説明

現像装置

【課題】簡易な構成でありながら、筐体からの現像剤の漏れを防止することができる現像装置を提供すること。
【解決手段】
現像カートリッジ23では、現像ローラ6と、第1シール部材88と、突出部90を備える補強部材89とを備える。そして、突出部90の左右方向外側端部が、第1シール部材88の左右方向外側端部よりも内側に位置するように、第1シール部材88および補強部材89を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラープリンタなどの画像形成装置に装備される現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、現像装置が着脱自在に装着される、電子写真方式のプリンタが知られている。現像装置は、筐体と、その筐体に支持され、トナーを担持する現像ローラと、現像ローラに担持されるトナーの層厚を規制する層厚規制ブレードと、筐体からのトナーの漏れを防止するためのシール部材とを備えている。
【0003】
このような現像装置としては、例えば、層厚規制ブレードが、正面視略矩形状の板ばね部材と、板ばね部材の遊端部に設けられる押圧部とを備え、シール部材が、板ばね部材の幅方向端部と、現像ローラの軸方向端部との間に配置されるブレードサイドシールを備える現像カートリッジが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、そのような現像カートリッジでは、板ばね部材の弾性力により、押圧部が現像ローラの表面に圧接されるとともに、ブレードサイドシールが現像ローラの軸方向端部に圧接される。これにより、現像ローラの表面に担持されるトナーの層厚が規制され、また、板ばね部材の幅方向端部と現像ローラの軸方向端部との間からのトナーの漏れが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−195628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の現像カートリッジでは、板ばね部材の弾性力のみにより、ブレードサイドシールが現像ローラに圧接されているので、ブレードサイドシールと現像ローラとの接触が不十分である。その結果、ブレードサイドシールと現像ローラの軸方向端部との間に隙間が生じて、その隙間からトナーが漏れ出す場合がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、簡易な構成でありながら、筐体からの現像剤の漏れを防止することができる現像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明の現像装置は、内部に現像剤が収容される筐体と、前記筐体において軸線について回転可能に設けられ、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記筐体に設けられ、前記現像剤担持体の表面に担持される現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、前記現像剤担持体の軸線方向の端部と前記層厚規制部材との間に配置される第1シール部材とを備えている。
【0009】
前記層厚規制部材は、一端部に前記現像剤担持体と接触する接触部が設けられ、他端部が前記筐体に支持される第1板状部材と、前記筐体に対して前記第1板状部材の他端部を挟むように対向配置され、前記第1板状部材を前記筐体に固定する第2板状部材とを備え、前記現像剤担持体と前記接触部との接触部分において、前記現像剤担持体の回転方向と、前記第1板状部材の他端部から一端部に向かう方向とが、同一方向となるように配置されている。
【0010】
前記第1シール部材は、前記軸線方向において、前記接触部を挟むとともに、前記第2板状部材の前記軸線方向両端部よりも内側に位置するように、互いに間隔を隔てて配置されている。
【0011】
前記第2板状部材は、前記第2板状部材から前記第1板状部材の他端部側に向けて突出し、前記第1シール部材を前記現像剤担持体に向けて押圧する突出部を備えている。
【0012】
前記突出部は、前記軸線方向において、前記第1シール部材の前記軸線方向外側端部よりも内側に位置している。
【0013】
このような構成によれば、第2板状部材の突出部により、第1シール部材が現像剤担持体の軸線方向の端部に向けて押圧される。
【0014】
一方、突出部が、現像剤担持体の軸線方向おいて、第1シール部材の外側端部と重なる位置に設けられていると、突出部の押圧力が第1シール部材に必要以上に作用して、第1シール部材が変形される場合がある。そうすると、第1シール部材の変形に伴ない、第1板状部材の現像剤担持体の軸線方向端部が、現像剤担持体に向けて屈曲するように変形されて、接触部と現像剤担持体の表面との間に隙間が生じる場合がある。
【0015】
しかし、本発明の現像装置では、現像剤担持体の軸線方向において、突出部が第1シール部材の外側端部よりも内側に位置している。
【0016】
そのため、第1シール部材と現像剤担持体の軸線方向の端部との安定した接触を確保することができながら、突出部の押圧力による第1シール部材の変形が抑制され、第1板状部材の変形を抑制できる。
【0017】
従って、本発明の現像装置は、簡易な構成でありながら、筐体からの現像剤の漏れを防止することができる。
(2)また、前記突出部は、前記軸線方向において、前記第1シール部材の前記軸線方向内側端部よりも内側に位置していてもよい。
【0018】
このような構成によれば、突出部と第1シール部材とが、現像剤担持体の軸線方向において重ならず、突出部の押圧力が第1シール部材に必要以上に作用することを効果的に防止できる。そのため、第1シール部材の変形をより抑制できるので、第1板状部材の変形を確実に抑制できる。
(3)また、前記突出部は、2つ設けられ、前記軸線方向に互いに間隔を隔て対向配置されていてもよい。
【0019】
このような構成によれば、突出部が1つの場合と比較して、第1シール部材と現像剤担持体の軸線方向の端部との安定した接触を確実に確保することができる。
(4)また、前記現像剤担持体は、画像形成領域を有し、2つの前記突出部は、前記軸線方向において、画像形成領域と対応する領域の外側に、それぞれ配置されていてもよい。
【0020】
このような構成によれば、2つの突出部が、画像形成領域と対応する領域の外側に配置されるので、突出部と第1シール部材とが近傍に配置される。そのため、第1シール部材と、現像剤担持体の軸線方向の端部との安定した接触を確実に確保することができる。
【0021】
また、突出部の押圧力が、現像剤担持体の画像形成領域に作用することによる画像形成不良を防止できる。
(5)また、2つの前記突出部は、前記突出部の前記軸線方向外側端部と、前記接触部の前記軸線方向両端部とが、前記軸線方向においてそれぞれ同一位置となるように配置されていてもよい。
【0022】
このような構成によれば、2つの突出部の押圧力が、現像剤担持体の軸線方向における接触部の両端部を押圧するので、接触部と現像剤担持体との安定した接触を確保できる。
【0023】
そのため、第1板状部材の変形を抑制することができながら、接触部と現像剤担持体との安定した接触を確保できる。
(6)また、前記筐体には、前記軸線方向に互いに間隔を隔てて対向配置され、前記第2板状部材を固定する1対の固定部が設けられていてもよい。この場合、1対の前記固定部は、前記軸線方向において、2つの前記突出部よりも、それぞれ外側に位置している。
【0024】
このような構成によれば、第2板状部材が筐体に対して固定されるので、筐体に設けられる現像剤担持体と突出部との相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
【0025】
また、1対の固定部が、前記軸線方向において、2つの突出部よりも外側に位置しているので、固定部の作用力が第1シール部材の軸線方向外側端部より内方に作用することを防止できる。そのため、接触部と現像剤担持体との安定した接触を確保できる。
(7)また、前記筐体は、前記第2板状部材が対向配置される支持壁を備え、前記第2板状部材は、前記突出部が設けられる側の端部と反対側の端部から連続して、前記支持壁から離間するように延びる延長部を備えていてもよい。
【0026】
このような構成によれば、第2板状部材が延長部を備えるので、現像装置の強度の向上を図ることができる。
(8)また、前記延長部は、平板状に形成され、前記延長部と前記第2板状部材との間に形成される角の角度が、鈍角であってもよい。
【0027】
このような構成によれば、第2板状部材を筐体に組み付けるときに、延長部を把持できるので、第2板状部材の筐体に対する組み付け作業の効率化を図ることができる。
