説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】本発明の目的は、現像スリーブの長手方向端部に巻き付けた絶縁テープの偏摩耗を防止し、装置内の現像剤汚れを防ぐこと。
【解決手段】現像スリーブ41,43の長手方向端部に巻き付ける絶縁テープ20を、現像スリーブ41,43の回転方向に対して相対的に逆方向に複数回巻き付けるとともに、現像スリーブの回転方向において、絶縁テープ20の現像スリーブへの巻き付け始めの先端部20aによる絶縁テープ20の段差部20cに近接する位置に、絶縁テープ20の現像スリーブへの巻き付け終わりの後端部20bが位置するように、絶縁テープ20を現像スリーブに巻き付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式あるいは静電記録方式により形成された静電像を現像するための現像装置及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真複写機等の画像形成装置に適用される現像装置としては、パウダークラウド法、カスケード法、磁気ブラシ法等によるものが知られている。このうち、二成分現像方式の磁気ブラシ法は、磁性キャリア、トナー等が混合している二成分現像剤を磁界発生手段に吸着し、磁極部分において現像剤をブラシ状に穂立ちさせ、その現像剤を感光体ドラム上の静電像に摺擦させることにより現像するものである。この二成分現像方式の磁気ブラシ法は、現像剤中の磁性キャリアがやわらかい現像電極として機能し、トナーを静電像の電荷密度に比例して付着させることが可能である。このことから、二成分現像方式の磁気ブラシ法は、画像階調性に優れており、また現像装置自体も小型に構成できるという特徴を有している。
【0003】
この二成分現像方式の磁気ブラシ法を用いた現像装置としては、現像剤担持体である現像スリーブを用いた方法が一般化されている。この現像装置では、感光体ドラム上の静電像を効率よく現像する目的を達成するために、磁性体の粉末、例えばフェライト等である磁性キャリアと、樹脂中に顔料を分散させたトナーとを含む二成分現像剤を攪拌混合する。そして、これらの互いの摩擦による摩擦帯電によってトナーに電荷を保有させる一方、この現像剤をその内部に磁極を有する非磁性体で作られた中空円筒状の現像剤担持体である現像スリーブに保持させる。そして、回転する現像スリーブによって現像剤を現像剤容器から感光体ドラムに対向する現像領域まで搬送する。そして、この現像領域で上記磁界の作用によって現像剤を穂立ちさせて感光体ドラム表面を摺擦させることにより、感光体ドラム上に形成されている静電像を現像している。
【0004】
上記現像スリーブを用いた二成分磁気ブラシ現像方法は、白黒デジタル複写機や高画質を要求されるフルカラー複写機を中心に多くの製品で用いられている。
【0005】
上記現像装置にあっては、現像剤容器内の現像剤は、現像剤容器内での循環移動によって、現像スリーブの表面に沿って該現像スリーブの両端外側にある軸受の部分へ移送される。このため、現像剤が軸受の部分に侵入して現像スリーブの円滑な回転を阻害したり、現像剤が軸受の部分を通過して現像剤容器外に漏れたりするおそれがある。
【0006】
そのため、従来からこのような現像スリーブの端部からの現像剤漏れに関しては、現像スリーブの両端部に弾性シール部材を取り付け、この弾性シール部材の端部からトナーが漏れないようにシールする方法が提案されている。すなわち、弾性シール部材と現像スリーブとの物理的な接触によってシールする方法が提案されている。
【0007】
しかし、前述のシール構成では、弾性シール部材を現像スリーブの外周面に圧接しているため、現像スリーブへの回転負荷が大きく、また弾性シール部材の劣化によりシール性が低下してしまうという問題がある。
【0008】
そこで、磁気吸着するトナーないしキャリアを使用する現像装置にあっては、磁力発生手段によって磁気シールすることが考えられている(特許文献1参照)。これは、現像スリーブの表面と所定間隔を維持して対向する対向面に着磁した磁気シール部材を設け、現像剤を磁気吸着して保持する構成である。
【0009】
このように、現像スリーブを非接触に包囲するように板状の磁石を磁気シール部材として設けると、現像スリーブ内の磁石ローラと磁気シール部材との間に現像剤による磁気穂が形成されて現像剤のスラスト方向の漏れを防止できる。この方式は、現像スリーブと磁気シール部材とが非接触であるために現像スリーブの回転負荷を小さくし、また摩耗等による劣化を生じないために現像スリーブが長寿命となる利点がある。
【0010】
この現像スリーブは、その表面の画像形成領域に、現像剤搬送力を発生させるためにブラスト処理が施されている。一方、現像スリーブの磁気シール部材が設けられている長手方向両端部は現像剤搬送力が不要なのでブラスト処理が施されていない非ブラスト領域となっている。
【0011】
