説明

現像剤用カートリッジおよびトナー用カートリッジ

【課題】トナーより経時により発生する臭気成分を分解して消臭、脱臭する。
【解決手段】現像剤用またはトナー用カートリッジ20(以下、両者を纏めて「カートリッジ20」と略す)は、スチレンを含むモノマーを重合されてなる結着樹脂を有するトナーと、前記トナーのスチレン由来におい成分を分解可能な微生物種を収容する細孔24が複数設けられた微生物保管箱22とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した電子写真装置において、静電荷像の現像の為に使用する静電荷像現像用トナーおよびこれを用いた静電荷像現像剤に由来する単量体成分を分解するカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法では、一般的には、光導電性物質を利用した感光体(潜像保持体)表面に、種々の手段により電気的に潜像を形成し、形成された潜像を静電荷像現像用トナー(以下「トナー」と略す場合がある)を用いて現像しトナー像を形成した後、このトナー像を、場合により中間転写体を介して、紙等の被転写体表面に転写し、加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気等により定着する、という複数の工程を経て、画像が形成される。また、感光体表面に残ったトナーは、必要に応じて種々の方法によりクリーニングされ、再びトナー像の現像に利用される。
【0003】
トナー像を長期にわたって安定に形成するための現像剤の特性としては、例えば現像剤を構成するトナー、あるいは二成分現像剤の場合はキャリアの個々の材料特性、粒度分布等が知られ、これらを調整することで、適当な帯電量と帯電量分布を有する現像剤を得ることにより、該潜像にトナーを現像し、同時に非潜像にはトナーを付着させないといった現像剤の特性を得ることができる。
【0004】
上述したトナーは、一般に混練粉砕法や化学製法により製造されるため、上述した合成高分子樹脂と同様に、トナーには微量の未反応重合性単量体や不純物や製造時に残留した極少量の溶剤が含まれることがある。このため、トナー用カートリッジ内にトナーを充填し、一定時間経過すると、トナー用カートリッジ内に、トナーより揮発した微量の未反応重合性単量体等の不純物が充満し、トナー用カートリッジの開封時に成分が大気中に拡散し、使用者に不快感を与える場合がある。
【0005】
また、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した電子写真装置が動作時に発熱すると、電子写真装置に装填されたトナー用カートリッジが加温される。加熱される場合、トナー用カートリッジ内に充填されたトナーから、微量の未反応重合性単量体等がより揮発し易くなり、これにより、トナー用カートリッジ内に揮発生成した成分が徐々に大気中に放出され、使用者に不快感を与える可能性がある。
【0006】
同様に、上記電子写真装置の動作時の発熱により、電子写真装置に装填された現像剤用カートリッジが加温されると、現像剤用カートリッジ内に充填されたトナーから、微量の重合性単量体等が揮発し始める。これにより、現像剤用カートリッジ内に揮発生成した臭気成分が徐々に大気中に放出され、上記同様、使用者に不快感を与える場合がある。
【0007】
上述した臭気成分を低減させるトナーの製造方法として、少なくとも重合性単量体を水系溶媒中で重合させて形成した樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子を水系媒体から分離する以前に、フィトンチッド類やカテキン類の植物抽出成分、酵素、金属フタロシアニン類を含有する消臭剤により処理する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0008】
また、水系媒体中において、ラジカル重合性単量体、着色剤および連鎖移動剤を含有してなるラジカル重合性単量体組成物を懸濁重合することによって得られる生成物を洗浄する洗浄工程を有するトナーの製造方法において、上記洗浄工程にて、チオバチルス属に属する微生物と、当該微生物によって生成する硫黄酸化物を中和する中和剤とを含有する水を使用して臭気成分を低減させるトナーの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2)。上記製造方法では、チオバチルス属に属する微生物によって、ラジカル重合性単量体組成物由来の硫黄系臭気成分を酸化して硫黄酸化物(例えば硫酸)に変え、消臭するととともに、生成した硫黄酸化物を中和剤によって中和して、微生物の酸化活性低下を抑制している。
【0009】
【特許文献1】特開2002−123038号公報
【特許文献2】特開2003−149862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、トナーおよび現像剤由来の臭気成分を、カートリッジに内在された微生物種により分解させ、消臭または脱臭する現像剤用カートリッジおよびトナー用カートリッジを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に示す本発明を完成するに至った。本願発明は、以下の特徴を有する。
【0012】
(1)スチレンを含む重合性単量体を重合してなる結着樹脂を有するトナーと、前記トナーのスチレン由来成分を分解可能な微生物種を収容する収容容器とを有する現像剤用カートリッジである。
【0013】
(2)上記(1)に記載の現像剤用カートリッジにおいて、前記トナーの結着樹脂は、さらにα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステルを含む重合性単量体を重合してなり、前記収容容器は、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル由来成分を分解可能な微生物種を収容する現像剤用カートリッジである。
【0014】
(3)上記(1)または(2)に記載の現像剤用カートリッジにおいて、前記スチレン由来成分は、エチルベンゼン、ベンズアルデヒド、スチレンからなる群から選択される少なくとも1種である現像剤用カートリッジである。
【0015】
