説明

環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムの製造方法およびそのフィルム

【課題】本発明は、寸法安定性が高い環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムならびにその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】下記A、B工程を含む環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムの製造方法。
A:環状オレフィン系付加(共)重合体を溶剤に溶解させて得られる重合体組成物を支持体上に塗布し、乾燥した後、支持体から剥離し、80℃〜220℃で一次加熱して、一次フィルムを得る工程。
B:得られた一次フィルムを、前記一次加熱より20℃以上高く、かつ環状オレフィン系付加(共)重合体のガラス転移温度をTg(℃)とするとTg〜(Tg−70℃)の温度で二次加熱する工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムの製造方法および得られるフィルムに関する。さらに詳しくは、寸法安定性、透明性、表面性に優れた環状オレフィン系付加(共)重合体からなるフィルムの製造方法および得られるフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環状オレフィン系付加(共)重合体から得られるフィルムが、優れた耐熱性と光学透明性とを有することから各種光学用途、電子用途での新材料として大いに期待されている。
【0003】
このような光学用途等においては、環状オレフィン系付加(共)重合体から得られるフィルムがフィルム単体で用いられること以外にも、種々の機能を付与するために複数の光学フィルムを積層した積層フィルムとして、または光学フィルムを基板、基材上に保持した部材として使用されることが多い。
【0004】
環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムを作製する方法としては特許文献1に記載されているような溶液流延法が挙げられる。
これまで、溶液流延法で作製した環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムにおいて、寸法安定性に優れた環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムを得るには、高温で加熱をすれば達成されるが、量産性よく(総加熱処理時間12時間以内)行おうとすれば、溶剤が発泡するため、光学透明性が失われるという問題があった。
【0005】
一方、溶剤の発泡を抑えながら寸法安定性の良好な環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムを得るには、長時間必要であり、量産性に劣るという問題があった。
このように従来の方法では、量産性よく環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムの耐熱性、光学透明性を維持しつつ寸法安定性に優れたフィルムを得ることは困難であった。
【特許文献1】特開2006−328358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、寸法安定性が高い環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムならびにその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意研究を行った結果、環状オレフィン系付加(共)重合体を溶剤に溶解させて得られる重合体組成物を支持体上に塗布し、乾燥した後、支持体から剥離し(溶液流延法)、一次加熱して得られる一次フィルムをさらに二次加熱処理することにより上記課題が達成されることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明者らは、特定の温度で一次加熱を行うことにより溶液流延法により得られたフィルム状成形体の溶剤含有量を二次加熱時に発泡が起こらないような量に制御し、続いて得られた一次フィルムを高温下で二次加熱することにより、フィルム状成形体および一次フィルムの加熱処理時に溶剤の発泡を伴うことなく(光学透明性を失うことなく)、総加熱処理時間12時間以内という短時間で量産性よく、かつ耐熱性、光学透明性を損なうことなく、寸法安定性に優れたフィルムが得られることを見出した。
【0009】
本発明は以下の構成からなる。
[1]下記AおよびBに記載の工程を含む環状オレフィン系付加(共)重合体フィルム(以下、「特定フィルム」ともいう)の製造方法。
A:環状オレフィン系付加(共)重合体(以下、「特定重合体」)を溶剤に溶解させて得られる重合体組成物(以下、「重合体組成物」という)を支持体上に塗布し、乾燥した後、支持体から剥離し、80℃〜220℃で一次加熱して一次フィルムを得る工程(以下、「A工程」ともいう)。
B:得られた一次フィルムを、前記一次加熱より20℃以上高く、かつ特定重合体のガラス転移温度をTg(℃)とするとTg〜(Tg−70℃)の温度で二次加熱する工程(以下、「B工程」ともいう)。
[2]特定フィルムの厚みが1μm〜200μmである、[1]記載の特定フィルムの製造方法。
[3]特定重合体が、下記式(1)で表される繰り返し構造単位(1)を有する[1]、[2]のいずれかに記載の特定フィルムの製造方法。
【0010】
【化1】

(式(1)中、A1〜A4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数5〜15のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシル基、炭素数3〜15の加水分解性のアルコキシシリル基、炭素原子数3〜15のオキセタニル基、炭素原子数1〜15のN−置換イミド基、アルコキシル基の炭素原子数が1〜5であるアルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基、ジアルキルアミノキシカルボニル基、カーボナート基およびグリシジル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、
これらの置換基は、メチレン基または炭素原子数2〜10のアルキレン基によって、互いに環状に結合していてもよく、
1とA2とが、相互に結合して、脂環構造、芳香環構造、環状の酸無水物基、環状のイミド基、または炭素原子数2〜15のアルキリデン基を形成していてもよく、
1とA3とそれぞれが結合する炭素原子とが、脂環構造、芳香環構造、環状の酸無水物基または環状のイミド基を形成していてもよく、
1およびA2が結合する炭素原子と、A3およびA4が結合する炭素原子とが二重結合を形成してもよく、mは、0または1の整数を示す。)
[4]特定重合体のゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)のポリスチレン換算から算出される重量平均分子量(Mw)が20,000〜700,000の範囲である[1]〜[3]に記載の特定フィルムの製造方法。
[5]特定重合体のガラス転移温度(Tg)が240℃〜320℃である[1]〜[4]に記載の特定フィルムの製造方法。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の特定フィルムの製造方法により得られる特定フィルム。
【発明の効果】
【0011】
本発明の、特定フィルムの製造方法により、量産性よく寸法安定性、透明性、表面性に優れた特定フィルムが得られる。