現像スリーブと磁気シール部材との間には、磁気シール部材から現像スリーブに向かって延びる現像剤の磁気穂があり、非ブラスト領域においては磁気穂と現像スリーブが摺擦している。このため、現像スリーブ端部の非ブラスト領域に付着したトナーが前述の摺擦によって、特に前記磁気穂と現像剤スリーブの摺擦し始めの部分(図5の領域56)で遊離し、画像形成装置本体を汚染する可能性がある。
【0012】
そこで、磁気シール部材に対向する現像スリーブ端部に絶縁テープを配して、該絶縁テープを現像剤と同極性に帯電させることで、封止効果を高めることが提案されている(特許文献2参照)。
【0013】
また、現像スリーブ端部の非ブラスト領域に形成する絶縁部材としては、テープ材を巻きつける方法だけではなく、シームレスにすることを目的として熱収縮チューブを使用するアイデアも実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平11−133750号公報
【特許文献2】特開2008−185663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
このように、電子写真複写機等の画像形成装置に適用される現像装置において、現像スリーブ端部のトナー漏出を防止することは非常に重要である。現像スリーブ端部へのトナー付着量を減らすことは、すなわちトナー漏出量を減らすことである。そのため、現像スリーブ両端部の非画像形成領域を、現像剤及びトナーの付着を抑えるために積極的にネガ帯電させることを目的とする材料で覆っている場合がある。具体的には、現像スリーブと感光体ドラムとのギャップの制約から熱収縮チューブではなく、絶縁テープを現像スリーブ端部に巻き付ける方法を採用する場合がある。
【0016】
ここで、図5、図7、及び図8を用いて、現像スリープ端部に絶縁テープを巻き付ける方法を採用した場合の課題を説明する。
【0017】
図5は現像スリーブ端部と磁気シール部材との様子を示す模式断面図であり、現像スリーブ両端部の対向面に現像スリーブとは非接触に設けられた磁気シールと、その磁気シールに拘束された現像剤の磁気穂を示している。
【0018】
図5に示すように、現像スリーブ端部には磁気シール部材51,52から現像スリーブ41,43に向かって延びる現像剤の磁気穂があり、矢印方向に高速回転する現像スリーブ41,43の表面と磁気穂(穂立ちした現像剤)とは常に摺擦している。
【0019】
現像スリーブ端部の絶縁テープは、現像スリーブ全周を覆うことが重要であり、1周+α巻き付けることが必要である。具体的には、図7に示すように、現像スリーブ41,43の端部に絶縁テープ20を1.2周程度巻き付けている。
【0020】
この現像スリーブに対する絶縁テープ20の巻き付け方向は、現像スリーブの回転方向(図7中矢印方向)に対して絶縁テープ20の巻き付け終わりの端部20bがカウンター方向に当たらないように巻き付けている。すなわち、現像スリーブの回転方向に対してテープをカウンター方向に巻き付けている。
【0021】
そして、前述したように、現像スリーブ41,43の端部に絶縁テープ20を1.2周程度巻き付けて、テープの重なり部分において、テープの巻き付け始めの端部(テープ先端部)20aを覆っている。
【0022】
しかし、図7に示すように、前述の絶縁テープ20の重なり部分においては、テープ20の厚さ分の段差部20cがある。そして、このテープ20の段差部20cが現像スリーブ41,43の回転に伴って磁気シール部材51,52の表面の剤溜り部(図5の領域56)に突入することによって、図7(b)の一点鎖線で示す領域が最も激しく摩耗する。
【0023】
このテープ重なり段差部20cの摩耗を詳細に観察すると、段差部20cのテープ層の摩耗が最も激しく、摩耗によって失われるテープ層の形状は図8(a)の斜線部30に示すようになる。この段差部20cの摩耗量が均一ではない偏摩耗が進行して図8(a)の斜線部30が欠損することによってテープ寿命が短くなるという問題がある。
【0024】
このテープの段差部20cの偏摩耗が進むと、図8(b)に示すようにテープ層28に穴Aが開いて接着層29が露出する。すると、接着層29は柔らかく、現像スリーブ41,43の回転に伴って現像剤が穴Aからテープ層28の内側に潜り込み、更には接着層29を侵食して、テープ層28を内側から押し上げ(図8(b)破線)、その結果テープ層の破壊を加速させる。
【0025】
このように、絶縁テープの剥がれに対して有利な方向にテープを巻き付けて、テープ端部が現像スリーブの回転方向に対してカウンターで配置された場合よりも長寿命ではあるが、テープが重なり合う段差部においてダメージを受けるという問題がある。このため、依然としてテープの延命策が求められる。
