説明

生体判別装置およびそれを用いた認証装置ならびに生体判別方法

【課題】ハーフミラー等の光学部品を付加する必要がない、小型の認証装置への搭載が可能な生体判別装置およびそれを用いた認証装置ならびに生体判別方法を提供する。
【解決手段】被写体60が生体の眼であるか否かを判別する生体判別装置20であって、被写体60の画像を撮影する撮影部1と、撮影部1が被写体60を撮影する角度と異なる角度で物体に対して光線を照射する光源部2と、撮影部1が撮影した画像から被写体60の部分光斑を検出する部分光斑検出部18とを備え、部分光斑検出部18で部分光斑が検出されたか否かによって、被写体60が生体の眼であるか否かを判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体が生体であるか否かを判別する生体判別装置およびそれを用いた認証装置ならびに生体判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、指紋、顔、血管および眼の虹彩パターン等の生体情報(いわゆるバイオメトリクス情報)が人それぞれに固有であることを利用して、これらの生体情報を認証情報として用いて本人認証を行う認証装置が実用化されている。
【0003】
特に、被認証者の眼を含む画像(以下、眼画像と記す)を撮影して、その眼画像の虹彩領域を所定の方法でコード化して認証情報を作成し、この認証情報を用いてあらかじめ登録された認証情報(以下、登録認証情報と記す)と比較照合を行うことで本人認証を行う方法、いわゆる虹彩認証方法は、その本人拒否率の低さや他人受入率の低さ等の信頼性の高さから、主に金融機関や空港等の高いセキュリティ性が求められる場所における認証方法として広く実用化されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
前述のような虹彩認証方法においては、不正な行為を行おうとする者(以下、単に不正な者と記す)が、あらかじめ登録された者の虹彩パターンを撮影して印刷物または写真等(以下、これらの物を偽造物と記す)を作成し、その偽造物を用いてその登録された者になりすまして認証を受けることにより、不正な者があらかじめ登録された者と判別されてしまう、いわゆるなりすましの発生という課題があった。
【0005】
このような課題を解決するために、従来から様々な技術が提案されてきており、例えば、生体の眼と偽造物とを判別するために、カメラが被写体を撮影する光軸方向と同じ方向から光線を被写体に照射して被写体からの反射光の輝度を測定し、その輝度値を利用して生体判別する技術が提案されている。このような技術においては、被写体が生体の眼である場合には、その網膜から高輝度な反射光が得られる現象(いわゆる赤目現象)を利用して、検出された光の輝度値が所定の閾値よりも高い場合には、被写体が人体の眼であると判別する(例えば、特許文献2を参照。)。
【特許文献1】特許第3307936号公報
【特許文献2】国際公開第01/01329号パンフレット(2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述したような技術においては、カメラが被写体を撮影する光軸の角度と同じ方向から光線を照射する必要があり、このためには、光源からの光線の方向を変える必要があるので、ハーフミラー等の光学部品を付加して用いる必要があり、小型の認証装置への搭載が難しかったという課題があった。
【0007】
本発明はこれらの課題に鑑みてなされたもので、ハーフミラー等の光学部品を付加する必要がない、小型の認証装置への搭載が可能な生体判別装置およびそれを用いた認証装置ならびに生体判別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために、本発明の生体判別装置は、物体が生体の眼であるか否かを判別する生体判別装置であって、物体を撮影する撮影部と、撮影部の物体に対する撮影角度と異なる角度で物体に対して光線を照射する光線照射部と、撮影部で撮影した画像から物体の部分光斑を検出する部分光斑検出部と、部分光斑検出部において物体から部分光斑が検出されたか否かによって、物体が生体の眼であるか否かを示す情報を出力する情報出力部を備えたことを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、判別対象となる物体に光線を照射してその画像を撮影して、その画像中の部分光斑の有無を判別するという簡易な構成により、ハーフミラー等の光学部品を付加する必要がない、小型の認証装置への搭載が可能な生体判別装置を提供することができる。
【0010】
また、撮影部は、物体を光線照射部で照射したときの第1の画像と照射しないときの第2の画像とを撮影し、部分光斑検出部は、第1の画像と第2の画像とを比較することにより、画像から物体の部分光斑を検出する構成であってもよい。
【0011】
このような構成によれば、さらに、物体に光線を照射して撮影した画像と照射しないで撮影した画像とを比較するという簡易な構成で生体判別が可能となる。
【0012】
さらに、情報出力部は、部分光斑検出部が物体の部分光斑を検出した場合に物体が生体の眼であることを示す情報を出力することを特徴とする構成であってもよい。
【0013】
このような構成によれば、さらに、部分光斑が検出された場合に物体が生体の眼であると判別することができるので、撮影された画像を認証等の後処理に安心して使用することのできる、セキュリティ性の高い構成を実現できる。
【0014】
