説明

画像処理装置、及びプログラム

【課題】撮影中における主要被写体の動きを表現する複数の主要被写体像を合成した画像において、各々の主要被写体像により表現されている主要被写体の撮影順を鑑賞者に把握させる。
【解決手段】異なる時間に撮影された複数の静止画像からそれぞれ抽出された主要被写体像を合成した合成画像として、指標付き合成画像102,G103を生成する。指標付き合成画像102,G103には、複数の主要被写体像G(61),G(65),G(69)の相互における大きさの時間的な変化等を示す指標Aを合成する。指標Aにより、複数の主要被写体像G(61),G(65),G(69)の撮影順が把握可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる時間に撮影された複数の静止画像からそれぞれ抽出された主要被写体像を合成することにより合成画像を生成する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、本出願人により、連続的に撮影された複数の静止画像から、各々の画像間で移動している主要被写体を表す領域の画像(以下、主要被写体像という。)を抽出し、抽出した主要被写体像を他の静止画像(撮影画像)に対して合成することにより合成画像を生成する機能を備えたデジタルカメラが開発されている(下記非特許文献1参照)。そして、このデジタルカメラにおいては、複数の静止画像から抽出した主要被写体像を個別に合成した合成画像を連続して表示することにより、主要被写体像のみが動く画像が鑑賞可能となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】カシオ デジタルカメラ EXILIM | EX-Z400 ダイナミックフォト、[online]、インターネット<URL:http://dc.casio.jp/products/ex_z400/dp.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のデジタルカメラにより生成された合成画像を印刷装置により印刷した場合、印刷された合成画像上には、連続撮影の際の各撮影時点における主要被写体がそれぞれ表現されたものとなるだけである。このため、合成画像の鑑賞者は、印刷された合成画像を観賞しただけでは、合成画像上において各々の主要被写体像により表現されている主要被写体の撮影順を把握することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、撮影中における主要被写体の動きを表現する複数の主要被写体像を合成した画像において、各々の主要被写体像により表現されている主要被写体の撮影順を鑑賞者に把握させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る画像処理装置にあっては、異なる時間に撮影された複数の静止画像から抽出された複数の主要被写体像を、抽出元の静止画像内での位置を維持した状態で合成した合成画像を生成する画像処理装置であって、前記複数の主要被写体像の相互における状態の時間的な変化を示す指標を表す指標データを生成する指標データ生成手段と、前記指標データ生成手段が生成した前記指標データを前記合成画像を表す合成画像データに対して合成することにより、指標付き合成画像を表す指標付き合成画像データを生成する合成画像データ生成手段と、前記合成画像データ生成手段が生成した指標付き合成画像データが表す指標付き合成画像を出力する画像出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第2の観点に係るプログラムにあっては、異なる時間に撮影された複数の静止画像から抽出された複数の主要被写体像を、抽出元の静止画像内での位置を維持した状態で合成した合成画像を生成する画像処理装置が有するコンピュータを、前記複数の主要被写体像の相互における状態の時間的な変化を示す指標を表す指標データを生成する指標データ生成手段と、前記指標データ生成手段が生成した前記指標データを前記合成画像を表す合成画像データに対して合成することにより、指標付き合成画像を表す指標付き合成画像データを生成する合成画像データ生成手段と、前記合成画像データ生成手段が生成した指標付き合成画像データが表す指標付き合成画像を画像出力手段に出力させる出力制御手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮影中における主要被写体の動きを表現する複数の主要被写体像を合成した画像において、各々の主要被写体像により表現されている主要被写体の撮影順を鑑賞者に把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態におけるフォトスタンドのハードウェア構成の概略を示すブロック図である。
【図2】記録メディアに記録されている静止画ファイルの例を示す図である。
【図3】フォトスタンドの機能の要部を示す機能ブロック図である。
【図4】フォトスタンドにおける合成画像の印刷処理を示すフローチャートである。
【図5】指標データ生成処理を示すフローチャートである。
【図6】主要被写体像削除処理を示すフローチャートである。
【図7】(a)は合成画像の例、(b)及び(c)は、及び指標付き合成画像の変化の例を示す遷移図である。
【図8】図7(b)に対応する他の指標付き合成画像の例を示す図である。
【図9】(a)は合成画像の例、(b)及び(c)は、及び指標付き合成画像の変化の例を示す遷移図である。
【図10】指標付き合成画像に合成する指標の変形例を示す、図8に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した実施形態を図に従って説明する。図1は、本発明の実施形態として例示するフォトスタンド1のハードウェア構成の概略を示すブロック図である。図1に示したフォトスタンド1は、デジタルカメラ等により撮影され画像データとして記録された画像を表示したり、印刷したりする装置である。また、フォトスタンド1は、本発明の画像処理装置としての機能を有する装置である。