(4)上記(2)または(3)に記載の現像剤用カートリッジにおいて、前記α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル由来成分は、n−ブチルアルコール、プロピオン酸、プロピルアルコール、イソ酪酸、エチルメチル酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、炭素数3から5のアルキルからなるアクリル酸エステル、炭素数3から5のアルキルからなるメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種である現像剤用カートリッジである。
【0016】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の現像剤用カートリッジにおいて、 前記トナーは、化学製法により製造されている現像剤用カートリッジである。
【0017】
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の現像剤用カートリッジにおいて、
前記トナーのスチレン由来成分を分解可能な微生物種とα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル由来成分を分解可能な微生物種は、チオバチルス属系微生物である現像剤用カートリッジである。
【0018】
(7)スチレンを含む重合性単量体を重合してなる結着樹脂を有するトナーと、前記トナーのスチレン由来成分を分解可能な微生物種を収容する収容容器とを有するトナー用カートリッジである。
【0019】
(8)上記(7)に記載のトナー用カートリッジにおいて、前記トナーの結着樹脂は、さらにα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステルを含む重合性単量体を重合してなり、前記収容容器は、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル由来成分を分解可能な微生物種を収容するトナー用カートリッジである。
【0020】
(9)上記(7)または(8)に記載のトナー用カートリッジにおいて、前記スチレン由来成分は、エチルベンゼン、ベンズアルデヒド、スチレンからなる群から選択される少なくとも1種であるトナー用カートリッジである。
【0021】
(10)上記(8)または(9)に記載のトナー用カートリッジにおいて、前記α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル由来成分は、n−ブチルアルコール、プロピオン酸、プロピルアルコール、イソ酪酸、エチルメチル酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、炭素数3から5のアルキルからなるアクリル酸エステル、炭素数3から5のアルキルからなるメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種であるトナー用カートリッジである。
【0022】
(11)上記(7)から(10)のいずれか1つに記載のトナー用カートリッジにおいて、前記トナーは、化学製法により製造されているトナー用カートリッジである。
【0023】
(12)上記(7)から(11)のいずれか1つに記載のトナー用カートリッジにおいて、前記トナーのスチレン由来成分を分解可能な微生物種とα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル由来成分を分解可能な微生物種は、チオバチルス属系微生物であるトナー用カートリッジである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、開封前のカートリッジに充満した重合性単量体由来の成分等をカートリッジに内在された微生物により分解して消臭または脱臭させるだけでなく、特に、電子写真装置の動作時の発熱により、電子写真装置に装填されたトナー用カートリッジや現像剤用カートリッジ内に充填されたトナーやキャリアから揮発する微量の重合性単量体等の不純物、微量の重合禁止剤や極少量の溶剤に由来する臭気成分を随時分解して、消臭または脱臭することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の実施の形態における現像剤用カートリッジおよびトナー用カートリッジついて、以下説明する。
【0026】
[現像剤用カートリッジおよびトナー用カートリッジ]
図1から図3には、本実施の形態における現像剤用カートリッジおよびトナー用カートリッジ(以下、両者を纏めて「カートリッジ」と略す)の例が模式的に示されている。
【0027】
図1に模式的に示すカートリッジ20の内壁には、細孔24が複数設けられ且つ微生物が内包された微生物保管箱22が設置されている。また、細孔24は、カートリッジ20の内部の気体と微生物保管箱22内の気体とを流通可能にするために設けられ、主に、カートリッジ20の内部の気体および湿気を微生物保管箱22内へ通気および通湿させるとともに、微生物保管箱22内の微生物により浄化された気体をカートリッジ20内に放出するために設けられている。さらに、微生物保管箱22は、カートリッジ20に着脱可能に設置されていることが好ましい。これにより、微生物保管箱22内の微生物の活性低下に応じて、交換することが可能となる。また、微生物保管箱22は、カートリッジ20が電子写真装置に装填された際に、カートリッジ20の内壁上方に設置されることが好ましい。通常、装填されたカートリッジ20の下方部に現像剤のトナーやキャリアが滞留していることから、カートリッジ20の上方に空間が形成され易い。そして、上記空間には、トナーやキャリアより揮発した臭気成分の大部分が存在することから、カートリッジ20の内壁上方に微生物保管箱22を設置することにより、効率良く臭気成分が分解され消臭、脱臭される。
【0028】
また、図2に模式的に示すカートリッジ30は、撹拌式カートリッジにおける一例であって、ブラシ36が植毛された撹拌用回転軸32自体が微生物保管箱となっている。撹拌用回転軸32には微生物が内包され、さらに撹拌用回転軸32の表面には複数の細孔34が設けられている。この細孔34は、カートリッジ30の内部の気体と微生物保管箱である撹拌用回転軸32内の気体とを流通可能にするために設けられ、主に、カートリッジ30の内部の気体および湿気を微生物が封入された撹拌用回転軸32内へ通気および通湿させるとともに、撹拌用回転軸32内の微生物により浄化された気体をカートリッジ30内に放出するために設けられている。
【0029】
