説明

画像処理装置および画像処理プログラム

【課題】ユーザが元画像の内容や雰囲気を確認しつつ、適切な領域を、付加画像の合成位置として指定することができる画像処理装置および画像処理プログラムを提供すること。
【解決手段】MFP1によれば、ユーザが、元画像41を視認し、付加画像42を合成すべき指定領域45を指定した後に、その指定領域45に付加画像42が合成された合成画像が表示されるので、ユーザが元画像の内容や雰囲気を確認しつつ、適切な領域を、付加画像の合成位置として指定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置および画像処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラなどにより撮影された画像データが格納されたメモリカードを、デバイスに設けられたスロットに装着することにより、パーソナルコンピュータを介さずに、メモリカード内の画像データを、デバイスに直接プリントアウトさせるメディアプリント機能が知られている。また、メモリカードから読み出した画像データを、表示パネルにプレビュー表示することができるように構成されたデバイスも知られている。
【0003】
一方で、アミューズメント施設などに設置され、設けられた撮影ブース内において、ユーザを自動的に撮影すると共に、撮影画像をシールなどの印刷媒体に印刷して提供する写真撮影装置があることは広く知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、このような写真撮影装置において、ユーザが好みに応じて撮影画像を編集できるように、撮影画像の全体に渡ってフレーム画像を重ねて配置する画像配置手段と、この画像配置手段により配置されたフレーム画像の少なくとも一部分を消去する画像検出手段とを備えた構成が開示されている。
【特許文献1】特開2007−181163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、撮影画像とフレーム画像とが予め合成して表示され、その合成された状態を見ながら、ユーザが編集を行うこととなる。よって、元々の撮影画像の雰囲気を壊さないようにしつつ、少しずつ編集用画像を追加していきたい場合などには、上記特許文献1に開示された構成では、元々の撮影画像自体が見づらくなってしまい、不適であるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ユーザが元画像の内容や雰囲気を確認しつつ、適切な領域を、付加画像の合成位置として指定することができる画像処理装置および画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1記載の画像処理装置は、画像を表示する表示部と、前記表示部に対し外部から指定された位置を検出する検出手段と、前記表示部に、元画像データに基づく元画像を表示する元画像表示手段と、前記表示部における元画像表示範囲内の位置が外部から指定されると、その指定位置に基づく前記元画像表示範囲上の指定領域を、前記検出手段の検出結果に基づいて特定する特定手段と、前記元画像表示範囲のうち、前記特定手段により特定される指定領域に、所定の付加画像データに基づく付加画像の少なくとも一部を表示することにより、前記元画像と前記付加画像とが合成された合成画像を、前記表示部に表示する合成手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、前記表示部における元画像表示範囲のうち、前記特定手段により特定された指定領域を、特定されていない他の領域と区別して表示する区別表示手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の画像処理装置は、請求項1または2に記載の画像処理装置において、前記表示部において、前記元画像と隣接させて、前記付加画像を表示する付加画像表示手段を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の画像処理装置は、請求項3記載の画像処理装置において、前記付加画像表示手段は、前記合成手段により前記元画像に合成される付加画像と同じ表示倍率の付加画像を、前記元画像と隣接させて表示することを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の画像処理装置は、請求項3または4に記載の画像処理装置において、前記元画像と隣接して表示される付加画像の表示範囲内の位置が指定されたことが、前記検出手段による検出結果に基づいて判断されると、前記元画像と隣接して表示される付加画像のうち、前記指定された位置に基づく領域に表示される部分を消去する付加画像消去手段と、前記付加画像消去手段による付加画像の部分の消去を、前記合成手段により表示された合成画像に反映する反映手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の画像処理装置は、請求項3から5のいずれかに記載の画像処理装置において、前記元画像表示範囲における指定位置に対応した、前記付加画像の表示範囲における位置を示す指標を、前記付加画像の表示範囲に表示する指標表示手段と、前記付加画像の表示範囲内の位置の指定が前記検出手段により検出されると、その付加画像の表示範囲において指定された位置に対応した前記元画像表示範囲における位置に、前記指標を移動させるように前記指標表示手段を制御する指標移動手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の画像処理装置は、請求項3から6のいずれかに記載の画像処理装置において、前記元画像表示範囲と、付加画像の表示範囲とは同じサイズであり、前記特定手段は、前記元画像表示範囲における前記指定領域を特定すると、前記元画像表示範囲における指定領域に対応する、前記付加画像の表示範囲における対応領域を前記付加画像の表示範囲において特定するものであり、前記合成手段は、前記付加画像の表示範囲において特定された対応領域に表示される付加画像の部分を、前記元画像の前記指定領域に合成するものであることを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の画像処理装置は、請求項1から7のいずれかに記載の画像処理装置において、前記特定手段は、前記検出手段により検出された前記指定位置の軌跡に所定の幅を付与した領域を、前記指定領域として特定するものであることを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の画像処理装置は、請求項1から8のいずれかに記載の画像処理装置において、前記特定手段は、前記検出手段により検出される指定位置の変更に伴って前記指定領域を更新するものであり、前記合成手段は、前記特定手段により前記指定領域が更新される毎に、その更新された指定領域に基づいて、前記合成画像の表示を更新することを特徴とする。
【0016】
請求項10記載の画像処理装置は、請求項1から9のいずれかに記載の画像処理装置において、前記付加画像に文字列が含まれる場合、文字列を構成する各文字について、その文字の表示範囲を包含する領域として定義される文字領域を文字別に決定する文字領域決定手段を備え、前記特定手段は、前記元画像表示範囲における指定位置に対応した、付加画像表示範囲内における位置が、いずれかの文字領域に含まれる場合、その文字領域を包含する領域を、前記指定領域として特定することを特徴とする。
【0017】
請求項11記載の画像処理装置は、請求項1から10のいずれかに記載の画像処理装置において、前記元画像表示範囲内においてユーザが指定した位置に基づいて、削除領域を決定する削除領域決定手段と、前記合成画像に合成された前記付加画像のうち、前記削除領域決定手段により決定された削除領域に表示される部分を前記合成画像から削除する合成画像編集手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
