説明

画像処理装置およびプログラム

【課題】処理終了後における画像処理装置の動作状態を制御し、画像処理装置の機能が使用されないときの消費電力を低減する。
【解決手段】動作状態として高電力状態と低電力状態とをそれぞれ有する複数の機能部と、動作状態として高電力状態と低電力状態とを有し、利用者の操作を受け付ける操作受付部と、少なくとも操作受付部の動作状態と他の機能部の動作状態とを個別に、高電力状態と低電力状態とを遷移させて制御する制御部と、を備える。制御部は、操作受付部が高電力状態である場合、少なくとも特定の種類の処理に関して、この処理の実行終了後、第1設定時間が経過した後に、高電力状態である機能部の動作状態を低電力状態へ移行させる。一方、操作受付部が低電力状態である場合、この特定の種類の処理の実行終了後、第1設定時間とは異なる第2設定時間が経過した後に、高電力状態である機能部の動作状態を低電力状態へ移行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電源投入後直ちにスリープモードへの移行を行い、電力浪費を低減する技術がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術は、プリンタ装置は電源オン認識部を有し、電源の入力を検出すると、スリープモード管理部に電源入力を通知し、スリープモード管理部はただちにプリンタエンジンにスリープモードの設定を行い、例えば定着部等を低温に保持することにより無駄な電力消費をただちに無くす構成である。また、通常のスリープモードへの移行もアイドル状態計時タイマー、およびスリープ移行時間記憶部を使用することによって同時に行うこともでき、利便性の優れたプリンタ装置を提供するものである。
【0003】
また、サーバ装置がネットワーク上に存在する複数の画像処理装置の節電モード移行時間情報を一括集中管理して、グループ化されるそれぞれの画像処理装置の節電モード移行時間情報を一斉に書き換えて、各画像処理装置の節電環境を整合させて節電効果の高い画像処理環境を自在に構築する技術がある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された技術は、各出力装置の節電モード移行時間情報をグループ別に管理するサーバから通知される各節電モード移行時間情報に基づき、出力装置がそれぞれ通知される各節電モード時間に従い、節電モード処理を実行する。
【0004】
また、全体としての電力浪費を最小限に抑制しつつ、速やかな印刷を得ることができるプリンタシステムの技術がある(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に記載された技術は、複数のクライアント端末装置と複数のプリンタと管理サーバ装置とをネットワークを介して相互接続してなるプリンタシステムであって、各プリンタは、管理サーバ装置からのリモートコントロールにより電源をON/OFF/Sleepの各モードに切り換える機能を備え、管理サーバ装置は、クライアント端末装置のネットワークへの接続を監視し且つクライアント端末装置から指示された印刷ジョブおよびネットワークに接続中のクライアント端末装置毎の印刷ジョブ履歴に応じてプリンタの電源をON/OFF/Sleepの各モードに切り換える機能を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3666656号公報
【特許文献2】特許第3134501号公報
【特許文献3】特許第3654638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、処理終了後における画像処理装置の動作状態を制御し、画像処理装置の機能が使用されないときの消費電力を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、
媒体に画像を形成する画像形成機能部および外部からの処理の実行指示を受信する受信機能部を含み、動作状態として消費電力の大きい動作状態である高電力状態と消費電力の小さい動作状態である低電力状態とをそれぞれ有する複数の機能部と、
動作状態として前記高電力状態と前記低電力状態とを有し、利用者の操作を受け付ける操作受付部と、
少なくとも前記操作受付部の動作状態と前記機能部の動作状態とを個別に、前記高電力状態と前記低電力状態とを遷移させて制御し、前記操作受付部が前記高電力状態である場合、少なくとも特定の種類の処理に関して、当該処理の実行終了後、第1設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させ、前記操作受付部が前記低電力状態である場合、前記特定の種類の処理の実行終了後、前記第1設定時間とは異なる第2設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させる、制御部と、
を備えることを特徴とする、画像処理装置である。
請求項2に記載の発明は、
前記第2設定時間は、前記第1設定時間よりも短い時間であることを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項3に記載の発明は、
前記制御部は、前記操作受付部の操作および前記受信機能部により受信される指示の少なくとも一方により、前記第1設定時間および前記第2設定時間の少なくとも一方の設定を受け付けることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の画像処理装置である。
請求項4に記載の発明は、
前記制御部は、複数の前記機能部の動作状態を個別に、前記高電力状態と前記低電力状態とを遷移させて制御することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像処理装置である。
請求項5に記載の発明は、
前記制御部は、処理の種類ごとに個別に設定された前記第1設定時間および前記第2設定時間に基づき、高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させる制御を行うことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置である。
請求項6に記載の発明は、
前記制御部は、特定の種類の処理に関して、前記操作受付部が前記低電力状態でありかつ前記画像形成機能部が前記高電力状態である場合、当該処理の実行終了後、前記第1設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させる制御を行うことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の画像処理装置である。
請求項7に記載の発明は、
媒体に画像を形成する画像形成機能部および外部からの処理の実行指示を受信する受信機能部を含み、動作状態として消費電力の大きい動作状態である高電力状態と消費電力の小さい動作状態である低電力状態とをそれぞれ有する複数の機能部と、
動作状態として前記高電力状態と前記低電力状態とを有し、利用者の操作を受け付ける操作受付部と、
少なくとも前記操作受付部の動作状態と前記機能部の動作状態とを個別に、前記高電力状態と前記低電力状態とを遷移させて制御し、前記操作受付部が前記高電力状態であるかまたは前記画像形成機能部が前記低電力状態である場合、少なくとも特定の種類の処理に関して、当該処理の実行終了後、第1設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させ、前記操作受付部が前記低電力状態でありかつ前記画像形成機能部が前記高電力状態である場合、前記特定の種類の処理の実行終了後、前記第1設定時間とは異なる第2設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させる、制御部と、
を備えることを特徴とする、画像処理装置である。
請求項8に記載の発明は、
前記第2設定時間は、前記第1設定時間よりも短い時間であることを特徴とする、請求項7に記載の画像処理装置である。
請求項9に記載の発明は、
