説明

生物学的増殖培地のスペクトル解析

本開示は、生物学的増殖培地の自動解析のための撮像技術及び画像解析技術に関する。本開示によると、生物学的増殖培地のスペクトル応答を使用して、生物学的増殖培地の画像から生物学的病原体を同定し数えることできる。生物学的増殖培地は、2つ以上の異なる波長の電磁放射線で照射されてもよく、生物学的増殖培地の画像は、これらの異なる照射下で捕捉することができる。1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値は、1つ以上の第2の画像内のスペクトル反射率値に基づいて正規化することができ、第1の画像は、第2の画像とは異なる波長の照射に関連する。正規化は、生物学的増殖培地上に現れる生物学的病原体のより良好な同定を可能にし得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年3月26日に出願された米国仮出願第61/039,453号の利益を主張し、該仮出願は、参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
生物学的安全性は、現代社会において重要な懸案事項である。食物又は他の物質における生物学的汚染の検査は、食品の開発者及び販売業者にとって重要な、かつ時に必須の条件になった。生物学的検査は、細菌、又は例えば、医療患者から取り出された血液サンプル、実験用目的のために開発された実験サンプル及び他のタイプの生物学的サンプルなどの実験サンプル内の他の病原体を同定するためにも使用される。生物学的検査を改善するために、及び生物学的検査プロセスを効率化し、規格化するために、様々な技法及びデバイスを利用することができる。
【0003】
特に、幅広い種類の生物学的増殖培地が開発されてきた。一例として、増殖プレートの形態の生物学的増殖培地が、St.Paul,Minnesotaの3M Company(以下「3M」)によって開発された。生物学的増殖プレートは、ペトリフィルム(PETRIFILM)プレートという商品名で3Mによって販売されている。生物学的増殖プレートは、例えば、好気性細菌、大腸菌、コリフォーム、エンテロバクテリアセエ、酵母菌、かび、黄色ブドウ球菌、リステリア菌、カンピロバクター菌、及び他の生物学的病原体を含む、食物汚染に一般的に関連する細菌又は他の生物学的病原体の急速な増殖及び検出又は計数を容易にするために利用することができる。ペトリフィルムプレート又は他の生物学的増殖培地の使用は、食物サンプルの細菌検査を簡略化することができる。
【0004】
(食物検査の場合には)是正措置が実施できるように、又は(医療用の使用の場合には)正しい診断ができるように、細菌の存在を同定するために、生物学的増殖培地を使用することができる。他の用途では、生物学的増殖培地は、例えば、実験用目的のために、実験室サンプル内の細菌又は他の生物学的病原体を急速に増殖させるために使用されてもよい。
【0005】
生物学的増殖培地処理システムは、生物学的増殖培地を処理するために使用されるシステムを指す。生物学的増殖培地処理システムは、生物学的増殖培地上の細菌コロニー又は特定の生物学的病原体の量を計数するために使用されてもよい。例えば、食物サンプル又は実験室サンプルは、生物学的増殖培地上に配置されてもよく、次いで該培地は、インキュベーションチャンバに挿入されてもよい。インキュベーション後、生物学的増殖培地は、生物学的読取機に導入されてもよく、これは、生物学的増殖培地の1つ以上の画像を生成する。次いで、画像は、細菌増殖の自動計数のために、例えばコンピュータを介して解析されてもよい。このように、生物学的増殖培地処理システムは、生物学的増殖培地上の細菌又は他の生物学的病原体の検出及び計数を自動化し、それによって、人的エラーを低減することによって生物学的検査プロセスを改善する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
広くは、本開示は、生物学的増殖培地の自動解析のための撮像技術及び画像解析技術に関する。本開示によると、生物学的増殖培地のスペクトル応答を使用して、生物学的増殖培地の画像から生物学的病原体を同定し数えることできる。生物学的増殖培地は、2つ以上の異なる波長の電磁放射線で照射されてもよく、生物学的増殖培地の画像は、これらの異なる照射下で捕捉することができる。1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値(例えば、ピクセル位置に関連する)は、1つ以上の第2の画像内のスペクトル反射率値(例えば、同一のピクセル位置に関連する)に基づいて正規化することができる。この場合、第1の画像は、第2の画像とは異なる波長の照射に関連する。正規化は、生物学的増殖培地上に現れる生物学的病原体のより良好な同定を可能にし得る。このようにして、スペクトル解析及び正規化は、生物学的病原体の自動検出を改善することができる。
【0007】
第1の画像は、第1の波長範囲内の光照射下で生成されることができ、第2の画像は、第2の波長範囲内の光照射下で生成されることができる。生物学的病原体のスペクトル応答及び背景のスペクトル応答は、異なる波長範囲内で異なり得る。第2の画像は、第1の画像を正規化するために使用することができ、それは、生物学的培地の背景を培地上に現れる生物学的病原体と区別する能力を改善し得る。第1の画像に使用される照射は、可視スペクトル内にあってもよく、第2の画像に使用される照射は、可視スペクトル外にあってもよい。
【0008】
一実施形態では、本開示は、可視スペクトル外にある電磁放射線で、生物学的増殖培地を照射する工程と、可視スペクトル外の電磁放射線で照射された生物学的増殖培地の1つ以上の画像を生成する工程と、1つ以上の画像に基づいて、生物学的増殖培地上の生物学的病原体を数える工程と、を含む、方法を提供する。
【0009】
別の実施形態では、本開示は、第1の電磁放射線で生物学的増殖培地を照射する工程と、第1の電磁放射線で照射された生物学的増殖培地の1つ以上の第1の画像を生成する工程と、第2の電磁放射線で生物学的増殖培地を照射する工程と、第2の電磁放射線で照射された生物学的増殖培地の1つ以上の第2の画像を生成する工程と、1つ以上の第2の画像に基づいて、1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化する工程と、正規化されたスペクトル反射率値に基づいて、生物学的病原体を同定する工程と、同定された生物学的病原体を数える工程と、を含む、方法を提供する。
【0010】
別の実施形態では、本開示は、可視スペクトル外にある電磁放射線で、生物学的増殖培地を照射し、可視スペクトル外の電磁放射線で照射された生物学的増殖培地の1つ以上の画像を生成する、撮像ユニットと、1つ以上の画像に基づいて、生物学的増殖培地上の生物学的病原体を数える、コンピュータと、を備える、システムを提供する。
【0011】
別の実施形態では、本開示は、第1の電磁放射線で生物学的増殖培地を照射し、第1の電磁放射線で照射された生物学的増殖培地の1つ以上の第1の画像を生成し、第2の電磁放射線で生物学的増殖培地を照射し、第2の電磁放射線で照射された生物学的増殖培地の1つ以上の第2の画像を生成する、撮像ユニットを備える、システムを提供する。該システムはまた、1つ以上の第2の画像に基づいて、1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化し、正規化されたスペクトル反射率値に基づいて、生物学的病原体を同定し、同定された生物学的病原体を数える、コンピュータを含む。
【0012】
別の実施形態では、本開示は、可視スペクトル外にある電磁放射線で、生物学的増殖培地を照射するための手段と、可視スペクトル外の電磁放射線で照射された生物学的増殖培地の1つ以上の画像を生成するための手段と、1つ以上の画像に基づいて、生物学的増殖培地上の生物学的病原体を数えるための手段と、を備える、システムを提供する。
【0013】
