説明

画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラム

【課題】 複数の画像を合成して出力するジョブを実行する際に、記憶装置の使用量を節減しつつ、出力された画像を後から特定できるようにログ情報を残す。
【解決手段】 第1の画像を入力する入力手段と、第2の画像を格納する格納手段と、入力手段によって入力された第1の画像と、格納手段によって格納された第2の画像とを合成する合成手段と、合成手段によって合成された画像を出力する出力手段と、入力手段によって第1の画像を入力し、入力された第1の画像と格納手段によって格納された第2の画像とを合成手段によって合成し、合成された画像を出力手段によって出力するジョブを実行する場合に、入力手段によって入力された第1の画像の画像データと、第2の画像を格納手段に格納したときに記憶されている当該第2の画像の画像データを参照するための参照情報とを記憶装置に記憶する記憶制御手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像データの複写を行うためのコピージョブや、送信を行うための送信ジョブを実行する複合機等の画像処理装置がある。このような画像処理装置の中には、コピージョブや送信ジョブを実行する際に、当該ジョブを実行した日時や、ジョブを実行したユーザのユーザID、ジョブの実行により出力された画像を示す画像データをログ情報として残すものがある。それによって、いつ、誰が、どのような画像を出力したかを後から特定することができ、ジョブの実行によって出力された画像の漏洩を抑制することができる。
【0003】
また、画像データを入力する入力ジョブを実行する際には画像データと履歴情報(ジョブの実行日時やユーザID)をログ情報として記憶し、出力ジョブを実行する際には画像データの代わりに画像データを参照する参照情報と履歴情報を記憶する装置がある。出力ジョブの実行時には、画像データそのものを記憶しないことによって入力ジョブの実行時と出力ジョブの実行時とで画像データが重複して記憶されなくなり、記憶装置の使用量を節減することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−330939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の画像処理装置は、入力された画像と、予め画像処理装置に登録されている画像とを合成して出力する際に、記憶装置の使用量を節減しつつ、出力された画像を後から特定できるようにログ情報を残す構成にはなっていなかった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、複数の画像を合成して出力するジョブを実行する際に、記憶装置の使用量を節減しつつ、出力された画像を後から特定できるようにログ情報を残す仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の画像を入力する入力手段と、第2の画像を格納する格納手段と、入力手段によって入力された第1の画像と、格納手段によって格納された第2の画像とを合成する合成手段と、合成手段によって合成された画像を出力する出力手段と、入力手段によって第1の画像を入力し、入力された第1の画像と格納手段によって格納された第2の画像とを合成手段によって合成し、合成された画像を出力手段によって出力するジョブを実行する場合に、入力手段によって入力された第1の画像の画像データと、第2の画像を格納手段に格納したときに記憶されている当該第2の画像の画像データを参照するための参照情報とを記憶装置に記憶する記憶制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の画像を合成して出力するジョブを実行する際に、記憶装置の使用量を節減しつつ、出力された画像を後から特定できるようにログ情報を残すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る複合機の構成を示す図である。
【図3】本実施形態に係るサービスプロバイダ等の構成を示す図である。
【図4】本実施形態に係るジョブタイプを説明するための図である。
【図5】本実施形態に係るコピージョブにおけるログの一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係るボックス格納ジョブにおけるログの一例を示す図である。
【図7】本実施形態に係るボックスプリントジョブにおけるログの一例を示す図である。
【図8】本実施形態に係る画像合成の概要を説明するための図である。
【図9】本実施形態に係るフォーム原稿登録におけるログの一例を示す図である。
【図10】本実施形態に係る複数のフォーム原稿を用いた場合の画像合成を伴うコピージョブにおけるログの一例を示す図である。
【図11】本実施形態に係る複数のフォーム原稿を用いた場合の画像合成を伴うコピージョブにおけるログの一例である。
【図12】本実施形態に係る複数のフォーム原稿を用いた場合の画像合成を伴うコピージョブにおけるログの一例である。
【図13】本実施形態に係る複数のフォーム原稿を用いた場合の画像合成を伴うコピージョブにおけるログの一例である。
【図14】本実施形態に係る複数のフォーム原稿を用いた場合の画像合成を伴うコピージョブにおけるログの一例である。
【図15】本実施形態に係る複数のフォーム原稿を用いた場合の画像合成を伴うコピージョブにおけるログの一例である。
【図16】本実施形態に係るWebアプリケーション上で、ログ情報を閲覧する場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
図1は、実施形態1における、基本的なシステム構成図である。
【0011】
本システムは、画像処理装置の一例である複合機101と、サービスプロバイダ102、データサーバ103、管理者PC104とがネットワーク106を介して接続されている。
【0012】
複合機101は、スキャナによって読み取った原稿の画像を印刷するコピージョブや、PC105から受信した画像を印刷するプリントジョブ、スキャナによって読み取った原稿の画像をPC105に送信する送信ジョブ等のジョブを実行する。また、複合機101は、画像の合成機能を有し、複数の画像を合成して印刷または送信する機能を有する。この複合機101は、実行したジョブのログ情報を複合機101の記憶装置やデータサーバ103に記憶しておき、実行したジョブが、いつ、誰が、どのような画像を処理したジョブであるかを後から容易に特定可能にするアーカイブ機能を有する。なお、ログ情報には、ジョブの実行によって処理された画像データのコピーである画像ログと、ジョブを実行したユーザのユーザID、ジョブの実行開始日時や実行終了日時等の履歴情報(ジョブログともいう)が含まれる。
【0013】
サービスプロバイダ102は、複合機101に記憶されたログ情報を加工するサーバである。サービスプロバイダ102は、複合機101上で動作するプログラムによって送信されたログ情報を受信して一旦記憶する。そして、サービスプロバイダ102は、必要に応じて、ログ情報に含まれる画像データの変換やOCR処理を行なう。その後、記憶されたログ情報をデータサーバ103に記憶させる。
【0014】