【0026】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、現像剤担持体の長手方向端部に巻き付けた絶縁部材の偏摩耗を防止し、装置内の現像剤汚れを防ぐ現像装置及びこれを備えた画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記目的を達成するため、本発明は、回転する現像剤担持体に現像剤を担持して像担持体に形成された静電像を現像する現像装置において、前記現像剤担持体の長手方向の端部に前記現像剤担持体と非接触に対向して設けられ、現像剤漏れを防ぐために前記現像剤担持体との間に現像剤による磁気穂を形成する磁性部材と、前記磁性部材と対向する前記現像剤担持体の長手方向の端部の周方向に巻き付けて設けられ、前記現像剤と同極性に帯電する絶縁部材と、を有し、前記絶縁部材を前記現像剤担持体の回転方向に対して相対的に逆方向に複数回巻き付けるとともに、前記現像剤担持体の回転方向において、前記絶縁部材の前記現像剤担持体への巻き付け始めの先端部による前記絶縁部材の段差部に近接する位置に、前記絶縁部材の前記現像剤担持体への巻き付け終わりの後端部が位置するように、前記絶縁部材を前記現像剤担持体に巻き付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、現像剤担持体の回転方向において、絶縁部材の巻き付け始めの先端部による段差部の上流側の近接する位置に、絶縁部材の巻き付け終わりの後端部が位置する。このため、絶縁部材の段差部が磁性部材の現像剤溜りに突入することで発生する絶縁部材の摩耗を減少させることができる。これにより、絶縁部材を延命させることができ、磁性部材により磁気シールされた現像剤担持体の長手方向端部の現像剤汚れを防止して装置内の汚染を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】現像装置を備えた画像形成装置の模式説明図
【図2】現像装置の一対の現像剤担持体における二成分現像剤の受け渡しの説明図
【図3】現像材担持体の端部に配置された磁性部材の説明図
【図4】現像スリーブの端部シール構成の模式説明図
【図5】現像スリーブ端部と磁気シール部材との様子を示す模式断面図
【図6】本実施形態の現像スリーブ端部の構成を示す説明図
【図7】従来の現像スリーブ端部の構成を示す説明図
【図8】従来の絶縁テープの重なり部分の模式拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0031】
また、以下の説明では、画像形成装置の一例として、フルカラーの画像を形成する画像形成装置を例にして説明するが、本実施形態に係る現像装置が適用される画像形成装置は、以下に例示している装置に限定されるものではない。
【0032】
<画像形成装置>
図1は本実施形態に係る現像装置を備えた画像形成装置の模式説明図である。図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、中間転写ベルト25に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの複数の画像形成部PY,PM,PC,PKを配列したタンデム型フルカラープリンタである。
【0033】
画像形成部PYでは、感光体ドラム(像担持体)1Yにイエロートナー像が形成されて、一次転写部TYを通過する中間転写ベルト25に一次転写される。画像形成部PMでは、感光体ドラム(像担持体)1Mにマゼンタトナー像が形成されて、一次転写部TMを通過する中間転写ベルト25上のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部PC,PKでは、それぞれ感光体ドラム(像担持体)1C,1Kにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、一次転写部TC,TKを通過する中間転写ベルト25に順次重ねて一次転写される。
【0034】
重ねて転写された四色のトナー像は、中間転写ベルト25の回転に伴って二次転写部T2へ搬送され、これにタイミングを合わせて二次転写部T2へ給送されてきた記録材Pに一括して二次転写される。
【0035】
前記四色のトナー像が二次転写された記録材Pは、ヒータ73によって内部から加熱された定着ローラ71に加圧ローラ72を圧接した定着装置7に送り込まれて、加熱加圧を受けることにより、トナー像を定着される。
【0036】
なお、記録材Pは、ピックアップローラ11によって記録材カセット10から引き出され、分離装置12によって1枚ずつに分離して、レジストローラ13へ送り出される。レジストローラ13は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、中間転写ベルト25に担持されたトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを二次転写部T2へ送り出す。
【0037】
二次転写ローラ14は、対向ローラ23に向かって付勢されて中間転写ベルト25に圧接し、中間転写ベルト25と対向ローラ23との間に二次転写部T2を形成する。電源D2は、二次転写ローラ14に電圧を印加して、中間転写ベルト25に担持された四色のトナー像を記録材Pに一括して二次転写する。
【0038】
