説明

現像処理方法及び現像処理装置

【課題】レジストパターンを所望の寸法に制御すると共に、欠陥の低減をはかり得る現像処理方法及び現像処理装置を提供することである。
【解決手段】所望のパターンが露光されたレジストを現像処理するための現像処理方法であって、レジスト膜11にデバイスパターンと共にモニタパターン30を露光しておき、モニタパターン30を第1の現像条件で現像し、現像されたモニタパターン30を検査して得られる検査画像から欠陥出現リスクを定量化する。これと共に、予め取得された欠陥出現リスク情報と欠陥数、及び欠陥数と現像条件の関係から、定量化された欠陥出現リスクの際に欠陥数が許容値以下となる第2の現像条件の許容範囲を決定する。そして、第2の現像条件の中でパターン寸法が所望の値となる第3の現像条件を決定し、該決定した第3の現像条件で前記デバイスパターンの現像を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、所望のパターンが露光されたレジストを現像処理するための現像処理方法及び現像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の微細化の要求に対してリソグラフィ技術では、極短紫外光(EUV:Extreme Ultra Violet)と呼ばれる13.5nmを中心とした波長領域の露光光を用いることが検討されている。EUVリソグラフィに用いるマスクは反射型のマスクであり、ガラス基板上に多層膜と呼ばれる反射率の異なる2種類の層を交互に積層し、多層膜上に吸収体と呼ばれる膜を形成し、吸収体を加工することにより回路パターンを形成する構造となっている。
【0003】
EUV露光用マスクを製造するには、多層反射膜の上に塗布したレジスト膜を電子ビームにより所望パターンに露光し、現像処理することにより、レジストパターンを形成する。そして、レジストパターンをマスクにRIEで多層反射膜を選択エッチングする。このため、レジストパターンに欠陥があると、EUV露光用マスクのパターンに欠陥が発生することになる。
【0004】
特に、EUV露光用マスクでは、被加工膜上に塗布され、必要に応じて加熱処理が施されたレジスト膜に関して、表面には極薄い難溶性薄膜が存在する場合がある。この難溶性薄膜は極めて薄いために、現像処理中の現像液の流れなどによって破け、又は寄れたり捲れたりする。該膜は現像液中を移動し、基板表面から系外へ排出される場合もあるが、場合によっては破れずに元のパターンに付着した状態であったり、破れた薄膜が別の場所のレジスト膜に引っかかり、付着する場合もあり得る。それらは時には、パターン寸法を変化させたり、時にはLER(ラインエッジラフネス)を悪化させたり、最悪の場合にはパターン欠陥を引き起こす。
【0005】
この難溶性薄膜は、PCD(Post Coating Delay:塗布後の引き置き時間)、EB(Electron Beam)露光装置の光学系の差によるボケ効果(fogging effect)も含めた露光条件依存性、PEB(Post Exposure Baking)温度、時間等のPEB条件、現像時間、温度等の現像条件によっても出現確率が変わることが本発明者らの調べで分かってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−295840号公報
【特許文献2】特開2007−318181号公報
【特許文献3】特開2005−26362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明が解決しようとする課題は、レジストパターンを所望の寸法に制御すると共に、欠陥の低減をはかり得る現像処理方法及び現像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の現像処理方法は、レジスト膜にデバイスパターンと共にモニタパターンを露光しておき、モニタパターンを第1の現像条件で現像し、現像されたモニタパターンを検査して得られる検査画像から欠陥出現リスクを定量化する。これと共に、予め取得された異なる現像条件に対する欠陥出現リスク情報と欠陥数との関係から、定量化された欠陥出現リスクに対して欠陥数が許容値以下となる第2の現像条件の範囲を決定する。そして、第2の現像条件の中でパターン寸法が所望の値となる第3の現像条件を決定し、該決定した第3の現像条件で前記デバイスパターンの現像を行う。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係わる現像処理方法を説明するためのもので、現像前の状態を示す平面図と断面図。
【図2】第1の実施形態に係わる現像処理方法を説明するためのもので、モニタパターンの現像後の状態を示す平面図と断面図。
【図3】第1の実施形態に係わる現像処理方法を説明するためのもので、デバイスパターンの現像後の状態を示す平面図と断面図。
