説明

特定の有機アミンの存在下における明色化直接染色または酸化染色の方法、そのためのデバイスおよび無水組成物

【課題】酸化剤の存在下における、ヒトのケラチン繊維の染色方法を提供すること。
【解決手段】前記方法は、1種または複数の脂肪物質および1種または複数の界面活性剤を含む無水化粧組成物、酸化性組成物、1種もしくは複数の直接染料および/または酸化染料と25℃でのpKbが12未満の1種または複数の有機アミンとを含む組成物の使用を含む。
本発明はまた、マルチ-コンパートメントデバイスにも関し、その第1コンパートメントは前記無水化粧組成物を含み、第2コンパートメントは酸化性組成物を含み、第3コンパートメントは1種または複数の染料および1種または複数の前記有機アミンを含む組成物を含む。
最後に、本発明は、1種または複数の脂肪物質、1種または複数の界面活性剤、1種または複数の染料、および1種または複数の前記有機アミンを含む無水組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1種または複数の脂肪物質および1種または複数の界面活性剤を含む無水化粧組成物、酸化性組成物、1種または複数の染料と25℃でのpKbが12未満である1種または複数の有機アミンとを含む組成物の使用を含む、酸化剤の存在下における、ヒトのケラチン繊維の染色方法に関する。
【0002】
最後に、本発明は、1種または複数の脂肪物質、1種または複数の界面活性剤、1種または複数の染料、および1種または複数の前記有機アミンを含む無水組成物に関する。
【0003】
本発明はまた、マルチ-コンパートメントデバイスにも関し、その第1コンパートメントは前記無水化粧組成物を含み、第2は酸化性組成物を含み、また第3は1種または複数の染料と1種または複数の前記有機アミンとを含む組成物を含む。
【背景技術】
【0004】
ヒトのケラチン繊維、例えば毛髪を染色する方法の中で、酸化染色または永続的染色を挙げることができる。より詳細には、この染色方法は、1種または複数の酸化染料前駆体(通常、1種または複数のカプラーと任意選択で組み合わせられる、1種または複数の酸化ベース)を用いる。
【0005】
一般的に、酸化ベースは、オルト-またはパラ-フェニレンジアミン、オルト-またはパラ-アミノフェノールおよび複素環式化合物から選択される。これらの酸化ベースは無色かまたは弱く着色した化合物であり、これらは、酸化性の製品と一緒にされた時に、酸化縮合の過程を通じて有色の化学種に変化できる。
【0006】
これらの酸化ベースにより得られる色合い(shade)は、それらを1種または複数のカプラーと組み合わせることによって、しばしば変えられ、これらのカプラーは、特に、芳香族メタ-ジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノールおよび特定の複素環式化合物(例えば、インドール化合物)から選択される。
【0007】
酸化ベースおよびカプラーとして用いられる様々な分子により広範な色が得られる。
【0008】
直接染色または半永続的染色もまた知られている。直接染色において通常用いられる方法は、ケラチン繊維に直接染料(これらは、繊維に対してアフィニティを有する有色の着色性分子である)を付けること、拡散によって分子が繊維に浸透するだけの時間、それらを留め、次いでそれらを洗い流すことから成る。
【0009】
一般的に用いられる直接染料は、ニトロベンゼン、アントラキノン、ニトロピリジン、アゾ、メチン、アゾメチン、キサンテン、アクリジン、アジンおよびトリアリールメタンの直接染料から選択される。
【0010】
このタイプの方法は、顕色のために酸化剤の使用を必要としない。しかし、着色と共に、明色効果を得るために、酸化剤を用いることは除外されない。この場合、このような方法は、明色化条件下での直接染色または半永続的染色と呼ばれる。
【0011】
このように、明色化条件下での永続的または半永続的染色方法は、染色組成物と共に、少なくとも1種の酸化剤を含む水性組成物を、大多数の場合においてアルカリpH条件下に用いることから成る。この酸化剤の役割は、毛髪のメラミンを劣化させることであり、このために、存在する酸化剤の特質に応じて、繊維は顕著にまたはそれほど顕著でなく明色化される。こうして、比較的弱い明色化では、酸化剤は一般的に過酸化水素である。一層しっかりした明色化が望まれる時には、過酸化水素の存在下に過酸化塩(peroxygenated salt)(例えば、過硫酸塩)が通常用いられる。
【0012】
これらの方法はアルカリ条件下に実施され、また最も広く用いられるアルカリ剤はアンモニア水であるという事実から、難点の1つが生じる。アンモニア水は、このタイプの方法において特に利点がある。この理由は、それにより、酸化剤の活性化が可能なアルカリpHまで、組成物のpHが調節されることである。また一方、この作用剤は、ケラチン繊維の膨潤を、スケール(scale)を開く(open)ことにより引き起こし、このために、繊維への、酸化剤、さらには染料(本質的には酸化染料)の浸透が促進され、こうして、染色反応の効率が高められる。
【0013】
しかし、この塩基性化剤は非常に揮発性であり、これを使用者は、処理の間に発せられる、強く、かなり不快で特徴的なアンモニアの臭いのせいで、嫌だと気づく。
【0014】
さらに、放出されるアンモニアの量は、この損失を補償するために、必要とされるより高含量の使用を必要とする。これは使用者に影響のないことでなく、使用者は、臭いによって相変わらず迷惑を受けるだけでなく、許容量を超える一層大きな危険、例えば、頭皮の刺激(チクチクする)にも直面し得る。
【0015】
ただ単にアンモニア水の全てまたはいくらかを、1種または複数の他の標準的な塩基性化剤により置き換えるという選択肢について言えば、これでは、これらの塩基性化剤が酸化剤の存在下に着色された繊維を十分に明色化できないために特に、アンモニア水に基づくものと同じように効率的な組成物は得られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】JP-A-2-295 912
【特許文献2】GB 1 026 978
【特許文献3】GB 1 153 196
【特許文献4】FR 2 801 308
【特許文献5】DE 2 359 399
【特許文献6】JP 88-169 571
【特許文献7】JP 05-63124
【特許文献8】EP 0 770 375
【特許文献9】WO 96/15765
【特許文献10】DE 3 843 892
【特許文献11】DE 4 133 957
【特許文献12】WO 94/08969
【特許文献13】WO 94/08970
【特許文献14】FR-A-2 733 749
【特許文献15】DE 195 43 988
【特許文献16】WO 95/15144
【特許文献17】WO 95/01772
【特許文献18】EP 714 954
【特許文献19】FR 2 189 006
【特許文献20】FR 2 285 851
【特許文献21】FR 2 140 205
【特許文献22】EP 1 378 544
【特許文献23】EP 1 674 073
【特許文献24】EP 1 637 566
【特許文献25】EP 1 619 221
【特許文献26】EP 1 634 926
【特許文献27】EP 1 619 220
【特許文献28】EP 1 672 033
【特許文献29】EP 1 671 954
【特許文献30】EP 1 671 955
【特許文献31】EP 1 679 312
【特許文献32】EP 1 671 951
【特許文献33】EP 167 952
【特許文献34】EP 167 971
【特許文献35】WO 06/063 866
【特許文献36】WO 06/063 867
【特許文献37】WO 06/063 868
【特許文献38】WO 06/063 869
【特許文献39】EP 1 408 919
【特許文献40】EP 1 377 264
【特許文献41】EP 1 377 262
【特許文献42】EP 1 377 261
【特許文献43】EP 1 377 263
【特許文献44】EP 1 399 425
【特許文献45】EP 1 399 117
【特許文献46】EP 1 416 909
【特許文献47】EP 1 399 116
【特許文献48】EP 1 671 560
【特許文献49】EP 1 006 153
【特許文献50】EP 1 433 472
【特許文献51】EP 1 433 474
【特許文献52】EP 1 433 471
【特許文献53】EP 1 433 473
【特許文献54】EP 6 291 333
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968年、Academic Press)
【非特許文献2】Cosmetics and Toiletries、Vol. 91、Jan. 76、27〜32頁、ToddおよびByers、「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」
【非特許文献3】ASTM標準445付録C
【非特許文献4】Colour Index International、第3版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的の1つは、酸化剤の存在下に実施される染色方法を提示することであり、これらの方法は、大量のアンモニア水の存在に帰因する既存の方法の欠点を有さないと同時に、得られる染色力、色度および繊維に沿う着色の均質性に関しては、相変わらず同じように効率的なままである。特に、本発明による方法により、100%の白髪を隠せる強い着色が得られる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
これらおよび他の目的は本発明によって達成され、本発明の1つの主題は、酸化剤の存在下における、ヒトのケラチン繊維の染色方法であり、この方法では、次のものが該繊維に付けられる:
(a)1種または複数の脂肪物質および1種または複数の界面活性剤を含む無水化粧組成物(A);
(b)1種または複数の酸化剤を含む組成物(B);
(c)1種または複数の酸化染料、1種または複数の直接染料あるいはこれらの混合物、および25℃でpKbが12未満である1種または複数の有機アミンを含む組成物(C)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明はまた、無水組成物(A)を第1コンパートメントに、少なくとも1種の酸化剤を含む組成物(B)を第2コンパートメントに、また1種もしくは複数の酸化染料および/または1種もしくは複数の直接染料と、さらには25℃でpKbが12未満である1種または複数の有機アミンとを含む組成物(C)を第3コンパートメントに含む、マルチ-コンパートメントデバイスにも関する。
【0021】
本発明の最後の主題は、1種または複数の脂肪物質、1種または複数の界面活性剤、1種または複数の酸化染料、1種または複数の直接染料あるいはこれらの混合物、ならびに25℃でpKbが12未満である1種または複数の有機アミンを含む、無水組成物からなる。
【0022】
本発明の他の特徴および利点は、説明およびその後の実施例を読めばより明瞭になるであろう。
【0023】
本明細書の下の記述において、特に断らなければ、値の範囲の境界値はその範囲に含まれる。
【0024】
本発明の方法により処理されるヒトのケラチン繊維は、好ましくは毛髪である。
【0025】
すでに指摘したように、本発明の染色方法は無水組成物(A)の存在下に実施される。
【0026】
より詳細には、本発明の目的では、「無水組成物」という用語は、該組成物の重量に対して、5重量%未満、好ましくは2重量%未満、より一層好ましくは1重量%未満の水含量を有する組成物を意味する。水はまた、結合水、例えば、塩の結晶水の状態、あるいは、本発明による組成物の調製に用いられる出発物質によって吸収された痕跡量の水でもあり得ることに留意すべきである。
【0027】
記載したように、無水化粧組成物(A)は1種または複数の脂肪物質を含む。
【0028】
「脂肪物質」という用語は、常温(25℃)、大気圧(760mmHg)で水に溶けない(5%、好ましくは1%、より一層優先的には0.1%未満の溶解性)有機化合物を意味する。さらに、脂肪物質は、同じ温度および圧力条件下に有機溶媒に、例えば、クロロホルム、エタノールまたはベンゼンに溶ける。
【0029】
より詳細には、脂肪物質は、室温、大気圧で液体またはペースト状である化合物から選択される。
【0030】
有利には、脂肪物質は、アルカン、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエステル、ミネラルオイル、植物油、動物油、合成オイル、シリコーンおよびワックスから選択される。
【0031】
本発明の目的では、脂肪アルコール、脂肪エステルおよび脂肪酸は、より詳細には、線状または分岐状、飽和または不飽和で6から30個の炭素原子を含む少なくとも1つの炭化水素系基(これは、特に、1個または複数(特に1から4個)のヒドロキシル基により任意選択で置換されている)を含むことが喚起される。それらが不飽和である場合、これらの化合物は、1から3個の共役または非共役炭素-炭素2重結合を含み得る。
【0032】
アルカンについて言えば、これらのアルカンは、6から30個の炭素原子を含み、線状または分岐状、あるいは可能性として環状である。挙げることができる例には、ヘキサンおよびドデカンが含まれる。
【0033】
本発明の組成物において使用され得るオイルとして、挙げることができる例には以下が含まれる:
- 動物由来の炭化水素系オイル、例えば、ペルヒドロスクワレン;