別の実施形態では、本開示は、第1の電磁放射線で生物学的増殖培地を照射するための手段と、第1の電磁放射線で照射された生物学的増殖培地の1つ以上の第1の画像を生成するための手段と、第2の電磁放射線で生物学的増殖培地を照射するための手段と、第2の電磁放射線で照射された生物学的増殖培地の1つ以上の第2の画像を生成するための手段と、1つ以上の第2の画像に基づいて、1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化するための手段と、正規化されたスペクトル反射率値に基づいて、生物学的病原体を同定するための手段と、同定された生物学的病原体を数えるための手段と、を備える、システムを提供する。
【0014】
別の実施形態では、本開示は、生物学的増殖培地処理システムのコンピュータにおける実行時に、コンピュータに、生物学的増殖培地の1つ以上の画像であって、可視スペクトル外の電磁放射線での生物学的増殖培地の照射中に生成されている、1つ以上の画像を受信させ、1つ以上の画像に基づいて、生物学的増殖培地上の生物学的病原体を数えさせる、命令を含む、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0015】
別の実施形態では、本開示は、生物学的増殖培地処理システムのコンピュータにおける実行時に、コンピュータに、生物学的増殖培地の1つ以上の第1の画像であって、第1の電磁放射線での生物学的増殖培地の照射中に生成されている、1つ以上の第1の画像を受信させ、生物学的増殖培地の1つ以上の第2の画像であって、第2の電磁放射線での生物学的増殖培地の照射中に生成されている、1つ以上の第2の画像を受信させ、1つ以上の第2の画像に基づいて、1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化させ、正規化されたスペクトル反射率値に基づいて、生物学的病原体を同定させ、同定された生物学的病原体を数えさせる、命令を含む、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0016】
これら及び他の実施形態の追加の詳細を添付図及び以下の説明にて提示する。他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面から、並びに請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】生物学的増殖培地の処理中に、本明細書に記載する技術のうちの1つ以上を実行することが可能である、代表的な生物学的増殖培地処理システムの斜視図。
【図2】本開示に従った、生物学的増殖プレートの形態の代表的な生物学的増殖培地の平面図。
【図3】本開示と一致した、生物学的増殖培地処理システムのブロック図。
【図4】生物学的増殖培地上の異なる位置に関連するスペクトル応答を図示するグラフ。
【図5】照射デバイス内の生物学的増殖培地の照射を図示するブロック図。
【図6】生物学的増殖培地上に形成される生物学的病原体に関連するスペクトル応答、及び生物学的増殖培地上の背景領域に関連するスペクトル応答を図示するグラフ。
【図7】生物学的増殖培地上に形成される生物学的病原体に関連するスペクトル応答、及び生物学的増殖培地上の背景領域に関連するスペクトル応答を図示する別のグラフ。
【図8】本開示の技術を図示するフローチャート。
【図9】本開示の技術を図示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、生物学的増殖培地の自動解析のための撮像技術及び画像解析技術に関する。生物学的増殖培地は、微生物の増殖を支持するために、少なくとも1つの栄養素を含み、任意に、特定の微生物又は微生物群の検出を促進するために、少なくとも1つの指標を含んでもよい。本開示によると、生物学的増殖培地の測定されたスペクトル反射率値は、生物学的増殖培地の画像から生物学的病原体を同定し数えるために使用することができる。特に、2つ以上の異なる波長範囲内の生物学的増殖培地のスペクトル反射率値が、生物学的病原体を同定し数えるために使用され得る。
【0019】
生物学的増殖培地は、2つ以上の異なる波長の電磁放射線で照射されてもよく、生物学的増殖培地の画像は、これらの異なる照射下で捕捉することができる。生物学的増殖培地上に現れる生物学的病原体をより良好に同定するために、1つ以上の第2の画像内のスペクトル反射率値に基づいて、1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化することができる。例えば、特定のピクセル位置における第1の画像のスペクトル反射率値は、同一ピクセル位置における1つ以上の第2の画像内のスペクトル反射率値に基づいて、正規化することができる。正規化は、比を使用してもよく、その場合、第2の画像内の同一ピクセル位置におけるスペクトル反射率値に対する第1の画像内のピクセル位置におけるスペクトル反射率値の比を使用して、生物学的病原体を同定し、かつ生物学的増殖培地の背景領域を同定することができる。このようにして、スペクトル解析は、生物学的病原体の自動検出を改善することができる。
【0020】
第1の画像は、第1の波長範囲内の光照射下で生成されることができ、第2の画像は、第2の波長範囲内の光照射下で生成されることができる。関連する生物学的病原体及び背景領域のスペクトル応答は、異なる照射において異なり得る。本開示によると、第1の画像は、第2の画像に基づいて正規化され、それによって生物学的培地の背景を培地上に現れる生物学的病原体と区別する能力を改善することができる。生物学的病原体及び背景領域に関連するスペクトル反射率値は、異なる波長範囲内で異なり得る。正規化技術は、生物学的病原体の計数を改善するために、この観察された現象を利用することができる。
【0021】
第1の画像に使用される照射は、可視スペクトル内にあってよく、第2の画像に使用される照射は、可視スペクトル外にあってよい。このようにして、生物学的増殖培地の自動読み出しを改善するために、幅広い波長範囲(可視スペクトル内及び可視スペクトル外の両方)にわたる生物学的増殖培地のスペクトル応答が利用されてもよい。
【0022】
図1は、生物学的増殖培地24の処理中に、本開示の技術のうちの1つ以上を実行することが可能である、代表的な生物学的増殖培地処理システム20の斜視図である。システム20は、コンピュータ22に連結される撮像ユニット21を備える。撮像ユニット21は、2つ以上の異なる照射設定下(例えば、異なる波長の照射下)で、生物学的増殖培地24の画像を捕捉し、コンピュータ22は、生物学的増殖培地24上の生物学的病原体を同定し数えるために、画像を処理する。あるいは、異なる波長における照射を促進するために、白色光及びカラーフィルタ又は他の技術が使用されてもよい。
【0023】
コンピュータ22及び撮像ユニット21は、別々のユニットとして図示されているが、本開示の技術は、撮像ユニット21及びコンピュータ22が共通デバイスに組み込まれる、完全統合システム又はデバイス、即ち完全統合生物学的読取機によって実行されてもよい。更に、本開示の技術はまた、1つ以上の撮像ユニット、1つ以上のインキュベーションユニット、1つ以上の接種ユニット、1つ以上の識別要素(ID)読取機、IDラベラー、及び/又は生物学的増殖培地24に関連するモジュラー処理パイプラインにおいて動作する他のデバイスを含む、モジュラーシステムで使用されてもよい。
【0024】
所望される場合、撮像ユニット21は、生物学的増殖培地24からID要素を読み取るためのID読取機を含んでもよい(図1に図示せず)。この場合、ID要素は、生物学的増殖培地24のプレートの種類を同定し、かつコンピュータ22がプレートの種類に基づいて画像解析を選択又は調整することを可能にし得る。更に、他の種類の情報もまた、ID要素に符号化又はマッピングされ得る。図2は、バーコードの形態のID要素を含む、1つの代表的な生物学的増殖プレートを示す。図2については、以降で更に詳細に考察される。
【0025】
