説明

現像装置

【課題】 現像装置の輸送時に加わる衝撃等により、現像ハウジングの内部に収容された現像剤が、現像ローラと現像ハウジングとの間の隙間を通して外部に漏れ出すのを簡単かつ適切に防止する。
【解決手段】 内部に現像剤tが収容された現像ハウジング10の開口部に、回転して現像剤を外部に導く現像ローラ11が設けられた現像装置において、現像ローラが露出した開口部を覆うようにしてカバー部材20を現像ハウジングに着脱可能に装着させると共に、このカバー部材に設けられた密封部材21を、現像ローラと現像ハウジングとの間における現像ローラの軸方向に伸びた少なくとも一方の隙間に直線状に挿入させて、この密封部材により上記の隙間を密封させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機などの画像形成装置に装着されて使用される現像装置に関するものである。特に、内部に現像剤が収容された現像ハウジングの開口部に、回転して現像剤を外部に導く現像ローラが設けられた現像装置を輸送したりする場合に、現像装置に加わる振動や衝撃等によって、現像ハウジングの内部に収容された現像剤が、現像ローラと現像ハウジングとの間の隙間を通して外部に漏れ出したりするのを簡単かつ適切に防止できるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機,プリンタ,ファクシミリ、これらの複合機などの画像形成装置においては、感光体に形成された静電潜像を現像するのに現像装置が使用されている。
【0003】
そして、このような現像装置としては、一般に、内部に現像剤が収容された現像ハウジングの開口部に現像ローラを設け、この現像ローラを回転させて内部に収容された現像剤を感光体と対向する外部位置に導き、感光体に形成された静電潜像を現像した後、この現像ローラに残った現像剤を現像ハウジング内に戻すようにしたものが用いられている。
【0004】
ここで、このような現像装置を輸送したりする場合において、現像装置に振動や衝撃等が加わると、現像ハウジングの内部に収容された現像剤が、現像ローラと現像ハウジングとの間の隙間を通して外部に漏れ出すという問題があった。
【0005】
このため、従来においては、現像ローラが露出する現像ハウジングの開口部を覆うようにして、ウレタンフォームなどで構成されたシート材を、現像ハウジングの開口部の周辺部に粘着テープで貼り付け、このシート材によって現像装置から現像剤が外部に漏れだすのを防止することが行われている。
【0006】
しかし、このように現像ローラが露出する現像ハウジングの開口部を覆うようにして、シート材を現像ハウジングの開口部の周辺部に貼り付けた場合においても、現像装置を輸送させる際における振動や衝撃等により、現像ローラと現像ハウジングとの間の隙間を通して現像剤が漏れ出して、この現像剤がこのシート材の内面に付着し、このシート材を取り外した際に、シート材の内面に付着していた現像剤が外部にこぼれ出したり、飛散したりして、周囲が汚れる等の問題があった。
【0007】
そして、特許文献1においては、弾性発泡体を取り付けたフィルムの一端部を、現像ローラと現像ハウジングとの間に挿入し、このフィルムにより現像ローラが露出する現像ハウジングの開口部を覆うようにして、このフィルムの他端部を現像ハウジングに貼着させるようにしたものが示されている。
【0008】
また、特許文献2においては、フィルムの一端部に取り付けたシール材を、現像ローラと現像ハウジングとの間に挿入すると共に、このフィルムの一端部を現像ハウジングに貼付し、このフィルムにより現像ローラが露出する現像ハウジングの開口部を覆うようにして、このフィルムの他端部を梱包用テープによって現像ハウジング等に貼着させるようにしたものが示されている。
【0009】
しかし、上記の特許文献1,2のものにおいては、現像ローラが露出する現像ハウジングの開口部を覆う長いフィルムを用い、この長いフィルムの一端部に設けた弾性発泡体やシール部材を現像ローラと現像ハウジングとの間に挿入させるため、その作業が面倒かつ困難であった。また、このように長いフィルムの一端部に設けた弾性発泡体やシール部材を、現像ローラと現像ハウジングとの間に挿入させた後、このフィルムにより現像ローラが露出する現像ハウジングの開口部を覆うようにして、このフィルムの他端部を現像ハウジング等に貼着させる作業も面倒であった。さらに、現像装置の梱包時や輸送時等において、上記のフィルムに力が作用すると、現像ローラと現像ハウジングとの間に挿入された弾性発泡体やシール部材が抜けて、現像ローラと現像ハウジングとの間から現像剤がこぼれ出すのを適切に防止することができなくなる等の問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平6−27797号公報
