説明

環状ビスジヌクレオチドの合成方法

一般式〔1〕


(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基あるいは水酸基の保護基で置換されたヒドロキシル基を表し、B1は保護されていても良い核酸塩基を表す。)で表される化合物から、一般式〔2〕


(式中、R2およびR3は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基またはヒドロキシル基を表し、B2およびB3は各々独立して核酸塩基を表す。)で表される化合物またはその塩を合成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は環状ビス(3’→5’)ジヌクレオチドの合成方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ジヌクレオチドの分子内環化反応により環状ビス(3’→5’)ジヌクレオチドを効率的に収率良く合成する方法に関する。
環状ビス(3’→5’)ジヌクレオチドは、がん細胞分裂阻止などの生理活性を示すことから抗がん剤などの医薬品としての開発が期待される有用な化合物であり、実用的な合成方法の開発が求められている。
【背景技術】
環状ビス(3’→5’)ジヌクレオチドのひとつである環状ビス(3’→5’)ジグアニル酸(以下、「cGpGp」と略す。)は、セルロース生合成を調節する機能性物質として古くから知られているが、最近さらにMolt4およびJurkat細胞内に取り込まれるとCD4レセプター量を増加させ、細胞分裂を減少させる生物活性をもつ物質であることが解明された。がん細胞分裂を阻止できる可能性があることから、抗がん剤としての研究や臨床応用が期待されている。そのため、cGpGpに代表される環状ビス(3’→5’)ジヌクレオチドの大量供給が緊急に必要とされている。
cGpGpの合成法としては、リン酸部位の保護基としてp−クロロフェニル基を用いた方法が既に報告されている(Nature,1987,325,p279、およびJ.Biol.Chem.,1990,265,p18993参照)。また、リン酸部位の保護基としてp−クロロフェニル基を用いて環状ビス(3’→5’)ジアデニル酸や環状ビス(3’→5’)ジウリジル酸を合成した例が報告されている(Nucleosides&Nucleotides,1985,4(3),p377参照)。
しかしながら、前記のNature,1987,325,p279、およびJ.Biol.Chem.,1990,265,p18993中に記載された方法では、環化反応の原料となるジヌクレオチドの合成収率が75%(過剰に必要な基質を基準とした場合には63%)と低く、実用的ではなかった。また、リン酸部位の保護基であるo−クロロフェニル基の脱保護と核酸塩基の保護基を脱保護する反応を別々に行う必要があったため、多工程を要していた。さらに、各脱保護工程に20時間、48時間、および16時間と長時間を要していたため、実用的ではなかった。
前記のNucleosides&Nucleotides,1985,4(3),p377中に記載された方法でも同様に、環化反応の原料となるジヌクレオチドの合成収率が63%と低く、実用的ではなかった。また、リン酸部位の保護基であるp−クロロフェニル基の脱保護と核酸塩基の保護基を脱保護する反応を別々に行う必要があったために多工程を要し、収率も50〜66%と低かった。さらに、各脱保護工程に何れも一昼夜を要していたため、実用的ではなかった。
したがって、本発明は、cGpGpを効率的に合成する方法を提供することを目的とする。
【発明の開示】
本発明者らは、低収率、多工程、且つ長い反応時間を要するといった従来の問題点を鑑み、工業的に実用的な合成方法を提供するため、環状ビス(3’→5’)ジヌクレオチドの合成に適用可能なリン酸部位の保護基について鋭意検討した。その結果、リン酸部位の保護基としてアリル基および2−シアノエチル基が有用であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、一般式〔1〕

(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基または水酸基の保護基で置換されたヒドロキシル基を表し、Bは保護されていても良い核酸塩基を表す。)で表される化合物から、一般式〔2〕