図1の実施例では、コンピュータ22は、生物学的増殖培地24の画像解析のためのソフトウェアを実行する、マイクロプロセッサを含んでもよい。それに応じて、コンピュータ22はまた、本開示の教示と一致した技術を実行する画像解析アルゴリズム等の種々の種類の情報を記憶するためのメモリを含んでもよい。一例として、コンピュータ22は、パーソナルコンピュータ(PC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯用コンピュータ、ワークステーション等を含んでもよい。撮像ユニット21によって生成される生物学的増殖培地24の画像の画像解析を促進するためのソフトウェアプログラムが、コンピュータ22にロードされてもよい。
【0026】
図1の実施例では、撮像ユニット21は、インターフェース25を介してコンピュータ22に連結される。インターフェース25は、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス2(USB2)インターフェース、IEEE 1394ファイヤーワイヤーインターフェース、スモールコンピュータシステムインターフェース(Small Computer System Interface)(SCSI)、アドバンステクノロジーアタッチメント(Advance Technology Attachment)(ATA)インターフェース、シリアルATAインターフェース、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)インターフェース、シリアル又はパラレルインターフェース等を含んでもよい。
【0027】
撮像ユニット21は、生物学的増殖培地24を受容するように設計される。具体的に、撮像ユニット21は、生物学的増殖培地24を受容するための入力スロット28を画定する、ハウジングを含む。撮像ユニット21への生物学的増殖培地24の挿入を補助するために、ガイド機構23がハウジング上に形成されてもよい。撮像ユニット21はまた、生物学的増殖培地24が生物学的増殖培地24の撮像後に取り出される、取り出しスロット(図示せず)も含む。撮像ユニット21はまた、生物学的増殖プレートの解析の進捗又は結果をユーザーに表示するためのディスプレイスクリーン(図示せず)等、他の機能を含んでもよい。しかしながら、本開示の技術は、幅広い他の種類の撮像デバイスで使用されてもよい。
【0028】
撮像ユニット21は、照射源及び1つ以上のカメラ等、撮像コンポーネントを内蔵する。一実施例では、撮像ユニット21は、挿入された生物学的増殖培地24の1つ以上の単色画像を生成するための2次元単色カメラを内蔵する。撮像ユニット21内の照射源は、2つ以上の異なる波長の電磁放射線における照射を提供してもよい。撮像ユニット21内の照射源は、撮像中に生物学的増殖培地24の前側及び/又は裏側を照射してもよい。光照射器は、2つ以上の異なる波長の光で生物学的増殖培地24を照射することができ、生物学的増殖培地24の異なる画像が、異なる波長の照射下で生成され得る。カメラに対する生物学的増殖培地24のための撮像位置を画定するために、撮像ユニット21内に透明圧盤が内蔵されてもよい。撮像ユニット21は、画像解析を実行するためのプロセッサを含んでもよいコンピュータ22に、画像を通信することができる。
【0029】
生物学的増殖培地24は、細菌又は他の病原体が生物学的増殖培地24上で現れる増殖領域27を含んでもよい。増殖領域27は、平らな表面、凹形ウェル、又は生物学的増殖に有用な任意の表面を備えてもよい。生物学的増殖培地24は、特定の生物学的病原体の急速な増殖を促進するために、増殖領域27内に栄養素を含むように製造されてもよい。所望される場合、サンプル(食物サンプル又は実験室サンプル等)が1つ以上の希釈剤と共に、増殖領域に添加されてもよい。増殖領域27にサンプル(及び場合によっては希釈剤)を添加するこのプロセスは、接種と称され、ユーザーによって手動で、又は接種ユニット(図1に図示せず)によって自動的に実行されてもよい。接種後、生物学的増殖培地24は次いで、インキュベーションチャンバ又はユニット(図1に図示せず)内でインキュベートされてもよい。
【0030】
接種及びインキュベーション後、生物学的増殖培地24は、本明細書に記載の方法で画像を生成するために、撮像ユニット21によって処理される。具体的に、撮像ユニット21は、2つの異なる波長の照射光下で少なくとも2つの異なる画像を生成する。画像は、撮像ユニット21から、画像解析を実行するコンピュータ22に送信される。
【0031】
例えば、撮像ユニット21は、第1の波長範囲内の光照射下で、第1の画像を生成することができる。加えて、撮像ユニット21は、第2の波長範囲内の光照射下で、第2の画像を生成することができる。このようにして、生物学的増殖培地24は、2つ以上の異なる波長の電磁放射線で照射され、生物学的増殖培地の画像は、これらの異なる照射下で撮像ユニット21によって捕捉される。
【0032】
コンピュータ22において、生物学的増殖培地上に現れる生物学的病原体をより良好に同定するために、1つ以上の第2の画像内のスペクトル反射率値に基づいて、1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化することができる。換言すれば、コンピュータ22は、生物学的増殖培地24の背景と比較して生物学的病原体を同定するために、第2の画像内のスペクトル反射率値に対する第1の画像内のスペクトル反射率値の比を使用する。このようにして、コンピュータ22は、生物学的病原体の自動検出においてスペクトル解析を使用する。スペクトル反射率値は、特定の波長における光の反射率の割合として与えられてもよく、2つの異なる画像内の特定のピクセル位置(又は特定の領域)に関連し得る。
【0033】
生物学的病原体及び背景のスペクトル応答は、異なる波長範囲内で異なり得る。コンピュータ22は、第2の画像内のピクセル位置における反射率値に基づいて、第1の画像のピクセル位置における反射率値を正規化し、それによって生物学的増殖培地24の背景を生物学的増殖培地24上に現れる生物学的病原体と区別する、コンピュータ22の能力を改善することができる。反射率値は、異なる画像に関連する照射下の所与の位置における生物学的増殖培地24のスペクトル反射率を表し得る。
【0034】
第1の画像に対して撮像ユニット21によって使用される照射は、可視スペクトル内であってよく、第2の画像に対して撮像ユニット21によって使用される照射は、可視スペクトル外であってよい。このようにして、自動読み出しを改善するために、幅広い波長範囲(可視スペクトル内及び可視スペクトル外の両方)にわたる生物学的増殖培地24のスペクトル応答が利用されてもよい。異なる画像のピクセルが、正規化の目的のために正確に整合していることを確実にするために、生物学的増殖培地24が固定位置にある時に、画像が生成されてもよい。
【0035】
細菌コロニー計数又は他の生物学的病原体の観点から、生物学的増殖培地24中で検査されている所与のサンプルが許容可能であるかどうかの判定は、単位面積当たりの細菌コロニー数によって決定され得る。したがって、撮像ユニット21によって生成される画像は、コンピュータ22によって解析され、生物学的増殖培地24上の単位面積当たりの細菌コロニーの量を定量化するために使用され得る。更に、本明細書に記載するスペクトル解析及び正規化技術は、細菌コロニー又は他の生物学的病原体を生物学的増殖培地24の背景と区別する、コンピュータ22の能力を改善することができる。所望される場合は、個々のコロニーのサイズも解析に含まれてよい。
【0036】
図2は、生物学的増殖プレート50の形態の代表的な生物学的増殖培地の平面図である。一例として、生物学的増殖プレート50は、ペトリフィルム(PETRIFILM)プレートという商品名で3Mから販売されている、生物学的増殖プレートを含んでもよい。場合によっては、生物学的増殖プレート50は、生物学的増殖プレート50の自動処理を促進するために、識別要素54を含んでもよい。
【0037】
識別要素54は、例えばバーコード等の光学的に可読なパターンとして図示される。しかしながら、他の場合、識別要素54は、文字、バーコード、2次元バーコード、光回折格子、ホログラム、リン系インク等、幅広い種類の光学的パターンを取ってもよい。更に、いくつかの実施形態では、識別要素54は、磁気又は無線技術によって可読であり得る、可視若しくは非可視回路又は磁気要素を備えてもよい。例えば、識別要素54は、在庫追跡の目的で多くの産業において一般的に使用されている、幅広い種類の無線識別(RFID)タグのいずれかを含んでもよい。
