説明

現像ロール、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】現像ローラにマイクロカプセルを含有させ、現像ローラが研磨されマイクロカプセルが研磨もしくは破砕されることで、もしくはマイクロカプセルに内包された助剤が散布されることで長期に利用できる現像ローラを提供する。
【解決手段】一成分現像剤(以下、単に「トナー」と記すことがある。)を用いる現像装置4に設置される現像ローラ43であって、その外周面に帯電したトナーが担持される表面層433と、前記表面層433の内周面に内接するように積層された表面下層432と、を備え、前記表面下層432もしくは前記表面層433の少なくとも何れか一方には、前記現像ローラ表面の粗さを制御する平均粒径2〜50μmの範囲にある粗さ制御剤30なる粒子が含有されており、前記粗さ制御剤30がマイクロカプセル構造を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置における一成分現像剤を用いる現像方式の現像装置に設置される現像ローラと、それを備えた現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、乾式一成分現像装置としては各種の装置が提案され、また実用化されている。特に近年、画像形成装置本体の一層の小型化により現像装置自体も小型化し、また、ユーザーにより現像装置を交換できるようカートリッジ形態の現像装置の開発が必須となっている。
この現像装置を実現する上で必要な乾式一成分現像剤の薄層を安定して形成する技術は非常に難しいが、例えば、層厚規制部材を現像ローラに圧接させ、この接触ニップ部にトナーを通過させることで現像ローラ上のトナー量を規制し、摩擦によりトナーを荷電させる構成が用いられている。
しかし、この構成では、層厚規制部材を現像ローラに圧接させることで、現像ローラ表面が研磨されてしまうことがある。画像形成動作が短期間であれば大きな問題とならないが、長期にわたる画像形成動作の中で、研磨されることによって現像ローラ表面の状態が、初期と異なる状態になり、現像ローラにおけるトナーの搬送不良、帯電不良によって、画像不良を引き起こすことがある。
【0003】
上記不具合を解消するために、例えば、特許文献1では、導電性支持体上に弾性抵抗層及び被覆層が少なくとも、この順に積層されてなる導電性部材において、被覆層は、連通化した熱可塑性樹脂マイクロカプセルを含有していることを特徴とする導電性部材であり、帯電均一性を満たしつつ、汚染性を低減することであり、より詳しくは、導電性部材が被帯電体と接触する部分(ニップ部)においては平滑な形状を有してなり、被帯電体を帯電させるニップ部近傍においては、適度な表面粗さを有する圧縮永久歪み性の良い導電性部材が記載されている。
また、例えば、特許文献2では、像担持体上に形成された静電潜像を現像する為の一成分現像剤を担持する現像剤担持体において、現像剤担持体表面に、結着樹脂と、離型剤からなる芯物質と芯物質の周囲に形成された外殼とからなる離型剤含有カプセル粒子とから構成された薄膜が形成されていることで現像装置の従来以上の長期耐久試験においても、現像剤担持体表面の被膜の耐磨耗性が良好であり、表面粗度及びトナーへの帯電付与性が安定で、トナーの過剰帯電や現像剤担持体及び感光ドラム上への融着が発生しにくく、その結果生じる画像濃度低下が起こりにくい現像剤担持体が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これらの特許文献1,2では、現像剤担持体の表面層に数μmオーダーの粗さ粒子材料を含有することで、現像剤担持体の表面に現像剤が付着するのを防止したり、耐研磨性を向上させることで現像装置の寿命を確保してきた。しかし、印刷コストの低減が望まれる昨今においては、更なる現像装置の長寿命化が必要となっているという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、現像ローラにマイクロカプセルを含有させ、現像ローラが研磨されマイクロカプセルが研磨もしくは破砕されることで、もしくはマイクロカプセルに内包された助剤が散布されることで長期に利用できる現像ローラを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の現像ローラは、一成分現像剤(以下、単に「トナー」と記すことがある。)を用いる現像装置に設置される現像ローラであって、その外周面に帯電したトナーが担持される表面層と、
前記表面層の内周面に内接するように積層された表面下層と、を備え、前記表面下層もしくは前記表面層の少なくとも何れか一方には、前記現像ローラ表面の粗さを制御する平均粒径2〜50μmの範囲にある粗さ制御剤なる粒子が含有されており、前記粗さ制御剤がマイクロカプセル構造を有していることを特徴とする。
また、本発明の現像ローラは、さらに、前記粗さ制御剤の内部が空洞を形成しており、前記現像ローラが接触する他部材により磨耗し、前記粗さ制御剤のカプセルが破包することにより前記現像ローラ表面の粗さを初期の状態を維持し続けることを特徴とする。
また、本発明の現像ローラは、さらに、前記現像ローラが接触する他部材により磨耗し、前記粗さ制御剤のカプセルが破包することにより、前記現像ローラ表面を粗くすることを特徴とする。
