説明

生体情報処理装置、及び、生体情報処理装置の制御方法

【課題】検出した生体情報を装置内において伝送する際の異常を、処理の遅延を招かない
ように速やかに検出することで、情報の即時性を損なうことなく信頼性を高める。
【解決手段】ユーザの生体情報を検出する脈波センサ30及び体動センサ90の検出値を
周期的に取得して蓄積し、所定時間分の検出値をまとめて出力するマイコン50と、マイ
コン50から出力される検出値に基づく演算処理を行って二次情報を求めてマイコン50
に出力するDSP52と、を備えた構成において、マイコン50により、所定時間分の検
出値と、この所定時間分の検出値に対応する誤り検出符号を生成して出力し、DSP52
により、マイコン50から出力された所定時間分の検出値に対応する誤り検出符号に基づ
いて誤り検出を行い、誤りの有無を示す検証情報を二次情報とともにマイコン50に出力
する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体に関する情報を処理する生体情報処理装置、及び、この生体情報処理装
置を制御するための制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの身体に装着したセンサによって、ユーザの心拍数(脈拍)等の情報を検
出する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような装置は、検出値を演
算処理して、1分間あたりの脈拍数等を算出し、表示する機能を備えている。また、最近
は、ユーザの脈拍に加え、ユーザの動き等に関する情報をも合わせて検出するものも知ら
れている。
【特許文献1】特開2006−296700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来の装置において、検出された生体情報を装置内部で伝送する際に異
常が発生した場合、この生体情報に基づいて算出される脈拍数等の値が異常な値になって
しまう可能性がある。特に、生体情報が、脈拍とユーザの動きに関する情報のように複数
種類の検出値を含む場合、伝送時に伝送タイミングがずれる異常が発生すると、検出値の
種類が混同されて処理されてしまうため、その後の処理において異常な値が算出・処理さ
れてしまう。このような事態を回避する方法としては、例えば、装置内部で情報を送受信
する際に、受信側において情報の検証を行い、情報が正しくない場合に再送することが考
えられる。しかしながら、脈拍や動きの情報のように随時検出を行いながら演算処理を行
う必要がある情報の処理において、情報の再送を行うと処理の遅延を招いてしまい、即時
性が損なわれるおそれがあった。また、処理の遅延により情報を失わないように、この情
報を格納するメモリの容量を多めに用意する必要があるという問題があった。
そこで、本発明は、生体に関する情報を処理する生体情報処理装置において、検出され
た生体情報を当該装置において伝送する際の異常を、処理の遅延を招かないように速やか
に検出することで、情報の即時性を損なうことなく信頼性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明は、ユーザの身体に装着され、前記ユーザの生体情報
を検出するセンサ部と、前記センサ部の検出値を周期的に取得して蓄積し、所定時間分の
検出値をまとめて出力する制御部と、前記制御部から出力される所定時間分の検出値に基
づく演算処理を行って前記ユーザの生体に係る二次情報を求め、求めた二次情報を前記制
御部に出力する演算部と、を備え、前記制御部は、所定時間分の検出値を出力する際に、
この所定時間分の検出値に対応する誤り検出符号を生成して出力し、前記演算部は、前記
制御部から出力された所定時間分の検出値を取得し、この所定時間分の検出値に対応する
誤り検出符号に基づいて誤り検出を行い、誤りの有無を示す検証情報を当該所定時間分の
検出値から求めた二次情報とともに前記制御部に出力すること、を特徴とする生体情報処
理装置を提供する。
【0005】
上記構成において、前記二次情報を表示する表示部をさらに備え、前記制御部は、前記
演算部から入力される二次情報と検証情報とを取得し、取得した検証情報により誤りが無
いことを確認した場合のみ、取得した二次情報に基づいて前記表示部における表示を更新
させるものとしてもよい。
また、上記構成において、前記センサ部は脈波を検出する脈波センサを備え、前記演算
部は、前記制御部から入力される所定時間分の脈波センサの検出値に基づいて、単位時間
あたりの脈拍数を二次情報として算出するものとしてもよい。
【0006】
さらに、上記構成において、前記センサ部は脈波を検出する脈波センサと、所定の1又
は複数方向における動きを検出する動きセンサとを備え、前記制御部は、前記脈波センサ
の検出値と前記動きセンサの検出値とを順次取得して蓄積するものであり、前記演算部は
、前記制御部から入力される所定時間分の脈波センサの検出値に基づいて、単位時間あた
りの脈拍数を二次情報として算出するとともに、前記制御部から入力される所定時間分の
動きセンサの検出値に基づいて動きピッチを二次情報として算出するものとしてもよい。
また、上記構成において、前記制御部は、所定時間分の前記センサ部の検出値と、この
所定時間分の検出値に対応する誤り検出符号と、当該所定時間分の検出値に基づいて前記
