説明

特に航空機動力伝達装置における高負荷転がり軸受用の転がり軸受レース及びその製造方法

本発明は、特に航空機動力伝達装置における高負荷転がり軸受用の転がり軸受レースに関し、異なる金属材料から成る2つの層の強固な複合体から成り、転動体(4)用転動路(6)の範囲が非常に高い強度及び耐摩耗性を持つ鋼から成り、転がり軸受レース(2)の芯範囲(7)が高い靭性を持つ鋼から成っている。本発明によれば、転動体(4)の転動路(6)用の材科として、高い含有量の炭化物形成合金元素及び高い炭素含有量を持つ粉末冶金高速度鋼が設けられ、転がり軸受レース(2)の芯範囲(7)用の材料が、転動路材料(11)と比較して低い含有量の炭化物形成合金元素及び低い炭素含有量を持つ熱間加工鋼から成り、両方の材料が拡散接合により互いに物質的に結合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機動力伝達装置における高負荷される転がり軸受に特に適している、請求項1の上位概念に記載の転がり軸受レース、及びこのような転がり軸受レースの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の動力伝達装置における当業者に、例えば航空機動力伝達装置の主軸受のように高負荷される転がり軸受の軸受レースに対して、高い作動温度のため、特にM50(80MoCrV42−16,1.3551)のような耐熱軸受材料、又はM50NiL(13MoCrNi42−16−14,1.3555)のような耐熱浸炭鋼が使用されることは周知である。これらの材料は、浸炭及び焼入れ後、転動路の範囲に高い硬度を持ち、軸受レースの浸炭されない芯範囲に高い靭性を持っている。しかしこれらの材料の組成は、炭素含有量を除いて、軸受レースの全断面にわたって一定である。従って軸受レースの転動路に対する高い転がり強度及び耐摩耗性、また軸受レースの芯範囲に対する高い靭性というような異なる要求は、限られた範囲でしか実現されない。
【0003】
従って航空機動力伝達装置の転がり軸受に対する高度の要求に一層よく応じる可能性は、異なる金属材料から成る2つの層の強固な複合体から転がり軸受レースを製造すること、即ち転動体用転動路の範囲を非常に高い硬度を持つ鋼から構成し、転がり軸受レースの芯範囲を高い靭性を持つ鋼から構成することである。
【0004】
複合材料から成るこのような転がり軸受レースは例えばドイツ連邦共和国出願公開第2745527号明細書から公知である。この転がり軸受レースは、転動体用転動路を形成するためクロムと合金化された転がり軸受鋼から成る第1の環と、転がり軸受の芯範囲を形成するため僅かな炭素成分を含む耐食鋼から成る第2の環から構成されている。体積を互いに精確に構成されるこれら両方の環は、互いに結合するため、同心的に内外に差込まれ、半径方向に軸受レースの寸法に一致する室を満たすまで、転動体用転動路を同時に形成しながら、成形ローラにより変形される。続いて環は熱処理を受け、収縮により互いに強固に結合され、最後に研削により仕上げ加工される。
【0005】
複合材料から成るこの転がり軸受の欠点は、異なる材料から成る両方の環が一緒に同時に接線方向、半径方向及び軸線方向に圧延により変形され、互いに結合されることである。しかし実際から、特に高耐熱性で耐摩耗性の材料の冷間圧延は、限られた範囲でしか実施できないことが分かっている。なぜならば、これらの材料は一般に異なる拡げ能力を持っているからである。それにより両方の環の永続的な結合は疑わしいので、続いて行われる収縮によっても、例外的な場合に環の強固な結合が行われるにすぎない。同様に転動路の幅にわたって変化しかつ転がり軸受のそのつどの使用事例に合わされる両方の材料の層の厚さは、上述した製造法では実現不可能である。環は物質的に直接互いに結合されていないので、航空機動力伝達装置の転がり軸受に対する高度の要求に応じるようにするために、その疲れ強度に関して、このような複合体は充分でないことがわかった。更にこのような軸受レースの製造方法を実現するため、多数の製造段階及び工具と複数の分割された工具型が必要であり、それによりこのような軸受レースにより構成される転がり軸受の比較的高い製造費が生じる。