【0038】
生物学的増殖プレート50は、例えば、好気性細菌、大腸菌、コリフォーム、エンテロバクテリアセエ、酵母菌、かび、黄色ブドウ球菌、リステリア菌、及びカンピロバクター菌等を含む、細菌又は他の生物学的病原体の急速な増殖並びに検出及び計数を促進することができる。ペトリフィルム(PETRIFILM)プレート又は他の増殖培地の使用は、食物サンプルの細菌検査を簡略化することができる。
【0039】
図2に示すように、生物学的増殖プレート50は、増殖領域52を画定する。細菌コロニー計数の観点から、プレート50内で検査されている所与のサンプルが許容可能であるかどうかの判定は、単位面積当たりの細菌コロニー数によって決定され得る。それに応じて、本開示に従って、自動システムは、プレート50上の単位面積当たりの細菌コロニーの量を定量化するために、生物学的増殖プレート50を処理することができ、該量又は「計数」を閾値と比較することができる。閾値は、例えば、元のサンプル中の微生物の許容可能な(又は許容不可能な)数に関する、コロニー計数を表し得る。生物学的増殖プレート50の表面は、1つ以上の種類の細菌又は他の生物学的病原体の急速な増殖を促進するように設計された、1つ以上の増殖促進剤を含有してもよい。
【0040】
生物学的増殖プレート50は、サンプルを接種されてもよい。接種は、増殖領域52内の生物学的増殖プレート50の表面に、検査されている物質の材料を、場合によっては希釈剤と共に添加するプロセスを指す。接種は、手動で、又は自動的な方法で実行されてもよい。接種後、生物学的増殖プレート50は、インキュベーションチャンバ(図示せず)に挿入されてもよい。インキュベーションチャンバにおいて、細菌、酵母菌、又はかび等の微生物は、生物学的増殖プレート50内の栄養素で増殖し、一定の期間後にコロニーとして現れる。図2の生物学的増殖プレート50上の種々の点によって表されるコロニー(例えば、かび又は他の微生物)は、増殖領域52の背景色に対して異なる色で現れ、画像解析技術による細菌コロニーの自動検出及び計数を促進することができる。具体的に、生物学的病原体に関連する領域58は、特に可視スペクトルにおいて、生物学的増殖プレート50の背景に関連する領域56とは異なって見える。
【0041】
本開示に記載するように、生物学的増殖プレート50の2つ以上の異なる画像が生成される。1つ以上の第1の画像は、例えば可視スペクトル内の光等、第1の波長における電磁放射線による照射下で生成されることができる。1つ以上の第2の画像は、例えば可視スペクトル外の光等、第2の波長における電磁放射線による照射下で生成されることができる。第1の画像の対応するピクセル位置に対する第2の画像内の個々のピクセル位置におけるスペクトル反射率の比は、背景に関連する領域56と比較して、生物学的病原体に関連する領域58を検出するのを補助することができる。領域58(又は領域58内のピクセル)が実際に、生物学的増殖プレート50上で増殖した細菌コロニーに対応しているかどうかを判定するために、領域56に対する領域58の領域に基づく比較、又は場合によっては、全てのピクセル位置に対するピクセルに基づく比を使用することができる。
【0042】
換言すれば、コンピュータは、領域58内の第2の画像に対する第1の画像内の反射率値の比、及び領域56内の第2の画像に対する第1の画像内の反射率値の比を計算することができる。これらの比は、1つの画像セットのみから定義され得るよりも、領域58と56との間のより明確な差異を提供することができる。これらの比を定義するプロセスは、第2の画像に基づく第1の画像の正規化と称される。そのような正規化は、領域56に関連する背景と比較して、領域58に関連する生物学的病原体を同定する能力を改善することができる。例えば、全てのピクセル位置において(又は場合によっては、異なる領域内のピクセルセットに対して)、第1の画像を正規化するために生成される比は、その位置が生物学的病原体に対応するか背景に対応するかを判定するために、閾値と比較されてもよい。他のより複雑な計数規則又は技術もまた、全てのピクセル位置(又はピクセル位置のセットによって画定される異なる領域)における比を計算するために適用され得る。反射率値は、任意の種類の単位で測定されてもよく、場合によっては単位のない百分率値を含んでもよい。
【0043】
図3は、完全統合生物学的読取機又はモジュラーシステム等、図1のシステム20又は別のシステムに対応し得る、生物学的増殖培地処理システム30のブロック図である。システム30は、メモリ36に連結されるプロセッサ33を含んでもよい、コンピュータ32を含む。所望される場合、コンピュータ32は、ディスプレイスクリーン等の出力デバイス38に連結されてもよい。コンピュータ32はまた、接種ユニット、インキュベーションユニット、ID読取機、ラベリングデバイス等の他の処理ユニット(図示せず)に連結されてもよい。
【0044】
撮像ユニット31は、コンピュータ32に連結される。撮像ユニット31は、生物学的増殖培地の1つ以上の画像を生成し、該画像をコンピュータ32に提供する。プロセッサ33は、メモリ36に記憶される画像解析アルゴリズムに基づいて、画像を処理する。例えば、メモリ36は、撮像ユニット31によって生成される画像の画像解析を促進する、プロセッサで実行可能な種々のソフトウェア命令を記憶することができる。プロセッサ33は、本開示の技術を実施するために、そのような命令を実行する。出力デバイス38は、プロセッサ33によって決定される結果を受信し、該結果をユーザーに提供する。
【0045】
メモリ36はまた、データベース40、並びにデータベース40の管理のためのデータベース管理ソフトウェアを記憶することができる。メモリ36のデータベース40は、異なる種類の情報を異なる生物学的増殖培地と関連付けるために使用することができる。また、データベース40は、異なる種類の生物学的増殖プレートに関連するスペクトルプロファイルを記憶するために使用されてもよい。そのようなスペクトルプロファイルは、例えば、生物学的増殖プレートの処理で使用されることができ、場合によっては、背景に関連する領域56と比較して、生物学的病原体に関連する領域58(図2)を区別するのを補助することができる。そのようなスペクトルプロファイルを生成するために、代表的な生物学的増殖培地の反射反応は、スペクトロメーターを介して記録されてもよい。データベース40は、幅広い異なる種類の生物学的増殖培地に対するスペクトルプロファイルを記憶することができ、データベース40は、新しい種類の生物学的増殖培地に関連するスペクトルプロファイルで時折更新されてもよい。
【0046】
より具体的には、生物学的増殖プレートに関連するスペクトルプロファイルは、エラー又は欠陥が生物学的培地中に存在するかどうかを判定するのを補助することができる。スペクトルプロファイルは、生物学的増殖培地を不正確にする製造上の欠陥又は使用上の欠陥を識別するために、生物学的増殖培地上で測定されたデータと比較されてもよい。この場合、生物学的増殖培地に関連する測定された反射率値が、予測されたスペクトル応答から極端に逸脱している場合、該培地は、潜在的なエラーを含むとしてフラグが付けられてもよい。そのようなエラーは、例えば、老朽、製造上の欠陥、又は実験技術者若しくはユーザーによる不適切な使用による可能性がある。例えば、生物学的増殖培地上での不適切又は過剰な接種は、生物学的増殖培地を接種材料で過充填させる可能性があり、場合によっては、測定された反射率値と生物学的培地に関連する予測されたスペクトルプロファイルとの比較によって検出され得るエラーを生じさせる。
【0047】
各種類の生物学的増殖プレートは、特有のスペクトル特徴を定義してもよい。1つ以上の領域内の測定された反射率値が、特有のスペクトル特徴によって定義されるような予測された値と一致しない場合、培地は、潜在的なエラーを含むとしてフラグが付けられてもよい。このようにして、生物学的増殖培地は、生物学的増殖培地の自動解析の一体性を改善するために、スペクトルプロファイルに基づいて処理されてもよい。スペクトルプロファイルは、老朽、製造上の欠陥、又は不適切な接種による明確なエラーの検査の目的に加えて、他の目的で使用されてもよい。
