説明

画像処理システム

【課題】コピーに際して、原稿読取後に待たされることなくプリントが可能な、即ち、処理待ち時間の短縮が可能な画像処理システムを提供する。
【解決手段】原稿読取機能及びプリント機能を備えた複数の画像処理装置1と複数の端末処理装置2とがネットワーク3に接続されると共に、各画像処理装置1は他機利用処理モードを備えている画像処理システムにおいて、読取データの出力を完了した被操作画像処理装置1Bは、該被操作画像処理装置1Bで他機利用処理モードが指定されていると、読取データを該被操作画像処理装置1Bから指定端末処理装置2Aに送信し、該指定端末処理装置2Aは、送信された読取データを記憶すると共に、指定画像処理装置1Cを指定し、且つ、読取データを該指定画像処理装置1Cに送信し、該指定画像処理装置1Cは、送信された読取データをプリントする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像処理装置と複数の端末処理装置とで構成される画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
原稿読取機能及びプリント機能を備えた画像処理装置は、一般に、単独で、原稿をコピーするコピー機として使用されるほか、パソコン等が接続されたネットワークに接続されて、パソコン等から送信されたデータのプリントや、画像処理装置の原稿読取機能で読取ったデータをパソコンへ送信したりして使用される。
【0003】
このようなネットワークで、コピーやプリントの処理案件が増加すると、ネットワークに接続された画像処理装置が1台では、コピーやプリントの要求に対して対処しきれない。そこで、複数の画像処理装置がネットワークに接続されて使用されるシステムが構築されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載のシステムは、原稿読取機能及びプリント機能を備えた複数の画像処理装置(デジタル複写機)やプリンタと複数のパソコン(クライアント端末)が接続されたネットワークに、画像処理装置とプリンタとの管理を行うサーバ(デジタル複写機管理サーバ)を接続したシステムである。このシステムでは、コピーを行おうとした画像処理装置がパソコンから印刷要求を受けている場合は、サーバを介してこの印刷要求を、使用中でない他の画像処理装置又はプリンタに転嫁することにより、コピーを行おうとした画像処理装置でコピーが実行できるようにして、処理待ち時間の短縮を図ったものである。
【特許文献1】特開2000−3259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のシステムでは、コピーを行おうとした画像処理装置が、その時点で既にパソコンから印刷要求を受けて印刷に着手してしまっている場合は、その印刷が終了するまで待つ必要があり、必ずしも、処理待ち時間の短縮に結びつくとはいえない状況である。
【0006】
又、特許文献1に記載のシステムでは、原稿読取機能で原稿を読取った後は、読取データに何らの加工を行う機会がなく、読取られた読取データがそのままプリントされるだけである。
【0007】
そこで、この発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、複数の画像処理装置と複数の端末処理装置とで構成される画像処理システムにおいて、コピーに際して、原稿読取後に待たされる処理待ち時間の短縮が可能な画像処理システム、或いは、原稿読取機能で原稿を読取った後に、読取データに何等かの加工を行う機会を与えることが可能な画像処理システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像処理システムは、相互に独立して使用可能な原稿読取機能及びプリント機能を備えた複数の画像処理装置と、複数の端末処理装置とが、ネットワークに接続されると共に、各画像処理装置は、自装置以外の他の画像処理装置のプリント機能を利用する他機利用処理モードを備えていることを特徴としている。
【0009】
原稿読取機能及びプリント機能を備えた画像処理装置では、一般に、原稿読取機能は、この画像処理装置の操作者が原稿読取を行わせる操作を行うことにより開始される。そこで操作者が原稿読取を行わせる画像処理装置を、被操作画像処理装置と称する。
【0010】
上記の画像処理システムにおいて、原稿読取機能により原稿を読取って読取データの出力を完了した画像処理装置である被操作画像処理装置は、該被操作画像処理装置で他機利用処理モードが指定されていると、読取データを、該被操作画像処理装置から、該被操作画像処理装置が複数の端末処理装置の中から指定した指定端末処理装置に送信する処理を行う。
【0011】
又、該指定端末処理装置は、被操作画像処理装置から送信された読取データを記憶すると共に、複数の画像処理装置の中から少なくとも一つを指定画像処理装置として指定し、且つ、記憶された読取データを該指定画像処理装置に送信する処理を行う。そして、該指定画像処理装置は、指定端末処理装置から送信された読取データを、該指定画像処理装置のプリント機能によりプリントする処理を行う。
【0012】
上記の画像処理システムによれば、被操作画像処理装置で他機利用処理モードを指定することにより、原稿読取機能により読取られた読取データを、指定端末処理装置経由で指定画像処理装置のプリント機能によりプリントすることができる。従って、被操作画像処理装置のプリント機能が使用中であっても、原稿読取後に待たされることなくプリントすることができる。
【0013】
上記の画像処理システムにおいて、画像処理装置は、手動操作を介して選択されるタンデムモードを備えるようにしてもよい。この場合、被操作画像処理装置で該タンデムモードが選択されると、該被操作画像処理装置は、他機利用処理モードを指定すると共に、複数の端末処理装置の中から予め定められた一つの端末処理装置である特定端末処理装置を指定端末処理装置として指定し、且つ、読取データを、該被操作画像処理装置のプリント機能によりプリントする処理を行うようにすることができる。
【0014】
上記の被操作画像処理装置が、複数の端末処理装置の中から予め定められた一つの端末処理装置である特定端末処理装置を指定端末処理装置として指定するのは、システム的に自動処理するようにするために、予め定められている端末処理装置である特定端末処理装置を、指定端末処理装置として自動的に指定するのが合理的であるからである。
【0015】
上記の画像処理システムによれば、被操作画像処理装置でタンデムモードを指定することにより、原稿読取機能により読取られた読取データを、少なくとも2台の画像処理装置を用いて並列にプリントすることができる。従って、プリントの処理時間を短縮することができる。
【0016】
又、上記の画像処理システムにおいて、上記の被操作画像処理装置は、次のような処理を行えるようにしてもよい。即ち、上記の被操作画像処理装置は、この被操作画像処理装置において読取データの出力が終了した時点で、この被操作画像処理装置のプリント機能が使用中でなければ、読取データを、この被操作画像処理装置のプリント機能によりプリントする処理を行う。或いは、この被操作画像処理装置のプリント機能が使用中であれば、他機利用処理モードを指定すると共に、複数の端末処理装置の中から予め定められた一つである特定端末処理装置を、指定端末処理装置として指定する処理を行うようにするのである。
【0017】
上記の被操作画像処理装置のプリント機能が使用中の場合に、この被操作画像処理装置が、複数の端末処理装置の中から予め定められた一つの端末処理装置である特定端末処理装置を指定端末処理装置として指定するのは、上記のタンデムモードの場合と同様、システム的に自動処理するようにするために、予め定められている端末処理装置である特定端末処理装置を、指定端末処理装置として自動的に指定するのが合理的であるからである。
【0018】
上記の画像処理システムによれば、被操作画像処理装置のプリント機能が使用中でなければ自動的に、この被操作画像処理装置のプリント機能によりプリントすることができ、この被操作画像処理装置のみで読取り及びプリントの処理を完結できる。又、被操作画像処理装置のプリント機能が使用中であると自動的に、指定端末処理装置経由で指定画像処理装置のプリント機能によりプリントすることができる。従って、被操作画像処理装置で読取られた読取データを、原稿読取後に待たされることなく自動的にプリントすることができる。
【0019】
上記の場合に、次のようにしてもよい。即ち、画像処理装置に、手動操作を介して選択される自動モードを備える。そして、被操作画像処理装置において該自動モードが選択されると、該被操作画像処理装置が、上述した処理を行うようにするのである。
【0020】