ベルト部材の一例である中間転写ベルト25は、テンションローラ21、駆動ローラ22、及び対向ローラ23に掛け渡して支持され、駆動ローラ22に駆動されて矢印R2方向に回転する。
【0039】
ベルトクリーニング装置26は、中間転写ベルト25にクリーニングブレードを摺擦させて、二次転写部T2を通過した中間転写ベルト25に付着した転写残トナーを除去する。
【0040】
画像形成部PY,PM,PC,PKは、付設された現像装置4Y,4M,4C,4Kで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外はほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部PYについて説明し、他の画像形成部PM,PC,PKについては、説明中の符号末尾のYを、M,C,Kに読み替えて説明されるものとする。
【0041】
画像形成部PYは、感光体ドラム1Yの周囲に、帯電装置2Y、露光装置3Y、現像装置4Y、一次転写ローラ5Y、及びクリーニング装置6Yを配置する。
【0042】
感光体ドラム1Yは、外径80mmのアルミニウム製シリンダの外周面に、帯電特性が負極性の有機光導電体(OPC)を塗布して構成され、中心支軸を中心に300mm/secのプロセススピードで矢印R1方向に回転する。
【0043】
帯電装置2Yは、ワイヤ電極に高電圧を印加してコロナ放電を発生させ、コロナ放電に伴う荷電粒子を感光体ドラム1Yに照射することにより、感光体ドラム1Yの表面を一様な負極性の暗部電位Vd(例えば−700V)に帯電させる。
【0044】
露光装置3Yは、イエロー分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、帯電した感光体ドラム1Yの表面に画像の静電像を書き込む。露光された部分は、暗部電位Vdが放電されて、明部電位Vl(例えば−100V)に低下する。
【0045】
現像装置4Yは、露光装置3Yが画信号に応じた露光をして感光体ドラム1Yに書き込んだ静電像をイエロートナーで現像して、感光体ドラム1Yにイエロートナー像を形成する。
【0046】
一次転写ローラ5Yは、感光体ドラム1Yに向かって付勢されて中間転写ベルト25に圧接し、中間転写ベルト25と感光体ドラム1Yとの間に転写部TYを形成する。電源D1は、一次転写ローラ5Yに正極性の直流電圧V1(例えば−2200V)を印加して、負極性に帯電して感光体ドラム1Yに担持されたトナー像を中間転写ベルト25に一次転写する。
【0047】
クリーニング装置6Yは、感光体ドラム1Yにクリーニングブレードを当接させて、一次転写部TYを通過した感光体ドラム1Yの表面に残留した転写残トナーを除去する。
【0048】
<現像装置>
図2は現像装置の一対の現像剤担持体における二成分現像剤の受け渡しの説明図、図3は現像剤担持体の端部に配置された磁性部材の説明図である。
【0049】
図2に示すように、現像装置4Yは、回転する現像スリーブ(現像剤担持体)41,43の二成分現像剤の担持面を現像剤容器40から感光体ドラム1Y側へ露出させている。現像剤容器40には、イエローの非磁性トナーと磁性キャリアとが混合された二成分現像剤が充填されている。供給スクリュー45が貫通して配置される現像剤供給室47と、攪拌スクリュー46が貫通して配置される現像剤攪拌室48とは、両端部が連通して二成分現像剤の循環経路を構成している。
【0050】
攪拌スクリュー46の搬送方向上流側に位置する現像剤容器40の端部に配置された現像剤供給口50を通じて、トナー比率を高めた補充用の二成分現像剤が現像剤攪拌室48に供給される。攪拌スクリュー46は、二成分現像剤を軸方向に搬送して現像剤供給室47へ循環させる過程で、循環する二成分現像剤に、現像剤供給口50を通じて供給された補充用の二成分現像剤を混合する。また、同時に、現像スリーブ43から現像剤攪拌室48へ分離された二成分現像剤を、循環する二成分現像剤に取り込んで混合する。
【0051】
供給スクリュー45は、二成分現像剤を軸方向に搬送して現像剤攪拌室48へ循環させる過程で、帯電した二成分現像剤を現像スリーブ41の長手方向に渡って一様に供給する。供給スクリュー45の搬送方向下流側に位置する現像剤容器40の端部に配置された現像剤吐出口49を通じて、循環する二成分現像剤の一部が、帯電性能の低下したものとして溢れ出して除去される。
【0052】
現像装置4Yは、供給スクリュー45及び攪拌スクリュー46によって、二成分現像剤を紙面と垂直な方向に搬送しつつ攪拌して、非磁性トナーを負極性に、磁性キャリアを正極性にそれぞれ帯電させる。帯電した二成分現像剤は、固定磁石部材の一例であるマグネットローラ42,44の周囲で回転する現像スリーブ41,43に、穂立ち状態で担持されて、感光体ドラム1Yを摺擦する。
【0053】
電源D4は、負極性の直流電圧Vdc(例えば−350V)に、周波数8.0kHz、ピーク間電圧Vpp=1.8kVの矩形波の交流電圧を重畳した振動電圧を現像スリーブ41,43に印加する。これにより、直流電圧Vdcによって現像スリーブ41,43よりも相対的に正極性となった感光体ドラム1Yの静電像へ、負極性に帯電したトナーが移動して、感光体ドラム1Yの静電像が反転現像される。
