説明

用紙後処理装置

【課題】非後処理用紙の専用パスを設け、画像形成装置での生産性を高めた用紙後処理装置を提供する。
【解決手段】入口ローラ22の下流側には、入口ローラ22で受け取られた用紙Pを2つのパス(流れ)に分岐するゲートGが設けられている。ゲートGは断面形状がくさび形をなし、くさび形の尖った部位が入口ローラ22の転動面近傍を向いている。ゲートGは用紙後処理装置7内の側壁部で回動可能に軸支されている。くさび形の尖った部位が概ね上入口ローラ22aを指す第1の位置と、概ね下入口ローラ22bを指す第2の位置をとる。第1の位置は、用紙Pに対して後処理を必要とする場合のパスを選択する場合であり、第2の位置は、用紙Pに対して後処理を必要としない場合のパスを選択する。ゲートGが第1の位置にあるとき、用紙Pは第1の給紙ローラ24に供給され、第1の給紙ローラ24から待機トレイ10に送られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ、複合機等の画像形成装置から排出される用紙の後処理を行う用紙後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置にあっては、画像形成後の用紙をソートしたりあるいはステイプル処理する等の用紙の後処理を行うために、画像形成装置本体の排紙部に用紙後処理装置を隣接して設けるものがある。このような用紙後処理装置では、先行する用紙の後処理が終了するのを待って後続の用紙の後処理を行う。画像形成装置本体から排出された後続の用紙を待機させるために、従来、例えばステイプルに達する経路の途中に待機トレイ等の退避経路を設けている装置がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
後処理をしない用紙も後処理を施す用紙も同様な経路を通して排紙トレイに排出させる場合、画像形成装置での画像形成のスピードを調整しなければならなかった。
【0004】
本発明は上記課題を解決するものであり、非後処理用紙の専用パスを設け、画像形成装置での生産性を低下させない用紙後処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、画像形成装置から排出される用紙を、後処理が必要な用紙の搬送経路と後処理を必要としない用紙の搬送経路とに分岐するゲートと、前記後処理を必要としない用紙専用のペーパーパスと、前記後処理が必要な用紙のうち、所定の用紙を待機させる待機トレイと、前記待機トレイの下方に配置され、前記待機トレイから落下供給される前記用紙及び/又は前記待機トレイを経由せずに前記画像形成装置から排出される前記用紙を積載する処理トレイと、前記処理トレイに積載される前記用紙に後処理を行う処理機構と、前記処理トレイから排出される後処理終了後の前記用紙及び前記後処理をしない用紙を積載する排紙トレイとを具備したことを特徴とする用紙後処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、非後処理用紙の専用パスを設け、画像形成装置での生産性を低下させない用紙後処理装置が得られる。さらに、排紙までの時間短縮が図られる。排紙トレイは、後処理を施した用紙、非後処理の用紙のいずれも受け取るので、非後処理用紙専用の排紙トレイを持つ場合に比べ、大幅なコストダウンとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。図1は本発明の一実施形態に係る用紙後処理装置7の要部を示す斜視図、図2は本発明の一実施形態に係る用紙後処理装置の要部の上面図、図3は複写機等の画像形成装置5に隣接配置した用紙後処理装置7を示す概略構成図である。
【0008】
この用紙後処理装置7は、基本的に待機トレイ10、処理トレイ12、ステイプラ14、第1の排紙トレイ16、第2の排紙トレイ18とからなる。
【0009】
複写機等の画像形成装置5にて画像形成され、一対の排紙ローラ6から排紙されてくる用紙Pは、一対の入口ローラ22で受け取られる。入口ローラ22は、上入口ローラ22a、下入口ローラ22bからなる。入口ローラ22は入口ローラモータ26で駆動される。
【0010】
図12に示すように、入口ローラ22の下流側には、入口ローラ22で受け取られた用紙Pを2つのパス(流れ)に分岐するゲートGが設けられている。ゲートGは断面形状がくさび形をなし、くさび形の尖った部位が入口ローラ22の転動面近傍を向いている。ゲートGは用紙後処理装置7内の側壁部で回動可能に軸支されている。くさび形の尖った部位が概ね上入口ローラ22aを指す第1の位置と、概ね下入口ローラ22bを指す第2の位置をとる。
【0011】
すなわち、第1の位置は、用紙Pに対して後処理を必要とする場合のパスを選択する場合であり、第2の位置は、用紙Pに対して後処理を必要としない場合のパスを選択するものである。
