説明

田植機

【課題】 次回の走行指標を田面に形成するマーカを機体横方向に突出した作用姿勢と機体側に後退した格納姿勢とに切換え可能に装備した田植機において、マーカを畦などの障害物に不用意にぶつけてしまうことを未然に回避できるようにする。
【解決手段】 走行機体3が障害物Bに接近することを検知する検知手段38を備え、障害物Bへの設定以上の接近が検知されると作用姿勢のマーカ12を自動的に格納姿勢に切換えるマーカ自動切換え手段を備えてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次回の走行指標を田面に形成するマーカを機体横方向に突出した作用姿勢と機体側に退入した格納姿勢とに切換え可能に装備した田植機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記田植機としては、走行機体の前部左右にマーカを装備し、作用姿勢に張り出されているマーカを、機体後部に連結した苗植付け装置の上昇作動に連動して格納作動させるよう構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−185147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記構成によると、一行程の植え付け走行ごとに畦際で走行機体をUターン旋回する往復植えによる苗植付け作業において、苗植付け装置を上昇させて走行機体をUターン旋回するので、走行機体が畦に横向きあるいは斜めに接近したときにはマーカが既に格納姿勢に退入されており、マーカが畦などに接触するおそれはないが、変形圃場での植え付け作業では植え付けしながら走行機体が畦に向けて斜めに接近することがあるので、このような場合、作用姿勢に突出されたままのマーカが畦に接近することになり、マーカの格納操作を忘れているとマーカを畦にぶつけて損傷させてしまうおそれがあった。
【0004】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、マーカを畦などの障害物に不用意にぶつけてしまうことを、未然に回避できるようにすることを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、次回の走行指標を田面に形成するマーカを機体横方向に突出した作用姿勢と機体側に後退した格納姿勢とに切換え可能に装備した田植機において、
機体が障害物に接近したことを検知する検知手段を備え、障害物への設定以上の接近が検知されると作用姿勢のマーカを自動的に格納姿勢に切換えるマーカ自動切換え手段を備えてあることを特徴とする。
【0006】
上記構成によると、例えば、変形圃場での植え付け作業において、マーカを作用姿勢に突出したままで畦に接近したような場合、障害物である畦が機体に対して設定以上に接近すると、これが検知されて作用姿勢のマーカは自動的に格納姿勢に切換えられる。
従って、第1の発明によると、マーカを畦などの障害物に不用意にぶつけてしまうことを未然に回避することができ、マーカに気を取られることなく機体操縦に専念することができる。
【0007】
第2の発明は、上記第1の発明において、
マーカ自動切換え手段が作動してマーカが格納姿勢に切換えられた後、機体が障害物から設定以上に離れたことが検知手段により検知されると、マーカが作用姿勢に自動的に切換えられるようマーカ自動切換え手段を構成してあるものである。
【0008】
上記構成によると、マーカが作用姿勢にあっても、障害物にぶつかることのない位置まで機体が移動すると、自動格納されたマーカは作用姿勢に自動的に切換えられることになり、人為的なマーカ出し操作を要することなく、作業を続行することがでる。
【0009】
第3の発明は、上記第1または2の発明において、
機体の障害物への設定以上の接近が検知されると作動する報知手段を備えてあるものである。
【0010】
上記構成によると、報知によって機体が障害物に接近していることを容易に認識することができ、障害物近くでの慎重な機体操縦を促す情報として有効に活用できる。
【0011】
第4の発明は、上記第3の発明において、
機体が障害物から設定以上に離れたことが検知されると、報知作動を停止するよう報知手段を構成してあるものである。
【0012】
上記構成によると、報知作動の停止によって運転作業者は機体が障害物から離れた位置まで移動したことを容易に認識することができ、マーカに気を取られることのない機体操縦に戻って、植え付け作業を行うことができる。