請求項12記載の画像処理プログラムは、画像を表示する表示部と、前記表示部に対し外部から指定された位置を検出する検出手段とを備えるコンピュータを、前記表示部に、元画像データに基づく元画像を表示する元画像表示手段と、前記表示部における元画像表示範囲内の位置が外部から指定されると、その指定位置に基づく前記元画像表示範囲上の指定領域を、前記検出手段の検出結果に基づいて特定する特定手段と、前記元画像表示範囲のうち、前記特定手段により特定される指定領域に、所定の付加画像データに基づく付加画像の少なくとも一部を表示することにより、前記元画像と前記付加画像とが合成された合成画像を、前記表示部に表示する合成手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の画像処理装置によれば、まず、元画像が表示され、その元画像表示範囲内の位置が外部から指定されると、その指定位置に基づく表示部上の指定領域が特定される。そして、特定された指定領域に、所定の付加画像データに基づく付加画像の少なくとも一部が表示され、元画像と付加画像とが合成された合成画像が表示部に表示される。
【0020】
このようにすれば、ユーザが、元画像を視認し、付加画像を合成すべき指定領域を指定した後に、その指定領域に付加画像が合成された合成画像が表示されるので、ユーザが元画像の内容や雰囲気を確認しつつ、適切な領域を、付加画像の合成位置として指定することができるという効果がある。
【0021】
なお、「付加画像」とは、表示部に映し出される像であれば良く、写真、図柄などで構成されていても良いし、文字を含むものであっても良い。
【0022】
請求項2記載の画像処理装置によれば、請求項1記載の画像処理装置の奏する効果に加え、表示部における元画像表示範囲のうち、特定手段により特定された指定領域が、特定されていない他の領域と区別して表示されるので、ユーザが、指定した領域を確認しやすいという効果がある。
【0023】
請求項3記載の画像処理装置によれば、請求項1または2に記載の画像処理装置の奏する効果に加え、前記表示部において、元画像と隣接して付加画像が表示される。そのため、ユーザは、元画像と、その元画像に合成される付加画像とを、個別に視認することができ、元画像および付加画像それぞれの内容や雰囲気を視認しつつ、元画像における適切な領域を付加画像の合成位置として指定することができるという効果がある。
【0024】
請求項4記載の画像処理装置によれば、請求項3記載の画像処理装置の奏する効果に加え、付加画像表示手段は、合成手段により元画像に合成される付加画像と同じ表示倍率の付加画像を、元画像と隣接させて表示する。そのため、ユーザは、元画像に合成されることになる付加画像の大きさを、同じ表示倍率で視認しながら、元画像における適切な領域を付加画像の合成位置として指定することができるという効果がある。
【0025】
請求項5記載の画像処理装置によれば、請求項3または4に記載の画像処理装置と同様の効果を奏する。さらに、元画像と隣接して表示される付加画像の表示範囲内の位置が指定されたことが、検出手段による検出結果に基づいて判断されると、元画像に隣接して表示された付加画像のうち、指定位置に基づく領域に表示される部分が、付加画像消去手段により消去される。そして、付加画像削除手段による付加画像の部分の消去が、合成手段により表示された合成画像にも反映される。
【0026】
したがって、ユーザは、合成画像を見た結果、付加画像自体を修正したい場合には、付加画像の部分を簡単に消去することができると共に、その消去の効果を、合成画像にも反映することができ、よりユーザの希望に添った合成画像を表示することができるという効果がある。
【0027】
請求項6記載の画像処理装置によれば、請求項3から5のいずれかに記載の画像処理装置と同様の効果を奏する。さらに、元画像表示範囲における指定位置に対応した、付加画像の表示範囲における位置を示す指標が、前記付加画像の表示範囲に表示される。よって、ユーザは、元画像表示範囲において自らが指定した位置に対応する、付加画像の表示範囲における位置を、指標により知ることができるという効果がある。
【0028】
また、付加画像の表示範囲内の位置の指定が検出手段により検出されると、その付加画像の表示範囲において指定された位置に対応した元画像表示範囲における位置に、指標を移動させる。よって、付加画像の表示範囲内の位置が指定された場合は、その指定された位置に対応する元画像表示範囲内の位置を、ユーザが視認することができるという効果がある。
【0029】
請求項7記載の画像処理装置によれば、請求項3から6のいずれかに記載の画像処理装置の奏する効果に加え、特定手段により指定領域が特定されると、元画像表示範囲における指定領域に対応する、付加画像の表示範囲における対応領域が特定され、その対応領域に表示される付加画像の部分が元画像に合成されるので、ユーザは、付加画像の任意の部分を、元画像に合成することができるという効果がある。
【0030】
また、元画像表示範囲と、付加画像の表示範囲とは、同一のサイズを有するので、ユーザは、元画像とその元画像に合成される付加画像との大小関係を明確に認識した上で、元画像に合成すべき付加画像の部分を特定することができるという効果がある。
【0031】
さらに、請求項7記載の画像処理装置において、請求項6に記載の指標表示手段を備える場合には、ユーザは、付加画像の表示範囲に表示された指標を確認することにより、付加画像全体のうち、どの部分が元画像に合成されることとなるかを知ることができるという効果がある。
【0032】
請求項8記載の画像処理装置によれば、請求項1から7のいずれかに記載の画像処理装置の奏する効果に加え、前記特定手段は、前記指定位置の軌跡に所定の幅を付与した領域を、前記指定領域として特定するので、ユーザが細かい領域を容易に指定することができるため、表示部の表示面積が小さい場合であっても操作がし易い。
【0033】
請求項9記載の画像処理装置によれば、請求項1から8のいずれかに記載の画像処理装置の奏する効果に加え、合成手段は、特定手段により指定領域が更新される毎に、その更新された指定領域に基づいて、合成画像の表示を更新する。そのため、ユーザは所望の方向へ指定位置を移動させて指定領域を拡大しつつ、その指定領域の拡大に伴って更新される合成画像を視認することができるという効果がある。
【0034】
請求項10記載の画像処理装置によれば、請求項1から9のいずれかに記載の画像処理装置の奏する効果に加え、元画像表示範囲における指定位置に対応した、付加画像表示範囲内における位置が、いずれかの文字領域に含まれる場合、その文字領域を包含する領域が、前記指定領域として特定される。そのため、ユーザは、元画像表示範囲における、付加画像表示範囲に表示されている所望の文字に対応した位置を指定するだけで、その文字全体を元画像に合成することができ、文字の欠けが抑制されるという効果がある。
【0035】
なお、特許請求の範囲および明細書において、「文字」という文言は、文字コードで表されるものを意味しており、言語を表記する文字に限られず、記号、数字を含む意味で用いている。
【0036】
請求項11記載の画像処理装置によれば、請求項1から10のいずれかに記載の画像処理装置の奏する効果に加え、元画像表示範囲内においてユーザにより指定された位置に基づいて削除領域が決定され、合成画像に合成された付加画像のうち、その決定された削除領域に表示される部分が合成画像から削除される。そのため、ユーザは、元画像に合成された付加画像のうち、任意の部分を簡単に削除することができ、よりユーザの希望に添った合成画像が表示されるという効果がある。
【0037】
請求項12記載の画像処理プログラムによれば、コンピュータにインストールされることで、請求項1記載の画像処理装置と同様の作用効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の画像処理装置の第1実施形態である多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」と称す)1の外観構成を示した斜視図である。
【0039】
このMFP1は、フォトキャプチャー機能、コピー機能、ファクシミリ機能、及びスキャナ機能などの各種機能を有する多機能周辺装置である。
【0040】
また、MFP1は、メモリカードスロット6に装着されたメモリカードから元画像データを読み出して、その元画像データに基づく元画像をLCD5に表示する。
【0041】
さらに、MFP1は、例えば撮影日時などを示す付加画像を元画像に合成してLCD5に表示することが可能であり、ユーザが元画像の内容や雰囲気を確認しつつ、適切な領域を、付加画像の合成位置として指定することができるように構成されているが、詳細は後述する。
【0042】
MFP1の上部には、ファクシミリ機能、スキャナ機能、又は、コピー機能の実行時に原稿を読み取るためのスキャナ2が配置されている。原稿カバー体の下側には、原稿を載置するための載置用ガラス板が設けられている。また、筐体内部には記録用紙に画像を印刷する装置として、所謂インクジェットプリンタで構成されたプリンタ3が内蔵されている。