(式中、RおよびRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基またはヒドロキシル基を表し、BおよびBは各々独立して核酸塩基を表す。)で表される化合物またはその塩を合成する方法に関するものである。
本発明によれば、環状ビス(3’→5’)ジヌクレオチドを収率よく合成する方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の合成方法は、一般式〔1〕で表される化合物から一般式〔2〕で表される化合物またはその塩を得る方法である。
一般式〔1〕中のRは、水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基または水酸基の保護基で置換されたヒドロキシル基を表し、Bは保護されていても良い核酸塩基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
一般式〔1〕で表される化合物において、Rにおける水酸基の保護基とは、通常用いられる水酸基の保護基が使用可能で、加水素分解、加水分解、光分解のような化学的方法によって除去される保護基を指す。
水酸基の保護基としては、ホルミル基、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、シリル基、シリルオキシメチル基、アルコキシアルキル基、シリル基で置換されたアルコキシアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、オルトエステル基などが挙げられる。好ましくは、シリル基、シリルオキシメチル基、シリル基で置換されたアルコキシアルキル基、オルトエステル基は水酸基の保護基として好ましい。
シリル基としては、たとえばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などがあげられる。
シリルオキシメチル基としては、たとえばトリメチルシリルオキシメチル基、トリエチルシリルオキシメチル基、トリイソプロピルシリルオキシメチル基、t−ブチルジメチルシリルオキシメチル基などがあげられる。
シリル基で置換されたアルコキシアルキル基とは、たとえば2−トリメチルシリルエチルオキシメチル基などがあげられる。オルトエステル基とは、たとえばジメトキシメチル基、ジエトキシメチル基、ビス(2−ヒドロキシエチルオキシ)メチル基、ビス(2−アセトキシエチルオキシ)メチル基などがあげられる。
水酸基の保護基で置換されたヒドロキシル基としては、たとえばトリメチルシリルオキシメチルオキシ基、トリエチルシリルオキシメチルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシメチルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシメチルオキシ基、2−トリメチルシリルエチルオキシメチルオキシ基、ジメトキシメチルオキシ基、ジエトキシメチルオキシ基、ビス(2−ヒドロキシエチルオキシ)メチルオキシ基、ビス(2−アセトキシエチルオキシ)メチルオキシ基などがあげられる。
核酸塩基としては、ピリミジン、プリン、アザプリンおよびデアザプリンなどの天然または非天然型の塩基類が挙げられ、それらはハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のハロアルキル基、炭素数1から4のアルケニル基、炭素数1から4のハロアルケニル基、炭素数1から4のアルキニル基、アミノ基、炭素数1から4のアルキルアミノ基、水酸基、ヒドロキシアミノ基、アミノキシ基、炭素数1から4のアルキルオキシ基、メルカプト基、炭素数1から4のアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基またはシアノ基によって置換されていてもよい。
置換基としてのハロゲン原子としては、塩素、フッ素、ヨウ素、臭素が例示される。アルキル基としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基などが例示される。ハロアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基などが例示される。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基などが例示される。ハロアルケニル基としては、ブロモビニル基、クロロビニル基などが例示される。アルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基などが例示される。アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノなどが例示される。アルキルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基などが例示される。アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基などが例示される。アリール基としては、フェニル基;メチルフェニル基、エチルフェニル基などの炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルフェニル基;メトキシフェニル基、エトキシフェニル基などの炭素数1〜4のアルキルオキシ基を有するアルコキシフェニル基;ジメチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基などの炭素数1〜4のアルキルアミノ基を有するアルキルアミノフェニル基;クロロフェニル基、ブロモフェニル基などのハロゲノフェニル基などが例示される。
ピリミジン塩基を具体的に例示すれば、シトシン、ウラシル、5−フルオロシトシン、5−フルオロウラシル、5−クロロシトシン、5−クロロウラシル、5−ブロモシトシン、5−ブロモウラシル、5−ヨードシトシン、5−ヨードウラシル、5−メチルシトシン、5−メチルウラシル(チミン)、5−エチルシトシン、5−エチルウラシル、5−フルオロシトシン、5−フルオロウラシル、5−トリフルオロメチルシトシン、5−トリフルオロメチルウラシル、5−ビニルウラシル、5−(2−ブロモビニル)ウラシル、5−(2−クロロビニル)ウラシル、5−エチニルシトシン、5−エチニルウラシル、5−プロピニルウラシル、ピリミジン−2−オン、4−ヒドロキシアミノピリミジン−2−オン、4−アミノオキシピリミジン−2−オン、4−メトキシピリミジン−2−オン、4−アセトキシピリミジン−2−オン、4−フルオロピリミジン−2−オン、5−フルオロピリミジン−2−オン、5−アザシトシンなどが挙げられる。
プリン塩基を具体的に例示すれば、プリン、6−アミノプリン(アデニン)、6−ヒドロキシプリン、6−フルオロプリン、6−クロロプリン、6−メチルアミノプリン、6−ジメチルアミノプリン、6−トリフルオロメチルアミノプリン、6−ヒドロキシアミノプリン、6−アミノオキシプリン、6−メトキシプリン、6−アセトキシプリン、6−メチルプリン、6−エチルプリン、6−トリフルオロメチルプリン、6−フェニルプリン、6−メルカプトプリン、6−メチルメルカプトプリン、6−アミノプリン−1−オキシド、6−ヒドロキシプリン−1−オキシド、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン(グアニン)、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2−アミノ−6−ヨードプリン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−メルカプトプリン、2−アミノ−6−メチルメルカプトプリン、2−アミノ−6−ヒドロキシアミノプリン、2−アミノ−6−メトキシプリン、2−アミノ−6−ベンゾイルオキシプリン、2−アミノ−6−アセトキシプリン、2−アミノ−6−メチルプリン、2−アミノ−6−シクロプロピルアミノプリン、2−アミノ−6−フェニルプリン、2−アミノ−8−ブロモプリン、6−シアノプリン、6−アミノ−2−クロロプリン(2−クロロアデニン)、6−アミノ−2−フルオロプリン(2−フルオロアデニン)などが挙げられる。
アザプリン塩基およびデアザプリン塩基を具体的に例示すれば、6−アミノ−3−デアザプリン、6−アミノ−8−アザプリン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−8−アザプリン、6−アミノ−7−デアザプリン、6−アミノ−1−デアザプリン、6−アミノ−2−アザプリンなどが挙げられる。
保護された核酸塩基とは、前述の核酸塩基のアミノ基が通常用いられるアミノ基の保護基で保護されたものを指す。
アミノ基の保護基としては、特に限定されないが、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ジフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基、ベンゾイル基、トルオイル基などのアシル基類、あるいはアリルオキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基類、アリル基などのアルキル基類、ジメチルアミノメチレン基などのアミジン類などが挙げられる。
アミノ基の保護基として、一般式〔1〕で表される化合物のリン酸エステルの保護基である2−シアノエチル基またはアリル基いずれか一方の脱保護と同じ反応条件で脱保護できるような保護基を選ぶのが好ましい。
保護基として、アンモニア、アミン類、後記する0価のパラジウム、2価のパラジウム錯体または2価のパラジウム塩で脱保護可能な保護基は好ましい。
このような保護基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ジフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基、ベンゾイル基、トルオイル基などのアシル基類、ジメチルアミノメチレン基などのアミジン類、アリル基、あるいはアリルオキシカルボニル基などが例示される。
これらのなかで、ホルミル基、アセチル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、フェノキシアセチル基、ジメチルアミノメチレン基、アリル基、あるいはアリルオキシカルボニル基は特に好ましい。
における保護された核酸塩基としては、例えば、N−アセチルシトシン、N−ベンゾイルシトシン、N−アセチル−5−フルオロシトシン、N−ベンゾイル−5−フルオロシトシン、N−アセチル−5−アザシトシン、N−ベンゾイル−5−アザシトシン、N−(フェノキシアセチル)シトシン、N−(ジメチルアミノメチレン)シトシン、N−(アリルオキシカルボニル)シトシン、N−アセチル−5−メチルシトシン、N−ベンゾイル−5−メチルシトシン、N−(フェノキシアセチル)−5−メチルシトシン、N−(ジメチルアミノメチレン)−5−メチルシトシン、N−(アリルオキシカルボニル)−5−メチルシトシン、N−アセチルアデニン、N−ベンゾイルアデニン、N−(フェノキシアセチル)アデニン、N−(ジメチルアミノメチレン)アデニン、N−(アリルオキシカルボニル)アデニン、N−アセチル−2−クロロアデニン、N−ベンゾイル−2−クロロアデニン、N−(フェノキシアセチル)−2−クロロアデニン、N−(ジメチルアミノメチレン)−2−クロロアデニン、N−(アリルオキシカルボニル)−2−クロロアデニン、N−アセチル−2−フルオロアデニン、N−ベンゾイル−2−フルオロアデニン、N−(フェノキシアセチル)−2−フルオロアデニン、N−(ジメチルアミノメチレン)−2−フルオロアデニン、N−(アリルオキシカルボニル)−2−フルオロアデニン、N,N−ジアセチル−2,6−ジアミノプリン、N,N−ジベンゾイル−2,6−ジアミノプリン、N,N−ビス(フェノキシアセチル)−2,6−ジアミノプリン、N,N−ビス(ジメチルアミノメチレン)−2,6−ジアミノプリン、N,N−ビス(アリルオキシカルボニル)−2,6−ジアミノプリン、N−アセチルグアニン、N−ベンゾイルグアニン、N−イソブチリルグアニン、N−(フェノキシアセチル)グアニン、N−(ジメチルアミノメチレン)グアニン、N−(アリルオキシカルボニル)グアニン、N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリルグアニン、N−(アリルオキシカルボニル)−N−アリルグアニンなどが挙げられる。
一般式〔1〕で表される化合物は、Org.Lett.2001,3,p815;Tetrahedron,2001,57,p8823に記載の方法を参考にして、合成することができる。
例えば、一般式〔1〕で表される化合物の合成方法としては、(1)下記一般式(A)で表される化合物と2−シアノエタノールを、モレキュラーシーブ及び縮合活性化剤の存在下で反応させて下記一般式(B)で表される化合物を得る工程、(2)次いで、一般式(B)で表される化合物と酸化剤を反応させて下記一般式(C)で表される化合物を得る工程、(3)次いで、一般式(C)で表される化合物の脱保護を行い、一般式〔1〕で表される化合物を得る工程からなる方法が挙げられる(反応式〔1〕)。