演算部により算出された二次情報と、この二次情報とともに前記演算部から入力された検
証情報とを、外部接続された装置に出力するものとしてもよい。
【0007】
また、上記課題を解決するため、本発明は、ユーザの身体に装着され、前記ユーザの生
体情報を検出するセンサ部と、前記センサ部の検出値を周期的に取得して蓄積し、所定時
間分の検出値をまとめて出力する制御部と、前記制御部から出力される所定時間分の検出
値に基づく演算処理を行って前記ユーザの生体に係る二次情報を求め、求めた二次情報を
前記制御部に出力する演算部と、を備えた生体情報処理装置を制御して、前記制御部によ
り、所定時間分の検出値を出力する際に、この所定時間分の検出値に対応する誤り検出符
号を生成して出力し、前記演算部により、前記制御部から出力された所定時間分の検出値
を取得し、この所定時間分の検出値に対応する誤り検出符号に基づいて誤り検出を行い、
誤りの有無を示す検証情報を当該所定時間分の検出値から求めた二次情報とともに前記制
御部に出力すること、を特徴とする生体情報処理装置の制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、制御部から演算部への伝送においてエラーを生じた場合に、処理の遅
延を招くことなく確実にエラーの発生を検出できるので、情報の即時性を損なうことなく
、信頼性の高い二次情報を生成及び処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る生体情報処理装置1の構成、及び、装着状態の例を示す図で
ある。
生体情報処理装置1は、ユーザの脈拍情報である脈波信号を検出し、検出した脈波信号
から脈拍数を算出し、算出した脈拍数を表示する装置である。生体情報処理装置1は、ユ
ーザの手首L(図3)に装着される装置本体10と、ユーザの指に装着されて脈波信号を
検出する脈波センサ30とを、ケーブル20により接続して構成される。
装置本体10は、例えば合成樹脂製の時計ケース11を備え、時計ケース11には、装
置本体10をユーザの手首Lに装着するためのバンド12が取り付けられている。装置本
体10は、図1に示すように、バンド12によって腕時計と同様に装着され、この状態で
使用される。また、脈波センサ30は、センサ固定用バンド40によってユーザの指(図
1の例では小指)に装着される。
【0010】
図2は、装置本体10の平面図である。
装置本体10を構成する時計ケース11の表面側には、ELバックライト付きの表示部
としての液晶表示装置13が配設されている。液晶表示装置13は、現在時刻や日付を表
示するとともに、ユーザの脈拍数や、消費カロリー、体動のピッチ等を表示する。
液晶表示装置13には、表示面の左上側に第1のセグメント表示領域131が配置され
、右上側には第2のセグメント表示領域132が、右下側には第3のセグメント表示領域
133が配置され、左下側には各種の情報をグラフィック表示可能なドット表示領域13
4が配置されている。
時計ケース11の外周部には、消費カロリーの算出開始や動作モードの変更等の各種指
示を行うためのボタンスイッチ111〜115が設けられている。また、時計ケース11
の表面には、大きめのボタンスイッチ116,117が設けられている。本実施形態では
、これらボタンスイッチ111〜117を利用してユーザが自身の性別・年齢・身長・体
重等の個別情報を入力し、登録する操作を行える。
【0011】
時計ケース11には、装置本体10の動きを検出する動きセンサとしての体動センサ9
0が収容されている。体動センサ90は3軸の加速度センサとして構成され、各軸方向(
X軸、Y軸、Z軸)における加速度の検出値を、軸毎に出力する。
また、時計ケース11の内部には、生体情報処理装置1の各部を制御する制御回路5が
収容されている。制御回路5は、脈波センサ30が出力する検出値に基づいてユーザの1
分間あたりの脈拍数(心拍数)を算出し、液晶表示装置13に表示させる処理を行う。ま
た、制御回路5は、体動センサ90が出力する検出値に基づいて、例えば、ユーザの動作
(体動)のピッチや体動のレベル等を算出して、算出した結果を液晶表示装置13に表示
させる。さらに、制御回路5は、現在時刻を計時する機能を備え、液晶表示装置13に現
在時刻や日時を表示する。
この他、時計ケース11の内部には、生体情報処理装置1の各部に電源電圧を供給する
ボタン型の電池59、及び、ブザー用の偏平な圧電素子58が収容されている。
【0012】
図3は、脈波センサ30の断面図である。
脈波センサ30は、センサ固定用バンド40(図1)によってユーザの指に装着される
。脈波センサ30は、外枠を構成するセンサ枠36に、透光板34と、裏蓋402とを嵌
め込んで構成される外装を有し、この外装に各部を収容して構成される。透光板34は脈
波センサ30の表側、すなわちユーザの指に密着する側の面に配設され、裏蓋402は裏
側の面を構成する。
外装の内部に形成される部品収納空間400には、LED31、フォトトランジスタ3
2、その他の電子部品が実装された回路基板35が配置され、回路基板35にはケーブル
20の各配線がはんだ付けされている。また、ケーブル20の被覆の一部には、ケーブル
20を脱落不能に外装に保持するためのブッシュ493が設けられている。
【0013】