【特許文献2】特開2004−102082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、内部に現像剤が収容された現像ハウジングの開口部に、回転して現像剤を外部に導く現像ローラが設けられた現像装置を輸送したりする場合における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0012】
すなわち、本発明は、上記のような現像装置を輸送する際などにおいて、現像装置に振動や衝撃等が加わった場合に、現像ハウジングの内部に収容された現像剤が、現像ローラと現像ハウジングとの間の隙間を通して外部に漏れ出したりするのを簡単かつ適切に防止できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明においては、上記のような課題を解決するため、内部に現像剤が収容された現像ハウジングの開口部に、回転して現像剤を外部に導く現像ローラが設けられた現像装置において、現像ローラが露出した上記の開口部を覆うようにしてカバー部材を現像ハウジングに着脱可能に装着させると共に、このカバー部材に設けられた密封部材を、現像ローラと現像ハウジングとの間における現像ローラの軸方向に伸びた少なくとも一方の隙間に直線状に挿入させて、この密封部材により上記の隙間を密封させるようにした。
【0014】
ここで、本発明の現像装置においては、上記のカバー部材を現像ハウジングから離脱させる際に、上記の密封部材が現像ローラと接触する接線方向に沿って上記の隙間から離脱されるようにすることが好ましい。
【0015】
また、上記の現像装置においては、上記のカバー部材の内面にシート状の密封部材を取り付けるようにすることができる。
【0016】
また、上記の現像装置において、現像ローラと対向する開口部近傍の現像ハウジングに、現像ローラと現像ハウジングとの間における上記の隙間を封止する封止部材を設け、この封止部材と現像ローラとの間に上記の密封部材を挿入させるようにすることが好ましい。また、上記の密封部材を、封止部材と現像ローラとの間以外に、開口部側における封止部材とも接触させるようにすることが好ましい。
【0017】
また、上記の現像装置において、現像ローラが露出した開口部を覆うようにして、カバー部材を現像ハウジングに着脱可能に装着させるにあたっては、カバー部材の一端部を現像ハウジングに回動可能に係合させ、このカバー部材を回動させて現像ハウジングに着脱可能に装着させるようにすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の現像装置においては、現像ローラが露出した開口部を覆うようにして現像ハウジングに着脱可能に装着させるカバー部材に密封部材を設け、このカバー部材を現像ハウジングに装着させて、現像ローラが露出した開口部を覆うようにすると共に、このカバー部材に設けられた密封部材を、現像ローラと現像ハウジングとの間における現像ローラの軸方向に伸びた少なくとも一方の隙間に直線状に挿入させて、この密封部材により上記の隙間を密封させるようにしたため、現像ローラが露出した開口部を覆う操作と、現像ローラと現像ハウジングとの間における隙間を密封させる操作とを、一度の操作で簡単に行えるようになると共に、現像ハウジング内における現像剤が、現像ローラと現像ハウジングとの間における隙間を通して外部に漏れ出すのが適切に防止されるようになる。
【0019】
また、上記のように装着されたカバー部材を現像ハウジングから離脱させる際に、上記の密封部材が現像ローラと接触する接線方向に沿って上記の隙間から離脱されるようにすると、カバー部材を現像ハウジングから離脱させた際に、密封部材が大きく変形することがなく、この密封部材に付着していた現像剤が、密封部材により弾き飛ばされて外部に飛散するということもなくなる。
【0020】
また、上記のカバー部材の内面にシート状の密封部材を取り付けるようにすると、このカバー部材を現像ハウジングに装着させて、現像ローラが露出した開口部を覆うようにすると共に、このカバー部材に設けられた密封部材を、現像ローラと現像ハウジングとの間における現像ローラの軸方向に伸びた少なくとも一方の隙間に直線状に挿入させる操作が簡単に行えるようになる。
【0021】
また、上記の現像装置において、現像ローラと対向する開口部近傍の現像ハウジングに、現像ローラと現像ハウジングとの間における上記の隙間を封止する封止部材を設け、この封止部材と現像ローラとの間に上記の密封部材を挿入させるようにすると、この封止部材によって密封部材が現像ローラに押圧されるようになり、現像ハウジング内における現像剤が、現像ローラと現像ハウジングとの間における隙間を通して外部に漏れ出すのが確実に防止されるようになる。さらに、この密封部材を、封止部材と現像ローラとの間以外に、開口部側における封止部材とも接触させるようにすると、密封部材が封止部材と2点以上で接触して押圧されるようになり、現像剤の漏れ出しがさらに防止されるようになる。