【0013】
第5の発明は、上第1〜4のうちのいずれか一つの発明において、
マーカ自動切換え手段に優先してマーカを人為指令によって出退させるマーカ操作手段を備えてあるものである。
【0014】
上記構成によると、機体が障害物に近づいたことを運転作業者が事前に把握したような場合には、作用姿勢のマーカを運転作業者の意思で早期に格納することができる。マーカを作用姿勢にしても障害物にぶつかるおそれがない位置に機体があることを、運転作業者が事前に把握できるような場合には、自動格納されたマーカを運転作業者の意思で早期に作用姿勢に切換え作動させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1に、8条植え仕様に構成された施肥装置付きの田植機の側面が、また、図2に、この田植機の平面がそれぞれ示されている。この田植機は、操向可能な前輪1および向き固定の後輪2を備えて4輪駆動で走行する走行機体3の後部に、8条植え仕様の苗植付け装置4が、油圧シリンダ5によって駆動される平行四連リンク構造の昇降リンク機構6を介して昇降可能に連結された基本構造を有している。
【0016】
走行機体3の後部に運転座席7が配備されるとともに、その後方に施肥装置8が備えられ、更に、走行機体3の前部にはボンネット9で覆われたエンジン10が配備されるとともに、ボンネット9の左右両脇に、予備苗を複数段に収容する予備苗のせ台11が立設配備されている。左右の予備苗のせ台11の横外方には、次回の走行指標を田面Tに形成するマーカ12と、水が多くて田面Tに走行指標が形成しにくい場合に、隣接する既植苗列を走行指標とするための隣接マーカ13とが備えられている。
【0017】
前記エンジン10の出力が前後進の切り換えが可能な主変速装置である静油圧式無段変速装置(HST)15に伝達され、その変速出力がミッションケース16に入力されてギヤ変速された後、前輪1と後輪2に伝達されるようになっており、静油圧式無段変速装置15を操作する主変速レバー17が、運転部に配備されたステアリングハンドル18の左脇に前後揺動可能に配備されるとともに、ミッションケース16内のギヤ変速操作を行う副変速レバー19が運転座席7の左脇に配備されている。運転部の右前足元には、踏み込みによって主変速レバー17を強制的に中立に戻すとともに、走行系に備えたブレーキ(図示せず)を制動操作する停止用ペダル20が配備されている。
【0018】
前記苗植付け装置4には、8条分のマット状苗を並列載置して一定ストロークで往復横移動する苗のせ台21と、この苗のせ台21の下端から一株分ずつ苗を切り出して植付ける8組の回転式の植付け機構22、田面Tの植付け予定箇所を均平にする整地フロート23、等が装備されている。
【0019】
この苗植付け装置4は、人為的に昇降できる他に自動的に昇降制御可能となっている。つまり、図4の制御ブロック図に示すように、運転座席7の右脇に配備された植付けレバー25の操作位置がポテンショメータ26で検出されるとともに、中央の整地フロート23を利用したセンサフロートSFの上下揺動変位がポテンショメータ27で検出され、これらポテンショメータ26,27と油圧シリンダ5の作動を司る電磁式の制御弁28が制御装置30に接続されている。
【0020】
前記ミッションケース16内には苗植付け装置4への動力を断続する植付けクラッチ31が備えられるとともに、この植付けクラッチ31を入り切り操作する電動モータ32が前記制御装置30に接続されている。更に、ステアリングハンドル18の右側には、中立復帰付勢された十字操作式の優先昇降用レバー33が上下および前後に揺動操作可能に装備されており、その上下および前後への各操作を検出するスイッチ機構S1も前記制御装置30に接続されている。
【0021】
前記植付けレバー25は「上昇」、「中立」、「下降」、「植付」、および、「自動」の各操作位置を選択可能であり、各操作位置で次のような作動が行われる。
「上昇」
制御弁28が上昇位置に切換えられ、油圧シリンダ5が短縮駆動されて、苗植付け装置4は上昇する。なお、苗植付け装置4が上限高さまで上昇されるとこれが上限スイッチS2で検知されて、制御弁28が中立に切換えられ上昇が自動的に停止する
「中立」
制御弁28が中立に切換えられ昇降が停止する。
【0022】
「下降」