(9)また、前記筐体と前記現像剤担持体の周面における前記軸線方向外側部分との間に配置され、前記筐体からの現像剤の漏れを防止する第2シール部材を備えていてもよい。
【0028】
この場合、前記第2シール部材は、前記筐体側に配置され、弾性を有する第2基材と、前記第2基材に接着され、前記現像剤担持体の周面における前記軸線方向外側部分と接触する第2起毛部材とを備え、前記第2シール部材における前記現像剤担持体の回転方向下流端部が、前記第1シール部材と前記現像剤担持体との間に挟まれるように配置され、前記第2基材の前記回転方向下流側部分において、前記第2基材の前記筐体側の一方面の長さが、前記第2基材の前記現像剤担持体側の他方面の長さよりも短い。
【0029】
このような構成によれば、筐体と現像剤担持体の周面における軸線方向外側部分との間からの現像剤の漏れを防止できる。
【0030】
また、第2基材における現像剤担持体の回転方向下流側部分が、先細り形状となるので、その先細り形状部分を第1シール部材に追従させることができる。
【0031】
よって、第2シール部材における現像剤担持体の回転方向下流端部を、第1シール部材と現像剤担持体との間に挟まれるように配置しても、第2シール部材と第1シール部材とを確実に密着させることができる。
【0032】
その結果、第2シール部材と第1シール部材との境目に隙間が生じることを防止でき、その隙間からの現像剤の漏れを防止することができる。
(10)また、前記筐体と前記現像剤担持体の周面における前記軸線方向外側部分との間に配置され、前記筐体からの現像剤の漏れを防止する第2シール部材を備えていてもよい。この場合、前記第2シール部材は、前記筐体側に配置され、弾性を有する第2基材と、前記第2基材に接着され、前記現像剤担持体の周面における前記軸線方向外側部分と接触する第2起毛部材とを備え、前記第2シール部材における前記現像剤担持体の回転方向下流端部が、前記第1シール部材と前記現像剤担持体との間に挟まれるように配置され、前記第2基材の前記回転方向下流端部は、前記第2起毛部材の前記回転方向下流端部よりも、前記回転方向上流側に位置している。
【0033】
このような構成によれば、筐体と現像剤担持体の周面における軸線方向外側部分との間からの現像剤の漏れを防止できる。
【0034】
また、第2起毛部材における現像剤担持体の回転方向下流端部が、第2基材における現像剤担持体の回転方向下流端部よりも、回転方向下流側に突出しているので、その突出部分を第1シール部材に追従させることができる。
【0035】
よって、第2シール部材における現像剤担持体の回転方向下流端部を、第1シール部材と現像剤担持体との間に挟まれるように配置しても、第2シール部材と第1シール部材とを確実に密着させることができる。
【0036】
その結果、第1シール部材と第2シール部材との境目に隙間が生じることを防止でき、その隙間からの現像剤の漏れを防止することができる。
(11)また、前記筐体と前記現像剤担持体の周面における前記軸線方向外側部分との間に配置され、前記筐体からの現像剤の漏れを防止する第2シール部材を備えていてもよい。
【0037】
この場合、前記第2シール部材は、前記筐体側に配置され、弾性を有する第2基材と、前記第2基材に接着され、前記現像剤担持体の周面における前記軸線方向外側部分と接触する第2起毛部材とを備え、前記第2シール部材における前記現像剤担持体の回転方向下流端部が、前記第1シール部材と前記現像剤担持体との間に挟まれるように配置され、前記第2基材の前記回転方向下流端部の厚みが、前記第2基材の前記回転方向の上流端部の厚みよりも、薄く形成されている。
【0038】
このような構成によれば、筐体と現像剤担持体の周面における軸線方向外側部分との間からの現像剤の漏れを防止できる。
【0039】
また、第2基材における現像剤担持体の回転方向下流端部の厚みが、回転方向上流端部の厚みよりも薄く形成されているので、その薄く形成された部分を第1シール部材に追従させることができる。
【0040】
よって、第2シール部材における現像剤担持体の回転方向下流端部を、第1シール部材と現像剤担持体との間に挟まれるように配置しても、第2シール部材と第1シール部材とを確実に密着させることができる。
【0041】
そのため、第1シール部材と第2シール部材との境目に隙間が生じることを防止でき、その隙間からの現像剤の漏れを防止することができる。
(12)また、前記第1板状部材の他端部と前記筐体との間に配置される第3シール部材を備えていてもよい。
【0042】
この場合、前記第1シール部材は、前記層厚規制部材に配置され、弾性を有する第1基材と、前記第1基材に接着され、前記現像剤担持体の前記軸線方向端部と接触する第1起毛部材とを備え、前記第1基材は、前記現像剤担持体の回転方向上流側端部である第1端部を有し、前記第1起毛部材は、前記現像剤担持体の回転方向上流側端部である第2端部を有し、前記第1端部は、前記第2端部よりも、前記現像剤担持体の回転方向上流側に配置され、前記第1端部は、前記層厚規制部材と前記第3シール部材との間に挟まれるように配置されている。
【0043】
このような構成によれば、第1板状部材の他端部と筐体との間からの現像剤の漏れを防止することができる。
【0044】
また、第1端部が、第2端部よりも現像剤担持体の回転方向上流側に配置されているので、第3シール部材を第1端部に追従させることができる。
【0045】
よって、第1シール部材の第1端部を、層厚規制部材と第3シール部材との間に挟まれるように配置しても、第1シール部材と第3シール部材とを確実に密着させることができる。
【0046】
そのため、第1シール部材と第3シール部材との境目に隙間が生じることを防止でき、その隙間からの現像剤の漏れを防止することができる。
(13)また、前記第1起毛部材は、前記第1板状部材の他端部から一端部に向かう方向において、前記第1基材よりも短く形成され、前記第1端部と前記第2端部とは、段差を形成していてもよい。
【0047】
このような構成によれば、第1端部が現像剤担持体の回転方向上流側に突出しているので、第1端部を、層厚規制部材と第3シール部材との間に挟まれるように配置しても、第1シール部材と第3シール部材とを確実に密着させることができる。
【0048】
そのため、第1シール部材と第3シール部材との境目に隙間が生じることを防止でき、その隙間からの現像剤の漏れを防止することができる。
(14)また、前記第3シール部材は、前記第1シール部材と前記現像剤担持体の軸線方向の端部との間に配置される第1部分と、前記第1板状部材と前記筐体とによって挟まれるように配置される第2部分とを備えていてもよい。
【0049】
この場合、前記第2部分のみが、接着テープにより前記筐体に接着固定されている。
【0050】
このような構成によれば、第1部分は、筺体に接着固定されておらず、第2部分と比較して、弾性を保持している。そのため、第1部分を第1シール部材と現像剤担持体の軸線方向の端部との間に配置すると、第1部分と第1シール部材とを確実に密着させることができる。
【0051】
その結果、第1板状部材の他端部と筐体との間からの現像剤の漏れを確実に防止することができるとともに、第1シール部材と現像剤担持体の軸線方向の端部との間からの現像剤の漏れを防止することができる。
【発明の効果】
【0052】
本発明の現像装置は、簡易な構成でありながら、筐体からの現像剤の漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】プリンタの一実施形態を示す側断面図である。
【図2】本発明の現像カートリッジの一実施形態の左上側から見た斜視図である。
【図3】図2に示す現像カートリッジの背面図における左側端部の拡大図である。
【図4】図3に示す現像カートリッジのA−A断面図である。
【図5】図3に示す現像カートリッジのB−B断面図である。
【図6】図2に示す下フレームを左上側から見た斜視図である。
【図7】図2に示す層厚規制部材を右下側から見た斜視図である。
【図8】図2に示す現像カートリッジの分解斜視図である。
【図9】(a)は、図2に示す層厚規制部材の側面図、(b)は、本発明の現像カートリッジの他の実施形態(傾斜面を形成する態様)における層厚規制部材の側面図である。
【図10】(a)は、図8に示す第2シール部材の側面図、(b)および(c)は、本発明の現像カートリッジの他の実施形態((b):第2基材の上端部の厚みが薄い態様、(c):傾斜面を形成する態様)における第2シール部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
1.プリンタ
図1に示すように、プリンタ1は、ダイレクトタンデムタイプのカラープリンタである。
【0055】
なお、プリンタ1および現像カートリッジ23(後述)に関し、方向について言及する場合には、それぞれ水平方向に載置したときの方向を基準とし、具体的には、各図に示した矢印方向を基準とする。また、左右方向と幅方向とは、同一方向である。
