説明

球状弾性表面波素子の固定方法、球状弾性表面波素子の製造方法および球状弾性表面波素子支持具

【課題】球状弾性表面波素子の周回経路に傷をつけることが無く、しかも球状弾性表面波素子電極の引出が容易な球状弾性表面波素子の製造方法が可能な技術が望まれていた。
【解決手段】球状弾性表面波素子固定工程において、球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を持つ一方の支持体で球状弾性表面波素子を吸着することで一方の支持体電極と一方の球状弾性表面波素子電極との間に導通を行い、他方の支持体電極を有する他方の支持体で挟み込んで他方の支持体電極と他方の球状弾性表面波素子電極との間に導通を行うことを特徴とする球状弾性表面波素子の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電材料でできた円環状に連続する表面に弾性表面波を発生して多重周回させるもので、円環状表面を弾性表面波が伝搬する際に、その表面に付着する物質などによって周回速度が変化するのを電気的に測定するセンサーとして期待されている球状弾性表面波素子などの技術分野に用いられる。
【背景技術】
【0002】
球状弾性表面波素子は、図12に示すように、球状弾性表面波素子は水晶基材10の圧電材料でできた円環状に連続する表面からなる弾性表面波周回経路15に弾性表面波を発生して多重周回させるもので、円環状表面である弾性表面波周回経路15を弾性表面波が伝搬する際に、その表面に付着する物質などによって周回速度が変化するのを電気的に測定するセンサーとして期待されている。
【0003】
この場合の球状弾性表面波素子の取り出し電極である球状弾性表面波素子電極は少なくとも2つ必要になる。つまりすだれ状電極14は圧電性表面に対して電界を印加するために設置あるいは接近あるいは形成されるが、2つの極性を有する。その一方の電極71がアースの場合や、他方の電極72がアースの場合も同様であることは明らかである。また、高周波信号が電極が物理的に非接触であっても電気的に説即した状態に近いエネルギーの授受を行う場合も同様である。
【0004】
しかし、球状弾性表面波素子がの弾性表面波が周回する弾性表面波周回経路15表面に感応膜を形成したセンサーを作る場合、膜厚が薄く損傷しやすく、損傷は弾性表面波素子の周回現象に悪い影響を与えかねない。その製造工程で、弾性表面波周回経路15が保持材に接触することは可能な限り避けなければならない。ピンセット91で弾性表面波素子を取り扱う場合には図13に示すようにピンセット91の先端部分かあるいは床部分で周回経路に接してしまうだけでなく、ピンセット91でつかむ過程で表面に微細な傷を発生させる。
【0005】
このような感応膜や周回経路損傷問題に対処する為に、弾性表面波素子表面に対してその床部分の力を弱くする為に、液中で弾性表面波素子をハンドリングする方法が望まれる。液中でハンドリングする場合に、浮力によって床面からの力は抑制される。しかし、ピンセット91で球状表面弾性波素子をハンドリングする場合には図14の様に極領域75を用いて取り扱った場合、ピンセット91自体が邪魔をして極領域75を下にして設置台96に設置することが困難であるばかりでなく、もしできたとしても球状表面弾性波素子表面への強い力がかかることは避けることが困難であった。
【0006】
球状弾性表面波素子は前記したように高周波信号を用いて駆動する為にも、その取り出し機構が必要である。現在使用している取り出し機構の例を示す。これは、超音波ボンダーを使用して、直接球表面の金膜に対して純金ワイヤー接続する方法である。この方法は球表面の非常に僅かな面積で球表面の電極に接続可能で、また多数の独立した接触を行うことが出来る。しかし、超音波ボンダーは大きな力を球にかけて且つ超音波を印加しながら接続するために球状弾性表面波素子を破壊する可能性がある。
【0007】
図15に示すのは球状弾性表面波をボールグリッドアレイを用いて基板に対して接続する方法である。複数のたとえば純金のボールを素子と基板間に配置した状態に接続するためにボールの準備と専用の工程が必要である。
【0008】
あるいは、図16の様に超音波ボンダー99を用いてワイヤーを介してすだれ状電極14からの信号を引き出す必要がある、しかしこれでは同様に、超音波ボンダーは大きな力を球にかけて且つ超音波を印加しながら接続するために球状弾性表面波素子を破壊する可能性がある。
【0009】
そのほかに導電ペースト用いて金線とを接続する方法もあるが、導電ペーストを球表面上の配線部分に形成して結線するには複雑且つ精密な機構を要し、特に導電ペーストが球表面でその流動性によって広がり、もって感応膜や弾性表面波周回経路を有機的に汚染する危険性が高い。
【0010】
