画像処理装置、画像形成装置、及びプログラム
【課題】読取画像から所定の処理に用いる特定画像をそれ以外の網点画像や周期性のある画像と区別して高精度に検出する。
【解決手段】複写装置10は、画像を読み取る画像読取部11と、読み取った画像に画像処理を施す画像処理部12と、読み取った画像から禁止コード検知対象のブロックを判定する禁止ブロック判定部13と、禁止コード検知対象と判定されたブロックから禁止ブロックを検知してその個数が閾値を超える場合に複製禁止文書と判定する禁止コード検知部14と、読み取った画像から条件コードを検知する条件コード検知部15と、複製禁止文書と判定された場合に画像マスクを指示する信号を出力する制御部16と、画像処理が施された画像に対して画像マスクを行う画像マスク部17と、画像マスクがなされた画像を用いて画像形成を行う画像形成部18とを備える。
【解決手段】複写装置10は、画像を読み取る画像読取部11と、読み取った画像に画像処理を施す画像処理部12と、読み取った画像から禁止コード検知対象のブロックを判定する禁止ブロック判定部13と、禁止コード検知対象と判定されたブロックから禁止ブロックを検知してその個数が閾値を超える場合に複製禁止文書と判定する禁止コード検知部14と、読み取った画像から条件コードを検知する条件コード検知部15と、複製禁止文書と判定された場合に画像マスクを指示する信号を出力する制御部16と、画像処理が施された画像に対して画像マスクを行う画像マスク部17と、画像マスクがなされた画像を用いて画像形成を行う画像形成部18とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
原稿画像を複製装置により読み取る際に無断複製を防止可能にする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、複製を禁止するコードを割り当てた禁複製コード配列等を2次元状に繰り返し配置し、各コードに対応するパターン画像を参照して禁複製パターン画像領域等が2次元状に繰り返し配置された背景画像を生成し、これを文書画像に重ね合わせて用紙上に印刷出力する。そして、原稿画像の読取り時には、禁複製コードに対応するパターン画像が含まれていれば、複製禁止文書であると判断し、コピー動作を中止している。
【0003】
【特許文献1】特開2003−283790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、一般に、読取画像に、所定の処理に用いる特定画像に加えてそれ以外の網点画像や周期性のある画像が含まれている場合には、これらの中から特定画像だけを取得することは困難であった。
本発明の目的は、読取画像から所定の処理に用いる特定画像をそれ以外の網点画像や周期性のある画像と区別して高精度に検出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率に応じて当該特定領域に属性情報を付加し、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率に応じて当該他の領域に属性情報を付加する付加手段と、前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致するかどうかに基づいて、当該特定領域を、前記第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記判定手段は、前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致しない場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にすると判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記判定手段は、前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致する場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にしないと判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の傾きを算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記傾きに応じて、前記他の領域の形状及び大きさの少なくとも何れか一方を決定する決定手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置である。
請求項5に記載の発明は、画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率と、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率との開きが所定の基準以上あるかどうかに基づいて、当該特定領域を、当該第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記判定手段は、前記特定領域における前記第1の特定画像の出現率が第1の閾値以上で、前記他の領域における当該第1の特定画像の出現率が当該第1の閾値よりも小さな第2の閾値以下である場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にすると判定することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記判定手段は、前記特定領域における前記第1の特定画像の出現率が第1の閾値以上で、前記他の領域における当該第1の特定画像の出現率が当該第1の閾値よりも小さな第2の閾値以下である場合以外の場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にしないと判定することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置である。
請求項8に記載の発明は、画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の前記第1の特定画像を含む領域の大きさに基づいて、当該領域を、当該第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項9に記載の発明は、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む画像が印刷された媒体から当該画像を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた前記画像の領域のうち、前記第1の特定画像の出現率が第1の基準以上である領域を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された領域の数が第2の基準以上である場合に、前記読取手段により読み取られた前記画像の他の媒体への印刷を制限する制限手段と、前記読取手段により読み取られた前記画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率に応じて当該特定領域に付加された属性情報と、前記読取手段により読み取られた前記画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率に応じて当該他の領域に付加された属性情報とが一致するかどうかに基づいて、当該特定領域を、前記検出手段による検出の対象にするかどうかを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、コンピュータに、画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する機能と、取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する機能と、検出された前記埋め込み画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率に応じて当該特定領域に属性情報を付加し、検出された前記埋め込み画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率に応じて当該他の領域に属性情報を付加する機能と、前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致するかどうかに基づいて、当該特定領域を、前記第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、読取画像から所定の処理に用いる特定画像をそれ以外の網点画像や周期性のある画像と区別して高精度に検出することができる。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、読取画像から所定の処理に用いる特定画像を検出する可能性が高くなる。
請求項3の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、読取画像から所定の処理に用いる特定画像以外の画像を誤検出する可能性が低くなる。
請求項4の発明によれば、読取画像が傾いていても特定画像をそれ以外の画像と区別して検出することができる。
請求項5の発明によれば、読取画像から所定の処理に用いる特定画像をそれ以外の網点画像や周期性のある画像と区別して高精度に検出することができる。
請求項6の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、読取画像から所定の処理に用いる特定画像を検出する可能性が高くなる。
請求項7の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、読取画像から所定の処理に用いる特定画像以外の画像を誤検出する可能性が低くなる。
請求項8の発明によれば、読取画像から所定の処理に用いる特定画像をそれ以外の網点画像や周期性のある画像と区別して高精度に検出することができる。
請求項9の発明によれば、読取画像から所定の処理に用いる特定画像をそれ以外の網点画像や周期性のある画像と区別して高精度に検出することができる。
請求項10の発明によれば、読取画像から所定の処理に用いる特定画像をそれ以外の網点画像や周期性のある画像と区別して高精度に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」という)について詳細に説明する。
まず、本実施の形態で文書画像に重ね合わせて紙等の媒体に印刷される埋め込み画像について説明する。
図1は、このような埋め込み画像の一部を拡大して示したものである。
図示するように、埋め込み画像は、右下がり斜線パターン及び右上がり斜線パターンの何れかのパターン画像から構成されている。本実施の形態では、右下がり斜線パターンがビット“0”を表し、右上がり斜線パターンがビット“1”を表す。また、個々のパターン画像のサイズは、主走査方向、副走査方向の何れにおいても、12画素以内に収まるようになっている。
尚、本明細書において、媒体というときは、画像を印刷可能なものであれば如何なるものでもよく、その材質は問わない。代表例は紙であるが、OHPシートや金属板、布等であっても構わない。
【0008】
ここで、(a)〜(c)に示す各画像について説明する。
まず、(a)は、禁止コード配列0を表す画像を示している。ここで、禁止コード配列0とは、ビット“0”のみからなるコード配列である。本実施の形態では、右下がり斜線パターンでビット“0”を表すので、禁止コード配列0を表す画像は、右下がり斜線パターンのみを含む。そして、所定の処理を禁止するための禁止情報をこの禁止コード配列0により埋め込む。尚、所定の処理の一例として原稿の複製を考えた場合、禁止情報は、原稿の複製を禁止するための情報となる。
【0009】
また、(b)は、禁止コード配列1を表す画像を示している。ここで、禁止コード配列1とは、ビット“1”のみからなるコード配列である。本実施の形態では、右上がり斜線パターンでビット“1”を表すので、禁止コード配列1を表す画像は、右上がり斜線パターンのみを含む。そして、所定の処理を禁止するための禁止情報をこの禁止コード配列1により埋め込む。尚、所定の処理の一例として原稿の複製を考えた場合、禁止情報は、原稿の複製を禁止するための情報となる。
【0010】
一方、(c)は、条件コード配列を表す画像を示している。ここで、条件コード配列は、ビット“0”とビット“1”とからなる。本実施の形態では、右下がり斜線パターンでビット“0”を表し、右上がり斜線パターンでビット“1”を表すので、条件コード配列を表す画像は、右下がり斜線パターン及び右上がり斜線パターンの両方を含む。そして、この条件コード配列に、所定の処理の禁止を解除する条件を示す条件情報を埋め込む。尚、所定の処理の一例として原稿の複製を考えた場合、条件情報は、原稿の複製の禁止を解除する条件を示す情報となる。この場合、条件情報としては、暗証番号、ユーザID、日時、複写機の番号等が例示される。
