説明

特に燃焼アセンブリの排ガス浄化及び他の応用分野のためのセル状構造の最適化

本発明は、流体を流すことができるセル状構造を有する装置、セル状構造のモジュール最適化のためのシステム、及びこの種の構造を製造するプロセスに関する。流体を流す装置は、セル状構造を有する作用領域を含む。セル状構造の形態及び/又は寸法は、矩形断面を有する少なくとも2つのチャネルを有するモノリシック装置に関して、熱伝導率が大きく、且つ/又は流動抵抗が小さく、且つ/又は機械的応力、特に圧力及び/又は引張抵抗が大きく、且つ/又は温度安定性が高くなるようなものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を流すことができるセル状構造を有する装置、セル状構造のモジュール最適化のためのシステム、及びかかる構造を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に推進技術に関する化石燃料の燃焼において、過去10年で環境的理解は、内燃機関の燃焼の最適化だけでは流動流体すなわち粒子を含む排ガス又は排ガスの微粒子体積流を環境が許容することができるように消耗するのに十分な効果を示さないという考えに変わってきた。触媒コンバータの導入及び制度化によって、気体物質に対する第1歩が踏み出された。数年間にわたり、固体含有排ガス流の濾過も技術開発の中心にあった。ここで、粒子の濾過では実際の長期的結果が初めて分かりつつあるため、当該技術は検証段階にある。次世代の微粒子フィルタでは、それまで大量生産で用いられていた微粒子フィルタシステム及びそれらの既存の初期的不備の問題が扱われることになるであろう。
【0003】
微粒子負荷を有する全タイプの燃焼排ガス流を代表するものとして、ここで、ディーゼル燃料燃焼機関の微粒子フィルタエレメントに関する問題及び解決手段を説明するが、例示されるシステム解決手段は、液体燃料及び気体燃料の両方にも当てはまり、当然ながら固体燃料又はそれらの組み合わせにも当てはまる。
【0004】
全タイプの燃焼に共通するのは、気体排ガス体積流中に程度の差はあれ高濃度の固体粒子が含まれ、これらの固体粒子は燃料中の不燃成分、通常は不純物から、又は不完全燃焼プロセス、大抵は煤から、又は浄化プロセスの触媒のシステム、いわゆる添加剤から、又はそれらの組み合わせから生じるということである。しかしながら、排ガス流中の固体流の付加的な成分は、燃焼システム自体を摩耗させる成分でもある。
【0005】
ここで、微粒子含有燃焼アセンブリの限定はされないが本質的な範疇は、考えられるアセンブリのごく一例を挙げれば、乗用車、実用車、移動作業機又は固定作業機、鉄道車両用主機又は船舶用主機、並びに、家庭用暖房システム、工業用火力発電所、及びあらゆるタイプのタービン機関若しくはジェット機関等の発熱又は発電用アセンブリである。
【0006】
現行の技術水準によれば、大抵は金属又はセラミック製である一般的に既知のモノリシック触媒コンバータは、通常、気体燃焼生成物の浄化のための触媒コーティングを有し、それらの流動原理は、モノリスの壁を通過する排ガス体積流のブローバイ流及びこのモノリスでのガスの変換である。粒子の濾過に関しては、現行の技術水準によれば、閉鎖した流入チャネル及び流出チャネルが交互になっている大抵はセラミック製のモノリシックフィルタエレメントの多孔壁を通した壁濾過、投入されたガスが発泡セラミック又は発泡金属を通過することによる濾過、又は通常は金属製の貫流フィルタによる濾過が、文献に記載されており市場に出ている。
【0007】
微粒子フィルタの革新としては、濃縮が新規であり技術的に極めて重要である。
【0008】
特許文献1である「Ceramic filters for diesel exhaust particulates」、特許文献2である「Exhaust gas treating device」、または特許文献3である「Particulate filter for a combustion engine」等の特許及び特許出願公開には、構成要素を実際の要件に合わせて調整するための最初の手法が記載されている。現行の技術水準によれば、製造法としては主に、長いこと知られている押し出し成形、関連する接合技術を用いたフィルムキャスティング技術及びフィルム延伸技術、フォーミング、スリップキャスティング、並びに型押し及び打ち抜きといった方法が用いられる。しかしながら、製造及び工業生産法して最も普遍的に用いられていることは、特許文献4である「Method for production of molded bodies with predetermined pore structure」に記載されているノズルを用いた成形体の3次元スクリーン印刷及び成形体の3次元印刷の方法であり得る。対照的に、エッチング法、エロージョン法、及びレーザ法は、プロトタイプモデリングには実用的であるが大量生産には実用的ではないことが実際に分かっている。
【特許文献1】米国特許第4,276,071号明細書
【特許文献2】欧州特許第0318958号
【特許文献3】国際公開第WO2005/033477号
【特許文献4】欧州特許第0627983号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、触媒コンバータ及びフィルタの具体的な弱点及び問題を応用指向的方法で系統的に克服すること、及び、特に材料とは無関係の生産指向的な構造変化に起因して新たに同時に発生する問題を解消することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、これらの問題に対する系統的解決手段を示す。当該解決手段は、大量生産で実現することができ、微粒子フィルタの効率を向上させると共に触媒コンバータの効率も向上させる。本発明の焦点は、動作信頼性の向上、効率の最適化、並びに製品としての個別の加工性及び使用の態様で微粒子フィルタ及び触媒コンバータの構成要素を実現するタイプ別能力に定められる。
【0011】
製品としての使用に関しては、本発明の範囲内で種々の標的パラメータが1つの役割を果たし、用途に従って1つ又は複数の標的パラメータの実現が望まれ得る。このような標的パラメータは、例えば、熱伝導率、流動抵抗、粒子含有ガス、特に燃焼排ガス等の流動流体の案内に対する作用、機械的安定性、及び/又は製品の温度安定性であり得る。
【0012】
上述の問題を解決し、本発明の課題を達成するために、本発明の1つのシステム構成要素は、特に既存の構成要素に関する問題の定義である。第2のシステム構成要素は、具体的な問題に対する個々の構成エレメントの創出である。第3のシステム構成要素は、構成要素へのシステム構成要素の機能的組み込みである。これらのシステムから、全く異なる問題及び組み合わせの統合的解決をモジュール化して、構成要素に対する具体的要件に有用、迅速、且つ経済的に適用することができ、この統合的解決を実現及び応用することができる。以前の方法で実現することができる構成セットの、すなわち構成要素に存在する複数の構成エレメントの比較的厳しい制限は、応用最適化されたシステム解決手段を実現することが実際に可能であるように拡張することができ、これは本発明に従って特許請求される。
【0013】
本発明の第1の部分は、セル状構造を有する製品の既存の起こり得る問題の理論的検出に関し、この場合、セル状構造を形成するエレメントは、本発明の一変形形態では多孔質であり、例えばセラミック、特に焼結炭化ケイ素を含む。このような製品は、例えば、燃焼アセンブリ用の触媒コンバータ及び微粒子フィルタとすることができ、一例としてさらなる問題定義及び応用分野のために、他のモジュールと組み合わせてシステム解決手段のための第1のモジュールとして本発明に従って特許請求される。これらは、限定はされないが本質的に、以下の例示的な問題(P)である。
【0014】
P.1 微粒子濾過の応用分野に関して、以下の例示的な問題が挙げられる。
P.1.1 セル状構造内での力線の直接的で付加的な伝播が、高応力につながること。
P.1.2 小さなフランク角に起因してチャネル壁の接点でピーク応力が発生して、亀裂を形成する傾向があること。
P.1.3 入口チャネル面が出口チャネル面に不適切に割り当てられることで、流動抵抗に影響を及ぼすこと。
P.1.4 チャネル終端からチャネル始端に向かって煤及び灰が入口チャネルに溜まることで、排ガス逆圧に大きな影響を及ぼすこと。
P.1.5 入口チャネルに残る不燃性の燃焼残渣及び添加剤が、利用可能な作用濾過面を大きく制限すること。
P.1.6 チャネルの再生の際のチャネル長さ方向の不均一な熱分布が、長い再生時間につながること。
P.1.7 フィルタ断面にわたる燃焼排ガスの不均一な流入が、入口チャネルへの燃焼生成物の不均一な付着をもたらすこと。
P.1.8 構成要素パッケージ内で生じる力によって、フィルタシステムにさらに加工する際の製品への大きな損失が生じることで、構成要素を破損させる場合が多いこと。
P.1.9 限られたハウジング幾何学的形状及びフィルタエレメントの通常はモノリシックな構成を通る排ガス導管が、車体構造において利用可能な空間との不一致につながること。
P.1.10 フィルタエレメントの材料によって引き起こされる雑多な問題及び他の問題。
【0015】