苗植付け装置4がセンサフロートSFの上下変位に基づいて自動昇降される昇降制御モードであり、苗植付け装置4が田面Tより浮上している状態から「下降」位置に切り換えると、先ず、センサフロートSFのぶら下がりがポテンショメータ27で検知されて制御弁28が下降に切換えられ、苗植付け装置4が下降する。苗植付け装置4が田面Tに到達してセンサフロートSFが所定の接地圧になると、制御弁28が中立に切換えられ下降が停止する。以後、センサフロートSFが接地圧の増大に基づいて上方変位すると上昇制御がなされるとともに、接地圧の減少に基づいて下方変位すると下降制御がなされ、所定の接地圧が維持されるように昇降制御が行われる。ただし、この「下降」位置では、植付けクラッチ31は切り状態に維持され、苗植付け装置4の自動昇降だけが行われる。
【0023】
「植付」
上記「下降」位置と同様に苗植付け装置4の自動昇降が行われるとともに、電動モータ32を介しての植付けクラッチ31の入り操作が行われるものであり、植付け走行を行う時に選択利用される。
【0024】
「自動」
上記「植付」位置と同様のセンサフロートSFに基づく苗植付け装置4の自動昇降制御の機能をもたらすとともに、優先昇降用レバー33による任意の昇降制御(優先昇降制御)と、主変速レバー17の後進位置への切り換え検知に基づく苗植付け装置4の自動上昇制御(バックアップ制御)とが以下のように実行される。
【0025】
「優先昇降制御」
植付け装置4が所定の接地圧を維持するよう昇降制御される状態で植付け走行を行って畦際に到達すると、優先昇降用レバー33を上げ位置「U」に1回操作することで、苗植付け装置4は上限まで上昇制御されるとともに植付けクラッチ31が切り制御される。畦際での機体方向転換を終えると、優先昇降用レバー33を下げ位置「D」に1回操作することで元の自動昇降制御モードに復帰して、苗植付け装置4は接地するまで下降制御される。但し、この下降において植付けクラッチ31は切り状態に維持される。また、苗植付け装置4を下降作動させた後、優先昇降用レバー33を下げ位置「D」に再度1回操作することで、植付けクラッチ31が入り制御されて植付けを再開することができる。
【0026】
「バックアップ制御」
畦際などで苗植付け装置4が下降している状態のまま、主変速レバー17を後進に切り換えると、これが後進検出スイッチSbで検出されて、植付け装置4は上限まで自動的に上昇する。このとき、植付けクラッチ31が入り操作されておれば上昇作動とともに切り制御され、後進によって苗植付け装置4の後部が畦などにぶつかることが未然に回避される。
【0027】
次に、走行指標形成用のマーカ12と隣接マーカ13の構造、および、その機能を、図2,図3に基づいて説明する。
前記マーカ12は、マーカアーム12aの先端部に回転式のマーカ本体12bを装備して構成されており、走行機体3から延出された支持アーム35の先端部に前記マーカアーム12aの基端が前後向きの支点p周りに起伏揺動可能に支持されている。マーカアーム12aは、支持アーム35に備えられた起伏用の電動モータ36に連動連結されており、電動モータ36の正逆作動によってマーカ12が機体横方向に突出した作用姿勢と起立して機体側に後退した格納姿勢とに前記支点p周りに起伏揺動されるようになっている。前記支持アーム35自体もその基端において、縦向きの支点q周りに前後揺動可能に支持されるとともに、機体側に備えられた格納用の電動モータ37に連動連結されており、この電動モータ37の正逆作動によって機体横方向に突出した作用姿勢と、後方に揺動して機体側に後退した格納姿勢と切換え駆動されるようになっている。
【0028】
隣接マーカ13は、植付け行程において走行機体3が既植苗から適正な距離にある時、隣接マーカ13の先端が隣接する既植苗の直上方にあるようにその長さが設定されて固定配備されている。隣接マーカ13の先端部には、横外方の障害物との距離を知る検知手段として超音波式の距離センサ38が備えられて前記制御装置30に接続されている。
【0029】
前記マーカ12は、優先昇降用レバー33の上下揺動操作および前後揺動操作に基づいて出退作動されるとともに、距離センサ38からの情報に基づいても出退作動されるようになっている。
優先昇降用レバー33が上げ位置「U」に1回操作されると、上記のように苗植付け装置4が上限まで上昇されるとともに、作用姿勢にある左右いずれかのマーカ12に属する電動モータ36,37が作動してマーカ12が起立揺動格納されるとともに、支持アーム35も後方に折りたたみ格納される。