尚、以下では、禁止情報及び条件情報を総称して「制御情報」と呼ぶこともある。
【0011】
また、図2は、埋め込み画像のレイアウトの一例を示した図である。
図において、斜線ハッチングされた矩形が図1(a)の禁止コード配列0が埋め込まれた領域(以下、「禁止領域0」という)を示し、縦線ハッチングされた矩形が図1(b)の禁止コード配列1が埋め込まれた領域(以下、「禁止領域1」という)を示し、ドットハッチングされた矩形が図1(c)の条件コード配列が埋め込まれた領域(以下、「条件領域」という)を示している。尚、以下では、禁止領域0、禁止領域1、条件領域を総称して「制御領域」と呼ぶこともある。
このレイアウトにおいて、各制御領域には、例えば、主走査方向に20個、副走査方向に20個のパターン画像が配置されるものとする。
ここで、埋め込み画像のレイアウトは、図2に示したものには限られない。例えば、禁止領域0と禁止領域1が主走査方向、副走査方向の何れにおいても交互に現れ、条件領域が存在しないようなレイアウトであってもよい。
【0012】
ところで、本実施の形態では、図1に示したように、微細な画素塊を周期的に配置することにより、制御情報を埋め込み画像に埋め込んでいる。一方で、埋め込み画像と重ねて印刷される文書画像の中にも、網点のような微細な画素塊として検出される画像が、制御情報の画素塊と近い周期で含まれる場合がある。このような場合、文書画像における画素塊を制御情報の画素塊と誤検出し、読み取った原稿が複製を禁止していないにも関わらず、複製を禁止する動作を行う可能性がある。
【0013】
ここで、制御領域のサイズは、図2に示したように所定サイズ以下になるはずであるが、網点等の画素塊を含む領域は一般にそれよりも大きなサイズになる。
そこで、本実施の形態では、このようなサイズの違いに着目し、制御情報として検出される画素塊がある程度広い範囲に連続して存在している領域は、制御情報が埋め込まれた領域として扱わないようにする。
【0014】
次に、このような動作を行う複写装置10について説明する。
図3は、複写装置10の構成例を示したブロック図である。
図示するように、複写装置10は、画像読取部11と、画像処理部12と、禁止ブロック判定部13と、禁止コード検知部14と、条件コード検知部15と、制御部16と、画像マスク部17と、画像形成部18とを備える。
【0015】
画像読取部11は、例えば原稿に印刷された画像を読み取ることにより、画像データを取得する。ここで、画像読取部11は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。本実施の形態では、画像を読み取る読取手段の一例として、画像読取部11を設けている。
画像処理部12は、画像読取部11から入力される画像データに対して所定の画像処理を施す。
【0016】
禁止ブロック判定部13は、画像読取部11から入力される画像データが表すコード配列をブロックに分割し、各ブロックを禁止コード検出の対象とするかどうかを判定する。本実施の形態では、特定領域を検出の対象にするかどうかを判定する判定手段の一例として、禁止ブロック判定部13を設けている。
禁止コード検知部14は、画像読取部11から入力される画像データが表すコード配列をブロックに分割し、それらのブロックのうち、禁止ブロック判定部13により禁止コード検出の対象と判定されたブロックから禁止コードを検知する。本実施の形態では、領域を検出する検出手段の一例として、禁止コード検知部14を設けている。
条件コード検知部15は、画像読取部11から入力される画像データが表すコード配列をブロックに分割し、それらのブロックから条件コードを検知する。
【0017】
制御部16は、禁止コード検知部14及び条件コード検知部15からの出力に基づいて画像マスク部17に対して例えば画像の塗り潰しを指示する信号を出力する。本実施の形態では、画像の他の媒体への印刷を制限する制限手段の一例として、制御部16を設けている。
画像マスク部17は、制御部16から画像の塗り潰しを指示する信号が出力されると、画像処理部12により画像処理が施された画像の塗り潰し処理を行う。
画像形成部18は、紙等の記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部18は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
【0018】
次いで、複写装置10の動作について説明する。
複写装置10では、まず、画像読取部11が原稿画像を読み取って得られた画像データを、画像処理部12、禁止ブロック判定部13、禁止コード検知部14、条件コード検知部15に出力する。
これにより、画像処理部12は、画像読取部11から出力された画像データに対して所定の画像処理を施し、画像マスク部17に出力する。
また、禁止ブロック判定部13は、画像読取部11から出力された画像データが表すコード配列のブロックごとに、禁止コード検出対象かどうかを示す情報を禁止コード検知部14に出力する。尚、禁止ブロック判定部13の詳細な動作は後述する。
【0019】
更に、禁止コード検知部14は、画像読取部11から出力された画像データから禁止コードを検出する。
ここで、禁止コード検知部14の動作について説明する。
図4は、禁止コード検知部14の動作例を示したフローチャートである。
禁止コード検知部14は、まず、画像読取部11から入力された画像データを“0”又は“1”の2値データに変換する(ステップ101)。そして、2値データに含まれるノイズ成分を除去する(ステップ102)。ここでは、例えば、黒画素が連結している画素塊を求め、その画素塊の大きさが所定の範囲にない画素塊の各画素を白画素に置き換える。所定の範囲としては、斜線パターンは削除されず、例えば、孤立ドットパターンが削除されるような範囲を設定するとよい。
【0020】
次に、禁止コード検知部14は、ノイズ除去後の画像から、図1に示した2種類のパターン画像を検出し、各パターン画像をビット“0”又はビット“1”に置き換えて、コード配列を求める(ステップ103)。例えば、2値データで表された画像中の各画素の位置で、基準となる右下がり斜線パターン及び右上がり斜線パターンを順次当てはめて、テンプレートマッチングによってパターン画像を検出する。そして、図1のパターン画像を用いたとすると、右下がり斜線パターンを検出した場合にはビット“0”を出力し、右上がり斜線パターンを検出した場合にはビット“1”を出力する。尚、テンプレートマッチングを利用したパターン画像の検出手法は公知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0021】
その後、禁止コード検知部14は、ビット“0”又はビット“1”からなるコード配列を、所定サイズの小領域(ブロック)に分割する(ステップ104)。例えば、ブロックのサイズを、制御領域のサイズの半分よりも小さいサイズとし、各制御領域の中に1個以上のブロックが完全に含まれるようなサイズに設定する。
【0022】
このようにしてコード配列は複数のブロックに分割されるが、本実施の形態では、禁止ブロック判定部13が、後述する処理により、各ブロックが禁止コード検出対象かどうかを判定し、その結果を禁止コード検知部14に出力している。そこで、禁止コード検知部14は、この判定結果を受けて、各ブロックが禁止コード検出対象かどうかを示す情報を保持する(ステップ105)。
【0023】
また、禁止コード検知部14は、ステップ105で禁止コード検出対象と判定されたブロックについて、その属性を決定する(ステップ106)。ここで、ブロックの属性とは、そのブロックが、ビット“0”を多く含む禁止ブロック0であるか、ビット“1”を多く含む禁止ブロック1であるか、ビット“0”及びビット“1”を含む条件ブロックであるか、を意味する。従って、まず、禁止コード検出対象のブロックについて、その中に存在するビット“0”及びビット“1”の個数をそれぞれ算出し、その個数の合計値も算出する。そして、ビット“0”の個数と合計値とから求めたビット“0”の比率に基づいて、ブロックの属性を判定する。
【0024】
ここで、注目するブロックが、禁止領域0の内部に位置している場合、ブロックの内部には所定個数以上のビット“0”が検出され、かつ、ビット“1”は殆ど検出されないため、ビット“0”の比率が高く、比率100%〜0%を1.0〜0.0と表現すると殆ど1.0に近いはずである。
また、注目するブロックが、禁止領域1の内部に位置している場合、ブロックの内部には所定個数以上のビット“1”が検出され、かつ、ビット“0”は殆ど検出されないため、ビット“0”の比率は低く、殆ど0.0に近いはずである。
更に、注目するブロックが、条件領域の内部に位置している場合、ブロックの内部には複数のビット“0”及び複数のビット“1”が検出されるため、ビット“0”の比率は1.0よりもかなり低く、0.0よりもかなり高くなるはずである。
また、画像読取部11から出力された画像データが、制御情報が埋め込まれた原稿画像に対応するものである場合、ブロックの内部にはビット“0”とビット“1”とがそれぞれが複数個埋め込まれているはずである。
【0025】
禁止コード検知部14は、このような特性を利用し、ブロックの属性を以下のように決定する。即ち、
1)パターン画像の合計個数>閾値Th1、かつ、ビット“0”の比率>閾値Th2の場合、ブロックは禁止領域0に属する、
2)パターン画像の合計個数>閾値Th1、かつ、(1−ビット“0”の比率)>閾値Th2の場合、ブロックは禁止領域1に属する、
3)1)及び2)の何れでもない場合、ブロックは禁止領域には属していない、
と判定する。
【0026】
ここで、閾値Th1は、ブロックのサイズと制御領域のサイズとからブロックに理論上含まれるパターン画像の個数を求め、これにマージンを加味して設定するとよい。また、閾値Th2は、1.0に近い値を設定する(一例として、閾値Th2=0.95)。
【0027】
次に、禁止コード検知部14は、禁止ブロック0の数、及び、禁止ブロック1の数をそれぞれ別にカウントする(ステップ107)。そして、このカウントされた値と閾値Th3とを比較する(ステップ108)。ここで、閾値Th3は、禁止コードの種類数に応じて適宜調整するとよい。
【0028】
その結果、禁止ブロック0の数が閾値Th3以上となり、かつ、禁止ブロック1の数が閾値Th3以上となった場合、その画像を複製禁止文書と判定し(ステップ109)、それ以外は複製禁止文書に該当しないと判定する(ステップ110)。そして、各判定結果を制御部16へ出力する(ステップ111)。
【0029】
一方、条件コード検知部15は、画像読取部11から出力された画像データから条件コードを検出する。
尚、条件コードの検出処理は、以下の点を除き、禁止コードの検出処理と同様である。
第一に、条件コードを検出する際には、原稿読取り時のスキュー角度を考慮する必要があるという点である。原稿が90度回転していた場合、ビット“0”に対応する右下がり斜線パターンは、ビット“1”に対応する右上がり斜線パターンとして検出され、ビット“1”に対応する右上がり斜線パターンは、ビット“0”に対応する右下がり斜線パターンとして検出される。このようにビット“0”とビット“1”の逆転が起こっても、複製禁止文書かどうかの判定には影響しない。しかしながら、条件コードを検出する場合は、各パターン画像がビット“0”を表すのかビット“1”を表すのかを正確に判断しないと、誤った情報を抽出することになるからである。
第二に、条件コードについては、誤った情報を抽出することによる誤動作を避けるため、誤り訂正符号化が行われる。従って、条件コードの検出においては、誤り訂正の復号処理を行う必要がある。
【0030】
以上により、制御部16は、禁止コード検知部14からの出力に応じて、原稿が複製禁止文書であるときには、画像を塗り潰すことを指示する信号を、原稿が複製禁止文書でないときには、画像を塗り潰さずに通常の複製を行うように指示する信号を、画像マスク部17に対して出力する。尚、制御部16は、原稿が複製禁止文書であるときには、画像形成部18に対してコピー動作の中止を指示する信号を出力してもよい。また、制御部16は、条件コード検知部15からの出力に応じて、所定の条件が満足されれば複製を行うように指示する信号を出力するようにしてもよい。
【0031】
次に、本実施の形態における禁止ブロック判定部13について説明する。既に述べたように、この禁止ブロック判定部13は、禁止コード検出対象とすべきブロックを禁止コード検知部14に伝えるものである。本実施の形態では、ブロックを禁止コード検出対象とすべきかどうかを、そのブロック内のコード配列とそのブロックを囲む枠を構成するブロック内のコード配列とを比較することによって判定する。
以下、具体的な判定方法を第1の判定方法及び第2の判定方法として述べる。
【0032】
[第1の判定方法]
図5は、第1の判定方法の概要を具体的に示した図である。
ここでは、図2のレイアウトにおける禁止領域1を中心とした部分について示している。この図において、まず、禁止領域1は3ブロック×3ブロックの大きさとしている。また、禁止領域1を囲む判定枠を、禁止領域1の上辺に接する3つの条件ブロックと、禁止領域1の下辺に接する3つの条件ブロックと、禁止領域1の左辺に接する3つの条件ブロックと、禁止領域1の右辺に接する3つの条件ブロックとで構成し、実線で示している。また、各ブロックは点線で示している。
