説明

画像処理システム、画像処理装置の制御方法、携帯端末、および制御プログラム

【課題】携帯端末装置を用いて容易に画像処理装置の操作を行なうことができる画像処理システムを提供する。
【解決手段】カメラ機能を備えた携帯端末において、画像処理システムに含まれるいずれかの装置を撮影し(S3)、MFP(Multi Function Peripheral)操作のための指示入力を受け付けること(S5)、サーバに対して携帯端末から現在位置および撮影方向が送信され、サーバにおいて、その撮影範囲内にある装置が検索され(S7)、登録されている、当該装置のMFPの操作履歴を含んだ機器情報が携帯端末に対して送信される(S7−1)。携帯端末では、受信した機器情報に含まれる操作履歴を選択可能に提示した操作画面が表示され(S9)、その中からの選択を受付けることで(S11)、当該操作にかかる画像処理を実行させるためのコマンドが生成されて、MFPに送信される(S13)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像処理システム、画像処理装置の制御方法、携帯端末、および制御プログラムに関し、特に、携帯端末で画像処理装置の操作を行なう画像処理システム、画像処理装置の制御方法、携帯端末、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機やプリンタやそれらの複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)などの画像処理装置がオフィス環境で多く用いられ、多くのユーザが、利用の機会をもっている。
【0003】
一方、昨今の携帯端末の普及に伴い、各ユーザが、インターネットへの接続機能やカメラ機能や位置検出機能を有した携帯電話機などの携帯機器を携帯し、その使用にも慣れているのが現状である。そして、たとえば特開2006−351024号公報(特許文献1)や特開2006−91390号公報(特許文献2)などに開示されているように、位置情報に予め関連付けられて記憶されている情報を記憶したサーバから該情報を取得し、撮影画像と該情報とを合成して表示することで、撮影画像上で施設の利用状況や予約情報などの情報を閲覧することが可能な携帯情報端末がある。
【0004】
他方、画像処理装置の操作を容易にする一つの方法として、本願出願人が先行して出願し開示されている特開2003−22229号公報(特許文献3)は、利用者の操作位置を示す情報および操作内容を操作対象の情報と関連付けて履歴として記憶することによって、ある位置からの操作入力を受け付けたときにその操作位置および操作内容に関連付けて記憶されている情報を抽出して提示する情報処理システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−351024号公報
【特許文献2】特開2006−91390号公報
【特許文献3】特開2003−22229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる画像処理装置は昨今の高機能化に伴い、ユーザが操作指示を行なうための操作が複雑化している。そのため、使用頻度の高くないユーザや複数種類の機器を使用するユーザにとっては使用可能な機能がわかり難かったり、操作が煩雑で使用し難かったりする問題がある。
【0007】
そこで、上述のような携帯端末の普及に鑑み、画像処理装置の操作にも、その使用に慣れた携帯端末を用いることが望まれる場合がある。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、携帯端末を用いて容易に画像処理装置の操作を行なうことができる画像処理システム、画像処理装置の制御方法、携帯端末、および制御プログラムを提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像処理システムは、携帯端末と、処理手段を有する画像処理装置を少なくとも含んだ機器と、情報処理装置とを備える。携帯端末は、撮影手段と、当該携帯端末の位置情報および向き情報を取得するための取得手段と、表示手段と、表示手段で表示される操作画面に対する指示を入力するための入力手段とを含む。情報処理装置は、機器に関する情報として、機器の位置情報と、機器と通信するために必要な通信情報とを記憶するための記憶手段を含む。携帯端末は、撮影手段での撮影時における位置情報および向き情報を情報処理装置に対して送信し、情報処理装置は、携帯端末での撮影時における位置情報および向き情報に基づいて、機器のうちの携帯端末の撮影手段での撮影画像に含まれる機器を検出して機器に関する情報を携帯端末に対して送信し、携帯端末は、受信した機器に関する情報に基づいて画像処理装置に対する操作履歴を取得し、操作履歴を選択可能に提示する操作画面を表示手段に表示させ、入力手段で操作履歴の選択を受付けると、選択された操作履歴で特定される画像処理を画像処理装置に実行させるための制御信号を画像処理装置に送信するための処理手段をさらに含む。
【0010】
好ましくは、情報処理装置は機器に関する情報として操作履歴をさらに記憶し、携帯端末の処理手段は、受信した機器に関する情報に含まれる操作履歴を用いて操作画面を表示手段に表示させる。
【0011】
好ましくは、携帯端末の前記処理手段は、受信した機器に関する情報に含まれる当該機器と通信するために必要な通信情報に基づいて機器に対して操作履歴を要求し、機器から受信することで操作履歴を取得する。
【0012】
好ましくは、携帯端末は機器を特定する情報に関連付けて機器の撮影時における位置情報および向き情報を記憶するための記憶手段をさらに含み、携帯端末は、機器の選択を受付けると選択された機器の撮影時における位置情報および向き情報を情報処理装置に対して送信する。
【0013】
好ましくは、上記機器は画像処理装置を制御するための制御装置を含む。
好ましくは、操作履歴は、当該操作で指定される画像処理を実行した画像処理装置と、画像処理に必要な画像処理装置の機能と、画像処理の対象となる画像データとを特定する情報を含む。
【0014】
より好ましくは、携帯端末の処理装置は、操作画面を表示手段に表示させるときに、操作履歴を当該操作で指定される画像処理を実行した画像処理装置ごとに表示させるようにソート処理を行なう。
【0015】
好ましくは、携帯端末の処理装置は、操作画面を表示手段に表示させるときに、操作履歴を当該操作で指定される画像処理に必要な画像処理装置の機能ごとに表示させるようにソート処理を行なう。
【0016】
好ましくは、操作履歴は、当該操作で指定される画像処理を実行した画像処理装置と、画像処理に必要な画像処理装置の機能と、画像処理の対象となる画像データと、画像処理によって得られた画像データの格納先とを特定する情報を含み、携帯端末の処理装置は、操作画面を表示手段に表示させるときに、操作履歴を当該操作で指定される画像処理によって得られた画像データの格納先ごとに表示させるようにソート処理を行なう。
【0017】
好ましくは、帯端末の前記処理手段は、操作画面において操作履歴を選択可能であり、かつ、変更可能に表示手段に表示させ、操作画面において操作履歴の変更の指示を受付けると、変更された操作履歴で特定される画像処理を画像処理装置に実行させるための制御信号を画像処理装置に送信する。
