説明

用紙向き検出装置

【課題】折り畳まれたり綴じられたりした用紙をその向きを揃えて重ねる場合に、逆向きとなった用紙を人手によらずに検出する。
【解決手段】複数の用紙が積み重ねられて載置されるとともに、載置された複数の用紙のそれぞれについて、複数の用紙が積み重ねられてなる用紙束の側面のうち所定の向きに重ね合わされた用紙の紙片部間を開放していない第1の辺部となる側の第1の側面の一部を支持する支持枠10と、支持枠10に載置された複数の用紙のそれぞれに対して、用紙束の第1の側面側から空気を吹き付けるエアー供給ノズル22と、支持枠10に載置された複数の用紙のそれぞれに対して、用紙束の第1の側面と対向する第2の側面側から空気を吹き付けるエアー供給ノズル24とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳まれたり綴じられたりした用紙をその向きを揃えて重ねる場合に、逆向きとなった用紙を検出する用紙向き検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、クレジットカードや携帯電話の利用明細書は、所定の用紙に利用明細情報が印字され、封筒に封入されて利用者に発送されている。また、利用明細書を発送するクレジットカード会社や携帯電話会社においては、広告情報が掲載されたチラシを利用明細書とともに封筒に封入して利用者に発送することも行われている。
【0003】
このように封筒に封入される利用明細書やチラシは、その大きさが封入される封筒よりも大きいため、折り畳まれた状態で封筒に封入されることになるが、利用者が封筒からこれらを取り出した際に、利用明細書に印字された利用明細情報や、チラシに掲載された広告情報を見やすくするために、その向きを揃えておく必要がある。また、利用明細書においては、窓開き封筒に封入され、その一部となる宛先情報が印字された領域が封筒の窓部から表出するようにする場合は、封入される利用明細書の向きが正しくないと、宛先情報が封筒の窓部から表出せず、利用明細書が利用者に届かなくなってしまう等といった不具合が生じる。
【0004】
また、広告情報が掲載された複数の印刷物が封筒に封入されてなるダイレクトメールやビジネスメールにおいても、その送付先において印刷物を封筒から取り出した際に広告情報を見やすくするために、印刷物の向きを揃えておく必要がある。
【0005】
上述したような複数の印刷物を1つの封筒に同封する場合は、同封される複数の印刷物がフィーダから1枚ずつフィードされて順次重ね合わされ、封筒に封入される。そのため、印刷物を1枚ずつフィードするフィーダのそれぞれには、フィードされる印刷物が折り畳まれた状態で供給されることになる。この際、同一種類の印刷物は、情報が印字されて折り畳まれた後、複数毎が重ね合わされてフィーダに供給されることになるが、折り畳まれた印刷物が複数毎重ね合わされると、折り部によって傾きが生じてしまうため、その向きが所定枚数毎に互い違いとなるように重ね合わされてフィーダに供給されることになる。そのため、重ね合わされた印刷物が実際にフィーダにかけられる前に作業者が印刷物の向きを揃える作業を行い、それにより、1つの封筒に封入される印刷物の向きが揃えられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したように、その向きが所定枚数毎に互い違いとなるように重ね合わされた印刷物が、実際にフィーダにかけられる前に作業者によってその向きが揃えられる場合は、印刷物の向きを揃える作業が人手による作業であるため、向きが揃っていない印刷物が存在してしまう虞れがある。そのため、印刷物の向きを揃えた際に、向きが揃っていない印刷物があるかどうかを作業者が目視で確認することが行われているが、これも人手による作業であるため、見落としが生じてしまう虞れがある。
【0007】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、折り畳まれたり綴じられたりした用紙をその向きを揃えて重ねる場合に、逆向きとなった用紙を人手によらずに検出することができる用紙向き検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、
複数の紙片部が重ね合わされて構成され、前記複数の紙片部間を開放していない第1の辺部と、前記第1の辺部と対向し、前記複数の紙片部のうち少なくとも一部の紙片部間を開放している第2の辺部とを有する複数の用紙が、所定の向きになるように重ね合わされた場合に、前記重ね合わされた複数の用紙の中から前記所定の向きに対して前記第1の辺部と前記第2の辺部とが逆になるように逆向きに重ね合わされた用紙を検出する用紙向き検出装置であって、
前記複数の用紙が積み重ねられて載置されるとともに、載置された複数の用紙のそれぞれについて、前記複数の用紙が積み重ねられてなる用紙束の側面のうち前記所定の向きに重ね合わされた用紙の前記第1の辺部となる側の第1の側面の一部を支持する支持枠と、
前記支持枠に載置された複数の用紙のそれぞれに対して、前記用紙束の前記第1の側面側から空気を吹き付ける第1の空気吹付手段と、
前記支持枠に載置された複数の用紙のそれぞれに対して、前記用紙束の前記第1の側面と対向する第2の側面側から空気を吹き付ける第2の空気吹付手段とを有する。
【0009】