【0054】
現像スリーブ41によって感光体ドラム1Yとの対向面へ搬送された二成分現像剤中のトナーは、感光体ドラム1Yの静電像と現像スリーブ41との電位差によって電気力を受け、現像スリーブ41から感光体ドラム1Yへ向かって飛翔する。
【0055】
詳しく説明すれば、現像スリーブ41に印加された交流電圧によってトナーは、現像スリーブ41と感光体ドラム1Yとの対向間隔を往復運動する。負極性に帯電したトナーは、往復運動をしながら、現像スリーブ41にかかる直流電圧Vdcと静電像との電位差に従って移動する。これにより、暗部電位Vdの領域ではトナーが現像スリーブ41に戻り、明部電位Vlの領域では電位差に応じた量のトナーが感光体ドラム1Yに付着する。
【0056】
現像スリーブ41に担持された二成分現像剤は、現像スリーブ41と現像スリーブ43との対向領域に形成されたマグネットローラ42,44の磁気力線に沿って現像スリーブ43に移動する。マグネットローラ42のN3磁極よりも回転方向の下流側には磁極が無いため、現像スリーブ41から二成分現像剤が剥落して、マグネットローラ44のS3磁極に吸着されて現像スリーブ43に載せ替えられる。
【0057】
現像スリーブ43によって感光体ドラム1Yとの対向面へ再び搬送された二成分現像剤のトナーは、感光体ドラム1Yの静電像と現像スリーブ43との電位差によって電気力を受け、現像スリーブ43から感光体ドラム1Yへ向かって飛翔する。トナーは、現像スリーブ43に印加された交流電圧によって感光体ドラム1Yとの対向間隔を往復運動して、現像スリーブ43にかかる直流電圧Vdcと静電像との電位差に応じた量が感光体ドラム1Yに付着する。
【0058】
現像によってトナーの一部が消費された二成分現像剤は、現像スリーブ43に担持されて回転し、再び現像剤容器40に回収されて現像剤攪拌室48へ戻される。
【0059】
図3(a)に示すように、現像スリーブ41の長手方向(軸方向)の両端部には、現像スリーブ41の表面と所定の間隔をもって対向する対向面に、磁極を配置した帯状の磁気シール部材51が設けられている。磁気シール部材51は、現像スリーブ41の表面と非接触に対向するように設けられている。磁気シール部材51は、表面に二成分現像剤の磁気穂(穂立ちした現像剤)Hを形成して、磁気シール部材51と現像スリーブ41の隙間を埋める。これにより、磁気シール部材51と現像スリーブ41の隙間を通じて軸端部方向へ二成分現像剤が移動して、現像スリーブ41の端部に二成分現像剤が付着したり、現像剤容器40から漏れ出したりしないようにしている。
【0060】
上流側規制部材(磁性部材)の一例である磁気シール部材51に形成された現像剤の磁気穂Hによって、現像スリーブ41における二成分現像剤の担持領域A1が長手方向に限界付けられる。その後、感光体ドラムに対向する現像領域A2を経て担持領域A1が現像スリーブ41と現像スリーブ43の間隔G1に搬送される。間隔G1では、現像スリーブ41に形成された磁気穂Hが引き抜かれて現像スリーブ43へ乗り移るように二成分現像剤が移動する。
【0061】
このとき、表面がカウンター方向に移動する現像スリーブ41と現像スリーブ43との間で急激な方向転換を伴って二成分現像剤が移動するため、現像スリーブ41と現像スリーブ43の間隔G1では、二成分現像剤が外側へ少し拡散する。このため、現像スリーブ43における二成分現像剤の担持領域A3は、現像スリーブ41における二成分現像剤の担持領域A1よりも長手方向の外側へ広くなる。
【0062】
また、間隔G1では、急激な方向転換を伴って二成分現像剤が移動するため、ごく少量の二成分現像剤が間隔G1に沿って二成分現像剤の担持領域の外側の間隔G2へ飛散する。そして、飛散した二成分現像剤の一部が、回転する現像スリーブ43によって間隔G2から感光体ドラム1Y側へ飛散する。
【0063】
図3(a)に示すように、現像スリーブ43の長手方向(軸方向)の両端部には、現像スリーブ43の表面と所定の間隔をもって対向する対向面に、磁極を配置した帯状の磁気シール部材52が設けられている。磁気シール部材52は、現像スリーブ43の表面と非接触に対向するように設けられている。磁気シール部材52は、表面に二成分現像剤の磁気穂(穂立ちした現像剤)Hを形成して、マグネットローラ44が磁極を持たない範囲を摺擦して現像スリーブ43に連れ回る二成分現像剤を除去する。また、磁気シール部材52と現像スリーブ43の隙間を磁気穂Hで埋める。これにより、現像スリーブ43の端部に向かって軸方向へ二成分現像剤が移動するのを妨げる。
【0064】
図3(b)に示すように、現像スリーブ41,43の間隔G2に近い側の磁気シール部材51,52の端部は、下流側のマグネットローラ44の磁極S3と同一極性の磁極Sに形成してある。
【0065】