【0011】
フォトスタンド1は、CPU(Central Processing Unit)101によってシステムの全体を制御される構成である。CPU101には、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access memory)103、メディアコントローラ104、操作キー群201、ディスプレイ301、プリンタドライバ401が接続されている。
【0012】
ROM102には、CPU101にシステム全体を制御させるための複数種のプログラムやデータが記憶されているメモリである。ROM102に記憶されているプログラムには、CPU101を本発明の指標データ生成手段、及び合成画像データ生成手段として機能させる印刷制御プログラム102aが含まれる。
【0013】
RAM103は、CPU101が必要に応じて種々のデータを一時的に記憶する作業用のメモリである。
【0014】
メディアコントローラ104は、フォトスタンド1の本体に設けられているメモリカードスロットに着脱自在に装着された記録メディア50と、CPU101との間におけるデータの入出力を制御する入出力インターフェースである。
【0015】
記録メディア50には、背景技術で説明したデジタルカメラにより記録された複数の画像データが記録されている。複数の画像データは、JPEG(Joint Photographic Expert Group)方式により圧縮され、画像サイズ等の付加情報と共に静止画ファイルとして記録メディア50に記憶されている。
【0016】
記録メディア50に記憶されている複数の画像データには、撮影画像データと複数からなる一連の主要被写体データとが含まれている。撮影画像データは、通常の撮影によって取得された撮影画像を表す画像データである。
【0017】
また、一連の主要被写体データは、背景技術で説明したデジタルカメラにおいて、主要被写体のみが動く画像を表示することを目的として生成された画像データである。つまり連続的に撮影された一連の撮影画像からそれぞれ抽出された複数の主要被写体像をそれぞれ表す画像データである。
【0018】
一連の主要被写体データは、それぞれが主要被写体の抽出元の静止画像において、抽出した主要被写体を除く全ての領域を所定の背景色(例えばグレー)で塗りつぶした画像を表す画像データである。つまり主要被写体データは、静止画像から抽出した主要被写体を、抽出元の静止画像内での位置を保持した状態で表す画像データである。
【0019】
図2は、記録メディア50に記録されている複数の静止画ファイルの一例を示した図である。ファイル名の拡張子が「.JPG」である静止画ファイルが、撮影画像データが格納されている静止画ファイルである。また、ファイル名の拡張子が「.JPE」である静止画ファイルが、主要被写体データが格納されている静止画ファイルである。
【0020】
主要被写体データが格納されている静止画ファイルには、各々の主要被写体像の抽出元の一連の静止画像(撮影画像)の撮影順を示す連続番号が接頭辞(「CIMG」)に付加されたファイル名(「CIMG0061.JPE」〜「CIMG0080.JPE」)が付与されている。以下の説明においては、ファイル名に含まれる連続番号を画像番号という。なお、図2は、一連の主要被写体データの取得元(主要被写体像の抽出元)の一連の静止画像が20枚である場合の例を示した図である。
【0021】
操作キー群201は、電源キー、及びユーザがフォトスタンド1の操作に使用する他の操作キーや操作ボタンから構成される。CPU101は、操作キー群201における操作キー等の操作状態を定常的にスキャンすることにより、所定のキー操作によるユーザからの種々の指示を検知する。
【0022】
ディスプレイ301は、例えばバックライト付きのカラー液晶表示パネルと、CPU101から供給される画像データ等の表示データに応じてカラー液晶表示パネルを駆動する駆動回路とから構成される。
【0023】
プリンタドライバ401は、CPU101から供給される画像データ等に応じてプリンタ402を駆動し、プリンタ402に印刷動作を行わせる。プリンタ402は、インクジェット方式やレーザー方式、熱転写昇華型等の任意の印刷方式により画像をカラー印刷するものであり、印刷方式に応じた電子回路、及び機構的構成を備えている。
【0024】
図3は、フォトスタンド1が有する機能の要部を示す機能ブロック図である。フォトスタンド1は制御部10と、操作部20、画像出力部60を有している。制御部10は合成画像データ生成部11と、指標データ生成部12、画像選択部13、出力制御部14、記憶部15により構成されている。また、画像出力部60は表示部30と印刷部40とによって構成されている。
【0025】
操作部20は、フォトスタンド1に対するユーザからの各種の指示を検知する機能部分であり、図1に示した操作キー群201により実現される。
【0026】
表示部30は、記録メディア50に記録されている撮影画像データにより表される撮影画像や主要被写体データにより表される主要被写体像、さらにユーザがフォトスタンド1を操作する際に必要とする各種の操作画面を表示する。また、表示部30は、後述する指標付き合成画像データにより表される指標付き合成画像も表示する。表示部30は、図1に示したディスプレイ301により実現される。
【0027】
画像選択部13は、操作部20において検知したユーザからの選択指示に応じて、記録メディア50に記録されている撮影画像データと、記録メディア50に記録されている一連の主要被写体データのうちから所定数の主要被写体データとを処理対象として選択する。また、画像選択部13は、選択した撮影画像データと主要被写体データとを記録メディア50から読み出す。画像選択部13は、図1に示したCPU101とメディアコントローラ104とにより実現される。
【0028】
指標データ生成部21は、画像選択部13が選択した複数の主要被写体データを対象として、各々の主要被写体データにより表される複数の主要被写体像の状態の時間的な変化を示す指標を表す指標データを生成する。指標データにより表される具体的な指標は、複数の主要被写体像の位置の時間的な変化を示す指標や、複数の主要被写体像の大きさの時間的な変化を示す指標である。指標データ生成部21は、図1に示したCPU101により実現される。
