説明

生物試験アレイを作る方法及び生物試験アレイを作るためのプリンタデバイスの使用

本発明は、基板上に生物流体のアレイを堆積させることにより生物試験アレイを作るプリンタデバイスに関する。本発明は更に、生物試験アレイの生産における斯かるデバイスの使用に関する。本発明は、生物試験アレイを作る方法にも関する。本発明は更に、生物試験アレイにも関する。本発明による方法は、フェールプルーフであり、卓越した品質の生物試験アレイを生じさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物流体のアレイを基板に堆積させることにより生物試験アレイを作るプリンタデバイスに関する。本発明は更に、生物試験アレイの製造における斯かるデバイスの使用に関する。本発明は、生物試験アレイを作る方法にも関する。本発明は更に、生物試験アレイにも関する。
【背景技術】
【0002】
基板上の生物流体のアレイは、生物試験アレイに使用される。例えば、特定のバクテリア、ウイルス又は菌類の存在に関する人間の血液又は組織サンプルの解析に使用される。アレイは、特殊なバクテリア、ウイルス又は菌類に属するたんぱく質、DNA又はRNAシーケンスといった所定の指示要素に対する選択的なバインディング能力を備えるスポットからなる。異なる要素に対して異なる特異度を持つスポットとすることにより、さまざまな異なる要素に対するアッセイを同時に実行するのにそのアレイが使用されることができる。指示要素の存在は、例えば、試験サンプルの蛍光ラベリングにより視覚化されることができる。これは、結果として、その特殊な要素が付着するスポットにおける検出可能な蛍光を生じさせる。斯かるアレイを用いることは、単一の実行において、特定のバクテリア、ウイルス及び/又は菌類を示す大量の要素に対してサンプルの高スループットなスクリーニングを可能にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特殊な指示要素を含む生物流体を適用することにより、メンブレーンといった基板にスポットはプリントされる。適切な生物流体は例えば、特殊なDNAシーケンス又は抗体の溶液とすることができる。プリンティングは通常、アレイに含まれることになる各異なる生物流体に対して異なるプリントヘッドを用いることにより、基板での生物流体の堆積のため特別にデザインされたプリンティングデバイスにより実行される。しかしながら、斯かるプリントヘッドは、うまく行かないことが知られており、結果として、例えば、基板上のアレイにおける消失スポット(missing spot)によって、信頼性の無い検査を生じさせるか、又は所定量の生物流体を含まないスポットを生じさせる。消失スポットは検出されることができない。その結果、消失スポットにより決定される要素が実際にはサンプルに存在している場合でさえ陰性の結果を生じさせる。生物流体の量が少ないスポットは、結果として、実際のレベルより試験サンプルにおける特殊な要素のレベルが低いことを示す偽の結果をもたらすであろう、そのスポットに対する低い検出レベルを生じさせ、又は所定の閾値レベル以下に検出レベルが落ちる場合陰性の結果を生じさせる場合がある。これらは偽の陰性結果と呼ばれる。
【0004】
本発明の目的は、より信頼性の高い生物試験アレイを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、基板上に生物流体のアレイを堆積させることにより、生物試験アレイを生産するプリンタデバイスを提供する。そのデバイスは、上記基板上に生物流体の水滴を堆積させる少なくとも1つの1次ノズルを具備する少なくとも1つのプリントヘッドと、上記基板に対して上記プリントヘッドを位置決めする位置決め手段と、上記1次ノズルによる堆積における欠陥を検出する検出手段と、上記検出手段と上記位置決め手段とに接続される制御手段とを有し、特殊な生物流体専用の1次ノズルそれぞれに対して上記プリンタデバイスが、同じ特殊な生物流体専用の少なくとも1つの2次ノズルを有し、上記1次ノズルによる堆積における所定の欠陥が上記検出手段により検出される場合、上記制御手段は、上記2次ノズルを使用するようプログラムされる。斯かるプリンタデバイスは、より少ない欠陥を備える生物試験アレイを生み出すことができる。また、斯かるデバイスを用いて、より高い生産率が達成されることができる。