下流側規制部材(磁性部材)の一例である磁気シール部材52の端部とマグネットローラ44の磁極S3との間に反発磁界を形成して、現像スリーブ43に連れ回る二成分現像剤が現像スリーブ41,43の間隔G2へ搬送されることを阻止している。
【0066】
図3(a)に示すように、磁気シール部材52とマグネットローラ44により、現像剤容器内から二成分現像剤が担持領域A1の外側の間隔G2を通じて漏れ出すことを阻止している。ただし、現像剤容器内から二成分現像剤が間隔G2に進入することを阻止する磁気的な対策は、このような磁極配置には限定されない。
【0067】
しかし、磁気シール部材51,52の磁極をこのように設定しても、担持領域A1,A3の外側の現像スリーブ41,43の間隔G2から漏れ出す二成分現像剤を完全には防止できないことが判明した。
【0068】
例えば、図2に示すように、長期間に渡って大量の画像形成を行うと、現像装置4Yが搭載されたガイド部材15上で、現像スリーブ41,43の現像領域A2,A4の外側の直下位置に、二成分現像剤niが蟻塚のように堆積する。堆積した二成分現像剤niは、帯電電荷が減衰すると、非磁性トナーと磁性キャリアとに分離するため、例えばメンテナンスのために現像装置4Yを装置本体から手前側に引き出す際のわずかな風で微粒子の非磁性トナーが周囲に飛び散ってしまう。そして、堆積した二成分現像剤niは長手方向の内側に向かって広がって、中間転写ベルト25に落下して画像を汚してしまう。
【0069】
また、感光体ドラム1Yの回転に伴って運ばれたトナーは、図1に示すクリーニング装置6Yへ到達し、クリーニングブレードよりも長手方向外側の領域を汚してしまう。このため、クリーニングブレードの外側に設置されたサイドシールにせき止められて落下し、クリーニング装置6Yを搭載したガイド部材上で、蟻塚のように堆積する。そして、ここでも、ガイド部材上を長手方向の内側に向かって広がって、中間転写ベルト25に落下して画像を汚してしまう。
【0070】
さらに、トナーの一部は、クリーニング装置6Yをすり抜けて帯電装置2Yまで達し、帯電装置2Yのシールド板やグリッドを汚して、メンテナンス頻度を高める結果となる。
【0071】
図3(a)に示すように、担持領域A1,A3の外側の間隔G2からは、担持領域A1,A2の間隔G1からよりも多く、二成分現像剤が感光体ドラム1Y(図2)側へ飛散している。そして、二成分現像剤の漏れ出しに起因する非磁性トナーが感光体ドラム1Yに連れ回って、感光体ドラム1Yの端部の周囲に不必要なトナー汚れを引き起している。
【0072】
そこで、現像装置4Yでは、現像スリーブ43の二成分現像剤の担持領域A3の外側を外側カバー部材の一例であるシート材料の端部カバーシートで覆って、間隔G2から漏れ出す二成分現像剤を現像装置4Yに閉じ込めている。間隔G2から漏れ出す二成分現像剤を端部カバーシートで捕捉した後、現像スリーブ43の回転を利用して現像剤容器40へ回収する。
【0073】
<現像スリーブの端部シール構成>
次に本実施形態の現像装置における、現像スリーブ41,43の端部シール構成について説明する。図4は現像スリーブの端部シール構成の模式説明図である。なお、図4は現像スリーブの長手方向一方端のみを示しているが、他方端側も同様である。
【0074】
現像スリーブ41,43は長手方向の両端部が軸受18によって回転可能に支持されている。この現像スリーブ41,43を回転させて現像する場合、前述したように現像剤容器40内での現像剤の循環移動によって、現像スリーブ41,43の表面に沿って、現像剤が現像スリーブ41,43の軸受18の部分へ移送される。このとき、現像スリーブ41,43の長手方向端部からの現像剤漏れや、現像剤の軸受18内への侵入による現像スリーブ41,43の回転不良を防ぐ必要がある。そのため、本実施形態では、各現像スリーブ41,43の長手方向端部に、現像スリーブ41,43の表面と所定間隔を維持して非接触に対向する対向面に着磁した磁性部材である磁気シール部材51,52が設けられている。
【0075】
磁気シール部材51,52の磁極は、図5に示すように、対向するマグネットローラ42,44の反撥磁界S2及びS3と異極となるN極が対向するように構成されている。このように、反撥磁界と異極で対向させることで、前述したように磁気シール部材51,52の磁力線は現像スリーブ41,43の方向に伸びて、磁力線に沿って現像剤の磁気穂ができ、現像剤の端部からの漏れが防止される。
【0076】
また、本実施形態の現像スリーブ41,43の周面は長手方向においてブラスト処理されたブラスト領域と、その両端にブラスト処理されない非ブラスト領域とが形成されている。すなわち、現像スリーブ41,43の現像剤担持領域はブラスト処理が施されており、磁気シール部材51,52が配置されている長手方向両端部はブラスト処理が施されていない。
【0077】
<絶縁部材>
上記のように現像スリーブ41,43の端部においては、磁気シール部材の磁極と対向するマグネットローラ42,44の磁極とを異極にすることで磁気シール性を高めている。しかし、前述したように現像スリーブ41,43の周回転速度が速くなると、現像剤の飛散が多くなり、飛散した現像剤で汚れ易い非ブラスト領域と、磁気シール部材51,52の作る磁気穂との摺擦で、現像剤が遊離して画像形成装置内を汚染する可能性がある。