また、本発明の生体判別装置は、物体が生体の眼であるか否かを判別する生体判別装置であって、物体を撮影する撮影部と、撮影部の物体に対する撮影角度とそれぞれ異なる角度で物体に対して光線を照射する複数の光線照射部と、複数の光線照射部それぞれの点滅制御を行う点滅制御部と、撮影部で撮影された画像から物体の部分光斑を検出する部分光斑検出部と、画像における部分光斑の位置を検出する光斑位置検出部と、点滅制御部が複数の光線照射部それぞれを選択的に点滅させて複数の画像を撮影し、光斑位置検出部において検出される複数の画像それぞれにおける部分光斑の位置によって物体が生体の眼であるか否かを示す情報を出力する情報出力部とを備えたことを特徴としている。
【0015】
このような構成によれば、判別対象となる物体に異なる角度から光線を照射してそれぞれの条件における画像を撮影して、それぞれの画像中の部分光斑の位置を比較するという簡易な構成により、ハーフミラー等の光学部品を付加する必要がない、小型の認証装置への搭載が可能な生体判別装置を提供することができる。
【0016】
また、点滅制御部が複数の光線照射部それぞれを選択的に点滅させて複数の画像を撮影し、複数の画像それぞれが互いに異なる位置に部分光斑を有する場合に、情報出力部は、物体が生体の眼であることを示す情報を出力する構成であってもよい。
【0017】
このような構成によれば、さらに、部分光斑の位置が異なる場合に物体が生体の眼であると判別することができるので、撮影された画像を認証等の後処理に安心して使用することのできる、セキュリティ性の高い構成を実現できる。
【0018】
さらに、画像から瞳孔の領域を検出する瞳孔領域検出部を備え、部分光斑検出部は、瞳孔領域検出部で検出された瞳孔の領域が実質的に円形でない場合に画像中に部分光斑があると判別する構成であってもよい。
【0019】
このような構成によれば、さらに、瞳孔として検出された領域が実質的に円形であるか否かによって部分光斑の有無が判別できるので、簡易な構成を実現することができる。
【0020】
また、部分光斑検出部は、画像の輝度ヒストグラムを比較することによって部分光斑の検出を行う構成であってもよい。
【0021】
このような構成によれば、さらに、画像の輝度ヒストグラムを比較することにより部分光斑の有無が判別できるので、簡易な構成を実現することができる。
【0022】
次に、本発明の認証装置は、本発明の生体判別装置を備えた構成であることを特徴としている。
【0023】
このような構成によれば、認証される者の眼を認証処理の前、後または途中に撮影して被写体が生体の眼であるか否かを判別することができるので、セキュリティ性の高い認証装置を提供できる。
【0024】
さらに、生体判別装置で物体が生体の眼であると判別された場合に、撮影部が撮影した画像から所定の認証情報を作成する認証情報作成部と、あらかじめ登録された登録認証情報を記憶する記憶部と、認証情報作成部で作成された認証情報と記憶部に記憶された登録認証情報とを比較照合する比較照合部とを備えた構成であってもよい。
【0025】
このような構成によれば、さらに、生体判別装置で物体が生体の眼であると判別された場合に認証処理を行うことができるので、セキュリティ性の高い構成を実現できる。
【0026】
次に、本発明の生体判別方法は、物体に光線を照射する第1のステップと、物体の画像を撮影する第2のステップと、画像から物体の部分光斑を検出する第3のステップと、部分光斑が検出された場合に物体が生体の眼であると判別する第4のステップとを備えたことを特徴としている。
【0027】
このような方法によれば、判別対象となる物体に光線を照射してその画像を撮影して、その画像中の部分光斑の有無を判別するという簡易な方法により、ハーフミラー等の光学部品を付加する必要がない、小型の認証装置への搭載が可能な生体判別方法を提供することができる。
【0028】
また、本発明の生体判別方法は、物体に第1の方向から光線を照射する第1のステップと、物体の第1の画像を撮影する第2のステップと、第1の画像から第1の部分光斑の位置を検出する第3のステップと、物体に第1の方向とは異なる第2の方向から光線を照射する第4のステップと、物体の第2の画像を撮影する第5のステップと、第2の画像から第2の部分光斑の位置を検出する第6のステップと、第1の部分光斑の位置と第2の部分光斑の位置とを比較する第7のステップと、第1の部分光斑の位置と第2の部分光斑の位置とが異なる場合に物体が生体の眼であると判別する第8のステップとを備えたことを特徴としている。
【0029】
このような方法によれば、判別対象となる物体に異なる角度から光線を照射してそれぞれの条件における画像を撮影して、それぞれの画像中の部分光斑の位置を比較するという簡易な方法により、ハーフミラー等の光学部品を付加する必要がない、小型の認証装置への搭載が可能な生体判別方法を実現できる。
【0030】
さらに、本発明の生体判別方法は、被写体を所定の角度で斜めから照射したときに発生する部分光斑現象にもとづいて被写体が生体であるか否かを判別することを特徴としている。
【0031】
このような方法によれば、判別対象となる物体に光線を照射したときに発生する部分光斑現象を用いるという簡易な方法により、ハーフミラー等の光学部品を付加する必要がない、小型の認証装置への搭載が可能な生体判別方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0032】
