説明

現像装置、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

【課題】供給搬送路の搬送方向の途中から搬送部からバッファ部への現像剤の供給が開始される構成で、バッファ部の上流側端部で現像剤が凝集することを抑制することが出来る現像装置、並びにこの現像装置を備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】現像ローラ302と、供給搬送路340と、供給搬送路340内の現像剤に対して搬送力を付与する供給スクリュ304と、回収搬送路と、回収搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する回収スクリュとを有し、供給搬送路340は、搬送部341とバッファ部342とを備え、供給搬送路340の搬送方向の途中からバッファ部342が形成されている現像装置3で、バッファ部342の上流側端部を形成するバッファ部上流側端面341fが、搬送方向下流側ほど搬送部から離れるように、軸線方向に対して傾斜したテーパー面である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に用いられる現像装置並びにこれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤を用いる現像装置を備える画像形成装置が広く用いられている。二成分現像剤を用いる現像装置としては、現像担持体である現像スリーブの軸線方向に平行に現像剤を搬送しながら現像スリーブに現像剤を供給する供給搬送路と、現像剤搬送方向における供給搬送路の下流端に到達した現像剤を供給搬送路の上流端に搬送する循環搬送路とを有するものが知られている。
【0003】
供給搬送路と循環搬送路とを備える現像装置としては、供給搬送路から現像スリーブに供給された現像剤が、潜像担持体である感光体と現像スリーブとの対向部である現像領域を通過した後、供給搬送路に受け渡されるものがある。現像領域を通過した現像剤は感光体上の潜像にトナーを供給してトナー濃度が低下した状態であるので、現像領域を通過した現像剤が供給搬送路に戻る現像剤では供給搬送路の下流側ほど現像剤中のトナー濃度が低下する。特に高印字率の画像では現像領域を通過する前の現像剤に対して現像領域を通過した後の現像剤のトナー濃度の低下が大きくなり、供給搬送路の下流側のトナー濃度低下が大きく、画像品質が低下する問題が生じる。
【0004】
特許文献1に記載の現像装置は、供給搬送路と循環搬送路といった現像スリーブに平行な2本の現像剤搬送路を備え、現像スリーブに供給され、現像領域を通過した現像剤は循環搬送路に受け渡される。このような現像装置では、現像領域を通過してトナー濃度が低下した現像剤は供給搬送路に戻らず、循環搬送路に受け渡されるため、上述したような供給搬送路の下流側ほどトナー濃度が低下する問題が発生しない。
【0005】
また、特許文献2に記載の現像装置は、供給搬送路、循環搬送路及び回収搬送路の現像スリーブに平行な3本の現像剤搬送路を備え、現像スリーブに供給され、現像領域を通過した現像剤は回収搬送路に受け渡される。回収搬送路内の現像剤は供給搬送路と同じ方向に搬送され、供給搬送路の下流端に到達した現像剤と回収搬送路の下流端に到達した現像剤とが循環搬送路に受け渡される。このような現像装置では、現像領域を通過してトナー濃度が低下した現像剤は供給搬送路に戻らず、回収搬送路に受け渡されるため、上述したような供給搬送路の下流側ほどトナー濃度が低下する問題が発生しない。
【0006】
特許文献1や特許文献2に記載の現像装置では、供給搬送路から現像スリーブに供給された現像剤は供給搬送路に戻ってこないため、供給搬送路の下流側ほど現像剤の量が少なくなる。これにより、現像剤の量が少なくなる下流側ほど現像剤の剤面の高さが低くなる。供給搬送路内の上流側と下流側とで現像剤の剤面の高さに偏りが生じると、現像スリーブへの供給にムラができ、現像スリーブに供給される現像剤の量にも現像スリーブの軸線方向で片寄りが生じる。
つまり、現像剤の剤面が高い供給搬送路の上流側では現像スリーブへの現像剤の供給量が安定していて画像濃度は一定となる。一方、現像剤の剤面が低い供給搬送路の下流側では、現像スリーブへの現像剤の供給量が不安定になり画像に濃度ムラが生じて画像不良が起こる。
【0007】
特許文献1の現像装置では、供給搬送路と循環搬送路との現像剤の搬送量を現像スリーブへの供給量よりも十分に大きくすることで、現像スリーブへの現像剤の供給によって現像剤が減少する割合を低減している。これにより、供給搬送路内の現像剤の剤面の高さの片寄りを低減し、画像の濃度ムラの発生を抑制している。
【0008】
また、特許文献2では、供給搬送路内の現像剤搬送部材としてスクリュ状の供給スクリュを備え、供給スクリュとして下流側ほどピッチ幅が狭くなる搬送スクリュを用いている現像装置が記載されている。搬送スクリュによる現像剤の搬送では、スクリュのピッチ幅が狭いほどスクリュが一回転する毎の現像剤の移動距離が短くなり、現像剤の増減が無い場合はスクリュのピッチ幅が狭い箇所ほど現像剤の嵩が高くなる。よって、下流側ほど現像剤の量が少なくなる供給搬送路の供給スクリュとして下流側ほどピッチ幅が狭い搬送スクリュを用いることにより、供給搬送路内の上流側と下流側との現像剤の剤面の高さに片寄りを低減できる。これにより、現像スリーブに供給される現像剤の量の現像スリーブの軸線方向で片寄りも低減することができ、供給搬送路の下流側では、現像スリーブへの現像剤の供給量が少なくて画像に濃度ムラが生じて画像不良の発生となることを防止することができる。
なお、下流側ほどピッチ幅が狭くなる搬送スクリュを供給スクリュとして用いる構成は、特許文献2のように3つの現像剤搬送路を備える現像装置に限らず、特許文献1のように搬送経路が2つの現像装置にも適用可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の現像装置では、供給搬送路の現像剤の時間あたりの搬送量を大きくするために、供給搬送路内の全体の現像剤の搬送速度が速くしている。また、特許文献2では、下流側ほど現像剤の搬送速度が遅いため、相対的に上流側ほど現像剤の搬送速度は速くなっている。
このため、特許文献1及び特許文献2の現像装置は、供給搬送路の上流側端部近傍では、従来の現像装置よりも現像剤の搬送速度が速く設定されている。
【0010】
このように、供給搬送路の上流側端部近傍の現像剤の搬送速度を速めることに起因して生じる問題について、図16を用いて説明する。
図16は、特許文献1の現像装置のように、搬送経路が2つの現像装置で、循環搬送路の上方に供給搬送路を配置した現像装置3の概略説明図である。図16(a)は、現像装置3の断面説明図であり、図16(b)は、現像装置3における供給搬送路340の上流側端部近傍の拡大上面図である。また、図16(a)は、図16(b)におけるK−K断面の断面図である。
【0011】
図16に示すように、供給搬送路340は、現像剤搬送部材である供給スクリュ304によって現像剤に搬送力が付与される搬送部341と、現像ローラ302へ供給する現像剤を溜めておくバッファ部342とに区別される。供給スクリュ304は、図16中の矢印Hで示すように、搬送部341からバッファ部342へ現像剤を供給しながら、図16中の矢印D4で示すように搬送部341内の現像剤を上流から下流へ向けて現像剤を搬送する。
【0012】
現像装置3では、循環搬送路である回収搬送路350の下流側端部で現像剤を滞留させ、上流側から搬送されてくる現像剤によって押し上げることにより、循環搬送路から供給搬送路340への現像剤の受け渡しが行われる。このため、回収搬送路350の下流側端部近傍では現像剤の嵩が増し、この位置で回収搬送路350と現像ローラ302とが対抗していると、回収搬送路350内の現像剤が現像ローラ302に付着するおそれがある。これを防止するため、現像装置3では、現像ローラ302の軸線方向の端部よりも回収搬送路350の下流側端部が軸線方向の外側となるように構成されている。このため、回収搬送路350の下流側端部と連通する供給搬送路340の上流側端部も図16(b)に示すように、現像ローラ302の軸線方向の端部よりも外側となるように構成されている。
