画像処理装置、画像処理装置の制御方法及びプログラム
【課題】 ユーザがその省電力効果を確認しながら、画像処理装置の動作条件を切り替えることができる。
【解決手段】
動作条件に従って画像処理を実行する画像処理装置であって、印刷モードの使用状況を算出する算出手段と、前記算出手段で算出した使用状況に基づいて、変更すべき動作条件を決定する決定手段と、動作条件を変更した場合に変化する電力量を算出する電力量算出手段と、前記決定手段で決定した変更すべき動作条件と、前記電力量算出手段で算出した電力量とをユーザに提示し、動作条件の変更の指示をユーザから受ける指示受付手段とを備えることを特徴とする。
【解決手段】
動作条件に従って画像処理を実行する画像処理装置であって、印刷モードの使用状況を算出する算出手段と、前記算出手段で算出した使用状況に基づいて、変更すべき動作条件を決定する決定手段と、動作条件を変更した場合に変化する電力量を算出する電力量算出手段と、前記決定手段で決定した変更すべき動作条件と、前記電力量算出手段で算出した電力量とをユーザに提示し、動作条件の変更の指示をユーザから受ける指示受付手段とを備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作条件に従って印刷処理を実行する画像処理装置、画像処理装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題への配慮から画像処理装置を含む幅広い電子機器において、消費電力の節約が求められている。このような消費電力の節約のために、電子機器において不要な構成要素への電力供給を遮断し省電力モードを設定する要請が高まっている。さらに、構成要素毎の省電力モ−ドの設定を、ユ−ザが自由に選択できる技術もある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−148751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す画像処理装置の省電力モード設定では、実際に使用している印刷モードの使用状況の変動に適応して、ユーザがその省電力効果を確認しながら、画像処理装置の動作条件を自在に切り替えることができないという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、印刷モードの使用状況の変動に適応して、ユーザがその省電力効果を確認しながら、画像処理装置の動作条件を切り替えることができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の画像処理装置は以下に示す構成を備える。
動作条件に従って画像処理を実行する画像処理装置であって、印刷モードの使用状況を算出する算出手段と、前記算出手段で算出した使用状況に基づいて、変更すべき動作条件を決定する決定手段と、動作条件を変更した場合に変化する電力量を算出する電力量算出手段と、前記決定手段で決定した変更すべき動作条件と、前記電力量算出手段で算出した電力量とをユーザに提示し、動作条件の変更の指示をユーザから受ける指示受付手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザがその省電力効果を確認しながら、画像処理装置の動作条件を切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したコントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した画像生成部の構成を示すブロック図である。
【図4】画像処理装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図5】印刷モードカウントテーブルの一例を示す図である。
【図6】画像処理装置におけるデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図7】印刷モード別の使用率を管理するための管理テーブルを示す図である。
【図8】現在の印刷モード別の設定状態を管理する管理テーブルを示す図である。
【図9】印刷モードの機能制限を指示する確認画面を示す図である。
【図10】印刷モード別の使用率を管理するための管理テーブルを示す図である。
【図11】現在の印刷モード別の設定状態を示す管理テーブルを示す図である。
【図12】画像生成部に対する通電状態を説明するブロック図である。
【図13】印刷モードの機能制限を指示する確認画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、画像処理装置として、スキャン、プリント、コピーなどの複数機能を有するデジタル複合機(MFP)を例に説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。このシステムではホストコンピュータ120及び2台の画像処理装置(100,110)がLAN130に接続されているが、本発明における画像処理システムにおいては、これらの接続数に限られることはない。
【0010】
また、本実施例では接続方法としてLANを適用しているが、これに限られることはない。例えば、WAN(公衆回線)などの任意のネットワーク、USBなどのシリアル伝送方式、セントロニクスやSCSIなどのパラレル伝送方式なども適用可能である。
【0011】
ホストコンピュータ(以下、PCと称する)120はパーソナルコンピュータの機能を有している。このPC120はLAN130やWANを介してFTPやSMBプロトコルを用いファイルを送受信したり電子メールを送受信したりすることができる。さらには、PC120は画像処理装置100、110に対して、プリンタドライバを介した印刷命令を行うことも可能となっている。
画像処理装置100と画像処理装置110は同じ構成で、スキャナ部を有する画像処理装置である。
【0012】
画像処理装置100は、画像入力デバイスであるスキャナ部103、画像出力デバイスであるプリンタ部104、画像処理装置110全体の動作制御を司るコントローラ101、ユーザインターフェース(UI)である操作部102から構成される。操作部102は、様々な表示をユーザに提示する提示手段としてだけでなく、様々な指示をユーザから受ける指示受付手段としても機能する。
【0013】
