生体認証システムの登録方法、生体認証システム及びそのプログラム
【課題】生体情報を利用して個人認証する生体認証システムに関し、生体情報検出時の不安定さがあっても、照合精度の低下を防止する。
【解決手段】処理ユニット(3)が、検出ユニット(1)から同一の生体の生体情報を複数回得て、前記複数回の生体情報からの生体特徴データ間の相互の類似度を判定し、類似度の高い複数の生体特徴データを記憶ユニット(4)に登録する。これにより照合精度を低めることなく、生体の状態変化に対応した照合を行うことができる。
【解決手段】処理ユニット(3)が、検出ユニット(1)から同一の生体の生体情報を複数回得て、前記複数回の生体情報からの生体特徴データ間の相互の類似度を判定し、類似度の高い複数の生体特徴データを記憶ユニット(4)に登録する。これにより照合精度を低めることなく、生体の状態変化に対応した照合を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の体の一部である生体の特徴を利用して、個人認証する生体認証システムの登録方法、生体認証システム及びそのプログラムに関し、特に、登録された生体情報と、検出した生体情報を照合することにより、個人認証する生体認証システムの登録方法、生体認証システム及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人間の体には、指紋、掌紋、掌型、虹彩、網膜、血管パターン、顔面、声紋、歩き方、耳介、DNAなど個人を区別できる部分が、多数存在する。近年のバイオメトリックス技術の進展に伴い、このような人間の体の一部である生体の特徴を認識して、個人認証する装置が種々提供されている。
【0003】
2001年9月の「同時多発テロ」事件以降、米国では空港での入国管理にバイオメトリクス認証(指紋や顔面認証)を採用するなど、高セキュリテイの本人確認手段として世界的にバイオメトリクス認証が注目されている。また金融機関でも通帳やキャッシュカードの盗難、印鑑やカードの偽造による不正引き出し、それに伴う被害者からの金融機関提訴などの金融トラブルに対応する新たな本人確認手段としてバイオメトリクス認証は検討されている。
【0004】
又、このような生体情報の登録において、指紋データの登録においては、複数回の指紋データを検出し、複数回の指紋データから共通の特徴データを抽出し、この共通の特徴データを登録する方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。この方法によれば、検出ノイズや指圧の違いによる指紋形状の変形による登録データの影響を防止できる。
【特許文献1】特開平01−263775号公報(図1乃至図4)
【特許文献2】特開平11−232459号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来の生体情報登録方法は、生体情報を検出して、登録する際に、検出毎に、全く同じ生体特徴データが得られるとは限られないという背景の元に、複数回生体特徴データを検出し、この複数回の特徴データから共通のもののみを抽出して、1つの生体特徴データを登録することにより、検出デバイスのノイズや検出時の状態を排除するものである。
【0006】
しかしながら、従来の共通のものを抽出し、登録する方法では、生体検出デバイスのノイズや生体検出時の検出状態の差を排除できるが、共通データを登録することは、実際に得られた個々の生体特徴データとは完全一致ではなくなり、特徴データ量が特徴検出データ量と異なる可能性がある。このため、登録データと、認証時の照合データとを照合する際に、精度の高い照合が困難となるおそれがある。
【0007】
又、実際には、生体であるため、体調の変化も考慮する必要があり、共通データを登録した場合に、認証時に登録時と比べ体調の変化があると、認証時に、同一人物でも、同一人物と認証することが困難となり、トラブルの原因となるおそれもある。例えば、指紋認証では、指が湿った状態の時と乾いた状態では照合率が違う。
【0008】
従って、本発明の目的は、検出デバイス、体調変化、検出状態の相違があっても、複数回検出した生体特徴データを有効に利用して、照合するための生体認証システムの登録方法、生体認証システム及びそのプログラムを提供することにある。
【0009】
又、本発明の他の目的は、複数回検出した生体特徴データを使用しても、照合精度を低めることなく、生体の状態変化に対応した照合を行うための生体認証システムの登録方法、生体認証システム及びそのプログラムを提供することにある。
【0010】
更に、本発明の更に他の目的は、生体の体調変化があっても、照合精度を低下することなく、トラブルの少ない円滑な照合を行うための生体認証システムの登録方法、生体認証システム及びそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的の達成のため、本発明は、生体から生体の特徴データを検出して、登録しておき、前記生体から前記生体の特徴データを検出して、前記登録した特徴データと照合して、個人認証する生体認証システムにおいて、前記生体から生体情報を検出する検出ユニットと、登録された前記生体の特徴データを格納する記憶ユニットと、前記検出ユニットから検出された生体情報から前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録するとともに、前記検出ユニットから検出された生体情報から前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した特徴データと照合して、個人認証する処理ユニットとを有し、前記処理ユニットは、前記検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得て、前記複数回の生体情報からの特徴データ間の相互の類似度を判定し、類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録する。
【0012】
又、本発明は、生体から生体の特徴データを検出して、登録しておき、前記生体から前記生体の特徴データを検出して、前記登録した特徴データと照合して、個人認証する生体認証システムの登録方法において、生体検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得るステップと、前記複数回の生体情報の特徴データ間の相互の類似度を判定するステップと、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するステップとを有する。
【0013】
又、本発明のプログラムは、生体検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得るステップと、前記複数回の生体情報の特徴データ間の相互の類似度を判定するステップと、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するステップとを、コンピュータに実行させる。
【0014】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、初回目の生体の特徴データを基準として、2回目以降の生体の特徴データとの類似度を判定する。
【0015】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、類似度の高い所定数の特徴データが得られるまで、前記検出ユニットから前記同一の生体情報を取得する。
【0016】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、前記類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録した後、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合して、試し認証を行う。
【0017】
更に、本発明は、好ましくは、前記検出ユニットは、前記生体情報として、利用者の生体情報を撮像する撮像ユニットで構成され、前記記憶ユニットに登録される生体特徴データは、前記生体情報から得た特徴データである。
【0018】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、前記類似度が所定のしきい値以上の場合に、類似度が高いと判定する。
【0019】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、初回目の生体の特徴データを登録するとともに、n回目の生体の特徴データに対し、初回目から(n−1)回目の生体の特徴データの全てとの類似度を計算し、全てとの類似度がしきい値以上である時に、前記n回目の前記生体の特徴データを前記記憶ユニットに登録する。
