説明

生体画像照合装置およびその照合方法

同じ対象に関する生体画像からなる複数の第1の画像データのそれぞれについて生体認証の認証精度と単調関数の関係にある特定の指標に基づき画質の高低の評価を行い、その評価結果に基づいて前記第1の画像データのそれぞれに優先順位を付加して出力する画質優先順位決定処理部(40)と、この画質優先順位決定処理部(40)からの優先順位の付加された各第1の画像データを記憶する第1画像記憶部(6、81)と、第1の画像データとの比較照合に用いられる第2の画像データを記憶する第2の画像記憶部(8、61)と、前記第2の画像記憶部に記憶された基準画像データと前記第1の画像記憶部(6、81)に記憶された第1の画像データとを比較照合し、その比較照合結果を出力する画像照合部(7)と、上記各部を制御する制御部(9)とを備え、前記制御部(9)で、前記第2の画像記憶部(8、61)に記憶された第2の画像データと前記第1の画像記憶部(6、81)に記憶された第1の画像データとを、前記優先順位にしたがって前記画像照合部(7)により比較照合し、その照合結果を前記画像照合部(7)から出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、本人認証の手段として用いられる指紋、虹彩のような生体画像の生体画像照合装置および照合方法に関する。
【背景技術】
本人認証の手段として用いられる生体画像としては、指紋、虹彩等をあげることができる。指紋を例に説明すると、ある未知の指紋の画像データ(検査画像)と、データベース等に予め保存され、特定個人に結び付けられている指紋の画像データ(登録画像)とを比較照合し、それらが同じであると判断できればその未知の指紋画像はある特定個人のものであるとされる。
この指紋認証において、指紋画像の画質の高低は、認証精度に大きく影響を与える。また、この指紋画像の画質は、皮膚の状態の個人差や、気温や湿度といった採取時の周囲の環境によって変化する。そのため、指紋認証のときはもちろん予め採取してデータベース等に保存しておくために登録する画像を選別するためにも、得られた指紋画像の画質の評価を行い、事前に画質の良い画像を選別して登録するという手法は、認証精度向上という観点から有効な手段である。
従来の指紋照合装置を、図11を参照して説明する。
従来の指紋照合装置101は、指紋画像の取り込みを行うセンサ部102と、センサ部102から入力された指紋画像に関して画像処理を行う画像処理部103と、画像処理部103から入力された画像データに関して画質の良否の評価を行う画質良否評価部104と、画質良否評価部104から入力された画質の良否の結果に基づいて画質の良否の判断を行い、画像処理部103から入力された画像データを記憶するか否かを判断する画質良否判定部105と、画質良否判定部105から入力された画像データを記憶する登録画像記憶部106と、本人認証を行うための検査指紋画像データを記憶する検査画像記憶部108と、登録画像記憶部106に記憶された登録指紋画像データと検査画像記憶部108に記憶された検査指紋画像データとを比較照合し結果を出力する画像照合部107とから構成される。
この指紋照合装置101において、画質良否評価部104および画質良否判定部105にて行われる画質の良否の評価および判定を行う手法として、これまで、端点や分岐点などの指紋パターンにおいて、ある特徴的なポイント(マニューシャ:Minutia)の数を画質評価に利用して良否判定を行う手法が報告されている(例えば、特開平8−129644号公報、特開平8−263658号公報)。
また、指紋画像を形成する黒画素の割合や指紋画像の明暗部のレベル差といった画像のコントラスト情報を利用して良否判定を行う手法が報告されている(例えば、特開平8−110949号公報、特開2000−222556号公報)。
【発明の開示】
本発明は、上述した従来技術の問題点や課題を解決するためになされたものであり、その目的は、従来よりも高い認証精度を得ることができる生体画像照合装置およびその照合方法を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明の一態様によれば、同じ対象に関する生体画像からなる複数の第1の画像データのそれぞれについて生体認証の認証精度と単調関数の関係にある特定の指標に基づき画質の高低の評価を行い、その評価結果に基づいて第1の画像データのそれぞれに優先順位を付加して出力する画質優先順位決定処理部と、この画質優先順位決定処理部からの優先順位の付加された各第1の画像データを記憶する第1画像記憶部と、第1の画像データとの比較照合に用いられる第2の画像データを記憶する第2の画像記憶部と、第2の画像記憶部に記憶された第2の画像データと第1の画像記憶部に記憶された第1の画像データとを比較照合し、その比較結果を出力する画像照合部と、上記各部を制御する制御部とを備え、制御部で、第2の画像記憶部に記憶された第2の画像データと第1の画像記憶部に記憶された第1の画像データとを、優先順位にしたがって画像照合部により比較照合し、その照合結果を画像照合部から出力することを特徴とする生体画像照合装置が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、同じ対象に関する生体画像からなる複数の第1の画像データのそれぞれについて生体認証の認証精度と単調関数の関係にある特定の指標に基づき画質の高低の評価を行い、その評価結果に基づいて第1の画像データのそれぞれに優先順位を付加して出力する画質高低評価ステップと、この画質優先順位決定ステップで得られた優先順位の付加された各第1の画像データを第1画像記憶部で記憶する第1の画像記憶ステップと、予め第2の画像記憶部に記憶された第2の画像データと第1の画像記憶部に記憶された第1の画像データとを比較照合し、その結果を出力する照合ステップとを有することを特徴とする生体画像照合方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明にかかる生体画像照合装置の一実施例を示し、特に指紋照合装置に適用した場合の実施例1を示すブロック図である。
