説明

特定の水を含有する化粧品用組成物と、脱色又は抗加齢剤としてのその使用

【課題】特定の水を含有する化粧品用又は皮膚科用組成物の提供。
【解決手段】7.8〜10の間のpHと、10〜250mg/lの間の全溶解固形分(TDS)濃度とを有する特定の水の、化粧品用又は皮膚科用組成物での使用に関する。この水を含有する化粧品用又は皮膚科用組成物に関し、特に、皮膚の内因性及び/又は外因性加齢の作用の出現を予防し又は遅延させ、又はその作用を低速化させ;皮膚の色素斑又は皮膚の色素沈着過剰領域の呈色を予防し又は低減させ;脱色領域の周辺の色素沈着を低減させ;皮膚呈色の均一性を改善し;又は皮膚の艶を明るくすることが可能な処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、特定の水を含有する化粧品用又は皮膚科用組成物と、化粧剤としてのこの水の使用と、この水の又はこの水を含有する組成物の皮膚又はケラチン線維への局所施用を含む、コスメティック又は皮膚科学的ケア方法でもある。
【0002】
本発明は、皮膚又はケラチン線維を脱色、淡色化、又は漂白するための化粧剤としての、この特定の水の使用にも関し、また、化粧品抗加齢剤としてのこの水の使用にも関する。
【背景技術】
【0003】
皮膚の内因性加齢、太陽からの紫外放射線への曝露など、皮膚が曝される外的侵襲、又はホルモン変動は、皮膚に有害な変化を誘発させる。これらの事象は、皮膚の組織、皮膚の目に見える質、及び皮膚の美しさを変化させ、皺、炎症反応、弾力性の損失、湿分の低下、或いは、特に手の甲、又は顔、首筋、若しくは頭頂部での褐斑病の出現、例えば黒子の出現として示される不均質な色素沈着など、特徴的な臨床的徴候の出現を誘発させる。
【0004】
乾燥肌は、あまり明るくなく、輝きがなく、色素障害を受ける皮膚であることが知られている。UV放射線、風、温度の変動、及び汚染などの外的侵襲は、皮膚バリアを脆弱にすることによって、皮膚の乾きを引き起こし又は強化する。
【0005】
本発明は、皮膚の内因性加齢又は外因性加齢と、皮膚の加齢に関連していてもいなくてもよい皮膚色素沈着状態にも焦点を当てる。
【0006】
皮膚の外因性加齢は、太陽への曝露、光への曝露、UV放射線への曝露、ストレス、及び汚染などの過剰な化学的及び物理的刺激によって誘発され、この刺激によって、皮膚の正常な機能が損なわれ、皺や、引締まり、柔らかさ、及び弾力性の損失などの有害な変化の臨床的徴候の出現を引き起こすが、この変化は、表皮における有害な細胞及び組織変化、例えばケラチノサイト分化の崩壊、又は、メタロプロテイナーゼ(MMP)、特にメタロプロテイナーゼ−1(MMP−1)の酵素活性に起因する真皮でのコラーゲン線維の分解によって、本質的に引き起こされるものである。
【0007】
同時に、内因性の又は年を経ることによる加齢は、内生要因が関わっている、遺伝子にプログラムされている加齢の結果である。この内因性加齢は、細胞代謝不全によって引き起こされ、その結果、DNAへの損傷の蓄積と、分解酵素の調節、酸化的ストレスに対する耐性、或いは機能的細胞外基質を合成する能力の損失などの生化学的経路の異常調節とをもたらし、これらは、例えば、皺及び/又は微細な線の出現や弾性繊維の変化などの組織学的変化によって反映されるものである。
【0008】
ヒトの場合、色素沈着は、皮膚、毛包、又は毛髪などのケラチン物質における、メラニン色素の合成及び分布から生じる。この色素沈着は、多くの内部又は外部要因によって調節される。
【0009】
皮膚及びケラチン線維の色素沈着は、特殊化細胞、メラノサイトの代謝活性から生じる。表皮のこれら樹状細胞は、胚形成中に、神経提の未分化前駆体、メラノブラストから生じる。メラノサイトは、メラノソームと呼ばれるオルガネラでメラニンを産生し、それらの樹状突起を介して隣接するケラチノサイトに移る。
【0010】
メラニンの過剰産生は、皮膚の呈色の不均質性、例えば黒子を引き起こす。
【0011】
審美的な又はコスメティックな目的で、
i)皮膚の外因性及び/又は内因性加齢の徴候の出現を予防し又は遅延させ、又はii)その作用を低速化させ又は低減すること、及び/又は
j)皮膚の色の均一性を改善し、ii)皮膚の艶を明るくし、又はiii)皮膚の色素斑を修正し又は減少させること
を目的とする、多くの抗加齢及び/又は脱色技法と物質が知られている。
【0012】
したがって、効果的で毒性のない新しい抗加齢及び/又は脱色物質への探求が、化粧品工業では必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の主な目的は、新規な化粧剤及びこの化粧剤を含有する化粧品用組成物の提供からなる技術的問題を解決することであり、前記化粧剤及び組成物は、皮膚の外因性及び/又は内因性加齢の徴候の出現を予防し又は遅延させ、或いは、その作用を低速化させ又は低減させようとするものである。
【0014】
本発明の目的は、i)皮膚の外因性及び/又は内因性加齢の徴候の出現を予防し又は遅延させるための、或いはii)少なくとも、そのような徴候を示す領域で、その作用を低速化させ又は低減させるための、コスメティック又は皮膚科学的ケア方法、特にコスメティックスキンケア方法を提供することでもある。
【0015】
本発明の目的は、皮膚又はケラチン線維を漂白、淡色化、又は脱色する特性を有する化粧品用組成物を提供することからなる、技術的問題を解決することでもある。本発明の目的は、コスメティック又は皮膚科学用ケア方法、特に、少なくとも色素沈着過剰領域で皮膚又はケラチン線維の漂白、淡色化、又は脱色を実施することによる皮膚及びケラチン線維ケアの方法を、提供することでもある。
【0016】
本発明の目的は、化粧品又は皮膚科学工業用に十分な量で入手可能な、新規で安価な化粧品活性剤と、容易に工業化可能なこの活性剤の使用とを見出すことでもある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって本発明の主題は、特定の水の、化粧剤としての使用と、外因性及び/又は内因性皮膚加齢を予防し修復する特性を有するこの水を含有する化粧品用組成物と、ケラチン物質へのこの水又はこの組成物の局所施用を含むコスメティック又は皮膚科学的ケア方法とでもある。
【0018】
本発明の主題は、皮膚及び/又はケラチン線維を漂白し、淡色化し、又は脱色する特性を有する化粧品用又は皮膚科用組成物でもある。
【0019】
本発明の発明者らは、非常に驚くべきことに、以下に続く説明で「本発明の水」とも呼ばれるこの特定の水が:
正常なヒトケラチノサイト(NHK)では、HSP−70(熱ショックタンパク質 70KDa、又はHSPA1A/HSPA1B)をコードする遺伝子及び/又はインボルクリンをコードする遺伝子の発現に対する調節作用と、
正常なヒト線維芽細胞(NHF)では、MMP−1をコードする遺伝子及び/又はMMP−3をコードする遺伝子の発現の調節作用と
を有することを発見した。
【0020】
本発明者らは、本発明により使用される水が、HSP−70及びインボルクリンをコードする遺伝子の産物の発現の増加を誘発し、MMP−1及びMMP−3をコードする遺伝子の発現の阻害を引き起こすことを実証した。HSP−70をコードする遺伝子の発現の増加は、ケラチノサイト上で、ストレス及び外的侵襲に対するより良好な耐性を与えるが、これは例えばアポトーシスの減少により反映させることができる。これらの条件下で、ケラチノサイトは、細胞外基質分解及びメラニン形成の刺激に関わる炎症促進因子であるサイトカイン及びケモカインの分泌が少なくなる。同様に、ケラチノサイト分化では重要な因子であるインボルクリンをコードする遺伝子の発現産物の刺激によって、外的侵襲に対して保護する表皮バリアが形成される。例えばUV曝露又は酸化的ストレスに応答して活性化する、細胞外基質分解酵素であるメタロプロテイナーゼ1及び3をコードする遺伝子の産物の低減は、これら酵素の発現の減少をもたらし、その結果、例えばコラーゲンの分解を介した細胞外基質分解の低減をもたらす。
【0021】
