説明

生体情報収集システム、通信装置ならびにサーバ装置

【課題】 患者の生体情報を自動収集することが可能な操作性の高い生体情報収集システムを実現できるようにする。
【解決手段】 患者を測定することにより取得され、患者ごとに割り当てられた通信装置120により保持された測定データを、該通信装置120を識別する通信装置IDと対応付けて受信する通信部132と、通信装置IDと、前記患者を識別する患者IDとの対応関係を示す関係情報ファイルを保持するハードディスク134と、関係情報ファイルに基づいて、通信部132において受信された測定データと、ハードディスク134に保持された患者IDとを対応づけて記憶する記憶部133とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の生体情報を収集・管理するための処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、医療施設においては、患者の健康状態を把握する目的で、体温や血圧、血糖値等の各種バイタルデータ(患者の生体情報)の収集ならびに管理を行っている。
【0003】
具体的には、生体情報の時間変化を把握したり、医療施設内の情報化システムにおいて利用したりできるよう、当該収集された生体情報を情報処理装置に送信し、データベース化して管理している。このため、測定者は、体温計、血圧計、血糖計等の各種測定装置を用いて測定した測定データを、測定の都度、患者別に整理して手動で入力しなければならなかった。
【特許文献1】特開2003−337863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに対して、最近では測定データの自動読み込み及び患者の認証処理を行う装置を、PDAや携帯電話等により実現させる試みがなされている。
【0005】
しかしながら、測定データの自動読み込み及び患者の認証処理を行う装置を、PDAや携帯電話等により実現させようとした場合でも、取り込まれた測定データを所定の情報処理装置に送信するに際して、測定者は、どの患者の測定データであるのかを特定しておく必要があった。そこで、このような作業をも排除し、更に操作性を向上させることが求められている。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、測定により取得された患者の生体情報を自動的に読み込むことが可能な操作性の高い生体情報収集システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、例えば、生体情報収集システムを構成する、本発明に係るサーバ装置は以下のような構成を備える。即ち、
被検者を測定することにより取得され、被検者ごとに割り当てられた所定の装置により保持された生体情報を、該装置を識別する装置識別子と対応付けて受信する受信手段と、
前記装置識別子と、前記被検者を識別する被検者識別子との対応関係を示す情報を保持する保持手段と、
前記対応関係を示す情報に基づいて、前記受信手段において受信された生体情報と、前記保持手段により保持された被検者識別子とを対応づけて記憶する記憶手段とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、測定により取得された患者の生体情報を自動的に読み込むことが可能な操作性の高い生体情報収集システムを実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、必要に応じて添付図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳細に説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
1.生体情報収集システムの構成
図1は本発明の第1の実施形態にかかる生体情報収集システム100の構成を示す図である。
【0011】
110は測定装置であり、体温計、血圧計、血糖計等、患者の生体情報を取得するための装置の総称である。120は通信装置であり、測定装置110から送信される患者の生体情報(測定装置により測定されたデータであることから、以下、「測定データ」ともいう)を医療データサーバ130に送信する。なお、通信装置120は、ベッドや床頭台等を一時的に使用している患者を特定することが可能な(つまり、患者ごとに割り当てられた)病棟内の備品に固定配置された専用端末である。
【0012】
150は生体情報読出し装置であり、ベッドや床頭台等を一時的に使用している患者を特定するための患者IDを読み取ることが可能であるとともに、当該読み取った患者IDに基づいて、医療データサーバ130から生体情報を読み出し・表示することが可能な汎用または専用の携帯端末である。