【0020】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、個人認証時に、前記個人の識別情報に応じて、前記記憶ユニットから前記複数の生体の特徴データを読み出し、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合する。
【0021】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、前記抽出した特徴データが、前記登録した複数の特徴データの1つと類似していることを検出して、個人認証する。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得て、前記複数回の生体情報からの特徴データ間の相互の類似度を判定し、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するので、複数回検出した生体特徴データを使用しても、照合精度を低めることなく、生体の状態変化に対応した安定した照合を行うことができ、且つ利用者とのトラブルも防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、生体認証システム、生体情報登録方法、試し認証を行う生体情報登録方法、他の実施の形態の順で説明する。
【0024】
[生体認証システム]
図1は、本発明の一実施の形態の生体認証システムの構成図、図2は、図1の生体認証処理の説明図である。図1に示すように、撮像装置1と、これに接続された端末(例えば、パーソナルコンピュータ)3とが設けられている。図2に示すように、利用者は、撮像装置1で生体情報を読み取り、端末3の生体特徴抽出処理3aにより、その特徴が抽出され、生体特徴情報として、端末3側に登録される。
【0025】
この生体特徴データは、端末3に接続されるデータベースサーバ4の記憶部4a又は利用者の手持ちの個人カード5に記録される。このサーバ4は、受付7の受付端末8と接続され、受付端末8は、撮像装置1と接続される。
【0026】
利用者が、受付7において、サービスを受けるには、受付7に設けられた撮像装置1から生体情報を読み取り、受付端末8の生体特徴抽出処理8aにより、その生体特徴が抽出される。受付端末8は、照合処理8bにより、その生体特徴データとして、データベースサーバ4に登録された生体特徴データと照合し、本人確認する。
【0027】
又、サーバ4は、自動受付装置6を接続する。利用者が自動受付装置6を利用して、サービスを受けるには、自動受付装置6に設けられた撮像装置1から生体情報を読み取る。自動受付装置6は、図2と同様に、その生体情報(例l:指紋パターン)を抽出し、生体特徴データとして、利用者の所持したICカード5、又はデータベースサーバ4に登録された生体特徴データと照合し、本人確認する。
【0028】
[生体情報登録方法]
次に、図2で説明した生体情報の登録方法について、図3乃至図10を使用して、説明する。
【0029】
図3は、本発明の一実施の形態の生体情報の登録処理の機能ブロック図、図4及び図5は、図3の登録処理フロー図、図6は、図3、図4及び図5の処理で検出された生体特徴の説明図、図7は、図3、図4及び図5の生体特徴データの類似度判定の説明図、図8は、図3の処理で登録された生体特徴データの記憶例の説明図、図9及び図10は、図3、図4及び図5の登録処理の説明図である。
【0030】
図3に示すように、撮像装置1に接続された端末装置3は、一連の登録処理30〜42を実行する。端末装置3は、例えば、パーソナルコンピュータで構成され、図1の外観で示したように、デイスプレイユニット、キーボードユニット及びデータ処理ユニットを有する。データ処理ユニットは、CPUと各種メモリ、インタフェース回路等のデータ処理に必要な回路を有する。このCPUが、一連の登録処理30〜42を実行する。
【0031】
生体情報検出処理30は、撮像装置1が撮像した画像から生体情報を検出して、登録及び照合処理に使用できる画像かを判定する。例えば、生体情報が画像に充分現れていない等である。誘導メッセージ出力処理32は、登録及び照合処理に使用できない画像である時に、生体(例;指)を左右前後に誘導するためのメッセージを、端末装置3のデイスプレイに出力する。これにより、端末装置3のオペレータが、撮像装置1にかかげた利用者に正しい生体位置を誘導する。
【0032】
生体特徴抽出処理34は、生体情報検出処理30で、生体が正しい位置で、撮像できたと判定した場合に、生体情報から生体特徴データを抽出する。即ち、反射率の差により、図7のような、生体画像の階調データが得られる。尚、この生体情報像は、図8に示すようなイメージであり、データとしては、図7のような階調データである。
【0033】
生体特徴一時保持処理36は、抽出した生体特徴データを一時保持する。登録可否判定処理36は、生体特徴一時保持処理36で保持された複数の生体特徴データから最適な複数の生体特徴データを登録するため、複数の生体特徴データの類似度を判定し、登録可否を判定する。登録処理42は、登録可と判定された生体特徴データを記憶部4aに登録する。登録進捗出力処理40は、登録処理42の進捗状況を、端末装置3のデイスプレイに出力する。
【0034】
このように、生体情報は、撮像毎に、全く同じ生体特徴データが得られるとは限らず、撮像デバイスや、体調変化及び生体の撮像角度及び位置等の撮像状態により差異がある。このため、本発明では、複数回の撮像を行い、登録に値する最適な情報のみを登録する。しかし、何十回もの登録操作を、登録者(利用者)に義務付けるには、利用者の負担が大きい。このため、通常受け入れられる回数に留め、その中から最適な登録情報を取り出し、記憶部に登録する。
【0035】
図4及び図5の処理フロー図により詳細に説明する。
【0036】
(S10)撮像装置1から近赤外光を照射し、生体情報画像を得る。
【0037】
(S12)前述のように、生体情報検出処理30により、撮像装置1が撮像した画像から生体情報を検出し、生体情報が画像に充分現れていない等の場合には、NGと判定し、前述の誘導メッセージ出力処理32により、生体を左右前後に誘導するためのメッセージを、端末装置3のデイスプレイに出力し、ステップS10に戻る。
【0038】
(S14)生体特徴抽出処理34により、生体情報検出処理30で、正しい位置で、撮像できたと判定した場合に、生体情報から生体特徴データを抽出する。
【0039】
(S16)抽出が初回目かを判定する。初回目なら、初回目の生体特徴データを、一時保持する。
【0040】
(S18)次に、再操作を促す誘導メッセージを、端末装置3のデイスプレイに出力し、ステップS10に戻る。
【0041】
(S20)一方、ステップS16により、初回目でなく、2回目以降と判定すると、抽出が2回目かを判定する。
【0042】
(S22)抽出が2回目である時は、初回目の生体特徴データと2回目の生体特徴データとを比較し、類似度を計算する。類似度は、2つの生体特徴パターンの一致の程度を表す量であり、種々のパターンマッチング技術を適用できる。例えば、指紋の様に図7の2つの生体特徴パターンの階調表現画素マトリックスにおいて、注目画素における2つのパターンの画素値(階調値)を獲得して、比較する。両者が一致していれば、類似度カウンタを「1」インクリメントする。注目画素を移動し、同様に、画素値の比較により、一致かいなかを判定する。両者が一致していれば、類似度カウンタを「1」インクリメントする。これを、画素マトリックスの全ての画素について行い、類似度カウンタの値を類似度とする。そして、類似度が、予め定めたしきい値以上なら、類似している(OK)と判定し、2回目の生体特徴データは、登録可と判定し、ステップS10に戻る。一方、類似度が、しきい値を越えないと、類似していない(NG)と判定する。そして、ステップS18の再操作誘導メッセージ出力に進む。
【0043】
(S24)一方、ステップS20で、2回目でなく、抽出が3回目であると判定すると、今まで抽出した生体特徴データ(ここでは、初回目、2回目)と3回目の生体特徴データとの類似度を同様に、計算する。即ち、図9に示すように、ステップS22で、2回目の生体特徴データと初回目の生体特徴データとの類似度#1が計算、判定されている。ステップS24では、3回目の生体特徴データと初回目の生体特徴データとの類似度#3と、3回目の生体特徴データと2回目の生体特徴データとの類似度#2とが計算、判定される。この相互比較により、全ての類似度#1,#2,#3が、しきい値以上なら、3個とも類似した生体特徴と判定する。そして、ステップS30に進む。一方、図9の相互比較で、類似度#1,#2,#3の1つでも、しきい値を越えていないと判定すると、ステップS18に戻る。即ち、ステップS24において、3回撮像、生体特徴抽出を実施しても生体特徴データが3個揃わない時は次の撮像すなわち4回目の撮像、生体特徴抽出を行う。
【0044】
(S26)抽出が、3回目を越えたN回目(4回目以降)かを判定する。N回目は、登録に相応しない事象が連続する場合には、操作者への負担が大きいため、制限回数として設定し、メッセージを出力し、最初から繰り返すかどうかをテラーと協議する。