- 植物由来の炭化水素系オイル、例えば、6から30個の炭素原子を含む液体脂肪酸トリグルセリド、例えば、ヘプタン酸またはオクタン酸トリグリセリド、あるいは別のものとして、例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、マロウ(marrow)オイル、ブドウ種子油、ゴマ油、ヘーゼルナッツオイル、アプリコットオイル、マカダミアオイル、アララ(arara)オイル、ヒマシ油、アボカドオイル、カプリル酸/カプリン酸トリグルセリド、例えば、Stearineries Dubois社によって販売されているもの、またはDynamit Nobel社によって、Miglyol(登録商標)810、812および818の名称で販売されているもの、ホホバオイル、およびシアバターオイル;
- ミネラルまたは合成由来の線状または分岐状炭化水素、例えば、揮発性または非揮発性液体パラフィン、およびこれらの誘導体、石油ゼリー、液体石油ゼリー、ポリデセン、水素添加ポリイソブテン(例えば、Parleam(登録商標))、イソパラフィン(例えば、イソヘキサデカンおよびイソデカン);
- 8から30個の炭素原子を含む、線状または分岐状で飽和または不飽和の脂肪アルコール、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびこれらの混合物(セチルステアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコールまたはリノレイルアルコール;
- 部分的に炭化水素系および/またはシリコーン系のフルオロオイル、例えば、文書JP-A-2-295 912に記載のもの;やはり挙げることができるフルオロオイルには、ペルフルオロメチルシクロペンタンおよびペルフルオロ-1,3-ジメチルシクロヘキサン、BNFL Fluorochemicals社によってFlutec(登録商標)PC1およびFlutec(登録商標)PC3の名称で販売されている;ペルフルオロ-1,2-ジメチルシクロブタン;ペルフルオロアルカン、例えば、ドデカフルオロペンタンおよびテトラデカフルオロへキサン、3M社によってPF 5050(登録商標)およびPF 5060(登録商標)の名称で販売されている、または、Atochem社によってForalkyl(登録商標)の名称で販売されているブロモペルフルオロオクチル;ノナフルオロメトキシブタンおよびノナフルオロエトキシイソブタン;ペルフルオロモルホリン誘導体、例えば、3M社によってPF 5052(登録商標)の名称で販売されている4-トリフルオロメチルペルフルオロモルホリンが含まれる。
【0034】
(複数の)ワックスは、カルナウバ蝋、キャンデリラワックス、エスパルト蝋(esparto grass wax)、パラフィンワックス、オゾケライト、植物ワックス、例えば、オリーブワックス、ライスワックス、水素添加ホホバワックスまたは花の純粋な(absolute)ワックス(例えば、Bertin社(フランス)によって販売されているクロフサスグリ(blackcurrant)の花のエッセンシャルワックス)、動物ワックス、例えば、蜜蝋または変性蜜蝋(セラベリナ(cerabellina));本発明により使用され得る他のワックスまたはワックス状出発物質は、特に、海産ワックス、例えば、Sophim社によってM82の参照名で販売されている製品、およびポリエチレンワックスまたは一般にポリオレフィンワックスから選択される。
【0035】
脂肪酸は、飽和または不飽和であってよく、6から30個の炭素原子、特に、9から30個の炭素原子を含む。それらは、より詳細には、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびイソステアリン酸から選択される。
【0036】
エステルは、飽和または不飽和で線状または分岐状のC1〜C26脂肪族モノ-またはポリ酸のエステル、および、飽和または不飽和で線状または分岐状のC1〜C26脂肪族モノ-またはポリアルコールのエステルであり、エステルの全炭素数は10以上である。
【0037】
モノエステルの中では、以下を挙げることができる:ジヒドロアビエチルベヘナート;オクチルドデシルベヘナート;イソセチルベヘナート;セチルラクタート;C12〜C15アルキルラクタート;イソステアリルラクタート;ラウリルラクタート;リニレイルラクタート;オレイルラクタート;(イソ)ステアリルオクタノアート;イソセチルオクタノアート;オクチルオクタノアート;セチルオクタノアート;デシルオレアート;イソセチルイソステアラート;イソセチルラウラート;イソセチルステアラート;イソデシルオクタノアート;イソデシルオレアート;イソノニルイソノナノアート;イソステアリルパルミタート;メチルアセチルリシノレアート(ricinoleate);ミリスチルステアラート;オクチルイソノナノアート;2-エチルヘキシルイソノナノアート;オクチルパルミタート;オクチルペラルゴナート(pelargonate);オクチルステアラート;オクチルドデシルエルカート(erucate);オレイルエルカート;エチルおよびイソプロピルパルミタート、2-エチルヘキシルパルミタート、2-オクチルデシルパルミタート、アルキルミリスタート、例えば、イソプロピル、ブチル、セチル、2-オクチルドデシル、ミリスチルまたはステアリルミリスタート、ヘキシルステアラート、ブチルステアラート、イソブチルステアラート;ジオクチルマラート(malate)、ヘキシルラウラート、2-ヘキシルデシルラウラート。
【0038】
さらに、この変形形態に関連して、C4〜C22ジカルボン酸またはトリカルボン酸とC1〜C22アルコールとのエステル、および、モノ-、ジ-またはトリカルボン酸とC2〜C26のジ-、トリ-、テトラ-またはペンタヒドロキシアルコールとのエステルもまた使用され得る。
【0039】
次のものを特に挙げることができる:ジエチルセバカート;ジイソプロピルセバカート;ジイソプロピルアジパート;ジ-n-プロピルアジパート;ジオクチルアジパート;ジイソステアリルアジパート;ジオクチルマレアート(maleate);グリセリルウンデシレナート;オクチルドデシルステアロイルステアラート;ペンタエリトリチルモノリシノレアート;ペンタエリトリチルテトライソノナノアート;ペンタエリトリチルテトラペラルゴナート;ペンタエリトリチルテトライソステアラート;ペンタエリトリチルテトラオクタノアート;プロピレングリコールジカプリラート(dicaprylate);プロピレングリコールジカプラート(dicaprate);トリデシルエルカート;トリイソプロピルシトラート(citrate);トリイソステアリルシトラート;グリセリルトリラクタート;グリセリルトリオクタノアート;トリオクチルドデシルシトラート;トリオレイルシトラート;プロピレングリコールジオクタノアート;ネオペンチルグリコールジヘプタノアート;ジエチレングリコールジイソノナノアート;およびポリエチレングリコールジステアラート。
【0040】
前記エステルの中で、エチル、イソプロピル、ミリスチル、セチルまたはステアリルパルミタート、2-エチルヘキシルパルミタート、2-オクチルデシルパルミタート、アルキルミリスタート、例えば、イソプロピル、ブチル、セチルまたは2-オクチルドデシルミリスタート、ヘキシルステアラート、ブチルステアラート、イソブチルステアラート;ジオクチルマラート、ヘキシルラウラート、2-ヘキシルデシルラウラート、イソノニルイソノナノアートあるいはセチルオクタノアートを用いることが好ましい。
【0041】
本発明の組成物はまた、脂肪エステルとして、糖エステル、およびC6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸のジエステルも含み得る。「糖」という用語は、アルデヒドまたはケトン官能基と共に、あるいはこれらを有することなく、いくつかのアルコール官能基を含む酸素含有炭化水素系化合物を意味し、これらは少なくとも4個の炭素原子を含むことが喚起される。これら糖は、モノサッカリド、オリゴサッカリドまたはポリサッカリドであり得る。
【0042】
挙げることができる適切な糖の例には、スクロース(またはサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フルクトース、マルトース、マンノース、アラビノース、キシロースおよびラクトース、ならびにこれらの誘導体、特に、アルキル誘導体、例えばメチル誘導体、例としてメチルグルコースが含まれる。
【0043】
脂肪酸の糖エステルは、特に、すでに記載の糖と、線状または分岐状で飽和または不飽和のC6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸とのエステルあるいはエステル混合物を含む群から選択され得る。それらが不飽和である場合、これらの化合物は、1から3個の共役または非共役炭素-炭素2重結合を含み得る。
【0044】
本変形形態によるエステルはまた、モノ-、ジ-、トリ-テトラエステルおよびポリエステル、ならびにこれらの混合物からも選択され得る。
【0045】
これらのエステルは、例えば、オレアート、ラウラート、パルミタート、ミリスタート、ベヘナート、ココアート(cocoate)、ステアレート、リノレアート(linoleate)、リノレナート(linolenate)、カプラートおよびアラキドナート、またはこれらの混合物、例えば、特に、オレオ-パルミタート、オレオ-ステアラートおよびパルミト-ステアラート混合エステルから選択され得る。
【0046】
より詳細には、モノエステルおよびジエステル、特にスクロース、グルコースまたはメチルグルコースのモノ-またはジオレアート、ステアラート、ベヘナート、オレオパルミタート、リノレアート、リノレナートおよびオレオステアラートを用いることが好ましい。
【0047】
挙げることができる例は、Amerchol社によってGlucate(登録商標)DOの名称で販売されている製品であり、これはメチルグルコースジオレアートである。
【0048】
やはり挙げることができる、糖と脂肪酸とのエステルまたはエステル混合物の例には、次のものが含まれる:
- Crodesta社によってF160、FI40、F110、F90、F70およびSL40の名称で販売されている製品、それぞれ、73%のモノエステルと27%のジエステルおよびトリエステルとからなるスクロースパルミトステアラート、61%のモノエステルと39%のジエステル、トリエステルおよびテトラエステルとからなるスクロースパルミトステアラート、52%のモノエステルと48%のジエステル、トリエステルおよびテトラエステルとからなるスクロースパルミトステアラート、45%のモノエステルと55%のジエステル、トリエステルおよびテトラエステルとからなるスクロースパルミトステアラート、39%のモノエステルと61%のジエステル、トリエステルおよびテトラエステルとからなるスクロースパルミトステアラート、ならびにスクロールモノラウラートの名称である;
- Ryoto Sugar Estersの名称で販売されている製品、例えば、参照名B370で、20%のモノエステルと80%のジ-、トリエステル-ポリエステルからなるスクロースベヘナートに相当する製品;
- Goldschmidt社によってTegosoft(登録商標)PSEの名称で販売されているスクロースモノ-ジパルミト-ステアラート。
【0049】
本発明の化粧組成物に使用され得るシリコーンは、揮発性または非揮発性で、環状、線状または分岐状のシリコーンであり、これらは、有機基により変性されていないか、または変性されており、25℃で5×10-6から2.5m2/s、好ましくは、1×10-5から1m2/sの粘度を有する。
【0050】
本発明により使用され得るシリコーンは、オイル、ワックス、樹脂またはゴムの形態であり得る。
【0051】
好ましくは、シリコーンは、ポリジアルキルシロキサン、特に、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ならびに、ポリ(オキシアルキレン)基、アミノ基およびアルコキシ基から選択される少なくとも1つの官能基を含む有機変性ポリシロキサンから選択される。
【0052】
オルガノポリシロキサンは、Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968年、Academic Press)に、より詳細に定義されている。それらは揮発性または非揮発性であり得る。
【0053】
それらが揮発性である場合、より詳細には、シリコーンは、60℃と260℃の間の沸点を有するものから、より一層詳細には、以下から選択される選択される:
(i)3から7個、好ましくは4から5個のケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、特に、Union CarbideによってVolatile Silicone(登録商標)7207、またはRhodiaによってSilbione(登録商標)70045 V 2の名称で販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Union CarbideによってVolatile Silicone(登録商標)7158、およびRhodiaによってSilbione(登録商標)70045 V 5の名称で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、ならびにこれらの混合物。
【0054】
ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン型のシクロコポリマー、例えば、Union Carbide社によって販売されており、次の式のVolatile Silicone(登録商標)FZ 3109もまた挙げることができる。
【0055】
【化1】