上記のように構成された本発明においては、重ね合わされた複数の用紙が支持枠に積み重ねられて載置され、この状態で、支持枠に載置された複数の用紙に対して第1及び第2の空気吹付手段から空気がそれぞれ吹き付けられる。第1の空気吹付手段から吹き付けられる空気は、複数の用紙が積み重ねられてなる用紙束の側面のうち所定の向きに重ね合わされた用紙の第1の辺部となる側の第1の側面側から吹き付けられることになる。支持枠に載置された複数の用紙に対して第1の空気吹付手段から空気が吹き付けられると、所定の向きに重ね合わされた用紙においては、第1の空気吹付手段によって空気が吹き付けられる側が、用紙を構成する複数の紙片部間が開放されていない第1の辺部となっているため、空気が用紙の表裏を通って反対側に抜け、吹き付けられた空気によって第1の空気吹付手段とは反対側に飛び出ることはない。またこの際、支持枠に載置された複数の用紙に対しては、第1の空気吹付手段とは反対側から第2の空気吹付手段によって空気が吹き付けられており、この第2の空気吹付手段から吹き付けられる空気によって、所定の向きに重ね合わされた用紙が、第1の空気吹付手段側に押え付けられ、第1の空気吹付手段から吹き付けられる空気によって、第1の空気吹付手段とは反対側に飛び出ることはない。ここで、所定の向きに重ね合わされた用紙においては、第2の空気吹付手段によって空気が吹き付けられる側が、用紙を構成する複数の紙片部のうち少なくとも一部の紙片部間が開放された第2の辺部となっているため、第2の空気吹付手段によって吹き付けられた空気が、開放された紙片部間に入り込んで複数の紙片部間が開放されていない第1の辺部に突き当たり、それにより、第2の空気吹付手段から吹き付けられた空気によって第2の空気吹付手段とは反対側に飛び出るような力が働くが、複数の用紙が積み重ねられてなる用紙束の第2の空気吹付手段とは反対側の第1の側面はその一部が支持枠によって支持されているため、第2の空気吹付手段から吹き付けられた空気によって、所定の向きに重ね合わされた用紙が第2の空気吹付手段とは反対側に飛び出ることはない。一方、所定の向きとは逆向きに重ね合わされた用紙においては、第1の空気吹付手段によって空気が吹き付けられる側が、用紙を構成する複数の紙片部のうち少なくとも一部の紙片部間が開放された第2の辺部となっているため、第1の空気吹付手段によって吹き付けられた空気が、開放された紙片部間に入り込んで複数の紙片部間が開放されていない第1の辺部に突き当たり、それにより、第1の空気吹付手段から吹き付けられた空気によって第1の空気吹付手段とは反対側に飛び出る。この際、支持枠に載置された複数の用紙に対しては、上述したように第1の空気吹付手段とは反対側から第2の空気吹付手段によって空気が吹き付けられているが、所定の向きとは逆向きに重ね合わされた用紙においては、第2の空気吹付手段によって空気が吹き付けられる側が、用紙を構成する複数の紙片部間が開放されていない第1の辺部となっているため、第2の空気吹付手段によって吹き付けられた空気が用紙の表裏を通って反対側に抜け、所定の向きとは逆向きに重ね合わされた用紙が第1の空気吹付手段とは反対側に飛び出ることが妨げられることはなく、かつ、所定の向きとは逆向きに重ね合わされた用紙が、所定の向きに重ね合わされた用紙と分離しやすくなり、第1の空気吹付手段とは反対側に飛び出しやすくなる。
【0010】
これにより、支持枠に積み重ねられて載置された複数の用紙のうち、所定の方向とは逆向きに重ね合わされた用紙のみが第1の空気吹付手段とは反対側に飛び出ることとなり、折り畳まれたり綴じられたりした用紙をその向きを揃えて重ねる場合に、逆向きとなった用紙を検出することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明においては、複数の用紙が積み重ねられて載置されるとともに、載置された複数の用紙のそれぞれについて、複数の用紙が積み重ねられてなる用紙束の側面のうち所定の向きに重ね合わされた用紙の紙片部間を開放していない第1の辺部となる側の第1の側面の一部を支持する支持枠と、支持枠に載置された複数の用紙のそれぞれに対して、用紙束の第1の側面側から空気を吹き付ける第1の空気吹付手段と、支持枠に載置された複数の用紙のそれぞれに対して、用紙束の第1の側面と対向する第2の側面側から空気を吹き付ける第2の空気吹付手段とを有する構成としたため、支持枠に積み重ねられて載置された複数の用紙に対して第1及び第2の空気吹付手段から空気が吹き付けられると、複数の用紙のうち、所定の方向とは逆向きに重ね合わされた用紙のみが第1の空気吹付手段とは反対側に飛び出ることとなり、折り畳まれたり綴じられたりした用紙をその向きを揃えて重ねる場合に、逆向きとなった用紙を人手によらずに検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の用紙向き検出装置の実施の一形態を示す外観斜視図である。また、図2は、図1に示したエアー供給ノズル22の詳細な構造を示す図であり、図3は、図1に示したエアー供給ノズル24の詳細な構造を示す図である。
【0014】
本形態は図1に示すように、重ね合わされた複数枚の用紙が積み重ねられて載置される支持枠10と、支持枠10に載置された複数枚の用紙に対して空気を吹き付ける第1の空気吹付手段であるエアー供給ノズル22及び第2の空気吹付手段である2つのエアー供給ノズル24と、エアー供給ノズル22,24に空気を供給するエアー供給器21と、支持枠10に積み重ねられて載置された複数枚の用紙を最下面の用紙から1枚ずつボトムフィードするフィードローラ14と、支持枠10に積み重ねられて載置された用紙がエアー供給ノズル22から吹き付けられる空気によってエアー供給ノズル22とは反対側に飛び出した場合にその旨を検出する光学センサ31と、用紙が飛び出した旨が光学センサ31にて検出された場合に点灯するパトライト32と、光学センサ31における検出結果に基づいてパトライト32を点灯させる制御器33とから構成されている。
【0015】
支持枠10は、重ね合わされた複数枚の用紙が積み重ねられて載置される載置台11と、複数枚の用紙が積み重ねられてなる用紙束の側面を支持するL字型の2つのガイド部12a,12bとから構成されており、載置台11には、穴部13が設けられてこの穴部13からフィードローラ14が表出している。2つのガイド部12a,12bは、L字型の形状を有することにより、載置台11上に載置された複数枚の用紙のそれぞれについて、この複数枚の用紙が積み重ねられてなる用紙束の1つの側面の一部をそれぞれ支持するとともに、その側面に隣接し、互いに対向する側面をそれぞれ支持する。また、2つのガイド部12a,12bは、載置台11上に載置される用紙のサイズに応じてその間隔が調節可能となっている。
【0016】
