説明

生体内画像取得装置、生体内画像受信装置、生体内画像表示装置およびノイズ除去方法

【課題】画像情報中の固定パターンノイズの除去に必要な黒画像を確実に得ること。
【解決手段】黒画像取得動作のタイミングでは、照明部120が照明動作を行わない状態で撮像部110が撮像動作を行い、被検体1内部を非照明状態で撮像した画像情報を取得する。そして、信号処理部130が、本黒画像取得動作によって取得された画像情報に基づいて送信信号を生成する一方で、黒画像画素値平均部137が、取得された画像情報の画素値の平均値を算出する。そして、黒画像判定部139が、この画像情報が黒画像か否かを判定し、情報付加部141が、判定結果に応じた画像識別情報を生成して送信信号生成部135が生成した送信信号に付加させる。そして、送信部150は、生成した送信信号を体外に無線送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体内部に導入されて当該被検体内部の画像情報を取得する生体内画像取得装置、生体内画像取得装置において取得された画像情報を受信する生体内画像受信装置、生体内画像取得装置において取得された画像情報を表示する生体内画像表示装置、および被検体内部の画像情報中の固定パターンノイズを除去するノイズ除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡の分野において、被検体内部の画像情報を取得する撮像部や、撮像部による撮像部位を照明する照明部、撮像部によって取得された画像情報を無線送信する送信部等がカプセル形状のケース内に収容されて構成された、飲込み型のカプセル型内視鏡が提案されている。このカプセル型内視鏡は、被検体である患者の口から飲込まれて被検体内部に導入される。そして、自然排出されるまでの間、体腔内をその蠕動運動に従って移動しながら体腔内の画像を順次撮像し、取得した画像情報を体外に無線送信する。
【0003】
被検体内部の撮像には、CMOSやCCD等のイメージセンサが用いられるが、これらのイメージセンサでは、各画素の出力特性のばらつき等によって固定パターンノイズが発生する。特に、CMOSイメージセンサは、CCDに比べて固定パターンノイズが発生し易い。この固定パターンノイズを除去するため、デジタルカメラ等のシャッタ機構を備えたものにおいては、予めシャッタ機構を閉じた状態で露光を行うことによって固定パターンノイズを含んだ黒画像を取得しておき、実際に撮影された被写体の画像から固定パターンノイズを差し引く処理が行われている。一方、カプセル型内視鏡においては、シャッタ機構を具備しないため、照明部による照明を行わない状態で撮像部が撮像を行うことによって黒画像を取得し、固定パターンノイズを検出するように構成していた(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−20778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、照明部による照明を行わない状態で撮像部が撮像を行うだけでは、例えば被検体内部に導入される前に撮像された画像を黒画像として認識してしまう等、適切な黒画像が得られない場合があった。このため、取得された被検体内部の画像情報中の固定パターンノイズを適正に除去することができない場合があるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑み為されたものであり、画像情報中の固定パターンノイズの除去に必要な黒画像を確実に得ることができる生体内画像取得装置、生体内画像受信装置、生体内画像表示装置およびノイズ除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る生体内画像取得装置は、被検体内部に導入され、当該被検体内部の画像情報を取得する撮像手段と、前記撮像手段による撮像部位を照明する照明手段と、前記撮像手段によって取得された画像情報を外部装置に無線送信する無線送信手段と、を備えた生体内画像取得装置であって、前記撮像手段および前記照明手段の動作を制御し、前記照明手段が照明動作を行わない状態で前記撮像手段が撮像動作を行う黒画像取得動作を制御する動作制御手段と、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報のうち、所定の判定領域の画素値の平均値を算出する平均値算出手段と、前記平均値算出手段によって算出された平均値と予め設定された閾値とを比較して、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報が黒画像か否かを判定する黒画像判定手段と、を備え、前記無線送信手段は、前記黒画像判定手段により黒画像と判定された画像情報を黒画像情報として前記外部装置に無線送信することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る生体内画像取得装置は、上記の発明において、前記平均値算出手段は、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報の全域を前記判定領域として画素値の平均値を算出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る生体内画像取得装置は、上記の発明において、前記撮像手段によって取得された画像情報から、予め設定された所定の調光領域の明るさに応じて、前記照明手段からの照明光の発光量を調整する制御を行う調光制御手段を備え、前記平均値算出手段は、前記調光領域を前記判定領域とし、前記調光領域に含まれる画素値の平均値を算出することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る生体内画像取得装置は、上記の発明において、前記平均値算出手段は、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素の画素値の単純平均値を算出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る生体内画像取得装置は、上記の発明において、前記平均値算出手段は、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素のRGB値の加重平均値を算出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る生体内画像取得装置は、上記の発明において、前記平均値算出手段は、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素の所定の色成分の平均値を算出することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る生体内画像取得装置は、被検体内部に導入され、当該被検体内部の画像情報を取得する撮像手段と、前記撮像手段による撮像部位を照明する照明手段と、前記撮像手段によって取得された画像情報を外部装置に無線送信する無線送信手段と、を備えた生体内画像取得装置であって、前記撮像手段および前記照明手段の動作を制御し、前記照明手段が照明動作を行わない状態で前記撮像手段が撮像動作を行う黒画像取得動作を制御する動作制御手段と、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報のうち、所定の判定領域を構成する各画素の画素値のピーク値を検出するピーク値検出手段と、前記ピーク値検出手段によって検出されたピーク値と予め設定された閾値とを比較して、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報が黒画像か否かを判定する黒画像判定手段と、を備え、前記無線送信手段は、前記黒画像判定手段により黒画像と判定された画像情報を黒画像情報として前記外部装置に無線送信することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る生体内画像取得装置は、上記の発明において、前記撮像手段によって取得された画像情報の画素欠陥を検出して補正する画素欠陥補正手段を備え、前記ピーク値検出手段は、前記画素欠陥補正手段によって補正された画像情報に基づいて、ピーク値の検出を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る生体内画像受信装置は、被検体内部に導入され、当該被検体内部の画像情報を照明状態または非照明状態で取得する生体内画像取得装置から、前記画像情報を受信する受信装置であって、前記生体内画像取得装置において非照明状態で取得された画像情報のうち、所定の判定領域の画素値の平均値を算出する平均値算出手段と、前記平均値算出手段によって算出された平均値と予め設定された閾値とを比較して、前記非照明状態で取得された画像情報が黒画像か否かを判定する黒画像判定手段と、前記黒画像判定手段により黒画像と判定された画像情報を黒画像情報として記憶する黒画像記憶手段と、前記黒画像記憶手段に記憶された黒画像情報に基づいて、前記生体内画像取得装置において照明状態で取得された画像情報中の固定パターンノイズを除去し、当該画像情報を補正する画像補正手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る生体内画像受信装置は、上記の発明において、前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報の全域を前記判定領域として画素値の平均値を算出することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る生体内画像受信装置は、上記の発明において、前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素の画素値の単純平均値を算出することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る生体内画像受信装置は、上記の発明において、前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素のRGB値の加重平均値を算出することを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る生体内画像受信装置は、上記の発明において、前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素の所定の色成分の平均値を算出することを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る生体内画像受信装置は、被検体内部に導入され、当該被検体内部の画像情報を照明状態または非照明状態で取得する生体内画像取得装置から前記画像情報を受信する受信装置であって、前記生体内画像取得装置において非照明状態で取得された画像情報のうち、所定の判定領域を構成する各画素の画素値のピーク値を検出するピーク値検出手段と、前記ピーク値検出手