説明

獣害防止器

【課題】何時現れるか判らない獣を常時監視し、出現した時に発光等で威嚇するには、待機時間中も器具の電気が消費され、特にキセノンランプ用の昇圧部の電気消費ロスは大きい。また、キセノンランプの強い光も、獣にとって実害が無ければ、学習し、効果が低減する。以上の2つの課題から実用に耐えられる獣害防止器を提供する
【解決手段】獣検出部8に受動型赤外線モーションセンサー8−0を用いて、獣が獣検出器の検知領域内で動く度に発生するパルス信号で節電制御部7を制御し、発光用電源部1を開閉するので、獣のいない時は、電気消耗が無い。獣の学習に対しては、夜行性のある獣に対して、キセノンランプ5−1を発光させる前に関心信号発生部9から音、微弱光で獣の視線をキセノンランプの方向に向かせた後に発光する事で、夜間で拡大した瞳孔に強い光を投入させ、単なる光でなく、害を感ずる光として、学習効果に対抗する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、獣による害をキセノンランプの光、高電圧での感電で獣を遠ざけ獣害を防止する用途分野に関連する。
【背景技術】
【0002】
猪、鹿、猿、等の獣による農作物を中心とした被害は、毎年200億円にも達するとの報告が官公庁から出されている。又、熊の出没も増加し、金銭以上の問題と成っている。
獣による被害は保護すべき領域を、電気柵で囲い、柵に高電圧を加え、侵入防止の効果を上げている。が、電気柵で覆えない広い領域に対しては真に有効な手段がない。
公開技術で特開2004−73105にはキセノンランプの光と爆発音で鳥獣を近づけない技術が公開されている。
【0003】
が、上記公開技術でも、何時、出現するか判らない獣に対して常時の監視と威嚇準備には多くの電源消費が伴い、装置の大型化、高額化が問題であった。
また、威嚇で獣の害を防ぐには、動物の学習能力に対応する為の問題が有った。
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、[背景技術]でも述べたように
(1)キセノンランプの強い光で獣を威嚇して獣害を防止、軽減する為には、何時現れるか判らない獣を常時監視し、出現した時に発光、威嚇するには、待機時間中も器具の電気が消費され、小型、安価な装置の製作は困難であった。特にキセノンランプ用の高電圧を生成する昇圧部を常時作動状態にする電気ロスは大きい。
(2)キセノンランプの強い光も、獣は実害が無いと知れば、学習し、効果が低減する。
上記(1)(2)が、解決しようとする課題である。
【課題を解決する為の手段】
【0006】
請求項1の獣害防止器は発光用電源部と、該発光用電源部からの低電圧を、昇圧部へ供給するか否かを判別するのに、受動型赤外線モーションセンサーである獣検出部の信号が、獣の動き有りで、節電制御部の出力信号で昇圧部へ供給し、高電圧に変換し、該昇圧部からの高電圧を蓄電する蓄電部を有し、該蓄電部の高電圧を放電部を構成するキセノンランプと、トリガー部に供給し、トリガー部に含まれるサイリスタ等の制御端子に、獣が移動する事で生じる獣検出部からの信号を与え、キセノンランプを発光させ、獣害を防止する。他方、獣検出部の信号が獣がいない為、節電制御部の出力信号が発光用電源部の低電圧を昇圧部へ供給しないと判別した時は昇圧部の動作が停止し、発光用電源部の消費電気量を軽減させる事が出来る。
獣害を出す、猪、鹿、熊、アライグマ等は夜行性の物が多く、節電制御部にCDS等照度検出器を付ければ、昼間の昇圧部を不作動状態に出来る。
すなわち、夜のみで、且つ、獣が近くに居る間だけ、昇圧部が作動する様に構成できるので、発光用電源部は乾電池で十分に長期間作動し、課題(1)の効果がある。
【0007】
請求項2の獣害防止器は、発光用電源部と、該発光用電源部の低電圧を昇圧する昇圧部と、該昇圧部からの高電圧を貯える蓄電部と、該蓄電部の高電圧を放電部であるキセノンランプとトリガー部に供給し、獣検出部の信号を関心信号発生部と共に、遅延回路部に与え、獣が関心信号発生部からの音、光で視線を放電部のキセノンランプの方向に向かせた後に、遅延回路部からの信号でトリガー部のサイリスタ等の制御端子に信号を与え発光させる事で、効果的に獣の網膜に強い刺激を与える事から、横を向いたり、背を向けたりしている時にも有効な強大な光を発する装置に対して、小型、安価でありながら効果が大きい。
夜行性の獣を対象とすることが多いので、暗闇で瞳孔が拡がった状態での閃光は単なるビックリでなく、網膜への危害が予測される。ちなみに、使い捨てカメラの注意書きには「目に近づけて発光しないこと」と危険性を予測させる注意書きがある。すなわち、課題(2)の効果がある。
【0008】
請求項3の獣害防止器は、発光用電源部と、該発光用電源部の低電圧を昇圧する昇圧部と、該昇圧部からの高電圧を貯える蓄電部と、該蓄電部の高電圧を放電部であるキセノンランプとトリガー部に供給し、獣検出部の信号をトリガー部のサイリスタ等の制御端子に信号を与え発光させる事で、獣の網膜に強い刺激を与える物であって、蓄電部の一方の端子を大地から絶縁された導電性食器に結ぶと共に、蓄電部の他方の端子を大地に結び、獣が導電性食器又は食物に触れると、感電する事で、キセノンランプが発光する領域は危険だと学習させる効果が期待でき、課題(2)の効果がある。
