現像装置および画像形成装置
【課題】
現像剤の帯電量が大きい現像装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】
現像装置14Yにおいて、被現像体11Yに隣接して配置され現像剤を表面に保持しながら回転することで被現像体の表面に現像剤を搬送する回転搬送体141と、回転搬送体141の、被現像体11Yに対面する領域を露出させた状態に回転搬送体141を支持するとともに、回転搬送体141に供給される現像剤を収容する収容部140を有する筐体CAと、収容部から回転搬送体に向かって広がり、収容部に収容された現像剤を上に載せて回転搬送体に供給する現像剤供給部147と、筐体内の、現像剤供給部147の上に配置された、現像剤を帯電させる帯電部148とを備えた。
現像剤の帯電量が大きい現像装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】
現像装置14Yにおいて、被現像体11Yに隣接して配置され現像剤を表面に保持しながら回転することで被現像体の表面に現像剤を搬送する回転搬送体141と、回転搬送体141の、被現像体11Yに対面する領域を露出させた状態に回転搬送体141を支持するとともに、回転搬送体141に供給される現像剤を収容する収容部140を有する筐体CAと、収容部から回転搬送体に向かって広がり、収容部に収容された現像剤を上に載せて回転搬送体に供給する現像剤供給部147と、筐体内の、現像剤供給部147の上に配置された、現像剤を帯電させる帯電部148とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、静電像を現像する静電現像装置が示されている。この静電現像装置は、非磁性スリーブと、この非磁性スリーブに向けて現像剤を導く板状の振動する案内部材とを備えている。振動する案内部材は、現像剤粒子の凝集を粉砕する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭54−92237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、現像剤の帯電量が大きい現像装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る現像装置は、
被現像体に隣接して配置され現像剤を表面に保持しながら回転することで被現像体の表面に現像剤を搬送する回転搬送体と、
上記回転搬送体の、被現像体に対面する領域を露出させた状態にこの回転搬送体を支持するとともに、この回転搬送体に供給される現像剤を収容する収容部を有する筐体と、
上記収容部から上記回転搬送体に向かって広がり、この収容部に収容された現像剤を上に載せて上記回転搬送体に供給する現像剤供給部と、
上記筐体内の、上記現像剤供給部の上に配置された、現像剤を帯電させる帯電部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る現像装置は、上記帯電部が、
周回移動する周回移動体と、
上記周回移動体に立設した、この周回移動体の周回移動によって上記現像剤供給部上の現像剤を掻く複数の第1突起とを有するものであることを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る現像装置は、上記現像剤供給部が、
上記現像剤を載せる、上記回転搬送体に向かって下る向きに傾斜した板状部と、
上記板状部を振動させて、この板状部の上の現像剤を流動させる振動装置と、
上記板状部に立設した複数の第2突起とを有するものであることを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る画像形成装置は、
静電潜像が表面に形成されこの静電潜像が現像剤で現像される被現像体と、
上記被現像体を現像剤で現像する現像装置とを備え、
上記現像装置が、
上記被現像体に隣接して配置され現像剤を表面に保持しながら回転することで被現像体の表面に現像剤を搬送する回転搬送体と、
上記回転搬送体の、上記被現像体に対面する領域を露出させた状態にこの回転搬送体を支持するとともに、この回転搬送体に供給される現像剤を収容する収容部を有する筐体と、
上記収容部から上記回転搬送体に向かって広がり、この収容部に収容された現像剤を上に載せて上記回転搬送体に供給する現像剤供給部と、
上記筐体内の、上記現像剤供給部の上に配置された、現像剤を帯電させる帯電部とを備えたことを特徴とする
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る現像装置および請求項4に係る画像形成装置は、本構成を有しない場合と比較して、現像剤の帯電量が大きい。
【0010】
請求項2に係る現像装置は、周回移動体に立設した突起を有しない場合と比較して、現像剤の帯電量がより大きい。
【0011】
請求項3に係る現像装置は、板状部に立設した複数の突起を有しない場合と比較して、現像剤の帯電量がより大きい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】図1に示す現像装置の平面図である。
【図3】現像装置の縦断面図である。
【図4】図1に示す現像装置の4−4線断面図である。
【図5】第2実施形態の現像装置に備えられた撹拌部材を示す図である。
【図6】第3実施形態の現像装置の撹拌部材近傍の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す構成図である。
【0015】
図1に示す画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および、ブラック(K)の各色毎に画像形成部10Y,10M,10C,10Kを並列的に配置してなるタンデム型のカラープリンタであり、単色の画像をプリントすることができるほか、4色のトナー像からなるフルカラーの画像をプリントすることができる。画像形成装置1には、CMYK各色のトナーを収容するトナーカートリッジ18Y,18M,18C,18Kが備えられている。
【0016】
4つの画像形成部10Y,10M,10C,10Kは、ほぼ同様の構成を有しているため、これらを代表してイエローに対応する画像形成部10Yを取り上げて説明する。画像形成部10Yは、感光体11Y、帯電器12Y、露光器13Y、現像装置14Y、一次転写器15Y、および感光体クリーナ16Yを備えている。
【0017】
感光体11Yは円筒状の基板上に感光体の層を有しており、表面に形成される像を保持して円筒の軸周りである矢印A方向に回転する。帯電器12Y、露光器13Y、現像装置14Y、一次転写器15Y、および感光体クリーナ16Yは、感光体11Yの周囲に順次配置されている。感光体11Yは、本発明にいう被現像体の一例に相当する。
【0018】
帯電器12Yは、感光体11Yの表面を帯電させる。帯電器12Yは、感光体11Yの表面に接触する帯電ロールである。帯電ロールには、現像装置14Yにおけるトナーと同極性の電圧が印加されており、接触する感光体11Yの表面を帯電させる。なお、帯電器12Yとしては、帯電ロールの他に感光体11Yに非接触のコロナ放電器も採用され得る。