図2は、図1に示した指紋照合装置の指紋照合処理を説明するためのフローチャートである。
図3は、図1に示した画質高低評価部の画質評価処理を説明するためのフローチャートである。
図4は、図1に示した画質高低評価部の画質評価処理のうち、特に、指紋画像につぶれがある場合の処理を説明するための指紋画像の図である。
図5は、実施例1にかかる指紋照合装置におけるつぶれに特有な画像パターンを検出するためのパターン要素を説明するための図である。
図6は、実施例1にかかる指紋照合装置における第1の画像記憶部への画像データの格納例を示す図である。
図7は、実施例2にかかる生体画像照合装置を説明するためのブロック図である。
図8は、図7に示した指紋照合装置の指紋照合処理を説明するためのフローチャートである。
図9は、実施例3にかかる指紋照合装置を説明するためのブロック図である。
図10は、実施例3にかかる指紋照合装置における画質評価処理を説明するためのフローチャートである。
図11は、かすれがある場合の指紋画像を説明するための指紋パターンを細線処理した画像である。
図12は、実施例2にかかる指紋照合装置におけるかすれに特有な画像パターンを検出するためのパターン要素を説明するための図である。
図13は、従来の指紋照合装置を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。以下の実施例は、生体画像照合として、指紋認証を例に説明をしているが、指紋以外に虹彩あるいは生体を識別可能に特徴付ける生体固有の生体画像を照合する場合にも同様に適用できることはもちろんである。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
図1は、本発明の実施例にかかる生体画像照合装置として、指紋照合装置に適用した場合を示しており、指紋照合装置1は、指紋画像の取り込みを行うセンサ部2と、センサ部2から入力された指紋画像に関して画像処理を行う画像処理部3と、画像処理部3から入力された画像データに関して画質の高低の評価を行いその結果を画質評価指標として出力する画質高低評価部4と、画質高低評価部4から入力された画質評価指標に基づいて照合を行うか否かを含めた優先順位を付けて画像処理部3から入力された画像データを登録画像記憶部6に記憶する画質優先順位判定部5と、画質優先順位判定部5から入力された指紋画像データを記憶する登録画像記憶部6と、本人認証を行う対象となる検査指紋画像データを記憶する検査画像記憶部8と、登録画像記憶部6に記憶された登録画像データと検査画像記憶部8に記憶された検査画像データとを比較照合し結果を出力する画像照合部7と、上述した各部の動作を制御する制御部9とから構成される。
上述した構成において、画質高低評価部4と画質優先順位判定部5とは、画質優先順位決定処理部40を構成し、画像処理部3から順次送られる画像処理された複数の画像データを受けて各画像データの画質の優先順位を決定し、その優先順位が付加された画像データが後段の画像記憶部6に送られる。ここで、照合とは、検査画像記憶部8に記憶された画像が、登録画像記憶部6に記憶された登録指紋画像データとが同一か否かを判定することをいう。また、本発明でいう画質とは、濃度やコントラストといった認証精度を左右する様々な要因を含む総合的な指標で表される画像の善し悪しではなく、生体認証の認証精度を決定付ける特定の要因に関して画像を評価し算出した指標で表される品質をいう。
上述した指紋照合装置1は、実際には、例えば、コンピュータのように、演算装置と、画像処理装置と、記憶装置とにより構成され、演算装置、画像処理装置、および記憶装置はシステムバスにより接続され、この演算装置と記憶装置はシステムバスにより接続され、さらに記憶装置および画像処理装置はローカルバスで接続されている。
また、演算装置は、これらのハードウエア資源を動作させることにより上述した各部の機能を実現する。
また、画質高低評価部4は、縦mピクセル、横nピクセル(m、nは整数)の基準画像パターンを記憶した画質評価パターン要素記憶部4−1と、画像処理部3から入力された画像データと画質評価パターン要素記憶部4−1に記憶された基準画像パターン要素との一致数を、画像パターンマッチング手法により検出し、その一致数を画質評価の指標として出力する画像パターンマッチング画質評価部4−2とから構成される。具体的に、画質パターンマッチング画質評価部4−2では、画像データに対して記憶された基準画像パターン要素を空間的にずらしながら重ね合わせる走査を行い、基準画像パターン要素内の黒画素のパターンと入力された画像データの黒画素のパターンが空間的に一致するポイントを検出し、最終的に、画像データの全面もしくは予め設定した範囲を走査して得られる一致ポイント数を出力する。