本発明の特定フィルムは、タッチパネル用ITOフィルムや、偏光板、導光板、拡散板、NIRカットフィルム等の各種ディスプレイ用フィルム、回路基板、プリント配線基板、ディスプレイ用基板等の各種基板用途、光導波路材などの光学部材用途に好適に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について具体的に説明する。
≪特定フィルムの製造方法≫
本発明の特定フィルムの製造方法は、下記に示す、A工程およびB工程を含む。
【0013】
−A工程−
A工程は、重合体組成物を、支持体上に塗布し、乾燥した後、支持体から剥離し、80℃〜220℃で一次加熱して一次フィルムを得る工程である。
【0014】
特定重合体
本発明に用いる特定重合体は、下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位(1)を含有している。
【0015】
【化2】

(式(1)中、A1〜A4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数5〜15のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシル基、炭素数3〜15の加水分解性のアルコキシシリル基、炭素原子数3〜15のオキセタニル基、炭素原子数1〜15のN−置換イミド基、アルコキシル基の炭素原子数が1〜5であるアルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基、ジアルキルアミノキシカルボニル基、カーボナート基およびグリシジル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、
これらの置換基は、メチレン基または炭素原子数2〜10のアルキレン基によって、互いに環状に結合していてもよく、
1とA2とが、相互に結合して、脂環構造、芳香環構造、環状の酸無水物基、環状のイミド基、または炭素原子数2〜15のアルキリデン基を形成していてもよく、
1とA3とそれぞれが結合する炭素原子とが、脂環構造、芳香環構造、環状の酸無水物
基または環状のイミド基を形成していてもよく、
1およびA2が結合する炭素原子と、A3およびA4が結合する炭素原子とが二重結合を形成してもよく、mは、0または1の整数を示す。)
本発明に用いる特定重合体は、下記一般式(1’)で表される環状オレフィン系の単量体(以下、「特定単量体」ともいう)を、必要に応じて他の単量体とともに、付加(共)重合することにより得られる。
【0016】
【化3】

(式(1’)中、A1〜A4、mは、式(1)のA1〜A4、mと同じである)
このような特定単量体としては、例えば、以下の環状オレフィン系化合物を挙げることができる。
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ−7−エン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−9−エン、
トリシクロ[8.2.1.02,9]トリデカ−11−エン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−3,9−ジエン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−4,9−ジエン、
トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−4,8−ジエン、
トリシクロ[8.2.1.02,9]トリデカ−7,11−ジエン、
トリシクロ[8.2.1.02,9]トリデカ−6,11−ジエン、
トリシクロ[8.2.1.02,9]トリデカ−5,11−ジエン、
などの非置換の環状オレフィン系化合物;
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−t−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ブチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ヘプチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ドデシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチル、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
3−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
4−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
5−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、
3−メチルトリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ−7−エン、
8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
などのアルキル基を有する環状オレフィン系化合物;
【0017】
5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−シクロオクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
などのシクロアルキル基を有する環状オレフィン系化合物;
5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
などのアリール基を有する環状オレフィン系化合物;
5−クロロ−6−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−フロロ−6−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
などのハロゲンを有する環状オレフィン系化合物;
5−メトキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−エトキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
などのアルコキシル基を有する環状オレフィン系化合物;
5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,6−ジ(メトキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エ
ン、
8−エトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エ
ン、
8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ド
デカ−3−エン、
などのアルコキシルカルボニル基を有する環状オレフィン系化合物;
5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−(1−ブテニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ビニリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
などの不飽和炭化水素基を有する環状オレフィン系化合物;
【0018】
スピロ[フルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]
スピロ[2,7−ジフルオロフルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]、