【0033】
この第1の判定方法では、まず、ブロックごとに、ブロック内のビット“0”とビット“1”の比率を算出し、ビット“0”の比率が閾値以上の場合、そのブロックを禁止ブロック0と判定する。一方、ビット“1”の比率が閾値以上の場合、そのブロックを禁止ブロック1と判定する。また、どちらでもなければ、そのブロックを条件ブロックと判定する。そして、禁止領域を構成する各ブロックが、所定サイズの判定枠で囲めるかどうかを判断する。尚、この第1の判定方法において、判定枠とは、注目しているブロックが属性として持つビット値以外のビット値を属性として持つブロックで構成される枠のことをいうものとする。図では、禁止領域1内の全てのブロックが判定枠(禁止ブロック0又は条件ブロックで構成される枠)で囲めるので、これらのブロックは禁止コード検知対象となる。仮にブロックが判定枠で囲めなければ、そのブロックは禁止コード検知対象から除外される。
尚、ここで、所定サイズは、3ブロック×3ブロックとしたが、それよりも小さい判定枠で囲める場合にブロックを禁止コード検知対象としてもよい。
【0034】
次に、ブロックが判定枠で囲めるかどうかを調べる際の具体的手順について説明する。
図6は、このときの具体的な手順を示した図である。
(a)〜(i)の全てにおいて、注目しているブロックを太い実線で示している。そして、細い実線で示す3ブロック×3ブロックの枠を(a)〜(i)で示すように動かし、注目しているブロックが判定枠で囲まれるかどうかを調べている。図では、(a)のように枠を設定した場合、注目するブロックが禁止ブロック1であり、枠を構成するブロックが条件ブロックであるので、注目するブロックを判定枠で囲めることになる。一方、(b)〜(i)のように枠を設定した場合、注目するブロックが禁止ブロック1であり、枠を構成するブロックに禁止ブロック1が含まれるので、注目するブロックは判定枠で囲めない。
【0035】
ところで、原稿は回転した状態で読み取られることがある。
図7は、このような場合における判定枠のサイズ及び形状を例示したものである。
このうち、(a)は、原稿が45°回転した状態で読み取られた場合における第1の判定枠を示している。図では、第1の判定枠を細い実線で示している。この第1の判定枠の場合、形状は、図5及び6に示したものと同様、正方形の領域にその各辺で接するものであるが、サイズは、図5及び6に示したものよりも大きく、5ブロック×5ブロックとしている。この状態で、図中、太線で示したブロックは、そのブロックが属性として持つビット値以外のビット値を属性として持つブロック(禁止ブロック0又は条件ブロック)で構成される判定枠で囲めるので、禁止コード検知対象となる。
尚、原稿のスキュー角度は、例えばパターンマッチングによりパターン画像(右下がり斜線パターン又は右上がり斜線パターン)の角度を算出し、その統計情報から求めるとよい。
【0036】
また、(b)は、原稿が45°回転した状態で読み取られた場合における第2の判定枠を示している。図では、第2の判定枠を細い実線で示している。この第2の判定枠の場合、形状が、図5及び6に示したものとは異なり、正方形を45°回転させた図形に沿った形状となっている。この状態で、図中、太線で示したブロックは、そのブロックが属性として持つビット値以外のビット値を属性として持つブロック(禁止ブロック0又は条件ブロック)で構成される判定枠で囲めるので、禁止コード検知対象となる。
尚、ここでは、原稿が45°回転した状態で読み取られた場合における判定枠の例を示したが、原稿の読取り時におけるスキュー角度は、45°には限らない。例えば、22.5°であってもよい。また、その他の角度については、45°又は22.5°に近似すればよい。
【0037】
ここで、この第1の判定方法を採用した場合の禁止ブロック判定部13について説明する。
図8は、この場合の禁止ブロック判定部13の構成例を示したブロック図である。
図示するように、禁止ブロック判定部13は、2値化部21と、ノイズ除去部22と、コード配列検出部23と、ブロック分割部24と、ブロック属性決定部25と、枠決定部26と、属性比較部27とを備える。
【0038】
2値化部21は、入力された画像データを“0”又は“1”の2値データに変換して出力する。本実施の形態では、読取画像を取得する取得手段の一例として、2値化部21を設けている。
ノイズ除去部22は、2値化部21により出力された2値データのノイズ成分を除去する。
コード配列検出部23は、ノイズ除去部22によりノイズ成分が除去された2値データからパターン画像を検出し、各パターン画像が右下がり斜線パターン及び右上がり斜線パターンの何れに対応するかを検査することにより、ビット“0”又はビット“1”からなるコード配列を検出する。本実施の形態では、埋め込み画像を検出する検出手段の一例として、また、埋め込み画像の傾きを算出する算出手段の一例として、コード配列検出部23を設けている。
ブロック分割部24は、コード配列検出部23により検出されたコード配列をブロックに分割する。
ブロック属性決定部25は、ブロック分割部24による分割で得られたブロックが、禁止ブロック0、禁止ブロック1、条件ブロックの何れに該当するかの属性を決定する。本実施の形態では、特定領域及び他の領域に属性情報を付加する付加手段の一例として、ブロック属性決定部25を設けている。
【0039】
枠決定部26は、ブロック属性決定部25によりブロック“0”又はブロック“1”と判定されたブロックについて、そのブロックが禁止コード検出対象であるかどうかを判定するために用いる枠の形状及びサイズを決定する。本実施の形態では、他の領域の形状及び大きさの少なくとも何れか一方を決定する決定手段の一例として、枠決定部26を設けている。
属性比較部27は、枠決定部26で決定された枠をコード配列上で走査しながら、注目しているブロックの属性と枠を構成するブロックの属性とを比較することにより、各ブロックを判定枠で囲めるかどうかを判定する。そして、その判定結果を禁止コード検知部14に出力する。尚、この場合、判定結果は領域ごとに禁止コード検知部14に出力されるが、禁止コード検知部14は、その領域を構成する各ブロックについて禁止コード検出対象かどうかを認識することになる。本実施の形態では、特定領域を所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段の一例として、属性比較部27を設けている。
【0040】
次に、禁止ブロック判定部13の動作について説明する。
図9は、禁止ブロック判定部13の動作例を示したフローチャートである。
禁止ブロック判定部13では、2値化部21が、入力された画像データを2値データに変換し(ステップ201)、ノイズ除去部22が、2値データからノイズ成分を除去し(ステップ202)、コード配列検出部23が、ノイズ成分除去後の2値データからコード配列を検出し(ステップ203)、ブロック分割部24が、コード配列をブロックに分割する(ステップ204)。尚、ステップ201〜204の処理は、図4のステップ101〜104の処理と同様であるので、詳しい処理内容については省略する。
【0041】
また、禁止ブロック判定部13では、ブロック属性決定部25が、各ブロックの属性、即ち、各ブロックが禁止ブロック0、禁止ブロック1、条件ブロックの何れに該当するかを決定する(ステップ205)。尚、ステップ205の処理は、図4のステップ106の処理と同様であるので、詳しい処理内容については省略する。
その後、ブロック属性決定部25は、1つのブロックに注目する(ステップ206)。そして、注目したブロックが禁止ブロック0又は禁止ブロック1であるかどうかを判定する(ステップ207)。
その結果、注目したブロックが禁止ブロック0でも禁止ブロック1でもないと判定されれば、つまり、条件ブロックであれば、ステップ206に戻って次のブロックに注目するが、ブロックが禁止ブロック0又は禁止ブロック1であると判定されれば、そのブロックについての処理を枠決定部26及び属性比較部27に実行させる。
【0042】
ところで、ステップ203でコード配列検出部23がパターン画像を検出する際に取得したパターン画像の角度の情報に基づいて、ステップ206で注目したブロックのスキュー角度が分かる。そこで、枠決定部26は、そのスキュー角度に対して予め定められた形状及びサイズの枠を、属性比較部27が用いる枠に決定する(ステップ208)。尚、この枠の決定については、ステップ203の直後に行うようにしてもよい。
その後、属性比較部27が、図6に示したように、コード配列上で枠を動かして判定枠を探し出す判定枠探索処理を行う(ステップ209)。そして、この判定枠探索処理の結果、ブロックを判定枠で囲めるかどうかを判定する(ステップ210)。
【0043】
その結果、ブロックを判定枠で囲めると判定すると、そのブロックを禁止コード検出の対象とする(ステップ211)。一方、ブロックを判定枠で囲めないと判定すると、そのブロックを禁止コード検出の対象とはしない(ステップ212)。
そして、最後に、禁止ブロック判定部13は、所定の領域内の全てのブロックについて判定したかを判断する(ステップ213)。ここで、全てのブロックについて判定していなければ、ステップ206に戻り、次のブロックについて同様の処理を行うが、全てのブロックについて判定した場合は、処理を終了する。
【0044】
ここで、図9のステップ209における判定枠探索処理について詳細に説明する。
図10は、このときの属性比較部27の動作例を示したフローチャートである。尚、ここでは、枠に囲まれる領域、つまり、枠の内周の内側の領域(以下、「内周内領域」という)のサイズをNブロック×Nブロックとして説明する。
属性比較部27は、注目しているブロックが、内周内領域において左からI番目、上からJ番目のブロックとなるように、枠を動かしながら、そのブロックのビット値とは異なるビット値のブロックで構成される枠の位置を見つける。
【0045】
まず、属性比較部27は、内周内領域におけるブロックの横方向の位置を示すインデックスIに“1”を代入する(ステップ221)。また、内周内領域におけるブロックの縦方向の位置を示すインデックスJにも“1”を代入する(ステップ222)。そして、(I,J)を(N,N)まで変化させながら、各(I,J)について以下の処理を行う。
【0046】
即ち、属性比較部27は、注目しているブロックのビット値と枠を構成する各ブロックのビット値とを比較する。
その場合、まず、属性比較部27は、内周内領域に枠自体を加えた領域、つまり、枠の外周の内側の領域(以下、「外周内領域」という)におけるブロックの縦方向又は横方向の位置を示すインデックスKに“2”を代入する(ステップ223)。そして、KをN+1まで変化させながら、各Kについて以下の処理を行う。
尚、以下では、内周内領域における横方向にI番目、縦方向にJ番目のブロックのビット値をB(I,J)と表記する。また、外周内領域における横方向にK1番目、縦方向にK2番目のブロックのビット値をF(K1,K2)と表記する。
【0047】
まず、属性比較部27は、F(K,1)がB(I,J)と同じかどうかを判定する(ステップ224)。その結果、F(K,1)がB(I,J)と同じでなければ、F(K,N+2)がB(I,J)と同じかどうかを判定する(ステップ225)。その結果、F(K,N+2)がB(I,J)と同じでなければ、F(1,K)がB(I,J)と同じかどうかを判定する(ステップ226)。その結果、F(1,K)がB(I,J)と同じでなければ、F(N+2,K)がB(I,J)と同じかどうかを判定する(ステップ227)。その結果、F(N+2,K)がB(I,J)と同じでなければ、Kに1を加算して(ステップ228)、KがN+1よりも大きいか判定する(ステップ229)。そして、KがN+1よりも大きくなければ、ステップ224に戻り、KがN+1よりも大きければ、注目しているブロックは判定枠で囲まれたことになるので、その旨を保持しておく(ステップ230)。
【0048】
一方、注目しているブロックのビット値と枠を構成する各ブロックのビット値の比較の何れかにおいて両方のビット値が同じになれば、注目しているブロックは判定枠で囲まれたことにはならない。従って、枠の位置をずらして、判定枠で囲めるかの判断を継続する。
即ち、ステップ224でF(K,1)とB(I,J)が同じになった場合、ステップ225でF(K,N+2)とB(I,J)が同じになった場合、ステップ226でF(1,K)とB(I,J)が同じになった場合、ステップ227でF(N+2,K)とB(I,J)が同じになった場合は、Jに1を加算して(ステップ231)、JがNを超えたか判定する(ステップ232)。そして超えていなければ、ステップ223に戻るが、超えていれば、Iに1を加算して(ステップ233)、IがNを超えたか判定する(ステップ234)。そして超えていなければ、ステップ222に戻るが、超えていれば、判定枠で囲まれない旨を保持し(ステップ235)、処理を終了する。
【0049】
[第2の判定方法]