媒体に画像を形成する画像形成機能部と、外部からの処理の実行指示を受信する受信機能部と、利用者の操作を受け付ける操作受付部とを含み、動作状態として消費電力の大きい動作状態である高電力状態と消費電力の小さい動作状態である低電力状態とをそれぞれ有する複数の機能部を備えた画像処理装置を制御するコンピュータに、
前記操作受付部が前記高電力状態である場合、少なくとも特定の種類の処理に関して、当該処理の実行終了後、第1設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させる機能と、
前記操作受付部が前記低電力状態である場合、前記特定の種類の処理の実行終了後、前記第1設定時間とは異なる第2設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させる機能と、
を実現させることを特徴とする、プログラムである。
請求項10に記載の発明は、
前記第2設定時間は、前記第1設定時間よりも短い時間であることを特徴とする、請求項9に記載のプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、ユーザが直接操作する操作受付部の電力状態に応じて、各機能部の電力状態の遷移を制御し、画像処理装置全体の消費電力を低減することができる。
請求項2の発明によれば、ユーザによる直接の操作がない場合の画像処理装置全体の消費電力を低減することができる。
請求項3の発明によれば、各機能部の電力状態を遷移させる時間を設定可能とすることにより、ユーザの利便性を高めることができる。
請求項4の発明によれば、電力状態の遷移の制御を機能部ごとに個別に行うことにより、画像処理装置の様々な使用態様に対応して、画像処理装置全体の消費電力を低減することができる。
請求項5の発明によれば、電力状態の遷移の制御を処理の種類ごとに個別に行うことにより、画像処理装置の様々な使用態様に対応して、画像処理装置全体の消費電力を低減することができる。
請求項6の発明によれば、特定された処理に関して、特に、操作受付部の電力状態に加え画像形成機能部の電力状態を条件として、各機能部の電力状態の遷移を制御し、画像処理装置全体の消費電力を低減しつつユーザの利便性を高めることができる。
請求項7の発明によれば、ユーザが直接操作する操作受付部および画像形成機能部の電力状態に応じて、各機能部の電力状態の遷移を制御し、画像処理装置全体の消費電力を低減することができる。
請求項8の発明によれば、ユーザによる直接の操作がない場合の画像処理装置全体の消費電力を低減することができる。
請求項9の発明によれば、本発明のコンピュータが搭載された画像処理装置において、ユーザが直接操作する操作受付部の電力状態に応じて、各機能部の電力状態の遷移を制御し、画像処理装置全体の消費電力を低減することができる。
請求項10の発明によれば、ユーザによる直接の操作がない場合の画像処理装置全体の消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成例を示した図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の機能構成を説明するための図である。
【図3】画像形成ユニットの機能構成を説明する図である。
【図4】複写処理を行う場合の電源モード遷移の状態を示した図である。
【図5】画像形成機能部や各種制御機能部の制御部のハードウェア構成例を示した図である。
【図6】本実施の形態におけるジョブの実行後における電力状態の制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像処理装置>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1の全体構成例を示した図である。
同図に示す装置本体の一例としての画像形成装置1は、各色の画像データ(画像情報)に基づき画像形成を行う画像形成機能部である画像形成ユニット2と、原稿の画像を読み取って画像データを生成し画像形成ユニット2に送る画像読取ユニット3と、を備えている。画像形成ユニット2は、蓄積された画像を印刷し、画像読取ユニット3は、ユーザが指定したカラーモードや解像度に従い読み取りを実施する。画像読取ユニット3は、原稿送り装置(ADF)32および、プラテンガラスを覆う原稿台カバー34を有する。
また、画像形成装置1は、液晶パネル(LCD)141を備えてユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行う操作受付部であるユーザインターフェース(UI)ユニット4と、例えば公衆電話回線を介して画像情報の送受信を行うファクシミリ(FAX)ユニット5と、を備えている。
さらに、画像形成装置1は、画像形成ユニット2の筐体内部、または画像形成ユニット2に外付けで設けられ、画像形成ユニット2に用紙を供給する給紙ユニット6と、外部記憶装置としてのメモリユニット7と、を備えている。またさらに、画像形成装置1は、画像形成装置1全体の動作や通信回線を介した通信等を制御する制御部であるシステム制御(System Cont.)ユニット8と、各部に電力を供給する電力供給ユニット9と、を備えている。
【0011】
図2は、図1に示す画像形成装置1の機能構成を説明するための図である。本実施の形態では、画像形成ユニット2、画像読取ユニット3、UIユニット4、FAXユニット5、給紙ユニット6、メモリユニット7およびシステム制御ユニット8が、機内通信手段の一例である機内LAN10に接続されている。本実施の形態では、各制御機能部、画像形成機能部で構成されるユニット間を1本のバス(機内LAN10)に接続し、ユニット間の通信を実現している。この点において、各ユニット間の通信を異なる制御バスによって接続していた従来の技術とは異なる。
また、本実施の形態では、外部の機器(外部機器)とは、システム制御ユニット8を介して外部LAN12によって接続されている。すなわち、この場合、システム制御ユニット8は、例えば外部からのジョブの実行指示を受信する受信機能部として機能する。
【0012】
各ユニットには、後述するような電源供給・停止状態の判断や電源供給・停止の制御を各々、実行するための制御部が設けられている。この制御部として、図2に示すように、画像形成ユニット2には制御手段の一例としての画像形成制御部92、画像読取ユニット3には制御手段の一例としての画像読取制御部93、UIユニット4には制御手段の一例としてのUI制御部94、FAXユニット5には制御手段の一例としてのFAX制御部95、給紙ユニット6には制御手段の一例としての給紙制御部96、メモリユニット7には制御手段の一例としてのメモリ制御部97、システム制御ユニット8には制御手段の一例としてのシステム制御ユニット制御部98が設けられている。
このような制御部としては、例えばCPU(Central Processing Unit)およびASIC(Application Specific IC:特定用途向け集積回路)により構成することが考えられる。
【0013】
また、画像形成ユニット2には、画像の拡大・縮小や圧縮・非圧縮、画質調整、画像編集等の画像処理に係わる処理を行う画像処理部120が設けられている。
また、画像読取ユニット3は、原稿送り装置(ADF)32(図1参照)への原稿(複写すべき用紙)の設置によりユーザによる原稿の準備を検知する原稿準備検知手段の一例としての原稿検知センサ130が設けられている。また、UIユニット4には、後述する電源モードをユーザが変更するための節電ボタン140が設けられている。節電ボタン140にて節電への遷移・復帰をユーザが明示的に指示することが可能である。また、UIユニット4にはコピーボタン142が設けられ、また、不図示の他のボタン例えばスキャンボタン、ファックス送信ボタン等が設けられている。なお、これらUIユニット4のボタンは、画像を表示する液晶パネル(LCD)141に透明のタッチパネルを配置することにより、配置することも考えられる。
なお、原稿検知センサ130は、原稿台カバー34の開閉が行われることによりユーザによる原稿の準備を検知するように構成することも考えられる。この場合には、そのような検知機構が、原稿準備検知手段の一例となる。