【0009】
【発明を実施する為の最良の形態】
【0010】
図1は本発明の第1の実施例を説明する図である、1は発光用電源部であり、乾電池、蓄電池、太陽電池等の1.2Vから6V程の低電圧の電源であり、実施例では1.5Vの乾電池である。
【0011】
2は昇圧部であり、1.5Vを300V程の高電圧に昇圧する作用がある。公知の手段のトランジスター2−1のベース電流が昇圧コイル2−2の一部卷線を介し抵抗2−3へ流れるとトランジスター2−1は導通し昇圧コイル2−2の一次コイルに電流を流し、同コイルの二次コイルに巻線比で決まった高電圧を発生させる。同時にベース電流が流れる上記一部卷線にはトランジスター2−1を遮断する逆電圧が誘起され、トランジスターは遮断状態にされる。すなわち、高電圧を発生する発振器として動作する。トランジスター2−4のコレクタ、エミッタが昇圧コイル2−2の一次コイルと直列に配置され、後述する節電制御部7の信号がトランジスター2−4のベースに与えられる事で、発振したり、停止したりの2つの状態を取る。トランジスター2−4はリレー接点に置き換えれるし、トランジスターのままで抵抗2−3に直列に配置してもよい。
【0012】
3は蓄電部でありダイオード3−1で整流され、コンデンサー3−2に直流の高電圧が貯えられる。小型キセノンランプ用なら300V程の電圧で、コンデンサーは160μF程である。
【0013】
作られた高電圧は5の放電部であるキセノンランプ5−1の一方の電極と、トリガー部4の抵抗4−1へ供給される。抵抗4−1を介してコンデンサー4−2には電荷が貯えられ。該電荷がトリガーコイル4−3を介してサイリスタ4−4で瞬時に放電されるとトリガーコイルの巻線比で数千Vの高い電圧を生じ、キセノンランプ5−1のトリガー電極を介してキセノンランプをイオン化し、他方の電極との間に蓄電部のコンデンサー3−2の電荷でアーク放電を起こし、閃光を発する。
【0014】
サイリスタ4−4のゲート端子は抵抗4−5,4−6の中間点に結ばれ、抵抗4−5の他端は発光用電源部のマイナス極に、抵抗4−6の他端は後述の獣検出部の出力端子に結ばれる。4−4はサイリスタに限らずGTO、IGBT等、制御端子で短絡的に電流を流せる物に置き換え出来る。
【0015】
次に6は制御用電源で低電圧直流電源であり、前述の発光用電源部と一体化も可能であるが、求められる性能要件から図示の様に別体が望ましい。
【0016】
7は節電制御部であり、抵抗7−1と照度検出器であるCDSの結合点をAND回路の一方の入力端子に入れると共に、後述する獣検出部からの信号をバッファ回路7−5,ダイオード7−6抵抗7−7を介し、コンデンサー7−8と抵抗7−9の並列回路に与えた後、上記AND回路の他方の入力端子に与えている。 結果、AND回路の一方の入力が夜間でCDSの抵抗値が大きい時に限り、且つ、獣検出器が獣の動きが有った事で、出力を出した後、コンデンサー7−8と抵抗7−9の積で定まる時間の間だけAND回路の他方の入力に“H”が加わり、出力の“H”が抵抗7−10を介して、昇圧部2のトランジスター2−4を導通にする。7−3は遮光板であって、猿のように昼間の明るい時に活動する獣に対して威嚇の発光をさせるため、照度検出器を不作動にする物である。
【0017】
8は獣検出器であり、8−1はフレネルレンズであり、8−2は赤外線センサーせあり、8−3は動き検出回路である。動き検出回路内にはモーションディテクターICであるKC778B等が含まれている。8−1,8−2,8−3を含めて8−0の受動型赤外線モーションセンサーと言い、獣検出部と同一である。受動型赤外線モーションセンサーとはセンサーからの検知範囲内、例えば10m以内で、哺乳動物の発する赤外線が、動く、即ち位置の変化が有った時に検知出力を発し、検知範囲内でも停止して居ると検知信号を発しなくなる物を言い、動きを判別している事から受動型赤外線センサーと区別される。
動き検出回路8−3の出力端子8−3aはトリガー部の抵抗4−6と節電制御部4のバッファ回路7−5の入力端子に結ばれている。
【0018】
以上構成で閃光で獣を有効に撃退するには、夜が有効で、遮光板7−3が不使用なら昼間の照度ではCDSの抵抗値ではAND回路入力は“L”に設計されるので、獣の出現で獣検出器の出力が“H”で有ってもAND回路の出力は“L”で昇圧部のトランジスター2−4は遮断状態で昇圧部は不作動である。言い換えると装置は不作動状態である。次に、遮光板を用いた昼間か、夜間はCDS側のAND回路入力は“H”のままであり、獣検出部が0.5秒程の短時間の“H”を出力端子8−3aから出したとする。抵抗7−7は過大電流防止の抵抗値で値が小さく選ばれるから、バッファ7−5、ダイオード7−6、抵抗7−7、コンデンサー7−8のループで急速に充電され、AND回路の入力は“H”となる。獣検出部の出力が“L”になってもダイオ−ド7−6の効果でコンデンサー7−8の電荷は急減せず、コンデンサー7−8と抵抗7−9の積の時間、例えば10秒は“H”を保つ。