【0013】
このような構成の現像装置3の供給搬送路340は、図16(b)中の一点鎖線Jを挟んで上流側は搬送部341のみとなり、一点鎖線Jを挟んで下流側が搬送部341とバッファ部342とを備える構成となる。
一点鎖線Jよりも下流側では搬送部341からバッファ部342へと供給スクリュ304の回転によって現像剤が供給される。このとき、搬送部341からバッファ部342へ移動する現像剤の移動方向は供給スクリュ304の軸線方向(図中矢印D4と平行な方向)に対して直交する方向ではなく、図16(b)中の矢印Hで示すように斜め方向となる。
このように現像剤が移動するバッファ部342の上流側端部を形成するケーシングの内壁面(バッファ部上流側端面342f)が、図16(b)に示すように、供給スクリュ304の軸線方向に対して直交する面であると、図16(b)中の領域γでは現像剤の移動が生じにくい。このため、領域γでは現像剤が滞留し、凝集してしまう。
【0014】
バッファ部342内で現像剤が凝集し、現像剤規制部材303による現像剤の規制部を通過できない大きさとなると、汲み上げ不良が生じ、画像としては白スジが発生してしまう。
そして、特許文献1や特許文献2のように、供給搬送路の上流側端部近傍で現像剤の搬送速度が速く設定されている構成では、図16中のγで示す領域が下流側に長くなり、現像剤の凝集に起因する白スジが発生し易くなるという問題が生じた。
このような問題は、供給搬送路の上流側端部近傍で現像剤の搬送速度が速く設定されている構成に限るものではなく、供給搬送路の搬送方向の途中から搬送部からバッファ部への現像剤の供給が開始される現像装置であれば生じ得る問題である。
【0015】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、供給搬送路の搬送方向の途中から搬送部からバッファ部への現像剤の供給が開始される構成で、バッファ部の上流側端部で現像剤が凝集することを抑制することが出来る現像装置、並びにこの現像装置を備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、現像剤を表面上に担持して回転し、潜像担持体と対向する現像領域で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、該現像剤担持体に現像剤を供給しながら該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送する供給搬送路と、該供給搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する供給搬送部材と、該供給搬送路の搬送方向下流端に到達した現像剤を該供給搬送路の搬送方向上流端に搬送する循環搬送路と、該循環搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する循環搬送部材とを有し、該供給搬送路は、該供給搬送部材によって現像剤に搬送力が直接付与される空間である搬送部と、該搬送部に対して該軸線方向に直交する方向に隣接し、該供給搬送部材によって現像剤に搬送力が直接付与されない空間であって、該搬送部から該現像剤担持体に供給する前の現像剤を一時的に溜めるバッファ部とを備え、該供給搬送路の搬送方向の途中から該バッファ部が形成されている現像装置において、該バッファ部の上流側端部を形成するバッファ部上流側端面が、搬送方向下流側ほど上記搬送部から離れるように、上記軸線方向に対して傾斜した傾斜面であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、バッファ部上流側端面が、傾斜面であることにより、バッファ部上流側端面が軸線方向に対して直交する面である場合に比べて、バッファ部への現像剤の供給を円滑にし、バッファ部上流側端面近傍における現像剤の滞留を抑制し、バッファ部の上流側端部で現像剤が凝集することを抑制することが出来るという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態の現像装置の特徴部の説明図、(a)は、現像装置の断面説明図、(b)は、供給搬送路の上流側端部近傍の拡大上面図。
【図2】本実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図3】作像装置の概略構成図。
【図4】法線磁束密度分布を追記した現像装置及び感光体の説明図。
【図5】現像ローラの回転軸方向に平行な断面の断面説明図。
【図6】現像装置の主要部の内部斜視図。
【図7】現像装置の主要部の外観斜視図。
【図8】現像容器中の現像剤の流れを説明する模式図。
【図9】現像装置の軸線方向の平行な断面図。
【図10】供給搬送路の上部ケーシングを外した状態の現像装置の上面図。
【図11】供給搬送路の上流側端部近傍の拡大斜視図。
【図12】供給搬送路の上流側端部近傍を図11とは異なる角度から見た拡大斜視図。
【図13】スクリュ部材の断面説明図、(a)はテーパースクリュ、図(b)はノンテーパースクリュ。
【図14】バッファ部上流側端底面が傾斜した構成の説明図、(a)は、搬送部からバッファ部に向かう方向にかけて低くなるように傾斜している構成の説明図、(b)は、搬送方向下流側ほど低くなるように傾斜している構成の説明図。
【図15】バッファ部上流側端面が曲面である例の説明図、(a)は、一つ目の例の説明図、(b)は、二つ目の例の説明図。
【図16】従来の現像装置の説明図、(a)は、現像装置の断面説明図、(b)は、供給搬送路の上流側端部近傍の拡大上面図。
【図17】二つの現像剤攪拌搬送部材を現像ローラから離れる方向に並べて配置した現像装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を画像形成装置としてのプリンタ(以下、プリンタ100という)に適用した実施形態について説明する。
図2は、プリンタ100の概略構成図である。プリンタ100は、タンデム方式を採用してフルカラー画像を形成可能なカラー画像形成装置であり、ブラック、マゼンタ、イエロー、シアン(以下、K,M,Y,Cと記す)の各色トナー像を形成する作像装置17(K,M,Y,C)を備えている。これらの作像装置17(K,M,Y,C)の下方には、下流側張架ローラ18及び上流側張架ローラ19に掛け回されて転写紙Pを表面に担持して搬送し、各作像装置17(K,M,Y,C)の対向しながら表面移動する転写搬送ベルト15が配設されている。転写搬送ベルト15を挟んで各作像装置17(K,M,Y,C)と対向する転写バイアスローラ5(K,M,Y,C)を備えている。
この作像装置17は、プロセスカートリッジとして、プリンタ100本体に対して着脱可能となっている。
【0020】
また、転写搬送ベルト15による転写紙搬送方向について下流側張架ローラ18よりも下流側には、転写搬送ベルト15から分離した転写紙P上の未定着トナーを定着する定着装置24を備えている。また、プリンタ100の本体上部には、定着装置24を通過しトナー像が定着した転写紙Pを積載するための排紙トレイ25を備えている。
【0021】
転写搬送ベルト15の下方には、転写紙Pを収容する複数の給紙カセット20を備えている。また、転写搬送ベルト15と作像装置17(K,M,Y,C)とが対向する転写領域に各給紙カセット20から転写紙Pを供給する転写紙供給手段としての給紙搬送装置26と、給紙カセット20から搬送されてきた転写紙Pを作像装置17(K,M,Y,C)による作像タイミングに合わせて供給するレジストローラ対23とを備えている。