【0056】
環状ポリジアルキルシロキサンとオルガノシリコーン化合物の混合物、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラ-トリメチルシリルペンタエリトリトール(50/50)の混合物、および、オクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1’-ビス(2,2,2’,2’,3,3’-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンの混合物もまた挙げることができる。
【0057】
(ii)25℃で5×10-6m2/s以下の粘度を有し、2から9個のケイ素原子を含む線状揮発性ポリジアルキルシロキサン。例は、特にToray Silicone社によってSH 200の名称で販売されているデカメチルテトラシロキサンである。この部類に属するシリコーンは、また、Cosmetics and Toiletries、Vol. 91、Jan. 76、27〜32頁、ToddおよびByers、「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」に公開された論文にも記載されている。
【0058】
非揮発性のポリジアルキルシロキサン、ポリジアルキルシロキサンゴムおよび樹脂、上の有機官能基により変性されたポリオルガノシロキサン、ならびにこれらの混合物が好ましく用いられる。
【0059】
これらのシリコーンは、より詳細には、ポリジアルキルシロキサンから選択され、それらの中では、トリメチルシリル末端基を含むポリジメチルシロキサンを主として挙げることができる。シリコーンの粘度は、例えば、25℃でASTM標準445付録Cに従って測定される。
【0060】
これらのポリジアルキルシロキサンの中で、非限定的であるが、次の市販製品を挙げることができる:
- Rhodiaによって販売されている、47および70 047シリーズのSilbione(登録商標)オイルまたはMirasil(登録商標)オイル、例えば、オイル70 047 V 500 000;
- Rhodia社によって販売されているMirasil(登録商標)シリーズのオイル;
- Dow Corning社による200シリーズのオイル、例えば、60 000 mm2/sの粘度を有するDC200;
- General ElectricによるViscasil(登録商標)オイル、およびGeneral ElectricによるSFシリーズの特定のオイル(SF 96、SF 18)。
【0061】
ジメチコノール(CTFA)の名称で知られる、ジメチルシラノール末端基を含むポリジメチルシロキサン、例えば、Rhodia社による48シリーズのオイルもまた挙げることができる。
【0062】
ポリジアルキルシロキサンのこの部類では、Goldschmidt社によってAbil Wax(登録商標)9800および9801の名称で販売されている製品もまた挙げることができ、これらは、ポリ(C1〜C20)ジアルキルシロキサンである。
【0063】
本発明により使用され得るシリコーンゴムは、特に、200 000と1 000 000の間の大きな数平均分子量を有し、単独で、または溶媒中の混合物として用いられるポリジアルキルシロキサン、好ましくはポリジメチルシロキサンである。この溶媒は、揮発性シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)オイル、ポリフェニルメチルシロキサン(PPMS)オイル、イソパラフィン、ポリイソブチレン、塩化メチレン、ペンタン、ドデカンおよびトリデカン、またはこれらの混合物から選択できる。
【0064】
より詳細には、本発明に従って使用され得る製品は、次のような混合物である:
・ 鎖の末端でヒドロキシル化されたポリジメチルシロキサン、すなわちジメチコノール(CTFA)と、シクロメチコン(CTFA)としても知られる環状ポリジメチルシロキサンとから生成される混合物、例えば、Dow Corning社によって販売されている製品Q2 1401;
・ ポリジメチルシロキサンゴムと環状シリコーンから生成される混合物、例えば、General Electric社による製品SF 1214 Silicone Fluid;この製品は、デカメチルシクロペンタシロキサンに相当するオイルSF 1202 Silicone Fluidに溶けた、500 000の数平均分子量を有する、ジメチコンに相当するSF 30ゴムである;
・ 異なる粘度を有するPDMSの混合物、より詳細には、PDMSゴムとPDMSオイルの混合物、例えば、General Electric社による製品SF 1236。製品SF 1236は、20m2/sの粘度を有する上で定義されたSE 30ゴムと、5×10-6m2/sの粘度を有するSF 96オイルの混合物である。この製品は、好ましくは、15%のSE 30ゴム、および85%のSF 96オイルを含む。
【0065】
本発明により使用され得るオルガノポリシロキサン樹脂は、次の単位を含む架橋シロキサン系である:
R2SiO2/2、R3SiO1/2、RSiO3/2およびSiO4/2
ここで、Rは、1から16個の炭素原子を含む炭化水素系基を表す。これらの製品の中で、特に好ましいものは、RがC1〜C4の低級アルキル基、より詳細にはメチルを表すものである。
【0066】
これらの樹脂の中で、Dow Corning 593の名称で販売されている製品、または、General Electric社によってSilicone Fluid SS 4230およびSS 4267の名称で販売されているもの(これらは、ジメチル/トリメチルシロキサン構造のシリコーンである)を挙げることができる。
【0067】
特に、Shin-Etsu社によって、X22-4914,X21-5034およびX21-5037の名称で販売されている、トリメチルシロキシシリケート型の樹脂もまた挙げることができる。
【0068】
本発明により使用され得る有機変性シリコーンは、上で定義され、それらの構造に、炭化水素系基により結び付いた1つまたは複数の有機官能基を含むシリコーンである。
【0069】
前記シリコーン以外に、有機変性シリコーンは、すでに記載された有機官能基により官能化された、ポリジアリールシロキサン、特に、ポリジフェニルシロキサン、およびポリアルキルアリールシロキサンであり得る。
【0070】
ポリアルキルアリールシロキサンは、25℃で1×10-5から5×10-2m2/sの粘度を有する、線状および/または分岐状のポリジメチル/メチルフェニルシロキサン、および、ポリジメチル/ジフェニルシロキサンから特に選択される。
【0071】
これらのポリアルキルアリールシロキサンの中で、挙げることができる例には、次の名称で販売されている製品が含まれる:
・ Rhodiaによる70 641シリーズのSilbione(登録商標)オイル;
・ RhodiaによるRhodoursil(登録商標)70 633および763シリーズのオイル;
・ Dow CorningによるオイルDow Corning 556 Coametic Grade Fluid;
・ BayerによるPKシリーズのシリコーン、例えば、製品PK20;
・ BayerによるPNおよびPHシリーズのシリコーン、例えば、製品PN1000およびPH1000;
・ General ElectricによるSFシリーズの特定のオイル、例えば、SF 1023、SF 1154、SF 1250およびSF 1265。
【0072】
有機変性シリコーンの中では、次のポリオルガノシロキサンを挙げることができる:
- ポリエチレンオキシおよび/またはポリプロピレンオキシ基(任意選択でC6〜C24アルキル基を含む)を含むポリオルガノシロキサン、例えば、Dow Corning社によってDC 1248の名称で販売されジメチコンコポリオールとして知られる製品、または、Union Carbide社によるオイルSilwet(登録商標)L 722、L 7500、L 77およびL 711、および、Dow Corning社によってQ2 5200の名称で販売されている(C12)アルキルメチコンコポリオール;
- 置換または無置換アミン基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、Genesee社によってGP 4 Silicone FluidおよびGP 7100の名称で販売されている製品、またはDow Corning社によってQ2 8220およびDow Corning 929もしくは939の名称で販売されている製品。置換アミン基は、特に、C1〜C4アミノアルキル基である;
- アルコキシ化された基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、SWS SiliconeによってSilicone Copolymer F-755、ならびに、Goldschmidt社によってAbil Wax(登録商標)2428、2434および2440の名称で販売されている製品。
【0073】
好ましくは、脂肪物質は25℃の温度、大気圧で液体である化合物である。
【0074】
好ましくは、脂肪物質は、液体石油ゼリー、ポリデセンおよび液体エステル、またはこれらの混合物から選択される。
【0075】
無水化粧組成物は、有利には、無水組成物の重量に対して10重量%から99重量%の間、好ましくは20重量%と90重量%の間、より一層詳細には25重量%と80重量%の間の脂肪物質含量を有する。
【0076】
無水化粧組成物(A)はまた1種または複数の界面活性剤も含む。
【0077】
好ましくは、(複数の)界面活性剤は、非イオン界面活性剤および陰イオン界面活性剤から選択される。
【0078】
陰イオン界面活性剤は、より詳細には、次の化合物の塩(特に、アルカリ金属塩(殊に、ナトリウム塩)、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩、またはマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩)から選択される:
- アルキルサルファート(sulfate)、アルキルエーテルサルファート、アルキルアミドエーテルサルファート、アルキルアリールポリエーテルサルファート、モノグルセリドサルファート;
- アルキルスルホナート、アルキルアミドスルホナート、アルキルアリールスルホナート、α-オレフィンスルホナート、パラフィンスルホナート;
- アルキルホスファート(phosphate)、アルキルエーテルホスファート;
- アルキルスルホスクシナート、アルキルエーテルスルホスクシナート、アルキルアミドスルホスクシナート、アルキルスルホスクシナート;
- アルキルスルホアセタート;
- アシルサルコシナート;アシルイセチオナートおよびN-アシルタウラート(taurate);
- 脂肪酸(例えば、オレイン酸、リシノール酸、パルミチン酸またはステアリン酸、ココナッツオイル酸または水素添加ココナッツオイル酸)の塩;
- アルキル-D-ガラクトシドウロン酸塩;
- アシルラクチラート;
- ポリオキシアルキレン化アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化アルキルアリールエーテルカルボン酸、またはポリオキシアルキレン化アルキルアミドエーテルカルボン酸の塩、特に、2から50個のエチレンオキシド基を含むもの;
- ならびにこれらの混合物。
【0079】
これらの様々な化合物のアルキルまたはアシル基は、有利には、6から24個の炭素原子、好ましくは8から24個の炭素原子を含み、アリール基は、好ましくは、フェニルまたはベンジル基を表すことに留意すべきである。
【0080】
非イオン界面活性剤は、より詳細には、モノオキシアルキレン化またはポリオキシアルキレン化、モノグリセロール化またはポリグルセロール化非イオン界面活性剤から選択される。オキシアルキレン単位は、より詳細には、オキシエチレンまたはオキシプロピレン単位、あるいはこれらの組合せであり、好ましくはオキシエチレン単位である。
【0081】
挙げることができるオキシアルキレン化非イオン界面活性剤には、以下が含まれる:
・ オキシアルキレン化(C8〜C24)アルキルフェノール、
・ 飽和または不飽和で線状または分岐状のオキシアルキレン化C8〜C30アルコール、
・ 飽和または不飽和で線状または分岐状のオキシアルキレン化C8〜C30アミド、
・ 飽和または不飽和で線状または分岐状のオキシアルキレン化C8〜C30アミン、
・ 飽和または不飽和で線状または分岐状のC8〜C30の酸とポリエチレングリコールとのエステル、
・ 飽和または不飽和で線状または分岐状のC8〜C30の酸とソルビトールとのポリオキシアルキレン化エステル、
・ 飽和または不飽和のオキシエチレン化植物油、
・ エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの、特に、単独でのまたは混合物としての縮合物。
【0082】
前記界面活性剤は、1と50モルの間、好ましくは2と30モルの間のモル数のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを含む。有利には、非イオン界面活性剤は、オキシプロピレン単位を全く含まない。
【0083】
本発明の好ましい一実施形態によれば、オキシアルキレン化非イオン界面活性剤は、オキシエチレン化C8〜C30アルコール、およびオキシエチレン化C8〜C30アミンから選択される。
【0084】
