説明

画像処理方法、画像処理装置、撮像装置及び画像処理プログラム

【課題】撮影画像データの撮影条件を定量的に表す指標と、指標の信頼度を示す判別マップに基づいて階調調整方法を決定することにより、被写体の明度再現性を向上させる。
【解決手段】画像調整処理部701は、撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出するとともに、撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する。そして、算出された占有率及び偏倚量に基づいて、撮影条件を特定するための指標を算出し、その算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて撮影画像データの撮影条件を判別する。そして、判別された撮影条件に応じて、撮影画像データに対する階調調整の方法を決定し、その決定された階調調整方法を用いて、撮影画像データに対して階調変換処理を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理方法、画像処理装置、撮像装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィルムスキャン画像やデジタルカメラ画像の輝度補正は、画像全体の平均輝度をユーザが希望する値へと補正することで行われていた。また通常の撮影では、順光、逆光、ストロボ等の光源条件が様々に変動し、画像中に輝度の偏りの大きい大面積の領域が生じるため、平均輝度の補正に加えて、判別分析、重回帰分析により算出される値を用いた追加補正が必要であった。しかしながら、判別回帰分析方法では、ストロボシーン及び逆光シーンから算出されるパラメータが非常に類似しているため、撮影条件(撮影シーン)の判別が困難であるという問題があった。
【0003】
特許文献1には、判別回帰分析方法に代わる追加補正値の算出方法が開示されている。特許文献1に記載の方法は、輝度の累積画素数(頻度数)を示す輝度ヒストグラムから、高輝度領域と抵輝度領域を削除し、更に、頻度数を制限したものを用いて、輝度の平均値を算出し、この平均値と基準輝度との差分を補正値として求めるものである。
【0004】
また、特許文献2には、顔領域の抽出精度を補償するために、撮影時の光源状態の判別を行う方法が記載されている。特許文献2に記載の方法は、まず、顔候補領域を抽出し、抽出した顔候補領域の平均輝度の画像全体に対する偏りを算出し、偏倚量が大きい場合、撮影条件(逆光撮影かストロボ近接撮影か)の判別を行い、顔領域としての判断基準の許容幅を調整する。特許文献2には、顔候補領域の抽出方法として、特開平6−67320号公報に記載の、色相と彩度の2次元ヒストグラムを用いる方法、特開平8−122944号公報、特開平8−184925号公報及び特開平9−138471号公報に記載のパターンマッチング、パターン検索方法などが引用されている。
【0005】
また、特許文献2には、顔以外の背景領域除去方法としては、特開平8−122944号公報及び特開平8−184925号公報に記載の、直線部分の比率、線対象性、画面外縁との接触率、濃度コントラスト、濃度変化のパターンや周期性を用いて判別する方法が引用されている。撮影条件の判別には、濃度の1次元ヒストグラムを用いる方法が記載されている。この方法は、逆光の場合は顔領域が暗く背景領域が明るい、ストロボ近接撮影の場合は顔領域が明るく背景領域が暗いという経験則に基づいている。
【特許文献1】特開2002−247393号公報
【特許文献2】特開2000−148980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、逆光シーン、ストロボシーンでの輝度の偏りの大きい領域の影響は低減されるが、人物を主要被写体とする撮影シーンでは、顔領域の明度が不適切であるという問題があった。また、特許文献2に記載の技術は、典型的な逆光やストロボ近接撮影の場合には、顔領域の特定を補償する効果を達成することができるが、典型的な構図に当てはまらないと、補償効果が得られなくなるという問題があった。
【0007】
また、デジタルカメラで撮影された画像データには、露出条件が不適切な状態で撮影されたものが多く、中でも露出不足によるアンダー画像が大半を占めている。逆光やストロボ近接撮影といった光源条件に由来する撮影条件を判別する際、アンダー画像をストロボ近接撮影、オーバー画像を逆光シーンと誤判別し、濃度補正を全く正反対の方向へと導いてしまう問題があった。
【0008】
このように、人物の顔領域を基準とした定量的な補正を実現するため、撮影条件の判別能力の向上は重要な課題である。更に、撮影条件の判別結果の信頼度を評価するなど、撮影条件の誤判定に対する対策が望まれている。
【0009】
本発明の課題は、撮影画像データの撮影条件(光源条件及び露出条件)を定量的に表す指標と、指標の信頼度を評価する判別マップに基づいて階調調整方法を決定することにより、被写体の明度再現性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出工程と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出工程と、
前記占有率算出工程において算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出工程において算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出工程と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別工程と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定工程と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換工程と、を含むことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出工程と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出工程と、
前記占有率算出工程において算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出工程において算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出工程と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別工程と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定工程と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定工程と、
前記調整方法決定工程において決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定工程において決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換工程と、を含むことを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出工程と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出工程と、
前記占有率算出工程において算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出工程において算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出工程と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別工程と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定工程と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換工程と、を含むことを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出工程と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出工程と、
前記占有率算出工程において算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出工程において算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出工程と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別工程と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定工程と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定工程と、
前記調整方法決定工程において決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定工程において決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換工程と、を含むことを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の発明は、撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出工程と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出工程と、
前記占有率算出工程において算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出工程において算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出工程と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別工程と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定工程と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換工程と、を含むことを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載の発明は、撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出工程と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出工程と、
前記占有率算出工程において算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出工程において算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出工程と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別工程と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定工程と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定工程と、
前記調整方法決定工程において決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定工程において決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換工程と、を含むことを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項3又は4に記載の画像処理方法において、前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する工程を含み、
前記占有率算出工程において、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率が算出されることを特徴としている。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項5又は6に記載の画像処理方法において、前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する工程を含み、
前記占有率算出工程において、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第2の占有率が算出されることを特徴としている。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像処理方法において、前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する工程を含み、
前記占有率算出工程において、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率が算出されることを特徴としている。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項5又は6に記載の画像処理方法において、前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する工程を含み、
前記占有率算出工程において、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第1の占有率が算出されることを特徴としている。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項1、2、5、6、8〜10の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記指標算出工程において、所定の高明度の肌色色相領域と、当該高明度の肌色色相領域以外の色相領域とで、異なる符号の係数が用いられることを特徴としている。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項1、2、5、6、8〜11の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記指標算出工程において、肌色色相領域の中間明度領域と、当該中間明度領域以外の明度領域とで異なる符号の係数が用いられることを特徴としている。
【0022】
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の画像処理方法において、前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域の明度領域が、所定の高明度領域であることを特徴としている。
【0023】
請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の画像処理方法において、前記中間明度領域以外の明度領域が、肌色色相領域内の明度領域であることを特徴としている。
【0024】
請求項15に記載の発明は、請求項11又は13に記載の画像処理方法において、前記高明度の肌色色相領域には、HSV表色系の明度値で170〜224の範囲の領域が含まれることを特徴としている。
【0025】
請求項16に記載の発明は、請求項12又は14に記載の画像処理方法において、前記中間明度領域には、HSV表色系の明度値で85〜169の範囲の領域が含まれることを特徴としている。
【0026】
請求項17に記載の発明は、請求項11、13、15の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域には、青色色相領域、緑色色相領域の少なくとも一方が含まれることを特徴としている。
【0027】
請求項18に記載の発明は、請求項12、14、16の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記中間明度領域以外の明度領域がシャドー領域であることを特徴としている。
【0028】
請求項19に記載の発明は、請求項17に記載の画像処理方法において、前記青色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で161〜250の範囲内にあり、前記緑色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で40〜160の範囲内にあることを特徴としている。
【0029】
請求項20に記載の発明は、請求項18に記載の画像処理方法において、前記シャドー領域の明度値は、HSV表色系の明度値で26〜84の範囲内にあることを特徴としている。
【0030】
請求項21に記載の発明は、請求項11〜20の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記肌色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で0〜39及び330〜359の範囲内にあることを特徴としている。
【0031】
請求項22に記載の発明は、請求項11〜21の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記肌色色相領域が、明度及び彩度に基づく所定の条件式により2つの領域に分割されることを特徴としている。
【0032】
請求項23に記載の発明は、請求項1〜22の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記偏倚量には、撮影画像データの明るさの偏差量、当該撮影画像データの画面中央部における明るさの平均値、異なる条件で算出された明るさの差分値のうちの少なくとも一つが含まれることを特徴としている。
【0033】
ここで、撮影画像データの明るさの偏差量とは、例えば、撮影画像データの輝度の標準偏差、分散等である。また、撮影画像データの画面中央部における明るさの平均値とは、例えば、画面中央部における平均輝度値、画面中央部における肌色領域の平均輝度値等である。また、異なる条件で算出された明るさの差分値とは、例えば、撮影画像データの最大輝度値と最小輝度値の差分値等である。
【0034】
請求項24に記載の発明は、請求項1〜23の何れか一項に記載の画像処理方法において、前記撮影条件は、撮影時の光源条件及び露出条件を示し、
前記光源条件にはストロボ撮影状態が含まれ、前記露出条件には、撮影時のシャッタースピード、絞り値に由来するアンダー撮影状態が含まれることを特徴としている。
【0035】
請求項25に記載の発明は、撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換手段と、を備えることを特徴としている。
【0036】
請求項26に記載の発明は、撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定手段と、
前記調整方法決定手段により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定手段により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換手段と、を備えることを特徴としている。