一般式(A)中の、RおよびBは前記の一般式〔1〕中のRおよびBと同義であり、Rは水酸基の保護基を表し、RおよびR10は各々独立して炭素数1から4のアルキル基を表すか、またはRおよびR10はこれらが結合する窒素原子を含む環を形成しても良い。
一般式(A)で表される化合物において、Rの水酸基の保護基としては、前記の一般式〔1〕中のR1における水酸基の保護基として例示されたものが挙げられる。
一般式(A)で表される化合物において、RおよびR10が炭素数1から4のアルキル基である場合、R(R10)N基としては、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、エチル(n−プロピル)アミノ基、エチル(イソプロピル)アミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジイソブチルアミノ基などが挙げられる。
一般式(A)で表される化合物において、RおよびR10がこれらが結合する窒素原子を含む環を形成する場合、そのような環を形成したR(R10)N基としては、ピロリジノ基、ピペリジノ基などがあげられる。
一般式(A)で表される化合物において、R(R10)N基として、ジイソプロピルアミノ基、ピロリジノ基あるいはピペリジノ基は好ましい。
一般式(B)および一般式(C)中のR、RおよびBはそれぞれ、前記の一般式(A)中のR、RおよびBと同義である。
前記(1)の工程で用いられるモレキュラーシーブとしては、例えば、モレキュラーシーブ3Aおよびモレキュラーシーブ4Aが挙げられる。
前記(1)の工程で用いられる縮合活性化剤としては、例えば、テトラゾール、5−メチルチオテトラゾール、5−エチルチオテトラゾールなどのテトラゾール類、4,5−ジシアノイミダゾール、4,5−ジクロロイミダゾールなどのイミダゾール類、N−フェニルイミダゾール トリフルオロメタンスルホン酸塩、イミダゾール テトラフルオロホウ酸塩、N−フェニルイミダゾール テトラフルオロホウ酸塩、N−(p−アセチルフェニル)イミダゾール トリフルオロメタンスルホン酸塩、2−フェニルイミダゾール トリフルオロメタンスルホン酸塩、4−メチルイミダゾール トリフルオロメタンスルホン酸塩、4−メチルイミダゾール p−トルエンスルホン酸塩、4−メチルイミダゾール トリフルオロ酢酸塩、4−フェニルイミダゾール トリフルオロメタンスルホン酸塩、4−フェニルイミダゾール トリフルオロ酢酸塩、ベンズイミダゾール テトラフルオロホウ酸塩、N−メチルベンズイミダゾール トリフルオロメタンスルホン酸塩、2−フェニルベンズイミダゾールトリフルオロメタンスルホン酸塩、2−フェニルベンズイミダゾール 過塩素酸塩、過塩素酸イミダゾリウムなどのイミダゾリウム塩やベンズイミダゾール塩類などがあげられる。過塩素酸イミダゾリウムが特に好ましい。
前記(1)の工程において、2−シアノエタノールは、一般式(A)で表される化合物に対して、通常、1から2当量となる量が用いられる。
モルキュラーシーブスは、一般式(A)で表される化合物の重量に対して、通常、1%から100%となる量が用いられる。5%から30%が好ましい。
縮合活性化剤は、一般式(A)で表される化合物に対して、通常、0.1から4当量となる量が用いられる。0.2から2当量が好ましい。
前記(1)の工程の反応には、通常、溶媒を用いる。溶媒としては、反応を阻害しない限り限定されないが、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、THF、1,4−ジオキサンなどが好ましい。
前記(1)の工程の反応温度は、通常、−10℃から溶媒の沸点で可能だが、0℃から室温の範囲が好ましい。
一般式(B)で表される化合物は、前記(1)の工程で得られる一般式(B)で表される化合物を含む反応混合物から単離することなく、前記(2)の工程に用いられる。
前記(2)の工程で用いられる酸化剤としては、例えば、通常亜リン酸の酸化に用いられるものなら限定されないが、過酸化水素水などの過酸化水素類、過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸などの過酸類、アセトン パーオキシド、2−ブタノン パーオキシドなどのケトン過酸化物類、t−ブチルヒドロパーオキシドなどのアルコール過酸化物類、パーオキシ硫酸カリウムなどの過硫酸類などがあげられる。
酸化剤として、特に2−ブタノン パーオキシドが好ましい。
前記の酸化剤は、安定性を保持する目的で、溶液として用いることができる。溶液を調整する際に用いる溶媒としては、酸化剤を溶解し、酸化を阻害しない限り特に限定されないが、水、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルフタレートなどのエステル類などが好ましい。
酸化剤は、一般式(B)で表わされる化合物に対して、通常1から3当量となる量が用いられる。
前記(2)の工程の反応は、通常、溶媒を用いて行う。溶媒としては、反応を阻害しない限り限定されないが、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、THF、1,4−ジオキサンなどが好ましい。
前記(2)の工程の反応温度は、通常、−10℃から溶媒の沸点で可能だが、0℃から室温の範囲が好ましい。
一般式(C)で表される化合物は、前記(1)および(2)の工程で得られる一般式(C)で表される化合物を含む反応混合物を,分液などの通常の後処理操作を行い、精製することなく前記(3)の工程に用いることができる。
一般式(C)におけるR基としては、通常用いられる水酸基の保護基であれば特に限定されないが、R基を脱保護する反応条件において、Rで示される保護基が脱離しないような保護基を用いることが好ましい。そのような保護基としては、4,4’−ジメトキシトリチル基などのアラルキル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビス(トリメチルシロキシ)ジフェニルメトキシシリル基、およびビス(トリメチルシロキシ)シクロドデシルオキシシリル基などのシリル基があげられる。
これらの保護基のなかでも4,4’−ジメトキシトリチル基は好ましい。
前記(3)の工程で脱保護する際の反応条件は、使用するR基により異なる。
一般式(C)におけるR基がアラルキル基の場合には、酸を用いて脱保護するのが好ましい。そのような酸としては、硫酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、過塩素酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸などが使用できる。ジクロロ酢酸が好ましい。
一般式(C)におけるR基がシリル基の場合には、フルオリドを用いて脱保護するのが好ましい。そのようなフルオリドとしては、ピリジニウム フルオリド、テトラブチルアンモニウム フルオリド、フッ化カリウム、フッ化ナトリウムなどが使用できる。テトラブチルアンモニウム フルオリドが好ましい。
酸は、一般式(C)で表わされる化合物に対して、通常1から40当量となる量が用いられる。10から30当量が好ましい。
前記(2)の工程の反応には、通常、溶媒を用いる。溶媒としては、反応を阻害しない限り限定されないが、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、THF、1,4−ジオキサンなどが好ましい。
前記(2)の工程の反応温度は、通常、−10℃から溶媒の沸点で可能だが、0℃から室温の範囲が好ましい。
前記(1)、(2)および(3)の各工程の反応は、通常大気圧下で行われる。
前記(3)の工程で得られる一般式〔1〕で表される化合物は、公知の方法、例えば、カラムクロマトグラフィー手法や晶析手法等により、反応混合物から分離し、回収することができる。
一般式〔2〕中のRおよびRは、各々独立して水素原子、ハロゲン原子またはヒドロキシル基を表し、BおよびBは各々独立して核酸塩基を表す。
ハロゲン原子および核酸塩基としては、前記の一般式〔1〕中のRおよびBの説明個所に例示したものを挙げることができる。
一般式〔2〕で表される化合物の塩としては、通常リン酸と塩を形成するような塩基から成る塩なら限定されないが、アルカリ金属、アルカリ土類金属あるいは有機アミンなどの塩が好ましい。アルカリ金属の塩としては、たとえばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などがあげられる。アルカリ土類金属の塩としては、たとえばマグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩などがあげられる。有機アミンの塩としては、たとえばトリエチルアンモニウム塩、トリ(n−ブチル)アンモニウム塩などの3級アミン塩、ジエチルアンモニウム塩、ジシクロヘキシルアンモニウム塩などの2級アミン塩、アンモニウム塩、n−ブチルアンモニウム塩、シクロヘキシルアンモニウム塩などの1級アミン塩、テトラ(n−ブチル)アンモニウム塩、トリメチル ベンジルアンモニウム塩などの4級アミン塩などがあげられる。
例えば、一般式〔1〕中のRが水素原子、フッ素原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基またはt−ブチルジメチルシリルオキシ基である化合物から、一般式〔2〕中のRおよびRが各々独立して水素原子、フッ素原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基またはヒドロキシル基である化合物またはその塩を合成することができる。
一般式〔1〕で表される化合物から一般式〔2〕で表される化合物の合成方法としては、特に限定されないが、例えば、下記反応式〔2〕に示したように、一般式〔5〕および一般式〔6〕で表される化合物を経て合成する方法があげられる。


すなわち、一般式〔1〕で表される化合物を一般式〔5〕で表される化合物に誘導する工程、次いで一般式〔5〕で表される化合物を一般式〔6〕で表される化合物に誘導する工程、そして一般式〔6〕で表される化合物を一般式〔2〕で表される化合物に誘導する工程からなる合成方法を例示することができる。
例えば、一般式〔1〕中のRが水素原子、フッ素原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基またはt−ブチルジメチルシリルオキシ基である化合物から、一般式〔5〕および一般式〔6〕中のRおよびRが各々独立して水素原子、フッ素原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基またはt−ブチルジメチルシリルオキシ基である化合物を経て、一般式〔2〕中のRおよびRが各々独立して水素原子、フッ素原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基およびヒドロキシル基である化合物を合成することができる。
一般式〔5〕中のRおよびRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基または水酸基の保護基で置換されたヒドロキシル基を表し、BおよびBは各々独立して保護されていても良い核酸塩基を表し、Rはアリル基または2−シアノエチル基を表す。なお、水酸基の保護基で置換されたヒドロキシル基および保護されていても良い核酸塩基としては、前記の一般式〔1〕中のRおよびBの説明個所に例示したものを挙げることができる。
一般式〔6〕中のR、R、R、BおよびBは、前記の一般式〔5〕中のR、R、R、BおよびBと同義である。
一般式〔1〕で表される化合物から一般式〔2〕で表される化合物の合成方法を具体的に示すとすれば、例えば、下記反応式〔3〕または反応式〔4〕に示したように、一般式〔3〕あるいは〔4〕で表される化合物と、一般式〔1〕で表される化合物から合成する方法があげられる。



一般式〔5〕で表される化合物の合成方法としては、通常のリン酸エステル化合物を合成するのに用いられる方法ならば特に限定されないが、例えば、下記反応式〔5〕に示したように、一般式〔1〕で表される化合物を一般式〔3〕で表される化合物と縮合してから酸化する方法、または下記反応式〔6〕に示したように、一般式〔1〕で表される化合物を一般式〔4〕で表される化合物と縮合する方法があげられる。