【0029】
合成画像データ生成部11は、画像選択部13が選択した撮影画像データに対して、画像選択部13が選択した所定数の主要被写体データを合成することにより合成画像データを生成する。また、合成画像データ生成部11は、合成画像データに対して、指標データ生成部21が生成した指標データを合成することにより指標付き合成画像データを生成する。合成画像データ生成部11は、図1に示したCPU101により実現される。
【0030】
印刷部40は、合成画像データ生成部11が生成した指標付き合成画像データにより表される指標付き合成画像を印刷する機能部分であり、図1に示したプリンタドライバ401とプリンタ402とによって実現される。
【0031】
出力制御部14は、操作部20で検知したユーザからの合成画像データの生成指示に応じ、合成画像データ生成部11に指標付き合成画像データを生成させ、生成された指標付き合成画像データにより表される指標付き合成画像を表示部30に表示させる。また、出力制御部14は、操作部20で検知したユーザからの印刷指示に応じ、合成画像データ生成部11が生成した指標付き合成画像データにより表される指標付き合成画像を印刷部40を印刷させる。出力制御部14は、図1に示したCPU101により実現される。
【0032】
記憶部15は、画像選択部13が記録メディア50から読み出した撮影画像データ、及び主要被写体データ、指標データ生成部21が生成した指標データ、合成画像データ生成部11が生成した合成画像データ、及び指標付き合成画像データ等を記憶する。記憶部15は、図1に示したRAM103により実現される。
【0033】
次に、以上の構成からなるフォトスタンド1の動作について説明する。フォトスタンド1には、画像を印刷するための印刷モードとして次のモードが用意されている。すなわちフォトスタンド1には、記録メディア50に記録されている複数の主要被写体データにより表される複数の主要被写体像を、抽出元の静止画像内での位置を維持した状態で表現する合成画像を生成して印刷する特定の印刷モードが設けられている。
【0034】
フォトスタンド1が特定の印刷モードにおいて印刷する合成画像は、図7(c)、図8(b)、図9(c)にそれぞれ例示したような指標付き合成画像G103,G112,G203である。
【0035】
フォトスタンド1においては、ユーザが操作キー群201の所定の操作キーの操作により特定の印刷モードを設定すると、制御部10(CPU101)が、ROM102に記憶されている印刷制御プログラム102aに従って図4のフローチャートに示した印刷処理を実行する。以下、印刷処理の内容を具体的に説明する。
【0036】
制御部10は、ユーザにより特定の印刷モードが設定されると、背景画像データをユーザに選択させる(ステップS1)。ステップS1の処理において制御部10は、記録メディア50に記録されている複数の撮影画像データを読み出し、読み出した撮影画像データにより表される撮影画像を表示部30(ディスプレイ301)の画面上に選択候補として表示する。
【0037】
選択候補とする撮影画像の表示に際して、制御部10は、例えば撮影画像を縮小した状態で画面上に一覧表示するか、ユーザによる所定のキー操作に応じて撮影画像を所定枚数ずつ、又は1枚ずつ送り表示する。そして、ステップS1の処理において制御部10は、ユーザが所定のキー操作で選択した撮影画像データを記録メディア50から読み出して記憶部15(RAM103)に記憶する。
【0038】
次に、制御部10は、ユーザにより選択された背景画像データに合成する主要被写体データを選択させる(ステップS2)。ステップS2の処理において制御部10は、記録メディア50に記録されている複数の主要被写体データを読み出し、読み出した主要被写体データにより表される主要被写体像を表示部30の画面上に選択候補として表示する。なお、複数の主要被写体像の表示方法は、ステップS1の処理で撮影画像を表示する場合と同様である。さらに、制御部10は、ユーザに操作キー群201の所定の操作キーを操作させて、表示部30の画面上に選択候補として表示中のいずれかの主要被写体像を選択させる。
【0039】
そして、ステップS2の処理においては、画像選択部10(CPU101)が、ユーザによる所定のキー操作によって選択された主要被写体像を表す主要被写体データが格納された静止画ファイルの画像番号(撮影順を示す連続番号)を記憶部15に記憶する(ステップS3)。なお、以下の説明においては、主要被写体データが格納された静止画ファイルの画像番号を、単に主要被写体データの画像番号と表現する。
【0040】
次に、制御部10は、ユーザにより選択された主要被写体データが2以上であるか否かを、記憶部15に一時記憶している画像番号の数により判断する(ステップ4S)。印刷処理の開始当初において主要被写体データは1つであるため(ステップS4:NO)、制御部10は、合成画像データを生成する(ステップS5)。
【0041】
すなわち制御部10は、記憶部15に記憶している画像番号の主要被写体データを記録メディア50から読み出し、読み出した主要被写体データを、記憶部15に記憶している背景画像データに合成した合成画像データを生成する。なお、制御部10は、生成した合成画像データを他のデータとともに記憶部15に記憶する。
【0042】
しかる後、出力制御部14(CPU101)が、ステップS5で生成した合成画像データを表示部30に供給することにより、合成画像データにより表される合成画像を表示部30に表示させる(ステップS6)。
【0043】
図7(a)は、ステップS6で表示部30において表示される合成画像G101の例を示した図である。図7(a)は、記録メディア50に記憶されている一連の主要被写体データによって表される主要被写体像がサッカーボールである場合の例である。また、図7(a)に示した合成画像G101は、背景画像データにより表される背景画像G0(具体的な表示は省略する。)に、画像番号が「61」の主要被写体データにより表される主要被写体像G(61)が合成されたものである。