【0056】
すなわち、プリンタ1に関する上下前後方向と、現像カートリッジ23(後述)に関する上下前後方向とは相異なり、現像カートリッジ23は、その前側がプリンタ1の前上側、その後側がプリンタ1の後下側となるように、プリンタ1およびドラムカートリッジ22に装着されている。
【0057】
プリンタ1は、本体ケーシング2を備え、その本体ケーシング2内には、4つの感光ドラム3が、前後方向に沿って並列配置されている。4つの感光ドラム3は、トナー像(後述)の各色(ブラック、イエロー、マゼンタまたはシアン)に対応して設けられている。
【0058】
各感光ドラム3には、スコロトロン型帯電器4、LEDユニット5および現像剤担持体の一例としての現像ローラ6が対向配置されている。
【0059】
感光ドラム3は、その表面がスコロトロン型帯電器4によって一様に帯電された後、LEDユニット5によって露光される。これにより、各感光ドラム3の表面における静電潜像領域(図示せず)には、画像データに基づく静電潜像が形成される。各静電潜像は、現像ローラ6の静電潜像領域(図示せず)と対向する画像形成領域T(後述)に担持されるトナーによって可視像化され、感光ドラム3の表面上にトナー像が形成される。
【0060】
用紙Pは、本体ケーシング2内の給紙カセット7に収容されている。給紙カセット7に収容されている用紙Pは、各種ローラにより、搬送ベルト8に給紙される。
【0061】
搬送ベルト8は、各感光ドラム3と、それらに対向する転写ローラ9との間に配置されている。各感光ドラム3の表面上のトナー像は、転写ローラ9に印加された転写バイアスによって、搬送ベルト8に搬送された用紙P上に転写され、順次重ね合わされる。
【0062】
4色のトナー像が転写された用紙Pは、定着部10に搬送される。用紙P上に転写されたトナー像は、定着部10で熱定着される。その後、用紙Pは、各種ローラにより、排紙トレイ11に排紙される。
2.プロセスカートリッジ
プリンタ1は、各色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)に対応して、4つのプロセスカートリッジ21を備えている。
【0063】
各プロセスカートリッジ21は、本体ケーシング2内に着脱自在に装着されており、前後方向に沿って、並列配置されている。
【0064】
すなわち、本体ケーシング2の上壁には、トップカバー49が開閉自在に設けられており、トップカバー49の開放により、各プロセスカートリッジ21を、本体ケーシング2内に着脱させることができる。
【0065】
プロセスカートリッジ21は、本体ケーシング2に着脱自在に装着されるドラムカートリッジ22と、ドラムカートリッジ22に着脱自在に装着される、現像装置の一例としての現像カートリッジ23とを備えている。
(1)ドラムカートリッジ
ドラムカートリッジ22は、ドラムフレーム24を備えている。ドラムフレーム24は、ドラム支持部25と、現像カートリッジ収容部26とを備えている。
【0066】
ドラム支持部25は、ドラムフレーム24の後下側に設けられ、感光ドラム3と、スコロトロン型帯電器4と、ドラムクリーニングローラ15とを支持している。
【0067】
感光ドラム3は、左右方向に長手の略円筒形状に形成されている。そして、感光ドラム3は、ドラム支持部25内の下端において、下側から露出されるように回転可能に支持されている。スコロトロン型帯電器4は、感光ドラム3の斜め後上側に、間隔を隔てて対向配置されている。ドラムクリーニングローラ15は、感光ドラム3の後側において、感光ドラム3と対向して接触するように配置されている。
【0068】
現像カートリッジ収容部26は、ドラム支持部25の前上側に配置され、現像カートリッジ23が着脱自在に装着されるように、後方および上方に開放されて形成されている。
(2)現像カートリッジ
現像カートリッジ23は、図2に示すように、筐体の一例としての現像フレーム30を備えている。
【0069】
現像フレーム30は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されており、下フレーム31と、上フレーム32とを備えている。
(2−1)下フレーム
下フレーム31は、図6に示すように、幅方向に間隔を隔てて対向配置される1対の両側壁35と、それらの下端部を連結する底壁36と、両側壁35および底壁36の前端部を連結する前壁37とを一体的に備えている。
【0070】
両側壁35は、略平板形状に形成されており、その前側部分には第1被当接部56が、その後側部分には、固定部の一例としての第1固定部33、現像ローラ軸露出溝28および供給ローラ軸露出穴29が形成されている。
【0071】
第1被当接部56は、両側壁35の上端部にそれぞれ設けられ、それらの上端から連続して、左右方向外方に延びる略平板形状に形成されている。
【0072】
第1固定部33は、両側壁35の上端から連続して、左右方向内方に延びる略平板形状に形成されている。つまり、各第1固定部33は、左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置されている。
【0073】
また、各第1固定部33は、その前側部分に第1ねじ穴67と、位置決め突部68とが形成され、その後側部分がシール載置部70として形成されている。
【0074】
第1ねじ穴67は、第1固定部33の中央部分において、上下方向に貫通して形成されている。
【0075】
位置決め突部68は、第1ねじ穴67の前側に設けられ、第1固定部33から上方に向かって突出するように形成されている。位置決め突部68の先端部は、上方に盛り上がる断面略円弧形状に形成されている。
【0076】
シール載置部70には、露出部72が形成されている。露出部72は、シール載置部70の後端部における左右方向内側部分が、平面視略矩形状に切り欠かれて形成されている。
【0077】
現像ローラ軸露出溝28は、両側壁35の後側上端縁から前下方へ窪む側面視略U字状に形成されている。現像ローラ軸露出溝28の溝幅は、現像ローラ軸16(後述)の軸径よりも広く形成されている。
【0078】
供給ローラ軸露出穴29は、側面視略矩形状に形成されている。供給ローラ軸露出穴29の各辺の長さは、供給ローラ軸18の軸径よりも長く形成されている。
【0079】
また、右側の側壁35には、トナー充填口98が形成されている。トナー充填口98は、右側の側壁35の前側部分において、側面視略円形状に形成されている。
【0080】
底壁36は、図4に示すように、その前側部分が湾曲壁40および屈曲壁41から連続して形成され、その後側部分が円弧壁42およびリップ部43から連続して形成されている。
【0081】
湾曲壁40は、アジテータ12(後述)の回転軌跡に沿う略円弧形状に形成されている。
【0082】
屈曲壁41は、上方に凸となるように屈曲して形成されており、湾曲壁40の前端部から前方へ向かうに従って上方に傾斜した後、屈曲して、前方へ向かうに従って下方に傾斜するように形成されている。
【0083】
円弧壁42は、供給ローラ13(後述)の回転軌跡に沿って略円弧形状に形成されている。
【0084】
リップ部43は、後方に向かって突出する側面視略T字状に形成され、円弧壁42の後端部から連続して形成されている。リップ部43の上面には、ロアスポンジ保持部44が形成されている。ロアスポンジ保持部44は、上方に向かって開放される側面視略コ字状に形成されている。
【0085】
底壁36における前側部分と後側部分とは、湾曲壁40の後端部と円弧壁42の前端部とが連結されることにより、連続している。
【0086】
また、底壁36における前側部分と後側部分との間には、湾曲壁40および円弧壁42から連続して延び、上方に突出する区画壁45が形成されている。すなわち、区画壁45は、左右方向に延びるように形成され(図6参照)、上フレーム32に向けて突出している。
【0087】
区画壁45の遊端部は、上フレーム32の後側上壁53(後述)の下面と、上下方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0088】
また、底壁36には、図6に示すように、複数(2つ)の第2固定部46と、複数(2つ)の隔壁50とが形成されている。
【0089】
各第2固定部46は、区画壁45の前側に隣接し、左右方向に互いに間隔を隔てて配置されている。各第2固定部46は、湾曲壁40から上方に向かって立設される略円筒形状に形成され、その遊端部は、後側上壁53(後述)から突出している(図8参照)。また、第2固定部46の上端部には、第2ねじ穴69が形成されている。
【0090】
各隔壁50は、両側壁35から左右方向内方に、それぞれ間隔を隔てて配置され、円弧壁42の上面および区画壁45の後面から上方へ向かって突出する略平板形状に形成されている。
【0091】