モノグルセロール化またはポリグルセロール化非イオン界面活性剤の例として、モノグルセロール化またはポリグルセロール化C8〜C40アルコールが好ましく用いられる。
【0085】
特に、モノグルセロール化またはポリグルセロール化C8〜C40アルコールは次の式に対応する:
RO-[CH2-CH(CH2OH)-O]m-H
ここで、Rは、線状または分岐状のC8〜C40、好ましくはC8〜C30アルキルまたはアルケニル基を表し、mは1から30、好ましくは1から10の範囲の数を表す。
【0086】
本発明に関連して適切である化合物の例として、4モルのグルセロールを含むラウリルアルコール(INCI名:ポリグルセリル-4ラウリルエーテル)、1.5モルのグルセロールを含むラウリルアルコール、4モルのグルセロールを含むオレイルアルコール(INCI名:ポリグルセリル-4オレイルエーテル)、2モルのグルセロールを含むオレイルアルコール(INCI名:ポリグルセリル-2オレイルエーテル)、2モルのグルセロールを含むセテアリルアルコール、6モルのグルセロールを含むセテアリルアルコール、6モルのグルセロールを含むオレオセチル(oleocetyl)アルコール、および6モルのグルセロールを含むオクタデカノールを挙げることができる。
【0087】
前記アルコールは、mの値が統計的数値を表すのと同じ様に、アルコールの混合物を表すことがあり、これは、市販の製品では、いくつかの種類のポリグルセロール化脂肪アルコールが混合物の状態で共存することがあることを意味する。
【0088】
モノグルセロール化またはポリグルセロール化アルコールの中で、より詳細には、1モルのグルセロールを含むC8/C10アルコール、1モルのグルセロールを含むC10/C12アルコール、および1.5モルのグルセロールを含むC12アルコールを用いることが好ましい。
【0089】
好ましくは、無水組成物中に存在する界面活性剤は非イオン界面活性剤である。
【0090】
無水組成物(A)における界面活性剤の含量は、より詳細には、無水組成物の重量に対して、0.1重量%から50重量%、好ましくは0.5重量%から30重量%を占める。
【0091】
無水組成物(A)はまた、毛髪の染色組成物に通常用いられる様々なアジュバント、例えば、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、両性もしくは双性のポリマーまたはこれらの混合物;無機増粘剤、特に、クレー、タルクのようなフィラー;有機増粘剤、特に、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性および両性の会合性ポリマー増粘剤;酸化防止剤;浸透剤;金属イオン遮蔽剤;芳香剤;分散剤;フィルム形成剤;セラミド;保存剤;不透明化剤もまた含み得る。
【0092】
上のアジュバントは、通常、それらの各々が、組成物(A)の重量に対して、0.01重量%と20重量%の間の量で存在する。
【0093】
本発明の利点のある一変形形態によれば、無水組成物(A)は、好ましくは疎水性の、少なくとも1種のシリカ(例えばヒュームドシリカ)を含む。
【0094】
それらが存在する場合、シリカは、無水組成物(A)の重量に対して、1重量%から30重量%を占める。
【0095】
有利には、前記組成物は、ゲルまたはクリームの状態である。
【0096】
すでに示したように、本発明による方法は、1種または複数の酸化剤を含む組成物(B)の存在下に実施される。
【0097】
より詳細には、(複数の)酸化剤は、過酸化水素、過酸化尿素、アルキル金属の臭素酸塩またはフェリシアン化物、過酸化塩、例えば、アルキル金属またはアルキル土類金属の過硫酸塩、過ホウ酸塩および過炭酸塩、ならびに過酸およびこれらの前駆体から選択される。
【0098】
この酸化剤は、有利には、過酸化水素、特に水溶液としての過酸化水素(過酸化水素水)によって構成され、その濃度(titre)は、より詳細には、1から40ボリューム(volume)、より一層優先的には5から40ボリュームの範囲であり得る。
【0099】
所望の明色化度の関数として、酸化剤はまた、過酸化塩から好ましくは選択される酸化剤も含み得る。
【0100】
好ましくは、酸化剤は、過酸化塩および過酸、ならびにこれらの前駆体から選択されない。
【0101】
酸化性組成物は水性または非水性であり得る。「水性組成物」という用語は、5重量%を超える水、好ましくは10重量%を超える水、より一層有利には20重量%を超える水を含む組成物を意味する。
【0102】
好ましくは、組成物(C)は水性組成物である。
【0103】
それはまた1種または複数の有機溶媒を含み得る。
【0104】
挙げることができる有機溶媒の例には、線状または分岐状C2-C4アルカノール、例えば、エタノールおよびイソプロパノール;グリセロール;ポリオールおよびポリオールエーテル、例えば、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルおよびモノエチルエーテル、さらには、芳香族アルコール、例えば、ベンジルアルコールまたはフェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物が含まれる。
【0105】
それらが存在する場合、(複数の)溶媒は、酸化性組成物(C)の重量に対して、通常、1重量%から40重量%、好ましくは5重量%から30重量%の範囲の含量で存在する。
【0106】
酸化性組成物(B)は、1種または複数の酸性化剤を含み得る。
【0107】
挙げることができる酸性化剤には、無機または有機の酸、例えば、塩酸、正リン酸、硫酸、カルボン酸、例えば、酢酸、酒石酸、クエン酸または乳酸、ならびにスルホン酸が含まれる。
【0108】
通常、酸化性組成物(B)のpHは、それが水性である場合、7未満である。
【0109】
酸化性組成物(B)はまた、該分野において通常使用される他の成分、特に、例えば、無水組成物(A)に関連してすでに列挙されたものも含み得る。
【0110】
最後に、酸化性組成物(B)は、様々な状態、例えば、溶液、エマルジョンまたはゲルである。
【0111】
本発明による方法は、1種または複数の酸化染料、1種または複数の直接染料、あるいはこれらの混合物を含む組成物(C)の存在下に実施される。
【0112】
酸化染料は通常、任意選択で1種または複数のカプラーと組み合わされた、1種または複数の酸化ベースから選択される。
【0113】
酸化ベースは、例えば、パラフェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、パラアミノフェノール類、オルト-アミノフェノール類および複素環式ベース、ならびにこれらの付加塩から選択される。
【0114】
挙げることができるパラ-フェニレンジアミン類の中には、例えば、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4’-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシ-エチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエンおよび3-ヒドロキシ-1-(4’-アミノフェニル)ピロリジン、ならびに酸とのこれらの付加塩がある。
【0115】
前記パラフェニレンジアミン類の中で、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミンおよび2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、ならびに酸とのこれらの付加塩が特に好ましい。
【0116】
挙げることができるビス(フェニル)アルキレンジアミンの中には、例えば、N,N’-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4’-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N’-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4’-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ビス(エチル)-N,N’-ビス(4’-アミノ-3’-メチルフェニル)エチレンジアミンおよび1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、ならびにこれらの付加塩がある。
【0117】
挙げることができるパラ-アミノフェノール類の中には、例えば、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-クロロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノールおよび4-アミノ-2-フルオロフェノール、ならびに酸とのこれらの付加塩がある。
【0118】
挙げることができるオルト-アミノフェノール類の中には、例えば、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノールおよび5-アセトアミド-2-アミノフェノール、ならびにこれらの付加塩がある。
【0119】
挙げることができる複素環式ベースの中には、例えば、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体およびピラゾール誘導体がある。
【0120】
挙げることができるピリミジン誘導体の中には、例えば、特許GB 1 026 978およびGB 1 153 196に記載の化合物、例としては、2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、および3,4-ジアミノピリジン、ならびにこれらの付加塩がある。
【0121】
本発明において有用である他のピリジン酸化ベースは、例えば、特許出願FR 2 801 308に記載の3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン酸化ベース、またはこの付加塩である。挙げることができる例には、ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-アセチルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、3-アミノピラゾロ[1,5-a]-ピリジン-2-カルボン酸、2-メトキシピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)メタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)エタノール、2-(3-アミノ-ピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)エタノール、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]-ピリド-2-イル)メタノール、3,6-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、3,4-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,7-ジアミン、7-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,5-ジアミン、5-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-オールおよび3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-オール、ならびにこれらの付加塩が含まれる。
【0122】
挙げることができるピリミジン誘導体の中には、例えば、特許DE 2 359 399;JP 88-169 571;JP 05-63124;EP 0 770 375、または特許出願WO 96/15765に記載の化合物、例としては、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジンおよび2,5,6-トリアミノピリミジン、ならびにこれらの付加塩、互変平衡が存在する場合には、これらの互変異性体がある。
【0123】
挙げることができるピラゾール誘導体の中には、特許DE 3 843 892およびDE 4 133 957、ならびに特許出願WO 94/08969、WO 94/08970、FR-A-2 733 749およびDE 195 43 988に記載の化合物、例としては、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4’-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4’-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチル-ピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2’-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノ-ピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾールおよび3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール、ならびにこれらの付加塩がある。4,5-ジアミノ-1-(β-メトキシエチル)ピラゾールもまた使用され得る。