一般式〔3〕中の、BおよびRは前記の一般式〔5〕中のBおよびRと同義であり、Rは前記の一般式(A)中のRとそれぞれ同義であり、RおよびRは各々独立して炭素数1から4のアルキル基を表すか、またはRおよびRが結合して窒素原子を含む環を形成しても良い。
一般式〔3〕で表される化合物において、RおよびRが炭素数1から4のアルキル基である場合、R(R)N基としては、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、エチル(n−プロピル)アミノ基、エチル(イソプロピル)アミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジイソブチルアミノ基などが挙げられる。
一般式〔3〕中で表される化合物において、RおよびRが結合して窒素原子を含む環を形成する場合、そのような環を形成したR(R)N基としては、ピロリジノ基、ピペリジノ基などがあげられる。
一般式〔3〕で表される化合物において、R(R)N基として、ジイソプロピルアミノ基、ピロリジノ基あるいはピペリジノ基は好ましい。
一般式〔4〕中のB、RおよびRは前記の一般式〔3〕中のB、RおよびRとそれぞれ同義である。
一般式〔1〕で表される化合物を一般式〔3〕で表される化合物と縮合する際に用いる縮合活性化剤としては、例えば、テトラゾール、5−メチルチオテトラゾール、5−エチルチオテトラゾールなどのテトラゾール類、4,5−ジシアノイミダゾール、4,5−ジクロロイミダゾールなどのイミダゾール類、N−フェニルイミダゾール トリフルオロメタンスルホン酸塩、イミダゾール テトラフルオロホウ酸塩、N−フェニルイミダゾール テトラフルオロホウ酸塩、N−(p−アセチルフェニル)イミダゾール トリフルオロメタンスルホン酸塩、2−フェニルイミダゾール トリフルオロメタンスルホン酸塩、4−メチルイミダゾール トリフルオロメタンスルホン酸塩、4−メチルイミダゾール p−トルエンスルホン酸塩、4−メチルイミダゾール トリフルオロ酢酸塩、4−フェニルイミダゾール トリフルオロメタンスルホン酸塩、4−フェニルイミダゾール トリフルオロ酢酸塩、ベンズイミダゾール テトラフルオロホウ酸塩、N−メチルベンズイミダゾール トリフルオロメタンスルホン酸塩、2−フェニルベンズイミダゾール トリフルオロメタンスルホン酸塩、2−フェニルベンズイミダゾール 過塩素酸塩、過塩素酸イミダゾリウムなどのイミダゾリウム塩やベンズイミダゾール塩類などがあげられる。
縮合活性化剤として、過塩素酸イミダゾリウムは好ましい。
縮合活性化剤を用いる反応の反応温度としては、−10℃から溶媒の沸点で可能だが、特に0から40℃が好ましい。
一般式〔1〕で表される化合物を一般式〔3〕で表される化合物と縮合させてから酸化する際に用いられる酸化剤としては、通常亜リン酸の酸化に用いられるものなら限定されないが、過酸化水素水などの過酸化水素類、過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸などの過酸類、アセトン パーオキシド、2−ブタノン パーオキシドなどのケトン過酸化物類、t−ブチルヒドロパーオキシドなどのアルコール過酸化物類、パーオキシ硫酸カリウムなどの過硫酸類などがあげられる。
酸化剤として、2−ブタノン パーオキシドは好ましい。
前記の酸化剤は、安定性を保持する目的で、溶液として用いることができる。
溶液を調整する際に用いる溶媒としては、酸化剤を溶解し、酸化を阻害しない限り特に限定されないが、水、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルフタレートなどのエステル類などが好ましい。
酸化する際の反応温度としては、−10℃から溶媒の沸点で可能だが、特に0から40℃が好ましい。
酸化する際の反応溶媒としては、酸化反応に影響を与えない限り、限定されるものではないが、非プロトン性の溶媒が好ましく、特にアセトニトリル、ジクロロメタン、THFが好ましい。
一般式〔1〕で表される化合物を一般式〔4〕で表される化合物と縮合する際の縮合剤としては、塩化メタンスルフォニル、塩化トルエンスルフォニル、塩化2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフォニル、塩化メシチレン−2−スルフォニルなどの塩化スルフォニル類、1−トルエンスルフォニルテトラゾール、1−(メシチレンスルフォニル−2−スルフォニル)テトラゾール、1−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフォニル)テトラゾールなどのスルフォニルテトラゾール類、3−ニトロ−1−トルエンスルフォニル−1,2,4−トリアゾール、3−ニトロ−1−(メシチレンスルフォニル−2−スルフォニル)−1,2,4−トリアゾール、3−ニトロ−1−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフォニル)−1,2,4−トリアゾールなどのスルフォニルトリアゾール類などがあげられる。特に塩化トリイソプロピルベンゼンスルフォニルが好ましい。
縮合の際に塩基を共存させても良い。用いられる塩基としては、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ピリジン、ルチジン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−メチルベンズイミダゾールなどがあげられる。特にN−メチルイミダゾールが好ましい。
縮合する際の反応温度としては、−10℃から溶媒の沸点で可能だが、特に0から40℃が好ましい。
縮合の際には、水分の影響を少なくするために脱水剤を添加して行うこともできる。脱水剤としては、通常反応に用いられるものが使用できるが、特にモルキュラーシーブスが好ましい。
縮合する際には、通常、反応溶媒を用いる。反応溶媒としては、縮合に影響を与えない限り、限定されるものではないが、非プロトン性の溶媒が好ましく、特にアセトニトリル、ジクロロメタン、THFが好ましい。
一般式〔3〕および一般式〔4〕中のR基としては、通常用いられる水酸基の保護基であれば特に限定されないが、R基を脱保護する反応条件でRあるいはRの水酸基の保護基やR基が脱離しないような保護基を用いることが好ましい。
そのような保護基Rとしては、4,4’−ジメトキシトリチル基などのアラルキル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビス(トリメチルシロキシ)ジフェニルメトキシシリル基、およびビス(トリメチルシロキシ)シクロドデシルオキシシリル基などのシリル基が挙げられる。
これらの保護基のなかでも、4,4’−ジメトキシトリチル基は好ましい。
基を脱保護する際の反応条件は、使用するR基により異なる。
基がアラルキル基の場合には、酸を用いて脱保護するのが好ましい。そのような酸としては、硫酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、過塩素酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸などが使用できる。ジクロロ酢酸が好ましい。
基がシリル基の場合には、フルオリドを用いて脱保護するのが好ましい。そのようなフルオリドとしては、ピリジニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムフルオリド、フッ化カリウム、フッ化ナトリウムなどが使用できる。テトラブチルアンモニウムフルオリドが好ましい。
脱保護に用いられる酸は、一般式〔5〕で表わされる化合物の理論生成量に対して、通常、1から40当量となる量が用いられるが、10から30当量が好ましい。
前記のR基を脱保護する工程の反応には、通常、溶媒を用いる。溶媒としては、反応を阻害しない限り限定されないが、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、THF、1,4−ジオキサンなどが好ましい。
前記のR基を脱保護する工程の反応温度は、通常、−10℃から溶媒の沸点で可能だが、0℃から室温の範囲が好ましい。
一般式〔6〕で表される化合物の合成方法としては、特に限定されないが、例えば、下記反応式〔7〕に示したように、一般式〔5〕で表される化合物のR基が2−シアノエチル基の場合には、アリル基を脱保護した後に環化反応を行い、一般式〔5〕で表される化合物のR基がアリル基の場合には、2−シアノエチル基を脱保護した後に環化反応を行う方法があげられる。