【図4】モニタパターンをCCDカメラで撮像して得られる画像を示す図。
【図5】欠陥出現リスク情報と欠陥数との関係、及び欠陥数と現像条件との関係を示す特性図。
【図6】第2の実施形態を説明するためのもので、欠陥出現リスク情報と欠陥数との関係、及び欠陥数とリンス条件との関係を示す特性図。
【図7】第3の実施形態に係わる現像処理装置を説明するためのもので、ノズルヘッド部分の構成を示す断面図。
【図8】第3の実施形態に係わる現像処理装置を説明するためのもので、ノズルヘッド部分と基板との位置関係を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態の現像処理方法及び現像処理装置を、図面を参照して説明する。
【0011】
現像条件を最適化するために、被処理基板表面のメインパターン領域を除く、例えば端部部分にレジスト感度モニタパターンを配置し、その部分のみを予め現像し、該モニタパターン部分からレジスト感度に関する情報を取得し、現像条件をフィードフォワードさせるといった現像技術なども検討されてきている。寸法に対しては、メインパターンの現像を行う前にレジスト感度等の寸法変動リスクを定量化することによって寸法を制御する技術が検討されているが、もう一つの大きなコントロールアイテムである欠陥に対しては、事前にリスクを定量化することが難しい。
【0012】
しかし、本発明者らの実験により現像途中の段階で、欠陥の元となるものは既に見えていることが分かり、欠陥リスクを測定することが可能であることが分かった。マスク基板については、ウエハーに露光されるときに使用される領域は制限があり、寸法制御、欠陥制御が必要な領域とそうでない領域がある。そこで、寸法制御、欠陥制御が必要でない領域に欠陥リスク判定用モニタ用パターンを配置し、該パターンを現像して得られるパターンを検査することにより、欠陥リスクを定量化することが可能となる。本実施形態は、このような事実に基づき、現像処理条件の最適化をはかるものである。
【0013】
(第1の実施形態)
本実施形態では、EUVマスクを製造する場合を例に説明する。
【0014】
ガラス等の低熱膨張率基板の表面上に遮光膜や反射膜が形成され、その上に塗布された感光性薄膜(レジスト膜)を、電子ビーム描画装置にて露光後、PEBを行い、レジスト中に潜像を形成した。基板の端部には欠陥リスク判定用のモニタパターン、及びレジスト感度モニタ用パターンが配置されている。ここでは、欠陥リスク判定用のモニタパターンとして1mmの抜きパターンを用いた。
【0015】
図1〜図3に本実施形態のプロセスフローを示す。図1〜図3において、(a)は平面図、(b)は(a)の矢視A−A’断面図である。
【0016】
図1(a)(b)に示すように、遮光膜や反射膜を有するマスクブランクス基板10上にレジスト膜11が塗布され、寸法制御及び欠陥制御が必要となるデバイス領域21に所望のデバイスパターンが露光され、デバイス領域21を囲む周辺のモニタ領域22に欠陥リスク判定用モニタパターン30が露光されている。なお、感度モニタ用パターンは欠陥リスク判定用モニタパターン30と別に形成しても良いし、欠陥リスク判定用モニタパターン30で代用することも可能である。
【0017】
次に、図2(a)(b)に示すように、欠陥リスク判定用モニタパターン30を含むモニタ領域22の一部を、レジスト膜11が半溶解する程度の第1の現像条件にて現像処理を行う。この際、寸法制御、欠陥制御が必要なデバイス領域21の現像処理は行わない。
【0018】
次に、半溶解させた欠陥リスク判定用モニタパターン30をCCDカメラ等で画像取得する。このとき得られる画像の例を、図4に示す。図4(a)は欠陥リスクが小さい場合、図4(b)は欠陥リスクが大きい場合である。欠陥リスク判定用モニタパターン30内で溶解速度が場所により異なるため、レジスト膜厚差によるコントラストが生じる。得られたコントラストから正常部と異常部を分け、異常部の総面積を算出する。欠陥出現リスクは難溶性薄膜の面積に比例すると考えられるため、CCDカメラ等による画像からモニタパターンにおける難溶性薄膜の面積を算出することで、欠陥出現リスクを高精度に定量化できる。
【0019】
このときの正常部と異常部の判断は、予め同様の基板で欠陥リスク判定用モニタパターン30を半溶解させ、各画素における輝度を算出し、該基板の現像、エッチングを行った後、最終的にマスク全面での欠陥検査を行い、異常部の面積と欠陥のサイズ、個数との相関データを取得しておく。これを複数の現像条件(現像条件A,B,C)で取得し、該相関データを図5(a)〜(c)に示したようにテーブル化、或いはグラフ化しておく。なお、(a)は現像時間を変えたもの、(b)は現像液温度を変えたもの、(c)は現像液濃度を変えたものである。
【0020】