【0019】
露光器13Yは、画像形成装置1外部から供給される画像信号に基づくレーザ光を発光する発光器と、レーザ光で感光体11Yを走査するための回転多面鏡とを有しており、感光体11Yにレーザ光を照射することで、感光体11Yの表面を露光する。
【0020】
現像装置14Yは、トナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤を用いて感光体11Yの表面を現像する。現像装置14Yにはトナーカートリッジ18Yからトナーが供給される。トナーは現像装置14Y内の磁性キャリアと混合される。磁性キャリアは、例えば鉄粉の表面に樹脂コーテイングを施したものである。また、トナー粒子は、例えば結着樹脂、着色剤、および離型剤を有する。現像装置14Yは、磁性キャリアの粒子とトナーの粒子とが混合された現像剤を撹拌することでトナーおよび磁性キャリアを帯電し、帯電したトナーで感光体11Y表面を現像する。
【0021】
一次転写器15Yは、中間転写ベルト30を挟んで感光体11Yに対向したロールである。一次転写器15Yは、表面に導電性の弾性層を有しており、トナーの帯電極性とは逆極性の電圧が印加されることで、感光体11Y上のトナー像を中間転写ベルト30に静電吸引させる。感光体クリーナ16Yは、感光体11Y表面に接触する清掃ブレードを有しており、転写後に感光体11Yの表面を清掃する。
【0022】
画像形成装置1には、中間転写ベルト30、定着装置60、用紙搬送部80、および、画像形成装置1の各部を制御する制御部1Aも備えられている。中間転写ベルト30は、帯電防止剤を含んだ樹脂材料からなる無端のベルトである。中間転写ベルト30は、ベルト支持ロール31〜35に架け渡されており、画像形成部10Y,10M,10C,10K、および、二次転写器50を経由する矢印Bに示す方向に循環移動する。中間転写ベルト30には、画像形成部10Y,10M,10C,10Kから各色のトナー像が転写される。中間転写ベルト30は、これら各色のトナー像を保持して移動する。
【0023】
二次転写器50は、ベルト支持ロール31〜35の一つであるバックアップロール34との間に中間転写ベルト30および用紙を挟んで回転するロールである。二次転写器50は、表面に導電性の弾性層を有し、トナーの帯電極性とは逆極性の電圧が印加されることで、中間転写ベルト30上のトナー像を用紙に静電吸引させる。ベルトクリーナ70は、中間転写ベルト30にブレードを接触させて中間転写ベルト30上のトナーを掻き取る。
【0024】
定着装置60は、トナーを用紙に定着する。定着装置60は、加熱ロール61および加圧ロール62を備えており、加熱ロール61には加熱器が内蔵されている。加熱ロール61および加圧ロール62は、定着前のトナー像が形成された用紙を挟んで通過させることによりトナー像を用紙上に定着させる。
【0025】
用紙搬送部80は、用紙収容器Tに収容された用紙を取り出す取出ロール81、取り出された用紙を捌く捌きロール82、用紙を搬送する搬送ロール83、用紙を二次転写器50に搬送するレジストレーションロール84、および、用紙を外部に排出する排出ロール86を備えている。用紙搬送部80は、二次転写器50および定着装置60を経由する用紙搬送路Rに沿って搬送する。
【0026】
図1に示す画像形成装置1の基本動作を説明すると、イエローの画像形成部10Yでは、感光体11Yが矢印A方向に回転駆動され、感光体11Yの表面に帯電器12Yによって電荷が付与される。露光器13Yは、感光体11Yに、画像信号中の各色に対応するデータに応じた露光光をそれぞれ照射する。露光器13Yは、外部から供給される画像信号のうちのイエローに対応する画像信号に基づく露光光を感光体11Yの表面に照射することで、感光体11Yの表面に静電潜像を形成する。現像装置14Yには、トナーカートリッジ18Yからイエローのトナーが供給される。現像装置14Yは、静電潜像をトナーで現像することで、トナー像を形成する。感光体11Yは、表面に形成されたイエローのトナー像を保持して回転する。感光体11Yの表面に形成されたトナー像は、一次転写器15Yによって中間転写ベルト30に転写される。転写後、感光体11Yに残留したトナーは、感光体クリーナ16Yによって回収・除去される。
【0027】
中間転写ベルト30は、支持ロール31〜35架け渡され矢印B方向に巡回移動されておいる。イエロー以外の色に対応する画像形成部10M,10C,10Kは、画像形成部10Yと同様にしてそれぞれの色に対応するトナー像を形成し、中間転写ベルト30に、画像形成部10Yで転写されたトナー像に重ねて、それぞれの色のトナー像を転写していく。
【0028】
用紙収容器Tからは、用紙Pが取出ロール81によって取り出される。用紙Pは、搬送ロール83、およびレジストレーションロール84によって、用紙搬送路Rを二次転写器50に向かう矢印C方向に搬送される。レジストレーションロール84は、用紙Pを、中間転写ベルト30上にトナー像が転写されるタイミングに基づいて二次転写器50に送り込む。二次転写器50は、中間転写ベルト30と用紙Pとの間に転写用の電位を付与することによって、中間転写ベルト30のトナー像を用紙Pに転写する。トナー像が転写された用紙Pは二次転写器50から定着装置60に搬送され、用紙上に転写されたトナー像が定着される。このようにして、用紙上に画像が形成される。画像が形成された用紙は排出ロール86によって画像形成装置1の外部に排出される。二次転写器50による転写後、中間転写ベルト30に残留したトナーは、ベルトクリーナ70によって除去される。
【0029】
[現像装置]
図2は、図1に示す現像装置の平面図である。また、図3は、現像装置の縦断面図である。また、図4は、図1に示す現像装置の4−4線断面図である。図には、イエローについての現像装置14Yが示されているが、他の色についての現像装置14M〜14Kも現像装置14Yと同様の構造を有する。
【0030】
現像装置14Yは、筐体CA、現像ロール141、第1搬送部材142、第2搬送部材143、第3搬送部材144、現像剤供給部147、および、撹拌部材148を備えている。なお、図2では、筐体CAのカバーを除き、さらに、撹拌部材148を取り外した状態が示されている。
【0031】
現像ロール141、第1搬送部材142、第2搬送部材143、第3搬送部材144、現像剤供給部147、および、撹拌部材148は、筐体CA内に設けられている。筐体CAは、現像ロール141を、感光体11Yに対面する領域を露出させた状態に支持している。また、筐体CAには、現像剤を収容する現像剤容部140が設けられている。現像剤容部140は、縦に広がる第1仕切壁1401と、この仕切壁1401で仕切られた一方の空間に横に広がる第2仕切壁1402とによって、第1収容室140a、第2収容室140b、および第3収容室140cに仕切られている。第1収容室140aおよび第3収容室140cは現像ロール141側に設けられており、第1収容室140aは第3収容室140cの上方に配置されている。第2収容室140bは、第1収容室140aおよび第3収容室140cよりも現像ロール141から離れた位置に設けられている。第2収容室140bの底は、水平方向に対し傾斜しており、一方の端が第1収容室140aの高さにあり、他方の端が第3収容室140cの高さにある。