なぜなら、ノズルが故障した場合にプリントヘッドの交換に無駄な時間が浪費されないからである。というのも、斯かる欠陥は、プリンタデバイスにより直ちに位置調整され、2次ノズルの使用により克服されるからである。別の時間節約的な要素は、製造後の品質制御に時間がかからないということである。なぜなら、改良されたプリンタは、ミスプリントされる生物試験アレイの数が最小化されることを確実にするからである。プリントヘッド及びノズルは特に、生物流体の堆積に適合される。生物流体という用語は、基板上のサンプルにおける特定の生分子に特異的にバインドするのに使用されるDNAシーケンス又は抗体といった生物バインディング物質を含む流体をカバーする。プリントヘッドは、複数のノズルを持つことができる。特殊な種類の生物流体それぞれに対して1つの専用プリントヘッドを持つことが有利である。しかしながら、異なる生物流体を同じプリントヘッドにある異なるノズルに誘導することも可能である。位置決め手段は、基板の正確な位置の上に特殊なノズルを位置決めするため、所望の位置に正確に生物流体の水滴を堆積させるため、1つ又は複数のプリントヘッド及び/又は基板を動かし及び運搬するようデザインされる。通常、プリントヘッド又は基板のいずれかのみを動かすが、そのプリントヘッド及び基板の両方を動かすシステムも考えられる。1次ノズルによる堆積における欠陥を検出する検出手段は、プリント処理の任意の物理特性に基づかれることができる。制御手段は通常、検出手段及び位置決め手段に接続されるマイクロプロセッサを含み、基板上の生物流体の所定のアレイを生み出すのに必要な情報を含む。その情報は特に、ノズル及び基板の位置に関するものである。各ノズルの位置と特殊な生物流体プリントヘッドからのスポットが堆積されることになる正確な場所とは、制御手段を用いて監視される。2次ノズル又はバックアップノズルは、1次ノズルの1つと同じ特殊な生物流体専用にされる。こうして、2次ノズルは、生産処理を停止させたり、1次ノズルを交換することなく、1次ノズルによる任意の検出された欠陥又はミスを訂正することができる。
【0006】
好ましくは、上記1次ノズル及び少なくとも1つの2次ノズルが、同じプリントヘッドに配置される。こうして、1次ノズルから2次ノズルへと切り替えるために、基板に対する同じプリントヘッドのわずかな相対的な再配置のみを必要とする。これは、生産速度の改善にも役立つ。
【0007】
別の好ましい実施形態では、上記1次ノズル及び少なくとも1つの2次ノズルが、異なるプリントヘッドに配置される。斯かる構成は、2次ノズルが生産処理を実行する間、1次ノズルが配置されるプリントヘッドを保守又は交換することを容易にする。従って、生産処理の中断が最小化される。
【0008】
最も好ましくは、少なくとも1つの2次ノズルが、同じプリントヘッドに配置され、上記1次ノズル及び少なくとも1つの2次ノズルは、少なくとも1つの異なるプリントヘッドに配置される。従って、上述した両方の利点を得ることができる。即ち、基板に対するプリントヘッドのわずかな再配置のみで1次ノズルから2次ノズルへの切り替えが可能となり、一方、1次ノズルから2次ノズルへの切り替えることで交換又は保守が可能であるので、ワークフローの中断は最小化される。
【0009】
好ましくは、上記プリンタデバイスが、複数のプリントヘッドを有する。複数のプリントヘッドは、最適なワークフローを可能にする。各プリントヘッドは、異なる生物流体に対するノズルを有することができる。しかしながら、好ましくは、各プリントヘッドは、単一の生物流体専用である。これは、より簡単な構造及びプリントヘッドのより簡単な交換を可能にする。
【0010】
好ましくは、上記プリンタデバイスが、複数の2次ノズルを有する。複数の2次ノズルは、1つ又は複数のノズルが保守又は交換される場合、生産処理を継続することを可能にする。従って、デバイスのダウンタイムは最小化されることができる。
【0011】
好ましい実施形態において、上記プリンタデバイスが、一緒にアレイとしてグループ化される複数のプリントヘッドを有し、上記アレイは、適用される異なる生物流体それぞれに対して少なくとも1つのノズルを有する。多数の異なる生物流体がプリントされることになる場合、プリントヘッドのグループが、複数のアレイ状に構成されることができる。プリントヘッドの各アレイは、動作可能なユニットを独立して形成する。
【0012】