【0045】
(S28)一方、制限回数N以内なら、図10に示すように、4回目の生体特徴データと初回目の生体特徴データとの類似度#6と、4回目の生体特徴データと2回目の生体特徴データとの類似度#5と、4回目の生体特徴データと3回目の生体特徴データとの類似度#4とが計算、判定される。この類似度#4,#5,#6の全てが、しきい値以上なら、初回目、4回目、2回目か3回目の類似度の高い方の3つの生体特徴が、類似していると判定する。一方、図10の相互比較で、類似度#4,#5,#6の1つでも、しきい値を越えていないと判定すると、ステップS18に戻り、5回目の撮像、生体特徴抽出を行い、同様の類似度計算、判定を行う。
【0046】
(S29)そして、類似している3つの生体特徴データが3個揃った場合には記憶部4aに、利用者のIDとともに、登録する。図8は、記憶部4aの登録生体特徴データを示し、個人IDと3つの生体特徴データ(ここでは、白黒の2値データ列)が、記憶部4aに登録される。3個揃わない場合には、システムで決めた回数(N回)まで、撮像、生体特徴データ抽出を行う。
【0047】
このように、複数回の生体特徴データを検出し、類似度の高い複数(ここでは、3つ)の生体特徴データを最適生体特徴データとして、登録する。このため、撮像デバイスや、体調変化及び生体情報の撮像状態により差異がある生体情報であっても、複数回の撮像を行い、登録に値する類似度の高い最適な生体情報のみを登録するので、差異を反映し、且つ照合精度の低下を招かない複数の生体情報を登録できる。又、何十回もの登録操作を、登録者(利用者)に義務付けるには、利用者の負担が大きいため、通常受け入れられる回数に留め、その中から最適な登録情報を取り出し、記憶部に登録している。
【0048】
[試し認証を行う生体情報登録処理]
次に、試し認証を説明する。前述のように、n(前述では、3)回の登録が完了したその場で、照合確認操作を実施する。これにより、利用者は、次回の照合時の生体撮像方法の練習となり、且つ自分の生体情報が確実に認証できることを確認できる。このため、システムへの安心感と信頼度が増加する。この試し認証は、実際の認証と同一の手順で行う。以下、図12乃至図14により説明する。
【0049】
図11は、本発明の一実施の形態の認証処理の機能ブロック図、図12は、図11の認証処理フロー図、図13は、その動作説明図である。
【0050】
図11において、図2及び図3で示したものと同一のものは、同一の記号で示してある。即ち、撮像装置1に接続された端末装置3は、一連の認証処理30〜46を実行する。端末装置3のCPUが、一連の認証処理30〜46を実行する。
【0051】
生体情報検出処理30は、撮像装置1が撮像した画像から生体情報を検出して、生体情報画像から登録及び照合処理に使用できる画像かを判定する。例えば、生体情報が画像に充分現れていない等である。誘導メッセージ出力処理32は、登録及び照合処理に使用できない画像である時に、生体情報を左右前後に誘導するためのメッセージを、端末装置3のデイスプレイに出力する。これにより、端末装置3のオペレータが、撮像装置1にかかげた利用者の生体情報を誘導する。
【0052】
生体特徴抽出処理34は、生体情報検出処理30で、正しい生体位置で、撮像できたと判定した場合に、生体情報から生体特徴データを抽出する。即ち、図7のような、生体情報の画像の階調データが得られる。
【0053】
登録生体特徴検索処理46は、図8に示したように、記憶部4aから個人IDに対応した3つの登録生体特徴データR1,R2,R3を検索する。照合処理44は、図13に示すように、生体特徴検出処理34で検出された生体特徴データAと、3つの登録生体特徴データR1,R2,R3を比較して、照合処理し、照合結果を出力する。
【0054】
図12により詳細に説明する。
【0055】
(S30)利用者の提示したIDから、記憶部4aの対応する3つの生体特徴データR1,R2,R3を読み込む。
【0056】
(S32)撮像装置1から近赤外光を照射し、生体情報の画像を得る。生体情報検出処理30により、撮像装置1が撮像した画像から手の輪郭を検出して、輪郭から画像が、照合処理に使用できる画像かを判定する。生体情報が画像に充分現れていない等の場合には、NGと判定し、前述の誘導メッセージ出力処理32により、生体位置を左右前後に誘導するためのメッセージを、端末装置3のデイスプレイに出力する。生体特徴抽出処理34により、生体情報検出処理30で、正しい位置で、獲得できたと判定した場合に、生体情報から生体特徴データを抽出する。
【0057】
(S34)1番目の登録生体特徴データR1と抽出した生体特徴データAとを比較し、類似度を計算する。類似度は、2つの生体特徴パターンの一致の程度を表す量であり、種々のパターンマッチング技術を適用できる。そして、類似度が、予め定めたしきい値以上なら、類似している(OK)と判定し、認証でき、終了する。
【0058】
(S36)一方、ステップS34で、類似度が、しきい値を越えないと、類似していない(NG)と判定する。そして、2番目の登録生体特徴データR2と抽出した生体特徴データAとを比較し、類似度を計算する。そして、類似度が、予め定めたしきい値以上なら、類似している(OK)と判定し、認証でき、終了する。
【0059】
(S38)一方、ステップS36で、類似度が、しきい値を越えないと、類似していない(NG)と判定する。そして、3番目の登録生体特徴データR3と抽出した生体特徴データAとを比較し、類似度を計算する。そして、類似度が、予め定めたしきい値以上なら、類似している(OK)と判定し、認証でき、終了する。逆に、しきい値を越えていない場合には、類似していないと判定し、エラー終了する。
【0060】
この試し認証においては、図11に示すように、照合処理が良好でなければ、撮像装置1に次の撮像を指示できる。このため、利用者の試し認証の機会が増加し、かかる認証方式に慣れることができ、認証装置の普及に寄与する。
【0061】
[他の実施の形態]
前述の実施の形態では、生体認証を、指紋で説明したが、掌紋、掌型、網膜、虹彩、網膜、血管パターン、顔面、声紋、歩き方、耳介、及びDNAの他の生体認証にも適用できる。
【0062】
更に、類似度の計算を、ビットマップのパターンマッチング技術で説明したが、周知のデータをベクトル化し、ベクトルの方向、長さで類似度を計算することもできる。又、分岐点、終端点などのマニューシャを使っても計算できる。又、登録回数も3回に限らず、複数回であれば良い。照合(認証)処理は、図11乃至図13と同一の方法で行い、図1の窓口端末8や、自動受付端末6で実行される。
【0063】
以上、本発明を実施の形態により説明したが、本発明の趣旨の範囲内において、本発明は、種々の変形が可能であり、本発明の範囲からこれらを排除するものではない。
【0064】
(付記1)生体から生体の特徴データを検出して、登録しておき、前記生体から前記生体の特徴データを検出して、前記登録した特徴データと照合して、個人認証する生体認証システムにおいて、前記生体から生体情報を検出する検出ユニットと、登録された前記生体の特徴データを格納する記憶ユニットと、前記検出ユニットから検出された生体情報から前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録するとともに、前記検出ユニットから検出された生体情報から前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した特徴データと照合して、個人認証する処理ユニットとを有し、前記処理ユニットは、前記検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得て、前記複数回の生体情報からの特徴データ間の相互の類似度を判定し、類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録することを特徴とする生体認証システム。
【0065】
(付記2)前記処理ユニットは、類似度の高い所定数の特徴データが得られるまで、前記検出ユニットから前記同一の生体情報を取得することを特徴とする付記1の生体認証システム。
【0066】
(付記3)前記処理ユニットは、前記類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録した後、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合して、試し認証を行うことを特徴とする付記1の生体認証システム。
【0067】
(付記4)前記検出ユニットは、前記生体情報として、利用者の生体情報を撮像する撮像ユニットで構成され、前記記憶ユニットに登録される生体特徴データは、前記生体情報から得た特徴データであることを特徴とする付記1の生体認証システム。
【0068】
(付記5)前記処理ユニットは、前記類似度が所定のしきい値以上の場合に、類似度が高いと判定することを特徴とする付記1の生体認証システム。