段によって検出されたピーク値と予め設定された閾値とを比較して、前記非照明状態で取得された画像情報が黒画像か否かを判定する黒画像判定手段と、前記黒画像判定手段により黒画像と判定された画像情報を黒画像情報として記憶する黒画像記憶手段と、前記黒画像記憶手段に記憶された黒画像情報に基づいて、前記生体内画像取得装置において照明状態で取得された画像情報中の固定パターンノイズを除去し、当該画像情報を補正する画像補正手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る生体内画像受信装置は、上記の発明において、前記生体内画像取得装置において照明状態または非照明状態で取得された画像情報の画素欠陥を検出して補正する画素欠陥補正手段を備え、前記ピーク値検出手段は、前記画素欠陥補正手段によって補正された画像情報に基づいて、ピーク値の検出を行うことを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る生体内画像表示装置は、被検体内部に導入され、当該被検体内部の画像情報を照明状態または非照明状態で取得する生体内画像取得装置において取得された画像情報を表示する生体内画像表示装置であって、前記生体内画像取得装置において非照明状態で取得された画像情報のうち、所定の判定領域の画素値の平均値を算出する平均値算出手段と、前記平均値算出手段によって算出された平均値と予め設定された閾値とを比較して、前記非照明状態で取得された画像情報が黒画像か否かを判定する黒画像判定手段と、前記黒画像判定手段により黒画像と判定された画像情報を黒画像情報として記憶する黒画像記憶手段と、前記黒画像記憶手段に記憶された黒画像情報に基づいて、前記生体内画像取得装置において照明状態で取得された画像情報中の固定パターンノイズを除去し、当該画像情報を補正する画像補正手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る生体内画像表示装置は、上記の発明において、前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報の全域を前記判定領域として画素値の平均値を算出することを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係る生体内画像表示装置は、上記の発明において、前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素の画素値の単純平均値を算出することを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係る生体内画像表示装置は、上記の発明において、前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素のRGB値の加重平均値を算出することを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係る生体内画像表示装置は、上記の発明において、前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素の所定の色成分の平均値を算出することを特徴とする。
【0027】
また、本発明に係る生体内画像表示装置は、被検体内部に導入され、当該被検体内部の画像情報を照明状態または非照明状態で取得する生体内画像取得装置において取得された画像情報を表示する生体内画像表示装置であって、前記生体内画像取得装置において非照明状態で取得された画像情報のうち、所定の判定領域を構成する各画素の画素値のピーク値を検出するピーク値算出手段と、前記ピーク値検出手段によって検出されたピーク値と予め設定された閾値とを比較して、前記非照明状態で取得された画像情報が黒画像か否かを判定する黒画像判定手段と、前記黒画像判定手段により黒画像と判定された画像情報を黒画像情報として記憶する黒画像記憶手段と、前記黒画像記憶手段に記憶された黒画像情報に基づいて、前記生体内画像取得装置において照明状態で取得された画像情報中の固定パターンノイズを除去し、当該画像情報を補正する画像補正手段と、を備えることを特徴とする。
【0028】
また、本発明に係る生体内画像表示装置は、上記の発明において、前記生体内画像取得装置において照明状態または非照明状態で取得された画像情報の画素欠陥を検出して補正する画素欠陥補正手段を備え、前記ピーク値検出手段は、前記画素欠陥補正手段によって補正された画像情報に基づいて、ピーク値の検出を行うことを特徴とする。
【0029】
また、本発明に係るノイズ除去方法は、被検体内部を撮像した画像情報中の固定パターンノイズを除去するノイズ除去方法であって、前記被検体内部の画像情報を非照明状態で取得する第1の取得ステップと、前記非照明状態で取得された画像情報のうち、所定の判定領域の画素値の平均値を算出する算出ステップと、前記算出された平均値と予め設定された閾値とを比較して、前記非照明状態で取得された画像情報が黒画像か否かを判定する判定ステップと、前記被検体内部の画像情報を照明状態で取得する第2の取得ステップと、前記判定ステップにおいて黒画像と判定された画像情報に基づいて、前記照明状態で取得された画像情報中の固定パターンノイズを除去し、当該画像情報を補正する補正ステップと、を含むことを特徴とする。
【0030】
また、本発明に係るノイズ除去方法は、被検体内部を撮像した画像情報中の固定パターンノイズを除去するノイズ除去方法であって、前記被検体内部の画像情報を非照明状態で取得する第1の取得ステップと、前記非照明状態で取得された画像情報のうち、所定の判定領域を構成する各画素の画素値のピーク値を検出する検出ステップと、前記検出されたピーク値と予め設定された閾値とを比較して、前記非照明状態で取得された画像情報が黒画像か否かを判定する判定ステップと、前記被検体内部の画像情報を照明状態で取得する第2の取得ステップと、前記判定ステップにおいて黒画像と判定された画像情報に基づいて、前記照明状態で取得された画像情報中の固定パターンノイズを除去し、当該画像情報を補正する補正ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、非照明状態で取得された画像情報の画素値の平均値を算出し、算出された平均値と予め設定された閾値とを比較することによって、当該画像情報が黒画像か否かを判定することができる。或いは、非照明状態で取得された画像情報を構成する各画素の画素値のピーク値を検出し、検出されたピーク値と予め設定された閾値とを比較することによって、前記画像情報が黒画像か否かを判定することができる。したがって、照明状態で取得される画像情報中の固定パターンノイズを除去するための黒画像を確実に得ることができる。これによれば、黒画像と判定された画像情報に基づいて、照明状態で取得された画像情報中の固定パターンノイズを適正に除去し、当該画像情報に対して適切な画像補正を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る生体内画像取得システムの全体構成を示す模式図である。図1に示すように、生体内画像取得システムは、被検体1内部の画像情報(生体内画像情報)を取得する生体内画像取得装置であるカプセル型内視鏡10と、カプセル型内視鏡10から無線送信される画像情報を受信する生体内画像受信装置である受信装置30と、受信装置30により受信される画像情報に基づいて、カプセル型内視鏡10によって取得された画像情報を表示する生体内画像表示装置である表示装置70とを備える。受信装置30と表示装置70との間の画像情報の受け渡しには、例えば可搬型の記録媒体(可搬型記録媒体)50が使用される。
【0034】
カプセル型内視鏡10は、撮像機能と無線機能とを具備するものであって、被検体1の口から飲み込まれて被検体1内部に導入され、体腔内を移動しながら逐次体腔内の画像情報を取得する。そして、取得した画像情報を体外に無線送信する。
【0035】
受信装置30は、複数の受信用アンテナA1〜Anを備え、各受信用アンテナA1〜Anを介してカプセル型内視鏡10から無線送信される画像情報を受信する。この受信装置30は、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の記録メディアである可搬型記録媒体50の着脱が自在に構成されており、受信した画像情報を可搬型記録媒体50に順次保存する。このようにして、受信装置30は、カプセル型内視鏡10が取得した被検体1内部の画像情報を時系列順に可搬型記録媒体50に蓄積する。
【0036】
受信アンテナA1〜Anは、例えばループアンテナで構成され、図1に示すように、被検体1の体表上の所定位置に分散配置される。具体的には、例えば、被検体1内におけるカプセル型内視鏡10の通過経路に対応する位置に分散配置される。なお、受信アンテナA1〜Anは、被検体1に着用させるジャケットに分散配置されるものであってもよい。この場合には、受信アンテナA1〜Anは、被検体1がこのジャケットを着用することによって、被検体1内におけるカプセル型内視鏡10の通過経路に対応する被検体1の体表上の所定位置に配置される。なお、受信アンテナは、被検体1に対して1つ以上配置されればよく、その数は限定されない。
【0037】
表示装置70は、ワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータで実現されるものであり、可搬型記録媒体50が着脱自在に構成される。この表示装置70は、可搬型記録媒体50に保存された画像情報を読み込み、読み込んだ画像情報をLCDやELD等のディスプレイによって画像表示する。また、表示装置70は、被検体1に関する情報を可搬型記録媒体50に適宜書き込む。なお、プリンタ等によって他の媒体に画像を出力するように構成してもよい。
【0038】
次に、実施の形態1に係るカプセル型内視鏡10の構成について説明する。図2は、カプセル型内視鏡10の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、カプセル型内視鏡10は、撮像部110と、照明部120と、信号処理部130と、送信部150と、制御部160と、カプセル型内視鏡10を構成する各部に対して駆動電力を供給する電源部170とを備える。
【0039】
撮像部110は、CMOSやCCD等のイメージセンサで構成される撮像素子や、この撮像素子に入射光を結像させる結像レンズ等で構成され、入射光の強度に応じたアナログ信号を出力することによって、被検体1内部の画像を撮像する撮像動作を行う。詳細には、撮像部110は、後述するタイミング発生部161からの撮像部駆動パルスの供給タイミングで撮像動作を行う。
【0040】
照明部120は、例えば、LED等の発光素子や、この発光素子の駆動回路等で構成され、照明光を照射して撮像部110による撮像部位を照明する照明動作を行う。詳細には、照明部120は、タイミング発生部161からの照明部駆動パルスの供給タイミングで照明動作を開始し、供給された照明部駆動パルスのパルス幅に相当する発光時間で照明光を照射することによって、後述する調光制御部163によって調整された発光量の照明光を照射する。