同様に、画像処理装置110は、画像入力デバイスであるスキャナ部113、画像出力デバイスであるプリンタ部114、画像処理装置110全体の動作制御を司るコントローラ111、ユーザインターフェース(UI)である操作部112から構成される。
【0014】
図2は、図1に示したコントローラ101、111の構成を示すブロック図である。図2において、CPU201は、画像処理装置100全体を制御するための制御部である。CPU201はROM202に格納されているブートプログラムによりOS(Operating System)を起動する。このOS上で大容量ストレージ206に記憶されているコントローラプログラムや各種アプリケーションプログラムを実行させる。CPU201はデータバス204などの内部バスによって各部と接続されている。
RAM203は、CPU201の主メモリやワークエリア等の一時記憶領域として動作する。さらに、画像処理の一時記憶領域としても使用される。なお、RAM203は、画像処理装置の動作条件を切り替えるための印刷モード設定状態を保持する保持領域が確保されている。
【0015】
インターフェース制御部207は、NIC(Network Interface Card)208などのネットワークI/Fを制御して、LANなどのネットワークに対して、画像データをはじめとするさまざまなデータの送受信を行う。また、インターフェース制御部207はモデム209を制御して、電話回線に対してデータの送受信を行う。
【0016】
操作I/F210は、タッチパネルやハードキーといった操作部102からユーザの操作支持を入力する。また、操作I/F210は、LCD、CRT等の表示部を備える操作部102を制御して、操作画面をユーザに対して表示する。
【0017】
画像生成部211は、インターフェース制御部207を介して受信したデータに基づきプリンタ部104が処理可能なビットマップデータの生成と属性データの生成を行う。圧縮部212は、ビットマップデータと属性データの圧縮を行う。伸張部213は、圧縮部212で圧縮されたデータの伸張を行い、ビットマップデータと属性データの生成を行う。
【0018】
スキャナ画像処理部214は、スキャナ部103からスキャナI/F215を介して受取ったビットマップデータに対して、補正、加工、及び編集を行う。なお、スキャナ画像処理部214は、受取ったビットマップデータがカラー原稿か白黒原稿か、文字原稿か写真原稿かなどを判定する。そして、その判定を属性データとして画像データに付随させる。
プリンタ画像形成部216は、プリンタ用画像処理を行い、プリンタI/F217を介してプリンタ部104に前述のビットマップデータを送信する。
電源装置218は、電力供給ライン219を介してコントローラ101へ電力供給する。
【0019】
図3は、図2に示した画像生成部211の構成を示すブロック図である。図3において、コマンド解析部301は、受信したデータの解析を行い、ビットマップ生成部302−305に対して、ビットマップ生成要求を発行する。ビットマップ生成部302−305は、コマンド解析部の要求に合わせたビットマップデータを生成し、ビットマップ出力部306へビットマップデータを送信する。
【0020】
ビットマップ出力部306は、ビットマップ生成部302−305から受信したビットマップデータをRAM203へ出力する。さらに、ビットマップ出力部306では、ビットマップデータに対応する属性データの生成を行い、RAM203へ出力する。電源制御部307は、電力供給ライン219を介して電力を受け取り、画像生成部211の電力制御を行う。
本実施形態における画像生成部211では、1200dpi(dots per inch)の印刷で40ppm(page per minute)の印刷速度を実現するための構成である。なお、本実施形態では、画像生成部211は、画像処理部として、複数のビットマップ生成部を備える。使用するビットアップ生成部の個数を変更することで、省電力効果を変更可能にしている。なお、CPU201は、設定される動作条件に従い、少なくも1つ以上の画像処理部への電力供給を制御する。
【0021】
図4は、本実施形態を示す画像処理装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。本例は、各ジョブで実行される印刷モードが実行される毎にカウントアップして、各印刷モードの使用状況を蓄積する処理例である。なお、各ステップは、CPU201がROM202等に記憶された制御プログラムをRAM203にロードして実行することで実現される。
【0022】
まず、CPU201は、JOBを受信すると、受信したJOBを解析し(S401)、JOBの中で使用した印刷モードをカウント(測定)する(S402)。次いで、CPU201はS402でカウントしたカウント値をRAM203に既に格納されているカウント値へ加算する(S403)。
【0023】
図5は、印刷モードカウントテーブル501の一例を示す図である。本テーブル501は、各印刷モードの使用状況を管理するためのテーブルであり、印刷モード毎のカウント値を格納している。例えば図5では、100ページを印刷し終えた状態で、うち80ページがカラー印刷を実行したことを示している。同様に、1200dpiでの印刷(以下、1200dpi印刷モード、と呼ぶ)を10ページ、画像の拡大縮小を90ページ、画像の回転を85ページで実行したことを示している。本テーブル501は、図2に示したRAM203に格納される。
【0024】
図6は、本実施形態を示す画像処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例では、印刷モードの使用状況を判定して、印刷モードを切り替えると省電力効果があることをユーザに通知して、ユーザからの印刷モードの切り替え指示を受け付けて印刷モードを切り替える制御手順例である。なお、各ステップは、CPU201がROM202等に記憶された制御プログラムをRAM203にロードして実行することで実現される。
【0025】
まず、CPU201は、RAM203に格納している各印刷モードのカウント値を読み出し、印刷モード毎の使用率を算出する(S601)。図7は、印刷モード毎の使用率の一例である。図7は、印刷モード毎の使用率を管理するための管理テーブル701を示す図である。印刷モードの使用率は、その印刷モードの使用回数を画像処理装置で実行された印刷回数で割って算出する。より具体的には、その印刷モードが使用されたページ数を印刷された総ページ数で割って算出する。本例では、1200dpi印刷モードの使用率が10%で、使用率が低い状況であることを示している。本管理テーブル701は、図2に示したRAM203に格納される。