【0022】
また、上記の現像装置において、カバー部材の一端部を現像ハウジングに回動可能に係合させ、このカバー部材を回動させて現像ハウジングに装着させるようにすると、現像ローラが露出した開口部を覆うようにして、カバー部材を現像ハウジングに着脱可能に装着させる操作が容易に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る現像装置を使用して、感光体に形成された静電潜像を現像する状態を示した概略断面説明図である。
【図2】同実施形態の現像装置を輸送させるにあたり、現像ローラが露出した現像ハウジングの開口部を覆うようにして現像ハウジングに着脱可能に装着させるカバー部材の一例を示した概略断面説明図である。
【図3】同実施形態の現像装置において、カバー部材の下端部における第1係止部を、現像ハウジングの開口部の下方における第1係合部に係合させ、カバー部材における第1係止部を支点としてカバー部材を上方に向けて回動させる状態を示した概略断面説明図である。
【図4】同実施形態の現像装置において、カバー部材における第1係止部を支点としてカバー部材を上方に向けて回動させて、カバー部材を現像ハウジングに着脱可能に装着されると共に、カバー部材に設けた密封部材を、弾性部材によって現像ローラの外周面に押圧された除電シートと現像ローラとの間に挿入させて密封させる工程を示した部分拡大断面説明図である。
【図5】同実施形態の現像装置において、カバー部材の内面の上部と下部とにそれぞれシート状の密封部材を設けたカバー部材を、現像ローラが露出した現像ハウジングの開口部を覆うようにして現像ハウジングに着脱可能に装着させた状態を示した部分拡大断面説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、この発明の実施形態に係る現像装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る現像装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0025】
この実施形態に係る現像装置においては、図1に示すように、現像ハウジング10内に収容された現像剤となるトナーtを、現像ハウジング10の開口部に設けられた回転する現像ローラ11により感光体1に供給して、感光体1に形成された静電潜像を現像するにあたり、現像ハウジング10内に設けられた送り部材12を回転させて、現像ハウジング10内に収容されたトナーtを現像ローラ11に送ると共に、このトナーtを回転する供給ローラ13によって現像ローラ11の外周面に供給するようにしている。
【0026】
そして、このように供給されたトナーtを現像ローラ11により搬送させると共に、この現像ローラ11の外周面に規制部材14を圧接させ、現像ローラ11によって搬送されるトナーtの量を規制すると共に、このトナーtを摩擦帯電させる。次いで、このように帯電されたトナーtを現像ローラ11により感光体1と対向する位置に導き、感光体1に形成された静電潜像の部分にトナーtを供給して静電潜像を現像するようにしている。
【0027】
その後、現像ローラ11の回転方向下流側において、現像ローラ11と現像ハウジング10との間の隙間を封止する封止部材15を通して、感光体1に供給されずに現像ローラ11の外周面に残ったトナーtを現像ハウジング10内に戻すようにしている。
【0028】
ここで、上記の封止部材15としては、現像ローラ11の回転方向下流側における開口部近傍の現像ハウジング10に取り付けられた除電シート15aを、スポンジなどの弾性部材15bによって現像ローラ11の外周面に押圧させるようにしている。なお、上記の現像ローラ10がアルミニウム等の金属で構成されている場合、上記の封止部材15を現像ローラ11に接触させる圧力を強くすると、現像ローラ11の外周面に残ったトナーtが現像ハウジング10内に適切に戻されずに、この封止部材15により現像ローラ11の外周面から離脱されてこぼれ落ちるおそれがあるため、封止部材15を現像ローラ11に接触させる圧力を弱くするようにしている。
【0029】
ここで、上記の現像装置を輸送する場合等において、この現像装置に振動や衝撃等が加わると、現像ハウジング10の内部に収容されたトナーtが、現像ローラ11と現像ハウジング10との間の隙間を通して外部に漏れ出したりする。なお、この実施形態の現像装置の場合、現像ローラ11の外周面に規制部材14が圧接されている現像ローラ11の回転方向上流側の隙間の部分にはトナーtがほとんど導かれず、現像ローラ11の回転方向上流側の隙間からトナーtが漏れ出すことは少ない。一方、現像ローラ11と現像ハウジング10との間の隙間を上記の封止部材15によって封止させている現像ローラ11の回転方向下流側の隙間からはトナーtが漏れ出しやすくなっている。特に、上記のようにアルミニウム等の金属で構成された現像ローラ11を用いた場合には、封止部材15を現像ローラ11に接触させる圧力を弱くするため、この封止部材15と現像ローラ11との間からトナーtが漏れ出しやすくなっている。
