説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】現像剤保持体の回転軸に沿った方向における像保持体への現像剤の供給量の偏りを低減すること。
【解決手段】誘導部材400は、複数の板状部材410を有する。各板状部材410は、各板状部材410は、現像剤が衝突したときにこの現像剤を誘導する誘導面420を有する。各板状部材410は、現像剤が搬送される第1の搬送方向A8に沿って並び、鉛直方向の下側の端部が、鉛直方向の上側の端部よりも第1の搬送方向A8の下流側となるように鉛直方向に対する傾きを有してそれぞれ設けられている。これらの傾きは、板状部材410の設けられる位置が第1の搬送方向A8の上流側になるに連れて、大きくなっている。板状部材410は、移動する現像剤に誘導面420が衝突する位置に設けられている。誘導面420は、衝突した現像剤に下流側に向かう力を加え、これらを下流側に誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
感光体ドラム等の像保持体に供給する現像剤の濃度むらを少なくする技術がある。特許文献1には、現像ロール等の現像剤保持体から剥離された現像剤を、当該現像剤が移動する経路を規定する部材を用いて、現像剤保持体に現像剤が供給される位置に戻すことで、搬送路を循環する現像剤の量を減らし、滞留を生じないようにして現像剤の現像剤保持体に対する供給量を安定させ、濃度むらを少なくする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−234483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、現像剤保持体の回転軸に沿った方向における像保持体への現像剤の供給量の偏りを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る現像装置は、表面に現像剤を保持し、回転軸を中心に回転し、像保持体との対向部で前記像保持体に現像剤を供給する現像剤保持体と、前記現像剤保持体の表面に現像剤を供給しながら、前記現像剤保持体の回転軸に沿った搬送方向に現像剤を搬送する搬送部材と、前記現像剤保持体の表面に保持された現像剤の内、前記像保持体に供給されずに前記像保持体との対向部を通過した現像剤を、前記搬送方向下流側へと誘導する誘導部を有し、前記誘導部に対して前記搬送方向下流側において前記現像剤保持体から前記搬送部材に到達する現像剤よりも前記誘導部に対して前記搬送方向上流側において前記現像剤保持体から前記搬送部材に到達する現像剤を少なくする誘導部材と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る現像装置は、表面に現像剤を保持し、回転軸を中心に回転し、像保持体との対向部で前記像保持体に現像剤を供給する現像剤保持体と、前記現像剤保持体の表面に現像剤を供給しながら、前記現像剤保持体の回転軸に沿った搬送方向に現像剤を搬送する搬送部材と、前記現像剤保持体の表面に保持された現像剤の内、前記像保持体に供給されずに前記像保持体との対向部を通過した現像剤を、前記搬送方向に沿って並んだ複数の面によって前記搬送方向下流側に誘導し、前記複数の面のうち、少なくとも2つの隣接する面の傾きは、前記搬送方向上流側に位置する第1の面の前記搬送方向下流側への傾きが、前記搬送方向下流側に位置する第2の面の前記搬送方向下流側への傾きよりも大きい誘導部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る現像装置は、請求項2に記載の構成において、前記誘導部材は、前記複数の面の前記搬送方向下流側への傾きが、前記搬送方向上流側に位置する面ほど大きいことを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る現像装置は、請求項2又は3に記載の構成において、前記複数の面は、板状の部材上に設けられ、前記板状の部材は、前記現像剤保持体の表面に接触する接触部を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る現像装置は、請求項2乃至4のいずれかに記載の構成において、前記複数の面は、前記搬送方向下流側に湾曲している面を少なくとも1つ有することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係る現像装置は、請求項2乃至5のいずれかに記載の構成において、現像剤を収容する収容部と、前記収容部内の現像剤の傾きを検出する検出装置と、前記検出装置が検出した現像剤の傾きに基づいて、前記複数の面の傾きを変更する変更手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7に係る現像装置は、表面に現像剤を保持し、回転軸を中心に回転し、像保持体との対向部で前記像保持体に現像剤を供給する現像剤保持体と、前記現像剤保持体の表面に現像剤を供給しながら、前記現像剤保持体の回転軸に沿った搬送方向に現像剤を搬送する搬送部材と、前記搬送部材から前記現像剤保持体に供給され、前記現像剤保持体の表面に保持された現像剤の内、前記像保持体に供給されずに前記像保持体との対向部を通過した現像剤を、磁力によって前記搬送方向の下流側に誘導する磁性部材を有する誘導部材と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項8に係る現像装置は、請求項7に記載の構成において、前記磁性部材は、現像剤との間に働く磁力が前記搬送方向上流側ほど大きいことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項9に係る現像装置は、請求項1乃至8のいずれかに記載の構成において、鉛直方向に上下2つの前記現像剤保持体と、前記上下2つの現像剤保持体と前記像保持体との各対向部とを通過した現像剤を前記搬送方向の下流側に誘導する2つの前記誘導部材と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項10に係る画像形成装置は、請求項1乃至9のいずれかに記載の現像装置と、前記像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電装置と、前記帯電装置により帯電された前記像保持体を露光して前記静電潜像を形成させる露光装置とを有し、前記像保持体に形成された静電潜像を前記現像装置から供給される現像剤を用いて現像し、像を形成する像形成手段と、前記像形成手段により形成された像を記録媒体に転写する転写手段と、前記転写手段により転写された像を定着させる定着手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、10に係る発明によれば、搬送方向の下流側に現像剤を誘導しない場合に比べて、現像剤保持体の回転軸に沿った方向における像保持体への現像剤の供給量の偏りを低減することができる。
請求項2に係る発明によれば、現像剤の磁性に関わらず、本構成を有しない場合に比べて、現像剤保持体の回転軸に沿った方向における像保持体への現像剤の供給量の偏りを低減することができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、現像剤保持体の回転軸に沿った方向における像保持体への現像剤の供給量の偏りを低減しつつ、当該方向における当該供給量のむらを抑制することができる。
請求項4に係る発明によれば、板状の部材を有しない場合に比べて、誘導する現像剤の量を多くすることができる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、現像剤の界面に到達した現像剤の衝撃により巻き上げられる現像剤の量を低減することができる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、現像剤保持体の回転軸に沿った方向における像保持体への現像剤の供給量の偏りを低減するために必要な量以上に現像剤を誘導することを抑制することができる。