【0037】
請求項27に記載の発明は、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換手段と、を備えることを特徴としている。
【0038】
請求項28に記載の発明は、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定手段と、
前記調整方法決定手段により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定手段により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換手段と、を備えることを特徴としている。
【0039】
請求項29に記載の発明は、撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換手段と、を備えることを特徴としている。
【0040】
請求項30に記載の発明は、撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定手段と、
前記調整方法決定手段により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定手段により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換手段と、を備えることを特徴としている。
【0041】
請求項31に記載の発明は、請求項27又は28に記載の画像処理装置において、前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率を算出することを特徴としている。
【0042】
請求項32に記載の発明は、請求項29又は30に記載の画像処理装置において、前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第2の占有率を算出することを特徴としている。
【0043】
請求項33に記載の発明は、請求項25又は26に記載の画像処理装置において、前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率を算出することを特徴としている。
【0044】
請求項34に記載の発明は、請求項29又は30に記載の画像処理装置において、前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第1の占有率を算出することを特徴としている。
【0045】
請求項35に記載の発明は、請求項25、26、29、30、32〜34の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記指標算出手段では、所定の高明度の肌色色相領域と、当該高明度の肌色色相領域以外の色相領域とで、異なる符号の係数が用いられることを特徴としている。
【0046】
請求項36に記載の発明は、請求項25、26、29、30、32〜35の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記指標算出手段では、肌色色相領域の中間明度領域と、当該中間明度領域以外の明度領域とで異なる符号の係数が用いられることを特徴としている。
【0047】
請求項37に記載の発明は、請求項35に記載の画像処理装置において、前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域の明度領域が、所定の高明度領域であることを特徴としている。
【0048】
請求項38に記載の発明は、請求項36に記載の画像処理装置において、前記中間明度領域以外の明度領域が、肌色色相領域内の明度領域であることを特徴としている。
【0049】
請求項39に記載の発明は、請求項35又は37に記載の画像処理装置において、前記高明度の肌色色相領域には、HSV表色系の明度値で170〜224の範囲の領域が含まれることを特徴としている。
【0050】
請求項40に記載の発明は、請求項36又は38に記載の画像処理装置において、前記中間明度領域には、HSV表色系の明度値で85〜169の範囲の領域が含まれることを特徴としている。
【0051】
請求項41に記載の発明は、請求項35、37、39の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域には、青色色相領域、緑色色相領域の少なくとも一方が含まれることを特徴としている。
【0052】
請求項42に記載の発明は、請求項36、38、40の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記中間明度領域以外の明度領域がシャドー領域であることを特徴としている。
【0053】
請求項43に記載の発明は、請求項41に記載の画像処理装置において、前記青色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で161〜250の範囲内にあり、前記緑色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で40〜160の範囲内にあることを特徴としている。
【0054】
請求項44に記載の発明は、請求項42に記載の画像処理装置において、前記シャドー領域の明度値は、HSV表色系の明度値で26〜84の範囲内にあることを特徴としている。
【0055】
請求項45に記載の発明は、請求項35〜44の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記肌色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で0〜39及び330〜359の範囲内にあることを特徴としている。
【0056】
請求項46に記載の発明は、請求項35〜45の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記肌色色相領域が、明度及び彩度に基づく所定の条件式により2つの領域に分割されることを特徴としている。
【0057】
請求項47に記載の発明は、請求項25〜46の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記偏倚量には、撮影画像データの明るさの偏差量、当該撮影画像データの画面中央部における明るさの平均値、異なる条件で算出された明るさの差分値のうちの少なくとも一つが含まれることを特徴としている。
【0058】
請求項48に記載の発明は、請求項25〜47の何れか一項に記載の画像処理装置において、前記撮影条件は、撮影時の光源条件及び露出条件を示し、
前記光源条件にはストロボ撮影状態が含まれ、前記露出条件には、撮影時のシャッタースピード、絞り値に由来するアンダー撮影状態が含まれることを特徴としている。
【0059】
請求項49に記載の発明は、被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像手段と、
前記撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換手段と、を備えることを特徴としている。
【0060】
請求項50に記載の発明は、被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像手段と、
前記撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定手段と、
前記調整方法決定手段により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定手段により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換手段と、を備えることを特徴としている。
【0061】
請求項51に記載の発明は、被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像手段と、
前記撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換手段と、を備えることを特徴としている。
【0062】
請求項52に記載の発明は、被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像手段と、
前記撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定手段と、
前記調整方法決定手段により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定手段により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換手段と、を備えることを特徴としている。
【0063】
請求項53に記載の発明は、被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像手段と、
前記撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換手段と、を備えることを特徴としている。
【0064】
請求項54に記載の発明は、被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像手段と、
前記撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定手段と、
前記調整方法決定手段により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定手段により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換手段と、を備えることを特徴としている。
【0065】
請求項55に記載の発明は、請求項51又は52に記載の撮像装置において、前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率を算出することを特徴としている。
【0066】
請求項56に記載の発明は、請求項53又は54に記載の撮像装置において、前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第2の占有率を算出することを特徴としている。
【0067】
請求項57に記載の発明は、請求項49又は50に記載の撮像装置において、前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率を算出することを特徴としている。
【0068】
請求項58に記載の発明は、請求項53又は54に記載の撮像装置において、前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第1の占有率を算出することを特徴としている。
【0069】
請求項59に記載の発明は、請求項49、50、53、54、56〜58の何れか一項に記載の撮像装置において、前記指標算出手段では、所定の高明度の肌色色相領域と、当該高明度の肌色色相領域以外の色相領域とで、異なる符号の係数が用いられることを特徴としている。
【0070】
請求項60に記載の発明は、請求項49、50、53、54、56〜59の何れか一項に記載の撮像装置において、前記指標算出手段では、肌色色相領域の中間明度領域と、当該中間明度領域以外の明度領域とで異なる符号の係数が用いられることを特徴としている。
【0071】
請求項61に記載の発明は、請求項59に記載の撮像装置において、前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域の明度領域が、所定の高明度領域であることを特徴としている。
【0072】
請求項62に記載の発明は、請求項60に記載の撮像装置において、前記中間明度領域以外の明度領域が、肌色色相領域内の明度領域であることを特徴としている。
【0073】
請求項63に記載の発明は、請求項59又は61に記載の撮像装置において、前記高明度の肌色色相領域には、HSV表色系の明度値で170〜224の範囲の領域が含まれることを特徴としている。
【0074】
請求項64に記載の発明は、請求項60又は62に記載の撮像装置において、前記中間明度領域には、HSV表色系の明度値で85〜169の範囲の領域が含まれることを特徴としている。
【0075】
請求項65に記載の発明は、請求項59、61、63の何れか一項に記載の撮像装置において、前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域には、青色色相領域、緑色色相領域の少なくとも一方が含まれることを特徴としている。
【0076】
請求項66に記載の発明は、請求項60、62、64の何れか一項に記載の撮像装置において、前記中間明度領域以外の明度領域がシャドー領域であることを特徴としている。
【0077】
請求項67に記載の発明は、請求項65に記載の撮像装置において、前記青色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で161〜250の範囲内にあり、前記緑色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で40〜160の範囲内にあることを特徴としている。
【0078】
請求項68に記載の発明は、請求項66に記載の撮像装置において、前記シャドー領域の明度値は、HSV表色系の明度値で26〜84の範囲内にあることを特徴としている。
【0079】
請求項69に記載の発明は、請求項59〜68の何れか一項に記載の撮像装置において、前記肌色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で0〜39及び330〜359の範囲内にあることを特徴としている。
【0080】
請求項70に記載の発明は、請求項59〜69の何れか一項に記載の撮像装置において、前記肌色色相領域が、明度及び彩度に基づく所定の条件式により2つの領域に分割されることを特徴としている。
【0081】
請求項71に記載の発明は、請求項49〜70の何れか一項に記載の撮像装置において、前記偏倚量には、撮影画像データの明るさの偏差量、当該撮影画像データの画面中央部における明るさの平均値、異なる条件で算出された明るさの差分値のうちの少なくとも一つが含まれることを特徴としている。
【0082】
請求項72に記載の発明は、請求項49〜71の何れか一項に記載の撮像装置において、前記撮影条件は、撮影時の光源条件及び露出条件を示し、
前記光源条件にはストロボ撮影状態が含まれ、前記露出条件には、撮影時のシャッタースピード、絞り値に由来するアンダー撮影状態が含まれることを特徴としている。
【0083】
請求項73に記載の発明は、画像処理を実行するためのコンピュータに、
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出機能と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出機能と、
前記占有率算出機能により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出機能により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出機能と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別機能と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定機能と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換機能と、を実現させるための画像処理プログラムである。
【0084】
請求項74に記載の発明は、画像処理を実行するためのコンピュータに、
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出機能と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出機能と、
前記占有率算出機能により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出機能により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出機能と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別機能と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定機能と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定機能と、
前記調整方法決定機能により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定機能により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換機能と、を実現させるための画像処理プログラムである。
【0085】
請求項75に記載の発明は、画像処理を実行するためのコンピュータに、
撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出機能と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出機能と、
前記占有率算出機能により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出機能により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出機能と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別機能と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定機能と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換機能と、を実現させるための画像処理プログラムである。
【0086】
請求項76に記載の発明は、画像処理を実行するためのコンピュータに、
撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出機能と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出機能と、
前記占有率算出機能により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出機能により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出機能と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別機能と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定機能と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定機能と、