なお、これらのサービスプロバイダ102とデータサーバ103は、図1においては別体となっているが一体的に構成されていてもよい。また、本実施形態に係るログ情報には、画像ログと履歴情報が含まれる。画像ログは、ジョブで処理された画像データのコピーであり、ジョブでどのような画像データが処理されたかを示す。履歴情報は、ジョブログともいい、ジョブの実行日時や、ジョブを実行したユーザのユーザID、ジョブの実行結果等を示す情報が含まれる。
【0015】
データサーバ103は、サービスプロバイダ102から送られてきたログ情報を記憶しておく。また、データサーバ103は、記憶されたログ情報の中から、特定のログ情報を検索するための検索機能を有する。
【0016】
管理者PC104は、データサーバ103に記憶されたログ情報をデータサーバ103から取得して表示するWebアプリケーションが動作している。このWebアプリケーションは、ユーザから検索条件を受け付け、当該検索条件をデータサーバ103に送信し、送信した検索条件に基づいてデータサーバが検索した検索結果を受信して表示することもできる。
【0017】
PC105は、クライアントPCであり、アプリケーションによって画像データを生成し、当該画像データを複合機101に送信する。
【0018】
図2は、複合機101の構成を説明するためのブロック図である。複合機101は、CPU201と、HDD203、プリンタ204、スキャナ205、操作部206、ネットワークI/F207、RAM208、ROM209、画像処理部210、公衆回線接続部211を備え、それらはバス202によって接続されている。
【0019】
CPU201は、ROM209またはHDD203に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって複合機101を統括的に制御する。CPU201は、例えば、後述するHDD203における画像の記憶制御や、操作部206における画面の表示制御をする。
【0020】
HDD203は、各種プログラムや、実行対象のジョブの情報や、処理対象の画像データ、実行されたジョブのログ情報を記憶する記憶装置(格納部)である。また、HDD203はBox機能を有する。Box機能とは、HDD203を複数の記憶領域に分け、ユーザによって入力された画像データを、複数の記憶領域のうちの指定された記憶領域に格納する機能である。
【0021】
プリンタ204は、HDD203に記憶された画像データに従ってシートに画像を印刷する。
【0022】
スキャナ205は、原稿台やADF(AutoDocumentFeeder)と、読み取りセンサのような読取部とを有し、原稿台またはADFにセットされた原稿を読み取る。そして、スキャナ205は、読み取った原稿に対応する画像データを生成する。生成された画像データは、HDD203に記憶される。
【0023】
操作部206は、タッチパネル付きの表示部とハードキーを有する。操作部206は、表示部を介してユーザに操作画面やジョブの処理状況を表示する。また、操作部206は、ユーザからタッチパネルまたはハードキーを介して操作を受け付ける。
【0024】
ネットワークI/F207は、ネットワーク106を介して外部の装置とのデータの送受信を制御する。
【0025】
RAM208は、CPU201の作業領域として機能する。ROM209は、CPU201によって読みだされるプログラムを格納する。
【0026】
画像処理部210は、HDD203に記憶された画像データに対して、解像度変換、色変換、画像合成などの画像処理を行なう。
【0027】
公衆回線接続部211は、公衆回線に接続され、公衆回線を介して行われる通信を制御する。
【0028】
図3は、サービスプロバイダ102の構成を説明するためのブロック図である。
【0029】
CPU1301は、ROM1309またはHDD1303に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって装置を統括的に制御する。
【0030】
HDD1303は、各種プログラムや、その他のデータを記憶する記憶装置である。
【0031】
表示部1304は、液晶ディスプレイまたはCRTディスプレイで構成され、CPU1301の指示に従って各種画面を表示する。
【0032】
操作部1306は、マウスやキーボードで構成され、ユーザからの操作を受け付ける。
【0033】
ネットワークI/F1307は、ネットワーク106を介して外部の装置とのデータの送受信を制御する。
【0034】
なお、データサーバ103、管理者PC104、PC105も、サービスプロバイダ102と同様の構成を有する。
【0035】
次に、図4を用いて、複合機101で実行されるジョブのログ情報を、記憶装置(HDD203またはデータサーバのHDD1303)の使用量を節減しつつ記憶する仕組みについて説明する。
【0036】
複合機101は、COPYジョブ、PDL−PRINTジョブ、SCAN/BOX格納ジョブ、受信ジョブ(FAX/I−FAX)、送信ジョブ(FAX/I−FAX),BOX−PRINTジョブ、受信プリントジョブ等のジョブを実行する。複合機101は、ジョブの種類によって、記憶装置に格納するログ情報の内容を変える。
【0037】
そして、複合機101は、図4に示すテーブルをHDD203に記憶しており、各種類のジョブが入力ジョブであるか出力ジョブであるかを当該テーブルに従って識別する。
【0038】
ジョブ種類7001の列が、COPYジョブやPDLプリントといったジョブの種類を示す。ジョブタイプ7002の列が、各種類のジョブが入力ジョブであるか出力ジョブであるかを示す。入力ジョブとは画像データの入力を伴うジョブであり、出力ジョブとは画像データの入力を伴わないジョブである。さらに、実画像の記録7003の列が、画像データそのものを画像ログとして記憶するジョブであるか、画像データそのもの(実画像)を記憶せず画像データを参照するための参照情報を履歴情報に記憶するジョブであるかの設定を示す。複合機101は、入力ジョブを実行する場合には、入力ジョブの実行によって入力された画像データのコピーを画像ログとして、履歴情報とともにHDD203に記憶する。一方、複合機101は、出力ジョブを実行する場合には、出力ジョブの実行によって出力される画像データが、入力ジョブの実行時に既にHDD203に記憶されているので、画像データそのもの(実画像)を記憶しない。代わりに、複合機101は、入力ジョブの実行時に入力された画像データを参照するための参照情報をHDD203に記憶させる。
【0039】
以下に、ジョブの種類ごとのジョブタイプ(7202)と実画像の記録(7303)をするか否かの設定について説明する。
【0040】
COPYジョブ7101は、スキャナ205によって原稿を読み取り、読み取った原稿の画像をプリンタ204によって印刷するジョブである。当該COPYジョブ7101では、スキャナ205によって原稿を読み取り、読み取った原稿の画像を画像データとして入力するため入力ジョブである。そのため、ジョブタイプ7002は“入力ジョブ(7102)”であり、実画像の記録7003は“する(7103)”である。なお、括弧書きは説明用の符号を示すためのものである。
【0041】
PDL−PRINTジョブ7201は、外部のPC105から画像データを受信し、プリンタ204で印刷するジョブである。当該PDL−PRINTジョブ7201では、外部のPC105から画像データを受信するので、画像データを入力する入力ジョブである。そのため、ジョブタイプ7002は画像入力を伴う“入力ジョブ(7202)”であり、実画像の記録7003は“する(7203)”になる。