【0041】
信号処理部130は、アナログ信号処理部131と、A/D変換部133と、送信信号生成部135とを含み、撮像部110によって撮像された画像に必要な処理を施して送信信号を生成する。アナログ信号処理部131は、撮像部110から入力されるアナログ信号に相関二重サンプリングや増幅等のアナログ信号処理を行う。A/D変換部133は、アナログ信号処理部131から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。ここで変換されたデジタル信号は、送信信号生成部135、後述する黒画像画素値平均部137、および調光領域画素値平均部143に出力される。
【0042】
送信信号生成部135は、A/D変換部133から入力されるデジタル信号に基づいて、取得された画像情報を体外に無線送信するための送信信号を生成する。例えば、1枚の画像情報を1フレームとし、フレームの先頭に垂直同期信号を付加するとともに、ライン毎の成分データそれぞれの先頭に水平同期信号を付加して送信信号を生成し、送信部150に出力する。
【0043】
図3は、送信信号生成部135によって生成される送信信号の一例を示す図である。図3に示すように、送信信号は、垂直同期信号と、画像識別情報および付加情報を示すフィールドと、水平同期信号をそれぞれ含む各ラインの成分データに相当する画像信号とが配されて構成される。ここで、画像識別情報は、後述する情報付加部141から画像識別情報が入力された場合に付加される情報であって、後述する黒画像取得動作によって取得され、後述する黒画像判定部139によって黒画像と判定された画像情報を識別するための情報である。付加情報には、例えば、本カプセル型内視鏡10の機種やシリアル番号、ホワイトバランス係数等の情報が適宜設定される。この送信信号は、送信部150に入力され、体外の受信装置30に無線送信される。なお、この送信信号を受信した受信装置30では、垂直同期信号によって画像の先頭部分を検出し、水平同期信号によってライン毎の画像信号の先頭を検出することによって各画像信号を処理し、画像情報を得る。
【0044】
また、信号処理部130は、黒画像画素値平均部137と、黒画像判定部139と、情報付加部141とを含み、黒画像取得動作によって取得された画像情報が黒画像か否かを判定する。
【0045】
黒画像画素値平均部137は、黒画像取得動作によって取得された画像情報の全域を判定領域とし、この画像情報の画素値の平均値を算出する。例えば、この画像情報を構成する各画素の画素値を積算するとともに、積算結果を画素数で除算し、各画素の画素値の単純平均値を算出する。算出された平均値は、黒画像判定部139に出力される。
【0046】
黒画像判定部139は、黒画像画素値平均部137から入力される平均値と、予め閾値として設定された黒画像基準値とを比較し、比較の結果入力された平均値が黒画像基準値以下であれば、この画像情報を黒画像と判定する。黒画像基準値としては、黒色に近い十分小さな値が設定される。判定結果は、情報付加部141に出力される。
【0047】
情報付加部141は、黒画像判定部139から入力される判定結果に応じた画像識別情報を生成する。この画像識別情報は、例えば黒画像か否かを示すフラグ情報として生成され、送信信号生成部135に出力される。これにより、黒画像判定部139において黒画像と判定された場合には、送信信号生成部135によって生成される送信信号に、この画像情報が黒画像であることを示す情報が付加される。
【0048】
また、信号処理部130は、調光領域画素値平均部143を備え、算出した平均値を後述する調光制御部163に出力する。具体的には、予め対象となる調光領域が設定されており、調光領域画素値平均部143は、後述する生体内画像取得動作によって取得された生体内画像情報のうち、調光領域に含まれる画素値の平均値を算出する。例えば、調光領域を構成する各画素のRGB値の加重平均値を算出し、調光領域の平均的な輝度を求める。
【0049】
送信部150は、信号処理部130から入力される送信信号に対して必要に応じて変調処理等を施すことによって無線信号を生成する送信回路や、生成された無線信号を外部に送信するためのアンテナ等で構成され、送信信号を外部に無線送信する。
【0050】
制御部160は、カプセル型内視鏡10を構成する各部を制御し、カプセル型内視鏡10全体の動作を統括的に制御する。この制御部160は、タイミング発生部161と、調光制御部163とを含む。
【0051】
タイミング発生部161は、撮像部110および照明部120の駆動タイミングを発生させ、照明部120が照明動作を行った状態(照明状態)で撮像部110が撮像動作を行う生体内画像取得動作を制御し、或いは照明部120が照明動作を行わない状態(非照明状態)で撮像部110が撮像動作を行う黒画像取得動作を制御する。
【0052】
図4は、生体内画像取得動作および黒画像取得動作のタイミングを説明する説明図である。図4に示すように、撮像部110による撮像動作は、所定の時間間隔、例えば0.5秒間隔で行われるが、このうち、例えば10分毎に非照明状態での撮像動作が行われ(黒画像取得動作)、画像情報が取得される。そして、ここで取得された画像情報が黒画像か否かが、黒画像判定部139で判定される。一方、黒画像取得動作以外のタイミングでは、照明状態での撮像動作が行われ(生体内画像取得動作)、生体内画像情報が取得される。
【0053】
具体的には、タイミング発生部161は、次の制御を行う。すなわち、タイミング発生部161は、0.5秒間隔で撮像部駆動パルスを撮像部110に供給することによって、撮像部110の撮像動作を制御する。また、タイミング発生部161は、生体画像取得動作のタイミングにおいては、撮像開始パルスの供給直前に、照明部駆動パルスを照明部120に供給することによって、照明部120の照明動作を制御する。またこのとき、タイミング発生部161は、後述する調光制御部163から入力される発光時間に応じて照明部駆動パルスのパルス幅を増減させ、立ち上がりによって動作開始タイミングを規定し、立ち下がりによって動作終了タイミングを規定する。
【0054】
また、タイミング発生部161は、撮像部駆動パルスの供給タイミングに基づいて信号処理部130を構成する各部を駆動することによって、各部の処理を撮像部駆動パルスの供給タイミングと同期させる。
【0055】
調光制御部163は、照明部120によって照射される照明光の発光量を調整するための調光制御を行う。具体的には、調光制御部163は、調光領域画素値平均部143から入力される平均値と、予め閾値として設定された基準輝度値とを比較して、生体内画像取得動作によって取得された生体内画像情報における調光領域の明るさを判定する。基準輝度値としては、例えば、使用者にとってその画像内容が容易に視認可能な輝度値が設定される。そして、比較結果に基づいて照明部120の発光時間を算出し、算出した発光時間をタイミング発生部161に出力する。このように、今回取得した生体内画像情報における調光領域の明るさに基づいて、次回の生体内画像取得動作における照明光の発光量を調整することによって、取得される生体内画像の画像品位が一定に保たれる。例えば、明るい場合には次回の照明部120の発光時間を短く設定し、暗い場合であれば次回の照明部120の発光時間を長く設定する。なお、発光量の調整方法は、発光時間の調整に限定されるものではなく、例えば、照明部120を構成する発光素子に供給する電流値の調整によって発光量を調整してもよい。また、発光素子の発光輝度を変化させることとしても構わない。
【0056】
以上説明したように、実施の形態1のカプセル型内視鏡10では、タイミング発生部161の制御によって所定の時間間隔で撮像部110が撮像動作を行うが、黒画像取得動作のタイミングでは、照明部120が照明動作を行わない状態で撮像部110が撮像動作を行い、被検体1内部を非照明状態で撮像した画像情報を取得する。そして、信号処理部130が、本黒画像取得動作によって取得された画像情報に基づいて送信信号を生成する一方で、黒画像画素値平均部137が、取得された画像情報の画素値の平均値を算出する。そして、黒画像判定部139が、この画像情報が黒画像か否かを判定し、情報付加部141が、判定結果に応じた画像識別情報を生成して送信信号生成部135が生成した送信信号に付加させる。そして、送信部150は、生成した送信信号を体外に無線送信する。
【0057】
一方、生体内画像取得動作のタイミングでは、照明部120が照明動作を行った状態で撮像部110が撮像動作を行い、被検体1内部を照明状態で撮像した生体内画像情報を取得する。そして、信号処理部130が、本生体内画像取得動作によって取得された生体内画像情報に基づいて送信信号を生成し、送信部150が体外に無線送信する。また、調光領域画素値平均部143が、取得された生体内画像情報のうち、予め設定された調光領域の平均的な輝度値を算出する。そして、調光制御部163が、調光領域の明るさを判定し、判定された明るさに基づいて次回の照明部120の発光時間を決定する。
【0058】
そして、カプセル型内視鏡10によって無線送信された画像情報は、受信装置30によって受信される。この受信装置30では、受信した画像情報が黒画像の場合には、黒画像情報としてRAM等の内蔵メモリに格納する。一方、受信した画像情報が生体内画像情報の場合には、順次可搬型記録媒体50に保存するが、保存の前処理として、この生体内画像情報中の固定パターンノイズを内蔵メモリに格納されている黒画像情報に基づいて除去し、画像補正を行う。具体的には、生体内画像情報から黒画像情報を減算することによって、この生体内画像情報中に含まれる固定パターンノイズを除去する。そして、受信装置30において可搬型記録媒体50に保存された生体内画像情報は、表示装置70において画像表示される。また、受信装置30は、カプセル型内視鏡10から新たに黒画像の画像情報を受信した場合には、受信した画像情報で内部メモリの黒画像情報を書き換える。
【0059】
以上説明した実施の形態1によれば、カプセル型内視鏡10は、非照明状態で取得した画像情報の画素値の平均値を算出することによって、この画像情報が黒画像か否かを判定することができる。そして、黒画像と判定された画像情報に、この画像情報が黒画像であることを示す画像識別情報を付加することによって、この画像情報を黒画像として体外の受信装置30に無線送信することができる。したがって、生体内画像情報中の固定パターンノイズの除去に必要な黒画像を確実に得ることができる。これにより、受信装置30において、照明状態で取得された生体内画像情報中の固定パターンノイズを適正に除去し、この生体内画像情報に対して適切な画像補正を行った上で可搬型記録媒体50に保存することができる。また、黒画像取得動作を所定の時間間隔で行い、各所で取得することができる。固定パターンノイズは、温度等の環境に影響されるため、このように各所で取得することにより、より適切な画像補正が可能となる。
【0060】