これらの作用全ては、皮膚保護と、皮膚の色素障害及び外因性及び/又は内因性加齢に対する予防との活性の重要な因子である、皮膚ホメオスタシス及び表皮の増殖/分化平衡を維持する。
【0022】
本発明者らは、非常に驚くベきことに、本発明の水が、正常なヒトメラノサイト(NHM)では、メラニン形成の重要な酵素であるチロシナーゼ関連タンパク質1(TRP−1)をコードする遺伝子及び/又はチロシナーゼをコードする遺伝子の発現の調節作用を有することも発見した。
【0023】
本発明者らは、本発明により使用される水が、TRP−1及びチロシナーゼ遺伝子の発現に対して阻害効果を発揮することを実証した。メラニン形成に関与するタンパク質をコードする遺伝子の発現に対するそのような阻害効果は、皮膚及び/又はケラチン線維を漂白し、淡色化し、又は脱色する活性を誘発する、メラニン形成の阻害を実施することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】正常なヒトケラチノサイト(NHK)のHSP 70(HSPA1A/HSPA1B)及びインボルクリン(IVL)をコードする遺伝子発現に対する、「アイスランド水」又は「アイスランディックグレーシャル(登録商標)水」と呼ばれる本発明の水(EI)の作用を表すヒストグラムに関する図である。この図は、より詳細には、8時間処理した後の、NHK中のHSP−70及びインボルクリンをコードする遺伝子の転写物のレベルに対するアイスランド水の作用に関する。図1に示される結果は、GAPDH参照遺伝子を用いて標準化された処理/未処理(NT)の比に従って表される。
【図2】正常なヒト線維芽細胞(NHF)のMMP−1及びMMP−3をコードする遺伝子の発現に対する、本発明の水(EI)の作用を表すヒストグラムに関する図である。この図2は、より詳細には、24時間の処理の、NHF中のMMP−1及びMMP−3遺伝子の転写物のレベルに対するアイスランド水の作用に関する。図1及び図2に示される結果は、GAPDH不変参照遺伝子の発現を用いて標準化された処理/未処理(NT)の比に従って表される。
【図3】正常なヒトメラノサイトのチロシナーゼをコードする遺伝子の発現に対する、本発明の水(EI)の作用を表すヒストグラムに関する図である。特に、図3は、24時間処理された正常なヒトメラノサイト中のチロシナーゼ遺伝子の転写物のレベルに対する、アイスランド水の作用に関する。
【図4】正常なヒトメラノサイトのチロシナーゼをコードする遺伝子の発現に対する、ミリキュー(Milli−Q)(登録商標)水(EM)の作用を表すヒストグラムに関する図である。特に図4は、24時間処理された正常なヒトメラノサイト中のチロシナーゼ遺伝子の転写物のレベルに対する、ミリキュー(登録商標)水の作用に関する。
【図5】正常なヒトメラノサイトのTRP−1をコードする遺伝子の発現に対する、本発明の水(EI)の作用を表すヒストグラムに関する図である。特に図5は、24時間処理した正常なヒトメラノサイト中のTRP−1遺伝子の転写物のレベルに対する、アイスランド水の作用に関する。
【図6】正常なヒトメラノサイトのチロシナーゼをコードする遺伝子の発現に対する、本発明の水(EI)の作用を表すヒストグラムに関する図である。特に図6は、24時間処理した正常なヒトメラノサイト中のチロシナーゼ遺伝子の転写物のレベルに対する、アイスランド水の作用に関する。
【図7】24時間処理した正常なヒトメラノサイトのチロシナーゼをコードする遺伝子の発現に対する、本発明の水を含めた様々な水の作用を表すヒストグラムに関する図である。図3〜7に示される結果は、β−2ミクログロブリン(β2−m)不変参照遺伝子の発現を用いて標準化された比[処理/未処理(NT)]によって表される。図3〜7において、処理した細胞と未処理の細胞(NT)との間の転写作用を比較するのに、ステューデント統計検定を使用した。
【発明を実施するための形態】
【0025】
第1の主題によれば、本発明は、水を含む化粧品用又は皮膚科用組成物と、化粧品用又は皮膚科用組成物での水の使用とに関し、水は:
7.6〜10の間、好ましくは7.8〜8.8の間、より好ましくは7.8〜8.6の間のpHと、
10〜250mg/lの間、好ましくは20〜100mg/mlの間の全溶解固形分(TDS)濃度と
を有する。
【0026】
組成物の全重量に対する水の重量濃度は、好ましくは10%〜99%、より好ましくは15%〜95%、最も好ましくは30%〜85%である。
【0027】
組成物の全重量に対する水の重量濃度は、例えば10%〜99%、15%〜95%、40%〜85%、又は60%〜80%である。
【0028】
物理化学的分析から得られる様々なパラメータに応じて水を定義することが可能であり、特に:
mg/lを単位として表され、下記の分類を有する、その全溶解固形分(TDS)濃度:
【表1】


下記の分類を有するそのpH:
【表2】


に応じて定義することが可能である。
【0029】
有利には、本発明の水は、下記の濃度、即ち:
3〜14mg/lの間、好ましくは4〜10mg/lの間のカルシウム(Ca2+);
2〜16mg/lの間、好ましくは8〜14mg/lの間の塩化物(Cl);
0.8〜5mg/lの間、好ましくは0.8〜3mg/lの間のマグネシウム(Mg2+);
0.01〜2mg/lの間、好ましくは0.1〜1mg/lの間のカリウム(K);
2〜14mg/lの間、好ましくは8〜13mg/lの間のナトリウム(Na);
0〜50mg/lの間、好ましくは10〜40mg/lの間の重炭酸塩(HCO);
1〜8mg/lの間、好ましくは2〜5mg/lの間の硫酸塩(SO2−
を含む。
【0030】
好ましくは、本発明の水は、7.9〜8.4の間のpH、又は8.2〜8.8の間のpHを有する。
【0031】
本発明の水は、有利には、50〜100mg/lの間、好ましくは40〜80mg/lの間、より好ましくは55〜75mg/lの間の全溶解固形分(TDS)濃度を有する。
【0032】
有利には、本発明の水は、特定の源泉から生じる水である。
【0033】
「源泉からの水」という表現は、有利にはヒトが消費するのに自然に適した、地下水から得られた水を意味するものである。この水は、例えばボーリングによって地中深い場所から、或いは、例えばリサージェンスの場合には地表で取り出すことができる。
【0034】
第1の好ましい変形例によれば、本発明の水は、アイスランド、Olfus地方のHlidarendi(「Hlidarendi」とも綴る。)源泉から抽出される。この源泉は、火山性の地面での雨水の流出と雪及び氷の融解によって供給される。
【0035】
この水は、Icelandic Water Holdings ehf社からアイスランディックグレーシャル(Icelandic Glacial)(登録商標)という名称で販売され、例えば、フランスでは、International Breweries & Beers(IBB),Raimbeaucourt 59283−Franceにより流通がなされる。
【0036】
この水は、特に、下記の組成により特徴付けることができ:
カルシウム(Ca2+)約6.4mg/l;
塩素(Cl)約13mg/l;
マグネシウム(Mg2+)約2.4mg/l;
カリウム(K)約0.6mg/l;
ナトリウム(Na)約12mg/l;
重炭酸塩(HCO)約33mg/l;
硫酸塩(SO2−)約3.4mg/l;
TDS約62mg/l;
約8.4のpHを有する。
【0037】
第2の好ましい変形例によれば、本発明の水は、アイスランドのHeidmorkに位置する源泉から抽出される。
【0038】
この水は、Icelandic Spring Inc.社、USAからアイスランドスプリング(Iceland Spring)(登録商標)という名称で販売される。
【0039】
この水は、特に、下記の組成により特徴付けることができ:
【0040】
カルシウム(Ca2+)約4.6mg/l;
塩素(Cl)約11.0mg/l;
マグネシウム(Mg2+)約0.9mg/l;
カリウム(K)約0.5mg/l;