【0019】
AND回路7−4の出力が“H”でトランジスター2−4を導通にすれば、昇圧部は高電圧を蓄電部4へ与え、トリガー部4,放電部5を動作可能とする。前述の出力端子8−3aのパルスのタイミングでは蓄電部のコンデンサー3−2は今だ充電不足と思われそうだが、実際は、以前に昇圧部が動作した時の電荷はダイオード3−1で逆流防止され、残っており、キセノンランプは発光する。
【0020】
節電制御部の効果は大きく、昼間時は停止、夜間でも獣が近くで徘徊する時間だけ発光用電源部の電気消費としたことで、単三乾電池でも一週間以上、単一乾電池なら一ヶ月間以上電池交換無しで獣害防止器を連続作動状態に出来た。
【0021】
図2は本発明の第2の実施例を説明する図である。図1と共通の部分は説明を簡単化する。発光用電源部1,蓄電部3,トリガー部4,放電部5,制御用電源6,獣検出部8は同一であり、節電制御部は省かれ、昇圧部2のトランジスター2−4も省かれている。一方、関心信号発生部9と遅延回路部10が追加されている。9−1は信号発生器であり、9−2はLEDであり、9−3はスピーカーである。
【0022】
10−1は遅延信号発生器である。関心信号発生部、遅延回路部は技術的には何ら新しいものを含んでいないが、主には暗闇で、獣に対して閃光で威嚇する獣害防止器では絶大な効果を発揮する。図1で説明した様に獣が検知領域内で動いたとすると、獣検出部の動き検出回路の出力端子8−3aが、“H”の信号を信号発生器の入力端子9−1a及び遅延信号発生器の入力端子10aに与える。スピーカー9−3、LED9−2には直ちに出力が出される。キセノンランプ5−1,スピーカー、LEDは同一容器内に通常納められるので、出された音、光に獣が反応する事は、視線をキセノンランプの方向に向ける事となる。視線を向けるに必要な時間程の遅延時間に遅延信号発生器の出力端子10bには“H”の信号が出され、サイリスタ4−4のゲートを介してトリガー部4、放電部5を動作し、閃光を発する。
【0023】
いかに強い閃光と言えども、横を向いたり、背を向けた状態では効果は少ない、が、夜間で、瞳孔が開いた状態で、正面から閃光を受ければ、単なるビックリでなく、目に害を及ぼす程の効果となる。現に使い捨てカメラの注意書きには「目に近づけて使用禁止」がうたわれている。
スピーカー9−2からの音は、単なるブザー音でも良いが、対象とする獣の種類に応じて選択的により関心を引く音源を持たせるのも良い。最近では効果音を複数、記憶、再生する技術は確立されている。
【0024】
図2で述べて来た事例は、獣の害を“閃光”で威嚇する通常の手段では、獣の学習能力で効果が薄れる課題に対して、刺激の強さからより長く効果が持続する事が期待できる。
公開技術の中には赤外線で鳥獣の接近方向を検知し、その方向に音、光を発して威嚇する技術が開示されているが、獣自体を閃光を発する方向へ向かわせている本発明は効率が高く、効果的である。
【0025】
図3は本発明の第3の実施例を説明する図である。図1と共通の部分は説明を簡単化する。発光用電源部1,トリガー部4,放電部5,制御用電源6,節電制御部7,獣検出部8は同一である。蓄電部3には図1で示したダイオード3−1、コンデンサー3−2に追加してダイオード3−3,コンデンサー3−4が各々、並列の関係で設けられている。
コンデンサー3−4からは抵抗11を介して端子板12の一方の端子12aに結ばれ、端子版12の他方の端子12bはコンデンサー3−4の他方に結ばれている。
【0026】
端子板12の一方の端子12a、他方の端子12bは後述する獣を感電させる為のものであるが、ダイオード3−3,コンデンサー3−4を図3で追加している理由は、放電部5が放電した直後はコンデンサー3−2の電圧は低下して、獣への電撃力が不足する時間帯が生ずるを防ぐ為である。が、急速に電圧は回復する事から無用と判断すれば、追加をやめ、従来のコンデンサー3−2から前述抵抗11へ結べばよい。
また、獣によっては、より高電圧の電撃が必要なら、昇圧部2の昇圧コイル2−2の二次コイルの高圧端子2−2aとして、より巻線比の大きい端子を設けダイオード3−5でコンデンサー3−4に高電圧を得る方法がある。以上、説明が選択的で不明快と感じられるかと思うが、まとめて言えば蓄電部3の高電圧を端子板12を介して外部に取り出せる構成であればよい。また、抵抗11は過度の電流で獣に過度の被害を与えない為のもので必須と言う訳ではない。
【0027】
金属等の導電性食器14は支柱15の内柱15−1に止めネジ16で固定され、内柱15−1は高さの異なる位置に複数の通し穴15−1aを持ち、外柱15−2の穴部に入れられている。外柱15−2にも通し穴15−2aが設けられ、各々の通し穴に位置決め具15−3が挿入されると、適宜の高さに固定される。外柱15−2には水抜き穴15−2bが設けられている。支柱15は大地13に打ち込まれ、接続具17,18が取付られている。支柱15の全体、又は内柱、外柱の一方は電気的な絶縁物で構成されている。