このようにすることにより、上記の画像処理システムにおいて、自動モードのみならず、上記のタンデムモードや後述の手動モードを併用して採用した場合に、これらのモードの中から一つを選択するような操作方法を採用することができ、自動モードの選択操作の取扱を容易にすることができる。
【0021】
又、上記の画像処理システムにおいて、画像処理装置は、手動操作を介して選択される手動モードを備えると共に、複数の端末処理装置の中から、一つの端末処理装置が選択端末処理装置として手動操作を介して選択される端末装置選択機能を備えるようにしてもよい。
【0022】
この場合、上記の被操作画像処理装置は、該被操作画像処理装置において手動モードが選択されると、他機利用処理モードを指定すると共に、端末装置選択機能で選択された選択端末処理装置を、指定端末処理装置として指定する処理を行う。
【0023】
このようにすることにより、上記の画像処理システムにおいて、手動モードを使用することができる。この手動モードは、上記の被操作画像処理装置で原稿の読取を行わせたこの被操作画像処理装置のユーザである操作者が、ネットワークに接続されている複数の端末処理装置の中から自由に一つの端末処理装置を、指定端末処理装置として選択することができるモードである。
【0024】
そのため、例えば、操作者は、該操作者が日常業務で使用しているパソコン等の端末処理装置を指定端末処理装置として選択することができる。この場合には、例えば、被操作画像処理装置で読取られた読取データに対する修正や変更等を行うアプリケーションを、端末処理装置に導入している場合等に、読取データを指定画像処理装置でプリントする前に、これらのアプリケーションによる処理等を、操作者が使い慣れた日常業務で使用しているパソコン等の端末処理装置で行うことができる。従って、画像処理システムを使いやすいシステムとすることができる。
【0025】
手動モードが使用可能な上記の画像処理システムにおいて、上記の端末処理装置は、複数の画像処理装置の中から一つの画像処理装置が、選択画像処理装置として手動操作を介して選択される画像処理装置選択機能を備えるようにしてもよい。この場合、被操作画像処理装置において、指定端末処理装置として指定された上記の選択端末処理装置は、上記の画像処理装置選択機能で選択された選択画像処理装置を指定画像処理装置として指定する処理を行う。
【0026】
このようにすることにより、上記の画像処理システムにおいて、操作者は、ネットワークに接続されている複数の画像処理装置の中から自由に一つの画像処理装置を、選択端末処理装置で選択することができる。そのため、例えば、仕様が異なる複数の画像処理装置の中から、被操作画像処理装置で読取られた読取データをプリントする最適な画像処理装置を選択することができる。従って、画像処理システムを使いやすいシステムとすることができる。
【0027】
或いは、手動モードが使用可能な上記の画像処理システムにおいて、上記の端末処理装置は、次のような処理を行えるようにしてもよい。即ち、被操作画像処理装置において、指定端末処理装置として指定された選択端末処理装置は、複数の画像処理装置の中から該画像処理装置のプリント機能が使用中でないものを検索して、指定画像処理装置として指定する処理を行うようにするのである。
【0028】
このようにすることにより、上記の画像処理システムにおいて、選択端末処理装置が自動的に使用中でない画像処理装置を検索して指定画像処理装置を指定するので、被操作画像処理装置で読取られた読取データをプリントする画像処理装置を、その都度手動で選択する手間を省くことができる。従って、画像処理システムを使いやすいシステムとすることができる。
【0029】
上述した各画像処理システムにおいて、被操作画像処理装置により指定端末処理装置として指定された特定端末処理装置は、複数の画像処理装置の中から画像処理装置のプリント機能が使用中でないものを検索して、指定画像処理装置として指定する処理を行うようにするのが好適である。
【0030】
上記の各画像処理システムにおいては、システム的に自動処理するようにするために、指定端末処理装置として指定される特定端末処理装置は、上述したように複数の端末処理装置の中から予め定められたものである。そこで、このような性格の特定端末処理装置では、この特定端末処理装置が、自動的に、複数の画像処理装置の中から画像処理装置のプリント機能が使用中でないものを検索して、指定画像処理装置として指定するのが合理的であるからである。
【0031】
又、上述した各画像処理システムにおいて、指定画像処理装置は、該指定画像処理装置のプリント機能による読取データのプリントが終了すると、プリント終了通知を次のように処理するのが好適である。即ち、指定画像処理装置が特定端末処理装置により指定された場合は、プリント終了を、被操作画像処理装置に通知する処理を行い、指定画像処理装置が選択端末処理装置により指定された場合は、プリント終了を、選択端末処理装置に通知する処理を行うのである。
【0032】
上記の各画像処理システムにおいては、上述したように、特定端末処理装置は、システム的に自動処理するようにするために、被操作画像処理装置によって、予め定められている端末処理装置が指定端末処理装置として自動的に指定されるものである。そこで、プリント終了は、操作者が原稿の読取を行わせた被操作画像処理装置へ通知するのが合理的であるからである。一方、選択端末処理装置は、上述したように、操作者の便宜のために、被操作画像処理装置で操作者により選択されることにより指定される。そこで、プリント終了は、操作者により選択された選択端末処理装置へ通知するのが合理的であるからである。このようにすることにより、いずれの場合も、操作者は、プリント終了を知ることができ、画像処理システムを使いやすいシステムとすることができる。
【0033】
尚、上述した各画像処理システムでは、端末処理装置としては、一般的に、パソコンが用いられる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、被操作画像処理装置で他機利用処理モードを指定することにより、原稿読取機能により読取られた読取データを、指定端末処理装置経由で指定画像処理装置のプリント機能によりプリントすることができる。従って、被操作画像処理装置のプリント機能が使用中であっても、原稿読取後、待たされることなくプリントすることができる。
【0035】
又、被操作画像処理装置でタンデムモードを指定することにより、被操作画像処理装置で読取られた読取データを、少なくとも2台の画像処理装置を用いて並列にプリントすることができる。従って、処理時間を短縮することができる。
【0036】
又、被操作画像処理装置において、読取データの出力が終了した時点で、この被操作画像処理装置のプリント機能が使用中でなければ、この被操作画像処理装置のプリント機能でプリントすると共に、この被操作画像処理装置のプリント機能が使用中であれば、他機利用処理モードを指定することにより、他の画像処理装置のプリント機能でプリントすることができる。従って、被操作画像処理装置の原稿読取機能により読取られた読取データを、原稿読取後、待たされることなく自動的にプリントすることができる。
【0037】
又、被操作画像処理装置で手動モードを指定することにより、被操作画像処理装置で原稿の読取を行わせた操作者により選択された選択端末処理装置が、指定端末処理装置として指定される。そこで、操作者が日常業務で使用しているパソコン等の端末処理装置を指定端末処理装置として選択することができ、指定画像処理装置でプリントする前に、被操作画像処理装置で読取られた読取データに対する修正や変更等を、操作者が使い慣れた日常業務で使用しているパソコン等の端末処理装置で行うことができる。従って、画像処理システムを使いやすいシステムとすることができる。
【0038】
又、指定端末処理装置は、指定画像処理装置として、操作者により選択された画像処理装置を指定することも、或いは、指定端末処理装置が複数の画像処理装置の中から使用中でない画像処理装置を検索して自動的に指定することもできる。操作者により選択された画像処理装置が指定される場合は、例えば、被操作画像処理装置で読取られた読取データをプリントする最適な画像処理装置を選択することができ、指定端末処理装置が使用中でない画像処理装置を検索して自動的に指定する場合は、プリントする画像処理装置をその都度手動で選択する手間を省くことができる。いずれにしても、画像処理システムを使いやすいシステムとすることができる。
【0039】