【0032】
第1搬送部材142は第1収容室140aに配備され、第2搬送部材143は第2収容室140bに配備され、第3搬送部材144は第3収容室140cに配備されている。第1搬送部材142および第3搬送部材144は、画像形成装置1における前後方向DE、すなわち現像ロール141が延びる延伸方向に延びている。また、第2搬送部材143は、前後方向DEに対し、上下に傾斜した方向に延びている。3つの搬送部材142,143,144は、それぞれ、回転軸1421,1431,1441と回転軸1421,1431,1441の周囲に設けられた螺旋状の螺旋羽根1422,1432,1442とを備えている。搬送部材142,143,144のそれぞれは、回転軸1421,1431,1441の両端部分が回転自在に現像剤容部140すなわち筐体CAに支持されている。回転軸1421,1431,1441は、図示しないモータからの駆動力を伝達するギア146に接続されている。現像ロール141および3つの搬送部材142,143,144は、図示しないモータの駆動を受けて回転する。
【0033】
第1搬送部材142は、回転軸1421の軸回りに回転することによって、第1収容室140aの現像剤を第1搬送方向Dに搬送する。また、第1搬送部材142の下方に配置された第3搬送部材144は、回転軸1441の軸回りに回転することによって、第3収容室140cの現像剤を第1搬送方向Dに搬送する。第2搬送部材143は、回転軸1431の軸回りに回転することによって、第2収容室140bの現像剤を第1搬送方向Dとは逆の方向Eに対し、上方に傾斜した第2搬送方向E’に搬送する。すなわち、第2収容室140b内では、現像剤が斜め上方に搬送される。
【0034】
現像剤容部140内の現像剤は、仕切壁1401,1402の端にそれぞれ設けられた連絡口1401a,1401bを通り抜ける。現像剤は、下の第3収容室140c内を第1搬送方向Dに搬送され、連絡口1401aを経由して第2収容室140b内を斜め上に向いた第2搬送方向E’に搬送され、さらに、連絡口1401bを経由して上部の第1収容室140a内を第1搬送方向Dに搬送される。第1収容室140aの現像剤は、現像剤供給部147によって現像ロール141に供給され、現像ロール141を経由して第3収容室140cに戻る。このようにして現像剤は循環する。この循環の中で、第2収容室140bおよび第2搬送部材143は、現像剤を現像剤供給部147および現像ロール141よりも上方に搬送する手段として機能している。現像剤供給部147については後述する。なお、現像剤を上方に搬送する手段としては、螺旋羽根を有し回転する搬送部材143以外に、例えば、磁石を移動させることで現像剤を引き付けながら搬送する機構も採用され得る。
【0035】
現像ロール141は、感光体11Y(図1参照)の表面に現像剤を搬送する。現像ロール141は円筒状であり、現像ロール141の内部には、磁石1411が配置されている。この磁石1411は現像剤容部140に固定されており、トナー粒子が付着した磁性キャリアを現像ロール141に吸着させるためのピックアップ磁極や、現像剤を現像領域で穂立ちさせる磁極を有する。現像ロール141は、本発明にいう回転搬送体の一例に相当する。
【0036】
現像ロール141は、表面に現像剤を保持ながら回転することにより現像剤を感光体11Yの表面に搬送する。現像剤が感光体11Yの表面に向かって搬送される方向を搬送方向Fとする。感光体11Yの表面に搬送された現像剤に含まれたトナーは、感光体11Y表面のうち光が照射された部分に付着する。感光体11Yに付着しなかったトナーや磁性キャリアは、現像ロール141に保持され第3収容室140cに戻る。現像剤収容部140の第2収容室140bには、現像で消費されたトナーの量に応じた量の新たなトナーが、トナーカートリッジ18Y(図1参照)から供給されてくる。
【0037】
現像剤供給部147は、第1収容室140aから現像ロール141に向かって広がっており、第1収容室140aから現像ロール141に現像剤を供給する。現像剤供給部147は、板状部1471、複数の制動突起1472、および振動装置1473を有する。板状部1471は、現像ロール141に向かって下る向きに傾斜している。板状部1471は、現像ロール141に近い部分を軸として回転自在に筐体CAに支持されている。制動突起1472は、板状部1471に立設した棒状の突起である。制動突起1472は板状部1471の上に、互いに間隔をあけて2次元的に配列されている。板状部1471および制動突起1472は、樹脂材料で形成されている。振動装置1473は、板状部1471の下方に配置されており、筐体CAに支持されるとともに板状部1471に連結されている。振動装置1473は制御部1A(図1参照)の制御を受け、板状部1471を振動させる。板状部1471には、第1収容室140aから現像剤が供給される。板状部1471が振動装置1473によって振動することで、板状部1471に載った現像剤が、板状部1471の上部から下部に、制動突起1472の間を縫うように流動し、現像ロール141に供給される。振動装置1473による板状部1471の振動の大きさおよび周波数によって、現像ロール141に供給される現像剤の量が制御される。
【0038】
撹拌部材148は、現像剤供給部147の上方に配置されている。撹拌部材148は、回転する回転ロール1481と、回転ロール1481に立設した複数の撹拌突起1482とを有する。回転ロール1481は円筒状の部材であり図示しないモータに駆動されて回転する。撹拌突起1482は、回転ロール1481の周面から放射状に突出した棒状の部材であり、回転ロール1481の周面に互いに間隔をあけて配列されている。撹拌部材148は、撹拌突起1482が板状部1471に接触しない程度に近接するような位置に配置されている。より詳細には、撹拌突起1482は、少なくとも板状部1471に最も接近する状態で、先端部分が、板状部1471の上に層状に載った現像剤に入り込む位置に配置されている。また、撹拌突起1482は、撹拌部材148が回転する場合に、板状部1471に立設した制動突起1472との干渉を避ける位置に配置されている。回転ロール1481は、周面が、板状部1471の上に載った現像剤に接しない位置に配置されている。回転ロール1481は、板状部1471に対向する周面が現像ロール141に向かう、矢印F方向に回転する。より詳細には、回転ロール1481は、撹拌突起1482が、板状部1471に載った現像剤の流動速度よりも速く移動するように回転する。回転ロール1481は、撹拌突起1482で、板状部1471に載った現像剤を掻くように回転する。
【0039】