【0006】
更に複合材料から軸受レースを製造する別の可能性がドイツ連邦共和国特許出願公開第2938812号明細書により開示されている。この刊行物に記載されている転がり軸受レースでは、転動体用転動路を形成する第1の環も同様にクロムと合金化された転がり軸受鋼から成り、適当な板条片の打抜きと絞りにより製造される。これに反し転がり軸受レースの芯範囲を形成する第2の環は金属粉末から成り、この金属粉末は、第1の環と結合するためこれと共に型へ充填され、プレスにおいて圧力をかけられて300℃〜700℃の温度で圧縮される。生じた素材は、続いて炉内で1100℃〜1200℃の温度で焼結され、酸素のない雰囲気内で950℃〜1000℃に冷却され、最後に型鍛造及び圧延により転動体用転動路が転がり軸受レースに形成される。
【0007】
この方法により製造される転がり軸受レースでは、材料複合体の両方の環は、焼結過程により物質的に互いに結合されているが、ここでも転動路範囲のために打抜き板を使用することにより、この転動路の層厚は広範囲に一定であり、転動路の幅にわたってその厚さを所望のように変えることができない。この材料複合体でも同様に、芯範囲及び転動路範囲用の耐熱性及び耐摩耗性材料の最後に行われる一緒の圧延及び鍛造は、製造技術的に非常に費用をかけてのみ実現可能である。更にこのような材料複合体の製造費用は実際に不経済であることがわかった。なぜならば、各軸受レースのために、金属粉末を圧縮して焼結するために別個の型を使用せねばならず、焼結金属の圧縮過程及び冷却過程のために費用がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
公知の従来技術の解決策の上述した欠点から出発して、本発明の基礎になっている課題は、航空機動力伝達装置の高負荷される転がり軸受のために転がり軸受レースを構成することであり、この軸受は、転動路の範囲のための非常に高い硬度及び耐摩耗性を持つ鋼と芯範囲のための高い靭性を持つ鋼から成る疲れ強度を持つ複合体から成っており、転動路幅にわたって転動路の広範囲に可変な層厚さで構成され、安価な製造によりすぐれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によればこの課題は、請求項1の上位概念に記載の転がり軸受レースにおいて、転動体の転動路用の材料として、高い含有量の炭化物形成合金元素及び高い炭素含有量を持つ粉末冶金高速度鋼が設けられ、転がり軸受レースの芯範囲用の材料が、転動路材料と比較して低い含有量の炭化物形成合金元素及び低い炭素含有量を持つ熱間加工鋼から成り、両方の材料が拡散接合により互いに物質的に結合されていることによって解決される。
【0010】
本発明の基礎になっている認識は、拡散接合により高い高温強度を持つ耐摩耗性材料複合体が製造可能であり、これらの複合体が高負荷される転がり軸受の転動路及び芯範囲に対する種々の要求にほぼ最適に応じることができるということである。転動体の転動路用材料としての粉末冶金高速度鋼は、適当な熱処理後、高い含有量の硬質相(炭化物)により、浸炭される肌焼鋼M50Nilと比較して著しく良好な耐摩耗性を持っている。非常に微細で均質なミクロ組織のため,高い炭化物含有量にもかかわらず、転動路範囲の強度は非常に高い。複合体の補足的な圧縮も必要でない。なぜならば、高い温度及び高い圧力の同時の作用により、材料が残留気孔率なしに製造されるからである。転がり軸受の芯範囲用の熱間加工鋼は、更にその組成に関しては転動路材料とは異なり、高い靭性に合わされるが、その硬度特性に関しては転動路材料の硬度プロセスに合わされねばならない。
【0011】
本発明により構成される転がり軸受レースの好ましい構成及び展開は従属請求項に記載されている。
【0012】