透光板34は、ガラスや合成樹脂製の透光性の部材である。回路基板35に実装された
LED31は、発光面を透光板34側に向けて配設され、フォトトランジスタ32は、受
光面を透光板34側に向けて配設されており、LED31が透光板34を通して外部に光
を発し、フォトトランジスタ32が透光板34を通して入射する外光を受光する構成とな
っている。透光板34の外側表面441は、ユーザの指に確実に密着するよう、その周囲
部分461よりも突出している。
【0014】
透光板34はユーザの指に密着するため、LED31が発した光はユーザの指に照射さ
れる。ここで、ユーザの指においては、LED31が発した光が血管において反射し、こ
の反射光がフォトトランジスタ32によって受光される。指の血管における反射光の光量
は、血管内の血液の量を反映するため、フォトトランジスタ32の受光量に基づいて血管
内の血液の量の変動、すなわち脈波を検出できる。指の表面においては波長300nm(
ナノメートル)以下の光が反射しやすく、また、指を伝ってフォトトランジスタ32に到
達する外光成分は主として波長700nmを超える波長である。従って、LED31を発
光波長領域が300nm〜700nmの範囲にあるものとし、フォトトランジスタ32を
、受光波長領域を700nm以下のものとすれば、指の表面で比較的吸収されにくい成分
の光を用いて、外光の影響を受けにくい条件で正確に脈波を検出できる。この場合、透光
板34は、透明であっても着色されていてもよいが、LED31が発する波長領域の光及
びその反射光を透過させるものであることが好ましい。また、センサ固定用バンド40は
、外光を透過させないものが良く、少なくともフォトトランジスタ32が受光する波長領
域の光を透過させないものであることが好ましい。脈波センサ30の外装を構成する透光
板34の周囲部分461、センサ枠36、及び、裏蓋402についても同様である。さら
に、脈波センサ30を装着する部位が指の腹側の面や側面などの無毛部であれば、体毛や
毛根によって光が遮られないため、脈波の検出に好適である。
【0015】
図4は、生体情報処理装置1の機能的構成を示すブロック図である。
制御回路5は、各種プログラムを実行することにより、生体情報処理装置1の各部を制
御する制御部としてのマイコン(マイクロプロセッサ)50、マイコン50の制御に従っ
て、脈波センサ30が検出した脈波の検出値に基づいて1分間あたりの脈拍数等を演算処
理する演算部としてのDSP(Digital Signal Processor)52、脈波センサ30から出
力される検出値のアナログ信号を取得して、波形整形や増幅を行って出力する信号処理回
路53、信号処理回路53から出力されたアナログ信号をA/D変換して、デジタル脈波
データ(以下、脈波データ)としてマイコン50に出力するA/Dコンバータ54、マイ
コン50により処理されたデータを格納するEEPROM(Electrically Erasable and
Programmable Read Only Memory)55を備えている。また、マイコン50に対しては体
動センサ90から各軸の加速度の検出値が入力され、マイコン50はこの入力値をデジタ
ル変換する機能を有する。なお、制御回路5は、制御回路5の各部に動作クロック信号を
供給する発振回路や所定の電源電圧を供給する電源回路等を備えているが、ここでは図示
しない。
また、制御回路5はクレードル6を介してホストPC(Personal Computer)7に接続
される。ホストPC7は、生体情報処理装置1により検出された脈波や動きのデータ、生
体情報処理装置1により算出・表示された脈拍数等のデータを管理する機能を備えたパー
ソナルコンピュータである。ホストPC7に対しては、クレードル6を介して、制御回路
5のEEPROM55に格納されたデータが出力される。
【0016】
マイコン50は、体動センサ90から入力される軸毎の加速度の検出値をデジタル加速
度データ(以下、加速度データ)に変換して、DSP52に出力する。DSP52は、マ
イコン50から入力されたデジタル加速度データに基づいて、体動ピッチ等の体動情報を
生成し、マイコン50に出力する。マイコン50は、DSP52から入力された体動情報
を液晶表示装置13に表示させるとともに、EEPROM55に格納する。このEEPR
OM55に格納された体動情報は、クレードル6を介してホストPC7へ送信され、ホス
トPC7により記憶される。また、マイコン50は、A/Dコンバータ54から入力され
る脈波データを取得し、この脈波データに基づいて、DSP52によって1分間あたりの
脈拍数を算出させ、算出された脈拍数を液晶表示装置13に表示するとともにホストPC
7へ送信する制御を行う。
【0017】
このように、本実施形態の構成では、制御部として機能するデバイス(マイコン50)
によって、脈波センサ30及び体動センサ90の検出値を、演算部として機能するデバイ
ス(DSP52)に出力し、DSP52における演算結果を取得してホストPC7へ送出
する動作を行う。脈波センサ30の検出値から単位時間あたりの脈拍数を算出したり、動
作のピッチを求めたりする処理は比較的高負荷の処理であるため、マイコン50のみによ
って全ての処理を行うよりも、DSP52を用いることで、即時性を損なうことなく高度
な演算を行えるという利点がある。また、全ての処理を処理能力の高いDSP52によっ