又、指定画像処理装置は、該指定画像処理装置のプリント機能による読取データのプリントが終了すると、プリント終了通知を次のように処理することができる。即ち、指定画像処理装置が特定端末処理装置により指定された場合は、プリント終了を、被操作画像処理装置に通知する処理を行い、指定画像処理装置が選択端末処理装置により指定された場合は、プリント終了を、選択端末処理装置に通知することができる。従って、画像処理システムを使いやすいシステムとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態における画像処理システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0041】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1における画像処理システムの構成を示したブロック図である。図1において、実施の形態1における画像処理システムは、#A複写機1A〜#C複写機1Cの3台の複写機と、#Aパソコン2A〜#Eパソコン2Eの5台のパソコンが、LAN等のネットワーク3に接続されて構成されている。この内、上記の複写機が前述の画像処理装置に該当し、パソコンが前述の端末処理装置に該当する。
【0042】
上記の画像処理システムを構成する#A複写機1A〜#C複写機1Cは、それぞれ、図2に示すように構成されており、これらの複写機を総称して複写機1と称する。図1において、この複写機1は、CPU11、メモリ12、スキャナ部13、プリンタ部14、表示操作部15、及び、IF部16で構成されており、これらは、バスラインやアドレスライン等で構成される制御ライン19を介して相互に接続されている。
【0043】
尚、上記のCPU11、メモリ12、スキャナ部13、プリンタ部14、表示操作部15、及び、IF部16の各コンポーネントは、#A複写機1A〜#C複写機1Cのそれぞれに備えられているが、これらの各コンポーネントは、これらの各コンポーネントが備えられている各複写機1の名称中のアルファベットを、各コンポーネントを示す番号の末尾に付して表すものとする。例えば、#B複写機1Bに備えられている上述したCPU11、メモリ12、スキャナ部13、プリンタ部14、表示操作部15、及び、IF部16は、それぞれ、CPU11B、メモリ12B、スキャナ部13B、プリンタ部14B、表示操作部15B、及び、IF部16Bと表示する。
【0044】
上記の複写機1において、CPU11は、マイクロコンピュータで構成されている。メモリ12は、半導体メモリやハードディスク等で構成されており、このメモリ12には、複写機1を制御するのに必要なOSやアプリケーションプログラム等のソフトウエアが格納されている。CPU11は、このメモリ12に搭載されたソフトウエアにより、各種の処理を行う機能を有している。
【0045】
スキャナ部13は、原稿に記載されたカラー画像を読取って、カラー画像データを出力する機能を有している。このスキャナ部12から出力されるカラー画像データのデータ形式としては、RGBビットマップを用いている。RGBとは、画像を構成する各ドットを赤(R)色、緑(G)色、青(B)色を表現するデータで表したものである。又、このスキャナ部13では、原稿が複数枚で構成されている場合は、それらを全て自動的に読取る機能を有している。このスキャナ部13で読取られたデータは、一般に、圧縮してメモリ12に記憶されるが、この圧縮されたデータを読取データと称する。このデータの圧縮方式としては、TIFF、JPEG、PDF等が用いられる。
【0046】
プリンタ部14は、スキャナ部12で読取られた読取データや、ネットワーク3を介して複写機1にプリントするために送信されてきたデータを、用紙にプリントする機能を有している。このプリンタ部14に送信されるデータのデータ形式としては、CMYKが用いられる。CMYKとは、シアン(C)色、マゼンタ(M)色、黄(Y)色、及び、黒(K)色を表現する各データで構成されたデータ形式であり、プリンタ用のデータ形式として用いられている。
【0047】
表示操作部15は、小型のLCD表示器と、手動で操作されるスタートボタンやテンキー等のキーボードで構成されている。即ち、この表示操作部15は、コピーを開始する際等に、コピー操作等の、複写機1に対する操作者による手動操作を行うのに用いられる。IF部16は、複写機1がネットワーク3を介してデータの送受信等を行うための制御を行う機能を有している。
【0048】
上記の複写機1において、同一の複写機に備えられているスキャナ部13とプリンタ部14とは、相互に独立して使用できるように構成されている。即ち、スキャナ部13で読取られた読取データのプリントは、このスキャナ部13が備えられている複写機に備えられているプリンタ部14で必ずしも行われるのではない。又、プリンタ部14でプリントされるデータは、このプリンタ部14が備えられている複写機に備えられているスキャナ部13で読取られた読取データでは必ずしもない。
【0049】
上記の画像処理システムを構成する#Aパソコン2A〜#Eパソコン2Eは、それぞれ、図3に示すように構成されており、これらのパソコンを総称してパソコン2と称する。図3において、このパソコン2は、CPU21、メモリ22、表示部23、操作部24、及び、IF部25で構成されており、これらは、バスラインやアドレスライン等で構成される制御ライン29を介して相互に接続されている。
【0050】
上記のパソコン2において、CPU21は、マイクロコンピュータで構成されている。メモリ22は、半導体メモリやハードディスク等で構成されており、このメモリ22には、パソコン2を制御するのに必要なOSやアプリケーションプログラム等のソフトウエアが格納されている。CPU21は、このメモリ22に搭載されたソフトウエアにより、各種の処理を行う機能を有している。表示部23は、LCD表示器等の表示装置で構成されており、パソコン2における各種の表示を行う。操作部24は、キーボード及びマウスで構成されており、パソコン2に対する手動による操作を行うのに用いられる。IF部25は、パソコン2がネットワーク3を介してデータの送受信等を行うための制御を行う機能を有している。
【0051】
尚、上記のCPU21、メモリ22、表示部23、操作部24、及び、IF部25の各コンポーネントは、#Aパソコン2A〜#Eパソコン2Eのそれぞれに備えられているが、これらの各コンポーネントは、これらの各コンポーネントが備えられているパソコン2の名称中のアルファベットを、各コンポーネントを示す番号の末尾に付して表すものとする。例えば、#Cパソコン2Cに備えられている上述したCPU21、メモリ22、表示部23、操作部24、及び、IF部25は、それぞれ、CPU21C、メモリ22C、表示部23C、操作部24C、及び、IF部25Cと表示する。
【0052】
上記の実施の形態1における画像処理システムでは、複写機1は、ネットワーク3に接続されているパソコン2から送信されるデータをプリントすることが可能である。又、複写機1に備えられているスキャナ部13で読取られた読取データは、通常の機能としてこの読取データが読取られた複写機1に備えられているプリンタ部14でプリントされることが可能である。そのほか、この読取データは、次のようにプリントされることが可能である。
【0053】
即ち、上記の読取データは、中継の役割を演じるパソコン2を介すことで、この読取データが読取られた複写機1以外の他の複写機1に備えられているプリンタ部14でプリントされることが可能である。読取データが、この読取データの読取られた複写機1以外の他の複写機1でプリントされる上記のような状態を、他機利用処理モードと称する。上記の実施の形態1における画像処理システムは、この他機利用処理モードを備えることを特徴としている。
【0054】
この他機利用処理モードの状態において、読取データを出力する複写機1を読取複写機と称し、中継のパソコン2を指定パソコンと称し、そして、プリントするプリンタ部14を備えている他の複写機1を指定複写機と称する。この内、上記の読取複写機が、前述の被操作画像処理装置に該当し、指定パソコンが前述の指定端末処理装置に該当すると共に、指定複写機が前述の指定画像処理装置に該当する。
【0055】
又、この他機利用処理モードの状態下で、ネットワーク3を介して送受信されるデータは、図4のようなフォーマットで構成されている。このフォーマットは、ヘッダー部とデータ部とで構成され、ヘッダー部には、読取複写機、指定パソコン、指定複写機、プリント部数等が記載され、データ部には、読取データが記載されている。そのため、ネットワーク3に接続されている各複写機1やパソコン2は、このフォーマットのヘッダー部の情報により、当該データが自己宛に送信されたデータであるか否かを判断することができると共に、送信元や、送信先、プリント部数等を知ることができる。但し、指定複写機は、後述するように、指定パソコンで指定されるため、読取複写機から送信されるデータでは、指定複写機の欄は空欄となっている。
【0056】
又、この他機利用処理モードにおける処理を行うために、複写機1には、他の複写機1に備えられているプリンタ部14を利用してプリントする際にセットされる、他機利用処理モードフラグFが備えられている。
【0057】