【0026】
次に、CPU201は、現在の印刷モードの設定状態をRAM203から読み出し(S602)、現在の印刷モードの設定状態と算出した印刷モード毎の使用率の比較を行う(S603)。図8は、現在の印刷モード毎の設定状態の一例である。図8は、現在の印刷モード毎の設定状態を管理するための管理テーブル801を示す図である。ONは、印刷モードを使用可であることを示す。OFFは、印刷モードの使用を制限していることを示す。本管理テーブル801は、図2に示したRAM203に格納される。管理テーブル801に格納されている印刷モード毎の設定状態が画像処装置の動作条件となる。
【0027】
そして、CPU201は、S603の比較結果から印刷モードの設定状態の切り替えが必要か否かを判断する(S604)。ここで、CPU201が印刷モードの切り替えが必要ないと判断した場合には、印刷モード設定フローを終了する。
【0028】
本実施例では、印刷モードの設定状態をONにするためには、その印刷モードの使用率が50%以上であることが望ましいと判断する。また、印刷モードの使用率が50%未満の場合には、その印刷モードの設定状態をOFFにした方がいいと判断する。図7及び図8に示す例では、現在の印刷モードの設定状態はすべてONであるのに対して、算出された、1200dpi印刷モードの使用率は10%である。1200dpi印刷モードの使用率が50%未満であるため、CPU201は印刷モードの設定状態を切り替える必要があると判断する。
【0029】
S604で、現在の印刷モードの設定状態と算出した使用率の比較結果から印刷モードの設定状態の切り替えが必要であるとCPU201が判断した場合には、電力量算出手段として機能するCPU201は、切り替えた場合に変化する消費電力削減率を算出する(S605)。さらに、CPU201は、どのような制限を設けるかを決定する(S606)。
【0030】
例えば、1200dpi印刷モードの設定状態をOFFにした場合における消費電力削減率を算出する。なお、本実施形態において、1200dpi印刷モードの設定状態をOFFとする場合、1200dpiでの印刷を実行できなくするのではなく、1200dpiで印刷する場合の印刷速度を25%に変更する。すなわち、1200dpiで印刷する場合の印刷速度を40ppmから10ppmへ制限する。実際には、CPU201が図3で前述したビットマップ生成部302−305の内のビットマップ生成部303−305への電力供給をOFFにする。これにより、画像生成部211の消費電力量は節減される。本実施形態では、この節電による画像処理装置全体の消費電力削減量は5%と仮定する。次いで、CPU201は、制限の内容として、1200dpiで印刷する場合の印刷速度を25%にすることを決定する。
【0031】
ここで、CPU201は、操作部102に表示すべき印刷モード設定画面として、算出した使用率と消費電力削減率、さらには、制限の内容を表示する表示制御を実行する(S607)。そして、CPU201は、ユーザが印刷モードの設定状態の切り替えを指示したかを判断する(S608)。ユーザが印刷モードの設定状態の切り替えを指示した場合には、CPU201は、省電力効果が期待できるように印刷モードの設定状態を切り替え(S609)、本処理を終了する。この際、図8に示す管理テーブル801の内容も同時に更新される。
【0032】
図9は、図2に示した操作部102に表示される印刷モード設定画面901を示す図である。なお、本確認画面例は、一例であって、画面上に表示すべき各ボタンの配置や、表示すべきメッセージが本画面表示の内容に限定されるものではない。図9の例では、印刷モードの使用率902と、制限の内容903と、消費電力削減率904とを表示する。
【0033】
ユーザが本画面において指示情報として表示される「OK」ボタン905の押下をした場合には、CPU201は、図8に示す管理テーブル中の「1200dpi印刷モード」を「OFF」状態にする(S609)。
【0034】
なお、ユーザが指示情報として表示される「NO」ボタン906の押下をした場合には、CPU201は、「1200dpi印刷モード」を「ON」状態のままにする。
【0035】
このように印刷モードの使用状況に合わせて印刷モードの設定状態を切り替えることで、ユーザの利便性を考慮し、かつ、ユーザが自由に選択可能な省電力モード設定を行える動作環境を整備できる。
〔第2実施形態〕
【0036】
図10は、印刷モード別の使用率を管理するための管理テーブル1001を示す図である。本例では、1200dpiの使用率が70%で、全体として使用率が高い状況であることを示している。本管理テーブル1001は、図2に示したRAM203に格納される。
【0037】
図11は、現在の印刷モード毎の設定状態を管理するための管理テーブル1101を示す図である。本例では、1200dpi印刷モードがOFFになっている。本管理テーブル1101は、CPU201がRAM203で管理している。
【0038】
以下、図10、図11に示す管理テーブルの状態を踏まえて、図6に示すフローチャートに沿って本実施形態の制御手順を説明する。
【0039】
本処理を開始すると、CPU201は、RAM203に格納した各印刷モードのカウント値を読み出し、図10に示す管理テーブルのような印刷モード毎の使用率を算出する(S601)。さらに、CPU201は、現在の印刷モードの設定状態を図11に示す管理テーブル1101から読み出す(S602)。
【0040】
CPU201は、現在の印刷モードの設定状態と、CPU201が算出した使用率とを比較する(S603)。
本実施形態では、図11に示すように、現在の印刷モードの設定状態において「1200dpi印刷モード」が「OFF」であるのに対して、算出された「1200dpi印刷モード」の使用率は70%である。1200dpi印刷モードの使用率が「50%」以上であるため、CPU201は、印刷モードの設定状態を切り替える必要があると判断する(S604)。
【0041】
次いで、CPU201は、「1200dpi印刷モード」の設定状態を「ON」と設定した場合における消費電力増加率を算出する(S605)。図12は、「1200dpi印刷モード」の設定状態が「OFF」である場合の、画像生成部211の通電状態を示す。