前記調整方法決定機能により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定機能により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換機能と、を実現させるための画像処理プログラムである。
【0087】
請求項77に記載の発明は、画像処理を実行するためのコンピュータに、
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出機能と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出機能と、
前記占有率算出機能により算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出機能により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出機能と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別機能と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定機能と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換機能と、を実現させるための画像処理プログラムである。
【0088】
請求項78に記載のはつめいは、画像処理を実行するためのコンピュータに、
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出機能と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出機能と、
前記占有率算出機能により算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出機能により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出機能と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別機能と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定機能と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定機能と、
前記調整方法決定機能により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定機能により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換機能と、を実現させるための画像処理プログラムである。
【0089】
請求項79に記載の発明は、請求項75又は76に記載の画像処理プログラムにおいて、前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する機能を実現させ、
前記占有率算出機能を実現させる際に、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率を算出することを特徴としている。
【0090】
請求項80に記載の発明は、請求項77又は78に記載の画像処理プログラムにおいて、前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する機能を実現させ、
前記占有率算出機能を実現させる際に、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第2の占有率を算出することを特徴としている。
【0091】
請求項81に記載の発明は、請求項73又は74に記載の画像処理プログラムにおいて、前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する機能を実現させ、
前記占有率算出機能を実現させる際に、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率を算出することを特徴としている。
【0092】
請求項82に記載の発明は、請求項77又は78に記載の画像処理プログラムにおいて、前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する機能を実現させ、
前記占有率算出機能を実現させる際に、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第1の占有率を算出することを特徴としている。
【0093】
請求項83に記載の発明は、請求項73、74、77、78、80〜82の何れか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、前記指標算出機能を実現させる際に、所定の高明度の肌色色相領域と、当該高明度の肌色色相領域以外の色相領域とで、異なる符号の係数が用いられることを特徴としている。
【0094】
請求項84に記載の発明は、請求項73、74、77、78、80〜83の何れか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、前記指標算出機能を実現させる際に、肌色色相領域の中間明度領域と、当該中間明度領域以外の明度領域とで異なる符号の係数が用いられることを特徴としている。
【0095】
請求項85に記載の発明は、請求項83に記載の画像処理プログラムにおいて、前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域の明度領域が、所定の高明度領域であることを特徴としている。
【0096】
請求項86に記載の発明は、請求項84に記載の画像処理プログラムにおいて、前記中間明度領域以外の明度領域が、肌色色相領域内の明度領域であることを特徴としている。
【0097】
請求項87に記載の発明は、請求項83又は85に記載の画像処理プログラムにおいて、前記高明度の肌色色相領域には、HSV表色系の明度値で170〜224の範囲の領域が含まれることを特徴としている。
【0098】
請求項88に記載の発明は、請求項84又は86に記載の画像処理プログラムにおいて、前記中間明度領域には、HSV表色系の明度値で85〜169の範囲の領域が含まれることを特徴としている。
【0099】
請求項89に記載の発明は、請求項83、85、87の何れか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域には、青色色相領域、緑色色相領域の少なくとも一方が含まれることを特徴としている。
【0100】
請求項90に記載の発明は、請求項84、86、88の何れか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、記中間明度領域以外の明度領域がシャドー領域であることを特徴としている。
【0101】
請求項91に記載の発明は、請求項89に記載の画像処理プログラムにおいて、前記青色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で161〜250の範囲内にあり、前記緑色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で40〜160の範囲内にあることを特徴としている。
【0102】
請求項92に記載の発明は、請求項90に記載の画像処理プログラムにおいて、前記シャドー領域の明度値は、HSV表色系の明度値で26〜84の範囲内にあることを特徴としている。
【0103】
請求項93に記載の発明は、請求項83〜92の何れか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、前記肌色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で0〜39及び330〜359の範囲内にあることを特徴としている。
【0104】
請求項94に記載の発明は、請求項83〜93の何れか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、前記肌色色相領域が、明度及び彩度に基づく所定の条件式により2つの領域に分割されることを特徴としている。
【0105】
請求項95に記載の発明は、請求項73〜94の何れか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、前記偏倚量には、撮影画像データの明るさの偏差量、当該撮影画像データの画面中央部における明るさの平均値、異なる条件で算出された明るさの差分値のうちの少なくとも一つが含まれることを特徴としている。
【0106】
請求項96に記載の発明は、請求項73〜95の何れか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、前記撮影条件は、撮影時の光源条件及び露出条件を示し、
前記光源条件にはストロボ撮影状態が含まれ、前記露出条件には、撮影時のシャッタースピード、絞り値に由来するアンダー撮影状態が含まれることを特徴としている。
【発明の効果】
【0107】
本発明によれば、撮影画像データの撮影条件を定量的に示す指標を算出し、その算出された指標に基づいて撮影条件を判別して、判別結果に応じて撮影画像データに対する階調調整の方法を決定することにより、被写体の明度を適切に補正することが可能となる。特に、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて撮影条件を判別することにより、判別結果の信頼度が高くなり、撮影条件に応じた適切な階調変換を行うことが可能になる。
【0108】
また、撮影画像データの撮影条件を定量的に示す指標を算出し、その算出された指標に基づいて撮影画像データの階調調整量を決定することにより、被写体の明度を適切に補正することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0109】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
まず、本実施形態における構成について説明する。
【0110】
図1は、本発明の実施形態における画像処理装置1の外観構成を示す斜視図である。画像処理装置1は、図1に示すように、筐体2の一側面に、感光材料を装填するためのマガジン装填部3が備えられている。筐体2の内側には、感光材料に露光する露光処理部4と、露光された感光材料を現像処理して乾燥し、プリントを作成するためのプリント作成部5が備えられている。筐体2の他側面には、プリント作成部5で作成されたプリントを排出するためのトレー6が備えられている。
【0111】
また、筐体2の上部には、表示装置としてのCRT(Cathode Ray Tube)8、透過原稿を読み込む装置であるフィルムスキャナ部9、反射原稿入力装置10、操作部11が備えられている。このCRT8が、プリントを作成しようとする画像情報の画像を画面に表示する表示手段を構成している。更に、筐体2には、各種デジタル記録媒体に記録された画像情報を読み取り可能な画像読込部14、各種デジタル記録媒体に画像信号を書き込み(出力)可能な画像書込部15が備えられている。また、筐体2の内部には、これらの各部を集中制御する制御部7が備えられている。
【0112】
画像読込部14には、PCカード用アダプタ14a、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ14bが備えられ、PCカード13aやフロッピー(登録商標)ディスク13bが差し込み可能になっている。PCカード13aは、例えば、デジタルカメラで撮像された複数の駒画像データが記録されたメモリを有する。フロッピー(登録商標)ディスク13bには、例えば、デジタルカメラで撮像された複数の駒画像データが記録される。PCカード13a及びフロッピー(登録商標)ディスク13b以外に駒画像データが記録される記録媒体としては、例えば、マルチメディアカード(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、MDデータ、CD−ROM等がある。
【0113】
画像書込部15には、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ15a、MO用アダプタ15b、光ディスク用アダプタ15cが備えられ、それぞれ、フロッピー(登録商標)ディスク16a、MO16b、光ディスク16cが差し込み可能になっている。光ディスク16cとしては、CD−R、DVD−R等がある。
【0114】
なお、図1では、操作部11、CRT8、フィルムスキャナ部9、反射原稿入力装置10、画像読込部14が、筐体2に一体的に備えられた構造となっているが、これらの何れか1つ以上を別体として設けるようにしてもよい。
【0115】
また、図1に示した画像処理装置1では、感光材料に露光して現像してプリントを作成するものが例示されているが、プリント作成方式はこれに限定されず、例えば、インクジェット方式、電子写真方式、感熱方式、昇華方式等の方式を用いてもよい。
【0116】
〈画像処理装置1の主要部構成〉
図2に、画像処理装置1の主要部構成を示す。画像処理装置1は、図2に示すように、制御部7、露光処理部4、プリント生成部5、フィルムスキャナ部9、反射原稿入力装置10、画像読込部14、通信手段(入力)32、画像書込部15、データ蓄積手段71、テンプレート記憶手段72、操作部11、CRT8、通信手段(出力)33により構成される。
【0117】
制御部7は、マイクロコンピュータにより構成され、ROM(Read Only Memory)等の記憶部(図示略)に記憶されている各種制御プログラムと、CPU(Central Processing Unit)(図示略)との協働により、画像処理装置1を構成する各部の動作を制御する。
【0118】
制御部7は、本発明の画像処理装置に係る画像処理部70を有し、操作部11からの入力信号(指令情報)に基づいて、フィルムスキャナ部9や反射原稿入力装置10から読み取られた画像信号、画像読込部14から読み込まれた画像信号、外部機器から通信手段32を介して入力された画像信号に対して、画像処理を施して露光用画像情報を形成し、露光処理部4に出力する。また、画像処理部70は、画像処理された画像信号に対して出力形態に応じた変換処理を施して出力する。画像処理部70の出力先としては、CRT8、画像書込部15、通信手段(出力)33等がある。
【0119】
露光処理部4は、感光材料に画像の露光を行い、この感光材料をプリント作成部5に出力する。プリント作成部5は、露光された感光材料を現像処理して乾燥し、プリントP1、P2、P3を作成する。プリントP1は、サービスサイズ、ハイビジョンサイズ、パノラマサイズ等のプリントであり、プリントP2は、A4サイズのプリントであり、プリントP3は、名刺サイズのプリントである。
【0120】
フィルムスキャナ部9は、アナログカメラにより撮像された現像済みのネガフィルムN、リバーサルフィルム等の透過原稿に記録された駒画像を読み取り、駒画像のデジタル画像信号を取得する。反射原稿入力装置10は、フラットベットスキャナにより、プリントP(写真プリント、書画、各種の印刷物)上の画像を読み取り、デジタル画像信号を取得する。
【0121】
画像読込部14は、PCカード13aやフロッピー(登録商標)ディスク13bに記録された駒画像情報を読み出して制御部7に転送する。この画像読込部14は、画像転送手段30として、PCカード用アダプタ14a、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ14b等を有する。画像読込部14は、PCカード用アダプタ14aに差し込まれたPCカード13aや、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ14bに差し込まれたフロッピー(登録商標)ディスク13bに記録された駒画像情報を読み取り、制御部7に転送する。PCカード用アダプタ14aとしては、例えばPCカードリーダやPCカードスロット等が用いられる。
【0122】
通信手段(入力)32は、画像処理装置1が設置された施設内の別のコンピュータや、インターネット等を介した遠方のコンピュータから、撮像画像を表す画像信号やプリント命令信号を受信する。
【0123】
画像書込部15は、画像搬送部31として、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ15a、MO用アダプタ15b、光ディスク用アダプタ15cを備えている。画像書込部15は、制御部7から入力される書込信号に従って、フロッピー(登録商標)ディスク用アダプタ15aに差し込まれたフロッピー(登録商標)ディスク16a、MO用アダプタ15bに差し込まれたMO16b、光ディスク用アダプタ15cに差し込まれた光ディスク16cに、本発明における画像処理方法によって生成された画像信号を書き込む。
【0124】
データ蓄積手段71は、画像情報とそれに対応する注文情報(どの駒の画像から何枚プリントを作成するかの情報、プリントサイズの情報等)とを記憶し、順次蓄積する。
【0125】
テンプレート記憶手段72は、サンプル識別情報D1、D2、D3に対応するサンプル画像データである背景画像、イラスト画像等と合成領域を設定する少なくとも1個のテンプレートのデータを記憶している。オペレータの操作によりセットしてテンプレート記憶手段72に予め記憶された複数のテンプレートから所定のテンプレートを選択し、駒画像情報は選択されたテンプレートにより合成し、指定されるサンプル識別情報D1、D2、D3に基づいて選択されたサンプル画像データと、注文に基づく画像データ及び/又は文字データとを合成し、指定によるサンプルに基づくプリントを作成する。このテンプレートによる合成は、周知のクロマキー法によって行なわれる。
【0126】
なお、プリントのサンプルを指定するサンプル識別情報D1、D2、D3は、操作部211から入力されるように構成されているが、これらのサンプル識別情報は、プリントのサンプル又は注文シートに記録されているため、OCR等の読み取り手段により読み取ることができる。或いは、オペレータのキーボード操作により入力することもできる。
【0127】
このようにプリントのサンプルを指定するサンプル識別情報D1に対応してサンプル画像データを記録しておき、プリントのサンプルを指定するサンプル識別情報D1を入力し、この入力されるサンプル識別情報D1に基づきサンプル画像データを選択し、この選択されたサンプル画像データと、注文に基づく画像データ及び/又は文字データとを合成し、指定によるサンプルに基づくプリントを作成するため、種々の実物大のサンプルをユーザが実際に手にしてプリントの注文ができ、幅広いユーザの多様な要求に応じることができる。
【0128】
また、第1のサンプルを指定する第1のサンプル識別情報D2と第1のサンプルの画像データを記憶し、また、第2のサンプルを指定する第2のサンプル識別情報D3と第2のサンプルの画像データを記憶し、指定される第1及び第2のサンプル識別情報D2、D3とに基づいて選択されたサンプル画像データと、注文に基づく画像データ及び/又は文字データとを合成し、指定によるサンプルに基づくプリントを作成するため、さらに多種多様の画像を合成することができ、より一層幅広いユーザの多様な要求に応じたプリントを作成することができる。
【0129】