て行う場合に比べ、制御回路5の制御にマイコン50を活用することで、消費電力の低減
を図り、電池59の交換周期を延長し、ユーザの利便性を高めることが可能となる。
ここで、演算部として機能するデバイスは、本実施形態で説明するDSP52に限らず
、例えばマイコン(汎用マイコン)により実行する構成とすることも勿論可能である。こ
の場合も、上記演算処理を実行するため、マイコン50より処理能力の高いマイコンを演
算部として用いることが考えられ、例えばマイコン50として8ビットまたは16ビット
のマイコンを用い、DSP52に代えて32ビットマイコンを用いる構成が考えられる。
このような場合、マイコン50による制御を行うことで、32ビットマイコンが実行する
処理を上記演算処理に限って負荷を軽減すれば、制御回路5全体としての消費電力量を抑
制できるという利点がある。すなわち、本発明は、制御部として機能するデバイスと、よ
り高性能の演算部として機能するデバイスとを備え、これら2つのデバイス間で脈波セン
サ30及び体動センサ90の検出値を送受信して演算処理を行う構成に適用することで、
上述した効果を奏するものである。さらに、制御部として機能するデバイスと演算部とし
て機能するデバイスとして、マイコン50やDSP52に代えて、所定のプログラムを読
み込んで実行するCPUと、このCPUが実行するプログラムを記憶したROMとを備え
た構成としてもよく、その他の制御回路5の具体的態様も任意であり、本実施形態はあく
まで具体的な実装態様の一例に過ぎない。
【0018】
そして、上記の動作の過程において、マイコン50、DSP52及びホストPC7は、
それぞれ、伝送中における脈波データの誤りを検出するための処理を行う。
以下、上記のデータ処理及び誤り検出に係る生体情報処理装置1の動作について説明す
る。
【0019】
図5は、生体情報処理装置1の動作を示すデータフロー図である。
なお、図5にはホストPC7を合わせて図示するが、理解の便宜を図るためにクレード
ル6の図示を省略する。以下に説明する動作において、詳細データD1はセンサ部の検出
値に対応し、一括生成チェックサムD3は誤り検出符号に対応し、検証結果データD4は
検証情報に対応し、処理値D6は二次情報に対応する。
【0020】
マイコン50は、A/Dコンバータ54から入力される脈波データD0を取得するとと
もに、体動センサ90から入力される軸毎の加速度の検出値をデジタル変換して加速度デ
ータを得て、これら脈波データD0及び加速度データを、詳細データD1としてバッファ
メモリ50aに蓄積する(ステップS1)。
本実施形態では、A/Dコンバータ54から出力される脈波データD0と、体動センサ
90の検出値とを、16Hzの周期で(62.5ms(ミリ秒)毎に)取得して、詳細デ
ータD1としてバッファメモリ50aに蓄積する。A/Dコンバータ54が出力する脈波
データD0及びマイコン50が生成した加速度データは、いずれも、16ビット=1ワー
ド(Word)のデータである。マイコン50は、脈波データD0、X軸の加速度データ、Y
軸の加速度データ、Z軸の加速度データの順に、1秒間に16ワードの詳細データD1を
バッファメモリ50aに蓄積する。
本実施形態では、一例として、制御回路5が4秒分の脈波センサ30及び体動センサ9
0の検出値を処理する構成とする。このため、バッファメモリ50aは、少なくとも4秒
分の64ワードの詳細データD1を蓄積することが可能な構成であることが望ましく、例
えば、64以上のワード数のデータを順次上書きしながら保持するリングバッファである

【0021】
マイコン50は、詳細データD1をバッファメモリ50aに蓄積する際に、最初に蓄積
する1ワードの詳細データD1と、2番目の1ワードの詳細データD1との排他的論理和
(Ex−OR)を求め、求めた値を誤り検出用の積算チェックサムD2とする。次に、マ
イコン50は、求めた積算チェックサムD2と、3番目の詳細データD1とのEx−OR
を求めて新たな積算チェックサムD2とし、その後、1ワードの詳細データD1が入力さ
れる毎にEx−ORを求めて積算チェックサムD2を更新する。この更新は、詳細データ
D1をバッファメモリ50aに蓄積する周期に合わせて62.5ms毎に行われる。この
ようにして、マイコン50は、64ワードの詳細データD1をバッファメモリ50aに蓄
積する毎に、Ex−ORを求めて積算チェックサムD2を更新し、積算チェックサムD2
は、最終的には64ワードの詳細データD1に対するEx−ORの積算値(16ビット)
となる。
【0022】
さらに、マイコン50は、バッファメモリ50aに4秒分(64ワード)の詳細データ
D1が蓄積された後に、これら64ワードの詳細データD1について、一括してEx−O
Rを求め、求めた値を一括生成チェックサムD3とする。一括生成チェックサムD3は、
64ワードの詳細データD1の全てのEx−ORを、一度に算出した16ビットの値であ
る。この算出で、マイコン50は、64ワードの詳細データD1の1ビット目に該当する
64個の0又は1の値に対し、Ex−ORを求め、その値を一括生成チェックサムD3の
1ビット目の値とし、以下、順次2ビット目〜16ビット目についてそれぞれEx−OR
を求め、一括生成チェックサムD3の2ビット目〜16ビット目の値とする。
【0023】
上記の積算チェックサムD2と一括生成チェックサムD3とは、同一の詳細データD1