【0042】
図12において、実線で示すコマンド解析部301、ビットマップ生成部302、ビットマップ出力部306および、電源制御部307は通電状態である。破線で示す印刷処理に用いられる画像処理を実行する複数のビットマップ生成部303−305は電力が切られた状態である。一方、「1200dpi印刷モード」の設定状態が「ON」である場合、ビットマップ生成部303−305も通電状態になる。つまり、画像生成部211の消費電力量は増加する。本実施形態では全体の消費電力増加率は5%と仮定する。
【0043】
次いで、CPU201は、1200dpiでの印刷の印刷速度が「4倍」となるように使用制限を変更する(S606)。ここで、CPU201は、図13に示すように、操作部102へ印刷モード設定画面1301を表示する制御を実行する。
ここで、前述した使用率1302と消費電力増加率1304、さらには、使用制限の変更を示す情報1303を表示する(S607)。
【0044】
図13は、図3に示した操作部102に表示される印刷モード設定画面1301を示す図である。図13の例では、印刷モードの使用率1302と、使用制限の変更1303と、消費電力増加率1304とを表示する。
【0045】
この確認画面表示状態において、ユーザが「OK」ボタン1305を指示しているとCPU201が判断した場合(S608)には、CPU201は、「1200dpi印刷モード」の設定状態を「OFF」状態から「ON」状態に設定する(S609)。
【0046】
一方、図13に示す画面において、ユーザが「NO」ボタン1306を指示しているとCPU201が判断した場合(S608)、CPU201は、「1200dpi印刷モード」の設定状態を「OFF」状態のままにして、本処理を終了する。
【0047】
本実施形態によれば、ユーザが使用する画像処理装置における印刷モードの使用状況に合わせて使用制限を実行してもよい印刷モードと、その省電力効果をユーザに提案することができる。これにより、ユーザは印刷モードの使用状態に適応して印刷モードの使用状況を動的に切り替える際に、その省電力効果を確認することができる。
【0048】
第1及び第2の実施形態では、CPU201が1200dpi印刷モードで使用されるビットマップ生成部302〜305のいずれかへの電力供給を制限することにより、消費電力の削減を行った。しかしながら、電力供給を変更可能なハードウエアであれば、本印刷モードに限定されるものではない。
【0049】
第1及び第2の実施形態では、印刷モードの使用回数を示すカウント値を印刷モードの使用状況として記憶し、そのカウント値から印刷モードの使用率を算出した。しかしながら、印刷ジョブの解析結果に基づき印刷モードの使用率をそのつど算出し、印刷モードの使用率を印刷モードの使用状況として記憶してもよい。
【0050】
第1及び第2の実施形態では、印刷モードの使用率、制限の内容、消費電力削減量をユーザに提示するために、これらを操作パネル102にて表示した。しかしながら、印刷モードの使用率、制限の内容、消費電力削減量をユーザに提示するために、これらを掲載したウェブページや電子メールをPC120に送信してもよい。この場合には、画像処理装置は、印刷モードの設定状態を変更するか否かを示す指示をPC120から受信する。
【0051】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
なお、印刷モードの使用制限を強化したり、緩めたりする権限を有するユーザを認証して、図6に示す処理を実行するように制御してもよい。また、使用率があらかじめ設定された設定状態から外れた場合に、上記ユーザにその旨を通知して、省電力モードの設定を催促するように制御してもよい。ここで、上記ユーザにその旨を通知するのは、メールや、管理画面への通知等が含まれる。
【符号の説明】
【0052】
100 MFP
101 コントローラ
201 CPU
203 RAM
211 画像生成部
307 電力制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作条件に従って印刷処理を実行する画像処理装置、画像処理装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題への配慮から画像処理装置を含む幅広い電子機器において、消費電力の節約が求められている。このような消費電力の節約のために、電子機器において不要な構成要素への電力供給を遮断し省電力モードを設定する要請が高まっている。さらに、構成要素毎の省電力モ−ドの設定を、ユ−ザが自由に選択できる技術もある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−148751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す画像処理装置の省電力モード設定では、実際に使用している印刷モードの使用状況の変動に適応して、ユーザがその省電力効果を確認しながら、画像処理装置の動作条件を自在に切り替えることができないという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、印刷モードの使用状況の変動に適応して、ユーザがその省電力効果を確認しながら、画像処理装置の動作条件を切り替えることができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の画像処理装置は以下に示す構成を備える。
動作条件に従って画像処理を実行する画像処理装置であって、印刷モードの使用状況を算出する算出手段と、前記算出手段で算出した使用状況に基づいて、変更すべき動作条件を決定する決定手段と、動作条件を変更した場合に変化する電力量を算出する電力量算出手段と、前記決定手段で決定した変更すべき動作条件と、前記電力量算出手段で算出した電力量とをユーザに提示し、動作条件の変更の指示をユーザから受ける指示受付手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザがその省電力効果を確認しながら、画像処理装置の動作条件を切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したコントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した画像生成部の構成を示すブロック図である。