以上述べたように、本発明によれば、ハーフミラー等の光学部品を付加する必要がない、小型の認証装置への搭載が可能な生体判別装置およびそれを用いた認証装置ならびに生体判別方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0034】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態における生体判別装置および生体判別方法について説明する。
【0035】
本発明の第1の実施の形態における生体判別装置および生体判別方法においては、部分光斑現象という生体特有の現象を用いて生体判別を行う。部分光斑現象については後ほど詳述するが、例えば、眼の瞳孔部分を撮影した場合に、撮影方向に対して斜めの方向から眼球内に入射した光線が網膜の一部に照射され、その部分が瞳孔内の他の部分と比較して明るく撮影される現象をいう。
【0036】
図1は、本発明の第1の実施の形態における部分光斑現象について説明するための図である。図1に示したように、生体の眼3に対して正面に撮影部1が位置するように生体判別装置20を配置し、撮影部1の光軸中心から距離Hかつ被写体から見て真上の位置に光源部2を配置し、撮影部1の光軸中心および眼3の眼球の中心を結ぶ撮影軸L1と、光源部2および眼3の眼球の中心を結ぶ直線L2とが部分光斑現象を発生するような所定の角度θとなるように光源部2に眼3を照射させる。なお、この所定の角度θの値は、撮影に用いる光学系や光源の種類等によって異なるが、一例としてその絶対値を約1°以上2.5°以下とすることにより部分光斑現象が発生しやすくなる。しかしながら、本発明は所定の角度θの絶対値に限定されるものではなく、結果として部分光斑現象が発生するような光源部2の配置が行われた生体判別装置および生体判別方法は全て本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
【0037】
このような条件で、光源部2から生体の眼3を照射した場合、撮影部1が眼3を撮影した眼画像10は部分光斑を含む。図2は、本発明の第1の実施の形態における部分光斑を有する眼画像の一例を示す図である。前述の図1に示した光源部2で照射する構成においては、図2(a)に示したように、眼画像10の瞳孔7の領域内における図面に向かって下部の領域が部分的に明るく撮影される。これは、光源部2からの光線が網膜の一部に照射されてその部分が明るく撮影されたものであり、以後、このように瞳孔7の画像内で部分的に輝度の高い領域のことを部分光斑8と記す。部分光斑8を発生させるためには、前述の角度θが所定の範囲内になるように光源部2を配置すればよく、例えば、図1における撮影部1の光軸中心から距離Hの円周上の任意の位置におくことができ、図1における光源部50のように、被写体から見て撮影部の光軸中心に対して真下の位置でもよい。
【0038】
図2(b)は、図1における光源部50によって眼画像10に発生した部分光斑8について示す図である。図2(b)に示したように、部分光斑8は、図2(a)に示した例とは逆の、瞳孔7中の図面に向かって上側に発生する。
【0039】
図2(a)および図2(b)に示したように、このような部分光斑8は、光源部2、50の撮影部1の光軸中心からの距離や角度が変化することにより、その発生する位置が変化する。
【0040】
このように、本発明はこのような部分光斑現象という生体特有の現象を利用して、被写体が生体の眼であるか偽造物であるかを判別するものである。
【0041】
次に、本発明の第1の実施の形態における生体判別装置20の構成を説明する。図3は本発明の第1の実施の形態における生体判別装置20の構成を示すブロック図である。
【0042】
図3において、生体判別装置20は、被写体60に対して前述のような所定の関係を満たすように配置された、被写体60を撮影する撮影部1および被写体60を照明する光源部2、撮影部1で撮影された眼画像10を記憶する記憶部16、記憶部16に記憶された眼画像10から瞳孔7の画像を検出する瞳孔検出部17、瞳孔検出部17で検出された瞳孔7の画像を用いて、部分光斑8を検出し、被写体60が生体の眼3であるか偽造物であるかの信号を出力する部分光斑検出部18、ならびに、光源部2、撮影部1、記憶部16、瞳孔検出部17および部分光斑検出部18の動作を制御する制御部15を備える。
【0043】
光源部2としては、発光ダイオード等の公知のデバイスを用いることができ、部分光斑8を発生させやすくするためには、なるべく指向性の高い光源を用いることが望ましい。また、光源部2の波長は任意に選択することができ、生体の眼3に対して刺激を与えないように、可視領域を除いた非可視領域の光線を発生する光源を選択することが望ましい。さらに、後述するように、生体判別装置20を虹彩認証装置に搭載するような場合には、近赤外波長の光線(700〜1000nm)を発生する光源を用いれば、コントラストの良好な虹彩画像を得るための照明用の光源と兼用することができ望ましい。また、コスト面に鑑みて、キセノンフラッシュのように簡易な入手が可能な、波長が可視光領域の光源を用いることも可能であるが、この場合には、識別対象者に対して不快感を与えないように輝度を下げる等の配慮が必要である。
【0044】
撮影部1としては、部分光斑8を撮影して画像を出力できるものであれば、公知のカメラ装置から適宜選択したものを用いることができる。すなわち、光源部2として可視光線を用いた場合には、可視光領域の撮影が可能なカメラ装置を用いることができるし、光源部2として近赤外光線を用いた場合には、近赤外領域の撮影が可能なカメラ装置を用いることができる。
【0045】