なお、実施の形態1では、固定パターンノイズの除去に係る部分を受信装置30が行うこととしたが、表示装置70が行っても構わない。この場合には、受信装置では、画像識別情報や付加情報とともに受信した画像情報を、受信順に順次可搬型記録媒体50に保存する。そして、表示装置では、可搬型記録媒体50に保存された画像情報を順次読み出し、読み出した画像情報が黒画像の場合には、黒画像情報としてRAM等の内蔵メモリに格納する。一方、生体内画像情報の場合には、例えばディスプレイによって画像表示するが、画像表示の前処理として、この生体内画像情報中の固定パターンノイズを内蔵メモリに格納されている黒画像情報に基づいて除去し、画像補正を行う。また、新たに黒画像の画像情報を読み出した場合には、この画像情報で内部メモリの黒画像情報を書き換える。本変形例によれば、表示装置70において、照明状態で取得された生体内画像情報中の固定パターンノイズを適正に除去することができ、この生体内画像情報に対して適切な画像補正を行った上で画像表示することができる。
【0061】
また、実施の形態1では、黒画像取得動作によって取得された画像情報の全域を判定領域として画素値の平均値を算出することとしたが、調光領域画素値平均部143が平均値の算出対象とする調光領域を判定領域とし、調光領域に含まれる画素値の平均値を算出することによって取得された画像情報が黒画像か否かを判定してもよい。またこの場合に、調光領域画素値平均部143において算出された平均値を用いて取得された画像情報が黒画像か否かを判定してもよい。これによれば、黒画像画素値平均部137が不要となり、構成を簡易にすることができる。図5は、この場合のカプセル型内視鏡10bの機能構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付する。
【0062】
図5に示すように、本変形例に係るカプセル型内視鏡10bは、アナログ信号処理部131と、A/D変換部133bと、送信信号生成部135と、黒画像判定部139bと、情報付加部141と、調光領域画素値平均部143bとを含む信号処理部130bを備える。この信号処理部130bにおいて、撮像部110から出力されたアナログ信号が、アナログ信号処理部131によってアナログ信号処理され、A/D変換部133bによってデジタル信号に変換される。ここで変換されたデジタル信号は、送信信号生成部135および調光領域画素値平均部143bに出力される。そして、送信信号生成部135では、体外に無線送信する送信信号が生成され、送信部150によって、取得された画像情報が受信装置30に無線送信される。
【0063】
調光領域画素値平均部143bは、実施の形態1と同様に予め設定された調光領域を構成する各画素のRGB値の加重平均値を算出するが、本変形例では、生体内画像取得動作によって取得された生体内画像情報に基づいて算出した平均値を調光制御部163に出力し、黒画像取得動作によって取得された画像情報に基づいて算出した平均値を黒画像判定部139bに出力する。
【0064】
黒画像判定部139bは、調光領域画素値平均部143bから入力される平均値と、予め閾値として設定された黒画像基準輝度値とを比較し、比較の結果入力された平均値が黒画像基準輝度値以下であれば、この画像情報を黒画像と判定する。黒画像基準輝度値としては、十分暗い値が設定される。判定結果は、情報付加部141に出力される。
【0065】
本変形例によれば、照明部120により照射される照明光の発光量を調整する制御を行うためにカプセル型内視鏡10bに具備される調光領域画素値平均部143bの出力値を用いて、非照明状態で撮像した画像情報が黒画像か否かを判定することができる。
【0066】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。図6は、実施の形態2に係るカプセル型内視鏡10cの機能構成を説明するブロック図である。なお、実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付する。
【0067】
図6に示すように、実施の形態2に係るカプセル型内視鏡10cは、アナログ信号処理部131と、A/D変換部133と、画素欠陥補正部145と、送信信号生成部135cと、ピーク検出部147と、黒画像判定部139cと、情報付加部141と、調光領域画素値平均部143cとを含む信号処理部130cを備える。この信号処理部130cにおいて、撮像部110から入力されたアナログ信号が、アナログ信号処理部131によってアナログ信号処理され、A/D変換部133によってデジタル信号に変換される。ここで変換されたデジタル信号は、画素欠陥補正部145に出力される。
【0068】
画素欠陥補正部145は、A/D変換部133から入力されるデジタル信号に基づいて、取得された画像情報の画素欠陥を検出し、画素欠陥の生じた画素を補正する。ここで、画素欠陥とは撮像部110を構成するイメージセンサの結晶品質に起因するものである。具体的には、例えば、結晶自体の経時変化や、環境変化の影響等によるものであり、撮像される画像上では、画素欠陥が白点または黒点となって現れる。画素欠陥補正部145は、例えば、各画素それぞれについて、その画素値と、当該画素と水平方向に隣接する同色画素の画素値とを比較し、その差分が所定の閾値以上の場合に、当該画素を画素欠陥として検出する。そして、画素欠陥補正部145は、この画素の画素値を、水平方向に隣接する同色画素の画素値に応じた値に置き換えることによって、画素欠陥を補正する。或いは、各画素それぞれについて、その画素値と、当該画素と垂直方向に隣接する同色画素の画素値とを比較することによって画素欠陥を検出し、垂直方向に隣接する同色画素の画素値に応じた値に置き換えることによって、当該画素の画素欠陥を補正する。補正された画像情報は、送信信号生成部135c、ピーク検出部147、および調光領域画素値平均部143cに出力される。
【0069】
送信信号生成部135cは、画素欠陥補正部145において画素欠陥が補正された画像情報を体外に無線送信するための送信信号を生成する。また、送信信号生成部135cは、情報付加部141から画像識別情報が入力された場合には、生成した送信信号に入力された画像識別情報を付加する。生成された送信信号は、送信部150によって体外に無線送信され、取得された画像情報が受信装置30に無線送信される。
【0070】
ピーク検出部147は、黒画像取得動作によって取得された画像情報の全域を判定領域とし、この画像情報を構成する各画素の画素値のピーク値を検出する。検出したピーク値は、黒画像判定部139cに出力される。
【0071】
黒画像判定部139cは、ピーク検出部147から入力されるピーク値と、予め閾値として設定された黒画像基準ピーク値とを比較し、比較の結果入力された平均値が黒画像基準ピーク値以下であれば、この画像情報を黒画像と判定する。黒画像基準ピーク値としては、黒色に近い十分小さな値が設定される。判定結果は、情報付加部141に出力される。
【0072】
以上のように構成されたカプセル型内視鏡10cでは、実施の形態1と同様に、タイミング発生部161の制御によって所定の時間間隔で撮像部110が撮像動作を行う。そして、黒画像取得動作のタイミングでは、照明部120が照明動作を行わない状態で撮像部110が撮像動作を行い、被検体1内部を非照明状態で撮像した画像情報を取得する。そして、信号処理部130cが、本黒画像取得動作によって取得された画像情報の画素欠陥を補正し、補正後の画像情報に基づいて送信信号を生成する一方で、ピーク検出部147が、取得された画像情報を構成する各画素の画素値のピーク値を算出する。そして、黒画像判定部139cが、この画像情報が黒画像か否かを判定し、情報付加部141が、判定結果に応じた画像識別情報を生成して送信信号生成部135cが生成した送信信号に付加させる。そして、送信部150は、生成した送信信号を体外に無線送信する。
【0073】
一方、生体内画像取得動作のタイミングでは、照明部120が照明動作を行った状態で撮像部110が撮像動作を行い、被検体1内部を照明状態で撮像した生体内画像情報を取得する。そして、信号処理部130cが、本生体内画像取得動作によって取得された生体内画像情報の画素欠陥を補正し、補正後の生体内画像情報に基づいて送信信号を生成する。そして、送信部150は、生成した送信信号を体外に無線送信する。
【0074】
以上説明した実施の形態2によれば、カプセル型内視鏡10cは、非照明状態で取得された画像情報を構成する各画素の画素値のピーク値を検出することによって、この画像情報が黒画像か否かを判定することができる。そして、黒画像と判定された画像情報に、この画像情報が黒画像であることを示す画像識別情報を付加することによって、この画像情報を黒画像として体外の受信装置30に無線送信することができる。したがって、生体内画像情報中の固定パターンノイズの除去に必要な黒画像を確実に得ることができる。これにより、受信装置30または表示装置70において、照明状態で取得された生体内画像情報中の固定パターンノイズを適正に除去し、この生体内画像情報に対して適正な画像補正を行うことができる。
【0075】
なお、上記した実施の形態1,2では、撮像部を1つ具備した構成のカプセル型内視鏡について説明したが、2以上の撮像部を具備したものにも同様に適用できる。この場合には、カプセル型内視鏡は、取得した画像情報を受信装置30に送信するための送信信号に、対応する画像情報を取得した撮像部を識別するための情報を付加し、この送信信号を無線送信する。一方、例えば受信装置30では、受信した送信信号に基づいて対応する画像情報を取得した撮像部を識別し、撮像部毎に内部メモリに保持する。そして、この後生体内画像情報を受信した場合には、先ず、この生体内画像情報を取得した撮像部を識別する。そして、識別した撮像部で取得された黒画像に基づいて、この生体内画像情報中の固定パターンノイズを除去し、画像補正を行う。
【0076】
また、上記した実施の形態1,2では、カプセル型内視鏡は、黒画像取得動作によって取得された画像情報に、黒画像か否かの判定結果に基づく画像識別情報を付加して受信装置30に送信することとしたが、判定の結果黒画像ではないと判定された画像情報は送信せずに、黒画像と判定された画像情報のみを送信するように構成してもよい。これによれば、カプセル型内視鏡の電力消費を削減できる。
【0077】
また、上記した実施の形態1,2では、黒画像と判定された画像情報を識別するために生成した画像識別情報を画像情報とともに受信装置30に送信することとしたが、垂直同期信号として、生体内画像用のパターンと、黒画像用のパターンとを予め設定しておき、この垂直同期信号のパターンによって対応する画像情報を識別するように構成してもよい。この場合には、カプセル型内視鏡は、送信する画像情報が生体内画像情報ならば、生体内画像用のパターンの垂直同期信号を設定した送信信号を送信し、黒画像と判定された画像情報ならば、黒画像用のパターンの垂直同期信号を設定した送信信号を送信する。一方、受信装置30では、受信した画像信号の垂直同期信号のパターンを判別して、この画像情報が生体内画像情報なのか黒画像なのかを識別する。
【0078】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。本実施の形態3は、実施の形態1で説明した黒画像の判定に係る部分および固定パターンノイズの除去に係る部分を、受信装置で行う場合の実施形態である。