又、複写機1には、自らが備えるプリンタ部14の使用状態を表す自装置状態表示テーブル31が備えられている。この自装置状態表示テーブル31は、プリンタ部14が使用されていなくて待機中であれば、図5(a)に示すように待機中を表示すると共に、プリンタ部14が使用中であれば、図5(b)に示すように使用中を表示する。この自装置状態表示テーブル31は、#A複写機1A〜#C複写機1Cのそれぞれに備えられており、それぞれ、自装置状態表示テーブル31A、自装置状態表示テーブル31B、又は、自装置状態表示テーブル31Cと称する。
【0058】
又、上記の実施の形態1における画像処理システムでは、#Aパソコン2Aが上述した指定パソコンとして予め定められている。この予め定められている#Aパソコン2Aが、前述の特定端末処理装置に該当する。この指定パソコンである#Aパソコン2Aには、複写機1に備えられているプリンタ部14の使用状態を表す複写機状態表示テーブル32が備えられている。この複写機状態表示テーブル32が備えられている#Aパソコン2Aは、#A複写機1A〜#C複写機1Cの3台の複写機全てと常時交信し、各複写機1の備えているプリンタ部14の使用状態をチェックして、その使用状態を複写機状態表示テーブル32に表示する。この複写機状態表示テーブル32における表示としては、上記の自装置状態表示テーブル31と同様、プリンタ部14が使用されておらず待機中であれば、待機中と表示され、プリンタ部14が使用中であれば、使用中と表示される。
【0059】
図6は、この複写機状態表示テーブル32の例を示したものであり、図6に示した例では、#A複写機1A、及び、#B複写機1Bに備えられているプリンタ部14(即ち、プリンタ部14A、及び、プリンタ部14B)は使用中であるが、#C複写機1Cに備えられているプリンタ部14(即ち、プリンタ部14C)は、使用されておらず待機中である。
【0060】
次に、上記の実施の形態1の画像処理システムにおける複写機1で、操作者が複写機1に原稿を読取らせてプリントさせるいわゆるコピーを行った場合の、上記の画像処理システムの動作について説明する。この画像処理システムでは、読取複写機における原稿読取終了時点で、読取複写機が備えるプリンタ部が待機中であれば、読取複写機が備えるプリンタ部でプリントし、読取複写機が備えるプリンタ部が使用中であれば、指定複写機が備えるプリンタ部でプリントするように構成されている。
【0061】
図7〜図10は、上記の画像処理システムの動作を示したフローチャートである。図7〜図10の内、図7、図8、及び図10は、複写機1の動作に関するフローチャートであり、図9は、パソコン2の動作に関するフローチャートである。これらのフローチャートは、ネットワーク3に接続されている全ての複写機1或いは全てのパソコン2において、複数のマルチタスクとして並列的に処理される動作フローの一部である。
【0062】
特に、図7、図8、及び図10に関しては、図7及び図8で、1つの独立した一連の処理フローを示すと共に、図10は、単独で独立した一連の処理フローを示しており、これらの2つの処理フローは、複写機1でマルチタスク処理される。即ち、これらの2つの処理フローは、同時並行的に処理される。尚、図7〜図10のフローチャートにおいて、点線で示される二重丸で囲まれた同符号間は、フローチャート間に同期関係があることを示している。
【0063】
まず、操作者が、図1における#B複写機1Bでコピーを行うものと想定する。すると、この#B複写機1Bが読取複写機となる。又、図7及び図8のフローチャートは、#B複写機1Bの動作を示すことになる。図7及び図8において、最初に、#Aパソコン2Aを指定パソコンとし(S1)、次に、操作者により読取複写機である#B複写機1Bで原稿読取操作が行われたか否かをチェックする(S2)。この原稿読取操作は、一般的には、原稿トレイに原稿を載置してスタートボタンを押すことで行われる。原稿読取操作が行われると、#B複写機1Bのスキャナ部13Bで原稿を読取ると共に、読取データをメモリ12Bに記憶する(S3)。この原稿読取が終了すると(S4)、#B複写機1Bの自装置状態表示テーブル31Bをチェックする(S5)。
【0064】
自装置状態表示テーブル31Bのチェックにより、読取複写機である#B複写機1Bのプリンタ部14Bが使用中であれば(S6)、他機利用処理モードフラグFをセットし(S7)、そうでなければ(S6)、セットせずにS8へ進む。S8で他機利用処理モードフラグFがセットされていなければ、#B複写機1Bのプリンタ部14Bは使用中でないので、読取データをプリンタ部14Bに送ってプリント指示をすることで(S9)、プリントが行われて、読取複写機である#B複写機1Bの動作が終了する。
【0065】
読取複写機である#B複写機1Bのプリンタ部14Bが使用中の場合は、S8で他機利用処理モードフラグFがセットされており、この場合は、他機利用処理モードであることを#B複写機1Bの表示操作部15Bに表示すると共に(S10)、読取データを指定パソコンである#Aパソコン2Aに送信する(S11)。
【0066】
すると、図9のフローチャートは、指定パソコンである#Aパソコン2Aの動作を示すことになる。この図9において、指定パソコンである#Aパソコン2Aは、読取複写機である#B複写機1Bからの読取データの受信をチェックし(S21)、この読取データを受信すると(S22)、受信した読取データをメモリ22Aに記憶する(S23)。そして、#Aパソコン2Aに備えられている複写機状態表示テーブル32をチェックし(S24)、待機中の複写機1を探してその内の一つを、指定複写機とする(S25)。
【0067】
ここでは、最初に見つかった待機中の複写機1を指定複写機としている。例えば、複写機状態表示テーブル32が、図6に示す状態であれば、#C複写機1Cが唯一待機中であるので、#C複写機1Cを指定複写機とする。そして、指定複写機である#C複写機1Cの名称を、読取複写機である#B複写機1Bへ通知する(S26)。
【0068】
すると、読取複写機である#B複写機1Bは、図8のフローチャートにおいて、S12で、指定パソコンである#Aパソコン2Aからの指定複写機名の通知をチェックし、通知があると(S13)、この指定複写機の名称である#B複写機1Bの名称を、表示操作部15Bに表示する(S14)。そこで、#B複写機1Bのそばにいる操作者は、表示操作部15Bの表示により、プリントされる指定複写機の名称を知ることができる。
【0069】
又、指定パソコンである#Aパソコン2Aは、図9のフローチャートにおいて、S27で、#Aパソコン2Aのメモリ22Aに記憶した読取データを、指定複写機である#C複写機1Cに送信する。
【0070】
すると、図10のフローチャートは、指定複写機である#C複写機1Cの動作を示すことになる。この図10において、指定複写機である#C複写機1Cは、指定パソコンである#Aパソコン2Aからの読取データの受信をチェックし(S31)、この読取データを受信すると(S32)、受信した読取データを、指定複写機である#C複写機1Cのプリンタ部14Cでプリントする(S33)。そして、受信した読取データのプリントが終了すると(S34)、指定パソコンである#Aパソコン2Aへプリント終了を通知して(S35)、指定複写機である#C複写機1Cの処理を終了する。
【0071】
すると、指定パソコンである#Aパソコン2Aは、図9のフローチャートにおいて、S28で、指定複写機である#C複写機1Cからのプリント終了の通知をチェックし、通知があると(S29)、読取複写機である#B複写機1Bへプリント終了を通知して(S30)、指定パソコンである#Aパソコン2Aの処理を終了する。
【0072】
すると、読取複写機である#B複写機1Bは、図8のフローチャートにおいて、S15で、指定パソコンである#Aパソコン2Aからのプリント終了の通知をチェックし、通知があると(S16)、このプリント終了を、表示操作部15Bに表示する(S17)。そこで、#B複写機1Bのそばにいる操作者は、表示操作部15Bの表示により、プリント終了を知ることができ、先に表示操作部15Bに表示された指定複写機の名称である#C複写機1Cにより、#C複写機1Cへプリントされた用紙を取りにいくことができる。そして、読取複写機である#B複写機1Bは、一定時間経過の後(S18)、表示操作部15Bの表示を消すと共に(S19)、他機利用処理モードフラグFをリセットして(S20)、読取複写機である#B複写機1Bの処理を終了する。
【0073】
上記の実施の形態1における画像処理システムによれば、読取複写機である#B複写機1Bのプリンタ部14Bが使用中でなければ、自動的に、この読取複写機である#B複写機1Bのプリンタ部14Bによりプリントすることができ、この読取複写機である#B複写機1Bのみで読取り及びプリントの処理を完結できる。又、読取複写機である#B複写機1Bのプリンタ部14Bが使用中であると、自動的に、指定パソコンである#Aパソコン2A経由で指定複写機である#C複写機1Cのプリンタ部14Cによりプリントすることができる。従って、読取複写機である#B複写機1Bで読取られた読取データを、原稿読取後に待たされることなく自動的にプリントすることができる。