また、本発明の現像ローラは、さらに、前記粗さ制御剤が、内部に荷電制御剤を含有しており、前記現像ローラが接触する他部材により磨耗し、前記粗さ制御剤のカプセルが破包して、前記荷電制御剤が前記現像ローラ表面に被覆することを特徴とする。
また、本発明の現像ローラは、さらに、前記粗さ制御剤が、内部にトナーの外添剤を含有しており、前記現像ローラが接触する他部材により磨耗し、前記粗さ制御剤のカプセルが破包した際に、外添剤が前記現像ローラ表面から現像装置内のトナーに飛散して混合されることを特徴とする。
また、本発明の現像ローラは、さらに、前記粗さ制御剤は、少なくともその内部に顕色剤と発色剤とが分散して含有され、前記現像ローラが接触する他部材により磨耗し、前記粗さ制御剤のカプセルが破包することにより前記顕色剤と前記発色剤とが混ざり合って、現像ローラ上面で前記発色剤が発色することを特徴とする。
また、本発明の現像ローラは、さらに、前記現像ローラが、請求項2ないし5のいずれかに記載の粗さ制御剤を、少なくとも二つ以上をそれぞれの層に備える多層構造を有していることを特徴とする。
また、本発明の現像ローラは、さらに、前記粗さ制御剤は、光又は/及び空気に直接的に接触することにより破包することを特徴とする。
【0007】
本発明の現像装置は、画像形成装置に対して着脱自在に設置されるとともに、像担持体上に形成された潜像を現像する一成分現像方式の現像装置であって、上記に記載の現像ローラが設置されていることを特徴とする。
本発明のプロセスカートリッジは、画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、前記プロセスカートリッジは、潜像が形成される像担持体と上記に記載の現像装置とが一体化されたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、潜像が形成される像担持体と、一成分現像剤で潜像を現像する現像装置とを備える画像形成装置において、前記画像形成装置は、上記に記載の現像装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記課題を解決する手段である本発明の現像ローラによって、現像ローラの表面粗さを制御する粒子をマイクロカプセル化し、そのマイクロカプセル30内にトナーの荷電制御剤やエンドマーカーなどの機能材料を内包することにより、現像ローラの機能向上を果たすことができる以下のような特有の効果を奏する。
また、本発明の現像装置によって、現像装置と現像ローラとが一体化され、長寿命化もしくは/および現像ローラの寿命をユーザーに知らせることができる。
また、本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置によって、現像ローラを備えることで、長寿命化もしくは/および現像ローラの寿命をユーザーに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の現像ローラの一実施形態の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の現像ローラの他の実施形態における構成を示す断面図である。
【図3】本発明の現像ローラの他の実施形態における構成を示す断面図である。
【図4】本発明の現像ローラの他の実施形態における構成を示す断面図である。
【図5】本発明の現像ローラの他の実施形態における構成を示す断面図である。
【図6】本発明の現像ローラの他の実施形態における構成を示す断面図である。
【図7】本発明の現像ローラを用いる現像装置及びプロセスカートリッジの実施形態の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の現像ローラを用いる画像形成装置又はプロセスカートリッジを備える画像形成装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0011】
図1は、本発明の現像ローラの一実施形態の構成を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の現像ローラ43は、両端に回転用の軸を備える芯金431と、その上に芯金431を覆うように表面層433として表面コート層433とが設けられている。さらに、芯金431と表面コート層433との間には表面下層432としてベース層432が設けられている。この図1に示す現像ローラ43は、磁性体を含まない非磁性一成分トナーを現像剤とする現像方式に用いられる。
【0012】
本発明の現像ローラ43の芯金431は、現像ローラ43の中心にあり、SUS又はFe等の非磁性のFe合金で製造される。ある程度の強度が必要であり、Al合金では強度が低いためである。
また、ベース層432は、この芯金の外側にウレタンゴム、シリコーンゴム、NBR等の超弾性体で構成されている。さらに、ベース層は、JIS−Aで70°以下のゴム硬度と、103〜10Ωの電気抵抗値を有している。
さらに、このベース層432の外側には、ローラ表面の荷電性もしくは耐久性を考慮して表面に少なくとも1層以上の層を形成する表面コート層433が設けられている。