スピロ[2,7−ジクロロフルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]、
スピロ[2,7−ジブロモフルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]、
スピロ[2−メトキシフルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]、
スピロ[2−エトキシフルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]、
スピロ[2−フェノキシフルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]、
スピロ[2,7−ジメトキシフルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]、
スピロ[2,7−ジエトキシフルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]、
スピロ[2,7−ジフェノキシフルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]、
スピロ[3,6−ジメトキシフルオレン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]
スピロ[9,10−ジヒドロアントラセン−9,8'−トリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]、
スピロ[フルオレン−9,8'−[2]メチルトリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]、
スピロ[フルオレン−9,8'−[10]メチルトリシクロ[4.3.0.12.5][3]デセン]、
スピロ[フルオレン−9,11'−ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7.09.13][4]ペンタデセン]、
スピロ[2,7−ジフルオロフルオレン−9,11'−ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7.09.13][4]ペンタデセン]、
スピロ[2,7−ジクロロフルオレン−9,11'−ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7.09.13][4]ペンタデセン]、
スピロ[2,7−ジブロモフルオレン−9,11'−ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7.09.13][4]ペンタデセン]、
スピロ[2−メトキシフルオレン−9,11'−ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13][4]ペンタデセン]、
スピロ[2−エトキシフルオレン−9,11'−ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13][4]ペンタデセン]、
スピロ[2−フェノキシフルオレン−9,11'−ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7.09.13][4]ペンタデセン]、
スピロ[2,7−ジメトキシフルオレン−9,11'−ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7.09.13][4]ペンタデセン]、
スピロ[2,7−ジエトキシフルオレン−9,11'−ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7.09.13][4]ペンタデセン]、
スピロ[2,7−ジフェノキシフルオレン−9,11'−ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7.09.13][4]ペンタデセン]、
スピロ[3,6−ジメトキシフルオレン−9,11'−ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7.09.13][4]ペンタデセン]、
スピロ[9,10−ジヒドロアントラセン−9,11'−ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7.09.13
][4]ペンタデセン]、
スピロ[フルオレン−9,13'−ヘキサシクロ[7.7.0.13.6.110.16.02.7.011.15] [4] オク
タデセン]、
スピロ[2,7−ジフルオロフルオレン−9,13'−ヘキサシクロ[7.7.0.13.6.110.16.02.7.011.15] [4] オクタデセン]、
【0019】
スピロ[2,7−ジクロロフルオレン−9,13'−ヘキサシクロ[7.7.0.13.6.110.16.02.7.011.15] [4] オクタデセン] 、
スピロ[2,7−ジブロモフルオレン−9,13'−ヘキサシクロ[7.7.0.13.6.110.16.02.7.011.15] [4] オクタデセン] 、
スピロ[2−メトキシフルオレン−9,13'−ヘキサシクロ[7.7.0.13.6.110.16.02.7.011.15] [4] オクタデセン] 、
スピロ[2−エトキシフルオレン−9,13'−ヘキサシクロ[7.7.0.13.6.110.16.02.7.011.15] [4] オクタデセン] 、
スピロ[2−フェノキシフルオレン−9,13'−ヘキサシクロ[7.7.0.13.6.110.16.02.7.011.15] [4] オクタデセン] 、
スピロ[2,7−ジメトキシフルオレン−9,13'−ヘキサシクロ[7.7.0.13.6.110.16.02.7.011.15] [4] オクタデセン] 、
スピロ[2,7−ジエトキシフルオレン−9,13'−ヘキサシクロ[7.7.0.13.6.110.16.02.7.011.15] [4] オクタデセン] 、
スピロ[2,7−ジフェノキシフルオレン−9,13'−ヘキサシクロ[7.7.0.13.6.110.16.02.7.011.15] [4] オクタデセン] 、
スピロ[3,6−ジメトキシフルオレン−9,13'−ヘキサシクロ[7.7.0.13.6.110.16.02.7.011.15] [4] オクタデセン]、
スピロ[9,10−ジヒロドロアントラセン−9,13'−ヘキサシクロ[7.7.0.13.6.110.16.02.7
.011.15] [4] オクタデセン]、
スピロ[フルオレン−9,10'−テトラシクロ[7.4.0.08.12.12.5] [3] テトラデセン]、
スピロ[フルオレン−9,10'−[7]メチルテトラシクロ[7.4.0.08.12.12.5] [3] テトラデ
セン]、
スピロ[フルオレン−9,10'−[1]メチルテトラシクロ[7.4.0.08.12.12.5] [3] テトラデ
セン]、
などの環状置換基を有する環状オレフィン系化合物;
【0020】
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸メチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸メチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸エチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸エチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t−ブチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t−ブチル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル、