【0069】
(付記6)前記処理ユニットは、初回目の生体の特徴データを登録するとともに、n回目の生体の特徴データに対し、初回目から(n−1)回目の生体の特徴データの全てとの類似度を計算し、登録対象とする生体特徴データの類似度がしきい値以上である時に、前記n回目の前記生体の特徴データを前記記憶ユニットに登録することを特徴とする付記2の生体認証システム。
【0070】
(付記7)前記処理ユニットは、個人認証時に、前記個人の識別情報に応じて、前記記憶ユニットから前記複数の生体特徴データを読み出し、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の生体特徴データと照合することを特徴とする付記1の生体認証システム。
【0071】
(付記8)前記処理ユニットは、前記抽出した生体特徴データが、前記登録した複数の特徴データの1つと類似していることを検出して、個人認証することを特徴とする付記7の生体認証システム。
【0072】
(付記9)生体から生体の特徴データを検出して、登録しておき、前記生体から前記生体の特徴データを検出して、前記登録した特徴データと照合して、個人認証する生体認証システムの登録方法において、生体検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得るステップと、前記複数回の生体情報の特徴データ間の相互の類似度を判定するステップと、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するステップとを有することを特徴とする生体認証システムの登録方法。
(付記10)前記複数回得るステップは、類似度の高い所定数の特徴データが得られるまで、前記検出ユニットから前記同一の生体情報を取得するステップからなることを特徴とする付記9の生体認証システの登録方法。
【0073】
(付記11)前記類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録した後、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合して、試し認証を行うステップを更に有することを特徴とする付記9の生体認証システムの登録方法。
【0074】
(付記12)前記生体情報を得るステップは、利用者の生体情報を撮像する撮像ユニットから撮像データを得るステップで構成され、登録ステップは、前記生体情報から得た特徴データを得るステップであることを特徴とする付記9の生体認証システムの登録方法。
【0075】
(付記13)類似度判定ステップは、前記類似度が所定のしきい値以上の場合に、類似度が高いと判定するステップからなることを特徴とする付記9の生体認証システムの登録方法。
【0076】
(付記14)類似度判定ステップは、n回目の生体の特徴データに対し、初回目から(n−1)回目の生体の特徴データの全てとの類似度を計算し、登録対象とする生体特徴データの類似度がしきい値以上である時に、登録すべき特徴データであると判定するステップからなることを特徴とする付記9の生体認証システムの登録方法。
【0077】
(付記15)個人認証時に、前記個人の識別情報に応じて、前記記憶ユニットから前記複数の生体の特徴データを読み出し、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合するステップを更に有することを特徴とする付記9の生体認証システムの登録方法。
【0078】
(付記16)照合ステップは、前記抽出した特徴データが、前記登録した複数の特徴データの1つと類似していることを検出して、個人認証するステップからなることを特徴とする付記15の生体認証システムの登録方法。
【0079】
(付記17)生体検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得るステップと、前記複数回の生体情報の特徴データ間の相互の類似度を判定するステップと、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0080】
(付記18)前記類似度の高い複数の特徴データを登録した後、前記生体検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合して、試し認証を行うステップを更に、コンピュータに実行させることを特徴とする付記17のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0081】
検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得て、前記複数回の生体情報からの特徴データ間の相互の類似度を判定し、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するので、複数回検出した生体特徴データを使用しても、照合精度を低めることなく、生体の状態変化に対応した照合を行うことができ、且つ利用者とのトラブルも防止でき、生体認証システムの普及に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施の形態の生体認証システムの構成図である。
【図2】図1の生体認証処理の機能ブロック図である。
【図3】図2の生体情報登録処理の機能ブロック図である。
【図4】図3の生体情報登録処理フロー図(その1)である。
【図5】図3の生体情報登録処理フロー図(その2)である。
【図6】指紋生体情報の説明図である。
【図7】図6の生体特徴データの説明図である。
【図8】図3の記憶部の登録データの説明図である。
【図9】図4の3つの生体特徴データの相互比較の説明図である。
【図10】図5の4つの生体特徴データの相互比較の説明図である。
【図11】本発明の他の実施の形態の試し認証処理の機能ブロック図である。
【図12】図11の試し認証処理のフロー図である。
【図13】図11の照合処理の説明図である。
【符号の説明】
【0083】
1 生体情報認証用撮像装置
2、7 受付
3、8 受付端末
4 サーバ
4a 記憶部
5 ICカード
6 自動受付端末
10 撮像装置本体
30 生体情報検出処理
32 誘導メッセージ出力処理
34 生体特徴抽出処理
36 生体特徴一時保持処理
38 登録可否判定処理
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の体の一部である生体の特徴を利用して、個人認証する生体認証システムの登録方法、生体認証システム及びそのプログラムに関し、特に、登録された生体情報と、検出した生体情報を照合することにより、個人認証する生体認証システムの登録方法、生体認証システム及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人間の体には、指紋、掌紋、掌型、虹彩、網膜、血管パターン、顔面、声紋、歩き方、耳介、DNAなど個人を区別できる部分が、多数存在する。近年のバイオメトリックス技術の進展に伴い、このような人間の体の一部である生体の特徴を認識して、個人認証する装置が種々提供されている。
【0003】
2001年9月の「同時多発テロ」事件以降、米国では空港での入国管理にバイオメトリクス認証(指紋や顔面認証)を採用するなど、高セキュリテイの本人確認手段として世界的にバイオメトリクス認証が注目されている。また金融機関でも通帳やキャッシュカードの盗難、印鑑やカードの偽造による不正引き出し、それに伴う被害者からの金融機関提訴などの金融トラブルに対応する新たな本人確認手段としてバイオメトリクス認証は検討されている。
【0004】
又、このような生体情報の登録において、指紋データの登録においては、複数回の指紋データを検出し、複数回の指紋データから共通の特徴データを抽出し、この共通の特徴データを登録する方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。この方法によれば、検出ノイズや指圧の違いによる指紋形状の変形による登録データの影響を防止できる。
【特許文献1】特開平01−263775号公報(図1乃至図4)
【特許文献2】特開平11−232459号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来の生体情報登録方法は、生体情報を検出して、登録する際に、検出毎に、全く同じ生体特徴データが得られるとは限られないという背景の元に、複数回生体特徴データを検出し、この複数回の特徴データから共通のもののみを抽出して、1つの生体特徴データを登録することにより、検出デバイスのノイズや検出時の状態を排除するものである。
【0006】
しかしながら、従来の共通のものを抽出し、登録する方法では、生体検出デバイスのノイズや生体検出時の検出状態の差を排除できるが、共通データを登録することは、実際に得られた個々の生体特徴データとは完全一致ではなくなり、特徴データ量が特徴検出データ量と異なる可能性がある。このため、登録データと、認証時の照合データとを照合する際に、精度の高い照合が困難となるおそれがある。