操作部11は、情報入力手段12を有する。情報入力手段12は、例えば、タッチパネル等により構成されており、情報入力手段12の押下信号を入力信号として制御部7に出力する。なお、操作部11は、キーボードやマウス等を備えて構成するようにしてもよい。CRT8は、制御部7から入力された表示制御信号に従って、画像情報等を表示する。
【0130】
通信手段(出力)33は、本発明の画像処理を施した後の撮影画像を表す画像信号と、それに付帯するオーダー情報を、画像処理装置1が設置された施設内の他のコンピュータや、インターネット等を介した遠方のコンピュータに対して送信する。
【0131】
図2に示すように、画像処理装置1は、各種デジタルメディアの画像及び画像原稿を分割測光して得られた画像情報を取り込む画像入力手段と、画像処理手段と、処理済の画像を表示、プリント出力、画像記録メディアに書き込む画像出力手段と、通信回線を介して施設内の別のコンピュータやインターネット等を介した遠方のコンピュータに対して画像データと付帯するオーダー情報を送信する手段と、を備える。
【0132】
<画像処理部70の内部構成>
図3に、画像処理部70の内部構成を示す。画像処理部70は、図3に示すように、画像調整処理部701、フィルムスキャンデータ処理部702、反射原稿スキャンデータ処理部703、画像データ書式解読処理部704、テンプレート処理部705、CRT固有処理部706、プリンタ固有処理部A707、プリンタ固有処理部B708、画像データ書式作成処理部709により構成される。
【0133】
フィルムスキャンデータ処理部702は、フィルムスキャナ部9から入力された画像データに対し、フィルムスキャナ部9固有の校正操作、ネガポジ反転(ネガ原稿の場合)、ゴミキズ除去、コントラスト調整、粒状ノイズ除去、鮮鋭化強調等の処理を施し、処理済の画像データを画像調整処理部701に出力する。また、フィルムサイズ、ネガポジ種別、フィルムに光学的或いは磁気的に記録された主要被写体に関わる情報、撮影条件に関する情報(例えば、APSの記載情報内容)等も併せて画像調整処理部701に出力する。
【0134】
反射原稿スキャンデータ処理部703は、反射原稿入力装置10から入力された画像データに対し、反射原稿入力装置10固有の校正操作、ネガポジ反転(ネガ原稿の場合)、ゴミキズ除去、コントラスト調整、ノイズ除去、鮮鋭化強調等の処理を施し、処理済の画像データを画像調整処理部701に出力する。
【0135】
画像データ書式解読処理部704は、画像転送手段30及び/又は通信手段(入力)32から入力された画像データに対し、その画像データのデータ書式に従って、必要に応じて圧縮符号の復元、色データの表現方法の変換等の処理を施し、画像処理部70内の演算に適したデータ形式に変換し、画像調整処理部701に出力する。また、画像データ書式解読処理部704は、操作部11、通信手段(入力)32、画像転送手段30の何れかから出力画像の大きさが指定された場合、その指定された情報を検出し、画像調整処理部701に出力する。なお、画像転送手段30により指定される出力画像の大きさについての情報は、画像転送手段30が取得した画像データのヘッダ情報、タグ情報に埋め込まれている。
【0136】
画像調整処理部701は、操作部11又は制御部7の指令に基づいて、フィルムスキャナ部9、反射原稿入力装置10、画像転送手段30、通信手段(入力)32、テンプレート処理部705から受け取った画像データに対し、後述の画像処理(図6、図7、図13及び図17参照)を施して、出力媒体上での鑑賞に最適化された画像形成用のデジタル画像データを生成し、CRT固有処理部706、プリンタ固有処理部A707、プリンタ固有処理部B708、画像データ書式作成処理部709、データ蓄積手段71に出力する。
【0137】
最適化処理においては、例えばsRGB規格に準拠したCRTディスプレイモニタに表示することを前提とした場合、sRGB規格の色域内で最適な色再現が得られるように処理される。銀塩印画紙への出力を前提とした場合、銀塩印画紙の色域内で最適な色再現が得られるように処理される。また前記色域の圧縮の以外にも、16bitから8bitへの階調圧縮、出力画素数の低減、及び出力デバイスの出力特性(LUT)への対応処理等も含まれる。さらにノイズ抑制、鮮鋭化、グレーバランス調整、彩度調整、或いは覆い焼き処理等の階調圧縮処理が行われることは言うまでもない。
【0138】
画像調整処理部701は、図3に示すように、撮影画像データの撮影条件を判別して階調調整条件(階調調整方法、階調調整量)を決定するシーン判別部710と、その決定された階調調整条件に従って階調変換処理を行う階調変換部711により構成される。
【0139】
本実施形態において撮影条件は、光源条件と露出条件に分類される。
光源条件とは、撮影時の光源、主要被写体(主に人物)と撮影者との位置関係に由来するものである。広義の意味において、光源の種類(太陽光、ストロボ光、タングステン照明及び蛍光灯)も含まれる。逆光シーンは、主要被写体の背景に太陽が位置することに生じる。また、ストロボ(近接撮影)シーンは、主要被写体にストロボ光が強く照射されることにより生じる。両シーンは、共に撮影輝度(明暗の比)は同程度で、主要被写体の前景と背景の明るさの関係が逆転しているに過ぎない。
【0140】
一方、露出条件とは、カメラのシャッタースピードや絞り値等の設定に由来するものであり、露出不足の状態をアンダー、適正な露出状態をノーマル、露出過多の状態をオーバーと称する。広義の意味において、所謂「白とび」や「シャドーの潰れ」も含まれる。全ての光源条件において、アンダー或いはオーバーの露出条件とすることができる。特に、ダイナミックレンジの狭いDSC(デジタルスチルカメラ)では、自動露出調整機能を用いても、白とびを抑制することを目的とした設定条件に起因して、アンダー気味の露出条件となる頻度が高い。
【0141】
図4(a)に、シーン判別部710の内部構成を示す。シーン判別部710は、図4(a)に示すように、割合算出部712、偏り算出部722、指標算出部713、画像処理条件算出部714により構成される。割合算出部712は、図4(b)に示すように、表色系変換部715、ヒストグラム作成部716、占有率演算部717により構成される。
【0142】
表色系変換部715は、撮影画像データのRGB(Red, Green, Blue)値をHSV表色系に変換する。HSV表色系とは、画像データを、色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value又はBrightness)の3つの要素で表すものであり、マンセルにより提案された表色体系を元にして考案されたものである。
【0143】
なお、特許請求の範囲及び本実施形態において、「明度」は特に注釈を設けない限り一般に用いられる「明るさ」の意味である。以下の記載において、HSV表色系のV(0〜255)を「明度」として用いるが、他の如何なる表色系の明るさを表す単位系を用いてもよい。その際、本実施形態で記載する各種係数等の数値を、改めて算出し直すことは言うまでもない。また、本実施形形態における撮影画像データは、人物を主要被写体とする画像データであるものとする。
【0144】
ヒストグラム作成部716は、撮影画像データを、所定の色相と明度の組み合わせからなる領域に分割し、分割された領域毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する。また、ヒストグラム作成部716は、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、分割された領域毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する。なお、撮影画像データを、撮影画像データの画面の外縁からの距離、明度及び色相の組み合わせからなる領域に分割し、分割された領域毎に累積画素数を算出することによって3次元ヒストグラムを作成するようにしてもよい。以下では、2次元ヒストグラムを作成する方式を採用するものとする。
【0145】
占有率演算部717は、明度と色相の組み合わせによって分割された領域毎に、ヒストグラム作成部716において算出された累積画素数の全画素数(撮影画像データ全体)に占める割合を示す第1の占有率(表1参照)を算出する。また、占有率演算部717は、撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせによって分割された領域毎に、ヒストグラム作成部716において算出された累積画素数の全画素数(撮影画像データ全体)に占める割合を示す第2の占有率(表4参照)を算出する。
【0146】
偏り算出部722は、撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する。ここでの偏倚量とは、撮影画像データの輝度値の標準偏差、輝度差分値、画面中央部の肌色平均輝度値、画面中央部の平均輝度値、肌色輝度分布値である。これらの偏倚量の算出処理については、後に図16を参照して詳細に説明する。
【0147】
指標算出部713は、占有率演算部717において各領域毎に算出された第1の占有率に、撮影条件に応じて予め(例えば、判別分析によって)設定された第1の係数(表2参照)を乗算して和をとることにより、撮影条件を特定するための指標1を算出する。指標1は、屋内撮影度、近接撮影度、顔色高明度等のストロボ撮影時の特徴を示すもので、ストロボと判別されるべき画像を他の撮影条件から分離するためのものである。
【0148】
指標1の算出の際、指標算出部713は、所定の高明度の肌色色相領域と、当該高明度の肌色色相領域以外の色相領域とで、異なる符号の係数を用いる。ここで、所定の高明度の肌色色相領域には、HSV表色系の明度値で170〜224の領域が含まれる。また、所定の高明度の肌色色相領域以外の色相領域には、青色色相領域(色相値161〜250)、緑色色相領域(色相値40〜160)の少なくとも一方の高明度領域が含まれる。
【0149】
また、指標算出部713は、占有率演算部717において各領域毎に算出された第1の占有率に、撮影条件に応じて予め(例えば、判別分析によって)設定された第2の係数(表3参照)を乗算して和をとることにより、撮影条件を特定するための指標2を算出する。指標2は、屋外撮影度、空色高明度、顔色低明度等の逆光撮影時の特徴を複合的に示すもので、逆光と判別されるべき画像を他の撮影条件から分離するためのものである。
【0150】
指標2の算出の際、指標算出部713は、肌色色相領域(色相値0〜39、330〜359)の中間明度領域と、当該中間明度領域以外の明度領域とで、異なる符号の係数を用いる。この肌色色相領域の中間明度領域には、明度値85〜169の領域が含まれる。また、当該中間明度領域以外の明度領域には、例えば、シャドー領域(明度値26〜84)が含まれる。
【0151】
更に、指標算出部713は、占有率演算部717において各領域毎に算出された第2の占有率に、撮影条件に応じて予め(例えば、判別分析によって)設定された第3の係数(表5参照)を乗算して和をとることにより、撮影条件を特定するための指標3を算出する。指標3は、逆光とストロボ間における、撮影画像データの画面の中心と外側の明暗関係の差異を示すものであり、逆光又はストロボと判別されるべき画像のみを定量的に示すものである。指標3の算出の際、指標算出部713は、撮影画像データの画面の外縁からの距離に応じて異なる値の係数を用いる。
【0152】
また、指標算出部713は、指標1、指標3、撮影画像データの画面中央部における肌色領域の平均輝度値に、それぞれ、撮影条件に応じて予め(例えば、判別分析によって)設定された係数を乗算して和をとることにより指標4を算出する。更に、指標算出部713は、指標2、指標3、画面中央部における肌色領域の平均輝度値に、それぞれ、撮影条件に応じて予め(例えば、判別分析によって)設定された係数を乗算して和をとることにより指標5を算出する。また、指標算出部713は、偏り算出部722において算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め(例えば、判別分析によって)設定された第4の係数(表6参照)を乗算して和をとることにより指標6を算出する。指標算出部713における指標1〜6の具体的な算出方法は、後述の本実施形態の動作説明において詳細に説明する。
【0153】
図4(c)に、画像処理条件算出部714の内部構成を示す。画像処理条件算出部714は、図4(c)に示すように、シーン判別部718、階調調整方法決定部719、階調調整パラメータ算出部720、階調調整量算出部721により構成される。
【0154】
シーン判別部718は、指標算出部713において算出された指標4、指標5及び指標6の値と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされ、指標の信頼度を評価する判別マップ(図19参照)に基づいて、撮影画像データの撮影条件を判別する。
【0155】
階調調整方法決定部719は、シーン判別部718において判別された撮影条件に応じて、撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する。例えば、撮影条件が順光又はストロボである場合は、図21(a)に示すように、入力された撮影画像データの画素値を平行移動(オフセット)補正する方法(階調調整方法A)が適用される。撮影条件が逆光又はアンダーである場合は、図21(b)に示すように、入力された撮影画像データの画素値をガンマ補正する方法(階調調整方法B)が適用される。また、撮影条件が逆光と順光の中間(低確度領域(1))である場合、又はストロボとアンダーの中間(低確度領域(2))である場合、図21(c)に示すように、入力された撮影画像データの画素値をガンマ補正及び平行移動(オフセット)補正する方法(階調調整方法C)が適用される。
【0156】
階調調整パラメータ算出部720は、指標算出部713において算出された指標4、指標5及び指標6の値に基づいて、階調調整に必要なパラメータ(キー補正値等)を算出する。
【0157】
階調調整量算出部721は、階調調整パラメータ算出部720において算出された階調調整パラメータに基づいて、撮影画像データに対する階調調整量を算出(決定)する。具体的に、階調調整量算出部721は、階調調整方法決定部719において決定された階調調整方法に対応して予め設定された複数の階調変換曲線の中から、階調調整パラメータ算出部720において算出された階調調整パラメータに対応する階調変換曲線を選択する。なお、階調調整パラメータ算出部720において算出された階調調整パラメータに基づいて階調変換曲線(階調調整量)を算出するようにしてもよい。
【0158】
シーン判別部718における撮影条件の判別方法、階調調整パラメータ算出部720における階調調整パラメータの算出方法は、後述の本実施形態の動作説明において詳細に説明する。
【0159】
図3において階調変換部711は、階調調整量算出部721において決定された階調変換曲線に従って、撮影画像データを階調変換する。
【0160】
テンプレート処理部705は、画像調整処理部701からの指令に基づいて、テンプレート記憶手段72から所定の画像データ(テンプレート)を読み出して、画像処理対象の画像データとテンプレートを合成するテンプレート処理を行い、テンプレート処理後の画像データを画像調整処理部701に出力する。
【0161】
CRT固有処理部706は、画像調整処理部701から入力された画像データに対して、必要に応じて画素数変更やカラーマッチング等の処理を施し、制御情報等表示が必要な情報と合成した表示用の画像データをCRT8に出力する。
【0162】
プリンタ固有処理部A707は、必要に応じてプリンタ固有の校正処理、カラーマッチング、画素数変更等の処理を行い、処理済の画像データを露光処理部4に出力する。
【0163】
本発明の画像処理装置1に、大判インクジェットプリンタ等の外部プリンタ51が接続可能な場合には、接続するプリンタ装置毎にプリンタ固有処理部B708が備えられている。このプリンタ固有処理部B708は、プリンタ固有の校正処理、カラーマッチング、画素数変更等の処理を施し、処理済の画像データを外部プリンタ51に出力する。
【0164】
画像データ書式作成処理部709は、画像調整処理部701から入力された画像データに対して、必要に応じてJPEG、TIFF、Exif等に代表される各種の汎用画像フォーマットへの変換を施し、処理済の画像データを画像搬送部31や通信手段(出力)33に出力する。
【0165】
なお、図3に示したフィルムスキャンデータ処理部702、反射原稿スキャンデータ処理部703、画像データ書式解読処理部704、画像調整処理部701、CRT固有処理部706、プリンタ固有処理部A707、プリンタ固有処理部B708、画像データ書式作成処理部709、という区分は、画像処理部70の機能の理解を助けるために設けた区分であり、必ずしも物理的に独立したデバイスとして実現される必要はなく、例えば、単一のCPUによるソフトウエア処理の種類の区分として実現されてもよい。
【0166】
次に、本実施形態における動作について説明する。
まず、図5のフローチャートを参照して、画像調整処理部701において実行される処理の流れについて説明する。
【0167】
まず、撮影画像データのサイズが縮小される(ステップT1)。撮影画像データのサイズを縮小する方法としては、公知の方法(例えば、バイリニア法、バイキュービック法、ニアレストネ−バー法等)を用いることができる。縮小率としては特に限定はないが、処理速度の観点及び撮影条件の判別精度の観点で、元画像の1/2〜1/10程度が好ましい。
【0168】
次いで、縮小された撮影画像データに対して、DSCのホワイトバランス調整の補正処理が行われ(ステップT2)、補正処理後の撮影画像データに基づいて、撮影条件を特定するための指標(指標1〜6)を算出する指標算出処理が行われる(ステップT3)。ステップT3の指標算出処理については、後に図6を参照して詳細に説明する。
【0169】
次いで、ステップT3で算出された指標と判別マップに基づいて撮影画像データの撮影条件を判別して、撮影画像データに対する階調調整条件(階調調整方法、階調調整量)を決定する階調調整条件決定処理が行われる(ステップT4)。ステップT4の階調調整条件決定処理については、後に図17を参照して詳細に説明する。
【0170】
次いで、元の撮影画像データに対し、ステップT4で決定された階調調整条件に従って階調変換処理が施される(ステップT5)。そして、階調変換処理後の撮影画像データに対し、鮮鋭性を調整する処理が施される(ステップT6)。ステップT6では、撮影条件や出力プリントサイズに応じて、処理量を調整することが好ましい。
【0171】
次いで、階調調整による硬調化や、鮮鋭性の強調により強調されるノイズを除去する処理が行われる(ステップT7)。次いで、撮影画像データを出力するメディアの種類に合わせて色空間を変換する色補正処理が行われ(ステップT8)、指定されたメディアに画像処理後の撮影画像データが出力される。
【0172】
次に、図6のフローチャートを参照して、シーン判別部710において実行される指標算出処理(図5のステップT3)について説明する。以下の指標算出処理において「撮影画像データ」とは、図5のステップT1において縮小された画像データである。
【0173】
まず、割合算出部712において、撮影画像データが所定の画像領域に分割され、各分割領域が撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率(第1の占有率、第2の占有率)を算出する占有率算出処理が行われる(ステップS1)。占有率算出処理の詳細は、後に図7、図13を参照して説明する。