請求項2及び3によれば、転動体の転動路用の材料が、なるべく5%より多い合金成分Cr,Mo,W及びVを持ちかつ0.8%より大きい炭素含有量を持つ高速度鋼S10−2−5−8PMにより形成され、転がり軸受レースの芯範囲用の材料が、なるべく12%より少ない合金成分Cr,Mo,W及びVを持ちかつ0.5%より小さい炭素含有量を持つ熱間加工鋼X40CrMoV5−1により形成される。
【0013】
与えられた課題は、更に転がり軸受の内レース又は外レースの製造例について以外に説明される上述した特徴を持つ転がり軸受レースの本発明による製造方法によって解決される。
【0014】
転がり軸受の内レースを製造するため、芯範囲用原料として、なるべく熱間加工鋼X40CrMoV5−1から成る棒状鋼円筒が使用され、外レースを製造するための原料は、なるべく同じ材料から成る厚壁鋼管によって形成される。補助工具として更に、鋼円筒又は鋼管の円筒状鋼カプセルが必要とされ、内レースを製造する場合この鋼カプセルの中心へ鋼円筒が挿入され、外レースを製造する場合鋼管が同心的に鋼カプセルの内側に接して挿入される。続いて鋼円筒と鋼カプセルの内側との間の空間又は鋼管の空所が、転動路材料の粉末状で存在する高速度鋼S10−2−5−8PMで満たされ、手で圧縮される。
【0015】
こうして準備された鋼カプセルは、それからその開いている端部を閉鎖され、場合によっては排気され、適当な炉内で同時に約1000barの圧力及び1000℃〜1200℃の温度にさらされる。熱間等方静圧圧縮による拡散接合と称されるこの過程により、密な材料への転動路材料の金属粉末の焼結、及び同時に焼結された金属と芯範囲の鋼円筒又は鋼管との物質的な結合が行われる。
【0016】
生じた複合素材の室温への冷却及び鋼カプセルの除去後に、複合素材が自動旋盤により中心孔を設けられ、同時に個々の複合環に細断される。内レースを製造する場合、穴が芯範囲の材料に形成され、外レースを製造する場合穴が転動路の材料に形成される。
【0017】
続いて、細断により生じる複合環の転動路材料へ、2つの成形ローラの間での圧延により、転動路溝が形成され、この転動路溝の圧延形成は、後になっての転動路の全範囲において又はその全幅にわたって転動路材料の最適な層厚を生じるという役割を持っている。
【0018】
それから複合環の切削加工とそれに続く焼入れ及び最終的な軸受レース寸法への研削により、転がり軸受レースの大体の外側輪郭の形成が行われる。その際転がり軸受レースの焼入れはなるべく1000℃〜1200℃の温度で行われるので、転動路材料は少なくとも750HVの硬度を持ち、芯材料は少なくとも500HVの硬度を持つ。
【0019】
この方法により製造されかつ本発明により構成される転がり軸受は、従って従来技術から公知の転がり軸受レースに対して次の利点を持っている。即ち転がり軸受レースは、転動路の範囲のために非常に高い硬度及び耐摩耗性を持つ鋼と芯範囲のために高い靭性を持つ鋼とから成る2つの層の疲労強度を持つ複合体から成り、適切な成形圧延過程により、転動路幅にわたって転動路の広範囲に可変な層厚で構成可能である。その際熱間等方静圧圧縮による拡散接合によって、転動路範囲のために粉末冶金高速度鋼が焼結されるだけでなく、同時に芯範囲の材料との物質結合が行われ、この物質結合により、製造される転がり軸受レースは、いかなる場合にも航空機動力伝達装置における転がり軸受に対する高度の要求に応じる。比較的安価な原料、簡単な補助装置及び適度な製造費により、本発明により構成される転がり軸受は、個々の切削製造段階にもかかわらず、全体として安価な製造の点でもすぐれている。
【0020】
本発明により構成される転がり軸受レース及びその製造方法の好ましい実施例が、添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1及び2から、例えば航空機動力伝達装置の主軸軸受に使用されるような3点玉軸受として構成された転がり軸受1がわかる。この転がり軸受1は、公知のように2分割の内レース2、一体の外レース3、及び両レース2,3の間で転がる多数の転動体4から成り、これらの転動体3は保持器5により均一な相互間隔に保たれる。更に図2に示すように、転がり軸受1の少なくとも内レース2が、異なる金属材料から成る2つの層の強固な複合体から成り、転動体4用転動路6の範囲が非常に高い硬度を持つ鋼から形成され、内レース2の芯範囲7が高い靭性を持つ鋼から形成されている。