撹拌部材148は本発明にいう帯電部の一例に相当する。また、回転ロール1481は本発明にいう周回移動体の一例に相当し、撹拌突起1482は本発明にいう第1突起の一例に相当する。
【0040】
板状部1471に載った現像剤は、回転ロール1481の撹拌突起1482で掻かれて撹拌される。現像剤に含まれるトナー粒子および磁性キャリアは撹拌されることで帯電する。より詳細には、現像剤のトナー粒子および磁性キャリアは、回転する第1搬送部材142および第2搬送部材143によって搬送される際にも撹拌されることによって帯電する。本実施形態では、板状部1471に載った現像剤の帯電量は、回転ロール1481の撹拌突起1482で掻かれて撹拌されることで増大する。このため、本実施形態では、例えば現像ロールの上方に、現像剤をくぐらせて帯電させる板状の層規制部材等を配置しない構成でも、現像に求められる帯電量が得られる。層規制部材によって現像剤の厚さを規制しない場合には、層規制部材上流での現像剤の凝集や、凝集の圧力による現像剤の劣化が抑えられる。なお、現像ロール上の現像剤の量は、板状部1471の振動によって制御される。
【0041】
また、板状部1471の上を流動する現像剤は、板状部1471に立設した制動突起1472によって移動が妨げられる。板状部1471の振動によって移動し、また、回転ロール1481の撹拌突起1482で掻かれて移動する現像剤の粒子と、制動突起1472によって移動が妨げられた現像剤の粒子との間で移動の速度の差が生じる。したがって、現像剤の撹拌量が増大し、トナーの帯電量が増加する。
【0042】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の第2実施形態の説明にあたっては、これまで説明してきた実施形態における各要素と同一の要素には同一の符号を付けて示し、前述の実施形態との相違点について説明する。
【0043】
図5は、第2実施形態の現像装置に備えられた撹拌部材を示す図である。
【0044】
本実施形態の撹拌部材248では、回転ロール2481に立設した撹拌突起2482が、棒状ではなく、板状である。撹拌突起2482は、回転ロール2481の延伸方向すなわち前後方向DEに延びている。また、撹拌突起2482は、前後方向DEの長さが異なるものが交互に配列されている。板状の撹拌突起2482は、棒状の場合に比べて、撹拌部材248の回転に伴う撹拌量が増大する。
【0045】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の第3実施形態の説明にあたっては、これまで説明してきた実施形態における各要素と同一の要素には同一の符号を付けて示し、前述の実施形態との相違点について説明する。
【0046】
図5は、第3実施形態の現像装置の撹拌部材近傍の概略構成を示す図である。
【0047】
図5に示す現像装置34Yの撹拌部材348は、一対の支持ロール3481a,3481bと、これら支持ロール3481a,3481bに架け渡された無端のベルト3482を備えている。ベルト3482の外側の面に、複数の撹拌突起3483が立設している。ベルト3482は本発明にいう周回移動体の一例に相当し、撹拌突起3483は本発明にいう第1突起の一例に相当する。
【0048】
支持ロール3481aが図示しないモータによって駆動されることで回転すると、ベルト3482が周回移動する。この結果、ベルト3482に立設した撹拌突起3483が、現像剤供給部147上の現像剤を掻くように移動する。したがって、現像剤が撹拌され、帯電量が増大する。
【0049】
なお、上述した実施形態では、本発明にいう周回移動体の例として、板状部1471に対向する面が現像ロール141に向かう方向に回転する回転ロール1481が示されている。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、周回移動体は、例えば、回転ロール1481と逆向きに回転するものであってもよい。
【0050】
また、上述した実施形態では、本発明にいう帯電部の例として、撹拌突起が立設した回転ロールやベルトが示されている。ただし、本発明にいう帯電部はこれに限られず、例えば、突起を振動させて現像剤を撹拌させるものであってもよく、また突起は静止した状態で現像剤供給部上の現像剤の流れを阻止することで撹拌するものであってもよい。また、帯電部は放電等の手段によって現像剤を帯電させるものであってもよい。
【0051】
また、上述した実施形態では、本発明にいう画像形成装置の例としてタンデム型のカラープリンタが示されている。ただし、本発明にいう画像形成装置はこれに限られず、例えば、中間転写ベルトを有しないモノクロ専用プリンタであってもよい。
【0052】
また、上述した実施形態では、本発明にいう画像形成装置の例としてプリンタが示されている。ただし、本発明にいう画像形成装置はプリンタに限られず、例えば、画像読取装置で読み取られたデータに基づいて画像を形成する複写機やファクシミリであってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 画像形成装置
11Y 感光体
14Y,34Y 現像装置
140 現像剤容部
141 現像ロール
147 現像剤供給部
1471 板状部
1472 制動突起
1473 振動装置
148,248,348 撹拌部材
1481,2481 回転ロール
1482,2482,3482 撹拌突起
3482 ベルト
CA 筐体
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、静電像を現像する静電現像装置が示されている。この静電現像装置は、非磁性スリーブと、この非磁性スリーブに向けて現像剤を導く板状の振動する案内部材とを備えている。振動する案内部材は、現像剤粒子の凝集を粉砕する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭54−92237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、現像剤の帯電量が大きい現像装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る現像装置は、
被現像体に隣接して配置され現像剤を表面に保持しながら回転することで被現像体の表面に現像剤を搬送する回転搬送体と、
上記回転搬送体の、被現像体に対面する領域を露出させた状態にこの回転搬送体を支持するとともに、この回転搬送体に供給される現像剤を収容する収容部を有する筐体と、
上記収容部から上記回転搬送体に向かって広がり、この収容部に収容された現像剤を上に載せて上記回転搬送体に供給する現像剤供給部と、
上記筐体内の、上記現像剤供給部の上に配置された、現像剤を帯電させる帯電部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る現像装置は、上記帯電部が、
周回移動する周回移動体と、
上記周回移動体に立設した、この周回移動体の周回移動によって上記現像剤供給部上の現像剤を掻く複数の第1突起とを有するものであることを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る現像装置は、上記現像剤供給部が、