また、図3に模式的に示すカートリッジ40は、撹拌式カートリッジにおける一例であって、カートリッジ40には、ブラシ46が植毛された撹拌用回転軸42が設けられている。さらにカートリッジ40内には、微生物内包カプセル44が複数個混入されている。上記微生物内包カプセル44は、図4に示すように、表面に細孔54が複数個形成され、さらに第1カプセル片50aと第2カプセル片50bとの分割可能に形成されている。このように微生物内包カプセル44を分割可能に形成することにより、微生物内包カプセル44内に微生物が内包された微生物封入袋52を収納し、また、微生物の活性が低下した場合には、微生物内包カプセル44内の微生物封入袋52のみを交換し、微生物活性を一定値以上に維持することができる。また、微生物内包カプセル44の表面に複数設けられた細孔54は、図3に示すカートリッジ40の内部の気体と微生物内包カプセル44内の気体とを流通可能にするために設けられており、主に、カートリッジ40の内部の気体および湿気を微生物封入袋52が内包された微生物内包カプセル44内へ通気および通湿させるとともに、微生物内包カプセル44内の微生物により浄化された気体をカートリッジ40内に放出するために設けられている。ここで、微生物封入袋52は、後述する微生物を担持した有機質担体のシートが封入され、微生物封入袋52は、例えば、不織布またはメッシュ素材の合成または天然繊維からなる。
【0030】
[現像剤]
図1から図3に示すカートリッジ20,30,40に封入される現像剤は、静電荷像現像用トナーが、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。また、二成分現像剤として用いる場合には、後述するキャリアと混合して使用される。そこで、まず、本実施の形態の静電荷像現像用トナーについて以下に説明する。
【0031】
本実施の形態の静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と略す場合がある)の製造方法としては、例えば、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法などの化学製法が使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。
【0032】
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。
【0033】
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
【0034】
離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】
また、本実施の形態の静電潜像現像用トナーには、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
【0036】
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
【0037】
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
【0040】
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
【0041】
一般に、キャリアは適度な電気抵抗値を有することが必要であり、具体的には108〜1014Ωcm程度の電気抵抗値が求められている。例えば、鉄粉キャリアのように電気抵抗値が106Ωcmと低い場合には、スリーブからの電荷注入によりキャリアが感光体の画像部へ付着したり、潜像電荷がキャリアを介して逃げ、潜像の乱れや画像の欠損等を生じたりする等の問題が生じる。一方、絶縁性の樹脂を厚く被覆してしまうと電気抵抗値が高くなりすぎ、キャリア電荷がリークしにくくなり、その結果エッジの効いた画像にはなるが、反面大面積の画像面では中央部の画像濃度が薄くなるというエッジ効果という問題が生じる。そのためキャリアの抵抗調整のために樹脂被覆層中に導電性微粉末を分散させることが好ましい。
【0042】
キャリア抵抗は、2枚の極板電極の間にキャリア粒子を挟み、電圧を印加した時の電流を測定する、通常の極板間式電気抵抗測定法により求め、103.8V/cmの電界下での抵抗で評価する。
【0043】
導電粉自身の電気抵抗は108Ωcm以下が好ましく、105Ωcm以下がより好ましい。導電粉の具体例としては、金、銀、銅のような金属;カーボンブラック;酸化チタン、酸化亜鉛のような導電性の金属酸化物単体系;酸化チタン、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ等の粒子の表面を導電性の金属酸化物で被覆した複合系などが挙げられる。製造安定性、コスト、電気抵抗の低さという観点からカーボンブラックが特に好ましい。カーボンブラックの種類は特に限定されないが、製造安定性の良いDBP(ジブチルフタレート)吸油量が50〜300ml/100gの範囲のものが好適である。導電粉の体積平均粒径は0.1μm以下が好ましく、分散のためには体積平均一次粒径が50nm以下のものが好ましい。
【0044】
上記樹脂被覆層を、キャリア芯材の表面に形成する方法としては、例えば、キャリア芯材の粉末を被膜層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被膜層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被膜層形成用溶液を混合し溶剤を除去するニーダーコーター法、被膜樹脂を粒子化し被膜樹脂の融点以上でキャリア芯材とニーダーコーター中で混合し冷却して被膜させるパウダーコート法が挙げられるが、ニーダーコーター法及びパウダーコート法が特に好ましく用いられる。
【0045】
本実施の形態の静電潜像現像用キャリアにおいて用いられる芯材(キャリア芯材)としては、特に制限はなく、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、又は、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、磁気ブラシ法を用いる観点からは、磁性キャリアであるのが望ましい。キャリア芯材の平均粒径としては、一般的には10〜100μmが好ましく、20〜80μmがより好ましい。
【0046】
前記二成分現像剤における本実施の形態の静電荷現像用トナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