【0174】
次いで、偏り算出部722において、撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出処理が行われる(ステップS2)。ステップS2の偏倚量算出処理については、後に図16を参照して詳細に説明する。
【0175】
次いで、割合算出部712において算出された占有率と、撮影条件に応じて予め設定された係数に基づいて、光源条件を特定するための指標が算出される(ステップS3)。また、割合算出部712において算出された占有率と、撮影条件に応じて予め設定された係数に基づいて、露出条件を特定するための指標が算出され(ステップS4)、本指標算出処理が終了する。ステップS3及びS4における指標の算出方法は、後に詳細に説明する。
【0176】
次に、図7のフローチャートを参照して、割合算出部712において実行される第1の占有率算出処理について詳細に説明する。
【0177】
まず、撮影画像データのRGB値がHSV表色系に変換される(ステップS10)。図8は、RGBからHSV表色系に変換することにより色相値、彩度値、明度値を得る変換プログラム(HSV変換プログラム)の一例を、プログラムコード(c言語)により示したものである。図8に示すHSV変換プログラムでは、入力画像データであるデジタル画像データの値を、InR、InG、InBと定義し、算出された色相値をOutHとし、スケールを0〜360と定義し、彩度値をOutS、明度値をOutVとし、単位を0〜255と定義している。
【0178】
次いで、撮影画像データが、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割され、分割領域毎に累積画素数を算出することにより2次元ヒストグラムが作成される(ステップS11)。以下、撮影画像データの領域分割について詳細に説明する。
【0179】
明度(V)は、明度値が0〜25(v1)、26-50(v2)、51〜84(v3)、85〜169(v4)、170〜199(v5)、200〜224(v6)、225〜255(v7)の7つの領域に分割される。色相(H)は、色相値が0〜39、330〜359の肌色色相領域(H1及びH2)、色相値が40〜160の緑色色相領域(H3)、色相値が161〜250の青色色相領域(H4)、赤色色相領域(H5)の4つの領域に分割される。なお、赤色色相領域(H5)は、撮影条件の判別への寄与が少ないとの知見から、以下の計算では用いていない。肌色色相領域は、更に、肌色領域(H1)と、それ以外の領域(H2)に分割される。以下、肌色色相領域(H=0〜39、330〜359)のうち、下記の式(1)を満たす色相'(H)を肌色領域(H1)とし、式(1)を満たさない領域を(H2)とする。
10 < 彩度(S) <175、
色相'(H) = 色相(H) + 60 (0 ≦ 色相(H) < 300のとき)、
色相'(H) = 色相(H) - 300 (300 ≦ 色相(H) < 360のとき)、
輝度(Y) = InR × 0.30 + InG × 0.59 + InB × 0.11 (A)
として、
色相'(H)/輝度(Y) < 3.0 ×(彩度(S)/255)+0.7 (1)
従って、撮影画像データの分割領域の数は4×7=28個となる。なお、式(1)において明度(V)を用いることも可能である。
【0180】
2次元ヒストグラムが作成されると、分割領域毎に算出された累積画素数の全画素数(撮影画像全体)に占める割合を示す第1の占有率が算出され(ステップS12)、本占有率算出処理が終了する。明度領域vi、色相領域Hjの組み合わせからなる分割領域において算出された第1の占有率をRijとすると、各分割領域における第1の占有率は表1のように表される。
【表1】

【0181】
次に、指標1及び指標2の算出方法について説明する。
表2に、ストロボ撮影としての確度、即ち、ストロボ撮影時の顔領域の明度状態を定量的に示す指標1を算出するために必要な第1の係数を分割領域別に示す。表2に示された各分割領域の係数は、表1に示した各分割領域の第1の占有率Rijに乗算する重み係数であり、撮影条件に応じて予め設定されている。
【表2】

【0182】
図9に、明度(v)−色相(H)平面を示す。表2によると、図9において高明度の肌色色相領域に分布する領域(r1)から算出される第1の占有率には、正(+)の係数が用いられ、それ以外の色相である青色色相領域(r2)から算出される第1の占有率には、負(-)の係数が用いられる。図11は、肌色領域(H1)における第1の係数と、その他の領域(緑色色相領域(H3))における第1の係数を、明度全体に渡って連続的に変化する曲線(係数曲線)として示したものである。表2及び図11によると、高明度(V=170〜224)の領域では、肌色領域(H1)における第1の係数の符号は正(+)であり、その他の領域(例えば、緑色色相領域(H3))における第1の係数の符号は負(-)であり、両者の符号が異なっていることがわかる。
【0183】
明度領域vi、色相領域Hjにおける第1の係数をCijとすると、指標1を算出するためのHk領域の和は、式(2)のように定義される。
【数1】

従って、H1〜H4領域の和は、下記の式(2-1)〜式(2-4)のように表される。
H1領域の和=R11×(-44.0)+R21×(-16.0)+(中略)...+R71×(-11.3) (2-1)
H2領域の和=R12×0.0+R22×8.6+(中略)... +R72×(-11.1) (2-2)
H3領域の和=R13×0.0+R23×(-6.3)+(中略)...+R73×(-10.0) (2-3)
H4領域の和=R14×0.0+R24×(-1.8)+(中略)...+R74×(-14.6) (2-4)
【0184】
指標1は、式(2-1)〜(2-4)で示されたH1〜H4領域の和を用いて、式(3)のように定義される。
指標1=H1領域の和+H2領域の和+H3領域の和+H4領域の和+4.424 (3)
【0185】
表3に、逆光撮影としての確度、即ち、逆光撮影時の顔領域の明度状態を定量的に示す指標2を算出するために必要な第2の係数を分割領域別に示す。表3に示された各分割領域の係数は、表1に示した各分割領域の第1の占有率Rijに乗算する重み係数であり、撮影条件に応じて予め設定されている。
【表3】

【0186】
図10に、明度(v)−色相(H)平面を示す。表3によると、図10において肌色色相領域の中間明度に分布する領域(r4)から算出される占有率には負(-)の係数が用いられ、肌色色相領域の低明度(シャドー)領域(r3)から算出される占有率には正(+)の係数が用いられる。図12は、肌色領域(H1)における第2の係数を、明度全体に渡って連続的に変化する曲線(係数曲線)として示したものである。表3及び図12によると、肌色色相領域の、明度値が85〜169(v4)の中間明度領域の第2の係数の符号は負(-)であり、明度値が26〜84(v2,v3)の低明度(シャドー)領域の第2の係数の符号は正(+)であり、両領域での係数の符号が異なっていることがわかる。
【0187】
明度領域vi、色相領域Hjにおける第2の係数をDijとすると、指標2を算出するためのHk領域の和は、式(4)のように定義される。
【数2】

従って、H1〜H4領域の和は、下記の式(4-1)〜式(4-4)のように表される。
H1領域の和=R11×(-27.0)+R21×4.5+(中略)...+R71×(-24.0) (4-1)
H2領域の和=R12×0.0+R22×4.7+(中略)... +R72×(-8.5) (4-2)
H3領域の和=R13×0.0+R23×0.0+(中略)...+R73×0.0 (4-3)
H4領域の和=R14×0.0+R24×(-5.1)+(中略)...+R74×7.2 (4-4)
【0188】
指標2は、式(4-1)〜(4-4)で示されたH1〜H4領域の和を用いて、式(5)のように定義される。
指標2=H1領域の和+H2領域の和+H3領域の和+H4領域の和+1.554 (5)
指標1及び指標2は、撮影画像データの明度と色相の分布量に基づいて算出されるため、撮影画像データがカラー画像である場合の撮影条件の判別に有効である。
【0189】
次に、図13のフローチャートを参照して、指標3を算出するために割合算出部712において実行される第2の占有率算出処理について詳細に説明する。
【0190】
まず、撮影画像データのRGB値がHSV表色系に変換される(ステップS20)。次いで、撮影画像データが、撮影画像画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる領域に分割され、分割領域毎に累積画素数を算出することにより2次元ヒストグラムが作成される(ステップS21)。以下、撮影画像データの領域分割について詳細に説明する。
【0191】
図14(a)〜(d)に、撮影画像データの画面の外縁からの距離に応じて分割された4つの領域n1〜n4を示す。図14(a)に示す領域n1が外枠であり、図14(b)に示す領域n2が、外枠の内側の領域であり、図14(c)に示す領域n3が、領域n2の更に内側の領域であり、図14(d)に示す領域n4が、撮影画像画面の中心部の領域である。また、明度は、上述のようにv1〜v7の7つの領域に分割するものとする。従って、撮影画像データを、撮影画像画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる領域に分割した場合の分割領域の数は4×7=28個となる。
【0192】
2次元ヒストグラムが作成されると、分割領域毎に算出された累積画素数の全画素数(撮影画像全体)に占める割合を示す第2の占有率が算出され(ステップS22)、本占有率算出処理が終了する。明度領域vi、画面領域njの組み合わせからなる分割領域において算出された第2の占有率をQijとすると、各分割領域における第2の占有率は表4のように表される。
【表4】

【0193】
次に、指標3の算出方法について説明する。
表5に、指標3を算出するために必要な第3の係数を分割領域別に示す。表5に示された各分割領域の係数は、表4に示した各分割領域の第2の占有率Qijに乗算する重み係数であり、撮影条件に応じて予め設定されている。
【表5】

図15は、画面領域n1〜n4における第3の係数を、明度全体に渡って連続的に変化する曲線(係数曲線)として示したものである。
【0194】
明度領域vi、画面領域njにおける第3の係数をEijとすると、指標3を算出するためのnk領域(画面領域nk)の和は、式(6)のように定義される。
【数3】

従って、n1〜n4領域の和は、下記の式(6-1)〜式(6-4)のように表される。
n1領域の和=Q11×40.1+Q21×37.0+(中略)...+Q71×22.0 (6-1)
n2領域の和=Q12×(-14.8)+Q22×(-10.5)+(中略)...+Q72×0.0 (6-2)
n3領域の和=Q13×24.6+Q23×12.1+(中略)...+Q73×10.1 (6-3)
n4領域の和=Q14×1.5+Q24×(-32.9)+(中略)...+Q74×(-52.2) (6-4)
【0195】
指標3は、式(6-1)〜(6-4)で示されたN1〜H4領域の和を用いて、式(7)のように定義される。
指標3=n1領域の和+n2領域の和+n3領域の和+n4領域の和−12.6201 (7)
指標3は、撮影画像データの明度の分布位置による構図的な特徴(撮影画像データの画面の外縁からの距離)に基づいて算出されるため、カラー画像だけでなくモノクロ画像の撮影条件を判別するのにも有効である。
【0196】
次に、図16のフローチャートを参照して、偏り算出部722において実行される偏倚量算出処理(図6のステップS2)について説明する。
【0197】
まず、撮影画像データのRGB(Red,Green,Blue)値から、式(A)を用いて各画素の輝度Y(明るさ)が算出され、輝度の標準偏差(x1)が算出される(ステップS23)。輝度の標準偏差(x1)は、式(8)のように表される。
【数4】

式(8)において、画素輝度値とは、撮影画像データの各画素の輝度であり、平均輝度値とは、撮影画像データの輝度の平均値である。また、全体画素数とは、撮影画像データ全体の画素数である。
【0198】
次いで、式(9)に示すように、輝度差分値(x2)が算出される(ステップS24)。
輝度差分値(x2)=(最大輝度値−平均輝度値)/255 (9)
式(9)において、最大輝度値とは、撮影画像データの輝度の最大値である。
【0199】
次いで、撮影画像データの画面中央部における肌色領域の平均輝度値(x3)が算出され(ステップS25)、更に、当該画面中央部における平均輝度値(x4)が算出される(ステップS26)。ここで、画面中央部とは、例えば、図14において、領域n3及び領域n4により構成される領域である。
【0200】
次いで、肌色輝度分布値(x5)が算出され(ステップS27)、本偏倚量算出処理が終了する。撮影画像データの肌色領域の最大輝度値をYskin_max、肌色領域の最小輝度値をYskin_min、肌色領域の平均輝度値をYskin_aveとすると、肌色輝度分布値(x5)は、式(10)のように表される。
x5=(Yskin_max−Yskin_min)/2 −Yskin_ave (10)
【0201】
撮影画像データの画面中央部における肌色領域の平均輝度値をx6とする。ここでの画面中央部とは、例えば、図14の領域n2、領域n3及び領域n4から構成される領域である。このとき、指標4は、指標1、指標3、x6を用いて式(11)のように定義され、指標5は、指標2、指標3、x6を用いて式(12)のように定義される。
指標4=0.46×指標1+0.61×指標3+0.01×x6−0.79 (11)
指標5=0.58×指標2+0.18×指標3+(-0.03)×x6+3.34 (12)
ここで、式(11)及び式(12)において各指標に乗算される重み係数は、撮影条件に応じて予め設定されている。
【0202】
指標6は、偏倚量算出処理で算出された偏倚量(x1)〜(x5)に、撮影条件に応じて予め設定された第4の係数を乗算することにより得られる。表6に、各偏倚量に乗算する重み係数である第4の係数を示す。
【表6】

指標6は、式(13)のように表される。
指標6=x1×0.02+x2×1.13+x3×0.06+x4×(-0.01)+x5×0.03−6.49 (13)
この指標6は、撮影画像データの画面の構図的な特徴だけでなく、輝度ヒストグラム分布情報を持ち合わせており、特に、ストロボ撮影シーンとアンダー撮影シーンの判別に有効である。
【0203】
次に、図17のフローチャートを参照して、画像処理条件算出部714において実行される階調調整条件決定処理(図5のステップT4)について説明する。
【0204】
まず、指標算出部713において算出された指標(指標4〜6)と、撮影条件に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、撮影画像データの撮影条件が判別される(ステップS30)。以下、撮影条件の判別方法について説明する。
【0205】
図18(a)は、順光、逆光、ストロボの各撮影条件で60枚ずつ撮影し、合計180枚のデジタル画像データについて、指標4及び指標5を算出し、各撮影条件での指標4及び指標5の値をプロットしたものである。図18(b)は、ストロボ、アンダーの各撮影条件で60枚ずつ撮影し、指標4が0.5より大きい画像の指標4及び指標6の値をプロットしたものである。
【0206】
判別マップは、指標の信頼度を評価するもので、図19に示すように、順光、逆光、ストロボ、アンダーの各基本領域と、逆光と順光の中間の低確度領域(1)、ストロボとアンダーの中間の低確度領域(2)から構成される。なお、判別マップ上には、逆光とストロボの間の低確度領域等、他の低確度領域も存在するが、本実施形態では省略する。
【0207】
図18に示した各指標値のプロット図と、図19の判別マップによる撮影条件の判別内容を表7に示す。
【表7】

このように、指標4及び指標5の値により光源条件を定量的に判別することができ、指標4及び指標6の値により露出条件を定量的に判別することができる。また、指標4及び指標5の値により、順光と逆光の中間の低確度領域(1)を判別でき、指標4及び指標6の値により、ストロボとアンダーの中間の低確度領域(2)を判別することができる。
【0208】
撮影条件が判別されると、その判別された撮影条件に応じて、撮影画像データに対する階調調整の方法が決定される(ステップS31)。図20に示すように、撮影条件が順光又はストロボである場合は階調調整方法A(図21(a))が選択され、逆光又はアンダーである場合は階調調整方法B(図21(b))が選択される。また、撮影条件が逆光と順光の中間又はストロボとアンダーの中間である場合(即ち、判別マップ上の低確度領域である場合)は階調調整方法C(図21(c))が選択される。
【0209】
このように、撮影条件が順光である場合は、補正量が比較的少ないため、撮影画像データの画素値を平行移動(オフセット)補正する階調調整方法Aを適用することが、ガンマ変動を抑制できる観点から好ましい。また、撮影条件が逆光又はアンダーである場合は、補正量が比較的多いため、階調調整方法Aを適用すると、画像データの存在しない階調が著しく増大し、黒色の白濁化や、白色の明度の低下を招くことになる。従って、撮影条件が逆光又はアンダーである場合は、撮影画像データの画素値をガンマ補正する階調調整方法Bを適用するのが好ましい。また、判別マップ上で低確度領域にある撮影条件の場合、どの低確度領域も、隣接する一方の撮影条件に対する階調調整方法がA又はBとなるため、双方の階調調整方法を混合した階調調整方法Cを適用するのが好ましい。このように低確度領域を設定することにより、異なる階調調整方法を用いた場合でも、処理結果をスムーズに移行させることができる。また、同じ被写体を撮影した複数の写真プリント間での、濃度のばらつきを軽減することができる。なお、図21(b)に示した階調変換曲線は上向きに凸となっているが、下向きに凸の場合もある。また、図21(c)に示した階調変換曲線は下向きに凸となっているが、上向きに凸の場合もある。
【0210】
階調調整方法が決定されると、指標算出部713において算出された指標に基づいて、階調調整に必要なパラメータが算出される(ステップS32)。以下、ステップS32において算出される階調調整パラメータの算出方法について説明する。なお、以下では、8bitの撮影画像データは16bitへと事前に変換されているものとし、撮影画像データの値の単位は16bitであるものとする。
【0211】
階調調整に必要なパラメータ(階調調整パラメータ)として、下記のP1〜P10のパラメータが算出される。
P1:撮影画面全体の平均輝度
P2:ブロック分割平均輝度
P3:肌色領域(H1)の平均輝度
P4:輝度補正値1=P1−P2
P5:再現目標修正値=輝度再現目標値(30360)−P4
P6:オフセット値1=P5−P1
P7:キー補正値
P7':キー補正値2
P8:輝度補正値2
P9:オフセット値2=P5−P8−P1
P10:オフセット値3
【0212】
ここで、図22及び図23を参照して、パラメータP2の算出方法について説明する。
まず、撮影画像データを正規化するために、CDF(累積密度関数)を作成する。次いで、得られたCDFから最大値と最小値を決定する。この最大値と最小値は、RGB毎に求める。ここで、求められたRGB毎の最大値と最小値を、それぞれ、Rmax、Rmin、Gmax、Gmin、Bmax、Bminとする。