【0078】
そこで、図4に示すように、現像剤と同極性に帯電する絶縁部材20を、前記現像スリーブ41,43の長手方向端部であって磁気シール部材51,52と対向している周方向全体に巻き付けて設けている。
【0079】
本実施形態では、前記絶縁部材として絶縁性を有するテープを用い、この絶縁テープ20を非ブラスト領域に貼り付けている。具体的には、現像剤の極性と同じくマイナスに帯電する絶縁テープ20を、磁力500ガウスの磁気シール部材51,52よりも現像スリーブ41,43の長手方向内側から貼り付けている。
【0080】
このとき、絶縁テープ20を貼り付けた領域は−600Vに帯電している。これは絶縁テープ20が磁気穂との摺擦でマイナスに摩擦帯電する性質を持つために、現像バイアス(直流電圧Vdc)−350Vに対して、さらに−250V帯電したからである。
【0081】
したがって、絶縁テープ20を貼り付けた領域は、感光体ドラム1に対して同程度の電位になっている。このために飛散現像剤を引き付けることが無く、かつ、ブラスト領域に比べて低い電位のためにマイナスに帯電した現像剤はブラスト領域に引き付けられことになる。これにより、絶縁テープ20を貼り付けた非ブラスト領域は現像剤で汚れることが無くなり、磁気穂との摺擦でも現像剤の遊離が起こらない。
【0082】
また、本実施形態では、絶縁テープ20の貼り付け位置は、磁気シール部材51,52の内側端部より内側を基準に貼り付けている。このため、絶縁テープ20は、現像スリーブ41,43の長手方向において磁気シール部材51,52と対向した領域よりも広い領域に設けられている。より好ましくは、絶縁テープ20は、現像スリーブ41,43の非ブラスト領域全体を覆うように設けることが望ましい。これにより、絶縁テープ20を貼り付けた領域の現像剤汚れを防止することができる。
【0083】
<絶縁部材の巻き付け量>
図6は本実施形態における現像スリーブ端部の構成を示す説明図であり、(a)は現像スリーブ端部の斜視図、(b)は(a)図中破線部の略断面拡大図である。
【0084】
図6に示すように、現像スリーブ41,43の長手方向両端部の絶縁テープ20は、現像スリーブ周方向全体(全周)を覆うために隙間ができないように、現像スリーブに対して1周+αを巻き付ける必要がある。
【0085】
また、現像スリーブ41,43に対する絶縁テープ20巻き付け方向は、現像スリーブ41,43の回転方向に対して相対的に逆方向に複数回巻き付けて設けられている。すなわち、絶縁テープ20の巻き付け方向は、現像スリーブ41,43の回転方向に対して絶縁テープ20の後端部(終端部)20bがカウンター当たりにならないように、現像スリーブの回転方向に対してカウンター方向に巻き付けている。さらに、絶縁テープ20を現像スリーブの回転方向に対してカウンター方向に巻き始めて、絶縁テープの重なり部分において、テープの巻き付け始めの端部(先端部)20aを絶縁テープで覆っている。
【0086】
ここで、現像スリーブ41,43に対する絶縁テープ20の巻き付け量について、詳しく説明する。絶縁テープ20の巻き付け量は、前述の1周+αのαが小さいと絶縁テープの重なり部分における絶縁テープの厚さ分の段差部が、現像スリーブの回転に伴う磁気シール部材の剤溜り部(図5の領域56)への突入により偏摩耗してしまう。
【0087】
このため、現像スリーブの回転時の絶縁テープとトナー溜り部(剤溜り部)との摺擦抵抗を一定にして段差部の偏摩耗を防ぐために、本実施形態では、図6(b)に示すように現像スリーブに対して2重弱巻きとして、絶縁テープの重なり段差部を解消している。
【0088】
絶縁テープの巻き付け量が2周を超えて大きいと、巻き付け量が1周+αの時と同様に段差部ができて偏摩耗が発生する。一方、絶縁テープの巻き付け量が2周弱より小さ過ぎると、巻き付け量が1周+αの時と同様に段差部の偏摩耗が発生する。
【0089】
そこで、本実施形態では、現像スリーブの回転方向において、絶縁テープ20の現像スリーブへの巻き付け始めの先端部20aによる絶縁テープ20の段差部20cに近接する位置に、絶縁テープ20の現像スリーブへの巻き付け終わりの後端部20bが位置するように、絶縁テープ20を現像スリーブに巻き付けている。
【0090】
さらに詳しくは、以下の通りである。絶縁テープ20の現像スリーブへの巻き付け始めの先端部20aによって絶縁テープ20が現像スリーブの外周面から離れる第一の変曲点をC、離れた絶縁テープ20が絶縁テープの先端部20aに接する第二の変曲点をBとする。絶縁テープ20の巻き付け量は、絶縁テープ20の段差部20cにおける第一の変曲点Cから第二の変曲点Bまでの範囲に、絶縁テープ20の後端部20bが位置するように、絶縁テープ20を現像スリーブに巻き付けている。
【0091】
具体的には、絶縁テープの巻き付け量は、絶縁テープが1周目から2周目へと持ち上がる第一の変曲点C以上であって、且つ720°(第二の変曲点B)以下の範囲が好ましい。