エアー供給ノズル22は、載置台11上に載置された複数枚の用紙のそれぞれに対して、エアー供給器21から供給された空気を、ガイド部12a,12bによってその一部が支持された側から吹き付けるものであって、載置台11上に載置された用紙の積み重ね方向に支持軸23によって複数枚の用紙に対向しながら移動可能に構成されている。また、図2に示すように、エアー供給ノズル22はその先端部が複数のエアー吹出口25からなり、複数のエアー吹出口25は、載置台11上に載置された用紙の積み重ね方向に直交する方向に配列されている。
【0017】
エアー供給ノズル24は、載置台11上に載置された複数枚の用紙のそれぞれに対して、エアー供給器21から供給された空気を、エアー供給ノズル22とは反対側から吹き付けるものであって、ガイド部12a,12bのL字型の短辺に対向する位置にそれぞれ配置されている。また、図3に示すように、エアー供給ノズル24はその先端部が複数のエアー吹出口26からなり、複数のエアー吹出口26は、載置台11上に載置された用紙の積み重ね方向に配列されている。
【0018】
これらエアー供給ノズル22,24は、エアー供給器21において、排出する空気の流量、圧縮空気圧及び空気を排出するON/OFFのタイミングを個別に設定することができるようになっている。
【0019】
光学センサ31は、一対のセンサからなり、一方から照射された光が他方にて受光されているかどうかによって一対のセンサ間に物体が存在するかどうかを検出するものであって、載置台11上に複数枚の用紙が積み重ねられた状態ではセンサ間に用紙が存在せず、載置台11上に積み重ねられた用紙がエアー供給ノズル22から吹き付けられる空気によってエアー供給ノズル22とは反対側に飛び出した場合にその用紙がセンサ間に存在するような位置に配置されている。
【0020】
以下に、上記のように構成された用紙向き検出装置1を用いて、所定の向きに重ね合わされた複数の用紙の中から所定の向きとは逆向きに重ね合わされた用紙を検出する際の動作について説明する。
【0021】
まず、上記のように構成された用紙向き検出装置1にて向きを検出可能な用紙について説明する。
【0022】
図4は、図1に示した用紙向き検出装置1にて向きを検出可能な用紙の一例を示す図であり、(a)は外観図、(b)は積層構造を示す図である。
【0023】
図1に示した用紙向き検出装置1にて向きを検出可能な用紙としては、例えば、図4に示すように、折り部41cを介して2つの紙片部41a,41bが連続してなる紙片41と、折り部42cを介して2つの紙片部42a,42bが連続してなる紙片42と、折り部43cを介して2つの紙片部43a,43bが連続してなる紙片43とが、折り部41c〜43cにて粘着剤44によって互いに貼着されて綴じられ、折り部41c〜43cにて折り畳まれて構成されたチラシ40が挙げられる。このチラシ40は、上述したような構成によって、複数の紙片部41a,41b,42a,42b,43a,43bが重ね合わされて構成され、折り部41c〜43c側の辺部が第1の辺部となって紙片部41a,41b,42a,42b,43a,43b間が開放されておらず、かつ、紙片部41a,41b,42a,42b,43a,43bの折り部41c〜43cに対向する辺部が第2の辺部となって紙片部41a,41b,42a,42b,43a,43b間が開放されている。
【0024】
このように構成されたチラシ40は、互いに貼着された紙片41〜43が折り部41c〜43cにてそれぞれ折り畳まれ、それぞれの折り部41c〜43cが重なり合うように所定の向きで重ね合わされて図1に示した用紙向き検出装置1の支持枠10に積み重ねられて載置されることになる。
【0025】
図5は、図1に示した用紙向き検出装置1の支持枠10に図4に示した構成を有するチラシが載置された状態の一例を示す図であり、(a)は上面図、(b)はガイド板12b側から見た図である。
【0026】
図5に示すように、図4に示したものと同様の構成のチラシ40−1〜40−8は、所定の向きに重ね合わされ、粘着剤44によって綴じられた折り部41c〜43c側の辺部の一部がガイド部12a,12bのL字型の短辺に当接するように用紙向き検出装置1の支持枠10に積み重ねられて載置される。この際、光学センサ31を構成する一対のセンサ間にはチラシ40−1〜40−8が存在していないため、光学センサ31においてはチラシ40−1〜40−8が検出されていない状態となっている。なお、本例においては、説明を簡単にするために8つのチラシ40−1〜40−8が重ね合わされて用紙向き検出装置1の支持枠10に積み重ねられた場合を例に挙げて説明しているが、実際にはこれよりも多くのチラシが重ね合わされて用紙向き検出装置1の支持枠10に積み重ねられて載置されることになる。
【0027】
このようにチラシ40−1〜40−8が支持枠10に積み重ねられて載置されることにより、図5に示すように、エアー供給ノズル22は、チラシ40−1〜40−8のそれぞれについて、チラシ40−1〜40−8が積み重ねられてなる用紙束の側面のうち、所定の向きに重ね合わされたチラシ40−1〜40−8の折り部41c〜43cとなる側の第1の側面側から空気を吹き付け、また、エアー供給ノズル24は、チラシ40−1〜40−8のそれぞれについて、チラシ40−1〜40−8が積み重ねられてなる用紙束の側面のうち、上述した第1の側面と対向する第2の側面側から空気を吹き付けることになる。
【0028】
次に、上述したように所定の向きに重ね合わされたチラシ40−1〜40−8が用紙向き検出装置1の支持枠10に積み重ねられて載置された状態において逆向きに重ね合わされたチラシを検出する際の動作について説明する。
【0029】
図6は、図1に示した用紙向き検出装置1の支持枠10に所定の向きで重ね合わされて載置されたチラシの中から逆向きに重ね合わされたチラシを検出する際の動作を説明するための図であり、(a)は所定の向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズル22,24から空気が吹き付けられた状態を示す図、(b)は逆向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズル22,24から空気が吹き付けられた状態を示す図である。なお、本例においては、図4に示したものと同様の構成を有する8枚のチラシ40−1〜40−8が重ね合わされ、そのうち、チラシ40−1〜40−3,40−5〜40−8が所定の向きに、また、チラシ40−4のみがそれとは逆向きに重ね合わされたものとする。