記憶部16としては、画像を一時的に記憶できる記憶媒体であれば、RAMやEPROM等、公知の記憶媒体から適宜選んで使用すればよい。
【0046】
瞳孔検出部17および部分光斑検出部18の機能は、例えばソフトウェアによって実現することもできるし、専用回路を構成することによりハードウェアで実現することも可能である。
【0047】
次に、図4を用いて、本発明の第1の実施の形態における生体判別装置20の動作について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態における生体判別装置20の動作ステップを示すフローチャートである。
【0048】
まず制御部15は、光源部2に眼3に対する光線の照射を開始させる(S11)。続いて制御部15は、撮影部1に眼3の画像、すなわち眼画像10を撮影させる(S12)。撮影された眼画像10は記憶部16に記憶される。
【0049】
次に、瞳孔検出部17は、記憶部16に記憶された眼画像10の中から瞳孔7画像の部分を切り出す(S13)。瞳孔検出部17による眼画像10からの瞳孔7の画像の切り出し処理は、例えば眼画像10を二値化して、もっとも輝度の低い部分を抽出する等の公知の方法を用いて行うことができる。
【0050】
次に、部分光斑検出部18は、瞳孔検出部17で検出された瞳孔7の画像内に部分光斑8があるか否かを判別する(S14)。瞳孔7の画像内に部分光斑8があるか否かの判別は、例えば、瞳孔検出部17において瞳孔7として検出された部分が円形であるか否かを判別することによって行うことができる。この場合には、瞳孔検出部17において瞳孔7として検出された部分が円形であれば、瞳孔7内に部分光斑8がないと推定し、一方で瞳孔7として検出された部分が円形でない場合には、瞳孔7内に部分光斑8があると推定することができる。瞳孔検出部17において瞳孔7として検出された部分が円形であるか否かの部分光斑検出部18における判別方法の一例について、図5を用いて説明する。
【0051】
図5は、本発明の第1の実施の形態における生体判別装置20の部分光斑検出部18の機能について説明するための図である。ここで、図5(a)または図5(b)がそれぞれ瞳孔7として検出された部分であるとする。部分光斑検出部18は、図5(c)または図5(d)に示したような、瞳孔7として検出された部分の輪郭70、71を抽出する。次に、部分光斑検出部18は、その瞳孔7として検出された部分の輪郭70、71を示す座標にもとづいて瞳孔7として検出された輪郭70、71が円形であるか否かを判別する。例えば、図5(c)に示した例では、その輪郭座標が円形をなしていない、すなわち一つの円周上に位置していないので部分光斑8があると判別する。
【0052】
一方、瞳孔検出部17で瞳孔7として検出された部分が図5(b)に示すものであった場合、この瞳孔7として検出された部分の輪郭71を抽出すると図5(d)に示すような円形になる。この例においては、その輪郭座標が円形であるので、部分光斑検出部18は、瞳孔7内に部分光斑8が撮影されているものと判別する。なお、一般的に瞳孔7は真円ではないので、若干の扁平や楕円は円形として判別するように設定しておくことが望ましい。
【0053】
なお、本発明は、瞳孔検出部17において瞳孔7として検出された部分が円形であるか否かの部分光斑検出部18における判別処理方法について上述の方法になんら限定されるものではない。
【0054】
図6は、本発明の第1の実施の形態における生体判別装置20の部分光斑検出部18における他の判別処理方法について説明するための図である。例えば、図6(a)または図6(b)に示したように、光源部2から撮影部1までを結ぶ方向A(図6(a)または図6(b)における上下方向)と直交する方向(同水平方向)で、かつ瞳孔7として検出された部分72を円形であると仮定した場合に、その中心と推定される位置を通る直線Bで瞳孔7として検出された部分72を二つに分割し、それぞれの輝度ヒストグラムを算出して、その比較をすることにより、部分光斑8を検出することも可能である。例えば、図6(b)に示したように、瞳孔7であるとして検出された部分72が円形であると仮定し、その範囲における線Bの紙面上側の半円を領域B1、下側の半円を領域B2とした場合、領域B1と領域B2内のそれぞれの輝度ヒストグラムを作成する。図6(b)に示した例における領域B1の輝度ヒストグラムを図6(c)に示し、領域B2の輝度ヒストグラムを図6(d)に示す。図6(c)に示したように、領域B1、すなわち瞳孔であるとして検出された部分72の紙面上側の部分は低輝度の発生頻度が高く、逆に、領域B2、すなわち瞳孔7であるとして検出された部分72の紙面下側の部分は高輝度の発生頻度が高く、互いに異なる傾向を有する対照的な輝度ヒストグラムとなる。一方、瞳孔7であるとして検出された部分が部分光斑8を有さない場合には、このような輝度ヒストグラムを算出しても、領域B1と領域B2とで大きな違いがないことを利用して、瞳孔7であるとして検出された部分72が部分光斑8を有さないと判別することが可能である。この例では、領域B1と領域B2との輝度ヒストグラムを比較する例を示したが、領域B1および領域B2のそれぞれの領域の平均輝度値を比較することにより、部分光斑8の有無を判別することも可能である。
【0055】
図4に戻って、部分光斑検出部18は、上述したような方法で部分光斑8の有無を判別し、眼画像10中に部分光斑8が存在すると判別された場合には、被写体60が生体の眼3である可能性が高いので、被写体60が生体である旨の信号を出力してその処理を終了する(S15)。一方、部分光斑検出部18において、眼画像10中に部分光斑8が存在しないと判別された場合には、被写体60は生体の眼3ではない偽造物である可能性が高いので、部分光斑検出部18はその旨を出力して処理を終了する(S16)。