P.2 触媒コンバータの応用分野に関して、例示的な問題が挙げられる。
P.2.1 小さな表面積に対する大きな材料割合によって好ましくない流量比が生じて、壁面接触が少なくなる。
P.2.2 保守的なチャネル形状によって熱安定性が低くなることで、機関に近接した配置が妨げられ、これが低い反応温度につながり、さらにこれによって大きな触媒コンバータ構成要素が必要となる。
P.2.3 モノリシック触媒コンバータキャリアに用いられるコーティング法は、材料使用量が多くなるタイプの触媒コンバータでしか行うことができない。
P.2.4 単独形態のチャネル形状が反応域の処理に小さな変化しか与えないことで、構成要素が大型になる。
P.2.5 触媒コンバータと微粒子フィルタとの間の直接連通が、一部は同じハウジング内にあり一部は複数のハウジング内にある複数部分から成る排ガスシステムで実現されることで、接合技法及びシール技法が複雑になる。
P.2.6 モノリシック構造形状が、流入位置及び流出位置でしか有用な測定技術を可能にしないことで、反応パラメータの測定検出が少なくなる。
【0016】
他の問題は、触媒コンバータ及び微粒子フィルタに関する刊行物から抜粋することができるか、又は一部は全く新しい状態で一部は種々の使用段階での実物から求めることができる。
【0017】
本発明の第2の部分は、燃焼アセンブリ用の触媒コンバータ及び微粒子フィルタ等の上記の製品の構成要素の可能な構成特徴の理論的検出及び創成に関し、これはさらなるモジュールに関連してシステム解決手段のための第2のモジュールとして本発明に従って特許請求される。本発明による問題のモジュール式解決手段に本質的に寄与するものとして、これらの個々のモジュール構成要素も本発明に従って単独で特許請求される。これらは、限定はされないが本質的に、以下の構成特徴(K)である。
【0018】
以下の構成特徴は、特に微粒子フィルタの範疇に関して示されているが、他の製品範疇にも該当し得る。
【0019】
K.1 従来のセル状構造は、機械的応力及び/又は熱的応力、引張応力、圧縮応力、曲げ応力、又はそれらの組み合わせによって生じる力線の伝播を可能にするが、本発明による構成特徴は、製品の作用領域、例えば動作時の入射流領域、特にフィルタ面への応力分配エレメント及び/又は応力再配向エレメントの組み込みである。この場合、一実施の形態は、ほぼ矩形のセル状構造の場合にセル状構造の個々の結合点又は複数の結合点に内部中空エレメントを挿入することであり、この応力集中エレメント及び応力再配向エレメントの内径は、セル状構造の壁厚よりも大きくなるように通常は選択される。
【0020】
K.2 熱的応力及び機械的応力は、壁移行点及び/又は接続点におけるピーク応力によって生じる亀裂形成の危険性を高める。本発明によれば、構成特徴は、チャネル壁の接続角度が互いに対してとる角度に関係なく或る程度顕著な丸み付けエレメントによって拡張されるように、接点のコーナにピーク応力防止エレメントを加えることである。ピーク応力防止エレメントの寸法設定及び曲げ設定は、見込まれる応力及び利用可能な空間の大きさに従って決められる。
【0021】
K.3 限定はされないが特に、構成要素のセルの体積及び/又は断面比が異なる必要がある。したがって、本発明によれば、比の個別調整性を可能にする構成エレメントが特許請求される。例示的な一実施の形態は、構成要素の個々のチャネル間にスペーシングエレメントを備え、第5のチャネルエレメントを形成する4個1組で均一に配置されている丸形チャネルの例を用いた場合、対向する円弧部分で任意の長さの接続エレメントが用いられるようになっている。この接続エレメントの長さに従って、第5のエレメントのパラメータの比が変わる。3つのチャネルが第4のチャネルを囲むフローチャネルの三角形オフセット配置の実施の形態では、同様にチャネル間に接続エレメントが設けられる。この接続エレメントの長さに従って、第4のエレメントのパラメータの比が変わる。同様に、この構成エレメントを他の全ての幾何学的チャネル形状に適用することができるものとして構成を理解すべきである。
【0022】
K.4 粒子を含有している体積流は、フィルタに供給されるべきである。この場合、理論上行われるべき仕事は、利用可能なフィルタ面と微粒子の数及びサイズに応じるものであり、体積流逆圧を形成するが、流出チャネルでは、粒子を含有しない流体流の排出のみが必要である。この点で、仕事量の割合は流入チャネルの方にシフトする。これに対処するために、本発明による構成特徴では、入口チャネルがその最大サイズまで拡大されて出口チャネルがその最小サイズまで縮小される。
【0023】
K.5 入口チャネルのチャージは、2つの特性値によって定義される。1つの特性値は、入口チャネルへの煤の一時的なチャージであり、これは、チャネル壁にフィルタケークを形成し、場合によっては再生促進のために加えられる添加剤で置き換えられる。この場合、入口チャネルは、最低流量比の側から最初に充填される。この充填は一時的なものである。コンバータであり得る成分は、再生時に除去される。第2の特性値は、不燃性不純物及び/又は添加剤から成るフィルタケーク中の永久的成分である。再生の進行に伴い、これらの成分は解放され、体積流の流路を通して入口チャネルの端における物理的攪拌によって輸送される。この材料移送によって、入口チャネルにいわゆる灰が継続的に充填されて、フィルタ壁の堆積位置における濾過作用を妨げる。本発明によれば、入口チャネルの端から始まる灰堆積の作用を最小限にする構造エレメントは、濾過室として構成される入口チャネルが1つ又は複数の出口チャネルから出ているものである。この場合、濾過室内の出口チャネルの方向は任意に選択され得る。この場合、灰成分の堆積特性に対して重力が作用する本発明による構成特徴には、灰が濾過室の下部領域及び/又は後部領域に主に集中するため出口チャネルの外側の濾過壁の主要部分に影響を及ぼさないという効果がある。
【0024】
K.6 乗用車のフィルタエレメントのライフサイクル段階ではすでにかなりの進歩がなされてきたが、これは、相当量の堆積物を一部有する実用車等の他の燃焼アセンブリには当てはまらない。入口チャネルからの堆積物の連続排出及び/又は不連続排出は、この場合、最も重大な問題を示す。本発明による構成エレメントによって、本発明者らは、フィルタエレメントのうち灰蓄積の可能性が最も高い位置に排出装置を設置することによってこの問題を解決した。セル状入口チャネル形態の場合、これは、入口チャネル端の領域に位置付けられるフラップ、及び/又は、入口チャネル端を開き且つ/又は出口チャネル端を閉じて、排出体積中の煤成分を最小化するために圧力サージによって捕集された灰を有利には再生段階の終わりにフィルタエレメントから押し出すシフティング装置である。濾過室を用いる場合、本発明による構成エレメントは、室壁に、限定はされないが有利には濾過室の底部に配置されるフラップである。技術的により要求が多い解決手段は、ロックの形態、例えば回転弁の実施の形態、又は工場に滞在することなくアセンブリに有利な灰成分排出を可能にもするスライドの実施形態の、排出装置の取り付けである。排出場所における灰堆積物の集中に備えて、個々の空間関係に従って任意の大きさに保つことができる捕集区域の形態の自由空間をそこに設けてもよい。灰捕集領域でも、最大限の割合の煤を再生プロセスで処理することができ、低反応空間及び/又は無反応空間に入れないことが重要である。
【0025】
K.7 フィルタチャネル内の不均一な温度分布は、排ガス体積流の固体成分の処理、特に再生において軽視することができない問題である。第1に、再生は、熱波の形態で入口チャネルの入口側からチャネル端に進み、チャネルの長手方向で不均一な熱分布に加えて相当な応力範囲ももたらす。第2に、すでに再生されているチャネル前方領域が有する濾過力、したがって体積流処理量は常に、第1の部分的に再生されているか又は未再生のチャネル領域よりも著しく大きいため、再生作用は再生の進行に伴ってチャネル長手方向軸に沿って徐々に遅くなる。本発明による一構成エレメントは、入口チャネルの長手方向の気孔率勾配の組み込みである。入口領域では気孔の数及び/又はサイズに関して高い気孔率が選択され、したがって濾過体積流が多いため形成されるフィルタケークも最大の構成になり得るが、チャネル端に向かって、濾過の体積流が最も少なくより小さなフィルタケークしか形成されないように低い気孔率が選択される。この態様は、再生温度の均一化及び再生時間の均一化をもたらす。この問題は、例えば再生をほぼ又は完全に均一に行うことができると同時に全フィルタ室領域で行うことができる濾過室を構成する本発明による構成エレメントによって完全に解消することができるが、その理由は、フィルタ室の全再生点の圧力状況及び温度状況が均一なためである。この場合、再生時間の短縮の効果は、フィルタ体積全体での再生の同時係数(simultaneity factor)から得られる。
【0026】