【0042】
SCANジョブ/BOX格納ジョブ7301は、原稿を読み取り、読み取った原稿の画像データを入力してHDD203に格納するジョブである。または、外部のPC105からネットワークI/F207を介して画像データを入力してHDD203に格納するジョブである。そのため、ジョブタイプ7002は“入力ジョブ(7302)”であり、実画像の記録7003は“する(7303)”である。
【0043】
受信ジョブ(FAX/I−FAX)7401は、公衆回線接続部211を介して受信した画像データに従って、プリンタ204に画像を印刷させるジョブである。そのため、ジョブタイプ7002は“入力ジョブ(7402)”であり、実画像の記録7003は“する(7403)”である。
【0044】
送信ジョブ(FAX/I−FAX/SEND)7501は、HDD203に記憶された画像データを、公衆回線接続部211またはネットワークI/F207を介して送信するジョブである。送信ジョブでは、画像データの入力を伴わない。そのため、ジョブタイプ7002は“出力ジョブ(7502)”であり、実画像の記録7003は“しない(7503)”である。したがって、送信ジョブ7501の実行時に、画像処理装置は、画像データそのものの代わりに、画像データを参照するための参照情報を記憶する。
【0045】
なお、スキャナ205によって読み取った原稿の画像データを、公衆回線接続部211またはネットワークI/F207を介して送信するジョブは上述したSCANジョブとして取り扱う。
【0046】
BOXプリントジョブ・受信プリントジョブ7601は、HDD203に記憶された画像データに従って、プリンタ204に画像を印刷させるためのジョブである。そのため、ジョブタイプ7002は“出力ジョブ(7602)”であり、実画像の記録7003は“しない(7603)”である。したがって、BOXプリントジョブ・受信プリントジョブ7601の実行時に、画像処理装置は、画像データそのものの代わりに、画像データを参照するための参照情報を記録することになる。
【0047】
Form登録ジョブ7701は、スキャナ205によってフォーム原稿を読み取り、読み取った原稿の画像をHDD203にフォーム原稿(フォーム画像)として登録するジョブである。当該Form登録ジョブ7701では、フォーム原稿を読み取り、読み取ったフォーム原稿の画像を画像データとして入力する。そのため、ジョブタイプ7002は“入力ジョブ(7702)”であり、実画像の記録7003は“する(7703)”である。なお、フォーム原稿は、スキャナ205によって読み取って登録する方法に限られない。例えば、外部のPC105で生成されたものを複合機101が受信して登録する方法でもよい。外部のPC105で生成されたものを複合機101が受信して登録するジョブも、Form登録ジョブに含まれる。
【0048】
<COPYジョブ実行時におけるログ情報>
図5は、複合機101が、A4サイズの3枚の原稿を、2部コピーするコピージョブを実行する場合に記憶されるログ情報の一例を示している。
【0049】
図5(a)は画像ログであり、図5(b)はジョブログである。
【0050】
301は、スキャナ205によって読み取られた1枚目(1ページ目)の原稿の画像ログである。当該画像ログは、ジョブの実行により処理された画像データを、CPU201がログ情報ようにコピーしたデータである。
【0051】
画像属性302は、画像ログ301の画像属性を示す。当該画像属性は、ImageType/画像フォーマット(303)、Resolution/解像度(305)、ImageSize/画像サイズ(307)からなる。図5(a)に示す例では、画像フォーマットはJPEG(304)、解像度はXYともに600dpi(306)、画像サイズはX=4960/Y=7040(308)であることを示している。当該画像属性は、画像ログに付属する情報であり、画像ログが記憶装置に記憶される場合に、画像ログとともに、記憶装置に記憶される。
【0052】
309は2枚目の原稿の画像ログ、311は3枚目の原稿の画像ログを示している。310は、2枚目の原稿の画像の画像属性、311は、3枚目の原稿の画像の画像属性を示している。
【0053】
313は、COPYジョブの履歴情報(ジョブログ)である。履歴情報には、以下に示す複数の種類の情報が含まれている。
JobKind(314):コピージョブやFAXジョブなどジョブの種類を示す
UserID(316):ジョブを実行したユーザのユーザIDを示す
StartTime(318):ジョブの実行を開始した時刻を示す
EndTime(320):ジョブの実行を終了した時刻を示す
Result(322):ジョブの実行結果を示す
PaperCount(324):原稿の枚数を示す
Copies(0326):ユーザによって指定された部数を示す
DocumentID1(328):画像のログを一意に識別するためのIDを示す
DocumentLog1(330):画像のログの有無を示す
図5に示す例の場合、ジョブ種はCOPYジョブ(315)、ユーザIDは0123456789(317)、ジョブ開始時刻は2010年6月22日10時5分40秒(0319)、ジョブ終了時刻は2010年6月22日10時6分05秒(321)である。また、ジョブ実行結果は正常終了(323)、原稿枚数は3枚(325)、出力部数は2部(327)、DocumentID(328)は00000001(329)、画像ログ有り(331)となっている。ここで、DocumentID(328)は、実行されるジョブによって入力される文書(一連の画像データ)を識別するためのIDであり、CPU201によって文書ごとに一意に付与される。例えば、CPU201は、スキャナによって10ページある原稿をスキャンしてHDD203に格納する場合に、それら10ページの画像を1つの文書として、1つのDocumentIDを付与してHDD203に格納しておく。このDocumentIDは、HDD203に記憶された文書に関連付けられて保存される。DocumentIDの値の決め方についてであるが、CPU201は、最初に入力された文書にDocumentIDの初期値00000001を付与する。その後、CPU201は、新しい文書が入力されるたびにインクリメントした値をDocumentIDとして付与すればよい。
【0054】
このように、COPYジョブは、図4で定義されるように入力ジョブであるため、画像データそのものも画像ログとして記憶される。
【0055】
<BOX格納ジョブにおけるログ情報>
COPYジョブとは異なる、他の入力ジョブの例としてBox格納ジョブがある。図6は、複合機101が、A4サイズの3枚の原稿をスキャナ205によってHDD203に格納するBox格納ジョブを実行する場合に記憶されるログ情報の一例を示している。
【0056】
図6(a)は画像ログであり、図6(b)はジョブログである。
【0057】
401は、スキャナ205によって読み取られた1枚目(1ページ目)の原稿の画像ログである。
【0058】
画像属性402は、1枚目の原稿の画像の画像属性を示す。当該画像属性は、ImageType/画像フォーマット(403)、Resolution/解像度(405)、ImageSize/画像サイズ(407)からなる。図6(a)に示す例の場合、画像フォーマットはJPEG(404)、解像度はXYともに600dpi(406)、画像サイズはX=4960/Y=7040(408)であることを示している。