【0047】
[微生物]
上述した図1に示す撹拌用回転軸32、図2および図3に示す微生物内包カプセル44内に収納する図4に示す微生物封入袋52に在中させる微生物としては、例えば、チオバチルス属系微生物が用いられ、チオバチルス属系微生物としては、チオバチルス・チオオキシダンス、チオバチルス・フェロオキシダンス、チオバチルス・チオパルス、チオバチルス・デニトリフィガンス、チオバチルス・ネアポリタナス、チオバチルス・テピタリアス、チオバチルス・ベルサタス、チオバチルス・インターメディアスなどが挙げられる。これらのチオバチルス属系微生物は単独あるいは組み合わせて使用することができる。なお、チオバチルス属系微生物を用いる場合には、後述する担体に、分解時に生成する硫酸等の酸を中和するために、中和剤として、例えば、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸水素塩を添加する必要があり、具体的には、アルカリ土類金属の炭酸塩としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウムなどが好適に用いられ、また、アルカリ土類金属としては、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素ストロンチウムなどが好適に用いられる。
【0048】
[微生物を担持させる担体]
本実施の形態における担体としては、無機質担体と有機質担体とこれらの組み合わせとから適宜選択する。なお、担体としては、例えば、通気性、保水性、微生物保持性を有するものが好ましい。
【0049】
上記無機質担体としては、例えば、親水性無機質粒子が好ましく、親水性無機質粒子としては、ゼオライト、ケイソウ土、活性炭、アンスラサイトなど、臭気成分を分解する微生物が付着する程度の親水性を有する無機質の粒子が好ましい。ゼオライト、ケイソウ土、活性炭のように多孔質のものが好ましいが、アンスラサイトのように必ずしも多孔質でなくてもよい。これらの粒子の比重は特に制限されないが、1.0〜5.0、好ましくは2.0〜3.0のものが望ましい。また粒径は10〜100μm、好ましくは10〜50μmのものが望ましい。
【0050】
上記有機質担体としては、吸水性のある高分子吸水性樹脂、吸水性パルプ、パルプモールド、紙、布、セルロースビーズ、多孔質ビーズ、シリカゲルなどが挙げられ、高分子吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸塩系、アクリル酸とアクリル酸ナトリウムの共重合物、澱粉とアクリル酸グラフト化物などを挙げる。さらに、天然由来高分子として、例えば、−OH、−COOHなどの親水性官能基を多く有するゲルを形成可能なゼラチン、アルギン酸、キトサン等が挙げられる。
【0051】
[微生物を担体に担持させる方法]
本実施の形態では、上記有機質担体を用いる場合には、上記有機質担体を水溶液中に分散させて、高粘度溶液、例えば、5cP以上500cP以下の溶液に微生物を分散させた混合液を作成する。次いで、この混合液に、ポリエステル樹脂等の合成樹脂繊維からなる不織布(繊維間の目の大きさは平均80μm)を浸漬させたのち、引き揚げながらローラで絞り、50℃から70℃の雰囲気下で乾燥させて微生物を包含するカプセルを繊維間に含有するシートを形成する。ここで、微生物は、カプセル内に平均で10個以上100個以下で存在し、不織布1cm2あたり1000個の微生物が存在するように調製する。一方、上記無機質担体を用いる場合には、微生物含有溶液を無機質担体に噴霧したり塗布したりすることにより、無機質担体に微生物を植菌する。
【0052】
<画像形成装置>
次に、本実施の形態の現像剤用カートリッジ(以下「現像装置」ともいう)およびトナー用カートリッジ(以下「トナーカートリッジ」ともいう)が装填される画像形成装置の一例について説明する。
【0053】
図5は、本実施の形態の画像形成方法により画像を形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置200は、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a〜401dが中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。電子写真感光体401a〜401dは、例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成することが可能である。
【0054】
電子写真感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像装置404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a〜401dに当接している。
【0055】
さらに、ハウジング400内の所定の位置には露光装置403が配置されており、露光装置403から出射された光ビームを帯電後の電子写真感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
【0056】
ここで、帯電ロール402a〜402dは、電子写真感光体401a〜401dの表面に導電性部材(帯電ロール)を接触させて感光体に電圧を均一に印加し、感光体表面を所定の電位に帯電させるものである(帯電工程)。なお本実施形態において示した帯電ロールの他、帯電ブラシ、帯電フィルム若しくは帯電チューブなどを用いて接触帯電方式による帯電を行ってもよい。また、コロトロン若しくはスコロトロンを用いた非接触方式による帯電を行ってもよい。
【0057】
露光装置403としては、電子写真感光体401a〜401dの表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。これらの中でも、非干渉光を露光可能な露光装置を用いると、電子写真感光体401a〜401dの導電性基体と感光層との間での干渉縞を防止することができる。
【0058】
現像装置404a〜404dには、上述の二成分静電荷像現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置を用いて行うことができる(現像工程)。そのような現像装置としては、二成分静電荷像現像用現像剤を用いる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のものを選択することができる。一次転写工程では、1次転写ロール410a〜410dに、像担持体に担持されたトナーと逆極性の1次転写バイアスが印加されることで、像担持体から中間転写ベルト409へ各色のトナーが順次1次転写される。