【0056】
部分光斑検出部18から出力された被写体60が生体であるか否か(偽造物であるか)の信号は、外部に接続された認証装置等の各種情報装置に送られて、被写体60が偽造物であるという信号が出力された場合には、その情報装置の使用者に画面等を通じて注意を促すような構成であってもよいし、同じく外部に接続された警報装置に送られて警報が発生する構成であってもよい。
【0057】
上述したように、本発明の第1の実施の形態における生体判別装置20によれば、光源部2と撮影部1とを被写体60に対して所定の関係を有する位置に配置するという簡易な構成により、被写体60が生体の眼3であるか偽造物であるかを確実に判別することができる。
【0058】
なお、本発明の第1の実施の形態においては、光源部2が一つである場合を例として説明したが、本発明の生体判別装置および生体判別方法は光源部の数をなんら限定するものではない。例えば、図1に示したような、光源部2と光源部50をともに備えた構成であってもよい。図7は、本発明の第1の実施の形態における生体判別装置20において、二つの光源部2、50を有する構成によって撮影された眼画像10の一例を示す図である。このような構成によれば、光源部2および光源部50をともに点灯させたときの眼画像10は、図7に示すように、瞳孔7の紙面に向かって上下に一つずつ部分光斑8が検出され、部分光斑判別部18は、二つの部分光斑8の有無によって被写体60が生体の眼3であるか否かを判別することが可能となる。
【0059】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態における生体判別装置および生体判別方法について説明する。この第2の実施の形態における生体判別装置は、第1の実施の形態で説明した生体判別装置20と同様の構成であるが、以下に述べるように、その動作を異ならせたものである。
【0060】
図8は、本発明の第2の実施の形態における生体判別装置20の動作ステップを示すフローチャートである。図8に示したように、本発明の第2の実施の形態における生体判別装置20の動作は、第1の実施の形態における図4に示した生体判別装置20の動作と比較して、光源部2からの光線照射の前に、照明のない状態、または、部分光斑8を発生しない位置(例えば、図1における距離Hよりも離れた位置)の光源部2による照明下での画像を取得するステップ(S10)を有する点と、部分光斑検出部18で部分光斑8の有無を検出する際の処理内容(S17)とが異なる。
【0061】
まず、撮影部1によって、照明しない状態、または、部分光斑8を発生しない位置の光源部2による照明下で被写体60の画像を撮影する(S10)。なお、ステップS11〜ステップS13まで、ステップS15、ステップS16の各ステップは、第1の実施の形態に説明したとおりであるので、ここではその説明を省略する。
【0062】
ステップS13が終了した後に、部分光斑判別部18は、ステップS10で撮影された被写体60の画像と、ステップS12で撮影された光源部2による照明のある状態での被写体60の画像とを比較する(S17)。被写体60が生体の眼3である場合には、ステップS10で撮影された画像には部分光斑8が含まれないが、ステップS12で撮影された画像には部分光斑8が含まれることから、これらの画像の輝度値の比較等を行うことで、輝度値の差の大きい領域を検出できるので画像中に部分光斑8があると判別できる。
【0063】
一方、被写体60が生体の眼3ではなく、偽造物である場合には、ステップS10で撮影された画像にも、ステップS12で撮影された画像にも、ともに部分光斑8が含まれないことから、これらの画像の輝度値の比較等を行っても、輝度値の差の大きい領域が検出されず、画像中に部分光斑8がないと判別できる。
【0064】
このような方法によっても、第1の実施の形態に示したような生体判別装置および生体判別方法と同様に、被写体60が生体の眼3であるか否かを確実に判別することが可能となる。
【0065】
なお、本発明の第2の実施の形態においては、ステップS10における撮影とステップS12における撮影との間をできるだけ短くする、例えば約1秒以下とすることによって、不正な者になりすましを行う時間を与えず、より確実に偽造物を識別することが可能となる。また、本発明の第2の実施の形態においては、ステップS10およびステップS12における画像の撮影を繰り返して行うことにより、繰り返しの回数を多くすればするほど、不正な者がなりすましを行う可能性を低くすることができる。
【0066】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態における生体判別装置および生体判別方法について説明する。
【0067】
図9(a)は本発明の第3の実施の形態における生体判別装置30の構成を示すブロック図であり、図9(b)は、本発明の第3の実施の形態における生体判別装置30を正面から見たと仮定した場合の、第1の光源部22および第2の光源部23と撮影部1との位置関係を示すための図である。
【0068】
図9(a)に示したように、本発明の第3の実施の形態における生体判別装置30は、光源部を二つ、すなわち第1の光源部22と第2の光源部23とを備えている。これら第1の光源部22および第2の光源部23は、図9(b)に示したように、撮影部1の光軸中心から前述の所定の距離H離間した位置にそれぞれの中心がくるように配置する。