この一致ポイント数は画質優先順位判定部5に送られ、画質高低評価部4から入力された画質評価指標に基づいて優先順位を付けて画像処理部3から入力された画像データを登録画像記憶部6に記憶する。
この画質優先順位判定部5においては、入力されたデータに関して選別および登録画像記録部6に対する記憶を逐次的に行ってもよいし、画質優先順位判定部5の内部に複数の登録候補となる入力された画像データおよびその画質評価指標を一時的に記憶しておき、最終的に、これらの一時的に記憶したデータに関してまとめて選別および登録画像記憶部6に対する記憶を行ってもよい。このように、登録候補となるデータに関してまとめて処理を行うために、画質高低判定部5は、内部に一時的に複数の画像データおよび画質評価指標を記憶することができる。
次に、図2を参照して、実施例1の指紋照合装置1の動作について説明する。
まず、センサ部2により生体画像である指紋画像を電子データとして取り込み、取り込まれた指紋画像は、画像処理部3に入力される(S201)。画像処理部3では、その取り込まれた指紋画像に対して、ノイズ除去、二値化などの公知の画像処理が行われ、画像処理が行われた画像データは画質高低評価部4および画質高低判定部5に入力される(S202)。
次に、画質高低評価部4では、画像処理部3から入力された画像処理後の画像データに関して画質の高低の評価を行い、この結果を画質評価指標として出力する(S203)。
ここで、S203において行われる画質評価指標の算出について、図3を参照して説明する。
画質高低評価部4では、画像処理部3により画像処理された画像データが読み込まれると(S301)、読み込まれた画像データは画像パターンマッチング画質評価部4−2において、画質の評価が行われる(S302)。
画像パターンマッチング画質評価部4−2により行われる画質の評価に用いられる指標は、着目した画質の特性に起因して画像に生じている特有の画像パターンの数とする。この数は、その画質に特有な画像パターンそのもの、もしくは、それを構成する一部の画像パターンを、縦mピクセル横nピクセルの基準画像パターン要素として画質評価パターン要素記憶部4−1に予め記憶しておき、入力された画像データとこれらの基準画像パターン要素との間で画像パターンマッチング画質評価部4−2において画像パターンマッチングが行われることにより算出される。
例えば、入力された画像データに対して記憶された基準画像パターン要素を空間的にずらしながら重ね合わせる走査を行い、パターン要素内の黒画素のパターンと画像データの黒画素のパターンが空間的に一致するポイントを検出し、最終的に、画像データの全面もしくは予め設定した範囲に対して基準画像パターン要素を走査させた結果得られる一致ポイント数を算出することで、パターンマッチングを行う。
また、基準画像パターン要素は複数用意してもよく、その場合には、全ての基準画像パターン要素に関して、読み込んだ画像データについて同様に一致数の評価を行い(S303)、それら全ての基準画像パターン要素に関する一致数の総和を求め(S304)、この総和が、着目した画質に関する画質評価指標となる。
画質は指紋パターンに影響を及ぼす特性であり、着目した画質の高低に応じて認証精度が変化するのであれば、その画質により生じるパターンの数を直接検出し、それを画質評価指標とする本手法により、認証精度の高低と一意に関連付けられた画質評価指標の算出ができる。この画質評価指標は、認証精度と増加関数または減少関数の関係すなわち単調関数の関係にあり、例えば画質評価指標が大きいほど、すなわち、基準画像パターン要素の検出数が多いほど、認証精度がより悪いと判断できる。評価対象となる画質が異なる場合のために、予め記憶しておく画質評価パターン要素のセットを複数用意しておいてもよい。なお、上記画質評価指標は、結果として認証精度と単調関数の関係にあればよく、画質に影響を与える複数の要因のうち、認証精度を左右する1つの要因から算出してもよく、認証精度を左右する複数の要因から算出してもよい。
以下に、画質として指紋画像のつぶれに着目した場合を図4を用いて説明する。この図4に示される画像は、テンプレートマッチング照合用の登録画像として用いられる指紋パターンを細線化処理した指紋画像である。この図4では、指紋の隆線を黒、谷線を白で表している。指紋画像がつぶれている場合、隣り合った隆線同士がくっついてしまい2本の線として明確に分離することができない。そのため、細線化画像においては、例えば図4の円内に示されるように2本の隆線をつなぐ線分が生じる。そこで、この2本の線分をつなぐ線分が本来の隆線と接合している箇所をつぶれにより生じる特有のパターンであると考え、このパターンを検出するために、このパターンを構成する一部を模式的に表し、画像パターンとして図5に示されるようなパターン要素を画質評価パターン要素記憶部4−1に記憶する。
この画質評価パターン要素記憶部4−1に記憶されるつぶれ特有のパターンを検出するためのパターン要素は、図5に示されるものに限られるものではなく、例えばサイズの異なる他のパターン要素を用いてもよい。