【0013】
140は患者識別器具であり、具体的には、患者と結び付けられたカードやブレスレット等である。患者識別器具140には、患者を識別するための情報である患者IDを含むバーコードやRFIDタグ等の患者ID記憶部141が付加されている。なお、患者ID記憶部141には、患者IDのほか、診察券や保険証のID番号や、患者氏名等が記憶されている。
【0014】
130は医療データサーバであり、受信したデータから患者IDと測定データとの対応付けを行い、かつ測定データを患者IDと対応付けて記憶するための専用アプリケーションを搭載した汎用計算機または専用端末である。
【0015】
なお、通信装置120、生体情報読出し装置150と医療データサーバ130とは、ネットワーク170により通信可能に接続されている。また、測定装置110と通信装置120とは、無線通信(160)により接続可能である(詳細は後述)。
【0016】
2.各装置の構成
以下、生体情報収集システム100を構成する各装置について詳細を説明する。
【0017】
2.1 測定装置(110)
測定装置110は、サーミスタ・圧力計・フォトセンサ等を介して得られた電気的情報から測定データを確定するための測定部111と、測定データや測定装置の状態等、各種情報を表示するためのLCDやLED等の表示部113と、測定データを通信装置120に送信するための無線通信部112(無線通信の方式は、例えば赤外線方式や電磁結合方式等)とを備える。
【0018】
図2及び図3に測定装置110の具体例である体温計を示す。体温計200は、LCD等により実現される表示部202を備える。表示部202の中には、体温等の測定データを表示する測定データ表示部204と、測定データを通信装置120へ送信可能な状態であるか否かを示す送信可否表示部203とを備える。
【0019】
体温計200は、体温測定中等、測定データが定まっていない場合には、通信装置120への測定データの送信は行わない。測定データの送信を行うことができない場合には、図2のように表示部202の送信可否表示部203を消灯する。
【0020】
一方、体温測定が終了し、測定データを通信装置120に送信可能な状態になると、図3に示すように、表示部202の送信可否表示部203が点灯する。さらに、測定データの送信が正常に終了した場合には、再び図2のように表示部202の送信可否表示部203を消灯する。このように測定者は送信可否表示部203を介して内部状態を容易に判読することができる。
【0021】
2.2 通信装置(120)
通信装置120は、通信装置120を識別するために通信装置IDを記憶する通信装置ID記憶部121と、測定装置110の無線通信部112と無線通信を行い、測定データを取得するための無線通信部122(無線通信の方式は、例えば赤外線方式や電磁結合方式等)と、測定装置110から受信した測定データと通信装置IDとを医療データサーバ130に送信するための通信部123とを備える。なお、通信部123による通信は、TCP/IPやRS232C等のプロトコルにより実現されるものとし、無線通信による場合には、電波や赤外線等を用いて行う。
【0022】
2.3 生体情報読出し装置(150)
生体情報読出し装置150は、患者を識別するために患者識別器具140に付加されたバーコードやIDタグから患者IDを読み取るための読取部151と、読取部151を介して取得した患者IDを出力要求として医療データサーバ130に送信するとともに、医療データサーバ130から送信されるデータ(患者ID及び生体情報)を受信するための通信部152と、通信部152において受信した患者ID及び生体情報を表示するためのLCD等の表示部153とを備える。なお、通信部152による通信は、TCP/IPやRS232C等のプロトコルにより実現されるものとし、無線通信による場合には、電波や赤外線等を用いて行う。
【0023】
2.4 医療データサーバ(130)
医療データサーバ130は、通信装置120及び生体情報読出し装置150とTCP/IPやRS232C等のプロトコルで通信を行い(無線通信にあっては、電波や赤外線等を用いて行い)、測定データ及び患者IDを受信する通信部132と、通信装置120を使用している患者を特定可能にする“患者IDと通信装置IDとの対応関係を記載した関係情報ファイル”を格納するハードディスク134と、生体情報を患者IDと対応付けて記憶する記憶部133と、通信部132が受信した通信装置IDに基づいて、関係情報ファイルを用いて患者IDと測定データとを対応付けるとともに、生体情報読出し装置150から受信した患者IDに対応付けられた生体情報を読み出すデータ処理部131とを備える。