【0074】
<実施の形態2>
実施の形態2における画像処理システムの構成は、図1に示す実施の形態1における画像処理システムの構成と全く同じである。実施の形態2における画像処理システムが実施の形態1における画像処理システムと異なるのは、一部の機能に関する点である。即ち、実施の形態2における画像処理システムでは、この画像処理システムを構成する各複写機1に、操作者により選択される、タンデムモード、自動モード、及び、手動モードの3種類のモードが備えられている。
【0075】
この内、タンデムモードは、読取複写機が備えるプリンタ部でプリントすると共に、同時に、指定複写機が備えるプリンタ部でもプリントするモードである。自動モードは、上述した実施の形態1における画像処理システムと全く同じで、読取複写機における原稿読取終了時点で、読取複写機が備えるプリンタ部が待機中であれば、読取複写機が備えるプリンタ部でプリントし、読取複写機が備えるプリンタ部が使用中であれば、指定複写機が備えるプリンタ部でプリントするモードである。そして、手動モードは、無条件に指定複写機が備えるプリンタ部でプリントすると共に、この指定複写機を指定する指定パソコンを、操作者が読取複写機で選択するモードである。
【0076】
従って、タンデムモードと自動モードでは、指定パソコンは予め定められている特定のパソコンが用いられるが、手動モードでは、指定パソコンは上述したように操作者によって選択される。
【0077】
上記の3種類のモードに対処するために、実施の形態2における画像処理システムを構成する複写機1の表示操作部15には、表示操作部15のLCD表示器に、操作の開始時に図11の画面が表示されると共に、手動モードの場合には図12の画面が表示される。この内、図11の画面が表示される場合は、操作者は、図11の画面に表示されている数字のいずれかを、表示操作部15のテンキーで入力することにより、モードが選択される。同様にして、図12の画面が表示される場合は、操作者は、図12の画面に表示されている数字のいずれかを、表示操作部15のテンキーで入力することにより、指定パソコンに指定するパソコンが選択される。ここで選択されたパソコンが、前述の選択端末処理装置に該当する。
【0078】
又、この3種類のモードが使用されている状態下で、ネットワーク3を介して送受信されるデータは、図13に示すフォーマットで構成されている。このフォーマットには、上述した実施の形態1における画像処理システムで使用される図4に示すフォーマットが備える欄に加えて、上記3つのモードの内、使用されているモードを記載するモード欄が設けられている。そのため、ネットワーク3に接続されている各複写機1やパソコン2は、このフォーマットのヘッダー部の情報により、当該データが自己宛に送信されたデータであるか否かを判断することができると共に、モードの種類や、送信元、送信先、プリント部数等を知ることができる。但し、指定複写機は、実施の形態1における画像処理システムと同様、指定パソコンで指定されるため、読取複写機から送信されるデータでは、指定複写機の欄は空欄となっている。
【0079】
又、複写機1に、他機利用処理モードフラグF、及び、自装置状態表示テーブル31が備えられている点は、実施の形態1における画像処理システムと同じである。ただ、実施の形態1における画像処理システムでは、複写機1に備えられているプリンタ部14の使用状態を表す複写機状態表示テーブル32は、予め定められたパソコン2のみに備えられているのに対して、実施の形態2における画像処理システムでは、全てのパソコン2に備えられている。従って、#Aパソコン2A〜#Eパソコン2Eのそれぞれに備えられている複写機状態表示テーブル32は、それぞれ、複写機状態表示テーブル32A〜複写機状態表示テーブル32Eと称する。
【0080】
次に、上記の実施の形態2の画像処理システムにおける複写機1で、操作者が原稿を読取らせてプリントさせるいわゆるコピーを行った場合の、上記の画像処理システムの動作について説明する。図14〜図19は、上記の画像処理システムの動作を示したフローチャートである。図14〜図19の内、図14〜図16、及び、図19は、複写機1の動作に関するフローチャートであり、図17、及び、図18は、パソコン2の動作に関するフローチャートである。これらのフローチャートは、ネットワーク3に接続されている全ての複写機1或いは全てのパソコン2において、複数のマルチタスクとして並列的に処理される動作フローの一部である。
【0081】
特に、図14〜図16、及び、図19に関しては、図14〜図16で、1つの独立した一連の処理フローを示すと共に、図19は、単独で独立した一連の処理フローを示しており、これらの2つの処理フローは、複写機1でマルチタスク処理される。即ち、これらの2つの処理フローは、同時並行的に処理される。尚、図14〜図19のフローチャートにおいて、点線で示される二重丸で囲まれた同符号間は、フローチャート間に同期関係があることを示している。
【0082】
この実施の形態2においても、実施の形態1と同様、操作者が、図1における#B複写機1Bでコピーを行うものと想定する。すると、この#B複写機1Bが読取複写機となる。又、図14〜図16のフローチャートは、#B複写機1Bの動作を示すことになる。又、操作者は、上述したように、タンデムモード、自動モード、及び、手動モードの3種類のモードのいずれかを選択する。そこで、以下の説明では、それぞれのモードが選択された場合について、個別に説明する。即ち、タンデムモード、自動モード、及び、手動モードにおける実施の形態2の画像処理システムの動作について、それぞれ個別に説明する。
【0083】
最初に、タンデムモードの場合について説明する。図14〜図16のフローチャートにおいて、まず、モード選択チェックが行われ(S41)、モードの選択が終了すると(S42)、次に、選択されたモード(以下、単にモードと称する)が手動モードであるかチェックする(S43)。しかし、モードはタンデムモードであり手動モードではなく、この場合は実施の形態1と同様、#Aパソコン2Aを指定パソコンとして(S44)、S48へ進む。
【0084】
S48では、操作者により読取複写機である#B複写機1Bで原稿読取操作が行われたか否かをチェックする。この原稿読取操作は、一般的には、#B複写機1Bの原稿トレイに原稿を載置して表示操作部15Bに備えられているスタートボタンを押すことで行われる。原稿読取操作が行われると(S48)、#B複写機1Bのスキャナ部13Bで原稿を読取ると共に、読取データをメモリ12Bに記憶する(S49)。
【0085】
この原稿読取が終了すると(S50)、次に、モードが自動モードであるかチェックする(S51)。しかし、モードはタンデムモードであり自動モードではないので、S54へ進み、他機利用処理モードフラグFをセットする(S54)。次に、モードがタンデムモードであるかチェックするが(S55)、モードはタンデムモードであるので、読取データを#B複写機1Bのプリンタ部14Bに送ってプリント指示をすることで(S56)、プリントが行われる。
【0086】
次に、他機利用処理モードフラグFがセットされているか否かをチェックするが(S57)、他機利用処理モードフラグFは上記のS54でセットされているので、他機利用処理モードであることを#B複写機1Bの表示操作部15Bに表示すると共に(S59)、読取データを指定パソコンである#Aパソコン2Aに送信する(S60)。
【0087】
すると、図17、及び、図18のフローチャートは、指定パソコンである#Aパソコン2Aの動作を示すことになる。この図17、及び、図18において、指定パソコンである#Aパソコン2Aは、読取複写機である#B複写機1Bからの読取データの受信をチェックし(S81)、この読取データを受信すると(S82)、受信した読取データをメモリ22Aに記憶する(S83)。そして、モードが手動モードであるかチェックするが(S84)、モードはタンデムモードであり手動モードではないので、S87に進む。
【0088】
S87では、#Aパソコン2Aに備えられている複写機状態表示テーブル32Aをチェックし、待機中の複写機1を探してその内の一つを、指定複写機とする(S88)。ここでは、実施の形態1と同様、最初に見つかった待機中の複写機1を指定複写機としている。例えば、複写機状態表示テーブル32が、図6に示す状態であれば、#C複写機1Cが唯一待機中であるので、#C複写機1Cを指定複写機とする。
【0089】
次に、モードが手動モードであるかチェックするが(S89)、モードはタンデムモードであり手動モードではないので、指定複写機である#C複写機1Cの名称を、読取複写機である#B複写機1Bへ通知する(S91)。