【0012】
ゲートGが第1の位置にあるとき、用紙Pは第1の給紙ローラ24に供給され、第1の給紙ローラ24から待機トレイ10に送られる。
【0013】
入口ローラ22から待機トレイ10までの間には用紙Pを第1の給紙ローラ24に導くペーパーパス天井36が設けられる。第1の給紙ローラ24は上給紙ローラ、下給紙ローラからなる。
【0014】
待機トレイ10の下方には、待機トレイ10上から落下供給される用紙Pを積載する処理トレイ12が配置される。
【0015】
処理トレイ12は、後処理を行う処理機構であるステイプラ14により用紙Pをステイプル処理する間、積載される用紙Pを整合支持する。
【0016】
図7に示すように、待機トレイ10に所定の枚数の用紙が蓄積されると、待機トレイモータ34により待機トレイ部品10a、10bが画面上、左右方向に開き、用紙Pは自重により処理トレイ12に落下する。
【0017】
図4に示す様にステイプラ14はステイプル駆動部49により位置決めされ、ステイプル処理を制御される。処理トレイ12は、待機トレイ10から落下供給される複数枚の用紙Pを搬送方向である縦方向に整合する図5に示す上下一対の上縦整合ローラ38aと下縦整合ローラ38bとを有する。上下縦整合ローラ38a、38bは、ステイプル処理終了後の用紙束Tを挟持してステイプラ14から取り出す束搬送ローラを兼用する。上縦整合ローラ38aは縦整合上ローラモータ40により駆動され、下縦整合ローラ38bは縦整合下ローラモータ42により駆動される。
【0018】
又用紙Pが処理トレイ12に落下供給される際に用紙P後端が落下する位置には、処理トレイ12に載置される最上位の用紙Pを縦方向に整合するための回転可能なパドル44が配置される。パドル44は、図6に示すように処理トレイ12上に落下供給される用紙Pの受け部44a、処理トレイ12上に用紙Pをはたき落とすはたき部44b、処理トレイ12上の用紙Pを整合する送り部44cを有し、パドルモータ46により駆動される。パドル44は、ゴム材からなり弾性を有する。
【0019】
処理トレイ12のステイプラ14側の端部には、用紙P後端を当接して後端位置を規制するストッパ45が設けられる。処理トレイ12の略中央には、ステイプル処理され、上下縦整合ローラ38a、38bによりステイプラ14から取り出された用紙束Tを第1あるいは第2の排紙トレイ16、18迄搬送する搬送ベルト50が設けられる。搬送ベルト50には、用紙束Tの後端を引っ掛ける送り爪50aが取着されている。
【0020】
待機トレイ10は、用紙Pを処理トレイ12に落下供給可能である一方、用紙Pを第1あるいは第2の排紙トレイ16、18方向に搬送可能となっている。排紙トレイ16、18方向への用紙Pの搬送は、用紙Pの整合を行う待機トレイローラ28を待機トレイ10上の用紙Pに接触して行う。待機トレイローラ28は、待機トレイローラ駆動源30により上下移動を制御され、待機トレイローラモータ32により回転駆動される。
【0021】
待機トレイ10は用紙Pの先端が後端より高くなる状態で用紙Pを支持するために傾斜角度θ1となるよう配置される。第1あるいは第2の排紙トレイ16、18は排紙トレイ駆動部52により昇降されて、いずれかを選択される。第1あるいは第2の排紙トレイ16、18は用紙Pの積載時に待機トレイ10あるいは処理トレイ12と略同じ高さに昇降して、排紙される用紙Pの整合性向上を図っている。又第1あるいは第2の排紙トレイ16、18は用紙Pの先端が後端より高くなる状態で用紙Pを支持するために傾斜角度θ2となるよう配置される。
【0022】
図7及び図8に示すように待機トレイ10は、その壁面から突出するように形成された一対のトレイ部材10a、10bを備え、用紙Pの幅にスライドした状態で用紙を受け取り用紙Pの両側を支持する。トレイ部材10a、10bには用紙Pの後端を規制する待機ストッパ10c、10dが設けられる。
【0023】
待機トレイ10は待機トレイモータ34によりスライド移動される。待機トレイ10から処理トレイ12に達するまでの間には、待機トレイ10上の用紙Pを処理トレイ12に落下供給する際に、用紙Pが、搬送方向と直交する横方向に乱れるのを防止して横整合を行う、図9に示す横整合板47a、47bが設けられる。横整合板47a、47bは、横整合モータ48により用紙Pの幅に合わせるようスライド可能に形成されている。
【0024】
ゲートGが第2の位置にあるとき、後処理の必要でない用紙Pは第2の給紙ローラ60に供給され、さらに、第3の給紙ローラ61に供給される。第2の給紙ローラ60、第3の給紙ローラ61はそれぞれ、上給紙ローラ60a、61a、下給紙ローラ60b、61bからなる。
【0025】
入口ローラ22からゲートGで分岐された用紙Pを第2の給紙ローラ60に導くペーパーパス63が設けられる。また、第2の給紙ローラ60、第3の給紙ローラ61間には、別のペーパーパスを設けてもよい。用紙Pの搬送が確実となるからである。