この表面コート層433及び/又はベース層432の内部は、粗さ制御剤30を内包した構造をしている。図1では、表面コート層433に内包しているが、ベース層432に内包されるものであっても良い。この粗さ制御剤(以下、「マイクロカプセル」と記す。)は、マイクロカプセル構造を有していて、表面のを形成する殻となるカプセル301と、その粗さ制御剤30の内部に包含される助剤302とで構成されている。
【0013】
また、この粗さ制御剤30であるマイクロカプセル30について説明する。
本発明の現像ローラ43は、画像形成装置における画像形成動作である印刷などを行っていくと、経時的に表面コート層433が研磨され磨耗する。この研磨による磨耗は、現像ローラ43と現像剤との接触、現像ローラ43と現像剤の搬送量を規制する層規制部材44と接触、現像ローラ43と感光体2との接触等の接触する部分で生ずる。特に、一成分の現像装置40では、現像ローラ43の表面にトナー層を形成させるために、現像ローラ43へトナーを搬送するための供給ローラ45やトナー量を規制し、層を平滑かし、トナーを帯電させる層規制部材44などを接触させていて、これらによって現像ローラ43は大きく研磨される。したがって、現像剤、現像ローラ43の単独の改善では、現像ローラ43の研磨を完全に抑制することはできない。
本発明の現像ローラ43では、現像ローラ43の表面が、例えば、表面コート層433が研磨されるに対応して、マイクロカプセル30が表面に露出してくる。更に、経時で画像形成動作を進めていった際、マイクロカプセル30のカプセル301が研磨又は破砕することで、内部のカプセル301が破包することで、露出して、現像ローラ43の表面の粗さを初期の状態を維持し続ける。表面の粗さは、粗さ計で測定することができる。本発明の現像ローラ43では、粗さRaで測定した場合に0.2〜2.0μmの範囲が好ましい。これは、用いている8μmのトナーでは、粗さRaが0.6〜2.0μm程度であることが望ましいです。トナーは小径化し、トナー径が4μm程度では、0.2μm以上が必要である。したがって、マイクロカプセル30のカプセル301の大きさ、厚さを制御することで、現像ローラ43表面の粗さを初期の状態を維持し続けることができる。
また、本発明の現像ローラ43では、マイクロカプセル30のカプセル301が研磨又は破砕することで、内包した助剤302が表面に露出もしくは散布される。助剤302は、荷電制御剤として、現像ローラ43の表層コートの表面を覆うか、粒子状態で散布され現像剤と付着する。このように荷電制御剤としての助剤302を、経時で使用する中で、特に、保証期間の後期でその機能を発揮することで、長寿命化を達成することが可能となる。
また、この粗さ制御剤であるマイクロカプセル30は、その体積平均粒径が2〜50μmの範囲にある。マイクロカプセル30は、2μm未満では現像ローラの抵抗調整用として入れているカーボン粒子との差がなくなってしまい、粗さ制御としての効果が期待できなくなる。また、50μmを越えると、トナー粒径が4〜10μm程度であることから粗さが大き過ぎるため形成された粗さがトナー層を形成する条件を達成することが出来なくなる。
また、現像ローラ43の表面コート層433は、このマイクロカプセル30の粒径に合わせることが好ましい。現像ローラ43の表面コート層433を適当な厚さにすることで、現像ローラ43の研磨までの時間を制御することができる。
したがって、現像ローラ43は、現像ローラ43の表面粗さを制御する粒子をマイクロカプセル30化し、そのマイクロカプセル30内にトナーの荷電制御剤やエンドマーカーなどの機能材料を内包することにより、現像ローラ43の機能向上を果たすことができる。
【0014】
また、非磁性一成分トナーとしては、トナー材料は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有し、その他に、離型剤、及び帯電制御剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。特に、トナー内部ではないが、トナの外部に流動性等を改良する外添剤を添加している。
結着樹脂としては、例えば、代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0015】
また、着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
黒色用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
着色剤のトナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。含有量が1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
【0016】
離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等のワックス類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
【0017】
帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれもオリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも保土谷化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ
NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれもヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット株式会社製);キナクリドン、アゾ系顔料;スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
帯電制御剤のトナーにおける含有量としては、結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。含有量が0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラ43との静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
【0018】
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸などが挙げられる。
外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、外添剤としては、例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤若しくはシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ、処理酸化チタン、処理アルミナなどが挙げられる。これらの中でも、微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナが好ましく、また、これらをシランカップリング剤やシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカが更に好ましい。
【0019】
微粉末シリカは、ケイ素ハロゲン化含物の気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。
ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば、AEROSIL(日本アエロジル社商品名、以下同じ)−130、−300、−380、−TT600、−MOX170、−MOX80、−COK84:Ca−O−SiL(CABOT社商品名)−M−5、−MS−7、−MS−75、−HS−5、−EH−5、Wacker HDK(WACKER−CHEMIEGMBH社商品名)−N20 V15、−N20E、−T30、−T40:D−CFineSi1ica(ダウコーニング社商品名):Franso1(Fransi1社商品名)などが挙げられる。
更には、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体を疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が好ましくは30〜80%の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。疎水化は、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的あるいは物理的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する方法がよい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
外添剤の個数平均粒径としては、5〜100nmになるものが好ましく、5〜50nmになるものがより好ましい。
外添剤のBET法で測定した窒素吸着による比表面積としては、30m/g以上が好ましく、60〜400m/gがより好ましい。表面処理された微粉体の比表面積としては、20m/g以上が好ましく、40〜300m/gがより好ましい。
また、この他に、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)が挙げられる。
【0020】
本発明のトナーは、本発明のトナーの製造方法により製造される。トナーは、粒径4.0μm以下の微粉含有率が15個数%以下であることが好ましく、0〜10個数%がより好ましい。また、粒径12.7μm以上の粗粉含有率が5.0質量%以下であることが好ましく、0〜2.0質量%がより好ましい。また、トナーの体積平均粒径は5.0〜12.0μmが好ましい。
ここで、粒度分布及び体積平均粒径は、例えば、粒度測定器粒度測定器(コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII、又はコールターマルチサイザーIII、ベックマンコールター社製)を用いて測定することができる。
(トナーの製造方法)
本発明に係るトナーを作製する方法の一例としては、まず、前述した結着樹脂、着色剤としての顔料または染料、離型剤、荷電制御剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、連続式の2軸押出し機等の熱混練機を用いて構成材料をよく混練する。
次に、混練物を冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級し、本発明のトナーを得る。
この他に、懸濁重合法、分散重合法、乳化重合法等の各種重合法やマイクロカプセル重合法、スプレードライ法等の公知の製造方法により製造することもできる。