【0079】
先ず、実施の形態3に係るカプセル型内視鏡の構成について説明する。図7は、実施の形態3に係るカプセル型内視鏡10eの構造を示す概略模式図である。なお、実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付する。本カプセル型内視鏡10eは、両先端部にそれぞれ撮像部および照明部を具備するものであり、被写体1内部において、進行方向前方の画像情報と、後方の画像情報とをそれぞれ取得することができるようになっている。すなわち、図7に示すように、カプセル型内視鏡10eは、カプセル形状のケース11内に、撮像部110−1,110−2、照明部120−1,120−2、送信部150、制御部160、電源部170等が収容されて構成されている。以下、一方の撮像部110−1を前方撮像部110−1、他方の撮像部110−2を後方撮像部110−2と呼び、一方の照明部120−1を前方照明部120−1、他方の照明部120−2を後方照明部120−2と呼ぶ。
【0080】
ケース11は、人が飲み込める程度の大きさのものであり、略半球状の先端カバー13−1,13−2と、筒状の胴部カバー15とが接合されて形成されている。また、先端カバー13−1,13−2は透明部材で構成され、光学窓として機能する。すなわち、ケース11内部において前方撮像部110−1および前方照明部120−1が先端カバー13−1と対向配置されており、この先端カバー13−1は、前方照明部120−1からの照明光をケース11外部に透過させるとともに、その反射光をケース11内部へと案内する。同様にして、ケース11内部において後方撮像部110−2および後方照明部120−2が先端カバー13−2と対向配置されており、この先端カバー13−2は、後方照明部120−2からの照明光をケース11外部に透過させるとともに、その反射光をケース11内部へと案内する。
【0081】
このカプセル型内視鏡10eでは、図示しない送信信号生成部が、取得された画像情報を体外に無線送信する送信信号を生成するが、このとき、取得された画像情報に、この画像情報が何れの撮像部の撮像動作によって取得された画像情報なのかを識別する撮像部識別情報や、この画像情報が照明状態で取得された生体内画像情報なのか、非照明状態で取得された画像情報なのかを示す照明状態識別情報、付加情報等を付加した送信信号を生成する。生成された送信信号は、送信部150によって体外の受信装置30eに送信される。
【0082】
次に、実施の形態3に係る受信装置の構成について説明する。図8は、実施の形態3に係る受信装置30eの機能構成を示すブロック図である。図8に示すように、受信装置30eは、受信部310と、同期検出部320と、識別情報検出部330と、画像抽出部340と、黒画像画素値平均部350と、黒画像判定部360と、黒画像補正部380と、信号処理部390と、読み書き部400と、受信装置30eを構成する各部を制御し、受信装置30e全体の動作を統括的に制御する制御部410と、を備える。
【0083】
受信部310は、受信アンテナA1〜Anと、アンテナ切替部311と、強度検出部313と、アンテナ切替制御部315と、復調部317とを含み、カプセル型内視鏡10eからの無線信号を受信する。
【0084】
アンテナ切替部311は、カプセル型内視鏡10eからの無線信号を受信する受信アンテナを受信アンテナA1〜Anのうちの何れかに切り替える。このアンテナ切替部311には、受信アンテナA1〜Anがそれぞれケーブル接続されており、これらの受信アンテナA1〜Anの中からアンテナ切替制御部315によって選択された受信アンテナを介して受信したカプセル型内視鏡10eからの無線信号を、復調部317に出力する。また、アンテナ切替部311は、各受信アンテナA1〜Anによって受信した無線信号を、強度検出部313に出力する。
【0085】
強度検出部313は、アンテナ切替部311を介してカプセル型内視鏡10eから受信した無線信号の受信強度を検出し、検出した受信強度をアンテナ切替制御部315に出力する。
【0086】
アンテナ切替制御部315は、受信アンテナA1〜Anの中から、カプセル型内視鏡10eからの無線信号の受信に最も適した受信アンテナを選択する。具体的には、アンテナ切替制御部315は、強度検出部313から入力される受信強度に基づいて、カプセル型内視鏡10eからの無線信号の受信強度が最大となる受信アンテナを受信アンテナA1〜Anの中から選択する。そして、選択した受信アンテナに切り替えるようアンテナ切替部311の切り替え動作を制御する。
【0087】
復調部317は、アンテナ切替部311を介して受信したカプセル型内視鏡10eからの無線信号に対して復調処理を行い、画像信号に復調する。この画像信号は、カプセル型内視鏡10eにおいて生成される送信信号に相当するものであり、このカプセル型内視鏡10eによって撮像された画像情報と、フレーム毎に含まれる垂直同期信号と、1フレーム内のライン毎に含まれる水平同期信号と、撮像部識別情報と、照明状態識別情報とを含む。復調部317は、復調した画像信号を、同期検出部320および識別情報検出部330に出力する。
【0088】
同期検出部320は、復調部317によって復調された画像信号に含まれる垂直同期信号をフレーム毎に検出する。
【0089】
識別情報検出部330は、復調部317によって復調された画像信号に含まれる照明状態識別情報を判定し、非照明状態で取得された画像情報を識別する。また、識別情報検出部330は、撮像部識別情報を判定し、画像情報を取得した撮像部を識別する。
【0090】
画像抽出部340は、同期検出部320を介して入力される画像信号から画像情報を抽出する。そして、画像抽出部340は、この画像情報が照明状態で取得された生体内画像情報の場合には、抽出した画像情報を黒画像補正部380に出力する。一方、画像抽出部340は、この画像情報が非照明状態で取得された画像情報の場合には、後述する黒画像判定部360から入力される判定結果に応じて、本画像情報が黒画像ならば、フレームメモリ等で構成される前方黒画像記憶部371または後方黒画像記憶部373に出力する。すなわち、この画像情報を取得した撮像部が前方撮像部110−1の場合には前方黒画像記憶部371が書き換えられ、後方撮像部110−2の場合には後方黒画像記憶部373が書き換えられる。
【0091】
黒画像画素値平均部350は、識別情報検出部330によって非照明状態で取得されたと識別された画像情報の全域を判定領域とし、画素値の平均値を算出する。例えば、実施の形態1と同様に、各画素値を積算するとともに、積算結果を画素数で除算し、各画素の画素値の単純平均値を算出する。算出された平均値は、黒画像判定部360に出力される。
【0092】
黒画像判定部360は、黒画像画素値平均部350から入力される平均値と、予め閾値として設定された黒画像基準値とを比較し、比較の結果入力された平均値が黒画像基準値以下であれば、この画像情報を黒画像と判定する。判定結果は、制御部410を介して画像抽出部340に出力される。
【0093】
黒画像補正部380は、生体内画像情報中の固定パターンノイズを黒画像情報に基づいて除去し、画像補正を行う。具体的には、黒画像補正部380は、この生体内画像情報が前方撮像部110−1によって取得されたものならば、生体内画像情報から前方黒画像記憶部371に格納された黒画像情報を減算することによって、この生体内画像情報中に含まれる固定パターンノイズを除去する。一方、この生体内画像情報が後方撮像部110−2によって取得されたものならば、生体内画像情報から後方黒画像記憶部373に格納された黒画像情報を減算することによって、この生体内画像情報中に含まれる固定パターンノイズを除去する。
【0094】
信号処理部390は、黒画像補正部380によって補正された生体内画像情報を、所望の形式の画像データに処理し、読み書き部400に出力する。
【0095】
読み書き部400は、可搬型記録媒体50を着脱自在に装着し、信号処理部390によって処理された生体内画像情報を可搬型記録媒体50に順次保存する。この読み書き部400は、可搬型記録媒体50の種類に応じた読み書き装置によって実現される。
【0096】
以上のように構成された受信装置30eでは、画像抽出部340が、受信アンテナA1〜Anのうちの何れかによって受信され、受信部310において復調された画像信号から画像情報を抽出し、この画像情報が照明状態で取得された生体内画像情報ならば、黒画像補正部380に出力する。また、識別情報検出部330が、非照明状態で取得された画像情報を識別し、黒画像画素値平均部350が、この非照明状態で取得されたと識別された画像情報の画素値の平均値を算出し、黒画像判定部360が、この画像情報が黒画像か否かを判定する。黒画像と判定された画像情報は、黒画像情報として、この黒画像を取得した撮像部に応じて前方黒画像記憶部371または後方黒画像記憶部373に格納される。そして、黒画像補正部380が、照明状態で取得された生体内画像情報のうち、前方撮像部110−1で撮像された生体内画像中の固定パターンノイズを、前方黒画像記憶部371に格納された黒画像情報に基づいて除去し、画像補正を行う。また、照明状態で取得された生体内画像情報のうち、後方撮像部110−2で撮像された生体内画像中の固定パターンノイズを、後方黒画像記憶部373に格納された黒画像情報に基づいて除去し、画像補正を行う。画像補正された生体内画像情報は、読み書き部400によって可搬型記録媒体50に順次保存される。
【0097】
そして、可搬型記録媒体50に保存された生体内画像情報は、表示装置70において読み込まれ、ディスプレイによって画像表示される。
【0098】
以上説明した実施の形態3によれば、受信装置30eは、カプセル型内視鏡10eにおいて非照明状態で取得された画像情報の画素値の平均値を算出することによって、この画像情報が黒画像か否かを判定することができるので、生体内画像情報中の固定パターンノイズの除去に必要な黒画像を確実に得ることができる。そして、黒画像と判定された画像情報に基づいて、カプセル型内視鏡10eにおいて照明状態で取得された生体内画像情報中の固定パターンノイズを適正に除去することができ、この生体内画像情報に対して適切な画像補正を行うことができる。
【0099】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。本実施の形態4は、実施の形態2で説明した黒画像の判定に係る部分を、受信装置で行う場合の実施形態である。なお、実施の形態3と同様の構成については、同一の符号を付する。
【0100】
図9は、実施の形態4に係る受信装置30fの機能構成を示すブロック図である。この受信装置30fは、図7に示した構成のカプセル型内視鏡10eから生成された送信信号を受信する。図9に示すように、受信装置30fは、受信部310と、同期検出部320と、識別情報検出部330と、画像抽出部340fと、画素欠陥補正部420と、ピーク検出部430と、黒画像判定部360fと、黒画像補正部380fと、信号処理部390と、読み書き部400と、制御部410とを備える。