【0026】
第3の給紙ローラ61の下方には、上述した如く第1の排紙トレイ16が配設されている。第1の排紙トレイ16は、後処理を施した用紙P、後処理をしない用紙Pのいずれも受け取るようになっている。
【0027】
次に作用について述べる。画像形成装置5にて画像形成され排紙ローラ6から用紙Pが供給されると、用紙後処理装置7は、用紙Pの後処理をする場合としない場合、あるいは先行する用紙Pが後処理を実行中であるか後処理を終了したかにより異なる操作を行う。
【0028】
後処理をしない場合、ゲートGのくさび形の尖った部位は、概ね下入口ローラ22bを指す第2の位置にある。入口ローラ22から供給された用紙Pは、第2の給紙ローラに供給され、さらに、第3の給紙ローラに供給される。第3の給紙ローラから繰り出された用紙Pは、第1の排紙トレイ16に排紙される。
【0029】
このようにして第1の排紙トレイ16上には順次用紙が積載される。この時第1の排紙トレイ16は傾斜角度がθ2となるよう配置されていて、用紙先端が後端より高くなっていることから、例えば用紙Pが図10に点線で示す様に山なりにカールした状態で第1の排紙トレイ16上に排紙されたとしても、先行して第1の排紙トレイ16上に載置される用紙Pが後続の用紙Pの先端との接触により押し出されることがない。即ち、排出された用紙Pは順番が狂うことなく順次第1の排紙トレイ16上に載置される。又、先行する用紙Pが後続の用紙Pに押されて多少位置ずれを生じたとしても、傾斜角度θ2があることから、用紙Pは自重により落下して、第1の排紙トレイ16上にて後端が揃った状態に整合して積載され、用紙Pの排紙処理を完了する。
【0030】
次に後処理であるステイプル処理を行う場合であって、処理トレイ20上に先行してステイプル処理を実行中の用紙Pがない場合について述べる。この時待機トレイ10は、トレイ部材10a、10bを夫々図11に点線で示す位置まで矢印m方向あるいは矢印n方向にスライド移動して、用紙Pの落下供給路を開放する。又横整合板47a、47bは給紙ローラ24から落下される用紙Pの横方向を整合するために、横整合板47a、47bの間が略用紙Pと同じ幅になるよう配置される。これにより、給紙ローラ24により給紙される用紙Pは、待機トレイ10により搬送を邪魔されることなく、直接処理トレイ12上に落下供給される。
【0031】
落下供給時、上縦整合ローラ38aは上方に退避されていて、パドル44の受け部44aが用紙P後端を受ける。用紙Pの両側は、横整合板47a、47bに接触しながら落下して、横方向を整合される。次いでパドル44は矢印o方向に回転して、受け部44aから用紙P後端を落下し、はたき部44bにより処理トレイ12上にはたき落とす。更にパドル44は、送り部44cにより用紙Pを矢印q方向に送り、用紙P後端をストッパ45に当接して用紙Pの縦方向の整合を完了する。尚、処理トレイ12上での用紙Pの縦方向の整合は、上縦整合ローラ38aをその都度上下して上縦整合ローラ38aにより行うようにしても良い。
【0032】
このようにして、画像形成された用紙Pを順次横方向及び縦方向に整合しながら、給紙ローラ24から直接処理トレイ12に積載する。用紙Pが所定枚数に達したら、ステイプラ14は所望の位置にて処理トレイ12上の用紙Pをステイプルして束状にして用紙束Tを形成する。この後上縦整合ローラ38aを用紙束上に降下して、矢印r方向に回転する上縦整合ローラ38a及び矢印s方向に回転する下縦整合ローラ38bにより用紙束Tを挟持し、第1の排紙トレイ16方向に束搬送する。用紙束Tの後端は、上下縦整合ローラ38a、38bを通過すると、矢印t方向に回転される搬送ベルト50の送り爪50aに引っ掛けられ第1の排紙トレイ16上に束出しされる。
【0033】
この時第1の排紙トレイ16は図3に点線で示す位置から実線で示す位置にスライド移動されている。又第1の排紙トレイ16は傾斜角度がθ2となるよう配置されていて、用紙先端が後端より高くなっていることから、先行して第1の排紙トレイ16上に束出しされた用紙Pが後続の用紙束Tの先端との接触により押し出されることがない。又、先行する用紙束Tが後続の用紙Pにより多少位置ずれを生じたとしても、傾斜角度θ2があることから、用紙束Tは自重により落下して、第1の排紙トレイ16上にて後端が揃った状態に整合して積載され用紙Pのステイプル処理を完了する。
【0034】
次に後処理であるステイプル処理を行う場合であって、処理トレイ12上に先行してステイプル処理を実行中の用紙Pが残っている場合について述べる。この時待機トレイ10にあっては、トレイ部材10a、10bが、図11の点線で示す位置から夫々矢印m方向と反対方向あるいは矢印n方向と反対方向にスライド移動して、図11に実線で示す位置にあり用紙Pを支持可能となっている。又、待機トレイローラ28は、用紙Pの妨げとならないよう待機トレイ10上方に退避されている。画像形成装置5から排出され給紙ローラ24により供給される用紙Pは、処理トレイ12が空くのを待つために一旦待機トレイ10上に載置される。