好ましくは、上記プリンタデバイスが、複数の同一のアレイを有する。斯かるアレイのプリントヘッドは、相互に交換可能であり、柔軟な作業法を可能にする。
【0013】
好ましい実施形態において、上記検出手段が、光学センサを有する。光学センサは、信頼性があり、感度が良い。光学センサは好ましくは、基板における堆積された生物流体の量を定量化するよう適合される。従って、特定のスポットにおける生物流体の不足量が決定されることができ、続いて、2次ノズルにより所定の量まで追加されることができる。デバイスは、同じ又は異なる検出方法専用の複数の光学センサを有することができる。光学センサは、音響センサといった他の検出手段と結合されることができる。
【0014】
別の好ましい実施形態において、上記検出手段が、音響センサを有する。その音響センサは、ノズルにより堆積される生物流体の量を決定するよう適合されることができる。その音響センサは、例えば光学センサといった他の検出手段と組み合わされることができる。
【0015】
有利には、上記検出手段が、上記ノズルの音響的又は光学的特性を測定するよう適合され、上記制御手段は、上記ノズルの測定された特性を上記ノズルの所定の特性と比較することにより欠陥を決定するようプログラムされる。従って、1次ノズルが故障し、結果として2次ノズルが作動されることになるかどうかが、容易に検出される。好ましくは、その検出手段及び制御手段は、ノズルにより堆積される生物流体の量を、例えば、堆積された量の生物流体と測定された特性との間の所定の関係を用いて定量化するよう構成される。検出手段の好ましい実施形態において、バックライトが、メンブレーンといった光学的に透過な基板の下に配置される。短い時間期間の間、生物流体の水滴が、1次ノズルにより基板上に堆積されるとき、この水滴は、カメラにより量子化されることができるメンブレーンとの光学コントラストとして検出可能である。基板上で検出されるスポットは、プログラムされる所定のパターンと比較される。スポットが消失している場合、又はスポットが堆積される生物流体の量において不足している場合、2次ノズルがこれらのエラーを訂正するため作動される。エラーの検出は、故障している1次ノズルのクリーニング又はディアクティベーションも引き起こすことができる。
【0016】
有利には、上記検出手段が、上記基板の音響的又は光学的特性を測定するよう適合され、上記制御手段は、上記基板の測定された特性を上記基板の所定の特性と比較することにより欠陥を決定するようプログラムされる。
【0017】
好ましくは、検出手段及び制御手段は、ノズルにより堆積された生物流体の量を量子化するよう構成され、例えば、堆積された生物流体の量と測定された特性との間の所定の関係を用いて量子化される。
【0018】
好ましい実施形態では、上記検出手段が、上記1次ノズルにより上記基板の所定の位置に堆積された生物流体の量を決定する定量化手段を有し、上記制御手段は、上記基板に堆積されることになる生物流体の所定の総量に等しい総堆積量を生み出すよう、上記2次ノズルに同じ生物流体の追加量を堆積させるようプログラムされる。こうして、最終的な堆積量が、生物流体の所定量に等しい。これは、より高品質な最終製品を生じさせ、欠陥が原因による製品の歩留まりを少なくする。量子化手段は例えば、量子化される生物流体のタイプに基づき、蛍光、光吸収、光散乱又は他の光学的特性を決定する光学センサを有することができる。
【0019】
本発明は、基板を有し、上記基板上に複数の生物流体が堆積される生物試験アレイの生産における、本発明によるプリンタデバイスの使用にも関する。斯かる機械で生産される生物試験アレイは、欠陥を含みにくく、従って信頼性が高い。更に、斯かるデバイスでの生産はより高速であり、よりコスト効率が良い。なぜなら、そのデバイスは、ノズル及び/又はプリントヘッドの保守又は交換のためのダウンタイムが少ないからである。
【0020】
本発明は更に、請求項1乃至14のいずかに記載のプリンタデバイスを用いて、基板上に複数の生物流体を堆積させることにより生物試験アレイを生産する方法にも関し、上記基板に対してプリンタヘッドを位置決めするステップと、上記1次ノズルにより上記基板上に生物流体の水滴を堆積させるステップと、上記1次ノズルによる堆積における欠陥を検出し、上記1次ノズルにより堆積された量の生物流体における欠陥が検出された場合、続いて上記2次ノズルにより堆積させるステップとを有する。
【0021】
