説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】 従来よりも早く冷却できる現像装置及び該現像装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 ケース14内に設置された容器15は、内部に冷媒を格納している。パイプ17はポンプ16を介して両端が容器15に連結され、一部がドクターブレード13に接触して冷媒を案内する。ポンプ16は容器15に格納された冷媒をパイプ17の一端に送り込み、パイプ17の他端から冷媒を容器15に送り返して冷媒を循環させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、現像装置の冷却及び該現像装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真式の画像形成装置の現像装置では、ドクターブレードを用いて、ローラ状の現像スリーブ表面に現像剤を均一かつ一様に付着させる方法が多く用いられる。現像スリーブに付着した現像剤は、静電潜像が記録された感光体の表面に接触または接近して、静電潜像部分にトナーを付着させることにより、感光体にトナー像を形成する。
【0003】
一般的に用いられる現像方式には、トナーのみからなる一成分現像方式と、トナーよりも粒径の大きい磁性粒子をキャリアとしてトナーに混合した二成分現像方式とがある。二成分現像方式には、現像スリーブ内に配置したマグネットの磁気力で現像剤の挙動を制御し、磁性部材で形成された磁性ブレードをドクターブレードとして用いる方式がある。ドクターブレードで均一かつ一様な現像剤の層を現像スリーブ表面に形成する過程においては、ドクターブレードと現像剤との摩擦、現像剤と現像スリーブとの摩擦、または、現像剤と現像剤との摩擦等により現像装置の温度が上昇する。
【0004】
例えば、図13の模式的な断面図に示すような、冷却機能を有し二成分現像方式を用いる従来の現像装置9では、現像スリーブ91内部のマグネット92により現像スリーブ91表面に付着した現像剤90は、現像スリーブ91の矢印方向の回転に伴ってドクターブレード93により一様均一化され、静電潜像が記録された感光体94と接触または近接する現像ニップへ向かい、ドクターブレード93と現像スリーブ91との間の狭い領域を通過する際、摩擦等により発熱し、現像装置9が高温になる。現像装置9の熱は、放熱フィンを伴ったヒートシンク95が取り付けられたドクターブレード93により冷却される。
【0005】
特許文献1では、現像ブレード(ドクターブレードとも称する)にヒートシンクとヒートパイプとを埋め込み、現像ブレードを放熱して現像装置で発生した熱による不具合を防止するとともに、ヒートパイプを使用することで長手方向の温度ムラを防止する現像装置が提案されている。
【0006】
特許文献2では、ある温度を超えると急にその磁性を失う磁性流体を冷却液として使用し、磁性流体の磁気的変化により磁性体を循環させて印字後の発熱体を冷却するサーマルプリントヘッドが提案されている。特許文献3では、磁性流体を混合した冷媒をリニアモーターで駆動することにより、駆動用モータを省略して小型かつ高性能に冷却し、保守性や信頼性を向上させた液冷式の冷却装置が提案されている。
【特許文献1】特開2001−235942号公報
【特許文献2】実公平6−28274号公報
【特許文献3】特開2001−77571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、コピー速度やプリント速度が高速化されており、これに伴い現像スリーブの回転速度が高速して発熱量が増加し、現像装置が高温になる傾向があり、特許文献1で提案されているようなドクターブレードをヒートシンク等を現像装置外部に設けて静的に熱を放出するだけでは、発生した熱を十分に冷却できないため、より早く冷却する冷却方法が求められている。なお、特許文献2や特許文献3のように、磁性流体を冷却液に使用した冷却装置は、現像装置の冷却を考慮したものではない。
【0008】