【0007】
又、実際には、生体であるため、体調の変化も考慮する必要があり、共通データを登録した場合に、認証時に登録時と比べ体調の変化があると、認証時に、同一人物でも、同一人物と認証することが困難となり、トラブルの原因となるおそれもある。例えば、指紋認証では、指が湿った状態の時と乾いた状態では照合率が違う。
【0008】
従って、本発明の目的は、検出デバイス、体調変化、検出状態の相違があっても、複数回検出した生体特徴データを有効に利用して、照合するための生体認証システムの登録方法、生体認証システム及びそのプログラムを提供することにある。
【0009】
又、本発明の他の目的は、複数回検出した生体特徴データを使用しても、照合精度を低めることなく、生体の状態変化に対応した照合を行うための生体認証システムの登録方法、生体認証システム及びそのプログラムを提供することにある。
【0010】
更に、本発明の更に他の目的は、生体の体調変化があっても、照合精度を低下することなく、トラブルの少ない円滑な照合を行うための生体認証システムの登録方法、生体認証システム及びそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的の達成のため、本発明は、生体から生体の特徴データを検出して、登録しておき、前記生体から前記生体の特徴データを検出して、前記登録した特徴データと照合して、個人認証する生体認証システムにおいて、前記生体から生体情報を検出する検出ユニットと、登録された前記生体の特徴データを格納する記憶ユニットと、前記検出ユニットから検出された生体情報から前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録するとともに、前記検出ユニットから検出された生体情報から前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した特徴データと照合して、個人認証する処理ユニットとを有し、前記処理ユニットは、前記検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得て、前記複数回の生体情報からの特徴データ間の相互の類似度を判定し、類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録する。
【0012】
又、本発明は、生体から生体の特徴データを検出して、登録しておき、前記生体から前記生体の特徴データを検出して、前記登録した特徴データと照合して、個人認証する生体認証システムの登録方法において、生体検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得るステップと、前記複数回の生体情報の特徴データ間の相互の類似度を判定するステップと、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するステップとを有する。
【0013】
又、本発明のプログラムは、生体検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得るステップと、前記複数回の生体情報の特徴データ間の相互の類似度を判定するステップと、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するステップとを、コンピュータに実行させる。
【0014】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、初回目の生体の特徴データを基準として、2回目以降の生体の特徴データとの類似度を判定する。
【0015】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、類似度の高い所定数の特徴データが得られるまで、前記検出ユニットから前記同一の生体情報を取得する。
【0016】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、前記類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録した後、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合して、試し認証を行う。
【0017】
更に、本発明は、好ましくは、前記検出ユニットは、前記生体情報として、利用者の生体情報を撮像する撮像ユニットで構成され、前記記憶ユニットに登録される生体特徴データは、前記生体情報から得た特徴データである。
【0018】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、前記類似度が所定のしきい値以上の場合に、類似度が高いと判定する。
【0019】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、初回目の生体の特徴データを登録するとともに、n回目の生体の特徴データに対し、初回目から(n−1)回目の生体の特徴データの全てとの類似度を計算し、全てとの類似度がしきい値以上である時に、前記n回目の前記生体の特徴データを前記記憶ユニットに登録する。
【0020】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、個人認証時に、前記個人の識別情報に応じて、前記記憶ユニットから前記複数の生体の特徴データを読み出し、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合する。
【0021】
更に、本発明は、好ましくは、前記処理ユニットは、前記抽出した特徴データが、前記登録した複数の特徴データの1つと類似していることを検出して、個人認証する。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得て、前記複数回の生体情報からの特徴データ間の相互の類似度を判定し、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するので、複数回検出した生体特徴データを使用しても、照合精度を低めることなく、生体の状態変化に対応した安定した照合を行うことができ、且つ利用者とのトラブルも防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、生体認証システム、生体情報登録方法、試し認証を行う生体情報登録方法、他の実施の形態の順で説明する。
【0024】
[生体認証システム]
図1は、本発明の一実施の形態の生体認証システムの構成図、図2は、図1の生体認証処理の説明図である。図1に示すように、撮像装置1と、これに接続された端末(例えば、パーソナルコンピュータ)3とが設けられている。図2に示すように、利用者は、撮像装置1で生体情報を読み取り、端末3の生体特徴抽出処理3aにより、その特徴が抽出され、生体特徴情報として、端末3側に登録される。
【0025】
この生体特徴データは、端末3に接続されるデータベースサーバ4の記憶部4a又は利用者の手持ちの個人カード5に記録される。このサーバ4は、受付7の受付端末8と接続され、受付端末8は、撮像装置1と接続される。
【0026】
利用者が、受付7において、サービスを受けるには、受付7に設けられた撮像装置1から生体情報を読み取り、受付端末8の生体特徴抽出処理8aにより、その生体特徴が抽出される。受付端末8は、照合処理8bにより、その生体特徴データとして、データベースサーバ4に登録された生体特徴データと照合し、本人確認する。
【0027】
又、サーバ4は、自動受付装置6を接続する。利用者が自動受付装置6を利用して、サービスを受けるには、自動受付装置6に設けられた撮像装置1から生体情報を読み取る。自動受付装置6は、図2と同様に、その生体情報(例l:指紋パターン)を抽出し、生体特徴データとして、利用者の所持したICカード5、又はデータベースサーバ4に登録された生体特徴データと照合し、本人確認する。
【0028】
[生体情報登録方法]
次に、図2で説明した生体情報の登録方法について、図3乃至図10を使用して、説明する。
【0029】
図3は、本発明の一実施の形態の生体情報の登録処理の機能ブロック図、図4及び図5は、図3の登録処理フロー図、図6は、図3、図4及び図5の処理で検出された生体特徴の説明図、図7は、図3、図4及び図5の生体特徴データの類似度判定の説明図、図8は、図3の処理で登録された生体特徴データの記憶例の説明図、図9及び図10は、図3、図4及び図5の登録処理の説明図である。
【0030】
図3に示すように、撮像装置1に接続された端末装置3は、一連の登録処理30〜42を実行する。端末装置3は、例えば、パーソナルコンピュータで構成され、図1の外観で示したように、デイスプレイユニット、キーボードユニット及びデータ処理ユニットを有する。データ処理ユニットは、CPUと各種メモリ、インタフェース回路等のデータ処理に必要な回路を有する。このCPUが、一連の登録処理30〜42を実行する。