【0048】
図4は、生物学的増殖培地上の異なる位置に関連するスペクトル応答を図示するグラフである。図4のグラフは、Saint Paul Minnesotaの3M Companyから市販されているペトリフィルム酵母菌及びかびカウントプレート(PETRIFILM Yeast and Mold Count Plate)(以下、ペトリフィルムYMプレートと称される)に関して実施された実験中に収集されたデータの概略図を提供する。ペトリフィルムYMプレートの仕様書に従って、ペトリフィルムYMプレートにかび(M6株)を接種し、インキュベートした。ハロゲン光源下のペトリフィルムYMプレートの反射率を測定するために、Ocean Opticsモデル番号USB4000スペクトロメーターを使用した。
【0049】
異なる波長におけるスペクトル応答の比較のために、ペトリフィルムYMプレート上の5つの異なる位置を同定した。線41は、ペトリフィルムYMプレート上の背景縁部位置(即ち、第1の背景位置)に関連するスペクトル応答に対応する。線42は、ペトリフィルムYMプレート上に形成される生物学的病原体(即ち、第1の病原体)に関連するスペクトル応答に対応する。線43は、ペトリフィルムYMプレート上の非縁部背景位置(即ち、第2の背景位置)に関連するスペクトル応答に対応する。線44は、ペトリフィルムYMプレート上の別の非縁部背景位置(即ち、第3の背景位置)に関連するスペクトル応答に対応する。線45は、ペトリフィルムYMプレート上に形成される別の生物学的病原体(即ち、第2の病原体)に関連するスペクトル応答に対応する。
【0050】
図4から分かるように、400ナノメートル〜700ナノメートル、及び特に500〜700ナノメートルの可視スペクトル内のスペクトル情報は、線42及び45(生物学的病原体に対応する)を線41、43、及び44(異なる背景位置に対応する)と区別する情報の実質的に全てを伝える。更に、線42は、可視スペクトルの大部分において線43及び44よりも小さい反射率を示すが、700ナノメートルを超える波長において、線43及び44よりも大きい反射率を示す。800〜900ナノメートルの波長においては、全ての線がほぼ平行である。
【0051】
これらの観察結果は、正規化技術が使用されることを可能にし得る。例えば、700〜1000ナノメートル、又はより具体的には800〜900ナノメートルの波長において測定されたスペクトル反射率は、400〜700ナノメートルの可視スペクトル内で測定されたスペクトル反射率を正規化するために使用され得る。異なる範囲の生物学的増殖培地の予測又は測定されたスペクトル特性は、可視スペクトル内の波長(例えば、約500〜約700ナノメートル)における照射下で生物学的増殖培地の第1の画像を捕捉し、可視スペクトル外の波長(例えば、約800〜約900ナノメートル)における照射下で生物学的増殖培地の第2の画像を捕捉することによって利用することができる。
【0052】
図5は、図1の撮像ユニット21等の照射デバイス内の生物学的増殖培地115の照射を図示するブロック図である。照射デバイスは、照射源110A、110B、及び110C(集合的に照射源110)を含む。照射デバイスはまた、カメラ112を含み、これは、2次元単色カメラ又は別の種類のカメラを備えてもよい。生物学的増殖培地115は、カメラ112に対する撮像位置で保持されてもよい。生物学的増殖培地115は、透明圧盤114上にあってもよく、又は圧盤114の必要性の有無にかかわらず、ガイド機構、ペンチ、又は若しくは他の要素によって定位置に保持され得る。
【0053】
照射源110は、2つ以上の異なる波長の電磁放射線で生物学的増殖培地115を照射し、カメラ112は、これらの異なる照射のそれぞれの下で生物学的増殖培地115の1つ以上の画像を捕捉する。具体的に、カメラ112は、例えば可視スペクトル内の光等、第1の波長における電磁放射線を有する照射源110による照射下で、生物学的増殖培地115の第1の画像を捕捉してもよい。カメラ112は、例えば可視スペクトル外の光等、第2の波長における電磁放射線を有する照射源110による照射下で、生物学的増殖培地115の第2の画像を捕捉してもよい。第1の画像のピクセルが第2の画像のピクセルに対応することを確実にするために、生物学的増殖培地115がカメラ112に対する固定位置に保持される時に、第1及び第2の画像が捕捉されてもよい。次いで、これらの画像は、解析のためにカメラ112からコンピュータに通信することができる。
【0054】
コンピュータ(図4に図示せず)は、第1の画像の反射率値を正規化するために、画像を解析し、全てのピクセル位置に対する比を生成することができる。具体的に、第1の画像に対する第2の画像内のスペクトル反射率値の比は、背景に関連する生物学的増殖培地115の領域と比較して、生物学的病原体に関連する生物学的増殖培地115の領域を検出するのを補助することができる。
【0055】
照射源110は、幅広い種類のデバイス又は構成のいずれを備えてもよい。照射源110は、照射の適切な波長を定義するためのフィルタを有する蛍光源を備えてもよい。あるいは、照射源110は、発光ダイオード等の半導体光源を備えてもよい。発光ダイオードは、例えば、照射の波長を生成するように定義されてもよく、又はフィルタが本目的で使用されてもよい。多くの他の種類の照射源も使用することができる。図5は、生物学的増殖培地115の前側及び裏側に位置付けられる照射源110を示すが、場合によっては、生物学的増殖培地115の片側のみからの照射が使用され得る。実際に、本開示と一致した2つの異なる波長範囲の照射を達成するために、幅広い種類の構成が使用され得る。
【0056】
一実施例では、照射源110Aは、第1の波長における照射を生成し、照射源110Bは、第2の波長における照射を生成する。照射源110Cは、2つの異なる波長における背面照明を提供することができる。その他の場合は、照射源110のそれぞれは、第1及び第2の波長において照射することができる要素を含んでもよい。いくつかの異なる波長の照射下の画像を定義するために、いかなる数の異なる波長範囲が使用されてもよい。画像を捕捉すると、カメラ112は、本開示と一致した画像解析のために、画像をコンピュータに送信する。この場合もやはり、第1の画像のピクセルが第2の画像のピクセルに対応することを確実にするために、生物学的増殖培地115がカメラ112に対する固定位置に保持される時に、第1及び第2の画像が捕捉されてもよい。
【0057】
別の実施形態では、固定されているか、又はフィルタホイール内にある光学フィルタと共に、白色光照射が使用されてもよい。また、別の実施形態では、例えばBayerマスクと同様のマスクアレイの形態で画像センサー上で挿入された光学フィルタと共に、白色光照射が使用されてもよい。いずれの場合においても、第1のスペクトル画像内のピクセル位置の反射率値は、1つ以上の第2のスペクトル画像内の同一の空間ピクセル位置に対する反射率値に基づいて、正規化することができる。第1の画像は、1つ以上の第2の画像とは異なる波長の照射に関連し得る。異なる波長の照射における追加の画像も使用することができる。
【0058】
図6は、生物学的増殖培地上に形成される要素に関連するスペクトル応答、及び生物学的増殖培地上の背景領域に関連するスペクトル応答を図示するグラフである。図6において、線64は、図4の線44に対応し、線65は、図4の線45に対応する。窓枠66A及び66Bは、第1の画像及び第2の画像をそれぞれ捕捉するために使用される、照射波長範囲を画定し得る。各画像に対して、各ピクセル位置の強度を判定することができ、窓枠66A(第1のスペクトル画像に関連する)と66B(第2のスペクトル画像に関連する)との強度の比を判定することができる。本プロセスは、窓枠66Bに関連する第2の画像に基づいて、窓枠66Aに関連する第1の画像の反射率値を正規化すると見なされてもよい。比を使用することによるそのような正規化は、各所与のピクセルが背景に関連しているか生物学的病原体に関連しているかを検出する能力を改善することができる。更に、所望される場合、背景及び病原体に関連する予測されたスペクトルプロファイルは、コンピュータにプログラムされ、背景内のピクセル及び生物学的病原体に関連するピクセルに対する予測された値又は予測された比を提供することによって、解析を強化するために使用されてもよい。このようにして、予測されたスペクトルプロファイルは、生物学的病原体を同定するのを補助することができる。言及されるように、予測されたスペクトルプロファイルはまた、品質管理、及び老朽、製造上の欠陥、又は不適切な接種による潜在的なエラーの検出のために使用されてもよい。