ナトリウム(Na)約12mg/l;
硫酸塩(SO2−)約2.3mg/l;
TDS約48mg/l;
約8.7のpHを有する。
【0041】
第3の変形例によれば、本発明の水は、the Parma Appenines,Emilia−Romagna,ItalyのMonte Zucconeに位置する源泉から抽出される。
【0042】
この水は、Norda社からデュケール(Ducale)(登録商標)という名称で販売される。
【0043】
この水は、特に、下記の組成により特徴付けることができ:
カルシウム(Ca2+)約12.5mg/l;
塩素(Cl)約3.8mg/l;
マグネシウム(Mg2+)約1.3mg/l;
カリウム(K)約0.4mg/l;
ナトリウム(Na)約3mg/l;
硫酸塩(SO2−)約6.9mg/l;
TDS約56mg/l;
約8.3のpHを有する。
【0044】
ここで示される値は平均値であり、水の組成は経時的に安定している。しかし、この平均値に関する変動、特に分析方法に結び付いている変動が、観察されることがある。
【0045】
この組成を、カルシウム、カリウム、マグネシウム、及びナトリウムイオンに関してはUS−EPA(米国環境保護庁)の方法200.7に従って;塩化物、硝酸、重炭酸、及び硫酸イオンに関してはUS−PEA300.0に従って;全溶解固形分(TDS)濃度に関してはSM 2540−Cに従って;及びpHに関してはSM 4500−HBに従って分析する。
【0046】
ある特定の変形例によれば、本発明の水は、皮膚を保護し皮膚の外因性及び/又は内因性加齢を予防するための、又はその作用を低速化させるための化粧剤として使用され、及び/又は、皮膚及びケラチン線維(毛髪、体毛)を脱色、漂白、若しくは淡色化するための化粧剤として使用される。
【0047】
好ましくは、本発明の水は、
HSP−70をコードする遺伝子及び/又はインボルクリンをコードする遺伝子の発現を刺激するための、及び/又は
MMP−1及び/又はMMP−3及び/又はチロシナーゼ関連タンパク質−1(TRP−1)及び/又はチロシナーゼをコードする遺伝子を阻害するための
化粧剤として使用される。
【0048】
一実施形態によれば、本発明は、
皮膚及びケラチン線維を脱色、漂白、又は淡色化するための化粧剤としての、及び/又は
チロシナーゼ関連タンパク質−1(TRP−1)をコードする遺伝子及び/又はチロシナーゼをコードする遺伝子の発現を阻害するための化粧剤としての
上記にて定義された水の、化粧品用組成物での使用に関する。
【0049】
別の実施形態によれば、本発明は、皮膚を保護し皮膚の外因性及び/又は内因性加齢を予防するための、又はその作用を低速化させるための化粧剤としての、上記にて定義された水の使用に関する。
【0050】
説明したように、この水は、皮膚を保護し皮膚の外因性及び/又は内因性加齢を予防するための薬剤としての、及び/又はメラニン形成阻害剤としての、活性を有する。
【0051】
この活性により、水は、皮膚の内因性及び/又は外因性加齢の徴候の出現を予防し又は遅延させるための、又はその作用を低速化させるための活性剤として、及び/又は脱色、淡色化、若しくは漂白剤として、化粧品用又は皮膚科用組成物で使用することができる。
【0052】
第2の主題によれば、本発明は、上記にて定義された少なくとも1種の水を含む、化粧品用又は皮膚科用組成物に関する。
【0053】
1つの好ましい変形例によれば、組成物の全重量に対する本発明の水の重量濃度は、少なくとも15%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%である。
【0054】
本発明の組成物は、有利には、活性剤として上記にて定義された少なくとも1種の水と、化粧品用として又は皮膚科用として許容される添加物などの少なくとも1種の添加物とを含む、化粧品用又は皮膚科用組成物である。
【0055】
一実施形態によれば、組成物は、皮膚の内因性及び/又は外因性加齢の徴候の出現を予防し又は遅延させるための、又はその作用を低速化させるための組成物であり、及び/又は、皮膚及びケラチン線維を脱色、漂白、及び/又は淡色化するための組成物である。
【0056】
本発明による組成物は、有利には、局所施用が意図される。
【0057】
本発明の組成物は、有利には、局所組成物であってもよく、溶液、美容液、ローション、スプレー、ミルク、エマルジョン、好ましくは水中油タイプのもの、又はヒドロゲルの形で配合されていてもよい。
【0058】
ある特定の実施形態によれば、本発明の組成物は、少なくとも1種の他の活性剤と、少なくとも1種の、化粧品用として又は皮膚科用として許容される添加物とを含む。
【0059】
第1の態様によれば、組成物は、皮膚の内因性及び/又は外因性加齢の作用の出現を予防し又は遅延させること、又はその作用を低速化させることを目標とする。
【0060】
また、組成物は、フリーラジカル捕捉活性を有する物質;皮膚の構造の維持を促進させること、及び/又は、真皮及び表皮の表層の細胞外基質の分解を制限すること、及び/又は、皮膚の保護、修正、若しくは再構成作用を得ることを目的とした活性を用いて、皮膚の加齢の作用、特に皺の形成を、低減し又は遅延させることが意図される物質;及び抗炎症活性を有する物質から選択することができる、1種又は複数の他の活性剤を、有利に含んでいてもよい。
【0061】
第2の態様によれば、組成物は、皮膚及びケラチン線維を脱色すること、特に艶を明るくすること、又は皮膚の呈色の均一性を改善すること、或いは、色素皮膚斑若しくは色素沈着過剰な皮膚領域を修正し又は低減させることを目標とする。
【0062】
組成物は、皮膚及びケラチン線維に対する脱色活性又は淡色化活性、又は、皮膚及びケラチン線維に対する漂白活性を有する物質から選択することができる、1種又は複数の他の活性剤を、有利に含んでいてもよい。
【0063】
当業者に知られている脱色剤は、例えば、アルブチン、コウジ酸、アゼライン酸、フェルラ酸、ビタミンB3又はPP、カルシウム−D−パンテテイン−S−スルホネート、レゾルシノール誘導体、レスベラトロール、カンゾウ又はトウグワの抽出物、α−リポ酸、リノール酸、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)などの陽イオンキレート剤、大豆の抽出物、ウンシュウミカン(Citrus unshiu)の抽出物、ジアセチルボルジン、レチノール、プロピオン酸レチニル又はパルミチン酸レチニルなどのレチノールエステル、β−エクジソン、リン酸トコフェリル又はカリウムアスコルビルトコフェリルホスフェートなどのトコフェロール誘導体である。
【0064】
組成物は、例えば、スリミング活性を有する物質;湿潤活性を有する物質;鎮静、鎮痛、又は弛緩活性を有する物質;特に顔の艶の輝きを改善するための、皮膚微小循環刺激活性を有する物質;油性肌をケアするための皮脂調節活性を有する物質;及び皮膚をクレンジングし又は汚れを取ることを目的とした物質から選択することができる、他の化粧品活性を有する他の活性剤を含んでいてもよい。
【0065】
本発明による組成物は、ポリマー、界面活性剤、レオロジー剤、香料、電解質、pH調節剤、抗酸化剤、保存剤、染料、真珠光沢剤、及び顔料と、これらの混合物から有利に選択することができる、少なくとも1種の、化粧品用として又は皮膚科用として許容される添加物も有利に含む。
【0066】
第3の主題では、本発明は、化粧品用若しくは皮膚科用組成物における、又は化粧品用若しくは皮膚科用組成物を調製するための、上述の本発明の水の使用に関し、前記組成物は:
皮膚の内因性及び/又は外因性加齢の徴候の出現を予防し又は遅延させ、又はその作用を低速化させること;
皮膚の色素斑(色素沈着過剰な領域)又は皮膚の色素沈着過剰領域の呈色、特に皮膚の様々な異常変色からなるもの、特に接触性皮膚炎、薬物誘発性光線皮膚症、肝斑、角化症、例えば老人性若しくは光線性角化症、老人性黒子(しみ)若しくは日光黒子、瘢痕若しくは火傷から生じる色素斑、又はアレルギー若しくは光毒性反応により誘発される色素斑を、予防し又は低減すること;
