説明

画像処理装置および画像処理方法、プログラム、並びに、記録媒体

【課題】観察者の位置にかかわらず、正面を観察する観察者に正しい網膜像を与えることが可能な画像を生成する。
【解決手段】 「室内空間」を撮像した画像は、観察者がイの位置から正面に向かって観察したとき、「室内空間」の中央に存在する観察者が方向イを見た場合の網膜像に相当する網膜像を得ることができ、観察者がロの位置から正面に向かって観察したとき、「室内空間」の中央に存在する観察者が方向ロを見た場合の網膜像に相当する網膜像を得ることができ、観察者がハの位置から正面に向かって観察したとき、「室内空間」の中央に存在する観察者が方向ハを見た場合の網膜像に相当する網膜像を得ることができる。すなわち、変換後画像は、位置イ乃至位置ハなど、その観察者の位置にかかわらず、その正面を観察する観察者に正しい網膜像を与えることができるものである。本発明は、画像処理装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理方法、プログラム、並びに、記録媒体に関し、特に、特定されない位置から観察する観察者に対して、違和感のない網膜像を提供することができる画像処理装置および画像処理方法、プログラム、並びに、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
大型スクリーンを用いて、観察者の等身大またはそれ以上のスケールの映像を臨場感をもって提示するためには、従来、観察者がスクリーン前の所定の位置に立つか、または、観察者の位置によって提示する映像を変換することにより、スクリーンを観察したユーザが、臨場感のある、正しい(違和感のない)網膜像を得ることができるようになされていた。ここで、正しい網膜像とは、観察者が、スクリーンに投影された映像を観察して得られる網膜像と、実際の風景に臨場した場合に得られる網膜像とが実質的に同等であるということを示す。
【0003】
また、観察者に臨場感のある映像を提示するための技術として、例えば、没入型ディスプレイ装置と称されるものがある。没入方ディスプレイを用いて、例えば、ユーザを囲むようにして周りの空間に大型のスクリーンを配置し、スクリーンの背面からプロジェクタで映像を投影することにより、この空間内でさまざまな仮想体験ができるシステムがある(例えば、非特許文献1)。
【0004】
【非特許文献1】Cruz-Neira,C. ,Sandin,D.J. and DeFanti,T.A., ; 鉄urround-Screen Projection-Based Virtual Reality :The Design and Implementation of the CAVE 刀CProceedings of SIGGRAPH '93 ,pp.135-142 ,1993.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、大型スクリーンを用いて、観察者に臨場感のある映像を提示する場合、上述したように、観察者がスクリーン前の所定の位置に立つか、または、観察者の位置によって提示する映像を変換する必要があった。すなわち、従来の技術においては、ある一箇所から観察される映像のみが、観察者に正しい網膜像を与えることができるようになされていた。したがって、従来の技術では、例えば、複数の観察者が同時に映像を観察したとき、複数の観察者に、同時に正しい網膜像を与えることができなかった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、提示される映像または画像の前面(提示される映像または画像の幅と等しい幅の範囲内)の特定されない位置から観察する観察者に対して、違和感のない網膜像を提供することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の画像処理装置は、第1の平面画像データの消失点を推定する消失点推定手段と、第1の平面画像データの画角を推定する画角推定手段と、消失点推定手段により推定された消失点、および、画角推定手段により推定された画角を基に、所定の半径の円柱のうち、画角に対応する部分の曲面に、円柱の中心かつ消失点と同一の高さとなる位置を基準点として、第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
画角推定手段には、消失点推定手段により推定された消失点を基に、画角を推定させるようにすることができる。
【0009】
消失点推定手段には、第1の平面画像データのパース線を描画する描画手段と、描画手段により描画されたパース線を基に、第1の平面画像データの消失点を抽出する消失点抽出手段とを含ませるようにすることができる。
【0010】
消失点推定手段には、第1の平面画像データの特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、特徴量抽出手段により抽出された特徴量を量子化する特徴量量子化手段と、特徴量量子化手段により量子化された特徴量を基に、特徴量が第1の平面画像データの垂直方向にどのような勾配を伴って分布しているかを示す特徴量分布を算出する特徴量分布算出手段と、特徴量分布算出手段により算出された特徴量分布を基に、第1の平面画像データの消失点を抽出する消失点抽出手段とを含ませるようにすることができる。