【0022】
なお、図2ではプリンタ100が図2中の左右方向において小型になるよう、転写搬送ベルト15が斜め方向に配設され、矢印Aで示す転写紙Pの搬送方向が斜め方向となっている。これにより、プリンタ100は、図2中の左右方向における筐体の幅が、A3サイズの転写紙長手方向の長さよりも僅かに長い大きさとなっている。すなわち、プリンタ100は、内部に転写紙を収容するために最低限必要な大きさとされることで大幅に小型化されている。
【0023】
各作像装置17(K,M,Y,C)は、潜像担持体としてドラム状の感光体1(K,M,Y,C)を有している。この感光体1(K,M,Y,C)の回転方向に関して順に、それぞれ帯電装置2(K,M,Y,C)、現像装置3(K,M,Y,C)、クリーニング装置6(K,M,Y,C)、等を有している。また、帯電装置2(K,M,Y,C)と現像装置3(K,M,Y,C)との間で書込光Lを露光装置16(K,M,Y,C)から照射される周知の構成である。感光体1(K,M,Y,C)はドラム状でなく、ベルト状としても良い。
【0024】
このような構成のプリンタ100では、画像形成スタートとともに、各作像装置17(K,M,Y,C)で各色トナー像が形成される。各作像装置17(K,M,Y,C)では、感光体1(K,M,Y,C)が、図示されないメインモータにより回転駆動され、帯電装置2(K,M,Y,C)によって一様帯電された後、露光装置16(K,M,Y,C)より、画像を色分解した色毎の画像情報に応じて書込光Lが照射され、静電潜像が形成される。感光体1(K,M,Y,C)上に形成された静電潜像は、現像装置3(K,M,Y,C)により現像され、各感光体1(K,M,Y,C)の表面上に各色トナー像が形成される。一方、複数ある給紙カセット20のうちの1つから給紙搬送された転写紙Pは、レジストローラ対23によって作像装置17(K,M,Y,C)による作像タイミングに合わせて、転写搬送ベルト15の表面上に供給される。そして、転写搬送ベルト15に担持された転写紙Pは転写搬送ベルト15の表面移動によって各色の転写領域に搬送される。
【0025】
各感光体1(K,M,Y,C)上に形成されたトナー像は、感光体1(K,M,Y,C)と転写搬送ベルト15との対向部で転写バイアス手段である転写バイアスローラ5(K,M,Y,C)によって転写搬送ベルト15上に担持された転写紙Pに順次転写される。このようにしてK(黒)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、C(シアン)の順で各感光体1(K,M,Y,C)上に形成されたトナー像が転写され、重ね合わせカラートナー像が転写紙P上に形成される。トナー像を転写された転写紙Pは、転写搬送ベルト15から分離され、定着装置24に搬送され、トナー像が定着されて機外の排紙トレイ25に排出される。
一方、転写紙P上にトナー像を転写した後の感光体1(K,M,Y,C)は、クリーニング装置6(K,M,Y,C)によって転写残トナーの除去がなされ、必要に応じて図示しない除電ランプで除電された後、再度、帯電装置2(K,M,Y,C)で一様に帯電される動作を繰り返す。
図2に示すプリンタ100では、転写搬送ベルト15の搬送方向に沿って搬送方向上流側から、K(黒)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、C(シアン)の順に四つの作像装置17(K,M,Y,C)が配置されているが、各色の作像装置17(K,M,Y,C)を配置する順序はこの限りではない。例えば、黒用の作像装置17Kを搬送方向最下流側に配置し、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、C(シアン)、K(黒)の順に四つの作像装置17(M,Y,C,K)を配置してもよい。
【0026】
次に、作像装置17について詳しく説明する。本実施形態のプリンタ100の作像装置17(K,M,Y,C)は、現像装置3内の画像形成物質として、互いに異なる色(K,M,Y,C)のトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。このため、以下、添字K,M,Y,Cを省略し、作像装置17として説明する。
【0027】
図3は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な現像装置3を含む作像装置17の概略構成図である。
現像装置3は感光体1に対向配置され、感光体1は図3中矢印aに示すように図3における時計回り方向に回転駆動する。
感光体1の上方、時計の文字盤で表現すれば図3中の感光体1の略12時の位置に帯電装置2が配置されている。帯電装置2は本例では感光体1と同じ表面移動速度で回転される回転体からなるが、回転体に限らずコロナ放電タイプでもよい。
【0028】
この帯電装置2により感光体1の表面は暗中で一様に帯電された後、書き込み手段である露光装置16からの書込光Lの照射を受けて静電潜像が形成される。この静電潜像は感光体1の回転と共に下流側に移動し現像装置3に至る。現像装置3は感光体1の右横に配置されている。
現像装置3はケーシング301内に、現像剤320を撹拌搬送する供給スクリュ304及び回収スクリュ305、現像ローラ302などの回転部材及びその他の部材を具備している。
現像ローラ302は図3中の感光体1の2時と3時との間の位置(2時半の位置)で感光体1に近接して対向させることで現像領域Gを構成するようにして近接配置されている。この感光体1との対向部位に相当するケーシング301の部位は現像ローラ302を露出させるため開口している。
【0029】
現像ローラ302が図3中の矢印b方向に表面移動することにより、ケーシング301内の現像剤320は現像ローラ302の表面上に担持・搬送され、現像領域Gへ搬送されるようになっている。現像領域Gで感光体1の表面に形成されている静電潜像に現像剤320中のトナーが付着してトナー像として顕像化される。
このトナー像は感光体1の回転と共に感光体1の表面移動方向下流側に移動し、転写装置の転写バイアスローラ5との対向部である転写領域Rに至る。転写バイアスローラ5は、感光体1の下方、図3中の感光体1の6時の位置に配置されている。本実施形態の転写装置は、転写部材として回転体からなる転写バイアスローラ5を備える構成であるが、転写部材としては回転体に限らずコロナ放電タイプでもよい。
【0030】
感光体1上のトナー像は転写領域Rにおいて転写紙Pに転写され、転写紙P上の画像となる。本実施形態のプリンタ100は、感光体1上に形成したトナー像を転写紙Pに直接転写する構成である。感光体1上に形成したトナー像を転写紙Pに転写する構成としては、感光体上のトナー像を中間転写体(中間転写ベルトなど)に一旦転写し、中間転写体上で各色トナー像を重ね合わせて多色トナー像を形成し、その後多色トナー像を一括して転写紙に転写する中間転写体方式の画像形成装置にも本発明の現像装置は適用可能である。この場合は、転写領域Rで感光体上のトナーを中間転写体(中間転写ベルト)に転写することになる。
【0031】
転写領域Rを通過した感光体1表面は感光体1の回転に伴い、その表面移動方向下流側へ移動してクリーニング装置6との対向部に至る。
クリーニング装置6は図3中の感光体1に対して10時の位置に配置されている。クリーニング装置6は、転写領域Rで転写紙Pに転写し切れずに感光体1の表面に残ったトナーを、クリーニングブレード601により除去する。クリーニング装置6との対向部を通過した感光体1の表面は、その後、帯電装置2により一様に帯電され、次の画像形成工程を繰り返す。
【0032】
次に、現像装置3について詳しく説明する。