特に、白斑などの白皮によって誘発される、脱色領域の周辺の色素沈着を予防し又は低減すること;
皮膚呈色の均一性を改善すること;或いは皮膚の艶を明るくすること
を目的とするものである。
【0067】
第4の主題によれば、本発明は、少なくとも1種の水の又は上記にて定義された組成物の局所施用を含む、非治療的コスメティックケア方法又は皮膚科学的トリートメントに関する。
【0068】
ある特定の実施形態によれば、コスメティックケア方法は、治療効果を発揮することなく、特に:
皮膚の内因性及び/又は外因性加齢の徴候の出現を予防し又は遅延させ、又はその作用を低速化させるために;
皮膚の色素斑(色素沈着過剰な領域)又は皮膚の色素沈着過剰領域の呈色、特に皮膚の様々な異常変色からなるもの、特に接触性皮膚炎、薬物誘発性光線皮膚症、肝斑、角化症、例えば老人性若しくは光線性角化症、老人性黒子(しみ)若しくは日光黒子、瘢痕若しくは火傷から生じる色素斑、又はアレルギー若しくは光毒性反応により誘発される色素斑を、予防し又は低減するために;
特に、白斑などの白皮によって誘発される、脱色領域の周辺の色素沈着を予防し又は低減するために;
皮膚呈色の均一性を改善するために;或いは皮膚の艶を明るくするために、
皮膚の外観に審美上の改善をもたらすことを目的とする。
【0069】
本発明は、特に、皮膚及びケラチン線維のためのコスメティックケア方法であって、皮膚の外因性及び/又は内因性加齢の徴候を示す皮膚の少なくとも1つの領域への、及び/又は身体若しくは顔の皮膚若しくはケラチン線維の少なくとも1つの色素沈着過剰領域への、上記にて定義された少なくとも1種の化粧品用組成物の有効量の施用を含む方法に関する。
【0070】
本発明の最初の3つの主題に関連して記載された特徴全ては、本発明による非治療的コスメティックケア方法及び皮膚科学的トリートメント方法にも当てはまる。
【0071】
本発明の任意の態様で、「有効量」という用語は、指定された化粧品作用を発揮するのに必要な量に、少なくとも等しい量を意味するものとする。
【0072】
本発明のその他の目的、特徴、及び利点は、例として示される実施例を参照し本発明の範囲をいかようにも限定するものではない説明的な記載を読むことによって、当業者に明らかに理解されよう。
【0073】
実施例は本発明の一体的部分を形成し、この記載から得られる任意の特徴は全体として、これら実施例も含め、任意の従来技術にも勝る新規なものと思われるもので、その機能及びその一般性に関して本発明の一体的部分を形成する。
【0074】
さらに、これら実施例において、全てのパーセンテージは、他に指示しない限り重量を単位として示され、温度は、他に指示しない限り摂氏温度で表され、圧力は、他に指示しない限り気圧で表される。
【実施例】
【0075】
以下の実施例において、単独で使用される「水」という用語は、精製された実験室用の水を指す。実施例で使用される本発明の水(EI)は、アイスランディックグレーシャル(登録商標)水であり、アイスランドに位置する源泉からの、「アイスランディックグレーシャル(登録)水」という名称で販売される水である。この水は、以下の実施例では「アイスランド水」とも呼ばれる。
【0076】
実施例1−表皮の細胞及び組織保護に関わる遺伝子の発現に対する、本発明の水による処理の作用。
【0077】
この研究の目的は、HSP−70及びインボルクリンをコードする遺伝子の発現に対する、本発明の水の作用を評価することであった。
【0078】
1.細胞培養
使用した正常なヒトケラチノサイト(NHK)を、白色人種の成人ドナーから得た。NHKを、培地1中に、2.5×10細胞/ウェルの割合で6ウェルプレートに播種した。培養条件当たり、NHKの3つのウェルに播種し、これは8時間の処理用であった。
【0079】
2.処理
80%の集密度で、細胞を、下記の培地1中で15%のアイスランド水により、任意選択で処理した:
供給業者
エピリフェ(Epilife) Fisher
サプリメント Fisher
【0080】
8時間処理した後の、トータルRNAを抽出するために細胞を回収した。
【0081】
3.PCRタクマン(Taqman)低密度アレイ
【0082】
3.1 トータルRNAを得る
細胞培地を取り除き、RLT溶解緩衝液(ヌクレオスピンRNAトレースキットで供給された)250μlを添加した。細胞を、セルスクレーパーを使用してか掻き取り、次いで細胞溶解産物を、1.2mlのディープウェル(キットで供給された)に回収した。トータルRNAを、ヌクレオスピンRNAトレースキット(Macherey Nagel)を備えたエピモーション(Epimotion)5075(Eppendorf)を使用して抽出した。
【0083】
得られたトータルRNA溶液について、バイオアナライザ2100(Agilent Technologies)を使用してアッセイを行いその品質を検証した。この機器を、特定結果分析ソフトウェア(2100エキスパートソフトウェア)を有するコンピュータに接続した。この技法は、12ウェルマイクロプレート(RNA 6000ナノチップ)と、試薬のキット(RNA 6000 Nano Reagents & Supplies)、即ち真核トータルRNAをアッセイするのに特異的なものを必要とした。
【0084】
3.2 相補的DNAの合成
使用した逆転写(RT)キットは、高容量cDNA逆転写キット(Applied Biosystems)であった。トータルRNA 100ngを水で希釈して、最終体積50μlを与えた。次いでこれらを25℃で10分間、次いで37℃で2時間、下記の通り事前に調製された高容量逆転写キットからの50μlの2×反応混合物と共にインキュベートした。
【0085】
試薬 体積
RT緩衝液 10μl
dNTP緩衝液 4μl
ランダムプライマー 10μl
RNAseアウト 1μl
RT 5μl
O 20μl
【0086】
3.3 PCRタクマン低密度アレイ
各RT 50μlをサンプリングし、「タクマン遺伝子発現マスターミックス」50μlと混合した。均質化後、100μlを微小流体カード上に堆積させ、後者を遠心分離し、次いで密封した。
【0087】
対照遺伝子を使用して、結果を標準化した。PCRを、ABI Prism 7900HT配列検出システム装置で、Applied Biosystemsから提供されたプロトコルに従い実施した。qPCRのステップは、50℃で2分、94.5℃で10分、次いで97℃で30秒、59.7℃で1分を、40サイクルにわたり行った。
【0088】
4.結果の分析
RT−PCR TLDA法では、定量を、ΔCt比較法を使用して実施する。この方法は、各遺伝子ごとのバックグラウンドノイズを考慮するRQマネジャーソフトウェアを使用して、カードの各遺伝子のサイクル数(Ct)を決定する。このサイクル数(Ct)を、細胞内の不変のGAPDHハウスキーピング遺伝子のCtに対して標準化した。
【0089】
結果を図1に示す。
【0090】
本発明の水、アイスランディックグレーシャル(登録商標)水による処理の後に観察された、HSP 70をコードする遺伝子の発現の増加(×2.1)は、ストレス及び外的侵襲に対するより良好な耐性を、ケラチノサイトに与えた。その結果、ケラチノサイトは、細胞外基質の分解及びメラニン形成の刺激に関与する炎症性因子である、サイトカイン及びケモカインを少ない量で分泌することができる。同様に、ケラチノサイト分化の重要な因子である、インボルクリンをコードする遺伝子の発現産物の、本発明の水、アイスランディックグレーシャル(登録商標)水で処理した後に観察された刺激(×1.8)によれば、外的侵襲に対して保護する表皮バリアの形成が可能になる。
【0091】
実施例2−真皮の細胞及び組織の保護に関与する遺伝子の発現に対する、本発明の水による処理の作用。
【0092】