給紙ユニット6は、用紙トレイ160を備えている。この用紙トレイ160に収容される用紙のサイズを特定するためのサイズ情報は、給紙制御部96により機内LAN10を介して送信される。これにより、画像形成ユニット2ないしUIユニット4は、サイズ情報を取得する。この場合の給紙ユニット6の用紙トレイ160は給紙部の一例である。また、画像形成ユニット2ないしUIユニット4は、取得手段の一例であり、また、サイズ情報は、用紙の情報の一例である。
【0014】
メモリユニット7には、回転機構を有し、回転機構により回転して画像を記憶する第1の記憶媒体としてのハードディスクドライブ(HDD)170と、回転機構を有しない第2の記憶媒体としての不揮発性メモリ(NVM(Non Volatile Memory))172と、HDD170への転送前や画像処理部120にて処理前の画像ワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)174と、が設けられている。ハードディスクドライブ170は、磁性体を塗布した円盤を回転駆動し、この円盤に磁気ヘッドを用いてデータを書き込みまたは読み出しを行う記憶装置である。不揮発性メモリ172は、データの書き換えと電源を切った後のデータ保持が可能であり、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などを用いることができる。不揮発性メモリ172は、システムにて設定された情報(各ユニットのパラメータ等)を記憶するためのものであり、また、枠エリアサイズ等を記憶する。なお、パラメータは、複数の機能の実現の際に利用される情報の一例であり、また、不揮発性メモリ172は、そのような情報を保持する情報保持部の一例である。
また、システム制御ユニット8には、ユーザによって操作されると画像形成機能を発揮させるための信号を出力する装置本体の操作部の一例としてのスタートボタン180が設けられている。このスタートボタン180は、システム制御ユニット制御部98とホットラインで接続されている。すなわち、このスタートボタン180は、システム制御に関する実行をシステム制御ユニット制御部98に対して直接的に要求するためのキーであり、そのため、ホットキーと同様であると考えることができる。
【0015】
また、画像形成装置1の画像形成ユニット2および他のユニット(画像読取ユニット3、UIユニット4、FAXユニット5、給紙ユニット6、メモリユニット7およびシステム制御ユニット8)には電力ライン11が接続されており、この電力ライン11に接続されている電力供給ユニット9を介して電力が供給される。電力供給ユニット9は、常夜電源として、予め定めた電圧(24V)の電力を常に供給する。
【0016】
本実施の形態において、画像形成機能部である画像形成ユニット2、各種制御機能部である画像読取ユニット3、UIユニット4、FAXユニット5、給紙ユニット6、メモリユニット7およびシステム制御ユニット8は、個別に電力制御を行うことが可能な単位である。これらのユニットは、例えば、
(i)システム・スリープ時の電源状態(OFF)、
(ii)スタンバイ時の電力状態(5V)、
(iii)ジョブ実行時の電力状態(24V)
などの電源モードをもって電力制御を行う。これら電力制御では、画像形成機能部、各種制御機能部自身がシステムの状態や適切な時間経過を判断して、電源モードを遷移させる。すなわち、画像形成ユニット2の画像形成制御部92、各種制御機能部(画像読取ユニット3、UIユニット4、FAXユニット5、給紙ユニット6、メモリユニット7、システム制御ユニット8)の制御部(画像読取制御部93、UI制御部94、FAX制御部95、給紙制御部96、メモリ制御部97、システム制御ユニット制御部98)は、機内通信手段(機内LAN10)を介して得られる情報から自身の電源供給・停止状態を自ら判断し、電力供給手段である電力供給ユニット9からの電源供給・停止の制御を自ら実施している。したがって、画像形成制御部92および制御部(画像読取制御部93、UI制御部94、FAX制御部95、給紙制御部96、メモリ制御部97、システム制御ユニット制御部98)は、機内通信手段(機内LAN10)を介して送信される情報を取得する情報取得手段としても機能する。
【0017】
なお、このような電源供給・停止の制御は、各ユニットの間で行われる他、この各ユニットを構成するユニット内の各デバイス(各構成要素)の間においても実行される。すなわち、各ユニットを構成する各デバイスは、各デバイス間を接続するユニット内LANに各々、接続されている。そして、各デバイスに設けられた制御部によって、自身の電源供給・停止状態を自ら判断し、電源供給・停止の制御を自ら実施するように構成することが可能である。
【0018】
付言すると、画像形成ユニット2、画像読取ユニット3、FAXユニット5が自らの判断で遷移する状態として、例えば、第3の電力状態としての電源オフ状態、第2の電力状態としての5Vのオン状態、第1の電力状態としての24Vのオン状態の3状態がある。また、UIユニット4が自らの判断で遷移する状態として、例えば、第3の電力状態としての電源オフ状態、第2の電力状態としての液晶パネル(LCD)141のバックライトをオフにした状態、第1の電力状態としての24Vのオン状態の3状態がある。
【0019】
さらに、システム制御ユニット8の電源遷移状態として、例えば、第3の電力状態としての電源オフ状態、第3の電力状態としてのCPUオフ状態、第2の電力状態としての5Vのオン状態、第1の電力状態としての24Vのオン状態の4状態がある。このCPUオフ状態とは、待機状態にてCPUをオフする状態をいう。
【0020】
なお、上記の機能構成および各ユニットの電力状態は例示に過ぎず、図2および上記の説明に示す内容には限定されない。例えば、画像形成装置1は、図示の構成の他、FAXユニット5を有しない構成であっても良いし、画像読取ユニット3を有しない印刷専用機等であっても良い。また、図示のユニットに加えて、画像形成後の用紙に対して綴じや折り等の後処理を施す後処理ユニットを備え、他のユニットと同様に個別に電力制御可能な構成等としても良い。さらにまた、各ユニットの電力状態(電源モード)は、上記の各状態に限定するものではなく、オフ状態とオン状態の2種類の設定とするものや、4種類以上の設定を有するものであっても良い。また、各電力状態における5V、24Vといった値も例示に過ぎない。
以下具体的に説明する。
【0021】
<各ユニット内の説明>
各ユニット内で行われる電源供給・停止の制御について、画像形成ユニット2を代表例として説明する。
図3は、画像形成ユニット2の機能構成を説明する図である。画像形成機能部である画像形成ユニット2は、各色の画像データに基づき画像形成処理を行っている。図3に示す画像形成ユニット2は、ユニット内LAN21に、各デバイスの制御部として各種制御部22が接続されている。この各種制御部22としては、電子写真方式の画像形成処理を制御する帯電制御部、露光制御部、現像制御部、転写制御部、定着制御部などがある。これらの各種制御部22は、機構部23の各種機構(デバイス)を制御する。より具体的には、各種制御部22は、メカトロニクスI/O(IN/OUT)を介して、機構部23に配置されたモータやソレノイド、クラッチなどのデバイスの動作を制御している。また、機構部23に配置された感光体ドラムを帯電する際の帯電器や、感光体ドラムを露光するレーザ露光器などのデバイスに供給するプロセス設定値を制御している。
【0022】
また、ユニット内LAN21には、画像形成制御部92が接続されている。画像形成制御部92は、画像形成制御部92を制御するCPU921と、機内LAN10に接続され、機内LAN10から得られるコマンドにフィルタリングをかけるコマンドフィルタ922とを有している。例えば機内LAN10にて、画像形成ユニット2が処理すべき内容であることを示すコマンドが付された情報がブロードキャストされた際に、コマンドフィルタ922にてこのコマンドを選別する。電力供給ユニット9から電力ライン11を介して提供される常夜電源(例えば5V)は、このLANコマンドを検知するコマンドフィルタ922だけに供給されるように構成すれば、待機状態にてCPU921をオフすることもでき、さらなる省電力化が図られる。