【0059】
403は2枚目の原稿の画像ログ、405は3枚目の原稿の画像ログを示している。404は2枚目の原稿の画像の画像属性、405は3枚目の原稿の画像の画像属性を示している。
【0060】
407は、本Box格納ジョブの履歴情報(ジョブログ)である。当該履歴情報には、以下に示す複数の種類の情報が含まれている。
【0061】
JobKind(314)や、UserID(316)、StartTime(318)等の項目は、図5で説明したものと同じである。
【0062】
図6に示す例の場合、ジョブ種はBox格納ジョブ(409)、ユーザIDは0123456789、ジョブ開始時刻は2010年6月22日10時15分10秒、ジョブ終了時刻は2010年6月22日10時15分28秒である。また、ジョブ実行結果は正常終了、原稿枚数は3枚(411)、出力部数は印刷を行っていないため値無し、画像ログIDは00000002(415)、画像ログ有りとなっている。
【0063】
このように、Box格納ジョブは、図4で定義されるように入力ジョブであるため、画像データそのものも画像ログとして記憶される。
【0064】
COPYジョブやBox格納ジョブのように、画像データを入力する入力ジョブを実行する場合には、画像ログと履歴情報の両方が記憶されるが、画像データの入力を伴わない出力ジョブを実行する場合には、画像ログは記憶されない。代わりに、実行された出力ジョブに対応する入力ジョブの実行時に記憶された画像ログを参照するための参照情報が履歴情報として記憶される。
【0065】
以下に、出力ジョブを実行したときに記憶されるログ情報の例について説明する。
【0066】
<BOXPrintジョブにおけるログ情報>
図7は、HDD203に保存された3ページ分の画像データをプリンタ204によって2部印刷するBoxPrintジョブを実行する場合に記憶されるログ情報である。
【0067】
BoxPrintジョブを実行する場合に記憶されるログ情報は、画像ログを含まず、履歴情報(ジョブログ)のみを含む。画像ログを記憶しない理由は、当該BoxPrintジョブによって印刷される画像データは、当該画像データを入力する入力ジョブの実行時に画像ログが記憶されており、当該画像ログを出力ジョブの実行時に重複して記憶しないようにするためである。そして、複合機101は、BoxPrintジョブを実行する場合には、画像ログによって画像データそのものを残さない代わりに、どの画像データを印刷したかを示すDocumentIDが記憶される。図7に示す例の場合、DocumentIDは、00000002(509)となっている。このDocumentIDは、図6に示すBox格納ジョブのDocumentIDと同じ値である。すなわち、このBoxPrintジョブによって印刷された画像データは、図6に示すBox格納ジョブによって入力された画像データ(401、402、405)であることを特定することができる。
【0068】
DocumentLog1の有無(510)がNO(511)となっているのは、このログ情報には画像ログが含まれないことを示している。
【0069】
このように、出力ジョブの実行時には、画像ログを残さないことによって、ログ情報を記憶する記憶装置の使用量を削減することができる。また、出力ジョブの実行時には、画像ログを残さない代わりに、入力ジョブの実行時に入力された画像ログを参照する参照情報(DocumentID等)を残すことによって、出力された画像データを特定することができる。
【0070】
<画像合成を伴うコピージョブにおけるログ情報>
次に、画像合成を伴うコピージョブにおけるログ情報について説明する。
【0071】
図8は、画像合成の概要を示した図である。601はフォームとなる原稿(フォーム原稿またはフォーム画像ともいう)であり、予めユーザによって、複合機101のHDD203に登録されているものとする。複合機101は、スキャナ205により読み取られた原稿602の画像(第1の画像)とフォーム原稿601の画像(第2の画像)とを、画像処理部210などを使用して画像合成を行い(603)、プリンタ204によって印刷物を(604)を出力する。
【0072】
具体的に、複合機101は、操作部206を介してユーザによってフォーム登録の指定がされると、フォーム原稿となる原稿をスキャナ205にセットしてくださいというガイダンスを操作部206に表示する。その後、スキャナ205に原稿がセットされてスタートキーが押された場合に、複合機101は、スキャナ205によって原稿を読み取り、読み取った原稿の画像データをフォーム原稿としてHDD203に登録する。このようにフォーム原稿の登録を行うためのジョブをForm登録ジョブという。
【0073】
Form登録ジョブによって登録されたフォーム原稿は、ユーザによって合成印刷が指示された場合に、HDD203から読み出され、その時にスキャナ205によって読み取られた原稿の画像データに対して合成される。
【0074】
この画像合成を伴うコピージョブに関わるログ情報の一例を、図9および図10に示す。
【0075】
図9は、フォームとなるA4サイズの原稿をスキャナ205によって読み取って、複合機101のHDD203に格納する際に記憶されたログ情報一例を示す。
【0076】
701は、フォーム原稿1の画像ログを示す。702は、フォーム原稿1の属性を示す画像属性である。
【0077】
703は、履歴情報(ジョブログ)である。図9に示す例の場合、ジョブ種(704)は、Form登録(705)である。ユーザIDは、0123456789、ジョブ開始時刻は2010年6月22日10時25分10秒、ジョブ終了時刻は2010年6月22日10時25分15秒である。また、ジョブ実行結果は正常終了、原稿枚数は3枚(411)、出力部数は印刷を行うジョブではないため値無し、画像ログIDは00000002(415)、画像ログ有りとなっている。
【0078】
このように、Form登録ジョブは、図4で定義されるように入力ジョブであるため、画像データそのものもログ情報として記憶される。
【0079】
その後、ユーザは、操作部206を介して合成印刷を指示する。複合機101は、合成印刷が指示されると、HDD203に記憶されているフォーム原稿をユーザに指定させる。そして、ユーザによってスタートキーが押された場合に、複合機101は、スキャナ205によって原稿を読み取り、ユーザによって指定されたフォーム原稿をHDD203から読み出し、読み取った原稿の画像データとフォーム原稿を画像処理部210で合成する。そして、複合機101は、合成された画像データをプリンタ204に印刷させる。
【0080】
このような画像合成を伴うコピージョブを実行する場合に、図10に示すようなログ情報が記憶される。
【0081】
図10に示す例は、Form登録ジョブによって登録されたフォーム原稿が指定され、指定されたフォーム原稿と、スキャン原稿とを合成して印刷する場合のログ情報の例である。
【0082】
ジョブ種(804)は、COPYジョブ(805)として記憶される。ユーザIDは、0123456789、ジョブ開始時刻は、2010年6月22日10時30分20秒、ジョブ終了時刻は2010年6月22日10時30分35秒である。また、ジョブ実行結果は正常終了、原稿枚数は1枚(411)、出力部数は1部である。
【0083】