【0030】
8枚のチラシ40−1〜40−8を、これらが重ね合わされた状態で、所定の向きに重ね合わされたチラシ40−1〜40−3,40−5〜40−8の折り部41c〜43c側の辺部の一部がガイド部12a,12bのL字型の短辺に当接するように用紙向き検出装置1の支持枠10に積み重ねて載置し、エアー供給器21及びエアー供給ノズル22,24を駆動させると、エアー供給器21からエアー供給ノズル22,24に空気が送られてエアー供給ノズル22,24のエアー吹出口25,26から空気が排出されるとともに、エアー供給ノズル22が載置台11側から上方に支持軸23によって移動しはじめる。なおこの際、エアー供給ノズル22,24から排出される空気の流量及び圧縮空気圧は、例えば、エアー供給ノズル22から排出される空気の流量及び圧縮空気圧が、エアー供給ノズル24から排出される空気の流量及び圧縮空気圧よりも大きくなる等というようにエアー供給器21によって個別に設定することができる。
【0031】
エアー供給ノズル22は、初期状態として、載置台11側に配置されており、また、エアー供給ノズル22を構成する複数のエアー吹出口25が、支持枠10に積み重ねられたチラシ40−1〜40−8の積み重ね方向に直交する方向に配列されているため、エアー供給ノズル22から排出された空気は、支持枠10に積み重ねられたチラシ40−1〜40−8のうち、まず、最下面となるチラシ40−1に吹き付けられ、その後、エアー供給ノズル22の移動に伴ってチラシ40−2〜40−8に1枚ずつ吹き付けられていくことになる。
【0032】
また、2つのエアー供給ノズル24は、ガイド部12a,12bのL字型の短辺に対向する位置にそれぞれ配置されており、また、エアー供給ノズル24を構成する複数のエアー吹出口26が、支持枠10に積み重ねられたチラシ40−1〜40−8の積み重ね方向に配列されているため、エアー供給ノズル24から排出された空気は、支持枠10に積み重ねられた全てのチラシ40−1〜40−8に吹き付けられることになる。
【0033】
エアー供給ノズル22から排出された空気が、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシ40−1〜40−8のうち、所定の向きに重ね合わされたチラシ40−1に吹き付けられると、図6(a)に示すように、エアー供給ノズル22によって空気が吹き付けられる側が、複数の紙片部41a,41b、42a,42b,43a,43b間が開放されていないため、エアー供給ノズル22によって吹き付けられた空気がチラシ40−1の表裏を通ってエアー供給ノズル22とは反対側に抜け、それにより、エアー供給ノズル22から吹き付けられた空気によってチラシ40−1がエアー供給ノズル22とは反対側に飛び出ることはない。またこの際、支持枠10に載置されたチラシ40−1〜40−8に対しては、エアー供給ノズル22とは反対側からエアー供給ノズル24によって空気が吹き付けられており、このエアー供給ノズル24から吹き付けられる空気によって、所定の向きに重ね合わされたチラシ40−1がエアー供給ノズル22側に押え付けられ、エアー供給ノズル22とは反対側に飛び出ることはない。ここで、所定の向きに重ね合わされたチラシ40−1においては、エアー供給ノズル24によって空気が吹き付けられる側が、複数の紙片部41a,41b、42a,42b,43a,43b間が開放された状態となっているため、エアー供給ノズル24によって吹き付けられた空気が、開放された複数の紙片部41a,41b、42a,42b,43a,43b間に入り込んで折り部43c及び紙片41〜43が粘着剤44によって貼着された部分に突き当たり、それにより、エアー供給ノズル24から吹き付けられた空気によってチラシ40−1がエアー供給ノズル24とは反対側に飛び出るような力が働くが、チラシ40−1〜40−8が積み重ねられてなる用紙束のエアー供給ノズル24とは反対側の側面はその一部がガイド部12a,12bによって支持されているため、エアー供給ノズル24から吹き付けられた空気によってチラシ40−1がエアー供給ノズル24とは反対側に飛び出ることはない。これは、所定の向きに重ね合わされたチラシ40−2,40−3,40−5〜40−8についても同様である。
【0034】
一方、所定の向きとは逆向きに重ね合わされたチラシ40−4においては、図6(b)に示すように、エアー供給ノズル22によって空気が吹き付けられる側が、複数の紙片部41a,41b、42a,42b,43a,43b間が開放された状態となっているため、エアー供給ノズル22によって吹き付けられた空気が、開放された複数の紙片部41a,41b、42a,42b,43a,43b間に入り込んで折り部43c及び紙片41〜43が粘着剤44によって貼着された部分に突き当たり、それにより、エアー供給ノズル22から吹き付けられた空気によってチラシ40−4がエアー供給ノズル22とは反対側に飛び出る。この際、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシ40−1〜40−8に対しては、上述したようにエアー供給ノズル22とは反対側からエアー供給ノズル24によって空気が吹き付けられているが、所定の向きとは逆向きに重ね合わされたチラシ40−4においては、エアー供給ノズル24によって空気が吹き付けられる側が、複数の紙片部41a,41b、42a,42b,43a,43b間が開放されていないため、エアー供給ノズル24によって吹き付けられた空気がチラシ40−4の表裏を通ってエアー供給ノズル24とは反対側に抜け、所定の向きとは逆向きに重ね合わされたチラシ40−4がエアー供給ノズル22とは反対側に飛び出ることが妨げられることはない。また、エアー供給ノズル24から吹き付けられる空気がチラシ40−4の表裏を通ってエアー供給ノズル24とは反対側に抜けることにより、チラシ40−4が、チラシ40−3,40−5から分離しやすくなり、エアー供給ノズル22とは反対側に飛び出しやすくなる。