【0018】
本発明の他の局面に従うと、画像処理装置の制御方法は、撮影手段および表示手段を備えた携帯端末と、画像処理装置を少なくとも含んだ機器と情報処理装置とを含んだ画像処理システムにおける画像処理装置の制御方法であって、情報処理装置は、機器に関する情報として、機器の位置情報と、機器と通信するために必要な通信情報とを記憶し、携帯端末の撮影手段での撮影時における位置情報および向き情報を携帯端末が情報処理装置に送信するステップと、情報処理装置において、携帯端末から受信した位置情報および向き情報と、機器に関する情報に含まれる位置情報とに基づいて、機器のうち携帯端末の撮影手段での撮影画像に含まれる機器を検出して機器に関する情報を携帯端末に対して送信するステップと、携帯端末において、受信した機器に関する情報に基づいて画像処理装置に対する操作履歴を取得し、操作履歴を選択可能に提示する操作画面を表示手段に表示するステップと、携帯端末において、操作履歴の選択を受付けると、選択された操作履歴で特定される画像処理を画像処理装置に実行させるための制御信号を画像処理装置に送信するステップと、画像処理装置において、信号に基づいて対応した画像処理を実行するステップとを備える。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、携帯端末は、撮影手段と、当該携帯端末の位置情報および向き情報を取得するための取得手段と、表示手段と、表示手段で表示される操作画面に対する指示を入力するための入力手段と、処理手段とを備える。処理手段は、撮影手段での撮影時における位置情報および向き情報を情報処理装置に対して送信する処理と、情報処理装置から受信した機器に関する情報のうち、当該機器における画像処理装置に対する操作履歴を取得し、操作履歴を選択可能に提示する操作画面を表示手段に表示させる処理と、入力手段で操作履歴の選択を受付けると、選択された操作履歴で特定される画像処理を画像処理装置に実行させるための制御信号を画像処理装置に送信する処理とを実行する。
【0020】
好ましくは、処理手段は、操作画面を表示手段に表示させる処理において、受信した機器に関する情報に含まれる当該機器と通信するために必要な通信情報に基づいて機器に対して操作履歴を要求する処理と、機器から操作履歴を受信する処理とを実行する。
【0021】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムは、携帯端末に処理を実行させるための制御プログラムであって、携帯端末は撮影手段と表示手段とを含み、撮影手段での撮影時における位置情報および向き情報を情報処理装置に対して送信するステップと、情報処理装置から受信した機器に関する情報に基づいて当該機器における画像処理装置に対する操作履歴を取得し、操作履歴を選択可能に提示する操作画面を前記表示手段に表示するステップと、操作履歴の選択を受付けると、選択された操作履歴で特定される画像処理を画像処理装置に実行させるための制御信号を画像処理装置に送信するステップとを携帯端末に実行させる。
【0022】
好ましくは、操作画面を前記表示手段に表示するステップは、受信した機器に関する情報に含まれる当該機器と通信するために必要な通信情報に基づいて機器に対して操作履歴を要求するステップと、機器から操作履歴を受信するステップとを含む。
【発明の効果】
【0023】
この発明によると、携帯端末を用いて画像処理装置の操作を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像処理システムに含まれるMFPのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像処理システムに含まれるPCのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】画像処理システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図5】画像処理システムに含まれるサーバのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図6】機器情報の具体例を示す図である。
【図7】携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図8】サーバの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図9】動作フロー1におけるMFPの操作のための動作の流れを表わしたシーケンス図である。
【図10】MFPの操作のための動作を行なう携帯端末での動作の具体例を示すフローチャートである。
【図11】図10のステップS113の処理によって携帯端末の操作パネルに表示される操作画面の具体例を示す図である。
【図12】操作画面の他の具体例を示す図である。
【図13】動作フロー2におけるMFPの操作のための動作の流れを表わしたシーケンス図である。
【図14】操作履歴を要求する装置を選択するための選択画面の具体例を示す図である。
【図15】変形例にかかる携帯端末の機能構成の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0026】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【0027】
図1を参照して、本実施の形態にかかる画像処理システムは、画像処理装置としてのMFP(Multi Function Peripheral)100と、MFP100を制御するための制御装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、PC)200と、サーバ300と、携帯端末400とを含む。
【0028】
画像処理装置はMFPに限定されず、少なくとも1以上の画像処理機能を有する装置であれば、他の装置であってもよい。他の装置としては、たとえば、プリンタやファクシミリ送受信機やコピー機などが挙げられる。MFP100は、これら機能を複合的に備えた画像処理装置である。
【0029】
また、図1に示されるように、画像処理システムには複数のMFP100A,100Bが含まれていてもよく、MFP100はこれらを代表して表わすものである。
【0030】
情報処理装置はPCに限定されず、プリンタドライバなどのMFP100を制御するためのプログラムを記憶し、搭載されるCPU(Central Processing Unit)20(図3)が該プログラムを実行することでMFP100に対して操作信号を出力するものであれば、他の装置であってもよい。他の装置としては、たとえば、携帯電話機や携帯型の文書閲覧装置などが挙げられ、以降に説明する携帯端末400と兼用されてもよい。
【0031】
また、図1に示されるように、画像処理システムには複数のPC200A,200Bが含まれていてもよく、PC200はこれらを代表して表わすものである。
【0032】
携帯端末400は、たとえば携帯電話機などが該当し、少なくともカメラ機能と、指示入力機能と、通信機能とを備えていれば、他の装置であってもよい。