請求項7に係る発明によれば、現像剤の下流側への誘導を磁力によって行わない場合に比べて、収容部に収容される現像剤へ剥離された現像剤を早く到達させることができる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、現像剤保持体の回転軸に沿った方向における像保持体への現像剤の供給量の偏りを低減しつつ、当該方向における当該供給量のむらを抑制することができる。
請求項9に係る発明によれば、上下2つの現像剤保持体を有しない場合に比べて、像保持体の回転速度が増した場合であっても、静電潜像を現像する現像剤の量が減少することを抑制しつつ、搬送方向における像保持体への現像剤の供給量の偏りを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】感光体ユニットの構成を示す図である。
【図3】現像装置の構成を示す図である。
【図4】現像剤が筐体の内部を循環する様子を説明するための図である。
【図5】第1の収容部における現像剤の界面の状態を説明するための図である。
【図6】現像ロール側から水平方向に見た誘導部材の図である。
【図7】誘導部材により誘導される現像剤の軌跡の一例を示す図である。
【図8】第2実施形態に係る現像装置の構成を示す図である。
【図9】現像ロール側から水平方向に見た誘導部材の図である。
【図10】誘導部材により下流側に誘導された現像剤の軌跡の一例を示す図である。
【図11】変形例に係る現像装置の構成を示す図である。
【図12】誘導部材が設けられている面に向かって見た場合の誘導部材を示す図である。
【図13】誘導部材の側面を示す図である。
【図14】変形例に係る現像装置の構成を示す図である。
【図15】変形例に係る誘導部材を示す図である。
【図16】誘導部材を回転させる機構の構成を示すブロック図である。
【図17】回転された板状部材を示す図である。
【図18】変形例に係る誘導部材を示す図である。
【図19】誘導部材に誘導される現像剤を比較するための図である。
【図20】変形例に係る現像装置の構成を示す図である。
【図21】誘導部材により下流側に誘導された現像剤の軌跡の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明を実施するための第1の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す図である。画像形成装置1は、記録媒体である用紙に画像を形成する電子写真方式のプリンタであり、本実施形態においては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを用いてカラー画像を形成する。まず、画像形成装置1の全体の構成を説明する。
【0018】
画像形成装置1は、感光体ユニット10Y、10M、10C及び10Kと、露光部20と、一次転写ロール30Y、30M、30C及び30Kと、中間転写部40と、複数の搬送ロール50と、二次転写部60と、定着部70とを備える。感光体ユニット10Yは、感光体ドラム100Yを有し、感光体ユニット10Mは、感光体ドラム100Mを有する。また、感光体ユニット10Cは、感光体ドラム100Cを有し、感光体ユニット10Kは、感光体ドラム100Kを有する。中間転写部40は、中間転写ベルトと複数の回転ロールを有し、二次転写部60は、二次転写ロールとバックアップロールとを有する。なお、画像形成装置1の各符号のうち、その末尾にアルファベット(Y、M、C又はK)が付
されたものは、アルファベットに対応する色の画像形成に関わる構成である。末尾のアルファベットのみが異なる各符号は、その位置や用いるトナーが異なるが、その構成は共通である。これら各構成の各々を特に区別する必要がない場合には、符号の末尾のアルファベットを省略して説明する。
【0019】
感光体ドラム100は、表面に光導電膜を積層する円筒状の部材(ロール)を有し、このロールの回転軸を中心に回転駆動される。露光部20は、光を照射する装置であり、強度や照射位置を制御された光を感光体ドラム100の表面に照射(露光)する。露光部20は、本発明に係る「露光装置」の一例に相当する。感光体ドラム100は、露光部20により照射された光(露光光)に応じた静電潜像が表面に形成され、この静電潜像を保持する。感光体ユニット10は、感光体ドラム100の表面にトナーを含む現像剤を供給し、この静電潜像を現像する。詳細には、感光体ドラム100の表面には、現像剤が静電潜像部分に付着してトナー像が形成される。感光体ドラム100は、本発明に係る「像保持体」の一例に相当し、トナー像は、本発明に係る「像」の一例に相当する。また、感光体ユニット10及び露光部20が協働することで、本発明に係る「像形成手段」として機能する。中間転写ベルトは、無端のベルト状の部材であり、複数の回転ロール、一次転写ロール30及びバックアップロールと接触しながら矢印A1の方向に回転するように移動する。複数の回転ロールは、中間転写ベルトの移動を支持する円筒状の部材であり、円筒の中心を軸として回転する。
【0020】
一次転写ロール30は、中間転写ベルトを挟んで感光体ドラム100と対向するロールであり、感光体ドラム100との間の一次転写領域に電位差を生じさせ、感光体ドラム100の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルトの表面に転写する。二次転写ロールは、中間転写ベルトを挟んでバックアップロールと対向するロールであり、バックアップロールとの間に電位差を生じさせて、この転写位置にて中間転写ベルト表面のトナー像を記録媒体の表面に転写する。一次転写ロール30、中間転写部40及び二次転写部60が協働することで、本発明に係る「転写手段」として機能する。複数の搬送ロール50は、二次転写部60が転写を行う位置に用紙を搬送し、トナー像が転写された用紙を定着部70が設けられた位置に搬送するロールである。定着部70は、トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧し、トナー像を用紙に定着させる。定着部70は、本発明に係る「定着手段」の一例に相当する。以上の構成により、画像形成装置1においては、破線の矢印A2の方向に搬送される記録媒体に画像が形成される。続いて、感光体ユニット10の構成を詳細に説明する。
【0021】
図2は、感光体ユニット10の構成を示す図である。感光体ユニット10は、感光体ドラム100と、帯電装置200と、現像装置300とを備える。感光体ドラム100は、上述した回転軸P2を中心に、矢印A3の方向に回転する。帯電装置200は、上述した一次転写領域よりも感光体ドラム100が回転する方向の下流側に設けられ、トナー像が転写された後でかつトナー像が形成される前の感光体ドラム100の表面(光導電膜)101を、決められた電位に帯電させる。帯電された表面101は、図1に示す露光部20により露光されて静電潜像を形成される。
【0022】
現像装置300は、感光体ドラム100の周囲の、帯電装置200よりも感光体ドラム100が回転する方向の下流側であって一次転写領域よりも上流側に設けられている。現像装置300は、感光体ドラム100と対向する対向部325に設けられた現像ロール320を備える。現像ロール320は、回転軸P2に沿った回転軸P1を中心に回転するロールを有し、このロールの表面324に上述した現像剤を保持しながら回転する。現像ロール320は、表面324に保持した現像剤を対向部325で表面101に供給して静電潜像を現像する。詳細には、現像ロール320は、感光体ドラム100との間に電位差を生じさせて、帯電したトナーをこの電位差により表面101に移動させる。表面101に