欠陥リスク判定用モニタパターン30を半溶解させたときに得られた異常部の総面積及び許容される欠陥スペックなどの情報及び図5(a)〜(c)で示したグラフとの関係から、寸法制御及び欠陥制御が必要なデバイス領域21の現像条件の許容範囲を決定した。例えば、通常の現像条件である現像条件Bでは欠陥リスクに対する欠陥数がNGであるため、同じ欠陥リスクに対する欠陥数がOKである現像条件Aを選択する。これにより、基板10に対し欠陥数を許容値内に抑えることの第2の現像条件の範囲を決定することができた。
【0021】
次に、第2の現像条件の範囲の中で所望のパターン寸法が得られる第3の現像条件を更に選定する。具体的には、レジスト感度モニタ用パターンの状態を判定し、現像処理前にレジスト膜11の感度情報を取得することにより、所望の寸法に仕上げる現像処理条件が分かる。この条件と第2の現像条件の両方を満足する第3の現像条件を設定する。そして、図3(a)(b)に示すように、寸法制御及び欠陥制御が必要なデバイス領域21の現像処理を行った。その後、リンス処理、乾燥処理を行い、レジストパターンを形成した。
【0022】
このようにして得られたパターンの検査を行ったところ、レジストパターンは寸法絶対値を所望のスペックに収めつつ、且つ欠陥についても低減されることを確認できた。
【0023】
なお、本実施形態における欠陥リスク判定用モニタパターンを用いたフィードフォワード現像方法においては、幾つかの望ましい形態が存在する。例えば、欠陥リスク判定用モニタパターンを本実施形態内では抜きパターンで行ったが、ラインアンドスペースや孤立ライン、孤立スペース、その他種類のパターンで行っても良い。さらに、パターンサイズ、モニタパターンを観察するCCDカメラの倍率、などを適宜適当に選択することで実施することも可能である。
【0024】
第1の現像条件については、溶解の程度はレジスト膜が全て溶けきらない程度であればよい。望ましくは、溶解の程度を変えることで欠陥リスクを感度良くモニタできる溶解量を選定するのがよい。
【0025】
また、レジスト膜が塗布された基板の一部を処理する方法については、どのような手法を用いてもよい。
【0026】
第2の現像条件については、現像時間、現像液温度、基板温度などレジスト膜の溶解特性を変えることができるパラメータを選定し、現像条件を変えるものであればなんでも良い。
【0027】
また、現像条件の許容範囲としてマスクパターンをウエハーに転写する際の尤度(一般にいうリソグラフィ尤度(露光量、フォーカスを変化させたときにウエハー上で所望のパターン寸法内に収めるための尤度))を確保できる範囲を更に選択することで、先に得られた欠陥が少なく、所望のリソグラフィ尤度が確保されたマスクを製作することが可能となる。これを実現するため、予め現像条件とパターン寸法、パターン寸法とリソグラフィ尤度との関係を取得しておき、内部テーブルとして記憶しておくことも可能である。
【0028】
このように本実施形態によれば、デバイス領域21の周辺のモニタ領域22に欠陥リスク判定用モニタパターン30を設けておき、本来の現像前に欠陥リスク判定用モニタパターン30を現像し、そのコントラストを元に現像条件を設定することにより、パターンを所望の寸法に制御するだけでなく、欠陥出現をも低減した現像処理を行うことができる。即ち、レジストパターンを所望の寸法に制御すると共に、欠陥の低減をはかることができる。また、欠陥リスク判定用モニタパターン30は寸法制御及び欠陥制御が必要ないモニタ領域22に形成しておくため、デバイス領域21現像条件を決めるための処理でデバイス領域21に悪影響がでることはない。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、EUVマスクを製造する別の例について説明する。
【0030】
第1の実施形態と同様に、表面上に遮光膜や反射膜が形成されその上にレジスト膜が塗布された基板を電子ビーム描画装置にて露光後、PEBを行い、レジスト中に潜像を形成した。プロセスフローの図は前記図1〜第3と同様であるため、ここでは省略する。
【0031】
まず、基板上に形成されたモニタ領域22を含む基板上の一部の領域をレジスト膜11が半溶解する程度の第1の現像条件にて現像処理を行う。この際、寸法制御、欠陥制御が必要なデバイス領域21の現像処理は行わない。次に、半溶解させた欠陥リスク判定用モニタパターン30をCCDカメラで画像取得する。このとき、欠陥リスク判定用モニタパターン30内で溶解速度が場所により異なるため、レジスト膜厚差によるコントラストが生じる。得られたコントラストから正常部と異常部を分け、異常部の総面積を算出した。
【0032】
また、予め取得した異常部の面積(欠陥リスク)と欠陥の個数との相関データを取得しておく。これを、複数のリンス条件(より詳しくは、リンス条件及び乾燥条件)で取得し、該相関データを図6(a)〜(d)に示したようにテーブル化、或いはグラフ化しておく。なお、(a)はリンス時間を変えたもの、(b)はリンス回転数を変えたもの、(c)はリンス液温度を変えたもの、(d)はリンス液への添加剤量(リンス液の比抵抗値)を変えたものである。また、上記の欠陥リスクと欠陥数との相関データを取得する際の現像条件は、所望のパターン寸法が得られる現像条件であり、各リンス条件において同じである。同じ現像条件であっても、リンス条件が変わると欠陥リスクと欠陥数との関係も変わってくる。