図11は、第2の判定方法の概要を具体的に示した図である。
ここでも、図2のレイアウトにおける禁止領域1を中心とした部分について示している。但し、この第2の判定方法では、制御領域よりも小さいブロックごとにビット値を求めてそれを比較することは行わないので、ブロックについては図示していない。この図において、禁止領域1を囲む判定枠は実線で示している。即ち、内側の実線と外側の実線で囲まれた領域が、判定枠の領域(以下、「枠内領域」という)である。
【0050】
この第2の判定方法では、まず、内周内領域におけるビット“0”とビット“1”の比率を算出する。一方、枠内領域におけるビット“0”とビット“1”の比率も算出する。そして、内周内領域におけるビット“0”の比率が閾値以上であり、枠内領域におけるビット“0”の比率が閾値以下の場合、又は、内周内領域におけるビット“1”の比率が閾値以上であり、枠内領域におけるビット“1”の比率が閾値以下の場合、内周内領域は判定枠で囲めるので禁止領域であると判定する。但し、これはあくまで一例であり、内周内領域におけるビット“0”の比率と枠内領域におけるビット“0”の比率との開きが所定の基準以上ある場合、又は、内周内領域におけるビット“1”の比率と枠内領域におけるビット“1”の比率との開きが所定の基準以上ある場合に、禁止領域と判定してもよい。尚、この第2の判定方法において、判定枠とは、このような2つの領域間での比率の開きを所定の基準以上とする枠のことをいうものとする。
尚、この第2の判定方法において、原稿のスキュー角度によって枠の形状を変更してもよい。
【0051】
ここで、この第2の判定方法を採用した場合の禁止ブロック判定部13について説明する。
図12は、この場合の禁止ブロック判定部13の構成例を示したブロック図である。
図示するように、禁止ブロック判定部13は、2値化部21と、ノイズ除去部22と、コード配列検出部23と、ブロック分割部24と、枠決定部26と、比率比較部28とを備える。
【0052】
2値化部21、ノイズ除去部22、コード配列検出部23、ブロック分割部24、枠決定部26は、図8に示したものと同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
比率比較部28は、枠決定部26で決定された枠をコード配列上で走査しながら、注目している領域のビット値の比率と枠内の領域のビット値の比率とを比較することにより、注目する領域を判定枠で囲めるかどうかを判定する。そして、その判定結果を禁止コード検知部14に出力する。本実施の形態では、特定領域を所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段の一例として、比率比較部28を設けている。
【0053】
次に、禁止ブロック判定部13の動作について説明する。
図13は、禁止ブロック判定部13の動作例を示したフローチャートである。
禁止ブロック判定部13では、2値化部21が、入力された画像データを2値データに変換し(ステップ251)、ノイズ除去部22が、2値データからノイズ成分を除去し(ステップ252)、コード配列検出部23が、ノイズ成分除去後の2値データからコード配列を検出し(ステップ253)、ブロック分割部24が、コード配列をブロックに分割する(ステップ254)。尚、ステップ251〜254の処理は、図4のステップ101〜104の処理と同様であるので、詳しい処理内容については省略する。
また、禁止ブロック判定部13では、ブロック分割部24が、ブロックの分割区切りを参照して1つの領域に注目する(ステップ255)。
【0054】
ところで、ステップ253でコード配列検出部23がパターン画像を検出する際に取得したパターン画像の角度の情報に基づいて、ステップ255で注目した領域のスキュー角度が分かる。そこで、枠決定部26は、そのスキュー角度に対して予め定められた形状及びサイズの枠を、比率比較部28が用いる枠に決定する(ステップ256)。尚、この枠の決定については、ステップ253の直後に行うようにしてもよい。
その後、比率比較部28が、注目する領域を判定枠で囲めるかどうかを判定する(ステップ257)。
【0055】
その結果、領域を判定枠で囲めると判定すると、その領域を禁止コード検出の対象とする(ステップ258)。一方、領域を判定枠で囲めないと判定すると、その領域を禁止コード検出の対象とはしない(ステップ259)。
そして、最後に、禁止ブロック判定部13は、所定の領域内の全ての領域について判定したかを判断する(ステップ260)。ここで、全ての領域について判定していなければ、ステップ255に戻り、次の領域について同様の処理を行うが、全ての領域について判定した場合は、処理を終了する。
【0056】
ところで、これまでは上記処理を複写装置10内で行うようにしたが、本実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、汎用のコンピュータ90にて上記処理を実行してもよい。
図14は、コンピュータ90のハードウェア構成を示した図である。
図示するように、コンピュータ90は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)91と、記憶手段であるメインメモリ92及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)93とを備える。ここで、CPU91は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、上述した各機能を実現する。また、メインメモリ92は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置93は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
更に、コンピュータ90は、外部との通信を行うための通信I/F94と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構95と、キーボードやマウス等の入力デバイス96とを備える。
【0057】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態で印刷される埋め込み画像を構成する画像の例を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態で印刷される埋め込み画像のレイアウトの例を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態における複写装置の機能構成例を示したブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態における禁止コード検知部の動作例を示したフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における禁止コード検出対象領域の第1の判定方法について説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態における禁止コード検出対象領域の第1の判定方法について説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態における禁止コード検出対象領域の第1の判定方法について説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態における禁止ブロック判定部の機能構成例を示した図である。
【図9】本発明の実施の形態における禁止ブロック判定部の動作例を示したフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態における属性比較部の動作例を示したフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態における禁止コード検出対象領域の第2の判定方法について説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態における禁止ブロック判定部の機能構成例を示した図である。
【図13】本発明の実施の形態における禁止ブロック判定部の動作例を示したフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態を適用可能なコンピュータのハードウェア構成図である。
【符号の説明】
【0059】
10…複写装置、11…画像読取部、12…画像処理部、13…禁止ブロック判定部、14…禁止コード検知部、15…条件コード検知部、16…制御部、17…画像マスク部、18…画像形成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
原稿画像を複製装置により読み取る際に無断複製を防止可能にする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、複製を禁止するコードを割り当てた禁複製コード配列等を2次元状に繰り返し配置し、各コードに対応するパターン画像を参照して禁複製パターン画像領域等が2次元状に繰り返し配置された背景画像を生成し、これを文書画像に重ね合わせて用紙上に印刷出力する。そして、原稿画像の読取り時には、禁複製コードに対応するパターン画像が含まれていれば、複製禁止文書であると判断し、コピー動作を中止している。
【0003】
【特許文献1】特開2003−283790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、一般に、読取画像に、所定の処理に用いる特定画像に加えてそれ以外の網点画像や周期性のある画像が含まれている場合には、これらの中から特定画像だけを取得することは困難であった。
本発明の目的は、読取画像から所定の処理に用いる特定画像をそれ以外の網点画像や周期性のある画像と区別して高精度に検出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率に応じて当該特定領域に属性情報を付加し、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率に応じて当該他の領域に属性情報を付加する付加手段と、前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致するかどうかに基づいて、当該特定領域を、前記第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記判定手段は、前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致しない場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にすると判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記判定手段は、前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致する場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にしないと判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の傾きを算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記傾きに応じて、前記他の領域の形状及び大きさの少なくとも何れか一方を決定する決定手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置である。
請求項5に記載の発明は、画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率と、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率との開きが所定の基準以上あるかどうかに基づいて、当該特定領域を、当該第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記判定手段は、前記特定領域における前記第1の特定画像の出現率が第1の閾値以上で、前記他の領域における当該第1の特定画像の出現率が当該第1の閾値よりも小さな第2の閾値以下である場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にすると判定することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記判定手段は、前記特定領域における前記第1の特定画像の出現率が第1の閾値以上で、前記他の領域における当該第1の特定画像の出現率が当該第1の閾値よりも小さな第2の閾値以下である場合以外の場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にしないと判定することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置である。