【0213】
次いで、撮影画像データの任意の画素(Rx,Gx,Bx)に対する正規化画像データを算出する。RプレーンにおけるRxの正規化データをRpoint、GプレーンにおけるGxの正規化データをGpoint、BプレーンにおけるBxの正規化データをBpointとすると、正規化データRpoint、Gpoint、Bpointは、それぞれ、式(14)〜式(16)のように表される。
point={(Rx−Rmin)/(Rmax−Rmin)}×65535 (14)
point={(Gx−Gmin)/(Gmax−Gmin)}×65535 (15)
point={(Bx−Bmin)/(Bmax−Bmin)}×65535 (16)
次いで、式(17)により画素(Rx,Gx,Bx)の輝度Npointを算出する。
point=(Bpoint+Gpoint+Rpoint)/3 (17)
【0214】
図22(a)は、正規化する前のRGB画素の輝度の度数分布(ヒストグラム)である。図22(a)において、横軸は輝度、縦軸は画素の頻度である。このヒストグラムは、RGB毎に作成する。輝度のヒストグラムが作成されると、式(14)〜(16)により、撮影画像データに対し、プレーン毎に正規化を行う。図22(b)は、式(17)により算出された輝度のヒストグラムを示す。撮影画像データが65535で正規化されているため、各画素は、最大値が65535で最小値が0の間で任意の値をとる。
【0215】
図22(b)に示す輝度ヒストグラムを所定の範囲で区切ってブロックに分割すると、図22(c)に示すような度数分布が得られる。図22(c)において、横軸はブロック番号(輝度)、縦軸は頻度である。
【0216】
次いで、図22(c)に示された輝度ヒストグラムから、ハイライト、シャドー領域を削除する処理を行う。これは、白壁や雪上シーンでは、平均輝度が非常に高くなり、暗闇のシーンでは平均輝度は非常に低くなっているため、ハイライト、シャドー領域は、平均輝度制御に悪影響を与えてしまうことによる。そこで、図22(c)に示した輝度ヒストグラムのハイライト領域、シャドー領域を制限することによって、両領域の影響を減少させる。図23(a)(又は図22(c))に示す輝度ヒストグラムにおいて、高輝度領域(ハイライト領域)及び低輝度領域(シャドー領域)を削除すると、図23(b)のようになる。
【0217】
次いで、図23(c)に示すように、輝度ヒストグラムにおいて、頻度が所定の閾値より大きい領域を削除する。これは、頻度が極端に多い部分が存在すると、この部分のデータが、撮影画像全体の平均輝度に強く影響を与えてしまうため、誤補正が生じやすいことによる。そこで、図23(c)に示すように、輝度ヒストグラムにおいて、閾値以上の画素数を制限する。図23(d)は、画素数の制限処理を行った後の輝度ヒストグラムである。
【0218】
正規化された輝度ヒストグラムから、高輝度領域及び低輝度領域を削除し、更に、累積画素数を制限することによって得られた輝度ヒストグラム(図23(d))の各ブロック番号と、それぞれの頻度に基づいて、輝度の平均値を算出したものがパラメータP2である。
【0219】
パラメータP1は、撮影画像データ全体の輝度の平均値であり、パラメータP3は、撮影画像データのうち肌色領域(H1)の輝度の平均値である。パラメータP7のキー補正値、パラメータP7'のキー補正値2、パラメータP8の輝度補正値2は、それぞれ、式(18)、式(19)、式(20)のように定義される。
P7(キー補正値)=[P3 −((指標5 / 6)×18000)+22000)]/24.78 (18)
P7'(キー補正値2)=[P3−((指標6/ 6)×10000+30000)]/24.78 (19)
P8(輝度補正値2)=(指標4 / 6)×17500 (20)
【0220】
パラメータP10のオフセット値3は、判別マップ上で低確度領域(1)又は(2)に対応する撮影条件の場合の階調調整パラメータである。以下、パラメータP10の算出方法について説明する。
【0221】
まず、該当する低確度領域内の指標のうち、基準となる指標が決定される。例えば、低確度領域(1)であれば、基準指標として指標5が決定され、低確度領域(2)であれば、基準指標として指標6が決定される。そして、その基準指標の値を0〜1の範囲で正規化することによって、当該基準指標が正規化指標へ変換される。正規化指標は、式(21)のように定義される。
正規化指標=(基準指標−指標最小値)/(指標最大値−指標最小値) (21)
式(21)において、指標最大値、指標最小値は、それぞれ、該当する低確度領域内の基準指標の最大値、最小値である。
【0222】
該当する低確度領域と、当該低確度領域に隣接する2つの領域との境界における補正量をそれぞれα、βとする。この補正量α、βは、判別マップ上の各領域の境界において定義された再現目標値を用いて予め算出された固定値である。パラメータP10は、式(21)の正規化指標と、補正量α、βを用いて式(22)のように表される。
P10 =(β−α)×正規化指標+α (22)
なお、本実施形態では、正規化指標と補正量との相関を1次の線形関係としたが、補正量をさらに緩やかに移行させるべく、曲線関係としてもよい。
【0223】
階調調整パラメータが算出されると、その算出された階調調整パラメータに基づいて、撮影画像データに対する階調調整量が決定され(ステップS33)、本階調調整条件決定処理が終了する。ステップS33では、具体的に、ステップS31において決定された階調調整方法に対応して予め設定された複数の階調変換曲線の中から、ステップS32において算出された階調調整パラメータに対応する階調変換曲線が選択(決定)される。なお、ステップS32において算出された階調調整パラメータに基づいて、階調変換曲線(階調調整量)を算出するようにしてもよい。階調変換曲線が決定されると、その決定された階調変換曲線に従って撮影画像データが階調変換される。
【0224】
以下、各撮影条件の階調変換曲線の決定方法について説明する。
<順光の場合>
撮影条件が順光である場合、パラメータP1をP5と一致させるオフセット補正(8bit値の平行シフト)を下記の式(23)により行う。
出力画像のRGB値=入力画像のRGB値+P6 (23)
従って、撮影条件が順光の場合、図21(a)に示す複数の階調変換曲線の中から、式(23)に対応する階調変換曲線が選択される。又は、式(23)に基づいて階調変換曲線を算出(決定)してもよい。
【0225】
<逆光の場合>
撮影条件が逆光である場合、図21(b)に示す複数の階調変換曲線の中から、式(18)に示すパラメータP7(キー補正値)に対応する階調変換曲線を選択する。図21(b)の階調変換曲線の具体例を図24に示す。パラメータP7の値と、選択される階調変換曲線の対応関係を以下に示す。
−50 < P7 < +50 の場合→L3
+50 ≦ P7 < +150 の場合→L4
+150 ≦ P7 < +250 の場合→L5
−150 < P7 ≦ −50 の場合→L2
−250 < P7 ≦ −150 の場合→L1
なお、撮影条件が逆光の場合、この階調変換処理とともに、覆い焼き処理を併せて行うことが好ましい。この場合、逆光度を示す指標5に応じて覆い焼き処理の程度も調整されることが望ましい。
【0226】
<アンダーの場合>
撮影条件がアンダーである場合、逆光の場合と同様に、図21(b)に示す複数の階調変換曲線の中から、式(19)に示すパラメータP7'(キー補正値2)に対応する階調変換曲線が選択される。パラメータP7'の値と、図24において選択される階調変換曲線との対応関係を以下に示す。
−50 < P7'< +50 の場合→L3
+50 ≦ P7'< +150 の場合→L4
+150 ≦ P7'< +250 の場合→L5
−150 < P7'≦ −50 の場合→L2
−250 < P7'≦ −150 の場合→L1
なお、撮影条件がアンダーである場合は、逆光の場合に示したような覆い焼き処理は行わない。
【0227】
<ストロボの場合>
撮影条件がストロボである場合、オフセット補正(8bit値の平行シフト)を式(24)により行う。
出力画像のRGB値=入力画像のRGB値+P9 (24)
従って、撮影条件がストロボの場合、図21(a)に示す複数の階調変換曲線の中から、式(24)に対応する階調変換曲線が選択される。又は、式(24)に基づいて階調変換曲線を算出(決定)してもよい。
【0228】
<低確度領域の撮影条件の場合>
低確度領域の撮影条件である場合、オフセット補正(8bit値の平行シフト)を式(25)により行う。
出力画像のRGB値=入力画像のRGB値+P10 (25)
従って、低確度領域の場合、図21(c)に示す複数の階調変換曲線の中から、式(25)に対応する階調変換曲線が選択される。又は、式(25)に基づいて階調変換曲線を算出(決定)するようにしてもよい。
【0229】
なお、本実施形態では、実際に撮影画像データに対して階調変換処理を施す場合、上述の各階調調整条件を16bitから8bitへ変更するものとする。
【0230】
以上のように、本実施形態の画像処理装置1によれば、撮影画像データの撮影条件を定量的に示す指標を算出し、その算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて撮影条件を判別し、判別結果に応じて撮影画像データに対する階調調整の方法を決定し、撮影画像データの階調調整量(階調変換曲線)を決定することにより、被写体の明度を適切に補正することが可能となる。特に、判別マップに基づいて撮影条件を判別することにより、判別結果の信頼度が高くなり、撮影条件に応じた適切な階調変換を行うことが可能になる。
【0231】
また、ストロボ撮影としての確度を定量的に示す指標1と、逆光撮影としての確度を定量的に示す指標2に加えて、撮影画像データの構図的な要素から導出される指標3を用いて撮影条件を判別することにより、撮影条件の判別精度を向上させることができる。また、撮影画像データの構図的な要素とヒストグラムの分布情報から算出される指標6を用いることで、ストロボ撮影のシーンと、アンダー撮影のシーンとを判別でき、撮影条件の判別精度を一層向上させることができる。
【0232】
〈撮像装置に適用した例〉
上述の実施形態で示した画像処理方法は、デジタルカメラ等の撮像装置にも適用可能である。図25に、本発明の撮像装置を適用したデジタルカメラ200の構成を示す。デジタルカメラ200は、図25に示すように、CPU201、光学系202、撮像センサ部203、AF演算部204、WB演算部205、AE演算部206、レンズ制御部207、画像処理部208、表示部209、記録データ作成部210、記録メディア211、シーンモード設定キー212、色空間設定キー213、レリーズボタン214、その他操作キー215により構成される。
【0233】
CPU201は、デジタルカメラ200の動作を統括的に制御する。光学系202は、ズームレンズであり、被写体像を撮像センサ部203にあるCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ上に結像させる。撮像センサ部203は、光学像をCCDイメージセンサによって光電変換し、デジタル信号に変換(A/D変換)して出力する。撮像センサ部203から出力された画像データは、AF演算部204、WB演算部205、AE演算部206、画像処理部208に入力される。
【0234】
AF演算部204は、画面内9ヶ所に設けられたAFエリアの距離を算出して出力する。距離の判定は、画像のコントラスト判定により行われ、CPU201は、この中の最も近距離にある値を選択し、被写体距離とする。WB演算部205は、画像のホワイトバランス評価値を算出して出力する。ホワイトバランス評価値とは、撮影時の光源下で、ニュートラルな被写体のRGB出力値を一致させるために必要なゲイン値で、Gチャネルを基準としてR/G、B/Gの比として算出する。算出された評価値は、画像処理部208に入力され、画像のホワイトバランスが調整される。AE演算部206は、画像データから適正露出値を算出して出力し、CPU201は、算出された適正露出値と現在の露出値が一致するような絞り値とシャッター速度値を算出する。絞り値は、レンズ制御部207に出力され、対応する絞り径が設定される。シャッター速度値は、撮像センサ部203に出力され、対応するCCD積分時間が設定される。
【0235】
画像処理部208は、撮影画像データに対して、ホワイトバランス処理、CCDフィルター配列の補間処理、色変換、1次階調変換、シャープネス補正等の処理を行った後に、上述の実施形態と同様に、撮影条件を特定するための指標(指標1〜6)を算出し、その算出された指標に基づいて撮影条件を判別し、判別結果に基づいて決定された階調変換処理を行うことによって好ましい画像に変換する。その後JPEG圧縮等の変換を実行する。JPEG圧縮された画像データは、表示部209と記録データ作成部210に出力される。
【0236】
表示部209は、撮影画像データを液晶ディスプレイに表示するとともに、CPU201の指示による各種情報を表示する。記録データ作成部210は、JPEG圧縮された画像データと、CPU201から入力された各種撮影画像データをExif(Exchangeable Image File Format)ファイルにフォーマットし、記録メディア211に記録する。記録メディア211の中には、各メーカーが自由な情報を書き込めるスペースとして、メーカーノートと呼ばれる部分があり、撮影条件の判別結果や指標4、指標5及び指標6を記録するようにしてもよい。
【0237】
デジタルカメラ200では、ユーザ設定により撮影シーンモードを切り替えることができる。即ち、撮影シーンモードとして、通常モード、ポートレートモード、風景モードシーンの3つが選択可能で、ユーザは、シーンモード設定キー212を操作して、被写体が人物である場合はポートレートモード、風景の場合は風景モードに切り替えることによって、被写体に適した1次階調変換を実施する。また、デジタルカメラ200は、選択した撮影シーンモードの情報を画像データファイルのメーカーノート部分に付加して記録する。また、デジタルカメラ200は、被写体として選択したAFエリアの位置情報を同様に画像ファイルに記録する。
【0238】
なお、デジタルカメラ200では、色空間設定キー213によって、出力色空間のユーザ設定が可能になっている。出力色空間としては、sRGB(IEC61966-2-1)とRawの選択が可能である。sRGBが選択された場合は、本実施形態における画像処理を実行するが、Rawが選択された場合は、本実施形態の画像処理は行わず、CCD固有の色空間で出力する。
【0239】
以上のように、本発明の撮像装置を適用したデジタルカメラ200によれば、上述の画像処理装置1と同様に、撮影画像データの撮影条件を定量的に示す指標を算出し、その算出された指標に基づいて撮影条件を判別し、判別結果に応じて撮影画像データに対する階調調整の方法を決定し、撮影画像データの階調調整量(階調変換曲線)を決定することにより、被写体の明度を適切に補正することが可能となる。このように、デジタルカメラ200の内部で、撮影条件に応じた適切な階調変換処理が行われることにより、デジタルカメラ200とプリンタがパーソナルコンピュータを介さずに直接接続されている場合であっても、好ましい画像を出力することができる。
【0240】
なお、本実施形態における記述内容は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0241】
例えば、撮影画像データから顔画像を検出し、検出された顔画像に基づいて撮影条件を判別し、階調調整条件を決定するようにしてもよい。また、撮影条件の判別に、Exif情報を用いるようにしてもよい。Exif情報を用いると、撮影条件の判別精度を更に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0242】
【図1】本発明の実施形態における画像処理装置の外観構成を示す斜視図。
【図2】本実施形態の画像処理装置の内部構成を示すブロック図。
【図3】図2の画像処理部の主要部構成を示すブロック図。
【図4】シーン判別部の内部構成(a)と、割合算出部の内部構成(b)と、画像処理条件算出部の内部構成(c)を示す図。
【図5】画像調整処理部において実行される処理の流れを示すフローチャート。
【図6】シーン判別部において実行される指標算出処理を示すフローチャート。
【図7】明度・色相の領域毎に第1の占有率を算出する第1の占有率算出処理を示すフローチャート。
【図8】RGBからHSV表色系に変換するプログラムの一例を示す図。
【図9】明度(V)−色相(H)平面と、V−H平面上の領域r1及び領域r2を示す図。
【図10】明度(V)−色相(H)平面と、V−H平面上の領域r3及び領域r4を示す図。
【図11】指標1を算出するための、第1の占有率に乗算する第1の係数を表す曲線を示す図。
【図12】指標2を算出するための、第1の占有率に乗算する第2の係数を表す曲線を示す図。
【図13】撮影画像データの構図に基づいて第2の占有率を算出する第2の占有率算出処理を示すフローチャート。
【図14】撮影画像データの画面の外縁からの距離に応じて決定される領域n1〜n4を示す図。
【図15】指標3を算出するための、第2の占有率に乗算する第3の係数を表す曲線を領域別(n1〜n4)に示す図。
【図16】偏り算出部において実行される偏倚量算出処理を示すフローチャート。
【図17】画像処理条件算出部において実行される階調調整条件決定処理を示すフローチャート。
【図18】撮影条件別に算出された指標4〜6のプロット図。
【図19】撮影条件を判別するための判別マップを示す図。
【図20】撮影条件を特定するための指標、パラメータA〜C、階調調整方法A〜Cの関係を示す図。
【図21】各階調調整方法に対応する階調変換曲線を示す図。
【図22】輝度の度数分布(ヒストグラム)(a)、正規化されたヒストグラム(b)及びブロック分割されたヒストグラム(c)を示す図。
【図23】輝度のヒストグラムからの低輝度領域及び高輝度領域の削除を説明する図((a)及び(b))と、輝度の頻度の制限を説明する図((c)及び(d))。
【図24】撮影条件が逆光又はアンダーである場合の階調調整条件を表す階調変換曲線を示す図。
【図25】本発明の撮像装置を適用したデジタルカメラの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0243】
1 画像処理装置
2 筐体
3 マガジン装填部
4 露光処理部
5 プリント作成部
7 制御部
8 CRT
9 フィルムスキャナ部
10 反射原稿入力装置
11 操作部
12 情報入力手段
14 画像読込部
15 画像書込部
30 画像転送手段
31 画像搬送部
32 通信手段(入力)
33 通信手段(出力)
51 外部プリンタ
70 画像処理部
72 テンプレート記憶手段
701 画像調整処理部
702 フィルムスキャンデータ処理部
703 反射原稿スキャンデータ処理部
704 画像データ書式解読処理部
705 テンプレート処理部
706 CRT固有処理部
707 プリント固有処理部A
708 プリント固有処理部B
709 画像データ書式作成処理部
710 シーン判別部
711 階調変換部
712 割合算出部
713 指標算出部
714 画像処理条件算出部
715 表色系変換部
716 ヒストグラム作成部
717 占有率演算部
718 シーン判別部
719 階調調整方法決定部
720 階調調整パラメータ算出部
721 階調調整量算出部
722 偏り算出部
200 デジタルカメラ(撮像装置)