【0011】
画角推定手段には、第1の平面画像データにおいて表現される空間を垂直上方から観察した場合を想定した平面図を生成する平面図生成手段と、平面図生成手段により生成された平面図内で、第1の平面画像データにおける視点の位置を検出することにより、画角を算出する画角算出手段とを含ませるようにすることができる。
【0012】
平面図生成手段には、第1の平面画像データの視点の仰角を求めることにより平面図を作成させるようにすることができる。
【0013】
画像生成手段には、円柱の半径を、画角推定手段により推定された画角、および、第1の平面画像データの画像サイズを基に決定させるようにすることができる。
【0014】
画像生成手段により生成された第2の平面画像データを表示する表示手段を更に備えさせることができ、表示手段は、平面形状のディスプレイで構成させることができる。
【0015】
本発明の第1の画像処理方法は、第1の平面画像データの消失点を推定する消失点推定ステップと、第1の平面画像データの画角を推定する画角推定ステップと、消失点推定ステップの処理により推定された消失点、および、画角推定ステップの処理により推定された画角を基に、所定の半径の円柱のうち、画角に対応する部分の曲面に、円柱の中心かつ消失点と同一の高さとなる位置を基準点として、第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成ステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の第1のプログラムまたは記録媒体に記録されているプログラムは、第1の平面画像データの消失点を推定する消失点推定ステップと、第1の平面画像データの画角を推定する画角推定ステップと、消失点推定ステップの処理により推定された消失点、および、画角推定ステップの処理により推定された画角を基に、所定の半径の円柱のうち、画角に対応する部分の曲面に、円柱の中心かつ消失点と同一の高さとなる位置を基準点として、第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成ステップとを含むことを特徴とする処理をコンピュータに実行させる。
【0017】
本発明の第1の画像処理装置および画像処理方法、並びに、プログラムにおいては、第1の平面画像データの消失点が推定され、第1の平面画像データの画角が推定され、これらを基に、第2の平面画像データが生成される。生成される第2の平面画像データは、所定の半径の円柱のうち、第1の平面画像データの画角に対応する部分の曲面に、円柱の中心かつ消失点と同一の高さとなる位置を基準点として、第1の平面画像データが投影されたものである。
【0018】
本発明の第2の画像処理装置は、第1の平面画像データの消失点と第1の平面画像データの画角が入力される入力手段と、入力手段により入力された消失点、および画角を基に、所定の半径の円柱のうち、画角に対応する部分の曲面に、円柱の中心かつ消失点と同一の高さとなる位置を基準点として、第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
画像生成手段により生成された第2の平面画像データを表示する表示手段を更に備えさせることができ、表示手段は、平面形状のディスプレイで構成させることができる。
【0020】
本発明の第2の画像処理方法は、第1の平面画像データの消失点と第1の平面画像データの画角の入力を制御する入力制御ステップと、入力制御ステップの処理により入力が制御された消失点、および画角を基に、所定の半径の円柱のうち、画角に対応する部分の曲面に、円柱の中心かつ消失点と同一の高さとなる位置を基準点として、第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成ステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の第2の画像処理装置および画像処理方法においては、第1の平面画像データの消失点と第1の平面画像データの画角の入力を受け、入力された消失点、および画角を基に、所定の半径の円柱のうち、画角に対応する部分の曲面に、円柱の中心かつ消失点と同一の高さとなる位置を基準点として、第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データが生成される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、第1の平面画像を第2の平面画像に変換することができ、特に、奥行きを有する空間が表現されている第1の平面画像を基に、特定されない位置から観察する観察者に対して違和感のない網膜像を提供することができるような第2の平面画像を生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。したがって、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0024】
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0025】