【0031】
生体情報検出処理30は、撮像装置1が撮像した画像から生体情報を検出して、登録及び照合処理に使用できる画像かを判定する。例えば、生体情報が画像に充分現れていない等である。誘導メッセージ出力処理32は、登録及び照合処理に使用できない画像である時に、生体(例;指)を左右前後に誘導するためのメッセージを、端末装置3のデイスプレイに出力する。これにより、端末装置3のオペレータが、撮像装置1にかかげた利用者に正しい生体位置を誘導する。
【0032】
生体特徴抽出処理34は、生体情報検出処理30で、生体が正しい位置で、撮像できたと判定した場合に、生体情報から生体特徴データを抽出する。即ち、反射率の差により、図7のような、生体画像の階調データが得られる。尚、この生体情報像は、図8に示すようなイメージであり、データとしては、図7のような階調データである。
【0033】
生体特徴一時保持処理36は、抽出した生体特徴データを一時保持する。登録可否判定処理36は、生体特徴一時保持処理36で保持された複数の生体特徴データから最適な複数の生体特徴データを登録するため、複数の生体特徴データの類似度を判定し、登録可否を判定する。登録処理42は、登録可と判定された生体特徴データを記憶部4aに登録する。登録進捗出力処理40は、登録処理42の進捗状況を、端末装置3のデイスプレイに出力する。
【0034】
このように、生体情報は、撮像毎に、全く同じ生体特徴データが得られるとは限らず、撮像デバイスや、体調変化及び生体の撮像角度及び位置等の撮像状態により差異がある。このため、本発明では、複数回の撮像を行い、登録に値する最適な情報のみを登録する。しかし、何十回もの登録操作を、登録者(利用者)に義務付けるには、利用者の負担が大きい。このため、通常受け入れられる回数に留め、その中から最適な登録情報を取り出し、記憶部に登録する。
【0035】
図4及び図5の処理フロー図により詳細に説明する。
【0036】
(S10)撮像装置1から近赤外光を照射し、生体情報画像を得る。
【0037】
(S12)前述のように、生体情報検出処理30により、撮像装置1が撮像した画像から生体情報を検出し、生体情報が画像に充分現れていない等の場合には、NGと判定し、前述の誘導メッセージ出力処理32により、生体を左右前後に誘導するためのメッセージを、端末装置3のデイスプレイに出力し、ステップS10に戻る。
【0038】
(S14)生体特徴抽出処理34により、生体情報検出処理30で、正しい位置で、撮像できたと判定した場合に、生体情報から生体特徴データを抽出する。
【0039】
(S16)抽出が初回目かを判定する。初回目なら、初回目の生体特徴データを、一時保持する。
【0040】
(S18)次に、再操作を促す誘導メッセージを、端末装置3のデイスプレイに出力し、ステップS10に戻る。
【0041】
(S20)一方、ステップS16により、初回目でなく、2回目以降と判定すると、抽出が2回目かを判定する。
【0042】
(S22)抽出が2回目である時は、初回目の生体特徴データと2回目の生体特徴データとを比較し、類似度を計算する。類似度は、2つの生体特徴パターンの一致の程度を表す量であり、種々のパターンマッチング技術を適用できる。例えば、指紋の様に図7の2つの生体特徴パターンの階調表現画素マトリックスにおいて、注目画素における2つのパターンの画素値(階調値)を獲得して、比較する。両者が一致していれば、類似度カウンタを「1」インクリメントする。注目画素を移動し、同様に、画素値の比較により、一致かいなかを判定する。両者が一致していれば、類似度カウンタを「1」インクリメントする。これを、画素マトリックスの全ての画素について行い、類似度カウンタの値を類似度とする。そして、類似度が、予め定めたしきい値以上なら、類似している(OK)と判定し、2回目の生体特徴データは、登録可と判定し、ステップS10に戻る。一方、類似度が、しきい値を越えないと、類似していない(NG)と判定する。そして、ステップS18の再操作誘導メッセージ出力に進む。
【0043】
(S24)一方、ステップS20で、2回目でなく、抽出が3回目であると判定すると、今まで抽出した生体特徴データ(ここでは、初回目、2回目)と3回目の生体特徴データとの類似度を同様に、計算する。即ち、図9に示すように、ステップS22で、2回目の生体特徴データと初回目の生体特徴データとの類似度#1が計算、判定されている。ステップS24では、3回目の生体特徴データと初回目の生体特徴データとの類似度#3と、3回目の生体特徴データと2回目の生体特徴データとの類似度#2とが計算、判定される。この相互比較により、全ての類似度#1,#2,#3が、しきい値以上なら、3個とも類似した生体特徴と判定する。そして、ステップS30に進む。一方、図9の相互比較で、類似度#1,#2,#3の1つでも、しきい値を越えていないと判定すると、ステップS18に戻る。即ち、ステップS24において、3回撮像、生体特徴抽出を実施しても生体特徴データが3個揃わない時は次の撮像すなわち4回目の撮像、生体特徴抽出を行う。
【0044】
(S26)抽出が、3回目を越えたN回目(4回目以降)かを判定する。N回目は、登録に相応しない事象が連続する場合には、操作者への負担が大きいため、制限回数として設定し、メッセージを出力し、最初から繰り返すかどうかをテラーと協議する。
【0045】
(S28)一方、制限回数N以内なら、図10に示すように、4回目の生体特徴データと初回目の生体特徴データとの類似度#6と、4回目の生体特徴データと2回目の生体特徴データとの類似度#5と、4回目の生体特徴データと3回目の生体特徴データとの類似度#4とが計算、判定される。この類似度#4,#5,#6の全てが、しきい値以上なら、初回目、4回目、2回目か3回目の類似度の高い方の3つの生体特徴が、類似していると判定する。一方、図10の相互比較で、類似度#4,#5,#6の1つでも、しきい値を越えていないと判定すると、ステップS18に戻り、5回目の撮像、生体特徴抽出を行い、同様の類似度計算、判定を行う。
【0046】
(S29)そして、類似している3つの生体特徴データが3個揃った場合には記憶部4aに、利用者のIDとともに、登録する。図8は、記憶部4aの登録生体特徴データを示し、個人IDと3つの生体特徴データ(ここでは、白黒の2値データ列)が、記憶部4aに登録される。3個揃わない場合には、システムで決めた回数(N回)まで、撮像、生体特徴データ抽出を行う。
【0047】
このように、複数回の生体特徴データを検出し、類似度の高い複数(ここでは、3つ)の生体特徴データを最適生体特徴データとして、登録する。このため、撮像デバイスや、体調変化及び生体情報の撮像状態により差異がある生体情報であっても、複数回の撮像を行い、登録に値する類似度の高い最適な生体情報のみを登録するので、差異を反映し、且つ照合精度の低下を招かない複数の生体情報を登録できる。又、何十回もの登録操作を、登録者(利用者)に義務付けるには、利用者の負担が大きいため、通常受け入れられる回数に留め、その中から最適な登録情報を取り出し、記憶部に登録している。
【0048】
[試し認証を行う生体情報登録処理]
次に、試し認証を説明する。前述のように、n(前述では、3)回の登録が完了したその場で、照合確認操作を実施する。これにより、利用者は、次回の照合時の生体撮像方法の練習となり、且つ自分の生体情報が確実に認証できることを確認できる。このため、システムへの安心感と信頼度が増加する。この試し認証は、実際の認証と同一の手順で行う。以下、図12乃至図14により説明する。
【0049】
図11は、本発明の一実施の形態の認証処理の機能ブロック図、図12は、図11の認証処理フロー図、図13は、その動作説明図である。
【0050】
図11において、図2及び図3で示したものと同一のものは、同一の記号で示してある。即ち、撮像装置1に接続された端末装置3は、一連の認証処理30〜46を実行する。端末装置3のCPUが、一連の認証処理30〜46を実行する。
【0051】
生体情報検出処理30は、撮像装置1が撮像した画像から生体情報を検出して、生体情報画像から登録及び照合処理に使用できる画像かを判定する。例えば、生体情報が画像に充分現れていない等である。誘導メッセージ出力処理32は、登録及び照合処理に使用できない画像である時に、生体情報を左右前後に誘導するためのメッセージを、端末装置3のデイスプレイに出力する。これにより、端末装置3のオペレータが、撮像装置1にかかげた利用者の生体情報を誘導する。
【0052】
生体特徴抽出処理34は、生体情報検出処理30で、正しい生体位置で、撮像できたと判定した場合に、生体情報から生体特徴データを抽出する。即ち、図7のような、生体情報の画像の階調データが得られる。
【0053】