【0043】
また、MFP1の前面には、メモリカードスロット6が設けられている。スキャナ機能により読み取られた画像データが、このメモリカードスロット6に装着されたメモリカードに記憶され、またはフォトキャプチャー機能により、このメモリカードスロット6に装着されたメモリカードから元画像データが読み出され、LCD5に表示され、または記録媒体に印刷される。
【0044】
また、原稿カバー体の前方には、横長形状の操作パネル4が設けられており、操作キー40、LCD5、タッチパネル7(図2参照)を具備する。MFP1は、LCD5に操作手順や実行中の処理の状態を表示させると共に、操作キー40やタッチパネル7の操作に対応する情報を表示させる。
【0045】
タッチパネル7は、入力装置の一種で、LCD5の表示面に並設されている。ユーザがLCD5を指でタッチすると、タッチパネル7はその指でタッチされた位置を、LCD5に対し外部から指定された指定位置として検出することができる。
【0046】
次に、図2を参照して、MFP1の電気的構成について説明する。図2は、MFP1の電気的構成を示すブロック図である。MFP1は、CPU(Central Processing Unit)11、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)12、RAM(Read Only Memory)13、スキャナ2、プリンタ3、LCD5、タッチパネル7、メモリカードスロット6、NCU23、モデム24、操作キー40を主に有している。
【0047】
このうち、CPU11、EEPROM12、RAM13は、バスライン26を介して互いに接続されている。また、操作キー40、LCD5、タッチパネル7、スキャナ2、プリンタ3、メモリカードスロット6、NCU23、モデム24、バスライン26は、入出力ポート27を介して互いに接続されている。
【0048】
CPU11は、EEPROM12やRAM13に記憶される固定値やプログラム或いは、NCU23を介して送受信される各種信号に従って、MFP1が有している各機能の制御や、入出力ポート27と接続された各部を制御するものである。
【0049】
EEPROM12は、CPU11によって実行される制御プログラム12aや固定値データ等を書き換え可能に記憶すると共に、電源遮断後も内容を保持可能な不揮発性のメモリである。制御プログラム12aは、後述する図6〜図10に図示されたフローチャートのプログラムを含んでいる。
【0050】
また、EEPROM12には、文字領域定義テーブル12bが設けられている。詳細は後述するが、MFP1は、元画像に対し、付加画像に含まれる文字を元画像に合成する場合、元画像に合成される文字が欠けることがないよう、文字の表示範囲を包含する領域を決定する。文字領域定義テーブル12bには、文字を包含する領域を決定するための計算式が格納されているのであるが、詳細は図9を参照して後述する。
【0051】
RAM13は、MFP1の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ13a、第1フレームバッファ13b、第2フレームバッファ13c、第3フレームバッファ13d、第4フレームバッファ13e、モードメモリ13fが設けられている。
【0052】
ビデオメモリ13aは、LCD5に表示される内容を保持するメモリである。ビデオメモリ13aに書き込まれるデータは、第1フレームバッファ13b、第2フレームバッファ13c、第3フレームバッファ13d、第4フレームバッファ13eの各々に格納されたデータ(フレーム)の組み合わせから構成される。なお、ビデオメモリ13a、第1フレームバッファ13a〜第4フレームバッファ13eに格納されるデータの内容については、図5を参照して後述する。
【0053】
モードメモリ13fは、スクラッチモードと削除モードとのうち、いずれのモードが現在設定されているかを記憶するメモリである。スクラッチモードは、上記した元画像に付加画像を合成するモードであり、削除モードは、元画像に合成された付加画像のうち、ユーザに指定された部分を削除するモードであるが、各モードで実行される処理については、図7から図10を参照して後述する。なお、ユーザは、例えば、操作パネル4を操作することにより、スクラッチモードと削除モードとのいずれかを設定することができる。
【0054】
NCU23は、電話回線網(図示せず)と接続されており、電話回線網へのダイヤル信号の送出や、電話回線網からの呼出信号の応答などの制御を行う。モデム24は、ファクシミリ機能により送信が指示された画像データを、電話回線網に伝送可能な信号に変調してNCU23を介して送信したり、電話回線網からNCU23を介して入力された信号を受信し、LCD5に表示したり、プリンタ3で記録可能な画像データに復調するものである。
【0055】
次に、図3、図4を参照して、スクラッチモード設定時における、LCD5の画面について説明する。図3は、スクラッチモード設定時における、LCD5の表示の遷移を示す図である。
【0056】
図3(a)は、スクラッチモードの開始時におけるLCD5の表示の一例を示す図である。図3(a)に示すように、スクラッチモードの開始時、LCD5には、メモリカードから読み出された元画像データに基づく元画像41が、LCD5の表示領域の向かって右半分の領域に表示される。そして、その元画像41と隣接させて、LCD5の表示領域の向かって左半分に付加画像42が表示される。
【0057】
なお、本実施形態では、付加画像42の一例として、元画像データのヘッダから読み出された撮影日時情報を示す文字列を含み、背景色を白とする画像を例示しているが、それ以外の情報が付加画像42として用いられても良いのはもちろんである。
【0058】
また、本実施形態では、LCD5の画面のうち、スクラッチモードの開始時に元画像41が表示される右半分の範囲を「右画面43」と称し、スクラッチモードの開始時に付加画像42が表示される左半分の範囲を「左画面44」と称することとする。図3に示すように、右画面43と左画面44とは、同一形状および同一サイズを有する。右画面43が、特許請求の範囲に記載の、「元画像表示範囲」に相当し、左画面44が、特許請求の範囲に記載の、「付加画像の表示範囲」に相当する。
【0059】
また、図3(a)に示すように、MFP1は、LCD5の右画面43内の位置(表面)が外部から指などによりタッチされると、MFP1は、右画面43におけるそのタッチされた指定位置に対応した、左画面44における位置を示す指標47を左画面44に表示する。この指標47により、ユーザは自らがタッチした指定位置に対応する、左画面44上の位置を知ることができる。ここで、右画面43と左画面44とは同一形状および同一サイズであることから、右画面43における指定位置に対応する左画面44の位置は座標データに基づいて容易に特定することが可能である。即ち、右画面43と左画面44とでは共通の座標データにより指定位置を特定したり、画面上の表示領域を管理することができるように構成されている。
【0060】
そして、図3(b)から図3(d)に示すように、MFP1は、右画面43の表面を指でなぞることにより生じる、複数の指定位置の軌跡に基づいて、右画面43上の指定領域45を特定する。具体的には、タッチパネル7により検出される、タッチ位置を中心とする半径Aドット分の領域を、指定領域45として特定する。なお、「A」は予め設定されている値である。実際には、指で画面をなぞる場合、タッチ位置は一点ではなく、指の動きに応じて複数検出される。したがって、指定領域45は、半径Aドット分の領域が複数のタッチ位置に基づいて、中心を少しずつずらして重ねられた領域となる。
【0061】
そして、MFP1は、指定領域45を特定すると、右画面43における指定領域45に対応する、左画面44における対応領域46を特定する。そして、対応領域46内の画像を、指定領域45にコピーする。具体的には、右画面43の指定領域45の表示を、左画面44の対応領域46に表示された付加画像42の部分に置換する。なお、対応領域46は、図3(b)に示すように、左画面44に対する対応領域46の相対的な位置関係が、右画面43に対する指定領域45の相対的な位置関係と等しくなるように特定される領域である。
【0062】
MFP1によれば、このようにして、指定領域45に付加画像42の一部を表示することにより、元画像41と付加画像42とが合成された合成画像を右画面43に表示し、ユーザに閲覧させることができる。
【0063】