【0023】
また、画像形成ユニット2などの各ユニットには、そのユニット内の電源部を有している。図3に示す画像形成ユニット2には画像形成電源部25が設けられており、画像形成制御部92の制御下で動作する。さらに、各ユニットには、ユニット内の電源部から各制御部に電力が供給されており、図3に示す画像形成ユニット2には、この画像形成電源部25からのスタンバイ電力(5V)を各種制御部22に提供する制御用電力ライン26が設けられている。また、画像形成ユニット2には、画像形成電源部25からの稼働電力(24V)を機構部23に提供する稼働電力ライン27が設けられている。
【0024】
<電源モード遷移の動作説明>
次に、画像形成機能部および制御機能部、統合制御機能部の動作について説明する。
ここでは、代表的な動作例として、複写処理を行う場合の電源モード遷移の動作について、画像形成ユニット2、画像読取ユニット3、FAXユニット5、UIユニット4、およびシステム制御ユニット8の電源モード遷移の状態を説明する。各ユニットでは、各ユニットの個別の判断で電源モードを遷移し、各ユニットの機能に応じた節電状態を維持する。以下に示す例では、画像形成ユニット2、画像読取ユニット3、FAXユニット5が自らの判断で遷移する状態として、電源オフ状態、5Vのオン状態、24Vのオン状態の3状態が示されている。また、UIユニット4が自らの判断で遷移する状態として、電源オフ状態、液晶パネル(LCD)141のオフ状態、24Vのオン状態の3状態が示されている。さらに、システム制御ユニット8の電源遷移状態として、電源オフ状態、CPUオフ状態、5Vのオン状態、24Vのオン状態の4状態が示されている。
【0025】
図4は、複写処理を行う場合の電源モード遷移の状態を示した図である。
図に示す「電源オン(ON)」は、例えば画像形成装置1の全体のスイッチ(メインスイッチ)がオフからオンされた状態であり、各ユニットは電源オンにより初期化処理を開始する。
【0026】
図に示す「レディ(Ready)」状態は、システム全体として、プリントや複写、ファクシミリ、スキャナ等の各種の画像処理動作が実行可能な状態であり、各ユニットの初期化処理が終了した状態である。画像形成ユニット2、画像読取ユニット3、FAXユニット5、UIユニット4の各ユニットは、各々が初期化処理を行い、初期化処理の終了後、機内LAN10を介して、初期化処理を終了してレディ状態になったことを示すコマンドをブロードキャストする。システム制御ユニット8は、各ユニットがレディ状態となったことを認識し、必要に応じて、例えば外部機器に対して「画像形成装置1がレディ状態にある」旨の情報を提供する。なお、「レディ状態」では、初期化が完了した時点で、直ぐに稼働することが必要ではないユニットは、自らの判断で電源レベルを低いレベルに落とし、節電を行う。その後に稼働の必要のないユニットにおいては、自ら積極的に非稼働とすることで、良好な節電状態を維持する。
【0027】
図の「節電モード」は、ユーザから認識できる節電状態として、レディ状態になった後に例えば予め定めた時間を経過しても画像情報の入力がない場合に、UIユニット4およびシステム制御ユニット8が節電モードに移行した状態である。UIユニット4のパネルの照明も消えて(液晶パネル(LCD)141のバックライトのオフ(OFF)状態)、システム制御ユニット8のシステム制御ユニット制御部98がオフしている状態(CPUオフ(OFF)状態)である。ただし、システム制御ユニット8では、外部LAN12を介した外部機器からの印刷ジョブデータの受信やUIユニット4でのユーザからの操作入力などを監視する機能部(ASIC)が節電モードにおいてもオンされている。そして、ASICは、印刷ジョブデータの受信やユーザからの操作入力などがあった場合に、システム制御ユニット制御部98をCPUオフ状態から5Vのオン状態に移行させる。
なお、システム制御ユニット8以外の他の各ユニットの電源オフ(OFF)状態は、外部の割込によって起動することが可能である状態である。
【0028】
図2および図4を参照しながらさらに詳述する。
まず、電力供給ユニット9から電力ライン11を介して電源がオンされ、画像形成装置1がシステム起動されると、初期化処理が必要なユニットは、自身が初期化するのにユニットの機能に応じた電源モードにより初期化処理を行う。このとき、例えば、初期化処理を行うに際して各ユニット相互を同期させることが必要となる場合には、各ユニットから必要なステータスを取得するために、システム制御ユニット8は各ユニットとの間の通信を行う。しかし、基本的には、本実施の形態の各ユニットは独立して初期化処理を行う。そのため、電源がオンされると、画像形成ユニット2、画像読取ユニット3、UIユニット4、FAXユニット5、およびシステム制御ユニット8は、電源オフの状態から、24V電源オンの状態へ遷移する。図4には示していないが、給紙ユニット6、メモリユニット7も同様である。そして、この電源状態にて、各ユニットは、初期化処理を実行する。より具体的には、各ユニットは、フルパワーで初期化処理を実行し、初期化処理に必要な時間の経過後に初期化処理を完了する動作と、初期化処理の完了後の予め定めた時間の経過後に電源レベルをフルパワー状態よりも低いレベルに落としたモードに移行する動作とを各ユニット自らの判断により行う。
【0029】
すなわち、画像形成ユニット2の画像形成制御部92は、自らの判断により、自らの基準に基づき、初期化処理中に24Vのオン状態から5Vのオン状態へと移行する。画像形成ユニット2では、画像形成ユニット2に設けられたデバイスの初期化処理は比較的短い時間で完了する。そのため、初期化処理中にデバイスでの初期化処理が完了した時点で、画像形成ユニット2のデバイスが全体で稼働するために必要な24Vのオン状態から、画像形成ユニット2をコントロールする部分であるCPU等が稼働していなければならない5Vのオン状態へと移行する。
そして、画像形成制御部92は、初期化処理を完了しレディ状態に移行した後、自らの判断により、自らの基準に基づき、5Vのオン状態から電源オフ状態へと移行する。
【0030】
また、画像読取ユニット3は、初期化処理に際して画像読取ユニット3に設けられたデバイスでの各種設定処理に時間がかかることから、デバイス全体が稼働するために必要な24Vのオン状態で初期化を終了する。そして、初期化処理を完了しレディ状態に移行した後、画像読取ユニット3の画像読取制御部93による自らの判断で、自らの基準に基づき、5Vのオン状態へと移行する。この5Vのオン状態を設けることで、例えば、この間に複写指示や画像読取指示があった場合に通信の初期化に要する時間を削減し、ユーザに対してアウトプットの提供をより迅速に行う。5Vのオン状態の後には、画像読取制御部93による自らの判断で、自らの基準に基づき、電源オフ状態へと移行する。
【0031】
FAXユニット5は、24Vのオン状態で初期化を終了する。そして、FAXユニット5のFAX制御部95は、初期化処理を完了しレディ状態に移行した後、自らの判断で、自らの基準により、特別に5Vのオン状態の期間を設けずに、24Vのオン状態から電源オフ状態へと移行する。
【0032】
UIユニット4は、初期化処理を完了しレディ状態に移行した後も、画像読取ユニット3やFAXユニット5に比べて更に長い時間の間、UI制御部94による自らの判断で24Vのオン状態を維持する。これは、例えば複写指示などのユーザ入力がなされる場合を考慮し、そのときの立ち上げ時間を短くして、即座に処理動作に移行できるようにするためである。その後、一旦、5Vのオン状態へと移行した後、UI制御部94による自らの判断で、自らの基準に基づき、電源オフ状態へと移行する。
【0033】
システム制御ユニット8においても、上記のUIユニット4の24Vのオン状態と同様に、初期化処理を完了しレディ状態に移行した後も、システム制御ユニット制御部98による自らの判断で、一定時間、24Vのオン状態を維持する。それにより、ユーザによる画像処理指示などの各種指示に対して即座に処理が開始できる状態を維持する。その後、一旦、5Vのオン状態へと移行した後、システム制御ユニット制御部98による自らの判断で、自らの基準に基づき、CPUオフ状態へと移行する。