本発明は、本発明の方法により得られる、複数の生物流体が堆積される基板を有する、生物試験アレイにも関する。斯かる機械で生産される生物試験アレイは、欠陥を含みにくく、従って信頼性が高い。生産時に基板に堆積される生物流体は必ずしも、最終製品において流体であるというわけではない。実際に、基板における生物流体スポットは例えば、最終製品における固体スポット又はゲルスポットとすることができる。通常、生物試験アレイは100〜1000スポットを有するが、より多くの量も使用される。各スポットは通常、ノズルにより堆積されることになる流体の1ナノリットルまでを表す。スポットの直径は通常、10〜500μmの間にあり、好ましくは、50〜200μmの間にある。アレイパターン内のスポット間の距離は通常、10〜500μmの間にあり、好ましくは75〜400μmの間にある。生物流体の堆積を実現するにはインクジェット技術が適用されることができる。孔のあるメンブレーンが好ましい基板である。
【0022】
基板に対して異なるスポットを適用するため各異なる生物流体専用の少なくとも1つのノズルが存在することが好ましい。更に好ましくは、生物流体の各タイプが、少なくとも1つの専用プリントヘッドを持つことである。本発明によるデバイスの好ましい実施形態において、少なくとも2つのプリントヘッドが、単一のタイプの生物流体専用とされる。その基板は例えば、孔のあるメンブレーンとすることができる。
【0023】
本発明は更に、本発明による生物試験アレイを有する、生物試験キットを有する。生物試験アレイとは別に、そのキットは、蛍光ラベル、バッファ溶液及びサンプル調整のための他のツールを有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明が以下、非限定的な例示により更に詳細に説明されることになる。
【0025】
図1は、直径約6ミリ、所定のパターンでプリントされた43の異なる生物流体を有する128のスポット21のパターンで覆われた円形メンブレーン22に堆積されたスポット21を有する生物試験アレイ20を示す。スポット21には、番号が振られ、各番号は、一様な遺伝子番号を表すか、又は参照物質を含む。遺伝子シーケンスは、複数の相互に離れた位置にあるアレイ20における複数の複製(duplicate)において生じることに留意されたい。メンブレーン22は、支持構造体23上に適合される。これが唯一の例であるので、スポットの数は、変化することができ、通常、遺伝子シーケンスの数及び使用される複製の数に応じてより大きくなるであろう。支持構造体(ホルダ)23を備えるメンブレーン22が、カートリッジ24に配置される。カートリッジ24において、異なるバクテリアのDNAに対する異なる遺伝子シーケンス特性を含む血液サンプルが、アレイ状のスポット21を有するメンブレーン22と接触されるようにもたらされる。異なるDNAタイプ(遺伝子シーケンス)が、異なるプリント捕捉スポットに付く。この図において、異なるスポットが視覚化される。番号1〜18は、9つの異なる病原体と9つのレジスタンスとを表す。測定の信頼性のため、同じ生物選択的捕捉物質が4つの異なるスポットにプリントされる。これらの四分円25のそれぞれにおいて、同じ数のスポットが異なる隣接スポットを持ち、隣接スポット21からの過度の露出が原因で、強くないスポット(less intense spot)21が検出されないことを防ぐ。メンブレーン22にわたる強度較正分布のため、メンブレーンの角における4つのスポットDだけでなく、強度較正スポットがプリントされる(R1〜R10)。PCR制御スポットP1、P2も、PCRを用いて適切なDNA増幅を有効にするのにプリントされる。
【0026】
図2a及び図2bは、異なる生物流体を伴う基板32をプリントするための多数のマルチノズルプリントヘッド31のプリンタヘッド固定プレート30の構造を示す。各生物流体は、例えば、図1に示されるようなDNAシーケンスを含むことができる。明確さのため、わずか10のプリントヘッド31が図示される。5つの異なる生物流体専用のノズル33を各プリントヘッドが6つ有する。各生物流体に対するノズルは、2つの異なるプリントヘッド31上に存在する。しかしながら、単一のプリントヘッド31が、異なる生物流体専用のノズル33を含むことは考えられない。メンブレーン32は、4つのアレイのドット34を用いて4つでプリントされる。より異なるタイプの生物流体を備える生物試験アレイを生産するため、プリントヘッド31の対応するより大きな数が必要とされる。プリント方向は矢印Xで示され、ドットは方向Yにおける行に配置される。これはプリント方向Xに直交するものである。