【0033】
次に、所望のパターン寸法が得られる現像条件を選定し、寸法制御、欠陥制御が必要なデバイス領域21の現像処理を行った後、リンス処理した。このリンス処理に際して、前記算出した異常部の面積と前記図6に示したテーブルに基づき、欠陥数が許容値となるリンス条件Aを選択した。そして、選択したリンス条件にてリンスし、更に乾燥処理を行うことにより、レジストパターンを形成した。
【0034】
このようにして得られたパターン検査を行ったところ、レジストパターンは寸法絶対値を所望のスペックに収めつつ、且つ欠陥についても低減されることを確認できた。
【0035】
このように本実施形態によれば、デバイス領域21の周辺のモニタ領域22に欠陥リスク判定用モニタパターン30を設けておき、本来の現像前に欠陥リスク判定用モニタパターンを現像し、そのコントラストを元にリンス条件を設定することにより、パターンを所望の寸法に制御するだけでなく、欠陥出現をも低減したリンス処理を行うことができる。従って、先の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0036】
(第3の実施形態)
図7及び図8は、第3の実施形態に係わる現像処理装置を説明するためのもので、図7はノズルヘッドの断面図、図8はノズルヘッドと基板との位置関係を示す平面図である。
【0037】
レジスト膜が塗布され、所望パターンが露光された基板10は図示しないステージ上に載置され、基板10の周辺部には基板エッジ部の段差を低減するための補助板51が配置される。この状態で、基板10の表面上をノズルヘッド60が走査されるようになっている。
【0038】
ノズルヘッド60は、現像液を供給するための現像液供給部61、洗浄液を供給するための洗浄液供給部62a,62b、現像液及び洗浄液を排出するための排出部63a,63bを有している。各部は、ノズルヘッド60の下面にノズルヘッド60の長手方向に沿って設けられたスリット状の開口を有している。即ち、現像液供給部61はノズルヘッド60の下面の中央部に設けられたスリット状の現像液供給口81に接続され、排出部63a,63bは、現像液供給口の両側の排出口83a,83bに接続されている。また、洗浄液供給部62a,62bは、排出口83a,83bの外側に設けられたスリット状の洗浄液供給口82a,82bに接続されている。
【0039】
図8に示すように、ノズルヘッド60をスリット方向と直交する方向にスキャンすることにより基板10の表面上に液膜70を形成し、デバイス領域21及びモニタ領域22を現像することが可能になっている。さらに、ノズルヘッド60のスキャン位置を制御することにより、デバイス領域21とモニタ領域22を独立して現像処理することが可能となっている。また、図には示さないが、現像後のパターンを検査するCCD等の撮像素子が設けられている。
【0040】
これらの基本構成に加え本実施形態では、モニタ領域22を選択的に現像して得られるパターンをCCDカメラ等により検査し、検査結果から欠陥出現リスクを定量化する機構と、欠陥出現リスク情報と欠陥数、及び欠陥数と現像条件の関係から、定量化された欠陥出現リスクの際に欠陥数が許容値以下となる現像条件を算出する機構と、算出された現像条件の中でパターン寸法が所望の値となる現像条件を決定する機構を備えている。
【0041】
本装置を用いることにより、デバイス領域21とモニタ領域22を独立して現像処理することができる。そして、モニタ領域22を選択的に現像して得られるパターンをCCDカメラ等により検査することにより、欠陥出現リスクを定量化することができる。そして、予めテーブル化された異なる現像条件に対する欠陥出現リスク情報と欠陥数との関係から、定量化された欠陥出現リスクに対して欠陥数が許容値以下となる現像条件を算出することができる。さらに、算出された現像条件の中でパターン寸法が所望の値となる現像条件を決定することにより、先に説明した第1の実施形態のような現像処理を行うことができる。
【0042】
従って本実施形態では、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態では、図7のようなノズルヘッド60を用いていることから、デバイス領域21とパターン領域22を独立して現像処理することが容易になる利点もある。
【0043】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態ではEUV露光用マスクを例に取り説明したが、EUV露光用マスクに限らず各種のマスクに適用することが可能である。さらに、必ずしもマスクの現像に限らず、基板上に形成されたレジストの現像であれば適用可能である。