【0034】
節電モードへ移行した後、画像読取ユニット3に設けられた原稿送り装置(ADF)への原稿の設置またはプラテンガラスを覆う原稿台カバーの開閉が行われると(原稿検知)、画像読取ユニット3は5Vのオン状態に移行する。そして、画像読取ユニット3の画像読取制御部93は、原稿の設置を検出したことを示すコマンド(原稿検出コマンド)を機内LAN10を介して他の各ユニットにブロードキャストする。
【0035】
ブロードキャストされた原稿検出コマンドを機内LAN10から受信した各ユニットでは、自らの判断で、電源モードを設定する。
具体的には、UIユニット4では、画像読取ユニット3からの原稿検出コマンドを受けると、UIユニット4は電源オフ状態から24Vのオン状態へと移行する。それにより、UI制御部94およびUIユニット4の機構部をオンして、ユーザがコピー開始ボタン(スタートボタン)を押下することに備える。
システム制御ユニット8では、画像読取ユニット3からの原稿検出コマンドを受けると、システム制御ユニット8に設けられた上記のASICは、システム制御ユニット制御部98をCPUオフ状態から5Vのオン状態に移行させる。それにより、システム制御ユニット8は、コピー動作の開始に備える。
【0036】
これに対し、FAXユニット5では、画像読取ユニット3からの原稿検出コマンドに対応する動作を行う必要がない。そのため、FAXユニット5は、電源モードを電源オフ状態のままに維持する。
また、画像形成ユニット2では、画像読取ユニット3からの原稿検出コマンドを受けた時点にて原稿検出コマンドに対応する動作を行う必要がない。そのため、画像形成ユニット2は、電源モードを電源オフ状態のままに維持する。図4には示していないが、給紙ユニット6も同様である。
【0037】
引き続いて、ユーザがUIユニット4のスタートボタンを押下すると、UIユニット4は、スタートボタンが押下されたことを通知するコマンド(ボタン押下コマンド)を機内LAN10を介して他の各ユニットにブロードキャストする。
システム制御ユニット8では、UIユニット4からのボタン押下コマンドを受けると、システム制御ユニット制御部98は、電源モードを5Vのオン状態から24Vのオン状態へと移行させる。それにより、システム制御ユニット8の機構部をオンにする。そして、複写処理(ジョブ)を開始することを示すコマンド(ジョブ開始コマンド)を機内LAN10を介して他の各ユニットにブロードキャストする。
【0038】
画像形成ユニット2では、システム制御ユニット8からのジョブ開始コマンドを受けると、画像形成ユニット2は、電源モードを電源オフ状態から24Vのオン状態へと移行させる。それにより、画像形成ユニット2の機構部23(図3参照)をオンして、画像形成の準備動作を開始(ジョブ開始)し、機構部23に含まれる定着部を定着可能状態に設定するウォームアップ処理を開始する。そして、定着部のウォームアップ処理が完了すると、画像形成制御部92は、ウォームアップ処理が完了したことを通知するコマンド(ウォームアップ完了通知コマンド)を機内LAN10を介して他の各ユニットにブロードキャストする。
【0039】
また、画像読取ユニット3では、システム制御ユニット8からのジョブ開始コマンドを受けると、画像読取制御部93は、画像読取ユニット3を5Vのオン状態から24Vのオン状態に移行する。それにより、画像読取ユニット3の機構部をオンする。そして、画像形成ユニット2からのウォームアップ完了通知コマンドを待ち受ける。そして、画像読取ユニット3では、画像形成ユニット2からのウォームアップ完了通知コマンドを受けると、画像読取制御部93は、原稿の読取を開始する。さらに、画像読取制御部93は、原稿の読取を開始したことを示すコマンド(原稿読取開始コマンド)を機内LAN10を介して他の各ユニットにブロードキャストする。
【0040】
システム制御ユニット8では、画像読取ユニット3からの原稿読取開始コマンドを受けると、システム制御ユニット制御部98は、画像読取ユニット3から送信された画像データの蓄積処理を開始する。そして蓄積処理を開始した後、予め定めたデータ量の画像データを蓄積すると、システム制御ユニット制御部98は、蓄積した画像データを画像形成ユニット2に転送する。これにより、画像形成ユニット2は、システム制御ユニット8から取得した画像データに基づく画像形成(プリント)を開始する。
【0041】
また、図4には示していないが、給紙ユニット6においても同様の経緯を経て、用紙を供給する動作を開始する。この場合、画像形成制御部92および給紙ユニット6の給紙制御部96は、画像形成動作を開始したことを通知するコマンド(画像形成開始通知コマンド)を機内LAN10を介して他の各ユニットにブロードキャストする。
【0042】
ここで、プリントを開始した画像形成ユニット2内および給紙ユニット6内において、画像形成ユニット2に設けられた制御部(各種制御部22)や給紙ユニット6に設けられた制御部が、画像形成ユニット2を構成する各デバイス(機構部23)や給紙ユニット6を構成する各デバイス、および制御部自身の電源供給・停止状態を自ら判断し、各デバイスおよび制御部自身への電源供給・停止の制御を自ら実施するように構成してもよい。
【0043】
画像読取ユニット3に戻り、画像読取ユニット3が原稿の読取を完了すると、画像読取制御部93は、画像読取ユニット3の電源モードを24Vのオン状態から5Vのオン状態へと移行させる。それにより、画像読取ユニット3の機構部への電力をオフするが、予め定めた時間の間、画像読取制御部93の稼働状態を維持する。その間、次の原稿の読取を待ち受ける状態を維持する。また、画像読取制御部93は、原稿の読取を完了したことを通知するコマンド(読取完了通知コマンド)を機内LAN10を介して他の各ユニットにブロードキャストする。
【0044】
システム制御ユニット8は、画像読取ユニット3からの読取完了通知コマンドを受けると、システム制御ユニット制御部98は、画像読取ユニット3からの読取完了通知コマンドを認識して、画像読取ユニット3からの画像データの蓄積処理を完了する。しかし、システム制御ユニット8は、その後において、蓄積した画像データを画像形成ユニット2に転送する処理を継続する必要がある。また、画像形成ユニット2および給紙ユニット6からの画像形成開始通知コマンドにより画像形成ユニット2や給紙ユニット6にて画像形成動作が行われていることを認識している。そのため、システム制御ユニット制御部98は、蓄積した画像データの転送処理や画像形成装置1全体の動作監視処理等を行うために、24Vのオン状態を維持する。
【0045】
画像形成ユニット2がプリントを完了すると、画像形成制御部92は、画像形成ユニット2の電源モードを24Vのオン状態から5Vのオン状態へと移行させる。それにより、画像形成ユニット2の機構部23への電力をオフするが、予め定めた時間の間、画像形成制御部92の稼働状態を維持する。その間、次の画像読取ユニット3からの画像データ等を含む各種画像データの入力を待ち受ける状態を維持する。それとともに、画像形成制御部92は、プリントを完了したことを通知するコマンド(画像形成完了通知コマンド)を機内LAN10を介して他の各ユニットにブロードキャストする。そして、予め定めた時間の経過の後も画像データの入力がなければ、画像形成制御部92への電力もオフされ、画像形成ユニット2は、電源オフ状態に移行する。
なお、図4には示していないが、給紙ユニット6も同様である。
【0046】
システム制御ユニット8では、画像形成ユニット2からの画像形成完了通知コマンドを受けると、システム制御ユニット制御部98は、予め定めた時間の間、24Vのオン状態を維持した後、システム制御ユニット8の電源モードを24Vのオン状態から5Vのオン状態へと移行させる。それにより、システム制御ユニット8の機構部への電力をオフするが、予め定めた時間の間、システム制御ユニット制御部98の稼働状態を維持する。その間、機内LAN10を介して各ユニットからブロードキャストされるコマンドの入力を待ち受ける状態を維持する。そして、予め定めた時間の経過の後も各ユニットからのコマンドの入力がなければ、画像形成装置1への画像情報(各種画像データ)の入力がないと判定されるので、システム制御ユニット制御部98は、CPUオフ状態へ移行し、節電モードとなる。