上記現像剤を載せる、上記回転搬送体に向かって下る向きに傾斜した板状部と、
上記板状部を振動させて、この板状部の上の現像剤を流動させる振動装置と、
上記板状部に立設した複数の第2突起とを有するものであることを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る画像形成装置は、
静電潜像が表面に形成されこの静電潜像が現像剤で現像される被現像体と、
上記被現像体を現像剤で現像する現像装置とを備え、
上記現像装置が、
上記被現像体に隣接して配置され現像剤を表面に保持しながら回転することで被現像体の表面に現像剤を搬送する回転搬送体と、
上記回転搬送体の、上記被現像体に対面する領域を露出させた状態にこの回転搬送体を支持するとともに、この回転搬送体に供給される現像剤を収容する収容部を有する筐体と、
上記収容部から上記回転搬送体に向かって広がり、この収容部に収容された現像剤を上に載せて上記回転搬送体に供給する現像剤供給部と、
上記筐体内の、上記現像剤供給部の上に配置された、現像剤を帯電させる帯電部とを備えたことを特徴とする
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る現像装置および請求項4に係る画像形成装置は、本構成を有しない場合と比較して、現像剤の帯電量が大きい。
【0010】
請求項2に係る現像装置は、周回移動体に立設した突起を有しない場合と比較して、現像剤の帯電量がより大きい。
【0011】
請求項3に係る現像装置は、板状部に立設した複数の突起を有しない場合と比較して、現像剤の帯電量がより大きい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】図1に示す現像装置の平面図である。
【図3】現像装置の縦断面図である。
【図4】図1に示す現像装置の4−4線断面図である。
【図5】第2実施形態の現像装置に備えられた撹拌部材を示す図である。
【図6】第3実施形態の現像装置の撹拌部材近傍の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す構成図である。
【0015】
図1に示す画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および、ブラック(K)の各色毎に画像形成部10Y,10M,10C,10Kを並列的に配置してなるタンデム型のカラープリンタであり、単色の画像をプリントすることができるほか、4色のトナー像からなるフルカラーの画像をプリントすることができる。画像形成装置1には、CMYK各色のトナーを収容するトナーカートリッジ18Y,18M,18C,18Kが備えられている。
【0016】
4つの画像形成部10Y,10M,10C,10Kは、ほぼ同様の構成を有しているため、これらを代表してイエローに対応する画像形成部10Yを取り上げて説明する。画像形成部10Yは、感光体11Y、帯電器12Y、露光器13Y、現像装置14Y、一次転写器15Y、および感光体クリーナ16Yを備えている。
【0017】
感光体11Yは円筒状の基板上に感光体の層を有しており、表面に形成される像を保持して円筒の軸周りである矢印A方向に回転する。帯電器12Y、露光器13Y、現像装置14Y、一次転写器15Y、および感光体クリーナ16Yは、感光体11Yの周囲に順次配置されている。感光体11Yは、本発明にいう被現像体の一例に相当する。
【0018】
帯電器12Yは、感光体11Yの表面を帯電させる。帯電器12Yは、感光体11Yの表面に接触する帯電ロールである。帯電ロールには、現像装置14Yにおけるトナーと同極性の電圧が印加されており、接触する感光体11Yの表面を帯電させる。なお、帯電器12Yとしては、帯電ロールの他に感光体11Yに非接触のコロナ放電器も採用され得る。
【0019】
露光器13Yは、画像形成装置1外部から供給される画像信号に基づくレーザ光を発光する発光器と、レーザ光で感光体11Yを走査するための回転多面鏡とを有しており、感光体11Yにレーザ光を照射することで、感光体11Yの表面を露光する。
【0020】
現像装置14Yは、トナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤を用いて感光体11Yの表面を現像する。現像装置14Yにはトナーカートリッジ18Yからトナーが供給される。トナーは現像装置14Y内の磁性キャリアと混合される。磁性キャリアは、例えば鉄粉の表面に樹脂コーテイングを施したものである。また、トナー粒子は、例えば結着樹脂、着色剤、および離型剤を有する。現像装置14Yは、磁性キャリアの粒子とトナーの粒子とが混合された現像剤を撹拌することでトナーおよび磁性キャリアを帯電し、帯電したトナーで感光体11Y表面を現像する。
【0021】
一次転写器15Yは、中間転写ベルト30を挟んで感光体11Yに対向したロールである。一次転写器15Yは、表面に導電性の弾性層を有しており、トナーの帯電極性とは逆極性の電圧が印加されることで、感光体11Y上のトナー像を中間転写ベルト30に静電吸引させる。感光体クリーナ16Yは、感光体11Y表面に接触する清掃ブレードを有しており、転写後に感光体11Yの表面を清掃する。
【0022】
画像形成装置1には、中間転写ベルト30、定着装置60、用紙搬送部80、および、画像形成装置1の各部を制御する制御部1Aも備えられている。中間転写ベルト30は、帯電防止剤を含んだ樹脂材料からなる無端のベルトである。中間転写ベルト30は、ベルト支持ロール31〜35に架け渡されており、画像形成部10Y,10M,10C,10K、および、二次転写器50を経由する矢印Bに示す方向に循環移動する。中間転写ベルト30には、画像形成部10Y,10M,10C,10Kから各色のトナー像が転写される。中間転写ベルト30は、これら各色のトナー像を保持して移動する。
【0023】
二次転写器50は、ベルト支持ロール31〜35の一つであるバックアップロール34との間に中間転写ベルト30および用紙を挟んで回転するロールである。二次転写器50は、表面に導電性の弾性層を有し、トナーの帯電極性とは逆極性の電圧が印加されることで、中間転写ベルト30上のトナー像を用紙に静電吸引させる。ベルトクリーナ70は、中間転写ベルト30にブレードを接触させて中間転写ベルト30上のトナーを掻き取る。
【0024】
定着装置60は、トナーを用紙に定着する。定着装置60は、加熱ロール61および加圧ロール62を備えており、加熱ロール61には加熱器が内蔵されている。加熱ロール61および加圧ロール62は、定着前のトナー像が形成された用紙を挟んで通過させることによりトナー像を用紙上に定着させる。
【0025】
用紙搬送部80は、用紙収容器Tに収容された用紙を取り出す取出ロール81、取り出された用紙を捌く捌きロール82、用紙を搬送する搬送ロール83、用紙を二次転写器50に搬送するレジストレーションロール84、および、用紙を外部に排出する排出ロール86を備えている。用紙搬送部80は、二次転写器50および定着装置60を経由する用紙搬送路Rに沿って搬送する。