【図4】画像処理装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図5】印刷モードカウントテーブルの一例を示す図である。
【図6】画像処理装置におけるデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図7】印刷モード別の使用率を管理するための管理テーブルを示す図である。
【図8】現在の印刷モード別の設定状態を管理する管理テーブルを示す図である。
【図9】印刷モードの機能制限を指示する確認画面を示す図である。
【図10】印刷モード別の使用率を管理するための管理テーブルを示す図である。
【図11】現在の印刷モード別の設定状態を示す管理テーブルを示す図である。
【図12】画像生成部に対する通電状態を説明するブロック図である。
【図13】印刷モードの機能制限を指示する確認画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、画像処理装置として、スキャン、プリント、コピーなどの複数機能を有するデジタル複合機(MFP)を例に説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。このシステムではホストコンピュータ120及び2台の画像処理装置(100,110)がLAN130に接続されているが、本発明における画像処理システムにおいては、これらの接続数に限られることはない。
【0010】
また、本実施例では接続方法としてLANを適用しているが、これに限られることはない。例えば、WAN(公衆回線)などの任意のネットワーク、USBなどのシリアル伝送方式、セントロニクスやSCSIなどのパラレル伝送方式なども適用可能である。
【0011】
ホストコンピュータ(以下、PCと称する)120はパーソナルコンピュータの機能を有している。このPC120はLAN130やWANを介してFTPやSMBプロトコルを用いファイルを送受信したり電子メールを送受信したりすることができる。さらには、PC120は画像処理装置100、110に対して、プリンタドライバを介した印刷命令を行うことも可能となっている。
画像処理装置100と画像処理装置110は同じ構成で、スキャナ部を有する画像処理装置である。
【0012】
画像処理装置100は、画像入力デバイスであるスキャナ部103、画像出力デバイスであるプリンタ部104、画像処理装置110全体の動作制御を司るコントローラ101、ユーザインターフェース(UI)である操作部102から構成される。操作部102は、様々な表示をユーザに提示する提示手段としてだけでなく、様々な指示をユーザから受ける指示受付手段としても機能する。
【0013】
同様に、画像処理装置110は、画像入力デバイスであるスキャナ部113、画像出力デバイスであるプリンタ部114、画像処理装置110全体の動作制御を司るコントローラ111、ユーザインターフェース(UI)である操作部112から構成される。
【0014】
図2は、図1に示したコントローラ101、111の構成を示すブロック図である。図2において、CPU201は、画像処理装置100全体を制御するための制御部である。CPU201はROM202に格納されているブートプログラムによりOS(Operating System)を起動する。このOS上で大容量ストレージ206に記憶されているコントローラプログラムや各種アプリケーションプログラムを実行させる。CPU201はデータバス204などの内部バスによって各部と接続されている。
RAM203は、CPU201の主メモリやワークエリア等の一時記憶領域として動作する。さらに、画像処理の一時記憶領域としても使用される。なお、RAM203は、画像処理装置の動作条件を切り替えるための印刷モード設定状態を保持する保持領域が確保されている。
【0015】
インターフェース制御部207は、NIC(Network Interface Card)208などのネットワークI/Fを制御して、LANなどのネットワークに対して、画像データをはじめとするさまざまなデータの送受信を行う。また、インターフェース制御部207はモデム209を制御して、電話回線に対してデータの送受信を行う。
【0016】
操作I/F210は、タッチパネルやハードキーといった操作部102からユーザの操作支持を入力する。また、操作I/F210は、LCD、CRT等の表示部を備える操作部102を制御して、操作画面をユーザに対して表示する。
【0017】
画像生成部211は、インターフェース制御部207を介して受信したデータに基づきプリンタ部104が処理可能なビットマップデータの生成と属性データの生成を行う。圧縮部212は、ビットマップデータと属性データの圧縮を行う。伸張部213は、圧縮部212で圧縮されたデータの伸張を行い、ビットマップデータと属性データの生成を行う。
【0018】
スキャナ画像処理部214は、スキャナ部103からスキャナI/F215を介して受取ったビットマップデータに対して、補正、加工、及び編集を行う。なお、スキャナ画像処理部214は、受取ったビットマップデータがカラー原稿か白黒原稿か、文字原稿か写真原稿かなどを判定する。そして、その判定を属性データとして画像データに付随させる。
プリンタ画像形成部216は、プリンタ用画像処理を行い、プリンタI/F217を介してプリンタ部104に前述のビットマップデータを送信する。
電源装置218は、電力供給ライン219を介してコントローラ101へ電力供給する。
【0019】
図3は、図2に示した画像生成部211の構成を示すブロック図である。図3において、コマンド解析部301は、受信したデータの解析を行い、ビットマップ生成部302−305に対して、ビットマップ生成要求を発行する。ビットマップ生成部302−305は、コマンド解析部の要求に合わせたビットマップデータを生成し、ビットマップ出力部306へビットマップデータを送信する。
【0020】
ビットマップ出力部306は、ビットマップ生成部302−305から受信したビットマップデータをRAM203へ出力する。さらに、ビットマップ出力部306では、ビットマップデータに対応する属性データの生成を行い、RAM203へ出力する。電源制御部307は、電力供給ライン219を介して電力を受け取り、画像生成部211の電力制御を行う。