ここで、画像合成を伴うコピージョブの場合、履歴情報の中に、DocumentIDが、2つ記憶される。
【0084】
1つ目のDocumentIDは、フォーム原稿のDocumentID1(807)である。この例ではフォーム画像として、図9に示すForm登録ジョブで登録されたフォーム原稿が指定されていたため、DocumentID1(807)には、00000003(807)が記憶される。また、DocumentLog1(808)がNO(809)となっているため、ログ情報を記憶済みの画像データであることがわかる。
【0085】
一方、2つ目のDocumentIDは、画像合成を伴うコピージョブの実行時にスキャナ205によって読み取られた原稿の画像データを示すDocumentID2(810)である。このDocumentID2(810)の値は、00000004(811)であり、DocumentLog2(808)がYES(813)であり、画像ログを記憶したことを示している。00000004(811)で示される画像ログは、図8(a)のスキャン原稿801である。
【0086】
このように、図10に示すログ情報の例では、DocumentID1によってフォーム原稿を特定し、DocumentID2によってスキャン原稿を特定している。そのため、当該ログ情報によって履歴を残されたジョブが、画像合成を伴うジョブであったことを特定することができる。なお、DocumentID1で特定される文書が、フォーム原稿であるか、スキャン原稿であるかを識別するための識別情報をログ情報として、DocumentID1に対応付けて記憶しておくようにしてもよい。Document2についても同様に、DocumentID2で特定される文書が、フォーム原稿であるか、スキャン原稿であるかを識別するための識別情報をログ情報として、DocumentID2に対応付けて記憶しておいてもよい。
【0087】
図11は、本実施形態に係る複合機101における、ジョブ実行時の処理手順を説明するためのフローチャートである。図11のフローチャートに示す各ステップは、CPU201が、ROM209に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって行われる。
【0088】
なお、CPU201は、複合機101の利用開始時にユーザにユーザIDとパスワードの入力を求め、入力されたユーザIDとパスワードによってユーザを認証する。そして、認証に成功したら、CPU201は、ユーザを複合機101にログインさせることによってユーザによる複合機101の利用を許可する。それとともに、CPU201は、入力されたユーザIDをHDD203に保持しておくことによって、現在複合機101を利用中のユーザを識別する。
【0089】
そして、ユーザによって操作部206のスタートキーが押され、ジョブの実行が開始されると、S2001で、CPU201は、ジョブ開始時のログ情報の記録を行う。具体的にCPU201は、ログ情報を記憶するために必要な領域をHDD203上に確保し、当該領域に、ユーザIDやジョブ開始時刻、DocumentIDといったその時点で確定している項目の書き込みを行う。特に、DocumentIDは重要であり、後にデータサーバ103に格納される画像を文書単位で特定するための情報となる。例えば、実行されるジョブが入力ジョブであるジョブ種に関しては新規文書となるため、CPU201は、新たにDocumentIDを生成して記憶する。現時点で不定である項目はジョブ終了時に書き込み処理が行われる。また、ジョブ終了時に書き込む領域もここで確保しておく。
【0090】
次に、S2002で、CPU201は、S2001でのログ情報の記憶ができたかどうか判定する。その結果、ログ情報の記憶ができなかったり、必要な領域が確保できなかったりした場合(No)は、ジョブの実行を継続せず、S2004でジョブの終了処理を行う。そして、ジョブの終了処理が終わると本フローチャートを抜ける。
【0091】
一方、S2002の判断において、必要領域の確保と、ログ情報の記憶が正常に行えたと判断した場合(Yes)、CPU201は、S2003へ処理を進める。
【0092】
S2003で、CPU201は、画像データの入力待ちを行い、1ページ分の画像が入力されるとステップS2005へ進む。なお、実行されるジョブが出力ジョブの場合は、ここでの入力はHDD203からの画像の読み出しになる。
【0093】
S2005で、CPU201は、ジョブタイプ7002が入力ジョブであるかどうかの判断を行う。その結果、ジョブタイプ7002がCOPYジョブやBOX格納ジョブや受信ジョブ等の入力ジョブである場合(Yes)は、ステップS2006へ進む。一方、ジョブタイプ7002が送信ジョブやBOXプリントジョブ等の出力ジョブである場合(No)は、ステップS2007に処理を進める。
【0094】
S2006に処理を進めた場合、CPU201は、操作部206を介して画像データの合成が指示されているか否かを判定する。画像データの合成が指示されている場合、CPU201は、S2008に処理を進め、画像データの合成が指示されていない場合、S2009に処理を進める。
【0095】
S2008で、CPU201は、S2003で入力された画像データのコピーを生成し、生成された画像データを画像ログとしてHDD203のログ情報用の記録領域に記憶する。また、CPU201は、ユーザによって指定されたフォーム原稿の画像データ(画像ログ)を参照するための参照情報(DocumentID)を、HDD203のログ情報用の記録領域に記憶する。ここで、フォーム原稿の画像ログは、フォーム原稿の画像をHDD203に登録したときに、HDD203のログ情報用の記憶領域、あるいは、データサーバ103に記憶されているはずである。そのため、CPU201は、フォーム原稿の画像ログを再度残すことなく、指定されたフォーム原稿に付与されたDocumentIDを参照情報として、HDD203のログ情報用の記憶領域に記憶する。それによって、HDD203に記憶されたログ情報に含まれるフォーム原稿のDocumentIDと同じDocumentIDを持つ画像ログを特定でき、後から管理者はどのようなフォーム原稿が合成に使用されたかを確認できる。また、HDD203に記憶されたログ情報は、CPU201によって定期的にサービスプロバイダ102を介してデータサーバ103に送信される。データサーバ103に記憶されたログ情報に含まれるフォーム原稿のDocumentIDと同じDocumentIDを持つ画像ログを特定でき、後から管理者はどのようなフォーム原稿が合成に使用されたかを確認できる。さらに、S2008で、CPU201は、原稿の枚数(PaperCount)等のその他の履歴情報をHDD203のログ情報用の記録領域に記憶する。そして、S2012に処理を進める。
【0096】
一方、S2009に処理を進めた場合、CPU201は、S2003で入力された画像データを画像ログとしてHDD203のログ情報用の記録領域に記憶する。また、CPU201は、履歴情報をログ情報としてHDD203のログ情報用の記憶領域に記憶する。そして、S2012に処理を進める。なお、ここで記憶されたログ情報も、CPU201によってサービスプロバイダ102を介して定期的にデータサーバ103に送信される。
【0097】
また、S2005からS2007に処理を進めた場合、S2007で、CPU201は、画像データの合成が指示されているか否かを判定する。画像データの合成が指示されている場合、CPU201は、S2010に処理を進め、画像データの合成が指示されていない場合、S2011に処理を進める。