【0033】
サーバ300は、一般的なパーソナルコンピュータなどから構成されるものであればよい。
【0034】
MFP100、PC200、およびサーバ300は、有線、または無線のLANなどのネットワークに接続されている。携帯端末400もまた該ネットワークに接続可能であって、携帯端末400は、MFP100、PC200、およびサーバ300と、それぞれ、該ネットワークを経由して通信を行なうことができる。
【0035】
または、MFP100、PC200、サーバ300、およびPC200は、いずれも、無線通信を行なうための機能を備え、携帯端末400は、MFP100、PC200、およびサーバ300と、それぞれ、該無線通信を行なうことができてもよい。無線通信としては、たとえば、Bluetooth(登録商標)を利用した通信や、赤外線通信などが挙げられる。
【0036】
<動作概要>
本実施の形態にかかる画像処理システムにおいては、サーバ300は、当該画像処理システムに含まれるMFP100およびPC200それぞれの情報を「機器情報」として記憶している。
【0037】
機器情報には、それぞれの装置における操作履歴が含まれる。詳しくは、当該機器がMFP100である場合には、MFP100のそれぞれにおける操作履歴が含まれる。当該機器がPC200である場合には、PC200のそれぞれにおけるMFP100に対する操作履歴が含まれる。
【0038】
機器情報には、さらに、それぞれの装置の位置を表わす情報としての位置情報と、LANを経由して通信するための情報であるIPアドレスとが含まれる。
【0039】
操作履歴は、MFP100およびPC200が操作履歴をサーバ300に対して送信することによって、サーバ300に登録される。操作履歴の登録は、一例として、各装置が、操作入力を受け付けてその操作入力に従った制御信号を生成するたびに、当該制御信号を表わす履歴情報を生成し、サーバ300に送信することでなされてもよい。また、他の例として、各装置が上記履歴情報を所定のメモリに蓄積しておき、サーバ300から要求されたタイミングや、所定の時間間隔や、所定のデータ量が蓄積されたタイミングや、LANに接続したタイミング、などの予め設定されたタイミングにサーバ300に送信することでなされてもよい。各装置における履歴情報は、サーバ300に送信されることによって記憶領域から削除されてもよいし、記憶領域に残したままサーバ300に送信されるものであってもよい。
【0040】
操作履歴には、少なくとも、当該画像処理を実行したMFP100を特定する情報と、当該画像処理で用いられたMFP100の機能を特定する情報(機能名)と、当該画像処理の対象とされたデータ(文書名)とが含まれる。他の情報として、その画像処理の結果得られた画像データの格納先である装置を特定する情報(対象PC)が含まれてもよいし、後述するような、当該操作を行なったユーザを特定する情報が含まれてもよい。画像処理の結果得られた画像データの格納先とは、たとえば画像処理が原稿をスキャンして得られた画像データを指定された記憶領域に記憶させる処理である場合、当該記憶領域や当該記憶領域を有する装置を指す。またたとえば、画像処理が原稿をスキャンして得られた画像データを指定された装置に対して送信する処理である場合、その送信先の装置を指す。画像データの格納先としての装置はPCであってもよいし、MFP100自身であってもよい。
【0041】
位置情報としては、たとえば、緯度、経度および高度の組み合わせや、最寄りのLANのアクセスポイント、などが挙げられる。位置情報は、各装置の設置時に、管理者等によってサーバ300に登録されてもよいし、各装置に登録され、所定のタイミングでサーバ300に送信されることでサーバ300に登録されてもよい。または、各装置が自身の位置情報を取得する機能を有する場合には、所定のタイミングで当該機能によって自身の位置情報を取得し、サーバ300に送信することでサーバ300に登録されてもよい。
【0042】
通信するための情報(以下、通信情報とも称する)としては、たとえばIPアドレスが挙げられる。または、上述のようにBluetooth(登録商標)を利用した通信を行なう場合にはそのアドレスであってもよい。また、各装置が複数種類の通信を行なう場合には、それぞれの通信に応じたアドレスであってもよい。以降の説明では、画像処理システムの含まれる各装置はそれぞれLANを経由した通信を行なうものとし、通信情報としてIPアドレスが記憶されているものとする。
【0043】
通信情報もまた、各装置の設置時に、管理者等によってサーバ300に登録されてもよいし、各装置に登録され、所定のタイミングでサーバ300に送信されることでサーバ300に登録されてもよい。または、LAN接続時などの所定のタイミングに自動的に各装置に割り当てられるものである場合、割り当てられたタイミングや、その後の所定のタイミングで各装置がサーバ300に送信することでサーバ300に登録されてもよい。
【0044】
携帯端末400を携帯したユーザは、MFP100またはPC200に携帯端末400を向けて撮影することで、携帯端末400にはサーバ300から撮影した装置の機器情報が送信される。携帯端末400の操作パネル45(図4)には、操作画面として、当該機器情報に含まれる操作履歴が選択可能に表示される。
【0045】
ユーザは、その操作画面において、MFP100に対して実行させたい操作を表わした操作履歴を選択する。これによって、携帯端末400からMFP100に対して、その操作履歴に表わされた画像処理と同じ画像処理を実行させるための制御信号が送信され、MFP100において、その画像処理が実行される。
【0046】
以下、これらの動作を行なうための、それぞれの装置構成について説明する。
<MFPの構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0047】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データを得るためのスキャナ13と、画像データを印刷用紙上に固定するためのプリンタ14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データを保存するためのメモリ16と、上記LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラ17とを含む。
【0048】
<PCの構成>
図3は、PC200のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0049】
図3を参照して、PC200は、全体を制御するための演算装置であるCPU20と、CPU20で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM21と、CPU20でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM22と、操作入力を行なうための操作部25と、各種情報や操作履歴などを記憶するためのメモリ26と、上記LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラ27とを含む。
【0050】