また、各隔壁50は、その後端部が、現像ローラ6の回転軌跡に沿う側面視略円弧形状に形成され、その上端部が、各第1固定部33の左右方向内側端部と連結されている。
【0092】
各隔壁50には、その下側部分において、供給ローラ軸18(後述)を受け入れる受入溝51が形成されている。受入溝51は、前下方に窪む側面視略U字状に形成されている。
【0093】
そして、下フレーム31における、隔壁50と対応する側壁35との間の部分が、サイドシール収容部47として区画されている。
【0094】
サイドシール収容部47は、その上側部分が第2シール収容部54として区画され、その下側部分が第4シール収容部55として区画されている。
【0095】
第2シール収容部54は、図5に示すように、後上方に向かって開放される側面視略U字状に形成されている。
【0096】
第4シール収容部55は、第2シール収容部54の前下側部分から、前下方に側面視略矩形状に窪むように形成されている。また、第4シール収容部55は、図6に示すように、後上方に向かって開放され、また、供給ローラ軸露出穴29を介して、左右方向外方に向かって開放されている。
【0097】
前壁37は、図4に示すように、その下側部分が、屈曲壁41の前端部から連続して形成され、上方へ向かうに従って前方へ傾斜するように形成され、その上側部分が、下側部分の上端部から連続して上方へ向かって延びるように形成されている。
【0098】
また、前壁37の上端部には、第2被当接部57が形成されている。第2被当接部57は、図6に示すように、前壁37の上端から連続して、前方に延びる略平板形状に形成されている。
(2−2)上フレーム
上フレーム32は、図8に示すように、前側上壁52と、支持壁の一例としての後側上壁53とを一体的に備えている。
【0099】
前側上壁52は、膨出部58と、当接部62とを備えている。
【0100】
膨出部58は、前側上壁52の中央部分において、上側に膨出するように形成されている。
【0101】
当接部62は、略平板形状に形成され、膨出部58を囲むように、膨出部58の左右両側および前側に設けられている。また、当接部62は、上フレーム32が下フレーム31に組み合わされときに、第1被当接部56および第2被当接部57と対応するように、形成されている。
【0102】
後側上壁53は、前側上壁52の後端部から連続して後方に延びる略平板形状に形成されている。
(2−3)現像フレーム
そして、下フレーム31と上フレーム32とが組み合わされると、現像フレーム30は、図4に示すように、区画壁45よりも前側空間が、トナー収容室38として区画され、区画壁45よりも後側空間が、現像室39として区画される。
(2−4)トナー収容室
トナー収容室38には、現像剤の一例としてのトナーが充填されており、また、前後方向および上下方向中央に、アジテータ12が設けられている。
【0103】
アジテータ12は、両側壁35に回転可能に支持される回転軸83と、その回転軸83に設けられる攪拌羽84とを備えている。
【0104】
攪拌羽84は、可撓性のフィルム材料からなり、回転軸83の径方向外方に向かって延びるように、回転軸83に固定されている。
【0105】
そして、アジテータ12は、回転軸83が両側壁35に支持されることにより、現像フレーム30に回転自在に支持されている(図8参照)。
(2−5)現像室
現像室39には、後方に向かって開放される開口部73が形成されている。具体的には、開口部73は、両側壁35の後端部、リップ部43の後端部、および、後側上壁53の後端部により区画されている。
【0106】
また、現像室39には、現像ローラ6と、供給ローラ13と、層厚規制部材75とが設けられている。
【0107】
現像ローラ6は、開口部73から後側および上側が露出するように、現像室39の後端部に配置されている。
【0108】
現像ローラ6は、図8に示すように、現像ローラ軸16と、ゴムローラ17とを備えている。
【0109】
ゴムローラ17は、現像ローラ軸16の左右両端部が露出するように、現像ローラ軸16を被覆して設けられている。ゴムローラ17は、現像カートリッジ23がドラムカートリッジ22に装着されたときに、感光ドラム3の静電潜像領域(図示せず)と対向する画像形成領域Tを有している。
【0110】
画像形成領域Tは、ゴムローラ17の左右方向中央部分に設けられ、その左右方向長さが、ゴムローラ17の左右方向長さに対して、略9/10である。
【0111】
現像ローラ6は、後で詳述するが、現像ローラ軸16が、両側壁35に回転自在に支持されることにより、現像フレーム30に回転可能に設けられている。
【0112】
そして、現像ローラ6は、現像時には、本体ケーシング2に設けられるモータなどの駆動源(図示せず)からの駆動力が伝達される。また、現像ローラ6には、現像時において、電源(図示せず)から現像バイアスが印加される。駆動源(図示せず)からの駆動力が伝達されると、現像ローラ6は、図4に示すように、供給ローラ13と対向接触する部分(後述)において、供給ローラ13と逆方向に回転するように、矢印で示す回転方向X(右側面視時計方向)に回転駆動される。
【0113】
また、現像ローラ6の下側には、現像ローラ6の下側と対向接触するように、ロアスポンジ71が設けられている。ロアスポンジ71は、左右方向に長手の側面視略矩形状に形成され(図8参照)、ロアスポンジ保持部44に保持されている。
【0114】
供給ローラ13は、現像ローラ6の前下側において、円弧壁42内に配置されている。
【0115】
供給ローラ13は、図8に示すように、供給ローラ軸18と、スポンジローラ19とを備えている。
【0116】
スポンジローラ19は、供給ローラ軸18の左右両端部が露出するように、供給ローラ軸18を被覆して設けられている。スポンジローラ19の左右方向長さは、ゴムローラ17の左右方向長さよりも短く形成されている。
【0117】
供給ローラ13は、ゴムローラ17とスポンジローラ19とが対向接触するように配置され、供給ローラ軸18の左右両端部が両側壁35に回転自在に支持されることにより、現像フレーム30に回転可能に設けられている。
【0118】
そして、供給ローラ13は、現像時において、本体ケーシング2に設けられるモータなどの駆動源(図示せず)からの駆動力が伝達される。また、供給ローラ13には、現像時において、電源(図示せず)から供給バイアスが印加される。駆動源(図示せず)からの駆動力が伝達されると、供給ローラ13は、現像ローラ6と対向接触する部分において、現像ローラ6と逆方向に回転するように、図4において矢印方向(右側面視時計方向)に回転駆動される。
【0119】
層厚規制部材75は、ゴムローラ17の表面に担持されるトナーの層厚を規制するために設けられ、底壁36に対して、後側上壁53を挟むように対向配置されている。
【0120】
層厚規制部材75は、図8に示すように、第1板状部材の一例としてのブレード部材85と、第2板状部材の一例としての補強部材89とを備えている。
【0121】
ブレード部材85は、弾性を有する薄い金属板などから形成され、左右方向に長手の略平板形状に形成されている。ブレード部材85は、図4に示すように、前後方向に延びるように配置され、前端部が後側上壁53上に配置され、後端部が現像ローラ6の外周面と対向配置されている。
【0122】
ブレード部材85の後端部には、接触部87および第1シール部材88が設けられている。
【0123】
接触部87は、図7に示すように、ウレタンゴムなどの弾性樹脂からなり、ブレード部材85の下面において、左右方向に沿って設けられ、下方に突出する側面視略円弧形状に形成されている。
【0124】
そして、接触部87は、図4に示すように、現像ローラ6のゴムローラ17に上側から接触している。
【0125】
つまり、ブレード部材85は、ゴムローラ17と接触部87との接触部分において、現像ローラ6の回転方向Xと、ブレード部材85の前端部から後端部に向かう方向Y(前後方向)とが、同一方向となるように配置されている。
【0126】
第1シール部材88は、図7に示すように、左右方向に接触部87を挟むように、ブレード部材85の下面における左右両端部に、互いに間隔を隔てて配置されている。
【0127】
第1シール部材88は、第1基材96と、第1起毛部材97とを備えている。
【0128】
第1基材96は、ウレタンスポンジ部材などの弾性発泡体から形成され、底面視略矩形状に形成されている。
【0129】
第1起毛部材97は、テフロン(登録商標)繊維などの織物から形成され、底面視略矩形状に形成されている。第1起毛部材97は、その前後方向および左右方向長さが、第1基材96の前後方向および左右方向長さよりも短く形成されている。
【0130】
そして、第1基材96がブレード部材85の下面に接着され、第1起毛部材97が第1基材96の下面に、第1基材96の前端部および左右方向外側端部が下側から露出されるように接着されている。
【0131】