【0101】
画素欠陥補正部420は、画像抽出部340fによって抽出された画像情報の画素欠陥を検出し、画素欠陥の生じた画素を補正する。補正後の画像情報は、ピーク検出部430および黒画像補正部380fに出力される。
【0102】
ピーク検出部430は、画素欠陥補正部420によって画素欠陥が補正された画像情報を対象として、識別情報検出部330によって非照明状態で取得されたと識別された画像情報の全域を判定領域とし、この画像情報を構成する各画素の画素値のピーク値を検出する。検出したピーク値は、黒画像判定部360fに出力される。
【0103】
黒画像判定部360fは、ピーク検出部430から入力されるピーク値と、予め閾値として設定された黒画像基準ピーク値とを比較し、比較の結果入力されたピーク値が黒画像基準ピーク値以下であれば、この画像情報を黒画像と判定する。判定結果は、制御部410を介して画像抽出部340fに出力される。
【0104】
以上のように構成された受信装置30fでは、画像抽出部340fが、受信アンテナA1〜Anのうちの何れかによって受信され、受信部310において復調された画像信号から画像情報を抽出し、この画像情報が照明状態で取得された生体内画像情報ならば、黒画像補正部380fに出力する。また、識別情報検出部330が、非照明状態で取得された画像情報を識別し、ピーク検出部430が、この非照明状態で取得されたと識別された画像情報を構成する各画素の画素値のピーク値を検出し、黒画像判定部360fが、この画像情報が黒画像か否かを判定する。ここで黒画像と判定された画像情報は、黒画像情報として、この黒画像を取得した撮像部に応じて前方黒画像記憶部371または後方黒画像記憶部373に格納される。そして、黒画像補正部380fが、照明状態で取得された生体内画像情報のうち、前方撮像部110−1で撮像された生体内画像中の固定パターンノイズを、前方黒画像記憶部371に格納された黒画像情報に基づいて除去し、画像補正を行う。また、照明状態で取得された生体内画像情報のうち、後方撮像部110−2で撮像された生体内画像中の固定パターンノイズを、後方黒画像記憶部373に格納された黒画像情報に基づいて除去し、画像補正を行う。ここで画像補正された生体内画像情報は、読み書き部400によって可搬型記録媒体50に順次保存される。
【0105】
そして、可搬型記録媒体50に保存された生体内画像情報は、表示装置70において読み込まれ、ディスプレイによって画像表示される。
【0106】
以上説明した実施の形態4によれば、受信装置30fは、カプセル型内視鏡10eにおいて非照明状態で取得された画像情報を構成する各画素の画素値のピーク値を検出することによって、この画像情報が黒画像か否かを判定することができるので、生体内画像情報中の固定パターンノイズの除去に必要な黒画像を確実に得ることができる。そして、黒画像と判定された画像情報に基づいて、カプセル型内視鏡10eにおいて照明状態で取得された生体内画像情報中の固定パターンノイズを適正に除去することができ、この生体内画像情報に対して適切な画像補正を行うことができる。
【0107】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について説明する。本実施の形態5は、実施の形態3で説明した黒画像の判定および判定結果に基づく画像補正に係る部分を、表示装置で行う場合の実施形態である。
【0108】
本実施の形態5では、カプセル型内視鏡は、実施の形態3において図7に示して説明したカプセル型内視鏡10eと同様に構成され、進行方向前方の画像情報と、後方の画像情報とをそれぞれ取得することができるようになっている。また、受信装置は、カプセル型内視鏡から、撮像部識別情報や、照明状態識別情報、付加情報等とともに無線送信された画像情報を受信し、順次可搬型記録媒体50に保存する。
【0109】
図10は、実施の形態5に係る表示装置70gの機能構成を示すブロック図である。なお、実施の形態3と同様の構成については、同一の符号を付する。図10に示すように、表示装置70gは、可搬型記録媒体50へのデータの読み書きを行う読み書き部710と、識別情報検出部720と、画像抽出部730と、黒画像画素値平均部740と、黒画像判定部750と、黒画像補正部770と、信号処理部780と、表示装置70g全体の動作を統括的に制御する制御部790と、カプセル型内視鏡10eによって取得された生体内画像を画像表示する表示部800と、表示部800に表示させる生体内画像の指定操作や、被検体1に関する情報の入力操作等を行うための入力部810と、表示装置70gの動作に必要な各種データが格納される記憶部820とを備える。
【0110】
図11は、本実施の形態5に係る表示装置70gの動作の流れを示すフローチャートである。図11に示すように、先ず、読み書き部710が、装着された可搬型記録媒体50から、撮像部識別情報や、照明状態識別情報、付加情報等とともに保存された画像情報を読み出す(ステップS101)。続いて、識別情報検出部720が、撮像部識別情報および照明状態識別情報を検出する(ステップS103)。これにより、読み出された画像情報を取得した撮像部が識別されるとともに、読み出された画像情報が非照明状態で取得された画像情報なのか、照明状態で取得された画像情報なのかが識別される。そして、画像抽出部730が、画像情報を抽出する(ステップS105)。ここで抽出された画像情報は、照明状態で取得された生体内画像情報ならば、黒画像補正部770に出力される。
【0111】
続いて、ステップS105で検出した照明状態識別情報を判別し(ステップS107)、画像情報が非照明状態で撮像されたのか、照明状態で撮像されたのかに応じた動作を行う。すなわち、非照明状態で取得された画像情報の場合には、先ず、黒画像画素値平均部740が、この画像情報の画素値の平均値を算出する(ステップS108)。次いで、黒画像判定部750が、この画像情報が黒画像か否かを判定する(ステップS109)。ここで黒画像と判定された場合には(ステップS111:Yes)、この画像情報を取得した撮像部が前方撮像部110−1の場合には前方黒画像記憶部761に出力されて格納され、後方撮像部110−2の場合には後方黒画像記憶部763に出力されて格納される(ステップS113)。
【0112】
一方、照明状態で取得された識別された生体内画像情報の場合には、黒画像補正部770が、黒画像情報に基づいてこの生体内画像情報中の固定パターンノイズを除去し、画像補正を行う(ステップS115)。具体的には、黒画像補正部770は、この生体内画像情報が前方撮像部110−1で撮像されたものならば、前方黒画像記憶部761に格納された黒画像情報に基づいて固定パターンノイズを除去し、画像補正を行う。後方撮像部110−2で撮像されたものであれば、後方黒画像記憶部763に格納された黒画像情報に基づいて固定パターンノイズ除去し、画像補正を行う。そして、表示部800が、画像補正された生体内画像情報を画像表示する(ステップS117)。そして、画像表示を終了するまで(ステップS119:No)、ステップS101に戻って上記の動作を繰り返し、可搬型記録媒体50に格納されている画像情報を順次読み出して表示部800に画像表示する。
【0113】
以上説明した実施の形態5によれば、表示装置70gは、カプセル型内視鏡において非照明状態で取得された画像情報の画素値の平均値を算出することによって、この画像情報が黒画像か否かを判定することができるので、生体内画像情報中の固定パターンノイズの除去に必要な黒画像を確実に得ることができる。そして、黒画像と判定された画像情報に基づいて、カプセル型内視鏡において照明状態で取得された生体内画像情報中の固定パターンノイズを適正に除去することができ、この生体内画像情報に対して適切な画像補正を行うことができる。
【0114】
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について説明する。本実施の形態6は、実施の形態4で説明した黒画像の判定および画像補正に係る部分を、表示装置で行う場合の実施形態である。なお、実施の形態5と同様の構成については、同一の符号を付する。
【0115】
図12は、実施の形態6に係る表示装置70hの機能構成を示すブロック図である。図12に示すように、表示装置70hは、可搬型記録媒体50へのデータの読み書きを行う読み書き部710と、画像抽出部730hと、識別情報検出部720と、ピーク検出部830と、黒画像判定部750hと、黒画像補正部770hと、信号処理部780と、制御部790と、入力部810と、表示部800と、記憶部820とを備える。
【0116】
以上のように構成された表示装置70hでは、先ず、読み書き部710が、装着された可搬型記録媒体50から、撮像部識別情報や、照明状態識別情報、付加情報等とともに保存された画像情報を読み出す。続いて、識別情報検出部720が、撮像部識別情報および照明状態識別情報を検出するとともに、画像抽出部730hが、画像情報を抽出する。
【0117】
続いて、この画像情報が非照明状態で取得された画像情報の場合には、ピーク検出部830が、この画像情報の各画素の画素値のピーク値を検出し、黒画像判定部750hが、この画像情報が黒画像か否かを判定する。ここで黒画像と判定された画像情報は、この画像情報を取得した撮像部に応じて、前方黒画像記憶部761または後方黒画像記憶部763に格納される。一方、この画像情報が照明状態で取得された生体内画像の場合には、黒画像補正部770hが、黒画像情報に基づいてこの生体内画像情報中の固定パターンノイズを除去し、画像補正を行う。そして、表示部800が、画像補正された生体内画像情報を画像表示する。そして、上記の動作を繰り返し、可搬型記録媒体50に格納されている画像情報を順次読み出して表示部800に画像表示する。
【0118】
なお、実施の形態6では、画像抽出部730hで抽出された画像情報のピーク値を直接検出していたが、画像抽出部730hで検出された画像情報に対して注目画素の値とその周辺の画素の値とを比較して、注目画素の値が周辺画素の値と大きく異なっている場合に注目画素を欠陥画素とみなして補正する画素欠陥補正処理を加えた画像に対してピーク値検出を行うこともできる。画像に白キズのような値の大きな画素が含まれている場合には、画素欠陥補正処理により補正がかかるので、白キズの含まれている画像であっても、正しく黒画像と認識することができる。
【0119】
以上説明した実施の形態6によれば、表示装置70hは、カプセル型内視鏡において非照明状態で取得された画像情報を構成する各画素の画素値のピーク値を算出することによって、この画像情報が黒画像か否かを判定することができるので、生体内画像情報中の固定パターンノイズの除去に必要な黒画像を確実に得ることができる。そして、黒画像と判定された画像情報に基づいて、カプセル型内視鏡において照明状態で取得された生体内画像情報中の固定パターンノイズを適正に除去することができ、この生体内画像情報に対して適切な画像補正を行うことができる。
【0120】
なお、上記した実施の形態1,3,5では、カプセル型内視鏡が非照明状態で取得した画像情報が黒画像か否かを判定するため、黒画像画素値平均部がこの画像情報を構成する各画素の画素値の単純平均値を算出することとしたが、これに限定されるものではない。