【0090】
一方、図15のフローチャートにおいて、S60で、読取データを指定パソコンである#Aパソコン2Aに送信した読取複写機である#B複写機1Bは、図16のフローチャートにおいて、S61で、モードが手動モードか事前にチェックするが、モードはタンデムモードであり手動モードではないので、S62へ進んで、指定パソコンである#Aパソコン2Aからの指定複写機名の通知をチェックしている。そこで、通知があると(S63)、この指定複写機の名称である#C複写機1Cの名称を、#B複写機1Bの表示操作部15Bに表示する(S64)。そうすると、#B複写機1Bのそばにいる操作者は、表示操作部15Bの表示により、プリントされる指定複写機の名称を知ることができる。
【0091】
又、指定パソコンである#Aパソコン2Aは、図18のフローチャートにおいて、S92で、#Aパソコン2Aのメモリ22Aに記憶した読取データを、指定複写機である#C複写機1Cに送信する。
【0092】
すると、図19のフローチャートは、指定複写機である#C複写機1Cの動作を示すことになる。この図19において、指定複写機である#C複写機1Cは、指定パソコンである#Aパソコン2Aからの読取データの受信をチェックし(S101)、この読取データを受信すると(S102)、受信した読取データを、指定複写機である#C複写機1Cのプリンタ部14Cでプリントする(S103)。そして、受信した読取データのプリントが終了すると(S104)、指定パソコンである#Aパソコン2Aへプリント終了を通知して(S105)、指定複写機である#C複写機1Cの処理を終了する。
【0093】
すると、指定パソコンである#Aパソコン2Aは、図18のフローチャートにおいて、S93で、指定複写機である#C複写機1Cからのプリント終了の通知をチェックし、通知があると(S94)、モードが手動モードであるかチェックする(S95)が、モードはタンデムモードであり手動モードではないので、読取複写機である#B複写機1Bへプリント終了を通知して(S99)、指定パソコンである#Aパソコン2Aの処理を終了する。
【0094】
すると、読取複写機である#B複写機1Bは、図16のフローチャートにおいて、S65で、指定パソコンである#Aパソコン2Aからのプリント終了の通知をチェックし、通知があると(S66)、このプリント終了を、#B複写機1Bの表示操作部15Bに表示する(S67)。そこで、#B複写機1Bのそばにいる操作者は、表示操作部15Bの表示により、プリント終了を知ることができ、先に表示操作部15Bに表示された指定複写機の名称である#C複写機1Cにより、#C複写機1Cへプリントされた用紙を取りに行くことができる。
【0095】
そして、読取複写機である#B複写機1Bは、一定時間経過の後(S68)、表示操作部15Bの表示を消すと共に(S69)、他機利用処理モードフラグFのリセット(S70)、及び、モードのクリアを行って(S71)、読取複写機である#B複写機1Bの処理を終了する。
【0096】
次に、自動モードの場合について説明する。図14〜図16のフローチャートにおいて、まず、タンデムモードの場合と同様、モード選択チェックが行われ(S41)、モードの選択が終了すると(S42)、次に、選択されたモード(以下、単にモードと称する)が手動モードであるかチェックする(S43)。しかし、モードは自動モードであり手動モードではなく、この場合はタンデムモードと同様、#Aパソコン2Aを指定パソコンとして(S44)、S48へ進む。
【0097】
S48では、操作者により読取複写機である#B複写機1Bで原稿読取操作が行われたか否かをチェックし、原稿読取操作が行われると(S48)、#B複写機1Bのスキャナ部13Bで原稿を読取ると共に、読取データをメモリ12Bに記憶する(S49)。
【0098】
この原稿読取が終了すると(S50)、次に、モードが自動モードであるかチェックする(S51)が、モードは自動モードであるので、#B複写機1Bの自装置状態表示テーブル31Bをチェックする(S52)。
【0099】
自装置状態表示テーブル31Bのチェックにより、読取複写機である#B複写機1Bのプリンタ部14Bが使用中であれば(S53)、他機利用処理モードフラグFをセットし(S54)、そうでなければ(S53)、セットせずにS55へ進む。S55では、モードがタンデムモードであるかチェックするが、モードはタンデムモードではなく自動モードであるので、S57へ進む。
【0100】
S57では、他機利用処理モードフラグFがセットされているか否かをチェックするが、セットされていなければ、#B複写機1Bのプリンタ部14Bは使用中でないので、読取データをプリンタ部14Bに送ってプリント指示をすることで(S58)、プリントが行われ、モードクリアが行われて(S71)、読取複写機である#B複写機1Bの動作が終了する。
【0101】
S57で、他機利用処理モードフラグFがセットされていると、他機利用処理モードであることを#B複写機1Bの表示操作部15Bに表示すると共に(S59)、読取データを指定パソコンである#Aパソコン2Aに送信する(S60)。
【0102】
その後は、上述したタンデムモードの場合と全く同じである。即ち、上述したタンデムモードの説明におけるS60以降の説明がそのまま適用される。
【0103】
次に、手動モードの場合について説明する。図14〜図16のフローチャートにおいて、まず、タンデムモードの場合と同様、モード選択チェックが行われ(S41)、モードの選択が終了すると(S42)、次に、選択されたモード(以下、単にモードと称する)が手動モードであるかチェックするが(S43)、モードは手動モードであるのでS45へ進む。
【0104】
S45では、読取複写機である#B複写機1Bの表示操作部15Bに、図12の画面が表示されて、操作者により指定パソコンに指定する選択パソコンの選択が行われる(S45)。ここでは、#Dパソコン2Dが選択パソコンとして選択されるものとする。この選択パソコンの選択が終了すると(S46)、選択された選択パソコンを指定パソコンとして(S47)、S48へ進む。
【0105】
S48では、操作者により読取複写機である#B複写機1Bで原稿読取操作が行われたか否かをチェックし、原稿読取操作が行われると(S48)、#B複写機1Bのスキャナ部13Bで原稿を読取ると共に、読取データをメモリ12Bに記憶する(S49)。
【0106】
この原稿読取が終了すると(S50)、次に、モードが自動モードであるかチェックするが(S51)、モードは手動モードであり自動モードではないので、S54へ進み、他機利用処理モードフラグFをセットする(S54)。次に、モードがタンデムモードであるかチェックするが(S55)、モードはタンデムモードではなく手動モードであるので、S57へ進む。
【0107】
次に、他機利用処理モードフラグFがセットされているか否かをチェックするが(S57)、他機利用処理モードフラグFは上記のS54でセットされているので、他機利用処理モードであることを#B複写機1Bの表示操作部15Bに表示すると共に(S59)、読取データを指定パソコンである#Dパソコン2Dに送信する(S60)。
【0108】
すると、図17、及び、図18のフローチャートは、指定パソコンである#Dパソコン2Dの動作を示すことになる。この図17、及び、図18において、指定パソコンである#Dパソコン2Dは、読取複写機である#B複写機1Bからの読取データの受信をチェックし(S81)、読取データを受信すると(S82)、受信した読取データをメモリ22Dに記憶する(S83)。そして、モードが手動モードであるかチェックするが(S84)、モードは手動モードであるので、操作者によるメモリ22Dに記憶した読取データの加工を行う読取データ加工処理の機会が与えられる(S85)。
【0109】
この読取データ加工処理としては、例えば、プリント色の変更や、フォントの変更、文章を囲む枠の追加、画像の解像度の変更等を行うことができる。この読取データ加工処理(S85)は、必ずしも行う必要はなく、この読取データ加工処理を行わない場合は、操作者は、何も行わずに読取データ加工処理を終了する。この読取データ加工処理(S85)が終了すると(S86)、S87に進む。
【0110】
S87では、#Dパソコン2Dに備えられている複写機状態表示テーブル32Dをチェックし、待機中の複写機1を探してその内の一つを、指定複写機とする(S88)。ここでは、タンデムモードの場合と同様、最初に見つかった待機中の複写機1を指定複写機としている。ここでは、#A複写機1Aを指定複写機とする。
【0111】
次に、モードが手動モードであるかチェックするが(S89)、モードは手動モードであるので、指定パソコンである#Dパソコン2Dの表示部23Dに指定複写機の名称を表示する(S90)。そこで、#Dパソコン2Dを選択した操作者は、自らが選択した#Dパソコン2Dの表示部23Dの表示により、プリントされる指定複写機の名称を知ることができる。