ついで、無機微粉体とトナーをヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、ついで250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーとする方法がある。
【0021】
なお、本発明の現像ローラ43は、強磁性体粉末を含むトナーを用いる磁性一成分トナーを現像剤とする現像方式であっても良い。その場合、現像ローラ43には、強磁性体を配置してトナーを搬送できるようにする。
その強磁性体は、ストロンチウム、バリウムを含むフェライトを用いることが好ましいまた、その形態も、酸化物体、金属体でも、ゴム、ポリマー等の合成樹脂に含有させた成形体であっても良い。
また、トナーに含有させる強磁性体粉末としては、例えば、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄、(2)鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金、(3)及びこれらの混合物などが挙げられる。
磁性体として具体的に例示すると、Fe、γ−Fe、ZnFe、YFe12、CdFe、GdFe12、CuFe、PbFe12O、NiFe、NdFeO、BaFe1219、MgFe、MnFe、LaFeO、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも特に、Fe(四三酸化鉄)、γ−Fe(γ−三二酸化鉄)の微粉末が好適である。
また、異種元素を含有するマグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄、又はその混合物も使用できる。異種元素を例示すると、例えば、リチウム、ベリリウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、ゲルマニウム、ジルコニウム、錫、イオウ、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウムなどが挙げられる。好ましい異種元素としては、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン及びジルコニウムから選択される元素である。異種元素は、酸化鉄結晶格子の中に取り込まれていてもよいし、酸化物として酸化鉄中に取り込まれていてもよいし、又は表面に酸化物あるいは水酸化物として存在していてもよいが、酸化物として含有されているのが好ましい。
【0022】
図2は、本発明の現像ローラの他の実施形態における構成を示す断面図である。
ここで、マイクロカプセル30の内部には、何も満たされていない空洞状態としてている。本実施形態では、画像形成動作である印刷などを行っていくと、経時的に表面コート層433が研磨される。
これによって、更に、経時で画像形成動作を進めていった際、マイクロカプセル30のカプセル301が研磨又は破砕することでカプセル301の内面が露出し、現像ローラ43の表面粗さを粗くする。
このように、現像ローラ43の表面粗さを制御する粒子としてのマイクロカプセル30を中空の気泡状のものを用いることで、現像ローラ43の表面が研磨され表面粗さが低下してきた場合において、マイクロカプセル30が削られて破包することでマイクロカプセル30の内面形状が表れ、現像ローラ43の表面粗さを維持することができる。
したがって、カプセル301の内壁を現像ローラ43の表面形状の構成要素として活用することで、経時で使用する中で、特に、保証期間の後期においても現像ローラ43の表面粗さを維持でき、現像ローラ43の使用に対する長寿命化を達成することが可能となる。
【0023】
図3は、本発明の現像ローラの他の実施形態における構成を示す断面図である。
マイクロカプセル30は、表面のカプセル301と内部の助剤302とで構成されている。
本実施形態では、本発明の現像ローラ43では、現像ローラ43の表面が、例えば、表面コート層433が研磨されるに対応して、マイクロカプセル30が表面に露出してくる。更に、経時で画像形成動作を進めていった際、マイクロカプセル30のカプセル301が研磨又は破砕することで、内包した助剤302としての荷電制御剤が表面に露出もしくは散布される。そして、現像ローラ43の表面コート層433の表面を覆う。つまり、このように、マイクロカプセル30内に内包していた助剤302としての荷電制御剤が現像ローラ43表面に飛散・被服することで現像ローラ43の荷電性を回復することが出来る。
したがって、荷電制御剤としての助剤302を、経時で使用する中で、特に、保証期間の後期においてもその機能を発揮することで、長寿命化を達成することが可能となる。
荷電制御剤としては、上記したように、トナーに用いるのと同じ帯電制御剤を用いる。
【0024】
図4は、本発明の現像ローラの他の実施形態における構成を示す断面図である。
マイクロカプセル30は、表面のカプセル301と内部の助剤302とで構成されている。
本発明の現像ローラ43では、現像ローラ43の表面が、例えば、表面コート層433が研磨されるに対応して、マイクロカプセル30が表面に露出してくる。更に、経時で画像形成動作を進めていった際、マイクロカプセル30のカプセル301が研磨又は破砕することで、内包した助剤302としてのトナーの外添剤が表面に散布される。助剤302は現像装置4内に散布され、現像装置4内に存在している現像剤と付着し、現像剤の荷電性もしくは流動性を向上させる。