請求項8に記載の発明は、画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の前記第1の特定画像を含む領域の大きさに基づいて、当該領域を、当該第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項9に記載の発明は、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む画像が印刷された媒体から当該画像を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた前記画像の領域のうち、前記第1の特定画像の出現率が第1の基準以上である領域を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された領域の数が第2の基準以上である場合に、前記読取手段により読み取られた前記画像の他の媒体への印刷を制限する制限手段と、前記読取手段により読み取られた前記画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率に応じて当該特定領域に付加された属性情報と、前記読取手段により読み取られた前記画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率に応じて当該他の領域に付加された属性情報とが一致するかどうかに基づいて、当該特定領域を、前記検出手段による検出の対象にするかどうかを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、コンピュータに、画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する機能と、取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する機能と、検出された前記埋め込み画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率に応じて当該特定領域に属性情報を付加し、検出された前記埋め込み画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率に応じて当該他の領域に属性情報を付加する機能と、前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致するかどうかに基づいて、当該特定領域を、前記第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、読取画像から所定の処理に用いる特定画像をそれ以外の網点画像や周期性のある画像と区別して高精度に検出することができる。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、読取画像から所定の処理に用いる特定画像を検出する可能性が高くなる。
請求項3の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、読取画像から所定の処理に用いる特定画像以外の画像を誤検出する可能性が低くなる。
請求項4の発明によれば、読取画像が傾いていても特定画像をそれ以外の画像と区別して検出することができる。
請求項5の発明によれば、読取画像から所定の処理に用いる特定画像をそれ以外の網点画像や周期性のある画像と区別して高精度に検出することができる。
請求項6の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、読取画像から所定の処理に用いる特定画像を検出する可能性が高くなる。
請求項7の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、読取画像から所定の処理に用いる特定画像以外の画像を誤検出する可能性が低くなる。
請求項8の発明によれば、読取画像から所定の処理に用いる特定画像をそれ以外の網点画像や周期性のある画像と区別して高精度に検出することができる。
請求項9の発明によれば、読取画像から所定の処理に用いる特定画像をそれ以外の網点画像や周期性のある画像と区別して高精度に検出することができる。
請求項10の発明によれば、読取画像から所定の処理に用いる特定画像をそれ以外の網点画像や周期性のある画像と区別して高精度に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」という)について詳細に説明する。
まず、本実施の形態で文書画像に重ね合わせて紙等の媒体に印刷される埋め込み画像について説明する。
図1は、このような埋め込み画像の一部を拡大して示したものである。
図示するように、埋め込み画像は、右下がり斜線パターン及び右上がり斜線パターンの何れかのパターン画像から構成されている。本実施の形態では、右下がり斜線パターンがビット“0”を表し、右上がり斜線パターンがビット“1”を表す。また、個々のパターン画像のサイズは、主走査方向、副走査方向の何れにおいても、12画素以内に収まるようになっている。
尚、本明細書において、媒体というときは、画像を印刷可能なものであれば如何なるものでもよく、その材質は問わない。代表例は紙であるが、OHPシートや金属板、布等であっても構わない。
【0008】
ここで、(a)〜(c)に示す各画像について説明する。
まず、(a)は、禁止コード配列0を表す画像を示している。ここで、禁止コード配列0とは、ビット“0”のみからなるコード配列である。本実施の形態では、右下がり斜線パターンでビット“0”を表すので、禁止コード配列0を表す画像は、右下がり斜線パターンのみを含む。そして、所定の処理を禁止するための禁止情報をこの禁止コード配列0により埋め込む。尚、所定の処理の一例として原稿の複製を考えた場合、禁止情報は、原稿の複製を禁止するための情報となる。
【0009】
また、(b)は、禁止コード配列1を表す画像を示している。ここで、禁止コード配列1とは、ビット“1”のみからなるコード配列である。本実施の形態では、右上がり斜線パターンでビット“1”を表すので、禁止コード配列1を表す画像は、右上がり斜線パターンのみを含む。そして、所定の処理を禁止するための禁止情報をこの禁止コード配列1により埋め込む。尚、所定の処理の一例として原稿の複製を考えた場合、禁止情報は、原稿の複製を禁止するための情報となる。
【0010】
一方、(c)は、条件コード配列を表す画像を示している。ここで、条件コード配列は、ビット“0”とビット“1”とからなる。本実施の形態では、右下がり斜線パターンでビット“0”を表し、右上がり斜線パターンでビット“1”を表すので、条件コード配列を表す画像は、右下がり斜線パターン及び右上がり斜線パターンの両方を含む。そして、この条件コード配列に、所定の処理の禁止を解除する条件を示す条件情報を埋め込む。尚、所定の処理の一例として原稿の複製を考えた場合、条件情報は、原稿の複製の禁止を解除する条件を示す情報となる。この場合、条件情報としては、暗証番号、ユーザID、日時、複写機の番号等が例示される。
尚、以下では、禁止情報及び条件情報を総称して「制御情報」と呼ぶこともある。
【0011】
また、図2は、埋め込み画像のレイアウトの一例を示した図である。
図において、斜線ハッチングされた矩形が図1(a)の禁止コード配列0が埋め込まれた領域(以下、「禁止領域0」という)を示し、縦線ハッチングされた矩形が図1(b)の禁止コード配列1が埋め込まれた領域(以下、「禁止領域1」という)を示し、ドットハッチングされた矩形が図1(c)の条件コード配列が埋め込まれた領域(以下、「条件領域」という)を示している。尚、以下では、禁止領域0、禁止領域1、条件領域を総称して「制御領域」と呼ぶこともある。
このレイアウトにおいて、各制御領域には、例えば、主走査方向に20個、副走査方向に20個のパターン画像が配置されるものとする。
ここで、埋め込み画像のレイアウトは、図2に示したものには限られない。例えば、禁止領域0と禁止領域1が主走査方向、副走査方向の何れにおいても交互に現れ、条件領域が存在しないようなレイアウトであってもよい。
【0012】
ところで、本実施の形態では、図1に示したように、微細な画素塊を周期的に配置することにより、制御情報を埋め込み画像に埋め込んでいる。一方で、埋め込み画像と重ねて印刷される文書画像の中にも、網点のような微細な画素塊として検出される画像が、制御情報の画素塊と近い周期で含まれる場合がある。このような場合、文書画像における画素塊を制御情報の画素塊と誤検出し、読み取った原稿が複製を禁止していないにも関わらず、複製を禁止する動作を行う可能性がある。
【0013】
ここで、制御領域のサイズは、図2に示したように所定サイズ以下になるはずであるが、網点等の画素塊を含む領域は一般にそれよりも大きなサイズになる。
そこで、本実施の形態では、このようなサイズの違いに着目し、制御情報として検出される画素塊がある程度広い範囲に連続して存在している領域は、制御情報が埋め込まれた領域として扱わないようにする。
【0014】
次に、このような動作を行う複写装置10について説明する。
図3は、複写装置10の構成例を示したブロック図である。
図示するように、複写装置10は、画像読取部11と、画像処理部12と、禁止ブロック判定部13と、禁止コード検知部14と、条件コード検知部15と、制御部16と、画像マスク部17と、画像形成部18とを備える。
【0015】
画像読取部11は、例えば原稿に印刷された画像を読み取ることにより、画像データを取得する。ここで、画像読取部11は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。本実施の形態では、画像を読み取る読取手段の一例として、画像読取部11を設けている。
画像処理部12は、画像読取部11から入力される画像データに対して所定の画像処理を施す。
【0016】
禁止ブロック判定部13は、画像読取部11から入力される画像データが表すコード配列をブロックに分割し、各ブロックを禁止コード検出の対象とするかどうかを判定する。本実施の形態では、特定領域を検出の対象にするかどうかを判定する判定手段の一例として、禁止ブロック判定部13を設けている。
禁止コード検知部14は、画像読取部11から入力される画像データが表すコード配列をブロックに分割し、それらのブロックのうち、禁止ブロック判定部13により禁止コード検出の対象と判定されたブロックから禁止コードを検知する。本実施の形態では、領域を検出する検出手段の一例として、禁止コード検知部14を設けている。
条件コード検知部15は、画像読取部11から入力される画像データが表すコード配列をブロックに分割し、それらのブロックから条件コードを検知する。
【0017】
制御部16は、禁止コード検知部14及び条件コード検知部15からの出力に基づいて画像マスク部17に対して例えば画像の塗り潰しを指示する信号を出力する。本実施の形態では、画像の他の媒体への印刷を制限する制限手段の一例として、制御部16を設けている。
画像マスク部17は、制御部16から画像の塗り潰しを指示する信号が出力されると、画像処理部12により画像処理が施された画像の塗り潰し処理を行う。
画像形成部18は、紙等の記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部18は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
【0018】
次いで、複写装置10の動作について説明する。
複写装置10では、まず、画像読取部11が原稿画像を読み取って得られた画像データを、画像処理部12、禁止ブロック判定部13、禁止コード検知部14、条件コード検知部15に出力する。
これにより、画像処理部12は、画像読取部11から出力された画像データに対して所定の画像処理を施し、画像マスク部17に出力する。
また、禁止ブロック判定部13は、画像読取部11から出力された画像データが表すコード配列のブロックごとに、禁止コード検出対象かどうかを示す情報を禁止コード検知部14に出力する。尚、禁止ブロック判定部13の詳細な動作は後述する。
【0019】
更に、禁止コード検知部14は、画像読取部11から出力された画像データから禁止コードを検出する。
ここで、禁止コード検知部14の動作について説明する。
図4は、禁止コード検知部14の動作例を示したフローチャートである。
禁止コード検知部14は、まず、画像読取部11から入力された画像データを“0”又は“1”の2値データに変換する(ステップ101)。そして、2値データに含まれるノイズ成分を除去する(ステップ102)。ここでは、例えば、黒画素が連結している画素塊を求め、その画素塊の大きさが所定の範囲にない画素塊の各画素を白画素に置き換える。所定の範囲としては、斜線パターンは削除されず、例えば、孤立ドットパターンが削除されるような範囲を設定するとよい。
【0020】