移動したトナーは、トナー像を形成し、一次転写領域で表面101と接触する中間転写ベルトに転写される。現像ロール320は、本発明に係る「現像剤保持体」の一例に相当する。続いて、図3を参照して、現像装置300の構成を詳細に説明する。
【0023】
図3は、現像装置300の構成を示す図である。現像装置300は、筐体310と、現像ロール320と、誘導部材400とを備える。筐体310は、非磁性のトナーと磁性体である外添剤(磁性キャリア)を有する現像剤を収容する第1の収容部311及び第2の収容部312を有する。図3においては、第1の収容部311及び第2の収容部312に収容されている現像剤により形成される界面B1を二点鎖線で示している。第1の収容部311は、第1の搬送ロール330を有し、第2の収容部312は、第2の搬送ロール340を有している。第1の収容部311は、本発明に係る「収容部」の一例に相当する。また、第1の搬送ロール330は、本発明に係る「搬送部材」の一例に相当する。第1の収容部311及び第2の収容部312に収容されている現像剤は、第1の搬送ロール330及び第2の搬送ロール340により搬送されて筐体310の内部を循環している。第1の搬送ロール330及び第2の搬送ロール340が現像剤を循環させる様子を、図4、図5を参照して説明する。
【0024】
図4は、現像剤が筐体310の内部を循環する様子を説明するための図である。図4では、図3の切断線IV−IVにおける筐体310の断面が示されている。第1の搬送ロール330及び第2の搬送ロール340は、各々の回転軸を中心に回転可能に筐体310にそれぞれ支持されている。第1の搬送ロール330及び第2の搬送ロール340は、螺旋状の羽根をそれぞれ有し、回転軸を中心に回転すると、現像剤を撹拌しながら搬送する。第1の搬送ロール330は、矢印A8の方向(以下「第1の搬送方向A8」という。)に現像剤を搬送し、第2の搬送ロール340は、矢印A10の方向(以下「第2の搬送方向」という。)に現像剤を搬送する。第1の搬送方向A8及び第2の搬送方向は、図3に示す回転軸P2に沿った方向であり、第1の搬送方向A8は、本発明に係る「搬送方向」の一例に相当する。第1の収容部311及び第2の収容部312は、第1の搬送ロール330及び第2の搬送ロール340により搬送される現像剤の経路(搬送路)となっている。これらの搬送路は、筐体310が有する壁314により区切られており、各搬送ロールの回転軸に沿った方向の両端部側でそれぞれ繋がっている。これらの搬送路を搬送された現像剤は、各収容部の端部側まで到達すると、もう一方の収容部に向けて搬送される。こうして、現像剤は、筐体310の内部を循環する。
【0025】
第1の収容部311においては、現像剤は、第1の搬送ロール330により第1の搬送方向A8に搬送され、図3に示す現像ロール320の表面に供給される。言い換えれば、第1の搬送ロール330は、現像剤を、現像ロール320の表面に供給しながら、第1の搬送方向A8に搬送する。現像ロール320は、第1の収容部311に収容される現像剤を表面に保持しながら、図3に示す回転軸P1を中心に回転し、感光体ドラム100に保持した現像剤を供給する。その際、現像ロール320は、供給された現像剤を、第1の搬送方向A8の上流側から保持していくため、第1の搬送方向A8の下流側の現像剤の量が上流側に比べて少なくなるという偏りが生じる場合がある。この偏りは、現像ロール320の回転速度が増して、現像ロール320が保持して搬送する現像剤の量が増えるほど顕著になる。また、この偏りは、第1の収容部311と第2の収容部312とが繋がっている部分で現像剤が滞留するほど顕著になる。なお、以下においては、特に説明がなければ、「上流側」、「下流側」とは、第1の搬送方向A8に対する上流側、下流側をそれぞれ示す。
【0026】
図5は、第1の収容部311における現像剤の界面の状態を説明するための図である。図5では、図4の切断線V−Vにおける筐体310の断面が示され、第1の収容部311に収容される現像剤の界面B2が二点鎖線で示されている。図5では、第1の搬送方向A
8において、現像剤の偏りが生じている状態を示している。具体的には、現像剤の量が、下流側に向かうに連れて少なくなっており、界面B2は、下流側に向かうに連れて鉛直方向の厚さ(筐体310の底面からの高さ)が小さくなっている。現像剤が図5に示す状態になると、図3に示す現像ロール320が図3に示す感光体ドラム100に供給する現像剤の量が、下流側に向かうに連れて少なくなり、その結果、感光体ドラム100の表面に形成されるトナー像の濃度に偏りが生じる。
【0027】
図3に戻る。筐体310は、感光体ドラム100側に向かって開口する開口部を有し、この開口部から露出するように現像ロール320が設けられている。現像ロール320は、マグネットロール321と、スリーブ322とを有する。マグネットロール321は、N極性のN1、N2及びS極性のS1、S2、S3の5つの磁極を有し、これらの磁極が周方向にS1、N1、S2、S3、N2の順に予め定められた間隔で配置されている。これらの磁極のうち、磁極S1は、感光体ドラム100に対向する位置に配置されており、現像剤を感光体ドラム100に移動させる方向の磁力線を発生させる。また、磁極N2は、筐体310に設けられた規制部材313に対向して配置されており、現像剤を規制部材313に向けて移動させる方向の磁力線を発生させる。規制部材313は、現像ロール320の表面と予め定められた距離の隙間を開けて設けられ、矢印A5の方向に搬送される現像剤の量を規制する。また、磁極S2及び磁極S3は、磁極S1よりも現像ロール320が回転する方向の下流側に配置されており、同極の磁極が隣接して設けられていることで、現像剤を現像ロール320から剥離させる方向の磁力線を発生させる。また、磁極N1は、磁極S1から磁極S2まで現像剤を移動させる方向の磁力線を発生させる。
【0028】
スリーブ322は、表面にV形状の溝を有するアルミ製の円筒状の部材であり、回転軸P2を中心に矢印A4の方向に回転可能に支持されている。スリーブ322は、表面(すなわち現像ロール320の表面)に現像剤を吸着させ、この現像剤を保持して搬送する。スリーブ322により搬送される現像剤は、磁極N2を通過するときに規制部材313により保持される量(厚さ)が揃えられ、感光体ドラム100に対向する対向部325(すなわち磁極S1が設けられている位置)において感光体ドラム100に供給される。このとき供給される現像剤は、主として非磁性トナーである。スリーブ322の表面に保持された現像剤のうち、感光体ドラム100に供給されなかった主に磁性キャリアで構成される現像剤は、対向部を通過し、スリーブ322の回転に伴い、磁極S2及び磁極S3による磁力線が発生している剥離領域323まで移動する。これらの現像剤は、剥離領域323においてスリーブ322の表面から剥離する。
【0029】
磁極S2及び磁極S3は、第1の収容部311に収容される現像剤よりも鉛直方向の上方、かつ、剥離した現像剤が放物線を描いてこの収容される現像剤の界面B1に向かって移動(落下)する位置に設けられている。剥離した現像剤は、スリーブ322が回転する方向に運動エネルギーを有した状態であるため、剥離した箇所の接線方向に飛び出す。現像剤は、スリーブ322の回転速度が増すほど、現像ロール320から離れた位置まで移動する。図3では、誘導部材400がなかったと想定した場合に、現像剤が描く放物線を仮想的に示した仮想放物線A6を二点鎖線で示し、仮想放物線A6に沿って現像剤が移動した場合の方向を矢印A7で示している。以下においては、矢印A7の方向を「移動方向A7」という。移動した現像剤は、界面B1に衝突すると、界面B1を形成する現像剤と混ざって第1の収容部311に収容され、第1の搬送ロール330により搬送される。このように、対向部325を通過した現像剤は、第1の搬送ロール330に到達し、再び現像ロール320に供給される。また、現像ロール320、磁極S2及び磁極S3は、第1の収容部311に収容される現像剤に剥離された現像剤が到達するように設けられている。誘導部材400は、仮想放物線A6上に設けられ、界面B1に向けて移動する途中に衝突した現像剤を下流側に誘導する。以下、誘導部材400の詳細な構成を、図6を参照して説明する。