【0035】
待機トレイ10に載置された用紙Pは、待機トレイ10上に降下し矢印f方向と反対方向に回転される待機トレイローラ28により待機ストッパ10c、10d方向に送られ、用紙P後端を待機ストッパ10c、10dに当接して縦整合される。更に待機トレイ10は傾斜角度がθ1となるよう配置されていて、用紙先端が後端より高くなっていることから、用紙Pは、自重によっても後端を待機ストッパ10c、10dに当接して縦整合する。
【0036】
又待機トレイ10は傾斜角度がθ1となるよう配置されていることから、例えば用紙Pが山なりにカールした状態で給紙ローラ24から供給され待機トレイ10上に給紙されたとしても、先行して待機トレイ10上に載置される用紙Pが後続の用紙Pの先端との接触により押し出されることがない。即ち、供給された用紙Pは順番が狂うことなく順次待機トレイ10上に載置される。又、先行する用紙Pが後続の用紙Pに押されて多少位置ずれを生じたとしても、傾斜角度θ1があることから、用紙Pは自重により後端が待機ストッパ10c、10dに当接する位置まで落下して、待機トレイ10上にて後端が揃った状態に整合して積載される。
【0037】
この間に処理トレイ12上の先行する用紙Pが第1の排紙トレイ16側に排出されて処理トレイ12が空になると、待機トレイ10は、トレイ部材10a、10bを図11の実線で示す位置から図11の一点鎖線で示す位置を経由して図11の点線で示す位置まで夫々矢印m方向あるいは矢印n方向にスライド移動する。これにより待機トレイ10上に待機されていた例えば2枚の用紙Pは、トレイ部材10a、10bが図11の一点鎖線で示す位置に達すると、トレイ部材10a、10bの間から処理トレイ12上に落下供給される。この時横整合板47a、47bの両者の間隔は、用紙Pと略同じ幅になるよう配置されている。従って待機トレイ10から落下される用紙Pは、両側を横整合板47a、47bに規制されて、横方向を整合される。
【0038】
処理トレイ12に落下された2枚の用紙Pの下側の用紙Pは、矢印s方向と反対方向に回転される下縦整合ローラ38bにより矢印q方向に送られて、用紙P後端をストッパ45に当接して用紙Pの縦方向の整合を完了する。処理トレイ12に落下された2枚の用紙Pの上側の用紙Pは、矢印r方向と反対方向に回転される上縦整合ローラ38aにより矢印q方向に送られて、用紙P後端をストッパ45に当接して用紙Pの縦方向の整合を完了し、この後上縦整合ローラ38aは上方に退避される。
【0039】
画像形成装置5から排出される3枚目以降の用紙Pは待機トレイ10上に待機されることなくトレイ部材10a、10bの間から直接処理トレイ12上に落下供給される。この後3枚目以降の用紙Pは、パドル44により先に処理トレイ12上に積載される用紙P上に順次整合される。
【0040】
処理トレイ12上に積載される用紙Pが所定枚数に達すると、ステイプラ14によりステイプル処理され用紙束Tを形成される。この後用紙束Tは上下縦整合ローラ38a、38bにより第1の排紙トレイ16方向に束搬送され、更に後端が搬送ベルト50の送り爪50aに引っ掛けられて、第1の排紙トレイ16上に束出しされ、用紙Pのステイプル処理を完了する。
【0041】
このように構成される本実施例にあっては、非後処理用紙の専用パスを設け、画像形成装置での生産性を低下させない用紙後処理装置が得られる。さらに、排紙までの時間短縮が図られる。排紙トレイは、後処理を施した用紙、非後処理の用紙のいずれも受け取るので、非後処理用紙専用の排紙トレイを持つ場合に比べ、大幅なコストダウンとなる。
【0042】
又待機トレイ10に傾斜角度θ1を持たせることにより、待機トレイ10上で用紙Pを自重により整合可能となり、更に先行して載置されていた用紙Pが後続の用紙Pにより押し出される恐れが無く、待機トレイ10上での用紙Pの整合性を高められ、用紙Pのジャムを防止でき更に待機トレイ10上の用紙の載置の順番の狂いを防止できる。同様に第1あるいは第2の排紙トレイ16、18に傾斜角度θ2を持たせることにより、第1あるいは第2の排紙トレイ16、18に先行して載置されていた用紙Pあるいは用紙束Tが後続の用紙Pあるいは用紙束Tにより押し出される恐れが無く第1あるいは第2の排紙トレイ16、18上での用紙Pの整合性を高められ、用紙Pのジャムを防止でき更に第1あるいは第2の排紙トレイ16、18上の用紙Pあるいは用紙束Tの載置の順番の狂いを防止できる。
【0043】
本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