K.8 非対称の体積流供給及び体積流分布によって大抵は生じるフィルタエレメントの個々の入口チャネルの不均一充填の個々の問題は、フィルタエレメントの再生に関する本質的問題を示し、その影響は主に再生間隔の短縮につながる。再生時、高い機関制御作用度が必要であり、その場合特に、駆動エネルギー変換にとって好ましくないプロセスパラメータが存在するため、これは特に機関出力及び燃料消費に作用する。チャージされたチャネルそれぞれの最も好ましくない、すなわち最長の再生時間に目下合わせて浄化量が異なるため、粒子がチャージされている入口チャネルごとに実際に要する再生時間は異なる。チャネル形の入口チャネルの場合、本発明による構成特徴では、機関要件に個別に合わせたチャネル幅の勾配の組み込みによってこれに対処するため、自由流れ断面を用いて、利用可能な濾過面に関する排ガス体積流の均一化が達成される。濾過室での排ガス濾過の場合、これを実施して得られる結果ははるかに小さいため、この場合、室断面への流れ案内エレメントの組み込みによって軽量の補助的措置を得ることができる。
【0027】
K.9 フィルタエレメント自体の機能にとっては重要性が低いが、システム自体の経済性及び動作信頼性にとっては重要性が高いのが、さらなる加工のためのフィルタエレメントの取り扱い時の破損の危険性の高さである。壁厚が薄く気孔率が高いことによって、フィルタエレメントは、ハウジング内でのパッキング時及びシーリング時に破損することが多い。これは、外壁の補強構成の構成特徴によって解消され、これは本発明に従って特許請求される。壁補強の特殊形態では、これは、応力散逸エレメント及び応力再配向エレメントが組み込まれた構成である。特に、フィルタエレメントのこの外壁は温度勾配が大きくなって外方にしか拡張することができないため、この構成は、このとき壁厚が異なれば極端な温度差も生じるという状況を特に考慮に入れる。応力は全て、周縁自体によって吸収されなければならない。この構成エレメントでは、動作時のエレメントのハウジングによる機械的負荷に従って、熱膨張応力がフィルタエレメントの内部から作用すると同時に逆圧がシール材料を通じてハウジングからこのフィルタエレメント区域に作用するという状況が特別に考慮される。また、熱機械的負荷が最高である位置が概して組み合わせられる。
【0028】
K.10 ハウジング形状の可能性は、既知のモノリシックフィルタエレメント構成によって比較的少ない。本発明によれば、この問題は、濾過室としての実施の形態の場合、排出された浄化排ガス体積流を全方向に排出することができるのと同様に排ガス体積流の導入が全方向から可能であるという点で考慮される。最も単純な構成では、2つの体積流が同じ方向であり得る。極端な場合、全く逆向きの流れを有する変形形態が実現され得る。このフィルタ室形態は、同時に複数の方向の散逸を可能にするため、排ガス体積流の多方向への散逸(multiple dissipation)の可能性が特に強調され得る。この場合、1つの可能な構成は、排出チャネルを組み合わせて1つの集合チャネルにすることであり、これはさらに、個別に又は合わせて一群として最終排出チャネルとなる。したがって、いかなる方向の排ガスの同時排出に関しても、濾過後の排ガス路を最小化することができ、例えば、フィルタ内の向流挙動を示すことができる。
【0029】
触媒コンバータの範疇に特に適したさらなる構成特徴を後述する。
【0030】
K.10 流れプロファイルに利用可能な表面は、特に排ガス成分の触媒コンバータにとって主に重要である。この場合、従来の正方形のチャネル形状は、流れを一方向に運ぶため、触媒コンバータエレメント内の排ガス体積流の滞留時間も定義する。車両の中及び下への取り付けの可能性は限られているため、主に非乱流の場合の排ガス体積流と触媒コンバータ壁との十分な壁接触を確保するために、触媒コンバータは大きな外周範囲で作られなければならない。この問題に対する本発明による構成エレメントは、フローチャネル内に触媒コンバータ断面と平行に配置される乱流発生構造エレメントの組み込みによって、例えば旋回セグメントによって示される。別の可能性は、薄い厚さの流れスクリーンの組み込みであり、これは排ガス体積流の壁接触も大きくする。最も単純な実施の形態では、同じ方向に延びる溝又は棒がチャネルに設けられる。これらの溝又は棒によって、チャネル断面を大きくしても有効流動抵抗を大きくすることなく利用可能な作用表面がかなり大きくなる。
【0031】
K.11 通常は多角形構成であるフローチャネルのモノリシック構造は、微粒子フィルタと同じ熱応力を受ける。しかしながら、この場合、排ガス体積流中で分離が生じないため、チャネルの内部破損は故障判定基準とならない。しかしながら、このような破損が複数の場所で生じた場合、これは必然的に触媒コンバータ本体の故障につながる。熱機械的安定性を高める構成特徴は、微粒子フィルタのものと同様であるとみなすべきである。これらの構成要素が触媒コンバータキャリアに組み込まれる場合、機関により近接させた配置が可能であり、これは、排ガス体積流の流入温度が高くなることを意味するため、触媒コンバータ濃度を低下させることができる。
【0032】
これらの2つの構成特徴は、当業者のために本明細書に記載の本発明に含まれる一連の付加的な構成特徴を代表するものである。
【0033】
以下で一例として、太陽熱受熱器及びその構成エレメントのいくつかの問題を代表として一般性を制限することなく説明し、これらは本発明に従って特許請求される。
【0034】
P.3 エネルギー生成における太陽熱受熱器の問題
P.3.1 太陽光発電では、太陽熱発電所と呼ばれるエネルギー変換器の太陽熱受熱器の問題がある。1つの問題は、熱交換器空気の流量に大きな影響を及ぼす受熱器の流動抵抗である。
P.3.2 別の問題は、個別の構成要素とみなされる受熱器の不均一な加熱である。
P.3.3 別の問題は、受熱器とキャリア空気との間で限られたエネルギー移動しか可能にしないフローチャネルのモノリシックな不均一構成である。
P.3.4 別の問題は、急速に変化する放射エネルギー濃度に関する受熱器の反応慣性である。
P.3.5 エネルギー生成で極めて重要なのは、取り付け面を通したエネルギー移動のための反応面における損失の問題である。
P.3.6 終局的であるとみなすべきではないが、最後にもう1つの問題は、下部構造の上に受熱器によって加えられる重量負荷である。
【0035】
これらの問題に関して定義され得る構成エレメントは、本発明によって以下で示され、その一覧は例にすぎない。当業者には、これらの例から原理上派生するさらなる構成エレメントが判明するであろう。
【0036】
K.12 流れを発生させるのに必要な圧力の機能的問題は、原理上、太陽熱受熱器チャネルの長さを短縮した構成エレメントによって解消することができる。受熱器壁面とキャリア空気との間の熱移動を促す適切なエレメントによって壁接触を大きくするために、100ミリメートル未満の値まで受熱器長さを機能的に短縮することが可能である。システム構成の経済性の側面から、この場合有利には、100ミリメートル未満、有利には80ミリメートル未満の受熱器構成要素高さが理想的には好ましいものとする。
【0037】
K.13 太陽熱受熱器の断面における不均一な加熱の基本的問題は、実験的に且つ/又は計算によって求められた高温領域に低温領域よりも多いキャリア空気流を割り当てることで、本発明による構成エレメントによって解消することができる。これは、この構成エレメントにおいて、受熱器チャネル断面の拡大及び/又は流動抵抗が小さなフローチャネル断面の組み込みによって達成される。このようにして生じるキャリア媒体の流量の増加は、強い冷却を引き起こすため温度均一化につながる。この構成エレメントは、受熱器表面のコーナにおいて特に有利に実現され得る。この場合、この構成エレメントは、受熱器チャネルの全長にわたって、又はキャリア流の放射エネルギー側及び/又は排出側のみで構成され得る。
【0038】
K.14 低流量であるため、現行の技術水準によるモノリシック受熱器チャネルの問題は大抵は非乱流キャリア空気流しか引き起こさず、これは、体積流が均一であるため受熱器チャネル表面からキャリア空気への熱移動作用が小さい。この問題は、熱閉塞を誘発することなく体積流の適度な渦流を引き起こす分離縁が流路に形成されることで、本発明による構成エレメントによって考慮に入れられる。この場合、例示的な一実施の形態は、熱侵入区域の後のチャネル壁の補強材である。補強材に衝突する空気流は、拡大部に当たって乱流となる。入口側の複数の吸収体チャネルが継続チャネルに通じるように構成エレメントが構成されると、同じ効果が得られる。移行点では、入口側のチャネル壁が終わって分離縁及び/又は移行部も形成し、これらが渦流をもたらすことでより良好な熱移動をもたらす。
【0039】
K.15 吸収エネルギーに関する受熱器の慣性の問題は、キャリア空気で達成され得る温度勾配に大きな影響を及ぼす。受熱器を通過した後の熱空気に対する導入空気の温度差が大きいほど、それに従って、等しいエネルギー移動出力に関して選択される空気体積流を少なくすることができ、且つ/又は同じ体積流に関して使用可能なエネルギー変換を増やすことができる。導入されるエネルギービームは、数ミリメートルしか受熱器表面に直接貫入しないため、構成エレメントは、最小の流動抵抗で最大の吸収面を有するものである。限定はされないが有利には、これは、多少丸形の入口開口の構成によって達成され、これには、例えば隆起部、陥没部、棒セグメント、又は増設セグメントの形態の付加的な吸収体面がフローチャネルの表面形状によって任意に割り当てられる。流れ及び熱移動に関して最適に構成することができるこの吸収体面は、流動抵抗を減らすために、数ミリメートル後で流れに関して最適なチャネル断面に移行し得る。この場合、例えば低密度、小粒度、並びに/又は気孔体積及びサイズによって急速に反応する材料組成物を有する受熱器のエネルギー吸収のための受熱器表面が、蓄熱容量が大きく均等化受熱器エレメントとして用いられると同時に安定化向上特性を有する下方にある受熱器部分と直接又は間接的に隣接することが、本発明による利点である。