この発明は、従来よりも早く冷却できる現像装置及び該現像装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の現像装置は、ケース内に格納された現像剤を、回転する中空の現像スリーブに担持してドクターブレードで一様均一化し、現像スリーブに近接する感光体にトナー像を形成する現像装置であって、容器と冷媒流路と駆動手段とを備え、容器は、冷媒を格納し、冷媒流路は、容器から流出してケース内を通って容器に流入する冷媒の経路を形成し、少なくともケース内の経路の一部において現像剤の熱を冷媒に伝達し、駆動手段は、容器に格納された冷媒を冷媒流路に沿って強制的に循環させる。
【0010】
冷媒流路は、現像スリーブの内周面若しくは外周面に接触し、または、現像スリーブの内周面と外周面の間の厚み内部を通るとよい。また、冷媒流路は、ドクターブレードの表面に接触し、または、ドクターブレードの内部を通るとよい。
【0011】
また、冷媒流路は、ケース内部において現像スリーブの回転方向に対してドクターブレードの上流側を通るとよい。現像剤は磁性体を含み、冷媒は磁性を有するとよい。また、容器に格納された冷媒の熱をケースの外部に放出する放熱手段を備えるとよい。また、この発明の画像形成装置は上記のいずれかの現像装置を備える。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、熱の発生源近くを冷却できるため、より早く現像装置を冷却できる。請求項2の発明によれば、現像剤の流動を妨げずに熱の発生源近くを冷却できるため、より早く現像装置を冷却できる。請求項3の発明によれば、温度が上昇する現像スリーブ外周面を直接冷却することにより、熱の発生源近くを冷却できるため、より早く現像装置を冷却できる。請求項4の発明によれば、現像剤の流動を妨げずに熱の発生源近くを冷却できるため、より早く現像装置を冷却できる。請求項5の発明によれば、現像剤の流動を妨げずに熱の発生源近くを冷却できるため、より早く現像装置を冷却できる。請求項6の発明によれば、現像剤の流動を妨げずに熱の発生源近くを冷却できるため、より早く現像装置を冷却できる。請求項7の発明によれば、現像剤が滞留する位置で現像剤を冷却することにより、熱の発生源近くを冷却できるため、より早く現像装置を冷却できる。請求項8の発明によれば、磁性流体である冷媒と磁性を有する現像剤との接触性により効率を高めて熱の発生源近くを冷却できるため、より早く現像装置を冷却できる。請求項9の発明によれば、現像装置内を冷却して高温となった冷媒の放熱を促進できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
第1の実施形態の画像形成装置100は、図1の構成図に示すように、画像読取部100と処理部101と給紙部102と転写装置103と定着装置104と排紙部105と反転部106とを備え、原稿の画像を読み取り、読み取られた画像をコピー用紙等の移動媒体に形成して排紙する。なお、画像形成装置には他の複写装置、ファクシミリ送受信装置、印刷装置、複写装置複合型の画像形成装置等であってもよい。
【0014】
画像読取部100は、原稿サイズ検知装置により原稿台に置かれた原稿のサイズを検知し、原稿を原稿自動送り装置で送りながら光を走査し、反射光を受光して各原稿の画像を読み取り処理部101に出力する。処理部101は、読み取られた画像を読取順序とともにメモリに記憶し、画像をメモリから順次読み出してトナー像作成のための書込信号を作成する。給紙部102は種々の紙質や大きさの移動媒体を収納し、適宜、転写装置103に送る。
【0015】
転写装置103は、処理部100で作成された書込信号の入力を受けて、各トナー色ごとに設けられた感光体107を帯電、露光及び現像して表面にトナー像を形成し、感光体に連動して回転する中間転写ベルトに各トナー色のトナー像を重ねて一次転写し、給紙部102から送られる移動媒体に一括して二次転写する。転写装置103の現像には、感光体に隣接して設置された第1から第6の実施形態の現像装置を用いる。
【0016】
定着装置104は二次転写された用紙を加熱ローラと加圧ローラとで構成される定着ローラにはさんで加熱しながら加圧してトナー像を移動媒体に定着させる。定着装置104で定着された移動媒体は、裏面に画像形成する際には、反転部106で反転されて再び転写装置103に送られて裏面に画像形成され、画像形成が終了すれば排紙部105に送られて排紙トレー等に排紙される。
【0017】
転写装置103において現像機能を担う現像装置1は、図2の断面図に示すように現像剤10と現像スリーブ11とマグネット12とドクターブレード13とケース14と容器15とポンプ16とパイプ17とを備える。