【0044】
また、現像処理するための装置構成は必ずしも前記図や及び図8に示す構成に限るものではなく、デバイス領域とモニタ領域を独立して現像処理できるものであればよい。さらに、モニタパターンを検査する検出器はCCDカメラに限るものではなく、現像されたモニタパターンの画像を取得できるものであればよい。また、実施形態では、1個のモニタパターンを用いたが、複数のモニタパターンを用い、これらのモニタパターンから得られる欠陥出現リスクを平均化するようにしても良い。
【0045】
本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
10…被処理基板
11…レジスト膜(感光性薄膜)
21…デバイス領域
22…モニタ領域
30…欠陥リスク判定用モニタ用パターン
51…補助板
60…ノズルヘッド
61…現像液供給部
62a,62b…リンス液供給部
63a,63b…排出部
70…液膜
81…現像液供給口
82a,82b…リンス液供給口
83a,83b…排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジスト膜が塗布され、該レジスト膜にデバイスパターンと共にモニタパターンが露光された被処理基板に対し、前記モニタパターンを第1の現像条件で現像する工程と、
前記現像されたモニタパターンを検査して得られる検査画像から欠陥出現リスクを定量化する工程と、
予め取得された、異なる現像条件に対する欠陥出現リスク情報と欠陥数との関係から、前記定量化された欠陥出現リスクの際に欠陥数が許容値以下となる第2の現像条件の範囲を決定する工程と、
前記第2の現像条件の中でパターン寸法が所望の値となる第3の現像条件を決定し、該決定した第3の現像条件で前記デバイスパターンの現像を行う工程と、
を含むことを特徴とする現像処理方法。
【請求項2】
レジスト膜が塗布され、該レジスト膜にデバイスパターンと共にモニタパターンが露光された被処理基板に対し、前記モニタパターンを第1の現像条件で現像する工程と、
前記現像されたモニタパターンを検査して得られる検査画像から欠陥出現リスクを定量化する工程と、
予め取得された、異なるリンス条件に対する欠陥出現リスク情報と欠陥数との関係から、前記定量化された欠陥出現リスクの際に欠陥数が許容値以下となるリンス条件の範囲を決定する工程と、
前記モニタパターンの領域の現像後に、パターン寸法が所望の値となる第2の現像条件で前記デバイスパターンを現像する工程と、
前記デバイスパターンの現像後に、前記決定されたリンス条件で前記被処理基板のリンス処理を行う工程と、
を含むことを特徴とする現像処理方法。
【請求項3】
前記第1の現像条件は、前記レジスト膜を半溶解する条件であることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像処理方法。
【請求項4】
前記欠陥出現リスクを定量化する工程は、露光部における正常部に対するコントラストが所望値以上となる領域の総面積を算出し、この総面積から欠陥出現リスクを定量化することを特徴とする請求項1又は2に記載の現像処理方法。
【請求項5】
前記被処理基板の表面は、前記デバイスパターンを形成するデバイス領域と、該デバイス領域を囲み前記モニタパターンを形成するモニタ領域に分離されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像処理方法。
【請求項6】
デバイス領域上のレジスト膜にデバイスパターンが露光され、モニタ領域上のレジスト膜にモニタパターンが露光された被処理基板に対し、デバイス領域とモニタ領域を独立に現像可能な現像機構と、
前記モニタ領域を第1の現像条件により現像することにより得られる欠陥出現リスクを定量化する手段と、
異なる現像条件に対する欠陥出現リスク情報と欠陥数との関係から、前記定量化された欠陥出現リスクに対して欠陥数が許容値以下となる第2の現像条件の範囲を算出する手段と、
前記第2の現像条件の中でパターン寸法が所望の値となる第3の現像条件を決定する手段と、
を具備したことを特徴とする現像処理装置。
【請求項7】
前記現像機構は、前記被処理基板上で走査されるノズルヘッドを有し、該ノズルヘッドに、現像液を供給するためのスリット状の現像液供給口と、洗浄液を供給するためのスリット状の洗浄液供給口と、現像液及び洗浄液を排出するためのスリット状の排出口と、を備えていることを特徴とする請求項6記載の現像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−58557(P2013−58557A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195210(P2011−195210)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】