【0024】
3.生体情報収集システム100における処理の流れ
次に、生体情報収集システム100の運用例を示し、運用時の処理の流れを図4を用いて説明する。なお、以下では、測定装置として、図2、3を用いて上述した体温計を用いた場合について説明する。
【0025】
測定者が患者の体温を測定し、測定が完了すると(ステップS411)、測定装置110では、表示部113の測定データ表示部204に測定データ(「36.2℃」)を、送信可否表示部203に測定データの送信が可能である旨をそれぞれ表示する(ステップS412)。
【0026】
送信が可能となった測定装置110を通信装置120に接続させることにより、測定データ(「36.2℃」)は無線通信部112、122を介して通信装置120へ送信される(ステップS413)。
【0027】
測定データ(「36.2℃」)を通信装置120に送信した測定装置110は、送信可否表示部303を消灯させて送信終了を表示する(ステップS414)。
【0028】
通信装置120では、測定装置110から受信した測定データ(「36.2℃」)と通信装置ID(「0001」)とを通信部123を介して医療データサーバ130に送信する(ステップS422)。なお、患者ごとに割り当てられた通信装置を識別する通信装置IDは、予め通信装置120に登録しておくものとする(ここでは、通信装置IDとして、「0001」が登録されているものとする(ステップS421))。
【0029】
医療データサーバ130では、通信装置120から受信した通信装置ID(「0001」)に基づいて、関係情報ファイルを用いて通信装置120を割り当てられた患者の患者ID(「000123」)を特定し、通信装置120から送信された測定データ(「36.2℃」)を患者IDに対応付けて記憶部133に記憶する(ステップS432)。これにより、患者ID(「000123」)と生体情報(「36.2℃」)との関係付けが成立する。なお、通信装置IDと患者IDの対応関係を記載した関係情報ファイルは、予め医療データサーバ130に生成しておくものとする(ステップS431)。
【0030】
測定者が携帯する生体情報読出し装置150は、患者を識別するための患者ID(「000123」)の情報を読取部151にて読み取ることで患者ID(「000123」)を取得する(ステップS441)。生体情報読出し装置150では、取得した患者IDに対応する患者の生体情報を入手すべく、通信部152、132を介して医療データサーバ130に患者ID(「000123」)を送信し、出力要求を行う(ステップS442)。
【0031】
出力要求を受けた医療データサーバ130では、患者ID(「000123」)に対応付けられた生体情報(「36.2℃」)を記憶部133より読み出す(ステップS433)。さらに、当該読み出した生体情報(「36.2℃」)を患者ID(「000123」)とともに生体情報読出し装置150に送信する(ステップS434)。
【0032】
医療データサーバ130から測定データ(「36.2℃」)及び患者ID(「000123」)を受信した生体情報読出し装置150では、受信データを表示部153に表示する(ステップS443)。これにより、測定者は所望の患者の生体情報を確認することができる。
【0033】
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、患者ごとに割り当てられた通信装置が、無線通信により測定装置の測定データを受信する構成を備えることにより、測定データの自動入力が可能となる。
【0034】
また、患者ごとに割り当てられ、測定データを受信する通信装置が予め通信装置IDを記憶しておき、通信装置を介して測定データを収集する医療データサーバが通信装置IDと患者IDとの対応関係を予め記憶しておく構成とすることにより、収集した測定データを自動的に患者IDと対応付けて記憶することが可能となる。
【0035】
この結果、従来のように、測定データの誤記・誤入力を回避することが可能となり、患者と測定データの取り違え等のミスをなくすことができるようになる。
【0036】
さらに、本実施形態にかかる生体情報収集システムによれば、測定者は測定装置を用いて患者を測定した後、通信装置に当該測定データを送信するだけで、当該測定データが患者IDと対応付けて記憶されることとなり、他の操作を行う必要がなくなる。つまり、測定者にとっては極めて操作性の高い生体情報収集システムを実現することが可能となる。
【0037】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、医療データサーバにおいて、通信装置IDと患者IDとの対応関係を記載した関係情報ファイルを保持する構成としたが、本発明は特にこれに限定されない。