図3に示されたハードウェア構成は一般的なパーソナルコンピュータのハードウェア構成であり、PC200のハードウェア構成は図3に示されたもののみには限定されない。すなわち、その他の構成が含まれていてもよいし、図3に示された構成に替えて他の構成が含まれてもよい。
【0051】
<携帯端末の構成>
図4は、携帯端末400のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0052】
図4を参照して、携帯端末400は、全体を制御するための演算装置であるCPU40と、CPU40で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM41と、CPU40でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM42と、磁気センサを含んで当該携帯端末400の向きを検出するための電子コンパス43と、GPS(Global Positioning System)信号または基地局からの位置信号を受信して当該携帯端末の位置情報を取得するためのGPSコントローラ44と、情報を表示したり当該携帯端末400に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル45と、カメラ46と、上記LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラ47とを含む。
【0053】
操作パネル45は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルと、操作キーとを含む。
【0054】
CPU40はサーバ300から送信された後述する機器情報に含まれる履歴情報に基づいて、タッチパネルに操作画面を表示させる。CPU40は、タッチパネル上の指示位置を特定し、操作画面の画面データとその位置とに基づいてMFP100に画像処理を実行させるための制御信号を生成し、MFP100に対して送信する。
【0055】
また、電子コンパス43およびGPSコントローラ44は、取得した当該携帯端末400の向きや位置情報を示す信号をCPU40に入力する。
【0056】
なお、図4に示されるハードウェア構成は、携帯端末400が上述の動作概要に示された動作を実行するために必要なハードウェア構成であって、携帯端末400はこのハードウェア構成のみを備えるものには限定されない。その他のハードウェア構成として、携帯端末400が通話機能を有する場合には、たとえばスピーカやマイクや基地局と通信するための通信コントローラ、などを備えていてもよい。
【0057】
<サーバの構成>
図5は、サーバ300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0058】
図5を参照して、サーバ300は上述のように一般的なコンピュータ等によって構成されるものであり、一例として、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、機器情報などを記憶するためのHD(Hard Disk)33と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラ34とを含む。
【0059】
図6(A)および図6(B)は、HD33に記憶される機器情報の具体例を示す図である。図6(A)はMFP100の機器情報を表わし、図6(B)はPC200の機器情報を表わしている。
【0060】
詳しくは、図6(A)を参照して、MFP100の機器情報としては、MFPごとに、当該MFPを特定する情報(機器名)、位置情報、通信情報としてのIPアドレス、および操作履歴が記憶される。
【0061】
図6(B)を参照して、PC200の機器情報もまた、PCごとに、当該PCを特定する情報(機器名)、位置情報、通信情報としてのIPアドレス、およびMFP100の操作履歴が記憶される。
【0062】
<機能構成>
本実施の形態にかかる画像処理システムにおいて動作概要に説明されたような動作を実現するための、各装置の機能構成を説明する。
【0063】
図7は、携帯端末400の機能構成の具体例を示すブロック図である。図7に示される各機能は、CPU40がROM41に記憶されるプログラムを読み出してRAM42上で実行することで、主にCPU40に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図4に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0064】
図7を参照して、上記動作を実現するための機能として携帯端末400は、操作パネル45からの指示入力を受け付けるための指示入力部401と、操作パネル45からの撮影指示に応じて当該携帯端末400の位置情報を取得するための位置取得部402と、操作パネル45からの撮影指示に応じて当該携帯端末400の向きを取得するための向き取得部403と、操作パネル45からの撮影指示に応じてカメラ46による撮影を実行して撮影された画像データを取得するための画像取得部404と、操作パネル45からの撮影指示に応じて取得された位置情報と向き情報と共にサーバ300に対して機器情報を要求するためのサーバ要求部405と、該要求に応じてサーバ300から機器情報を取得するための情報取得部406と、取得した機器情報に基づいて操作画面を操作パネル45に表示させるための画面データを生成するための生成部407と、制御信号を生成するためのコマンド生成部408と、生成された制御信号を制御対象とするMFP100に対して送信するための送信部409とを含む。
【0065】
位置取得部402および向き取得部403は、操作パネル45からの撮影指示に応じてそれぞれ位置情報および向き情報を取得する。そのため、その情報は、それぞれ、撮影位置の情報および撮影方向の情報となり得る。そこで、以降の説明では、上記プログラムに従って携帯端末400からサーバ300に送信される位置情報および向き情報を、それぞれ、撮影位置情報および撮影方向情報とも称する。
【0066】
生成部407は、機器情報に含まれる操作履歴を参照して、その操作履歴を選択可能に表示した操作画面を操作パネル45に表示させるための画面データを生成する。CPU40が該画面データに基づいた操作画面を操作パネル45に表示させるための表示処理を実行することによって、操作パネル45には操作画面が表示される。
【0067】
指示入力部401は、操作画面が表示された操作パネル45上の位置を特定した操作パネル45からの指示入力も受け付ける。その指示入力に表わされた位置を特定する信号は、コマンド生成部408に入力される。
【0068】
コマンド生成部408は、当該信号と該画面データとに基づいて、操作画面上の指示位置を特定する。コマンド生成部408は、予め画面データ上の位置と操作パネル45上の位置との対応関係を記憶しておき、その対応関係に基づいて、当該位置に対応した操作履歴を特定する。そして、該操作履歴に表わされる画像処理をMFP100に実行させるための制御信号を生成する。生成された制御信号は、送信部409に入力される。
【0069】
送信部409は、機器情報に含まれるIPアドレスを参照して、生成された制御信号を該IPアドレス宛に送信するための処理を実行する。