【0030】
優先昇降用レバー33が前方Lに1回操作されると、機体左側のマーカ12に属する電動モータ36,37が逆方向に作動してマーカ12が作用姿勢まで倒伏されるとともに、支持アーム35が張り出し揺動して、マーカ12のマーカ本体12bが所定の指標形成位置に移動する。
【0031】
優先昇降用レバー33が後方Rに1回操作されると、機体右側のマーカ12に属する電動モータ36,37が逆方向に作動して右側のマーカ12が作用姿勢まで倒伏されるとともに、その支持アーム35が張り出し揺動して、マーカ12のマーカ本体12bが所定の指標形成位置に移動する。
【0032】
前記距離センサ38からの情報に基づいて隣接マーカ13の先端部から畦などの障害物Bまでの距離が計測演算され、その計測演算された距離が予め設定入力しておいた値より小さくなると、障害物Bに向かっているマーカ12に属する電動モータ36,37が自動的に作動制御され、そのマーカ12が強制的に格納姿勢に起立揺動されるとともに、これを支持している支持アーム35も強制的に後方に折りたたみ格納され、作用姿勢にあるマーカ12が障害物Bにぶつかることが未然に回避される。マーカ12の自動格納作動と連動して警報ブザー39などの報知手段が鳴動し、運転作業者にマーカ12の自動格納作動が行われていることを知らせる。
【0033】
走行機体3が障害物Bから離れて、計測演算した障害物Bまでの距離が予め設定入力しておいた値よりも大きくなると、自動格納されているマーカ12の電動モータ36,37が逆方向に作動してマーカ12が作用姿勢まで倒伏されるとともに、支持アーム35が張り出し揺動して、マーカ12の先端部が所定の指標形成位置に移動する。マーカ12の自動復帰作動と連動して警報ブザー39の鳴動が停止され、運転作業者にマーカ12自動格納作動が終了して通常の状態に戻されたことを知らせる。
【0034】
制御装置30には、左右のマーカ12の出退を司る優先マーカスイッチ40が接続されており、この優先マーカスイッチ40を運転作業者が選択操作することで、距離センサ38からの情報に基づくマーカ12の自動格納作動及び自動復帰作動に優先して、操作対象となるマーカ12を運転作業者の意思によって任意に出退させることができるようになっている。
【0035】
図6〜図9に、本発明を、苗植付け装置4の左右に走行指標形成用のマーカ12を装備した田植機に適用した場合が例示されている。この例において、左右のマーカ12は苗植付け装置4に固定配備された支持アーム41の先端部に、前後向き支点r周りに起伏揺動可能に支持されるとともに、図示されていないバネによって突出方向に揺動付勢されている。
【0036】
運転座席7の下方には、前記昇降リンク機構6のアッパリンク6aが上方揺動作動すると、アッパリンク6aと一体回動する接当ピン6bで押されて支点r周りに回動される左右一対のマーカ操作部材43が配備されており、各マーカ操作部材43と左右のマーカ12がそれぞれ操作ワイヤ44を介して連動連結されている。従って、図7に示すように、苗植付け装置4が上昇作動して接当ピン6bが後方に回動移動することで、両マーカ操作部材43が回動されて両操作ワイヤ44が引き操作され、両マーカ12が突出不勢力に抗して格納姿勢に振り上げられるようになっている。
【0037】
マーカ12の支点近くには、マーカ12の基部に備えられたピン12cを係止して起立揺動されたマーカ12を格納姿勢に保持するロック爪45が支点v周りに回動可能、かつ、支点部のねじりバネ46でロック方向に回動付勢してそれぞれ配備されている。運転座席7の右横側に配備されたレバーガイド47の下方には、左右一対のロック解除用操作部材48が縦向きの支点s周りに回動可能に配備されるとともに、各ロック解除用操作部材48と各ロック爪45とが操作ワイヤ49を介して連動連結されている。
【0038】
前記運転座席7の右横側には前記植付けレバー25が前後揺動可能に配備されて前記レバーガイド47に挿通されており、植付けレバー25を最後方の「上昇」位置に操作することで、制御弁28を上昇状態に切換えて苗植付け装置4を上昇作動させ、「中立」位置に操作することで、制御弁28を中立に保持して苗植付け装置4の昇降を停止し、「下降」位置に操作することで、植付けクラッチ31の切り状態でセンサフロートSFの上下変位に基づいて制御弁28を作動させる自動昇降状態とし、最前方の「植付」位置に操作することで、植付けクラッチ31の入り状態でセンサフロートSFの上下変位に基づいて制御弁28を作動させる自動昇降状態とするように構成されている。