【0030】
図6は、図3に示す現像ロール320側から水平方向に見た誘導部材400の図である。図6では、図3に示す移動方向A7の鉛直方向成分と図5に示す第1の搬送方向A8とを示している。誘導部材400は、板状の複数の板状部材411、412、413、414、415、416、417(以下、区別しない場合は「板状部材410」という。)を有する。各板状部材410は、移動方向A7に移動する現像剤が衝突したときにその現像剤を誘導する誘導面421、422、423、424、425、426、427(以下、区別しない場合は「誘導面420」という。)をそれぞれ有する。各誘導面420(すなわち各板状部材410)は、第1の搬送方向A8に沿って並んで設けられている。各誘導面420の鉛直方向の長さ(高さ)は、いずれもC1である。
【0031】
各誘導面420は、鉛直方向の下側の端部が、鉛直方向の上側の端部よりも第1の搬送方向A8の下流側となるように鉛直方向に対する傾きを有してそれぞれ設けられている。詳細には、各誘導面420は、図6に示すとおり現像ロール320側から水平方向に見たときに、各誘導面420が、それぞれ、鉛直方向に対して角度θ1、θ2、θ3、θ4、θ5、θ6、θ7となるように設けられている。これらの角度は、θ1>θ2>θ3>θ4>θ5>θ6>θ7となっており、板状部材410の設けられている位置が上流側になるに連れて、大きくなっている。つまり、誘導部材400においては、誘導面420の下流側への傾きが、上流側に位置する誘導面420ほど大きくなっている。なお、これらの角度は、0度より大きく、90度未満である。各板状部材410は、この傾きにより、各誘導面420が図3に示す仮想放物線A6を遮る状態となる。すなわち、板状部材410は、誘導面420が移動する現像剤に衝突する位置に設けられている。誘導面420は、衝突した現像剤に下流側に向かう力を加え、これらを下流側に誘導する。誘導面420は、本発明に係る「誘導部」及び「複数の面」の一例に相当する。
【0032】
図7は、板状部材410により誘導される現像剤の軌跡の一例を示す図である。図7では、図3に示す移動方向A7の鉛直方向成分と図5に示す第1の搬送方向A8とを示している。また、図7では、図3に示す現像ロール320を破線で模式的に示している。現像ロール320から剥離された現像剤は、誘導面420に衝突すると、誘導面420に沿って下流側に移動する。この現像剤は、誘導面420から離れるときに、下流側に向かう運動エネルギーが生じているため、下流側に向かう放物線を描いて界面B2に到達する。この結果、現像剤は、第1の搬送方向A8において、誘導面420に衝突しない場合に界面B2に到達する位置、すなわち、図3に示す現像ロール320から剥離された位置よりも、下流側にずれた位置で界面B2に到達する。
【0033】
図7では、誘導面421、423、425、427の鉛直方向の上側の端部に衝突した現像剤が描く軌跡をそれぞれ二点鎖線のE1、E3、E5、E7で示した。また、図7では、これらの現像剤が現像ロール320から剥離する第1の位置D1、D3、D5、D7と、界面B2に到達する第2の位置G1、G3、G5、G7との第1の搬送方向A8の距離(ずれ量)F1、F3、F5、F7をそれぞれ示した。誘導面420により誘導された現像剤は、その誘導面420の傾きが大きいほど下流に向かう運動エネルギーが大きくなる。この場合、誘導面420の傾きの大きさは、誘導面421>423>425>427という関係になるため、これらのずれ量の大きさも、F1>F3>F5>F7という関係となる。つまり、これらのずれ量は、板状部材410の設けられている位置が上流側であるほど、誘導面420の傾きとともに大きくなる。このため、現像剤は、現像ロール320から剥離された位置が上流側であるほど、下流側に大きくずれた第2の位置に到達する。複数の板状部材410が現像剤を以上のとおり誘導することにより、第1の収容部311に収容されている現像剤に到達する現像剤の量は、下流側ほど大きくなる。これにより、第1の搬送方向A8、すなわち現像ロール320の回転軸に沿った方向における、感光体ドラム100に供給される現像剤の供給量の偏りが低減される。
【0034】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る現像装置300aについて説明する。なお、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図8は、第2実施形態に係る現像装置300aの構成を示す図である。現像装置300aは、誘導部材400aを備える。誘導部材400aは、磁力線を発生させる磁性部材を有する。本実施形態においては、誘導部材400aは、筐体310の内部にこの磁性部材のN極側を向け、筐体310のうち仮想放物線A6に沿った外壁315の外側に設けられている。この磁性部材から発生する磁力線は、界面B1に向けて移動する現像剤B6が有する磁性体(上述した磁性キャリア)に磁極を生じさせる。詳細には、現像剤B6は、誘導部材400a側にS極が生じ、これとは反対側にN極が生じる。これにより、現像剤B6の誘導部材400a側に生じたS極と誘導部材400aのN極とで吸引力が発生し、現像剤B6は、この吸引力によって下流側に誘導される。なお、誘導部材400aは、この位置に限らず、発生させる磁力線により、移動する現像剤B6に吸引力を生じさせる位置に設けられていれば良い。また、現像ロール320及び第1の搬送ロール330は、それぞれ磁力線を発生させる部材を有しており、誘導部材400aは、これらの部材が磁力線を発生させる領域とは異なる領域において、現像剤B6に吸引力を生じさせる位置に設けられている。これにより、現像装置300aにおいては、これらの部材による磁力線が吸引力に影響する場合に比べて、第1の搬送方向A8における感光体ドラム100への現像剤の供給量の偏りを低減する度合いの変動が抑制される。
【0035】
図9は、図8に示す現像ロール320側から水平方向に見た誘導部材400aの図である。図9では、図8に示す移動方向A7の鉛直方向成分と図5に示す第1の搬送方向A8とを示している。誘導部材400aは、板状の複数の磁性部材411a、412a、413a、414a、415a、416a、417a(以下、区別しない場合は「磁性部材410a」という。)を有する。各磁性部材410aは、第1の搬送方向A8に沿って並んで設けられている。各磁性部材410aの鉛直方向の長さ(高さ)は、いずれもC2である。各磁性部材410aは、それぞれ上述した磁性部材を有し、この磁性部材は、図9に示す磁性部材410aの全体から磁力線を発生させる。
【0036】
各磁性部材410aは、鉛直方向の下側の端部が、鉛直方向の上側の端部よりも下流側となるように鉛直方向に対する傾きを有してそれぞれ設けられている。詳細には、各磁性部材410aは、図9に示すとおり現像ロール320側から水平方向に見たときに、それぞれ、鉛直方向に対して角度θ1a、θ2a、θ3a、θ4a、θ5a、θ6a、θ7aとなるように設けられている。これらの角度は、θ1a>θ2a>θ3a>θ4a>θ5a>θ6a>θ7aとなっており、磁性部材410aの設けられている位置が上流側になるに連れて、大きくなっている。これらの角度は、0度より大きく、90度未満である。各磁性部材410aが上記の通り設けられていることで、各磁性部材410aが有する磁性体も、鉛直方向に対して上記角度を成すようにそれぞれ傾いている。これらの磁性体は、この傾きにより、移動方向A7に移動する現像剤に対し、下流側に向かう力を加え、これらを下流側に誘導する。詳細には、これらの磁性体は、鉛直方向の下側になるに連れて下流側において磁力線を発生させるため、移動方向A7に移動する現像剤は、移動するに連れて、下流側の磁性体で発生した磁力線により吸引力が生じるため、下流側に向かう力が発生する。こうして、磁性部材410aは、磁力によって現像剤を下流側に誘導する。