【0018】
ケース14はトナーとトナーよりも粒径の大きい磁性粒子をキャリアとを混合した二成分現像方式の現像剤10を格納し、現像スリーブ11はケース14内においてマグネット12の周囲で感光体87に近接して回転し、ドクターブレード13は現像スリーブ11の表面に近接して配置される。
【0019】
ケース14内に設置された容器15は、内部に冷媒を格納している。パイプ17はポンプ16を介して両端が容器15に連結され、一部がドクターブレード13に接触することにより、冷媒を案内する冷媒流路として機能している。パイプ17は、例えば図3に示されるように、冷却しようとする領域に合わせて配置され、蛇行させる他、直線形状や平面形状等種々の形態を取り得る。ポンプ16は容器15に格納された冷媒をパイプ17の一端に送り込み、パイプ17の他端から冷媒を容器15に送り返して冷媒を循環させる駆動手段として機能する。
【0020】
二成分現像方式に必要な磁界に影響を与えないように、パイプ17をアルミニウム等の非磁性体で形成することが望ましく、一成分現像方式の場合には非磁性体でなくともよい。パイプ17のドクターブレード13との接触部分をアルミ等の熱伝導性のよい材質で形成することが望ましく、また、例えば、ドクターブレード13を集中的に冷却するためには接触部分以外の部分を断熱材で形成することが望ましい。パイプ17の材質は、冷媒の流路、集中して冷却する現像装置の部位等の条件に依存して最適なものを選択する。以下、パイプの材質は他の実施形態においても同様である。
【0021】
ケース14内に格納されている現像剤10は、現像スリーブ11内部に配置されたマグネット12により現像スリーブ11表面に付着し、矢印で示す現像スリーブ11の回転に伴いドクターブレード13で一様均一化され、静電潜像が記録された感光体87と接触または近接する現像ニップに送られ、感光体表面にトナー像を形成する。ドクターブレード13と現像スリーブ11との間は狭いため、通過する現像剤10が摩擦等により発熱する。一成分現像方式においてもドクターブレード13と現像スリーブ11との間で同様の発熱が生じる。なお、図2では説明のため現像剤の粒子を大きく描いているが、実際には他の構成部材に対して遥かに小さい。
【0022】
現像装置1内で発生した熱は、パイプ17とドクターブレード13との接触部分において、ポンプ16によりパイプ17と容器15とを循環する冷媒に伝達されて容器15内で拡散することにより、現像装置1が冷却される。熱の発生源近くでドクターブレードから熱を奪うことでより早く現像装置が冷却できるとともに、冷媒を強制的に循環させることにさらに早く現像装置を冷却できる。
【0023】
さらに、図4の断面図に示すように、放熱手段として機能する放熱フィンつきのヒートシンク18を容器15に備えてケース14外に設置することにより、容器15内で拡散した熱がヒートシンク18を通じてケース14外に放出され、冷媒の温度上昇を防止する効果が高まる。
【0024】
また、図5の断面図に示すように、一容器15内を通って冷媒に接触するヒートパイプ19を備え、ヒートパイプ19をケース14外で放熱フィンつきのヒートシンク18に接触させることにより、ヒートパイプ19及びヒートシンク18が放熱手段として機能し、容器15内で拡散した熱がヒートパイプ19及びヒートシンク18を通じてケース14外に放出され、冷媒の温度上昇を防止する効果が高まる。
【0025】
画像形成装置100によれば高速に画像形成を行う場合に、現像装置の現像スリーブの回転速度が高速して発熱量が増加しても、効率的に現像装置を冷却でき、画質劣化や現像装置周辺の汚染等を防止できる。
【0026】
第2の実施形態の現像装置2は、図6(a)の断面図に示すように、第1の実施形態の現像装置1の現像剤10と現像スリーブ11とマグネット12とドクターブレード13とケース14とを備え、容器20とパイプ21とポンプ22とを備える。
【0027】
現像スリーブ11内に設置された容器20は、内部に冷媒を格納している。パイプ21は、図6(b)の断面図に示すように、現像スリーブ11内周面のドクターブレード13に対向する位置に接触して配置され、ポンプ22を介して両端が容器20に連結されている。ポンプ22は容器20に格納された冷媒をパイプ21の一端に送り込み、パイプ21の他端から冷媒を容器20に送り返して冷媒を循環させる。