【0112】
次に、指定パソコンである#Dパソコン2Dは、#Dパソコン2Dのメモリ22Dに記憶した読取データを、指定複写機である#A複写機1Aに送信する(S92)。
【0113】
すると、図19のフローチャートは、指定複写機である#A複写機1Aの動作を示すことになる。この図19において、指定複写機である#A複写機1Aは、指定パソコンである#Dパソコン2Dからの読取データの受信をチェックし(S101)、この読取データを受信すると(S102)、受信した読取データを、指定複写機である#A複写機1Aのプリンタ部14Aでプリントする(S103)。そして、受信した読取データのプリントが終了すると(S104)、指定パソコンである#Dパソコン2Dへプリント終了を通知して(S105)、指定複写機である#A複写機1Aの処理を終了する。
【0114】
すると、指定パソコンである#Dパソコン2Dは、図18のフローチャートにおいて、S93で、指定複写機である#A複写機1Aからのプリント終了の通知をチェックし、通知があると(S94)、モードが手動モードであるかチェックする(S95)が、モードは手動モードであるので、このプリント終了を、#Dパソコン2Dの表示部23Dに表示する(S96)。そこで、#Dパソコン2Dを選択した操作者は、自らが選択した#Dパソコン2Dの表示部23Dの表示により、プリント終了を知ることができ、先に表示部23Dに表示された指定複写機の名称である#A複写機1Aにより、#A複写機1Aへプリントされた用紙を取りに行くことができる。
【0115】
そして、指定パソコンである#Dパソコン2Dは、一定時間経過の後(S97)、表示部23Dの表示を消して(S98)、指定パソコンである#Dパソコン2Dの処理を終了する。
【0116】
一方、図15のフローチャートにおいて、S60で、読取データを指定パソコンである#Dパソコン2Dに送信した読取複写機である#B複写機1Bは、図16のフローチャートにおいて、S61で、モードが手動モードであるかチェックするが、モードは手動モードであるので、一定時間経過の後(S68)、表示操作部15Bの表示を消すと共に(S69)、他機利用処理モードフラグFのリセット(S70)、及び、モードのクリアを行って(S71)、読取複写機である#B複写機1Bの処理を終了する。
【0117】
上記の実施の形態2における画像処理システムによれば、操作者が、読取複写機である#B複写機1Bでタンデムモードを指定することにより、#B複写機1Bのスキャナ部13Bにより読取られた読取データを、読取複写機である#B複写機1Bと、指定複写機である#C複写機1Cとの2台の複写機1を用いて並列にプリントすることができる。従って、プリントの処理時間を短縮することができる。
【0118】
又、操作者が、読取複写機である#B複写機1Bで自動モードを指定することにより、上述した実施の形態1における画像処理システムにおける効果と同様の効果を得ることができる。即ち、読取複写機で読取られた読取データを、原稿読取後に待たされることなく自動的にプリントすることができる。
【0119】
又、操作者は、読取複写機である#B複写機1Bで手動モードを指定することにより、この操作者が、日常業務で使用している#Dパソコン2Dを指定パソコンとして選択することができる。この場合には、読取複写機である#B複写機1Bで読取られた読取データに対する修正や変更等の加工を行うアプリケーションを、#Dパソコン2Dに導入しておくことで、読取データを指定複写機である#A複写機1Aでプリントする前に、これらのアプリケーションによる加工を、操作者が使い慣れた日常業務で使用している#Dパソコン2Dで行うことができる。従って、画像処理システムを使いやすいシステムとすることができる。
【0120】
この場合に、指定パソコンが、複数の複写機1の中からプリンタ部14が使用中でないものを検索して、指定複写機として指定することができる。そのため、指定パソコンが自動的にプリンタ部14が使用中でない複写機1を検索して指定複写機として指定するので、読取複写機で読取られた読取データをプリントする指定複写機を、その都度手動で選択する手間を省くことができる。従って、画像処理システムを使いやすいシステムとすることができる。
【0121】
又、指定複写機が、指定パソコンとして予め定められている特定のパソコンである#Aパソコン2Aにより自動的に指定された#C複写機1Cである場合は、プリント終了は、読取複写機である#B複写機1Bに通知される。又、指定複写機が、指定パソコンとして操作者により選択されたパソコンである#Dパソコン2Dにより指定された#A複写機1Aである場合は、プリント終了は、操作者により選択された#Dパソコン2Dに通知される。そこで、いずれの場合も、操作者は、プリント終了を知ることができ、画像処理システムを使いやすいシステムとすることができる。
【0122】
上記の実施の形態2における画像処理システムの手動モードでは、指定パソコンは、指定パソコンが自動的にプリンタ部14が使用中でない複写機1を検索して指定複写機として指定しているが(図17のS87、S88)、これに代えて、操作者による指定パソコンの操作部24からの入力により、ネットワーク3に接続されている複写機1の中から選択して指定するようにしてもよい。
【0123】
この場合は、例えば、まず、指定パソコンがこの指定パソコンに備えられている複写機状態表示テーブル32を、そのまま指定パソコンの表示部23に表示し、この表示を参考にして、操作者がプリンタ部14の使用中でない複写機1を選択することにより、指定複写機として指定するようにするのである。
【0124】
このようにすることにより、操作者は、ネットワーク3に接続されている複数の複写機1の中から自由に一つの複写機1を選択することができる。そのため、例えば、仕様が異なる複数の複写機1の中から、読取複写機で読取られた読取データをプリントする最適な複写機1を選択することができる。従って、画像処理システムを使いやすいシステムとすることができる。
【0125】
又、上記の実施の形態2における画像処理システムのタンデムモードでは、読取複写機と指定複写機とで、プリントを分担して行うが、この場合は、上記のヘッダー部のプリント部数の欄には、指定複写機がプリントする部数を記載することにより、プリント処理を合理的に処理することができる。
【0126】
上記の実施の形態1或いは実施の形態2における画像処理システムでは、複写機1は、データ形式がCMYKのデータの送信を受けてプリントするプリンタ部14を備えているが、複写機1が備えるプリンタ部14は、これには限られず、他のデータ形式のデータの送信を受けてプリントするプリンタ部14を備えるようにしてもよい。この場合は、全てのパソコン2に、プリント用の制御ソフトウエアとして、送信を受けるデータのデータ形式が異なるプリンタ部14を備える複写機毎に、異なるドライバを備えるようにすればよい。このようにすることにより、ネットワーク3に接続される複写機として、異なるメーカの複写機や、同一メーカであっても異なる仕様の複写機を用いることができる。
【0127】
又、上記の実施の形態1或いは実施の形態2における画像処理システムでは、指定パソコンが、この指定パソコンに備えられている複写機状態表示テーブル32をチェックして、待機中の複写機1を探し、その内の一つを、指定複写機とする機能を備えている。この機能を実施している場合に、ネットワーク3に接続されている全ての複写機1が使用中である場合は、複写機1のいずれかがプリント処理を終了して待機中になるまで待って、指定複写機を指定するようにすればよい。或いは、各複写機1がプリント終了までの所要時間を演算して、各パソコンに通知することにより、最も早くプリント処理が終了する複写機1を選択して指定複写機を指定するようにしてもよい。
【0128】
又、上記の実施の形態1或いは実施の形態2における画像処理システムでは、ネットワーク3を介して送受信されるデータのフォーマットにおいて、ヘッダー部に記載されているプリントそのものに関する項目としては、プリント部数のみについて説明しているが、上記のヘッダー部に、プリント部数以外のプリントそのものに関する他の項目を追加するようにしてもよい。この追加する他の項目としては、例えば、カラーかモノクロかの区別や、拡大や縮小の有無、ステープル処理の有無等がある。このような項目を追加することにより、上記の実施の形態1或いは実施の形態2における画像処理システムにおいて、さらにきめ細かいプリント処理を行うことができる。
【0129】