【0038】
測定装置から通信装置に対して測定データを送信する際に、通信装置が患者IDをあわせて読み取ることができるように構成してもよい。かかる構成により、通信装置から医療データサーバに測定データを送信する際に、患者IDもあわせて送信することが可能となる。この結果、医療データサーバでは、そのまま測定データと患者IDとを対応付けて記憶部に記憶することができる。
【0039】
また、上記第1の実施形態では、生体情報読出し装置より、所定の患者の生体情報を出力要求するに際して、患者識別器具に付加されているバーコード等を読み取り、該バーコードに含まれていた患者IDを医療データサーバに送信する構成としたが、本発明は特にこれに限定されない。例えば、生体情報読出し装置に対して、直接患者IDを入力する構成としてもよい。
【0040】
図5は、本発明の第2の実施形態にかかる生体情報収集システムの構成を示す図である。図1に示す生体情報収集システムと対応する箇所については、同じ参照番号を付してある。以下、異なる参照番号が付された箇所を中心に説明する。
【0041】
520は通信装置であり、測定装置110の無線通信部112と無線通信を行い、測定データを取得するための無線通信部122(無線通信の方式は、例えば赤外線方式や電磁結合方式等)と、測定装置110から受信した測定データを医療データサーバ130に送信するための通信部123とを備える。更に、患者を識別するために患者識別器具140に付加されたバーコードやIDタグから患者IDを読み取るための読取部521を備える。
【0042】
なお、通信部123では、無線通信部122を介して取得された測定データと、患者を識別するために患者識別器具140に付加されたバーコードやIDタグから読み取られた患者IDとを対応付けて医療データサーバ530に送信する。
【0043】
530は医療データサーバであり、通信装置520及び生体情報読出し装置150とTCP/IPやRS232C等のプロトコルで通信を行い、測定データ及び患者IDを取得するための通信部132と、取得した測定データと患者IDとを対応付けて記憶する記憶部133と、生体情報読出し装置150から受信した患者IDに関係付けられた測定データを記憶部133から読み出すデータ処理部131とを備える。
【0044】
150は生体情報読出し装置であり、患者を識別するために患者識別器具140に付加されたバーコードやIDタグから患者IDを読み取るための読取部151と、読取部151にて読み取られた患者IDを医療データサーバ530に対して出力要求として送信するとともに、医療データサーバ530からのデータを受信するための通信部152と、通信部152において受信した患者ID及び測定データを表示するためのLCD等の表示部153とを備える。なお、通信部152による通信は、TCP/IPやRS232C等のプロトコルにより実現されるものとし、無線通信による場合には、電波や赤外線等を用いて通信を行う。
【0045】
上記構成により、通信装置520では、取得した測定データを患者IDとともに送信することが可能となり、医療データサーバ530では、測定データと患者IDとを対応づけて記憶することが可能となる。
【0046】
また、生体情報読出し装置150では、患者IDを読み取り、当該患者IDに対応する生体情報を医療データサーバ530より取得することが可能となる。
【0047】
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、医療データサーバにおいて、通信装置IDと患者IDとの対応関係を記載した関係情報ファイルを保持する構成を備えることとしたが、本発明は特にこれに限定されない。
【0048】
測定データを取得する測定装置が患者ごとに割り当てられ、かつ測定装置IDを記憶し、更に医療データサーバが測定装置IDと患者IDとの対応関係を記載した関係情報ファイルを保持する構成とすることにより、測定データを自動的に患者IDと対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0049】
図6は、本発明の第3の実施形態にかかる生体情報収集システムの構成を示す図である。図1または図5に示す生体情報収集システムと対応する箇所については、同じ参照番号を付してある。以下、異なる参照番号が付された箇所を中心に説明する。
【0050】