つまり、図9(a)に示すように、第1起毛部材97が、前後方向において、第1基材96よりも短く形成され、第1基材96の前端部である第1端部113が、第1起毛部材97の前端部である第2端部114よりも、前側に配置されている。すなわち、第1端部113と第2端部114とは、段差を形成している。
【0132】
そして、第1シール部材88は、図5に示すように、第1起毛部材97がゴムローラ17の左右方向両端部に上側から接触している。
【0133】
つまり、第1基材96の第1端部113が、第1起毛部材97の第2端部114よりも、現像ローラ6の回転方向Xの上流側に配置されている。
【0134】
補強部材89は、図8に示すように、左右方向に延びる略平板形状に形成され、その前後方向長さは、ブレード部材85よりも短く形成されている。
【0135】
また、補強部材89は、その後端部から突出する突出部90と、その前端部から連続して、前上方に延びる延長部91とを一体的に備えている。
【0136】
突出部90は、後方に向かって突出する側面視略矩形状に形成され、左右方向に互いに間隔を隔てて対向するように、2つ設けられている。
【0137】
延長部91は、左右方向に長手の略平板形状に形成されている。延長部91は、図4に示すように、上フレーム32の膨出部58の後側部分の傾斜に沿うように形成されている。つまり、延長部91は、後側上壁53から離間するように形成されている。
【0138】
また、延長部91と補強部材89との間に形成される角の角度θは、鈍角であって、具体的には、135°である。
【0139】
また、補強部材89には、図8に示すように、その左右両端部において、各位置決め突部68と対応する位置に位置決め穴92がそれぞれ形成され、各第1ねじ穴67と対応する位置に第1固定穴93がそれぞれ形成されている。つまり、補強部材89の左右両端部には、位置決め穴92と第1固定穴93とが前後方向に直列配置されている。また、補強部材89における各第2ねじ穴69と対応する部分には、第2固定穴94がそれぞれ形成されている。
【0140】
そして、ブレード部材85と補強部材89とは、ブレード部材85の前側部分の上面と、補強部材89の後側部分の下面とが接着されて、固定されている。これによって、ブレード部材85の後側部分が、補強部材89から露出している。なお、ブレード部材85の前側部分において、第1固定穴93と対向する位置には、貫通穴95が形成されている(図7参照)。
【0141】
層厚規制部材75は、後で詳述するが、補強部材89が、後側上壁53に対して、ブレード部材85の前端部を挟むように対向配置され、第1固定部33および第2固定部46に固定されることにより、下フレーム31に固定されている(図2参照)。
【0142】
また、現像室39には、第2シール部材63と、第3シール部材64と、第4シール部材65(図5参照)と、2つの軸受部材61とが設けられている。
【0143】
第2シール部材63は、現像室39の左右両端部からのトナーの漏れを防止するために設けられ、第2シール収容部54に対応して2つ備えられている。
【0144】
各第2シール部材63は、図10(a)に示すように、第2基材76と、第2起毛部材77とを備えている。
【0145】
第2基材76は、ウレタンスポンジ部材などの弾性発泡体から形成され、上下方向に長手の側面視略矩形状に形成されている。
【0146】
また、第2基材76には、図8に示すように、その上端部における左右方向内側部分に、上方に向かって突出する矩形部78が形成されている。
【0147】
第2起毛部材77は、カシミヤ系の繊維部材などの織物から形成され、図10(a)に示すように、上下方向に長手の側面視略矩形状に形成されている。
【0148】
第2基材76および第2起毛部材77は、それらの上下方向長さが略同じ長さである。そして、第2基材76と第2起毛部材77とは、第2起毛部材77の上端部が、第2基材76の上端部から突出するように、上下方向にずらして接着されている。
【0149】
そして、各第2シール部材63は、後で詳述するが、現像ローラ6の回転軌跡に沿うように側面視略円弧形状に湾曲されて、第2シール収容部54に収容される。
【0150】
第3シール部材64は、図8に示すように、ウレタンスポンジ部材などの弾性発泡体から形成され、後方に向かって開放される平面視略コ字状に形成されている。
【0151】
第3シール部材64は、第2部分の一例としてのアッパー部99と、サイド部100とを備えている。
【0152】
アッパー部99は、左右方向に長手の平面視略矩形状に形成されている。
【0153】
サイド部100は、アッパー部99の左右方向両端部から前方に向かって突出する平面略矩形状に形成されており、その後側部分が、第1部分の一例としての突出部分101として形成されている。
【0154】
また、アッパー部99とサイド部100との連続部分には、平面視略矩形状に切り欠かれる切欠部102が形成されている。
【0155】
切欠部102は、第3シール部材64が現像フレーム30に接着されたとき(後述)に、第1固定部33の第1ねじ穴67および位置決め突部68を上側から露出するように、形成されている。
【0156】
そして、第3シール部材64は、後で詳述するが、アッパー部99が後側上壁53の上面とブレード部材85の前側部分の下面との間に配置され、サイド部100の前側部分が第1固定部33(シール載置部70)の上面とブレード部材85の下面における左右方向両端部との間に配置されている。
【0157】
第4シール部材65は、現像室39の左右両端部からのトナーの漏れを防止するために設けられ、スポンジローラ19の左右両端部に対応して2つ設けられている。
【0158】
各第4シール部材65は、図5に示すように、側面視略矩形状に形成され、その中央部分には、供給ローラ軸18の通過を許容するように、左右方向に沿って貫通する貫通穴66が形成されている。また、第4シール部材65の上面は、前下側に窪む側面視略円弧形状に形成されている。
【0159】
そして、第4シール部材65は、第4シール収容部55に収容されている。
【0160】
軸受部材61は、両側壁35に対応して2つ設けられ、図8に示すように、導電性の樹脂材料から側面視略矩形状の平板形状に形成されている。
【0161】
2つの軸受部材61は、現像ローラ軸支持部105と、供給ローラ軸支持部106とを備えている。
【0162】
現像ローラ軸支持部105は、軸受部材61の後上側部分において、軸受部材61を貫通する略円筒形状に形成されている。現像ローラ軸支持部105の内径は、現像ローラ軸16の軸径と略同径(わずかに大径)に形成されている。
【0163】
供給ローラ軸支持部106は、現像ローラ軸支持部105の前下側において、軸受部材61を貫通する略円筒形状に形成されている。供給ローラ軸支持部106の内径は、供給ローラ軸18の軸径と略同径(わずかに大径)に形成されている。
【0164】
そして、2つの軸受部材61は、後で詳述するが、対応する両側壁35にそれぞれ外側から嵌合している。
(2−7)現像カートリッジの組み立て
現像カートリッジ23を組み立てるには、まず、下フレーム31に上フレーム32を組み付けて、現像フレーム30を形成する。
【0165】
下フレーム31に上フレーム32を組み付けるには、当接部62と、第1被当接部56および第2被当接部57とを一致させるように、上フレーム32を下フレーム31に対して上方から重ね合わせる。
【0166】
そして、組み合わされた下フレーム31および上フレーム32を互いに溶着する。
【0167】
詳しくは、当接部62と、第1被当接部56および第2被当接部57とを溶着する。
【0168】
これにより、下フレーム31および上フレーム32が組み付けられて、現像フレーム30が形成される。
【0169】
このとき、現像フレーム30では、図8に示すように、下フレーム31の各第2固定部46が、後側上壁53から突出しており、第2ねじ穴69が露出している。
【0170】
次に、下フレーム31に供給ローラ13を組み付ける。
【0171】
下フレーム31に供給ローラ13を組み付けるには、供給ローラ軸18の左右方向両端部を、左右方向内側から外側に向けて、供給ローラ軸露出穴29に挿通する。
【0172】
そうすると、供給ローラ軸18が受入溝51に受け入れられて、スポンジローラ19の外周面と円弧壁42の内周面とが僅かな間隔を隔てて対向配置される(図4参照)。
【0173】
これにより、供給ローラ13の下フレーム31に対する組み付けが完了する。
【0174】
次いで、下フレーム31に第4シール部材65および第2シール部材63を組み付ける。
【0175】
下フレーム31に第4シール部材65を組み付けるには、供給ローラ軸18の左右両端部と、第4シール部材65の貫通穴66とが対応するように、供給ローラ軸露出穴29の左右方向外方に、各第4シール部材65をそれぞれ配置する。
【0176】