2−シアノエチル基の脱保護反応に用いられる試薬は、特に限定されないが、例えば、アンモニアまたはアミン類を用いることができる。
アミン類としては、メチルアミン、エチルアミンなどの1級アミン類、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピペリジンなどの2級アミン類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、1−メチルピペリジンなどの3級アミンが例示される。
アンモニアまたはアミン類で脱保護する際の反応温度としては、−10℃から使用する溶媒の沸点で行うことが可能で、室温から70℃の間で行うことが好ましい。
アリル基の脱保護反応に用いられる試薬は、特に限定されないが、0価のパラジウム、2価のパラジウム錯体または2価のパラジウム塩を用いることができる。
0価のパラジウム、2価のパラジウム錯体または2価のパラジウム塩としては、特に限定されないが、例えば、パラジウム炭素、水酸化パラジウム炭素などのパラジウム担体類、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、ジクロロ(1,5−シクロオクタンジエン)パラジウムなどの酸パラジウム塩類、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルフォスフィン)パラジウムなどのリン錯体類、パラジウム2,4−ペンタンジオネート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム−クロロホルムなどのジケト錯体類などが好ましいものとして挙げられる。
0価のパラジウム、2価のパラジウム錯体または2価のパラジウム塩で脱保護する際の反応温度としては、−10℃から使用する溶媒の沸点で行うことが可能で、0℃から50℃の間で行うことが好ましい。
一般式〔5〕中のR基を脱離させずにアリル基または2−シアノエチル基を脱保護するに際して、一般式〔5〕中のRがアリル基であり、RまたはRが水酸基の保護基であり、BまたはBが保護された核酸塩基である場合には、R、R、BおよびBのいずれかの保護基は2−シアノエチル基を脱離する反応条件に対して安定であることが好ましい。また、一般式〔5〕中のRが2−シアノエチル基であり、RまたはRが水酸基の保護基であり、BまたはBが保護された核酸塩基である場合には、R、R、BおよびBのいずれかの保護基はアリル基を脱離する反応条件に対して安定なことが好ましい。
一般式〔5〕中のRが2−シアノエチル基である場合、一般式〔5〕中のRおよびRにおける水酸基の保護基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ジフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基、ベンゾイル基、トルオイル基などのアシル基類、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのシリル基、トリメチルシリルオキシメチル基、トリエチルシリルオキシメチル基、トリイソプロピルシリルオキシメチル基、t−ブチルジメチルシリルオキシメチル基などのシリルオキシメチル基、2−トリメチルシリルエチルオキシメチル基などのシリル基で置換されたアルコキシアルキル基、ジメトキシメチル基、ジエトキシメチル基、ビス(2−ヒドロキシエチルオキシ)メチル基あるいはビス(2−アセトキシエチルオキシ)メチル基などのオルトエステル基などが挙げられる。
一般式〔5〕中のRが2−シアノエチル基である場合、一般式〔5〕中のBおよびBの保護された核酸塩基の保護基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ジフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基、ベンゾイル基、トルオイル基などのアシル基類、ジメチルアミノメチレン基などのアミジン類などが挙げられる。
一般式〔5〕中のRがアリル基である場合、一般式〔5〕中のRおよびRにおける水酸基の保護基としては、例えば、アリル基、アリルオキシカルボニル基などのアリル基類、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのシリル基、トリメチルシリルオキシメチル基、トリエチルシリルオキシメチル基、トリイソプロピルシリルオキシメチル基、t−ブチルジメチルシリルオキシメチル基などのシリルオキシメチル基あるいは2−トリメチルシリルエチルオキシメチル基などのシリル基で置換されたアルコキシアルキル基などが挙げられる。
一般式〔5〕中のRがアリル基である場合、一般式〔5〕中のBおよびBの保護された核酸塩基の保護基としては、例えば、アリル基、アリルオキシカルボニル基などのアリル基類が挙げられる。
環化反応には、通常のリン酸エステルの合成方法を用いることができる。
環化反応に用いられる縮合剤としては、特に限定されないが、塩化メタンスルフォニル、塩化トルエンスルフォニル、塩化2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフォニル、塩化メシチレン−2−スルフォニルなどの塩化スルフォニル類、1−トルエンスルフォニルテトラゾール、1−(メシチレンスルフォニル−2−スルフォニル)テトラゾール、1−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフォニル)テトラゾールなどのスルフォニルテトラゾール類、3−ニトロ−1−トルエンスルフォニル−1,2,4−トリアゾール、3−ニトロ−1−(メシチレンスルフォニル−2−スルフォニル)−1,2,4−トリアゾール、3−ニトロ−1−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフォニル)−1,2,4−トリアゾールなどのスルフォニルトリアゾール類などがあげられる。特に塩化2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフォニルが好ましい。
環化反応は塩基の共存下に行うこともできる。環化反応に用いられる塩基としては、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ピリジン、ルチジン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−メチルベンズイミダゾールなどがあげられる。特にN−メチルイミダゾールが好ましい。
環化反応の反応温度としては、−10℃から溶媒の沸点で可能だが、特に10から40℃が好ましい。
環化反応は、水分の影響を少なくするために脱水剤を添加して行うこともできる。環化反応に用いられる脱水剤としては、通常反応に用いられるものが使用できるが、特にモルキュラーシーブスが好ましい。
環化反応には、通常、反応溶媒を用いる。反応溶媒としては、縮合に影響を与えない限り、限定されるものではないが、非プロトン性の溶媒が好ましく、特にアセトニトリル、ジクロロメタン、THFが好ましい。
一般式〔2〕で表される化合物の合成方法としては、特に限定されないが、例えば、下記反応式〔8〕に示したように、一般式〔6〕で表される化合物のB、B、R、RおよびRの保護基を所望により脱保護する方法があげられる。

各保護基を脱保護する順番については、一部の保護基が残存する段階で精製する必要がある場合や、脱保護する順番により化合物の安定性が異なる場合など、特に考慮する必要がある場合を除き、特に限定されない。工程数を削減する目的で、同じ反応条件を用いて複数の保護基を同時に脱保護することもできる。
一般式〔6〕で表される化合物のRで示される保護基としては、反応式〔5〕や〔6〕においてR基を脱離する反応条件や、一般式〔5〕で表される化合物を環化して一般式〔6〕で表される化合物を合成する反応条件に、一般式〔3〕、〔4〕、〔5〕および〔6〕で表される化合物のR基が安定なことが好ましい。さらに、一般式〔6〕で表される化合物から一般式〔2〕で表される化合物を合成する工程を短縮する目的で、一般式〔6〕で表される化合物におけるR、R、BあるいはBの保護基を脱保護する反応条件と同じ条件で脱離することができるような保護基を一般式〔6〕で表される化合物のR基として用いることが特に好ましい。このような保護基としては、アリル基もしくは2−シアノエチル基が好ましい。
一般式〔6〕で表される化合物のR、R、BあるいはBの保護基としては、前記の一般式〔5〕で表される化合物におけるR、R、BあるいはBと同様なものが好ましい。
例えば、一般式〔6〕中のRがアリル基である場合には、前記の0価のパラジウム、2価のパラジウム錯体または2価のパラジウム塩を用い、これらを用いる前記の反応条件でR、R、BあるいはBの脱保護とR基の脱離を同時に行うことができる。
このような一般式〔6〕で表される化合物のR、R、BおよびBの保護基としては、前記のアリル基類があげられる。
一般式〔6〕で表される化合物のRあるいはRにおける水酸基の保護基が、前記一般式〔5〕で表される化合物のRあるいはRにおけるシリル基類やシリル基で置換されたアルコキシアルキル類で、BあるいはBの保護基が前記のアリル基類の場合には、前記の0価のパラジウム、2価のパラジウム錯体または2価のパラジウム塩を用い、これらを用いる前記の反応条件でBあるいはBの脱保護とR基の脱離を同時に行った後に、RあるいはRの脱保護を、前記のフルオリドを用い、これらを用いる前記の反応条件で行うことができる。
また、一般式〔6〕中のRが2−シアノエチル基である場合には、前記のアンモニアまたはアミン類を用い、これらを用いる前記の反応条件でR、R、BあるいはBの脱保護とR基の脱離を同時に行うことができる。
このような一般式〔6〕で表される化合物のRあるいはRの保膜基としては、前記、一般式〔5〕で表される化合物のRあるいはRにおけるアシル基類があげられ、BおよびBの保護基としては、前記一般式〔5〕で表される化合物のBあるいはBにおけるアシル基類あるいはアミジン類があげられる。
一般式〔6〕で表される化合物のR、Rにおける水酸基の保護基が、前記シリル基類やシリル基で置換されたアルコキシアルキル類で、BおよびBの保護基が前記のアシル基類あるいはアミジン類の場合には、前記のアンモニアまたはアミン類を用い、これらを用いる前記の反応条件でBあるいはBの脱保護とR基の脱離を同時に行った後に、RあるいはRの脱保護を、前記のフルオリドを用い、これらを用いる前記の反応条件で行うことができる。
一般式〔6〕で表される化合物から一般式〔2〕で表される化合物を合成する際に、一般式〔6〕で表される化合物のB、B、R、Rの脱保護およびR基の脱離を行う反応条件としては、一般式〔2〕で表される化合物が安定な条件を用いるのが好ましい。
本発明の一般式〔1〕で表される化合物としては、例えば、N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)グアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−グアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)アデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−ベンゾイルアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)シチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−ベンゾイルシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシグアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(ジメチルアミノメチレン)−2’−デオキシグアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−ベンゾイル−2’−デオキシアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2−クロロアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−ベンゾイル−2’−デオキシ−2−クロロアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2−フルオロアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−ベンゾイル−2’−デオキシ−2−フルオロアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−ベンゾイル−2’−デオキシシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−5−フルオロシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−ベンゾイル−2’−デオキシ−5−フルオロシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−5−アザシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−ベンゾイル−2’−デオキシ−5−アザシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−5−フルオロウリジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−ベンゾイル−2’−デオキシ−5−フルオロウリジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシ−2’−フルオログアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(ジメチルアミノメチレン)−2’−デオキシ−2’−フルオログアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−ベンゾイル−2’デオキシ−2’−フルオロアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、N−ベンゾイル−2’−デオキシ−2’−フルオロシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)などが挙げられる。
本発明の一般式〔5〕で表される化合物としては、例えば、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)グアニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)グアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)アデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)グアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)グアニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)シチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)グアニルイル](3’→5’)[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)ウリジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)アデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)グアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)アデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)アデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)アデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)シチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−グアニルイル](3’→5’)[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−グアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−グアニルイル](3’→5’)[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−ベンゾイルアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−グアニルイル](3’→5’)[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−ベンゾイルシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−アセチルシチジン](3’→5’)[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−グアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−ベンゾイルアデノシン](3’→5’)[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−ベンゾイルアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−ベンゾイルシチジン](3’→5’)[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−ベンゾイルシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシグアニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−デオキシグアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシアデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシグアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシグアニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシグアニルイル](3’→5’)[2’−デオキシウリジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシアデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシグアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシアデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2−クロロアデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2−クロロアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2−フルオロアデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2−フルオロアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシアデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)グアニルイル](3’→5’)[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)グアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)−グアニルイル](3’→5’)[2’−デオキシ−N−ベンゾイルアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)−グアニルイル](3’→5’)[2’−デオキシ−N−ベンゾイルシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−アセチルシチジン](3’→5’)[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)−グアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−ベンゾイルアデノシン](3’→5’)[2’−デオキシ−N−ベンゾイルアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−ベンゾイルシチジン](3’→5’)[2’−デオキシ−N−ベンゾイルシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシ−2’−フルオログアニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−デオキシ−2’−フルオログアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロアデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシ−2’−フルオログアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシ−2’−フルオログアニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシ−2’−フルオログアニルイル](3’→5’)[2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロアデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシ−2’−フルオログアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロアデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロアデニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)−2’−フルオログアニルイル](3’→5’)[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)−2’−フルオログアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)−2’−フルオログアニルイル](3’→5’)[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−2’−フルオロアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)−2’−フルオログアニルイル](3’→5’)[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−2’−フルオロシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−アセチル−2’−フルオロシチジン](3’→5’)[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)−2’−フルオログアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−2’−フルオロアデノシン](3’→5’)[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−2’−フルオロアデノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)]、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−2’−フルオロシチジン](3’→5’)[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−2’−フルオロシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−5−フルオロシチジン](3’→5’)[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−5−フルオロシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、2−シアノエチル[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−5−アザシチジン](3’→5’)[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−5−アザシチジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、2−シアノエチル[2’−デオキシ−5−フルオロウリジン](3’→5’)[2’−デオキシ−5−フルオロウリジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)、2−シアノエチル[2’−デオキシ−5−トリフルオロメチルウリジン](3’→5’)[2’−デオキシ−5−トリフルオロメチルウリジン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)などが挙げられる。
本発明の一般式〔6〕で表される化合物としては、例えば、環状ビス(3’→5’)ビス[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)グアニル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)アデニル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)シチジル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)グアニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−アセチルシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−ベンゾイルシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−ベンゾイルアデニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)アデニル][N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)グアニル酸]ジアリルエステル、環状ビス(3’→5’)ビス[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)アデニル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)アデニリル][N−(アリルオキシカルボニル)−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)シチジル酸]ジアリルエステル、環状ビス(3’→5’)[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−アセチルシチジリル][2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)グアニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)グアニリル][2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−アセチルシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)ウリジリル][2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−ベンゾイルシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)グアニリル][2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−ベンゾイルアデニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシグアニル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシアデニル酸]ジアリルエステル、環状ビス(3’→5’)ビス[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシシチジル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)グアニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−アセチルシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−ベンゾイルシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−ベンゾイルアデニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−2−クロロアデニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−2−フルオロアデニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシアデニル][N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシグアニル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシアデニル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシアデニリル][N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシシチジル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)[2’−デオキシ−N−アセチルシチジリル][2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)グアニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)グアニリル][2’−デオキシ−N−アセチルシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)[2’−デオキシウリジリル][2’−デオキシ−N−ベンゾイルシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)グアニリル][2’−デオキシ−N−ベンゾイルアデニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシ−2’−フルオログアニル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロアデニル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロシチジル酸]ジアリルエステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)−2’−フルオログアニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−アセチル−2’−フルオロシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−2’−フルオロシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−アセチル−5−フルオロシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−5−フルオロシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−アセチル−5−アザシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−5−アザシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−5−フルオロウリジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−5−トリフルオロメチルウリジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[2’−デオキシ−N−ベンゾイル−2’−フルオロアデニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロアデニル][N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−デオキシ−2’−フルオログアニル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)ビス[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロアデニル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロアデニリル][N−(アリルオキシカルボニル)−2’−デオキシ−2’−フルオロシチジル酸]ジアリル エステル、環状ビス(3’→5’)[2’−デオキシ−N−アセチル−2’−フルオロシチジリル][2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)−2’−フルオログアニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)−2’−フルオログアニリル][2’−デオキシ−N−アセチル−2’−フルオロシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)[2’−デオキシ−2’−フルオロウリジリル][2’−デオキシ−N−ベンゾイル−2’−フルオロシチジル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル、環状ビス(3’→5’)[2’−デオキシ−N−(ジメチルアミノメチレン)−2’−フルオログアニリル][2’−デオキシ−N−ベンゾイル−2’−フルオロアデニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステルなどが挙げられる。
前記の一般式〔2〕で表される化合物、一般式〔5〕で表される化合物および一般式〔6〕で表される化合物は、それぞれの化合物の合成工程で得られる反応混合物から、公知の方法、例えば、カラムクロマトグラフィー手法や晶析手法等により分離し、回収することができる。
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【実施例1】
−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)グアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)(化合物〔8〕)の合成)