610は測定装置であり、サーミスタ・圧力計・フォトセンサ等を介して得られた電気的情報から測定データを確定するための測定部111と、測定データや測定装置の状態等、各種情報を表示するためのLCDやLED等の表示部113と、測定データを測定装置IDとともに通信装置620に送信するための無線通信部112(無線通信の方式は、例えば赤外線方式や電磁結合方式等)とを備える。さらに、測定装置610を識別するために測定装置IDを記憶する測定装置ID記憶部611を備える。
【0051】
620は通信装置であり、測定装置110の無線通信部112と無線通信を行い、測定データを取得するための無線通信部122(無線通信の方式は、例えば赤外線方式や電磁結合方式等)と、測定装置110から受信した測定データと測定装置IDとを医療データサーバ630に送信するための通信部123とを備える。なお、通信部123による通信は、TCP/IPやRS232C等のプロトコルにより実現されるものとし、無線通信による場合には、電波や赤外線等を用いて行う。
【0052】
630は医療データサーバであり、通信装置620及び生体情報読出し装置550とTCP/IPやRS232C等のプロトコルで通信を行い((無線通信にあっては、電波や赤外線等を用いて行い)、測定データ及び患者IDを受信する通信部132と、通信装置620を使用している患者を特定可能にする“患者IDと測定装置IDとの対応関係を記述した関係情報ファイル”を格納するハードディスク631と、患者IDと生体情報とを対応付けて記憶する記憶部133と、通信部132が受信した測定装置IDに基づいて、関係情報ファイルを用いて患者IDと生体情報とを関係付けるとともに、生体情報読出し装置150から受信した患者IDに関係付けられた生体情報を記憶部133から読み出すデータ処理部131とを備える。
【0053】
150は生体情報読出し装置であり、患者を識別するために患者識別器具140に付加されたバーコードやIDタグから患者IDを読み取るための読取部151と、読取部151にて読み取られた患者IDを医療データサーバ630に出力要求として送信するとともに、医療データサーバ630からのデータ(患者ID及び生体情報)を受信するための通信部152と、通信部152により受信した患者ID及び生体情報を表示するためのLCD等の表示部153とを備える。なお、通信部152による通信は、TCP/IPやRS232C等のプロトコルにより実現されるものとし、無線通信による場合には、電波や赤外線等を用いて行う。
【0054】
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、測定データを取得する測定装置が患者ごとに割り当てられ、かつ測定装置IDを記憶し、更に測定データを収集する医療データサーバが測定装置IDと患者IDとの対応関係を記載した関係情報ファイルを保持することにより、測定データを自動的に患者IDと対応付けて記憶することが可能となる。
【0055】
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、医療データサーバにおいて、通信装置IDと患者IDとの対応関係を記載した関係情報ファイルを保持する構成としたが、本発明は特にこれに限定されない。
【0056】
生体情報読出し装置が患者IDを読み取り、更に測定装置から測定データを取得できる構成としてもよい。かかる構成により、生体情報読出し装置から医療データサーバに測定データを送信する際に、患者IDもあわせて送信することが可能となる。この結果、医療データサーバでは、そのまま測定データと患者IDとを対応付けて記憶部に記憶することができる。
【0057】
図7は、本発明の第4の実施形態にかかる生体情報収集システムの構成を示す図である。なお、図1または図5に示す生体情報収集システムと対応する箇所については、同じ参照番号を付してある。以下、異なる参照番号が付された箇所を中心に説明する。
【0058】
510は測定装置であり、サーミスタ・圧力計・フォトセンサ等を介して得られた電気的情報から測定データを確定するための測定部111と、測定データや測定装置の状態等、各種情報を表示するためのLCDやLED等の表示部113と、測定データを生体情報読出し装置720に送信するための無線通信部112(無線通信の方式は、例えば赤外線方式や電磁結合方式等)とを備える。
【0059】
生体情報読出し装置720は、患者を識別するために患者識別器具140に付加されたバーコードやIDタグから患者IDを読み取るための読取部151と、読取部151を介して取得した患者IDを出力要求として医療データサーバ530に送信するとともに、医療データサーバ530から送信されるデータ(患者ID及び生体情報)を受信するための通信部123と、通信部123において受信した患者ID及び生体情報を表示するためのLCD等の表示部153とを備える。また、生体情報読出し装置720は、測定装置510の無線通信部112と無線通信を行い、測定データを取得するための無線通信部122(無線通信の方式は、例えば、赤外線方式や電磁結合方式等)を備える。なお、通信部123による通信は、TCP/IPやRS232C等のプロトコルにより実現されるものとし、無線通信による場合には、電波や赤外線や電磁結合等を用いて通信を行う。