【0028】
第1の実施形態の現像装置1と同様に発生した熱は、パイプ21と現像スリーブ13との接触部分において、ポンプ22によりパイプ21と容器20とを循環する冷媒に伝達されて容器20内で拡散するため、現像装置2が冷却される。冷媒を強制的に循環させることにより早く現像装置を冷却できることに加え、熱の発生源近くを冷却することにより早く現像装置を冷却でき、さらに、容器とパイプとポンプとを現像スリーブ内に配置することにより、現像剤の流動を妨げることがなく、冷却効果の高い現像装置を省スペース化できる。さらに、第1の実施形態に係る現像装置1と同様に、ヒートシンクやヒートパイプを備えて容器内に拡散した熱を放出することにより、冷媒の温度上昇を防止する効果が高まる。
【0029】
第3の実施形態の現像装置3は、図7(a)の断面図に示すように、第1の実施形態の現像装置1の現像剤10と現像スリーブ11とマグネット12とドクターブレード13とケース14とを備え、容器30とパイプ31とポンプ32とを備える。
【0030】
ケース14外に設置された容器30は、内部に冷媒を格納する。ケース14内に配置されたパイプ31は、ポンプ32を介して両端が容器30に連結され、一部が現像スリーブ11の外周面に接触しており、接触位置はドクターブレード13に対向する位置から180度反対の位置であり、図7(b)に示すように、現像スリーブの長手方向に沿って配置される。二成分現像方式では、現像ニップ部で感光体にトナーを供給した現像剤は常に現像スリーブ11に付着しているわけではなく、磁極配置に従って現像スリーブ11から引き離される。現像剤が現像スリーブ11から引き離される剤離れ位置において、パイプ31と現像スリーブ11とを接触させるとよい。ポンプ32は容器30に格納された冷媒をパイプ31の一端に送り込み、パイプ31の他端から冷媒を容器30に送り返して冷媒を循環させる。
【0031】
第1の実施形態の現像装置1と同様に発生した熱は、パイプ31と現像スリーブ11との接触部分において、ポンプ32によりパイプ31と容器30とを循環する冷媒に伝達されて容器30内で拡散するため、現像装置3が冷却される。冷媒を強制的に循環させることにより早く現像装置を冷却できることに加え、現像剤が直接接触する現像スリーブ表面を冷却することにより、現像装置を早く冷却できる。さらに、第1の実施形態に係る現像装置1と同様に、ヒートシンクやヒートパイプを備えて容器内に拡散した熱を早く放出することにより、冷媒の温度上昇を防止する効果が高まる。
【0032】
第4の実施形態の現像装置4は、図8(a)の断面図、図8(b)の現像スリーブ付近における長手方向の断面図、図8(c)の現像スリーブの側面図に示すように、第1の実施形態の現像装置1の現像剤10とマグネット12とドクターブレード13とケース14とを備え、現像スリーブ40と容器41とポンプ42とパイプ43とを備える。
【0033】
現像スリーブ40は、内周面と外周面とに挟まれた厚さ内部に長手方向にのびた4つの空隙44を有している。なお、空隙44は他の形状でも他の個数であってもよい。容器41は、現像スリーブ40の回転軸付近の長手方向に沿って配置される。容器41の両端にはポンプ42a及びポンプ42bがそれぞれ設けられている。現像スリーブ40の一端に配置されたパイプ43aは、現像スリーブ40の回転中心付近でポンプ42aに接続されるとともに、ポンプ42a付近で4方向に分岐した各端部で空隙44に接続される。パイプ43bは、現像スリーブ40の他端に配置されてパイプ43aと同様にポンプ42bと空隙44とに接続される。
【0034】
容器41に格納された冷媒は、ポンプ42aによりパイプ43aを通じて現像スリーブ40の一端から空隙44に流入し、現像スリーブ40内を通過した後、現像スリーブ40の他端からパイプ43bへ流出し、ポンプ42bにより容器41にもどされて循環する。
【0035】
第1の実施形態の現像装置1と同様に発生した熱は、現像スリーブ40の空隙44を流れる冷媒に伝達されて容器41内で拡散するため、現像装置4が冷却される。冷媒を強制的に循環させることにより早く現像装置を冷却できることに加え、現像剤が直接接触する現像スリーブ表面付近を直接冷却することにより、現像装置を早く冷却できる。さらに、第1の実施形態に係る現像装置1と同様に、ヒートシンクやヒートパイプを備えて容器内に拡散した熱を早く放出することにより、冷媒の温度上昇を防止する効果が高まる。