から、それぞれ独立した演算により求められる値である。マイコン50は、一括生成チェ
ックサムD3を算出した後、積算チェックサムD2と一括生成チェックサムD3とを比較
して一致するか否かを検証し(ステップS13)、その結果を検証結果データD4に書き
込む(ステップS14)。検証結果データD4は、積算チェックサムD2と一括生成チェ
ックサムD3とを比較した結果、一致したか否かを示す所定ビット数のデータである。デ
ータの入出力及び処理を速やかに行うため、検証結果データD4は、例えば詳細データD
1や一括生成チェックサムD3と同様に1ワードのデータとしてもよい。
その後、マイコン50は、64ワードの詳細データD1と、この64ワードの詳細デー
タD1について求めた1ワードの一括生成チェックサムD3と、この一括生成チェックサ
ムD3と積算チェックサムD2とを比較した検証結果データD4とを、DSP52に出力
する(ステップS2)。
【0024】
DSP52は、マイコン50から入力された64ワードの詳細データD1をバッファメ
モリ52a(図4)に格納する。バッファメモリ52aは、少なくとも64ワードの詳細
データD1と、1ワードの一括生成チェックサムD3と、検証結果データD4と、後述す
る新規生成チェックサムD5及び処理値D6とを、それぞれ、順次上書きしながら格納で
きるリングバッファである。
DSP52は、バッファメモリ52aに格納した64ワードの詳細データD1について
一括してEx−ORを求め、求めた値を新規生成チェックサムD5とする(ステップS2
1)。
【0025】
DSP52は、生成した新規生成チェックサムD5と、マイコン50から入力された一
括生成チェックサムD3とを比較検証し(ステップS22)、その結果を検証結果データ
D4に追記する(ステップS23)。ここで、検証結果データD4は、マイコン50にお
けるチェックサムの比較結果と、DSP52におけるチェックサムの比較結果とを含むも
のとなる。具体的には、検証結果データD4の下位所定数のビットはマイコン50におけ
る積算チェックサムD2と一括生成チェックサムD3との比較結果を示し、その上位所定
数のビットはDSP52における一括生成チェックサムD3と新規生成チェックサムD5
との比較結果を示す。同様に、検証結果データD4のさらに上位の所定数のビットは、後
述するホストPC7における比較結果を示すデータとなる。
また、DSP52は、マイコン50ら入力された64ワード(4秒分)の詳細データD
1に基づいて、ユーザの1分あたりの脈拍数を示す脈拍値と、体動センサ90が検出した
3軸の加速度の値に基づいて求めた体動ピッチを含む動作情報と、を算出し、算出した結
果を処理値D6とする(ステップS24)。
その後、DSP52は、更新した検証結果データD4と、算出した処理値D6とを、マ
イコン50へ出力する(ステップS3)。
【0026】
マイコン50は、DSP52から入力された検証結果データD4及び処理値D6を取得
し、バッファメモリ50aに一時的に格納する。ここで、マイコン50は、検証結果デー
タD4に基づいて処理値D6が正しいデータであるか否かを検証する(ステップS15)
。この検証において、マイコン50は、検証結果データD4を参照し、マイコン50にお
ける積算チェックサムD2と一括生成チェックサムD3との比較(ステップS13)、或
いは、DSP52における一括生成チェックサムD3と新規生成チェックサムD5との比
較(ステップS22)のいずれか又は両方において、チェックサムの不一致があったか否
かを確認する。マイコン50は、ステップS13、S22のいずれにおいてもチェックサ
ムが一致した場合には、処理値D6が正しいデータであると判別して、この処理値D6に
基づいて液晶表示装置13における脈拍値や体動ピッチの表示を更新させ(ステップS1
5)、検証結果データD4と処理値D6を出力する動作に移行する。また、ステップS1
3、S22のいずれか一方でも不一致があった場合、検証結果データD4の正しさが保証
されないので、マイコン50は、そのまま検証結果データD4と処理値D6とを出力する
処理に移行する。
【0027】
マイコン50は、DSP52から入力され、バッファメモリ50aに一時的に格納して
いた検証結果データD4と処理値D6とを、EEPROM55に出力して記憶させる(ス
テップS4)。さらに、マイコン50は、バッファメモリ50aに格納していた64ワー
ドの詳細データD1と、これら64ワードの詳細データD1に基づいて生成した一括生成
チェックサムD3とを、EEPROM55に出力して記憶させる(ステップS5)。
このとき、EEPROM55に記憶される一括生成チェックサムD3及び処理値D6は
、いずれも同じ64ワードの詳細データD1から求められた値であり、この64ワードの
詳細データD1自体も、一括生成チェックサムD3、検証結果データD4及び処理値D6
とともにEEPROM55に記憶される。
【0028】
その後、ホストPC7からの要求に応じて、マイコン50は、EEPROM55に記憶
されている64ワードの詳細データD1、この64ワードの詳細データD1から算出され
た一括生成チェックサムD3、この一括生成チェックサムD3に対応する検証結果データ
D4、及び、この64ワードの詳細データD1から算出された処理値D6を、クレードル