【0026】
図1に示す画像形成装置1の基本動作を説明すると、イエローの画像形成部10Yでは、感光体11Yが矢印A方向に回転駆動され、感光体11Yの表面に帯電器12Yによって電荷が付与される。露光器13Yは、感光体11Yに、画像信号中の各色に対応するデータに応じた露光光をそれぞれ照射する。露光器13Yは、外部から供給される画像信号のうちのイエローに対応する画像信号に基づく露光光を感光体11Yの表面に照射することで、感光体11Yの表面に静電潜像を形成する。現像装置14Yには、トナーカートリッジ18Yからイエローのトナーが供給される。現像装置14Yは、静電潜像をトナーで現像することで、トナー像を形成する。感光体11Yは、表面に形成されたイエローのトナー像を保持して回転する。感光体11Yの表面に形成されたトナー像は、一次転写器15Yによって中間転写ベルト30に転写される。転写後、感光体11Yに残留したトナーは、感光体クリーナ16Yによって回収・除去される。
【0027】
中間転写ベルト30は、支持ロール31〜35架け渡され矢印B方向に巡回移動されておいる。イエロー以外の色に対応する画像形成部10M,10C,10Kは、画像形成部10Yと同様にしてそれぞれの色に対応するトナー像を形成し、中間転写ベルト30に、画像形成部10Yで転写されたトナー像に重ねて、それぞれの色のトナー像を転写していく。
【0028】
用紙収容器Tからは、用紙Pが取出ロール81によって取り出される。用紙Pは、搬送ロール83、およびレジストレーションロール84によって、用紙搬送路Rを二次転写器50に向かう矢印C方向に搬送される。レジストレーションロール84は、用紙Pを、中間転写ベルト30上にトナー像が転写されるタイミングに基づいて二次転写器50に送り込む。二次転写器50は、中間転写ベルト30と用紙Pとの間に転写用の電位を付与することによって、中間転写ベルト30のトナー像を用紙Pに転写する。トナー像が転写された用紙Pは二次転写器50から定着装置60に搬送され、用紙上に転写されたトナー像が定着される。このようにして、用紙上に画像が形成される。画像が形成された用紙は排出ロール86によって画像形成装置1の外部に排出される。二次転写器50による転写後、中間転写ベルト30に残留したトナーは、ベルトクリーナ70によって除去される。
【0029】
[現像装置]
図2は、図1に示す現像装置の平面図である。また、図3は、現像装置の縦断面図である。また、図4は、図1に示す現像装置の4−4線断面図である。図には、イエローについての現像装置14Yが示されているが、他の色についての現像装置14M〜14Kも現像装置14Yと同様の構造を有する。
【0030】
現像装置14Yは、筐体CA、現像ロール141、第1搬送部材142、第2搬送部材143、第3搬送部材144、現像剤供給部147、および、撹拌部材148を備えている。なお、図2では、筐体CAのカバーを除き、さらに、撹拌部材148を取り外した状態が示されている。
【0031】
現像ロール141、第1搬送部材142、第2搬送部材143、第3搬送部材144、現像剤供給部147、および、撹拌部材148は、筐体CA内に設けられている。筐体CAは、現像ロール141を、感光体11Yに対面する領域を露出させた状態に支持している。また、筐体CAには、現像剤を収容する現像剤容部140が設けられている。現像剤容部140は、縦に広がる第1仕切壁1401と、この仕切壁1401で仕切られた一方の空間に横に広がる第2仕切壁1402とによって、第1収容室140a、第2収容室140b、および第3収容室140cに仕切られている。第1収容室140aおよび第3収容室140cは現像ロール141側に設けられており、第1収容室140aは第3収容室140cの上方に配置されている。第2収容室140bは、第1収容室140aおよび第3収容室140cよりも現像ロール141から離れた位置に設けられている。第2収容室140bの底は、水平方向に対し傾斜しており、一方の端が第1収容室140aの高さにあり、他方の端が第3収容室140cの高さにある。
【0032】
第1搬送部材142は第1収容室140aに配備され、第2搬送部材143は第2収容室140bに配備され、第3搬送部材144は第3収容室140cに配備されている。第1搬送部材142および第3搬送部材144は、画像形成装置1における前後方向DE、すなわち現像ロール141が延びる延伸方向に延びている。また、第2搬送部材143は、前後方向DEに対し、上下に傾斜した方向に延びている。3つの搬送部材142,143,144は、それぞれ、回転軸1421,1431,1441と回転軸1421,1431,1441の周囲に設けられた螺旋状の螺旋羽根1422,1432,1442とを備えている。搬送部材142,143,144のそれぞれは、回転軸1421,1431,1441の両端部分が回転自在に現像剤容部140すなわち筐体CAに支持されている。回転軸1421,1431,1441は、図示しないモータからの駆動力を伝達するギア146に接続されている。現像ロール141および3つの搬送部材142,143,144は、図示しないモータの駆動を受けて回転する。
【0033】
第1搬送部材142は、回転軸1421の軸回りに回転することによって、第1収容室140aの現像剤を第1搬送方向Dに搬送する。また、第1搬送部材142の下方に配置された第3搬送部材144は、回転軸1441の軸回りに回転することによって、第3収容室140cの現像剤を第1搬送方向Dに搬送する。第2搬送部材143は、回転軸1431の軸回りに回転することによって、第2収容室140bの現像剤を第1搬送方向Dとは逆の方向Eに対し、上方に傾斜した第2搬送方向E’に搬送する。すなわち、第2収容室140b内では、現像剤が斜め上方に搬送される。
【0034】
現像剤容部140内の現像剤は、仕切壁1401,1402の端にそれぞれ設けられた連絡口1401a,1401bを通り抜ける。現像剤は、下の第3収容室140c内を第1搬送方向Dに搬送され、連絡口1401aを経由して第2収容室140b内を斜め上に向いた第2搬送方向E’に搬送され、さらに、連絡口1401bを経由して上部の第1収容室140a内を第1搬送方向Dに搬送される。第1収容室140aの現像剤は、現像剤供給部147によって現像ロール141に供給され、現像ロール141を経由して第3収容室140cに戻る。このようにして現像剤は循環する。この循環の中で、第2収容室140bおよび第2搬送部材143は、現像剤を現像剤供給部147および現像ロール141よりも上方に搬送する手段として機能している。現像剤供給部147については後述する。なお、現像剤を上方に搬送する手段としては、螺旋羽根を有し回転する搬送部材143以外に、例えば、磁石を移動させることで現像剤を引き付けながら搬送する機構も採用され得る。
【0035】