【0047】
UIユニット4では、画像形成ユニット2からの画像形成完了通知コマンドを受けると、UI制御部94は、システム制御ユニット制御部98と同様に、予め定めた時間だけ24Vのオン状態を維持した後、UIユニット4の電源モードを24Vのオン状態から5Vのオン状態へと移行させ、さらにその後、電源オフ状態へと移行する。ただし、UIユニット4は、システム制御ユニット8と比較して、さらに長い時間、24Vのオン状態を維持する。これは、複写指示などのユーザ入力がなされる場合を考慮し、そのときの立ち上げ時間を短くして、即座に処理動作に移行できるようにするためである。
【0048】
以上、複写処理を行う場合を例として、画像形成機能部、各種制御機能部による電源モードの遷移について説明した。上記のように、本実施の形態は、実行するジョブ(処理)の種類に応じて、ジョブの実行に必要な機能を持つ各ユニットが個別に電力制御を行う。すなわち、実行するジョブがファクシミリ受信であれば、ファクシミリ受信に必要な機能を持つユニット(システム制御ユニット8、FAXユニット5、画像形成ユニット2等)がオン状態になる。また、実行するジョブが外部からの遠隔操作(リモート操作)に基づく印刷処理であれば、遠隔操作による印刷処理に必要な機能を持つユニット(システム制御ユニット8、画像形成ユニット2等)がオン状態になる。そして、ジョブの実行後、一定時間が経過するまで機能が使用されなければ、そのユニットは、より低電力のオン状態へ移行し、最終的に電源オフ状態へ移行する。
【0049】
ここで、画像形成装置1の各ユニットの動作状態(電力状態)に関して、電源オフ状態やスタンバイ時の低電力のオン状態のように消費電力の小さい状態を低電力状態と呼び、ジョブ実行時の消費電力の大きい状態を高電力状態と呼ぶことにする。すると、上記のように、画像形成装置1の各ユニットは、その機能が使用されないときには、より消費電力の小さい低電力状態へ移行し、その機能が使用される際に、個別に高電力状態へ移行する。また、低電力状態のうち、システム全体が電源オフの状態(システム制御ユニット8はCPUオフ状態)のときの動作モードが節電モードである。システム全体が節電モード等の低電力状態から必要な機能のユニットが高電力状態へ移行するための契機としては、外部機器(コンピュータ等)からの遠隔操作によるジョブの実行指示があったこと、ユーザがUIユニット4の節電ボタン140を操作したこと、が挙げられる。なお、前者にはFAXユニット5による着信を含むものとする。
【0050】
なお、以上説明した本実施の形態の画像形成装置は、画像形成ユニット2の画像形成制御部92および各種制御機能部(画像読取ユニット3、UIユニット4、FAXユニット5、給紙ユニット6、メモリユニット7、システム制御ユニット8)の制御部(画像読取制御部93、UI制御部94、FAX制御部95、給紙制御部96、メモリ制御部97、システム制御ユニット制御部98)が、自ら自ユニットの電力制御を行うこととした。これに対し、例えばシステム制御ユニット8が各ユニットの電力制御を集中的に行う機能構成としても良い。
【0051】
<ハードウェア構成例>
図5は、画像形成機能部や各種制御機能部(画像読取ユニット3、UIユニット4、FAXユニット5、給紙ユニット6、メモリユニット7、システム制御ユニット8)の制御部(画像形成制御部92、画像読取制御部93、UI制御部94、FAX制御部95、給紙制御部96、メモリ制御部97、システム制御ユニット制御部98)のハードウェア構成例を示した図である。
図5に示したように、本実施の形態における制御部は、画像形成機能部や各種制御機能部の電源モードの遷移を制御するに際して、予め定められたプログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算手段の一例としてのCPU101、CPU101により実行されるプログラム等が格納されるRAM102、CPU101により実行されるプログラム等にて用いられる設定値等のデータが格納されるROM103、書き換え可能で電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できるEEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ104、制御部に接続される各デバイスとの信号の入出力を制御するインターフェース部105を備えている。
【0052】
また、メモリユニット7には各制御部により実行されるプログラムが格納されており、各制御部がこの処理プログラムを読み込むことによって、画像形成機能部や各種制御機能部の電源モードの遷移制御が実行される。すなわち、画像形成機能部や各種制御機能部の電源モードの遷移制御を実行するプログラム等が、例えばメモリユニット7としてのハードディスクやDVD−ROM等から各制御部内のRAM102に読み込まれる。そして、RAM102に読み込まれたプログラムに基づいて、CPU101が各種処理を行う。このプログラムに関するその他の提供形態としては、予めROM103に格納された状態にて提供され、RAM102にロードされる形態がある。さらに、EEPROM等の書き換え可能なROM103を備えている場合には、各制御部がセッティングされた後に、プログラムだけがROM103にインストールされ、RAM102にロードされる形態がある。また、インターネット等の外部LAN12を介して各制御部にプログラムが伝送され、各制御部のROM103にインストールされ、RAM102にロードされる形態がある。
【0053】
<節電モードへの移行制御>
次に、本実施の形態による節電モードへの移行制御について説明する。
図4を参照して説明したように、本実施の形態では、画像形成装置1を構成する各ユニットの各制御部(画像形成制御部92、画像読取制御部93、UI制御部94、FAX制御部95、給紙制御部96、メモリ制御部97、システム制御ユニット制御部98)が、実行されるジョブで必要とされる機能に応じて、各ユニットを個別に高電力状態へ移行させる。そして、ジョブが終了して機能が使用されなくなったユニットは低電力状態へ移行し、最終的に画像形成装置1全体が節電モードとなる。
【0054】
図6は、本実施の形態におけるジョブの実行後における電力状態の制御を示すフローチャートである。
図6において、画像形成装置1全体が節電モードであるときに(ステップ601)、節電モードを解除する要因が発生したものとする(ステップ602)。節電モードを解除する要因としては、外部機器(コンピュータ等)からの遠隔操作によるジョブの実行指示があったことと、ユーザがUIユニット4の節電ボタン140を操作したこととが挙げられる。
【0055】
画像形成装置1の節電モードがユーザによる節電ボタン140の操作により解除された場合(ステップ603でYes)、UIユニット4が高電力状態に復帰し(ステップ604)、ユーザによる操作を受け付ける(ステップ605)。ここで、ユーザによる操作が複写処理等のジョブに関する操作である場合は、操作にしたがって指定されたジョブが実行される。このとき、指定されたジョブの内容に応じて、必要な機能を有するユニットが高電力状態に復帰する。また、ユーザによる操作がジョブに関する操作以外の操作(画像形成装置1の設定変更等)である場合は、システム制御ユニット8が高電力状態となり、操作に基づく処理を実行する。
【0056】
一方、画像形成装置1の節電モードが遠隔操作によるジョブの実行指示により解除された場合(ステップ603でNo)、UIユニット4は高電力状態に復帰せず、実行指示に係るジョブに応じて必要となるユニットが、受け付けた指示に基づきジョブを実行する(ステップ605)。
【0057】