【0059】
クリーニングブレード415a〜415dは、転写工程後の電子写真感光体の表面に付着した残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0060】
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。
【0061】
2次転写ロール413に、中間転写体上のトナーと逆極性の2次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルトから記録媒体へトナーが2次転写される。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416或いは、除電器(不図示)により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
【0062】
本実施の形態の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を有する画像形成方法であって、前記現像剤は、少なくとも、本発明の静電荷現像用トナーを含有する現像剤である。前記現像剤は、一成分系、二成分系のいずれの態様であってもよい。
【0063】
上記の各工程は、いずれも画像形成方法において公知の工程が利用できる。
【0064】
潜像保持体としては、例えば、電子写真感光体及び誘電記録体等が使用できる。電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー画像を形成する(現像工程)。形成されたトナー画像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー画像は、定着機により熱定着され、最終的なトナー画像が形成される。
【0065】
尚、前記定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、前記定着機における定着部材に離型剤が供給される。
【0066】
熱定着に用いる定着部材であるローラあるいはベルトの表面に、離型剤を供給する方法としては、特に制限はなく、例えば、液体離型剤を含浸したパッドを用いるパッド方式、ウエブ方式、ローラ方式、非接触型のシャワー方式(スプレー方式)等が挙げられ、なかでも、ウエブ方式、ローラ方式が好ましい。これらの方式の場合、前記離型剤を均一に供給でき、しかも供給量をコントロールすることが容易な点で有利である。尚、シャワー方式により前記定着部材の全体に均一に前記離型剤を供給するには、別途ブレード等を用いる必要がある。
【0067】
トナー画像を転写する被転写体(記録材)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
【実施例】
【0068】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「重量部」を意味する。
【0069】
[評価方法および測定方法]
(粒度および粒度分布測定方法)
本発明における粒度および粒度分布測定について述べる。本発明において測定する粒子が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターマルチサイザー−II型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
【0070】
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。
【0071】
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求めた。測定する粒子数は50000であった。
【0072】
また本発明におけるトナーの粒度分布は以下の方法により求めた。測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積16%となる体積平均粒径をD16と定義し、累積50%となる体積平均粒径をD50と定義する。さらに累積84%となる体積平均粒径をD84と定義する。
【0073】
本発明における体積平均粒径は該D50であり、GSDは以下の式によって算出した。
GSD=(D84/D16)0.5
【0074】
同様に、測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから数累積分布を描き、累積50%となる粒径を数平均粒径と定義する。
【0075】
また、本発明において測定する粒子が2μm未満の場合、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定した。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とした。
【0076】
(トナーの重量平均分子量の測定方法)
本発明の静電荷象現像用トナーの重量平均分子量は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
【0077】
(トナーのガラス転移温度の測定方法)
本発明のトナーの融点およびガラス転移温度は、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。
【0078】
主体極大ピークの測定には、パーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
【0079】
−樹脂粒子分散液Aの作製−
スチレン(和光純薬社製、特級) 78重量部
アクリル酸n−ブチル (試薬一級:和光純薬社製) 22重量部
アクリル酸(和光純薬社製)) 2重量部
ドデカンチオール(和光純薬社製) 1.5重量部
