに特徴とする、請求項39乃至42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
請求項1乃至23のいずれか1項に記載の特徴を好ましくは備え、請求項24乃至43のいずれか1項に記載の特徴を有する方法によって製造される、または製造できる、変換材料。
【請求項45】
請求項1乃至23のいずれか1項に記載の変換材料の特徴を好ましくは備え、また請求項24乃至43のいずれか1項に記載の特徴を有する方法によって好ましくは製造される、または製造できる変換材料を有し、
225nmから520nm、好ましくは350nmから480nmの領域の波長を有し、最も好ましくは400nmから480nmの領域の波長を有する光を放出する、1次光源、特に1次光源としての半導体光源を有する、
光源、特に白色または着色光源。
【請求項46】
1次光源がLEDを含み、それが、400nmから480nm、好ましくは420nmから480nmの領域の波長を有する光を放出する、請求項45に記載の光源。
【請求項47】
1次光源が、UV LEDを含み、それが、235nmから400nm、好ましくは365nmから400nmの領域の波長を有する光を放出する、請求項45に記載の光源。
【請求項48】
1次光源が、半導体レーザーダイオードを含み、それが、400nmから480nmの領域の波長を有する光を放出する、請求項45に記載の光源。
【請求項49】
特に、1次光源を選択することによって、1種または複数のルミノフォアを選択することによって、さらには、ルミノフォアの濃度および/またはコンバーター材料の厚さを調節することによって、該光源により、(X,Y)色空間における次の色座標:
A=(0.16,0.02)
B=(0.05,0.30)
C=(0.02,0.76)
D=(0.21,0.76)
E=(0.72,0.28)
で発光でき、
また、こうして、ABCDEを横切る多角形内の色空間が定まり、その内部で、本質的に全ての色座標の光を該光源によって発光できる、請求項45乃至48のいずれか1項に記載の光源。
【請求項50】
特に、1次光源を選択することによって、1種または複数のルミノフォアを選択することによって、さらには、ルミノフォアの濃度および/またはコンバーター材料の厚さを調節することによって、該光源により、色空間における次の色座標(X,Y):
F=(0.28,0.24)
G=(0.37,0.35)
H=(0.37,0.40)
I=(0.24,0.28)
で発光でき、
また、こうして、FGHIを横切る多角形内の色空間が定まり、その内部で、本質的に全ての色座標の光を該光源によって発光できる、請求項45乃至48のいずれか1項に記載の光源。
【請求項51】
特に、1次光源を選択することによって、1種または複数のルミノフォアを選択することによって、さらには、ルミノフォアの濃度および/またはコンバーター材料の厚さを調節することによって、該光源により、色空間における次の色座標(X,Y):
J=(0.37,0.35)
K=(0.37,0.42)
L=(0.50,0.45)
M=(0.50,0.38)
で発光でき、
また、こうして、JKLMを横切る多角形内の色空間が定まり、その内部で、本質的に全ての色座標の光を該光源によって発光できる、請求項45乃至48のいずれか1項に記載の光源。
【請求項52】
特に、1次光源を選択することによって、1種または複数のルミノフォアを選択することによって、さらには、ルミノフォアの濃度および/またはコンバーター材料の厚さを調節することによって、該光源により、色空間における次の色座標(X,Y):
N=(0.21,0.76)
0=(0.66,0.34)
P=(0.60,0.34)
Q=(0.15,0.76)
で発光でき、
また、こうして、NOPQを横切る多角形内の色空間が定まり、その内部で、本質的に全ての色座標の光を該光源によって発光できる、請求項45乃至48のいずれか1項に記載の光源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−518752(P2011−518752A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506609(P2011−506609)
【出願日】平成21年4月29日(2009.4.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003111
【国際公開番号】WO2009/132840
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】