【0092】
このように、現像スリーブの回転方向において、絶縁テープ20の先端部20aによる段差部20cに近接する位置に、絶縁テープ20の後端部20bが位置するように、絶縁テープを巻き付けている。このため、絶縁テープ20の段差部20cが磁気シール部材の現像剤溜りに突入することで発生する絶縁テープ20の摩耗を減少させることができる。これにより、絶縁テープ20を延命させることができ、磁気シール部材により磁気シールされた現像スリーブの長手方向端部の現像剤汚れを防止して装置内の汚染を防止することができる。
【0093】
なお、前述した実施形態では、多色画像形成のために色の異なる画像形成部を4つ使用した構成を例示しているが、この色や使用個数はこれに限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
【0094】
また、画像形成装置としては、例えばプリンタ、複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。また、中間転写体を使用し、該中間転写体に各色のトナー像を順次重ねて転写し、該中間転写体に担持されたトナー像を記録材に一括して転写する画像形成装置を例示したが、これに限定されるものでもない。例えば、記録材担持体を使用し、該記録材担持体に担持された記録材に各色のトナー像を順次重ねて転写する画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に用いられる現像装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0095】
H …磁気穂
PY,PM,PC,PK …画像形成部
1Y,1M,1C,1K …感光体ドラム
4Y,4M,4C,4K …現像装置
20 …絶縁テープ
20a …端部
20b …端部
20c …段差部
40 …現像剤容器
41,43 …現像スリーブ
42,44 …マグネットローラ
45 …供給スクリュー
46 …攪拌スクリュー
47 …現像剤供給室
48 …現像剤攪拌室
51,52 …磁気シール部材
100 …画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する現像剤担持体に現像剤を担持して像担持体に形成された静電像を現像する現像装置において、
前記現像剤担持体の長手方向の端部に前記現像剤担持体と非接触に対向して設けられ、現像剤漏れを防ぐために前記現像剤担持体との間に現像剤による磁気穂を形成する磁性部材と、
前記磁性部材と対向する前記現像剤担持体の長手方向の端部の周方向に巻き付けて設けられ、前記現像剤と同極性に帯電する絶縁部材と、
を有し、
前記絶縁部材を前記現像剤担持体の回転方向に対して相対的に逆方向に複数回巻き付けるとともに、前記現像剤担持体の回転方向において、前記絶縁部材の前記現像剤担持体への巻き付け始めの先端部による前記絶縁部材の段差部に近接する位置に、前記絶縁部材の前記現像剤担持体への巻き付け終わりの後端部が位置するように、前記絶縁部材を前記現像剤担持体に巻き付けることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記絶縁部材の前記現像剤担持体への巻き付け始めの先端部によって前記絶縁部材が前記現像剤担持体の外周面から離れる第一の変曲点から、離れた絶縁部材が前記絶縁部材の先端部に接する第二の変曲点までの範囲に、前記絶縁部材の前記現像剤担持体への巻き付け終わりの後端部が位置するように、前記絶縁部材を前記現像剤担持体に巻き付けることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記絶縁部材は、前記現像剤担持体の長手方向において前記磁性部材と対向した領域よりも広い領域に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像剤担持体は、長手方向においてブラスト処理されたブラスト領域と、その両端にブラスト処理されない非ブラスト領域とを有し、
前記絶縁部材は、前記非ブラスト領域を覆うように設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
像担持体に静電像を形成し、前記静電像を現像装置によって現像して画像を形成する画像形成装置において、
前記現像装置として請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の現像装置を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−252174(P2012−252174A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124863(P2011−124863)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】