また、右画面43における指定領域45に対応する、左画面44の対応領域46に表示される付加画像42の部分が元画像41に合成されるので、ユーザは、付加画像42の任意の部分を、元画像41に合成することができる。
【0064】
なお、図3(b)においては、左画面44内の対応領域46を二点鎖線で図示しているが、これは、図面を理解しやすくするために図示したものであり、LCD5に実際に表示される線図ではない。
【0065】
さらに、図3(b)、図3(c)に示すように、タッチパネル7により検出される指定位置が移動すると、MFP1は、その指定位置の変更に伴って、指定領域45を更新する。すなわち、タッチパネル7により検出された指定位置の軌跡に、半径Aドット分の幅を付与した領域が指定領域45として特定され、指定位置の移動と共に拡大される。そして、指定領域45が更新される毎に、その指定領域45内に対して付加画像の表示を更新する。すなわち、合成画像を更新する。さらに、指定位置の変更に伴って、指標47の表示位置を更新する。
【0066】
このようにすれば、ユーザにとっては、元画像41が表示された右画面43のうち、任意の部分を指などで擦ることにより、あたかも元画像の裏面にある付加画像を露出させるかのような感覚で、合成画像を表示させることができ、元画像41に付加画像42を部分的に合成する際の操作が直感的に分かりやすい。
【0067】
また、ユーザは、自身の操作により、所望の方向へ指定位置を移動させて指定領域45を拡大しつつ、その指定領域45の拡大に伴って更新される合成画像を視認することができる。さらに、指定位置の軌跡に幅を付与した領域が、指定領域45として特定されるので、例えば、指定位置の軌跡で規定される閉曲線内の領域を指定領域とする場合に比較して、ユーザが細かい領域を容易に指定することができ、LCD5の表示面積が小さい場合であっても操作がし易い。
【0068】
そして、MFP1は、例えば、この合成結果に対して、ユーザから、編集終了の指示が入力されると、この合成結果と同じ画像を印刷することができるように、元画像データを加工・編集して印刷データを作成し、プリンタ3(印刷手段)へ出力し、またはメモリカードなどの記憶媒体に保存する。
【0069】
MFP1によれば、ユーザが、元画像41を視認し、付加画像42を合成すべき指定領域45を指定した後に(本実施形態では、ユーザが右画面43をタッチした後に)、その指定領域45に付加画像42が合成された合成画像が表示されるので、ユーザが元画像の内容や雰囲気を確認しつつ、元画像41における適切な領域を、付加画像42の合成位置として指定することができる。
【0070】
また、ユーザは、左画面44に表示された指標47を確認することにより、付加画像42全体のうち、どの部分が元画像41に合成されることとなるかを知ることができる。
【0071】
また、MFP1によれば、ユーザは、LCD5の左画面44と右画面43とにより、元画像51と、その元画像41に合成される付加画像42とを、個別に視認することができ、元画像41および付加画像42それぞれの内容や雰囲気を視認しつつ、元画像41に対して適切な領域を付加画像42の合成位置として指定することができる。
【0072】
なお、図3に示すように、LCD5の左画面44に表示される付加画像は、右画面43に表示されている元画像41に合成される付加画像42と同じ表示倍率で表示される。このようにすれば、ユーザは、元画像41に合成されることになる付加画像42の大きさを、予め左画面44において同じ表示倍率で視認しながら、付加画像のサイズを考慮しつつ、元画像41における適切な領域を付加画像の合成位置として指定することができる。
【0073】
また、右画面43と左画面44とは、同じサイズを有しているので、ユーザは、明確に、元画像41と、その元画像41に合成される付加画像42との大小関係を認識することができる。
【0074】
図3(d)は、ユーザが左画面44にタッチすることで、付加画像42の一部が修正されるときのLCD5の表示例を示す図である。図3(d)に示すように、ユーザにより左画面44内の位置(表面)がタッチ(指定)されたことを、タッチパネル7が検出すると、MFP1は、その左画面44における指定位置に対応した右画面43における位置に、指標47を移動させる。このようにすれば、ユーザは、左画面44にタッチした場合であっても、その指定した位置に対応する右画面43内の位置を、視認することができる。
【0075】
さらに、MFP1は、左画面44内の位置(表面)が指定されたことが、タッチパネル7による検出結果に基づいて判断されると、付加画像42のうち、その指定された位置を中心とする半径Bドット分の領域48に表示される部分を左画面44の背景色に置換する。なお、「B」は予め設定されている値である。これにより、領域48における付加画像42の文字の一部が消去される。なお、この領域48内を背景色に置換する処理が、特許請求の範囲に記載の「指定された位置に基づく領域に表示される部分を消去する」処理の一例に相当するが、これに代えて、領域48を、背景色以外の他の色で塗りつぶす処理を行っても良い。
【0076】
そして、左画面44における付加画像42の部分の消去を、右画面43に表示された合成画像、すなわち、元画像41に既に合成された付加画像に反映する。換言すれば、右画面43における指定領域45はそのままで、指定領域45に合成されている付加画像のうち、左画面44において背景色に置換された文字の部分を、左画面44と同様に背景色に置換する。
【0077】
このようにすれば、ユーザは、合成画像を見た結果、合成した付加画像42自体を修正したい場合には、左画面44側を操作することで、合成画像における付加画像の部分を簡単に削除することができる。よって、ユーザの希望に添った合成画像を表示することができる。図3(d)においては、図面を理解しやすくするため、領域48を二点鎖線で示しているが、この二点鎖線は、LCD5に表示される線図ではない。
【0078】
次に、図4を参照して、付加画像42にテキストデータから成る文字列が含まれる場合に、MFP1が実行する処理について説明する。図4(a)は、文字の表示範囲を包含する領域として定義される文字領域51の一例を示す図であり、図4(b)は、文字領域51に基づく、付加画像合成の一例を示す図である。図3を参照して説明した例では、左画面44の対応領域46に文字が含まれるか否かに関わらず、右画面43の指定領域45に文字部分を含む付加画像が合成されていた。これに対し、図4に示す例では、図4(b)に示すように、右画面43における指定位置に対応した左画面44上の位置が、文字領域51に含まれる場合、その文字領域51内の文字全体を右画面43に合成する。
【0079】
具体的には、MFP1は、付加画像42に、1以上の文字からなる文字列が含まれる場合であって、且つ、そのテキストデータを取得可能な場合、図4(a)に示すように、文字の表示範囲を包含する領域として定義される文字領域51を、文字列を構成する各文字について決定する。なお、文字領域51の決定方法については、図9を参照して後述する。
【0080】
そして、右画面43においてユーザにより指定される指定位置に対応した、左画面44における位置が、いずれかの文字の文字領域51に含まれるかを判断する。そして、左画面44における位置が、文字領域51に含まれる場合は、図4(b)に示すように、その文字領域51全体を包含ことができるよう、指定領域45を特定して、元画像41に付加画像を合成する。
【0081】
このようにすれば、ユーザは、文字全体を含めることができるかどうかを気にすることなく、左画面44に表示されている所望の文字に対応した右画面43上の一点を指定するだけで、その文字全体を元画像41に合成することができる。つまり、右画面43に対するユーザの指定により特定される指定領域45に対応する左画面44の対応領域46の範囲が、付加画像に含まれる文字の途中までであった場合、そのまま対応領域46の付加画像を指定領域45に合成すると文字が欠けてしまう。これに対し、この方式によれば、文字領域51の単位で付加画像が合成されるため、文字が欠けた合成結果となることを防止できる。
【0082】
次に図5を参照して、上述した右画面43および左画面44に合成画像を表示するための構成について説明する。図5(a)は、第1フレーム61,第2フレーム62,第3フレーム63,第4フレーム64を模式的に示す図である。なお、図5においては、図面を見易くするために、第1フレーム61および第2フレームを着色して図示しているが、各フレームの実際の色を示すものではない。また、第1フレーム61はRAM13内の第1フレームバッファ13bに書き込まれるデータであり、第2フレーム62は第2フレームバッファ13cに書き込まれるデータであり、第3フレーム63は第3フレームバッファ13dに書き込まれるデータであり、第4フレーム64は第4フレームバッファ13eに書き込まれるデータである。