このように、現像ローラ43の表面粗さを制御する粒子としてのマイクロカプセル30の中にトナーの荷電性もしくは流動性を制御するための外添剤が内包しており、現像ローラ43の表面が研磨されてきた際にマイクロカプセル30が破包し、マイクロカプセル30内に内包していた外添剤が飛散しトナーと混合されることでトナーの荷電性もしくは流動性を回復することができる。
したがって、助剤302を経時で使用する中で、特に、保証期間の後期においてもその機能を発揮することで、現像剤の外添剤を付着させ、荷電性もしくは流動性を向上させることで、長寿命化を達成することが可能となる。
外添剤としては、流動性向上剤やクリーニング性向上剤等はトナーの表面に付着ないし固定化させて用いられるため、外添剤とも呼ばれており、トナーに外添するものであれば、同様に、用いることができる。
【0025】
図5は、本発明の現像ローラの他の実施形態における構成を示す断面図である。
本発明の現像ローラ43では、表面コート層433には、助剤として顕色剤312が内包された第1のマイクロカプセル31と、助剤として発色剤322が内包された第2のマイクロカプセル32の二種類が含有している。
この二種類のマイクロカプセル31、32は、印刷などを行って、画像形成動作を行っていくと、表面コート層433が研磨され、第1のマイクロカプセル31および第2のマイクロカプセル32が表面に露出してくる。
更に、画像形成動作を進めていった際、第1のマイクロカプセル31第2のマイクロカプセル32が研磨又は破砕することで内包した顕色剤および発色剤が表面に散布される。
表面に散布された顕色剤および発色剤は、接触した際に化学変化を起こし色相が変化し、ユーザーもしくはサービスマンもしくはリサイクル作業者などが画像形成装置のメンテナンスを行う際に現像ローラ43の寿命到達の有無を容易に判断することが可能となる。
このように、マイクロカプセル30内に内包していた顕色剤と発色剤が飛散し、顕色剤と発色剤が反応することで現像ローラ43の表層の見掛けの色相が変化し、ユーザーに現像ローラ43の寿命が来たことを報知することができる。
【0026】
図6は、本発明の現像ローラの他の実施形態における構成を示す断面図である。
マイクロカプセル30の少なくとも2種類以上を用いた複数層の表層を有する現像ローラ43である。含有するマイクロカプセル30を各々異なる層として、第2の表面下層として第2の表面コート層434を設ける。そして、それぞれの第1の表面コート層433、第2の表面コート層434第1のマイクロカプセル31および第2のマイクロカプセル32を含有する。このようにして用いられるマイクロカプセル30は、光や空気に直接的に接触することにより破包するものを用いることが好ましい。これにより、表面コート層433が摩滅して、マイクロカプセル30が他部材と接触しても破包しにくい場合であっても、表面コート層433の露呈にともないマイクロカプセル30が露呈して光や空気に直接的に接触することにより、マイクロカプセル30が確実に破包することになる。
このように、マイクロカプセル30の機能の少なくとも二つ以上の機能を層構造で形成し、荷電性向上と寿命報知などの複数の機能向上をすることが出来る。
ここで、光や空気に接触することにより破包するマイクロカプセル30が好ましい。光又は/及び空気に直接的に接触することにより破包するのは、空気に触れた際の酸化作用によりマイクロカプセルの表面構造体を脆くする方法と外部からレーザーや電子線や光りなどのエネルギーを与えることでマイクロカプセルの表面で熱分解や分子結合の開裂を引き起こして破胞させる方法が挙げられる。また、外部からエネルギーを与える方法としては、医療業界で使われているドラックデリバリーシステム(DDS)を挙げることができる。
【0027】
図7は、本発明の現像ローラを用いる現像装置及びプロセスカートリッジの実施形態の構成を示す断面図である。
現像手段として現像装置4は、現像剤を収容する現像剤収容室41と、現像剤収容室41の下方に設けられた現像剤供給室42とから構成されている。現像剤供給室42の下部には、現像ローラ43と、現像ローラ43に当接して設けられた層規制部材44および供給ローラ45が設けられる。現像ローラ43は感光体ドラム2に接触して配置され、図示しない高圧電源から所定の現像バイアスが印加される。現像剤収容室41内には現像剤攪拌部材46が設けられている。
現像剤収容室41と現像剤供給室42との間には現像剤の供給口48が設けられており、現像剤収容室41から現像剤供給室42へ現像剤を供給するとともに現像剤が現像剤供給室42へ過剰に供給されるのを防止している。現像剤収容室41内の中央部には、現像剤の凝集を防止するためのアジテータ49が回転自在に設けられ、図上において反時計回りの方向に回転している。
供給ローラ45の表面には空孔(セル)を有した構造の発泡材料が被覆されており、現像剤供給室42内に運ばれてきた現像剤を効率よく付着させて取り込むと共に、現像ローラ43との当接部での圧力集中による現像剤劣化を防止している。発泡材料は103〜14Ωの電気抵抗値に設定される。
【0028】