以上説明したように、特に球状弾性表面波素子は特にその周回経路に接触することを避ける必要があり、また、その電極への結線する工程において、ピンセットでつかんだ後に所定の電極の位置する設置台に置くプロセスで、設置台に他の物質との接触が嫌気される部分を設置台に接触させて、その後に素子を回転させる必要があり、周回経路付近に非接触でその保持と電極結線を行うことが困難であった。
【0011】
特許文献は以下の通り。
【特許文献1】特開2002−26688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上の様な背景技術に鑑み、球状弾性表面波素子の結線工程などの製造工程において、球状弾性表面素子の保持、それに引き続き必要な特に薬液処理、さらに電極結線工程のいずれにおいても、球状弾性表面波素子の弾性表面波周回経路に力学的に大きな力を及ぼさず、つまり、球状弾性表面波素子の周回経路に傷をつけることが無く、しかも球状弾性表面波素子電極の引出が容易な球状弾性表面波素子の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決する為に、まず本発明の第1や第7の発明は、一方の球状弾性表面波素子電極と他方の球状弾性表面波素子電極を持つ球状弾性表面波素子の製造工程中の球状弾性表面波素子固定工程において、球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を持つ一方の支持体で球状弾性表面波素子を吸着することで一方の支持体電極と一方の球状弾性表面波素子電極との間に導通を行い、他方の支持体電極を有する他方の支持体で挟み込んで他方の支持体電極と他方の球状弾性表面波素子電極との間に導通を行うことを特徴とする球状弾性表面波素子の固定方法や製造方法を提供するものである。
【0014】
これによって、球状弾性表面波素子の保持、それに引き続き必要な特に薬液処理、さらに電極結線工程のいずれにおいても、球状弾性表面波素子の弾性表面波周回経路に力学的に大きな力を及ぼさず、つまり、球状弾性表面波素子の周回経路に傷をつけることが無く、しかも球状弾性表面波素子電極の引出が容易になったものである。
【0015】
また、本発明の第2や第8の発明は、請求項1や7記載の球状弾性表面波素子固定工程後に吸着を解除することを特徴とする請求項1や7記載の球状弾性表面波素子の固定方法や製造方法を提供するものである。
【0016】
これによって、球状弾性表面波素子の安定的保持、それに引き続き必要な特に薬液処理、さらに電極結線プロセスが容易になったものである。
【0017】
また、本発明の第3や第9の発明は、他方の支持体にも吸着機能を有することを特徴とする請求項2や8記載の球状弾性表面波素子の固定方法や製造方法を提供するものである。
【0018】
これによって、球状弾性表面素子の確実な保持、それに引き続き必要な特に薬液処理、さらに電極結線プロセスの処理方向が容易に設定可能になったものである。
【0019】
また、本発明の第4や第10の発明は、一方の支持体電極と一方の球状弾性表面波素子電極もしくは他方の支持体電極と他方の球状弾性表面波素子電極もしくはその両方の両電極が複数の電極からなることを特徴とする請求項1や7記載の球状弾性表面波素子の固定方法や製造方法を提供するものである。
【0020】
これにより、電極を複数持つ球状弾性表面波素子の取り扱いが可能になる。
【0021】
また、本発明の第5や第11の発明は、球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を持つ一方の支持体で球状弾性表面波素子を吸着することで一方の支持体電極と一方の球状弾性表面波素子電極との間に導通を行うことが、球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を持つ一方の支持体で球状弾性表面波素子をいったん吸着し、球状弾性表面波素子を回転したのち再び吸着することで一方の支持体電極と一方の球状弾性表面波素子電極との間に導通を行うことにより行われることを特徴とする請求項1から4や7から10何れか記載の球状弾性表面波素子の固定方法や製造方法を提供するものである。
【0022】
これにより、球状弾性表面波素子の電極位置の調整ができるものである。特に、結線工程において球状弾性表面波素子の設置台に他の物質との接触が嫌気される部分を設置台に接触させて、その後に素子を回転させる必要があり、周回経路付近に非接触でその保持と電極結線を行うことが困難であった。
【0023】
また、本発明の第6や第12の発明は、球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を持つ一方の支持体で球状弾性表面波素子を吸着することが液中で行われるものであることを特徴とする請求項1から5や第7から11何れか記載の球状弾性表面波素子の固定方法や製造方法を提供するものである。