図3に示すように、現像装置3は、ケーシング301の内部に現像ローラ302、供給スクリュ304、回収スクリュ305、現像剤規制部材303を有し、現像剤320を撹拌搬送して循環させている。本実施形態の現像装置3では、現像剤搬送部材として、回転軸部に螺旋形状のスクリュ羽部を固定したスクリュ部材からなる供給スクリュ304及び回収スクリュ305を用いており、スクリュ羽部の外径が16[mm]以下のものを用いている。
【0033】
図4は、現像ローラ302回りに形成される磁界の法線磁束密度分布を追記した現像装置3及び感光体1の説明図である。
図4に示すように、現像ローラ302は、円周方向に複数の磁石MG(図の煩雑化防止のため1個についてのみ符号で示す。)を配置したマグネットローラ302dを内部に有し、その周囲を円筒状の現像スリーブ302cが回転軸302eと一体的に回転する構成となっている。
本実施形態の現像装置3は、小型化のために現像ローラ302として直径が14[mm]以下のものを使用している。
【0034】
現像スリーブ302cはアルミ等の非磁性の金属で形成されている。マグネットローラ302dは、各磁石MGが所定の方向を向くように不動部材、例えば、ケーシング301に固定されており、その周囲を現像スリーブ302cが回転して、磁石MGによって引き付けた現像剤320を搬送していく。
【0035】
図5は、現像ローラ302の回転軸方向に平行な断面の断面説明図である。
図5に示すように、現像ローラ302は、不動部材であるケーシング301に固定されている固定軸302aと、この固定軸302aに一体的に形成され、円柱状をしたマグネットローラ302dと、マグネットローラ302dのまわりをギャップを介して覆っている現像スリーブ302cと、この現像スリーブ302cに一体的に構成された回転軸302e等からなる。固定軸302aに対して回転軸302eは軸受302fを介して回転自在であり、回転軸302eは図示省略の回転駆動手段から動力を伝達されて回転駆動される。
マグネットローラ302dの外周部には、図5に示すように所定の間隔をおいて複数の磁石MGが固定されている。これらの磁石MGの周囲を現像スリーブ302cが回転する構成となっている。
【0036】
マグネットローラ302dに配置された複数の磁石MGは、現像スリーブ302cの周表面に現像剤320を穂立ちさせ、また穂切りなどさせるように磁界を形成するためのものである。これらの磁石MGから発せられる法線方向磁力線に沿うように、磁性のキャリアが集合して磁気ブラシが形成される。
マグネットローラ302dとしては種々の構成が適用可能であるが、本実施形態の現像装置3では、図4に示すように、現像スリーブ302cの内部に5つの磁石MGを有し、5つの磁極MP(磁力分布)が生じるマグネットローラ302dを備える。
図4に示すように、現像ローラ302の中心である現像ローラ中心線O−1と感光体1の中心である感光体中心O−2とを結ぶ仮想直線上で、感光体1と対向する位置に磁石MGを配置し、現像領域Gにおける現像磁極MP1を形成する。さらに、現像磁極MP1に対して図4中の反時計回り方向に、ケーシング対向極MP2、回収対向極MP3、現像剤規制部材対向極MP4及び搬送極MP5のそれぞれの磁極MPを形成する位置に磁石MGが配置されている。
【0037】
本実施形態の現像装置3では、現像磁極MP1から反時計回り方向に、N、S、N、N、S極としているが、これらは各極が反対の極性であっても構わない。現像ローラ302上で、各極はその中心が、現像磁極MP1は時計文字盤の8時、ケーシング対向極MP2は同7時、回収対向極MP3は同5時、現像剤規制部材対向極MP4は同1時の各位置に略位置している。
【0038】
現像装置3では、現像ローラ302と感光体1とは現像領域Gで直接には接触せずに、現像に適する一定の間隔、現像ギャップGP1を保持して対向している。
現像ローラ302上において、現像剤320を穂立ちさせ、現像剤320を感光体1に接触させることで、感光体1表面の静電潜像にトナーを付着させて顕像化する。
【0039】
この現像装置3では、図4に示すように、固定軸302aには接地されたバイアス用の電源VPが接続されている。固定軸302aに接続された電源VPの電圧は、図5に示していない導電性の軸受、導電性の回転軸302eを経て現像スリーブ302cに印加される。一方、図4において、感光体1を構成する最下層の導電性支持体31は接地されている。
このようにして、現像領域Gには、キャリアから離脱したトナーを感光体1側へ移動させる電界が形成され、現像スリーブ302cと感光体1の表面に形成された静電潜像との電位差によりトナーを感光体1側に向けて移動させることに供している。
【0040】
本実施形態の現像装置3は、露光用の書込光Lで書き込む方式の画像形成装置と組み合わせた例としている。帯電装置2により感光体1上に一様に負極性の電荷を乗せ、書込量を少なくするために画像部を露光用の書込光Lで露光することで、低下した電位の画像部(静電潜像)に負極性のトナーで現像する所謂反転現像方式を採用している。これは一例であり、本発明の現像装置を適用する構成としては、感光体1に乗せる帯電電荷の極性は大きな問題ではない。
【0041】
現像後、ケーシング対向極MP2は現像スリーブ302c上に担持された現像後の現像剤320を現像スリーブ302cの回転と共に下流側に搬送し、ケーシング301内に引き入れる。
ケーシング対向極MP2に対して現像スリーブ302cの回転方向下流側に位置する回収対向極MP3と現像剤規制部材対向極MP4とは同極性としてある。このため、回収対向極MP3と現像剤規制部材対向極MP4との間では、現像剤320を穂立ちさせる磁界が形成されず穂が寝た状態となり、それまで現像ローラ302周囲に引き寄せていた現像剤320を現像ローラ302から引き離す"剤離し"の作用が働く。この穂が寝た状態となる現像ローラ302上の回収対向極MP3と現像剤規制部材対向極MP4との間(磁力分布曲線の山形のピークが他と比べて極めて低い領域)は現像ローラ302から現像剤320を離す、剤離し領域γを形成している。
【0042】
感光体1にトナーを付着させた現像剤320は、現像剤中のトナー濃度が下がっている。このため、仮に、このトナー濃度が低下した現像剤320が現像ローラ302から離れずに再び現像領域Gに搬送され現像に供されると狙いの画像濃度を得ることが出来ないという不具合が生じてしまう。
これを防止するため、現像装置3では、現像後の剤離し領域γで、現像ローラ302から現像剤320を離す。現像ローラ302から離した現像剤320はその後、狙いのトナー濃度、トナー帯電量になるように、ケーシング301内で十分に撹拌混合する。
【0043】
このようにして、狙いのトナー濃度、帯電量にされた現像剤を現像ローラ302に汲み上げるのが現像剤規制部材対向極MP4であり、現像ローラ302上の現像剤規制部材対向極MP4に対応する部分である剤汲み上げ領域10で、現像ローラ302に現像剤320が汲み上げられる。
現像剤規制部材対向極MP4の磁力により現像ローラ302に引き付けられ、汲み上げられた現像剤は現像剤規制部材対向極MP4のピーク位置の直近下流部に位置する現像剤規制部材303を通過することにより、所定の厚さに整えられて、磁気ブラシを形成しながら現像領域Gに搬送される。現像剤規制部材対向極MP4と現像磁極MP1との間に位置する搬送極MP5は現像剤規制部材303を通過後、現像磁極MP1までの間で現像剤320を搬送する機能を担っている。
【0044】
図6は、現像装置3の主要部の内部斜視図であり、図7は、現像装置3の主要部の外観斜視図である。また、図8は、現像装置3を図7中の矢印E方向から見た、ケーシング301内の現像剤320の流れを説明する模式図である。また、図9は、現像装置3を図7中の矢印E方向からみた供給スクリュ304の回転軸近傍の断面説明図である。
図6、図8及び図9中の矢印D1〜D4がケーシング301内の現像剤320の流れを示している。
【0045】