【0124】
やはり使用され得る複素環式ベースは、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、またはこの塩である。
【0125】
本発明による組成物は、ケラチン繊維の染色に通常用いられるものから有利には選択される1種または複数のカプラーを任意選択で含み得る。
【0126】
これらのカプラーの中で、特に、メタ-フェニレンジアミン類、メタ-アミノフェノール類、メタ-ジフェノール類、ナフタレン系カプラーおよび複素環式カプラー、さらにはこれらの付加塩を挙げることができる。
【0127】
例えば、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド-1-ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、α-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、6-ヒドロキシインドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1-H-3-メチルピラゾ-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-b]-1,2,4-トリアゾール、2,6-ジメチル[3,2-c]-1,2,4-トリアゾールおよび6-メチルピラゾロ[1,5-a]ベンズイミダゾール、酸とのこれらの付加塩、ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
【0128】
一般的に、本発明に関連して使用され得る酸化ベースおよびカプラーの付加塩は、特に、酸との付加塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシラート、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩および酢酸塩)から選択される。
【0129】
(複数の)酸化ベースは、有利には、それぞれ、組成物の全重量に対して0.0001重量%から10重量%、好ましくは、組成物の全重量に対して0.005重量%から5重量%を占める。
【0130】
(複数の)カプラーの含量は、それ(それら)が存在する場合、有利には、それぞれ、組成物の全重量に対して0.0001重量%から10重量%、好ましくは、組成物の全重量に対して0.005重量%から5重量%を占める。
【0131】
直接染料について言えば、これらの染料は、より詳細には、イオン性および非イオン性、好ましくは陽イオン性または非イオン性の化学種から選択される。
【0132】
挙げることができる適切な直接染料の例には、アゾ;メチン;カルボニル;アジン;ニトロ(ヘテロ)アリール;トリ(ヘテロ)アリールメタン;ポルフィリン;フタロシアニン直接染料、および天然染料を、単独で、または混合物として挙げることができる。
【0133】
より詳細には、アゾ染料は、-N=N-官能基を含み、その2個の窒素原子は同時には1つの環に組み込まれていない。しかし、-N=N-の配列の2個の窒素原子の1つが1つの環に組み込まれていることは除外されない。
【0134】
メチン類の染料は、より詳細には、>C=C<および-N=C<から選択される少なくとも1つの配列を含む化合物であり、これらの配列の2個の原子は同時には1つの環に組み込まれていない。しかし、これらの配列の窒素原子または炭素原子の1つは、1つの環に組み込まれていてもよいことに注意されたい。より詳細には、この種類の染料は、メチン、アゾメチン、モノ-およびジアリールメタン、インドアミン (または、ジフェニルアミン類)、インドフェノール、インドアニリン、カルボシアニン、アザカルボシアニンおよびこれらの異性体、ジアザカルボジアニンおよびこれらの異性体、テトラアザカルボシアニンおよびヘミシアニンのようなタイプの化合物から誘導される。
【0135】
カルボニル類の染料に関して、挙げることができる例には、アクリドン、ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、ベンゾアントロン、アントラントロン(anthranthrone)、ピラントロン(pyranthrone)、ピラゾールアントロン(pyrazolanthrone)、ピリミジノアントロン、フラバントロン、イダントロン(idanthrone)、フラボン、(イソ)ビオラントロン、イソインドリノン、ベンゾイミダゾロン、イソキノリノン、アントラピリドン、ピラゾロキナゾロン、ペリノン、キナクリドン、キノフタロン、インジゴイド、チオインジゴ、ナフタルイミド、アントラピリミジン、ジケトピロロピロールおよびクマリンから選択される染料が含まれる。
【0136】
環状アジン類の染料について言えば、特に、アジン、キサンテン、チオキサンテン、フルオリンジン(fluorindine)、アクリジン、(ジ)オキサジン、(ジ)チアジンおよびピロニンを挙げることができる。
【0137】
ニトロ(ヘテロ)芳香族染料は、より詳細には、ニトロベンゼンまたはニトロピリジン直接染料である。
【0138】
ポルフィリンまたはフタロシアニン型の染料に関しては、1つもしくは複数の金属または金属イオン、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛およびケイ素を任意選択で含む、陽イオン性または非イオン性の化合物を用いることが可能である。
【0139】
挙げることができる特に適切な直接染料の例には、単独で、または混合物として、ニトロベンゼン染料;アゾ直接染料;アゾメチン直接染料;メチン直接染料;アザカルボシアニン直接染料、例えば、テトラアザカルボシアニン(テトラアザペンタメチン);キノン、特に、アントラキオン、ナフトキノンまたはベンゾキノン直接染料;アジン;キサンテン;トリアリールメタン;インドアミン;インジゴイド;フタロシアニン直接染料、ポルフィリンおよび天然直接染料が含まれる。
【0140】
これらの染料は、モノクロモフォア染料(monochromophoric dye)(すなわち、1つの発色団だけを含む)、あるいはポリクロモフォア、好ましくは、ジ-またはトリクロモフォアであり得る;複数のクロモフォアは、同じであることも異なることもあり、同じ化学類からのものであることもそうでないこともある。ポリクロモフォア染料は、それぞれが400と800nmの間の可視領域で吸収する分子に由来するいくつかの基を含むことに留意すべきである。さらに、染料のこの吸光度は、前もってそれを酸化すること、または如何なる他の化学種と組み合わせることも必要としない。
【0141】
ポリクロモフォア染料の場合には、クロモフォアは、少なくとも1つのリンカー(これは、陽イオン性または非陽イオン性であり得る)によって互いに連結されている。
【0142】
好ましくは、リンカーは線状、分岐状または環状のC1〜C20アルキル鎖であり、このアルキル鎖は、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、窒素もしくは酸素)および/またはこのような原子を含む少なくとも1つの基(CO、SO2)が任意選択で介在し、フェニル核に縮合しているかまたはしていない少なくとも1つの複素環(この環に組み込まれた少なくとも1つの第4級化窒素原子を含み、少なくとも1つの他のヘテロ原子(例えば、酸素、窒素または硫黄)を任意選択で含む)が任意選択で介在し、置換もしくは無置換の少なくとも1つのフェニルまたはナフチル基が任意選択で介在し、任意選択で置換された2つのC1〜C15アルキル基により置換された少なくとも1つの第4級アンモニウム基が任意選択で介在する;このリンカーは、ニトロ、ニトロソまたはペロキシ基を全く含まない。
【0143】
前記複素環または芳香族核が置換されている場合、それらは、例えば、1つまたは複数のC1〜C8アルキル基[ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、C2〜C4ヒドロキシアルコキシ、アセチルアミノ、あるいはアミノ基(1つまたは2つのC1〜C4アルキル基(少なくとも1つのヒドロキシル基を任意選択で有する)により置換されているか、あるいは2つの基が、これらが結合している窒素原子と共に5または6員の複素環(窒素原子と同じであるかまたは異なる他のヘテロ原子を任意選択で含む)を形成していてもよい)により任意選択で置換されている];ハロゲン原子;ヒドロキシル基;C1〜C2アルコキシ基;C2〜C4ヒドロキシアルコキシ基;アミノ基;1つまたは2つの同じであるかもしくは異なるC1〜C4アルキル基(少なくとも1つのヒドロキシル基を任意選択で有する)により置換されたアミノ基;により置換されている。
【0144】
本発明により使用され得るベンゼン系(benzenic)直接染料の中では、非限定的であるが、次の化合物を挙げることができる:
- 1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、
- 1-アミノ-2-ニトロ-4-β-ヒドロキシエチルアミノベンゼン
- 1-アミノ-2-ニトロ-4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン
- 1,4-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)-2-ニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-アミノベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-(エチル)(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン
- 1-アミノ-3-メチル-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-6-ニトロベンゼン
- 1-アミノ-2-ニトロ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-クロロベンゼン
- 1,2-ジアミノ-4-ニトロベンゼン
- 1-アミノ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン
- 1,2-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)-4-ニトロベンゼン
- 1-アミノ-2 -トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ-5-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-2-アミノ-5-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-2-アミノ-4-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-アミノベンゼン
- 1-ヒドロキシ-2-アミノ-4,6-ジニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルオキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン
- 1-メトキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン
- 1-β,γ-ジヒドロキシプロピルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-4-β,γ-ジヒドロキシプロピルオキシ-2-ニトロベンゼン
- 1-β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ-4-トリフルオロメチル-2-ニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-4-トリフルオロメチル-2-ニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-メチル-2-ニトロベンゼン
- 1-β-アミノエチルアミノ-5-メトキシ-2-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-アミノ-4-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-6-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロベンゼン
- 1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロベンゼン
- 1-ヒドロキシ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-ニトロベンゼン。
【0145】
本発明により使用され得るアゾ、アゾメチン、メチンおよびテトラアザペンタメチン直接染料の中では、特許出願WO 95/15144、WO 95/01772およびEP 714 954;FR 2 189 006、FR 2 285 851、FR 2 140 205、EP 1 378 544およびEP 1 674 073に記載の陽イオン染料を挙げることができる。
【0146】
こうして、最も特別には、次の式(I)から(IV)の染料を、好ましくは式(I)および(III)の化合物を挙げることができる。
【0147】
【化2】