つまり、図5に示したつぶれ特有のパターン要素とは異なるパターン要素を、つぶれ特有のパターン要素として別に定義し、そのパターン要素に基づいて、上述した評価を行ってもよい。S301において、読み込まれた指紋画像データとこれら全てのパターン要素の一致数を画像パターンマッチング画質評価部4−2において画像パターンマッチングにより評価し(S302)、その総和をつぶれに関する画質評価指標として算出し出力する(S303:Y、S304)。
次に、再び図2の動作フローに戻ってステップS205に移る。そして、ステップS205において、上述した画質の高低を表す画質評価指標の算出(S201〜S203)を、登録候補として用意する画像枚数(h枚)分だけ繰り返し、それぞれに関して画質評価指標を取得する。
この場合、図2のフローに示すように、ステップ203の画質評価指標の算出が終わった後、画質評価指標に、ある閾値(基準値)を設定し、この閾値を満たさないものに関しては画質高低判定部5において除外するようにしてもよい(S204)。
そして、ステップS201に戻り、次の画像データの画質評価を行う。上述のようにして取得した最大h枚の画像データに関して、画質優先順位判定部5において、画質評価指標の良い順に最大k枚を選別し、画質評価指標の良い順に優先順位を付けて登録画像記憶部6に記憶する。
この取得した画像データに関する選別および登録画像記憶部6に対する記憶は、画像データ1つずつに関して逐次的に行ってもよいし、複数の登録候補となる画像データおよびその画質評価指標を一時的に記憶しておき、最終的に、これらの一時的に記憶したデータに関してまとめて行ってもよい。
ここで、指紋画像のつぶれを画質評価の対象として、図2に示したフローにおいて、図3に示した画質評価を行った場合の、画質優先順位判定部5における処理の例を図6を参照して説明する。つぶれが多いほど認証精度は悪化するため、その検出数により示される画質評価指標は大きいほど認証精度は悪化することになる。
このため、つぶれに関する画質評価指標(つぶれ評価指標)は、小さいほど高画質であり認証精度が高いと期待されるために照合順に関する優先順位を高く設定し、逆に、大きいほど低画質であり認証精度が低いと思われるために照合順の優先順位を低く設定する(S206)。
このように、画質の高低の方向は着目する画質の特性により決まる。この場合、つぶれに着目したため、画質は画質評価指標が小さいほど高く、大きいほど低くなる。
画像パターンマッチング手法により評価対象の画像データと比較するものとして、着目した画質に起因したパターンを検出するために着目した画質ごとに特有なパターン要素を用いることにより、着目した画質ごとに別々の異なった評価ができる。さらに、着目した画質が指紋パターンに影響を与えている箇所を検出するために、指紋パターンを直接比較照合する画像パターンマッチング手法を照合に用いた場合には、特に、画質が照合精度に与える影響を正確に評価することができる。
この図2に示した動作フローにおいて、登録画像の候補としてセンサ部2で取り込んだ画像のうち(h−k)枚の画像データは、画質が低く認証精度が低いと想定されたために棄却される。このように、本画質評価手法を用いることにより、登録に必要な枚数(k枚)に応じて、登録候補の画像(h枚)の中からより画質が高くより認証精度が高いと期待されるものを選別して登録することができる。そのため、本画質評価を用いた画像選別方法により、常により高い認証精度で、より速く認証結果を得ることができる。
【実施例2】
図7は実施例1の変形例であり、画質優先順位決定処理部40の一部を構成する画質優先順位判定部5の出力を検査画像記憶部81に記憶させる(図8:ステップ206’)場合である。この例においては、登録画像記憶部61には予め基準となる指紋画像データが格納されている。
この実施例2の場合には、優先順位判定部5において所定の画像が得られない場合、あるいは所定の優先順位の画像データ数が得られない場合に、制御部9の制御の元に複数の指紋画像データを取り込んでいる間、ランプ91を点灯して指紋画像を読み取り中であることを表示するようにしてもよい。
この場合、登録画像データは検査画像と同じように複数あってもよく、また従来のように1つであってもよい。その他の各部の動作は、実施例1と同様であるため詳細は省略する。
【実施例3】
次に、本発明にかかる生体画像照合装置の実施例3について図9〜図12を用いて説明する。上記した実施例1では、画質の高低の評価指標を、着目した画質の特性に起因して画像に生じている特有の画像パターン要素の数としたが、この数値は画質だけでなく評価対象となる画像データの画素数にも依存する。以下に示す実施例3では、画質評価パターン要素の検出数に加えて、画質評価を行う画像データの画素数を利用して指標を算出することにより、画質に関してより正確な指標を得るようにしたものである。
照合時には、画像照合部7において、検査画像記憶部8に記憶された検査画像が登録画像と同一か否かを、この照合順番の順位付けに従い登録画像と検査画像を比較照合することで判定し(S207)、その結果を照合結果として出力する(S208)。
図9は、本発明にかかる指紋照合装置1の実施例3を示し、実施例3と実施例1とは、画質高低評価部4の構成が異なる。実施例3の画質高低評価部4は、実施例1の画質高低評価部4における画質評価パターン要素記憶部4−1と画像パターンマッチング画質評価部4−2に加えて、画像処理部3から入力された画像データに関して画素数を求め、その数値結果を出力する画素数評価部4−3と、画像パターンマッチング画質評価部4−2、画素数評価部4−3それぞれから出力された数値同士を演算してその結果を画質評価の指標として出力する指標演算部4−4とから構成される。指標演算部4−4では、例えば画像パターンマッチング画質評価部4−2と画素数評価部4−3とから入力された数値を除算した結果を画質評価の指標として出力する。