現像ロール141は、感光体11Y(図1参照)の表面に現像剤を搬送する。現像ロール141は円筒状であり、現像ロール141の内部には、磁石1411が配置されている。この磁石1411は現像剤容部140に固定されており、トナー粒子が付着した磁性キャリアを現像ロール141に吸着させるためのピックアップ磁極や、現像剤を現像領域で穂立ちさせる磁極を有する。現像ロール141は、本発明にいう回転搬送体の一例に相当する。
【0036】
現像ロール141は、表面に現像剤を保持ながら回転することにより現像剤を感光体11Yの表面に搬送する。現像剤が感光体11Yの表面に向かって搬送される方向を搬送方向Fとする。感光体11Yの表面に搬送された現像剤に含まれたトナーは、感光体11Y表面のうち光が照射された部分に付着する。感光体11Yに付着しなかったトナーや磁性キャリアは、現像ロール141に保持され第3収容室140cに戻る。現像剤収容部140の第2収容室140bには、現像で消費されたトナーの量に応じた量の新たなトナーが、トナーカートリッジ18Y(図1参照)から供給されてくる。
【0037】
現像剤供給部147は、第1収容室140aから現像ロール141に向かって広がっており、第1収容室140aから現像ロール141に現像剤を供給する。現像剤供給部147は、板状部1471、複数の制動突起1472、および振動装置1473を有する。板状部1471は、現像ロール141に向かって下る向きに傾斜している。板状部1471は、現像ロール141に近い部分を軸として回転自在に筐体CAに支持されている。制動突起1472は、板状部1471に立設した棒状の突起である。制動突起1472は板状部1471の上に、互いに間隔をあけて2次元的に配列されている。板状部1471および制動突起1472は、樹脂材料で形成されている。振動装置1473は、板状部1471の下方に配置されており、筐体CAに支持されるとともに板状部1471に連結されている。振動装置1473は制御部1A(図1参照)の制御を受け、板状部1471を振動させる。板状部1471には、第1収容室140aから現像剤が供給される。板状部1471が振動装置1473によって振動することで、板状部1471に載った現像剤が、板状部1471の上部から下部に、制動突起1472の間を縫うように流動し、現像ロール141に供給される。振動装置1473による板状部1471の振動の大きさおよび周波数によって、現像ロール141に供給される現像剤の量が制御される。
【0038】
撹拌部材148は、現像剤供給部147の上方に配置されている。撹拌部材148は、回転する回転ロール1481と、回転ロール1481に立設した複数の撹拌突起1482とを有する。回転ロール1481は円筒状の部材であり図示しないモータに駆動されて回転する。撹拌突起1482は、回転ロール1481の周面から放射状に突出した棒状の部材であり、回転ロール1481の周面に互いに間隔をあけて配列されている。撹拌部材148は、撹拌突起1482が板状部1471に接触しない程度に近接するような位置に配置されている。より詳細には、撹拌突起1482は、少なくとも板状部1471に最も接近する状態で、先端部分が、板状部1471の上に層状に載った現像剤に入り込む位置に配置されている。また、撹拌突起1482は、撹拌部材148が回転する場合に、板状部1471に立設した制動突起1472との干渉を避ける位置に配置されている。回転ロール1481は、周面が、板状部1471の上に載った現像剤に接しない位置に配置されている。回転ロール1481は、板状部1471に対向する周面が現像ロール141に向かう、矢印F方向に回転する。より詳細には、回転ロール1481は、撹拌突起1482が、板状部1471に載った現像剤の流動速度よりも速く移動するように回転する。回転ロール1481は、撹拌突起1482で、板状部1471に載った現像剤を掻くように回転する。
【0039】
撹拌部材148は本発明にいう帯電部の一例に相当する。また、回転ロール1481は本発明にいう周回移動体の一例に相当し、撹拌突起1482は本発明にいう第1突起の一例に相当する。
【0040】
板状部1471に載った現像剤は、回転ロール1481の撹拌突起1482で掻かれて撹拌される。現像剤に含まれるトナー粒子および磁性キャリアは撹拌されることで帯電する。より詳細には、現像剤のトナー粒子および磁性キャリアは、回転する第1搬送部材142および第2搬送部材143によって搬送される際にも撹拌されることによって帯電する。本実施形態では、板状部1471に載った現像剤の帯電量は、回転ロール1481の撹拌突起1482で掻かれて撹拌されることで増大する。このため、本実施形態では、例えば現像ロールの上方に、現像剤をくぐらせて帯電させる板状の層規制部材等を配置しない構成でも、現像に求められる帯電量が得られる。層規制部材によって現像剤の厚さを規制しない場合には、層規制部材上流での現像剤の凝集や、凝集の圧力による現像剤の劣化が抑えられる。なお、現像ロール上の現像剤の量は、板状部1471の振動によって制御される。
【0041】
また、板状部1471の上を流動する現像剤は、板状部1471に立設した制動突起1472によって移動が妨げられる。板状部1471の振動によって移動し、また、回転ロール1481の撹拌突起1482で掻かれて移動する現像剤の粒子と、制動突起1472によって移動が妨げられた現像剤の粒子との間で移動の速度の差が生じる。したがって、現像剤の撹拌量が増大し、トナーの帯電量が増加する。
【0042】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の第2実施形態の説明にあたっては、これまで説明してきた実施形態における各要素と同一の要素には同一の符号を付けて示し、前述の実施形態との相違点について説明する。
【0043】
図5は、第2実施形態の現像装置に備えられた撹拌部材を示す図である。
【0044】
本実施形態の撹拌部材248では、回転ロール2481に立設した撹拌突起2482が、棒状ではなく、板状である。撹拌突起2482は、回転ロール2481の延伸方向すなわち前後方向DEに延びている。また、撹拌突起2482は、前後方向DEの長さが異なるものが交互に配列されている。板状の撹拌突起2482は、棒状の場合に比べて、撹拌部材248の回転に伴う撹拌量が増大する。
【0045】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の第3実施形態の説明にあたっては、これまで説明してきた実施形態における各要素と同一の要素には同一の符号を付けて示し、前述の実施形態との相違点について説明する。
【0046】
図5は、第3実施形態の現像装置の撹拌部材近傍の概略構成を示す図である。
【0047】
図5に示す現像装置34Yの撹拌部材348は、一対の支持ロール3481a,3481bと、これら支持ロール3481a,3481bに架け渡された無端のベルト3482を備えている。ベルト3482の外側の面に、複数の撹拌突起3483が立設している。ベルト3482は本発明にいう周回移動体の一例に相当し、撹拌突起3483は本発明にいう第1突起の一例に相当する。
【0048】