【0039】
レバーガイド47において植付けレバー25を挿通する案内孔50は最前方の「植付」位置で左右に幅広く形成され、「植付」位置にある植付けレバー25を横移動操作することが可能となっている。「植付」位置にある植付けレバー25の左右に位置して左右の前記ロック解除用操作部材48が配備されている。
【0040】
これによると、「植付」位置の植付けレバー25を左方に横移動操作すると、植付けレバー25によって左側のロック解除用操作部材48が接当操作され、これに連動して左側のマーカ12におけるロック爪45がロック解除方向に操作される。逆に、「植付」位置の植付けレバー25を右方に横移動操作すると、植付けレバー25によって右側のロック解除用操作部材48が接当操作され、これに連動して左側のマーカ12におけるロック爪45がロック解除方向に操作され、苗植付け装置4が下降作動して前記操作ワイヤ49が弛められると、ロック解除された側のマーカ12だけが突出用バネ42によって作用姿勢に振り出されるのである。
【0041】
ここにおいて、左右の前記マーカ操作部材43は、正逆作動可能な電動モータ51で駆動される操作アーム52に接当連動可能に構成されており、昇降リンク機構6が下降位置にあっても、電動モータ51を作動させることでマーカ操作部材43を上記した接当ピン6bによる押圧回動方向と同方向に回動作動させ、作用姿勢にあるマーカ12を強制的に格納作動させることが可能となっている。前記電動モータ51を上記した距離センサ38の情報に基づいて制御装置30を介して正逆に作動させることで、上記と同様に作用姿勢のマーカ12が畦などの障害物Bに設定以上接近すると自動的に格納制御がなされ、マーカ12が障害物Bにぶつかるおそれのない位置まで走行機体3が移動すると電動モータ51が逆作動して自動格納されたマーカ12が元の作用姿勢に復帰されるのである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】田植機の全体側面図
【図2】田植機の全体平面図
【図3】走行指標形成姿勢のマーカを示す正面図
【図4】制御ブロック図
【図5】植付け走行状態を示す概略平面図
【図6】別実施例のマーカ出退構造におけるマーカ作用状態を示す連係図
【図7】別実施例のマーカ出退構造におけるマーカ格納状態を示す連係図
【図8】別実施例のマーカ出退構造におけるマーカ強制格納状態を示す連係図
【図9】別実施例におけるマーカ選択操作構造を示す平面図
【符号の説明】
【0043】
3 走行機体
12 マーカ
38 検知手段
B 障害物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次回の走行指標を田面に形成するマーカを機体横方向に突出した作用姿勢と機体側に後退した格納姿勢とに切換え可能に装備した田植機において、
機体が障害物に接近したことを検知する検知手段を備え、障害物への設定以上の接近が検知されると作用姿勢の前記マーカを自動的に格納姿勢に切換えるマーカ自動切換え手段を備えてあることを特徴とする田植機。
【請求項2】
前記マーカ自動切換え手段が作動して前記マーカが格納姿勢に切換えられた後、機体が障害物から設定以上に離れたことが前記検知手段により検知されると、マーカが作用姿勢に自動的に切換えられるよう前記マーカ自動切換え手段を構成してある請求項1記載の田植機。
【請求項3】
機体の障害物への設定以上の接近が検知されると作動する報知手段を備えてある請求項1または2記載の田植機。
【請求項4】
機体が障害物から設定以上に離れたことが検知されると、前記報知作動を停止するよう前記報知手段を構成してある請求項3記載の田植機。
【請求項5】
前記マーカ自動切換え手段に優先して前記マーカを人為指令によって出退させるマーカ操作手段を備えてある請求項1〜4のいずれか一項に記載の田植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−207361(P2009−207361A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50496(P2008−50496)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】