−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン3’−O−(アリルN,N−ジイソプロピルホスフォロアミダイト)(Org.Lett.2001,3,p815に記載の方法で合成した。)2.0g(2.0mmol)、モルキュラーシーブス3A 200mgの乾燥アセトニトリル溶液に2−シアノエタノール0.16mL(2.4mmol)を添加して30分間室温で攪拌後、過塩素酸イミダゾリウム0.67g(4.0mmol)を加えて30分間攪拌した。さらに2−ブタノン パーオキシドの1.0Mジメチルフタレート/トルエン溶液4mLを加えて5分間攪拌した。モルキュラーシーブス3Aをろ去後、酢酸エチルを加えて飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄、乾燥して減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン20mLに溶解し、氷冷攪拌下にジクロロ酢酸3.3mL(40mmol)を滴下して5分間攪拌した。反応溶液を飽和重曹水100mLに滴下し、有機層を分液後、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル40g、ヘキサン:酢酸エチル(1:1)〜ヘキサン:酢酸エチル:メタノール(10:10:1)で精製し、表題化合物1.38gを無色アモルファスとして得た。収率95%。
IR(CHCl):cm−13420,3048,2305,1757,1607,1524,1462,1412,1294,1190,1038,756;H NMR(CDCl)δ−0.27(s,3H),−0.03(s,3H),0.74(s,9H),2.94(t,J=6.0Hz,2H),3.85−3.97(m,2H),4.30−4.43(m,3H),4.70(m,4H),5.00(m,1H),5.08−5.10(m,2H),5.24−5.52(m,7H),6.00−6.20(m,4H),8.39(s,1H);31P NMR(CDOD)δ−4.69,−4.54.
【実施例2】
アリル[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)グアニルイル](3’→5’)[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)グアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)](化合物〔9〕)の合成

−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン3’−O−(アリルN,N−ジイソプロピルホスフォロアミダイト)1.6g(1.6mmol)、化合物〔8〕1.1g(1.6mmol)、モルキュラーシーブス3A 0.2gの乾燥アセトニトリル溶液15mLを室温で30分間攪拌後、過塩素酸イミダゾリウム0.54g(3.2mmol)を加えて30分間攪拌した。さらに2−ブタノン パーオキシドの1.0Mジメチルフタレート/トルエン溶液3.2mLを加えて5分間攪拌した。モルキュラーシーブス3Aをろ去後、減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン20mLに溶解し、氷冷攪拌下にジクロロ酢酸3.3mL(40mmol)を滴下して5分間攪拌した。反応溶液を飽和重曹水100mLに滴下し、有機層を分液後、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル40g、ヘキサン:酢酸エチル(1:1)〜ヘキサン:酢酸エチル:メタノール(20:20:1)で精製し、表題化合物1.95g(ジアステレオマー混合物)を無色アモルファスとして得た。収率94%。
H NMR(CDCl)δ−0.36−0.03(m,12H),−0.68−0.77(m,18H),1.78(brs,1H),2.79−2.81(m,2H),3.79−3.96(m,4H),4.30−4.36(m,4H),4.48−4.71(m,14H),4.99−5.50(m,14H),5.75−6.19(m,8H),7.26−8.67(m,4H);31P NMR(CDOD)δ−1.32,−1.24,−1.11,−1.05,−0.88,−0.81;HRMS(MALDI)calcd for C55831119Si(M+H)1318.4797,found 1318.5267.
【実施例3】
環状ビス(3’−5’)ビス[N−(アリルオキシカルボニル)−O−アリル−2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)グアニル酸]ジアリルエステル(化合物〔10〕:ジアステレオマー〔10a〕および〔10b〕の混合物)の合成