6を介してホストPC7へ送信する(ステップS6)。
ホストPC7は、クレードル6を介して受信した64ワードの詳細データD1を一時的
に記憶し、この64ワードの詳細データD1について一括してEx−ORを求め、求めた
値を新規生成チェックサムD7とする(ステップS31)。
ホストPC7は、生成した新規生成チェックサムD7と、マイコン50から入力された
一括生成チェックサムD3とを比較検証し(ステップS32)、比較検証の結果を検証結
果データD4に追記する(ステップS33)。ここで、検証結果データD4は、マイコン
50におけるチェックサムの比較結果と、DSP52におけるチェックサムの比較結果と
、ホストPC7における比較結果とを含むものとなる。
【0029】
ホストPC7は、更新した検証結果データD4をCSVファイルD8として記憶し(ス
テップS34)、同様に64ワードの詳細データD1をCSVファイルD8として記憶し
(ステップS35)、上記の64ワードの詳細データD1とともに受信した処理値D6を
CSVファイルD8として記憶する(ステップS36)。
このようにして、ホストPC7は、マイコン50から入力された詳細データD1が正し
いデータかを検証し、検証結果を検証結果データD4に書き込むので、マイコン50とホ
ストPC7との間の伝送におけるエラーを確実に検出できる。
また、ホストPC7は、脈波センサ30及び体動センサ90の検出値に相当する詳細デ
ータD1、この詳細データD1から求められた処理値D6、及び、処理値D6の確からし
さ、言い換えれば信頼性を示す検証結果データD4を、それぞれ、検索及び処理が容易な
CSVファイルD8として記憶するので、詳細データD1及び処理値D6を後日に有効利
用することが可能になる。また、後日にCSVファイルD8を利用して、検証結果データ
D4に基づいて、制御回路5におけるエラーの発生数や頻度、エラーが発生した箇所等の
エラー発生状況を知ることもできる。
【0030】
以上のように、本発明を適用した実施形態に係る生体情報処理装置1は、制御回路5が
備えるマイコン50により、脈波センサ30の検出値をデジタルデータにした脈波データ
D0と、体動センサ90の軸毎の検出値をそれぞれデジタルデータとした加速度データと
を、詳細データD1として蓄積するとともに、所定時間分の詳細データD1を一括生成チ
ェックサムD3とともにDSP52に出力し、DSP52は、マイコン50から入力され
た詳細データD1に基づいて演算処理を行い、ユーザの生体に係る処理値D6、すなわち
単位時間あたりの脈拍数や動作ピッチを求める。
この動作において、DSP52は、マイコン50から入力される一括生成チェックサム
D3に基づいて誤り検出を行い、誤りの有無を示す検証結果データD4を当該所定時間分
の検出値から求めた処理値D6とともにマイコン50に出力する。このため、詳細データ
D1をマイコン50からDSP52へ伝送する際にエラーを生じて、検出値が真正な検出
値とは異なる値になってしまった場合に、これをDSP52において確実に検出すること
ができ、マイコン50は、検証結果データD4に基づいてDSP52において誤りが検出
されたか否かを容易に判別できる。これにより、伝送時のエラーの発生を確実に検出し、
このエラーに起因して異常な値の処理値D6が求められてしまっても、この処理値D6を
使わないようにする等の対応を行って、エラーの影響を排除できる。
【0031】
また、DSP52が誤り検出のために行う処理は、マイコン50から入力された64ワ
ードの詳細データD1をバッファメモリ52aに格納してから、これら詳細データD1に
ついて新規生成チェックサムD5を求め、マイコン50から入力された一括生成チェック
サムD3と比較して、その一致/不一致を検証結果データD4に追記する処理であり、こ
の処理の負荷は非常に軽い。また、仮に一括生成チェックサムD3と新規生成チェックサ
ムD5とが一致しなくても、DSP52はマイコン50に再送を要求することはなく、マ
イコン50とDSP52の双方において処理の遅延を生じない。
特に、マイコン50は、ユーザの身体に装着された脈波センサ30からA/Dコンバー
タ54を経て周期的に入力される脈波データD0と、体動センサ90の検出値をデジタル
データにした加速度データを、詳細データD1として16Hz周期で取得する。このよう
に、ユーザの身体に装着されたセンサから、ほぼリアルタイムで検出値を取得して処理す
る構成において、エラーの発生時に再送等の処理を行えば即時性が損なわれるおそれがあ
る。本実施形態の生体情報処理装置1によれば、誤りが検出された場合は検証結果データ
D4にその旨が反映される他は通常の処理を実行するので、それ以後の脈波データD0及
び加速度データの取得及び処理に支障を来すことがない。このため、データの即時性を損
なうことなく、信頼性の高い脈拍数や動作ピッチを求めることが可能となる。
【0032】
また、マイコン50は、DSP52が求めた処理値D6を液晶表示装置13に表示させ
る制御を行うことが可能であり、DSP52から入力される検証結果データD4により誤
りが無いことを確認した場合のみ、取得した処理値D6に基づいて液晶表示装置13にお
ける表示を更新させる。このため、DSP52において誤りが検出された場合には、この
誤りを生じた詳細データD1に対応する処理値D6は液晶表示装置13に表示されないの