【0040】
K.16 エネルギー生成に利用不可能な反応器面の問題に関する本発明による構成特徴は、反応面の個々の受熱器に応力散逸セグメント又は応力再配向部分セグメントを組み込むことで達成され、現行の技術水準によれば、多角形受熱器セルの場合、より大きな面積の受熱器エレメント、すなわち少なくとも100cmの反応面を有するが有利には196平方センチメートルを超える個々の太陽熱受熱器の反応面を有する受熱器エレメントを達成することができるようになる。したがって、反応面の縮小がキャリア構成によって大幅に減るため、得られる面をエネルギー生成に用いることができる。
【0041】
K.17 反応器面下部構成の重量負荷の問題に関する本発明による構成エレメントは、受熱器材料内の有効熱伝導率に小さな影響しか及ぼさない気孔率が太陽熱受熱器に用いられる材料に設けられることで解決される。この目的で、受熱器材料は、受熱器材料のかさ密度を高めることなく、結晶成分が内部接触点を有し、したがって必要な強度及び熱伝導率を達成するように、多孔質金属又は多孔質セラミックから調製される。
【0042】
K.18 太陽熱受熱器の技術的な最適化のために、複数の個別エレメントの構成エレメントが可能であることが分かっている。このエレメントでは、種々のタイプの流れ構造、及び/又は材料、及び/又は密度、熱伝導率、多孔率等の材料特性、及び/又は種々の製造技法が重ねて詰められてパッケージになり、互いに固く接合されて1つの構成要素にされるか、又はハウジング縁によって単につなぎ合わされるか、又は自重によって押し合わせられるだけの場合もあり、その場合、動作時に発生するキャリア空気流の圧力が結合に寄与する。このように、材料及び/又は形状の制約を考慮に入れる必要なく、太陽熱受熱器の全く異なる熱機械的状態及び受熱器の個々の平面に対する要件に目的通りに応じることが可能である。したがって、限定はされないが一例として、熱に起因した寸法変化が最小であるが吸収体パワーが極めて高い耐熱性セラミック材料製のサーモブースターを太陽熱受熱器の入口区域で用いて、続いて発泡体基質によって閉じられるチャネル形状の金属熱移動エレメントを用いることができる。
【0043】
同じく簡単のために、さらなる用途を代表するものとして、接合技術及びそれらの構成エレメントのいくつかの問題を例として説明し、これは本発明に従って特許請求される。
【0044】
P.4 相互構成要素シーリングにおける接合技術の問題
P.4.1 熱的高耐力部品及び/又は機械的高耐力部品の接合は、概して、大きなシール面を必要とする。特に、これは熱負荷がかかるハウジング部品に当てはまる。この場合、本質的問題は、シール領域にも現われる部品の熱膨張である。
P.4.2 1つの基本的問題は、シールの材料である。技術的加工に起因して、実際に伸縮弾性は高いが部品安定性に対して機械的に不安定であるシールが用いられる。この場合には、通常は接続エレメントによって、効率的な安定的な結合がもたらされる。
P.4.3 密閉される構成要素の使用のために、概して、いわゆるラビリンスシールを組み込むことが好ましい。シールすべき部品へのラビリンスシールのシール面の適合が、この場合は基本的問題となる。
【0045】
当業者であれば、接合技術の技術的問題を参照してこの手順を用いてさらなる問題への補足を行うことができる。
【0046】
これらの問題に関して定義され得る構成エレメントは、本発明に従って後述されるが、一覧は一例にすぎない。当業者には、これらの例から原理上派生するさらなる構成エレメントが認識されるであろう。
【0047】
K.19 接合技術では、部品をシールするのに用いられる材料は、シールすべき部品とできる限り同じ挙動をするべきである。特に金属シールの製造可能性が限られていることに特に起因して、そうなることはほぼない。この問題に対する構成要素解決手段は、シール自体がシールすべき部品の製造材料と同じ材料からできていることで、本発明によって解決される。この場合、部品材料にも同じ材料範疇が用いられる。すなわち、金属の場合は金属が用いられ、セラミックの場合にはセラミックが用いられ、プラスチックの場合にはプラスチックが用いられ、又はそれらの材料の組み合わせも同じである。
【0048】
K.20 シール材料及び/又は形状の機械的安定性が低い問題は、概して、部品全体の弱点を示す。本発明による構成要素解決手段は、組み立て時に圧縮され得る且つ/又は荷重下で伸縮し得るシール室を組み込むことによって、シールエレメント自体が部品自体の安定性と少なくとも等しい安定性を有することに基づく。
【0049】
K.21 部品のシール面へのシール適合の問題は、ラビリンスシール及び/又は広いシール面によって通常は発生する。この場合、特に熱的負荷及び/又は機械的な負荷の場合に、特にコーナ又は急カーブにおいてシールに漏れが現れる。この場合、構成要素解決手段は、中空室が或る程度厚く、複数の室に分岐し、異なる壁厚を有し、且つ限定はされないが特に継目位置を有しないようにシール位置の要件に従って変わり得る、継目のない中空室シールである。
【0050】
これらの問題(P)は、大抵はその用途特有のものとして示されるが、構成エレメント(K)は、本発明の範囲内の用途特定で構成され得る汎用性のある解決手段を示す。したがって、或る用途のために創出された構成エレメントは明らかに他の用途にも適用でき、そこに問題解決手段の一部も含むと考えられる。この点で、構成エレメントの一覧は、それらが対象とする特別な用途のみに用いられるのではなく本発明の任意の用途に関係し得ることを理解されたい。
【0051】
本発明の第3の部分は、本発明に従って挙げられる上記モジュールから得られる少なくとも1つ又は複数の個々の解決手段を有する解決手段システムに、問題に対する構成要素解決手段の様々な個々の解決手段を組み合わせることである。これは、限定はされないが本質的に一例を用いて挙げられ、本明細書を参照して当業者が他の例で容易に拡張することができる(V)。
【0052】
V. ここで、解決手段システムのさらなる応用のために乗用車の一部及びディーゼル微粒子フィルタの濾過を参照して、セル状構成要素の最適化における問題のモジュール式解決のためのシステムの有効性を燃焼アセンブリの微粒子フィルタに関して一例として示す。
【0053】
モジュール1は、この場合、乗用車のディーゼル微粒子フィルタに関して、解決マトリクスにおいて本明細書の命名法に従って問題から構成される。モジュール2は、この場合、解決マトリクスにおいて本明細書の命名法に従って、個々の問題それぞれの構成要素解決手段の総計から構成される。
【0054】
システム考察において、次に、1〜100の点(1)P.x.yの形態で各問題に昇順で値が割り当てられ、この値はランク適用のための要件プロファイルから導き出される。システム考察において、−100〜100の点(2)K.x.yの形態で関連の問題に対する各構成要素解決手段に値が割り当てられ、これはすなわち有害度でもある。
【0055】
問題及び構成要素解決手段の値から(1)P.x.y×(2)K.x.yの積を得て、これをE.x.yとする。次に、問題及び構成要素解決手段の個々の積から和を得て、これをS.xとする。
【0056】
問題及び構成要素解決手段の個々の積の和が負の値となる場合、例外によってシステムに有害な構成要素の容認又は許容が要求されない限り、この構成要素は製品に有害であるものと解釈すべきである。次に、他の正の値の構成要素は、その得点状況に従って製品に許容可能であるものとして分類されて種々の製造法H.1、2、...xに割り当てられ、各構成要素解決手段に最適な製造法が与えられる。
【0057】
負の評価の得点状況を有する構成要素解決手段を考慮せずに、割り当てられた各製造法の積の点の和から、或る製造法で適用され得る構成要素解決手段を使用した場合の製品にとって最大限の最適化の結果が得られる。
【0058】
この場合、各構成要素解決手段への異なる製造法の割り当てを通した構成要素解決手段によるモジュール式問題解決のシステムの評価マトリクスに、当業者にとって実行するのが容易であるように任意に拡張することができるように値を設けることもできる。
【0059】
次に、システム適用の結果としてのこの客観的な非特化型の最適化を、実際の条件に適合させなければならない。これらには主に、生産能力の可用性、最適化の経済的採算性、顧客要件、並びに製品自体及びその最適な構成と直接結び付かない他の条件が含まれる。
【0060】