図3及び図4に示すように、供給スクリュ304は現像ローラ302のまわりの位置であって、図3及び図4中の現像ローラ302の2時の方向に配置されている。この位置は現像剤規制部材303との対向部に対して現像ローラ302の表面移動方向上流側でもある。図6及び図9に示すように、供給スクリュ304は回転軸の回りに螺旋状の羽部を設けたスクリュ形状をしており、現像ローラ302の現像ローラ中心線O−1と平行な供給スクリュ中心線O−304を中心に、図3及び図4中の矢印fで示す時計回り方向に回転する。この回転により、図中の矢印D4で示すように、供給スクリュ中心線O−304に沿って現像装置3の長手方向の手前側FSから奥側BSに向けて現像剤320を撹拌しながら搬送する。つまり、供給スクリュ304は回転軸に回転駆動が入力されることにより現像剤320をその軸方向、手前側FSから奥側BSに向けて搬送する。
【0046】
図3及び図4に示すように、回収スクリュ305は現像ローラ302のまわりの位置であって、図3及び図4中の現像ローラ302の4時の方向で、剤離し領域γの近傍に配置されている。図6及び図9に示すように、回収スクリュ305は回転軸の回りに螺旋状の羽部を設けたスクリュ形状をしており、現像ローラ中心線O−1と平行な回収スクリュ中心線O−305を中心に、図3及び図4中の矢印gで示す反時計回り方向に回転する。この回転により、図中の矢印D2で示すように、回収スクリュ中心線O−305に沿って現像装置3の長手方向の奥側BSから手前側FSに向けて現像剤320を撹拌しながら搬送する。つまり、回収スクリュ305は回転軸に回転駆動が入力されることにより現像剤320を供給スクリュ304による搬送方向とは逆向きの奥側BSから手前側FSに向けて搬送する。
【0047】
回収スクリュ305に対して供給スクリュ304は上方に位置する関係となっており、ケーシング301内で供給スクリュ304の周囲の空間である供給搬送路340と、回収スクリュ305の周囲の空間である回収搬送路350とは仕切板306を挟んで隣接している。
図6及び図7に示すように、供給スクリュ304及び回収スクリュ305の手前側端部は現像ローラ302の手前側端部よりも若干手前側に位置するように設定して、現像ローラ302の手前側端部への供給搬送路340内からの現像剤320の供給を確保している。また、供給スクリュ304及び回収スクリュ305の奥側端部は現像ローラ302の奥側端部よりも奥側に位置するように設定している。これにより、後述するトナー補給のためのスペースを確保している。現像剤規制部材303の長手方向の長さは、現像ローラ302の長さに合わせて設定されている。
【0048】
図3、図4、図8及び図9に示すように、供給スクリュ304と回収スクリュ305との間には、供給搬送路340と回収搬送路350とを空間的に仕切る仕切板306がケーシング301の内側に支持されている。この仕切板306の長手方向両側端部には、それぞれ連通口(41及び42)が設けられている。
回収スクリュ305によって長手方向の奥側BSから手前側FS(図中矢印D2方向)に搬送された現像剤320は、その搬送方向端部でケーシング301の側壁で進路を絶たれるため側壁に沿って盛り上がる。この盛り上がりによって、回収搬送路350内の搬送方向下流側端部に到達した現像剤320は、上述した仕切板306の長手方向両側端部に設けられた連通口のうちの長手方向手前側端部に設けられた持ち上げ口41を通過し(図中矢印D3)、供給搬送路340に受け渡される。
【0049】
供給搬送路340に受け渡された現像剤320は、供給スクリュ304によって供給搬送路340内を長手方向の手前側FSから奥側BS(図中矢印D4方向)に搬送される。
回収搬送路350の場合と同様に、供給スクリュ304によって長手方向の手前側FSから奥側BS(図中矢印D4方向)に搬送された現像剤320は、その搬送方向端部でケーシング301の側壁で進路を絶たれる。供給搬送路340内の搬送方向下流側端部に到達した現像剤320は、上述した仕切板306の長手方向両側端部に設けられた連通口のうちの長手方向奥側端部に設けられた落下口42より落下し、回収搬送路350に受け渡される。
【0050】
このように、現像装置3は、現像ローラ302、供給スクリュ304、回収スクリュ305及び仕切板306等を備える構成である。現像ローラ302は、現像剤320を担持して回転し感光体1に形成された静電潜像を可視像化するものである。供給スクリュ304は、現像ローラ302の現像ローラ中心線O−1に平行な供給スクリュ中心線O−304を中心に回転し、この供給スクリュ中心線O−304に沿って現像装置3の長手方向に現像剤320を撹拌しつつ搬送する。回収スクリュ305は、現像ローラ302から現像剤320を離す剤離し領域γの近傍に配置され、現像ローラ中心線O−1と平行な回収スクリュ中心線O−305を中心に回転し、供給スクリュ304が現像剤320を搬送する方向とは反対方向に現像剤320を撹拌しつつ搬送する。
また、仕切板306は、供給スクリュ304と回収スクリュ305との間であって、供給搬送路340と回収搬送路350との空間を仕切り、長手方向の両端部にそれぞれ連通口を有する。このような構成により、現像装置3は、図中の矢印D1〜D4に沿った現像剤320の循環経路を形成する。
【0051】
また、本実施形態の現像装置3内で現像剤320を循環させる現像剤撹拌搬送部材(304及び305)が現像ローラ302の横に上下に二本並べて配置される。
従来の現像装置3としては、図17に示すように2つの現像剤攪拌搬送部材(供給回収スクリュ404、循環スクリュ405)を現像ローラ302から離れる方向(水平方向)に2つ並べて配置する構成のものがある。このように、2つの現像剤攪拌搬送部材を水平方向に並べて配置する構成にくらべて、本実施形態の現像装置3は、装置の横方向(水平方向)の大きさを小さくすることができる。
また、本実施形態の現像装置3は、仕切板306により供給搬送路340と回収搬送路350との空間が仕切られている。このため、現像ローラ302に対しては供給スクリュ304により、トナーとキャリアを十分に撹拌混合された現像剤320のみが供給され、現像直後のトナー濃度の下がった現像剤320は専ら回収スクリュ305により撹拌搬送され、直ぐに現像ローラ302に供給されることがない。よって、狙いの帯電量を持ったトナーを含み、狙いのトナー濃度となった現像剤320だけが現像ローラ302に供給され、現像に用いられることとなるため、高画質を得ることができる。
このように、本実施形態の現像装置3は、水平方向のコンパクト化を図りつつ、高画質を得ることができる。
【0052】
回収スクリュ305としては、その搬送方向下流側端部近傍の持ち上げ口41に対応する範囲で、スクリュ部に代えて、回収スクリュ305の軸部305Jについて軸心(回収スクリュ中心線O−305)から法線方向に板状に延びる複数枚の羽根状部材を設けた構成としてもよい。このように、回収スクリュ305の持ち上げ口41に対応する範囲に羽根状部材を設ける構成とすることで、回収スクリュ305の回転に伴った持ち上げ口41の下方から現像剤320を上方に跳ね上げ、回収搬送路350から供給搬送路340への現像剤320の受け渡しを補助することができる。
【0053】
次に、現像装置3におけるトナー補給について説明する。
現像装置3内の現像剤320は、現像動作を繰り返す内にトナーが消費されていくため、現像装置3の外部から装置内の現像剤320に対してトナーを補給する必要がある。本実施形態の現像装置3は、長手方向の奥側BSの端部近傍にトナー補給口309を備え、このトナー補給口309より図8及び図9中の矢印Tでしめすように、外部からのトナーの補給を行う。本実施形態の現像装置3では長手方向の奥側BSの端部近傍は、現像ローラ302に現像剤を供給する供給搬送路340内の搬送方向下流側端部近傍となるため、トナー補給口309より補給されたトナーが直ちに現像に供されることはなく、落下口42を通過して回収搬送路350に供給されることとなる。