で、エラーの影響を排除して、正しい情報のみを液晶表示装置13に表示して動作の信頼
性を高めることができる。また、ユーザは液晶表示装置13の表示の正否を気にかける必
要がないので、利便性の向上を図ることもできる。
【0033】
また、マイコン50及びDSP52は、脈波センサ30と体動センサ90とにおいてそ
れぞれ検出される脈波データと加速度データとを詳細データD1として処理する。ここで
、脈波データと加速度データとが混同し、例えば、脈拍数を求める演算において演算対象
のデータの中に加速度データが混入した場合には、求められる脈拍数は明らかな異常値と
なる可能性が高い。従って、DSP52が演算を行う詳細データD1の誤りを検出し、誤
りがあった場合は処理値D6を液晶表示装置13に表示しない等の動作を行うことで、エ
ラーによる深刻な異常を確実に回避し、効果的に信頼性を高めることが可能となる。
【0034】
また、マイコン50は、所定時間分の詳細データD1と、この詳細データD1に対応す
る一括生成チェックサムD3と、当該詳細データD1に基づいてDSP52により算出さ
れた処理値D6と、この処理値D6とともにDSP52から出力された検証結果データD
4とを、クレードル6を介してホストPC7に出力するので、ホストPC7において各種
のデータを保存及び管理することが可能になり、エラーの発生状況を管理することも可能
となる。このため、エラーの原因究明やデータの二次・三次利用が可能となるため、利便
性を高めることができる。
【0035】
さらに、マイコン50は、脈波データD0と加速度データとを順次バッファメモリ50
aに蓄積する際に、積算チェックサムD2を順次算出し、この積算チェックサムD2と、
一括生成チェックサムD3とを比較することで、最初に誤り検出を行う。これにより、脈
波データD0と加速度データとが詳細データD1としてバッファメモリ50aに格納され
る際のエラーを確実に検出することが可能となる。この場合、脈波データD0と加速度デ
ータという種類の異なるデータが混同された場合に、これを確実に検出できるので、明ら
かな異常値の発生に対応することが可能となり、エラーによる深刻な異常を確実に回避し
、効果的に信頼性を高めることができる。
【0036】
なお、バッファメモリ50aの容量は、64ワードの詳細データD1と、この64ワー
ドの詳細データD1について積算チェックサムD2及び一括生成チェックサムD3を算出
及び比較検証する間の詳細データD1とを蓄積することが可能な容量であることが望まし
く、例えば、640ワードの容量を有するリングバッファである。
また、バッファメモリ52aの容量は任意であるが、少なくとも、マイコン50から入
力された64ワードの詳細データD1、一括生成チェックサムD3及び検証結果データD
4と合わせて、自身が生成する新規生成チェックサムD5及び処理値D6、更新後の検証
結果データD4等を格納するのに十分な容量を有することが好ましい。
【0037】
また、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範
囲内で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上述した実施形態においては、制御回路5を構成するマイコン50とDSP5
2との間、及び、マイコン50とホストPC7との間で詳細データD1を入出力する際の
誤りを検出する構成を例に挙げて説明したが、例えば、制御回路5が独立したメモリを介
して、マイコン50とDSP52とがデータを交換する構成とした場合に、マイコン50
とメモリとの間、及び、メモリとDSP52との間における誤りの検出を行うようにして
もよく、マイコン50とDSP52に加えて他の演算処理部を設け、この演算処理部とマ
イコン50、DSP52との間における伝送時の誤りを検出するようにしてもよい。
さらに、上記構成においては、DSP52によって脈拍数や動作ピッチを算出して液晶
表示装置13に表示する構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、例えば、消費カロリーを算出して液晶表示装置13に表示する機能や、実行中の
運動の種類を判定して液晶表示装置13に表示する機能を備えたものとしてもよい。
また、上記実施形態では誤り検出符号の一例としてチェックサムを算出し、このチェッ
クサムに基づいて誤り検出を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、誤り検出符号としてはチェックサムに限らず、パリティ符号、巡回符号、ハ
ッシュ関数等を用いてもよい。また、誤り検出だけでなく誤り訂正が可能な符号を用いて
もよく、例えば、上記のパリティ符号や巡回符号の他にハミング符号や畳み込み符号を用
いてもよく、データの誤り検出に利用することが可能な符号であれば、特に制限なく、各
種符号を用いることが可能である。
【0038】
また、上述した実施形態では、本発明を、使用時にユーザの手首Lに装着される腕時計
型の生体情報処理装置1に適用した例を説明したが、本発明の適用対象はこれに限定され
ず、ユーザの身体における装着部位は任意であり、上腕や胴部又は脚部に装着する装置と
してもよい。また、脈波センサ30及び体動センサ90がユーザの身体に装着され、その
他の機能部がユーザの身体から離れて設置される態様としてもよい。この場合、脈波セン