【0059】
本開示の技術は、生物学的病原体と背景を識別する能力を有意に改善し得る。第1の照射下で生成された画像内の背景と生物学的病原体との反射率間の絶対差異が有意でない場合でさえ、正規化された差異は有意になり得る。したがって、本開示の正規化技術は、生物学的増殖培地上に形成される生物学的病原体と背景領域を識別又は区別する能力の改善をもたらし得る。全てのピクセル位置において(又は場合によっては、異なる領域内のピクセルセットに対して)、第1の画像を正規化するために生成される比は、その位置が生物学的病原体に対応するか背景に対応するかを判定するために、閾値と比較されてもよい。他のより複雑な計数規則又は技術もまた、全てのピクセル位置(又はピクセル位置のセットによって画定される異なる領域)における比を計算するために適用され得る。
【0060】
図7は、生物学的増殖培地上に形成される要素に関連するスペクトル応答、及び生物学的増殖培地上の背景領域に関連するスペクトル応答を図示する別のグラフである。図7において、線74は、図4の線44に対応し、線72は、図4の線42に対応する。窓枠76A及び76Bは、第1の画像及び第2の画像をそれぞれ捕捉するために使用される照射を画定し得る。各画像に対して、各ピクセル位置の強度を判定することができ、窓枠76Aと76Bとの強度の比を判定することができる。本プロセスは、窓枠76Bに関連する第2の画像のスペクトル反射率値に基づいて、窓枠76Aに関連する第1の画像のスペクトル反射率値を正規化すると見なされてもよい。次いで、ピクセル位置が生物学的病原体に対応するか背景に対応するかを判定するために、比を1つ以上の閾値と比較することができる。
【0061】
図6の実施例と同様に、比を使用することによるこの正規化は、各所与のピクセルが背景に関連しているか生物学的病原体に関連しているかを検出する能力を改善することができる。この場合もやはり、所望される場合、背景及び病原体に関連する予測されたスペクトルプロファイルは、コンピュータにプログラムされ、背景内のピクセル及び生物学的病原体に関連するピクセルに対する予測された値又は予測された比を提供することによって、解析を強化するために使用されてもよい。
【0062】
図7の実施例では、生物学的病原体(線72に関連する)と背景(線74に関連する)を識別する能力は、1つの周波数範囲(例えば、第1の窓枠76Aによって画定される)内の絶対比較値と比較して、有意に改善され得る。この場合、第1の照射下で生成された画像に対する窓枠76A内の背景と生物学的病原体との反射率間の絶対差異は、わずか約15%であるが、正規化された差異は、30%を超え得る。したがって、図7の実施例において、本明細書に概説するような正規化技術又は比の使用は、背景内のピクセルに対する生物学的病原体に関連するピクセルの数量的差異の100%を超える改善をもたらし得る。
【0063】
図8は、本開示と一致した技術を図示するフローチャートである。図8に示すように、撮像ユニット21は、第1の電磁放射線で生物学的増殖培地24を照射し(工程81に示すように)、第1の電磁放射線で照射された生物学的増殖培地24の1つ以上の第1の画像を生成する(工程82に示すように)。撮像ユニット21はまた、第2の電磁放射線で生物学的増殖培地24を照射し(工程83に示すように)、第2の電磁放射線で照射された生物学的増殖培地の1つ以上の第2の画像を生成する(工程84に示すように)。生成された画像は、画像解析のためにコンピュータ22に送信されてもよい。
【0064】
コンピュータ22は、第1及び第2の画像に基づいて、生物学的増殖培地24上の生物学的病原体を数える。具体的に、コンピュータ22は、1つ以上の第2の画像に基づいて、1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化し(工程85に示すように)、正規化されたスペクトル反射率値に基づいて、生物学的病原体を同定し(工程86に示すように)、同定された生物学的病原体を数える(工程87に示すように)。言い換えれば、コンピュータ22は、1つ以上の第2の画像内のスペクトル反射率値に対する1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値の比を判定し、比に基づいて生物学的病原体を同定し、同定された生物学的病原体を数える。
【0065】
第1の電磁放射線は、可視スペクトル内にあってもよく、第2の電磁放射線は、可視スペクトル外にあってもよい。例えば、第1の電磁放射線は、約500〜700ナノメートルの波長を有する光を含んでもよく、第2の電磁放射線は、約800〜900ナノメートルの波長を有する光を含んでもよい。所望される場合、コンピュータ22は、生物学的増殖培地に関連するスペクトルプロファイルを記憶してもよく、その場合、生物学的増殖培地24上の生物学的病原体の同定は、第1及び第2の画像並びに記憶されたスペクトルプロファイルに基づいてもよい。あるいは、記憶されたスペクトルプロファイルは、生物学的増殖培地を処理するために使用され、場合によっては生物学的増殖培地上の品質検査を提供し得る。コンピュータ22は、新しい種類の生物学的増殖プレートが開発されると、新しいスペクトルプロファイルで更新されてもよい。
【0066】
図9は、本開示と一致した技術を図示する別のフローチャートである。図9に示すように、撮像ユニット21は、可視スペクトル外の電磁放射線で生物学的増殖培地24を照射し(工程91に示すように)、可視スペクトル外の電磁放射線で照射された生物学的増殖培地24の1つ以上の画像を生成する(工程92に示すように)。生成された画像は、画像解析のためにコンピュータ22に送信することができ、コンピュータ22は、1つ以上の画像に基づいて、生物学的増殖培地24上の生物学的病原体を数えることができる(工程93に示すように)。
【0067】
この場合もやはり、可視スペクトル外にある電磁放射線は、約700〜約1000ナノメートル、及びより具体的には約800〜約900ナノメートルの波長を有する光を含んでもよい。可視スペクトル内の画像もまた生成されてもよく、その場合、コンピュータ22は、可視スペクトル内の照射に関連する1つ以上の第1の画像、及び可視スペクトル外の照射に関連する1つ以上の第2の画像に基づいて、生物学的増殖培地24上の生物学的病原体を数えることができる。
【0068】
本明細書に記載する技術は、幅広い種類の修正及び実装時固有事項の対象となってもよい。例えば、可視スペクトル外の光下で生成された画像の使用は、可視スペクトル外の波長におけるスペクトル情報を明示するように設計される生物学的増殖培地等、他の用途を有し得る。更に、特定の代表的なシステムを記載してきたが、本開示の技術は、モジュラー生物学的増殖培地処理システム、又は撮像及び画像処理能力を含む完全統合生物学的読取機等、他の種類のシステム又はデバイスで使用され得る。
【0069】
本明細書に記載する技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実行されてもよい。ソフトウェアで実行される場合、該技術は、生物学的増殖培地処理システムのコンピュータによって実行される時に、コンピュータに本開示の技術のうちの1つ以上を実行させる命令を含む、コンピュータ可読媒体によって少なくとも部分的に実現されてもよい。コンピュータ可読データ記憶媒体は、梱包材料を含み得るコンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。コンピュータ可読媒体は、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)等のランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気又は光データ記憶媒体等を含んでもよい。