そして、各第4シール部材65を、供給ローラ軸露出穴29から隔壁50の左右方向外側面と当接するまで、左右方向に沿って、それぞれ挿入する。
【0177】
このとき、各第4シール部材65の貫通穴66には、供給ローラ軸18の左右両端部がそれぞれ挿通される。
【0178】
これによって、第4シール部材65が第4シール収容部55に収容され、第4シール部材65の下フレーム31に対する組み付けが完了する。
【0179】
このとき、第4シール部材65の上面と、第2シール収容部54の前面および下面とは、後上側に開放される側面視略円弧形状の連続面を形成している。
【0180】
次に、下フレーム31に第2シール部材63を組み付ける。
【0181】
下フレーム31に第2シール部材63を組み付けるには、第2基材76が第2起毛部材77に対して前側に位置するように、第2シール部材63を配置するとともに、第2シール部材63を後上側に開放される側面視略円弧形状に湾曲させる。
【0182】
そして、第2シール部材63を、第2シール収容部54に後上側から挿入する。
【0183】
このとき、図8に示すように、第2基材76と、第2シール収容部54および第4シール部材65とは、接触している。
【0184】
また、第2基材76の矩形部78は、第1固定部33の露出部72に配置され、その上端面が露出部72から露出している。
【0185】
これによって、第2シール部材63が第2シール収容部54に収容され、第2シール部材63の下フレーム31に対する組み付けが完了する。
【0186】
次に、その下フレーム31に現像ローラ6を組み付ける。
【0187】
下フレーム31に現像ローラ6を組み付けるには、現像ローラ軸16の左右両端部を現像ローラ軸露出溝28に後上側から挿入し、ゴムローラ17の前下側がスポンジローラ19の後上側と対向接触するように、下フレーム31に組み付ける(図4参照)。
【0188】
このとき、第2シール部材63は、下フレーム31とゴムローラ17の周面における左右方向外側部分との間に配置される(図3参照)。
【0189】
詳しくは、図5に示すように、第2基材76が第2シール収容部54と接触し、第2起毛部材77が、ゴムローラ17の周面における左右方向外側部分と接触している。
【0190】
また、第2基材76は、その現像ローラ6の回転方向Xの下流側部分において、後面の長さが、前面の長さよりも短く形成されている。第2基材76の現像ローラ6の回転方向Xの下流端部は、第2起毛部材77の回転方向Xの下流端部よりも、回転方向Xの上流側に位置するように形成されている。
【0191】
これによって、現像ローラ6の下フレーム31に対する組み付けが完了する。
【0192】
次に、下フレーム31に2つの軸受部材61を組み付ける。詳しくは、図8に示すように、2つの軸受部材61を両側壁35に組み付ける。
【0193】
各軸受部材61を両側壁35に組み付けるには、供給ローラ軸18の左右両端部が、各供給ローラ軸支持部106に挿通されるとともに、現像ローラ軸16の左右両端部が、各現像ローラ軸支持部105に挿通されるように、両側壁35の左右方向外側から軸受部材61を両側壁35に組み付ける。
【0194】
以上により、各軸受部材61の下フレーム31に対する組み付けが完了する。
【0195】
これにより、現像ローラ軸16および供給ローラ軸18の左右両端部が、各現像ローラ軸支持部105および各供給ローラ軸支持部106に回転可能に支持される。
【0196】
次に、層厚規制部材75を下フレーム31に組み付ける。
【0197】
層厚規制部材75を下フレーム31に組み付けるには、まず、層厚規制部材75を上フレーム32上に配置する。
【0198】
層厚規制部材75を上フレーム32上に配置するには、まず、上記した層厚規制部材75および第3シール部材64を用意する。
【0199】
そして、上フレーム32の後側上壁53の上面に、第3シール部材64を配置する。
【0200】
このとき、第3シール部材64は、アッパー部99が後側上壁53の後端部に配置され、サイド部100が後側上壁53の左右方向両端部から、後方および左右外方に向けて突出して、各第1固定部33の後側部分上に配置される。
【0201】
そして、第3シール部材64は、アッパー部99およびサイド部100の突出部分101を除く部分が接着テープ(図示せず)により後側上壁53およびシール載置部70の上面に接着固定される。
【0202】
そうすると、突出部分101は、シール載置部70の後端部から後方へ向かって突出するように配置され、現像ローラ6の回転方向Xにおける第2シール部材63の下流側端部と接触している。また、突出部分101の露出部72に対応する部分は、第2シール部材63の矩形部78と接触している(図5参照)。
【0203】
次いで、補強部材89の延長部91を把持して、層厚規制部材75を、後側上壁53に対して上方から重ね合わせる。詳しくは、補強部材89の位置決め穴92に、第1固定部33の位置決め突部68が挿通されるとともに、各第1固定部33の第2ねじ穴が、各第1固定穴93から露出されるように、層厚規制部材75を後側上壁53に対して上方から重ね合わせる。これによって、1対の固定部33は、左右方向において、2つの突出部90よりも、それぞれ外側に位置される。
【0204】
また、第1シール部材88は、図3に示すように、ブレード部材85とゴムローラ17の左右両端部との間に配置される。
【0205】
また、第1基材96の第1端部113は、図5に示すように、突出部分101の上側に配置され、ブレード部材85と突出部分101との間に挟まれるように配置される。
【0206】
また、第2起毛部材77の回転方向Xの下流端部は、第1起毛部材97の前端部とゴムローラ17との間に挟まれるように配置されている。
【0207】
また、突出部分101は、第1シール部材88とゴムローラ17の左右方向端部との間に配置され、詳しくは、第1起毛部材97の第1端部113と、第2基材76の矩形部78との間に挟まれるように配置されている。
【0208】
これにより、層厚規制部材75の上フレーム32に対する配置が完了する。
【0209】
このとき、各第2固定部46の第2ねじ穴69は、対応する第2固定穴94から露出している。
【0210】
次いで、層厚規制部材75を下フレーム31に固定する。
【0211】
層厚規制部材75を下フレーム31に固定するには、各第1固定穴93および各第2固定穴94を介して、4つのねじ部材108を、それぞれ第1ねじ穴67および第2ねじ穴69に螺合させる。
【0212】
これにより、補強部材89が第1固定部33および第2固定部46に固定され、ブレード部材85が下フレーム31に固定される。
【0213】
つまり、層厚規制部材75の下フレームに対する組み付けが完了する。
【0214】
そして、トナー充填口98を介してトナー収容室38にトナーを充填してから、トナー充填口98にキャップ(図示せず)を圧入して、トナー収容室38にトナーを封入する。
【0215】
以上により、現像カートリッジ23の組み立てが完了する。
【0216】
このとき、第1シール部材88は、図3に示すように、補強部材89の左右方向両端部よりも、内側に位置している。
【0217】
なお、以下の第1シール部材88、突出部90、および、現像ローラ6の位置関係の説明において、図3に示す左端部を参照して説明するが、右端部においても同様に構成されている。
【0218】
突出部90は、その左端部(左右方向外側端部)が、第1シール部材88の右端部(左右方向内側端部)および接触部87の左端部(左右方向外側端部)と、左右方向において、それぞれ同一位置となるように配置されている。
【0219】
すなわち、各突出部90は、左右方向において、第1シール部材88の左右方向内側端部よりも内側に位置している。
【0220】
また、突出部90は、左右方向において、ゴムローラ17の画像形成領域Tと対応する領域の外側に配置されている。
3.作用効果
(1)この現像カートリッジ23によれば、図3に示すように、左右方向において、突出部90が第1シール部材88の左右方向外側端部よりも内側に位置している。
【0221】
そのため、第1シール部材88とゴムローラ17の左右方向の端部との安定した接触を確保することができながら、突出部90の押圧力が第1シール部材88に必要以上に作用することを防止できる。
【0222】
その結果、突出部90の押圧力による第1シール部材88の変形が抑制され、ブレード部材85の変形を抑制できる。
【0223】
従って、現像カートリッジ23は、簡易な構成でありながら、ゴムローラ17の左右方向の両端部とブレード部材85の左右方向両端部との間、および、接触部87とゴムローラ17との間からのトナーの漏れを防止することができる。
(2)また、突出部90の左右方向外側端部が、第1シール部材88の左右方向内側端部と、左右方向においてそれぞれ同一位置となるように配置されている。
【0224】