【0069】
本発明の第3の実施の形態における生体判別装置30の動作について説明する。
【0070】
図10は、本発明の第3の実施の形態における生体判別装置30の動作ステップを示すフローチャートである。
【0071】
まず制御部15は、第1の光源部22を点灯させ(S21)て、その際の被写体60の画像(以下、第1の画像と記す)を撮影部1に撮影させる(S22)。撮影が終了したら、制御部15は、第1の光源部22を消灯する。生体の眼3を撮影した場合の第1の画像31の一例を図11(a)に示す。図11(a)は、本発明の第3の実施の形態における生体判別装置30において撮影された第1の画像31の一例を示す図である。図11(a)に示したように、瞳孔7の部分において紙面左側に部分光斑8が撮影されていることが分かる。
【0072】
次に、制御部15は、第2の光源部23を点灯させる(S23)。そして、その際の画像(以下、第2の画像と記す)を撮影部1に撮影させる(S24)。撮影が終了したら、制御部15は、第2の光源部23を消灯する。図11(b)は、本発明の第3の実施の形態における生体判別装置30において生体の眼3を撮影した場合の第2の画像32の一例を示す図である。図11(b)に示したように、瞳孔7の部分の紙面右側に部分光斑8が撮影されていることが分かる。ステップS22およびステップS24において撮影された第1の画像31および第2の画像32はそれぞれ記憶部16に記憶される。なお、第1の画像31と第2の画像32との撮影間隔を短くすることで、不正な者に、なりすましを行う時間を与える可能性を低くすることができるので、より信頼性の高い構成を実現することができる。なお、本発明の第3の実施の形態においても、ステップS22およびステップS24における画像の撮影を繰り返して行うことにより、繰り返しの回数を多くすればするほど、不正な者がなりすましを行う可能性を低くすることができる。
【0073】
続いて、瞳孔検出部17は、これら第1の画像31および第2の画像32から、第1の実施の形態に示した方法で、それぞれ瞳孔7の部分を検出する(S25)。
【0074】
そして、部分光斑検出部18は、第1の画像31から検出された瞳孔7の部分および第2の画像32から検出された瞳孔7の部分からそれぞれ第1の実施の形態で説明した方法によって部分光斑8を検出し、その瞳孔7の部分における発生位置を光斑位置比較部19に出力する(S26)。図12(a)は、本発明の第3の実施の形態における生体判別装置30において撮影された第1の画像31から瞳孔7の部分を検出した画像を示す図であり、図12(b)は、本発明の第3の実施の形態における生体判別装置30において撮影された第2の画像32から瞳孔7の部分を検出した画像を示す図である。
【0075】
例えば、図11(a)に示した第1の画像31から瞳孔7の部分を抽出すると、図12(a)に示したように、瞳孔7の紙面左側に部分光斑8が検出される。一方、図11(b)に示した第2の画像32から瞳孔7の部分を抽出すると、図12(b)に示したように、瞳孔7の紙面右側に部分光斑8が検出されることになる。
【0076】
光斑位置比較部19では、部分光斑検出部18で検出された二つの画像から検出された部分光斑8を比較して、その位置が一致するか否かを判別する(S27)。
【0077】
図11(a)および図11(b)に示した例においては、部分光斑8の出現位置が異なるので、このような場合には、光斑位置比較部19は、被写体60が生体の眼3であることを示す信号を出力する。
【0078】
一方、悪意を有する第三者が図13(a)に示したような、あらかじめ部分光斑8を有する眼の偽造物51を作成した場合には、光源部を変えて撮影した第1の画像31も第2の画像32もともに同じ図13(b)に示したように同じ位置に部分光斑8が検出されるので、光斑位置比較部19は、被写体60が生体の眼3ではない(偽造物51である)ことを示す信号を出力する。図13(a)は本発明の第3の実施の形態における偽造物51の一例を示す図であり、図13(b)は、本発明の第3の実施の形態における生体判別装置30によって偽造物51を撮影した画像の一例を示す図である。
【0079】
光斑位置比較部19から出力された被写体60が生体であるか否か(偽造物であるか)の信号は、外部に接続された認証装置等の各種情報装置に送られて情報装置の使用者に画面等を通じて注意を促すような構成であってもよいし、同じく外部に接続された警報装置に送られて警報が発生する構成であってもよい。
【0080】
上述したように、本発明の第3の実施の形態における生体判別装置30によれば、第1の光源部22および第2の光源部23という二つの光源部と撮影部1とを被写体60に対して所定の関係を有する位置に配置するという簡易な構成により、被写体60が生体の眼3であるか偽造物51であるかを確実に判別することができる。
【0081】
さらに、本発明の第3の実施の形態における生体判別装置30によれば、悪意を有する第三者が図12(a)に示したような、あらかじめ部分光斑8を有する眼画像の偽造物51を作成したような場合にも、なりすましをすることができないセキュリティ性の高い生体判別装置を提供することができる。
【0082】
なお、本発明の第3の実施の形態においては、光斑位置比較部19において、部分光斑8の位置を比較することにより被写体60が生体の眼3であるか否かの判別を行ったが、本発明の生体判別装置はこれに限定されるものではない。例えば、第1の実施の形態で説明したような、第1の画像31と第2の画像32のそれぞれの瞳孔7の部分の輝度ヒストグラムを算出し、輝度ヒストグラムが互いに一致するようならば被写体60が偽造物51であると判別し、互いに相違するようであれば被写体60が生体の眼3であると判別する構成であってもよい。