供給ローラ45には、現像ローラの電位に対して現像剤の帯電極性と同極性にオフセット電圧を供給バイアスとして印加される。この供給バイアスは、現像ローラ43との当接部で予備帯電された現像剤を現像ローラ43に押し付ける方向に作用する。ただし、供給ローラに印加する電圧の極性はこれに限ったものではなく、現像剤の種類によっては現像ローラと同電位もしくは極性を反転させてもよい。
供給ローラ45は反時計回りの方向に回転し、表面に付着させた現像剤を現像ローラ43の表面に塗布供給する。現像ローラ43には、弾性ゴム層を被覆したローラが用いられ、さらに表面には現像剤と逆の極性に帯電し易い材料からなる表面コート層433が設けられる。弾性ゴム層は、感光体ドラム2との接触状態を均一に保つ為に、JIS−Aで、50°以下の硬度に設定され、さらに現像バイアスを作用させるために、103〜10Ωの電気抵抗値に設定される。表面粗さはRaで、0.2〜2.0μmに設定され、必要量の現像剤が表面に保持される。
【0029】
現像ローラ43は反時計回りの方向に回転し、表面に保持した現像剤を層規制部材44および感光体ドラム2との対向位置へと搬送する。
層規制部材44は、SUS304CSP、SUS301CSP又はリン青銅等の金属板バネ材料を用い、自由端側を現像ローラ表面に10〜100N/mの押圧力で当接させたもので、その押圧力下を通過した現像剤を薄層化すると共に摩擦帯電によって電荷を付与する。
さらに層規制部材44には、摩擦帯電を補助する為に、現像ローラに印加した電位に対して現像剤の帯電極性と同極性にオフセットさせた電圧を規制バイアスとして印加される。
感光体ドラム2は時計回りの方向に回転しており、従って現像ローラ43表面は感光体ドラム2との対向位置において感光体ドラム2の進行方向と同方向に移動する。
現像ローラ43上の薄層化された現像剤は、現像ローラ43の回転によって感光体ドラム2との対向位置へ搬送され、現像ローラ43に印加された現像バイアスと感光体ドラム2上の静電潜像によって形成される潜像電界に応じて、感光体ドラム2表面に移動し現像される。
感光体ドラム2上に現像されずに現像ローラ43上に残された現像剤が再び現像剤供給室42内へと戻る部分には、封止シール47が現像ローラ43に当接して設けられ、現像剤が現像装置外部に漏れ出ないように封止される。
このような現像装置4、プロセスカートリッジ1に現像ローラ43を用いることで、現像装置4と現像ローラ43とが一体化され、長寿命化もしくは/および現像ローラ43の寿命をユーザーに知らせることができる。
【0030】
図8は、本発明の現像ローラを用いる画像形成装置又はプロセスカートリッジを備える画像形成装置の断面図である。
各プロセスカートリッジ1は、感光体ドラム2、帯電部材3、現像装置4、およびクリーニング手段5を一体に結合した構成になっている。各プロセスカートリッジユニット1は各々のストッパーを解除することにより交換できる構成になっている。
感光体ドラム2は、時計回りに回転している。帯電部材3は、感光体ドラム2の表面に圧接されており、感光体ドラム2の回転により従動回転している。
帯電部材3には図示しない高圧電源により所定のバイアスが印加され、感光体ドラム2の表面を帯電している。本実施例においては、帯電部材3にローラ状の部材を接触させて帯電させる接触帯電方式を用いているが、帯電部材3と感光体ドラム2が非接触の状態で帯電させる非接触帯電方式を用いても良い。露光手段6は感光体ドラム2に対して画像情報に基づいて露光し、感光体ドラム2の表面に静電潜像を形成する。本実施例においては露光手段6にレーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナ方式を用いているがLEDアレイなどを用いる構成でも良い。
【0031】
現像装置4は一成分接触現像方式であり、感光体ドラム2上の静電潜像をトナー像として顕像化する。現像装置4には図示しない高圧電源から所定の現像バイアスが供給される。
感光体クリーニング手段5は感光体ドラム2表面の転写残トナーのクリーニングを行なう。イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色ごとのプロセスカートリッジユニット1が中間転写ベルト7の移動方向に並列に4個配設され、順に中間転写ベルト7上に可視像を形成する。
一次転写ローラ8と感光体ドラム2の間では図示しない高圧電源により一次転写バイアスが印加され、感光体ドラム2表面の現像剤の画像を中間転写ベルト7の表面に転写する。中間転写ベルト7は、図示されていない駆動モータによって図中の反時計回りに回転駆動されるようになっており、各色の可視像を表面に順次重ねて転写することでフルカラー画像を形成する。
形成されたフルカラー画像は、二次転写ローラ9と中間転写ベルトとの間に所定の電圧を印加することにより転写材である用紙10に転写され、定着装置12にて用紙10の上に転写された現像剤の画像が熱と圧力により定着され出力される。二次転写ローラ9で転写されずに中間転写ベルト7上に残留した現像剤は転写ベルトクリーニング手段11に回収される。
このようなプロセスカートリッジ1、画像形成装置20に現像ローラ43を備えることで、長寿命化もしくは/および現像ローラ43の寿命をユーザーに知らせることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 プロセスカートリッジ