【0083】
図5(a)に示すように、第1フレーム61は、指標47を表示するデータであり、第2フレーム62は、指定領域45と指定領域内の付加画像とを表示するデータである。この第2フレーム62が特許請求の範囲に記載の付加画像データに相当する。また、第3フレーム63は、付加画像42を表示するデータであり、第4フレーム64は、元画像41を表示するデータである。各フレーム61,62,63,64は、画素毎のR値G値B値を示すデータで構成されている。
【0084】
図5(b)から(d)は、フレーム61,62,63,64と、LCD5に表示される画像とを並べて、模式的に示す図である。
【0085】
図5(b)は、付加画像42合成前の元画像41が、LCD5に表示されている場合の各フレーム61,62,63,64を示している。図5(b)に示すように、第1フレーム61と第3フレーム63とを重ね合わせたデータが、LCD5の左画面44に対応したビデオメモリ13aの領域に書き込まれ、このデータに基づいて指標47と、付加画像42とが、左画面に表示される。
【0086】
また、第2フレーム62と第4フレーム64とを重ね合わせたデータが、LCD5の右画面43に対応したビデオメモリ13aの領域に書き込まれ、このデータに基づいて、右画面43に画像が表示される。ここでは未だ指定領域45が指定されていないので、右画面43には、元画像41のみが表示される。なお、本実施形態では、第2フレーム62に対しては、初期状態では共通の画素データ、例えば白の画素データが全体に書き込まれている。そして、フレームを重ねる際には、第2フレーム62における白の画素データの部分については、データが無いものとして扱われるように内部的に設定されている。また、第2フレーム62と第4フレーム64とを重ねる場合には、第2フレームのデータが前面にくるようにデータ処理される。
【0087】
なお、図5(b)から図5(d)においては、図面を見易くするため、第1フレーム61と第3フレーム63とをずらして図示し、第2フレーム62と第4フレーム64とをずらして図示しているが、実際には、各フレームにより表示される領域が完全一致するように、各フレームが重ね合わされる。
【0088】
そして、図5(c)に示すように、ユーザがLCD5をタッチし、右画面43を指定すると、その指定位置を中心に半径Aドット分の領域が指定領域45として特定される。そして、その特定された指定領域45に対応する左画面44の対応領域46が特定され、その特定された対応領域46を構成する画素のデータが、第3フレーム63から読み出される。そして、読み出された画素のデータは、第2フレーム62における、指定領域45に対応した画素のデータとしてコピーされる。このように作成された第2フレーム62と、第1フレーム61との合成の結果、指定領域45に付加画像が合成された合成画像が、LCD5の右画面43に表示される。
【0089】
そして、図5(d)に示すように、ユーザが指などを移動させることにより、指定位置が変更すると、指定位置が変更される毎に、指定領域45が更新され、その指定領域の拡大された部分に対して第3フレーム63の画素のデータが第2フレーム62の対応する位置にコピーされる。
【0090】
本実施形態では、第2フレーム62において、指定領域45内に含まれる画素のデータは、全て第3フレームの対応する画素のデータに置換される。よって、右画面43において、指定領域45の背景色は左画面44と等しくなるので、右画面43において、指定領域45は、指定されていない他の領域と区別して表示されることとなり、ユーザは、指定領域45を正しく視認することができる。
【0091】
次に、図6から図10を参照して、上述したMFP1で実行される処理について説明する。図6は、MFP1で実行される表示処理を示すフローチャートである。この表示処理は、MFP1が有する機能の中からメニュー選択などにより、編集画像を閲覧する処理の開始が、ユーザにより入力された場合に実行される処理である。また、他の機能が選択された場合に処理を終了する。
【0092】
まず、ユーザにより、いずれの元画像41または付加画像42を表示するかがユーザにより選択されてOKの指示が入力されたか、あるいは、ユーザによりLCD5の表示の初期化が選択されたかを判断する(S1)。
【0093】
S1の判断が肯定される場合(S1:Yes)、第1フレームバッファ13b,第2フレームバッファ13cを初期化する(S2)。次に、例えば、元画像データのヘッダから読み出した撮影日時情報に基づく付加画像データを作成して、第3フレームバッファ13dにコピーする(S4)。そして、メモリカードから読み出した表示対象の元画像データを、第4フレームバッファ13e(図2参照)にコピーする(S6)。
【0094】
そして、第1フレーム61と第3フレーム63とを重ね合わせて、ビデオメモリ13aの左画面44に対応した領域に書き込み、第2フレーム62と第4フレーム64とを重ね合わせて、ビデオメモリ13aの右画面43に対応した領域に書き込む(S8)。これにより、メモリカードから読み出された元画像データに基づく元画像41が右画面43に表示され、その元画像41と隣接させて、付加画像42が左画面44に表示されることとなる。
【0095】
一方、S1の判断が否定される場合(S1:No)、次に、モードを選択する操作がされたか否かを判断する(S9)。S9の判断が否定される場合(S9:No)、S1の処理に戻る。
【0096】
一方、S9の判断が肯定される場合(S9:Yes)、次にスクラッチモードが選択されたか否かを判断する(S10)。S10の判断が肯定される場合(S10:Yes)、次に、付加画像43に含まれる文字列のテキストデータを取得可能か否かを判断する(S12)。S12の判断が肯定される場合(S12:Yes)、図4を参照して説明した、文字領域に基づく付加画像合成処理を実行し(S16)、S1の処理に戻る。付加画像合成処理(S16)の詳細は、図8を参照して後述する。
【0097】
一方、S12の判断が否定される場合(S12:No)、図3を参照して説明した、付加画像合成処理を実行し(S14)、S1の処理に戻る。付加画像合成処理については、図7を参照して後述する。
【0098】
また、S10の判断が否定される場合(S10:No)、削除モード処理(S18)を実行し、S1の処理に戻る。削除モード処理(S18)については、図10を参照して後述する。このようにすれば、ユーザにより選択された元画像41、付加画像42がLCD5に表示され、または設定中のモードに応じた処理が実行される。
【0099】
なお、図6に示す表示処理の実行中において、LCD5の右画面43に、元画像41または元画像41に付加画像42が合成された合成画像が表示されている状態で、ユーザにより、編集終了の指示が入力されると、MFP1は、この表示処理を抜ける。そして、右画面43に表示されている画像の画像データを、元画像データおよび付加画像データに基づいて作成し、その作成したデータを、印刷、又は保存する処理に移行する。このようにすれば、ユーザは、右画面43を見ながら合成画像を編集し、所望の合成画像が完成した場合には、その合成画像を印刷または保存することができる。すなわち、右画面43をプレビュー画面として利用することができる。
【0100】
図7は、MFP1で実行される付加画像合成処理(S14)を示すフローチャートである。付加画像合成処理(S14)は、まず、タッチパネル7により検出されるタッチ位置(指定位置)を取得する。そして、その取得したタッチ位置に基づいて、LCD5の右画面43がタッチされたか(外部から指定されたか)否かを判断する(S704)。S704の判断が肯定される場合(S704:Yes)、次に、そのタッチ位置に基づいて、右画面44におけるタッチ位置を示す座標情報(x,y)を算出し、その座標情報(x,y)で示される位置を中心とする、半径Aドット分の領域である、指定領域45(図3参照)を特定する(S705)。
【0101】
そして、その指定領域45に対応する、左画面44の対応領域46を特定し、対応領域46を構成する画素のデータを、第3フレームバッファ13dから読み出し、指定領域45を構成する画素のデータとして第2フレームバッファ13cにコピーする(S706)。
【0102】
また、座標情報(x,y)で示される位置に対応した、左画面44の位置に指標47を表示するためのデータを、第1フレームバッファ13bに書き込む(S708)。