【0024】
これにより溶液中では空気中のようにパーティクルなどケミカル汚染されることがないだけでなく、互いの球の接触やあるいは容器との接触による衝撃が小さく安全な保管が可能だからである。
【0025】
また、本発明の第13の発明は、球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を有する一方の支持体と、他方の支持体電極を持つ他方の支持体が対向している他方の支持体からなり、一方の支持体と、他方の支持体間に球状弾性表面波素子を挟んだ状態で相対位置を固定する固定手段を有することを特徴とする球状弾性表面波素子支持具を提供するものである。
【0026】
これにより請求項1や7記載の球状弾性表面波素子の製造方法を実施するのに適した球状弾性表面波素子支持具を提供することが可能になったものである。
【0027】
また、本発明の第14の発明は、他方の支持体にも吸着機能を有することを特徴とする請求項13記載の球状弾性表面波素子支持具を提供するものである。
【0028】
これにより請求項3や9記載の球状弾性表面波素子の製造方法を実施するのに適した球状弾性表面波素子支持具を提供することが可能になったものである。
【0029】
また、本発明の第15の発明は、一方の支持体電極もしくは他方の支持体電極もしくはその両方の電極が複数の電極からなることを特徴とする請求項13または14記載の球状弾性表面波素子支持具を提供するものである。
【0030】
これにより請求項4や10記載の球状弾性表面波素子の製造方法を実施するのに適した球状弾性表面波素子支持具を提供することが可能になったものである。
【発明の効果】
【0031】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。その製造工程においては、球形であるが故に転がり移動しやすく、対称性が高い為にその形状から方位を決定あるいは再現することが難しく、特にウエハー基板では容易だった大型のウエハー表面を利用して一括で非常に多数の素子を作り込み、その後に切断して多数の素子を作る方法を使えない欠点が解消した。
【0032】
また、球状弾性表面波素子の場合で説明すれば、赤道上を弾性表面波が周回する経路とするために、経路に対して損傷を与えるプロセスを避けなければならず、特にその経路に対して、特別の、例えば感応膜を作るなどその部分の接触も好まれない場合も非常に多いが、球表面に渡って加工やハンドリングを行うに際して、その表面に接触する面積を可能な限り小さくするか、あるいは同一の場所のみを接触する工程での製造が可能になった。
【0033】
球状弾性表面波素子の場合で説明すれば、方位も揃えなくてはならない。すなわち、弾性表面波を周回させる周回経路を赤道として、その両極近傍は弾性表面波の周回経路から遠く、その製造工程では比較的機械的に固定したりするには適しているが、この位置を自動的に探し出して再現性よく保持して製造工程間を渡すことが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図2から図4を用いて本発明に係る発明を、弾性表面波素子の結晶球の製造方法を用いて説明する。
【0035】
まず、用意されたのは直径1mmの水晶の単結晶球である水晶基材である。球状弾性表面波素子を製造するに際しては、すだれ状電極14を水晶の結晶のZ軸方向を中心軸として、その赤道位置に且つ赤道に垂直に形成されたものに、その弾性表面波周回経路15上に薬液処理したり、成膜処理したり電極結線処理する必要がある。
【0036】
弾性表面波周回経路15上の薬液処理とは、その周回経路上への感応膜の形成をすることがその一つの例である。すなわち、感応膜が導電性を有しているときにすだれ状電極14上に感応膜が形成されることで電気的に短絡して十分な強度の弾性表面波素子を製造することが困難になる。
【0037】
よって、感応膜を形成する工程ではすだれ状電極14以外の弾性表面波周回経路15部分に感応膜を形成することと、その形成で特に弾性表面波周回経路15を傷つけないこと、さらにすだれ状電極14をその付着から保護する3つの要求がある。このための方法として、感応膜を形成する過程では上記保持しながら行うことでこられの条件を満足した製造工程を実現することが出来る。
【0038】
また、電極結線処理とは、球状弾性表面波素子電極71、72から結線することで高周波信号を用いて駆動する為にも設けられる電極取り出し機構のことある。この結果得られ
た配線により、例えば図3に示す様な高周波信号源61、サーキュレータ62、デジタルオシロスコープ63、計算機(波形解析装置)64を結ぶ配線を施すことでセンサーとして用いることができる。