【0098】
S2010で、CPU201は、ユーザによって出力用に指定された画像データ(被合成画像データ)のDocumentIDを画像データの参照情報としてHDD203のログ情報用の記録領域に記憶する。また、CPU201は、フォーム原稿の画像データ(合成画像データ)のDocumentIDを、フォーム原稿の画像データの参照情報としてHDD203のログ情報用の記録領域に記憶する。さらに、CPU201は、出力部数等の履歴情報をHDD203のログ情報用の記憶領域に記憶する。S2010に進む例として、例えば、BoxPrintジョブによって出力される画像に、フォーム原稿を合成して印刷する場合がある。このように出力ジョブで出力される画像データの画像ログは、当該画像データを入力するジョブを実行した際に記憶されているはずである。そこで、出力ジョブを実行する場合には、入力ジョブの実行時に残された画像ログに対応するDocumentIDと同じDocumentIDを残しておく。それによって、出力ジョブで出力された画像の画像ログを残さなくても、出力された画像の内容を後から容易に特定することができる。また、S2010の処理によって、画像合成を伴うジョブのログ情報として2つのDocumentIDが記憶される。管理者は、後から、ログ情報を確認したときに、2つのDocumentIDが記憶されているログ情報に対応するジョブが、画像合成を伴うジョブであることを容易に認識することができる。また、付与された2つのDocumentIDによって、合成された2つの文書を特定することができる。その後、CPU201は、S2012に処理を進める。なお、ここで記憶されたログ情報も、CPU201によってサービスプロバイダ102を介して定期的にデータサーバ103に送信される。
【0099】
一方、S2011に処理を進めた場合、CPU201は、ユーザによって出力用に指定された画像データ(被合成画像データ)のDocumentIDを参照情報としてHDD203のログ情報用の記録領域に記憶する。また、CPU201は、その他の履歴情報をHDD203のログ情報用の記憶領域に記憶する。このように出力ジョブの実行時には、入力ジョブの実行時に残された画像ログを示すDocumentIDを残すことによって、出力ジョブで出力された画像の画像ログを残さなくても、出力された画像の内容を後から容易に特定することができる。そして、S2012に処理を進める。なお、ここで記憶されたログ情報も、CPU201によってサービスプロバイダ102を介して定期的にデータサーバ103に送信される。
【0100】
S2012で、CPU201は、S2008、S2009、S2010、S2011のいずれかのログ情報の記憶処理によって、ログ情報を記憶することができたか否か判定する。その結果、記憶できたと判定した場合(Yes)は、S2013に処理を進め、記憶できなかったと判定した場合(No)、ステップS2014に処理を進める。
【0101】
S2013で、CPU201は、ジョブのキャンセル処理を行い、S2016に処理を進める。この処理により、HDD203のログ情報の記憶領域にログ情報を記憶できなかった画像データが印刷されたり、送信されたりすることを防止できる。
【0102】
S2013で、CPU201は、S803で入力された画像をHDD203に格納する。BOX格納ジョブやSCANジョブ、受信ジョブはHDD203への画像データの格納だけで処理が終わるが、COPYジョブやPDLプリントジョブの場合はプリンタ204への印刷出力を行う。また、送信ジョブの場合は、ネットワークI/F207や公衆回線接続部2011を使用した送信処理が行われる。
【0103】
S2013での処理が終わると、S2015に進む。S2015で、CPU201は、S2003で受けた画像が最終ページかどうかの判断を行う。その結果、最終ページであった場合(Yes)はS2016へ進み、最終ページではなかった場合(No)はS2003に戻って次の画像の入力を待つ。
【0104】
S2016で、CPU201は、ジョブの終了処理を実行し、ジョブの終了待ちを行う。
【0105】
そして、S2017で、CPU201は、ジョブ終了時刻や、ジョブ終了結果等の、S2001の時点では不定で書き込めなかった項目のログ情報を、HDD203のログ情報用の記憶領域に対して行う。そして、ログ情報の記憶が終わると、このフローチャートを抜ける。
【0106】
なお、複合機101のCPU201が、HDD203に記憶されたログ情報を、定期的にサービスプロバイダ102を介してサービスプロバイダ102に送信する例を説明した。しかしながら、本発明はこれに限らず、CPU201は、当該ログ情報をサービスプロバイダ102を介さずに直接データサーバ103に送信し、当該ログ情報をデータサーバ103に記憶させるように制御してもよい。
【0107】
以上のような制御を行うことによって、入力ジョブの実行によって、いつ、だれが、どのような画像を入力したか、出力ジョブの実行によって、いつ、だれが、どのような画像を出力したかを後から容易に特定することができる。また、出力ジョブの実行時には、入力ジョブの実行時に入力された画像の画像ログを示すDocumentIDを残すことによって、画像ログを重複して残すことなく出力された画像を後から容易に特定することができる。つまり、ログ情報の記憶に必要なHDD203の容量を節減することができる。
【0108】
さらに、画像合成を伴うジョブを実行した場合でも、当該ジョブの実行によって、いつ、だれが、どのような画像を出力したかを後から容易に特定することができる。また、画像合成を伴うジョブを実行した場合に、2つのDocumentIDがログ情報として記憶されるため、後からログ情報を見た管理者が、合成ジョブが実行されたこととを容易に特定することができる。また、管理者は、2つのDocumentIDのそれぞれのDocumentIDによって特定される文書を見ることによって、合成ジョブの実行により合成された文書や、その文書に含まれる画像を容易に特定することができる。
【0109】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、1つのフォーム原稿の画像データと、スキャン原稿の画像データとを合成する場合を例に説明した。本実施形態では、2つのフォーム原稿の画像データと、スキャン原稿の画像データとを合成して印刷する場合のログ情報の記憶の仕方を説明する。2つのフォーム原稿の画像データを用いて合成を行う例として、例えば、印刷用紙の表面と裏面とで、異なるフォーム原稿を合成する場合が挙げられる。
【0110】
なお、システムの構成や、複合機101やサービスプロバイダ102等の装置の構成は、第1の実施形態と同様であるため、詳しい説明を省略する。
【0111】
まず、複合機101で、印刷用紙の表面に合成されるフォーム原稿として、第1の実施形態の説明でも用いた図9に示される画像ログに対応するフォーム原稿を用いるとする。すなわち、図9に示すログ情報が、印刷用紙の表面に合成されるフォーム原稿のログ情報である。
【0112】
また、図12は、印刷用紙の裏面に合成を行うために予め複合機101に登録されたフォーム原稿のログ情報である。
【0113】
901は、フォーム原稿2の画像ログを示す。902は、フォーム原稿2の属性を示す画像属性である。
【0114】