【0022】
熱安定性、耐摩耗性及び靭性に関してこのような軸受レース2に対する高度の要求に応じるため、本発明によれば、転動体4の転動路6用の材料として、炭化物形成合金元素の高い含有量及び高い炭素含有量を持つ粉末冶金高速度鋼が設けられ、転がり軸受レース2の芯範囲7用の材料は、転動路材料11と比較して炭素形成合金元素の低い含有量及び低い炭素含有量を持つ熱間加工鋼から成っている。両方の材料は、本発明によれば拡散接合により物質的に互いに結合され、転動体4の転動路6用の材料は、5%より多い合金元素成分Cr,Mo,W,V及び0.8%より多い炭素含有量を持つ高速度鋼S10−2−5−8PMにより形成され、軸受レース2の芯範囲7用の材科は、12%より少ない合金成分Cr,Mo,W,V及び0.5%より少ない炭素含有量を持つ熱間加工鋼X40CrMoV5−1により形成されている。
【0023】
図3〜8により、本発明により構成される軸受レース2を製造する方法の例が以下に説明される。
【0024】
図3からわかるように、まず軸受レースの芯範囲7の材料から成る鋼円筒8が、薄壁の円筒状鋼カプセル9へ挿入され、続いて鋼円筒8と鋼カプセル9との間の空所10が、転動路材料11の金属粉末で満たされ、手で圧縮される。こうして準備される鋼カプセル9を用いて、転動路材料11の焼結と、熱間等方静圧圧縮による拡散接合によって転動路材料11と鋼円筒8との物質結合が同時に行われる。その際鋼カプセル9は、図3に矢印により示す約100barの高い圧力及び1000℃〜1200℃の温度にさらされるので、転動路材料1の金属粉末が焼結鋼となるように圧縮され、同時に芯範囲7の鋼と結合される。
【0025】
生じる複合素材の冷却後、自動旋盤で、芯範囲7の材料への中心穴12の形成と、個々の複合体環13への複合素材の細断が行われ、これらの複合環13の1つが例えば図4に示されている。それから図5に示すように、穴12を通して、各複合環13の転動路材料11へ、2つの成形ローラ14,15の間での圧延により転動路溝16が形成され、図6の拡大図からわかるように、この転動路溝16により、輪郭で示される後になってこの軸受レース2の転動路6の全幅にわたって、転動路材料11の最適な層厚が形成される。
【0026】
最後に、図7に単独に示される軸受レース2の大体の外側輪郭の形成が、複合環13の切削加工、1000℃〜1200℃の温度での焼入れ、及び最終的な軸受レースとなるようにする研削によって行なわれる。図8に示す硬度グラフは、焼入れ後の転動路材料11が約870HVの硬度を持ち、この硬度が深さの増大と共に少し減少し、転動路材科11と芯範囲7の材料との間の移行範囲で強く低下することを示している。その場合芯範囲7の材料は移行範囲の後で約670HVの硬度を持ち、軸受レース2の内側の方へ硬度が更に少し約630HVの硬度まで低下する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】 航空機動力伝達装置の3点玉軸受として構成される主軸軸受の縦断面図を示す。
【図2】 図1による3点玉軸受の拡大横断面図を示す。
【図3】 図1による3点玉軸受用の本発明により構成される内レースを製造する方法段階a)〜c)の概略図を示す。
【図4】 図1による3点玉軸受用の本発明により構成される内レースを製造する方法段階d)の概略図を示す。
【図5】 図1による3点玉軸受用の本発明により構成される内レースを製造する方法段階e)の概略図を示す。
【図6】 図1による3点玉軸受用の本発明により構成される内レースを製造する方法段階f)の概略図を示す。
【図7】 図1による3点玉軸受用の本発明により構成される内レースの断面の拡大図を示す。
【図8】 図1による3点玉軸受用の本発明により構成される内レースの硬度推移のグラフを示す。
【符号の説明】