化合物〔9〕0.66g(0.5mmol)のメタノール10mL溶液に28%アンモニア水1mLを滴下し、室温で30分間攪拌した。減圧濃縮後、さらにトルエン20mLを加えて減圧濃縮(3回)した。残渣をTHF100mLに溶解し、モルキュラーシーブス4Aを加えて脱水後、N−メチルイミダゾール0.08mL(1.0mmol)および塩化トリイソプロピルベンゼンスルホニル0.3g(1.0mmol)を加えて室温で20時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得た残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル40g、ヘキサン:酢酸エチル(2:1)〜ヘキサン:酢酸エチル:メタノール(30:30:1)で精製し、表題化合物0.47g(ジアステレオマー〔10a〕270mgおよび〔10b〕200mg)を無色アモルファスとして得た。収率75%。
〔10a〕H NMR(CDCl)δ−0.31,−0.21,−0.03,0.04(4s’s,12H),0.76(s,18H),4.03−4.09(m,2H),4.26−4.34(m,2H),4.54−4.69(m,8H),4.74−5.86(m,4H),4.97−5.15(m,6H),5.21−5.52(m,12H),5.64−5.68(m,1H),5.74−5.82(m,3H),5.94−6.01(m,4H),6.08−6.18(m,2H),7.53(s,1H),7.78(s,1H),7.81(s,1H),8.03(s,1H);31P NMR(CDCl)δ−2.31,1.91;HRMS(ESI)calcd for C52771018Si(M+H)1247.4426,found 1247.4496.
〔10b〕H NMR(CDCl)δ−0.22,−0.08(2s’s,12H),0.74(s,18H),4.07(m,2H),4.48−4.51(m,2H),4.65−4.68(m,8H),4.96(q,J=11Hz,2H),5.03−5.13(m,4H),5.19−5.58(m,16H),5.77(d,J=7.0Hz,1H),5.93−5.97(m,4H),6.11−6.17(m,2H),7.78(s,2H),7.85(s,2H);31P NMR(CDCl)δ1.50;HRMS(ESI)calcd for C52771018Si(M+H)1247.4426,found 1247.4435.
【実施例4】
環状ビス(3’→5’)ジグアニル酸(化合物〔11〕)の合成

化合物〔10〕50mg(0.04mmol)のTHF溶液1.6mLにトリフェニルフォスフィン16mg(0.060mmol)、n−ブチルアミン0.049mL(0.48mmol)、ギ酸0.018mL(0.48mmol)およびPd[(CCH=CH)CO]・CHCl 12mg(0.012mmol)を添加し、室温で10分間攪拌した。酢酸エチル10mLを加えて得た析出物をろ取し、減圧乾燥した。得られた白色粉末にトリエチルアミン/3HF錯体0.3mLを加え、室温で12時間攪拌した。反応液30μLを0.1M NaHPO水溶液40μLと重水500μLに溶解し、31P NMRを測定したところ、反応収率77%であった。測定後、反応液と合わせ、1mM酢酸アンモニウム水溶液1mLを加えて30〜40℃で攪拌した。析出物を遠心分離し、HPLCで精製して表題化合物12mgを得た。収率40%。
[HPLC条件]
カラム:COSMOSIL 5C18−AR−300(25φ×200mm)
溶離液:A液、1mM酢酸アンモニア水溶液;B液、0.2mM酢酸アンモニア/水−アセトニトリル(20:80)溶液
グラジェント条件:
時間(分)0 8 55 63
B% 0 0 60 100
検出波長:254nm、流速:10mL/分
UV(50mM NHOAc)λ254nm(ε23,700);H NMR(DO)δ4.04−4.06(m,2H),4.38−4.44(m,4H),5.08(s,2H),5.33(s,2H),6.12(s,2H),8.25(s,2H);13C NMR(DO)δ62.8,70.9,73.7,80.8,90.6,116.4,136.9(weak),150.4(weak),154.1,157.8;31P NMR(DO)δ−0.86;HRMS(ESI)calcd for C20231018(M−H)689.0876,found 689.0853.
参考例1
2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−3’,5’−O−(ジ−t−ブチルシリル)グアノシン(化合物〔12〕)の合成

2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3’,5’−O−(ジ−t−ブチルシリル)グアノシン(Tetrahedron.Lett.2002,43,p1983に記載の方法で合成した。)14.3g(25mmol)のメタノール溶液150mLに、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルエーテル11.9g(13.3mL,100mol)を加えて50℃で5時間攪拌した。冷却後に析出物を濾取し、冷メタノールで洗浄後、減圧乾燥して表題化合物14.5gを白色粉末として得た。収率98%。
H NMR(CDCl)δ0.14(s,6H),0.93(s,9H),1.05(s,9H),1.07(s,9H),3.13(s,3H),3.34(s,3H),4.00−4.06(m,1H),4.18−4.21(m,2H),4.42(d,J=3.6Hz,1H),4.49−4.52(m,1H),5.93(s,1H),7.60(s,1h),8.59(s,1H).
参考例2
2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン(化合物〔13〕)の合成

2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−3’,5’−O−(ジ−t−ブチルシリル)グアノシン(化合物〔12〕)14.8g(25mmol)のジクロロメタン100mL溶液に、氷冷下、冷HF−ピリジン2.0mL(100mmol)のピリジン12mL溶液を添加し、2時間攪拌した。反応液を水および飽和重曹水で洗浄後、減圧濃縮した。残渣をピリジン50mLに溶解し、塩化4,4’−ジメトキシトリチル9.3g(27.5mmol)を加えて12時間攪拌した。メタノール5mLを加えて濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、水、飽和重曹水、および飽和食塩水で洗浄した。有機層をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル400g)で精製し、表題化合物16gを無色アモルファスとして得た。収率86%。
H NMR(CDCl)δ−0.13(s,3H),0.01(s,3H),0.83(s,9H),2.80(d,J=3.7Hz,2H),3.02(s,3H),3.07(s,3H),3.35(dd,J=4.0,10.5Hz,2H),3.77(s,6H),4.20(q,J=3.5Hz,1H),4.30(q,J=3.5Hz,1H),4.69(t,J=5.5Hz,1H),5.97(d,J=6.0Hz,1H),6.80−6.82(m,4H),7.18−7.32(m,13H),7.41−7.43(m,2H),7.80(s,1H),8.51(s,1H),9.46(s,1H).
参考例3
2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン3’−O−(2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルホスフォロアミダイト)(化合物〔14〕)の合成

2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン(化合物〔13〕)3.8g(5mmol)、2,4,6−コリジン4.4g(4.8mL,36mmol)、およびN−メチルイミダゾール205mg(0.2mL,2.5mmol)のTHF25mL溶液に、氷冷下、2−シアノエチルN,N−ジイソプロピル クロロホスフォロアミダイト3.0g(12.5mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。酢酸エチルを加え、水、飽和重曹水、および飽和食塩水で洗浄後、減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン20mLに溶解し、ヘキサン1Lに滴下した。性既出物を濾取し、減圧乾燥して表題化合物3.7g(純度:約90%)を白色粉末として得た。収率78%。
H NMR(CDCl)δ−0.13,−0.10,0.02,0.03(4s,6H),0.81,0.82(2s,9H),1.16−1.30(m,12H),2.24−2.39(m,2H),2.95,3.07,3.08,3.09(4s,6H),3.24−3.28(m,1H),3.53−3.64(m,4H),3.78,3.79,3.80,3.81(4s,6H),4.27−4.39(m,2H),4.67−4.74(m,1H),5.97,6.04(2d,J=6.4Hz,1H),6.71−6.85(m,4H),7.21−7.48(m,13H),7.85,7.88(2s,1H),8.50,8.58(s,1H),8.67,8.69(2s,1H);31H NMR(CDCl)δ148.88,150.02.
【実施例5】
2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−グアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)(化合物〔15〕)の合成