次に、禁止コード検知部14は、ノイズ除去後の画像から、図1に示した2種類のパターン画像を検出し、各パターン画像をビット“0”又はビット“1”に置き換えて、コード配列を求める(ステップ103)。例えば、2値データで表された画像中の各画素の位置で、基準となる右下がり斜線パターン及び右上がり斜線パターンを順次当てはめて、テンプレートマッチングによってパターン画像を検出する。そして、図1のパターン画像を用いたとすると、右下がり斜線パターンを検出した場合にはビット“0”を出力し、右上がり斜線パターンを検出した場合にはビット“1”を出力する。尚、テンプレートマッチングを利用したパターン画像の検出手法は公知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0021】
その後、禁止コード検知部14は、ビット“0”又はビット“1”からなるコード配列を、所定サイズの小領域(ブロック)に分割する(ステップ104)。例えば、ブロックのサイズを、制御領域のサイズの半分よりも小さいサイズとし、各制御領域の中に1個以上のブロックが完全に含まれるようなサイズに設定する。
【0022】
このようにしてコード配列は複数のブロックに分割されるが、本実施の形態では、禁止ブロック判定部13が、後述する処理により、各ブロックが禁止コード検出対象かどうかを判定し、その結果を禁止コード検知部14に出力している。そこで、禁止コード検知部14は、この判定結果を受けて、各ブロックが禁止コード検出対象かどうかを示す情報を保持する(ステップ105)。
【0023】
また、禁止コード検知部14は、ステップ105で禁止コード検出対象と判定されたブロックについて、その属性を決定する(ステップ106)。ここで、ブロックの属性とは、そのブロックが、ビット“0”を多く含む禁止ブロック0であるか、ビット“1”を多く含む禁止ブロック1であるか、ビット“0”及びビット“1”を含む条件ブロックであるか、を意味する。従って、まず、禁止コード検出対象のブロックについて、その中に存在するビット“0”及びビット“1”の個数をそれぞれ算出し、その個数の合計値も算出する。そして、ビット“0”の個数と合計値とから求めたビット“0”の比率に基づいて、ブロックの属性を判定する。
【0024】
ここで、注目するブロックが、禁止領域0の内部に位置している場合、ブロックの内部には所定個数以上のビット“0”が検出され、かつ、ビット“1”は殆ど検出されないため、ビット“0”の比率が高く、比率100%〜0%を1.0〜0.0と表現すると殆ど1.0に近いはずである。
また、注目するブロックが、禁止領域1の内部に位置している場合、ブロックの内部には所定個数以上のビット“1”が検出され、かつ、ビット“0”は殆ど検出されないため、ビット“0”の比率は低く、殆ど0.0に近いはずである。
更に、注目するブロックが、条件領域の内部に位置している場合、ブロックの内部には複数のビット“0”及び複数のビット“1”が検出されるため、ビット“0”の比率は1.0よりもかなり低く、0.0よりもかなり高くなるはずである。
また、画像読取部11から出力された画像データが、制御情報が埋め込まれた原稿画像に対応するものである場合、ブロックの内部にはビット“0”とビット“1”とがそれぞれが複数個埋め込まれているはずである。
【0025】
禁止コード検知部14は、このような特性を利用し、ブロックの属性を以下のように決定する。即ち、
1)パターン画像の合計個数>閾値Th1、かつ、ビット“0”の比率>閾値Th2の場合、ブロックは禁止領域0に属する、
2)パターン画像の合計個数>閾値Th1、かつ、(1−ビット“0”の比率)>閾値Th2の場合、ブロックは禁止領域1に属する、
3)1)及び2)の何れでもない場合、ブロックは禁止領域には属していない、
と判定する。
【0026】
ここで、閾値Th1は、ブロックのサイズと制御領域のサイズとからブロックに理論上含まれるパターン画像の個数を求め、これにマージンを加味して設定するとよい。また、閾値Th2は、1.0に近い値を設定する(一例として、閾値Th2=0.95)。
【0027】
次に、禁止コード検知部14は、禁止ブロック0の数、及び、禁止ブロック1の数をそれぞれ別にカウントする(ステップ107)。そして、このカウントされた値と閾値Th3とを比較する(ステップ108)。ここで、閾値Th3は、禁止コードの種類数に応じて適宜調整するとよい。
【0028】
その結果、禁止ブロック0の数が閾値Th3以上となり、かつ、禁止ブロック1の数が閾値Th3以上となった場合、その画像を複製禁止文書と判定し(ステップ109)、それ以外は複製禁止文書に該当しないと判定する(ステップ110)。そして、各判定結果を制御部16へ出力する(ステップ111)。
【0029】
一方、条件コード検知部15は、画像読取部11から出力された画像データから条件コードを検出する。
尚、条件コードの検出処理は、以下の点を除き、禁止コードの検出処理と同様である。
第一に、条件コードを検出する際には、原稿読取り時のスキュー角度を考慮する必要があるという点である。原稿が90度回転していた場合、ビット“0”に対応する右下がり斜線パターンは、ビット“1”に対応する右上がり斜線パターンとして検出され、ビット“1”に対応する右上がり斜線パターンは、ビット“0”に対応する右下がり斜線パターンとして検出される。このようにビット“0”とビット“1”の逆転が起こっても、複製禁止文書かどうかの判定には影響しない。しかしながら、条件コードを検出する場合は、各パターン画像がビット“0”を表すのかビット“1”を表すのかを正確に判断しないと、誤った情報を抽出することになるからである。
第二に、条件コードについては、誤った情報を抽出することによる誤動作を避けるため、誤り訂正符号化が行われる。従って、条件コードの検出においては、誤り訂正の復号処理を行う必要がある。
【0030】
以上により、制御部16は、禁止コード検知部14からの出力に応じて、原稿が複製禁止文書であるときには、画像を塗り潰すことを指示する信号を、原稿が複製禁止文書でないときには、画像を塗り潰さずに通常の複製を行うように指示する信号を、画像マスク部17に対して出力する。尚、制御部16は、原稿が複製禁止文書であるときには、画像形成部18に対してコピー動作の中止を指示する信号を出力してもよい。また、制御部16は、条件コード検知部15からの出力に応じて、所定の条件が満足されれば複製を行うように指示する信号を出力するようにしてもよい。
【0031】
次に、本実施の形態における禁止ブロック判定部13について説明する。既に述べたように、この禁止ブロック判定部13は、禁止コード検出対象とすべきブロックを禁止コード検知部14に伝えるものである。本実施の形態では、ブロックを禁止コード検出対象とすべきかどうかを、そのブロック内のコード配列とそのブロックを囲む枠を構成するブロック内のコード配列とを比較することによって判定する。
以下、具体的な判定方法を第1の判定方法及び第2の判定方法として述べる。
【0032】
[第1の判定方法]
図5は、第1の判定方法の概要を具体的に示した図である。
ここでは、図2のレイアウトにおける禁止領域1を中心とした部分について示している。この図において、まず、禁止領域1は3ブロック×3ブロックの大きさとしている。また、禁止領域1を囲む判定枠を、禁止領域1の上辺に接する3つの条件ブロックと、禁止領域1の下辺に接する3つの条件ブロックと、禁止領域1の左辺に接する3つの条件ブロックと、禁止領域1の右辺に接する3つの条件ブロックとで構成し、実線で示している。また、各ブロックは点線で示している。
【0033】
この第1の判定方法では、まず、ブロックごとに、ブロック内のビット“0”とビット“1”の比率を算出し、ビット“0”の比率が閾値以上の場合、そのブロックを禁止ブロック0と判定する。一方、ビット“1”の比率が閾値以上の場合、そのブロックを禁止ブロック1と判定する。また、どちらでもなければ、そのブロックを条件ブロックと判定する。そして、禁止領域を構成する各ブロックが、所定サイズの判定枠で囲めるかどうかを判断する。尚、この第1の判定方法において、判定枠とは、注目しているブロックが属性として持つビット値以外のビット値を属性として持つブロックで構成される枠のことをいうものとする。図では、禁止領域1内の全てのブロックが判定枠(禁止ブロック0又は条件ブロックで構成される枠)で囲めるので、これらのブロックは禁止コード検知対象となる。仮にブロックが判定枠で囲めなければ、そのブロックは禁止コード検知対象から除外される。
尚、ここで、所定サイズは、3ブロック×3ブロックとしたが、それよりも小さい判定枠で囲める場合にブロックを禁止コード検知対象としてもよい。
【0034】
次に、ブロックが判定枠で囲めるかどうかを調べる際の具体的手順について説明する。
図6は、このときの具体的な手順を示した図である。
(a)〜(i)の全てにおいて、注目しているブロックを太い実線で示している。そして、細い実線で示す3ブロック×3ブロックの枠を(a)〜(i)で示すように動かし、注目しているブロックが判定枠で囲まれるかどうかを調べている。図では、(a)のように枠を設定した場合、注目するブロックが禁止ブロック1であり、枠を構成するブロックが条件ブロックであるので、注目するブロックを判定枠で囲めることになる。一方、(b)〜(i)のように枠を設定した場合、注目するブロックが禁止ブロック1であり、枠を構成するブロックに禁止ブロック1が含まれるので、注目するブロックは判定枠で囲めない。
【0035】
ところで、原稿は回転した状態で読み取られることがある。
図7は、このような場合における判定枠のサイズ及び形状を例示したものである。
このうち、(a)は、原稿が45°回転した状態で読み取られた場合における第1の判定枠を示している。図では、第1の判定枠を細い実線で示している。この第1の判定枠の場合、形状は、図5及び6に示したものと同様、正方形の領域にその各辺で接するものであるが、サイズは、図5及び6に示したものよりも大きく、5ブロック×5ブロックとしている。この状態で、図中、太線で示したブロックは、そのブロックが属性として持つビット値以外のビット値を属性として持つブロック(禁止ブロック0又は条件ブロック)で構成される判定枠で囲めるので、禁止コード検知対象となる。
尚、原稿のスキュー角度は、例えばパターンマッチングによりパターン画像(右下がり斜線パターン又は右上がり斜線パターン)の角度を算出し、その統計情報から求めるとよい。
【0036】
また、(b)は、原稿が45°回転した状態で読み取られた場合における第2の判定枠を示している。図では、第2の判定枠を細い実線で示している。この第2の判定枠の場合、形状が、図5及び6に示したものとは異なり、正方形を45°回転させた図形に沿った形状となっている。この状態で、図中、太線で示したブロックは、そのブロックが属性として持つビット値以外のビット値を属性として持つブロック(禁止ブロック0又は条件ブロック)で構成される判定枠で囲めるので、禁止コード検知対象となる。
尚、ここでは、原稿が45°回転した状態で読み取られた場合における判定枠の例を示したが、原稿の読取り時におけるスキュー角度は、45°には限らない。例えば、22.5°であってもよい。また、その他の角度については、45°又は22.5°に近似すればよい。
【0037】
ここで、この第1の判定方法を採用した場合の禁止ブロック判定部13について説明する。
図8は、この場合の禁止ブロック判定部13の構成例を示したブロック図である。
図示するように、禁止ブロック判定部13は、2値化部21と、ノイズ除去部22と、コード配列検出部23と、ブロック分割部24と、ブロック属性決定部25と、枠決定部26と、属性比較部27とを備える。
【0038】
2値化部21は、入力された画像データを“0”又は“1”の2値データに変換して出力する。本実施の形態では、読取画像を取得する取得手段の一例として、2値化部21を設けている。
ノイズ除去部22は、2値化部21により出力された2値データのノイズ成分を除去する。
コード配列検出部23は、ノイズ除去部22によりノイズ成分が除去された2値データからパターン画像を検出し、各パターン画像が右下がり斜線パターン及び右上がり斜線パターンの何れに対応するかを検査することにより、ビット“0”又はビット“1”からなるコード配列を検出する。本実施の形態では、埋め込み画像を検出する検出手段の一例として、また、埋め込み画像の傾きを算出する算出手段の一例として、コード配列検出部23を設けている。
ブロック分割部24は、コード配列検出部23により検出されたコード配列をブロックに分割する。
ブロック属性決定部25は、ブロック分割部24による分割で得られたブロックが、禁止ブロック0、禁止ブロック1、条件ブロックの何れに該当するかの属性を決定する。本実施の形態では、特定領域及び他の領域に属性情報を付加する付加手段の一例として、ブロック属性決定部25を設けている。
【0039】
枠決定部26は、ブロック属性決定部25によりブロック“0”又はブロック“1”と判定されたブロックについて、そのブロックが禁止コード検出対象であるかどうかを判定するために用いる枠の形状及びサイズを決定する。本実施の形態では、他の領域の形状及び大きさの少なくとも何れか一方を決定する決定手段の一例として、枠決定部26を設けている。