本実施形態における画像生成部211では、1200dpi(dots per inch)の印刷で40ppm(page per minute)の印刷速度を実現するための構成である。なお、本実施形態では、画像生成部211は、画像処理部として、複数のビットマップ生成部を備える。使用するビットアップ生成部の個数を変更することで、省電力効果を変更可能にしている。なお、CPU201は、設定される動作条件に従い、少なくも1つ以上の画像処理部への電力供給を制御する。
【0021】
図4は、本実施形態を示す画像処理装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。本例は、各ジョブで実行される印刷モードが実行される毎にカウントアップして、各印刷モードの使用状況を蓄積する処理例である。なお、各ステップは、CPU201がROM202等に記憶された制御プログラムをRAM203にロードして実行することで実現される。
【0022】
まず、CPU201は、JOBを受信すると、受信したJOBを解析し(S401)、JOBの中で使用した印刷モードをカウント(測定)する(S402)。次いで、CPU201はS402でカウントしたカウント値をRAM203に既に格納されているカウント値へ加算する(S403)。
【0023】
図5は、印刷モードカウントテーブル501の一例を示す図である。本テーブル501は、各印刷モードの使用状況を管理するためのテーブルであり、印刷モード毎のカウント値を格納している。例えば図5では、100ページを印刷し終えた状態で、うち80ページがカラー印刷を実行したことを示している。同様に、1200dpiでの印刷(以下、1200dpi印刷モード、と呼ぶ)を10ページ、画像の拡大縮小を90ページ、画像の回転を85ページで実行したことを示している。本テーブル501は、図2に示したRAM203に格納される。
【0024】
図6は、本実施形態を示す画像処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例では、印刷モードの使用状況を判定して、印刷モードを切り替えると省電力効果があることをユーザに通知して、ユーザからの印刷モードの切り替え指示を受け付けて印刷モードを切り替える制御手順例である。なお、各ステップは、CPU201がROM202等に記憶された制御プログラムをRAM203にロードして実行することで実現される。
【0025】
まず、CPU201は、RAM203に格納している各印刷モードのカウント値を読み出し、印刷モード毎の使用率を算出する(S601)。図7は、印刷モード毎の使用率の一例である。図7は、印刷モード毎の使用率を管理するための管理テーブル701を示す図である。印刷モードの使用率は、その印刷モードの使用回数を画像処理装置で実行された印刷回数で割って算出する。より具体的には、その印刷モードが使用されたページ数を印刷された総ページ数で割って算出する。本例では、1200dpi印刷モードの使用率が10%で、使用率が低い状況であることを示している。本管理テーブル701は、図2に示したRAM203に格納される。
【0026】
次に、CPU201は、現在の印刷モードの設定状態をRAM203から読み出し(S602)、現在の印刷モードの設定状態と算出した印刷モード毎の使用率の比較を行う(S603)。図8は、現在の印刷モード毎の設定状態の一例である。図8は、現在の印刷モード毎の設定状態を管理するための管理テーブル801を示す図である。ONは、印刷モードを使用可であることを示す。OFFは、印刷モードの使用を制限していることを示す。本管理テーブル801は、図2に示したRAM203に格納される。管理テーブル801に格納されている印刷モード毎の設定状態が画像処装置の動作条件となる。
【0027】
そして、CPU201は、S603の比較結果から印刷モードの設定状態の切り替えが必要か否かを判断する(S604)。ここで、CPU201が印刷モードの切り替えが必要ないと判断した場合には、印刷モード設定フローを終了する。
【0028】
本実施例では、印刷モードの設定状態をONにするためには、その印刷モードの使用率が50%以上であることが望ましいと判断する。また、印刷モードの使用率が50%未満の場合には、その印刷モードの設定状態をOFFにした方がいいと判断する。図7及び図8に示す例では、現在の印刷モードの設定状態はすべてONであるのに対して、算出された、1200dpi印刷モードの使用率は10%である。1200dpi印刷モードの使用率が50%未満であるため、CPU201は印刷モードの設定状態を切り替える必要があると判断する。
【0029】
S604で、現在の印刷モードの設定状態と算出した使用率の比較結果から印刷モードの設定状態の切り替えが必要であるとCPU201が判断した場合には、電力量算出手段として機能するCPU201は、切り替えた場合に変化する消費電力削減率を算出する(S605)。さらに、CPU201は、どのような制限を設けるかを決定する(S606)。
【0030】
例えば、1200dpi印刷モードの設定状態をOFFにした場合における消費電力削減率を算出する。なお、本実施形態において、1200dpi印刷モードの設定状態をOFFとする場合、1200dpiでの印刷を実行できなくするのではなく、1200dpiで印刷する場合の印刷速度を25%に変更する。すなわち、1200dpiで印刷する場合の印刷速度を40ppmから10ppmへ制限する。実際には、CPU201が図3で前述したビットマップ生成部302−305の内のビットマップ生成部303−305への電力供給をOFFにする。これにより、画像生成部211の消費電力量は節減される。本実施形態では、この節電による画像処理装置全体の消費電力削減量は5%と仮定する。次いで、CPU201は、制限の内容として、1200dpiで印刷する場合の印刷速度を25%にすることを決定する。
【0031】
ここで、CPU201は、操作部102に表示すべき印刷モード設定画面として、算出した使用率と消費電力削減率、さらには、制限の内容を表示する表示制御を実行する(S607)。そして、CPU201は、ユーザが印刷モードの設定状態の切り替えを指示したかを判断する(S608)。ユーザが印刷モードの設定状態の切り替えを指示した場合には、CPU201は、省電力効果が期待できるように印刷モードの設定状態を切り替え(S609)、本処理を終了する。この際、図8に示す管理テーブル801の内容も同時に更新される。
【0032】