次に、実施例3における指紋照合装置1の動作について説明する。照合動作のフローは、図2に示した実施例1のフローと同様であり、画質評価指標を算出するフローが図3とは異なる。画質評価指標を算出するフローを図10に示す。
まず、画像処理部3により画像処理された画像データが読み込まれ(S401)、この読み込まれた画像データを画像パターンマッチング画質評価部4−2において、画質の評価が行われる(S402)。この画質の評価において、基準画像パターン要素が複数の場合には、全てのパターン要素に関して読み込まれた画像データに対して一致数の評価が行われる(S403)。
次に、それら全ての基準画像パターン要素に関する一致数の総和が求められる(S404)。その後、読み込まれた画像の画素数が算出され(S405)、全パターン要素の一致数を画素数で除算した結果が画質評価の指標として算出され、その算出結果が出力される(S406)。
以下に、画質として指紋画像のかすれに着目した場合を例にとり説明する。図11は、かすれている指紋画像の例である。指紋画像にかすれがある場合には、図11の円内に示されるように、短く切れ切れになった隆線が多数生じる。そこで、この短く切れ切れになった線分を、かすれにより生じる特有のパターンであると考え、それを検出するために図12に示されるようなパターン要素を画質評価パターン要素記憶部4−1に記憶する。このかすれ特有のパターンを検出するための画素パターンはこのパターンに限るものではなく、例えばサイズの異なる他のパターンを用いてもよい。
実施例1において説明したつぶれに着目した場合と同様に、入力された登録候補の指紋画像データに関して、画像パターンマッチング画質評価部4−2において画像パターンマッチング手法によりこれら全ての基準画像パターン要素との一致数を評価し(S402)、その数値結果を出力する。その後、読み込んだ画像データの画素数をカウントし(S405)、画素数を一致数の総和で除算し(S406)、この除算結果を評価指標とする。その後の照合手順は図2のフローと同様である。また、上述したS406において、一致数の総和を画素数で除算し、この除算結果を評価指標としてもよい。
実施例3では、パターン要素の一致数の評価の後に画素数のカウントを行っているが、この順番を逆にし、画素数のカウントを行った後に、一致数の総和を算出するようにしてもよい。
ここで、実施例3における画質評価手法の効果について説明する。読み込んだ指紋画像が画素数Naと画素数Nb(Nb<Na)で、同様のかすれ状態にあると仮定すれば、かすれに特有なパターン要素の出現確率は同様の値になる。これをαとすると、かすれに特有なパターン数はそれぞれ、αNa、αNbとなる。この両者のパターン数には式(1)に示されるように差異が生じる。
αNa−αNb=α(Na−Nb)=αΔN (1)
(但し、△N=Na−Nb)
ここで、得られたパターン要素の一致数をそのまま評価値として使用した場合には、同じかすれ状態にある画像にもかかわらず評価値に差異があることになる。この差異は画素数の差(△N)に依存するため、読み込んだ画像間での画素数の変動が小さい場合には無視できるが、変動が大きい場合にはその差異が顕著になる。
ここで、上述した画質評価手法のように、読み込んだ画像の画素数からパターン要素の一致数を除算する場合には、両者とも出現確率がαで一致する。そこで、画像の画素数からパターン要素の一致数を除算することにより、読み込んだ画像の画素数に依存しない、着目した画質に特有なパターンの出現確率を抽出し画質評価値として利用することができる。このように、実施例3の画質評価手法を用いることにより、読み込んだ画像の画素数に大きな変動があった場合でも、その影響を受けずに正確に画質の評価を行うことができる。
また、上述した実施例3においては、画質高低評価部4の指標演算部4−4において、画像パターンマッチング画質評価部4−2と画素数評価部4−3とから入力された数値を除算する場合について説明したが、乗算した結果を画質評価指標として出力するようにしてもよい。
このようにした場合の動作フローは、図10のステップS406において、ステップS404において求められた一致数の総和とS405において求められた画素数とを演算し評価指標として算出する箇所において、全基準画像パターン要素との一致数と画素数とを乗算し、その結果を画質評価指標として出力するフローとなる。
ここで、画像パターンマッチング画質評価部4−2と画素数評価部4−3とから入力された数値とを乗算することにより、画質評価指標を求める効果について説明する。
画質として指紋画像のかすれに着目した場合を例にとる。読み込んだ指紋画像が画素数Naと画素数Nb(Na>Nb)であり、異なるかすれ状態にあるにもかかわらず、ほぼ同様なパターン要素の一致数が得られたとした場合、Naの画像に関してかすれに特有なパターンが出現する確率をα、Nbに関する確率をβとした場合には、式(2)の関係が成立する。
αNa=βNb,α<β (2)
ここで、得られたパターン要素の一致数をそのまま評価値として使用した場合には、異なるかすれ状態にある画像であるにもかかわらず評価値で判別することはできない。ここで、上述した画質評価手法のように、画素数をパターン要素の一致数にそれぞれ乗算すると、式(3)の関係が成立する。