【0070】
図8は、サーバ300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図8に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図5に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0071】
図8を参照して、上記動作を実現するための機能としてサーバ300は、各機器から位置情報、履歴情報、およびアドレス情報の入力を受け付けるための機器情報入力部301と、HD33の所定領域に入力された上記機器情報を記憶し、または更新するための機器情報記憶部302と、携帯端末400から機器情報の要求と共に撮影位置および撮影方向の入力を受け付けるための携帯情報入力部303と、機器情報の各位置情報を参照して、携帯端末400の撮影位置および撮影方向に基づいて当該携帯端末400の撮影画像に存在する機器を検索するための検索部304と、検索された機器についての機器情報を携帯端末400に対して送信するための送信部305とを含む。
【0072】
<動作フロー1>
動作フロー1として、サーバ300に記憶される機器情報に含まれる操作履歴を用いてMFP100の操作を行なう場合について説明する。
【0073】
図9は、動作フロー1におけるMFPの操作のための動作の流れを表わしたシーケンス図である。図9の左端はMFP100での処理の流れを表わし、中央は携帯端末400での処理の流れを表わし、右端はサーバ300での処理の流れを表わしている。それぞれの動作は、各装置のCPUがROMに記憶されているプログラムを読み出してRAM上で実行することによって実現される。
【0074】
まず、動作の前提として、MFP100からサーバ300に対して操作履歴を送信する処理が行なわれ、その操作履歴が機器情報として登録される。
【0075】
詳しくは、図9を参照して、ユーザ指示に従ってMFP100において画像処理が実行されると(#01)、その画像処理にかかる操作履歴が所定のタイミングでサーバ300に対して送信される(#01−1)。操作履歴を受信したサーバ300では、当該MFP100の機器情報に受信した操作履歴を登録するための処理が実行される(#03)。
【0076】
この前提の動作が行なわれることで、サーバ300にはMFP100の操作履歴が機器情報として記憶されることになる。
【0077】
次に、MFPの操作のための動作として、携帯端末400においてMFP操作用のアプリケーションが起動された状態において(ステップS1)、カメラでの撮影が行なわれた後に(ステップS3)、MFPの操作のための指示が入力されると(ステップS5)、携帯端末400での撮影位置および撮影方向を特定する情報がサーバ300に対して送信され、該当する機器情報が要求される(ステップS5−1)。
【0078】
サーバ300では携帯端末400からの要求を受け付けると、記憶されている機器情報の各位置情報を参照して、携帯端末400の撮影位置から撮影方向に所定範囲内に位置している機器を特定し、当該機器に関する機器情報を検索する(ステップS7)。そして、該当する機器情報を携帯端末400に送信する(ステップS7−1)。ここでは、機器情報のうち、少なくとも操作履歴と通信情報とが送信される。
【0079】
携帯端末400では該アプリケーションによって、機器情報に含まれる操作履歴が選択可能に提示された操作画面が表示される(ステップS9)。
【0080】
携帯端末400の操作パネル45に表示される操作画面上で操作履歴が選択(タッチ)されると(ステップS11)、選択された操作履歴に示された画像処理をMFP100に実行させるための制御信号が生成される(ステップS13)。そして、その制御信号がMFP100に対して送信される(ステップS13−1)。
【0081】
上記制御信号を受信したMFP100では、該制御信号に従って、指示された画像処理が実行される(ステップS15)。
【0082】
なお、当該画像処理システムが前提としてユーザ認証処理を必要とするものである場合、上述のように、操作履歴は当該操作を行なったユーザを特定する情報(たとえばユーザID)と関連付けたものとすることができる。また、サーバ300は、予め、携帯端末400を特定する情報とユーザIDとの対応付けを記憶しておくことができる。この場合、上記携帯端末400からの要求に対して、ステップS7でサーバ300は、当該携帯端末400に対応付けられたユーザIDを特定し、携帯端末400の撮影位置から撮影方向に所定範囲内に位置している機器に関する機器情報であって、該ユーザIDと関連付けられた操作履歴を含む機器情報を検索し、上記ステップS7−1でその機器情報を送信するようにしてもよい。
【0083】
こうすることで、上記ステップS9では、当該携帯端末400に対応付けられたユーザによる操作履歴が選択可能な操作画面が表示されることになる。そのため、以前に行なった操作と同じ操作を繰り返す場合に、より操作しやすい操作画面が表示されることになる。
【0084】
なお、図9の例は、機器情報としてMFP100の機器情報がサーバ300から送信される例である。これは、携帯端末400でMFP100を撮影した場合の動作の例である。同様にして、携帯端末400でPC200を撮影することで、サーバ300からPC200のMFP100に対する操作履歴を受信することができる。この場合、前提としてPC200はユーザ指示によってMFP100に対して画像処理を実行させるためのコマンドを生成して送信した場合に、そのコマンドにかかる操作履歴を所定のタイミングでサーバ300に対して送信する。これによって、サーバ300にPC200の機器情報としてMFP100に対する操作履歴が登録されることになる。
【0085】
以降、携帯端末400における動作を、フローチャートを用いて詳細に説明する。図10は、MFPの操作のための動作を行なう携帯端末400での動作の具体例を示すフローチャートである。図10のフローチャートに示される動作は、CPU40がROM41に記憶される上記MFP操作用のアプリケーションに対応したプログラムを読み出してRAM42上で実行することによって実現される。
【0086】
図10を参照して、CPU40がMFP操作用のアプリケーションを実行している状態であって(ステップS101でYES)、操作パネル45からMFPの操作のための指示が入力されると(ステップS103でYES)、ステップS205でCPU40は、サーバ300に対して撮影位置および撮影方向を表わす情報を送信して、該当する機器についての機器情報の送信を要求する。
【0087】
サーバ300から応答を受信し(ステップS107でYES)、かつ、その応答が機器情報であり(ステップS109でNO)、さらに、その機器情報にMFPの操作履歴が含まれている場合(ステップS111でYES)、ステップS113でCPU40は、その操作履歴を選択可能に提示した操作画面を操作パネル45に表示するための処理を実行する。
【0088】