【0044】
その後、制御部10は、ユーザから所定のキー操作による主要被写体像の追加指示があったか否かを確認する(ステップS10)。追加指示が確認できなければ(ステップS10:NO)、制御部10は、ユーザから所定のキー操作による主要被写体像の削除指示があったか否かを確認する(ステップS11)。また、削除指示が確認できなければ(ステップS11:NO)、制御部10は、ユーザから所定のキー操作による主要被写体像の印刷指示があったか否かを確認する(ステップS12)。
【0045】
そして、制御部10は、ユーザから主要被写体像の追加指示があったときには(ステップS10:YES)、ステップS2、ステップS3の処理を繰り返す。すなわち制御部10は、ユーザに新たな主要被写体データを選択させ(ステップS2)、新たに選択された主要被写体データの画像番号を記憶部15に新たに記憶する(ステップS3)。
【0046】
ステップS2〜ステップS3の処理を繰り返した後には、ユーザにより選択された主要被写体データが2以上となるため(ステップS4:YES)、指標データ生成部12(CPU101)が指標データを生成する(ステップS7)。
【0047】
図5は、ステップS7において指標データ生成部12が実行する指標データ生成処理を示したフローチャートである。
【0048】
指標データ生成処理において指標データ生成部12は、まず、記憶部15に記憶されている画像番号(撮影順を示す連続番号)を確認して、以下の処理を行う(ステップS101)。すなわち指標データ生成部12は、記憶部15に新たに記憶された主要被写体データと、記憶部15に既に記憶されていた、新たに記憶した主要被写体データよりも画像番号が小さく、かつ最も近い画像番号の他の主要被写体データを記録メディア50から読み出す。
【0049】
次に、指標データ生成部12は、読み出した双方の主要被写体データにおいて、各々の主要被写体データにより表される2つの主要被写体像の相互における状態の時間的な変化の内容を特定する(ステップS102)。ここで、指標データ生成部12が特定する状態の時間的な変化の内容とは、2つの主要被写体像の抽出元である一方の撮影画像が撮影された時点と、他方の撮影画像が撮影された時点とのにおける主要被写体の状態の変化の内容である。
【0050】
また、本実施形態において指標データ生成部12が特定する状態の時間的な変化の内容は、主要被写体像(主要被写体)における位置の時間的な変化と、主要被写体像(主要被写体)における大きさの時間的な変化とのいずれか一方である。つまりステップS102において指標データ生成部12は、ステップS101で読み出した画像番号の異なる2つの主要被写体データによりそれぞれ表される主要被写体像の相互において位置が変化しているのか、大きさが変化しているのかを特定する。
【0051】
より具体的に説明すると、例えば指標データ生成部12は、まず、画像番号が小さい側の主要被写体データにより表される主要被写体像を複数のマクロブロックに分割し、各々のマクロブロックについて、画像番号が大きい側の主要被写体データにより表される主要被写体像の対応する箇所を検索して動きベクトルを取得する。なお、指標データ生成部12による動きベクトルの具体的な取得方法は、例えばブロックマッチング法等の周知の方法である。以下の説明においては、画像番号(撮影順を示す連続番号)が小さい側の主要被写体データにより表される主要被写体像を単に画像番号が小さい側の主要被写体像と表現し、かつ画像番号が大きい側の主要被写体データにより表される主要被写体像を単に画像番号が大きい側の主要被写体像と表現する。
【0052】
そして、指標データ生成部12は、取得したマクロブロック毎の動きベクトルに示される方向が、予め決められているは判断基準に照らしてほぼ同一方向である判断できる場合には、2つの主要被写体データにおいて主要被写体像の位置が変化していると特定する。また、指標データ生成部12は、取得したマクロブロック毎の動きベクトルに示される方向が、予め決められているは判断基準に照らしてほぼ同一方向である判断できない場合には、2つの主要被写体データにおいて主要被写体像の大きさが変化していると特定する。
【0053】
次に、指標データ生成部12は、2つの主要被写体データにより表される主要被写体像の状態の変化が位置の変化であれば(ステップS103:YES)、主要被写体像の位置の時間的な変化を示す指標を表す指標データを生成する(ステップS104)。
【0054】
指標データ生成部12が生成する位置の時間的な変化を示す指標を表す指標データは、所定の方向を示す矢印を表す画像データである。ここで、矢印を表す画像データは、合成画像データ、又は指標付き合成画像データと同一サイズで、かつ透明部分として扱われる色の背景内に矢印が存在する画像を表す画像データである。
【0055】
矢印を表す画像データ(指標データ)の生成に際して指標データ生成部12は、まず、画像番号(撮影順を示す連続番号)が小さい側の主要被写体データと、画像番号が大きい側の主要被写体データとの2つの主要被写体データにより表される双方の主要被写体像の各々の中心位置を演算する。なお、主要被写体像の中心とは、主要被写体像を囲む最小面積の矩形の中心(重心であってもよい。)である。
【0056】
次に、指標データ生成部12は、矢印(位置の時間的な変化を示す指標)の長さとして、2つの主要被写体データにより表される双方の主要被写体像の中心間の距離の予め決められた割合(1/2等)の長さを取得する。また、指標データ生成部12は、矢印の位置として、矢印の中心が、双方の主要被写体像の中心同士を結ぶ直線の中点と一致する位置を取得する。さらに、指標データ生成部12は、矢印の方向として、双方の主要被写体像の中心同士を結ぶ直線に重なり、かつ画像番号が大きい側の主要被写体データにより表される主要被写体像(の中心)へ向かう方向を取得する。しかる後、指標データ生成部12は、取得した方向を示し、かつ取得した長さを有する矢印を、取得した位置に配置した画像を表す画像データを指標データとして生成する。