この研究の目的は、単層で培養された正常なヒト線維芽細胞(NHF)の培養物に対する、アイスランディックグレーシャル(登録商標)水の生物活性を研究することであった。実施例1の場合と同様に、この研究は、TLDA技術を用いて実施され、TLDAはタクマン低密度アレイ(Taqman Low Density Array)に因んだものである。アイスランディックグレーシャル(登録商標)水による24時間にわたる処理に応答した、線維芽細胞関連の生物学的経路に特異的なタンパク質をコードする、遺伝子のパネルの発現の調節について研究した。
【0093】
メタロプロテイナーゼ1及び3(MMP−1及びMMP−3)は同じタンパク質分解カスケードに属し、コラーゲン、より詳細にはコラーゲン1及び3の分解と協調して働く。これらは特に、皮膚の加齢中に及びUV曝露に応答して誘発される。したがって、真皮細胞外基質の分解を制御するように、発現を阻害することを望むことが戦略である。
【0094】
1.材料及び方法
【0095】
細胞培養
【0096】
使用される正常なヒト線維芽細胞(NHF)は、白色人種の成人ドナーから得た。
【0097】
細胞を、下記の組成を有する培地1中に、2.5×10細胞/ウェルの割合で6ウェルプレートに播種した:
培地1
供給業者 最終濃度
FCS Biowest 10%
DMEM Fisher qs
【0098】
NHFの3つのウェルは、培養条件当たりで播種した。
【0099】
処理の24時間前に、集密状態で、細胞からウシ胎児血清が枯渇した(下記の組成を有する培地2):
培地2
供給業者
DMEM Fisher
【0100】
2.処理
ウシ胎児血清を含まずに培養した24時間後、細胞を、培地2中で15%のアイスランディックグレーシャル(登録商標)水により、任意選択で処理した。8及び24時間処理した後の、トータルRNAを抽出するために細胞を回収した。
【0101】
3.PCRタクマン低密度アレイ
この方法は、実施例1の場合に従った。
【0102】
4.結果
24時間処理した後の、トータルRNAを抽出するためにNHFを回収した。
【0103】
得られた結果は、15重量%のアイスランディックグレーシャル(登録商標)水によるNHFの処理によって、24時間処理した後にMMP−1及びMMP−3の発現を著しく低減させる(それぞれ44%及び40%)ことが可能になることを実証する(図2)。
【0104】
これら2種のメタロプロテイナーゼの発現に対するアイスランディックグレーシャル(登録商標)水の作用は、ECM分解に働きかけることによって皮膚の加齢を予防し又は低速化させるのに特に有利である。
【0105】
実施例3−メラニン形成及び皮膚色素沈着の欠陥に関与する遺伝子の発現に対する、本発明の水を含めた種々の組成の水による処理の作用。
【0106】
この研究の目的は、正常なヒトメラノサイト(NHM)に関し、リアルタイム定量RT−PCR(qRT−PCR)によって、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP−1)又はチロシナーゼをコードする遺伝子の発現に対する活性剤、アイスランディックグレーシャル(登録商標)水の作用を評価することであった。
【0107】
この活性剤の作用を、本発明によらない水と、下記の試験において任意選択で比較した。
【0108】
細胞培養
ドナー1からの正常なヒトメラノサイト(NHM)を、培養液中に置き、培地3(下記の組成)中に、2.5×10細胞/ウェルの割合で6ウェルプレートに播種した。3つのウェルを培養条件当たりに播種し、即ち;3つの未処理対照ウェル、及び24時間の処理時間で処理した3つのウェルである。
【0109】
培地1の組成:
供給業者 最終濃度
グルタマックスを含む培地E−199 Fisher
ウシ胎児血清 Abcys 10%
【0110】
培地2の組成:
供給業者 最終濃度
KSFM Fisher
下垂体抽出物 Fisher 50μg/ml KSFM
【0111】
培地3の組成:
供給業者 最終濃度
培地2 90%
培地1 10%
b−線維芽細胞成長因子 Fisher 10ng/ml
【0112】
メラノサイトの処理
播種した48時間後、細胞を、本発明の水又はアイスランディックグレーシャル(登録商標)水とは異なる組成を有する水に接触させることによって処理し(パラグラフ1.1〜1.3に指定された処理条件)、培地3で希釈し、0.22μmフィルタに通して濾過した。未処理の対照も調製した。
【0113】
24時間処理した後、トータルRNAを抽出するために細胞を回収した。
【0114】
Rneasyキット(Qiagen)を使用してトータルRNAを得る
細胞培地を取り出し、RLT溶解緩衝液(キットで供給された)350μlを添加した。細胞を、セルスクレーパーを使用してか掻き取り、細胞溶解産物を、シリンジを使用して均質化した。
【0115】
トータルRNAを、供給業者のプロトコルに従い抽出した。
【0116】
このように得られたトータルRNA溶液についてアッセイを行った。この技法は、12ウェルマイクロプレート(RNA 6000ナノチップ)と、試薬のキット(RNA 6000 Nano Reagents & Supplies)、即ち真核トータルRNAをアッセイするのに特異的なものを必要とした。
【0117】
相補的DNAの合成
使用した逆転写(RT)キットは、「高容量cDNA逆転写キット、1000反応」(Applied Biosystems)であり、供給業者のプロトコルに従い使用される。DNAseの後、トータルRNA 100ngを水で希釈して、最終体積25μlを得た。次いでこれを25℃で10分間、次いで37℃で2時間、下記の通り予め調製された、容量cDNAアーカイブキットからの25μlの2×反応混合物と共にインキュベートした。
【0118】
試薬 体積
RT緩衝液 10μl
dNTP緩衝液 4μl
ランダムプライマー 10μl
RNAseアウト 1μl
RT 5μl
O 20μl
【0119】
リアルタイム定量RT−PCR
分析に使用される試薬
供給業者
キットRNeasy Qiagen
RNAseアウト Invitrogen
タクマン高速ユニバーサルマスターミックス Applied
タクマンβ2−m発現 Applied
タクマンTRP−1発現 Applied
タクマンチロシナーゼ発現 Applied
【0120】
処理の影響を、Applied Biosystemsからの7900HT高速96ウェルブロックを用いたリアルタイム定量PCR(qRT−PCR)によって評価した。
【0121】
1反応に関する反応混合物の調製:
タクマン高速ユニバーサルPCRマスターミックス(2×) 10μl
タクマン遺伝子発現アッセイ 1μl
O 4μl
【0122】
混合物15μlを、7900HT機器用に特別に設計された96ウェルプレートのウェルに置き、水5μl(ブランク用)又はcDNAの連続希釈物5μl(レンジ用)又は精製水で1/50に希釈したサンプル5μlを、遺伝子とは無関係に、対応するウェルに添加した。
【0123】
結果の分析
各サンプルごとに、シグナルが現れるサイクル数を、SDS 2.3ソフトウェア(Applied Biosystems)を使用して決定し、較正範囲が確立された較正線を用いて、転写物のコピー数に関する濃度をしたがって計算することができた。
【0124】
同じアッセイで、得られたTRP−1及びチロシナーゼ転写物の発現レベルを、β2−m遺伝子に関して得られた値に対して標準化した。この遺伝子は、その発現が構成的であり不変であり、アッセイ間での量のいかなるばらつきも、特に、異なる逆転写効率に起因するばらつきをなくすことを可能にした。
【0125】
統計分析
統計的に有意な転写活性のばらつきを、ステューデント検定を適用することによって評価した。
【0126】
各条件は、3重に実施した(3つの未処理対照及び3つの処理のもの)。フィッシャー検定を、2つのデータマトリックスを比較することによって、まず最初に適用した。フィッシャー検定が0.05よりも大きい場合、ステューデント検定での分散は2に等しかった。フィッシャー検定が0.05未満であった場合、分散は3に等しかった。
【0127】