支持ロール3481aが図示しないモータによって駆動されることで回転すると、ベルト3482が周回移動する。この結果、ベルト3482に立設した撹拌突起3483が、現像剤供給部147上の現像剤を掻くように移動する。したがって、現像剤が撹拌され、帯電量が増大する。
【0049】
なお、上述した実施形態では、本発明にいう周回移動体の例として、板状部1471に対向する面が現像ロール141に向かう方向に回転する回転ロール1481が示されている。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、周回移動体は、例えば、回転ロール1481と逆向きに回転するものであってもよい。
【0050】
また、上述した実施形態では、本発明にいう帯電部の例として、撹拌突起が立設した回転ロールやベルトが示されている。ただし、本発明にいう帯電部はこれに限られず、例えば、突起を振動させて現像剤を撹拌させるものであってもよく、また突起は静止した状態で現像剤供給部上の現像剤の流れを阻止することで撹拌するものであってもよい。また、帯電部は放電等の手段によって現像剤を帯電させるものであってもよい。
【0051】
また、上述した実施形態では、本発明にいう画像形成装置の例としてタンデム型のカラープリンタが示されている。ただし、本発明にいう画像形成装置はこれに限られず、例えば、中間転写ベルトを有しないモノクロ専用プリンタであってもよい。
【0052】
また、上述した実施形態では、本発明にいう画像形成装置の例としてプリンタが示されている。ただし、本発明にいう画像形成装置はプリンタに限られず、例えば、画像読取装置で読み取られたデータに基づいて画像を形成する複写機やファクシミリであってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 画像形成装置
11Y 感光体
14Y,34Y 現像装置
140 現像剤容部
141 現像ロール
147 現像剤供給部
1471 板状部
1472 制動突起
1473 振動装置
148,248,348 撹拌部材
1481,2481 回転ロール
1482,2482,3482 撹拌突起
3482 ベルト
CA 筐体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被現像体に隣接して配置され現像剤を表面に保持しながら回転することで該被現像体の表面に該現像剤を搬送する回転搬送体と、
前記回転搬送体の、前記被現像体に対面する領域を露出させた状態に該回転搬送体を支持するとともに、該回転搬送体に供給される現像剤を収容する収容部を有する筐体と、
前記収容部から前記回転搬送体に向かって広がり、該収容部に収容された現像剤を上に載せて前記回転搬送体に供給する現像剤供給部と、
前記筐体内の、前記現像剤供給部の上に配置された、現像剤を帯電させる帯電部とを備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記帯電部が、
周回移動する周回移動体と、
前記周回移動体に立設した、該周回移動体の周回移動によって前記現像剤供給部上の現像剤を掻く複数の第1突起とを有するものであることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤供給部が、
前記現像剤を載せる、前記回転搬送体に向かって下る向きに傾斜した板状部と、
前記板状部を振動させて、該板状部の上の現像剤を流動させる振動装置と、
前記板状部に立設した複数の第2突起とを有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の現像装置。
【請求項4】
静電潜像が表面に形成され該静電潜像が現像剤で現像される被現像体と、
前記被現像体を現像剤で現像する現像装置とを備え、
前記現像装置が、
前記被現像体に隣接して配置され現像剤を表面に保持しながら回転することで該被現像体の表面に該現像剤を搬送する回転搬送体と、
前記回転搬送体の、前記被現像体に対面する領域を露出させた状態に該回転搬送体を支持するとともに、該回転搬送体に供給される現像剤を収容する収容部を有する筐体と、
前記収容部から前記回転搬送体に向かって広がり、該収容部に収容された現像剤を上に載せて前記回転搬送体に供給する現像剤供給部と、
前記筐体内の、前記現像剤供給部の上に配置された、現像剤を帯電させる帯電部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
被現像体に隣接して配置され現像剤を表面に保持しながら回転することで該被現像体の表面に該現像剤を搬送する回転搬送体と、
前記回転搬送体の、前記被現像体に対面する領域を露出させた状態に該回転搬送体を支持するとともに、該回転搬送体に供給される現像剤を収容する収容部を有する筐体と、
前記収容部から前記回転搬送体に向かって広がり、該収容部に収容された現像剤を上に載せて前記回転搬送体に供給する現像剤供給部と、
前記筐体内の、前記現像剤供給部の上に配置された、現像剤を帯電させる帯電部とを備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記帯電部が、
周回移動する周回移動体と、
前記周回移動体に立設した、該周回移動体の周回移動によって前記現像剤供給部上の現像剤を掻く複数の第1突起とを有するものであることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤供給部が、
前記現像剤を載せる、前記回転搬送体に向かって下る向きに傾斜した板状部と、
前記板状部を振動させて、該板状部の上の現像剤を流動させる振動装置と、
前記板状部に立設した複数の第2突起とを有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の現像装置。
【請求項4】
静電潜像が表面に形成され該静電潜像が現像剤で現像される被現像体と、
前記被現像体を現像剤で現像する現像装置とを備え、
前記現像装置が、
前記被現像体に隣接して配置され現像剤を表面に保持しながら回転することで該被現像体の表面に該現像剤を搬送する回転搬送体と、
前記回転搬送体の、前記被現像体に対面する領域を露出させた状態に該回転搬送体を支持するとともに、該回転搬送体に供給される現像剤を収容する収容部を有する筐体と、
前記収容部から前記回転搬送体に向かって広がり、該収容部に収容された現像剤を上に載せて前記回転搬送体に供給する現像剤供給部と、
前記筐体内の、前記現像剤供給部の上に配置された、現像剤を帯電させる帯電部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2013−68769(P2013−68769A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206989(P2011−206989)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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