【0121】
例えば、この画像情報を構成する各画素のRGB値の加重平均値を算出してもよい。この場合には、予め閾値として基準輝度値を設定しておき、黒画像判定部は、算出された加重平均値と黒画像基準輝度値とを比較することによって、この画像情報が黒画像か否かを判定する。或いは、この画像情報を構成する各画素の所定の色成分の平均値を算出してもよい。このとき、平均値を算出する色成分は、RGBの何れを採用してもよい。この場合には、予め閾値として基準色成分値を設定しておき、黒画像判定部は、算出された平均値と基準色成分値とを比較することによって、この画像情報が黒画像か否かを判定する。
【0122】
また、上記した実施の形態1,3,5では、カプセル型内視鏡が非照明状態で取得した画像情報が黒画像か否かを判定するため、黒画像画素値平均部が、この画像情報の全域を判定領域として、画素値の平均値を算出する場合について説明したが、予め判定領域を設定しておき、判定対象の画像情報のうち、設定された判定領域に含まれる画素値の平均値を算出してもよい。また、上記した実施の形態2,4,6では、カプセル型内視鏡が非照明状態で取得した画像情報が黒情報か否かを判定するため、ピーク検出部が、この画像情報の全域を判定領域として、各画素の画素値のピーク値を検出する場合について説明したが、予め判定領域を設定しておき、判定対象の画像情報のうち、設定された判定領域を構成する各画素の画素値のピーク値を検出してもよい。
【0123】
また、実施の形態1,2では、所定の時間間隔(10分)毎に黒画像取得動作を行い、非照明状態で画像情報を取得することとしたが、黒画像撮像動作のタイミングは、これに限定されるものではない。
【0124】
図13は、生体内画像取得動作および黒画像取得動作のタイミングの変形例を示す図である。図13の例では、撮像部による撮像動作が、上記の実施の形態1,2と同様に所定の時間間隔(0.5秒)で行われるが、このうち、カプセル型内視鏡の電源が投入されて撮像動作が開始されてから、所定の黒画像取得時間が経過するまでの間、黒画像撮像動作が行われる。この場合には、カプセル型内視鏡にタイマを設ける。このタイマは、例えば、電源投入時に起動され、起動時からの経過時間を計時することによって、電源投入から黒画像取得時間が経過するまでを計時する。
【0125】
図14は、本変形例に係るカプセル型内視鏡の動作の流れを示すフローチャートである。図14に示すように、本変形例に係るカプセル型内視鏡では、電源が投入されると、先ずタイマが起動され、黒画像取得時間の計時を開始する(ステップS201)。続いて、黒画像取得動作を開始する(ステップS203)。そして、開始された黒画像取得動作によって非照明状態で取得された画像情報の画素値の平均値を算出し(ステップS205)、算出された平均値と所定の基準平均値とを比較することによって黒画像か否かを判定する(ステップS207)。黒画像ではないと判定された場合には(ステップS209:No)、ステップS205に戻って上記の動作を繰り返す。一方、黒画像と判定された場合には(ステップS209:Yes)、この画像情報を、体外に無線送信する(ステップS211)。そして、タイマによって計時される時間が黒画像取得時間に達した場合には(ステップS213:Yes)、生体内画像取得動作を開始する(ステップS215)。なお、本動作は、カプセル内視鏡が、電源投入後直ぐに被検体1内部に導入されることを想定した動作であり、生体内画像取得動作を開始する前に、事前に黒画像の画像情報を取得して受信装置30に送信することができる。
【0126】
また、カプセル型内視鏡の電源が投入されてから所定の回数(例えば、20回)黒画像取得動作を行い、非照明状態で画像情報を取得してもよい。
【0127】
或いは、カプセル型内視鏡の光学窓にキャップを装着させた状態で黒画像を取得するように構成してもよい。図15−1は、キャップ80の構成を示す概観図である。また、図15−2は、図15−1に示すキャップ80をカプセル型内視鏡10iに装着した状態を示す概観図である。本カプセル型内視鏡10iは、実施の形態3において図7に示して説明したカプセル型内視鏡10eと同様の構成を有し、進行方向前方の画像情報と、後方の画像情報とをそれぞれ取得するものであり、両端部において光学窓として機能する先端カバーが、キャップ80,80の装着によって覆われて、遮光される。
【0128】
この場合には、例えば、カプセル型内視鏡の電源が投入されてから所定時間が経過するまでの間、黒画像取得動作を行って非照明状態で画像情報を取得してもよい。或いは、カプセル型内視鏡の電源が投入されてから所定の回数黒画像取得動作を行い、非照明状態で画像情報を取得してもよい。
【0129】
或いは、キャップ80が取り外されたことを検知し、これを検知した場合に生体内画像取得動作を開始してもよい。この場合には、カプセル型内視鏡にキャップ80が取り外されたか否かを判断する機能を持たせる。例えば、実施の形態1の黒画像画素値平均部137によって算出された平均値に基づいて取得された画像情報の明るさを判定し、キャップ80が取り外されたか否かを判定する。具体的には、黒画像か否かを判定するための閾値(基準平均値)と、キャップ80が取り外されたか否かを判定するための閾値とを予め設定しておき、黒画像判定部が、これらの閾値と算出された平均値とを比較することによって、取得された画像情報が黒画像か否かを判定するとともに、キャップ80が取り外されたか否かを判定する。或いは、黒画像判定部が、実施の形態2のピーク検出部147によって算出された平均値に基づいて取得された画像情報の明るさを判定し、キャップ80が取り外されたか否かを判定する。
【0130】
図16は、本変形例に係るカプセル型内視鏡の動作の流れを示すフローチャートである。図16に示すように、本変形例に係るカプセル型内視鏡では、電源が投入されると、黒画像取得動作を開始する(ステップS301)。そして、開始された黒画像取得動作によって非照明状態で取得された画像情報の画素値の平均値を算出し、算出された平均値に基づいてこの画像情報が黒画像か否かを判定する(ステップS303)。黒画像ではないと判定された場合には(ステップS305:No)、ステップS303に戻って上記の動作を繰り返す。一方、黒画像と判定された場合には(ステップS305:Yes)、この画像情報を、体外に無線送信する(ステップS307)。
【0131】
そして、ステップS307において黒画像の画像情報を無線送信した後も、順次非照明状態で取得される画像情報の画素値の平均値を算出し、算出された平均値に基づいてキャップ80が取り外されたか否かを判定する(ステップS308)。このとき、算出された平均値が、キャップ80が取り外されたか否かを判定するための閾値以上である画像情報を、連続して複数枚取得したことを条件として、キャップ80が取り外されたか否かを判定してもよい。取り外されていないと判定された場合には(ステップS309:No)、ステップS308に戻って上記の動作を繰り返す。一方、キャップ80が取り外されたと判定された場合には(ステップS309:Yes)、生体内画像取得動作を開始する(ステップS311)。本変形例によれば、電源投入後、キャップ80が取り外されるまでの間に予め黒画像の画像情報を取得して受信装置30に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】実施の形態1に係る生体内画像取得システムの全体構成を示す模式図である。
【図2】実施の形態1に係るカプセル型内視鏡の機能構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1の送信信号生成部によって生成される送信信号の一例を示す図である。
【図4】実施の形態1に係る生体内画像取得動作および黒画像取得動作のタイミングを説明する説明図である。
【図5】実施の形態1の変形例に係るカプセル型内視鏡の機能構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態2に係るカプセル型内視鏡の機能構成を説明するブロック図である。
【図7】実施の形態3に係るカプセル型内視鏡の内部構成の概略図である。
【図8】実施の形態3に係る受信装置の機能構成を説明するブロック図である。
【図9】実施の形態4に係る受信装置の機能構成を説明するブロック図である。
【図10】実施の形態5に係る表示装置の機能構成を説明するブロック図である。
【図11】実施の形態5に係る表示装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施の形態6に係る受信装置の機能構成を説明するブロック図である。
【図13】生体内画像取得動作および黒画像取得動作のタイミングの変形例を示す図である。
【図14】変形例に係るカプセル型内視鏡の動作の流れを示すフローチャートである。
【図15−1】変形例に係るカプセル型内視鏡に着脱されるキャップの構成を示す概観図である。
【図15−2】図15−1に示すキャップをカプセル型内視鏡に装着した状態を示す概観図である。
【図16】変形例に係るカプセル型内視鏡の動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0133】
10 カプセル型内視鏡
110 撮像部
120 照明部
130 信号処理部
131 アナログ信号処理部
133 A/D変換部
135 送信信号生成部
137 黒画像画素値平均部
139 黒画像判定部
141 情報付加部
143 調光領域画素値平均部
150 送信部
160 制御部
161 タイミング発生部
163 調光制御部
170 電源部
30 受信装置
A1〜An 受信アンテナ
50 可搬型記録媒体
70 表示装置
1 被検体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内部に導入され、当該被検体内部の画像情報を取得する撮像手段と、前記撮像手段による撮像部位を照明する照明手段と、前記撮像手段によって取得された画像情報を外部装置に無線送信する無線送信手段と、を備えた生体内画像取得装置であって、
前記撮像手段および前記照明手段の動作を制御し、前記照明手段が照明動作を行わない状態で前記撮像手段が撮像動作を行う黒画像取得動作を制御する動作制御手段と、
前記黒画像取得動作によって取得された画像情報のうち、所定の判定領域の画素値の平均値を算出する平均値算出手段と、
前記平均値算出手段によって算出された平均値と予め設定された閾値とを比較して、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報が黒画像か否かを判定する黒画像判定手段と、
を備え、
前記無線送信手段は、前記黒画像判定手段により黒画像と判定された画像情報を黒画像情報として前記外部装置に無線送信することを特徴とする生体内画像取得装置。
【請求項2】
前記平均値算出手段は、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報の全域を前記判定領域として画素値の平均値を算出することを特徴とする請求項1に記載の生体内画像取得装置。