図11は、上記ステップS113の処理によって操作パネル45に表示される操作画面の具体例を示す図である。図11では、機器情報としてMFP100の機器情報をサーバ300から受信したときの表示される操作画面の具体例が示されている。この場合、操作画面に選択肢として示される操作履歴には、図11を参照して、当該MFP100で行なわれた画像処理ごとに、当該画像処理で用いられたMFP100の機能を特定する情報(機能名)と、当該画像処理の対象とされたデータ(文書名)と、その画像処理の結果得られた画像データの格納先である装置を特定する情報(対象PC)とが含まれる。操作画面に選択肢として示される操作履歴は必ずしもこれら情報すべてによって表示されなくてもよく、そのうちの少なくとも1つのみで表示されてもよい。または、操作履歴自体を特定する情報のみで表示されてもよい。この場合、該情報に基づいた操作履歴が選択されることで、選択された操作履歴についての詳細な内容が、次の画面、またはポップアップ画面などによって表示されるようにしてもよい。
【0089】
なお、上記ステップS113で操作画面を表示させる際にCPU40は、好ましくは、画像データの格納先ごとに操作履歴を表示させるように操作履歴をソートし、操作画面のための画面データを生成する。または、上記ステップS113で操作画面を表示させる際にCPU40は、好ましくは、当該操作履歴で指定される画像処理に必要なMFPの機能ごとに操作履歴を表示させるように操作履歴をソートし、操作画面のための画面データを生成する。図11は、上記のいずれか方法によってソートされて生成された画面データに基づく操作画面を表わしている。このようにすることで、図11に示されるように、画像データの格納先ごと、またはMFPの機能ごとに操作履歴が表示されることになり、ユーザが所望する操作履歴を探しやすくなる。
【0090】
同様に、機器情報としてPC200の機器情報をサーバ300から受信したとき、好ましくは、上記ステップS113で操作画面を表示させる際にCPU40は、操作履歴を当該操作履歴で指定される画像処理を実行したMFPごとに表示させるようにソートし、操作画面のための画面データを生成する。このようにすることで、MFPごとに操作履歴が表示されることになり、ユーザが所望する操作履歴を探しやすくなる。
【0091】
当該操作画面上での操作入力を受け付けると(ステップS115でYES)、ステップS117でCPU40は、その操作入力によって指定された操作履歴に示された画像処理をMFP100に実行させるための制御信号を生成する。
【0092】
なお、上記ステップS115では、選択する指示に替えて、操作履歴を変更する操作を受け付けてもよい。これは、以降に説明する例でも同様である。
【0093】
この場合の一例として、CPU40は、操作画面として図11に示されたような操作画面を表示させるための画面データを生成する際、各操作履歴の機能名や文書名や画像データの格納先を変更可能に表示させる画面データを生成する。たとえば、図12に示されるように、機能名や文書名や対象PCに横にプルダウンボタンを表示し、そのボタンが押下されることで、他の機能や他の文書や他の装置がそれぞれ選択肢として表示されるようにする。MFP100の備える他の機能や他の文書名や他の装置は、予め携帯端末400が記憶していてもよいし、他の操作履歴に含まれる機能等を参照してもよいし、サーバ300から送信されるMFP100についての機器情報に含まれてもよい。
【0094】
この場合、CPU40はステップS117において、変更後の操作履歴に基づいて、当該変更後の操作履歴に示された画像処理をMFP100に実行させるための制御信号を生成する。
【0095】
<動作フロー2>
動作フロー2として、操作履歴が各装置に記憶されており、サーバ300には操作履歴以外の情報を含んだ機器情報が記憶されている場合について説明する。すなわち、この場合、サーバ300は、MFP100およびPC200の、それぞれの機器情報として、位置情報および通信情報を記憶しており、操作履歴は記憶していなくてもよい。
【0096】
図13は、動作フロー2におけるMFPの操作のための動作の流れを表わしたシーケンス図である。図13の左端はMFP100での処理の流れを表わし、左から2番目は携帯端末400での処理の流れを表わし、左から3番目はサーバ300での処理の流れを表わし、右端はPC200での処理の流れを表わしている。それぞれの動作は、各装置のCPUがROMに記憶されているプログラムを読み出してRAM上で実行することによって実現される。
【0097】
図13を参照して、図9に表わされた動作のステップS5までの流れと同様にして、ステップS5−1で携帯端末400での撮影位置および撮影方向を特定する情報がサーバ300に対して送信され、該当する機器情報が要求されると、図9に表わされた動作フロー1と同様に、ステップS7でサーバ300において該当する機器に関する機器情報が検索され、ステップS7−1’でサーバ300から、検索された機器情報が携帯端末400に送信される。動作フロー2では、前提として機器情報に操作履歴が含まれていなくてもよく、ステップS7−1’で、機器情報のうち、少なくとも通信情報が送信される。
【0098】
動作フロー2では、該機器情報を受信した携帯端末400が、機器情報に含まれる通信情報に基づき、操作履歴を要求する先となる機器を特定し(ステップS8)、当該機器に対して操作履歴を要求する(ステップS8−1)。そして、その要求に応じてMFP100の操作履歴が携帯端末400に対して送信される(ステップS8−2)。
【0099】
なお、動作フロー1における説明と同様に、操作履歴が当該操作を行なったユーザのユーザIDと関連付けられたものである場合、各装置が、予め、携帯端末400を特定する情報とユーザIDとの対応付けを記憶しておくことで、上記ステップS8−2で各装置は、記憶されている操作履歴のうち、操作履歴を要求した携帯端末400に対応したユーザIDと関連付けられた操作履歴を該携帯端末400に送信することができる。
【0100】
図13では、PC200に関する機器情報がサーバ300から携帯端末400に送信されて、該機器情報に基づいて携帯端末400からPC200に対してMFP100の操作履歴が要求される例が示されている。図13は動作フロー2の一例であって、MFP100に関する機器情報がサーバ300から携帯端末400に送信された場合であっても同様である。すなわち、この場合であっても、機器情報には前提として操作履歴が含まれておらず、該機器情報を受信した携帯端末400からは、該機器情報に含まれる通信情報に基づいてMFP100に対して操作履歴が要求され、該要求に応じたMFP100から操作履歴を取得することになる。
【0101】
以降、ステップS9以下の動作は、図9に示された動作フロー10と同様である。
<実施の形態の効果>
実施の形態にかかる画像処理システムにおける以上の動作が行なわれることで、動作概要で説明されたような、携帯端末400を用いたMFP100の操作が可能となる。
【0102】
昨今のMFPの高機能化に伴い、MFPにはより多くの機能が搭載され使用可能となっている。その場合、MFP100の操作パネル15に表示される操作画面にはそれら機能のうちから操作対象とする機能を選択させるための選択肢が多く表示されたり、その機能における操作のための選択肢が多く表示されたりして、不慣れなユーザにとっては操作がし難い操作画面となる場合がある。
【0103】