【0148】
ここで、
Dは窒素原子または-CH基を表し、
R1およびR2は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子;C1〜C4アルキル基(これは、-CN、-OHまたは-NH2基により置換されていてもよい);4’-アミノフェノール基を表すか、あるいは、ベンゼン環の炭素原子と共に、酸素または窒素を任意選択で含む複素環(これは1つまたは複数のC1〜C4アルキル基により置換されていてもよい)を形成しており、
R3およびR3’は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、または塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素から選択されるハロゲン原子、またはシアノ、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシまたはアセチルオキシ基を表し、
X-は、塩化物イオン、メチルサルファートおよびアセタートから好ましくは選択される陰イオンを表し、
Aは、下のA1からA18の構造から選択される基を表し、
【0149】
【化3A】

【0150】
【化3B】

【0151】
ここで、R4は、C1〜C4アルキル基(これは、ヒドロキシル基により置換されていてもよい)を表し、R5は、C1〜C4アルコキシ基を表す。
【0152】
【化4】

【0153】
ここで、
R6は、水素原子、またはC1〜C4アルキル基を表し、
R7は、水素原子、アルキル基(これは、-CN基により、またはアミノ基により置換されていてもよい)、4’-アミノフェニル基を表すか、あるいは、R6と共に、酸素および/または窒素を任意選択で含む複素環(これは、C1〜C4アルキル基により置換されていてもよい)を形成しており、
R8およびR9は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、例えば、臭素、塩素、ヨウ素またはフッ素、C1〜C4アルキル基またはC1〜C4アルコキシ基、あるいは-CN基を表し、
X-は、塩化物イオン、メチルサルファートおよびアセタートから好ましくは選択される陰イオンを表し、
Bは、下のB1からB6の構造から選択される基を表し、
【0154】
【化5】

【0155】
ここで、R10は、C1〜C4アルキル基を表し、R11およびR12は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、またはC1〜C4アルキル基を表す。
【0156】
【化6】

【0157】
ここで、R13は、水素原子、C1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子、例えば、臭素、塩素、ヨウ素またはフッ素、あるいはアミノ基を表し、
R14は、水素原子、C1〜C4アルキル基を表すか、または、ベンゼン環の炭素原子と共に複素環(任意選択で、酸素を含み、および/または1つもしくは複数のC1〜C4アルキル基により置換されている)を形成しており、
R15は、水素原子、あるいはハロゲン原子、例えば、臭素、塩素、ヨウ素またはフッ素を表し、
R16およびR17は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、またはC1〜C4アルキル基を表し、
D1およびD2は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、または-CH基を表し、
m=0または1であり、
R13が無置換アミノ基を表す場合、D1およびD2は同時に、-CH基を表し、またm=0であると理解されており、
X-は、塩化物イオン、メチルサルファートおよびアセタートから好ましくは選択される陰イオンを表し、
Eは、下のE1からE8の構造から選択される基を表し、
【0158】
【化7A】

【0159】
【化7B】

【0160】
ここで、R’は、C1〜C4アルキル基を表し;
m=0である場合、D1は窒素原子を表し、この場合、Eはまた、下のE9の構造の基も表すことができ、
【0161】
【化8】

【0162】
ここで、R’は、C1〜C4アルキル基を表す。
【0163】
【化9】

【0164】
ここで、記号Gは、下のG1からG3の構造から選択される基を表す。
【0165】
【化10】

【0166】
これらの構造G1からG3において:
R18は、C1〜C4アルキル基、フェニル基(これは、C1〜C4アルキル基により置換されていてもよい)、または、塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素から選択されるハロゲン原子を表し;
R19は、C1〜C4アルキル基またはフェニル基を表し;
R20およびR21は、同じであっても異なっていてもよく、C1〜C4アルキル基、フェニル基を表すか、あるいは、G1において一緒にベンゼン環(1つまたは複数のC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシまたはNO2基により置換されている)を形成している、あるいは、G2において一緒にベンゼン環(1つまたは複数のC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシまたはNO2基により任意選択で置換されている)を形成しており;
R20はまた水素原子も表し;
Zは、酸素または硫黄の原子、あるいは基-NR19を表し;
Mは、基-CH、-CR(RはC1〜C4アルキルを表す)または-NR22(X-)rを表し;
Kは、基-CH、-CR(RはC1〜C4アルキルを表す)または-NR22(X-)rを表し;
Pは、基-CH、-CR(RはC1〜C4アルキルを表す)または-NR22(X-)rを表し;
rは、0または1を表し;
R22は、O-原子、C1〜C4アルコキシ基、またはC1〜C4アルキル基を表し;
R23およびR24は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、または塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素から選択されるハロゲン原子、C1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシ基、または-NO2基を表し;
X-は、塩化物イオン、ヨウ化物イオン、メチルサルファート、エチルサルファート、アセタートおよびペルクロラート(perchlorate)から好ましくは選択される陰イオンを表すが; 但し、
R22がO-を表す場合、rはゼロを表し;
KまたはPまたはMが、-N(C1〜C4)アルキルX-を表す場合、R23またはR24は、水素原子であり;
Kが、-NR22(X-)rを表す場合、M=P=-CH、-CRであり;
Mが、-NR22(X-)rを表す場合、K=P=-CH、-CRであり;
Pが、-NR22(X-)rを表す場合、K=Mで、-CHまたは-CRを表し;
Zが、硫黄原子を表し、R21がC1〜C4アルキルを表す場合、R20は、水素原子以外であり;
Zが、-NR22を表し、R19がC1〜C4アルキルを表す場合、構造G2の基のR18、R20またはR21基の少なくとも1つは、(C1〜C4)アルキル基以外である。
【0167】
記号Jは以下を表す。
【0168】
-(a)下の構造J1の基:
【0169】
【化11】

【0170】
この構造J1において:
R25は、水素原子、塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素から選択されるハロゲン原子、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシ基、-OH、-NO2、-NHR28、-NR29R30、または、-NHCO(C1〜C4)アルキル基を表すか、あるいは、R26と共に、5-または6-員の環(窒素、酸素および硫黄から選択される1つまたは複数のヘテロ原子を任意選択で含む)を形成しており;
R26は、水素原子、塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素から選択されるハロゲン原子、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシ基を表すか、あるいは、R27またはR28と共に、5-または6-員の環(窒素、酸素および硫黄から選択される1つまたは複数のヘテロ原子を任意選択で含む)を形成しており;
R27は、水素原子、-OH基、基-NHR28、または、基-NR29R30を表し;
R28は、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基またはフェニル基を表し;
R29およびR30は、同じであっても異なっていてもよく、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキルまたはC2〜C4ポリヒドロキシアルキル基を表す。
【0171】
-(b)5-または6-員の含窒素複素環式基(これは、他のヘテロ原子および/またはカルボニル基を含んでいてもよく、また、1つまたは複数のC1〜C4アルキル基、アミノまたはフェニル基により置換されていてもよい)、特に、下の構造J2の基:
【0172】
【化12】

【0173】
この構造J2において:
R31およびR32は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、C1〜C4アルキル基またはフェニル基を表し;
Yは、-CO-基、または、次の基を表し;
【0174】
【化13】

【0175】
n=0または1であり、nが1を表す場合、Uは、-CO-基を表す。
【0176】
上で定義した構造(I)から(IV)において、C1〜C4アルキルまたはアルコキシ基は、好ましくは、メチル、エチル、ブチル、メトキシまたはエトキシを表す。
【0177】
式(I)および/または(III)の化合物の中では、次の化合物が好ましい。
【0178】
【化14A】

【0179】
【化14B】

【0180】
やはり挙げることができるアゾ直接染料の中には、Colour Index International、第3版に記載の、次の染料がある。
【0181】
- Disperse Red 17
- Basic Red 22
- Basic Red 76
- Basic Yellow 57
- Basic Brown 16
- Basic Brown 17
- Disperse Black 9
1-(4’-アミノジフェニルアゾ)-2-メチル-4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼンもまた挙げることができる。
【0182】
挙げることができるキノン直接染料の中には、次の染料があり、
- Disperse Red 15
- Solvent Violet 13
- Disperse Violet 1
- Disperse Violet 4
- Disperse Blue 1
- Disperse Violet 8
- Disperse Blue 3
- Disperse Red 11
- Disperse Blue 7
- Basic Blue 22
- Disperse Violet 15
- Basic Blue 99
さらに、次の化合物もある。
【0183】
- 1-N-メチルモルホリニウムプロピルアミノ-4-ヒドロキシアントラキノン
- 1-アミノプロピルアミノ-4-メチルアミノアントラキノン
- 1-アミノプロピルアミノアントラキノン
- 5-β-ヒドロキシエチル-1,4-ジアミノアントラキノン
- 2-アミノエチルアミノアントラキノン
- 1,4-ビス(β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ)アントラキノン。
【0184】
挙げることができるアジン染料の中には、次の化合物がある。
【0185】
- Basic Blue 17
- Basic Red 2
本発明により使用され得るトリアリールメタン染料の中では、次の化合物を挙げることができる。
【0186】
- Basic Green 1
- Basic Violet 3
- Basic Violet 14
- Basic Blue 7
- Basic Blue 26
本発明により使用され得るインドアミン染料の中では、次の化合物を挙げることができる。
【0187】
- 2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-[ビス(β-4’-ヒドロキシエチル)アミノ]-アニリノ-1,4-ベンゾキノン
- 2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-(2’-メトキシ-4’-アミノ)アニリノ-1,4-ベンゾキノン
- 3-N-(2’-クロロ-4’-ヒドロキシ)フェニルアセチルアミノ-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノンイミン
- 3-N-(3’-クロロ-4’-メチルアミノ)フェニルウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン
- 3-[4’-N-(エチル,カルバミルメチル)アミノ]フェニルウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン。
【0188】
本発明により使用され得るテトラアザペンタメチン型の染料の中では、下の表に記載の次の化合物を挙げることができる。
【0189】
【表1】