ステップ605で実行されたジョブが終了すると(ステップ606)、ジョブの実行に使用されたユニットの制御部は、UIユニット4が低電力状態か否かを判断する(ステップ607)。ここで、ステップ602の節電モードの解除が遠隔操作によるジョブの実行指示によるものであった場合、ステップ604のUIユニット4の高電力状態への移行が行われていないため、UIユニット4は低電力状態である(ステップ607でYes)。この場合、各ユニットの制御部は、自ユニットを直ちに低電力状態へ移行させる(ステップ608)。より詳細には、低電力状態へ移行する各ユニットは、低電力のオン状態(例えば図4に示した5Vのオン状態)を経た後に電源オフの状態へ移行する。
【0058】
一方、ステップ602の節電モードの解除がユーザによる節電ボタン140の操作によるものであった場合、ステップ604でUIユニット4が高電力状態へ移行しているため、UIユニット4は低電力状態ではない(ステップ607でNo)。この場合、各ユニットの制御部は、タイマー機能を作動させて経過時間を計測し(ステップ609)、ジョブの終了から一定時間が経過したならば(ステップ610)、自ユニットを低電力状態へ移行させる(ステップ608)。
【0059】
なお、ステップ602で行われたユーザの操作がジョブに関する操作以外の操作であった場合、ステップ605においてジョブは実行されず、システム制御ユニット8による操作に基づく処理が実行される。そして、ステップ606でユーザによる操作が終了した後(すなわち、操作が一定時間行われなかった場合)、システム制御ユニット制御部98は、UIユニット4が低電力状態か否かを判断する(ステップ607)。この場合は、ユーザによる節電ボタン140の操作が行われているので、UIユニット4は必ず高電力状態となっている(ステップ607でNo)。したがって、システム制御ユニット8は、一定時間が経過した後に低電力状態へ移行する(ステップ609、610、608)。
【0060】
上記の動作例において、ステップ603で、画像形成装置1の節電モードが遠隔操作によるジョブの実行指示により解除された場合は、UIユニット4を高電力状態に復帰せずにジョブが実行されることとした。ただし、図4を参照して説明したように、UIユニット4は、他のユニットよりも長い時間、24Vのオン状態を維持する。したがって、UIユニット4が24Vのオン状態に維持されている際に、画像形成装置1が、遠隔操作によるジョブの実行指示を受け付けることがあり得る。この場合は、ステップ607で、UIユニット4が低電力状態ではないため、システム制御ユニット8は、一定時間が経過した後に低電力状態へ移行することとなる(ステップ609、610、608)。
【0061】
以上の動作例では、ステップ607でUIユニット4が低電力状態である場合、各ユニットの制御部は、自ユニットを直ちに低電力状態へ移行させることとした。これに対し、UIユニット4が低電力状態である場合にも、タイマー機能による計時を行い、一定時間経過後にユニットが低電力状態へ移行するように構成しても良い。この場合、例えば、UIユニット4が低電力状態でない場合(ステップ607でNo)におけるユニットが低電力状態へ移行するまでの時間(以下、第1設定時間)よりも、UIユニット4が低電力状態である場合(ステップ607でYes)におけるユニットが低電力状態へ移行するまでの時間(以下、第2設定時間)が短くなるように設定される。
【0062】
ここで、ジョブの実行時にUIユニット4が低電力状態である場合(ステップ607でYes)と、高電力状態である場合(ステップ607でNo)とを比較する。いずれの場合にも遠隔操作によるジョブの実行指示は行われた可能性があるが、ジョブの実行時にUIユニットが低電力状態である場合、そのジョブが行われる前、UIユニット4が高電力状態から低電力状態へ移行する設定時間以内に、少なくとも節電ボタン140の操作は行われていない。一方、ジョブの実行時にUIユニットが高電力状態である場合、そのジョブが実行される前、UIユニット4が高電力状態から低電力状態へ移行する設定時間よりも短い間に、必ず節電ボタン140の操作が行われている。
【0063】
そこで、ジョブの実行時にUIユニット4が高電力状態であるときは、その後、ある程度短い時間間隔で、次のジョブが実行される可能性が高いと推定する。そして、UIユニット4が低電力状態であるときは、実行されたジョブは単発であり、その後直ちに次のジョブが実行される可能性が低いと推定する。以上の推定に基づき、本実施の形態では、上述した第1設定時間よりも、第2設定時間が短くなるように設定することとした。
【0064】
本実施の形態において、上記の第1設定時間および第2設定時間をユーザが設定可能な構成としても良い。この場合、UIユニット4は、これらの設定時間を設定するためのインターフェース画面を液晶パネル(LCD)141に表示する。ユーザは、表示されたインターフェース画面にしたがって各設定時間の設定操作を行う。システム制御ユニット8は、この設定を受け付け、ジョブ実行後に各ユニットを低電力状態へ移行させるための設定時間(第1設定時間および第2設定時間)として用いる。なお、第1設定時間および第2設定時間の両方を設定可能にするのではなく、いずれか一方のみを設定可能な構成としても良い。さらに、両方を設定可能な構成とした場合、第2設定時間として第1設定時間よりも長い時間を設定できないように入力制御を行っても良い。
【0065】
また、上記の動作例では、ジョブの実行時のUIユニット4の電力状態(高電力状態か低電力状態か)のみを条件として、ジョブを実行するために高電力状態となったユニットを低電力状態に移行させる時間(以下、移行時間)を切り替えた。これに対し、UIユニット4の電力状態に加えて出力装置である画像形成ユニット2の電力状態を条件として、上記の移行時間を切り替えるようにしても良い。画像形成ユニット2は、画像形成材としてトナーを用いる場合、機構部23に含まれる定着部により、用紙上に形成した画像を定着させるために加熱しながら加圧する定着処理を行う。この定着処理に必要な消費電力は、画像形成装置1全体の消費電力のうちでも特に大きな割合を占める。
【0066】
具体的には、例えば、上記図6のステップ607において、UIユニット4が低電力状態か否かを判断するだけでなく、画像形成ユニット2が高電力状態か否かを判断する。そして、UIユニット4が低電力状態であって、かつ画像形成ユニット2が高電力状態であった場合に、ジョブの実行終了後直ちに(または第2設定時間経過後に)高電力状態である各ユニットを低電力状態へ移行させる。一方、これ以外の場合は、第1設定時間の経過後に高電力状態である各ユニットを低電力状態へ移行させる。
【0067】
以上の動作を、UIユニット4の電力状態のみを移行時間の切り替え条件とする場合(図6に示す場合)と比較する。すると、UIユニット4が低電力状態であっても、画像形成ユニット2が低電力状態である場合(画像形成ユニット2以外のユニットがジョブの実行に使用された場合)は、第1設定時間の経過後に高電力状態である各ユニットを低電力状態へ移行させる点が異なっている。すなわち、多大な消費電力を要する画像形成ユニット2が低電力状態である場合、他のユニットにおける移行時間は、UIユニット4の電力状態のみを移行時間の切り替え条件とする場合よりも長い。
【0068】
ここで、画像形成装置1は、各ユニットが低電力状態であれば節電の効果が大きく、高電力状態であればユーザにとっての利便性が高いと言える。これは、各ユニットが高電力状態であれば、ジョブの実行指示を受け付けてからジョブを実行するまでの待ち時間が短いためである。したがって、上記のように、画像形成ユニット2の電力状態を移行時間の切り替え条件に加えることにより、節電の効果を大きく落とさずに、ユーザの利便性を高めることができる。
【0069】
また、上記の例とは反対に、特定の処理が行われる場合には、UIユニット4が低電力状態であり、画像形成ユニット2が高電力状態である場合に、第1設定時間の経過後に高電力状態である各ユニットを低電力状態へ移行させる、といった制御を行っても良い。例えば、遠隔操作によりプリントを伴うジョブが実行され、このジョブの最終段階である用紙に画像を形成して排出する動作のみを、ユーザによるUIユニット4の操作を待って実行する、といった特殊なジョブ場合を考える。このような場合、ユーザがUIユニット4を操作するために画像形成装置1の設置場所に着いたときに、画像形成ユニット2が高電力状態であれば、直ちに用紙を排出する動作を実行させることができ、ユーザにとって利便性が高い。