4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、
4−エチルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル
4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸プロピル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸
ジメチル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル−5−カルボン酸t−ブチル、
などのアルコキシカルボニル基を有する環状オレフィン系化合物;
【0021】
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−N−シクロヘキシルジカルボキシミド、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−N−フェニルジカルボキシミド、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4,5−N−シクロヘ
キシルジカルボキシミド、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4,5−N−エチルジ
カルボキシミド、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,2−N−シクロヘキシルスクシンイミド

テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4,4−N−シクロヘ
キシルスクシンイミド
などのジカルボキシミド基を有する環状オレフィン系化合物;
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4,5−無水ジカルボ
ン酸、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−無水カルボン酸、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−スピロ−3’−exo−無水スクシン酸、
などの酸無水物基を有する環状オレフィン系化合物。
【0022】
特定単量体は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上の単量体を混合して用いてもよい。
これらの中でも、ガラス転移温度が十分に高く、寸法安定性の良い特定フィルムを得るには、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エンから選ばれる1種以上の特定単量体を用いることが好ましい。
【0023】
また、得られる特定重合体のガラス転移温度を制御するなど成形加工性を改良でき、かつ特定フィルムに柔軟性を付与できることから、炭素数3〜10のアルキル基を有する特定単量体を用いることが好ましい。
【0024】
このような炭素数3〜10のアルキル基を有する特定単量体としては、5−アルキルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、8-アルキルテトラシクロ[2.2.1]ヘプ
タ−2−エンなどが挙げられる。
【0025】
また、本発明において、重合体組成物に添加することができる、下記各種添加剤に対する相溶性を向上させる目的で、アルコキシカルボニル基、酸無水物基、ジカルボキシミド基などの官能基を有する環状オレフィン系化合物を、全単量体100モル%に対して15モル%以下の量で用いてもよい。
【0026】
本発明において、重合体組成物中に含まれる特定重合体の含有量は、好ましくは15〜35重量%である。15重量%未満の場合、得られる一次フィルムに風紋が生じる可能性があり、35重量%を超える場合、特定重合体は溶剤に溶解しない可能性がある。
【0027】
特定重合体の重合方法としては、特開2006−52347号公報、特開2006−321912号公報、特開2007−197603号公報などの記載の方法により得ることが可能である。
【0028】
重合に用いられる触媒としては、高い重合活性を有することから、トリシクロヘキシルホスフィン、パラジウムジ(アセテート)、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの組み合わせ、あるいはトリシクロペンチルホスフィン、パラジウムジ(アセテート)及びトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの組み合わせ、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(アセテート)及びトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの組み合わせ、あるいは(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジ(アセテート)、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの組み合わせが好ましく用いられる。
【0029】
本発明において、特定重合体の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で、ポリスチレン換算して算出した値において、通常、重量平均分子量は20,000〜700,000、好ましくは重量平均分子量が50,000〜600,000、さらに好ましくは重量平均分子量が100,000〜500,000である。重量平均分子量が上記範囲にあると、特定フィルムの靭性が向上する。
【0030】
本発明において、特定重合体のTgは、通常160℃〜320℃であり、その中でも160℃〜200℃の場合、偏光板、光導波路材などの用途に好適に用いられ、240〜320℃の場合、特定フィルムの線膨張係数が低くなるため、タッチパネル用ITOフィル
ム、NIRカットフィルム等の用途に好適に用いられる。
この中でも240℃〜320℃が、耐熱性に優れた特定フィルムを得ることができるため好ましい。
【0031】
溶剤
本発明において、溶剤としては、特定重合体を溶解する溶剤であれば特に限定されないが、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、シクロヘキサン、クロロベンゼン等が好適に用いられる。その中でも特定重合体の溶解性、溶剤の揮発速度の点からトルエン、キシレンが好ましい。これらの溶剤は、1種単独で用いても、2種類以上を混合して用いても良い。
【0032】
添加剤
本発明において、重合体組成物中には、各種添加剤を含有していても良い。添加剤としては酸化防止剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を用いることが出来る。
【0033】
酸化防止剤としては、酸化安定性を向上させ着色や劣化を防ぐため、フェノール系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤およびチオエーテル系酸化防止剤から選ばれた酸化防止剤を配合できる。
【0034】
酸化防止剤の具体例としては例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチル−フェニル)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアレート、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤またはヒドロキノン系酸化防止剤;