維持された転写のばらつきは、0.05未満のステューデント検定を有するものであった。結果のセクションで示されたデータは、処理サンプル対未処理対照サンプル得られた量の比であり、全ては不変のβ2−ミクログロブリン(β2−m)遺伝子と関連付けられる。
【0128】
結果
【0129】
1.1−24時間処理した後のNHM中のチロシナーゼ遺伝子の発現に対する、ある濃度範囲のアイスランド水(本発明の水)による処理の効果
アイスランド水(本発明の水)の作用を、ミリキュー(登録商標)(供給業者Millipore)という名称で販売されている高度に精製された脱イオン水により発揮された作用と比較した。
【0130】
6ウェルプレートに播種した、ドナー1からの正常なヒトメラノサイトを、24時間にわたり5又は15%のアイスランド水又はミリキュー(登録商標)水で、3つにわたり集密状態で処理した。未処理の対照も調製した。
【0131】
チロシナーゼをコードする遺伝子をコードする転写物のレベルを、サンプルに関して測定し、不変のβ2−m遺伝子をコードする転写物のレベルと関連付けた。
【0132】
得られた結果をヒストグラムの形に処理した。
【0133】
図3は、アイスランド水で24時間処理した後の、16%というチロシナーゼをコードする遺伝子の転写物のレベルの低下を示す。
【0134】
図4は、ミリキュー(登録商標)水が、チロシナーゼ遺伝子発現に何の効果も及ぼさないことを示す。
【0135】
ミリキュー(登録商標)水とは異なり、本発明の水は、メラニン形成で及び皮膚色素沈着で重要な酵素であるチロシナーゼをコードする遺伝子の発現を、著しく阻害することを可能にする。
【0136】
1.2−24時間処理した後のNHM中のTRP−1をコードする遺伝子の発現に対する、本発明の水による処理の効果
6ウェルプレートに播種した、ドナー2から得た正常なヒトメラノサイトを、24時間にわたり15%のアイスランド水で3つにわたり集密状態で処理した。未処理の対照も調製した。TRP−1遺伝子をコードする転写物のレベルをサンプルに関して測定し、不変のβ2−m遺伝子をコードする転写物のレベルと関連付けた。
【0137】
得られた結果をヒストグラムの形に処理する。
【0138】
図5は、アイスランド水で24時間処理した後の、47.10%というTRP−1遺伝子の転写物のレベルの低下を示す。
【0139】
本発明の水は、メラニン形成及び皮膚色素沈着に関与するTRP−1をコードする遺伝子の発現を著しく阻害することを可能にする。
【0140】
1.3−24時間処理した後のチロシナーゼをコードする遺伝子の発現に対する、15%での本発明の水による正常なヒトメラノサイトの処理の効果
6ウェルプレートに播種した、ドナー2から得た正常なヒトメラノサイトを、24時間にわたり、15%のアイスランド水で3つにわたり集密状態で処理した。未処理の対照も調製した。
【0141】
チロシナーゼ遺伝子をコードする転写物のレベルを、サンプルに関して測定し、不変のβ2−m遺伝子をコードする転写物のレベルと関連付けた。
【0142】
得られた結果をヒストグラムの形で処理した。
【0143】
図6は、アイスランド水で24時間処理した後の、37.60%というチロシナーゼをコードする遺伝子の転写物のレベルの低下を示す。
【0144】
1.4−24時間処理した後のNHM中のチロシナーゼ遺伝子の発現に対する、本発明の水及び鉱水による処理の効果の比較
アイスランド水(本発明の水)によって発揮された作用を、本発明の水の特徴とは異なる特徴(組成、pH、TDS)を有する「エビアン(Evian)(登録商標)水」という名称で販売されている鉱水及び非常に純粋な氷河水により発揮された作用と比較した。下記の表3は、アイスランディックグレーシャル(登録商標)水(本発明の水)及び本発明によらないエビアン(登録商標)水のそれぞれの特徴を示す(データは、製造業者のウェブサイトで得られ、アドレスは下記の通りである。)。
【表3】

【0145】
アイスランド水は、試験をした他の2種の水よりもアルカリ性が高いことに特に留意されたい。アイスランド水は、エビアン(登録商標)水よりも低い鉱物負荷を有する(カルシウム又は重炭酸イオン参照)。しかしアイスランド水は、非常に純粋であるという評判でありそのTDS値が4であるイスブル(Isbre)(登録商標)グレイシャー水よりも多い鉱物を含有する。
【0146】
正常なヒトメラノサイトを、24時間にわたり、15%のアイスランド水又はエビアン(登録商標)水で3つにわたり集密状態で処理した。未処理の対照も調製した。
【0147】
チロシナーゼをコードする遺伝子をコードする転写物のレベルを、サンプルに関して測定し、不変のβ2−m遺伝子をコードする転写物のレベルと関連付けた。
【0148】
得られた結果をヒストグラムの形に処理した。
【0149】
図7は、アイスランド水で24時間処理した後の、16%というチロシナーゼをコードする遺伝子の転写物のレベルの低下を示す。
【0150】
本発明の水であるアイスランディックグレーシャル(登録商標)水は、チロシナーゼをコードする遺伝子の発現を著しく阻害し、したがってメラニン形成及び皮膚色素沈着に作用することを可能にする。
【0151】
一方、より鉱物化された水(エビアン(登録商標))又は逆に非常に弱く鉱物化された水(イスブル(登録商標))又は全体的に鉱物が除去された水(ミリキュー(登録商標))は、チロシナーゼをコードする遺伝子の発現に何の作用も示さない。
【0152】
結論
この研究は、本発明の水が、正常なヒトメラノサイト(NHM)中のチロシナーゼをコードする遺伝子及びチロシナーゼ関連タンパク質1(TRP−1)をコードする遺伝子の転写物を、部分的に阻害することを示すことを可能にした。アイスランド水での24時間にわたる処理は、本発明の特徴によらない特徴を有する水に関して示される作用とは対照的に、TRP−1及びチロシナーゼをコードする遺伝子の発現に著しい低下をもたらす。
【0153】
したがって、本発明の水、特にアイスランディックグレーシャル(登録商標)水は、化粧品用組成物中の皮膚の脱色、漂白、又は淡色化活性剤として使用することができる。
【0154】
実施例4−本発明による化粧品配合物
組成物を下記の配合に従い調製し、パーセンテージは最終組成物に対する重量で表し、成分の名称は、その化学名、商標、又はINCI名に対応する。
【0155】
4.1−抗加齢美容液
抗加齢美容液を、下記の配合により調製した。
【0156】
重量%
グリセロール 5
ブチレングリコール 3
ペンチレングリコール 3
ポリグリセロール−3 2.5
メチルグルセス−20 1.8
デシルオキサゾリドン 1
フェノキシエタノール 9
タルク 1
レシチン 1
カルボマー 0.5
ソルビトール 3
シリカ 0.2
アルミナ 0.2
水酸化ナトリウム 0.2
アルギン 0.1
ポリビニルアルコール <0.1
ヒアルロン酸ナトリウム <0.1
ウスベニアオイ(Malva sylvestris)抽出物 0.7
加水分解大豆粉 <0.1
アデノシン <0.1
アスコルビン酸 <0.1
オクラ(Hibiscus esculentus)果実の抽出物 <0.1
アイスランディックグレーシャル(登録商標)水 77
【0157】
ローションは、朝晩に顔に付ける、本発明の水を含む流体水性組成物である。本発明の水を含むその組成物は、皮膚の加齢の出現の徴候、特に皮膚の艶の輝き又は皮膚の引締まりの損失に対する予防的効果を可能にする。
【0158】
4.2−ライトな抗加齢クリーム
重量%
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 10
グリセロール 5
セテアリールアルコール 4
ブチレングリコール 3
ペンチレングリコール 3
マンゴー(Mangifera indica)バター 1.5
ステアリン酸グリセリル 1.2
デシルオキサゾリドン 1
ステアレス−21 1
フェノキシエタノール 0.9
セテアリールグルコシド 0.8
水素化ココグリセリド 0.7
タルク 0.6
ソルビトール 0.5
ジメチコン 0.5
パルミチン酸セチル 0.3