【0060】
530は医療データサーバであり、生体情報読出し装置720とTCP/IPやRS232C等のプロトコルで通信を行い(無線通信にあっては、電波や赤外線等を用いて行い)、測定データ及び患者IDを受信する通信部132と、患者IDと生体情報とを関係付けて記憶する記憶部133と、生体情報読出し装置720から受信した患者IDに関係付けられた生体情報を記憶部133から読み出すデータ処理部131とを備える。
【0061】
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、患者IDと測定装置が測定した測定データを共に生体情報読出し装置が収集し関連付けし、関連付けた情報を医療データサーバに送信し、医療データサーバがそのデータを記憶する構成とすることにより、測定データと患者IDとを対応付けて記憶することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる生体情報収集システム100の構成を示す図である。
【図2】測定装置110の一例である、体温計の外観構成を示す図である。
【図3】測定装置110の一例である、体温計の外観構成を示す図である。
【図4】生体情報収集システムにおける処理の流れを示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかる生体情報収集システムの構成を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態にかかる生体情報収集システムの構成を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施形態にかかる生体情報収集システムの構成を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者を測定することにより取得され、被検者ごとに割り当てられた所定の装置により保持された生体情報を、該装置を識別する装置識別子と対応付けて受信する受信手段と、
前記装置識別子と、前記被検者を識別する被検者識別子との対応関係を示す情報を保持する保持手段と、
前記対応関係を示す情報に基づいて、前記受信手段において受信された生体情報と、前記保持手段により保持された被検者識別子とを対応づけて記憶する記憶手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
被検者識別子に対応する生体情報の出力要求が入力された場合に、該被検者識別子に対応する生体情報を前記記憶手段より読み出し、出力する出力手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
被検者ごとに割り当てられた測定装置を用いて被検者を測定することにより取得された生体情報を、該測定装置を識別する測定装置識別子と対応付けて受信する受信手段と、
前記測定装置識別子と、前記被検者を識別する被検者識別子との対応関係を示す情報を保持する保持手段と、
前記対応関係を示す情報に基づいて、前記受信手段において受信された生体情報と、前記保持手段により保持された被検者識別子とを対応づけて記憶する記憶手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
被検者識別子に対応する生体情報の出力要求が入力された場合に、該被検者識別子に対応する生体情報を前記記憶手段より読み出し、出力する出力手段を更に備えることを特徴とする請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
所定の測定装置を用いて被検者を測定することにより取得された生体情報を入力可能な、被検者ごとに割り当てられた通信装置と通信可能に接続されるサーバ装置であって、
前記通信装置に入力された生体情報を、該通信装置を識別する通信装置識別子と対応付けて受信する受信手段と、
前記対応関係を示す情報に基づいて、前記通信装置識別子と、前記被検者を識別する被検者識別子との対応関係を示す情報を保持する保持手段と、
前記受信手段において受信された生体情報と、前記保持手段により保持された被検者識別子とを対応付けて記憶する記憶手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項6】