【0037】
図10は、磁性部材410aにより下流側に誘導された現像剤の軌跡の一例を示す図である。図10では、図8に示す移動方向A7の鉛直方向成分と図5に示す第1の搬送方向A8とを示している。また、図10では、図8に示す現像ロール320を破線で模式的に示している。図8に示す現像ロール320から剥離された現像剤は、磁性部材410aが生じさせた吸引力により下流側に向かう運動エネルギーが生じ、下流側に向かう放物線を
描いて界面B2に到達する。この結果、現像剤は、第1の搬送方向A8において、磁性部材410aにより誘導されない場合に界面B2に到達する位置、すなわち、図8に示す現像ロール320から剥離された位置よりも、下流側にずれた位置で界面B2に到達する。
【0038】
図10では、磁性部材411a、413a、415a、417aの鉛直方向の上側の端部で発生した磁力線により吸引力が生じた現像剤が描く軌跡をそれぞれ二点鎖線のE1a、E3a、E5a、E7aで示した。また、図10では、これらの現像剤が現像ロール320から剥離する第1の位置D1a、D3a、D5a、D7aと、界面B2に到達する第2の位置G1a、G3a、G5a、G7aとのずれ量F1a、F3a、F5a、F7aをそれぞれ示した。磁性部材410aにより誘導された現像剤は、磁性部材410aの鉛直方向に対する傾きが大きいほど下流に向かう運動エネルギーが大きくなる。この場合、磁性部材410aの傾きの大きさは、磁性部材411a>413a>415a>417aという関係になるため、これらのずれ量の大きさも、F1a>F3a>F5a>F7aという関係となる。つまり、これらのずれ量は、磁性部材410aの設けられている位置が上流側であるほど、磁性部材410a及び磁性部材410aが有する磁性体の傾きとともに大きくなる。このため、現像剤は、図8に示す現像ロール320から剥離された位置が上流側であるほど、下流側に位置を大きくずらして界面B2に到達する。複数の磁性部材410aが現像剤を以上のとおり誘導することにより、第1の収容部311に収容されている現像剤に到達する現像剤の量は、下流側ほど大きくなる。これにより、図8に示す感光体ドラム100の回転軸に沿った方向における、感光体ドラム100に供給される現像剤の供給量の偏りが低減される。
【0039】
なお、図8に示すように、筐体の外部に磁性部材410aを設けた場合、筐体の内部に磁性部材410aを設けるための空間を用意する必要がないため。このため、現像装置300aには、図3に示す板状部材410が内部に設けられる筐体310よりも小さな筐体が用いられても良い。また、磁性部材410aは、筐体の内部に設けられても良い。いずれの場合も、図9に示す磁性部材410aは、移動する現像剤が磁性部材410aに付着しない位置に設けられればよい。これにより、現像剤は、衝突又は吸着力による抵抗を受けることなく界面B2に到達するため、これらの抵抗を受ける場合に比べて、現像剤が早く界面B2に到達する。
【0040】
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、次のように種々の応用・変形が可能であり、また、必要に応じて組み合わせることも可能である。
【0041】
(変形例1)
本発明においては、現像ロールに残留した現像剤を物理的に剥離する手段を設けても良い。以下では、本変形例に係る現像装置について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図11は、本変形例に係る現像装置300bの構成を示す図である。現像装置300bは、誘導部材400bと剥離部材350とを備える。剥離部材350は、板状の部材であり、端部351を現像ロール320の表面の剥離領域323bに接触させた状態で筐体310に設けられている。剥離部材350は、現像ロール320の表面に保持されて剥離領域323bまで搬送された現像剤に物理的な力を加えて現像ロール320の表面から剥離させる。剥離された現像剤は、剥離部材350の鉛直方向の上方を通過した後第1の収容部311に向けて移動する。誘導部材400bは、剥離部材350の鉛直方向の上側の面(剥離された現像剤が移動する側の面)上、かつ、ここを通過する現像剤の仮想放物線A11上に設けられ、この仮想放物線A11上を移動方向A12に移動する現像剤を下流側に誘導する。剥離部材350は、本発明に係る「板状の部材」の一例に相当し、端部351は、本発明に係る「接触部」の一例に相当する。
【0042】
図12は、誘導部材400bが設けられている面に向かって剥離部材350を見た場合の誘導部材400bを示す図である。図12では、図11に示す移動方向A12と図5に示す第1の搬送方向A8とを示している。誘導部材400bは、板状の複数の板状部材411b、412b、413b、414b、415b、416b、417b(以下、区別しない場合は「板状部材410b」という。)を有する。各板状部材410bは、第1の搬送方向A8に沿って並んで設けられている。各板状部材410bの移動方向A12の長さ(高さ)は、いずれもC3である。また、各板状部材410は、現像剤が衝突したときにこの現像剤を誘導する誘導面421b、422b、423b、424b、425b、426b、427b(以下、区別しない場合は「誘導面420b」という。)をそれぞれ有する。つまり、誘導面420bは、剥離部材350上に設けられている。
【0043】
各板状部材410bは、移動方向A12の奥側の端部が、移動方向A12の手前側の端部よりも第1の搬送方向A8の下流側となるように移動方向A12に対する傾きを有してそれぞれ設けられている。詳細には、各板状部材410bは、図12示すとおりに見たときに、各誘導面420bが、それぞれ、鉛直方向に対して角度θ1b、θ2b、θ3b、θ4b、θ5b、θ6b、θ7bとなるように設けられている。これらの角度は、θ1b>θ2b>θ3b>θ4b>θ5b>θ6b>θ7bとなっており、板状部材410bの設けられている位置が上流側になるに連れて、大きくなっている。これらの角度は、0度より大きく、90度未満である。各板状部材410bは、この傾きにより、各誘導面420bが図11に示す仮想放物線A11を遮る状態となる。すなわち、板状部材410bは、誘導面420bが移動する現像剤に衝突する位置に設けられている。誘導面420bは、衝突した現像剤に下流側に向かう力を加え、これらを下流側に誘導する。誘導面420bは、本発明に係る「誘導部」及び「複数の面」の一例に相当する。
【0044】
図13は、誘導部材400bの側面を示す図である。誘導部材400bは、剥離部材350の誘導部材400bが設けられている面からの高さがC4である。図13では、剥離部材350により剥離された現像剤が移動する仮想放物線A13と仮想放物線A14とを示した。仮想放物線A13を移動する現像剤は、誘導部材400bにより下流に誘導される。仮想放物線A14を移動する現像剤は、剥離部材350から距離C4よりも離れて移動している。このため、誘導部材400bに衝突することがなく、誘導部材400bにより下流側に誘導されない。例えば、剥離された現像剤の厚さがC4を超える場合、誘導部材400bは、現像剤のうち、厚さがC4までの部分を下流側へ誘導し、C4を超える部分を誘導しない。誘導部材400bは、高さを調整することで、誘導したい量の現像剤を下流に誘導し、この量を超える現像剤を誘導しないように機能する。
【0045】
(変形例2)