【0070】
コンピュータ可読命令は、1つ以上のプロセッサ、汎用マイクロプロセッサ、ASIC、FPGA、又は他の同等の集積若しくはディスクリート論理回路によって、該システムのコンピュータで実行されてもよい。したがって、本明細書で使用する「プロセッサ」という用語は、本明細書に記載する技術の実行に好適な任意の構造体を指し得る。
【0071】
ソフトウェアの実施形態に対して、本開示は、生物学的増殖培地処理システムのコンピュータにおける実行時に、コンピュータに、生物学的増殖培地の1つ以上の画像であって、可視スペクトル外の電磁放射線での生物学的増殖培地の照射中に生成された、1つ以上の画像を受信させ、該1つ以上の画像に基づいて、生物学的増殖培地上の生物学的病原体を数えさせる、命令を含む、コンピュータ可読媒体を提供し得る。
【0072】
加えて、本開示は、生物学的増殖培地処理システムのコンピュータにおける実行時に、コンピュータに、生物学的増殖培地の1つ以上の第1の画像であって、第1の電磁放射線での生物学的増殖培地の照射中に生成された、1つ以上の第1の画像を受信させ、生物学的増殖培地の1つ以上の第2の画像であって、第2の電磁放射線での生物学的増殖培地の照射中に生成された、1つ以上の第2の画像を受信させ、該1つ以上の第2の画像に基づいて、該1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化させ、正規化されたスペクトル反射率値に基づいて、生物学的病原体を数えさせる、命令を含む、コンピュータ可読媒体を提供し得る。
【0073】
ハードウェアで実行される場合、本開示は、本明細書に記載する技術のうちの1つ以上を実行するように構成される、集積回路、ASIC、FPGA、論理回路、又はそれらの種々の組み合わせ等の回路に関し得る。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正がなされてもよい。これら及び他の実施形態は、下記の特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視スペクトル外にある電磁放射線で、生物学的増殖培地を照射する工程と、
前記可視スペクトル外の前記電磁放射線で照射された前記生物学的増殖培地の1つ以上の画像を生成する工程と、
前記1つ以上の画像に基づいて、前記生物学的増殖培地上の生物学的病原体を数える工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記可視スペクトル外にある電磁放射線で前記生物学的増殖培地を照射する工程は、約700〜約1000ナノメートルの波長を有する光で、前記生物学的増殖培地を照射する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可視スペクトル外にある電磁放射線で前記生物学的増殖培地を照射する工程は、約800〜約900ナノメートルの波長を有する光で、前記生物学的増殖培地を照射する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記可視スペクトル内にある第1の電磁放射線で、前記生物学的増殖培地を照射する工程と、
前記第1の電磁放射線で照射された前記生物学的増殖培地の1つ以上の第1の画像を生成する工程と、
前記可視スペクトル外にある第2の電磁放射線で、前記生物学的増殖培地を照射する工程と、
前記第2の電磁放射線で照射された前記生物学的増殖培地の1つ以上の第2の画像を生成する工程と、
前記生物学的増殖培地の前記第1及び第2の画像に基づいて、前記生物学的増殖培地上の前記生物学的病原体を数える工程と、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上の第2の画像に基づいて、前記1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化する工程と、
前記正規化されたスペクトル反射率値に基づいて、前記生物学的病原体を同定する工程と、
前記同定された生物学的病原体を数える工程と、
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記可視スペクトル内にある前記第1の電磁放射線は、約500〜約700ナノメートルの波長を有する光を含み、
前記可視スペクトル外にある前記第2の電磁放射線は、約800〜約900ナノメートルの波長を有する光を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の第2の画像内のスペクトル反射率に対する前記1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率の比を判定する工程と、
前記比に基づいて、前記生物学的病原体を同定する工程と、
前記同定された生物学的病原体を数える工程と、
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記生物学的増殖培地に関連するスペクトルプロファイルを記憶する工程と、
前記記憶されたスペクトルプロファイルに基づいて、前記生物学的増殖培地を処理する工程と、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1の電磁放射線で生物学的増殖培地を照射する工程と、
前記第1の電磁放射線で照射された前記生物学的増殖培地の1つ以上の第1の画像を生成する工程と、
第2の電磁放射線で前記生物学的増殖培地を照射する工程と、
前記第2の電磁放射線で照射された前記生物学的増殖培地の1つ以上の第2の画像を生成する工程と、
前記1つ以上の第2の画像に基づいて、前記1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化する工程と、
前記正規化されたスペクトル反射率値に基づいて、前記生物学的病原体を同定する工程と、
前記同定された生物学的病原体を数える工程と、
を含む、方法。
【請求項10】
前記第1の電磁放射線は、可視スペクトル内にあり、前記第2の電磁放射線は、前記可視スペクトル外にある、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の電磁放射線は、約500〜約700ナノメートルの波長を有する光を含み、
前記第2の電磁放射線は、約800〜約900ナノメートルの波長を有する光を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記生物学的増殖培地に関連するスペクトルプロファイルを記憶する工程と、
前記記憶されたスペクトルプロファイルに基づいて、前記生物学的増殖培地を処理する工程と、
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の第2の画像に基づいて、前記1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化する工程は、異なるピクセル位置に対して、前記1つ以上の第2の画像内のスペクトル反射率値に対する前記1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値の比を判定する工程を含み、
前記生物学的病原体を同定する工程は、前記比を1つ以上の閾値と比較する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
可視スペクトル外にある電磁放射線で、生物学的増殖培地を照射し、前記可視スペクトル外の前記電磁放射線で照射された前記生物学的増殖培地の1つ以上の画像を生成する、撮像ユニットと、
前記1つ以上の画像に基づいて、前記生物学的増殖培地上の前記生物学的病原体を数える、コンピュータと、
を備える、システム。
【請求項15】