大地13にはアース棒19が打ち込まれる。端子板12の一方の端子12aからは接続具17を介し接続線20で導電性食器14に配線される。また、他方の端子12bからは接続具18を介し接続線21でアース棒19に配線される。
【0028】
餌22が導電性食器14に置かれる。対象とする獣が好む、特に好む臭いを発するものが好ましい、例えば、猪なら薩摩芋をカットして置くのが良い、切り口からの臭い効果と、切り口からの液で餌の表面の導電性を高める効果がある。獣23が餌を取ろうとすれば、足が着いている大地は導電性が有り、食器又は餌に接した口から足へ電気が流れ感電する。
導電性食器14には水抜き穴14−aが設けられる。24は水滴であり、接続具17,18に雨水が当たらない配置が望ましい。
【0029】
図3で述べて来た事例は、獣の害を“閃光”で威嚇する通常の手段では、獣の学習能力で効果が薄れる課題に対して、実績効果の認められている電撃での効果を併用することで、より長く効果が持続する事が期待できる。
【0030】
さて、課題と対比して効用、効果を確認する。課題は[発明が解決しようとする課題]でのべた(1)と(2)である。
(1)のキセノンランプの強い閃光での威嚇は効果はあるが、高電圧を発生させる昇圧部での電気消費が多い問題に対して、請求項1の発明では、閃光での効果を有効にするため、昼間時間帯を不作動に選択出来るのは当然とし、夜間の獣が近くにいる時のみ昇圧部を作動状態とし、獣がいない時は昇圧部を不作動とする節電制御部を設けた事で、電源の消費を極端に少なくするのを可能とし、小型、安価な獣害防止器を可能とした効果は大きい。
どの程度の小型化が可能かと言うと、使い捨てカメラで知られる手のひらサイズでありながら、電源は安価な乾電池で数週間の威嚇動作を可能とする。
本発明は発光用電源部として太陽電池を含めているが、獣害防止器の設置場所が獣道の様な太陽の当たりにくい場所であることから、太陽電池でなく、乾電池の方がより便利に使える。すなわち、獣の動きに応じて日々、設置場所を変更できる乾電池型を可能とした節電の効果は大きい。
【0031】
(2)の獣の学習効果での効用の低下に対し、請求項2での発明では、獣が自らキセノンランプの方へ視線を向けた時点で閃光を発する事から、夜間で瞳孔が拡がった状態の獣にとっては単なるビックリではなく視力に影響を与える程の効果が期待できる。
関心信号発生部からの音の種類は、現在の公知の技術で種種、多様の選択ができ、獣の種類に応じて、学習を上回る音を発する事が可能で、獣の学習能力問題を解消できると期待出来る。
【0032】
(2)の獣の学習効果での効用の低下に対し、請求項3での発明では、獣をキセノンランプの閃光で威嚇する効果と共に、既に効果が認められている電気衝撃を併用する事で、キセノンランプの閃光の領域自体を危険と思わせる効果が期待できる。
電気衝撃用高電圧は、キセノンランプ閃光用に使われる回路で生成されていた物を流用することで得られる事から、コストも殆ど上がらず、寸法を殆ど大きくせず達成出来、好都合である。従来の守りたい領域に電気柵を設け電撃で侵入を防止する方法が多くの部材で柵を構築する必要があったのに対し、餌で呼び寄せ、電撃を与える方法は獣の学習効果を逆に利用し、少しの部材で光の届く、広い領域に効果を及ぼす事が期待できる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】 本発明の実施例を示す説明図。
【図2】 本発明の実施例を示す他の説明図。
【図3】 本発明の実施例を示す他の説明図。
【符号の説明】
【0035】
1‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥発光用電源部
2‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥昇圧部
2−1‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥トランジスター
2−2‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥昇圧コイル
2−3‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥抵抗
2−4‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥トランジスター
3‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥蓄電部
3−1‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ダイオード