【0054】
回収搬送路350に供給されたトナーは回収スクリュ305で現像剤320と混合・撹拌され、所定のトナー濃度となった現像剤320に含有された状態で、持ち上げ口41から供給搬送路340へと受け渡され、現像に供される。また、回収スクリュ305を配置した回収搬送路350は、現像ローラ302の表面から離脱した現像剤320を回収して搬送するものであり、現像ローラ302への現像剤320の供給は行わない。このため、トナー補給口309から新しくトナーが補給されたことにより十分に撹拌されていない、トナー濃度が不均一な状態の現像剤320が現像に供されることを防止できる。
【0055】
トナー補給口309から補給されたトナーは、落下口42を通過して回収搬送路350に供給され、現像ローラ302から離脱してトナー濃度の低下して回収搬送路350に回収された現像剤320とともに、回収スクリュ305によって撹拌混合されながら長手方向の手前側FS(図中矢印D2方向)に向けて搬送される。新たに補給されたトナー及びトナー濃度が低下した現像剤320は、回収搬送路350内の搬送方向下流側端部である現像装置3の手前側FSの端部に搬送されるまでの間に、トナー濃度が正常化され、持ち上げ口41から供給搬送路340へと受け渡される。供給搬送路340では、現像剤320は、供給スクリュ304によって現像装置3の長手方向の奥側BS(図中矢印D4方向)に搬送されながら現像ローラ302に供給され現像に使用される。
【0056】
また、現像装置3の下部にはトナー濃度センサ201がある。このセンサは透磁率を測定するセンサであり、現像剤のキャリア濃度(=100−トナー濃度)を検知することができる。さらに検知したキャリア濃度からセンサ上にあるトナー濃度が適正化不足しているかを判断し、補給するトナーの量を決めている。
このトナー濃度センサ201は回収スクリュ305の搬送方向下流側端部に近い位置に配置することが望ましい。
【0057】
供給搬送路340内の現像剤320は、供給スクリュ304により奥側BSの端部まで搬送される間に、現像に使用され、使用された現像剤は回収搬送路350に受け渡される。このため、回収搬送路350内の現像剤は、回収スクリュ305の搬送方向下流側となる手前側FSに溜まる傾向にある。そのためトナー濃度センサ201を回収スクリュ305の下流側に配置することで、トナー濃度センサ201上方には現像剤320が常に充填しており、安定したキャリア濃度検知が可能となる。
【0058】
次に、本実施形態の現像装置3の特徴部について説明する。
図10は、供給搬送路340の上部ケーシングを外した状態の現像装置3の上面図である。
図1は、現像装置3の特徴部の説明図であり、図1(a)は、現像装置3の断面説明図であり、図1(b)は、現像装置3における供給搬送路340の上流側端部近傍の拡大上面図である。図11は、供給搬送路340の上流側端部近傍の拡大斜視図であり、図12は、供給搬送路340の上流側端部近傍を図11とは異なる角度から見た拡大斜視図である。また、図1(a)は、図1(b)におけるK−K断面の断面図である。
【0059】
図1に示すように、供給搬送路340は、現像剤搬送部材である供給スクリュ304によって現像剤に搬送力が付与される搬送部341と、現像ローラ302へ供給する現像剤を溜めておくバッファ部342とに区別される。供給スクリュ304は、図1中の矢印Hで示すように、搬送部341からバッファ部342へ現像剤を供給しながら、図1中の矢印D4で示すように搬送部341内の現像剤を上流から下流へ向けて現像剤を搬送する。
そして、本実施形態の現像装置3は、バッファ部342の上流側端部を形成するケーシングの内壁面であるバッファ部上流側端面342fが、図1(b)に示すように、供給スクリュ304の軸線方向に対して水平方向について傾斜した傾斜面となっている。
【0060】
ここで、本実施形態の特徴部を備えない従来の現像装置3について説明する。
図16は、従来の現像装置3の説明図であり、図16(a)は、現像装置3の断面説明図であり、図16(b)は、現像装置3における供給搬送路340の上流側端部近傍の拡大上面図である。
図16中の矢印D4及び矢印Hが現像剤320の動きを示している。矢印D4で示すように、現像剤320は、供給搬送路340の上流側(図中右側)から下流側(図中左側)に向けて供給スクリュ304によって搬送される。
【0061】
図16(b)に示すように、バッファ部342は現像ローラ302の長手方向に渡り、上部に位置し、供給スクリュ304から現像剤320の供給をうける。供給スクリュ304は現像剤320を軸線方向に搬送するため、バッファ部342への現像剤320の供給は、図16中の矢印Hで示すように、自然と斜め方向となる。
このため、バッファ部342の最上流側端部の領域γでは、搬送部341からの現像剤320の現像剤の流れが生じがたく、供給不良、もしくは、供給を受けても現像剤320の動きが小さいため、滞留し、ひいては凝集してしまう。凝集した現像剤320は、バッファ部342から現像ローラ302へ落下しにくくなるため、供給不良によるスジ等の異常画像の発生につながる。
【0062】
このような従来の現像装置3に対して本実施形態の現像装置3は、図1、図11及び図12に示すように、バッファ部上流側端面342fが、搬送方向下流側ほど搬送部341から離れるように、供給スクリュ304の軸線方向I(供給スクリュ中心線O−304に平行な方向)に対して水平方向について傾斜した傾斜面となっている。
また、バッファ部上流側端面342fは平面状のテーパー面であり、現像装置3は、軸線方向Iとテーパー面とが成すテーパー角の角度βが、供給スクリュ304のねじれ角の角度αよりも小さい構成となっている。
ここで、ねじれ角は、供給スクリュ304を鉛直上方から見たときの供給スクリュ中心線O−304と交差する位置の供給スクリュ304の羽部の接線Mと供給スクリュ中心線O−304とが成す角である。
【0063】
搬送部341からバッファ部342へのつなぎ目が直角(もしくはテーパーが小さい構成)であると、この直角部分の搬送方向下流側近傍部分の現像剤320が供給されにくく、現像剤320が滞留してしまう。滞留した現像剤320は凝集しやすく、汲み上げ不良になり、画像上では白スジとなってしまう。これに対して、本実施形態の現像装置3は、図1、図11及び図12に示すように、搬送部341からバッファ部342へのつなぎ目が直角ではなく、テーパーをつけることで、現像剤320が流れやすくなっている。また、図1に示すテーパー角の角度βは、現像剤320の流れを阻害しないように、供給スクリュ304のねじれ角の角度αよりも小さくすると良い。
【0064】
現像装置3の供給スクリュ304は、矢印fで示す方向に回転している。供給スクリュ304が、矢印f方向に回転することで、供給搬送路340内の現像剤320を現像スリーブへすくい上げる方向に回転するようになり、逆方向に回転するよりも、現像剤320を現像スリーブ302cへ供給し易くなる。
【0065】
現像装置3は、供給搬送路340から現像ローラ302に供給され、現像領域Gを通過した現像ローラ302上の現像剤は、現像ローラ302から供給搬送路340に受け渡されず、回収搬送路350へと受け渡される。このように、現像装置3は、現像ローラ302に現像剤320を供給する搬送路と、現像ローラ302から現像剤320を回収する搬送路とを分けている。これは現像ローラ302に供給する現像剤320は常に供給搬送路340から供給し、一度、現像領域Gを通過した現像剤320は回収搬送路350で回収された後、トナー補給後に撹拌され、供給搬送路340に運ばれるまでは再び現像ローラ302に供給されない構成となっている。このような構成にすると現像ローラ302に供給する現像剤320は常に同じトナー濃度とすることができるため、画像濃度が現像ローラ302の長手方向で常に一定に保つことができる。
【0066】