アルギン 0.2
ココグリセリド 0.2
シリカ 0.2
カルボマー 0.2
アルミナ 0.2
キサンタンガム 0.1
ポリビニルアルコール 0.1
二酸化チタン 0.1
トロメタミン 0.1
セルロースガム <0.1
ヒアルロン酸ナトリウム <0.1
ウスベニアオイ(Malva sylvestris)抽出物 0.7
加水分解大豆粉 <0.1
アデノシン <0.1
アスコルビン酸 <0.1
オクラ(Hibiscus esculentus)果実の抽出物 <0.1
アイスランドスプリング(登録商標)水 73
【0159】
連続水相が本発明の水からなるクリームを、朝、顔及び首筋に付け、皮膚の加齢の徴候を示す領域を特に重視して付けた。このようにすることによって、皮膚の外因性及び/又は内因性加齢に対する保護効果を得ることが可能になる。
【0160】
4.3−リッチな抗加齢クリーム
水中油型エマルジョンを、下記の組成に従い調製した:
【0161】
重量%
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 15
グリセロール 5
セテアリールアルコール 4
ブチレングリコール 3
ペンチレングリコール 3
マンゴー(Mangifera indica)バター 2
ステアリン酸グリセリル 2.2
水素化ココグリセリド 2
ジメチコン 1
パルミチン酸セチル 0.6
デシルオキサゾリドン 1
ステアレス−21 1
フェノキシエタノール 0.9
セテアリルグリコシド 0.8
タルク 0.6
ソルビトール 0.5
ココグリセリド 0.5
シリカ 0.2
アルギン 0.3
カルボマー 0.2
キサンタンガム 0.1
ポリビニルアルコール 0.1
トロメタミン 0.1
セルロースガム <0.1
ヒアルロン酸ナトリウム <0.1
ウスベニアオイ(Malva sylvestris)抽出物 0.7
加水分解大豆粉 <0.1
アデノシン <0.1
アスコルビン酸 <0.1
オクラ(Hibiscus esculentus)果実の抽出物 <0.1
デュケール(Ducale)(登録商標)水 55
【0162】
水相が本発明の水を含んでいるリッチなクリームを、晩に、顔に付けた。このようにすることによって、皮膚の外因性及び/又は内因性加齢に対する予防的効果を得ることが可能になる。
【0163】
4.4−脱色フェイシャルデイゲルエマルジョン
ゲルエマルジョンを、下記の組成に従い調製した。
【0164】
重量%
グリセロール 5
カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド 5
メトキシケイ皮酸オクチル 1
ジメチコンコポリオール 0.5
アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー 0.5
アスコルビル−2グルコシド 2
アイスランディックグレーシャル(登録商標)水 90
保存剤、香料、染料 qs
【0165】
多かれ少なかれ強度の放射線を日光から受け又は太陽から直接受けた何人かの個人は、明るい艶を保つこと及び色素斑の出現を避けることを望む。
【0166】
上記ゲルエマルジョンの使用は、この目的の達成を可能にする。この組成物を、朝、顔全体に付ける。この組成物は、顔のものであってもなくてもよい色素沈着に対して予防的に又は治療的に働く。
【0167】
4.5−色素斑を予防するSPF30保護流体
保護流体を、下記の組成に従って調製した:
重量%
揮発性ペンタシクロメチコン 49
二酸化チタン 15
メトキシケイ皮酸オクチル 7.5
グリセロール 5
フェニルトリメチコン 5
ジメチコンコポリオール 3
ポリ(メチルメタクリレート) 2.5
ブチルメトキシジベンゾイルメタン 1
アイスランディックグレーシャル(登録商標)水 15
中和剤、香料、保存剤、抗酸化剤 qs
【0168】
保護流体は、強度の太陽放射線に曝される前に、この現象を引き起こす傾向がある個人で色素斑の出現を予防するために使用される。高濃度の日焼け止め剤の存在によって、メラニンのレベルの低下から生じる生来の保護の低下の補償が、可能になることに留意されたい。
【0169】
4.6−脱色フェイスクリーム
クリームを、下記の組成に従い調製した:
重量%
ステアリン酸グリセリル+Peg−100ステアレート 5
水素化ポリイソブテン 4
マグネシウムアスコルビルホスフェート 3
グリセリルトリカプリレート/カプレート 3
スクアラン 3
グリセロール 2
蜜蝋 1
オクタン酸セテアリール 1.5
セチルアルコール 1
ステアリルアルコール 1
ジメチコン 1
キサンタンガム 0.3
エチレンジアミン四酢酸 0.2
グリセルリチン酸ジカリウム 0.2
酢酸トコフェリル 0.2
サリチル酸 1
クエン酸ナトリウム 0.1
アイスランドスプリング(登録商標)水 70
中和剤、香料、保存剤 qs
【0170】
水中油型エマルジョンの形をとるこのクリームを使用することにより、老人斑又は光線性色素斑を低減し又はなくすことによって皮膚の色素沈着のむらを処置することが可能になる。それによって、皮膚の呈色が均一になり、艶が明るくなる。
【0171】
4.7−艶を明るくするためのフェイスローション
ローションを、下記の組成に従い調製した:
重量%
エチルアルコール 30
PPG−3ミリスチルエーテル 5
グリセロール 2
カルボマー 0.2
ブチレングリコール 3
ポリソルベート20 0.2
カルシウムD−パンテテイン−S−スルホネート 0.2
ウンシュウミカン(Citrus unshiu)の抽出物 2
デュケール(登録商標)水 56
中和剤、香料、保存剤 qs
【0172】
艶を明るくするためのこのローションは、化粧を落とした後及び皮膚のクレンジング後に使用される。
【0173】
4.8−ライトニングフェイス美容液
美容液を、下記の組成に従い調製した:
重量%
アイスランディックグレーシャル(登録商標)水 88
グリセロール 2
テトラナトリウムEDTA/クエン酸/クエン酸三ナトリウム 所望のpHまでのqs
キサンタンガム 0.25
ワレモコウの抽出物 0.5
アスコルビル−2グルコシド 2
ポリメチルシルセルキオキサン 2
エチルアルコール 2
乳酸 1
ポリアクリルアミド、C13〜14イソパラフィン、ラウレスー7 0.5
ジメチコンコポリオール 0.25
香料、染料、保存剤 qs
【0174】
この高濃縮美容液組成物の1滴を、フェイスクリームを付ける前に顔全体に付ける。この美容液は、艶の明るさを得るために又は維持するために、1〜2週間のトリートメントとして習慣的に使用される。
【0175】
4.9−頭髪を明るくするためのヘアローション
ヘアローションを、下記の組成に従い調製した:
重量%
アイスランドスプリング(登録商標)水 46
アルコール 50
パンテニルエチルエーテル 0.5
DL−α−トコフェリルアセテート 0.2
ポリソルベート60 1
カンゾウの抽出物 0.1
香料 0.2
グリセロール 0.5
染料 qs
【0176】
このローションは、頭髪を緩やかに明るくするために、朝晩、数週間にわたって毛髪に付ける。
【0177】
4.10−手のための抗斑クリームゲル
クリームゲルを、下記の組成に従って調製した:
重量%
デュケール(登録商標)水 69
カプリル酸/カプリン酸ジグリセリルスクシネート 6
オクタン酸オクチル 2.5
メトキシケイ皮酸オクチル 6
アスコルビル−2−グルコシド 2
フェニルトリメチコン 2.5
ベンゾフェノン−3 0.5
ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
キサンタンガム 0
アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートコポリマー 0.5
ポリ(メチルメタクリレート) 1
グリセロール 2
PEG150 3
中和剤、染料、香料、保存剤 qs
【0178】
このクリームゲルは、呈色を低減させるために、手の老人斑(老人性黒子)に直接付けるべきである。
【0179】