属性比較部27は、枠決定部26で決定された枠をコード配列上で走査しながら、注目しているブロックの属性と枠を構成するブロックの属性とを比較することにより、各ブロックを判定枠で囲めるかどうかを判定する。そして、その判定結果を禁止コード検知部14に出力する。尚、この場合、判定結果は領域ごとに禁止コード検知部14に出力されるが、禁止コード検知部14は、その領域を構成する各ブロックについて禁止コード検出対象かどうかを認識することになる。本実施の形態では、特定領域を所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段の一例として、属性比較部27を設けている。
【0040】
次に、禁止ブロック判定部13の動作について説明する。
図9は、禁止ブロック判定部13の動作例を示したフローチャートである。
禁止ブロック判定部13では、2値化部21が、入力された画像データを2値データに変換し(ステップ201)、ノイズ除去部22が、2値データからノイズ成分を除去し(ステップ202)、コード配列検出部23が、ノイズ成分除去後の2値データからコード配列を検出し(ステップ203)、ブロック分割部24が、コード配列をブロックに分割する(ステップ204)。尚、ステップ201〜204の処理は、図4のステップ101〜104の処理と同様であるので、詳しい処理内容については省略する。
【0041】
また、禁止ブロック判定部13では、ブロック属性決定部25が、各ブロックの属性、即ち、各ブロックが禁止ブロック0、禁止ブロック1、条件ブロックの何れに該当するかを決定する(ステップ205)。尚、ステップ205の処理は、図4のステップ106の処理と同様であるので、詳しい処理内容については省略する。
その後、ブロック属性決定部25は、1つのブロックに注目する(ステップ206)。そして、注目したブロックが禁止ブロック0又は禁止ブロック1であるかどうかを判定する(ステップ207)。
その結果、注目したブロックが禁止ブロック0でも禁止ブロック1でもないと判定されれば、つまり、条件ブロックであれば、ステップ206に戻って次のブロックに注目するが、ブロックが禁止ブロック0又は禁止ブロック1であると判定されれば、そのブロックについての処理を枠決定部26及び属性比較部27に実行させる。
【0042】
ところで、ステップ203でコード配列検出部23がパターン画像を検出する際に取得したパターン画像の角度の情報に基づいて、ステップ206で注目したブロックのスキュー角度が分かる。そこで、枠決定部26は、そのスキュー角度に対して予め定められた形状及びサイズの枠を、属性比較部27が用いる枠に決定する(ステップ208)。尚、この枠の決定については、ステップ203の直後に行うようにしてもよい。
その後、属性比較部27が、図6に示したように、コード配列上で枠を動かして判定枠を探し出す判定枠探索処理を行う(ステップ209)。そして、この判定枠探索処理の結果、ブロックを判定枠で囲めるかどうかを判定する(ステップ210)。
【0043】
その結果、ブロックを判定枠で囲めると判定すると、そのブロックを禁止コード検出の対象とする(ステップ211)。一方、ブロックを判定枠で囲めないと判定すると、そのブロックを禁止コード検出の対象とはしない(ステップ212)。
そして、最後に、禁止ブロック判定部13は、所定の領域内の全てのブロックについて判定したかを判断する(ステップ213)。ここで、全てのブロックについて判定していなければ、ステップ206に戻り、次のブロックについて同様の処理を行うが、全てのブロックについて判定した場合は、処理を終了する。
【0044】
ここで、図9のステップ209における判定枠探索処理について詳細に説明する。
図10は、このときの属性比較部27の動作例を示したフローチャートである。尚、ここでは、枠に囲まれる領域、つまり、枠の内周の内側の領域(以下、「内周内領域」という)のサイズをNブロック×Nブロックとして説明する。
属性比較部27は、注目しているブロックが、内周内領域において左からI番目、上からJ番目のブロックとなるように、枠を動かしながら、そのブロックのビット値とは異なるビット値のブロックで構成される枠の位置を見つける。
【0045】
まず、属性比較部27は、内周内領域におけるブロックの横方向の位置を示すインデックスIに“1”を代入する(ステップ221)。また、内周内領域におけるブロックの縦方向の位置を示すインデックスJにも“1”を代入する(ステップ222)。そして、(I,J)を(N,N)まで変化させながら、各(I,J)について以下の処理を行う。
【0046】
即ち、属性比較部27は、注目しているブロックのビット値と枠を構成する各ブロックのビット値とを比較する。
その場合、まず、属性比較部27は、内周内領域に枠自体を加えた領域、つまり、枠の外周の内側の領域(以下、「外周内領域」という)におけるブロックの縦方向又は横方向の位置を示すインデックスKに“2”を代入する(ステップ223)。そして、KをN+1まで変化させながら、各Kについて以下の処理を行う。
尚、以下では、内周内領域における横方向にI番目、縦方向にJ番目のブロックのビット値をB(I,J)と表記する。また、外周内領域における横方向にK1番目、縦方向にK2番目のブロックのビット値をF(K1,K2)と表記する。
【0047】
まず、属性比較部27は、F(K,1)がB(I,J)と同じかどうかを判定する(ステップ224)。その結果、F(K,1)がB(I,J)と同じでなければ、F(K,N+2)がB(I,J)と同じかどうかを判定する(ステップ225)。その結果、F(K,N+2)がB(I,J)と同じでなければ、F(1,K)がB(I,J)と同じかどうかを判定する(ステップ226)。その結果、F(1,K)がB(I,J)と同じでなければ、F(N+2,K)がB(I,J)と同じかどうかを判定する(ステップ227)。その結果、F(N+2,K)がB(I,J)と同じでなければ、Kに1を加算して(ステップ228)、KがN+1よりも大きいか判定する(ステップ229)。そして、KがN+1よりも大きくなければ、ステップ224に戻り、KがN+1よりも大きければ、注目しているブロックは判定枠で囲まれたことになるので、その旨を保持しておく(ステップ230)。
【0048】
一方、注目しているブロックのビット値と枠を構成する各ブロックのビット値の比較の何れかにおいて両方のビット値が同じになれば、注目しているブロックは判定枠で囲まれたことにはならない。従って、枠の位置をずらして、判定枠で囲めるかの判断を継続する。
即ち、ステップ224でF(K,1)とB(I,J)が同じになった場合、ステップ225でF(K,N+2)とB(I,J)が同じになった場合、ステップ226でF(1,K)とB(I,J)が同じになった場合、ステップ227でF(N+2,K)とB(I,J)が同じになった場合は、Jに1を加算して(ステップ231)、JがNを超えたか判定する(ステップ232)。そして超えていなければ、ステップ223に戻るが、超えていれば、Iに1を加算して(ステップ233)、IがNを超えたか判定する(ステップ234)。そして超えていなければ、ステップ222に戻るが、超えていれば、判定枠で囲まれない旨を保持し(ステップ235)、処理を終了する。
【0049】
[第2の判定方法]
図11は、第2の判定方法の概要を具体的に示した図である。
ここでも、図2のレイアウトにおける禁止領域1を中心とした部分について示している。但し、この第2の判定方法では、制御領域よりも小さいブロックごとにビット値を求めてそれを比較することは行わないので、ブロックについては図示していない。この図において、禁止領域1を囲む判定枠は実線で示している。即ち、内側の実線と外側の実線で囲まれた領域が、判定枠の領域(以下、「枠内領域」という)である。
【0050】
この第2の判定方法では、まず、内周内領域におけるビット“0”とビット“1”の比率を算出する。一方、枠内領域におけるビット“0”とビット“1”の比率も算出する。そして、内周内領域におけるビット“0”の比率が閾値以上であり、枠内領域におけるビット“0”の比率が閾値以下の場合、又は、内周内領域におけるビット“1”の比率が閾値以上であり、枠内領域におけるビット“1”の比率が閾値以下の場合、内周内領域は判定枠で囲めるので禁止領域であると判定する。但し、これはあくまで一例であり、内周内領域におけるビット“0”の比率と枠内領域におけるビット“0”の比率との開きが所定の基準以上ある場合、又は、内周内領域におけるビット“1”の比率と枠内領域におけるビット“1”の比率との開きが所定の基準以上ある場合に、禁止領域と判定してもよい。尚、この第2の判定方法において、判定枠とは、このような2つの領域間での比率の開きを所定の基準以上とする枠のことをいうものとする。
尚、この第2の判定方法において、原稿のスキュー角度によって枠の形状を変更してもよい。
【0051】
ここで、この第2の判定方法を採用した場合の禁止ブロック判定部13について説明する。
図12は、この場合の禁止ブロック判定部13の構成例を示したブロック図である。
図示するように、禁止ブロック判定部13は、2値化部21と、ノイズ除去部22と、コード配列検出部23と、ブロック分割部24と、枠決定部26と、比率比較部28とを備える。
【0052】
2値化部21、ノイズ除去部22、コード配列検出部23、ブロック分割部24、枠決定部26は、図8に示したものと同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
比率比較部28は、枠決定部26で決定された枠をコード配列上で走査しながら、注目している領域のビット値の比率と枠内の領域のビット値の比率とを比較することにより、注目する領域を判定枠で囲めるかどうかを判定する。そして、その判定結果を禁止コード検知部14に出力する。本実施の形態では、特定領域を所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段の一例として、比率比較部28を設けている。
【0053】
次に、禁止ブロック判定部13の動作について説明する。
図13は、禁止ブロック判定部13の動作例を示したフローチャートである。
禁止ブロック判定部13では、2値化部21が、入力された画像データを2値データに変換し(ステップ251)、ノイズ除去部22が、2値データからノイズ成分を除去し(ステップ252)、コード配列検出部23が、ノイズ成分除去後の2値データからコード配列を検出し(ステップ253)、ブロック分割部24が、コード配列をブロックに分割する(ステップ254)。尚、ステップ251〜254の処理は、図4のステップ101〜104の処理と同様であるので、詳しい処理内容については省略する。
また、禁止ブロック判定部13では、ブロック分割部24が、ブロックの分割区切りを参照して1つの領域に注目する(ステップ255)。
【0054】
ところで、ステップ253でコード配列検出部23がパターン画像を検出する際に取得したパターン画像の角度の情報に基づいて、ステップ255で注目した領域のスキュー角度が分かる。そこで、枠決定部26は、そのスキュー角度に対して予め定められた形状及びサイズの枠を、比率比較部28が用いる枠に決定する(ステップ256)。尚、この枠の決定については、ステップ253の直後に行うようにしてもよい。
その後、比率比較部28が、注目する領域を判定枠で囲めるかどうかを判定する(ステップ257)。
【0055】
その結果、領域を判定枠で囲めると判定すると、その領域を禁止コード検出の対象とする(ステップ258)。一方、領域を判定枠で囲めないと判定すると、その領域を禁止コード検出の対象とはしない(ステップ259)。
そして、最後に、禁止ブロック判定部13は、所定の領域内の全ての領域について判定したかを判断する(ステップ260)。ここで、全ての領域について判定していなければ、ステップ255に戻り、次の領域について同様の処理を行うが、全ての領域について判定した場合は、処理を終了する。
【0056】
ところで、これまでは上記処理を複写装置10内で行うようにしたが、本実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、汎用のコンピュータ90にて上記処理を実行してもよい。
図14は、コンピュータ90のハードウェア構成を示した図である。
図示するように、コンピュータ90は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)91と、記憶手段であるメインメモリ92及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)93とを備える。ここで、CPU91は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、上述した各機能を実現する。また、メインメモリ92は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置93は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
更に、コンピュータ90は、外部との通信を行うための通信I/F94と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構95と、キーボードやマウス等の入力デバイス96とを備える。