【0027】
プリント処理の信頼性におけるかなりの増加は、流体につき2つのプリントヘッドを平行に(ユニゾン又はタンデムで)用いるとき得られる。この考えは図2a及び図2bに表される。図2aにおいて、最初の5つのプリントヘッド31が、次のセットである後続の5つのプリントヘッド31と同じになるようにして5つの異なる流体を備える態様で、プリントヘッド31はグループ化される。図2bは、同じ流体で満たされるプリントヘッド31が互いに隣接して配置されるような構成を示す。プリント処理を制御するソフトウェアは、異なるプリントヘッドがプリントヘッド固定プレート上どこに配置されるかを正確に位置調整する。プリント処理を開始する前、すべてのノズル33が光学的にチェックされ、適切な機能のための基準特性として、音響的な指紋が記録される。プリントの間連続的に、実際の圧力記録が、音響及び/又は光学指紋と比較される。ノズルの記録が、その指紋から所定の閾値分偏差する場合、全体のプリント処理を制御するソフトウェアがノズル31を停止し、必要な流体の量が、同じ流体を含むプリントヘッドの対応する2次ノズル31により堆積されるように構成される。こうして、2次ノズルが1次ノズルの作業を引き継ぎ、従って、より高速な生産速度を可能にし、デバイスのダウンタイムを減らしつつ、プリントヘッド及びノズルのこれらの構成が、1次ノズルの修復及び保守の可能性を提供する。ノズル31の保守は、例えば、ノズルプレートの洗浄及び/又はクリーニングを含むことができる。また、生み出されるアレイ状のドットの品質は改善され、結果として、欠陥品(例えば、スポットがない品又はミスプリントされたスポットを備える品)が少なくなり、無駄が減らせる。
【0028】
図3は、2つのメンブレーン41が取り付けられたプリンタデバイス40を示し、それは、線形アレイプリンタヘッド43、44のアセンブリ42に対して複数の基板41を供給する細長いトレーの一部である。プリンタヘッド43、44の動作は、従来より知られる検出手段を用いて光学的及び/又は音響的に監視される。ノズル45が機能しなくなる場合、新しいセットのノズル46が作動するよう、ある機構によってプリントヘッド43がY方向に動かされる。その図は、プリントの間に必要とされるノズルの量の2倍を備えるプリントヘッドを示す。従って、各動作ノズル45に対して1つのバックアップノズル46が存在する。基板における行の数及びプリントヘッドのノズルの数は、より柔軟性を高めるため及びより高いレベルのフェールプルーフを提供するため増加されることができる。
【0029】
図4は、2つのセットのプリントヘッド50、51が本発明により構成されるようなプリンタデバイスを示す。第1のセットのプリントヘッド50は、基板52上にプリントされたドットを持つ。光学検出手段(図示省略)が、プリントされるべき所定のパターンに対して2つの欠陥53を検出する。続いて、第2のセットのプリントヘッド51が、新しいドット54を適用することにより省略されたドット53を訂正し、その結果、訂正された所定のパターンを備える基板55を生じさせる。
【0030】
当業者であれば、図示された非限定的な例示の多くの変形及び結合が本発明から直接得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】生物試験アレイを示す図である。
【図2A】本発明による方法の実施形態を示す図である。
【図2B】本発明による方法の実施形態を示す図である。
【図3】本発明によるデバイスを示す図である。
【図4】本発明による別のプリンタデバイスを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に生物流体のアレイを堆積させることにより、生物試験アレイを生産するプリンタデバイスであって、
前記基板上に生物流体の水滴を堆積させる少なくとも1つの1次ノズルを具備する少なくとも1つのプリントヘッドと、
前記基板に対して前記プリントヘッドを位置決めする位置決め手段と、
前記1次ノズルによる堆積における欠陥を検出する検出手段と、
前記検出手段と前記位置決め手段とに接続される制御手段とを有し、前記プリンタデバイスが、特殊な生物流体専用の1次ノズルそれぞれに対して、同じ特殊な生物流体専用の少なくとも1つの2次ノズルを有し、