【0083】
なお、本発明の第3の実施の形態においては、生体判別装置30の光源部を二つ備えた構成を説明したが、本発明の生体判別装置は光源部の数を限定するものではない。例えば、同心円上に四つ備えた構成であってもよいことはいうまでもない。
【0084】
また、第1の光源部22および第2の光源部23がそれぞれ単光源である場合を用いて説明したが、光源部がそれぞれ複数の光源からなる構成であってもよいことはいうまでもない。
【0085】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態として、本発明の認証装置について説明する。
【0086】
図14は本発明の第4の実施の形態における認証装置40の構成を示すブロック図である。
【0087】
図14に示したように、本発明の第4の実施の形態における認証装置40は、第1の実施の形態から第3の実施の形態までの各実施の形態で説明した生体判別装置20または生体判別装置30を備えている。さらに、本発明の第4の実施の形態における認証装置40は、生体判別装置20または生体判別装置30で生体の眼3であると判別された、記憶部16に記憶された眼画像10から虹彩4の部分を抽出して切り出す切出部41、切り出された画像を所定の方法でコード化して認証情報を作成するコード化部42、あらかじめ登録された者の登録認証情報を記憶する認証情報記憶部44、コード化部42で作成された認証情報と認証情報記憶部44に記憶された登録認証情報を比較照合する照合部43、および、照合部43で照合された結果を出力する出力部45を備える。
【0088】
なお、切出部41における画像切出方法、コード化部42における画像のコード化方法、照合部43における認証情報の照合方法については、例えば前述の特許文献1に記載された方法等を用いることができる。
【0089】
このような構成により、本発明の第4の実施の形態における認証装置40によれば、生体判別装置20または生体判別装置30によって生体の眼3であると判別された被写体60の画像について、虹彩パターンを抽出して認証情報を作成し、本人認証を行うことができるので、不正な行為が行われる可能性の低い、セキュリティ性の高い認証装置40を実現できる。
【0090】
なお、本発明の第4の実施の形態においては、眼画像の虹彩領域をコード化することによって得た認証情報を用いた認証装置の構成について説明したが、本発明の認証装置は、虹彩を用いた認証情報を用いた認証装置に限定されるものではない。例えば、眼底の血管パターン等の生体の眼に関わるバイオメトリクス情報を認証情報として用いた認証装置に適用可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明にかかる生体判別装置およびそれを用いた認証装置ならびに生体判別方法によれば、ハーフミラー等の光学部品を付加する必要がなく、小型の認証装置への搭載が可能であるという効果を有するので、物体が生体であるか否かを判別する生体判別装置およびそれを用いた認証装置ならびに生体判別方法等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1の実施の形態における部分光斑現象を説明するための図
【図2】本発明の第1の実施の形態における部分光斑を有する眼画像の一例を示す図
【図3】本発明の第1の実施の形態における生体判別装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の第1の実施の形態における生体判別装置の動作ステップを示すフローチャート
【図5】本発明の第1の実施の形態における生体判別装置の部分光斑検出部の機能について説明するための図
【図6】本発明の第1の実施の形態における生体判別装置の部分光斑検出部における他の判別処理方法について説明するための図
【図7】本発明の第1の実施の形態における生体判別装置において二つの光源部を有する構成によって撮影された眼画像の一例を示す図
【図8】本発明の第2の実施の形態における生体判別装置の動作ステップを示すフローチャート
【図9】(a)は本発明の第3の実施の形態における生体判別装置の構成を示すブロック図(b)は本発明の第3の実施の形態における生体判別装置を正面から見たと仮定した場合の光源部と撮影部との位置関係を示すための図
【図10】本発明の第3の実施の形態における生体判別装置の動作ステップを示すフローチャート
【図11】(a)は本発明の第3の実施の形態における生体判別装置において撮影された第1の画像の一例を示す図(b)は本発明の第3の実施の形態における生体判別装置において生体の眼を撮影した場合の第2の画像の一例を示す図
【図12】(a)は本発明の第3の実施の形態における生体判別装置において撮影された第1の画像から瞳孔の部分を検出した画像を示す図(b)は本発明の第3の実施の形態における生体判別装置において撮影された第2の画像から瞳孔の部分を検出した画像を示す図
【図13】(a)は本発明の第3の実施の形態における偽造物の一例を示す図(b)は本発明の第3の実施の形態における生体判別装置によって偽造物を撮影した画像の一例を示す図
【図14】本発明の第4の実施の形態における認証装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0093】
1 撮影部
2,50 光源部