【0030】
そして、この実施形態においては、上記の現像装置を輸送する場合等において、現像装置からトナーtが漏れ出すのを防止するため、図2に示すように、現像ローラ11が露出した現像ハウジング10の開口部を覆うようにして現像ハウジング10に着脱可能に装着されるカバー部材20を用い、このカバー部材20の内面上部に、PETフィルムなどで構成されたシート状の密封部材21をカバー部材20の内方に向けて直線状に突出するように設けている。
【0031】
また、上記のカバー部材20においては、その下端部に、現像ハウジング10の開口部の下方において突出した第1係止部16に係合する第1係合部22を設けると共に、その上端部に、現像ハウジング10の開口部の上方において突出した第2係止部17に係合する第2係合部23を設け、このカバー部材20が弾性変形できるように構成している。
【0032】
そして、この実施形態においては、図3に示すように、上記のカバー部材20の下端部における第1係止部16を、現像ハウジング10の開口部の下方における第1係合部22に係合させ、このように第1係合部22に係合されたカバー部材20における第1係止部16を支点として、このカバー部材20を上方に向けて回動させるようにする。
【0033】
このようにカバー部材20を上方に向けて回動させると、先ず、図4(A)に示すように、カバー部材20の内面上部に設けられた密封部材21が、現像装置における現像ローラ11の外周面に接触し、この現像ローラ11の外周面に沿って上記の密封部材21が、現像ローラ11と上記の封止部材15における除電シート15aとの間に導かれるようになる。
【0034】
そして、上記のカバー部材20をさらに上方に向けて回動させて、図4(B)に示すように、カバー部材20の上端部における第2係合部23を、現像ハウジング10の開口部の上方において突出した第2係止部17に係合させると、上記の密封部材21が、上記の弾性部材15bによって除電シート15aが現像ローラ11の外周面に押圧された部分を通して現像ハウジング10内に導かれるようになる。また、この実施形態においては、上記の密封部材21が、除電シート15aが現像ローラ11の外周面に押圧された部分の他に、開口部の上縁における現像ハウジング10の端部の位置においても除電シート15aと接触して押圧されるようにしている。
【0035】
このようにすると、現像ローラ11が露出した現像ハウジング10の開口部が上記のカバー部材20によって閉塞されると共に、このカバー部材20に設けられた密封部材21が、上記のように弾性部材15bによって現像ローラ11の外周面に押圧された除電シート15aと現像ローラ11との間に適切に挿入され、さらにこの密封部材21が開口部の上縁における現像ハウジング10の端部の位置において除電シート15aを介して押圧されるようになり、上記の除電シート15aと現像ローラ11との間を通してトナーtが漏れ出すのが、この密封部材21によって十分に抑制されるようになる。この結果、現像装置を輸送する場合等において、この現像装置に振動や衝撃等が加わったとしても、現像ハウジング10の内部に収容されたトナーtが、現像ローラ11と現像ハウジング10との間の隙間を通して外部に漏れ出すのが確実に防止されるようになる。
【0036】
また、上記のカバー部材20を現像ハウジング10から取り外す場合には、カバー部材20の上端部における第2係合部23を、現像ハウジング10の開口部の上方における第2係止部17から離脱させ、現像ハウジング10の開口部の下方における第1係合部22に係合されたカバー部材20における第1係止部16を支点として、このカバー部材20を装着時とは逆に下方に向けて回動させるようにする。
【0037】
このようにすると、上記のように弾性部材15bによって現像ローラ11の外周面に押圧された除電シート15aと現像ローラ11との間に挿入された上記の密封部材21が、現像ローラ11と接触する接線方向に沿って除電シート15aと現像ローラ11との間から離脱されるようになる。このため、密封部材21にトナーtが付着していても、この密封部材21を除電シート15aと現像ローラ11との間から離脱させた際に、密封部材21が大きく変形するということがなく、密封部材21にトナーtが付着していても、このトナーtが密封部材21から弾き飛ばされて外部に飛散するということもなくなる。
【0038】
また、上記のような現像装置を輸送する前に、その性能を確認する試験として、この現像装置を使用して実際に現像を行うことがある。
【0039】