αNa>βNb (3)
これにより両者を区別することができる。この評価手法を用いることにより、かすれに特有なパターンが出現する確率(αとβ)が非常に近接した値の場合には特に、それらに画素数の2乗を掛け合わせることで差異をより強調した評価ができる。
ただし、この場合には、除算により画質評価値を算出したときと異なり、かすれが少ないほど画質評価値は大きくなる。そのため、画質高低判定部5では、画質評価値が大きい場合に画質が高くより高い認証精度を得られると判断し画像選別を行う。
また、上述した実施例3においては、画質高低評価部4の指標演算部4−4において、画像パターンマッチング画質評価部4−2と画素数評価部4−3とから入力された数値を除算する場合について説明したが、減算した結果を画質評価の指標として出力するようにしてもよい。
このようにした場合の動作フローは、図10のステップS406において、ステップS404において求められた一致数の総和とステップS405において求められた画素数とを演算し評価指標として算出する箇所において、画素数から全パターン要素の一致数を減算した結果を画質評価の指標として出力するフローとなる。また、全基準画像パターン要素との一致数から画素数を減算した結果を画質評価の指標として出力するフローとしてもよい。
ここで、画像パターンマッチング画質評価部4−2と画素数評価部4−3とから入力された数値とを減算することにより、画質評価の指標を求める効果について説明する。
画質として指紋画像のかすれに着目した場合を例にとる。読み込んだ画像の画素数をNとし、この画像に関してかすれに特有なパターンが出現する確率をαとした場合には、得られるパターン要素の一致数は式(4)のようになる。
αN (4)
ここで、上述した画質評価手法のように、画素数からパターン要素の一致数を減算した場合には、式(5)の関係が成立する。
N−αN=(1−α)N (5)
ここで(1−α)は、この画像おいてかすれに特有なパターン要素が出現しない確率を表しており、式(5)では、その確率に画素数を乗算することでかすれていない画素数を算出している。つまり、この評価手法を用いることで、指紋画像にかすれが検出されない箇所、すなわち、かすれていない箇所がどれだけ多いかを画質評価の指標として用いることができる。この場合にも、先の乗算の場合と同じように、画質優先順位判定部5では、画質評価指標が大きい場合に画質が高くより高い認証精度を得られると判断し画像選別を行う。
また、上述した実施例3においては、画質高低評価部4の指標演算部4−4において、画像パターンマッチング画質評価部4−2と画素数評価部4−3とから入力された数値を除算する場合について説明したが、加算した結果を画質評価の指標として出力するようにしてもよい。
このようにした場合の動作フローは、図10のS406において、S404において求められた一致数の総和とS405において求められた画素数とを演算し評価指標として算出する箇所において、全基準画像パターン要素の一致数と画素数を加算した結果を画質評価の指標として出力するフローとなる。
ここで、画像パターンマッチング画質評価部4−2と画素数評価部4−3とから入力された数値とを加算することにより、画質評価の指標を求める効果について説明する。
画質として指紋画像のかすれに着目した場合を例にとる。画素数Naと画素数Nb(Na>Nb)の読み込んだ指紋画像が異なるかすれ状態にあるにもかかわらず、ほぼ同様なパターン要素の一致数が得られたとした場合、Naの画像に関してかすれに特有なパターンが出現する確率をα、Nbに関する確率をβとした場合には、式(6)の関係が成立する。
αNa=βNb,α<β (6)
ここで、得られたパターン要素の一致数をそのまま評価値として使用した場合には、異なるかすれ状態にある画像にもかかわらず評価値で判別することはできない。ここで、上述した画質評価手法のように、パターン要素の一致数と画素数を加算すると、式(7)の関係が成立する。
αNa+Na=(α+1)Na>βNb+Nb=(β+1)Nb (7)
これにより両者を区別することができる。この評価手法を用いることにより、かすれに特有なパターンが出現する確率(αとβ)が非常に近接した値の場合には特に、指標演算部4−4において乗算を用いた場合と同様に、差異をより強調した評価が可能である。この場合にも、先の乗算、減算の場合と同じように、画質高低判定部5では、画質評価値が大きい場合に画質が高くより高い認証精度を得られると判断し画像選別を行う。
上述した実施例3では、指標演算部4−4において単一の演算を行う場合を例示したが、演算は1つに限るものではなく、複数の演算を組みあわせて実行するようにしてもよい。
また、上述した実施例1,2、3では、着目したある1つの画質に関して評価を行い、得られた画質評価指標の高低により登録画像を選別する場合を例として説明したが、着目する画質は1つに限るものではなく、複数の画質に着目してそれぞれ評価を行い、得られた画質評価指標を用いて選別を行うようにしてもよい。