登録生体特徴検索処理46は、図8に示したように、記憶部4aから個人IDに対応した3つの登録生体特徴データR1,R2,R3を検索する。照合処理44は、図13に示すように、生体特徴検出処理34で検出された生体特徴データAと、3つの登録生体特徴データR1,R2,R3を比較して、照合処理し、照合結果を出力する。
【0054】
図12により詳細に説明する。
【0055】
(S30)利用者の提示したIDから、記憶部4aの対応する3つの生体特徴データR1,R2,R3を読み込む。
【0056】
(S32)撮像装置1から近赤外光を照射し、生体情報の画像を得る。生体情報検出処理30により、撮像装置1が撮像した画像から手の輪郭を検出して、輪郭から画像が、照合処理に使用できる画像かを判定する。生体情報が画像に充分現れていない等の場合には、NGと判定し、前述の誘導メッセージ出力処理32により、生体位置を左右前後に誘導するためのメッセージを、端末装置3のデイスプレイに出力する。生体特徴抽出処理34により、生体情報検出処理30で、正しい位置で、獲得できたと判定した場合に、生体情報から生体特徴データを抽出する。
【0057】
(S34)1番目の登録生体特徴データR1と抽出した生体特徴データAとを比較し、類似度を計算する。類似度は、2つの生体特徴パターンの一致の程度を表す量であり、種々のパターンマッチング技術を適用できる。そして、類似度が、予め定めたしきい値以上なら、類似している(OK)と判定し、認証でき、終了する。
【0058】
(S36)一方、ステップS34で、類似度が、しきい値を越えないと、類似していない(NG)と判定する。そして、2番目の登録生体特徴データR2と抽出した生体特徴データAとを比較し、類似度を計算する。そして、類似度が、予め定めたしきい値以上なら、類似している(OK)と判定し、認証でき、終了する。
【0059】
(S38)一方、ステップS36で、類似度が、しきい値を越えないと、類似していない(NG)と判定する。そして、3番目の登録生体特徴データR3と抽出した生体特徴データAとを比較し、類似度を計算する。そして、類似度が、予め定めたしきい値以上なら、類似している(OK)と判定し、認証でき、終了する。逆に、しきい値を越えていない場合には、類似していないと判定し、エラー終了する。
【0060】
この試し認証においては、図11に示すように、照合処理が良好でなければ、撮像装置1に次の撮像を指示できる。このため、利用者の試し認証の機会が増加し、かかる認証方式に慣れることができ、認証装置の普及に寄与する。
【0061】
[他の実施の形態]
前述の実施の形態では、生体認証を、指紋で説明したが、掌紋、掌型、網膜、虹彩、網膜、血管パターン、顔面、声紋、歩き方、耳介、及びDNAの他の生体認証にも適用できる。
【0062】
更に、類似度の計算を、ビットマップのパターンマッチング技術で説明したが、周知のデータをベクトル化し、ベクトルの方向、長さで類似度を計算することもできる。又、分岐点、終端点などのマニューシャを使っても計算できる。又、登録回数も3回に限らず、複数回であれば良い。照合(認証)処理は、図11乃至図13と同一の方法で行い、図1の窓口端末8や、自動受付端末6で実行される。
【0063】
以上、本発明を実施の形態により説明したが、本発明の趣旨の範囲内において、本発明は、種々の変形が可能であり、本発明の範囲からこれらを排除するものではない。
【0064】
(付記1)生体から生体の特徴データを検出して、登録しておき、前記生体から前記生体の特徴データを検出して、前記登録した特徴データと照合して、個人認証する生体認証システムにおいて、前記生体から生体情報を検出する検出ユニットと、登録された前記生体の特徴データを格納する記憶ユニットと、前記検出ユニットから検出された生体情報から前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録するとともに、前記検出ユニットから検出された生体情報から前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した特徴データと照合して、個人認証する処理ユニットとを有し、前記処理ユニットは、前記検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得て、前記複数回の生体情報からの特徴データ間の相互の類似度を判定し、類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録することを特徴とする生体認証システム。
【0065】
(付記2)前記処理ユニットは、類似度の高い所定数の特徴データが得られるまで、前記検出ユニットから前記同一の生体情報を取得することを特徴とする付記1の生体認証システム。
【0066】
(付記3)前記処理ユニットは、前記類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録した後、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合して、試し認証を行うことを特徴とする付記1の生体認証システム。
【0067】
(付記4)前記検出ユニットは、前記生体情報として、利用者の生体情報を撮像する撮像ユニットで構成され、前記記憶ユニットに登録される生体特徴データは、前記生体情報から得た特徴データであることを特徴とする付記1の生体認証システム。
【0068】
(付記5)前記処理ユニットは、前記類似度が所定のしきい値以上の場合に、類似度が高いと判定することを特徴とする付記1の生体認証システム。
【0069】
(付記6)前記処理ユニットは、初回目の生体の特徴データを登録するとともに、n回目の生体の特徴データに対し、初回目から(n−1)回目の生体の特徴データの全てとの類似度を計算し、登録対象とする生体特徴データの類似度がしきい値以上である時に、前記n回目の前記生体の特徴データを前記記憶ユニットに登録することを特徴とする付記2の生体認証システム。
【0070】
(付記7)前記処理ユニットは、個人認証時に、前記個人の識別情報に応じて、前記記憶ユニットから前記複数の生体特徴データを読み出し、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の生体特徴データと照合することを特徴とする付記1の生体認証システム。
【0071】
(付記8)前記処理ユニットは、前記抽出した生体特徴データが、前記登録した複数の特徴データの1つと類似していることを検出して、個人認証することを特徴とする付記7の生体認証システム。
【0072】
(付記9)生体から生体の特徴データを検出して、登録しておき、前記生体から前記生体の特徴データを検出して、前記登録した特徴データと照合して、個人認証する生体認証システムの登録方法において、生体検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得るステップと、前記複数回の生体情報の特徴データ間の相互の類似度を判定するステップと、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するステップとを有することを特徴とする生体認証システムの登録方法。
(付記10)前記複数回得るステップは、類似度の高い所定数の特徴データが得られるまで、前記検出ユニットから前記同一の生体情報を取得するステップからなることを特徴とする付記9の生体認証システの登録方法。
【0073】
(付記11)前記類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録した後、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合して、試し認証を行うステップを更に有することを特徴とする付記9の生体認証システムの登録方法。
【0074】
(付記12)前記生体情報を得るステップは、利用者の生体情報を撮像する撮像ユニットから撮像データを得るステップで構成され、登録ステップは、前記生体情報から得た特徴データを得るステップであることを特徴とする付記9の生体認証システムの登録方法。
【0075】
(付記13)類似度判定ステップは、前記類似度が所定のしきい値以上の場合に、類似度が高いと判定するステップからなることを特徴とする付記9の生体認証システムの登録方法。
【0076】
(付記14)類似度判定ステップは、n回目の生体の特徴データに対し、初回目から(n−1)回目の生体の特徴データの全てとの類似度を計算し、登録対象とする生体特徴データの類似度がしきい値以上である時に、登録すべき特徴データであると判定するステップからなることを特徴とする付記9の生体認証システムの登録方法。
【0077】
(付記15)個人認証時に、前記個人の識別情報に応じて、前記記憶ユニットから前記複数の生体の特徴データを読み出し、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合するステップを更に有することを特徴とする付記9の生体認証システムの登録方法。
【0078】