上記成分を予め混合し、溶解して溶液を調製しておき、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックスA211)4重量部をイオン交換水100重量部に溶解した界面活性剤溶液をフラスコに収容し、上記の溶液103.5重量部を投入して分散し乳化して10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム3重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。次いで、系内を窒素で十分に置換した後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで系内が68℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して樹脂粒子分散液(1)を得た。樹脂粒子分散液から樹脂粒子を分離して物性を調べたところ、中心径は200nm、分散液中の固形分量は40%、ガラス転移点は52℃、酸価は14mgKOH/g、重量平均分子量Mwは33000であった。
【0080】
−樹脂粒子分散液Bの作製−
スチレン(和光純薬社製、特級) 78重量部
メタクリル酸n−ブチル (試薬一級:和光純役社製) 22重量部
アクリル酸(和光純薬社製)) 2重量部
ドデカンチオール(和光純薬社製) 1.5重量部
上記成分を予め混合し、溶解して溶液を調製しておき、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックスA211)4重量部をイオン交換水100重量部に溶解した界面活性剤溶液をフラスコに収容し、上記の溶液103.5重量部を投入して分散し乳化して10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム3重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。次いで、系内を窒素で十分に置換した後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで系内が68℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して樹脂粒子分散液(1)を得た。樹脂粒子分散液から樹脂粒子を分離して物性を調べたところ、中心径は200nm、分散液中の固形分量は40%、ガラス転移点は54℃、酸価は16mgKOH/g、重量平均分子量Mwは31000であった。
【0081】
−樹脂粒子分散液Cの作製−
上記樹脂粒子分散液Bの作製におけるメタクリル酸n−ブチルの22重量部の代わりに、アクリル酸n−ブチルを19重量部、チグリン酸エチルを3部を用いた以外は樹脂粒子分散液(1)と同様の方法で樹脂粒子分散液(3)を得た。得られた樹脂粒子の中心径は210nm、分散液中の固形分量は40%、ガラス転移点は53℃、酸価は22mgKOH/g、重量平均分子量Mwは30000であった。
【0082】
−樹脂粒子分散液Dの作製−
上記樹脂粒子分散液Bの作製におけるメタクリル酸n−ブチルの代わりに、アクリル酸n−プロピル(和光純薬社製)を用いた以外は樹脂粒子分散液(1)と同様の方法で樹脂粒子分散液(4)を得た。得られた樹脂粒子の中心径は230nm、分散液中の固形分量は40%、ガラス転移点は56℃、酸価は19mgKOH/g、重量平均分子量Mwは30000であった。
【0083】
−樹脂粒子分散液Eの作製−
上記樹脂粒子分散液Bの作製におけるメタクリル酸n−ブチルの代わりに、アクリル酸n−ペンチル(和光純薬社製) を用いた以外は樹脂粒子分散液(1)と同様の方法で樹脂粒子分散液(5)を得た。得られた樹脂粒子の中心径は210nm、分散液中の固形分量は40%、ガラス転移点は50℃、酸価は25mgKOH/g、重量平均分子量Mwは35000であった。
【0084】
−着色剤分散液の作製−
[着色剤分散液1]
カーボンブラック(R330キャボット社製) 50重量部
イオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬社製) 5重量部
イオン交換水 195重量部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA ウルトラタラックス)により10分間分散し、次いで超音波分散機を用いて、28KHzの超音波を10分間照射し、固形分20%、中心粒径125nmの着色剤分散液1を得た。
【0085】
[着色剤分散液2]
C.I.Pigment Yellow 74(大日精化社製、セイカファーストイエロー2054)に変更する以外は着色剤分散液1と同様の方法で固形分20%、中心粒径150nmの着色剤分散液2を得た。
【0086】
[着色剤分散液3]
C.I.Pigment Red 22(大日本インキ化学社製、Ket Red 302)に変更する以外は着色剤分散液1と同様の方法で固形分20%、中心粒径135nmの着色剤分散液3を得た。
【0087】
[着色剤分散液4]
C.I.Pigment Cyan 15:3(大日精化社製、PV FAST BLUE)に変更する以外は着色剤分散液1と同様の方法で固形分20%、中心粒径190nmの着色剤分散液4を得た。
【0088】
−離型剤分散液の作製−
ポリエチレンワックス 50重量部
(東洋ペトロライト社製、PolyWax725:融点103℃)
イオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬社製) 5重量部
イオン交換水 195重量部
上記成分を120℃に加熱し、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理して、固形分20%、中心粒径226nmの離型剤分散液を得た。
【0089】
(トナー1作製法)
樹脂粒子分散液A 285重量部
着色剤分散液 60重量部
離型剤分散液 80重量部
ポリ塩化アルミニウム 2.0重量部
イオン交換水 1097重量部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら47℃まで加熱し、47℃で45分間保持して凝集粒子分散液を調製した。この凝集粒子分散液に上記の樹脂粒子分散液を緩やかに145重量部追加し30分放置した。
【0090】
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して系内のpHを6.5に調整した後、攪拌を継続しながら96℃まで加熱して1時間経過した後、1モル/リットルの硝酸水溶液を添加し、pHを5.0に調整して5時間保持した。冷却後濾過した後、3リットルのイオン交換水に再分散してヌッチェ式吸引ろ過により固液分離することを6回繰り返して固形物を得た。次いで真空乾燥を40℃で12時間行って平均体積粒径5.2μmのトナー母粒子1を得た。
【0091】