2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン3’−O−(2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルホスフォロアミダイト)(化合物〔14〕)3.82g(4.0mmol)、モルキュラーシーブス3A 200mgの乾燥アセトニトリル(16mL)溶液にアリルアルコール0.33mL(279mg,4.8mmol)を添加して30分間室温で攪拌後、過塩素酸イミダゾリウム1.35g(8.0mmol)を加えて30分間攪拌した。さらに2−ブタノン パーオキシド/ジメチルフタレートの6.7%トルエン溶液8mLを加えて5分間攪拌した。モルキュラーシーブス3Aをろ去後、酢酸エチルを加えて飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄、乾燥して減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン30mLに溶解し、氷冷攪拌下にジクロロ酢酸6.6mL(10.4g,80mmol)を滴下して5分間攪拌した。反応溶液を飽和重曹水100mLに滴下し、有機層を分液後、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィー〔シリカゲル100g、メタノール:ジクロロメタン(1:20)〜(1:10)〕で精製し、表題化合物2.15gを無色アモルファスとして得た。収率86%。
H NMR(CDCl)δ−0.27,−0.23(2s,3H),−0.09(s,3H),0.78,0.79(2s,9H),2.80(t,J=6.0Hz,2H),3.12(s,3H),3.19(s,3H),3.76(q,J=11.6Hz,1H),3.88−3.91(m,1H),4.27−4.35(m,2H),4.46−4.48(m,1H),4.63−4.67(m,2H),4.97(m,1H),5.08−5.17(m,1H),5.31−5.37(m,1H),5.41−5.45(m,1H),5.69−5.72(m,1H),5.95−6.03(m,1H),7.63(s,1H),8.40(s,1H),9.37(br,1H);31H NMR(CDCl)δ−2.34;HRMS(ESI)calcd for C2540PSi(M+H)m/z 626.2518,found m/z 626.2628.
【実施例6】
2−シアノエチル[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)グアニルイル](3’→5’)[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)グアノシン3’−O−(アリル2−シアノエチルホスフェート)](化合物〔16〕)の合成

2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)グアノシン3’−O−(2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルホスフォロアミダイト)1.7g(1.6mmol)、化合物〔15〕0.98g(1.6mmol)、モルキュラーシーブス3A 0.2gの乾燥アセトニトリル溶液10mLを室温で30分間攪拌後、過塩素酸イミダゾリウム0.54g(3.2mmol)を加えて30分間攪拌した。さらに2−ブタノン パーオキシド/ジメチルフタレートの6.7%トルエン溶液3.2mLを加えて5分間攪拌した。モルキュラーシーブス3Aをろ去後、減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン20mLに溶解し、氷冷攪拌下にジクロロ酢酸3.3mL(5.2g,40mmol)を滴下して5分間攪拌した。反応溶液を飽和重曹水100mLに滴下し、有機層を分液後、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル50g、メタノール:ジクロロメタン(1:20)〜(1:10)で精製し、表題化合物1.53g(ジアステレオマー混合物)を無色アモルファスとして得た。収率82%。
H NMR(CDCl)δ−0.26−0.03(m,12H),−0.74−0.96(m,18H),2.72−2.80(m,4H),3.09,3.11,3.22(4s,12H),3.70−3.81(m,2H),4.17−4.64(m,11H),4.88−5.25(m,4H),5.31−5.44(m,2H),5.73−6.00(m,3H),7.51−7.82(m,4H),8.37(s,1H),8.61(s,1H),9.24(br,2H);31P NMR(CDCl)δ−1.78,−1.72,−1.45,−1.32,−1.04,−0.83;HRMS(ESI)calcd for C47741415Si(M+H)1193.4545,found 1193.5971.
【実施例7】
環状ビス(3’→5’)ビス[2’−O−(t−ブチルジメチルシリル)−N−(ジメチルアミノメチレン)グアニル酸]ビス(2−シアノエチル)エステル(化合物〔17〕)の合成

化合物〔16〕848mg(0.71mmol)のアセトン10mL溶液に沃化ナトリウム1.06g(7.1mmol)を加えて2時間加熱還流した。析出物を濾取し、冷アセトン50mLで洗浄し、乾燥した。得られた粉末をTHFに懸濁し、N−メチルイミダゾール0.11mL(115mg,1.4mmol)および塩化トリイソプロピルベンゼンスルホニル424mg(1.0mmol)を加えて室温で36時間攪拌した。反応液に水を添加して1時間攪拌後、酢酸エチルで抽出した。減圧濃縮して得た残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル50g、メタノール:ジクロロメタン(1:20)〜(1:10)で精製し、表題化合物676mgを無色アモルファスとして得た。収率85%。
H NMR(CDOD)δ−0.14(s,6H),0.09(s,6H),0.76(s,18H),2.95(t,J=6.0Hz,4H),3.14(s,6H),4.13−4.21(m,2H),4.35−4.68(m,10H),5.36,5.38(2d,J=5.0Hz,2H),5.31−5.44(m,2h),5.91−5.96(m,4H),7.08(s,2H),7.94(s,2H),8.69(s,2H);31P NMR(CDOD)δ1.02;HRMS(ESI)calcd for C44691414Si(M+H)1135.4126,found 1135.4455.
【実施例8】
環状ビス(3’→5’)ジグアニル酸(化合物〔11〕)の合成

化合物〔17〕116mg(0.1mmol)のメタノール溶液8mLにアンモニア水8mLを添加し、50℃で12時間攪拌した。反応液を濃縮し、減圧乾燥した。得られた残渣にトリエチルアミン/3HF錯体1.0mLを加え、室温で12時間攪拌した。反応液に1M 酢酸アンモニア緩衝液10mLを加えて30〜40℃で攪拌した。析出物を除去し、得られた溶液をHPLCで精製して表題化合物67mgを得た。収率89%。
[HPLC条件]
カラム:COSMOSIL 5C18−AR−300(25φ×200mm)
溶離液:A液、1mM酢酸アンモニア水溶液;B液、0.2mM酢酸アンモニア/水−アセトニトリル(20:80)溶液
グラジェント条件:
時間(分)0 8 55 63
B% 0 0 60 100
検出波長:254nm、流速:10mL/分
【産業上の利用可能性】
本発明の合成方法は、環状ビス(3’→5’)ジヌクレオチドを収率良く合成でき、工業的製法として有用である。また、本発明の合成方法で得られる環状ビス(3’→5’)ジヌクレオチドは、抗がん剤などの医薬品として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式〔1〕

(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基あるいは水酸基の保護基で置換されたヒドロキシル基を表し、Bは保護されていても良い核酸塩基を表す。)で表される化合物から、一般式〔2〕

(式中、RおよびRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基またはヒドロキシル基を表し、BおよびBは各々独立して核酸塩基を表す。)で表される化合物またはその塩を合成する方法。
【請求項2】
一般式〔3〕

(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基または水酸基の保護基で置換されたヒドロキシル基を表し、Bは保護されていても良い核酸塩基を表し、Rはアリル基または2−シアノエチル基を表し、Rは水酸基の保護基を表し、RおよびRは各々独立して炭素数1から4のアルキル基を表すか、またはRおよびRが結合して窒素原子を含む環を形成しても良い。)で表される化合物あるいは一般式〔4〕

(式中、R、R、RおよびBは、前記一般式〔3〕中のR、R、RおよびBと同義である。)で表される化合物と、一般式〔1〕

(式中、RおよびBは、前記請求の範囲1における一般式〔1〕中のRおよびBと同義である。)で表される化合物から、一般式〔2〕

(式中、R、R、BおよびBは、前記請求の範囲1における一般式〔2〕中のR、R、BおよびBと同義である。)で表される化合物またはその塩を合成する方法。
【請求項3】
合成中間体が、一般式〔5〕

(式中、RおよびRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基または水酸基の保護基で置換されたヒドロキシル基を表し、BおよびBは各々独立して保護されていても良い核酸塩基を表し、Rはアリル基または2−シアノエチル基である。)で表される化合物である、請求の範囲1または2のいずれかに記載の合成方法。
【請求項4】
合成中間体が、一般式〔6〕

(式中、R、R、R、BおよびBは、前記請求の範囲における一般式〔5〕中のR、R、R、BおよびBと同義である。)で表される化合物である、請求の範囲1または2のいずれかに記載の合成方法。
【請求項5】
一般式〔1〕において、Rが水素原子、フッ素原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基またはt−ブチルジメチルシリルオキシ基であり、一般式〔2〕において、RおよびRが各々独立して水素原子、フッ素原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基またはヒドロキシル基である、請求の範囲1に記載の合成方法。
【請求項6】
一般式〔1〕、〔3〕および〔4〕において、RおよびRが各々独立して水素原子、フッ素原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基またはt−ブチルジメチルシリルオキシ基であり、一般式〔2〕において、RおよびRが各々独立して水素原子、フッ素原子、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基またはヒドロキシル基である、請求の範囲2に記載の合成方法。
【請求項7】
一般式〔1〕

(式中、Rは、前記請求の範囲1における一般式〔1〕中のRと同義であり、Bは保護されていても良い核酸塩基を表す。)で表される化合物。
【請求項8】
一般式〔5〕

(式中、R、R、R、BおよびBは、前記請求の範囲3における一般式〔5〕中のR、R、R、BおよびBと同義である。)で表される化合物。
【請求項9】
一般式〔6〕

(式中、R、R、R、BおよびBは、前記請求の範囲4における一般式〔6〕中のR、R、R、BおよびBと同義である。)で表される化合物。

【国際公開番号】WO2005/005450
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【発行日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511466(P2005−511466)
【国際出願番号】PCT/JP2004/007000
【国際出願日】平成16年5月17日(2004.5.17)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】