【0057】
一方、指標データ生成部12は、2つの主要被写体データにより表される主要被写体像の状態の変化が大きさの変化であれば(ステップS103:NO)、主要被写体像の大きさの時間的な変化を示す指標を表す指標データを生成する(ステップS105)。
【0058】
ステップS105において指標データ生成部12は、まず、画像番号(撮影順を示す連続番号)が小さい側の主要被写体データと画像番号が大きい側の主要被写体データとにおいて、ハイパスフィルタを用いて主要被写体像の輪郭をそれぞれ検出する。次に指標データ生成部12は、画像番号が小さい側の主要被写体像が、画像番号が大きい側の主要被写体像と比べて大きいか否かを判断する。
【0059】
しかる後、指標データ生成部12は、指標データとして、画像番号が小さい側の主要被写体像の輪郭線から画像番号が大きい側の主要被写体像の輪郭線に向かう方向を示し、かつ予め決められた長さを有する2つの矢印を表す画像データを生成する。ここで、2つの矢印を表す画像データは、ステップS104の処理で生成されるものと同様に、合成画像データ、又は指標付き合成画像データと同一サイズで、かつ透明部分として扱われる色の背景内に2つの矢印が存在する画像を表す画像データである。
【0060】
また、2つの矢印は、画像番号が小さい側の主要被写体像の中央部を通る予め決められている傾きを有する仮想直線に、それぞれが重なるものである。なお、主要被写体像の中心とは、主要被写体像を囲む最小面積の矩形の中心(重心であってもよい。)である。
【0061】
そして、ステップS105において指標データ生成部12は、画像内での位置を以下の手順で決定し、決定した位置に2つの矢印を配置した画像を表す画像データを指標データとして生成する。
【0062】
画像内での2つの矢印の位置の決定に際して指標データ生成部12は、まず仮想直線が一端側及び他端側において画像番号が小さい側と大きい側との双方の主要被写体像の輪郭線と交差する4つの交点の位置を取得する。次に、指標データ生成部12は、取得した4つの交点のうちで仮想直線の一端側における2つの交点の中間位置(以下、一端側の中間位置という。)と、仮想直線の他端側における2つの交点の中間位置(以下、他端側の中間位置という。)とを取得する。
【0063】
しかる後、指標データ生成部12は、中心が一端側の中間位置と一致する位置を一方側の矢印の位置として決定し、かつ中心が他端側の中間位置と一致する位置を他方側の矢印の位置として決定する。
【0064】
そして、制御部10は、以上の指標データ生成処理によって指標データ生成部12により指標データを生成した後、図4のフローチャートに示した処理に戻り、引き続き、以下の処理を行う。
【0065】
まず、合成画像データ生成部11(CPU101)が、指標データ生成処理において生成した指標データをステップS5の処理で生成した合成画像データに合成することにより指標付き合成画像データを生成する(ステップS8)。なお、合成画像データ生成部11は、生成した指標付き合成画像データを他のデータとともに記憶部15に記憶する。
【0066】
しかる後、制御部10は、生成した指標付き合成画像データを表示部30に供給することにより、指標付き合成画像データにより表される指標付き合成画像を表示部30に表示させる(ステップS9)。
【0067】
図7(b)は、表示部30に、図7(a)に示した合成画像G101が表示されている間に、ユーザによって2つ目の主要被写体データが選択された場合に、表示部30に表示される指標付き合成画像の例を示した図である。
【0068】
図7(b)に示した指標付き合成画像G102は、2つ目の主要被写体データとして、合成画像G101に合成されていた主要被写体像G(61)と比べて位置が変化した主要被写体像G(65)を表す、画像番号(撮影順を示す連続番号)が「65」の主要被写体データが選択された場合の例である。すなわちステップS7の処理(図5の指標データ生成処理)で、指標データとして主要被写体像の位置の時間的な変化を示す指標データが生成された場合の例である。図7(b)において、双方の主要被写体像G(61),G(65)の間において右上方向を示す矢印である指標Aが指標データにより表された指標である。
【0069】
一方、図8は、表示部30に、図7(a)に示した合成画像G101が表示されている間に、ユーザによって2つ目の主要被写体データが選択された場合に、制御部10がステップS9の処理でディスプレイ301に表示させる指標付き合成画像の他の例を示した図である。
【0070】
図8に示した指標付き合成画像G112は、2つ目の主要被写体データとして、合成画像G101に合成されていた主要被写体像G(61)と比べて位置が変化した主要被写体像G(69)を表す、画像番号が「69」の主要被写体データが選択された場合の例である。図8において、双方の主要被写体像G(61),G(69)の間において右方向を示す矢印である指標Aが指標データにより表された指標である。つまり2つ目の主要被写体データが異なる場合には、主要被写体像の位置の時間的な変化を示す指標データとして異なる指標データで生成される。そして、異なる指標データにより表される指標が合成された異なる指標付き合成画像が表示部30に表示されることとなる。
【0071】
引き続き、制御部10は、ユーザから主要被写体像の追加指示がさらにあったときには(ステップS10:YES)、ユーザに3つ目の主要被写体データをさらに選択させた後(ステップS2)、ステップS3、ステップS7〜ステップS9の処理を繰り返す。これにより、制御部10は、ステップS8の処理で指標データ生成部12が生成した新たな指標付き合成画像データにより表される新たな指標付き合成画像を表示部30に表示させる。
【0072】
図7(c)は、図7(b)に示した指標付き合成画像G102の表示中に、3つ目の主要被写体データとして、ユーザにより画像番号(撮影順を示す連続番号)が「69」の主要被写体データが選択された場合に、表示部30に表示される新たな指標付き合成画像の例を示した図である。
【0073】