また、上述した実施例1,2、3において、画像照合部7において、登録画像記憶部6、61に記憶した登録指紋画像データと本人認証を行うための検査画像記憶部8、81に記憶された検査指紋画像データとを比較照合する手法に、指紋パターンを直接比較照合する画像パターンマッチング手法を照合に用いた場合には、上述した実施例1、2および実施例3において述べた画質高低評価手法により、着目した画質が指紋パターンの照合に影響を与えている箇所を検出することができるため、特に、画質が照合精度に与える影響を正確に評価することができ、より高精度な照合を実現することができる。
本発明によれば、認証精度が高いと期待された画像を、認証精度が高いと期待された順序で照合を行うことができるため、より高い認証精度で、より速く認証結果を得ることができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ対象に関する生体画像からなる複数の第1の画像データのそれぞれについて生体認証の認証精度と単調関数の関係にある特定の指標に基づき画質の高低の評価を行い、その評価結果に基づいて前記第1の画像データのそれぞれに優先順位を付加して出力する画質優先順位決定処理部と、
この画質優先順位決定処理部からの優先順位の付加された各第1の画像データを記憶する第1画像記憶部と、
第1の画像データとの比較照合に用いられる第2の画像データを記憶する第2の画像記憶部と、
前記第2の画像記憶部に記憶された第2の画像データと前記第1の画像記憶部に記憶された第1の画像データとを比較照合し、その比較照合結果を出力する画像照合部と、
上記各部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第2の画像記憶部に記憶された第2の画像データと前記第1の画像記憶部に記憶された第1の画像データとを、前記優先順位にしたがって前記画像照合部により比較照合し、その比較照合結果を前記画像照合部から出力すること
を特徴とする生体画像照合装置。
【請求項2】
前記画質優先順位決定処理部は、
前記各第1の画像データのそれぞれについて画質の高低の評価を行い、その評価結果を画質評価指標として出力する画質高低評価部と、
この画質高低評価部から出力される各画質評価指標に基づいて前記第1の画像データのそれぞれに優先順位を付けて前記第1の画像記憶部に出力する画質優先順位判定部と
を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項記載の生体画像照合装置。
【請求項3】
前記画質高低評価部は、
前記画質評価指標として前記各第1の画像データごとに認証精度を悪化させる要因を示す指標値を算出して出力することを特徴とする請求の範囲第2項記載の生体画像照合装置。
【請求項4】
前記画質高低評価部は、
前記指標値として前記各第1の画像データごとに当該画像のつぶれまたはかすれの度合いを示す指標値を算出することを特徴とする請求の範囲第3項記載の生体画像照合装置。
【請求項5】
前記画質高低評価部は、
縦mピクセル、横nピクセル(m、nは整数)の基準画像パターンを、1パターン要素として少なくとも1つ記憶する画質評価パターン要素記憶部と、
前記検査画像データの中で前記基準画像パターン要素と一致する数を求め、その結果を画質評価指標として出力する画像パターンマッチング画質評価部とを備え、
この画像パターンマッチング画質評価部から出力される画質評価指標に基づいて、前記画質優先順位判定部は、前記優先順位を決定すること
を特徴とする請求の範囲第2項記載の生体画像照合装置。
【請求項6】
前記画質高低評価部は、
さらに、複数の前記第1の画像データのうちの1つの総画素数を求め、その結果を出力する画素数評価部と、
前記画像パターンマッチング画質評価部から出力される前記基準画像パターン要素との一致数と前記画素数とにより演算を行い、その結果を画質評価指標として出力する指標演算部と
を備えたことを特徴とする請求の範囲第2項記載の生体画像照合装置。
【請求項7】
前記指標演算部は、
前記画素数と前記一致数とから除算することにより前記画質評価指標を算出することを特徴とする請求の範囲第6項記載の生体画像照合装置。
【請求項8】
前記指標演算部は、
前記一致数と前記画素数とを乗算することにより前記画質評価指標を算出することを特徴とする請求の範囲第6項記載の生体画像照合装置。
【請求項9】
前記指標演算部は、
前記画素数と前記一致数とから減算することにより前記画質評価指標を算出することを特徴とする請求の範囲第6項記載の生体画像照合装置。
【請求項10】
前記指標演算部は、
前記画素数と前記一致数とを加算することにより前記画質評価指標を算出することを特徴とする請求の範囲第6項記載の生体画像照合装置。
【請求項11】
前記画像照合部は、
画像パターンマッチング手法により、前記第1の画像記憶部に記憶された前記第1の画像データと前記第2の画像記憶部に記憶された前記第2の画像データとが一致するか否かを比較照合し、その照合結果を出力することを特徴とする請求の範囲第1項記載の生体画像照合装置。
【請求項12】
さらに、生体画像の取り込みを行うセンサ部と、
センサ部からの生体画像に画像処理を行う画像処理部とを備え、
この画像処理部で画像処理された複数の生体画像が前記第1の画像データとして前記画像優先順位決定処理部に入力されることを特徴とする請求の範囲第1項記載の生体画像照合装置。
【請求項13】
前記第1の画像記憶部に記憶される前記第1の画像データは前記比較照合時に新たに検査される検査画像データであり、前記第2の画像記憶部に記憶される前記第2の画像データは正当な対象を示す基準画像データであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の生体画像照合装置。