903は、履歴情報である。図9に示す例の場合、ジョブ種(904)がForm登録(905)となっている。ユーザIDは、0123456789、ジョブ開始時刻は2010年6月22日10時45分10秒、ジョブ終了時刻は2010年6月22日10時45分15秒である。また、ジョブ実行結果は正常終了、原稿枚数は1枚、出力部数は印刷を行うジョブではないため値無し、画像ログIDは00000005(907)、画像ログ有りとなっている。
【0115】
このように、Form登録ジョブは、図4で定義されるように入力ジョブであるため、画像データそのものもログ情報として記憶される。
【0116】
その後、ユーザは、操作部206を介して合成印刷を指示する。複合機101は、合成印刷が指示されると、HDD203に記憶されているフォーム原稿をユーザに指定させる。そして、ユーザによって複数のフォーム原稿が指定された状態でスタートキーが押された場合に、複合機101は、スキャナ205によって複数枚の原稿を読み取り、ユーザによって指定された複数のフォーム原稿をHDD203から読み出す。そして、複合機101は、読み取った複数枚の原稿の画像データと複数のフォーム原稿を画像処理部210で合成する。そして、複合機101は、合成された画像データをプリンタ204に印刷させる。
【0117】
このような画像合成を伴うコピージョブを実行する場合に、図13に示すようなログ情報が記憶される。
【0118】
図13は、A4サイズの2枚の原稿に対して片面読み取りを実行して、両面で1部印刷するよう設定され、且つ、印刷用紙の表面と裏面とで異なるフォーム原稿の画像を合成するCOPYジョブを実行した時に記憶されるログ情報の一例である。
【0119】
前述した図10のログ情報との違いは、履歴情報(ジョブログ)1005において、3つのDocumentIDが記憶される点である。1つ目のDocumentID1(1008)は00000003(1009)であり、DocumentLog1の有無(1010)がNO(1011)となっている。このことから、このジョブでは既にログ情報を記憶済みの画像データをユーザが指定して使用したことが分かる。
【0120】
また、2つ目のDocumentID2(1012)は00000005(1013)であり、DocumentLog2の有無(1014)がNO(1015)となっている。このことから、1つ目のDocumentID1(1008)と同様にこのジョブでは既にログ情報記憶済みの画像データをユーザが指定して使用したことが分かる。
【0121】
一方、3つ目のDocumentID3(1016)は00000006(1017)であり、DocumentLog3の有無(1018)がYESとなっている(1019)。このDocumentIDに対応する画像ログは、図10(a)に示すスキャン原稿である。
【0122】
この図13に示すログ情報の例では次のことがわかる。
(1)DocumentID1(1008)は、前述した図のフォーム原稿登録時に記録したDocumentID1(0706)と一致していることから、画像ログ701によって示される画像を1つ目のフォーム原稿としたこと
(2)DocumentID2(1012)は、前述した図9のフォーム原稿登録時に記録したDocumentID1(0906)と一致していることから、画像ログ901によって示される画像を2つ目のフォーム原稿としたこと
(3)スキャン原稿に対する画像データ1001および1003を、画像データ701と画像データ901と合成したこと
なお、図13の例では、2つのフォーム原稿のそれぞれが、どのスキャン原稿と合成されたかを記憶していないが、フォーム原稿と、当該フォーム原稿が合成されたスキャン原稿との関係を示すログ情報を記憶するようにしてもよい。
【0123】
その例について、図14を用いて説明する。
図14及び図15はA4サイズの4枚の原稿の片面を読み取って、1部両面印刷するよう設定され、且つ合成の設定としてユーザによって次のように合成するよう指定されたときのCOPYジョブ実行時に記憶されるログ情報の一例である。具体的には、印刷用紙の表面(スキャン原稿の1枚目/3枚目に対応)にフォーム原稿701を画像合成し、印刷用紙の裏面(スキャン原稿の2枚目/4枚目に対応する)にフォーム原稿901を画像合成するCOPYジョブを実行した時の画像ログの一例である。
【0124】
図15は、そのときの履歴情報の一例である。
この履歴情報が、前述した図13と異なる点は、pageNo(1112、1116)が追加されている点である。pageNoは、画像合成したページ番号を示している。PageNo1(1112)は、フォーム原稿701がスキャン原稿の何ページ目に画像合成されたかを示している。この例では、フォーム原稿701が、1枚目と3枚目に合成されたことを示している(1113)。
【0125】
同様に、PageNo2(1116)は、フォーム原稿901がスキャン原稿の何ページ目に画像合成されたかを示している。この例では、フォーム原稿901が、2枚目と4枚目に合成されたことを示している(1117)。
【0126】
このように、フォーム原稿とスキャン原稿のページの対応付けを示す項目を追加することにより、ページごとに異なるフォーム原稿の合成が行われた場合にも、どのページにどのフォーム原稿が合成されたかを容易に特定することができる。
【0127】
<その他の画像合成を伴うCOPYジョブにおけるログ情報>
画像合成の別の機能として、プリント時にページ番号や部数番号を印字する機能がある。これらページ番号や部数番号は、原稿の画像に合成される画像ではあるが、フォーム原稿とは異なり機密性が低いため、画像ログとして残さない。代わりに、履歴情報としてページ番号または部数番号を印字したという情報を記録するとよい。
【0128】
<WebサーバPC上でのログ情報の閲覧について>
上述したように、HDD203内のログ情報用の記憶領域に記憶されたログ情報は、定期的にデータサーバ103に送信され、データサーバ103上で保持される。
【0129】
保持されたログ情報は、管理者PC104によってアクセス可能である。管理者PC104は、ネットワーク106を介して、データサーバ103にアクセスし、ログ情報をデータサーバの表示部に表示することができる。
【0130】
図16は、管理者PC104の表示部に、データサーバ103に保持されたログ情報を表示したときの表示画面の例を説明する。
【0131】
1201は、管理者PC104の表示部に表示された画面である。当該画面は、管理者PC104で起動したWebアプリケーションによって表示される画面である。
【0132】
データサーバ103は、ネットワーク106を介して接続された複数の複合機の情報を管理している。各複合機の情報は、設置場所(1202)、複合機の管理番号(1203)、当該複合機で実行されたジョブ種(1204)ごとのログ情報の順に階層化されて管理されている。
【0133】
1205/1206/1207は、データサーバ103に保持されたCOPYジョブのログ情報を示している。複合機は、ログ情報をデータサーバ103に送信する場合に、自装置を識別する複合機識別情報を付与してデータサーバ103に送信する。データサーバ103は、複合機から受信したログ情報を、当該ログ情報に付与された複合機識別情報によって示される複合機に対応付けて記憶する。ログ情報1205、1206、1207は、複合機―01号機(複合機101に対応する)に対応付けて記憶されている。ここで、ログ情報1205は前述した図5に示されたログ情報に対応しており、ログ情報1206は図10に示したログ情報に対応しており、ログ情報1207は図14、図15に示されるログ情報に対応している。