(付記16)照合ステップは、前記抽出した特徴データが、前記登録した複数の特徴データの1つと類似していることを検出して、個人認証するステップからなることを特徴とする付記15の生体認証システムの登録方法。
【0079】
(付記17)生体検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得るステップと、前記複数回の生体情報の特徴データ間の相互の類似度を判定するステップと、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0080】
(付記18)前記類似度の高い複数の特徴データを登録した後、前記生体検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合して、試し認証を行うステップを更に、コンピュータに実行させることを特徴とする付記17のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0081】
検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得て、前記複数回の生体情報からの特徴データ間の相互の類似度を判定し、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するので、複数回検出した生体特徴データを使用しても、照合精度を低めることなく、生体の状態変化に対応した照合を行うことができ、且つ利用者とのトラブルも防止でき、生体認証システムの普及に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施の形態の生体認証システムの構成図である。
【図2】図1の生体認証処理の機能ブロック図である。
【図3】図2の生体情報登録処理の機能ブロック図である。
【図4】図3の生体情報登録処理フロー図(その1)である。
【図5】図3の生体情報登録処理フロー図(その2)である。
【図6】指紋生体情報の説明図である。
【図7】図6の生体特徴データの説明図である。
【図8】図3の記憶部の登録データの説明図である。
【図9】図4の3つの生体特徴データの相互比較の説明図である。
【図10】図5の4つの生体特徴データの相互比較の説明図である。
【図11】本発明の他の実施の形態の試し認証処理の機能ブロック図である。
【図12】図11の試し認証処理のフロー図である。
【図13】図11の照合処理の説明図である。
【符号の説明】
【0083】
1 生体情報認証用撮像装置
2、7 受付
3、8 受付端末
4 サーバ
4a 記憶部
5 ICカード
6 自動受付端末
10 撮像装置本体
30 生体情報検出処理
32 誘導メッセージ出力処理
34 生体特徴抽出処理
36 生体特徴一時保持処理
38 登録可否判定処理
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体から生体の特徴データを検出して、登録しておき、前記生体から前記生体の特徴データを検出して、前記登録した特徴データと照合して、個人認証する生体認証システムにおいて、
前記生体から生体情報を検出する検出ユニットと、
登録された前記生体の特徴データを格納する記憶ユニットと、
前記検出ユニットから検出された生体情報から前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録するとともに、前記検出ユニットから検出された生体情報から前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した特徴データと照合して、個人認証する処理ユニットとを有し、
前記処理ユニットは、前記検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得て、前記複数回の生体情報からの特徴データ間の相互の類似度を判定し、類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録する
ことを特徴とする生体認証システム。
【請求項2】
前記処理ユニットは、前記類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録した後、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合して、試し認証を行う
ことを特徴とする請求項1の生体認証システム。
【請求項3】
生体から生体の特徴データを検出して、登録しておき、前記生体から前記生体の特徴データを検出して、前記登録した特徴データと照合して、個人認証する生体認証システムの登録方法において、
生体検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得るステップと、
前記複数回の生体情報の特徴データ間の相互の類似度を判定するステップと、
類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するステップとを有する
ことを特徴とする生体認証システムの登録方法。
【請求項4】
前記類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録した後、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合して、試し認証を行うステップを更に有する
ことを特徴とする請求項3の生体認証システムの登録方法。
【請求項5】
生体検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得るステップと、前記複数回の生体情報の特徴データ間の相互の類似度を判定するステップと、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
生体から生体の特徴データを検出して、登録しておき、前記生体から前記生体の特徴データを検出して、前記登録した特徴データと照合して、個人認証する生体認証システムにおいて、
前記生体から生体情報を検出する検出ユニットと、
登録された前記生体の特徴データを格納する記憶ユニットと、
前記検出ユニットから検出された生体情報から前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録するとともに、前記検出ユニットから検出された生体情報から前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した特徴データと照合して、個人認証する処理ユニットとを有し、
前記処理ユニットは、前記検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得て、前記複数回の生体情報からの特徴データ間の相互の類似度を判定し、類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録する
ことを特徴とする生体認証システム。
【請求項2】
前記処理ユニットは、前記類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録した後、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合して、試し認証を行う
ことを特徴とする請求項1の生体認証システム。
【請求項3】
生体から生体の特徴データを検出して、登録しておき、前記生体から前記生体の特徴データを検出して、前記登録した特徴データと照合して、個人認証する生体認証システムの登録方法において、
生体検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得るステップと、
前記複数回の生体情報の特徴データ間の相互の類似度を判定するステップと、
類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するステップとを有する
ことを特徴とする生体認証システムの登録方法。
【請求項4】
前記類似度の高い複数の特徴データを前記記憶ユニットに登録した後、前記検出ユニットから生体情報を取得し、前記特徴データを抽出し、前記記憶ユニットに登録した複数の特徴データと照合して、試し認証を行うステップを更に有する
ことを特徴とする請求項3の生体認証システムの登録方法。
【請求項5】
生体検出ユニットから同一の生体の生体情報を複数回得るステップと、前記複数回の生体情報の特徴データ間の相互の類似度を判定するステップと、類似度の高い複数の特徴データを記憶ユニットに登録するステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−6753(P2006−6753A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−190437(P2004−190437)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]