そういった場合に実施の形態にかかる画像処理システムでは、使用に慣れた携帯端末400において専用のアプリケーションを起動して装置に向けて撮影することによって、当該装置でのMFP100の操作履歴が選択可能に表示される。そして、その中から所望する操作と同じ操作履歴を選択することで、MFP100にその操作で指示される画像処理を実行させることができる。
【0104】
これにより、ユーザは、操作履歴に示された画像処理を実行させるための操作を容易に行なうことができる。また、MFP100が離れた位置にあった場合であってもそこまで移動することなく携帯している携帯端末400でその操作が可能となる。
【0105】
<変形例>
なお、以上の説明では、携帯端末400でのMFP100の操作を行なうための動作の前提として、画像処理システムに含まれるいずれかの装置をカメラ46で撮影し、その際の撮影位置および撮影方向をサーバ300に送信するものとしている。サーバ300は、予め各装置の位置情報を記憶しておき、携帯端末400からの撮影位置および撮影方向から得られる撮影範囲に含まれる位置にある装置を特定するものとしている。
【0106】
しかしながら、MFP100の操作を行なうための動作の前提として動作の開始に必ずしも携帯端末400で撮影を行なう必要はなく、以前に撮影し記憶されている撮影画像を用いてもよい。
【0107】
この場合、携帯端末400には、予め、画像処理システムに含まれる装置をカメラ46で撮影することで得られた画像データが、その撮影時の位置情報および向き情報と関連付けて記憶されている。すなわち、携帯端末400には、撮影画像が、撮影位置および撮影方向と関連付けて記憶されている。
【0108】
携帯端末400ではMFP操作用のアプリケーションが起動されることで、操作対象の装置を選択するための画面が表示され、該画面において、以前に撮影された画像がその中から対象とする装置を選択するための選択肢として表示される。図14は、操作履歴を要求する装置を選択するための選択画面の具体例を示す図である。図14を参照して、一例として、携帯端末400には、以前に撮影されたそれぞれの装置の画像データが記憶されており、該アプリケーションが起動されることで、その撮影画像が選択可能に表示されるものとする。なお、撮影画像に替えて、各装置を選択するためのアイコンが表示されてもよいし、いずれかの装置をテキストで指定するための入力欄が表示されてもよい。ただし、これらの例の場合には、予め当該装置の撮影位置および撮影方向が対応付けて記憶されているものとする。
【0109】
図15は、変形例にかかる携帯端末400の機能構成の具体例を示す図である。図15に示される各機能もまた、CPU40がROM41に記憶されるプログラムを読み出してRAM42上で実行することで、主にCPU40に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図4に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0110】
図15を参照して、変形例にかかる携帯端末400は、図7に示された位置情報取得部402、向き取得部403、および画像取得部404に替えて、機器特定部410を含む。
【0111】
機器特定部410は、指示入力部401において図14に示されたような選択画面における操作位置を示す信号の入力を操作パネル45から受け付けることで、該信号に基づいて選択された機器を特定し、当該機器に関連付けて記憶されている撮影位置および撮影方向をサーバ要求部405に入力する。変形例にかかる携帯端末400のサーバ要求部405は、入力された撮影位置および撮影方向と共にサーバ300に対して機器情報を要求する。
【0112】
変形例に示された動作によって、以前に撮影された機器の画像データが記憶されている場合には、再度撮影することなく、その撮影画像を用いてMFP100の操作を行なうことができる。また、携帯端末400に撮影機能が含まれていない場合であっても、各装置を特定する情報を予め記憶している場合には、その情報を用いてMFP100の操作を行なうことができる。
【0113】
さらに、画像処理システムに含まれるそれぞれの装置に上記動作を実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0114】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0115】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0116】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0117】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0118】
10,20,30、40 CPU、11,21,31,41 ROM、12,22,32,42 RAM、13 スキャナ、14 プリンタ、15,45 操作パネル、16,26 メモリ、17,27,34,47 ネットワークコントローラ、25 操作部、43 電子コンパス、44 コントローラ、46 カメラ、100,100A,100B MFP、200,200A,200B PC、300 サーバ、301 機器情報入力部、302 機器情報記憶部、303 携帯情報入力部、304 検索部、305,409 送信部、400 携帯端末、401 指示入力部、402 位置取得部、403 向き取得部、404 画像取得部、405 サーバ要求部、406 情報取得部、407 生成部、408 コマンド生成部、410 機器特定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と、処理手段を有する画像処理装置を少なくとも含んだ機器と、情報処理装置とを備え、
前記携帯端末は、
撮影手段と、
当該携帯端末の位置情報および向き情報を取得するための取得手段と、
表示手段と、
前記表示手段で表示される操作画面に対する指示を入力するための入力手段とを含み、
前記情報処理装置は、前記機器に関する情報として、前記機器の位置情報と、前記機器と通信するために必要な通信情報とを記憶するための記憶手段を含み、
前記携帯端末は、前記撮影手段での撮影時における位置情報および向き情報を前記情報処理装置に対して送信し、
前記情報処理装置は、前記携帯端末での撮影時における位置情報および向き情報に基づいて、前記機器のうちの前記携帯端末の前記撮影手段での撮影画像に含まれる機器を検出して前記機器に関する情報を前記携帯端末に対して送信し、
前記携帯端末は、前記受信した前記機器に関する情報に基づいて前記画像処理装置に対する操作履歴を取得し、前記操作履歴を選択可能に提示する操作画面を前記表示手段に表示させ、前記入力手段で前記操作履歴の選択を受付けると、前記選択された操作履歴で特定される画像処理を前記画像処理装置に実行させるための制御信号を前記画像処理装置に送信するための処理手段をさらに含む、画像処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は前記機器に関する情報として前記操作履歴をさらに記憶し、