以下に示すような仮想パラメータと共に一例として挙げるマトリクスにおいて、構成要素解決手段K.2及びK.3は、製造法H.3を用いると製品の最良の可能な最適化を達成する。特に製造に関しては、製造法H.1が製造法H.3の製造過程に組み込まれる可能性がある場合、構成要素解決手段K.5も後続の最適化段階として想定可能である。この例の結果の解釈は、製造法H.2が製品の最適化にあまり適しておらず、構成要素解決手段K.1が全体的に最適化に悪影響を及ぼすことさえあり得ることを明らかに示す。この場合、悪影響を及ぼす構成要素K.2は、大きな問題分類値で作用する問題P.1.1に対してこの構成要素K.2が好影響を及ぼすことの方が重要であると解釈されるため、問題P.1.2において甘受される。対照的に、問題P.1.2に対する構成要素解決手段K.1の最適化に対する好影響は、構成要素解決手段K.1によって最適化度に悪影響を受ける高位分類の問題P.1.1が解決される。
【0061】
構成要素解決手段による問題の最適化のシステムマトリクス
【表1】

【0062】
最後に、本発明による上記モジュール式問題解決手段は、ガソリンアセンブリ、ディーゼルアセンブリ、ガス作動式アセンブリ、固体燃料作動式アセンブリ、それらの組み合わせから作動されるアセンブリでの使用の基礎として、且つ電気部品を有するハイブリッドアセンブリでの用途の基礎としても、本発明によるモジュールの個別又は組み合わせの用途によって特許請求される。
【0063】
限定はされないが特に、本発明の目的は、触媒コンバータとして、微粒子フィルタとして、又は燃焼アセンブリの排ガスシステム用のこれらの組み合わせとして使用するための、上記システム解決手段の使用である。
【0064】
特に、本発明の目的は、乗用車、実用車、固定作業機、移動作業機、推進システム、ジェット、家庭用暖房システム、発電所、及び排ガス流が存在又は発生する他のシステムでの使用のための、システム解決手段の使用である。
【0065】
この場合、熱交換器、質量分離システム、別の流体中に分配されている流体要素を低減及び/又は分配する分散装置、スタティックミキサ、エネルギー生成システム、又は体積流の存在下での一連のさらなる用途を単に例示するシーリグシステム等、当業者によって容易に想像され得ると共にシステムの汎用性を単に例示し且つ特許請求もされる他のシステムでの、本発明によるシステム解決手段の使用も含まれる。
【0066】
したがって、本発明は、例えば、粒子がチャージされている燃焼排ガス等の流体を流すことができ、セル状構造を有する作用領域を備える装置であって、セル状構造は、矩形断面を有する少なくとも2つのチャネルを有するモノリシック装置に関して、熱伝導率が高く、且つ/又は流動抵抗が小さく、且つ/又は機械抵抗、特に圧縮及び/又は引張抵抗が大きく、且つ/又は温度安定性が高くなるような、長手方向及び/又は横方向の形状及び/又は寸法を有し、この場合、長手方向は、流体が当該装置の動作中に流入する方向である、装置を提供する。
【0067】
本発明による装置は、有利な改良では、セル状構造に補強エレメントを備える。
【0068】
例えば、装置は、壁に加えて、少なくともセル状構造を形成するのに必要な付加的なブレースを有する領域を有する。
【0069】
本発明の別の実施の形態では、装置は、対応するセル状構造に異なるサイズのセルを有する少なくとも2つの領域を備える。
【0070】
セル状構造を形成する装置のエレメント、特に壁は、本発明の一変形形態では多孔質であり、例えばセラミック、特に焼結炭化ケイ素、及び/又は少なくとも1つの金属及び/又は少なくとも1つのガラスを含む。
【0071】
本発明の1つの好ましい実施の形態では、装置は、少なくとも1つの入口チャネル及び少なくとも1つの出口チャネルを備える。有利には、本発明によるこの装置では、出口チャネルの断面に対する出口チャネルの断面の比は、1よりも大きく、好ましくは約1.4〜約1.8の範囲にあり、特に好ましくは約1.6である。
【0072】
本発明は、流体を流すことができる装置がセル状構造で形成され、セル状構造を構成するエレメント、特に装置の壁が多孔質であり、続いて圧縮することができる塑性変形可能な質量体が設けられ、所定のセル状構造層を構成するために、以下の2つのステップ、
質量体からセル状構造に対応して構造化された層を作り出すステップと、
層を圧縮するステップと、
が交互に繰り返され、構造化された層が用途に合わせて構成される方法も提供する。層又はセル状構造の構成に関して、最適化のためのモジュールシステムを参照して上述したようにプロセスが行われる。
【0073】
モジュール構成要素を用いた本発明によるシステム解決のシステムを説明するために、本発明を実現するためのいくつかの実施例、したがって限定的ではない実施の形態を以下に挙げる。本発明による可能な応用分野を代表するものとして、微粒子フィルタ、触媒コンバータ、太陽熱受熱器、及びシールに関する実施例を挙げる。本発明の用途のさらなる実施例は、本発明によるシステムから当業者が容易に求めることができ、系統的に解決される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】断面(左)及び拡大詳細図(右)でのディーゼル微粒子フィルタのセル状構造の概略図である。
【図2】本発明の別の実施形態でのディーゼル微粒子フィルタのエレメントの組み合わせの概略図である。
【図3】触媒コンバータのセル状構造の概略断面図である。
【図4】太陽熱受熱器のセル状構造の概略図である。
【実施例1】
【0075】
乗用車煤フィルタ
ここで、モジュールシステムが乗用車のディーゼル煤濾過での使用に適用される場合、本明細書の第1のモジュールによる範疇P.1.1〜P.1.8の問題において大きな問題が定義される。考慮される構成要素解決手段は、モジュール2として構成要素解決手段K.1〜K.9の範囲で示すことができる。最も本質的な問題は以下の通りである。利用可能なフィルタ面が小さくなりすぎ、排ガス逆圧が非比例的に大きくなり、排ガス体積流が小さくなりすぎるまでの、現在許されるフィルタエレメントの寿命が約120,000kmである入口チャネルへの、灰成分の充填。今日では200,000kmを超える機関作動時間の場合、フィルタ交換が依然として現在唯一の解決手段であること。
【0076】
第2の本質的問題は、フィルタ断面にわたる熱機械的応力の伝播である。特に入口チャネルの温度変化が大きい場合、応力の付加は材料の破損につながり、これがこれらの位置での濾過作用をなくすだけでなく、破損縁における機械的摩耗もフィルタ破壊につながる。第3の本質的問題は、材料に対する排ガス逆圧を最小限にするのに必要な薄い壁厚及び大きな気孔率によって本質的にもたらされる、フィルタシステムの製造時の全機械的感度である。
【0077】
フィルタエレメントの再生、特に、例えばチャネル断面にわたる不均一なチャネル充填では、多角形チャネルは、充填されて再生が開始されるまでは丸いフローチャネル内部形状をとっているコーナに厚膜の煤がチャージされる。コーナで例えば1.4倍に増えた厚さは、同じく1.4倍長い再生時間を要する。すなわち、流入チャネルの平坦な側壁はすでに再生されているのにコーナでは依然として再生途中であるため、ディーゼル煤濾過に最初に利用可能となるのが遅れるか、又は短いチャージ時間の後にすでに、体積流に対する濾過力を低下させる非常に顕著なフィルタケークができている。この場合、再生が行われる前に、フィルタケークが例えばフィルタエレメントのチャネル壁の基板の最大6倍に増えた排ガス逆圧を発生させることを考慮に入れるべきである。
【0078】
問題及び構成要素解決手段を分析すると、フィルタエレメントが問題解決のために以下の構成要素を含むような組み合わせが得られるが、これは本明細書によるさらに可能な最適化の一例にすぎない。
入口チャネルは、丸形であり出口チャネルを囲んでいるため、チャネルの最大熱機械的安定性が得られ、最大限に均一な煤負荷状態が可能であり、最小限の流動抵抗がチャネル長手方向に生じ、他の副次的な最適化因子が得られる。
入口チャネルはそれぞれ、真正面に対向した壁にあるスペーシング棒によって互いに分離されているため、熱機械的応力の伝播が目標通りに再配向され、スペーシング棒の寸法を設定することによって、または入口チャネルに寸法的な制限を設けないことによって、出口チャネルに対する入口チャネルのサイズ比が任意に設定できる。このように、一例として、出口チャネル体積に対する入口チャネル体積の体積比を1.6〜1よりも大きくすることができ、これは、現在の120,000kmから190,000kmを超える容量への事実上の容量増加を意味する。
スペーシング棒からチャネルへの移行点には、対応する隣接フィルタチャネルにおける応力を緩やかに再配向させる丸形エレメントが設けられる。それに関連する大きな熱機械的安定性の向上を用いて、フィルタチャネル壁の構成をより薄くすることができ、より高い気孔率を組み込むことができるようにすることができ、これは、より低い基板関連流動抵抗につながるか、又は単に破損の危険性を減らすために用いられる。
フィルタエレメントの外壁の厚さが増加され、そこに高い材料部分に加えて付加的な応力分配エレメントが含まれる。このように、補強された外壁がフィルタ内部からより多くの応力を吸収することもできるため、ハウジングに関してフィルタエレメント全体の機械的安定性が大幅に改善されるが、動作安定性も高まる。
単室システム、灰の廃棄装置、流れ方向転換、又は三角形、六角形、フィルタ断面にわたるチャネル直径勾配、フィルタエレメント長さにわたる気孔率勾配等の他のチャネル形状等のさらなる改良形態が可能であり、当業者にはこのシステムから明らかである。
【0079】