【0039】
球状弾性表面波素子の取り出し電極は少なくとも2つの電極71、72が必要になる。つまりすだれ状電極は圧電性表面に対して電界を印加するために設置あるいは接近あるいは形成されるが、2つの極性を有する。一方がアースの場合も同様であることは明らかである。また、高周波信号が電極が物理的に非接触であっても電気的に説即した状態に近いエネルギーの授受を行う場合も同様である。その場合、設置台に他の物質との接触が嫌気される部分を設置台に接触させてしまう危険性があった。
【0040】
なお、この場合、どちらかが実際の接地(アース)であるか、または一方が複数の電極をもつか両方が複数の電極を持つかは球状弾性表面波素子の電極構造に依存するので、それに対応させるのが良い。
【0041】
この問題に対処する為、支持具を使用する。以下、球状弾性表面波素子が直径約1mmの素子である場合を用いて以下説明する。
【0042】
それは、二つの支持体からなっており、球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を有する一方の支持体と、他方の支持体電極を持つ他方の支持体が対向している他方の支持体からなり、一方の支持体と、他方の支持体間に球状弾性表面波素子を挟んだ状態で相対位置を固定する固定手段を持つ。
【0043】
球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部は、その球状弾性表面波素子に対してその径よりも小さな内径を有する中央部の凹部を使用し、その内部を減圧することでハンドリングする。
【0044】
この方法は、減圧レベルを調整することで吸着力を制御可能で、且つ10mm以下の素子であれば十分な力で保持が可能な長所を持っている。具体的には、その凹部内に吸引孔が設けられ、そこから減圧配管が伸びている。
【0045】
図1の支持具はその様な一例で、一方の支持体20の電極が複数の電極、すなわち第1電極21と第2電極22とからなっている。対して他方の支持体30には第3電極33が設けられている。このうち第3電極はアースに接地されている。この一方の支持体電極は図2の様に、2箇所に電極21、22が設けられ、これが凹部の外側まで引き出されて接点41、42が設けられている。これは、図1に示した様な、すだれ状電極の一方の電極が複数ある球状弾性表面波素子に対応するためである。
【0046】
なお、図4に示すように、二つの支持体で挟むピンセット型の球状弾性表面波支持具を用いることも可能である。
【0047】
支持体の内部には送気配管67と減圧配管68を備えており。夫々のコントロールが可能である。
【0048】
各々の支持体はお互い上下動、必要により水平方向にも可動で、しかも分離できない構造になっているが、支持体の根元部分には球状弾性表面波素子を取り出し薬液処理終了には送気配管67と減圧配管68を取り外すための着脱部66を備えている。なお、各々の支持体の先端部分は不導体(フッ素樹脂製)である。一方の支持体20、すなわち上部側の支持体に設けられた端子はアース接続されており金属(金)メッキを施している。対する他方の支持体30、すなわち下部側の支持体に設けられた端子31はマッチング回路3
8に接続されている。
【0049】
まず、容器50内の純水51液中で球状弾性表面波素子の周回経路以外の部分(両極位置)が一方の支持体20の電極位置と接触する素子方位で球状弾性表面波素子を図8の様に吸着し固定する。
【0050】
支持体20の先端は図17の様な、二つの電極26が円環状が部分的に絶縁体で分けられて設けられる構造をしており、使用中は電極26間はショートされる。
【0051】
液中にて支持体が球状弾性表面波素子の電極11等を吸着したかは電極26間の抵抗を測ることで、電極11等を吸着している場合は抵抗が小さく、またそれ以外の部分を吸着している場合は抵抗値が非常に大きいことで判断できる。ここでの抵抗測定は直流交流どちらでも構わないが交流が望ましい。
次に、空中に球状弾性表面波素子を取り出し、他方の支持体の減圧配管より減圧して素子を他方の支持体に吸着する。
【0052】
その上で、一方の支持体を球状弾性表面波素子から離す。
【0053】
送気配管から図9の様なクリーンな乾燥空気81を球状弾性表面波素子に送気することで液溜り82を乾燥させて解消できる。
【0054】
球状弾性表面波素子乾燥後、図10の様に、一方の支持体20を電極どうしが導通する様に再び球状弾性表面波素子に接触させ固定する。
【0055】
減圧終了後に支持具を着脱部で切り離す。
【0056】
この結果、図11の様に発信・受信器83が利用できる。
【0057】