被検者識別子に対応する生体情報の出力要求が入力された場合に、該被検者識別子に対応する生体情報を前記記憶手段より読み出し、出力する出力手段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
被検者ごとに割り当てられる装置であって、
前記被検者を測定することにより取得された生体情報を保持する保持手段と、
前記装置を識別する装置識別子を記憶する記憶手段と、
前記生体情報を、前記装置識別子と対応付けて送信する送信手段と
を備えることを特徴とする装置。
【請求項8】
被検者ごとに割り当てられ、該被検者を測定するための測定装置であって、
前記被検者を測定することにより取得された生体情報を保持する保持手段と、
前記測定装置を識別する測定装置識別子を記憶する記憶手段と、
前記生体情報を、前記測定装置識別子と対応付けて送信する送信手段と
を備えることを特徴とする測定装置。
【請求項9】
所定の測定装置を用いて被検者を測定することにより取得された生体情報を入力可能であって、該生体情報を管理するサーバ装置と通信可能に接続される、被検者ごとに割り当てられた通信装置であって、
前記入力された生体情報を保持する保持手段と、
前記通信装置を識別する通信装置識別子を記憶する記憶手段と、
前記生体情報を、前記通信装置識別子と対応付けて、前記サーバ装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項10】
被検者ごとに割り当てられる装置であって、
前記被検者を測定することにより取得された生体情報を保持する保持手段と、
前記被検者を識別する被検者識別子を入力する入力手段と、
前記生体情報を、前記被検者識別子と対応付けて送信する送信手段と
を備えることを特徴とする装置。
【請求項11】
被検者ごとに割り当てられ、該被検者を測定することにより取得された生体情報を保持する装置と、該装置が保持する生体情報を受信可能なサーバ装置とを備える生体情報収集システムであって、
前記装置は、
前記装置を識別する装置識別子を記憶する記憶手段と、
前記生体情報を、前記装置識別子と対応付けて送信する送信手段と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記送信手段により送信された前記生体情報と前記装置識別子とを受信する受信手段と、
前記装置識別子と、前記被検者を識別する被検者識別子との対応関係を示す情報を保持する保持手段と、
前記対応関係を示す情報に基づいて、前記受信手段において受信された生体情報と、前記保持手段により保持された被検者識別子とを対応づけて記憶する記憶手段と
を備えることを特徴とする生体情報収集システム。
【請求項12】
被検者識別子に対応する生体情報の出力要求が入力された場合に、該被検者識別子に対応する生体情報を前記記憶手段より読み出し、出力する出力手段を更に備えることを特徴とする請求項11に記載の生体情報収集システム。
【請求項13】
被検者ごとに割り当てられ、該被検者を測定することにより取得された生体情報を保持する装置と、該装置が保持する生体情報を受信可能なサーバ装置とを備える生体情報収集システムであって、
前記装置は、
前記被検者を識別する被検者識別子を入力する入力手段と、
前記生体情報を、前記被検者識別子と対応付けて送信する送信手段と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記送信手段により送信された前記生体情報と前記被検者識別子とを受信する受信手段と、
前記受信手段において受信された生体情報と被検者識別子とを対応づけて記憶する記憶手段と
を備えることを特徴とする生体情報収集システム。
【請求項14】
被検者識別子に対応する生体情報の出力要求が入力された場合に、該被検者識別子に対応する生体情報を前記記憶手段より読み出し、出力する出力手段を更に備えることを特徴とする請求項13に記載の生体情報収集システム。
【請求項15】
被検者を測定することにより取得され、被検者ごとに割り当てられた所定の装置により保持された生体情報を、該装置を識別する装置識別子と対応付けて受信する受信工程と、
前記装置識別子と、前記被検者を識別する被検者識別子との対応関係を示す情報を保持する保持工程と、
前記対応関係を示す情報に基づいて、前記受信工程において受信された生体情報と、前記保持工程により保持された被検者識別子とを対応づけて記憶する記憶工程と
を備えることを特徴とするサーバ装置における情報処理方法。
【請求項16】
被検者ごとに割り当てられた測定装置を用いて被検者を測定することにより取得された生体情報を、該測定装置を識別する測定装置識別子と対応付けて受信する受信工程と、