【0036】
第5の実施形態の現像装置5は、図9の構成図に示すように、第1の実施形態の現像装置1と同様の構成部材をもつが、現像スリーブ11の回転方向上流側でパイプ17がドクターブレード13と接触する点で異なる。
【0037】
ここで、図10に示すように冷媒として磁性流体を用いると、パイプ17を流れる磁性流体によりパイプ17と現像剤10とが接触する表面50が磁性体の効果を有する。パイプ17の近傍にある現像剤10に対し、表面50が磁性体を用いた磁性ブレードと同様な挙動を示すため、磁性ブレードを設けずに磁性ブレードの効果を得られる。
【0038】
第1の実施形態の現像装置1と同様に発生した熱は、パイプ17を流れる冷媒に伝達されて容器15内で拡散するため、現像装置5が冷却される。冷媒として働く磁性流体は、磁気力によって現像剤と良好に密着しようとするため、ドクターブレードを早く冷却できる。冷媒を強制的に循環させることにより早く現像装置を冷却できることに加え、現像剤が直接接触する現像スリーブ表面を直接冷却することにより、現像装置を早く冷却できる。さらに、第1の実施形態に係る現像装置1と同様に、ヒートシンクやヒートパイプを備えて容器内に拡散した熱を放出することにより、冷媒の温度上昇を防止する効果が高まる。
【0039】
第6の実施形態の現像装置6は、図11の構成図に示すように、第5の実施形態の現像装置5において、パイプ17とドクターブレード13とを接触させる代わりに、ドクターブレード60内部に現像スリーブ11の長手方向に沿う空隙61を設け、空隙61の一端側からパイプ17を通じて冷媒を流入させ、空隙61の他端からパイプ17に流出させるようにする。空隙61は、冷却しようとする領域に合わせて直線形状、蛇行、平面状等種々の形態を取り得る。
【0040】
第1の実施形態の現像装置1と同様に発生した熱は、パイプ17を流れる冷媒に伝達されて容器15内で拡散するため、現像装置6が冷却される。ドクターブレードを直接冷却することができ、ドクターブレードの近傍で発生する熱を早く吸収できる。冷媒を強制的に循環させることにより早く現像装置を冷却できることに加え、現像剤が直接接触する現像スリーブ表面を直接冷却することにより、現像装置を早く冷却できる。さらに、第1の実施形態に係る現像装置1と同様に、ヒートシンクやヒートパイプを備えて容器内に拡散した熱を放出することにより、冷媒の温度上昇を防止する効果が高まる。第5の実施形態と同様に磁性流体を冷媒として用いてもよく、ドクターブレードを磁気ブレードとして機能させることができる他、磁気力によって現像剤と良好に密着しようとするため、ドクターブレードを早く冷却できる。
【0041】
第7の実施形態の現像装置7は、図12の構成図に示すように、第1の実施形態の現像装置1の現像剤10と現像スリーブ11とマグネット12とドクターブレード13とケース14とを備え、容器70とパイプ71とポンプ72とを備える。
【0042】
ケース14外に設置された容器70は、内部に冷媒を格納する。パイプ71はポンプ72を介して両端が容器70に連結され、ドクターブレード13より現像スリーブ11の回転方向上流側に配置される。ポンプ72は容器70に格納された冷媒をパイプ71の一端に送り込み、パイプ71の他端から冷媒を容器70に送り返して冷媒を循環させる。
【0043】
ドクターブレード13より現像スリーブ11の回転方向上流側は、現像剤10の流動が規制されて多くの現像剤10が滞留するため、パイプ71を流れる冷媒により効率よく現像剤10が冷却される。パイプ71は、現像装置7の特性に応じて最適な形状にする。
【0044】
第1の実施形態の現像装置1と同様に発生した熱は、パイプ17を流れる冷媒に伝達されて容器70内で拡散するため、現像装置7が冷却される。現像剤10が滞留する領域を冷却するため、熱を早く吸収できる。冷媒を強制的に循環させることにより早く現像装置を冷却できることに加え、現像剤が直接接触する現像スリーブ表面を直接冷却することにより、現像装置を早く冷却できる。さらに、第1の実施形態に係る現像装置1と同様に、ヒートシンクやヒートパイプを備えて容器内に拡散した熱を放出することにより、冷媒の温度上昇を防止する効果が高まる。
【0045】