すなわち図7(c)に示した指標付き合成画像G103は、図7(b)に示した指標付き合成画像G102に対して、主要被写体像G(69)と、及び主要被写体像G(65)と主要被写体像G(69)との間に配置され右下方向を示す矢印である指標Aが新たに合成されたものである。
【0074】
以後、制御部10は、ユーザから主要被写体像の追加指示がある毎に(ステップS10:YES)、ステップS2、ステップS3、ステップS7〜ステップS9の処理を繰り返し、新たな指標付き合成画像を表示部30に表示させる。
【0075】
ここで制御部10が、ステップS6、及びステップS9の処理において表示部30にそれぞれ表示させる合成画像、及び指標付き合成画像の他の例を図9に示す。図9は、記録メディア50に記憶されている一連の主要被写体データによって表される各々の主要被写体像の相互における状態の時間的な変化が、主要被写体像の大きさの変化である場合を前提とした例である。
【0076】
図9(a)は、制御部10がステップS6の処理で表示部30に表示させる合成画像G201の例を示した図である。図9(a)に示した合成画像G201は、背景画像データにより表される背景画像G0(具体的な表示は省略する。)に、画像番号が「61」の主要被写体データにより表される主要被写体像G(61)が合成されたものである。なお、図9では主要被写体像の具体的な内容は省略する。
【0077】
また、図9(b)は、印刷処理の開始後の1回目のステップS9の処理で制御部10が表示部30に表示させる指標付き合成画像G202の例を示した図である。つまり図9(b)は、表示部30に、図9(a)に示した合成画像G201が表示されている間に、ユーザによって2つ目の主要被写体データが選択された場合に、表示部30に表示される指標付き合成画像の例を示した図である。
【0078】
図9(b)に示した指標付き合成画像G202は、2つ目の主要被写体データが、合成画像G201に合成されていた主要被写体像G(61)よりも大きさが小さく変化した主要被写体像G(65)を表す、画像番号が「65」の主要被写体データである場合の例である。この場合、ステップS7の処理(図5の指標データ生成処理)では、指標データ生成部12により、指標データとして、主要被写体像の大きさの時間的な変化を示す指標データが生成されている。
【0079】
図9(b)において、双方の主要被写体像G(61),G(65)の輪郭線の間に配置され、画像番号(撮影順を示す連続番号)が小さい側の主要被写体像G(61)から画像番号が大きい側の主要被写体像G(65)の輪郭線に向かう方向を示す矢印である指標B,Bが、指標データにより表された指標である。
【0080】
また、図9(c)は、ユーザにより3つ目の主要被写体データとして、以下の主要被写体データが選択された場合に、表示部30に表示される指標付き合成画像の例を示した図である。
【0081】
図9(c)に示した指標付き合成画像G203は、3つ目の主要被写体データが、指標付き合成画像G202に合成されていた主要被写体像G(65)よりも大きさが更に小さく変化した主要被写体像G(69)を表す、画像番号が「69」の主要被写体データである場合の例である。この場合も、ステップS7の処理(図5の指標データ生成処理)では、指標データ生成部12により、指標データとして、主要被写体像の大きさの時間的な変化を示す指標データが生成されている。
【0082】
図9(c)において、2つ目、及び3つ目の主要被写体像G(65),G(69)の輪郭線の間に配置され、画像番号が小さい側の主要被写体像G(65)から画像番号が大きい側の主要被写体像G(69)の輪郭線に向かう方向を示す矢印である指標B,Bが、指標データにより表された指標である。
【0083】
一方、制御部10は、ステップS6、又はステップS9の処理後に、ユーザから主要被写体像の削除指示があった場合には(ステップS10:NO、ステップS11:YES)、主要被写体像を削除する処理を行う(ステップS13)。
【0084】
図6は、ステップS13において制御部10が実行する主要被写体像削除処理を示したフローチャートである。
【0085】
主要被写体像削除処理において制御部10は、まず、記憶部15に記憶されている画像番号(撮影順を示す連続番号)のデータ数から、現在選択されている主要被写体データの数が複数であるか否かを確認する(ステップS201)。
【0086】
そして、制御部10は、主要被写体データの数が複数でなければ(ステップS201:NO)、表示中の合成画像に替えて、記憶部15に記憶してある背景画像データにより表される背景画像を表示部30に表示させる(ステップS202)。なお、ステップS202の処理に際して制御部10は、記憶部15に記憶されている画像番号を削除する。しかる後、制御部10は、主要被写体像削除処理から抜けて、図4に示したステップS2の処理へ移行する。
【0087】
一方、制御部10は、主要被写体データの数が複数であれば(ステップS201:YES)、ユーザに削除対象の主要被写体データを選択させる(ステップS203)。ステップS203の処理において制御部10は、記憶部15に記憶されている各々の画像番号の主要被写体データにより表される主要被写体像を、ユーザによる所定のキー操作に応じて順に、例えば現在表示中の主要被写体像に重ねてグレー表示する。そして、制御部10は、ユーザから所定のキー操作による確定指示あった時点でグレー表示している主要被写体データを削除対象として特定する。そして、ユーザにより選択された主要被写体データの画像番号を記憶部15から削除する(ステップS204)。
【0088】
次に、制御部10は、記憶部15に画像番号が記憶されている残りの主要被写体データが2以上でなければ(ステップS205:NO)、残りの主要被写体データを背景画像データに合成した合成画像データを新たに生成する(ステップS206)。そして、制御部10は、生成した合成画像データにより表される新たな合成画像を、表示中の指標付き合成画像に替えて表示部30に表示させる(ステップS207)。しかる後、制御部10は主要被写体像削除処理を終了し、図4に示した処理へ戻る。
【0089】