前記測定装置識別子と、前記被検者を識別する被検者識別子との対応関係を示す情報を保持する保持工程と、
前記対応関係を示す情報に基づいて、前記受信工程において受信された生体情報と、前記保持工程により保持された被検者識別子とを対応づけて記憶する記憶工程と
を備えることを特徴とするサーバ装置における情報処理方法。
【請求項17】
所定の測定装置を用いて被検者を測定することにより取得された生体情報を入力可能な、被検者ごとに割り当てられた通信装置と通信可能に接続されるサーバ装置における情報処理方法であって、
前記通信装置に入力された生体情報を、該通信装置を識別する通信装置識別子と対応付けて受信する受信工程と、
前記対応関係を示す情報に基づいて、前記通信装置識別子と、前記被検者を識別する被検者識別子との対応関係を示す情報を保持する保持工程と、
前記受信工程において受信された生体情報と、前記保持工程により保持された被検者識別子とを対応付けて記憶する記憶工程と
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項18】
被検者ごとに割り当てられる装置における情報処理方法であって、
前記被検者を測定することにより取得された生体情報を保持する保持工程と、
前記装置を識別する装置識別子を記憶する記憶工程と、
前記生体情報を、前記装置識別子と対応付けて送信する送信工程と
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項19】
被検者ごとに割り当てられ、該被検者を測定するための測定装置における情報処理方法であって、
前記被検者を測定することにより取得された生体情報を保持する保持工程と、
前記測定装置を識別する測定装置識別子を記憶する記憶工程と、
前記生体情報を、前記測定装置識別子と対応付けて送信する送信工程と
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項20】
所定の測定装置を用いて被検者を測定することにより取得された生体情報を入力可能であって、該生体情報を管理するサーバ装置と通信可能に接続される、被検者ごとに割り当てられた通信装置における情報処理方法であって、
前記入力された生体情報を保持する保持工程と、
前記通信装置を識別する通信装置識別子を記憶する記憶工程と、
前記生体情報を、前記通信装置識別子と対応付けて、前記サーバ装置に送信する送信工程と
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項21】
被検者ごとに割り当てられる装置における情報処理方法であって、
前記被検者を測定することにより取得された生体情報を保持する保持工程と、
前記被検者を識別する被検者識別子を入力する入力工程と、
前記生体情報を、前記被検者識別子と対応付けて送信する送信工程と
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項22】
請求項15乃至21のいずれかに記載の情報処理方法をコンピュータによって実現させるための制御プログラムを格納した記憶媒体。
【請求項23】
携帯可能な装置であって、
被検者を測定することにより取得された生体情報を保持する保持手段と、
前記被検者を識別する被検者識別子を読み取る読取手段と、
前記生体情報を、前記被検者識別子と対応付けて送信する送信手段と
を備えることを特徴とする装置。
【請求項24】
所定の測定装置を用いて被検者を測定することにより取得された生体情報を入力するとともに、該被検者を識別する被検者識別子を読み取り可能な読出し装置と、通信可能に接続されるサーバ装置であって、
前記読出し装置に入力された生体情報を、前記被検者識別子と対応付けて受信する受信手段と、
前記受信手段において受信された生体情報と、前記被検者識別子とを対応付けて記憶する記憶手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項25】
前記被検者識別子に対応する生体情報の出力要求が入力された場合に、該被検者識別子に対応する生体情報を前記記憶手段より読み出し、出力する出力手段を更に備えることを特徴とする請求項24に記載のサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−144141(P2007−144141A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288023(P2006−288023)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】