【0070】
以上、本実施の形態では、UIユニット4等の電力状態を切り替え条件として、各ユニットが高電力状態から低電力状態へ移行する際の移行時間の長さを切り替える制御について説明した。すなわち、本実施の形態によれば、各ユニットにおける機能に基づく制御ではなく、UIユニット4等の電力状態(動作モード)に応じた制御としたことにより、複雑な条件を判断する必要がなく、制御内容が簡略となる。
【0071】
また、本実施の形態では、各ユニットが高電力状態から低電力状態へ移行する際の移行時間の長さを切り替える制御について説明した。ここで、各ユニットの電力状態として3段階以上の状態が設定されている場合がある。このような場合、本実施の形態による移行時間の切り替え制御は、より高電力状態にあるユニットをより低電力状態へ移行させる全ての場合に適用して良い。例えば、本実施の形態においても、低電力状態として低電力(5V)のオン状態と、電源オフの状態とを設定した。この場合、各ユニットを低電力のオン状態から電源オフの状態へ移行させる際の移行時間においても、本実施の形態と同様の手法にて切り替え制御を行って良い。
【0072】
なお、本実施の形態では、ジョブの実行後における低電力状態への移行時間の切り替え制御を行う対象とするジョブを特定していないが、特定の種類のジョブが実行された場合にのみ、本実施の形態による移行時間の切り替え制御を実施するように設定可能としても良い。さらに、ジョブの種類に応じて、個別に移行時間の切り替え制御を行うか否かを設定しても良いし、画像形成装置1のユーザ(ジョブの実行指示を行ったユーザ)を識別し、ユーザごとに、個別に移行時間の切り替え制御を行うか否かを設定しても良い。さらにまた、画像形成装置1を構成する個々のユニットに対して、本実施の形態による移行時間の切り替え制御を行うか否かを個別に設定しても良い。
【符号の説明】
【0073】
1…画像形成装置、2…画像形成ユニット、3…画像読取ユニット、4…ユーザインターフェースユニット、5…FAXユニット、6…給紙ユニット、7…メモリユニット、8…システム制御ユニット、9…電力供給ユニット、10…機内LAN、93…画像読取制御部、94…UI制御部、95…FAX制御部、96…給紙制御部、97…メモリ制御部、98…システム制御ユニット制御部、140…節電ボタン、141…液晶パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に画像を形成する画像形成機能部および外部からの処理の実行指示を受信する受信機能部を含み、動作状態として消費電力の大きい動作状態である高電力状態と消費電力の小さい動作状態である低電力状態とをそれぞれ有する複数の機能部と、
動作状態として前記高電力状態と前記低電力状態とを有し、利用者の操作を受け付ける操作受付部と、
少なくとも前記操作受付部の動作状態と前記機能部の動作状態とを個別に、前記高電力状態と前記低電力状態とを遷移させて制御し、前記操作受付部が前記高電力状態である場合、少なくとも特定の種類の処理に関して、当該処理の実行終了後、第1設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させ、前記操作受付部が前記低電力状態である場合、前記特定の種類の処理の実行終了後、前記第1設定時間とは異なる第2設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させる、制御部と、
を備えることを特徴とする、画像処理装置。
【請求項2】
前記第2設定時間は、前記第1設定時間よりも短い時間であることを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作受付部の操作および前記受信機能部により受信される指示の少なくとも一方により、前記第1設定時間および前記第2設定時間の少なくとも一方の設定を受け付けることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、複数の前記機能部の動作状態を個別に、前記高電力状態と前記低電力状態とを遷移させて制御することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、処理の種類ごとに個別に設定された前記第1設定時間および前記第2設定時間に基づき、高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させる制御を行うことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、特定の種類の処理に関して、前記操作受付部が前記低電力状態でありかつ前記画像形成機能部が前記高電力状態である場合、当該処理の実行終了後、前記第1設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させる制御を行うことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項7】
媒体に画像を形成する画像形成機能部および外部からの処理の実行指示を受信する受信機能部を含み、動作状態として消費電力の大きい動作状態である高電力状態と消費電力の小さい動作状態である低電力状態とをそれぞれ有する複数の機能部と、
動作状態として前記高電力状態と前記低電力状態とを有し、利用者の操作を受け付ける操作受付部と、
少なくとも前記操作受付部の動作状態と前記機能部の動作状態とを個別に、前記高電力状態と前記低電力状態とを遷移させて制御し、前記操作受付部が前記高電力状態であるかまたは前記画像形成機能部が前記低電力状態である場合、少なくとも特定の種類の処理に関して、当該処理の実行終了後、第1設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させ、前記操作受付部が前記低電力状態でありかつ前記画像形成機能部が前記高電力状態である場合、前記特定の種類の処理の実行終了後、前記第1設定時間とは異なる第2設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させる、制御部と、
を備えることを特徴とする、画像処理装置。
【請求項8】
前記第2設定時間は、前記第1設定時間よりも短い時間であることを特徴とする、請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
媒体に画像を形成する画像形成機能部と、外部からの処理の実行指示を受信する受信機能部と、利用者の操作を受け付ける操作受付部とを含み、動作状態として消費電力の大きい動作状態である高電力状態と消費電力の小さい動作状態である低電力状態とをそれぞれ有する複数の機能部を備えた画像処理装置を制御するコンピュータに、
前記操作受付部が前記高電力状態である場合、少なくとも特定の種類の処理に関して、当該処理の実行終了後、第1設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させる機能と、
前記操作受付部が前記低電力状態である場合、前記特定の種類の処理の実行終了後、前記第1設定時間とは異なる第2設定時間が経過した後に、前記高電力状態である前記機能部の動作状態を前記低電力状態へ移行させる機能と、
を実現させることを特徴とする、プログラム。
【請求項10】
前記第2設定時間は、前記第1設定時間よりも短い時間であることを特徴とする、請求項9に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−248961(P2012−248961A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117330(P2011−117330)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】