【0028】
1 転がり軸受
2 内レース
3 外レース
4 転動体
5 保持器
6 転動路
7 芯範囲
8 鋼円筒
9 鋼カプセル
10 空所
11 転動路材料
12 穴
13 複合環
14,15 成形ローラ
16 転動路溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に航空機動力伝達装置における高負荷転がり軸受用の転がり軸受レースであって、異なる金属材料から成る2つの層の強固な複合体から成り、転動体(4)用転動路(6)の範囲が非常に高い強度及び耐摩耗性を持つ鋼から成り、転がり軸受レース(2)の芯範囲(7)が高い靭性を持つ鋼から成っているものにおいて、転動体(4)の転動路(6)用の材料として、高い含有量の炭化物形成合金元素及び高い炭素含有量を持つ粉末冶金高速度鋼が設けられ、転がり軸受レース(2)の芯範囲(7)用の材料が、転動路材料(11)と比較して低い含有量の炭化物形成合金元素及び低い炭素含有量を持つ熱間加工鋼から成り、両方の材料が拡散接合により互いに物質的に結合されていることを特徴とする、転がり軸受レース。
【請求項2】
転動体(4)の転動路(6)用の材料が、なるべく5%より多い合金成分Cr,Mo,W及びVを持ちかつ0.8%より大きい炭素含有量を持つ高速度鋼S10−2−5−8PMにより形成されることを特徴とする、請求項1に記載の転がり軸受レース。
【請求項3】
転がり軸受レース(2)の芯範囲(7)用の材料が、なるべく12%より少ない合金成分Cr,Mo,W及びVを持ちかつ0.5%より小さい炭素含有量を持つ熱間加工鋼X40CrMoV5−1により形成されることを特徴とする、請求項1に記載の転がり軸受レース。
【請求項4】
次の方法段階を含む
a)転がり軸受レース(2)の芯範囲(7)の材料から成る鋼管又は鋼円筒(8)を、薄 壁の円筒状鋼カプセル(9)の中心へ挿入し、
b)鋼円筒(8)と鋼カプセル(9)との間の空所(10)又は鋼管の空所を、転動路材 料(11)の金属粉末で満たし、かつそれを圧縮し、
c)転動路材料(11)を焼結し、同時にそれを熱間等方静圧圧縮による拡散接合によっ て鋼円筒(8)又は芯範囲(7)の鋼管と結合し、
d)芯範囲(7)の材料又は転動路材料に中心穴(12)を形成し、複合素材を個々の複 合環(13)に細断し、
e)2つの成形ローラ(14,15)の間で複合環(13)の圧延により転動路材料(1 1)の層厚をくぼませながら、転動路溝(16)を転動路材料(11)に形成し、
f)複合環(13)の切削加工により転がり軸受レース(2)の大体の外側輪郭を形成し 、続いて焼入れし、最終的な軸受レース寸法に研削する
ことを特徴とする、請求項1に記載の転がり軸受レースの製造方法。
【請求項5】
転がり軸受レース(2)の転動路(6)及び芯範囲(7)用の両方の材料の焼結及び同時の拡散接合を、なるべく約1000barの圧力及び1000℃〜1200℃の温度で熱間等方静圧圧縮により行うことを特徴とする、請求項4に記載の転がり軸受レースの製造方法。
【請求項6】
転がり軸受レース(2)の最後の焼入れをなるべく1000℃〜1200℃で行い、それにより転動路材料(11)が少なくとも750HVの硬度を持ち、芯範囲(7)の材料が少なくとも500HVの硬度を持つようにすることを特徴とする、請求項4に記載の転がり軸受レースの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−540982(P2008−540982A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515037(P2008−515037)
【出願日】平成18年5月6日(2006.5.6)
【国際出願番号】PCT/DE2006/000784
【国際公開番号】WO2006/122518
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(506420843)シエフレル・コマンデイトゲゼルシヤフト (80)
【Fターム(参考)】