208 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出工程と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出工程と、
前記占有率算出工程において算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出工程において算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出工程と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別工程と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定工程と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出工程と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出工程と、
前記占有率算出工程において算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出工程において算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出工程と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別工程と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定工程と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定工程と、
前記調整方法決定工程において決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定工程において決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項3】
撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出工程と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出工程と、
前記占有率算出工程において算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出工程において算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出工程と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別工程と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定工程と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項4】
撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出工程と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出工程と、
前記占有率算出工程において算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出工程において算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出工程と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別工程と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定工程と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定工程と、
前記調整方法決定工程において決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定工程において決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出工程と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出工程と、
前記占有率算出工程において算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出工程において算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出工程と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別工程と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定工程と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出工程と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出工程と、
前記占有率算出工程において算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出工程において算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出工程と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別工程と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定工程と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定工程と、
前記調整方法決定工程において決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定工程において決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する工程を含み、
前記占有率算出工程において、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率が算出されることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する工程を含み、
前記占有率算出工程において、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第2の占有率が算出されることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する工程を含み、
前記占有率算出工程において、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率が算出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する工程を含み、
前記占有率算出工程において、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第1の占有率が算出されることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記指標算出工程において、所定の高明度の肌色色相領域と、当該高明度の肌色色相領域以外の色相領域とで、異なる符号の係数が用いられることを特徴とする請求項1、2、5、6、8〜10の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記指標算出工程において、肌色色相領域の中間明度領域と、当該中間明度領域以外の明度領域とで異なる符号の係数が用いられることを特徴とする請求項1、2、5、6、8〜11の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項13】
前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域の明度領域が、所定の高明度領域であることを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項14】
前記中間明度領域以外の明度領域が、肌色色相領域内の明度領域であることを特徴とする請求項12に記載の画像処理方法。
【請求項15】
前記高明度の肌色色相領域には、HSV表色系の明度値で170〜224の範囲の領域が含まれることを特徴とする請求項11又は13に記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記中間明度領域には、HSV表色系の明度値で85〜169の範囲の領域が含まれることを特徴とする請求項12又は14に記載の画像処理方法。
【請求項17】
前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域には、青色色相領域、緑色色相領域の少なくとも一方が含まれることを特徴とする請求項11、13、15の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項18】
前記中間明度領域以外の明度領域がシャドー領域であることを特徴とする請求項12、14、16の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項19】
前記青色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で161〜250の範囲内にあり、前記緑色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で40〜160の範囲内にあることを特徴とする請求項17に記載の画像処理方法。
【請求項20】
前記シャドー領域の明度値は、HSV表色系の明度値で26〜84の範囲内にあることを特徴とする請求項18に記載の画像処理方法。
【請求項21】
前記肌色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で0〜39及び330〜359の範囲内にあることを特徴とする請求項11〜20の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項22】
前記肌色色相領域が、明度及び彩度に基づく所定の条件式により2つの領域に分割されることを特徴とする請求項11〜21の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項23】
前記偏倚量には、撮影画像データの明るさの偏差量、当該撮影画像データの画面中央部における明るさの平均値、異なる条件で算出された明るさの差分値のうちの少なくとも一つが含まれることを特徴とする請求項1〜22の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項24】
前記撮影条件は、撮影時の光源条件及び露出条件を示し、
前記光源条件にはストロボ撮影状態が含まれ、前記露出条件には、撮影時のシャッタースピード、絞り値に由来するアンダー撮影状態が含まれることを特徴とする請求項1〜23の何れか一項に記載の画像処理方法。
【請求項25】
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項26】
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定手段と、
前記調整方法決定手段により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定手段により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項27】
撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項28】
撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定手段と、
前記調整方法決定手段により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定手段により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項29】
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項30】
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定手段と、
前記調整方法決定手段により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定手段により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項31】
前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率を算出することを特徴とする請求項27又は28に記載の画像処理装置。
【請求項32】
前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第2の占有率を算出することを特徴とする請求項29又は30に記載の画像処理装置。
【請求項33】
前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率を算出することを特徴とする請求項25又は26に記載の画像処理装置。
【請求項34】
前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第1の占有率を算出することを特徴とする請求項29又は30に記載の画像処理装置。
【請求項35】
前記指標算出手段では、所定の高明度の肌色色相領域と、当該高明度の肌色色相領域以外の色相領域とで、異なる符号の係数が用いられることを特徴とする請求項25、26、29、30、32〜34の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項36】
前記指標算出手段では、肌色色相領域の中間明度領域と、当該中間明度領域以外の明度領域とで異なる符号の係数が用いられることを特徴とする請求項25、26、29、30、32〜35の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項37】
前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域の明度領域が、所定の高明度領域であることを特徴とする請求項35に記載の画像処理装置。
【請求項38】
前記中間明度領域以外の明度領域が、肌色色相領域内の明度領域であることを特徴とする請求項36に記載の画像処理装置。
【請求項39】
前記高明度の肌色色相領域には、HSV表色系の明度値で170〜224の範囲の領域が含まれることを特徴とする請求項35又は37に記載の画像処理装置。
【請求項40】
前記中間明度領域には、HSV表色系の明度値で85〜169の範囲の領域が含まれることを特徴とする請求項36又は38に記載の画像処理装置。
【請求項41】
前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域には、青色色相領域、緑色色相領域の少なくとも一方が含まれることを特徴とする請求項35、37、39の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項42】
前記中間明度領域以外の明度領域がシャドー領域であることを特徴とする請求項36、38、40の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項43】
前記青色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で161〜250の範囲内にあり、前記緑色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で40〜160の範囲内にあることを特徴とする請求項41に記載の画像処理装置。
【請求項44】
前記シャドー領域の明度値は、HSV表色系の明度値で26〜84の範囲内にあることを特徴とする請求項42に記載の画像処理装置。
【請求項45】
前記肌色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で0〜39及び330〜359の範囲内にあることを特徴とする請求項35〜44の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項46】
前記肌色色相領域が、明度及び彩度に基づく所定の条件式により2つの領域に分割されることを特徴とする請求項35〜45の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項47】
前記偏倚量には、撮影画像データの明るさの偏差量、当該撮影画像データの画面中央部における明るさの平均値、異なる条件で算出された明るさの差分値のうちの少なくとも一つが含まれることを特徴とする請求項25〜46の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項48】
前記撮影条件は、撮影時の光源条件及び露出条件を示し、
前記光源条件にはストロボ撮影状態が含まれ、前記露出条件には、撮影時のシャッタースピード、絞り値に由来するアンダー撮影状態が含まれることを特徴とする請求項25〜47の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項49】
被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像手段と、
前記撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項50】
被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像手段と、
前記撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定手段と、
前記調整方法決定手段により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定手段により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項51】
被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像手段と、
前記撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項52】
被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像手段と、
前記撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定手段と、
前記調整方法決定手段により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定手段により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項53】