一方、制御部10は、記憶部15に画像番号が記憶されている残りの主要被写体データが2以上であれば(ステップS205:YES)、まず、画像番号が最小の主要被写体データを背景画像データに合成した合成画像データを新たに生成する(ステップS208)。引き続き、制御部10は、生成した合成画像データに、さらに画像番号が次に大きい主要被写体像データを合成した新たな合成画像データを生成する(ステップS209)。
【0090】
次に、指標データ生成部12が、ステップS209で合成画像データに新たに合成した主要被写体データと、記憶部15に記憶されている、新たに合成した主要被写体データよりも画像番号が小さく、かつ最も近い画像番号の他の主要被写体データとに基づき指標データを生成する(ステップS210)。指標データ生成部12が指標データを生成する際の具体な処理手順については、図4のステップS7の処理(図5の指標データ生成処理)と同様である。
【0091】
そして、合成画像データ生成部11が、生成した指標データを、ステップS209の処理で生成した合成画像データに合成し、指標付き合成画像データを生成する(ステップS211)。
【0092】
以後、制御部10は、画像番号が次に大きい主要被写体データがあれば(ステップS212:YES)、ステップS209〜ステップS211の処理を繰り返す。つまり制御部10は、ユーザに削除されていない全ての主要被写体データのみを背景画像データに順に合成し直す。また、指標データ生成部12が、主要被写体データを合成し直す毎に新たな指標データを生成し、合成画像データ生成部11が、生成した指標データを合成した指標付き合成画像データを生成する。
【0093】
そして、画像番号が次に大きい主要被写体データがなくなったら(ステップS212:NO)、制御部10は、ステップS211の処理で最終的に生成した新たな指標付き合成画像データにより表される指標付き合成画像を表示部30に表示させる(ステップS213)。しかる後、表示部30は主要被写体像削除処理を終了し、図4に示した処理へ戻る。
【0094】
したがって、例えば図7(c)に示した指標付き合成画像G103が表示部30に表示されている状態で、ユーザにより2つ目の主要被写体像G(65)を削除するキー操作が行われた場合には、図8に示した指標付き合成画像G112が表示部30に表示される。
【0095】
その後、制御部10は、ユーザから所定のキー操作による主要被写体像の印刷指示があれば(ステップS11:NO、ステップS12:YES)、指標付き合成画像G103を印刷する処理を行う(ステップS14)。すなわち制御部10は、印刷指示があった時点で生成している指標付き合成画像データを印刷部40(プリンタドライバ401)へ供給し、印刷部40(プリンタ402)に指標付き合成画像、例えば図7(c)に示した指標付き合成画像G103を印刷させる。これにより、制御部10は、特定の印刷モードにおける印刷処理を完了する。
【0096】
以上のようにフォトスタンド1が特定の印刷モードで印刷する合成画像は、単に複数の主要被写体像を合成したものではなく、複数の主要被写体像の相互における状態(位置、又は大きさ)の時間的な変化を示す指標が同時に合成された指標付き合成画像である。
【0097】
よって、指標付き合成画像の鑑賞者は、指標付き合成画像に合成されている1又は複数の指標によって、各々の主要被写体像により表現されている主要被写体の撮影順を把握することができる。
【0098】
また、指標付き合成画像の印刷に際して、主要被写体像(主要被写体データ)として、撮影中における主要被写体の移動軌跡中の変曲点(移動方向が変化する点)に対応する主要被写体像をユーザに選択させれば、以下の効果も得ることができる。
【0099】
すなわち指標付き合成画像に合成されている主要被写体像の数が少なくとも、指標付き合成画像の鑑賞者に、単なる主要被写体の撮影順に止まらず、撮影中における主要被写体の移動軌跡も把握させることができる。つまり、合成されている主要被写体像の数が少なくとも、撮影中における主要被写体の本来の動きを指標付き合成画像において表現することができる。
【0100】
また、フォトスタンド1においては、ユーザが2以上の主要被写体像を選択(指定)する毎に、新たに選択した主要被写体像と既に表示中の画像番号が小さく、かつ最も近い主要被写体像との間に指標が存在する指標付き合成画像が表示部30に表示される。このため、ユーザは、指標付き合成画像に逐次追加される指標を確認しながら、主要被写体像を選択することができ、所望とする画像内容の指標付き合成画像を比較的容易に印刷することができる。
【0101】
(変形等)
次に、以上説明した実施形態の変形等について述べる。
【0102】
本実施形態においては、指標付き合成画像において複数の主要被写体像の相互における状態(位置、又は大きさ)の時間的な変化を示す指標が、図7〜図9に示したように特定の方向を示す矢印である場合について説明した。しかし、指標付き合成画像に合成する指標は矢印以外にも特定の方向を示すものであれば、例えば図10に示したような画像等に適宜変更することができる。図10は、矢印以外の他の指標Cが合成された場合における、図8に対応する指標付き合成画像G301の例を示した図である。
【0103】
また、フォトスタンド1には、例えば指標付き合成画像に合成する指標の種類を、複数の主要被写体像の相互において変化する状態の種類(位置、又は大きさ)に応じて変化させる構成を採用してもよい。
【0104】
本実施形態においては、指標付き合成画像に合成する主要被写体像(主要被写体データ)をユーザに選択させた。つまりCPU101が合成画像データや指標付き合成画像データに合成する主要被写体データとして、ユーザに指示された主要被写体データを選択する構成について説明した。
【0105】
しかし、フォトスタンド1には、CPU101が、合成画像データや指標付き合成画像データに合成する主要被写体データを自動的に選択する構成を採用することもできる。CPU101に主要被写体データを自動的に選択させる場合には、例えばCPU101に、画像番号が一定間隔にある主要被写体データのみを自動的に選択させてもよい。主要被写体データを自動的に選択する構成を採用すれば、指標付き合成画像の印刷時におけるユーザの作業負担を軽減することができる。