次に、球状弾性表面波素子の回転方法について説明する、一方の支持体20の吸着を行い、他方の支持体30の吸着を行わないで一方の支持体20を引き上げると、図5の様に球状弾性表面波素子も引き上げられる、ここで、一方の支持体20の水平位置を中心が他方の支持体30の凹面中心線73から少しだけずらして吸着を止めると、図6の様に球状弾性表面波素子が自重で他方の支持体30の凹部に嵌まる様に動くので、球状弾性表面波素子を回転することができ、図7の様に回転した位置で電気的導通を取ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、圧電材料でできた円環状に連続する表面に弾性表面波を発生して多重周回させるもので、円環状表面を弾性表面波が伝搬する際に、その表面に付着する物質などによって周回速度が変化するのを電気的に測定するセンサーとして期待されている球状弾性表面波素子などの技術分野に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る球状弾性表面波素子を支持具で支持している状態を示す一部破断拡大図である。
【図2】図1に用いられる支持具の一方の支持体の凹部の平面図である。
【図3】本発明の球状表面弾性波素子を実際に使用する場合を示す配線図である。
【図4】本発明に係る支持具が一方の支持体と他方の支持体によりピンセット状態をなしている場合を示す概略側面図である。
【図5】本発明に係る回転工程を示す概念断面図である。
【図6】図5に引き続く回転工程を示す概念断面図である。
【図7】図6に引き続く回転工程を示す概念断面図である。
【図8】本発明に係る球状表面弾性波素子の一方の支持具による吸着工程を示す概略側面図である。
【図9】図8の工程に続く乾燥工程を示す概略側面図である。
【図10】図9の工程に続く支持工程を示す概略側面図である。
【図11】図9の工程に続く作動工程を示す概略側面図である。
【図12】図11で得られた球状弾性表面波素子のすだれ電極と球状表面弾性波素子電極形成状態を示す透視図である。
【図13】従来のピンセットを用いた球状弾性表面波素子の取り扱い状態を示す概略側面図である。
【図14】図13の工程に続く球状弾性表面波素子の取り扱い工程を示す概略側面図である。
【図15】従来の球状弾性表面波素子のボールバンプを用いた電極引出工程を示す概略側面図である。
【図16】図15の工程に続く球状弾性表面波素子のボールバンプを用いた電極引出工程を示す概略側面図である。
【図17】液中にて支持体が球状弾性表面波素子の電極等を吸着したかを判断する状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0060】
10・・・球状弾性表面波素子の水晶基材
11・・・球状弾性表面波素子の第1電極
12・・・球状弾性表面波素子の第2電極
13・・・球状弾性表面波素子の第3電極
14・・・すだれ状電極
15・・・弾性表面波周回経路
20・・・一方の支持体
21・・・一方の支持体の第1電極
22・・・一方の支持体の第2電極
24・・・一方の支持体の凹部
25・・・一方の支持体の吸引口
26・・・支持体の電極
30・・・他方の支持体
31・・・他方の支持体の端子
33・・・他方の支持体の第3電極
38・・・マッチング回路
41・・・第1電極用接点
42・・・第2電極用接点
44・・・素子の性能に影響を与えない領域
45・・・すだれ状電極近傍
50・・・容器
51・・・純水
61・・・高周波信号源
62・・・サーキュレータ
63・・・デジタルオシロスコープ
64・・・計算機(波形解析装置)
66・・・脱着部
67・・・送気配管
68・・・減圧配管
68・・・減圧配管
71・・・一方の電極
72・・・他方の電極
75・・・極領域
81・・・乾燥空気
82・・・液溜り
83・・・発信・受信器
91・・・ピンセット
92・・・第1の引出電極用基材
93・・・第1の引出電極
94・・・第2の引出電極用基材
95・・・第2の引出電極
96・・・設置台
97・・・基板
98・・・ボールパンプ
99・・・超音波ボンダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の球状弾性表面波素子電極と他方の球状弾性表面波素子電極を持つ球状弾性表面波素子の製造工程中の球状弾性表面波素子固定工程において、球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を持つ一方の支持体で球状弾性表面波素子を吸着することで一方の支持体電極と一方の球状弾性表面波素子電極との間に導通を行い、他方の支持体電極を有する他方の支持体で挟み込んで他方の支持体電極と他方の球状弾性表面波素子電極との間に導通を行うことを特徴とする球状弾性表面波素子の固定方法。
【請求項2】