なお、本発明の現像装置は、現像機能を独立してユニット化した現像装置の他、画像形成装置等に一体化された現像装置であってもよく、二成分現像方式のほか一成分現像方式により現像を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】画像形成装置の構成図である。
【図2】第1の実施形態の現像装置の断面図である。
【図3】パイプの配置例を示す図である。
【図4】ヒートシンクを用いた現像装置の断面図である。
【図5】ヒートパイプを用いた現像装置の断面図である。
【図6】第2の実施形態の現像装置の断面図である。
【図7】第3の実施形態の現像装置の断面図である。
【図8】第4の実施形態の現像装置の断面図である。
【図9】第5の実施形態の現像装置の断面図である。
【図10】冷媒に磁性流体を用いた現像装置の断面図である。
【図11】第6の実施形態の現像装置の断面図である。
【図12】第7の実施形態の現像装置の断面図である。
【図13】従来の現像装置の断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1;現像装置、2;現像装置、3;現像装置、4;現像装置、5;現像装置、
6;現像装置、7;現像装置、8;現像装置、10;現像剤、11;現像スリーブ、
12;マグネット、13;ドクターブレード、14;ケース、15;容器、
16;ポンプ、17;パイプ、18;ヒートシンク、19;ヒートパイプ、
20;容器、21;パイプ、21;ポンプ、30;容器、31;パイプ、32;ポンプ、
40;現像スリーブ、41;容器、42;ポンプ、43;パイプ、44;空隙、
50;表面、60;ドクターブレード、61;空隙、70;容器、71;パイプ、
72;ポンプ、80;画像読取部、81;処理部、82;給紙部、83;転写装置、
84;定着装置、85;排紙部、86;反転部、100;画像読取部、101;処理部、
102;給紙部、103;転写装置、104;定着装置、105;排紙部、
106;反転部、107;感光体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に格納された現像剤を、回転する中空の現像スリーブに担持してドクターブレードで一様均一化し、現像スリーブに近接する感光体にトナー像を形成する現像装置であって、
容器と冷媒流路と駆動手段とを備え、
前記容器は、冷媒を格納し、
前記冷媒流路は、前記容器から流出してケース内を通って前記容器に流入する前記冷媒の経路を形成し、少なくともケース内の経路の一部において前記現像剤の熱を前記冷媒に伝達し、
前記駆動手段は、前記容器に格納された冷媒を前記冷媒流路に沿って強制的に循環させることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記冷媒流路は、前記現像スリーブの内周面に接触する請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記冷媒流路は、前記現像スリーブの外周面に接触する請求項1に記載の現像装置。
【請求項4】
前記冷媒流路は、前記現像スリーブの内周面と外周面の間の厚み内部を通る請求項1に記載の現像装置。
【請求項5】
前記冷媒流路は、前記ドクターブレードの表面に接触する請求項1に記載の現像装置。
【請求項6】
前記冷媒流路は、前記ドクターブレードの内部を通る請求項1に記載の現像装置。
【請求項7】
前記冷媒流路は、前記ケース内部において前記現像スリーブの回転方向に対して前記ドクターブレードの上流側を通る請求項1に記載の現像装置。
【請求項8】
前記現像剤は磁性体を含み、
前記冷媒は磁性を有する請求項1から請求項7のいずれかに記載の現像装置。
【請求項9】
前記容器に格納された冷媒の熱をケースの外部に放出する放熱手段を備える請求項1から請求項8のいずれかに記載の現像装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の現像装置を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−3383(P2006−3383A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−176555(P2004−176555)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】