前記携帯端末の前記処理手段は、前記受信した前記機器に関する情報に含まれる前記操作履歴を用いて前記操作画面を前記表示手段に表示させる、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記携帯端末の前記処理手段は、前記受信した前記機器に関する情報に含まれる当該機器と通信するために必要な通信情報に基づいて前記機器に対して前記操作履歴を要求し、前記機器から受信することで前記操作履歴を取得する、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記携帯端末は前記機器を特定する情報に関連付けて前記機器の撮影時における位置情報および向き情報を記憶するための記憶手段をさらに含み、
前記携帯端末は、前記機器の選択を受付けると前記選択された機器の撮影時における位置情報および向き情報を前記情報処理装置に対して送信する、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記機器は、前記画像処理装置を制御するための制御装置を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記操作履歴は、当該操作で指定される画像処理を実行した画像処理装置と、前記画像処理に必要な前記画像処理装置の機能と、前記画像処理の対象となる画像データとを特定する情報を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記携帯端末の前記処理装置は、前記操作画面を前記表示手段に表示させるときに、前記操作履歴を当該操作で指定される画像処理を実行した画像処理装置ごとに表示させるようにソート処理を行なう、請求項6に記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記携帯端末の前記処理装置は、前記操作画面を前記表示手段に表示させるときに、前記操作履歴を当該操作で指定される画像処理に必要な画像処理装置の機能ごとに表示させるようにソート処理を行なう、請求項6に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記操作履歴は、当該操作で指定される画像処理を実行した画像処理装置と、前記画像処理に必要な前記画像処理装置の機能と、前記画像処理の対象となる画像データと、前記画像処理によって得られた画像データの格納先とを特定する情報を含み、
前記携帯端末の前記処理装置は、前記操作画面を前記表示手段に表示させるときに、前記操作履歴を当該操作で指定される画像処理によって得られた画像データの格納先ごとに表示させるようにソート処理を行なう、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記携帯端末の前記処理手段は、前記操作画面において前記操作履歴を選択可能であり、かつ、変更可能に前記表示手段に表示させ、前記操作画面において前記操作履歴の変更の指示を受付けると、前記変更された操作履歴で特定される画像処理を前記画像処理装置に実行させるための制御信号を前記画像処理装置に送信する、請求項1〜9のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項11】
撮影手段および表示手段を備えた携帯端末と、画像処理装置を少なくとも含んだ機器と情報処理装置とを含んだ画像処理システムにおける前記画像処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置は、前記機器に関する情報として、前記機器の位置情報と、前記機器と通信するために必要な通信情報とを記憶し、
前記携帯端末の前記撮影手段での撮影時における位置情報および向き情報を前記携帯端末が前記情報処理装置に送信するステップと、
前記情報処理装置において、前記携帯端末から受信した前記位置情報および向き情報と、前記機器に関する情報に含まれる位置情報とに基づいて、前記機器のうち前記携帯端末の前記撮影手段での撮影画像に含まれる機器を検出して前記機器に関する情報を前記携帯端末に対して送信するステップと、
前記携帯端末において、前記受信した前記機器に関する情報に基づいて前記画像処理装置に対する操作履歴を取得し、前記操作履歴を選択可能に提示する操作画面を前記表示手段に表示するステップと、
前記携帯端末において、前記操作履歴の選択を受付けると、前記選択された操作履歴で特定される画像処理を前記画像処理装置に実行させるための制御信号を前記画像処理装置に送信するステップと、
前記画像処理装置において、前記信号に基づいて対応した画像処理を実行するステップとを備える、画像処理装置の制御方法。
【請求項12】
撮影手段と、
当該携帯端末の位置情報および向き情報を取得するための取得手段と、
表示手段と、
前記表示手段で表示される操作画面に対する指示を入力するための入力手段と、
処理手段とを備え、
前記処理手段は、
前記撮影手段での撮影時における位置情報および向き情報を前記情報処理装置に対して送信する処理と、
前記情報処理装置から受信した機器に関する情報のうち、当該機器における画像処理装置に対する操作履歴を取得し、前記操作履歴を選択可能に提示する操作画面を前記表示手段に表示させる処理と、
前記入力手段で前記操作履歴の選択を受付けると、前記選択された操作履歴で特定される画像処理を前記画像処理装置に実行させるための制御信号を前記画像処理装置に送信する処理とを実行する、携帯端末。
【請求項13】
前記処理手段は、前記操作画面を前記表示手段に表示させる処理において、前記受信した前記機器に関する情報に含まれる当該機器と通信するために必要な通信情報に基づいて前記機器に対して前記操作履歴を要求する処理と、前記機器から前記操作履歴を受信する処理とを実行する、請求項12に記載の携帯端末。
【請求項14】
携帯端末に処理を実行させるための制御プログラムであって、
前記携帯端末は撮影手段と表示手段とを含み、
前記撮影手段での撮影時における位置情報および向き情報を前記情報処理装置に対して送信するステップと、
前記情報処理装置から受信した機器に関する情報に基づいて当該機器における画像処理装置に対する操作履歴を取得し、前記操作履歴を選択可能に提示する操作画面を前記表示手段に表示するステップと、
前記操作履歴の選択を受付けると、前記選択された操作履歴で特定される画像処理を前記画像処理装置に実行させるための制御信号を前記画像処理装置に送信するステップとを前記携帯端末に実行させる、制御プログラム。
【請求項15】
前記操作画面を前記表示手段に表示するステップは、
前記受信した前記機器に関する情報に含まれる当該機器と通信するために必要な通信情報に基づいて前記機器に対して前記操作履歴を要求するステップと、
前記機器から前記操作履歴を受信するステップとを含む、請求項14に記載の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−105235(P2012−105235A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254514(P2010−254514)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】