3 (生体の)眼
4 虹彩
7 瞳孔
8 部分光斑
10 眼画像
15 制御部
16 記憶部
17 瞳孔検出部
18 部分光斑検出部
19 光斑位置比較部
20,30 生体判別装置
22 第1の光源部
23 第2の光源部
31 第1の画像
32 第2の画像
40 認証装置
41 切出部
42 コード化部
43 照合部
44 認証情報記憶部
45 出力部
51 偽造物
60 被写体
70,71 輪郭
72 (瞳孔として検出された)部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体が生体の眼であるか否かを判別する生体判別装置であって、
前記物体を撮影する撮影部と、
前記撮影部の前記物体に対する撮影角度と異なる角度で前記物体に対して光線を照射する光線照射部と、
前記撮影部で撮影した画像から前記物体の部分光斑を検出する部分光斑検出部と、
前記部分光斑検出部において前記物体から部分光斑が検出されたか否かによって、前記物体が生体の眼であるか否かを示す情報を出力する情報出力部を備えたことを特徴とする生体判別装置。
【請求項2】
前記撮影部は、前記物体を前記光線照射部で照射したときの第1の画像と照射しないときの第2の画像とを撮影し、
前記部分光斑検出部は、前記第1の画像と前記第2の画像とを比較することにより、前記画像から前記物体の部分光斑を検出することを特徴とする請求項1に記載の生体判別装置。
【請求項3】
前記情報出力部は、前記部分光斑検出部が前記物体の部分光斑を検出した場合に前記物体が生体の眼であることを示す情報を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生体判別装置。
【請求項4】
物体が生体の眼であるか否かを判別する生体判別装置であって、
前記物体を撮影する撮影部と、
前記撮影部の前記物体に対する撮影角度とそれぞれ異なる角度で前記物体に対して光線を照射する複数の光線照射部と、
前記複数の光線照射部それぞれの点滅制御を行う点滅制御部と、
前記撮影部で撮影された画像から前記物体の部分光斑を検出する部分光斑検出部と、
前記画像における部分光斑の位置を検出する光斑位置検出部と、
前記点滅制御部が前記複数の光線照射部それぞれを選択的に点滅させて複数の画像を撮影し、前記光斑位置検出部において検出される前記複数の画像それぞれにおける部分光斑の位置によって前記物体が生体の眼であるか否かを示す情報を出力する情報出力部とを備えたことを特徴とする生体判別装置。
【請求項5】
前記点滅制御部が前記複数の光線照射部それぞれを選択的に点滅させて前記複数の画像を撮影し、前記複数の画像それぞれが互いに異なる位置に部分光斑を有する場合に、前記情報出力部は、前記物体が生体の眼であることを示す情報を出力することを特徴とする請求項4に記載の生体判別装置。
【請求項6】
前記画像から瞳孔の領域を検出する瞳孔領域検出部を備え、
前記部分光斑検出部は、前記瞳孔領域検出部で検出された前記瞳孔の領域が実質的に円形でない場合に前記画像中に部分光斑があると判別することを特徴とする請求項1または請求項4に記載の生体判別装置。
【請求項7】
前記部分光斑検出部は、前記画像の輝度ヒストグラムを比較することによって部分光斑の検出を行うことを特徴とする請求項2または請求項4に記載の生体判別装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の生体判別装置を備えたことを特徴とする認証装置。
【請求項9】
前記生体判別装置で前記物体が生体の眼であると判別された場合に、前記撮影部が撮影した前記画像から所定の認証情報を作成する認証情報作成部と、
あらかじめ登録された登録認証情報を記憶する記憶部と、
前記認証情報作成部で作成された認証情報と前記記憶部に記憶された登録認証情報とを比較照合する比較照合部とを備えたことを特徴とする請求項8に記載の認証装置。
【請求項10】
物体に光線を照射する第1のステップと、
前記物体の画像を撮影する第2のステップと、
前記画像から前記物体の部分光斑を検出する第3のステップと、
前記物体の部分光斑が検出された場合に前記物体が生体の眼であると判別する第4のステップとを備えたことを特徴とする生体判別方法。
【請求項11】
物体に第1の方向から光線を照射する第1のステップと、
前記物体の第1の画像を撮影する第2のステップと、
前記第1の画像から第1の部分光斑の位置を検出する第3のステップと、
前記物体に前記第1の方向とは異なる第2の方向から光線を照射する第4のステップと、
前記物体の第2の画像を撮影する第5のステップと、
前記第2の画像から第2の部分光斑の位置を検出する第6のステップと、
前記第1の部分光斑の位置と前記第2の部分光斑の位置とを比較する第7のステップと、
前記第1の部分光斑の位置と前記第2の部分光斑の位置とが異なる場合に前記物体が生体の眼であると判別する第8のステップとを備えたことを特徴とする生体判別方法。
【請求項12】
被写体を所定の角度で斜めから照射したときに発生する部分光斑現象にもとづいて前記被写体が生体であるか否かを判別することを特徴とする生体判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−43029(P2006−43029A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226508(P2004−226508)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】