【請求項14】
前記第1の画像記憶部に記憶される前記第1の画像データは正当な対象を示す基準画像データであり、前記第2の画像記憶部に記憶される第2の画像データは前記比較照合時に新たに検査される検査画像データであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の生体画像照合装置。
【請求項15】
前記生体画像は、指紋、虹彩および生体を特徴付ける生体固有の生体画像情報から選ばれた1つであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の生体画像照合装置。
【請求項16】
同じ対象に関する生体画像からなる複数の第1の画像データのそれぞれについて生体認証の認証精度と単調関数の関係にある特定の指標に基づき画質の高低の評価を行い、その評価結果に基づいて前記第1の画像データのそれぞれに優先順位を付加して出力する画質高低評価ステップと、
この画質優先順位決定ステップで得られた優先順位の付加された各第1の画像データを第1画像記憶部で記憶する第1の画像記憶ステップと、
前記優先順位にしたがって、予め第2の画像記憶部に記憶された第2の画像データと前記第1の画像記憶部に記憶された第1の画像データとを比較照合し、その比較照合結果を出力する照合ステップと
を有することを特徴とする生体画像照合方法。
【請求項17】
前記画質高低評価ステップは、
前記画質評価指標として前記各第1の画像データごとに認証精度を悪化させる要因を示す指標値を算出して出力することを特徴とする請求の範囲第16項記載の生体画像照合方法。
【請求項18】
前記画質高低評価ステップは、
前記指標値として前記各第1の画像データごとに当該画像のつぶれまたはかすれの度合いを示す指標値を算出することを特徴とする請求の範囲第17項記載の生体画像照合方法。
【請求項19】
前記画質高低評価ステップは、
前記画像データに対して、縦mピクセル、横nピクセル(m、nは整数)の基準画像パターンが一致する数を一致数として検出し、前記画質評価指標を求めることを特徴とする請求の範囲第16項記載の生体画像照合方法。
【請求項20】
前記画質高低評価ステップは、
前記画像データに対して、縦mピクセル、横nピクセル(m、nは整数)の基準画像パターンの一致する数を一致数とし、この一致数と画像データの画素数とを演算することにより、前記画質評価指標を算出することを特徴とする請求の範囲第16項記載の生体画像照合方法。
【請求項21】
前記画質高低評価ステップは、
前記一致数と前記画素数とから除算することにより前記画質評価指標を算出することを特徴とする請求の範囲第20項記載の生体画像照合方法。
【請求項22】
前記画質高低評価ステップは、
前記一致数と前記画素数とを乗算することにより前記画質評価指標を算出することを特徴とする請求の範囲第20項記載の生体画像照合方法。
【請求項23】
前記画質高低評価ステップは、
前記画素数と前記一致数とから減算することにより前記画質評価指標を算出することを特徴とする請求の範囲第20項記載の生体画像照合方法。
【請求項24】
前記画質高低評価ステップは、
前記画素数と前記一致数とを加算することにより前記画質評価指標を算出することを特徴とする請求の範囲第20項記載の生体画像照合方法。
【請求項25】
前記照合ステップは、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとが一致するか否かを、画像パターンマッチング手法により、比較照合を行うことを特徴とする請求の範囲第16項記載の生体画像照合方法。
【請求項26】
さらに、センサ部で取り込まれた生体画像に画像処理を行う画像処理ステップと、
この画像処理ステップで画像処理された複数の生体画像を前記第1の画像データとして前記画像優先順位決定処理部に入力するステップと有することを特徴とする請求の範囲第16項記載の生体画像照合方法。
【請求項27】
前記第1の画像記憶部に記憶される前記第1の画像データは照合時に新たに検査される検査画像データであり、前記第2の画像記憶部に記憶される前記第2の画像データは正当な対象を示す基準画像データであることを特徴とする請求の範囲第16項記載の生体画像照合方法。
【請求項28】
前記第1の画像記憶部に記憶される前記第1の画像データは正当な対象を示す基準画像データであり、前記第2の画像記憶部に記憶される第2の画像データは照合時に新たに検査される検査画像データであることを特徴とする請求の範囲第16項記載の生体画像照合方法。
【請求項29】
前記生体画像は、指紋、虹彩および生体を特徴付ける生体固有の生体画像情報から選ばれた1つであることを特徴とする請求の範囲第16項記載の生体画像照合方法。

【国際公開番号】WO2004/079658
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【発行日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−503114(P2005−503114)
【国際出願番号】PCT/JP2004/002785
【国際出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】