図9は、図2に示した操作部102に表示される印刷モード設定画面901を示す図である。なお、本確認画面例は、一例であって、画面上に表示すべき各ボタンの配置や、表示すべきメッセージが本画面表示の内容に限定されるものではない。図9の例では、印刷モードの使用率902と、制限の内容903と、消費電力削減率904とを表示する。
【0033】
ユーザが本画面において指示情報として表示される「OK」ボタン905の押下をした場合には、CPU201は、図8に示す管理テーブル中の「1200dpi印刷モード」を「OFF」状態にする(S609)。
【0034】
なお、ユーザが指示情報として表示される「NO」ボタン906の押下をした場合には、CPU201は、「1200dpi印刷モード」を「ON」状態のままにする。
【0035】
このように印刷モードの使用状況に合わせて印刷モードの設定状態を切り替えることで、ユーザの利便性を考慮し、かつ、ユーザが自由に選択可能な省電力モード設定を行える動作環境を整備できる。
〔第2実施形態〕
【0036】
図10は、印刷モード別の使用率を管理するための管理テーブル1001を示す図である。本例では、1200dpiの使用率が70%で、全体として使用率が高い状況であることを示している。本管理テーブル1001は、図2に示したRAM203に格納される。
【0037】
図11は、現在の印刷モード毎の設定状態を管理するための管理テーブル1101を示す図である。本例では、1200dpi印刷モードがOFFになっている。本管理テーブル1101は、CPU201がRAM203で管理している。
【0038】
以下、図10、図11に示す管理テーブルの状態を踏まえて、図6に示すフローチャートに沿って本実施形態の制御手順を説明する。
【0039】
本処理を開始すると、CPU201は、RAM203に格納した各印刷モードのカウント値を読み出し、図10に示す管理テーブルのような印刷モード毎の使用率を算出する(S601)。さらに、CPU201は、現在の印刷モードの設定状態を図11に示す管理テーブル1101から読み出す(S602)。
【0040】
CPU201は、現在の印刷モードの設定状態と、CPU201が算出した使用率とを比較する(S603)。
本実施形態では、図11に示すように、現在の印刷モードの設定状態において「1200dpi印刷モード」が「OFF」であるのに対して、算出された「1200dpi印刷モード」の使用率は70%である。1200dpi印刷モードの使用率が「50%」以上であるため、CPU201は、印刷モードの設定状態を切り替える必要があると判断する(S604)。
【0041】
次いで、CPU201は、「1200dpi印刷モード」の設定状態を「ON」と設定した場合における消費電力増加率を算出する(S605)。図12は、「1200dpi印刷モード」の設定状態が「OFF」である場合の、画像生成部211の通電状態を示す。
【0042】
図12において、実線で示すコマンド解析部301、ビットマップ生成部302、ビットマップ出力部306および、電源制御部307は通電状態である。破線で示す印刷処理に用いられる画像処理を実行する複数のビットマップ生成部303−305は電力が切られた状態である。一方、「1200dpi印刷モード」の設定状態が「ON」である場合、ビットマップ生成部303−305も通電状態になる。つまり、画像生成部211の消費電力量は増加する。本実施形態では全体の消費電力増加率は5%と仮定する。
【0043】
次いで、CPU201は、1200dpiでの印刷の印刷速度が「4倍」となるように使用制限を変更する(S606)。ここで、CPU201は、図13に示すように、操作部102へ印刷モード設定画面1301を表示する制御を実行する。
ここで、前述した使用率1302と消費電力増加率1304、さらには、使用制限の変更を示す情報1303を表示する(S607)。
【0044】
図13は、図3に示した操作部102に表示される印刷モード設定画面1301を示す図である。図13の例では、印刷モードの使用率1302と、使用制限の変更1303と、消費電力増加率1304とを表示する。
【0045】
この確認画面表示状態において、ユーザが「OK」ボタン1305を指示しているとCPU201が判断した場合(S608)には、CPU201は、「1200dpi印刷モード」の設定状態を「OFF」状態から「ON」状態に設定する(S609)。
【0046】
一方、図13に示す画面において、ユーザが「NO」ボタン1306を指示しているとCPU201が判断した場合(S608)、CPU201は、「1200dpi印刷モード」の設定状態を「OFF」状態のままにして、本処理を終了する。
【0047】
本実施形態によれば、ユーザが使用する画像処理装置における印刷モードの使用状況に合わせて使用制限を実行してもよい印刷モードと、その省電力効果をユーザに提案することができる。これにより、ユーザは印刷モードの使用状態に適応して印刷モードの使用状況を動的に切り替える際に、その省電力効果を確認することができる。
【0048】
第1及び第2の実施形態では、CPU201が1200dpi印刷モードで使用されるビットマップ生成部302〜305のいずれかへの電力供給を制限することにより、消費電力の削減を行った。しかしながら、電力供給を変更可能なハードウエアであれば、本印刷モードに限定されるものではない。
【0049】
第1及び第2の実施形態では、印刷モードの使用回数を示すカウント値を印刷モードの使用状況として記憶し、そのカウント値から印刷モードの使用率を算出した。しかしながら、印刷ジョブの解析結果に基づき印刷モードの使用率をそのつど算出し、印刷モードの使用率を印刷モードの使用状況として記憶してもよい。
【0050】
第1及び第2の実施形態では、印刷モードの使用率、制限の内容、消費電力削減量をユーザに提示するために、これらを操作パネル102にて表示した。しかしながら、印刷モードの使用率、制限の内容、消費電力削減量をユーザに提示するために、これらを掲載したウェブページや電子メールをPC120に送信してもよい。この場合には、画像処理装置は、印刷モードの設定状態を変更するか否かを示す指示をPC120から受信する。
【0051】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