【0103】
次に、予め定められた表示更新時間を経過したか否かを判断し(S710)、S710の判断が肯定される場合(S710:Yes)、第1フレーム61と第3フレーム63とを重ね合わせて、ビデオメモリ13aの左画面44に対応した領域に書き込み、第2フレーム62と第4フレーム64とを重ね合わせて、ビデオメモリ13aの右画面43に対応した領域に書き込む(S712)。一方、S710の判断が否定される場合(S710:No)、S712の処理をスキップする。
【0104】
次に、ユーザにより、付加画像合成処理(S14)の終了が指示されたか否かを判断する(S714)。これは、例えば、編集終了がユーザによって入力されたか否かに基づいて判断される。S714の判断が否定される場合(S714:No)、S702に戻り処理を繰り返す。その結果、ユーザの指定位置の変更に伴って指定領域45が順次更新され、その更新された指定領域45に基づいて、指定領域45内の付加画像42の表示が更新されて合成画像が更新されるが、このような表示の更新については、図3において詳述したので、詳しい説明は省略する。
【0105】
このようにして処理を繰り返すうちに、S714の判断が肯定される場合(S714:Yes)、付加画像合成処理(S14)を終了する。
【0106】
図8は、MFP1で実行される、文字領域に基づく付加画像合成処理(S16)を示すフローチャートである。なお、この文字領域に基づく付加画像合成処理(S16)は、図4を参照して説明したように、文字全体を含むように指定領域45を特定する点において、図7を参照して説明した、付加画像合成処理(S14)と異なるが、付加画像42を合成するという点では両者は共通している。よって、文字領域に基づく付加画像合成処理(S16)のうち、図7を参照して説明した付加画像合成処理(S14)と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0107】
文字領域に基づく付加画像処理(S16)では、指定領域45に対応する、左画面44の対応領域46を構成する画素のデータを、第3フレーム63から第2フレーム62にコピーした後(S706)、領域判定処理を実行する(S807)。この領域判定処理(S807)は、右画面43における指定位置に対応した、左画面44における位置が、文字領域51に含まれるかを判断する処理であるが、詳細は図9を参照して後述する。
【0108】
次に、領域判定処理(S807)の結果、文字領域51に含まれると判断されたか否かを判断する(S808)。S808の判断が否定される場合(S808:No)、S810の処理をスキップして、S708の処理に進む。
【0109】
一方、S808の判断が肯定される場合(S808:Yes)、含まれると判断された文字領域51(図5参照)の画素のデータを、第3フレームバッファ13dから第2フレームバッファ13cへコピーする(S810)。これにより、その文字の文字領域51全体を元画像に合成することができる(図4参照)。
【0110】
図9(a)は、領域判定処理(S807)を示すフローチャートである。図9(a)に示すように、領域判定処理(S807)では、まず、付加画像42に含まれる文字列のテキストデータを取得する(S901)。そして、1文字ずつチェック処理を開始する。まず、未チェック文字があるか否かを判断する(S902)。
【0111】
最初は、S902の判断が肯定されるので(S902:Yes)、次に、文字領域定義テーブル12b(図2参照)を参照し、チェック対象文字の文字領域51を求めるための計算式を取得する(S904)。
【0112】
図9(b)を参照して、文字領域51と計算式との関係について説明する。図9(b)は、文字領域定義テーブル12bと計算式の関係の一例を示す図である。S902の処理では、まず、チェック対象文字の計算式を、文字領域定義テーブル12bから取得する。例えば、チェック対象文字が小文字の“o”であった場合は、計算式として、例えば、x+y≦100を取得する。すなわち、小文字“o”を包含する領域は、中心を(x,y)とする半径10の円であると定義される。このような計算式は、通常、MFP1が予めROM12に記憶しているフォントデータに含まれるものである。フォントデータは表示等に使用されるものであり、図9(c)に示されるようなアルファベットの他、各種の文字や書体に対応したものを記憶している。したがって、付加画像に含まれるテキストデータがどのようなフォントにより構成されているかを判別することで、そのフォントに対応するフォントデータから計算式を取得することが可能である。
【0113】
図9(a)に戻り説明する。次に、その計算式で定義される領域を、チェック対象の文字の位置に合わせて平行移動させる(S906)。そして、チェック対象文字の位置に基づいて、チェック対象文字の文字領域51を決定する。
【0114】
図9(c)は、計算式と計算式から決定される文字領域51との関係を示す図である。例えば、図9(c)に示すように、付加画像42における小文字“o”の位置が、タッチパネル上の座標(200,100)である場合には、その座標と、上記計算式に基づいて、付加画像42における小文字“o”の文字領域51は、下記の関係式(1)として決定される。
(x−200)+(y−100)≦100 ・・・(1)
【0115】
次に、右画面43における指定位置(座標情報(x,y))に対応した、左画面44における位置が、上記の文字領域51に含まれるか否かを判断する(S908)。例えば、左画面44における位置の座標が(0,0)である場合、上記関係式(1)の左辺に、x=0、y=0を代入すると、下記(2)式のように、上記(1)の関係を満たさないので、この位置は、文字領域51外であると判定される。
(0−200)+(0−100)>100 ・・・(2)
S908の判断が否定される場合(S908:No)、チェック対象を次の文字として(S912)、S902の処理に戻る。そして、処理を繰り返すうちに、全ての文字について処理を終了すると、S902の判断が否定され(S902:No)、文字領域51外と判定し、図8のS808の処理に戻る。
【0116】
一方、S908の判断が肯定される文字が見つかった場合(S908:Yes)、文字領域51内であると判定して、図8のS808の処理に戻る。
【0117】
領域判定処理(S807)によれば、右画面43におけるユーザの指定位置に対応した左画面44における位置が、付加画像42のいずれかの文字範囲51に含まれるか否かを判定することができる。
【0118】
図10は、削除モード処理(S18)を示すフローチャートである。削除モード処理(S14)は、まず、タッチパネル7によりタッチ位置を取得する(S102)。そして、LCD5の右画面43がタッチされたか、すなわち、外部から指定されたか否かを判断する(S104)。S104の判断が肯定される場合(S104:Yes)、次に、右画面43におけるタッチ位置を示す座標情報(x,y)を算出し、その座標情報(x,y)で示される位置を中心とする、半径Aドット分の削除領域(図示せず)を決定する(S105)。
【0119】
そして、第2フレームバッファ13cにおける、その削除領域を構成する画素のデータをクリアし(S106)、S108の処理に移行する。クリアした部分は元の白の画素データに戻ることになる。
【0120】
そして、後述するS112の処理で、第2フレーム62と第4フレーム64とを合成することにより、右画面43の元画像41に合成された付加画像のうち、決定した削除領域に表示される部分が削除され、その削除領域には、元画像41が表示されることとなる。
【0121】
このようにすれば、ユーザは、元画像41に合成された付加画像の表示範囲のうち、任意の部分にタッチするだけで、付加画像を削除し(すなわち消去し)、元画像の表示に戻すことができ、よりユーザの希望に添った合成画像が表示される。また、ユーザは、あたかも元画像に重ねられていた付加画像を削り取り、下側の元画像を露出させるような感覚で、表示画像を編集することができ、操作が直感的に分かりやすい。
【0122】
なお、本実施形態では、右画面43に表示された、元画像41に合成された付加画像のみが、S106の処理において削除されるものとして説明したが、これに伴って、左画面44の対応する領域に表示される付加画像42の部分も消去されるように構成されても良い。
【0123】
一方、S104の判断が否定される場合(S104:No)、次に、LCD5の左画面44がタッチされたか否かを判断する(S116)。S116の判断が否定される場合(S116:No)、S102の処理に戻るが、S116の判断が肯定される場合(S116:Yes)、次に、左画面44におけるタッチ位置を示す座標情報(x,y)を算出し、その座標情報(x,y)中心とする、半径Aドット分の領域48(図3(d)参照)を決定する(S117)。