2 感光体
3 帯電部材
4 現像手段
41 現像剤収納室
42 現像剤供給室
43 現像ローラ
431 芯金
432 ベース層
433 表面コート層
434 第2の表面コート層
44 層規制部材
45 供給ローラ
46 現像剤攪拌部材
47 封止シール
48 現像剤の供給口
49 アジテータ
5 クリーニング手段
6 露光手段
7 中間転写ベルト
8 一次転写ローラ
9 二次転写ローラ
10 用紙
11 転写ベルトクリーニング手段
12 定着手段
20 画像形成装置
30 粗さ制御剤/マイクロカプセル
301 殻/カプセル
302 内部の助剤
303 空洞
31 第1のマイクロカプセル
311 カプセル
312 内部の助剤
32 第2のマイクロカプセル
321 カプセル
322 内部の助剤
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】特開2006‐065059
【特許文献2】特開平08−305171

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一成分現像剤(以下、単に「トナー」と記すことがある。)を用いる現像装置に設置される現像ローラであって、
その外周面に帯電したトナーが担持される表面層と、
前記表面層の内周面に内接するように積層された表面下層と、を備え、
前記表面下層もしくは前記表面層の少なくとも何れか一方には、前記現像ローラ表面の粗さを制御する平均粒径2〜50μmの範囲にある粗さ制御剤なる粒子が含有されており、
前記粗さ制御剤がマイクロカプセル構造を有している
ことを特徴とする現像ローラ。
【請求項2】
前記粗さ制御剤の内部が空洞を形成しており、前記現像ローラが接触する他部材により磨耗し、
前記粗さ制御剤のカプセルが破包することにより前記現像ローラ表面の粗さを初期の状態を維持し続ける
ことを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
【請求項3】
前記粗さ制御剤が、内部に空洞を形成しており、
前記現像ローラが接触する他部材により磨耗し、前記粗さ制御剤のカプセルが破包することにより、前記現像ローラ表面を粗くする
ことを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
【請求項4】
前記粗さ制御剤が、内部に荷電制御剤を含有しており、
前記現像ローラが接触する他部材により磨耗し、前記粗さ制御剤のカプセルが破包して、前記荷電制御剤が前記現像ローラ表面に被覆する
ことを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
【請求項5】
前記粗さ制御剤が、内部にトナーの外添剤を含有しており、
前記現像ローラが接触する他部材により磨耗し、前記粗さ制御剤のカプセルが破包した際に、外添剤が前記現像ローラ表面から現像装置内のトナーに飛散して混合される
ことを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
【請求項6】
前記粗さ制御剤は、少なくともその内部に顕色剤と発色剤とが分散して含有され、
前記現像ローラが接触する他部材により磨耗し、前記粗さ制御剤のカプセルが破包することにより前記顕色剤と前記発色剤とが混ざり合って、現像ローラ上面で前記発色剤が発色する
ことを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
【請求項7】
前記現像ローラの表面層が、請求項2ないし6のいずれかに記載の粗さ制御剤を、少なくとも二つ以上をそれぞれの層に備える多層構造を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
【請求項8】
前記粗さ制御剤は、光又は/及び空気に直接的に接触することにより破包する
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の現像ローラ。
【請求項9】
画像形成装置に対して着脱自在に設置されるとともに、像担持体上に形成された潜像を現像する一成分現像方式の現像装置であって、
請求項1ないし8のいずれかに記載の現像ローラが設置されている
ことを特徴とする現像装置。
【請求項10】
画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、
前記プロセスカートリッジは、潜像が形成される像担持体と請求項9に記載の現像装置とが一体化された
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
潜像が形成される像担持体と、
一成分現像剤で潜像を現像する現像装置とを備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、請求項9に記載の現像装置とを備える
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−47911(P2012−47911A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188767(P2010−188767)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】