前記撮像ユニットは、約700〜約1000ナノメートルの波長を有する光で、前記生物学的増殖培地を照射する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記撮像ユニットは、約800〜約900ナノメートルの波長を有する光で、前記生物学的増殖培地を照射する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記撮像ユニットは、前記可視スペクトル内にある第1の電磁放射線で、前記生物学的増殖培地を照射し、前記第1の電磁放射線で照射された前記生物学的増殖培地の1つ以上の第1の画像を生成し、前記可視スペクトル外にある第2の電磁放射線で、前記生物学的増殖培地を照射し、前記第2の電磁放射線で照射された前記生物学的増殖培地の1つ以上の第2の画像を生成し、
前記コンピュータは、前記生物学的増殖培地の前記第1及び第2の画像に基づいて、前記生物学的増殖培地上の前記生物学的病原体を数える、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記コンピュータは、
前記1つ以上の第2の画像に基づいて、前記1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化し、
前記正規化されたスペクトル反射率値に基づいて、前記生物学的病原体を同定し、
前記同定された生物学的病原体を数える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記可視スペクトル内にある前記第1の電磁放射線は、約500〜約700ナノメートルの波長を有する光を含み、
前記可視スペクトル外にある前記第2の電磁放射線は、約800〜900ナノメートルの波長を有する光を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記コンピュータは、
前記1つ以上の第2の画像内のスペクトル反射率値に対する前記1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値の比を判定し、
前記比に基づいて、前記生物学的病原体を同定し、
前記同定された生物学的病原体を数える、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記コンピュータは、
前記生物学的増殖培地に関連するスペクトルプロファイルを記憶し、
前記記憶されたスペクトルプロファイルに基づいて、前記生物学的増殖培地を処理する、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記生物学的増殖培地を接種する、接種ユニットと、
前記生物学的増殖培地をインキュベートする、インキュベーションユニットと、
を更に備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
第1の電磁放射線で生物学的増殖培地を照射し、前記第1の電磁放射線で照射された前記生物学的増殖培地の1つ以上の第1の画像を生成し、第2の電磁放射線で前記生物学的増殖培地を照射し、前記第2の電磁放射線で照射された前記生物学的増殖培地の1つ以上の第2の画像を生成する、撮像ユニットと、
前記1つ以上の第2の画像に基づいて、前記1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化し、前記正規化されたスペクトル反射率値に基づいて、前記生物学的病原体を同定し、前記同定された生物学的病原体を数える、コンピュータと、
を備える、システム。
【請求項24】
前記第1の電磁放射線は、可視スペクトル内にあり、前記第2の電磁放射線は、前記可視スペクトル外にある、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1の電磁放射線は、約500〜約700ナノメートルの波長を有する光を含み、
前記第2の電磁放射線は、約800〜約900ナノメートルの波長を有する光を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記コンピュータは、
前記生物学的増殖培地に関連するスペクトルプロファイルを記憶し、
前記記憶されたスペクトルプロファイルに基づいて、前記生物学的増殖培地を処理する、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記生物学的増殖培地を接種する、接種ユニットと、
前記生物学的増殖培地をインキュベートする、インキュベーションユニットと、
を更に備える、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
前記コンピュータは、
異なるピクセル位置に対して、前記1つ以上の第2の画像内のスペクトル反射率値に対する前記1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値の比を判定することによって、前記1つ以上の第2の画像に基づいて、前記1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化し、
前記比を1つ以上の閾値と比較することによって、前記生物学的病原体を同定する、請求項23に記載のシステム。
【請求項29】
可視スペクトル外にある電磁放射線で、生物学的増殖培地を照射するための手段と、
前記可視スペクトル外の前記電磁放射線で照射された前記生物学的増殖培地の1つ以上の画像を生成するための手段と、
前記1つ以上の画像に基づいて、前記生物学的増殖培地上の生物学的病原体を数えるための手段と、
を備える、システム。
【請求項30】
第1の電磁放射線で生物学的増殖培地を照射するための手段と、
前記第1の電磁放射線で照射された前記生物学的増殖培地の1つ以上の第1の画像を生成するための手段と、
第2の電磁放射線で前記生物学的増殖培地を照射するための手段と、
前記第2の電磁放射線で照射された前記生物学的増殖培地の1つ以上の第2の画像を生成するための手段と、
前記1つ以上の第2の画像に基づいて、前記1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化するための手段と、
前記正規化されたスペクトル反射率値に基づいて、前記生物学的病原体を同定するための手段と、
前記同定された生物学的病原体を数えるための手段と、
を備える、システム。
【請求項31】
生物学的増殖培地処理システムのコンピュータにおける実行時に、前記コンピュータに、
前記生物学的増殖培地の1つ以上の画像であって、前記可視スペクトル外の前記電磁放射線での前記生物学的増殖培地の照射中に生成されている、1つ以上の画像を受信させ、
前記1つ以上の画像に基づいて、前記生物学的増殖培地上の生物学的病原体を数えさせる、
命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【請求項32】
生物学的増殖培地処理システムのコンピュータにおける実行時に、前記コンピュータに、
前記生物学的増殖培地の1つ以上の第1の画像であって、第1の電磁放射線での前記生物学的増殖培地の照射中に生成されている、1つ以上の第1の画像を受信させ、
前記生物学的増殖培地の1つ以上の第2の画像であって、第2の電磁放射線での前記生物学的増殖培地の照射中に生成されている、1つ以上の第2の画像を受信させ、
前記1つ以上の第2の画像に基づいて、前記1つ以上の第1の画像内のスペクトル反射率値を正規化させ、
前記正規化されたスペクトル反射率値に基づいて、前記生物学的病原体を同定させ、
前記同定された生物学的病原体を数えさせる、
命令を含む、コンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−515104(P2011−515104A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501905(P2011−501905)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/037359
【国際公開番号】WO2009/120532
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】