【0044】
なお、本発明において処理トレイに積載された用紙に行う後処理は、ステイプル処理を記載してある。しかしながら、この後処理はステイプルを行う場合に限定されず、例えば用紙にホールパンチ(穴あけ)処理を行うといった後処理でも問題ない。この場合、処理トレイに積載された用紙は、複数枚でなく一枚の用紙であっても何ら問題ない。またそのような後処理機構を有した後処理装置に対しても、本発明は効果を発揮するのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る用紙後処理装置の要部を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る用紙後処理装置の要部を示す上面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る用紙後処理装置を示す概略構成図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る用紙後処理装置のステイプラを示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る縦整合ローラを示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るパドルを示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る待機トレイ及び処理トレイを示す概略斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る待機トレイ及び処理トレイを示す上面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る横整合板及び搬送ベルトを示す概略斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る待機トレイあるいは排紙トレイ上の用紙が押し出される状態を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る待機トレイの移動を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るゲートGを示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0046】
5…画像形成装置、7…用紙後処理装置、10…待機トレイ、10a、10b…トレイ部材、10c、10d…待機ストッパ、12…処理トレイ、14…ステイプラ、16…第1の排紙トレイ、18…第2の排紙トレイ、22…入口ローラ、22a…上入口ローラ、22b…下入口ローラ、24…給紙ローラ、26…入口ローラモータ、28…待機トレイローラ、30…待機トレイローラ駆動源、32…待機トレイローラモータ、34…待機トレイモータ、36…ペーパーパス天井、38a…上縦整合ローラ、38b…下縦整合ローラ、40…縦整合上ローラモータ、42…縦整合下ローラモータ、44…パドル、45…ストッパ、46…パドルモータ、47…横整合板、48…横整合モータ、49…ステイプル駆動部、50…搬送ベルト、50a…送り爪、G…ゲート、60…第2の給紙ローラ、61…第3の給紙ローラ、63…ペーパーパス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から排出される用紙を、後処理が必要な用紙の搬送経路と後処理を必要としない用紙の搬送経路とに分岐するゲートと、
前記後処理を必要としない用紙専用のペーパーパスと、
前記後処理が必要な用紙のうち、所定の用紙を待機させる待機トレイと、
前記待機トレイの下方に配置され、前記待機トレイから落下供給される前記用紙及び/又は前記待機トレイを経由せずに前記画像形成装置から排出される前記用紙を積載する処理トレイと、
前記処理トレイに積載される前記用紙に後処理を行う処理機構と、
前記処理トレイから排出される後処理終了後の前記用紙及び前記後処理をしない用紙を積載する排紙トレイとを具備した用紙後処理装置。
【請求項2】
前記ゲートは、断面がくさび形をしていることを特徴とする請求項1記載の用紙後処理装置。
【請求項3】
前記ペーパーパスの前後に複数の給紙ローラを設けたことを特徴とする請求項2記載の用紙後処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2006−124166(P2006−124166A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−366524(P2004−366524)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】