なお、印刷モードの使用制限を強化したり、緩めたりする権限を有するユーザを認証して、図6に示す処理を実行するように制御してもよい。また、使用率があらかじめ設定された設定状態から外れた場合に、上記ユーザにその旨を通知して、省電力モードの設定を催促するように制御してもよい。ここで、上記ユーザにその旨を通知するのは、メールや、管理画面への通知等が含まれる。
【符号の説明】
【0052】
100 MFP
101 コントローラ
201 CPU
203 RAM
211 画像生成部
307 電力制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作条件に従って画像処理を実行する画像処理装置であって、
印刷モードの使用状況を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出した使用状況に基づいて、変更すべき動作条件を決定する決定手段と、
動作条件を変更した場合に変化する電力量を算出する電力量算出手段と、
前記決定手段で決定した変更すべき動作条件と、前記電力量算出手段で算出した電力量とをユーザに提示し、動作条件の変更の指示をユーザから受ける指示受付手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記算出手段は、
印刷ジョブを解析して印刷モードの使用回数を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された印刷モードの使用回数と前記画像処理装置で実行された印刷回数に従い印刷モードの使用率を算出する算出手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記指示受付手段は、前記電力量算出手段で算出した電力量と、前記決定手段で決定した変更すべき動作条件と、動作条件を変更するか否かを指示するための指示情報とを含む確認画面を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記指示受付手段が表示した動作条件を変更するか否かを指示するための指示情報に対するユーザからの指示に従い、動作条件の変更を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
印刷処理に用いられるデータの画像処理を実行する複数の画像処理部を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
動作条件に従い、前記複数の画像処理部のうち、少なくも1つ以上の画像処理部への電力供給を制御する電力制御手段を備えることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
動作条件に従って画像処理を実行する画像処理装置の制御方法であって、
印刷モードの使用状況を算出する算出工程と、
前記算出工程で算出した使用状況に基づいて、変更すべき動作条件を決定する決定工程と、
動作条件を変更した場合に変化する電力量を算出する電力量算出工程と、
前記決定工程で決定した変更すべき動作条件と、前記電力量算出工程で算出した電力量とをユーザに提示する提示工程と、
動作条件の変更の指示をユーザから受け付ける指示受付工程とを有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
動作条件に従って画像処理を実行する画像処理装置であって、
印刷モードの使用状況を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出した使用状況に基づいて、変更すべき動作条件を決定する決定手段と、
動作条件を変更した場合に変化する電力量を算出する電力量算出手段と、
前記決定手段で決定した変更すべき動作条件と、前記電力量算出手段で算出した電力量とをユーザに提示し、動作条件の変更の指示をユーザから受ける指示受付手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記算出手段は、
印刷ジョブを解析して印刷モードの使用回数を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された印刷モードの使用回数と前記画像処理装置で実行された印刷回数に従い印刷モードの使用率を算出する算出手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記指示受付手段は、前記電力量算出手段で算出した電力量と、前記決定手段で決定した変更すべき動作条件と、動作条件を変更するか否かを指示するための指示情報とを含む確認画面を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記指示受付手段が表示した動作条件を変更するか否かを指示するための指示情報に対するユーザからの指示に従い、動作条件の変更を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
印刷処理に用いられるデータの画像処理を実行する複数の画像処理部を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
動作条件に従い、前記複数の画像処理部のうち、少なくも1つ以上の画像処理部への電力供給を制御する電力制御手段を備えることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
動作条件に従って画像処理を実行する画像処理装置の制御方法であって、
印刷モードの使用状況を算出する算出工程と、
前記算出工程で算出した使用状況に基づいて、変更すべき動作条件を決定する決定工程と、
動作条件を変更した場合に変化する電力量を算出する電力量算出工程と、
前記決定工程で決定した変更すべき動作条件と、前記電力量算出工程で算出した電力量とをユーザに提示する提示工程と、
動作条件の変更の指示をユーザから受け付ける指示受付工程とを有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−161024(P2012−161024A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20776(P2011−20776)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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