【0190】
X-は、塩化物イオン、ヨウ化物イオン、メチルサルファート、エチルサルファート、アセタートおよびペルクロラートから好ましくは選択される陰イオンを表す。
【0191】
ポリクロモフォア染料の中で、より詳細には、対称または非対称のアゾおよび/またはアゾメチン(ヒドラゾン)ジ-またはトリクロモフォア染料を挙げることができ、これらの染料は、一方では、任意選択で縮合した5-または6-員の少なくとも1つの芳香族複素環(この複素環に組み込まれた少なくとも1つの第4級化窒素原子を含み、少なくとも1つの他のヘテロ原子(例えば、窒素、硫黄または酸素)を任意選択で含む)を、他方では、任意選択で置換された少なくとも1つのフェニルまたはナフチル基を含み、このフェニルまたはナフチル基は、少なくとも1つの基OR(Rは、水素原子、任意選択で置換されたC1〜C6アルキル基、任意選択で置換されたフェニル核を表す)、または少なくとも1つの基N(R’)2(R’は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、任意選択で置換されたC1〜C6アルキル基、または任意選択で置換されたフェニル核を表す)を任意選択で有し;これらの基R’は、それらが結合している窒素原子と共に、5-または6-員の飽和複素環を形成していてもよく、あるいは、代わりに、1つおよび/または2つの基R’は、それぞれ、窒素原子に対してオルトに位置する、芳香族環の炭素原子と共に、5-または6-員の飽和複素環を形成していてもよい。
【0192】
好ましく挙げることができる芳香族陽イオン複素環には、1から3個の窒素原子、好ましくは1または2個の窒素原子を含み、1個は第4級化されている、5-または6-員環が含まれる;この複素環は、さらに、ベンゼン核に任意選択で縮合している。この複素環は、窒素以外の別のヘテロ原子、例えば、硫黄または酸素を任意選択で含み得ることが、同様に留意されるべきである。
【0193】
前記複素環またはフェニルもしくはナフチル基が置換されている場合、それらは、例えば、1つまたは複数のC1〜C8アルキル基[ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、C2〜C4ヒドロキシアルコキシ、アセチルアミノまたはアミノ基(1つまたは2つのC1〜C4アルキル基(少なくとも1つのヒドロキシル基を任意選択で有する)により置換されているか、あるいは、2つの基が、それらが結合している窒素原子と共に5-または6-員の複素環(窒素と同じかまたは異なる別のヘテロ原子を任意選択で含む)を形成していてもよい)により任意選択で置換されている];ハロゲン原子;ヒドロキシル基;C1〜C2アルコキシ基;C2〜C4ヒドロキシアルコキシ基;アミノ基;1つまたは2つの同じかもしくは異なるC1〜C4アルキル基(少なくとも1つのヒドロキシル基を任意選択で有する)により置換されたアミノ基;により置換されている。
【0194】
これらのポリクロモフォアは、少なくとも1つのリンカー(飽和または不飽和の複素環(任意選択で芳香族である)に組み込まれていることも、いないこともある少なくとも1つの第4級化窒素原子を任意選択で含む)により互いに連結されている。
【0195】
好ましくは、前記リンカーは線状、分岐状または環状のC1〜C20アルキル鎖であり、このアルキル鎖は、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、窒素または酸素)および/またはこのような原子を含む少なくとも1つの基(COまたはSO2)が任意選択で介在し、フェニル核に縮合しているかまたはしていない少なくとも1つの複素環(この環に組み込まれた少なくとも1つの第4級化窒素原子を含み、少なくとも1つの他のヘテロ原子(例えば、酸素、窒素または硫黄)を任意選択で含む)が任意選択で介在し、置換もしくは無置換の少なくとも1つのフェニルまたはナフチル基が任意選択で介在し、少なくとも2つの任意選択で置換されたC1〜C15アルキル基により置換されている少なくとも1つの第4級アンモニウム基が任意選択で介在する;このリンカーは、ニトロ、ニトロソまたはペロキシ基を全く含まない。
【0196】
リンカーと各クロモフォアとの間の結合は、通常、フェニルまたはナフチル核上のヘテロ原子置換基を通して、あるいは、陽イオン複素環の第4級窒素原子を通して行われる。
【0197】
前記染料は、同じかまたは異なる複数のクロモフォアを含み得る。
【0198】
このような染料の例として、特に、特許出願、EP 1 637 566、EP 1 619 221、EP 1 634 926、EP 1 619 220、EP 1 672 033、EP 1 671 954、EP 1 671 955、EP 1 679 312、EP 1 671 951、EP 167 952、EP 167 971、WO 06/063 866、WO 06/063 867、WO 06/063 868、WO 06/063 869、EP 1 408 919、EP 1 377 264、EP 1 377 262、EP 1 377 261、EP 1 377 263、EP 1 399 425、EP 1 399 117、EP 1 416 909、EP 1 399 116、および、EP 1 671 560を参照することができる。
【0199】
特許出願:EP 1 006 153(これは、陽イオン型のリンカーにより連結されたアントラキノン型の2つのクロモフォアを含む染料を記載する);EP 1 433 472、EP 1 433 474、EP 1 433 471およびEP 1 433 473(これらは、陽イオンまたは非陽イオンリンカーにより連結された同じか、または異なるジクロモフォアの染料を記載する);さらに、EP 6 291 333(これは、特に、3つのクロモフォアを含む染料を記載し、これらの1つはアントラキノンクロモフォアであり、これに、アゾまたはジアザカルボシアニン型あるいはこれらの異性体が結び付いている)に挙げられている陽イオン直接染料を用いることもまた可能である。
【0200】
本発明により使用され得る天然の直接染料の中で、ローソン(lawsone)、ジュグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド(protocatechaldehyde)、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン(spinulosin)、アピゲニジン(apigenidin)およびオルセイン類を挙げることができる。これらの天然染料を含む抽出物または煎出物(decoction)、特に、ヘナベースの湿布剤(henna-based poultice)または抽出物を用いることもまた可能である。
【0201】
それらが存在する場合、(複数の)直接染料は、より詳細には、組成物の全重量に対して、0.0001重量%から10重量%、好ましくは0.005重量%から5重量%を占める。
【0202】
組成物(C)は、一方および/または他方のタイプの染料を含み得る。それは、任意選択で、1つが(複数の)酸化染料、他方が(複数の)直接染料を含む、2染料組成物に該当し得る。
【0203】
組成物(C)の別の成分は、25℃でのpKbが12未満、好ましくは10未満、より一層好ましくは6未満である1種または複数の有機アミンである。
【0204】
これは、最も強い塩基性の官能基に対応するpKbであることに留意すべきである。
【0205】
本発明の第1の変形形態によれば、前記有機アミンは、1つまたは2つの第1級、第2級または第3級アミン官能基、および、1つまたは複数の線状または分岐状C1〜C8アルキル基(1つまたは複数のヒドロキシル基を有する)を含む。
【0206】
1から3個の同じかまたは異なるC1〜C4ヒドロキシアルキル基を含むアルカノールアミン(例えば、モノ-、ジ-またはトリアルカノールアミン)から選択される有機アミンは、本発明において使用されるのに特に適する。
【0207】
挙げることができるこのタイプの化合物の中には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N-ジメチルアミノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、3-ジメチルアミノ-1,2-プロパンジオールおよびトリス(ヒドロキシメチルアミノ)メタンがある。
【0208】
次の式を有する有機アミンもまた使用に適する。
【0209】
【化15】

【0210】
ここで、Wは、ヒドロキシル基またはC1〜C6アルキル基により任意選択で置換されたC1〜C6アルキレン残基であり;Rx、Ry、RzおよびRtは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、またはC1〜C6アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキルもしくはC1〜C6アミノアルキル基を表す。
【0211】
挙げることができるこのようなアミンの例には、1,3-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノ-2-プロパノール、スペルミンおよびスペルミジンが含まれる。
【0212】
本発明の別の変形形態によれば、有機アミンはアミノ酸から選択される。
【0213】
より詳細には、使用され得るアミノ酸は、L、Dまたはラセミ体としての、天然または合成由来のものであり、より詳細には、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸およびリン酸官能基から選択される少なくとも1つの酸官能基を含む。アミノ酸は、それらの中性またはイオンの形にあり得る。
【0214】
有利には、アミノ酸は、環に、またはウレイド官能基に任意選択で含まれる、さらなるアミン官能基を含む塩基性アミノ酸である。
【0215】
このような塩基性アミノ酸は、好ましくは、下の式(I)に対応するものから選択される。
【0216】
【化16】