又、上記の実施の形態1或いは実施の形態2における画像処理システムでは、指定パソコンとして予め定められているパソコンを用いる場合における指定複写機の名称や、指定複写機におけるプリント終了の通知を、指定パソコン経由で読取複写機に通知しているが、指定複写機から読取複写機へ直接通知するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】実施の形態1における画像処理システムの構成を示したブロック図である。
【図2】実施の形態1における画像処理システムに使用される複写機の構成を示したブロック図である。
【図3】実施の形態1における画像処理システムに使用されるパソコンの構成を示したブロック図である。
【図4】実施の形態1における画像処理システムで送受信されるデータのフォーマット図である。
【図5】(a)、(b)は、実施の形態1における画像処理システムに使用される複写機に備えられた自装置状態表示テーブルの例である。
【図6】実施の形態1における画像処理システムに使用されるパソコンに備えられた複写機状態表示テーブルの例である。
【図7】実施の形態1における画像処理システムに使用される読取複写機の動作を示したフローチャート(その1)である。
【図8】実施の形態1における画像処理システムに使用される読取複写機の動作を示したフローチャート(その2)である。
【図9】実施の形態1における画像処理システムに使用される指定パソコンの動作を示したフローチャートである。
【図10】実施の形態1における画像処理システムに使用される指定複写機の動作を示したフローチャートである。
【図11】実施の形態2における画像処理システムに使用される複写機の表示操作部に表示されるモード選択画面図である。
【図12】実施の形態2における画像処理システムに使用される複写機の表示操作部に表示される指定パソコン選択画面図である。
【図13】実施の形態2における画像処理システムで送受信されるデータのフォーマット図である。
【図14】実施の形態2における画像処理システムに使用される読取複写機の動作を示したフローチャート(その1)である。
【図15】実施の形態2における画像処理システムに使用される読取複写機の動作を示したフローチャート(その2)である。
【図16】実施の形態2における画像処理システムに使用される読取複写機の動作を示したフローチャート(その3)である。
【図17】実施の形態2における画像処理システムに使用される指定パソコンの動作を示したフローチャート(その1)である。
【図18】実施の形態2における画像処理システムに使用される指定パソコンの動作を示したフローチャート(その2)である。
【図19】実施の形態2における画像処理システムに使用される指定複写機の動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0131】
1 複写機
1A #A複写機
1B #B複写機
1C #C複写機
2 パソコン
2A #Aパソコン
2B #Bパソコン
2C #Cパソコン
2D #Dパソコン
2E #Eパソコン
3 ネットワーク
11 CPU
12 メモリ
13 スキャナ部
14 プリンタ部
15 表示操作部
16 IF部
19 制御ライン
21 CPU
22 メモリ
23 表示部
24 操作部
25 IF部
29 制御ライン
31 自装置状態表示テーブル
32 複写機状態表示テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に独立して使用可能な原稿読取機能及びプリント機能を備えた複数の画像処理装置と、複数の端末処理装置とが、ネットワークに接続されると共に、各前記画像処理装置は、自装置以外の他の前記画像処理装置のプリント機能を利用する他機利用処理モードを備えている画像処理システムであって、
前記原稿読取機能により原稿を読取って読取データの出力を完了した前記画像処理装置である被操作画像処理装置は、該被操作画像処理装置で前記他機利用処理モードが指定されていると、前記読取データを、該被操作画像処理装置から、該被操作画像処理装置が複数の前記端末処理装置の中から指定した指定端末処理装置に送信する処理を行い、
該指定端末処理装置は、前記被操作画像処理装置から送信された前記読取データを記憶すると共に、複数の前記画像処理装置の中から少なくとも一つを指定画像処理装置として指定し、且つ、記憶された前記読取データを該指定画像処理装置に送信する処理を行い、
該指定画像処理装置は、前記指定端末処理装置から送信された前記読取データを、該指定画像処理装置のプリント機能によりプリントする処理を行うことを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記画像処理装置は、手動操作を介して選択されるタンデムモードを備えており、前記被操作画像処理装置で該タンデムモードが選択されると、該被操作画像処理装置は、前記他機利用処理モードを指定すると共に、複数の前記端末処理装置の中から予め定められた一つである特定端末処理装置を前記指定端末処理装置として指定し、且つ、前記読取データを、該被操作画像処理装置のプリント機能によりプリントする処理を行う請求項1記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記被操作画像処理装置は、
該被操作画像処理装置において前記読取データの出力が終了した時点で、該被操作画像処理装置のプリント機能が使用中でなければ、該読取データを、該被操作画像処理装置のプリント機能によりプリントする処理を行い、
該被操作画像処理装置のプリント機能が使用中であれば、前記他機利用処理モードを指定すると共に、複数の前記端末処理装置の中から予め定められた一つである特定端末処理装置を前記指定端末処理装置として指定する処理を行う請求項1又は2記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記画像処理装置は、手動操作を介して選択される自動モードを備えており、前記被操作画像処理装置において該自動モードが選択されると、該被操作画像処理装置は、請求項3記載の処理を行う画像処理システム。
【請求項5】
前記画像処理装置は、手動操作を介して選択される手動モードを備えていると共に、複数の前記端末処理装置の中から一つが選択端末処理装置として手動操作を介して選択される端末装置選択機能を備えており、
前記被操作画像処理装置は、該被操作画像処理装置において前記手動モードが選択されると、前記他機利用処理モードを指定すると共に、前記端末装置選択機能で選択された前記選択端末処理装置を前記指定端末処理装置として指定する処理を行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記端末処理装置は、複数の前記画像処理装置の中から一つが選択画像処理装置として手動操作を介して選択される画像処理装置選択機能を備えており、
前記被操作画像処理装置において前記指定端末処理装置として指定された前記選択端末処理装置は、前記画像処理装置選択機能で選択された前記選択画像処理装置を前記指定画像処理装置として指定する処理を行う請求項5記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記被操作画像処理装置において前記指定端末処理装置として指定された前記選択端末処理装置は、複数の前記画像処理装置の中から該画像処理装置のプリント機能が使用中でないものを検索して、前記指定画像処理装置として指定する処理を行う請求項5記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記被操作画像処理装置において前記指定端末処理装置として指定された前記特定端末処理装置は、複数の前記画像処理装置の中から前記画像処理装置のプリント機能が使用中でないものを検索して、前記指定画像処理装置として指定する処理を行う請求項2〜7のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記指定画像処理装置は、該指定画像処理装置のプリント機能による前記読取データのプリントが終了すると、
前記指定画像処理装置が前記特定端末処理装置により指定された場合は、プリント終了を、前記被操作画像処理装置に通知する処理を行い、
前記指定画像処理装置が前記選択端末処理装置により指定された場合は、プリント終了を、前記選択端末処理装置に通知する処理を行う請求項2〜8のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記端末処理装置としてパソコンを用いた請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−329580(P2007−329580A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157547(P2006−157547)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】