構成要素によるモジュール式問題の対処のシステムは、欧州特許第0627983号に記載の3次元スクリーン印刷の製造法の範囲内で適用することができ、又は同じく本特許公報にも記載のジェット印刷の方法によるフィルタエレメントの印刷にも適用することができる。上述のセル状構造又は構成エレメントを用いて上述のように流体を流すことができる装置を製造するのに特に適しているのは、本発明によって提供される以下の方法である。本発明は、セル状構造又は特に上述のような構成エレメントを有する流体を流すことができる装置を製造する方法であって、セル状構造を構成するエレメント、特に装置の壁が多孔質であり、続いて圧縮することができる塑性変形可能な質量体が設けられ、所定のセル状構造層を構成するために、以下の2つのステップ、
質量体からセル状構造に対応して構造化された層を作り出すステップと、
層を圧縮するステップと、
が交互に繰り返され、構造化された層が用途に合わせて構成される方法にも関する。
【0080】
本発明による方法の好ましい一改良形態では、層又はセル状構造の構成のために、上述のような最適化のためのモジュール式システムに従ってプロセスが実行される。
【0081】
さらなる実施形態に関して添付図面を参照して、本発明をより詳細に後述する。
【0082】
一例として、したがって限定的ではないが本明細書から得ることができる他の解決手段製品を単に代表するものとして、乗用車のディーゼル微粒子フィルタの一実施形態を図1に示す。この場合、1は補強外壁、2は外壁の応力集中エレメント、3は入口チャネル、4は出口チャネル、5はチャネル移行棒、6は丸み付けエレメントを示す。
【0083】
入口チャネルと出口チャネルとの間の移行部の形状、同じく応力集中エレメントの形状は、構成要素の外形寸法と同じように本発明の範囲内で自由に選択することができる。特に、図1に示すように、例えば円弧形遷移部又は円形応力集中エレメントを有する丸い形状が選択され得る。用途に従って、図1に示すようなフィルタセグメントが有する個々のエレメントの形状は、不均一にすることもでき、且つ/又は円形に加えて例えば楕円形、面取り状、多角形等の他の形状にすることができる。
【0084】
形状に加えて、又は形状の代替形態として、本発明の別の実施形態では、出口チャネル5の断面に対する入口チャネル4の断面の比は、1よりも大きく、好ましくは約1.4〜約1.8の範囲にあり、特に好ましくは約1.6である。
【実施例2】
【0085】
トラック煤フィルタ
トラックの微粒子フィルタを考察すると、乗用車に関して実施例1から示されたような同様の問題が本質的に示される。しかしながら、この場合、全く異なる点に重点が置かれるため、本質的問題は、7桁のキロメートル範囲にあり得る駆動アセンブリの走行力に関係する。さらに、煤の蓄積は、荷物の運搬時に著しく多くなり加速する。構成要素モジュールによるモジュール式問題解決のシステムがこの用途に適用される場合、このタイプの駆動アセンブリに関する構成において、フィルタチャネルが組み込まれた入口室が最も有用で技術的に最も効果的なフィルタエレメント形状であるという結果になる。特許出願第WO2005/033477号に記載の整流室は、この場合は灰の排出問題の解決手段にはならないが、その理由は、灰だけでなく本質的に煤もこの室内に集まることで再生条件にほとんど達することができないからである。一実施形態では、1つの部品から作ることができるが複数の組み立て部品から作ることもできる本発明によるこのようなディーゼル微粒子フィルタが、図2に示される。この構造形状では、部品の配置及び位置の勾配の組み込み、気孔率の段階的変更、及び限定はされないが流れ方向及び他の特徴が、当業者には容易に想像でき、解決手段システムに組み込むことができることが理解される。
【0086】
ここで、図2において、入口室は11、濾過チャネルは12、図示はされないが排出装置が実装され得る灰捕集領域を13で示す。この構成では、本明細書の構成エレメントを、乗用車の微粒子フィルタにも存在するもの及び/又は触媒コンバータのものと同様にここに組み込むこともできることが自明である。この実施例では、設置方向を独立して選択することができ、これが上からの排ガス体積流の流入も可能にし、さらに重力によって大幅に簡略化される灰捕集の利益も得ることが、特に強調される。逆流のフィルタが示されている。この製品でも、欧州特許第0627983号に記載の製造法が最も適していることが分かっている。
【実施例3】
【0087】
(触媒コンバータ)
触媒コンバータの場合、今日の問題はあまり劇的ではなく、特にニッチ市場において、特に激戦で他と一線を画する特徴として本質的にマーケティングの観点から触媒コンバータを改良する必要が差し迫っている。この点で、一例でありしたがって限定的ではない構成要素エレメントによるモジュール式問題解決のシステムの構成として、細部に絞った一例をここで図3に示す。この場合、21は補強外壁、22は外壁への応力集中及び再配向エレメントの組み込み、23はチャネル構造への熱機械的応力の再配向エレメントの組み込みを示す。他の構成要素エレメントは、当業者によってこのシステムに容易に組み込むことができ、同様に特許請求される。
【実施例4】
【0088】
(太陽熱受熱器)
太陽光発電では、集束光エネルギーが吸収体の表面に導かれてこの表面によって吸収される。この場合、光放射の熱エネルギーの吸収によって昇温する吸収体に空気が放射方向に引き込まれ、直接又は熱移動プロセス、例えば蒸気発生によって、従来の発電に用いられる。図4の実施例では、本明細書から創出されて製造され得るようないくつかの、したがって限定的ではない太陽熱受熱器形状の可能性が描かれている。この場合、本発明に従って特許請求される微粒子フィルタ、触媒コンバータ、及び他の用途の構成エレメントを太陽熱受熱器にも適用することができることが、当業者には容易に想像される。この場合、31は太陽熱受熱器の入射面、32はエネルギー移動チャネル、33はフローチャネル、34は流れ分離縁を示す。
【実施例5】
【0089】
シール
シールの問題は、広範囲の特殊な要件を示す。この範囲を代表するものとして、最も単純な例として、中空プロファイルからできている外周シールの接合の問題を説明する。この場合、構成要素モジュールからのモジュール式問題解決のシステムによる一例として、上ハウジング室につながる棒ばね及び下ハウジング室につながる棒ばねを有して接続部がハウジングアセンブリ内で圧縮される広い中空プロファイルである外周環状シールによって作られる、モリブデン製の2つのハウジング構成要素の構成がある。この場合、2つの棒ばねは、ハウジングに設けられている溝にも押し込まれるため、第1に棒ばねで得られるラビリンスによって、第2に中空室の圧縮によって、ハウジング部品の複数のシールが形成される。この実施例の特殊な特徴は、欧州特許第0627983号に記載の方法で、ハウジング部品と同じ材料から、シールを継目なしで形成することができることである。この場合、例えばモリブデン粉末で加圧される中空室シールは、処理され、したがってハウジング自体と同じ材料特性を有することができる。この例は、本公報に従って想像可能であり特許請求もされるシール及びシールシステムの他の形状及び構成に関する一例である。この位置では、シール自体だけでなく構成要素も加圧されるため、少なくとも一方のハウジング半体がシールと共に形成されることでシール平面が完全になくなることも想定可能である。
【実施例6】
【0090】
シール
セル状構造のモジュール最適化のシステムによって解決される非常に単純なシールシステムは、セル状平坦シールである。この実施形態では、平坦で継目のない外周シールが、それぞれがシールセルとなる1つ又は複数のセルから作られる。したがって、この実施形態では、一連の平行な外周室が、接合すべき構成要素の凹凸を最適にシールすることができる。外周セルがさらに小区分に分割される場合、耐荷重力の高いシールを形成するシールセルのシステムができる。1つ及び/又は複数のセルの動作関連の漏れが、他のシールセルの機能に影響を及ぼすことはない。これによって、シールの動作信頼性が著しく向上する。
【0091】
他の実施例は、当業者が本明細書から容易に導き出して提示することができ、同じく本発明に従って特許請求される。
【0092】
上記構成に基づき、問題のモジュール式解決のために本発明によって示されるシステムは、流体及び/又は気体媒体の体積流処理の分野で、限定はされないが特に触媒コンバータ及び微粒子フィルタの実施形態の排ガス体積流浄化の応用分野で、又は自動車、作業機、発電所、エネルギー生成システム、及び他のアセンブリ、例えば家庭用暖房システム、ブロック型火力発電所、及び用いられるエネルギーキャリアの反応からの組成物に関係なく排ガス及び/又は粒子の成分を有する他のものでの使用のためのこれらの部品の組み合わせで用いられるように特許請求される。
【0093】
さらに、再生可能エネルギー生成の分野において、一例として、したがって限定はされないが太陽熱受熱器、熱交換器、及び風力に関して、しかし重力作動式発電システム、地熱発電システム、又は潮力発電システム等の流体媒体でのその使用に関しても、モジュール式問題解決のシステムは同じく本発明に従って特許請求される。
【0094】