なお、エアー供給器21によって、まず、エアー供給ノズル24から空気が排出され、その状態でエアー供給ノズル22から空気が排出されるような構成とすることにより、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシ40−1〜40−8のうち最下面のチラシ40−1が所定の向きとは逆向きに重ね合わされている場合であっても、チラシ40−1をエアー供給ノズル22とは反対側に飛び出しやすくすることができる。エアー供給ノズル22から吹き付けられた空気によってエアー供給ノズル22とは反対側に飛び出したチラシ40−4は、上部にチラシ40−5〜40−8が重ね合わされているため、エアー供給ノズル22からチラシ40−4に空気が吹き付けられなくなった後も元の状態に戻ることはなく、さらに、エアー供給ノズル24から吹き付けられる空気によって飛び出した部分が折り曲がることによって元の状態に戻ってしまう可能性をさらに低減することができる。
【0035】
このようにしてエアー供給ノズル22から吹き付けられた空気によってチラシ40−4がエアー供給ノズル22と反対側に飛び出ると、光学センサ31を構成する一対のセンサのうち一方から照射された光がチラシ40−4によって遮られ、他方のセンサにて受光されなくなる。
【0036】
すると、その旨が制御器33に通知され、制御器33の制御によってパトライト32が点灯し、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシ40−1〜40−8の中に、所定の向きとは逆向きに重ね合わされたチラシが存在する旨が示され、支持枠10から飛び出したチラシ40−4がチラシ40−1〜40−8の中から一旦抜き取られ、正しい向きとされてチラシ40−1〜40−3,40−5〜40−8の中に戻される。
【0037】
ここで、上述した用紙向き検出装置1においては、エアー供給ノズル22,24から吹き付けられる空気によって、支持枠10に積み重ねられた複数の用紙を互いに分離しやすいように捌くことができる効果も生じる。以下に、その効果について説明する。
【0038】
図7は、図1に示した用紙向き検出装置1において支持枠10に積み重ねられた複数の用紙が捌かれる状態を示す図であり、(a)は支持枠10の底部にて用紙が捌かれる場合を示す図、(b)は支持枠10の中間部にて用紙が捌かれる場合を示す図である。
【0039】
上述したように、支持枠10に積み重ねられて載置された複数枚のチラシに対して、エアー供給ノズル22,24から空気が吹き付けられると、エアー供給ノズル22,24から吹き付けられた空気が複数枚のチラシ間に入り込み、複数枚のチラシが互いに分離しやすいように捌かれることになる。それにより、逆向きに重ね合わされたチラシがエアー供給ノズル24側に飛び出しやすくすることができる。
【0040】
またこの際、支持枠10に積み重ねられて載置された複数枚のチラシのうち最上面となるチラシにおいては、吹き付けられる空気によって舞い上がり、最上面となるチラシが所定の向きとは逆向きに重ね合わされている場合、そのチラシがエアー供給ノズル24側に飛び出しにくくなってしまう。
【0041】
そこで、例えば、図7(a)に示すように、支持枠10に積み重ねられて載置された複数枚のチラシのうち載置台11側から所定の枚数のみについて、上述した処理を行い、その上面に積み重ねられたチラシを重み代わりに利用することが考えられる。その場合、逆向きの検出処理が完了したチラシは、フィードローラ14によって最下面から順次フィードされていき、支持枠10に積み重ねられて載置された複数枚のチラシについて、上述した処理が順次行われていくことになる。
【0042】
また、図7(b)に示すように、支持枠10に積み重ねられて載置された複数枚のチラシの中間部の所定の枚数のみについて、上述した処理を行い、その上面に積み重ねられたチラシを重み代わりに利用することが考えられる。その場合、逆向きの検出処理が完了したチラシは、支持枠10において、逆向き検出処理が行われているチラシの下部に一時的に保持され、その後、フィードローラ14によって最下面から順次フィードされていき、支持枠10に積み重ねられて載置された複数枚のチラシについて、上述した処理が順次行われていくことになる。
【0043】
なお、上述した実施の形態においては、図1に示した用紙向き検出装置1の支持枠10に積み重ねられて載置されることにより向きを検出可能な用紙として、図4に示したような、折り部41cを介して2つの紙片部41a,41bが連続してなる紙片41と、折り部42cを介して2つの紙片部42a,42bが連続してなる紙片42と、折り部43cを介して2つの紙片部43a,43bが連続してなる紙片43とが、折り部41c〜43cにて粘着剤44によって互いに貼着されて綴じられ、折り部41c〜43cにて折り畳まれて構成されたチラシ40を例に挙げて説明したが、折り部にて折り畳まれただけの用紙であってもよい。以下に、そのような用紙の例を示す。
【0044】
図8は、図1に示した用紙向き検出装置1にて向きを検出可能な用紙の他の例を示す図であり、(a)は外観図、(b)は積層構造を示す図である。
【0045】
図1に示した用紙向き検出装置1の支持枠10に積み重ねられて載置されることにより向きを検出可能な用紙としては、図4に示したものの他に、例えば、図8に示すように、3つの紙片部141〜143が折り部144a,144bを介して連続して構成されたチラシ140が挙げられる。このチラシ140は、折り部144a,144bにて折り畳まれることによって、3つの紙片部141〜143が重ね合わされて構成され、折り部144a側の辺部が第1の辺部となって紙片部141〜143間が開放されておらず、かつ、紙片部141の折り部144aに対向する辺部及び折り部144b側が第2の辺部となって紙片部141と紙片部142,143との間が開放されている。
【0046】
このように構成されたチラシ140は、折り部144a,144bにてそれぞれ折り畳まれ、折り部144a,144bがそれぞれ重なり合うように所定の向きで重ね合わされ、折り部144aがエアー供給ノズル22と対向する向きで図1に示した用紙向き検出装置1の支持枠10に載置されることになる。