ビス (2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)4,4'−ビフェニレンジホスホナイト、3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどのリン系二次酸化防止剤;
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどのイオウ系二次酸化防止剤などを用いることが出来る。
【0035】
酸化防止剤の含有割合としては特定重合体100重量%あたり通常0.001〜5重量%の範囲であり、0.1〜1重量%の範囲が好ましい。上記範囲内で酸化防止剤を用いることにより、特定フィルムの酸化安定性を向上させ着色や劣化を防ぐことが出来る。
【0036】
レベリング剤としては、溶剤と相溶性が良いものが好ましく、例えばフッ素系ノニオンレベリング剤、アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤などを用いることが出来る。レベリング剤の含有割合としては特定重合体100重量%あたり通常1〜50,000ppmの範囲である。
【0037】
難燃剤としては例えば、ハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、金属水酸化物などを挙げることが出来る。
これらの中でも少量の配合で効果を示し、特定フィルムの吸水性、低誘電性、透明性の
悪化を最小限にできるリン酸エステル系難燃剤が好ましく、1,3−ビス(フェニルホスホリル)ベンゼン、1,3−ビス(ジフェニルホスホリル)ベンゼン、1,3−ビス[ジ(アルキルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’,6'−ジメチル
フェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’,6'−ジエチルフェニル)
ホスホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’,6’−ジイソプロピルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’,6’−ジブチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’−t−ブチルフェニル)ホスフホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’−イソプロピルフェニル)ホスホリル]ベンゼン1,3−ビス[ジ(2’−メチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス(ジフェニルホスホリル)ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’,6’−ジメチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’,6’−ジエチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’,6’−ジイソプロピルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’−t−ブチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’−イソプロピルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’−メチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、4,4’−ビス[ジ(2”,6”−ジメチルフェニル)ホスホリルフェニル]ジメチルメタンなどの縮合型リン酸エステル系難燃剤がさらに好ましい。
【0038】
難燃剤の含有割合としては難燃剤の選択や要求される難燃性の程度によって決まるが、特定重合体100重量%に対し0.5〜40重量%が好ましく、2〜30重量%がさらに好ましく、4〜20重量%が最も好ましい。40重量%を超えて使用すると、特定フィルムの透明性が損なわれたり、誘電率などの電気特性が悪化したり、吸水率が増大したりする場合がある。
【0039】
紫外線吸収剤としては、溶剤への溶解性が良いものが好ましく、例えばベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸エステル系紫外線吸収剤などを用いることが出来る。紫外線吸収剤の含有割合としては特定重合体100重量%あたり通常1〜50,000ppmの範囲である。
光安定剤としては、例えばヒンダードアミン光安定剤を用いることができ、含有割合としては特定重合体100重量%あたり通常1〜50,000ppmの範囲である。
【0040】
一次フィルム
本発明における一次フィルムは、重合体組成物を、支持体上に塗布し、乾燥した後、支持体から剥離し、80℃〜220℃で一次加熱することにより得られる。
【0041】
上記、支持体としては、平滑なものであれば特に限定されないが、汎用性や生産性の点から、金属ベルト、金属ドラム、ガラス基板あるいはプラスチックフィルム、などを好適に用いることができる。この中でも、金属ベルト、プラスチックフィルムが好ましい。
【0042】
また、塗布時の支持体表面温度は、重合体組成物を塗布した時に、溶剤が発泡しないように、通常10℃〜60℃であることが好ましい。
本発明において、重合体組成物を支持体上に塗布する方法としては、公知の方法を適宜用いることが可能である。例えば、刷毛やブラシを用いた塗布、スプレーによる吹き付け、スクリーン印刷法、フローコーティング法、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、バーコーター、スロットダイコーター、コンマコーター、リップコーター、ナイフコーター、スピンコーター、ディップロールコーター、スプレーコーターなどのコーターを用いて塗布する方法などが挙げられる。この中でも量産性の点からグラビアロールコーター、スロットダイコーター、コンマコーター、リップコーター、ナイフコーターが好ましい。
【0043】
溶剤を乾燥するときの温度条件は、用いられる溶剤種によって適宜選択される。具体的には、トルエンやキシレンの場合には、20℃〜70℃が好ましく、メシチレンやクロロベンゼン等の高沸点な溶剤の場合には、20℃〜100℃が好ましい。
【0044】
溶剤を乾燥した後、支持体より剥離することによりフィルム状成形体(以下、零次フィルム)を得ることができる。このようにして得られた零次フィルムに含まれる溶剤の含有量は通常20重量%以上である。
【0045】
得られた零次フィルムを一次加熱することにより一次フィルムを得ることができる。一次加熱により、一次フィルムの溶剤の含有量を10重量%未満にすることが好ましい。一次フィルムに残留する溶剤の含有量が10重量%以上であると、この後行う二次加熱の際、急激な加熱により、得られるフィルム表面に発泡が起こる場合がある。
【0046】
本発明における一次加熱温度は80℃〜220℃の範囲内で行う必要がある。一次加熱を220℃より高い温度で行うと、零次フィルムに含有している溶剤の発泡により、一次フィルムの表面性が悪化する。一方、一次加熱の温度を80℃未満の温度で行うと、一次フィルムに残留する溶剤の含有量を10重量%未満にすることは困難である。
【0047】
一次加熱は、必要に応じて窒素やアルゴン雰囲気下で行っても良く、また空気雰囲気下で行っても良く、減圧下で行っても良い。この中でも、窒素雰囲気下または空気雰囲気下で行うことが量産性の点から好ましい。
【0048】
また、本発明の一次加熱温度を80℃〜220℃の範囲内で行う場合、一次加熱処理の処理時間は、通常は2時間以内であり、好ましくは、1時間以内である。