さらに、接合技術の分野において、一例として、したがって限定はされないがシステム構成要素のハウジング構成要素シール、分離構成エレメント、及び釣り合い(equalizing)構成エレメントに関して、またそれらの接続に関して、モジュール式問題解決のシステムは本発明に従って特許請求される。
【0095】
構成エレメントの全てに共通するのは、これらが欧州特許第0627983号に記載の製造法で最もよく構成することができることである。特に、この場合、3次元スクリーン印刷が、構成要素解決手段が広く重複する既存の製品の製造可能性の広い対象範囲を1つの構成要素内で可能にする。したがって、本発明によれば、本公報によるモジュールに基づくシステム解決手段の使用は、限定はされないが欧州特許第0627983号に記載の方法によって実現されることが有利である。セル状製品のモジュール式解決のシステムの実現、押し出し成形、フィルムキャスティング、フィルム延伸、スリップキャスティング、フォーミング、ジェット印刷、及び大量生産の実現を可能にする他の適切な製造法の実現も、本発明によって可能である。
【0096】
上記構成及び実施例を参照して、添付の特許請求の範囲が本発明に従って特許請求される。限定はされないが特に、装置又は構成エレメント又はシステムに関して特許請求の範囲の少なくとも1つから導き出すことができるタイプの製品の全てが、本発明に従って特許請求される。
【0097】
本発明が上述の実施形態に限定されるのではなく多くの方法で変わり得ることは、当業者には明らかである。特に、個々の実施形態の特徴は、互いに組み合わせることもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を流すことができ、セル状構造を有する作用領域を備える装置であって、前記セル状構造は、矩形断面を有する少なくとも2つのチャネルを有するモノリシック装置に関するものであって、熱伝導率が高く、且つ/又は流動抵抗が小さく、且つ/又は機械抵抗、特に圧縮及び/又は引張抵抗が大きく、且つ/又は温度安定性が高くなるような形状及び/又は寸法を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記セル状構造には少なくとも1つの補強エレメントを備えることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置であって、壁に加えて、少なくとも前記セル状構造を形成するのに必要な付加的なブレースを有する領域を備えることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1から3項のいずれか一項に記載の装置であって、対応する前記セル状構造に異なるサイズのセルを有する少なくとも2つの領域を備えることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置であって、前記セル状構造を形成するエレメント、特に前記壁は、多孔質であり、例えばセラミック、特に焼結炭化ケイ素、及び/又は少なくとも1つの金属及び/又は少なくとも1つのガラスを含むことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の装置であって、少なくとも1つの入口チャネル及び少なくとも1つの出口チャネルを備え、特に、該出口チャネルの断面に対する前記入口チャネルの断面の比は、1よりも大きく、好ましくは約1.4〜約1.8の範囲にあり、特に好ましくは約1.6であることを特徴とする装置。
【請求項7】
セル状構造、特に請求項1から6のいずれか1項に記載の装置のセル状構造のモジュール最適化のためのシステムであって、問題定義のモジュール、個別問題に対する個別構成要素解決手段のモジュール、問題の個別構成要素解決手段を互いに結び付けるモジュール、及び適切な製造法の1つの最適化及び選択の解決手段を選択するためのマトリクスのモジュールから成ることを特徴とする、セル状構造、特に請求項1から6のいずれか1項に記載の装置のセル状構造のモジュール最適化することを特徴とするシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの個別構成要素解決手段及び1つの製造法が1つの問題に割り当てられ得ることを特徴とする、特に請求項7に記載のセル状構造のモジュール最適化をすることを特徴とするシステム。
【請求項9】
限定はされないが本質的に、体積流浄化、エネルギー生成、及び接合技術の領域に割り当てられる種々の応用分野に適用され得ることを特徴とする、請求項7または8に記載のセル状構造のモジュール最適化をすることを特徴とするシステム。
【請求項10】
製品問題が少なくとも1つの製品に割り当てられ得ることを特徴とする、請求項7から9の少なくとも1項に記載のセル状構造のモジュール最適化をすることを特徴とするシステム。
【請求項11】
個別構成要素解決手段が複数の問題及び/又は製品に割り当てられ得ることを特徴とする、請求項7から10の少なくとも1項に記載のセル状構造のモジュール最適化をすることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項7から11のいずれか1項に記載のシステムの使用であって、乗用車及び/又は実用車及び/又は固定作業機及び/又は移動作業機及び/又は鉄道車両用主機(rail propulsion machines、schienengebundenen Antriebsmaschinen)及び/又は船舶用主機(water propulsion machines、wassergebundenen Antriebsmaschine)及び排ガス不純物が生じる他のアセンブリ用の、微粒子フィルタの製品分野に、限定はされないが特に、ディーゼル微粒子濾過に用いられることを特徴とする、請求項7から11のいずれか1項に記載のシステムの使用。
【請求項13】
請求項7から11のいずれか1項に記載のシステムの使用であって、乗用車及び/又は実用車及び/又は固定作業機及び/又は移動作業機及び/又は鉄道車両用主機及び/又は船舶用主機及び排ガス変換要件が生じる他のアセンブリ用の、触媒コンバータの製品分野に、限定はされないが特に、燃焼アセンブリからの排ガスの触媒に用いられることを特徴とする、請求項7から11のいずれか1項に記載のシステムの使用。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の装置又はシステムの使用であって、太陽光発電及び/又は重力関連発電及び/又は潮力発電及び/又は地熱発電によるエネルギー生成の製品分野に、限定はされないが特に、太陽熱発電所及び太陽熱受熱器(solar receivers)に用いられることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の装置又はシステムの使用。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか1項に記載の装置又はシステムの使用であって、接合技術の製品分野に、限定はされないが特に、シールに用いられることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の装置又はシステムの使用。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか1項に記載の装置又はシステムの使用であって、技術的応用からの他の製品分野に、限定はされないが特に、熱交換器、家庭用暖房システム、ブロック型火力発電所、及び他の機能的構成要素に用いられることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の装置又はシステムの使用。
【請求項17】
構成エレメントセット又は請求項1から13のいずれか1項に記載の装置であって、個々の構成エレメントが、1つ又は複数の応用分野及び/又は問題に割り当てられ得ることを特徴とする、構成エレメントセット又は請求項1から13のいずれか1項に記載の装置を備えることを特徴とする装置。
【請求項18】
該構成エレメントは、材料を付加した(material-loaded)棒及び/又は面の形態で熱的及び/又は機械的応力を分配(distribute:分散)及び/又は再配向する(deflect:偏向)のに適していることを特徴とする、請求項17に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項19】
該構成エレメントは、凹状及び/又は凸状の丸み部及び/又は湾曲部の形態でピーク応力(stress spikes)の緩やかな移行をもたらすのに適していることを特徴とする、請求項17又は18に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項20】
前記構成エレメントは、隣接するチャネルのサイズ関係を個別に且つ/又は互いに独立して設定するのに適しており、限定はされないが特にこれは、2つの隣接するチャネル間に組み込まれるスペーシングエレメントであることを特徴とする、請求項17から19に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項21】