【0124】
そして、第3フレームバッファ13dのうち、指定位置に基づく領域48を構成する画素のデータを、背景色のデータに置換する(S118)。これにより、後のS112の処理において、付加画像42の領域48に表示される部分が消去される。なお、本実施形態では、領域48内を全て背景色に置換することにより、消去を行っているが、例えば、黒データや白データに置換されるものであっても良い。
【0125】
次に、第3フレームバッファ13dにおける変更を、第2フレームバッファ13cに反映する。すなわち、上述したように、第2フレームバッファ13cの指定領域45に対応する部分には、第3フレームバッファ13dをコピーしたデータが格納されているが、MFP1は、その指定領域45に対応する部分のデータを、第3フレームバッファ13dから再度読み出し、第2フレームバッファ13cにコピーする(S120)。
【0126】
このようにすれば、後のS112の処理において、左画面44における付加画像42の部分の消去が、右画面43に表示された合成画像、すなわち、元画像41に合成された付加画像に反映される。
【0127】
そして、S108の処理に移行し、座標情報(x,y)または座標情報(x,y)で示される位置に対応した、指標47を表示するためのデータを、第1フレームバッファ13bに書き込む(S108)。
【0128】
次に、予め定められた表示更新時間を経過したか否かを判断し(S110)、S110の判断が肯定される場合(S110:Yes)、フレーム61,62,63,64を重ね合わせたデータを、ビデオメモリ13aに書き込む(S112)。
【0129】
なお、S104の判断において、右画面43がタッチされたと判断されていた場合(S104:Yes)、S112では、第1フレーム61を第3フレーム63とを重ね合わせて、ビデオメモリ13aの左画面44に対応した領域に書き込む。このようにすれば、図3(a)〜(c)を参照して説明したように、左画面44の対応した位置に指標47が表示される。
【0130】
一方、S116の判断において、左画面がタッチされたと判断されていた場合(S116:Yes)、第1フレーム61,第2フレーム62および第4フレーム64を重ね合わせて、ビデオメモリ13aの右画面43に対応した領域に書き込む。すなわち、図3(d)を参照して説明したように、MFP1は、左画面44におけるタッチを検出すると、左画面における指定位置に対応した、右画面43における位置に、指標47を移動させる。
【0131】
なお、S110の判断が否定される場合(S110:No)、S112の処理をスキップする。
【0132】
次に、ユーザにより、削除モード処理(S18)の終了が指示されたか否かを判断する(S114)。S114の判断が否定される場合(S114:No)、S102に戻り処理を繰り返す。
【0133】
このようにして処理を繰り返すうちに、S114の判断が肯定される場合(S114:Yes)、削除モード処理(S14)を終了する。
【0134】
削除モード処理によれば、ユーザは、右画面43か左画面44のいずれかを用いて、元画像41に合成された付加画像の一部を削除することができる。右画面43を用いれば、元画像41に合成された付加画像のうち、削除したい部分を直接指定することにより、画像を編集できて便利である。
【0135】
一方、左画面44には、元画像41に合成されていない付加画像42が表示されており、その付加画像42のうち、消去したい部分を直接指定すれば、その操作は、左画面44だけではなく、右画面43にも反映できるので、合成画像だけではなく、付加画像42自体を変更したい場合に便利である。
【0136】
このように、本実施形態においては、右画面43に対して消去の操作を行った場合と、左画面44に対して消去の操作を行った場合とで、最終的に表示される合成画像の結果が異なるため、ユーザは所望とする合成画像の結果に基づいて、右画面43に対して消去の操作を行うか、左画面44に対して消去の操作を行うかを適宜切り換えれば良い。
【0137】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0138】
例えば、本実施形態では、指標47は、ユーザの指定位置に応じて移動するものであったが、ユーザが所定の操作を行うまで、指標47が移動を開始しないように構成されていても良い。
【0139】
図11は、変形例の表示処理を示すフローチャートであり、図6に対応するフローチャートである。図11に示す表示処理は、S1101,S1102,S1103の処理が設けられている点が、図6に示す表示処理と異なり、後の処理は同一である。よって、図11に示すフローチャートにおいて、図6に示すフローチャートと同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0140】
まず、LCD5の右画面43に元画像41が表示され、左画面44に付加画像42が表示されている状態において、LCD5に対し、シングルクリックかダブルクリックが行われたか否かを、タッチパネル7の検出結果に基づいて判断する(S1101)。なお、図示は省略するが、シングルクリック、ダブルクリックのいずれも入力されない場合は、処理を待機する。
【0141】
LCD5がシングルクリックされた場合(S1101:シングルクリック)、そのシングルクリックされた位置の座標情報(x,y)を特定し、シングルクリックされた画面の反対画面(右画面43に対してシングルクリックされた場合であれば、左画面44)において、座標情報(x,y)で示される位置に対応した位置に指標47を表示するためのデータを、第1フレーム61に書き込む(S1102)。そして、ビデオメモリ13aにおける、左画面44表示用の領域に、第3フレーム63を書き込み、右画面43表示用の領域において、第2フレーム62と第4フレーム64とを合成する。そして、シングルクリックされた画面の反対画面表示用の領域に、第1フレームを重ね合わせ(S1103)、S1101の処理に戻る。
【0142】
このようにすれば、ユーザがLCD5をシングルクリックすると、そのシングルクリックされた位置に対応する、反対画面における位置に、指標47が表示される。よって、ユーザは、LCD5をシングルクリックすることにより、そのシングルクリックした位置に対応する、反対画面における位置を確認することができる。
【0143】
一方、S1101の判断において、LCD5がダブルクリックされたと判断された場合(S1101:ダブルクリック)、S9の処理に移行し、図6を参照して説明した処理を実行する。すなわち、LCD5のシングルクリックにより、ユーザの所望の位置に指標47が表示された後、LCD5をダブルクリックすることにより、ユーザの指定位置に応じて、領域指定が開始され、指標47が移動する。
【0144】
変形例の表示処理によれば、例えば、右画面43に表示された元画像41内の一点をシングルクリックすることにより、その位置に対応した左画面44の位置を指標47により視認することができる。よって、表示された元画像41のうち、付加画像42を合成しようと考えた位置を、ユーザがシングルクリックすることにより、その位置に合成されることとなる付加画像42の部分を、指標47により視認することができる。
【0145】
そして、シングルクリックした位置に対応する、左画面44の位置が、ユーザにとって所望の位置ではなかった場合は、シングルクリックを繰り返すことにより、左画面44内の所望の位置に対応した、右画面43内の位置を探し当てることができる。そして、左画面44の所望の位置に対応した、右画面43内の位置を見つけると、その位置を開始点として、ダブルクリックすることにより、付加画像を合成する位置の指定を開始することができる。
【0146】
また、上記実施形態では、一画面内に、元画像41と付加画像42とが並べて表示されていたが、例えば、2つの表示部が設けられている場合には、元画像41と付加画像42とが、それぞれ別の表示部に表示されても良い。
【0147】
また、上記実施形態では、画像処理装置の一例として、多機能周辺装置を例示したが、例えば、スキャナやプリンタなど、その他の周辺装置についても本発明は適用可能である。
【0148】
また、上記実施形態では、メモリカードから読み出されたデータを元画像データとしたが、例えば、ネットワークを介して接続されたPCから受信したデータや、スキャナにより読み取られたデータが、元画像データとして用いられる場合にも、本発明は適用可能である。