サ30及び体動センサ90と他の機能部との間を、有線により接続してもよいし、無線に
より接続してもよい。その他、生体情報処理装置1の細部構成等については、本発明の趣
旨を逸脱しない範囲において任意に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態に係る生体情報処理装置の構成を示す図である。
【図2】生体情報処理装置の装置本体の平面図である。
【図3】脈拍センサの断面図である。
【図4】生体情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】生体情報処理装置の動作を示すデータフロー図である。
【符号の説明】
【0040】
1…生体情報処理装置、5…制御回路、6…クレードル、7…ホストPC(外部接続さ
れた装置)、13…液晶表示装置(表示部)、30…脈波センサ、50…マイコン(制御
部)、50a、52a…バッファメモリ、52…DSP(演算部)、53…信号処理回路
、54…A/Dコンバータ、55…EEPROM、90…体動センサ(動きセンサ)、D
1…詳細データ(検出値)、D3…一括生成チェックサム(誤り検出符号)、D4…検証
結果データ(検証情報)、D6…処理値(二次情報)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの身体に装着され、前記ユーザの生体情報を検出するセンサ部と、
前記センサ部の検出値を周期的に取得して蓄積し、所定時間分の検出値をまとめて出力
する制御部と、
前記制御部から出力される所定時間分の検出値に基づく演算処理を行って前記ユーザの
生体に係る二次情報を求め、求めた二次情報を前記制御部に出力する演算部と、
を備え、
前記制御部は、所定時間分の検出値を出力する際に、この所定時間分の検出値に対応す
る誤り検出符号を生成して出力し、
前記演算部は、前記制御部から出力された所定時間分の検出値を取得し、この所定時間
分の検出値に対応する誤り検出符号に基づいて誤り検出を行い、誤りの有無を示す検証情
報を当該所定時間分の検出値から求めた二次情報とともに前記制御部に出力すること、
を特徴とする生体情報処理装置。
【請求項2】
前記二次情報を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記演算部から入力される二次情報と検証情報とを取得し、取得した検
証情報により誤りが無いことを確認した場合のみ、取得した二次情報に基づいて前記表示
部における表示を更新させること、
を特徴とする請求項1記載の生体情報処理装置。
【請求項3】
前記センサ部は脈波を検出する脈波センサを備え、
前記演算部は、前記制御部から入力される所定時間分の脈波センサの検出値に基づいて
、単位時間あたりの脈拍数を二次情報として算出すること、
を特徴とする請求項1又は2記載の生体情報処理装置。
【請求項4】
前記センサ部は脈波を検出する脈波センサと、所定の1又は複数方向における動きを検
出する動きセンサとを備え、
前記制御部は、前記脈波センサの検出値と前記動きセンサの検出値とを順次取得して蓄
積するものであり、
前記演算部は、前記制御部から入力される所定時間分の脈波センサの検出値に基づいて
、単位時間あたりの脈拍数を二次情報として算出するとともに、前記制御部から入力され
る所定時間分の動きセンサの検出値に基づいて動きピッチを二次情報として算出すること

を特徴とする請求項1又は2記載の生体情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、所定時間分の前記センサ部の検出値と、この所定時間分の検出値に対応
する誤り検出符号と、当該所定時間分の検出値に基づいて前記演算部により算出された二
次情報と、この二次情報とともに前記演算部から入力された検証情報とを、外部接続され
た装置に出力すること、
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の生体情報処理装置。
【請求項6】
ユーザの身体に装着され、前記ユーザの生体情報を検出するセンサ部と、前記センサ部
の検出値を周期的に取得して蓄積し、所定時間分の検出値をまとめて出力する制御部と、
前記制御部から出力される所定時間分の検出値に基づく演算処理を行って前記ユーザの生
体に係る二次情報を求め、求めた二次情報を前記制御部に出力する演算部と、を備えた生
体情報処理装置を制御して、
前記制御部により、所定時間分の検出値を出力する際に、この所定時間分の検出値に対
応する誤り検出符号を生成して出力し、
前記演算部により、前記制御部から出力された所定時間分の検出値を取得し、この所定
時間分の検出値に対応する誤り検出符号に基づいて誤り検出を行い、誤りの有無を示す検
証情報を当該所定時間分の検出値から求めた二次情報とともに前記制御部に出力すること

を特徴とする生体情報処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−195447(P2009−195447A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39769(P2008−39769)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】