前記構成エレメントは、個別のチャネルそれぞれを該チャネルに必要な寸法に縮小又は拡大するのに適しており、限定はされないが特にこれは、入口チャネルが最大サイズで出口チャネルが最小サイズ、又はその反対であることを特徴とする、請求項17から20に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項22】
前記構成エレメントは、体積流の方向が任意に選択され得る少なくとも1つの出口チャネルに通じる入口室を形成するのに適しており、限定はされないが特にこれは、濾過壁によって前記入口室から分離される1つ又は複数の出口チャネルを有する入口室であることを特徴とする、請求項17から21に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項23】
前記構成エレメントは、捕集された灰成分を該エレメントから排出するのに適しており、限定はされないが特にこれは、フラップ及び/又は回転弁及び/又はスライドであることを特徴とする、請求項17から22に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項24】
前記構成エレメントは、フィルタに異なる堆積度を与えるのに適しており、限定はされないが特にこれは、チャネル長さ範囲にわたる気孔率の勾配の組み込み、及び/又は濾過面の数及び/又はサイズの段階的変更(grading)であることを特徴とする、請求項17から23に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項25】
前記構成エレメントは、入口断面にわたる体積流を制御するのに適しており、限定はされないが特にこれは、要件に対応した流入チャネル断面及び/又は形状の段階的変更であることを特徴とする、請求項17から24に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項26】
前記構成エレメントは、組み立て時に生じる破損を最小限にすると同時に動作時の高い応力吸収を保証するのに適しており、限定はされないが特にこれは、該エレメントの外壁の材料関連補強、及び/又は該エレメントの範囲への応力再配向及び/又は応力吸収エレメントの組み込みであることを特徴とする、請求項17から25に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項27】
前記構成エレメントは、濾過室の場合、体積流の入口方向及び/又は出口方向を任意に選択するのに適しており、限定はされないが特に、前記出口チャネルの個々のフィルタチャネルは、フィルタエレメントから出る前に組み合わせて1つ又は複数の集合出口チャネルにされることを特徴とする、請求項17から26に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項28】
前記構成エレメントは、体積流の壁接触を増やすのに適しており、限定はされないが特にこれは、接触ストリップ及び/又は隆起部の取り付け、及び/又は壁の表面粗度の増加であることを特徴とする、請求項17から27に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項29】
前記構成エレメントは、製品の最大動作温度を上昇させるのに適しており、限定はされないが特にこれは、チャネル壁の中及び/又は間への応力再配向及び/又は応力吸収エレメントの組み込みであることを特徴とする、請求項17から28に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項30】
前記構成エレメントは、基板と体積流との間の熱移動を強化するのに適しており、限定はされないが特にこれは、他の構成要素長さと比べて大幅に短い最短作用距離にわたる表面拡大であることを特徴とする、請求項17から29に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項31】
前記構成エレメントは、システム断面にわたる体積流の温度均一化をもたらすのに適しており、限定はされないが特にこれは、チャネル内に、限定はされないが有利にはコーナに異なる流れ断面を有する構成であることを特徴とする、請求項17から30に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項32】
前記構成エレメントは、熱移動特性を改善するのに適しており、限定はされないが特にこれは、体積流の圧縮、したがって渦流をもたらすフローチャネル壁の、及び/又は開口を通した小さなチャネルから大きなチャネルへの、分配(distribution、Verbreiterung)であり、渦流をもたらすことでエネルギー移動の増加をもたらす分離縁が、大きなチャネルの壁が割り当てられない前記小さなチャネルの端に形成されることを特徴とする、請求項17から31に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項33】
前記構成エレメントは、最小限の流動抵抗で最大限の吸収体表面を示すのに適しており、限定はされないが特にこれは、表面積を増やすために壁に波(起伏)(shafts、Wellen)等の付加的なエレメント、及び/又は付加的な棒又は他のエレメントが設けられているか又は設けられていない、多少丸形の入口開口の構成であることを特徴とする、請求項17から32に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項34】
前記構成エレメントは、取り付け面を減らして作用面を増やすのに適しており、限定はされないが特にこれは、例えば太陽熱受熱器の場合に反応面が少なくとも100cmに等しく、有利には196cmを超えることで達成され、それは、チャネル構造への応力再配向及び/又は応力吸収エレメントの組み込みによって実現されることを特徴とする、請求項17から33に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項35】
前記構成エレメントは、材料の気孔率を減らすことなく材料構造内の熱移動を改善するのに適しており、限定はされないが特にこれは、結晶同士の結晶複合体の(in the crystalline composite of the crystals among each other)多孔質材料の結晶転移面を増やすことによって達成されることを特徴とする、請求項17から34に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項36】
前記構成エレメントは、異なる材料からできている場合もある1つの構成要素内で異なる特性を与えるのに適しており、限定はされないが特にこれは、異なる作用をする個別エレメントを1つのパッケージ内に密閉することによって行われ、セラミック及び/又は金属及び/又はプラスチック等の材料が互いに組み合わせられ得るか又は単独で生じ得ることを特徴とする、請求項17から35に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項37】
前記構成エレメントは、隣接する部品と同じ挙動を示すのに適しており、限定はされないが特にこれは、特に接合技術において、隣接する部品での同じ材料の使用であり、特にこのようにしてシールすべき部品と同じ材料からシールが形成されることを特徴とする、請求項17から36に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項38】
前記構成エレメントは、機械的機能を担うのに適しており、限定はされないが特にこれは、シールの場合、圧縮及び/又は拡張され得る構成を有する室のシール材料内への組み込みであることを特徴とする、請求項17から37に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項39】
前記構成エレメントは、機能的漏れの危険性をなくすのに適しており、限定はされないが特にこれは、限定はされないが有利には接合すべき構成要素と同じ材料からできている継目のない中空室シールであることを特徴とする、請求項17から38に記載の構成エレメント又は装置。
【請求項40】
請求項17から39に記載の少なくとも2つの構成エレメント又は装置の組み合わせからできている構成エレメント又は装置。
【請求項41】
請求項17から40に記載の少なくとも1つの構成エレメント及び/又は1つの装置であって、特に、ディーゼル煤微粒子フィルタ、触媒コンバータ、太陽熱受熱器、及びシールエレメントを備える製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−537722(P2009−537722A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510338(P2009−510338)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004259
【国際公開番号】WO2007/131755
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(508340617)バウアー テクノロジーズ ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】