【0047】
図9は、図1に示した用紙向き検出装置1の支持枠10に図8に示した構成を有するチラシが載置された状態の一例を示す図であり、ガイド部12b側から見た図である。
【0048】
図9に示すように、図8に示したものと同様の構成のチラシ140−1〜140−8は、所定の向きに重ね合わされ、折り部144a側の辺部の一部がガイド部12a,12bのL字型の短辺に当接するように用紙向き検出装置1の支持枠10に積み重ねられて載置される。この際、光学センサ31を構成する一対のセンサ間にはチラシ140−1〜140−8が存在していないため、光学センサ31においてはチラシ140−1〜140−8が検出されていない状態となっている。なお、本例においても、説明を簡単にするために8つのチラシ140−1〜140−8が重ね合わされて用紙向き検出装置1の支持枠10に積み重ねられて載置された場合を例に挙げて説明しているが、実際にはこれよりも多くのチラシが重ね合わされて用紙向き検出装置1の支持枠10に積み重ねられて載置されることになる。
【0049】
このようにチラシ140−1〜140−8が支持枠10に積み重ねられて載置されることにより、図9に示すように、エアー供給ノズル22は、チラシ140−1〜140−8のそれぞれについて、チラシ140−1〜140−8が積み重ねられてなる用紙束の側面のうち、所定の向きに重ね合わされたチラシ140−1〜140−8の折り部144aとなる側の第1の側面側から空気を吹き付け、また、エアー供給ノズル24は、チラシ140−1〜140−8のそれぞれについて、チラシ140−1〜140−8が積み重ねられてなる用紙束の側面のうち、上述した第1の側面と対向する第2の側面側から空気を吹き付けることになる。
【0050】
以下に、上述したように所定の向きに重ね合わされたチラシ140−1〜140−8が用紙向き検出装置1の支持枠10に積み重ねられて載置された状態において逆向きに重ね合わされたチラシを検出する際の動作について説明する。
【0051】
図10は、図1に示した用紙向き検出装置1の支持枠10に所定の向きで重ね合わされて載置されたチラシの中から逆向きに重ね合わされたチラシを検出する際の動作を説明するための図であり、(a)は所定の向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズル22,24から空気が吹き付けられた状態を示す図、(b)は逆向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズル22,24から空気が吹き付けられた状態を示す図である。なお、本例においては、図8に示したものと同様の構成を有する8枚のチラシ140−1〜140−8が重ね合わされ、そのうち、チラシ140−1〜140−3,140−5〜140−8が所定の向きに、また、チラシ40−4のみがそれとは逆向きに重ね合わされたものとする。
【0052】
8枚のチラシ140−1〜140−8を、これらが重ね合わされた状態で、所定の向きに重ね合わされたチラシ140−1〜140−3,140−5〜140−8の折り部141a側の辺部の一部がガイド部12a,12bのL字型の短辺に当接するように用紙向き検出装置1の支持枠10に積み重ねて載置し、エアー供給器21及びエアー供給ノズル22,24を駆動させると、エアー供給器21からエアー供給ノズル22,24に空気が送られてエアー供給ノズル22,24のエアー吹出口25,26から空気が排出されるとともに、エアー供給ノズル22が載置台11側から上方に支持軸23によって移動しはじめる。なおこの際、エアー供給ノズル22,24から排出される空気の流量及び圧縮空気圧は、例えば、エアー供給ノズル22から排出される空気の流量及び圧縮空気圧が、エアー供給ノズル24から排出される空気の流量及び圧縮空気圧よりも大きくなる等というようにエアー供給器21によって個別に設定することができる。
【0053】
エアー供給ノズル22は、初期状態として、載置台11側に配置されており、また、エアー供給ノズル22を構成する複数のエアー吹出口25が、支持枠10に積み重ねられたチラシ140−1〜140−8の積み重ね方向に直交する方向に配列されているため、エアー供給ノズル22から排出された空気は、支持枠10に積み重ねられたチラシ140−1〜140−8のうち、まず、最下面となるチラシ140−1に吹き付けられ、その後、エアー供給ノズル22の移動に伴ってチラシ140−2〜140−8に1枚ずつ吹き付けられていくことになる。
【0054】
また、2つのエアー供給ノズル24は、ガイド部12a,12bのL字型の短辺に対向する位置にそれぞれ配置されており、また、エアー供給ノズル24を構成する複数のエアー吹出口26が、支持枠10に積み重ねられたチラシ140−1〜140−8の積み重ね方向に配列されているため、エアー供給ノズル24から排出された空気は、支持枠10に積み重ねられた全てのチラシ140−1〜140−8に吹き付けられることになる。
【0055】
エアー供給ノズル22から排出された空気が、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシ140−1〜140−8のうち、所定の向きに重ね合わされたチラシ140−1に吹き付けられると、図10(a)に示すように、エアー供給ノズル22によって空気が吹き付けられる側が、複数の紙片部141〜143間が開放されていないため、エアー供給ノズル22によって吹き付けられた空気がチラシ140−1の表裏を通ってエアー供給ノズル22とは反対側に抜け、それにより、エアー供給ノズル22から吹き付けられた空気によってチラシ140−1がエアー供給ノズル22とは反対側に飛び出ることはない。またこの際、支持枠10に載置されたチラシ140−1〜140−8に対しては、エアー供給ノズル22とは反対側からエアー供給ノズル24によって空気が吹き付けられており、このエアー供給ノズル24から吹き付けられる空気によって、所定の向きに重ね合わされたチラシ140−1がエアー供給ノズル22側に押え付けられ、エアー供給ノズル22とは反対側に飛び出ることはない。