【0057】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態で印刷される埋め込み画像を構成する画像の例を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態で印刷される埋め込み画像のレイアウトの例を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態における複写装置の機能構成例を示したブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態における禁止コード検知部の動作例を示したフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における禁止コード検出対象領域の第1の判定方法について説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態における禁止コード検出対象領域の第1の判定方法について説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態における禁止コード検出対象領域の第1の判定方法について説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態における禁止ブロック判定部の機能構成例を示した図である。
【図9】本発明の実施の形態における禁止ブロック判定部の動作例を示したフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態における属性比較部の動作例を示したフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態における禁止コード検出対象領域の第2の判定方法について説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態における禁止ブロック判定部の機能構成例を示した図である。
【図13】本発明の実施の形態における禁止ブロック判定部の動作例を示したフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態を適用可能なコンピュータのハードウェア構成図である。
【符号の説明】
【0059】
10…複写装置、11…画像読取部、12…画像処理部、13…禁止ブロック判定部、14…禁止コード検知部、15…条件コード検知部、16…制御部、17…画像マスク部、18…画像形成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率に応じて当該特定領域に属性情報を付加し、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率に応じて当該他の領域に属性情報を付加する付加手段と、
前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致するかどうかに基づいて、当該特定領域を、前記第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致しない場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にすると判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致する場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にしないと判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の傾きを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記傾きに応じて、前記他の領域の形状及び大きさの少なくとも何れか一方を決定する決定手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率と、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率との開きが所定の基準以上あるかどうかに基づいて、当該特定領域を、当該第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記特定領域における前記第1の特定画像の出現率が第1の閾値以上で、前記他の領域における当該第1の特定画像の出現率が当該第1の閾値よりも小さな第2の閾値以下である場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にすると判定することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記判定手段は、前記特定領域における前記第1の特定画像の出現率が第1の閾値以上で、前記他の領域における当該第1の特定画像の出現率が当該第1の閾値よりも小さな第2の閾値以下である場合以外の場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にしないと判定することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項8】
画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の前記第1の特定画像を含む領域の大きさに基づいて、当該領域を、当該第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む画像が印刷された媒体から当該画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた前記画像の領域のうち、前記第1の特定画像の出現率が第1の基準以上である領域を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された領域の数が第2の基準以上である場合に、前記読取手段により読み取られた前記画像の他の媒体への印刷を制限する制限手段と、
前記読取手段により読み取られた前記画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率に応じて当該特定領域に付加された属性情報と、前記読取手段により読み取られた前記画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率に応じて当該他の領域に付加された属性情報とが一致するかどうかに基づいて、当該特定領域を、前記検出手段による検出の対象にするかどうかを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
コンピュータに、
画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する機能と、
取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する機能と、
検出された前記埋め込み画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率に応じて当該特定領域に属性情報を付加し、検出された前記埋め込み画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率に応じて当該他の領域に属性情報を付加する機能と、
前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致するかどうかに基づいて、当該特定領域を、前記第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率に応じて当該特定領域に属性情報を付加し、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率に応じて当該他の領域に属性情報を付加する付加手段と、
前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致するかどうかに基づいて、当該特定領域を、前記第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致しない場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にすると判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致する場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にしないと判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の傾きを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記傾きに応じて、前記他の領域の形状及び大きさの少なくとも何れか一方を決定する決定手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率と、前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率との開きが所定の基準以上あるかどうかに基づいて、当該特定領域を、当該第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記特定領域における前記第1の特定画像の出現率が第1の閾値以上で、前記他の領域における当該第1の特定画像の出現率が当該第1の閾値よりも小さな第2の閾値以下である場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にすると判定することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記判定手段は、前記特定領域における前記第1の特定画像の出現率が第1の閾値以上で、前記他の領域における当該第1の特定画像の出現率が当該第1の閾値よりも小さな第2の閾値以下である場合以外の場合に、当該特定領域を、前記所定の処理の対象にしないと判定することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項8】
画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記埋め込み画像の前記第1の特定画像を含む領域の大きさに基づいて、当該領域を、当該第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む画像が印刷された媒体から当該画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた前記画像の領域のうち、前記第1の特定画像の出現率が第1の基準以上である領域を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された領域の数が第2の基準以上である場合に、前記読取手段により読み取られた前記画像の他の媒体への印刷を制限する制限手段と、
前記読取手段により読み取られた前記画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率に応じて当該特定領域に付加された属性情報と、前記読取手段により読み取られた前記画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率に応じて当該他の領域に付加された属性情報とが一致するかどうかに基づいて、当該特定領域を、前記検出手段による検出の対象にするかどうかを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
コンピュータに、
画像読取装置により読み取られた読取画像を取得する機能と、
取得された前記読取画像から、第1の形状を有する第1の特定画像と第2の形状を有する第2の特定画像とを含む埋め込み画像を検出する機能と、
検出された前記埋め込み画像の特定領域における前記第1の特定画像の出現率に応じて当該特定領域に属性情報を付加し、検出された前記埋め込み画像の当該特定領域を囲む他の領域における当該第1の特定画像の出現率に応じて当該他の領域に属性情報を付加する機能と、
前記特定領域に付加された属性情報と、前記他の領域に付加された属性情報とが一致するかどうかに基づいて、当該特定領域を、前記第1の特定画像を用いた所定の処理の対象にするかどうかを判定する機能と
を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−105529(P2009−105529A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273571(P2007−273571)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]