【請求項3】
前記撮像手段によって取得された画像情報から、予め設定された所定の調光領域の明るさに応じて、前記照明手段からの照明光の発光量を調整する制御を行う調光制御手段を備え、
前記平均値算出手段は、前記調光領域を前記判定領域とし、前記調光領域に含まれる画素値の平均値を算出することを特徴とする請求項1に記載の生体内画像取得装置。
【請求項4】
前記平均値算出手段は、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素の画素値の単純平均値を算出することを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の生体内画像取得装置。
【請求項5】
前記平均値算出手段は、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素のRGB値の加重平均値を算出することを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の生体内画像取得装置。
【請求項6】
前記平均値算出手段は、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素の所定の色成分の平均値を算出することを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の生体内画像取得装置。
【請求項7】
被検体内部に導入され、当該被検体内部の画像情報を取得する撮像手段と、前記撮像手段による撮像部位を照明する照明手段と、前記撮像手段によって取得された画像情報を外部装置に無線送信する無線送信手段と、を備えた生体内画像取得装置であって、
前記撮像手段および前記照明手段の動作を制御し、前記照明手段が照明動作を行わない状態で前記撮像手段が撮像動作を行う黒画像取得動作を制御する動作制御手段と、
前記黒画像取得動作によって取得された画像情報のうち、所定の判定領域を構成する各画素の画素値のピーク値を検出するピーク値検出手段と、
前記ピーク値検出手段によって検出されたピーク値と予め設定された閾値とを比較して、前記黒画像取得動作によって取得された画像情報が黒画像か否かを判定する黒画像判定手段と、
を備え、
前記無線送信手段は、前記黒画像判定手段により黒画像と判定された画像情報を黒画像情報として前記外部装置に無線送信することを特徴とする生体内画像取得装置。
【請求項8】
前記撮像手段によって取得された画像情報の画素欠陥を検出して補正する画素欠陥補正手段を備え、
前記ピーク値検出手段は、前記画素欠陥補正手段によって補正された画像情報に基づいて、ピーク値の検出を行うことを特徴とする請求項7に記載の生体内画像取得装置。
【請求項9】
被検体内部に導入され、当該被検体内部の画像情報を照明状態または非照明状態で取得する生体内画像取得装置から、前記画像情報を受信する受信装置であって、
前記生体内画像取得装置において非照明状態で取得された画像情報のうち、所定の判定領域の画素値の平均値を算出する平均値算出手段と、
前記平均値算出手段によって算出された平均値と予め設定された閾値とを比較して、前記非照明状態で取得された画像情報が黒画像か否かを判定する黒画像判定手段と、
前記黒画像判定手段により黒画像と判定された画像情報を黒画像情報として記憶する黒画像記憶手段と、
前記黒画像記憶手段に記憶された黒画像情報に基づいて、前記生体内画像取得装置において照明状態で取得された画像情報中の固定パターンノイズを除去し、当該画像情報を補正する画像補正手段と、
を備えることを特徴とする生体内画像受信装置。
【請求項10】
前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報の全域を前記判定領域として画素値の平均値を算出することを特徴とする請求項9に記載の生体内画像受信装置。
【請求項11】
前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素の画素値の単純平均値を算出することを特徴とする請求項9または10に記載の生体内画像受信装置。
【請求項12】
前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素のRGB値の加重平均値を算出することを特徴とする請求項9または10に記載の生体内画像受信装置。
【請求項13】
前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素の所定の色成分の平均値を算出することを特徴とする請求項9または10に記載の生体内画像受信装置。
【請求項14】
被検体内部に導入され、当該被検体内部の画像情報を照明状態または非照明状態で取得する生体内画像取得装置から前記画像情報を受信する受信装置であって、
前記生体内画像取得装置において非照明状態で取得された画像情報のうち、所定の判定領域を構成する各画素の画素値のピーク値を検出するピーク値検出手段と、
前記ピーク値検出手段によって検出されたピーク値と予め設定された閾値とを比較して、前記非照明状態で取得された画像情報が黒画像か否かを判定する黒画像判定手段と、
前記黒画像判定手段により黒画像と判定された画像情報を黒画像情報として記憶する黒画像記憶手段と、
前記黒画像記憶手段に記憶された黒画像情報に基づいて、前記生体内画像取得装置において照明状態で取得された画像情報中の固定パターンノイズを除去し、当該画像情報を補正する画像補正手段と、
を備えることを特徴とする生体内画像受信装置。
【請求項15】
前記生体内画像取得装置において照明状態又は非照明状態で取得された画像情報の画素欠陥を検出して補正する画素欠陥補正手段を備え、
前記ピーク値検出手段は、前記画素欠陥補正手段によって補正された画像情報に基づいて、ピーク値の検出を行うことを特徴とする請求項14に記載の生体内画像受信装置。
【請求項16】
被検体内部に導入され、当該被検体内部の画像情報を照明状態または非照明状態で取得する生体内画像取得装置において取得された画像情報を表示する生体内画像表示装置であって、
前記生体内画像取得装置において非照明状態で取得された画像情報のうち、所定の判定領域の画素値の平均値を算出する平均値算出手段と、
前記平均値算出手段によって算出された平均値と予め設定された閾値とを比較して、前記非照明状態で取得された画像情報が黒画像か否かを判定する黒画像判定手段と、
前記黒画像判定手段により黒画像と判定された画像情報を黒画像情報として記憶する黒画像記憶手段と、
前記黒画像記憶手段に記憶された黒画像情報に基づいて、前記生体内画像取得装置において照明状態で取得された画像情報中の固定パターンノイズを除去し、当該画像情報を補正する画像補正手段と、
を備えることを特徴とする生体内画像表示装置。
【請求項17】
前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報の全域を前記判定領域として画素値の平均値を算出することを特徴とする請求項16に記載の生体内画像表示装置。
【請求項18】
前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素の画素値の単純平均値を算出することを特徴とする請求項16または17に記載の生体内画像表示装置。
【請求項19】
前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素のRGB値の加重平均値を算出することを特徴とする請求項16または17に記載の生体内画像表示装置。
【請求項20】
前記平均値算出手段は、前記非照明状態で取得された画像情報に基づいて、前記判定領域を構成する各画素の所定の色成分の平均値を算出することを特徴とする請求項16または17に記載の生体内画像表示装置。
【請求項21】
被検体内部に導入され、当該被検体内部の画像情報を照明状態または非照明状態で取得する生体内画像取得装置において取得された画像情報を表示する生体内画像表示装置であって、
前記生体内画像取得装置において非照明状態で取得された画像情報のうち、所定の判定領域を構成する各画素の画素値のピーク値を検出するピーク値算出手段と、
前記ピーク値検出手段によって検出されたピーク値と予め設定された閾値とを比較して、前記非照明状態で取得された画像情報が黒画像か否かを判定する黒画像判定手段と、
前記黒画像判定手段により黒画像と判定された画像情報を黒画像情報として記憶する黒画像記憶手段と、
前記黒画像記憶手段に記憶された黒画像情報に基づいて、前記生体内画像取得装置において照明状態で取得された画像情報中の固定パターンノイズを除去し、当該画像情報を補正する画像補正手段と、
を備えることを特徴とする生体内画像表示装置。
【請求項22】
前記生体内画像取得装置において照明状態または非照明状態で取得された画像情報の画素欠陥を検出して補正する画素欠陥補正手段を備え、
前記ピーク値検出手段は、前記画素欠陥補正手段によって補正された画像情報に基づいて、ピーク値の検出を行うことを特徴とする請求項21に記載の生体内画像表示装置。
【請求項23】
被検体内部を撮像した画像情報中の固定パターンノイズを除去するノイズ除去方法であって、
前記被検体内部の画像情報を非照明状態で取得する第1の取得ステップと、
前記非照明状態で取得された画像情報のうち、所定の判定領域の画素値の平均値を算出する算出ステップと、
前記算出された平均値と予め設定された閾値とを比較して、前記非照明状態で取得された画像情報が黒画像か否かを判定する判定ステップと、
前記被検体内部の画像情報を照明状態で取得する第2の取得ステップと、
前記判定ステップにおいて黒画像と判定された画像情報に基づいて、前記照明状態で取得された画像情報中の固定パターンノイズを除去し、当該画像情報を補正する補正ステップと、
を含むことを特徴とするノイズ除去方法。
【請求項24】
被検体内部を撮像した画像情報中の固定パターンノイズを除去するノイズ除去方法であって、
前記被検体内部の画像情報を非照明状態で取得する第1の取得ステップと、
前記非照明状態で取得された画像情報のうち、所定の判定領域を構成する各画素の画素値のピーク値を検出する検出ステップと、
前記検出されたピーク値と予め設定された閾値とを比較して、前記非照明状態で取得された画像情報が黒画像か否かを判定する判定ステップと、
前記被検体内部の画像情報を照明状態で取得する第2の取得ステップと、
前記判定ステップにおいて黒画像と判定された画像情報に基づいて、前記照明状態で取得された画像情報中の固定パターンノイズを除去し、当該画像情報を補正する補正ステップと、
を含むことを特徴とするノイズ除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−207762(P2009−207762A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55454(P2008−55454)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】