次にトナー母粒子100重量部に対し、疎水性シリカ(キャボット製、TS720)を1.5重量部添加し、ヘンシェルミキサーにて3000rpmで5分間ブレンドしてトナー1を得た。
【0092】
(トナー2作製法)
トナー1の作製法において着色剤分散液1を着色剤分散液2に変更した以外はトナー1の作製法と同じ方法でトナーを作製し、トナー2を得た。
【0093】
(トナー3作製法)
トナー1の作製法において着色剤分散液1を着色剤分散液3に変更した以外はトナー1の作製法と同じ方法でトナーを作製し、トナー3を得た。
【0094】
(トナー4作製法)
トナー1の作製法において着色剤分散液1を着色剤分散液4に変更した以外はトナー1の作製法と同じ方法でトナーを作製し、トナー4を得た。
【0095】
(トナー5作製法)
トナー1の作製法において樹脂粒子分散液Aを樹脂粒子分散液Bに変更した以外はトナー1の作製法と同じ方法でトナーを作製し、トナー5を得た。
【0096】
(トナー6作製法)
トナー1の作製法において樹脂粒子分散液Aを樹脂粒子分散液Cに変更した以外はトナー1作製法と同じ方法でトナーを作製し、トナー6を得た。
【0097】
(トナー7作製法)
トナー1の作製法において樹脂粒子分散液Aを樹脂粒子分散液Dに変更した以外はトナー1の作製法と同じ方法でトナーを作製し、トナー7を得た。
【0098】
(トナー8作製法)
トナー1の作製法において樹脂粒子分散液Aを樹脂粒子分散液Eに変更した以外はトナー1作製法と同じ方法でトナーを作製し、トナー8を得た。
【0099】
(トナー9の製造)
トナー1の作製法において、離型剤分散液を加えない以外はトナー1作製法と同じ方法でトナーを作製し、トナー9を得た。
【0100】
(トナー10の製造)
スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(共重合比80:20:Mw=42000:三菱レイヨン社製) 88重量部
ポリプロピレンワックス 5重量部
カーボンブラック(リーガル330、キャボット社製) 7重量部
上記混合物をエクストルーダー(TEM48、東芝機械社製)で混練し、混練物をジェットミルで粉砕した後、風力分級機で分級して、体積平均粒径8.0μmのトナー母粒子を得た。これに酸化チタン粒子(STT−30EHJチタン工業(株)製)を0.5重量部、シリカ粒子(R972日本アエロジル(株)製)を1.0重量部加え、ヘンシェルミキサーで3,000rpmで3分間混合してトナー10を得た。
【0101】
[キャリアAの調製]:
Mn−Mg系フェライト粒子 100重量部
(真比重4.6g/cm3、体積平均粒径35μm、飽和磁化65emu/g)
トルエン 11重量部
ジエチルアミノエチルメタクリレート−スチレン−メチルメタクリレート共重合体
(共重合比2:20:78、重量平均分子量60,000、Mw10,000以下の成分が25%) 2重量部
【0102】
フェライト粒子を除く上記成分とガラスビーズ(粒径1mm、トルエンと同量)を関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間攪拌して被覆樹脂層形成用溶液を調製した。次に、この被覆樹脂層形成用溶液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃を保って10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去することにより被覆樹脂層を形成してキャリアを得た。被覆樹脂層の平均厚みは0.7μmであった。103.8V/cmの電界下でのキャリア抵抗は4×1012Ωcmであった。なお、飽和磁化値は、振動試料型磁力計(東英工業社製)を用いて、印加磁界3000(Oe)という条件のもと、測定して得られたものである。
【0103】
以下に示すカートリッジの内容積は、トナー用カートリッジおよび現像剤用カートリッジのいずれの場合もトナー収容部の内容積を示すこととし、また、現像剤用カートリッジの場合には、上記キャリアAを収容するものとする。そして、以下、トナーの収容量のみを記載して実施例および比較例について記載する。
【0104】
実施例1.
トナー1,2,3,4のそれぞれ200部を図1に示すトナー用カートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。
【0105】
実施例2.
トナー5の200部を図1に示すトナー用カートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。
【0106】
実施例3.
トナー6の200部を図1に示すトナー用カートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。
【0107】
実施例4.
トナー7の200部を図1に示すトナー用カートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。
【0108】
実施例5.
トナー8の200部を図1に示すトナー用カートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。
【0109】
実施例6.
トナー9の200部を図1に示すトナー用カートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。
【0110】
実施例7.
トナー10の200部を図1に示すトナー用カートリッジ(内容積:2000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。
【0111】
実施例8.
トナー1の100部とキャリアAを100部とを図2に示す現像剤用カートリッジ(トナー収容内容積:1000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。
【0112】
実施例9.
トナー2の100部とキャリアAを100部とを図3に示す現像剤用カートリッジ(トナー収容内容積:1000cm3)に収容するとともに、上記カートリッジの微生物保管箱に、微生物としてチオバチルス・チオオキシダンスを用い上記微生物担体調製により得られた15cm×30cmのシート10枚、微生物として、450万個を収納した。
【0113】
比較例1.
微生物をカートリッジ内に存在させない以外は、実施例1と同様にトナー1,2,3,4を図1に示すカートリッジ(内容積:2000cm3)に収納した。
【0114】
比較例2.