本発明のA工程によって得られた一次フィルムは、透明性、表面性に優れるものであるが、通常、その熱収縮率は0.1%以上である。
【0049】
ここで、熱収縮率とは寸法安定性を示す指標であり、フィルムの室温時と加熱時の寸法変化率を示したものである。本発明においては下記実施例にも記載されているとおり、TMA/SS6100(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、膜厚100μm、幅4mm、長さ28mmの試料を、チャック間距離20mmで固定し、室温から重合体のガラス転移温度(Tg)より30℃低い温度まで、昇温速度が10℃/分で昇温したのち、その温度で10分間保持し、10分間保持した後のチャック間距離の伸び率の変化量を熱収縮率(%)として、寸法安定性の評価を行っている。
【0050】
−B工程−
本発明におけるB工程は、A工程で得られた一次フィルムを、一次加熱より20℃以上高く、かつ特定重合体のガラス転移温度(℃)をTgとするとTg〜(Tg−70℃)の温度で二次加熱する工程である。
【0051】
二次加熱
二次加熱は、一次フィルムの熱収縮率を低下させ、かつ熱劣化を引き起こさない温度で行う必要がある。そのため、一次加熱より20℃以上高く、かつTg〜(Tg−70℃)の温度で行う必要がある。
【0052】
二次加熱の温度が、一次加熱より20℃以上の高い場合、一次フィルムの寸法安定性を向上させることが可能となる。一方、二次加熱の温度が、それより低い場合、一次フィルムの寸法安定性を向上させることができない。または、向上させることができても効果が小さいため、量産性の点から好ましくない。
【0053】
さらに、二次加熱の温度がTgより高い温度の場合、熱劣化を引き起こし、得られるフィルムの表面が波打ち、表面性が低下する。一方、(Tg−70℃)未満の温度の場合、一次フィルムの寸法安定性を向上(熱収縮率を低下)させることができない。
【0054】
そのため、二次加熱の温度は、Tg〜(Tg−70℃)の温度範囲で行う必要があり、好ましくは、Tg〜(Tg−50℃)の温度範囲であり、さらに好ましくは、Tg〜(Tg−30℃)の温度範囲である。二次加熱を行う際の温度が、Tg〜(Tg−70℃)の温度範囲にあると、熱劣化を引き起こすことなく、得られるフィルムの熱収縮率を0.1%未満とすることができる。
【0055】
二次加熱は、必要に応じて窒素やアルゴン雰囲気下で行っても良く、また空気雰囲気下で行っても良く、減圧下で行っても良い。この中でも、空気雰囲気下、あるいは窒素雰囲気下で行うことが量産性の点から好ましい。
【0056】
具体的な、特定重合体のTg、一次加熱、二次加熱のより好ましい関係は、例えば、重合体組成物中の溶剤がトルエンであるとき、
(i)特定重合体のTgが240℃以上の場合、一次加熱は空気雰囲気下または窒素雰囲気下、180℃〜210℃、二次加熱は窒素雰囲気下、230℃〜320℃、さらに好ましくは230℃〜280℃である。
さらに特定重合体のTgが240℃未満の場合でも、本発明に用いることができ、
(ii)特定重合体のTgが200℃以上240℃未満の場合、一次加熱は空気雰囲気下、130℃〜160℃、二次加熱は空気雰囲気下または窒素雰囲気下、180℃〜240℃であり、
(iii)特定重合体のTgが、160℃以上200℃未満の場合、一次加熱は、空気下、80℃〜120℃、二次加熱は空気雰囲気下または窒素雰囲気下、140℃〜200℃である。
【0057】
また特定フィルムは、光学物性の時間的変化が起きないよう、溶剤の含有量は、1重量%未満であることが好ましく、0.2重量%未満であることがさらに好ましい。
二次加熱処理を行う際の処理時間は、好ましくは5時間以内であり、さらに好ましくは2時間以内であり、特に好ましくは1時間以内である。
【0058】
これまでの溶液流延法では、通常の乾燥方法では寸法安定性に優れた環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムを得ることは困難であり、また得られたとしても非常に長時間を要していたが、本発明の製造方法により、寸法性に優れた環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムを得ることが可能となる。
【0059】
すなわち、環状オレフィン系付加(共)重合体を溶剤に溶解させて得られる重合体組成物を支持体上に塗布し、乾燥した後、支持体から剥離し、フィルムを発泡させないよう80℃〜210℃で一次加熱し、さらに一次加熱より20℃以上高く、かつ環状オレフィン系付加(共)重合体のガラス転移温度をTg(℃)とするとTg〜(Tg−70℃)の温度で二次加熱することにより、量産性よく、総加熱時間12時間以内の時間で、寸法性に優れた環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムを得ることが可能となる。
【0060】
≪特定フィルム≫
本発明の特定フィルムは、上述した≪特定フィルムの製造方法≫に記載の方法により、製造することができる。
【0061】
得られた特定フィルムの好ましい熱収縮率は0.1%未満、さらに好ましくは0.05%未満である。
また、特定フィルムの好ましい全光線透過率は90%以上である。特定フィルムの膜厚は、1μm〜200μmが好ましく、30μm〜190μmがさらに好ましく、50μm〜150μmが特に好ましい。
【0062】
特定フィルムの熱収縮率、全光線透過率、膜厚が上記範囲内にあることにより、偏光板、導光板、拡散板、ITOフィルム、NIRカットフィルム等の各種ディスプレイ用フィルム、回路基板、プリント配線基板、ディスプレイ用基板等の各種基板用途、光導波路材などの光学部材用途に好適に用いることができる。
【実施例】
【0063】
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例、比較例で用いた試料の、特定重合体のガラス転移温度、特定フィルムの寸法安定性(熱収縮率)、特定フィルムの表面性(表面性)、特定フィルムの透明性(全光線透過率)の評価は下記の方法で行った。
【0064】
(1)ガラス転移温度
TMA/SS6100(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、膜厚100μm、幅4mm、長さ18mmの試料を、チャック間距離10mmで固定し、室温から昇温速度が10℃/分で昇温し、チャック間距離の伸びからTgを求めた。
【0065】
(2)熱収縮率
TMA/SS6100(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、膜厚100μm、幅4mm、長さ28mmの試料を、チャック間距離20mmで固定し、室温から重合体のガラス転移温度℃(Tg)より30℃低い温度まで、昇温速度が10℃/分で昇温したのち、その温度で10分間保持した。10分後のチャック間距離の伸び率の変化量を熱収縮率(%)とした。
【0066】
(3)表面性
表面性は目視により観察した。測定用フィルムの波打ち、および測定用フィルムの溶融が見られないものに関しては○の評価とした。加熱処理後に波打ちが見られるもの、あるいは溶融が見られるものに関しては×の評価とした。
【0067】
(4)全光線透過率
膜厚100μmの測定用フィルムについて、Haze−Gard plus(BYK−Gardner製)を用い、ASTM D1003に準じて測定した。
【0068】
[実施例1]