ここで、所定の向きに重ね合わされたチラシ140−1においては、エアー供給ノズル24によって空気が吹き付けられる側が、紙片部141と紙片部142,143との間が開放された状態となっているため、エアー供給ノズル24によって吹き付けられた空気が、開放された紙片部141と紙片部143との間に入り込んで折り部144aに突き当たり、それにより、エアー供給ノズル24から吹き付けられた空気によってチラシ140−1がエアー供給ノズル24とは反対側に飛び出るような力が働くが、チラシ140−1〜140−8が積み重ねられてなる用紙束のエアー供給ノズル24とは反対側の側面はその一部がガイド部12a,12bによって支持されているため、エアー供給ノズル24から吹き付けられた空気によってチラシ140−1がエアー供給ノズル24とは反対側に飛び出ることはない。これは、所定の向きに重ね合わされたチラシ140−2,140−3,140−5〜140−8についても同様である。
【0056】
一方、所定の向きとは逆向きに重ね合わされたチラシ140−4においては、図10(b)に示すように、エアー供給ノズル22によって空気が吹き付けられる側が、紙片部141と紙片部142,143との間が開放された状態となっているため、エアー供給ノズル22によって吹き付けられた空気が、開放された紙片部141と紙片部143との間に入り込んで折り部144aに突き当たり、それにより、エアー供給ノズル22から吹き付けられた空気によってチラシ140−4がエアー供給ノズル22とは反対側に飛び出る。この際、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシ140−1〜140−8に対しては、上述したようにエアー供給ノズル22とは反対側からエアー供給ノズル24によって空気が吹き付けられているが、所定の向きとは逆向きに重ね合わされたチラシ140−4においては、エアー供給ノズル24によって空気が吹き付けられる側が、複数の紙片部141〜143間が開放されていないため、エアー供給ノズル24によって吹き付けられた空気がチラシ140−4の表裏を通ってエアー供給ノズル24とは反対側に抜け、所定の向きとは逆向きに重ね合わされたチラシ140−4がエアー供給ノズル22とは反対側に飛び出ることが妨げられることはない。また、エアー供給ノズル24から吹き付けられる空気がチラシ140−4の表裏を通ってエアー供給ノズル24とは反対側に抜けることにより、チラシ140−4が、チラシ140−3,140−5から分離しやすくなり、エアー供給ノズル22とは反対側に飛び出しやすくなる。なお、エアー供給器21によって、まず、エアー供給ノズル24から空気が排出され、その状態でエアー供給ノズル22から空気が排出されるような構成とすることにより、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシ140−1〜140−8のうち最下面のチラシ140−1が所定の向きとは逆向きに重ね合わされている場合であっても、チラシ140−1をエアー供給ノズル22とは反対側に飛び出しやすくすることができる。エアー供給ノズル22から吹き付けられた空気によってエアー供給ノズル22とは反対側に飛び出したチラシ140−4は、上部にチラシ140−5〜140−8が重ね合わされているため、エアー供給ノズル22からチラシ140−4に空気が吹き付けられなくなった後も元の状態に戻ることはなく、さらに、エアー供給ノズル24から吹き付けられる空気によって飛び出した部分が折り曲がることによって元の状態に戻ってしまう可能性をさらに低減することができる。
【0057】
このようにエアー供給ノズル24側に飛び出したチラシ140−4は、図7に示したものと同様にして、その旨が光学センサ51にて検出され、所定の向きとは逆向きに重ね合わされたことが検出されることになる。
【0058】
なお、本形態においては、エアー供給ノズル22が、図2に示したように、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシの積み重ね方向に直交する方向に配列された複数のエアー吹出口25を先端部に有するものであるが、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシの積み重ね方向に直交する方向を長手方向とする長手形状の吹出口を1つだけ有するものであってもよく、また、その形状が長手形状でないものであってもよい。ただし、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシの積み重ね方向に直交する方向に複数のエアー吹出口25が配列されたものや、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシの積み重ね方向に直交する方向を長手方向とする長手形状の吹出口を1つだけ有するものである場合は、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシと平行にチラシの1枚ずつにスポット的に多くの空気を順次吹き付けることができるため、エアー供給ノズル22から吹き付けられた空気によってチラシを飛び出しやすくすることができる。
【0059】
また、エアー供給ノズル24においても、図3に示したように、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシの積み重ね方向に配列された複数のエアー吹出口26を先端部に有するものに限らず、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシの積み重ね方向を長手方向とする長手形状の吹出口を1つだけ有するものであってもよく、また、その形状が長手形状でないものであってもよい。
【0060】