請求項1記載の球状弾性表面波素子固定工程後に吸着を解除することを特徴とする請求項1記載の球状弾性表面波素子の固定方法。
【請求項3】
他方の支持体にも吸着機能を有することを特徴とする請求項2記載の球状弾性表面波素子の固定方法。
【請求項4】
一方の支持体電極と一方の球状弾性表面波素子電極もしくは他方の支持体電極と他方の球状弾性表面波素子電極もしくはその両方の両電極が複数の電極からなることを特徴とする請求項1記載の球状弾性表面波素子の固定方法。
【請求項5】
球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を持つ一方の支持体で球状弾性表面波素子を吸着することで一方の支持体電極と一方の球状弾性表面波素子電極との間に導通を行うことが、球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を持つ一方の支持体で球状弾性表面波素子をいったん吸着し、球状弾性表面波素子を回転したのちふたたび吸着することで一方の支持体電極と一方の球状弾性表面波素子電極との間に導通を行うことにより行われることを特徴とする請求項1から4何れか記載の球状弾性表面波素子の固定方法。
【請求項6】
球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を持つ一方の支持体で球状弾性表面波素子を吸着することが液中で行われるものであることを特徴とする請求項1から5何れか記載の球状弾性表面波素子の固定方法。
【請求項7】
一方の球状弾性表面波素子電極と他方の球状弾性表面波素子電極を持つ球状弾性表面波素子の製造工程中の球状弾性表面波素子固定工程において、球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を持つ一方の支持体で球状弾性表面波素子を吸着することで一方の支持体電極と一方の球状弾性表面波素子電極との間に導通を行い、他方の支持体電極を有する他方の支持体で挟み込んで他方の支持体電極と他方の球状弾性表面波素子電極との間に導通を行うことを特徴とする球状弾性表面波素子の製造方法。
【請求項8】
請求項7記載の球状弾性表面波素子固定工程後に吸着を解除することを特徴とする請求項7記載の球状弾性表面波素子の製造方法。
【請求項9】
他方の支持体にも吸着機能を有することを特徴とする請求項8記載の球状弾性表面波素子の製造方法。
【請求項10】
一方の支持体電極と一方の球状弾性表面波素子電極もしくは他方の支持体電極と他方の球状弾性表面波素子電極もしくはその両方の両電極が複数の電極からなることを特徴とする請求項7記載の球状弾性表面波素子の製造方法。
【請求項11】
球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を持つ一方の支持体で球状弾性表面波素子を吸着することで一方の支持体電極と一方の球状弾性表面波
素子電極との間に導通を行うことが、球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を持つ一方の支持体で球状弾性表面波素子をいったん吸着し、球状弾性表面波素子を回転したのちふたたび吸着することで一方の支持体電極と一方の球状弾性表面波素子電極との間に導通を行うことにより行われることを特徴とする請求項7から10何れか記載の球状弾性表面波素子の製造方法。
【請求項12】
球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を持つ一方の支持体で球状弾性表面波素子を吸着することが液中で行われるものであることを特徴とする請求項7から11何れか記載の球状弾性表面波素子の製造方法。
【請求項13】
球状弾性表面波素子の形状に対応する凹部に吸着機能と一方の支持体電極を有する一方の支持体と、他方の支持体電極を持つ他方の支持体が対向している他方の支持体からなり、一方の支持体と、他方の支持体間に球状弾性表面波素子を挟んだ状態で相対位置を固定する固定手段を有することを特徴とする球状弾性表面波素子支持具。
【請求項14】
他方の支持体にも吸着機能を有することを特徴とする請求項13記載の球状弾性表面波素子支持具。
【請求項15】
一方の支持体電極もしくは他方の支持体電極もしくはその両方の電極が複数の電極からなることを特徴とする請求項13または14記載の球状弾性表面波素子支持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−300628(P2006−300628A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120702(P2005−120702)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】