本発明においては、現像装置に現像ロールを2つ設けても良い。以下では、本変形例に係る現像装置について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図14は、本変形例に係る現像装置300cの構成を示す図である。現像装置300cは、筐体310cと、現像ロール320cと、現像ロール320dと、分離部材326と、誘導部材400cとを備え、鉛直方向に並んだ上下2つの現像ロール320c、320dで感光体ドラム100に現像剤を供給する装置である。現像ロール320c及び現像ロール320dは、各々の表面を感光体ドラム100の表面にそれぞれ接触させ、鉛直方向に並んで各々の回転軸P1c、P1dを中心に回転可能に筐体310cに支持されている。現像ロール320dは、回転軸P1dが回転軸P1c及び図5に示す第1の搬送方向A8に沿った状態となるように設けられている。現像ロール320c及び320dは、本発明に係る「現像剤保持体」の一例にそれぞれ相当する。現像ロール320cは、矢印A15の方向に回転し、表面324cに保持した現像剤を、分離部材326に向けて搬送する。現像ロール320dは、現像ロール320cの鉛直方向下方に設けられ、第1の収容部
311cに収容されている現像剤を表面324dに保持して搬送する。現像ロール320dは、矢印A16の方向に回転し、表面324dに保持した現像剤を、分離部材326に向けて搬送する。
【0046】
分離部材326は、現像ロール320cと現像ロール320dとの間に設けられ、搬送されてきた現像剤を、鉛直方向の上下(現像ロール320c側と現像ロール320d側)に分離する。分離部材326が設けられている位置が変化することで、現像ロール320c及び現像ロール320dがそれぞれ供給する現像剤の量が変化する。本実施形態においては、分離部材326は、現像ロール320c及び現像ロール320dが等量の現像剤を供給するように現像剤を分離する位置に設けられている。現像ロール320c及び現像ロール320dは、分離部材326により分離された現像剤をそれぞれ搬送し、感光体ドラム100とそれぞれ対向する対向部325c、325dにおいて表面101にそれぞれ供給する。現像装置300cにおいては、このように2箇所で現像剤を供給することで、1箇所で供給する場合に比べて、感光体ドラム100の回転速度が増した場合であっても、表面に供給する現像剤の量が減少することが抑制される。
【0047】
その後、現像ロール320dは、対向部325dを通過して表面に残留した主に磁性キャリアで構成される現像剤を、矢印A17の方向に搬送して第1の収容部311cに戻す。また、現像ロール320cは、対向部325cを通過して表面に残留した主に磁性キャリアで構成される現像剤を、磁極S2及びS3が発生させる磁力線によって剥離領域323cにおいて剥離させる。剥離された現像剤は、誘導部材400cが設けられていない場合、仮想放物線A18を移動して界面B1に到達する。誘導部材400cは、上述した第1実施形態に係る誘導部材400と共通の構成を有し、仮想放物線A18上に設けられ、移動する現像剤を下流側に誘導する。これにより、現像装置300cにおいては、第1の収容部311cに生じる第1の搬送方向A8における現像剤の偏りが少なくなり、これにより、感光体ドラム100の回転軸に沿った方向における、感光体ドラム100に供給される現像剤の供給量の偏りが低減される。なお、現像装置300cにおいては、対向部325dを通過する現像剤を下流側に誘導する誘導部材を設けても良い。
【0048】
なお、現像装置300cにおいては、分離部材326を設ける位置を変えることで、現像剤の供給量の偏りを低減する度合いが変化する。例えば、分離部材326を鉛直方向の下側にずらして設けることで、元の位置に設けた場合(元の状態)に比べて、現像ロール320c側に分離する現像剤の量が多くなる。この場合、元の状態に比べて、誘導部材400cにより下流側に誘導される現像剤の量が多くなり、第1の収容部311cに収容される現像剤の偏りが低減される度合いが向上する。よって、現像装置300cにおいては、感光体ドラム100の回転軸に沿った方向における感光体ドラム100に供給される現像剤の供給量の偏りを低減する度合いが、元の状態に比べて大きくなる。
【0049】
(変形例3)
上述した実施形態において、板状部材と磁性部材とは、それぞれ固定されていたが、可動であっても良い。板状部材が有する誘導面又は磁性部材が現像剤を下流側に誘導する度合いを変化させることで、第1の収容部における現像剤の界面の傾きを減少させる度合いが変化する。例えば、界面の傾きが大きい場合は、現像剤を下流側に誘導する度合いを大きくし、傾きが小さい場合は、この度合いを小さくすれば良い。以下、本変形例に係る現像装置の構成の一例を、図15、図16、図17を参照して説明する。これらの図においては、上述した図3に示す現像装置300の構成と異なる部分を中心に説明する。
【0050】
図15は、本変形例に係る誘導部材400eを示す図である。図15では、図3に示す移動方向A7の鉛直方向成分と図5に示す第1の搬送方向A8とを示している。誘導部材400eは、複数の板状部材を有する。複数の板状部材は、誘導面421e、422e、
423e、424e、425e、426e、427e(以下、区別しない場合は「誘導面420e」という。)をそれぞれ有する。複数の板状部材には、回転軸Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6、Q7(以下区別しない場合は「回転軸Q」という。)がそれぞれ設けられ、回転軸Qを中心に回転可能な状態で図3に示す筐体310に支持されている。板状部材が図示せぬモータにより駆動力を与えられて回転軸Qを中心に回転すると、各誘導面420eの水平方向に対する角度が変化する。本変形例に係る複数の誘導面420eは、本発明に係る「誘導部」及び「複数の面」の一例に相当する。
【0051】
図16は、本変形例に係る現像装置300eにおいて、各板状部材を回転させる機構の構成を示すブロック図である。現像装置300eは、界面センサ360と、制御部370と、モータ380とを備える。界面センサ360は、図5に示す第1の収容部311に収容される現像剤の界面B2の位置を検出するセンサであり、第1の収容部311の上流側と下流側の少なくとも2箇所における界面B2の位置を検出する。界面センサ360は、検出した位置を示すデータを制御部370に供給する。制御部370は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有し、CPUがROMに記憶されている機能プログラムをRAMにロードして実行することによって、傾き検出部371と、傾き角決定部372と回転制御部373の機能ブロックを構築する。
【0052】
傾き検出部371は、界面センサ360により供給されたデータが示す界面B2の位置と、既知の筐体310の底面の位置とを用いて、現像剤の厚さ(底面からの高さ)を算出し、現像剤の傾きを検出する。詳細には、傾き検出部371は、これらの厚さの値から、界面B2の第1の搬送方向A8に対する角度を算出する。界面センサ360と傾き検出部371とが協働することで、現像剤の界面の第1の搬送方向A8に対する傾きが検出され、本発明に係る「検出装置」として機能する。なお、本発明においては、現像剤の傾きを検出するものであれば、これらに限らず、例えば現像剤の厚さ(底面からの高さ)を検出するセンサや、現像剤の界面の傾きを検出するセンサなど、その他の装置を用いても良い。傾き検出部371は、算出した角度を示すデータを傾き角決定部372に供給する。
【0053】