【0149】
また、上記実施形態では、タッチ位置を中心とする半径Aドット分の領域を、指定領域45として特定するものであり、「A」は予め設定されている値であるとして説明した。このように、指定領域45の幅を規定する値は、LCD5に表示される元画像41の上下幅に基づいて設定されたものであっても良い。このようにすれば、編集対象の元画像41の大きさに合わせた適切な領域を、ユーザが容易に指定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明のMFPの外観構成を示した斜視図である。
【図2】MFPの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】(a)はスクラッチモードの開始時におけるLCDの表示の一例を示す図であり、(b)から(d)はLCDの右画面内の位置がタッチされた状態を示す図である。
【図4】(a)は、MFPがテキストデータに基づいて決定する文字領域の一例を示す図であり、(b)は、文字領域に基づく、付加画像合成の一例を示す図である。
【図5】(a)は、フレームバッファに書き込まれるフレームを模式的に示す図であり、(b)から(d)は、フレームと、LCDに表示される画像とを並べて、模式的に示す図である。
【図6】MFPで実行される表示処理を示すフローチャートである。
【図7】MFPで実行される付加画像合成処理を示すフローチャートである。
【図8】MFPで実行される、文字領域に基づく付加画像合成処理を示すフローチャートである。
【図9】(a)は、領域判定処理を示すフローチャートであり、
【図10】削除モード処理を示すフローチャートである。
【図11】変形例の表示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0151】
1 MFP(画像処理装置の一例、コンピュータの一例)
5 LCD(表示部の一例)
7 タッチパネル(検出手段の一例)
12a 制御プログラム(画像処理プログラムの一例)
43 右画面(元画像表示範囲の一例)
44 左画面(付加画像表示範囲の一例)
54 指定領域
S4 付加画像表示手段の一例
S6 元画像表示手段の一例
S105 削除領域決定手段の一例
S112 合成画像編集手段の一例,指標移動手段の一例
S118 付加画像消去手段の一例
S120 反映手段の一例
S705 特定手段の一例
S706 区別表示手段の一例
S708 指標表示手段の一例
S712 合成手段の一例
S906 文字領域決定手段の一例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
前記表示部に対し外部から指定された位置を検出する検出手段と、
前記表示部に、元画像データに基づく元画像を表示する元画像表示手段と、
前記表示部における元画像表示範囲内の位置が外部から指定されると、その指定位置に基づく前記元画像表示範囲上の指定領域を、前記検出手段の検出結果に基づいて特定する特定手段と、
前記元画像表示範囲のうち、前記特定手段により特定される指定領域に、所定の付加画像データに基づく付加画像の少なくとも一部を表示することにより、前記元画像と前記付加画像とが合成された合成画像を、前記表示部に表示する合成手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記表示部における元画像表示範囲のうち、前記特定手段により特定された指定領域を、特定されていない他の領域と区別して表示する区別表示手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示部において、前記元画像と隣接させて、前記付加画像を表示する付加画像表示手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記付加画像表示手段は、前記合成手段により前記元画像に合成される付加画像と同じ表示倍率の付加画像を、前記元画像と隣接させて表示することを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記元画像と隣接して表示される付加画像の表示範囲内の位置が指定されたことが、前記検出手段による検出結果に基づいて判断されると、前記元画像と隣接して表示される付加画像のうち、前記指定された位置に基づく領域に表示される部分を消去する付加画像消去手段と、
前記付加画像消去手段による付加画像の部分の消去を、前記合成手段により表示された合成画像に反映する反映手段とを備えることを特徴とする請求項3または4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記元画像表示範囲における指定位置に対応した、前記付加画像の表示範囲における位置を示す指標を、前記付加画像の表示範囲に表示する指標表示手段と、
前記付加画像の表示範囲内の位置の指定が前記検出手段により検出されると、その付加画像の表示範囲において指定された位置に対応した前記元画像表示範囲における位置に、前記指標を移動させるように前記指標表示手段を制御する指標移動手段を備えることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記元画像表示範囲と、付加画像の表示範囲とは同じサイズであり、
前記特定手段は、前記元画像表示範囲における前記指定領域を特定すると、前記元画像表示範囲における指定領域に対応する、前記付加画像表示範囲における対応領域を前記付加画像の表示範囲において特定するものであり、
前記合成手段は、前記付加画像の表示範囲において特定された対応領域に表示される付加画像の部分を、前記元画像の前記指定領域に合成するものであることを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記特定手段は、前記検出手段により検出された前記指定位置の軌跡に所定の幅を付与した領域を、前記指定領域として特定するものであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記特定手段は、前記検出手段により検出される指定位置の変更に伴って前記指定領域を更新するものであり、
前記合成手段は、前記特定手段により前記指定領域が更新される毎に、その更新された指定領域に基づいて、前記合成画像の表示を更新することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記付加画像に文字列が含まれる場合、文字列を構成する各文字について、その文字の表示範囲を包含する領域として定義される文字領域を文字別に決定する文字領域決定手段を備え、
前記特定手段は、
前記元画像表示範囲における指定位置に対応した、付加画像表示範囲内における位置が、いずれかの文字領域に含まれる場合、その文字領域を包含する領域を、前記指定領域として特定することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記元画像表示範囲内においてユーザが指定した位置に基づいて、削除領域を決定する削除領域決定手段と、
前記合成画像に合成された前記付加画像のうち、前記削除領域決定手段により決定された削除領域に表示される部分を前記合成画像から削除する合成画像編集手段とを備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
画像を表示する表示部と、
前記表示部に対し外部から指定された位置を検出する検出手段とを備えるコンピュータを、
前記表示部に、元画像データに基づく元画像を表示する元画像表示手段と、
前記表示部における元画像表示範囲内の位置が外部から指定されると、その指定位置に基づく前記元画像表示範囲上の指定領域を、前記検出手段の検出結果に基づいて特定する特定手段と、
前記元画像表示範囲のうち、前記特定手段により特定される指定領域に、所定の付加画像データに基づく付加画像の少なくとも一部を表示することにより、前記元画像と前記付加画像とが合成された合成画像を、前記表示部に表示する合成手段として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−187241(P2009−187241A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25954(P2008−25954)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】