この場合、この現像装置における現像ローラ11の外周面に、トナーtが保持されて残った状態になっていると共に、現像ローラ11と上記の除電シート15aとの間にもトナーtが存在しており、この状態で、上記のようにカバー部材20を現像ハウジング10に装着させると、現像ローラ11の外周面に残っているトナーtがカバー部材20内にこぼれ落ちると共に、現像ローラ11と除電シート15aとの間に存在するトナーtが、これらの間に挿入される密封部材21にも付着するようになる。そして、この状態でカバー部材20を現像ハウジング10から取り外した場合、これらのトナーtが外部にこぼれ出すおそれがある。
【0040】
このため、上記のような試験が行われた現像装置においては、現像ローラ11の外周面に保持されているトナーtを除去した後、この現像ローラ11をある程度回転させて、現像ローラ11と除電シート15aとの間に存在しているトナーtを取り除いて現像ハウジング10内に戻し、その後、上記のようにしてカバー部材20を現像ハウジング10に装着させるようにすることが好ましい。
【0041】
なお、この実施形態においては、カバー部材20の内面上部に1つのシート状の密封部材21を設け、現像ローラ11の回転方向下流側において、この密封部材21を現像ハウジング10との隙間に設けられた上記の封止部材15と現像ローラ11との間に挿入させるようにしたが、カバー部材20箱のようなものに限定されない。
【0042】
例えば、図5に示すように、カバー部材20の内面の上部と下部とにそれぞれシート状の密封部材21を設けたものを用い、このカバー部材20の内面上部における密封部材21を、上記のように現像ローラ11の回転方向下流側において、上記の封止部材15と現像ローラ11との間に挿入させる一方、カバー部材20の内面下部における密封部材21を、現像ローラ11の外周面に規制部材14が圧接されている現像ローラ11の回転方向上流側の隙間の部分に挿入させて、それぞれの隙間部分を密封させるようにすることができる。
【0043】
また、この実施形態においては、現像剤にトナーtだけを使用した一成分現像形式の現像装置の例を示したが、トナーとキャリアとを含む現像剤を使用した二成分現像形式の現像装置においても、上記のようなカバー部材を用いるようにすることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 感光体
10 現像ハウジング
11 現像ローラ
12 送り部材
13 供給ローラ
14 規制部材
15 封止部材
15a 除電シート
15b 弾性部材
16 第1係止部
17 第2係止部
20 カバー部材
21 密封部材
22 第1係合部
23 第2係合部
t トナー(現像剤)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に現像剤が収容された現像ハウジングの開口部に、回転して現像剤を外部に導く現像ローラが設けられた現像装置において、現像ローラが露出した上記の開口部を覆うようにしてカバー部材が現像ハウジングに着脱可能に装着されると共に、このカバー部材に設けられた密封部材が、現像ローラと現像ハウジングとの間における現像ローラの軸方向に伸びた少なくとも一方の隙間に直線状に挿入されて、この密封部材によって上記の隙間が密封されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現像装置において、上記のカバー部材を現像ハウジングから離脱させる際に、上記の密封部材が現像ローラと接触する接線方向に沿って上記の隙間から離脱されることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の現像装置において、上記のカバー部材の内面にシート状の密封部材が取り付けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の現像装置において、現像ローラと対向する開口部近傍の現像ハウジングに、現像ローラと現像ハウジングとの間における上記の隙間を封止する封止部材が設けられ、この封止部材と現像ローラとの間に上記の密封部材が挿入されることを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の現像装置において、上記の密封部材が、封止部材と現像ローラとの間以外に、開口部側おける封止部材とも接触することを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の現像装置において、上記のカバー部材の一端部が現像ハウジングに回動可能に係合され、このカバー部材が回動されて現像ハウジングに着脱可能に装着されることを特徴とする現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−95304(P2011−95304A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246318(P2009−246318)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】