【0134】
当該画面1201では、現在ログ情報1207が選択されている状態であり、その内容が1208に表示されている。1209はジョブログの内容であり、図15に対応する。この図では、「ユーザ」、「ジョブ開始時刻」、「ジョブ終了時刻」、「出力部数」をそれぞれ表示している。一方、1210は画像ログの内容であり、図14に対応する内容が表示されている。
【0135】
1211/1212/1213/1214がそれぞれ、1ページ目から4ページ目の画像ログであり、それぞれに対応する画像が表示される。ここでは、スキャン原稿とフォーム原稿が別々の画像として表示されている。
【0136】
なお、データサーバ103は、1212に示す画像ログがスキャン原稿に対する画像ログであり、1213〜1216がフォーム原稿に対する画像ログであることは、図9(b)、図12(b)、図15に示すログ情報から決定できる。そのため、データサーバ103は、受信したログ情報に従って、スキャン原稿の画像とフォーム原稿の画像とを合成した画像データを、管理者PC104での表示用に保持しておいてもよい。その場合、管理者PC104では、合成された画像データを受信し、画像1210の表示欄に、ログ情報1207の画像ログとして一つの画像に合成された画像データを表示する。
【0137】
なお、上述した実施形態では、合成された複数の文書のDocumentIDを記憶しておく例を説明したが、複数の文書をどのように合成したのかを示す情報も記憶するようにしてもよい。例えば、スキャン原稿と、フォーム原稿とを合成する場合に、スキャン原稿に対してフォーム原稿を合成するのか、フォーム原稿に対してスキャン原稿を合成するのか等の情報を合わせて記憶するようにしてもよい。
【0138】
なお、上述した実施形態では、フォーム原稿と合成する画像データを、スキャナ205によって読み取って入力する例を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、フォーム原稿と合成する画像データを、ネットワークI/F207を介して受信することによって入力する例に適用することもできる。
【0139】
本実施形態におけるフローチャートに示す機能は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をコンピュータパソコン等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【符号の説明】
【0140】
101 複合機
102 サービスプロバイダ
103 データサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像を入力する入力手段と、
第2の画像を格納する格納手段と、
前記入力手段によって入力された第1の画像と、前記格納手段によって格納された第2の画像とを合成する合成手段と、
前記合成手段によって合成された画像を出力する出力手段と、
前記入力手段によって第1の画像を入力し、入力された第1の画像と前記格納手段によって格納された第2の画像とを前記合成手段によって合成し、合成された画像を前記出力手段によって出力するジョブを実行する場合に、前記入力手段によって入力された第1の画像の画像データと、前記第2の画像を前記格納手段に格納したときに記憶されている当該第2の画像の画像データを参照するための参照情報とを記憶装置に記憶する記憶制御手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記記憶制御手段は、前記入力手段によって第1の画像を入力し、入力された第1の画像と前記格納手段によって記憶された複数の第2の画像とを前記合成手段によって合成し、合成された画像を前記出力手段によって出力するジョブを実行する場合に、前記入力手段によって入力された第1の画像の画像データと、前記複数の第2の画像のそれぞれを前記格納手段に格納したときに記憶されている複数の第2の画像のそれぞれの画像データを参照するための参照情報とを前記記憶装置に記憶することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記複数の第2の画像のそれぞれを、前記入力手段によって入力された複数の第2の画像のうちのどの画像に合成したかを示す情報を前記記憶装置に記憶することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記入力手段は、原稿を読み取ることによって、当該原稿の画像を前記第1の画像として入力する読取手段であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記入力手段は、外部装置から画像を前記第1の画像として受信する受信手段であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記出力手段は、画像を印刷する印刷手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記出力手段は、画像を外部装置に送信する送信手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
第1の画像を入力する入力工程と、
前記入力工程で入力された第1の画像と、格納部に格納された第2の画像とを合成する合成工程と、
前記合成工程で合成された画像を出力する出力工程と、
前記入力工程で第1の画像を入力し、入力された第1の画像と前記格納部に格納された第2の画像とを前記合成工程で合成し、合成された画像を前記出力工程で出力するジョブを実行する場合に、前記入力工程で入力された第1の画像の画像データと、前記第2の画像を前記格納部に格納したときに格納されている当該第2の画像の画像データを参照するための参照情報とを記憶装置に記憶する記憶制御工程とを備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の画像処理装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
第1の画像及び第2の画像を格納する格納手段と、
前記格納手段によって格納された第1の画像と第2の画像とを合成する合成手段と、
前記合成手段によって合成された画像を出力する出力手段と、
前記格納手段によって格納された前記第1の画像と前記第2の画像とを前記合成手段によって合成し、合成された画像を前記出力手段によって出力するジョブを実行する場合に、前記第1の画像を前記格納手段に格納したときに記憶されている第1の画像の画像データを参照するための参照情報と、前記第2の画像を前記格納手段に格納したときに記憶されている当該第2の画像の画像データを参照するための参照情報とを記憶装置に記憶する記憶制御手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−94989(P2012−94989A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238690(P2010−238690)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】