傾き角決定部372は、供給されたデータが示す角度の値に基づいて、各誘導面420eを傾ける角度(傾き角)をそれぞれ決定する。詳細には、傾き角決定部372は、まず、現像剤の傾きがない場合(上記角度が0度である場合)、0度を各誘導面420eの傾き角として決定する。そして、傾き角決定部372は、上記角度が大きくなるに連れて、各誘導面420eのそれぞれに予め定められた値ずつ大きくした角度を、各誘導面420eの傾き角として決定する。例えば、現像剤の傾きを示す角度が1度大きくなるに連れて、誘導面421eであれば4度ずつ傾き角を大きくし、誘導面427eであれば1度ずつ傾き角を大きくするといった具合である。傾き角決定部372は、決定した傾き角を示すデータを回転制御部373に供給する。
【0054】
回転制御部373は、供給されたデータに基づき、モータ380の回転を制御する。モータ380は、各回転軸Qと接続してこれらを回転させ、回転を停止させると、停止させた位置で各誘導面420eが動かないように回転軸Qを固定する。回転制御部373は、モータ380の動作であって、供給されたデータが示す傾き角となる位置まで各誘導面420eを回転させ、その位置で傾き角を固定する動作を制御する。これにより、各誘導面420eは、図17に示すように、上流側に設けられているものほど鉛直方向に対する傾きが大きくなる。傾き角決定部372、回転制御部373及びモータ380が協働することで、現像剤の傾きが大きいほど、各誘導面420eの各傾きを大きくするようにこれらの傾きを変更する手段として機能する。傾き角決定部372、回転制御部373及びモータ380が協働することで、傾き検出部371が検出した現像剤の傾きに基づいて各誘導面420eの傾きが変更され、本発明に係る「変更手段」として機能する。
【0055】
(変形例4)
本発明において、誘導面又は磁性部材は、鉛直方向の下流側が、下流側に曲がっていても良い。例えば、図6に示す板状部材410の鉛直方向の下側が下流側に湾曲している(すわなち、誘導面も下流側に湾曲している)状態の部材を用いても良い。以下、本変形例に係る現像装置の構成の一例を、図18、図19を参照して説明する。これらの図においては、上述した図3に示す現像装置300の構成と異なる部分を中心に説明する。
【0056】
図18は、本変形例に係る誘導部材400fを示す図である。図18では、図3に示す移動方向A7の鉛直方向成分と図5に示す第1の搬送方向A8とを示している。誘導部材400fは、鉛直方向の下側の部分が下流側に湾曲している板状の複数の板状部材を有し、これらの板状部材410fは、誘導面421f、422f、423f、424f、425f、426f、427f(以下区別しない場合は「誘導面420f」という。)をそれぞれ有する。また、これらの板状部材は、各誘導面420fの鉛直方向の上端側よりも下端側が下流側に位置するように傾けて筐体に設けられている。本変形例に係る複数の誘導面420fは、本発明に係る「誘導部」及び「複数の面」の一例に相当する。
【0057】
図19は、誘導面421fと、第1実施形態に係る誘導面421とで、各々に誘導される現像剤を比較するための図である。誘導面421fにより誘導された現像剤は、鉛直方向の下側の曲線部分で減速し、かつ、誘導面421fにより誘導された現像剤が飛び出す方向よりも水平方向に寄った方向に飛び出すため、鉛直方向の下方向きの運動エネルギーが誘導面421により誘導された現像剤よりも小さくなっている。このため、誘導面421により誘導された現像剤が界面B3に対して鉛直方向に与える衝撃に比べて、誘導面421fにより誘導された現像剤が界面B4に対して鉛直方向に与える衝撃が小さくなり、界面B4における粉塵の発生が抑制される。なお、本変形例に係る複数の誘導面は、下流側に湾曲している誘導面を少なくとも1つ有するものであれば良い。この場合も、湾曲した誘導面により誘導される現像剤による粉塵の発生が、この誘導面が湾曲していない場合に比べて抑制される。
【0058】
(変形例5)
本発明に係る誘導部材は、剥離した現像剤が移動する仮想放物線上において、移動する現像剤を第1の搬送方向の下流側に誘導するように設けられていれば、どの位置に設けられても良い。例えば、図3に示す誘導部材400よりも、移動方向A7の上流側に設けられても良いし、下流側に設けられても良い。
【0059】
(変形例6)
本発明に係る誘導部材は、1つに限らず、複数設けられても良い。以下、本変形例に係る現像装置の構成の一例を、図20、図21を参照して説明する。これらの図においては、上述した図3に示す現像装置300の構成と異なる部分を中心に説明する。
【0060】
図20は、本変形例に係る現像装置300gを示す図である。現像装置300gは、仮想放物線A6上に位置するように筐体310にそれぞれ設けられた誘導部材400g、400hを有する。誘導部材400g、400hは、現像ロール320を剥離領域323で剥離して界面B1に向けて移動する現像剤と衝突し、この現像剤を下流側に誘導する。
【0061】
図21は、誘導部材400g、400hにより下流側に誘導された現像剤の軌跡の一例を示す図である。図21では、図20に示す移動方向A7の鉛直方向成分と図5に示す第1の搬送方向A8とを示している。誘導部材400gは、誘導面421g、422gをそれぞれ有する複数の板状部材を有し、誘導部材400hは、誘導面421h、422hをそれぞれ有する複数の板状部材を有する。誘導面421g、422gは、鉛直方向に対し
てそれぞれ角度θ1g、θ2g傾いており、誘導面421h、422hは、鉛直方向に対してそれぞれ角度θ1h、θ2h傾いている。誘導面421hは、誘導面421gにより誘導された現像剤が移動する仮想放物線上に設けられ、この現像剤をさらに下流に誘導する。また、誘導面422hは、誘導面422gにより誘導された現像剤が移動する仮想放物線上に設けられ、この現像剤をさらに下流に誘導する。これにより、誘導部材400g及び誘導部材400hは、誘導部がどちらか一方である場合に比べて、下流側に大きく移動するように(ずれ量が大きくなるように)現像剤を誘導する。
【0062】
(変形例7)
本発明において、誘導面又は磁性部材の個数は、上述した実施形態においてはいずれも7つであったが、これに限らず、2つ以上であれば良い。その場合、誘導面又は磁性部材の個数は、鉛直方向の長さが短いほど多くすれば良い。誘導部材は、誘導面又は磁性部材が鉛直方向に長いほど、又は、個数を増やすほど、下流に誘導する現像剤の量が多くなる。一方、誘導面又は磁性部材の鉛直方向の長さを長くして、かつ、これらの個数も多くすると、誘導面又は磁性部材どうしが鉛直方向に重なり合って無駄が生じる。鉛直方向の長さが短いほど多くの誘導面又は磁性部材を設けるようにすれば、この重なり合いによる無駄が生じにくく、鉛直方向の長さを長く、かつ、個数も多くする場合に比べて、誘導部材による誘導効率(例えば、誘導面又は磁性部材の鉛直方向の長さの総和に対する、誘導される現像剤の量と第1の搬送方向に移動する距離の積の割合)が向上する。
【0063】
(変形例8)
本発明に係る誘導部材は、上述した実施形態においては、現像ロール320の第1の搬送方向A8に沿った長さの全体に渡って設けられたが、これに限らず、その一部分に渡って設けられても良い。例えば、本発明においては、誘導部材を、上記長さの半分に渡って設けても良い。この場合であっても、誘導部材が有する現像剤を下流側に誘導する誘導部(例えば複数の誘導面又は複数の磁性部材)に対して下流側において第1の搬送ロールに到達する現像剤よりも、これらに対して上流側において第1の搬送ロールに到達する現像剤が少なくなる。これにより、誘導部が設けられた部分を通過する現像剤が下流側に誘導されて、その部分における現像剤の供給量の偏りが低減される。
【0064】
(変形例9)
本発明に係る複数の誘導面は、上述した第1実施形態においては、設けられている位置が上流側になるに連れて鉛直方向に対する角度が大きくなるものであったが、これに限らない。複数の誘導面は、少なくとも2つの隣接する誘導面において、上流側に位置する誘導面(第1の面)の下流側への傾きが、下流側に位置する誘導面(第2の面)の下流側への傾きよりも大きいものであれば良い。この場合であっても、上流側で現像ロールから剥離された現像剤は、上流側で現像ロールから剥離されて第2の面により下流側へ誘導される現像剤よりも、下流側へ大きく第1の面により誘導される。これにより、第1の収容部311に収容されている現像剤の界面に到達する現像剤は、上流側に比べて下流側で多くなり、感光体ドラムの回転軸に沿った方向における感光体ドラムに供給される現像剤の供給量の偏りが低減される。