3−2‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥コンデンサー
3−3‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ダイオード
3−4‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥コンデンサー
3−5‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ダイオード
4‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥トリガイー部
4−1‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥抵抗
4−2‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥コンデンサー
4−3‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥トリガーコイル
4−4‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥サイリスタ
4−5‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥抵抗
4−6‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥抵抗
5‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥放電部
5−1‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥キセノンランプ
6‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥制御用電源
7‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥節電制御部
7−1‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥抵抗
7−2‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥照度検出器(CDS)
7−3‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥遮光板
7−4‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥AND回路
7−5‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥バッファ回路
7−6‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ダイオード
7−7‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥抵抗
7−8‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥コンデンサー
7−9‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥抵抗
7−10‥‥‥‥‥‥‥‥‥抵抗
8‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥獣検出部
8−0‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥受動型赤外線モーションセンサー
8−1‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥フレネルレンズ
8−2‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥赤外線センサー
8−3‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥動き検出回路(モーションディテクターIC、KC77 8B等)
9‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥関心信号発生部
9−1‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥信号発生器
9−2‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥LED
9−3‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥スピーカー
10‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥遅延回路部
10−1‥‥‥‥‥‥‥‥‥遅延信号発生器
11‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥抵抗
12‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥端子板
12a‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥一方の端子
12b‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥他方の端子
13‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥大地
14‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥導電性食器
15‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥支柱
15−1‥‥‥‥‥‥‥‥‥内柱
15−2‥‥‥‥‥‥‥‥‥外柱
15−3‥‥‥‥‥‥‥‥‥位置決め具
16‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥止めネジ
17‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥接続具
18‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥接続具
19‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥アース棒
20‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥接続線
21‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥接続線
22‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥餌
23‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥獣
24‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥水滴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光用電源部と、該発光用電源部からの低電圧を、昇圧部へ供給するか否かを判別するのに、受動型赤外線モーションセンサーである獣検出部の信号が、獣の動き有りで、節電制御部の出力信号で昇圧部へ供給し、高電圧に変換し、該昇圧部からの高電圧を蓄電する蓄電部を有し、該蓄電部の高電圧を放電部を構成するキセノンランプと、トリガー部に供給し、トリガー部に含まれるサイリスタ等の制御端子に、獣が移動する事で生じる獣検出部からの信号を与え、キセノンランプを発光させ、獣害を防止する。他方、獣検出部の信号が獣がいない為、節電制御部の出力信号が発光用電源部の低電圧を昇圧部へ供給しないと判別した時は昇圧部の動作が停止し、発光用電源部の消費電気量を軽減させる事を特徴とする獣害防止器。
【請求項2】
発光用電源部と、該発光用電源部の低電圧を昇圧する昇圧部と、該昇圧部からの高電圧を貯える蓄電部と、該蓄電部の高電圧を放電部であるキセノンランプとトリガー部に供給し、獣検出部の信号を関心信号発生部と共に、遅延回路部に与え、獣が関心信号発生部からの音、光で視線を放電部のキセノンランプの方向に向かせた後に、遅延回路部からの信号でトリガー部のサイリスタ等の制御端子に信号を与え発光させる事で、効果的に獣の網膜に強い刺激を与える事を特徴とする獣害防止器。
【請求項3】
発光用電源部と、該発光用電源部の低電圧を昇圧する昇圧部と、該昇圧部からの高電圧を貯える蓄電部と、該蓄電部の高電圧を放電部であるキセノンランプとトリガー部に供給し、獣検出部の信号をトリガー部のサイリスタ等の制御端子に信号を与え発光させる事で、獣の網膜に強い刺激を与える物であって、
蓄電部の一方の端子を大地から絶縁された導電性食器に結ぶと共に、蓄電部の他方の端子を大地に結び、獣が導電性食器又は食物に触れると、感電する事で、キセノンランプが発光する領域は危険だと学習させる効果を有する獣害防止器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−105628(P2012−105628A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272987(P2010−272987)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(591181388)株式会社八剱電子 (21)
【Fターム(参考)】