本実施形態の現像装置3が備える供給スクリュ304は、2枚の螺旋状の羽部を供えた2条のスクリュである。このように、螺旋状の羽部を2条とすることにより、1条のものよりも現像剤320の搬送効率が向上する。1条のスクリュでは、ピッチを広くする、もしくは回転数をあげることで搬送性を向上させるが、ピッチを広くしすぎると、スクリュの羽が軸に対して寝てくるため、軸方向への搬送効率が落ちてしまう。その場合、ねじれ角の角度αが小さくなるため、テーパー角の角度βを更に小さくしなくてはならない。軸方向への搬送力が小さい上に、他に比べ現像剤に対して搬送力を加えにくいテーパー面であるバッファ部上流側端面342fと対向する領域(テーパー部)が広くなると、テーパー部で剤が滞留しやすくなってしまう。
【0067】
また、回転数を上げると、温度上昇に不利となってしまう。
2条などの複数条にすることで、現像剤320を搬送する羽が増えるため、搬送効率が向上し、また、ねじれ角の角度αも小さく出来るため、テーパー角の角βも小さく出来、上述したのような不具合を発生させることがない。
【0068】
また、複数条にすることで羽間のピッチを小さく出来るため、現像剤320の搬送ムラによる異常画像を防ぐことができる。供給スクリュ304の回転数を必要以上に上げることがないため、軸受、シール部材への負荷を低減し、長寿命化することができる。さらに、温度が上昇することによる、現像剤の固化、凝集を防ぐことができ、異常画像の防止も可能である。また、現像剤担持体である現像ローラ302上の現像剤320のトナー濃度を常に適切に保つことができるため、濃度ムラのない均一な画像が作成可能であり、異常画像の無い長寿命の現像装置を提供する事が出来る。
【0069】
図13は、供給スクリュ304に適用可能なスクリュ部材の中心軸を通る断面の断面説明図である。図13(a)はテーパースクリュの断面説明図であり、図13(b)はノンテーパースクリュの断面説明図である。
供給スクリュ304としては、図13(b)に示すノンテーパースクリュの方が好ましい。ノンテーパースクリュを用いると、スクリュ部材の羽が搬送方向に対し立た状態となるため、現像剤320の直進性が増し搬送効率を高めることが出来る。
現像装置3のように、現像領域Gを通過した現像剤が回収搬送路350に受け渡される構成の供給搬送路340では、現像剤量が下流側ほど少なくなるため供給搬送路340では出来るだけ速く現像剤320を搬送することが望まれる。このため、供給スクリュ304としてはテーパースクリュよりも搬送力の向上を図ることが出来るノンテーパースクリュの方が好ましい。
【0070】
また、テーパースクリュの場合、羽部の搬送面が外周方向に傾斜しているため、軸線方向に直行する方向の力が働きやすい。テーパー面であるバッファ部上流側端面342f近傍の現像剤320に対して供給スクリュ304から軸線方向に直行する方向の力が作用すると、バッファ部上流側端面342fで現像剤320が押し固められて凝集が発生するおそれがある。これに対して、軸線方向に直行する方向の力が働きにくいノンテーパースクリュを用いることにより、軸線方向に直交する方向に働くベクトルが減るため、現像剤320の押し固めを防止することができる。
【0071】
バッファ部上流側端面342fの下端が接するバッファ部上流側端底面342bは、水平面でも良いが、傾斜面であっても良い。
図14は、バッファ部上流側端底面342bが傾斜した構成の説明図である。
図14(a)は、バッファ部上流側端底面342bが、搬送部341からバッファ部342に向かう方向(図14中の右から左に向かう方向)にかけて低くなるように傾斜している構成の説明図である。このように傾斜させることによって、直接的な搬送力の付与が行われないバッファ部上流側端底面342bの上方にある現像剤320を重力によってバッファ部342に向けて移動させることができる。
【0072】
図14(b)は、バッファ部上流側端底面342bが、搬送方向下流側ほど低くなるように傾斜している構成の説明図である。このように傾斜させることによって、直接的な搬送力の付与が行われないバッファ部上流側端底面342bの上方にある現像剤320を重力によってバッファ部342に向けて移動させることができる。
【0073】
上述した実施形態の現像装置3では、バッファ部上流側端面342fが軸線方向に対して傾斜した平面であるテーパー面である構成について説明した。バッファ部上流側端面342fの形状としては、バッファ部上流側端面342fが、搬送方向下流側ほど搬送部341から離れるように傾斜していれば、図15(a)や図15(b)に示すように、曲面であってもよい。しかし、上述した実施形態のように、バッファ部上流側端面342fを平面からなるテーパー面とすることで、加工が容易であるので、バッファ部上流側端面342fを傾斜面とすることによる加工コストの上昇を抑制することができる。
【0074】
本実施形態では、本発明の特徴部を有する現像装置3を、タンデム式のフルカラー画像形成装置であるプリンタ100に適応した構成について説明した。本発明の現像装置3は、単色の画像形成装置においても適用可能である。
【0075】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
〔態様A〕
現像剤を表面上に担持して回転し、感光体1などの潜像担持体と対向する現像領域で潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像ローラ302などの現像剤担持体と、現像剤担持体に現像剤を供給しながら現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送する供給搬送路と、供給搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する供給スクリュ304などの供給搬送部材と、供給搬送路の搬送方向下流端に到達した現像剤を供給搬送路の搬送方向上流端に搬送する回収搬送路350などの循環搬送路と、循環搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する回収スクリュ305などの循環搬送部材とを有し、供給搬送路は、供給搬送部材によって現像剤に搬送力が直接付与される空間である搬送部と、搬送部に対して軸線方向に直交する方向に隣接し、供給搬送部材によって現像剤に搬送力が直接付与されない空間であって、搬送部から現像剤担持体に供給する前の現像剤を一時的に溜めるバッファ部とを備え、供給搬送路の搬送方向の途中からバッファ部が形成されている現像装置において、バッファ部の上流側端部を形成するバッファ部上流側端面が、搬送方向下流側ほど搬送部から離れるように、軸線方向に対して傾斜した傾斜面である。これよれば、上記実施形態について説明したように、バッファ部上流側端面が、傾斜面であることにより、バッファ部上流側端面が軸線方向に対して直交する面である場合に比べて、バッファ部への現像剤の供給を円滑にし、バッファ部上流側端面近傍における現像剤の滞留を抑制し、バッファ部の上流側端部で現像剤が凝集することを抑制することが出来るという優れた効果がある。
〔態様B〕
〔態様A〕において、傾斜面であるバッファ部上流側端面は、平面状のテーパー面である。これによれば、上記実施形態について説明したように、傾斜面を曲面とするものに比べてバッファ部上流側端面を傾斜面とすることによる加工コストの上昇を抑制することができる。
〔態様C〕
〔態様B〕において、供給搬送部材は、回転軸と回転軸に螺旋状に設けられた羽部とを備え、回転することにより該回転軸の軸方向に現像剤を搬送するスクリュ部材からなる供給スクリュであり、軸線方向とテーパー面とが成すテーパー角(実施形態の角度β)が、供給スクリュのねじれ角(実施形態の角度α)よりも小さい。これによれば、上記実施形態について説明したように、このテーパー角度βがねじれ角の角度αよりも大きい構成に比べて、現像剤320の流れが阻害されず、より確実に凝集の発生を抑制できる。