【0065】
(変形例10)
本発明に係る誘導部材は、上述した実施形態においては、複数の誘導面又は複数の磁性部材により現像剤を誘導したが、これに限らず、他の部材や装置で現像剤を誘導しても良い。例えば、剥離された現像剤に対して鉛直方向下向きと搬送方向との間の斜めの向きに風を送る送風装置を設け、送風装置が送る風により現像剤を下流側に誘導しても良い。この場合、送風装置は、自装置に対して下流側において現像ロール320から第1の搬送ロール330に到達する現像剤よりも、自装置に対して上流側において現像ロール320から第1の搬送ロール330に到達する現像剤を少なくするものであれば良い。例えば、送
風装置は、下流側で送る風よりも上流側で送る風を強くすれば良い。これにより、上流側の現像剤は下流側の現像剤に比べて下流側に大きく誘導され、感光体ドラムの回転軸に沿った方向における感光体ドラムに供給される現像剤の供給量の偏りが低減される。
【0066】
(変形例11)
本発明は、上述した実施形態ではタンデム構成の画像形成装置を例に挙げて説明したが、これに限らず、ロータリー構成であっても良い。また、本発明は、上述した実施形態では中間転写方式によりカラー画像を形成する画像形成装置を例に挙げて説明したが、これに限らず、直接転写方式であっても良いし、モノクロ画像を形成するものであっても良い。本変形例に係る画像形成装置は、いずれの場合も、感光体ドラムに形成された静電潜像を、現像装置300に相当する装置により現像するものであれば良い。
【符号の説明】
【0067】
1…画像形成装置、10(10Y、10M、10C、10K)…感光体ユニット、20…露光部、30…一次転写ロール、40…中間転写部、50…搬送ロール、60…二次転写部、70…定着部、100(100Y、100M、100C、100K)…感光体ドラム、200…帯電装置、300…現像装置、310…筐体、311…第1の収容部、312…第2の収容部、313…規制部材、314…壁、315…外壁、320…現像ロール、321…マグネットロール、322…スリーブ、323…剥離領域、324…表面、325…対向部、326…分離部材、330…第1の搬送ロール、340…第2の搬送ロール、350…剥離部材、360…界面センサ、370…制御部、371…傾き検出部、372…傾き角決定部、373…回転制御部、380…モータ、400…誘導部材、410…板状部材、410a…磁性部材、420…誘導面、P1、P2、Q…回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に現像剤を保持し、回転軸を中心に回転し、像保持体との対向部で前記像保持体に現像剤を供給する現像剤保持体と、
前記現像剤保持体の表面に現像剤を供給しながら、前記現像剤保持体の回転軸に沿った搬送方向に現像剤を搬送する搬送部材と、
前記現像剤保持体の表面に保持された現像剤の内、前記像保持体に供給されずに前記像保持体との対向部を通過した現像剤を、前記搬送方向下流側へと誘導する誘導部を有し、前記誘導部に対して前記搬送方向下流側において前記現像剤保持体から前記搬送部材に到達する現像剤よりも前記誘導部に対して前記搬送方向上流側において前記現像剤保持体から前記搬送部材に到達する現像剤を少なくする誘導部材と、
を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
表面に現像剤を保持し、回転軸を中心に回転し、像保持体との対向部で前記像保持体に現像剤を供給する現像剤保持体と、
前記現像剤保持体の表面に現像剤を供給しながら、前記現像剤保持体の回転軸に沿った搬送方向に現像剤を搬送する搬送部材と、
前記現像剤保持体の表面に保持された現像剤の内、前記像保持体に供給されずに前記像保持体との対向部を通過した現像剤を、前記搬送方向に沿って並んだ複数の面によって前記搬送方向下流側に誘導し、前記複数の面のうち、少なくとも2つの隣接する面の傾きは、前記搬送方向上流側に位置する第1の面の前記搬送方向下流側への傾きが、前記搬送方向下流側に位置する第2の面の前記搬送方向下流側への傾きよりも大きい誘導部材と、
を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
前記誘導部材は、前記複数の面の前記搬送方向下流側への傾きが、前記搬送方向上流側に位置する面ほど大きい
ことを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記複数の面は、板状の部材上に設けられ、
前記板状の部材は、前記現像剤保持体の表面に接触する接触部を有する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記複数の面は、前記搬送方向下流側に湾曲している面を少なくとも1つ有する
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の現像装置。
【請求項6】
現像剤を収容する収容部と、
前記収容部内の現像剤の傾きを検出する検出装置と、
前記検出装置が検出した現像剤の傾きに基づいて、前記複数の面の傾きを変更する変更手段と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の現像装置。
【請求項7】
表面に現像剤を保持し、回転軸を中心に回転し、像保持体との対向部で前記像保持体に現像剤を供給する現像剤保持体と、
前記現像剤保持体の表面に現像剤を供給しながら、前記現像剤保持体の回転軸に沿った搬送方向に現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材から前記現像剤保持体に供給され、前記現像剤保持体の表面に保持された現像剤の内、前記像保持体に供給されずに前記像保持体との対向部を通過した現像剤を、磁力によって前記搬送方向の下流側に誘導する磁性部材を有する誘導部材と、
を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項8】
前記磁性部材は、現像剤との間に働く磁力が前記搬送方向上流側ほど大きい
ことを特徴とする請求項7に記載の現像装置。
【請求項9】
鉛直方向に上下2つの前記現像剤保持体と、
前記上下2つの現像剤保持体と前記像保持体との各対向部とを通過した現像剤を前記搬送方向の下流側に誘導する2つの前記誘導部材と、
を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の現像装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の現像装置と、
前記像保持体と、
前記像保持体を帯電させる帯電装置と、
前記帯電装置により帯電された前記像保持体を露光して前記静電潜像を形成させる露光装置とを有し、前記像保持体に形成された静電潜像を前記現像装置から供給される現像剤を用いて現像し、像を形成する像形成手段と、
前記像形成手段により形成された像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段により転写された像を定着させる定着手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−159741(P2012−159741A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20080(P2011−20080)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】