そのため、突出部90の押圧力が第1シール部材88に必要以上に作用することを効果的に防止できる。その結果、第1シール部材88の変形をより抑制できるので、ブレード部材85の変形を確実に抑制できる。
(3)また、突出部90は、2つ設けられ、左右方向に互いに間隔を隔て対向配置されている。
【0225】
そのため、第1シール部材88とゴムローラ17の左右方向の両端部との安定した接触を確実に確保することができる。
(4)また、現像ローラ6のゴムローラ17は、画像形成領域Tを有し、2つの突出部90は、左右方向において、画像形成領域Tと対応する領域の外側に、それぞれ配置されている。
【0226】
そのため、2つの突出部90が、第1シール部材88の近傍に配置される。その結果、第1シール部材88と、ゴムローラ17の左右方向の両端部との安定した接触を確実に確保することができる。
【0227】
また、突出部90の押圧力が、ゴムローラ17の画像形成領域Tに作用することによる画像形成不良を防止できる。
(5)また、2つの突出部90は、突出部90の左右方向外側端部と、接触部87の左右方向両端部とが、左右方向においてそれぞれ同一位置となるように配置されている。
【0228】
そのため、突出部90の押圧力が、接触部87の左右両端部を押圧するので、接触部87とゴムローラ17との安定した接触を確保できる。
【0229】
そのため、ブレード部材85の変形を抑制することができながら、接触部87とゴムローラ17との安定した接触を確保できる。
(6)また、下フレーム31の両側壁35には、1対の固定部33が設けられている。
【0230】
1対の固定部33は、左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置され、左右方向において、2つの突出部90よりも、それぞれ外側に位置している。そして、補強部材89が、第1固定部33に固定されている。
【0231】
そのため、補強部材89と現像ローラ6とが両方とも下フレーム31に固定されているので、ゴムローラ17と突出部90との相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
【0232】
また、1対の固定部33が左右方向において、2つの突出部90よりも外側に位置しているので、固定部33の作用力が第1シール部材88の軸線方向外側端部より内方に作用することを防止できる。そのため、接触部87とゴムローラ17との安定した接触を確保できる。
(7)また、上フレーム32は、補強部材89が対向配置される後側上壁53を備えている。また、補強部材89は、その前端部から連続して、後側上壁53から離間するように延びる延長部91を備えている。
【0233】
そのため、現像カートリッジ23の強度の向上を図ることができる。
(8)また、延長部91と補強部材89との間に形成される角の角度θは、鈍角であって、具体的には、135°である。
【0234】
そのため、補強部材89を上フレーム32上に配置するときに、延長部91を把持できるので、補強部材89の現像フレーム30に対する組み付け作業の効率化を図ることができる。
(9)また、現像カートリッジ23は、第2シール部材63を備えている。詳しくは、第2シール収容部54には、第2シール部材63が収容されている。そして、第2起毛部材77が、ゴムローラ17の周面における左右外側部分と接触している。
【0235】
そのため、現像フレーム30とゴムローラ17の周面における左右外側部分との間からのトナーの漏れを防止することができる。
【0236】
また、第2シール部材63では、現像ローラ6の回転方向Xにおいて、第2基材76の下流端部が、第2起毛部材77の下流端部よりも上流側に位置している。つまり、第2起毛部材77の回転方向Xの下流端部が、第2基材76の回転方向Xの下流端部よりも、回転方向Xにおける下流側に突出している。
【0237】
そして、第2起毛部材77の下流側端部が、ゴムローラ17と第1起毛部材97との間に挟まれるように配置されている。そのため、第2起毛部材77の回転方向Xの下流端部を第1シール部材88に追従させることができる。
【0238】
その結果、第2シール部材63における回転方向X下流端部、すなわち、第2起毛部材77の回転方向Xの下流端部を、第1シール部材88(第1起毛部材97)とゴムローラ17との間に挟まれるように配置しても、第2シール部材63と第1シール部材88とを確実に密着させることができる。
【0239】
よって、第1シール部材88と第2シール部材63との境目に隙間が生じることを防止でき、その隙間からのトナーの漏れを防止することができる。
【0240】
従って、現像カートリッジ23の小型化を図ることができながら、現像フレーム30からのトナーの漏れを防止することができる。
(10)また、現像カートリッジ23は、第3シール部材64を備えている。詳しくは、第3シール部材64のアッパー部99は、ブレード部材85の前端部と後側上壁53との間に配置され、サイド部100の前側部分は、ブレード部材85の前端部と第1固定部33(シール載置部70)との間に配置されている。
【0241】
そのため、ブレード部材85の前端部と後側上壁53との間からのトナーの漏れを防止することができる。
【0242】
第1シール部材88は、第1基材96と、第1起毛部材97とを備えている。
【0243】
また、第1基材96の第1端部113は、第1起毛部材97の第2端部114よりも、現像ローラ6の回転方向Xにおける上流側に配置されている。
【0244】
そして、第1基材96の第1端部113が、ブレード部材85と、サイド部100の突出部分101との間に挟まれるように配置されている。そのため、突出部分101を第1端部113に追従させることができる。
【0245】
よって、第1端部113をブレード部材85と突出部分101との間に挟まれるように配置しても、第1端部113と突出部分101とを確実に密着させることができる。
【0246】
そのため、第1シール部材88と第3シール部材64との境目に隙間が生じることを防止でき、その隙間からのトナーの漏れを防止することができる。
(11)また、第1起毛部材97は、図9(a)に示すように、前後方向において、第1基材96よりも短く形成され、第1端部113と第2端部114とは、段差を形成している。
【0247】
つまり、第1端部113が現像ローラ6の回転方向Xの上流側に突出しているので、第1端部を、ブレード部材85と突出部分101との間に挟まれるように配置しても、第1端部113と突出部分101とを確実に密着させることができる。
【0248】
そのため、第1シール部材88と第3シール部材64との境目に隙間が生じることを防止でき、その隙間からのトナーの漏れを防止することができる。
(12)また、第3シール部材64は、アッパー部99と、サイド部100とを備えている。サイド部100は、突出部分101を備えている。
【0249】
そして、突出部分101を除く、アッパー部99およびサイド部100が後側上壁53および第1固定部33に接着されている。また、突出部分101が、第1端部113とゴムローラ17との間に配置され、詳しくは、第1端部113と矩形部78との間に挟まれるように配置されている。
【0250】
突出部分101は、上フレーム32に接着固定されておらず、接着固定されている部分(アッパー部99およびサイド部100)と比較して、弾性を保持している。そのため、突出部分101と第1端部113および矩形部78とを確実に密着させることができる。
【0251】
そのため、ブレード部材85の前端部と後側上壁53との間からのトナーの漏れを防止することができるとともに、第1シール部材88と第2シール部材63との間からのトナーの漏れを防止することができる。
4.変形例
また、上記した第1シール部材88では、図9(a)に示すように、第1端部113と第2端部114とが段差を形成したが、図9(b)に示すように、第1端部113と第2端部114とが下方に向かうに従って後方に傾斜する傾斜面109を形成してもよい。
【0252】
この変形例においても、上記した作用効果を奏することができる。
【0253】
また、図10(b)に示すように、第2シール部材63の第2基材76の前面における上端部が、上方に向かうに従って後方に傾斜するように切り欠かれていてもよい。すなわち、現像ローラ6の回転方向Xにおける、第2基材76の下流端部の厚み(現像ローラ6の径方向厚み)が、第2基材76の上流端部の厚み(現像ローラ6の径方向厚み)よりも薄く形成されていてもよい。
【0254】
また、図10(c)に示すように、第2基材76の前面における上端部が、上方に向かうに従って後方に傾斜する傾斜面110を形成してもよい。すなわち、現像ローラ6の回転方向Xにおける、第2基材76の下流端部が、傾斜面110を形成してもよい。
【0255】