実施例において「qs」は、「十分な量」、即ち合計して100%を得るのに十分な量を意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
7.6〜10の間、好ましくは7.8〜8.8の間のpHと、
10〜250mg/lの間、好ましくは20〜100mg/lの間の全溶解固形分(TDS)濃度と
を有する少なくとも1種の水を活性剤として含む、化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項2】
組成物の全重量に対する水の重量濃度が10%〜99%である、請求項1に記載の化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項3】
局所組成物である、請求項1又は2に記載の化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の他の活性剤、又は、化粧品用として若しくは皮膚科用として許容される少なくとも1種の添加物をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項5】
水が、下記の濃度、即ち
3〜14mg/lの間、好ましくは4〜10mg/lの間のカルシウム(Ca2+)、
2〜16mg/lの間、好ましくは8〜14mg/lの間の塩化物(Cl)、
0.8〜5mg/lの間、好ましくは0.8〜3mg/lの間のマグネシウム(Mg2+)、
0.01〜2mg/lの間、好ましくは0.1〜1mg/lの間のカリウム(K)、
2〜14mg/lの間、好ましくは8〜13mg/lの間のナトリウム(Na)、
0〜50mg/lの間、好ましくは10〜40mg/lの間の重炭酸塩(HCO)、
1〜5mg/lの間、好ましくは2〜5mg/lの間の硫酸塩(SO2−
を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項6】
水が、8.2〜8.8の間のpHを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項7】
水が、40〜80mg/lの間の全溶解固形分(TDS)濃度を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項8】
水が、下記の組成、即ち
カルシウム(Ca2+)約6.4mg/l、
塩素(Cl)約13mg/l、
マグネシウム(Mg2+)約2.4mg/l、
カリウム(K)約0.6mg/l、
ナトリウム(Na)約12mg/l、
重炭酸塩(HCO)約33mg/l、
硫酸塩(SO2−)約3.4mg/l、
を有し、
水が、約62mg/lの全溶解固形分(TDS)濃度を有し、
水が、約8.4のpHを有する、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項9】
水が、下記の組成、即ち
カルシウム(Ca2+)約4.6mg/l、
塩素(Cl)約11.0mg/l、
マグネシウム(Mg2+)約0.9mg/l、
カリウム(K)約0.5mg/l、
ナトリウム(Na)約12mg/l、
硫酸塩(SO2−)約2.3mg/l
を有し、
水が、約48mg/lの全溶解固形分(TDS)濃度を有し、
水が、約8.7のpHを有する、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項10】
水が、下記の組成、即ち
カルシウム(Ca2+)約12.5mg/l、
塩素(Cl)約3.8mg/l、
マグネシウム(Mg2+)約1.3mg/l、
カリウム(K)約0.4mg/l、
ナトリウム(Na)約3mg/l、
硫酸塩(SO2−)約6.9mg/l
を有し、
水が、約56mg/lの全溶解固形分(TDS)濃度を有し、
水が、約8.3のpHを有する、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項11】
組成物の全重量に対する水の重量濃度が、少なくとも15%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項12】
溶液、美容液、ローション、スプレー、ミルク、エマルジョン、好ましくは水中油型エマルジョン、又はヒドロゲルの形で配合される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項13】
皮膚の内因性及び/又は外因性加齢の徴候の出現を予防し又は遅延させるため、又はその作用を低速化させるための組成物である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項14】
皮膚及びケラチン線維用の脱色、漂白、又は淡色化剤の組成物である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化粧品用又は皮膚科用組成物。
【請求項15】
化粧剤としての、請求項1及び5〜10のいずれか一項に記載の水の有効量の使用。
【請求項16】
皮膚及びケラチン線維用の脱色、漂白、又は淡色化剤としての、請求項15に記載の水の有効量の使用。
【請求項17】
皮膚の色素斑(色素沈着過剰な領域)又は皮膚の色素沈着過剰領域の呈色、特に皮膚の様々な異常変色からなるもの、特に接触性皮膚炎、薬物誘発性光線皮膚症、肝斑、角化症、例えば老人性若しくは光線性角化症、老人性黒子(しみ)若しくは日光黒子、瘢痕若しくは火傷から生じる色素斑、又はアレルギー性若しくは光毒性反応により誘発される色素斑を、予防し又は低減させるための薬剤としての、請求項15に記載の水の有効量の使用。
【請求項18】
特に、白斑などの白皮によって誘発される、脱色領域の周辺の色素沈着を予防し又は低減させるための、又は皮膚呈色の均一性を改善するための、又は皮膚の艶を明るくするための薬剤としての、請求項15に記載の水の有効量の使用。
【請求項19】
皮膚の内因性及び/又は外因性加齢の徴候の出現を予防し又は遅延させるための、又はその作用を低速化させるための薬剤としての、請求項15に記載の水の有効量の使用。
【請求項20】
請求項1及び5〜10のいずれか一項に記載の水、又は請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物の施用を含む、コスメティックケアの方法。
【請求項21】
皮膚及びケラチン線維用の脱色、漂白、又は淡色化剤のための、請求項20に記載のコスメティックケアの方法。
【請求項22】
皮膚の内因性及び/又は外因性加齢の徴候の出現を予防し又は遅延させるための、又はその作用を低速化させるための、請求項20に記載のコスメティックケアの方法。
【請求項23】
特に、色素沈着過剰な個人の皮膚の少なくとも1つの領域への局所施用を介して、皮膚及びケラチン線維を脱色し、漂白し、又は淡色化する皮膚科用組成物を調製するための、請求項1及び5〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1種の水の有効量の使用。
【請求項24】
特に、とりわけ35歳を超えている個人の皮膚の少なくとも1つの領域への局所施用を介して、皮膚の内因性及び/又は外因性加齢の徴候の出現を予防し又は遅延させるための、又はその作用を低速化させるための皮膚科用組成物を調製するための、請求項1及び5〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1種の水の有効量の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−25746(P2012−25746A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−156827(P2011−156827)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(502189579)エルブイエムエイチ レシェルシェ (68)
【Fターム(参考)】