〔態様D〕
〔態様C〕において、供給スクリュは、多条スクリュである。これによれば、これによれば、上記実施形態について説明したように、現像剤の搬送性を向上させることに加え、羽間のピッチを小さくし、現像剤の搬送ムラによる異常画像を防ぐ。
〔態様E〕
〔態様C〕または〔態様D〕において、供給スクリュは、ノンテーパースクリュである。これによれば、上記実施形態について説明したように、供給搬送路内の現像剤の直進性があがり現像剤の搬送効率の向上することができる。
〔態様F〕
〔態様A〕乃至〔態様E〕の何れか一つの態様において、バッファ部上流側端面の下端が接するバッファ部上流側端底面342bなどの底面は、搬送部からバッファ部に向かう方向にかけて低くなるように傾斜させる。これによれば、上記実施形態について説明したように、底面の上方にある現像剤を重力によってバッファ部に向けて移動させることができ、現像剤を現像ローラ側へスムーズに流すことができる。
〔態様G〕
〔態様A〕乃至〔態様F〕の何れか一つの態様において、バッファ部上流側端面の下端が接するバッファ部上流側端底面342bなどの底面は、搬送方向下流側ほど低くなるように傾斜させる。これによれば、上記実施形態について説明したように、底面の上方にある現像剤を重力によってバッファ部に向けて移動させることができ、現像剤を現像ローラ側へスムーズに流すことができる。
〔態様H〕
少なくとも感光体1などの潜像担持体と、潜像担持体表面を帯電させるための帯電装置2などの帯電手段と、潜像担持体上に静電潜像を形成するための露光装置16などの潜像形成手段と、静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有するプリンタ100などの画像形成装置において、現像手段として、〔態様A〕乃至〔態様G〕の何れか一つの態様に記載の現像装置を用いる。これによれば、上記実施形態について説明したように、白スジや濃度ムラの発生しない均一な画像を作成出来る画像形成装置を提供する事が出来る。
〔態様I〕
潜像を担持する感光体1などの潜像担持体と、潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備えるプリンタ100などの画像形成装置における少なくとも潜像担持体と現像手段とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して着脱可能にした作像装置17などのプロセスカートリッジにおいて、現像手段として、〔態様A〕乃至〔態様G〕の何れか一つの態様に記載の現像装置を用いる。これによれば、上記実施形態について説明したように、白スジや濃度ムラの発生しない均一な画像を作成出来るプロセスカートリッジを提供することが出来る。
【符号の説明】
【0076】
1 感光体
2 帯電装置
3 現像装置
15 転写搬送ベルト
16 露光装置
17 作像装置
24 定着装置
100 プリンタ
301 ケーシング
302 現像ローラ
303 現像剤規制部材
304 供給スクリュ
305 回収スクリュ
306 仕切板
320 現像剤
340 供給搬送路
341 搬送部
342 バッファ部
342b バッファ部上流側端底面
342f バッファ部上流側端面
350 回収搬送路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【特許文献1】特開平5−333691号公報
【特許文献2】特開2006−251440号公報
【特許文献3】特開2010−197589号公報
【特許文献4】特開平11−202627号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を表面上に担持して回転し、潜像担持体と対向する現像領域で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、
該現像剤担持体に現像剤を供給しながら該現像剤担持体の軸線方向に沿って現像剤を搬送する供給搬送路と、
該供給搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する供給搬送部材と、
該供給搬送路の搬送方向下流端に到達した現像剤を該供給搬送路の搬送方向上流端に搬送する循環搬送路と、
該循環搬送路内の現像剤に対して搬送力を付与する循環搬送部材とを有し、
該供給搬送路は、該供給搬送部材によって現像剤に搬送力が直接付与される空間である搬送部と、該搬送部に対して該軸線方向に直交する方向に隣接し、該供給搬送部材によって現像剤に搬送力が直接付与されない空間であって、該搬送部から該現像剤担持体に供給する前の現像剤を一時的に溜めるバッファ部とを備え、
該供給搬送路の搬送方向の途中から該バッファ部が形成されている現像装置において、
該バッファ部の上流側端部を形成するバッファ部上流側端面が、搬送方向下流側ほど上記搬送部から離れるように、上記軸線方向に対して傾斜した傾斜面であることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1の現像装置において、
上記傾斜面は、平面状のテーパー面であることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項2の現像装置において、
上記供給搬送部材は、回転軸と該回転軸に螺旋状に設けられた羽部とを備え、回転することにより該回転軸の軸方向に現像剤を搬送するスクリュ部材からなる供給スクリュであり、
上記軸線方向と上記テーパー面とが成すテーパー角の角度が、該供給スクリュのねじれ角の角度よりも小さいことを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項3の現像装置において、
上記供給スクリュは、多条スクリュであることを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項3または4の現像装置において、
上記供給スクリュは、ノンテーパースクリュであることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の現像装置において、
上記バッファ部上流側端面の下端が接する底面は、上記搬送部から上記バッファ部に向かう方向にかけて低くなるように傾斜していることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の現像装置において、
上記バッファ部上流側端面の下端が接する底面は、搬送方向下流側ほど低くなるように傾斜していることを特徴とする現像装置。
【請求項8】
少なくとも潜像担持体と、
該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、
該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、
該現像手段として、請求項1乃至7の何れか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置における少なくとも該潜像担持体と該現像手段とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して着脱可能にしたプロセスカートリッジにおいて、
上記現像手段として、請求項1乃至7の何れか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−41224(P2013−41224A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179917(P2011−179917)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】