また、本形態においては、支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシに対して空気を吹き付けるエアー供給ノズル22が、支持軸23によってチラシの重ね合わせ方向に移動する構成としているが、エアー供給ノズル22を固定するとともに支持枠10をチラシの重ね合わせ方向に移動させることによりエアー供給ノズル22と支持枠10との相対位置を変化させ、エアー供給ノズル22から排出された空気が吹き付けられるチラシを変えていく構成とすることも考えられる。また、エアー供給ノズル22と支持枠10とを固定し、エアー供給ノズル22を支持枠10に積み重ねられて載置されたチラシに対して一度に空気を吹き付ける構成とすることも考えられる。
【0061】
また、図1に示した用紙向き検出装置1にてその向きが検出される用紙としては、図4や図8に示した構成を有するチラシに限らず、複数の紙片部が重ね合わされて構成され、複数の紙片部間を開放していない第1の辺部と、第1の辺部と対向し、複数の紙片部のうち少なくとも一部の紙片部間を開放している第2の辺部とを有するものであれば、例えば、第1の辺部がステープル留めされたものや、第2の辺部に折り部を有し、その折り部にて折り畳まれる紙片部の長さが短いもの等、様々なものを適用することができる。例えば、第1の辺部あるいはその他の辺部に、マージナルパンチのような小さな径を有する孔が数個形成されているものであってもよい。また、複数の紙片間が開放されていない第1の辺部に隣接する2つの辺部が、複数の紙片間が開放されていない封筒形状のものや、複数の紙片間が開放されていない第1の辺部に隣接する1つの辺部が、複数の紙片間が開放されていないものにおいても、図1に示した用紙向き検出装置1にてその向きを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の用紙向き検出装置の実施の一形態を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示したエアー供給ノズルの詳細な構造を示す図である。
【図3】図1に示したエアー供給ノズルの詳細な構造を示す図である。
【図4】図1に示した用紙向き検出装置にて向きを検出可能な用紙の一例を示す図であり、(a)は外観図、(b)は積層構造を示す図である。
【図5】図1に示した用紙向き検出装置の支持枠に図4に示した構成を有するチラシが載置された状態の一例を示す図であり、(a)は上面図、(b)はガイド板側から見た図である。
【図6】図1に示した用紙向き検出装置の支持枠に所定の向きで重ね合わされて載置されたチラシの中から逆向きに重ね合わされたチラシを検出する際の動作を説明するための図であり、(a)は所定の向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズルから空気が吹き付けられた状態を示す図、(b)は逆向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズルから空気が吹き付けられた状態を示す図である。
【図7】図1に示した用紙向き検出装置において支持枠に積み重ねられた複数の用紙が捌かれる状態を示す図であり、(a)は支持枠の底部にて用紙が捌かれる場合を示す図、(b)は支持枠の中間部にて用紙が捌かれる場合を示す図である。
【図8】図1に示した用紙向き検出装置にて向きを検出可能な用紙の他の例を示す図であり、(a)は外観図、(b)は積層構造を示す図である。
【図9】図1に示した用紙向き検出装置の支持枠に図8に示した構成を有するチラシが載置された状態の一例を示す図である。
【図10】図1に示した用紙向き検出装置の支持枠に所定の向きで重ね合わされて載置されたチラシの中から逆向きに重ね合わされたチラシを検出する際の動作を説明するための図であり、(a)は所定の向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズルから空気が吹き付けられた状態を示す図、(b)は逆向きで重ね合わされたチラシに対してエアー供給ノズルから空気が吹き付けられた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 用紙向き検出装置
10 支持枠
11 載置台
12a,12b ガイド部
13 穴部
14 フィードローラ
21 エアー供給器
22,24 エアー供給ノズル
23 支持軸
25,26 エアー吹出口
31 光学センサ
32 パトライト
33 制御器
40,40−1〜40−8,140,140−1〜140−8 チラシ
41〜43 紙片
41a,41b,42a,42b,43a,43b,141〜143 紙片部
41c,42c,43c,144a,144b 折り部
44 粘着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の紙片部が重ね合わされて構成され、前記複数の紙片部間を開放していない第1の辺部と、前記第1の辺部と対向し、前記複数の紙片部のうち少なくとも一部の紙片部間を開放している第2の辺部とを有する複数の用紙が、所定の向きになるように重ね合わされた場合に、前記重ね合わされた複数の用紙の中から前記所定の向きに対して前記第1の辺部と前記第2の辺部とが逆になるように逆向きに重ね合わされた用紙を検出する用紙向き検出装置であって、
前記複数の用紙が積み重ねられて載置されるとともに、載置された複数の用紙のそれぞれについて、前記複数の用紙が積み重ねられてなる用紙束の側面のうち前記所定の向きに重ね合わされた用紙の前記第1の辺部となる側の第1の側面の一部を支持する支持枠と、
前記支持枠に載置された複数の用紙のそれぞれに対して、前記用紙束の前記第1の側面側から空気を吹き付ける第1の空気吹付手段と、
前記支持枠に載置された複数の用紙のそれぞれに対して、前記用紙束の前記第1の側面と対向する第2の側面側から空気を吹き付ける第2の空気吹付手段とを有する用紙向き検出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−230800(P2008−230800A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−74889(P2007−74889)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】