【0106】
また、フォトスタンド1には、以下の構成を採用してもよい。例えば指標付き合成画像に合成する主要被写体像を3枚に固定し、ユーザには1枚目の主要被写体像と3枚目の主要被写体像のみを選択させる構成とする。そして、3枚の主要被写体像の残りの2枚目の主要被写体像をフォトスタンド1側で自動的に選択する構成としてもよい。2枚目の主要被写体像の選択に際しては、例えばCPU101に、1枚目の主要被写体像の画像番号と3枚目の主要被写体像の画像番号との中間の画像番号を自動的に計算させればよい。
【0107】
また、フォトスタンド1には、本実施形態と異なり記録メディア50に記録されている全ての主要被写体データにより表される主要被写体像を合成した指標付き合成画像を印刷する、本実施形態とは異なる特定の印刷モードを設けても構わない。
【0108】
また、フォトスタンド1に、指標付き合成画像に合成する主要被写体像を自動的に選択させる場合には、ディスプレイ301には指標付き合成画像を表示させなくともよい。つまり指標付き合成画像に合成する主要被写体像を自動的に選択させる場合、フォトスタンド1には、指標付き合成画像データを出力する画像出力手段としてプリンタドライバ401、及びプリンタ402のみを有する構成を採用することができる。
【0109】
また、例えばフォトスタンド1には、指標付き合成画像を印刷する特定の印刷モードに代えて、生成した指標付き合成画像データを記録メディア50に記録する特定の動作モードである合成画像作成モードを設けてもよい。
【0110】
また、本実施形態では、画像データとして記録されている画像を表示したり、印刷したりするフォトスタンド1に本発明を適用した場合について説明した。しかし、本発明は、本実施形態において説明した指標付き合成画像データの生成機能や、生成した指標付き合成画像データを出力する機能を備えたものであれば、任意の装置に適用することができる。任意の装置にはデジタルカメラや、カメラ付き携帯電話端末等が含まれる。
【符号の説明】
【0111】
1 フォトスタンド
10 制御部
11 合成画像データ生成部
12 指標データ生成部
13 画像選択部
14 出力制御部
15 記憶部
20 操作部
21 指標データ生成部
30 表示部
40 印刷部
50 記録メディア
60 画像出力部
101 CPU
102 ROM
102a 印刷制御プログラム
103 RAM
104 メディアコントローラ
201 操作キー群
301 ディスプレイ
401 プリンタドライバ
402 プリンタ
A〜C 指標
G101 合成画像
G102 指標付き合成画像
G103 指標付き合成画像
G112 指標付き合成画像
G202 指標付き合成画像
G203 指標付き合成画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる時間に撮影された複数の静止画像から抽出された複数の主要被写体像を、抽出元の静止画像内での位置を維持した状態で合成した合成画像を生成する画像処理装置であって、
前記複数の主要被写体像の相互における状態の時間的な変化を示す指標を表す指標データを生成する指標データ生成手段と、
前記指標データ生成手段が生成した前記指標データを前記合成画像を表す合成画像データに対して合成することにより、指標付き合成画像を表す指標付き合成画像データを生成する合成画像データ生成手段と、
前記合成画像データ生成手段が生成した指標付き合成画像データが表す指標付き合成画像を出力する画像出力手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記指標データ生成手段は、前記複数の主要被写体像の相互における位置の時間的な変化を示す指標を表す前記指標データ、前記複数の主要被写体像の相互における大きさの時間的な変化を示す指標を表す前記指標データ、の少なくとも1つを、前記複数の主要被写体像の状態の時間的な変化を示す指標を表す指標データとして生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記合成画像に合成すべき前記複数の主要被写体像を順に選択する選択手段をさらに備え、
前記指標データ生成手段は、前記選択手段が新たな主要被写体像を選択する毎に、新たに選択された主要被写体像の状態の時間的な変化を示す指標を表す前記指標データを新たに生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記合成画像データ生成手段が生成した合成画像データにより表される合成画像を表示する表示手段であり、
前記選択手段は、前記合成画像に合成すべき前記複数の主要被写体像として使用者により指示された主要被写体像を選択する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項5】
異なる時間に撮影された複数の静止画像から抽出された複数の主要被写体像を、抽出元の静止画像内での位置を維持した状態で合成した合成画像を生成する画像処理装置が有するコンピュータを、
前記複数の主要被写体像の相互における状態の時間的な変化を示す指標を表す指標データを生成する指標データ生成手段と、
前記指標データ生成手段が生成した前記指標データを前記合成画像を表す合成画像データに対して合成することにより、指標付き合成画像を表す指標付き合成画像データを生成する合成画像データ生成手段と、
前記合成画像データ生成手段が生成した指標付き合成画像データが表す指標付き合成画像を画像出力手段に出力させる出力制御手段と
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−155417(P2011−155417A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14902(P2010−14902)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】