前記1次ノズルによる堆積における所定の欠陥が前記検出手段により検出される場合、前記制御手段は、前記2次ノズルを使用するようプログラムされる、プリンタデバイス。
【請求項2】
前記1次ノズル及び少なくとも1つの2次ノズルが、同じプリントヘッドに配置される、請求項1に記載のプリンタデバイス。
【請求項3】
前記1次ノズル及び少なくとも1つの2次ノズルが、異なるプリントヘッドに配置される、請求項1又は2に記載のプリンタデバイス。
【請求項4】
少なくとも1つの2次ノズルが、同じプリントヘッドに配置され、前記1次ノズル及び少なくとも1つの2次ノズルが、少なくとも1つの異なるプリントヘッドに配置される、請求項1乃至3のいずれかに記載のプリンタデバイス。
【請求項5】
前記プリンタデバイスが、複数のプリントヘッドを有する、請求項1乃至4のいずれかに記載のプリンタデバイス。
【請求項6】
前記プリンタデバイスが、複数の2次ノズルを有する、請求項1乃至5のいずれかに記載のプリンタデバイス。
【請求項7】
前記プリンタデバイスが、一緒にアレイとしてグループ化される複数のプリントヘッドを有し、前記アレイは、適用される異なる生物流体それぞれに対して少なくとも1つのノズルを有する、請求項1乃至6のいずれかに記載のプリンタデバイス。
【請求項8】
前記プリンタデバイスが、複数の同一のアレイを有する、請求項7に記載のプリンタデバイス。
【請求項9】
前記検出手段が、光学センサを有する、請求項1乃至8のいずれかに記載のプリンタデバイス。
【請求項10】
前記検出手段が、音響センサを有する、請求項1乃至9のいずれかに記載のプリンタデバイス。
【請求項11】
前記検出手段が、前記ノズルの音響的又は光学的特性を測定するよう適合され、前記制御手段は、前記ノズルの測定された特性を前記ノズルの所定の特性と比較することにより欠陥を決定するようプログラムされる、請求項1乃至10のいずれかに記載のプリンタデバイス。
【請求項12】
前記検出手段が、前記基板の音響的又は光学的特性を測定するよう適合され、前記制御手段は、前記基板の測定された特性を前記基板の所定の特性と比較することにより欠陥を決定するようプログラムされる、請求項1乃至11のいずれかに記載のプリンタデバイス。
【請求項13】
前記検出手段が、前記1次ノズルにより前記基板の所定の位置に堆積された生物流体の量を決定する定量化手段を有し、前記制御手段は、前記基板に堆積されることになる生物流体の所定の総量に等しい総堆積量を生み出すよう、前記2次ノズルに同じ生物流体の追加量を堆積させるようプログラムされる、請求項1乃至12のいずれかに記載のプリンタデバイス。
【請求項14】
基板を有し、前記基板上に複数の生物流体が堆積される生物試験アレイの生産における、請求項1乃至13のいずれかに記載のプリンタデバイスの使用。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずかに記載のプリンタデバイスを用いて、基板上に複数の生物流体を堆積させることにより生物試験アレイを生産する方法において、
前記基板に対してプリンタヘッドを位置決めするステップと、
前記1次ノズルにより前記基板上に生物流体の水滴を堆積させるステップと、
前記1次ノズルによる堆積における欠陥を検出し、前記1次ノズルにより堆積された生物流体の量において欠陥が検出された場合、続いて前記2次ノズルにより堆積させるステップとを有する、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法により得られる、複数の生物流体が堆積される基板を有する、生物試験アレイ。
【請求項17】
請求項16に記載の生物試験アレイを有する、生物試験キット。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−543042(P2009−543042A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517580(P2009−517580)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052591
【国際公開番号】WO2008/004186
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】