微生物をカートリッジ内に存在させない以外は、実施例2と同様にトナー5を図1に示すカートリッジ(内容積:2000cm3)に収納した。
【0115】
[単量体成分評価]
単量体成分の定量分析方法:
実施例1から実施例9および比較例1から比較例2における臭気成分の強いものに着目し、カートリッジ内の気体を一旦密閉性の高いビニール袋に取り、その中の気体をマイクロシリンジより10μl取って、ガスクロマトグラフに注入し分析を実施した。ガスクロマトグラフは島津製作所製GC−17Aを用い、以下の条件で実施した。
カラム:TC−1 60m
注入口温度:200℃
昇温条件:40℃で5分、4℃/minで140℃に加熱
検出器:FID
【0116】
上述した各注目臭気成分について、クロマトグラフのピーク面積値をそれぞれ10、20、40、60、80、100、120、150、200ppm含有する試料からあらかじめ検量し、作成しておいた各着目臭気成分の検量線データを用いて各着目成分を定量した。
【0117】
なお、評価では、相対湿度が90%において25℃と60℃においてそれぞれ評価を行い、実施例1から実施例8および比較例1から比較例8においては、収納時と、収納から2週間後の臭気について評価を行った。なお許容できるのは2週間後において対象とする成分が50ppm以下になっていることとした。
【0118】
【表1】

【0119】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明の活用例として、樹脂搬送用容器、また電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置へのカートリッジへの適用がある。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の実施の形態における現像剤用またはトナー用カートリッジの構造の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態における現像剤用またはトナー用カートリッジの構造の他の例を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態における現像剤用またはトナー用カートリッジの構造の他の例を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるカートリッジ内に投入される微生物内包カプセルの一例の構造を説明する図である。
【図5】本実施の形態に用いた画像形成装置の構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0122】
20,30,40 カートリッジ、22 微生物保管箱、24,34,54 細孔、32,42 撹拌用回転軸、44 微生物内包カプセル、50a 第1カプセル片、50b 第2カプセル片、52 微生物封入袋。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチレンを含む重合性単量体を重合してなる結着樹脂を有するトナーと、前記トナーのスチレン由来成分を分解可能な微生物種を収容する収容容器とを有することを特徴とする現像剤用カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載の現像剤用カートリッジにおいて、
前記トナーの結着樹脂は、さらにα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステルを含む重合性単量体を重合してなり、
前記収容容器は、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル由来成分を分解可能な微生物種を収容することを特徴とする現像剤用カートリッジ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の現像剤用カートリッジにおいて、
前記スチレン由来成分は、エチルベンゼン、ベンズアルデヒド、スチレンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする現像剤用カートリッジ。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の現像剤用カートリッジにおいて、
前記α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル由来成分は、n−ブチルアルコール、プロピオン酸、プロピルアルコール、イソ酪酸、エチルメチル酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、炭素数3から5のアルキルからなるアクリル酸エステル、炭素数3から5のアルキルからなるメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする現像剤用カートリッジ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の現像剤用カートリッジにおいて、
前記トナーは、化学製法により製造されていることを特徴とする現像剤用カートリッジ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の現像剤用カートリッジにおいて、
前記トナーのスチレン由来成分を分解可能な微生物種とα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル由来成分を分解可能な微生物種は、チオバチルス属系微生物であることを特徴とする現像剤用カートリッジ。
【請求項7】
スチレンを含む重合性単量体を重合してなる結着樹脂を有するトナーと、前記トナーのスチレン由来成分を分解可能な微生物種を収容する収容容器とを有することを特徴とするトナー用カートリッジ。
【請求項8】
請求項7に記載のトナー用カートリッジにおいて、
前記トナーの結着樹脂は、さらにα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステルを含む重合性単量体を重合してなり、
前記収容容器は、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル由来成分を分解可能な微生物種を収容することを特徴とするトナー用カートリッジ。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載のトナー用カートリッジにおいて、
前記スチレン由来成分は、エチルベンゼン、ベンズアルデヒド、スチレンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするトナー用カートリッジ。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のトナー用カートリッジにおいて、
前記α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル由来成分は、n−ブチルアルコール、プロピオン酸、プロピルアルコール、イソ酪酸、エチルメチル酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、炭素数3から5のアルキルからなるアクリル酸エステル、炭素数3から5のアルキルからなるメタクリル酸エステルからなるアルキルからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするトナー用カートリッジ。
【請求項11】
請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のトナー用カートリッジにおいて、
前記トナーは、化学製法により製造されていることを特徴とするトナー用カートリッジ。
【請求項12】
請求項7から請求項11のいずれか1項に記載のトナー用カートリッジにおいて、
前記トナーのスチレン由来成分を分解可能な微生物種とα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル由来成分を分解可能な微生物種は、チオバチルス属系微生物であることを特徴とするトナー用カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−288606(P2009−288606A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142254(P2008−142254)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】