被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像手段と、
前記撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項54】
被写体を撮影して撮影画像データを取得する撮像手段と、
前記撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出手段と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出手段と、
前記占有率算出手段により算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出手段により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出手段と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別手段と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定手段と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定手段と、
前記調整方法決定手段により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定手段により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項55】
前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率を算出することを特徴とする請求項51又は52に記載の撮像装置。
【請求項56】
前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第2の占有率を算出することを特徴とする請求項53又は54に記載の撮像装置。
【請求項57】
前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率を算出することを特徴とする請求項49又は50に記載の撮像装置。
【請求項58】
前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する手段を備え、
前記占有率算出手段は、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第1の占有率を算出することを特徴とする請求項53又は54に記載の撮像装置。
【請求項59】
前記指標算出手段では、所定の高明度の肌色色相領域と、当該高明度の肌色色相領域以外の色相領域とで、異なる符号の係数が用いられることを特徴とする請求項49、50、53、54、56〜58の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項60】
前記指標算出手段では、肌色色相領域の中間明度領域と、当該中間明度領域以外の明度領域とで異なる符号の係数が用いられることを特徴とする請求項49、50、53、54、56〜59の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項61】
前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域の明度領域が、所定の高明度領域であることを特徴とする請求項59に記載の撮像装置。
【請求項62】
前記中間明度領域以外の明度領域が、肌色色相領域内の明度領域であることを特徴とする請求項60に記載の撮像装置。
【請求項63】
前記高明度の肌色色相領域には、HSV表色系の明度値で170〜224の範囲の領域が含まれることを特徴とする請求項59又は61に記載の撮像装置。
【請求項64】
前記中間明度領域には、HSV表色系の明度値で85〜169の範囲の領域が含まれることを特徴とする請求項60又は62に記載の撮像装置。
【請求項65】
前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域には、青色色相領域、緑色色相領域の少なくとも一方が含まれることを特徴とする請求項59、61、63の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項66】
前記中間明度領域以外の明度領域がシャドー領域であることを特徴とする請求項60、62、64の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項67】
前記青色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で161〜250の範囲内にあり、前記緑色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で40〜160の範囲内にあることを特徴とする請求項65に記載の撮像装置。
【請求項68】
前記シャドー領域の明度値は、HSV表色系の明度値で26〜84の範囲内にあることを特徴とする請求項66に記載の撮像装置。
【請求項69】
前記肌色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で0〜39及び330〜359の範囲内にあることを特徴とする請求項59〜68の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項70】
前記肌色色相領域が、明度及び彩度に基づく所定の条件式により2つの領域に分割されることを特徴とする請求項59〜69の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項71】
前記偏倚量には、撮影画像データの明るさの偏差量、当該撮影画像データの画面中央部における明るさの平均値、異なる条件で算出された明るさの差分値のうちの少なくとも一つが含まれることを特徴とする請求項49〜70の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項72】
前記撮影条件は、撮影時の光源条件及び露出条件を示し、
前記光源条件にはストロボ撮影状態が含まれ、前記露出条件には、撮影時のシャッタースピード、絞り値に由来するアンダー撮影状態が含まれることを特徴とする請求項49〜71の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項73】
画像処理を実行するためのコンピュータに、
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出機能と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出機能と、
前記占有率算出機能により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出機能により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出機能と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別機能と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定機能と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換機能と、
を実現させるための画像処理プログラム。
【請求項74】
画像処理を実行するためのコンピュータに、
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出機能と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出機能と、
前記占有率算出機能により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出機能により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出機能と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別機能と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定機能と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定機能と、
前記調整方法決定機能により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定機能により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換機能と、
を実現させるための画像処理プログラム。
【請求項75】
画像処理を実行するためのコンピュータに、
撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出機能と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出機能と、
前記占有率算出機能により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出機能により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出機能と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別機能と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定機能と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換機能と、
を実現させるための画像処理プログラム。
【請求項76】
画像処理を実行するためのコンピュータに、
撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す占有率を算出する占有率算出機能と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出機能と、
前記占有率算出機能により算出された各領域の占有率及び前記偏倚量算出機能により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出機能と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別機能と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定機能と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定機能と、
前記調整方法決定機能により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定機能により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換機能と、
を実現させるための画像処理プログラム。
【請求項77】
画像処理を実行するためのコンピュータに、
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出機能と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出機能と、
前記占有率算出機能により算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出機能により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出機能と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別機能と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定機能と、
前記決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し階調変換処理を施す階調変換機能と、
を実現させるための画像処理プログラム。
【請求項78】
画像処理を実行するためのコンピュータに、
撮影画像データを、所定の明度と色相の組み合わせからなる領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出するとともに、撮影画像データを、当該撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の領域に分割し、当該分割された領域毎に、前記撮影画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する占有率算出機能と、
前記撮影画像データの階調分布の偏りを示す偏倚量を算出する偏倚量算出機能と、
前記占有率算出機能により算出された第1の占有率及び第2の占有率と、前記偏倚量算出機能により算出された偏倚量に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影条件を特定するための指標を算出する指標算出機能と、
前記算出された指標と、撮影条件の確度に応じて予め領域分けされた判別マップに基づいて、前記撮影画像データの撮影条件を判別する判別機能と、
前記判別された撮影条件に応じて、前記撮影画像データに対する階調調整の方法を決定する調整方法決定機能と、
前記算出された指標に基づいて、前記撮影画像データに対する階調調整量を決定する調整量決定機能と、
前記調整方法決定機能により決定された階調調整方法を用いて、前記撮影画像データに対し、前記調整量決定機能により決定された階調調整量の階調変換処理を施す階調変換機能と、
を実現させるための画像処理プログラム。
【請求項79】
前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する機能を実現させ、
前記占有率算出機能を実現させる際に、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率を算出することを特徴とする請求項75又は76に記載の画像処理プログラム。
【請求項80】
前記撮影画像データの画面の外縁からの距離と明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する機能を実現させ、
前記占有率算出機能を実現させる際に、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第2の占有率を算出することを特徴とする請求項77又は78に記載の画像処理プログラム。
【請求項81】
前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する機能を実現させ、
前記占有率算出機能を実現させる際に、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記占有率を算出することを特徴とする請求項73又は74に記載の画像処理プログラム。
【請求項82】
前記撮影画像データの所定の色相、明度毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムを作成する機能を実現させ、
前記占有率算出機能を実現させる際に、前記作成された2次元ヒストグラムに基づいて前記第1の占有率を算出することを特徴とする請求項77又は78に記載の画像処理プログラム。
【請求項83】
前記指標算出機能を実現させる際に、所定の高明度の肌色色相領域と、当該高明度の肌色色相領域以外の色相領域とで、異なる符号の係数が用いられることを特徴とする請求項73、74、77、78、80〜82の何れか一項に記載の画像処理プログラム。
【請求項84】
前記指標算出機能を実現させる際に、肌色色相領域の中間明度領域と、当該中間明度領域以外の明度領域とで異なる符号の係数が用いられることを特徴とする請求項73、74、77、78、80〜83の何れか一項に記載の画像処理プログラム。
【請求項85】
前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域の明度領域が、所定の高明度領域であることを特徴とする請求項83に記載の画像処理プログラム。
【請求項86】
前記中間明度領域以外の明度領域が、肌色色相領域内の明度領域であることを特徴とする請求項84に記載の画像処理プログラム。
【請求項87】
前記高明度の肌色色相領域には、HSV表色系の明度値で170〜224の範囲の領域が含まれることを特徴とする請求項83又は85に記載の画像処理プログラム。
【請求項88】
前記中間明度領域には、HSV表色系の明度値で85〜169の範囲の領域が含まれることを特徴とする請求項84又は86に記載の画像処理プログラム。
【請求項89】
前記高明度の肌色色相領域以外の色相領域には、青色色相領域、緑色色相領域の少なくとも一方が含まれることを特徴とする請求項83、85、87の何れか一項に記載の画像処理プログラム。
【請求項90】
前記中間明度領域以外の明度領域がシャドー領域であることを特徴とする請求項84、86、88の何れか一項に記載の画像処理プログラム。
【請求項91】
前記青色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で161〜250の範囲内にあり、前記緑色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で40〜160の範囲内にあることを特徴とする請求項89に記載の画像処理プログラム。
【請求項92】
前記シャドー領域の明度値は、HSV表色系の明度値で26〜84の範囲内にあることを特徴とする請求項90に記載の画像処理プログラム。
【請求項93】
前記肌色色相領域の色相値は、HSV表色系の色相値で0〜39及び330〜359の範囲内にあることを特徴とする請求項83〜92の何れか一項に記載の画像処理プログラム。
【請求項94】
前記肌色色相領域が、明度及び彩度に基づく所定の条件式により2つの領域に分割されることを特徴とする請求項83〜93の何れか一項に記載の画像処理プログラム。
【請求項95】
前記偏倚量には、撮影画像データの明るさの偏差量、当該撮影画像データの画面中央部における明るさの平均値、異なる条件で算出された明るさの差分値のうちの少なくとも一つが含まれることを特徴とする請求項73〜94の何れか一項に記載の画像処理プログラム。
【請求項96】
前記撮影条件は、撮影時の光源条件及び露出条件を示し、
前記光源条件にはストロボ撮影状態が含まれ、前記露出条件には、撮影時のシャッタースピード、絞り値に由来するアンダー撮影状態が含まれることを特徴とする請求項73〜95の何れか一項に記載の画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−92133(P2006−92133A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−275212(P2004−275212)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】