1Lのステンレス製反応器に窒素雰囲気下で脱水したトルエンを600g、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.344mol)の乾燥トルエン溶液を49.7ml、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを14g(0.095mol)、4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル(0.126mol)の乾燥トルエン溶液を43.1ml仕込み、撹拌しながらエチレンをゲージ圧が0.012MPaとなるまで導入した。容器内を50℃に昇温し、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(アセテート)(5.01×10-3mmol)のトルエン溶液、及びトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(5.01×10-3mmol)のトルエン溶液を加えて50℃で付加共重合を行った。単量体の総量に対する重合体への転化率が35%に到達した時点で、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.215mol)の乾燥トルエン溶液を31.1ml添加し、同様に転化率が45%に到達した時点で、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを14g(0.095mol)添加し、同様に転化率が60%に到達した時点で、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.183mol)の乾燥トルエン溶液を26.4ml添加し、同様に転化率が80%に到達した時点で、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.094mol)の乾燥トルエン溶液を13.5ml添加し、同様に転化率が90%に到達した時点で、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.064mol)の乾燥トルエン溶液を9.3ml添加し、同様に転化率が95%に到達した時点で、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.048mol)の乾燥トルエン溶液を7.0ml添加し、付加共重合反応を計7時間行った。反応終了後、未反応の単量体を定量し、添加率を求めたところ、転化率は99%であった。トルエンで希釈した反応溶液を4Lのイソプロピルアルコールで凝固し、ついで真空下95℃で20時間乾燥して146gの環状オレフィン系付加共重合体(a)を得た。共重合体(a)のMnは70,000、Mwは191,000およびガラス転移温度は290℃であった。
【0069】
この環状オレフィン系付加共重合体(a)100重量部と、酸化防止剤としてのペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート1.0重量部とを、トルエン400重量部に溶解した。この溶液を25℃でPETフィルム上に塗布し、室温で16時間静置して乾燥後、PETフィルムより剥離し、オーブンを用い、窒素雰囲気下、180℃で180分間一次加熱処理し、空冷後、厚さ100μmの一次フィルムaを得た。一次フィルムaの熱収縮率は1.15%であった。
【0070】
得られた一次フィルムaはオーブンを用い、窒素雰囲気下、大気圧、260℃で5時間二次加熱処理し、本発明の特定フィルムを得、得られた特定フィルムの表面性、全光線透過率、および熱収縮率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0071】
[実施例2]
実施例1で得られた一次フィルムaをオーブンを用い、窒素雰囲気下、大気圧、280℃で1時間30分二次加熱処理し、本発明の特定フィルムを得、得られた特定フィルムの表面性、全光線透過率、および熱収縮率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0072】
[実施例3]
1Lのステンレス製反応器に窒素雰囲気下で脱水したトルエンを600g、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(0.50mol)の乾燥トルエン溶液を72.1ml、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを50g(0.33mol)仕込み、撹拌しながらエチレンをゲージ圧が0.069MPaとなるまで導入した。容器内を50℃に昇温し、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(アセテート)(1.66×10-3mmol)のトルエン溶液、及びトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(1.66×10-3mmol)のトルエン溶液を加えて付加(共)重合反応を開始した。付加(共)重合反応を計7時間行った結果、反応終了後、未反応の単量体を定量し、添加率を求めたところ、転化率は99%であった。トルエンで希釈した反応溶液を4Lのイソプロピルアルコールで凝固し、ついで真空下95℃で20時間乾燥して96gの環状オレフィン系付加共重合体(b)を得た。共重合体(b)のMnは45,000、Mwは192,000およびガラス転移温度は258℃であった。
【0073】
この環状オレフィン系付加共重合体(b)100重量部と、酸化防止剤としてのペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート1.0重量部とを、トルエン400重量部に溶解した。この溶液を25℃でPETフィルム上に塗布し、室温で16時間静置して乾燥後、PETフィルムより剥離し、オーブンを用い、空気下、180℃で90分間一次加熱処理し、空冷後、厚さ100μmの一次フィルムbを得た。一次フィルムbの熱収縮率は0.79%であった。
得られた一次フィルムbを、窒素雰囲気下、大気圧、258℃で15分二次加熱処理し、
本発明の特定フィルムを得、得られた特定フィルムの表面性、全光線透過率、および熱収縮率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0074】
[実施例4]
1Lのステンレス製反応器に窒素雰囲気下で脱水したトルエンを520g、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを83g(0.55mol)、5−デシルビシ
クロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを70g(0.30mol)仕込み、撹拌しながら
エチレンをゲージ圧が0.025MPaとなるまで導入した。容器内を30℃に昇温し、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(アセテート)(3.40×10-3mmol)のトルエン溶液、およびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(3.40×10-3mmol)のトルエン溶液を加えて付加(共)重合反応を開始した。付加(共)重合反応を計12時間行った結果、反応終了後、未反応の単量体を定量し、添加率を求めたところ、転化率は99%であった。トルエンで希釈した反応溶液を4Lのイソプロピルアルコールで凝固し、ついで真空下で加熱乾燥し151gの環状オレフィン系付加共重合体(c)を得た。共重合体(c)のMnは82,000、Mwは283,000およびガラス転移温度は182℃であった。
【0075】