これら変形例では、第2基材76の回転方向Xの下流端部の厚み(現像ローラ6の径方向厚み)が、回転方向Xの上流端部の厚み(現像ローラ6の径方向厚み)よりも薄く形成されているので、その薄く形成された部分を第1シール部材88に追従させることができる。
【0256】
そのため、第2シール部材63と第1シール部材88との境目に隙間が生じることをさらに防止でき、その隙間からのトナーの漏れを確実に防止することができる。
【0257】
なお、これら実施形態および変形例は、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0258】
6 現像ローラ
23 現像カートリッジ
30 現像フレーム
33 第1固定部
53 後側上壁
63 第2シール部材
64 第3シール部材
75 層厚規制部材
76 第2基材
77 第2起毛部材
85 ブレード部材
87 接触部
88 第1シール部材
89 補強部材
90 突出部
91 延長部
96 第1基材
97 第1起毛部材
99 アッパー部
101 突出部分
113 第1端部
114 第2端部
X 現像ローラの回転方向
Y ブレード部材の延びる方向
T 画像形成領域
θ 延長部と補強部材とが形成する角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に現像剤が収容される筐体と、前記筐体において軸線について回転可能に設けられ、現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記筐体に設けられ、前記現像剤担持体の表面に担持される現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、
前記現像剤担持体の軸線方向の端部と前記層厚規制部材との間に配置される第1シール部材とを備える現像装置であって、
前記層厚規制部材は、
一端部に前記現像剤担持体と接触する接触部が設けられ、他端部が前記筐体に支持される第1板状部材と、
前記筐体に対して前記第1板状部材の他端部を挟むように対向配置され、前記第1板状部材を前記筐体に固定する第2板状部材とを備え、
前記現像剤担持体と前記接触部との接触部分において、前記現像剤担持体の回転方向と、前記第1板状部材の他端部から一端部に向かう方向とが、同一方向となるように配置されており、
前記第1シール部材は、
前記軸線方向において、前記接触部を挟むとともに、前記第2板状部材の前記軸線方向両端部よりも内側に位置するように、互いに間隔を隔てて配置され、
前記第2板状部材は、
前記第2板状部材から前記第1板状部材の他端部側に向けて突出し、前記第1シール部材を前記現像剤担持体に向けて押圧する突出部を備え、
前記突出部は、前記軸線方向において、前記第1シール部材の前記軸線方向外側端部よりも内側に位置していることを特徴とする、現像装置。
【請求項2】
前記突出部は、前記軸線方向において、前記第1シール部材の前記軸線方向内側端部よりも内側に位置していることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記突出部は、2つ設けられ、前記軸線方向に互いに間隔を隔て対向配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像剤担持体は、画像形成領域を有し、
2つの前記突出部は、前記軸線方向において、画像形成領域と対応する領域の外側に、それぞれ配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
2つの前記突出部は、前記突出部の前記軸線方向外側端部と、前記接触部の前記軸線方向両端部とが、前記軸線方向においてそれぞれ同一位置となるように配置されていることを特徴とする、請求項3または4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記筐体には、前記軸線方向に互いに間隔を隔てて対向配置され、前記第2板状部材を固定する1対の固定部が設けられ、
1対の前記固定部は、前記軸線方向において、2つの前記突出部よりも、それぞれ外側に位置していることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記筐体は、前記第2板状部材が対向配置される支持壁を備え、
前記第2板状部材は、前記突出部が設けられる側の端部と反対側の端部から連続して、前記支持壁から離間するように延びる延長部を備えていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項8】
前記延長部は、平板状に形成され、
前記延長部と前記第2板状部材との間に形成される角の角度が、鈍角であることを特徴とする、請求項7に記載の現像装置。
【請求項9】
前記筐体と前記現像剤担持体の周面における前記軸線方向外側部分との間に配置され、前記筐体からの現像剤の漏れを防止する第2シール部材を備え、
前記第2シール部材は、
前記筐体側に配置され、弾性を有する第2基材と、
前記第2基材に接着され、前記現像剤担持体の周面における前記軸線方向外側部分と接触する第2起毛部材とを備え、
前記第2シール部材における前記現像剤担持体の回転方向下流端部が、前記第1シール部材と前記現像剤担持体との間に挟まれるように配置され、
前記第2基材の前記回転方向下流側部分において、前記第2基材の前記筐体側の一方面の長さが、前記第2基材の前記現像剤担持体側の他方面の長さよりも短いことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項10】
前記筐体と前記現像剤担持体の周面における前記軸線方向外側部分との間に配置され、前記筐体からの現像剤の漏れを防止する第2シール部材を備え、
前記第2シール部材は、
前記筐体側に配置され、弾性を有する第2基材と、
前記第2基材に接着され、前記現像剤担持体の周面における前記軸線方向外側部分と接触する第2起毛部材とを備え、
前記第2シール部材における前記現像剤担持体の回転方向下流端部が、前記第1シール部材と前記現像剤担持体との間に挟まれるように配置され、
前記第2基材の前記回転方向下流端部は、前記第2起毛部材の前記回転方向下流端部よりも、前記回転方向上流側に位置していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項11】
前記筐体と前記現像剤担持体の周面における前記軸線方向外側部分との間に配置され、前記筐体からの現像剤の漏れを防止する第2シール部材を備え、
前記第2シール部材は、
前記筐体側に配置され、弾性を有する第2基材と、
前記第2基材に接着され、前記現像剤担持体の周面における前記軸線方向外側部分と接触する第2起毛部材とを備え、
前記第2シール部材における前記現像剤担持体の回転方向下流端部が、前記第1シール部材と前記現像剤担持体との間に挟まれるように配置され、
前記第2基材の前記回転方向下流端部の厚みが、前記第2基材の前記回転方向の上流端部の厚みよりも、薄く形成されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項12】
前記第1板状部材の他端部と前記筐体との間に配置される第3シール部材を備え、
前記第1シール部材は、
前記層厚規制部材に配置され、弾性を有する第1基材と、
前記第1基材に接着され、前記現像剤担持体の前記軸線方向端部と接触する第1起毛部材とを備え、
前記第1基材は、前記現像剤担持体の回転方向上流側端部である第1端部を有し、
前記第1起毛部材は、前記現像剤担持体の回転方向上流側端部である第2端部を有し、
前記第1端部は、前記第2端部よりも、前記現像剤担持体の回転方向上流側に配置され、
前記第1端部は、前記層厚規制部材と前記第3シール部材との間に挟まれるように配置されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の現像装置。
【請求項13】
前記第1起毛部材は、前記第1板状部材の他端部から一端部に向かう方向において、前記第1基材よりも短く形成され、
前記第1端部と前記第2端部とは、段差を形成していることを特徴とする、請求項12に記載の現像装置。
【請求項14】
前記第3シール部材は、前記第1シール部材と前記現像剤担持体の軸線方向の端部との間に配置される第1部分と、前記第1板状部材と前記筐体とによって挟まれるように配置される第2部分とを備え、
前記第2部分のみが、接着テープにより前記筐体に接着固定されていることを特徴とする、請求項12または13に記載の現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−54066(P2013−54066A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190045(P2011−190045)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】