【0217】
ここで、Rは、次のものから選択される基を表す。
【0218】
【化17】

【0219】
式(I)に対応する化合物は、ヒスチジン、リシン、アルギニン、オルニチンおよびシトルリンである。
【0220】
本発明において使用され得るアミノ酸として、特に、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、アルギニン、オルニチン、シトルリン、アスパラギン、カルニチン、システイン、グルタミン、リシン、ヒシチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、N-フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンを挙げることができる。
【0221】
(複数の)アミノ酸は、固体またはペースト状で好ましくは粉末状の1種または複数のアジュバントとの混合物として使用され得る。アジュバントは、クレー、塩、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性または双性の界面活性剤、天然または合成の増粘剤、任意選択で変性されたデンプン、ガラスビーズ、シリカ、ナイロン、アルミナ、二酸化チタン、ゼオライト、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、キトサン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、モノ-またはジサッカリド、例えば、グルコース、スクロース、ソルビトールまたはフルクトース、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、樹脂粒子、例えば、シリコーンまたはシリカビーズ、タルク、ホウケイ酸塩、特に、ホウケイ酸カルシウム、ポリエチレン、綿、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、セルロースおよびその誘導体、超吸収性化合物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、トウモロコシ種子、ポリジメチルシロキサンゴム、ポリアクリルアミド、多孔性ヒドロキシアパタイト、絹、コラーゲン、おが屑、破壊粉末(wrack powder)、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸カルシウム、活性炭、およびポリ(塩化ビニリデン/アクリロニトリル)粒子、特に、Akzo Nobel社によってExpancel(登録商標)WEまたはExpancel DEの特定の参照名で、Expancel(登録商標)の一般名称で販売されているもの、ならびにこれらの混合物から選択され得る。
【0222】
本発明の好ましい一変形形態によれば、有機アミンは塩基性アミノ酸から選択される。特に好ましいアミノ酸は、アルギニン、リシンおよびヒスチジン、またはこれらの混合物である。
【0223】
本発明の別の変形形態によれば、有機アミンは複素環タイプの有機アミンから選択される。アミノ酸としてすでに挙げたヒスチジン以外に、特に、ピリジン、ピペリジン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾールおよびベンゾイミダゾールを挙げることができる。
【0224】
本発明の別の変形形態によれば、有機アミンは、アミノ酸ジペプチドから選択される。本発明において使用され得るアミノ酸ジペプチドとして、特に、カルノシン、アンセリンおよびバレイン(baleine)を挙げることができる。
【0225】
本発明の別の実施形態によれば、有機アミンは、グアニジン官能基を含む化合物から選択される。本発明において使用され得るこのタイプのアミンとして、アミノ酸としてすでに挙げたアルギニン以外に、特に、クレアチン、クレアチニン、1,1-ジメチルグアニジン、1,1-ジエチルグアニジン、グリコシアミン、メトホルミン、アグマチン、N-アミジノアラニン(amidinoalanine)、3-グアニジノプロピオン酸、4-グアニジノ酪酸、および、2-([アミノ(イミノ)メチル]アミノ)エタン-1-スルホン酸を挙げることができる。
【0226】
好ましくは、無水組成物中に存在する有機アミンはアルカノールアミンである。より優先的には、有機アミンは、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールおよびモノエタノールアミン、またはこれらの混合物から選択される。より一層優先的には、有機アミンはモノエタノールアミンである。
【0227】
有利には、組成物(C)は、この組成物の重量に対して、0.1重量%から50重量%、好ましくは0.5重量%から20重量%の範囲の有機アミン含量を有する。
【0228】
組成物(C)は、無水または水性の組成物であり得る。「水性組成物」という用語は、5重量%を超える水、好ましくは10重量%を超える水、より一層有利には20重量%を超える水を含む組成物を意味する。
【0229】
好ましくは、組成物(C)は水性組成物である。
【0230】
前記組成物は、1種または複数の溶媒を任意選択で含む。水性組成物(B)の説明に関連して挙げられた溶媒は、やはり指定された濃度で、組成物(C)にとって適切であり得る。
【0231】
組成物(C)はまた、すでに列挙されたもののような標準的な添加剤を含んでいてもよく、それを参照することができる。
【0232】
組成物(C)のpHは、それが水性組成物である場合、2と12の間、好ましくは8と11の間である。pHは、すでに挙げられたもののような酸性化剤または塩基性化剤を用いて調整される。
【0233】
本発明の第1の変形形態によれば、組成物(A)、(B)および(C)は、逐次、間のすすぎ洗い無しで、濡れたか、または乾いたケラチン質に付けられ、より詳細には、組成物(A)、次いで(C)、次いで(B)または、(C)、次いで(A)、次いで(B)が付けられる。
【0234】
この変形形態を実施する特定の一方法において、付ける前の組成物(A)および(C)の混合により得られる組成物が、次いで、酸化性組成物(B)が、間のすすぎ洗い無しで、逐次、付けられる。
【0235】
本発明の方法の第2の変形形態によれば、付ける前の組成物(A)、(B)および(C)の、その場での混合によって得られる組成物が、濡れたか、または乾いたケラチン質に付けられる。
【0236】
これらの変形形態、特に後者の変形形態によれば、組成物(A)+(C)/(B)の量の重量比R1、および組成物(A)/(C)の量の重量比R2は、0.1から10、好ましくは0.3から3まで変わる。
【0237】
好ましい一形態によれば、酸化性水性組成物(B)は、毛髪に付けられる組成物(A)、(B)および(C)の混合物の全重量の50%から70%を占める。
【0238】
さらに、用いられる変形形態に関わらず、繊維上に存在する混合物(その場での組成物の混合によるか、これらの組成物を逐次付けることによるかのいずれかの結果である)は、その場所に、通常、約1分間から1時間、好ましくは5分間から30分間、残される。
【0239】
処理の間の温度は、通常、室温(15と25℃の間)と80℃の間、好ましくは室温と60℃の間である。
【0240】
処置の後、ヒトのケラチン繊維は、乾燥されるか、または放置して乾かす前に、水により任意選択ですすぎ洗いされ、シャンプーにより任意選択で洗われ、次いで、水によりすすぎ洗いされる。
【0241】
毛髪に付けられる組成物(組成物(A)、(B)および(C)を含む)が仮にアンモニア水を含む場合、その含量は、好ましくは、最終組成物の0.03重量%以下(NH3として表して)、より詳細には、最終組成物に対して0.01重量%以下であることに注意すべきである。この最終組成物は、組成物(A)、(B)および(C)の混合により生じること;これらの混合物は、ケラチン繊維に付ける前か(その場での調製)、または直接ケラチン繊維上でか(前混合有りまたは無し、間のすすぎ洗い無しで逐次付けること)のいずれかで調製されることに注意されたい。
【0242】
しかし、組成物(A)、(B)および(C)は、好ましくは、アンモニア水を含まない。
【0243】
最後に、本発明は、前記無水化粧組成物(A)を含む第1コンパートメント、1種または複数の酸化性組成物を含む組成物(B)を含む第2コンパートメント、ならびに、1種または複数の酸化染料、1種または複数の直接染料あるいはこれらの混合物、および25℃でpKbが12未満の1種または複数の有機アミンを含む組成物(C)を含む第3コンパートメントを備えるマルチ-コンパートメントデバイスに関する。
【0244】
以下の実施例は、全く限定するということなしに、本発明を例示するために記載される。
【実施例1】
【0245】
次の組成物を調製する(含量はグラムで表す)。
【0246】
【表2】

【0247】
【表3】

【0248】
使用時に、互いに混合することによって染料混合物を得る:
- 9重量部の組成物(A)
- 1重量部の組成物(C)
- 10重量部の水性酸化性組成物(pH2.3で、6%の過酸化水素を含み、約80%の水を含む)。
【0249】
次いで、得た混合物(pHは約10である)を、90%の白髪(NW)を含む天然毛髪の房、およびパーマをかけたNWの房(PWW)に付ける。
【0250】
リーブオン時間は室温で30分である。
【0251】
この時間の後、房をすすぎ洗いし、次いで、Elseveマルチビタミンシャンプーにより洗う。
【0252】
下の表に示すように、本発明の組成物により、艶消しで(matt)、力強く、ほとんど選択性がない染色が達成される。
【0253】
【表4】

【実施例2】
【0254】
次の組成物を調製する。
【0255】
組成物(A)(実施例1と同じ)
【0256】
【表5】

【0257】
染色は、実施例1に詳述したものと同じ条件で実施する。
【0258】
下の表に示すように、本発明の組成物により、艶消しで、力強く、ほとんど選択性がない染色が達成される。
【0259】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化剤の存在下におけるヒトのケラチン繊維の染色方法であって、次の組成物:
(a)1種または複数の脂肪物質および1種または複数の界面活性剤を含む無水化粧組成物(A);
(b)1種または複数の酸化剤を含む組成物(B);
(c)1種または複数の酸化染料、1種または複数の直接染料あるいはこれらの混合物、およびpKbが25℃で12未満である1種または複数の有機アミンを含む組成物(C)
が前記繊維に付けられる方法。
【請求項2】
(複数の)脂肪物質が、液体石油ゼリー、ポリデセンおよび液体エステル、またはこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
脂肪物質の含量が、組成物(A)の重量に対して10重量%と99重量%の間であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
組成物(A)に存在する界面活性剤が、より詳細には、モノオキシアルキレン化またはポリオキシアルキレン化、モノグリセロール化またはポリグルセロール化非イオン界面活性剤から選択される非イオン界面活性剤であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
界面活性剤の含量が、無水組成物(A)の重量に対して0.1重量%から50重量%を占めることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
有機アミンが、1つまたは2つの第1級、第2級または第3級アミン官能基、および、1つまたは複数の線状または分岐状C1〜C8アルキル基(1つまたは複数のヒドロキシル基を有する)を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
有機アミンが、
・ 1から3個の同じかまたは異なるC1〜C4ヒドロキシアルキル基を含む、モノ-、ジ-およびトリアルカノールアミンから選択されるアルカノールアミン、
・ 次の式:
【化1】

[式中、Wは、ヒドロキシル基により任意選択で置換されたC1〜C6アルキレン残基であり;Rx、Ry、RzおよびRtは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、またはC1〜C6アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキルもしくはC1〜C6アミノアルキル基を表す]
を有する化合物
であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
有機アミンが、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールおよびモノエタノールアミン、またはこれらの混合物から好ましくは選択されるアルカノールアミンであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
有機アミンが、下の式(I)の塩基性アミノ酸:
【化2】

[式中、Rは、
【化3】

から選択される基を表す]
から選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
有機アミンが、アルギニン、ヒスチジンおよびリシン、またはこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
有機アミンの含量が、組成物(B)の重量に対して0.1重量%から40重量%、好ましくは0.5重量%から20重量%を占めることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
組成物(A)、(B)および(C)が、間のすすぎ洗い無しで、逐次付けられることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
付ける前の組成物(A)および(C)の混合により得られる組成物が、次いで、酸化性組成物(B)が、間のすすぎ洗い無しで、逐次、付けられることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
付ける前の組成物(A)、(B)および(C)の、その場での混合によって得られる組成物が、付けられることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
組成物(A)+(C)/(B)の量の重量比R1、および組成物(A)/(C)の量の重量比R2が、0.1から10、好ましくは0.3から3まで変わることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1から5のいずれか一項に記載の無水組成物(A)を含む第1コンパートメント、1種または複数の酸化剤を含む組成物(B)を含む第2コンパートメント、ならびに、1種または複数の酸化染料、1種または複数の直接染料あるいはこれらの混合物、および25℃でのpKbが12未満である1種または複数の有機アミンを含む、請求項6から11のいずれか一項に記載の組成物(C)を含む第3コンパートメントを含むマルチ-コンパートメントデバイス。
【請求項17】
1種または複数の脂肪物質、1種または複数の界面活性剤、1種または複数の酸化染料、1種または複数の直接染料あるいはこれらの混合物、および25℃でのpKbが12未満である1種または複数の有機アミンを含む無水組成物。

【公開番号】特開2009−149647(P2009−149647A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−324629(P2008−324629)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】