この環状オレフィン系付加共重合体(c)100重量部と、酸化防止剤としてのペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)]プロピオネート0.5重量部およびトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ルホスファイト0.5重量部とを、トルエン350重量部に溶解した。この溶液を25℃でPETフィルム上に塗布し、室温で16時間静置して乾燥後、PETフィルムより剥離し、空冷後、オーブンを用い、窒素雰囲気下、100℃にて120分間一次加熱処理し、厚さ100μmの一次フィルムcを得た。一次フィルムcの熱収縮率は1.68%であった。
【0076】
得られた一次フィルムcを、窒素雰囲気下、大気圧、180℃で15分二次加熱処理し、本発明の特定フィルムを得、得られた特定フィルムの表面性、全光線透過率、および熱収縮率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0077】
[実施例5]
実施例1で得られた一次フィルムaを、オーブンを用い、窒素雰囲気下、大気圧、250℃で5時間二次加熱処理し、本発明の特定フィルムを得、得られた特定フィルムの表面性、全光線透過率、および熱収縮率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0078】
[実施例6]
実施例1で得られた一次フィルムaを、オーブンを用い、窒素雰囲気下、大気圧、230℃で8時間二次加熱処理し、本発明の特定フィルムを得、得られた特定フィルムの表面性、全光線透過率、および熱収縮率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0079】
[比較例1]
実施例1で得られた一次フィルムaを、比較例1における比較用フィルムとした。その表面性、全光線透過率、および熱収縮率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0080】
[比較例2]
実施例1で得られた一次フィルムaを、オーブンを用い、窒素雰囲気下、大気圧、200℃で5時間二次加熱処理し、比較用フィルムを得、得られた比較用フィルムの表面性、全光線透過率、および熱収縮率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0081】
[比較例3]
実施例1で得られた一次フィルムaを、オーブンを用い、窒素雰囲気下、大気圧、160℃で5時間二次加熱処理し、比較用フィルムを得、得られた比較用フィルムの表面性、全光線透過率、および熱収縮率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0082】
[比較例4]
実施例1において、一次加熱を、窒素雰囲気下、大気圧、260℃で5時間一次加熱処理する以外は、実施例1と同様の操作で、一次フィルムdを得た。得られた一次フィルムdを比較例4の比較用フィルムとした。得られた比較用フィルムの表面性を測定した。なお、全光線透過率、および熱収縮率はフィルムの表面性が悪く評価に値しないフィルムであった。これらの結果を表1に示す。
【0083】
【表1】

表1の結果より、重合体組成物を、支持体上に塗布し、乾燥した後、支持体から剥離し、一次加熱して、一次フィルムを形成後、得られた一次フィルムを、一次加熱より20℃以上高く、Tg〜(Tg−70℃)の温度で二次加熱を行うことにより、寸法安定性、透明性、表面性に優れた特定フィルムを得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の、環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムの製造方法により得られる環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムは、寸法安定性、透明性、表面性に優れているため、タッチパネル用ITOフィルムや、偏光板、導光板、拡散板、NIRカットフィルム等の各種ディスプレイ用フィルム、回路基板、プリント配線基板、ディスプレイ用基板等の各種基板用途、光導波路材などの光学部材用途に好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記AおよびBに記載の工程を含む環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムの製造方法。
A:環状オレフィン系付加(共)重合体を溶剤に溶解させて得られる重合体組成物を支持体上に塗布し、乾燥した後、支持体から剥離し、80℃〜220℃で一次加熱して、一次フィルムを得る工程。
B:得られた一次フィルムを、前記一次加熱より20℃以上高く、かつ環状オレフィン系付加(共)重合体のガラス転移温度をTg(℃)とするとTg〜(Tg−70℃)の温度で二次加熱する工程。
【請求項2】
環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムの厚みが1μm〜200μmである、請求項1記載の環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムの製造方法。
【請求項3】
環状オレフィン系付加(共)重合体が、下記式(1)で表される繰り返し構造単位(1)を有する請求項1、2のいずれかに記載の環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムの製造方法。
【化1】

(式(1)中、A1〜A4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数5〜15のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシル基、炭素数3〜15の加水分解性のアルコキシシリル基、炭素原子数3〜15のオキセタニル基、炭素原子数1〜15のN−置換イミド基、アルコキシル基の炭素原子数が1〜5であるアルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基、ジアルキルアミノキシカルボニル基、カーボナート基およびグリシジル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、
これらの置換基は、メチレン基または炭素原子数2〜10のアルキレン基によって、互いに環状に結合していてもよく、
1とA2とが、相互に結合して、脂環構造、芳香環構造、環状の酸無水物基、環状のイミド基、または炭素原子数2〜15のアルキリデン基を形成していてもよく、
1とA3とそれぞれが結合する炭素原子とが、脂環構造、芳香環構造、環状の酸無水物基または環状のイミド基を形成していてもよく、
1およびA2が結合する炭素原子と、A3およびA4が結合する炭素原子とが二重結合を形成してもよく、mは、0または1の整数を示す。)
【請求項4】
環状オレフィン系付加(共)重合体のゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)のポリスチレン換算から算出される重量平均分子量(Mw)が20,000〜700,000の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムの製造方法。
【請求項5】
環状オレフィン系付加(共)重合体のガラス転移温度(Tg)が240℃〜320℃である請求項1〜4のいずれかに記載の環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の環状オレフィン系付加(共)重合体フィルムの製造方法により得られる環状オレフィン系付加(共)重合体フィルム。

【公開番号】特開2009−138129(P2009−138129A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316961(P2007−316961)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】