請求項1に記載の画像処理装置(例えば、図2の画像処理装置41)は、奥行きを有する空間が表現されている第1の平面画像データ(たとえば、図4の画像81)を取得して変換する画像処理装置であって、第1の平面画像データの消失点(例えば、図13または図5に示される消失点)を推定する消失点推定手段(例えば、図2の消失点推定部52)と、第1の平面画像データの画角を推定する画角推定手段(例えば、図2の画角推定部53)と、消失点推定手段により推定された消失点、および、画角推定手段により推定された画角を基に、所定の半径(例えば、図31または図32のa)の円柱のうち、画角に対応する部分の曲面に、円柱の中心かつ消失点と同一の高さとなる位置(例えば、図31または図32の(0,0,−a)となる点)を基準点として、第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成手段(例えば、図2の画像変換処理部54)とを備えることを特徴とする。
【0026】
消失点推定手段(例えば、図3の消失点推定部52-1)は、第1の平面画像データのパース線を描画する描画手段(例えば、図3の奥行き方向平行線抽出部71)と、描画手段により描画されたパース線を基に、第1の平面画像データの消失点を抽出する消失点抽出手段(例えば、図3の消失点算出部72)とを含むことができる。
【0027】
消失点推定手段(例えば、図6の消失点推定部52-2)は、第1の平面画像データの特徴量を抽出する特徴量抽出手段(例えば、図6の特徴量抽出部131)と、特徴量抽出手段により抽出された特徴量を量子化する特徴量量子化手段(例えば、図6の量子化部132)と、特徴量量子化手段により量子化された特徴量を基に、特徴量が第1の平面画像データの垂直方向にどのような勾配を伴って分布しているかを示す特徴量分布(例えば、肌理勾配)を算出する特徴量分布算出手段(例えば、図6の肌理勾配算出部133)と、特徴量分布算出手段により算出された特徴量分布を基に、第1の平面画像データの消失点を抽出する消失点抽出手段(例えば、図6の消失点算出部134)とを含むことができる。
【0028】
画角推定手段は、第1の平面画像データにおいて表現される空間を垂直上方から観察した場合を想定した平面図(例えば、図17に示されるタイル画)を生成する平面図生成手段(例えば、図14のタイル画生成部173)と、平面図生成手段により生成された平面図内で、第1の平面画像データにおける視点の位置(例えば、図17に示されるカメラの位置)を検出することにより、画角を算出する画角算出手段(例えば、図14の画角算出部174)とを含むことができる。
【0029】
平面図生成手段は、第1の平面画像データの視点の仰角を求めること(例えば、図19を用いて説明した水平方向平行線描画部171の処理)により平面図を作成することができる。
【0030】
画像生成手段により生成された第2の平面画像データを表示する表示手段を更に備えることができ、表示手段は、平面形状のディスプレイ(例えば、図44または図45に示される画像を表示する平面ディスプレイ、もしくは、図53の画像501を表示する平面ディスプレイ)で構成することができる。
【0031】
請求項9に記載の情報処理方法は、奥行きを有する空間が表現されている第1の平面画像データ(たとえば、図4の画像81)を取得して変換する画像処理装置(例えば、図2の画像処理装置41)の画像処理方法であって、第1の平面画像データの消失点(例えば、図13または図5に示される消失点)を推定する消失点推定ステップ(例えば、図34のステップS2の処理)と、第1の平面画像データの画角を推定する画角推定ステップ(例えば、図34のステップS3の処理)と、消失点推定ステップの処理により推定された消失点、および、画角推定ステップの処理により推定された画角を基に、所定の半径(例えば、図31または図32のa)の円柱のうち、画角に対応する部分の曲面に、円柱の中心かつ消失点と同一の高さとなる位置(例えば、図31または図32の(0,0,−a)となる点)を基準点として、第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成ステップ(例えば、図34のステップS4の処理)とを含むことを特徴とする。
【0032】
また、請求項10に記載のプログラム、および、請求項11に記載の記録媒体に記録されているプログラムにおいても、各ステップが対応する実施の形態(但し一例)は、請求項9に記載の情報処理方法と同様である。
【0033】
請求項12に記載の画像処理装置(例えば、図2の画像処理装置41)は、奥行きを有する空間が表現されている第1の平面画像データ(たとえば、図4の画像81)を取得して変換する画像処理装置であって、第1の平面画像データの消失点と第1の平面画像データの画角が入力される入力手段と、入力手段により入力された消失点、および画角を基に、所定の半径(例えば、図31または図32のa)の円柱のうち、画角に対応する部分の曲面に、円柱の中心かつ消失点と同一の高さとなる位置(例えば、図31または図32の(0,0,−a)となる点)を基準点として、第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成手段(例えば、図2の画像変換処理部54)とを備えることを特徴とする。
【0034】
画像生成手段により生成された第2の平面画像データを表示する表示手段を更に備えることができ、表示手段は、平面形状のディスプレイ(例えば、図44または図45に示される画像を表示する平面ディスプレイ、もしくは、図53の画像501を表示する平面ディスプレイ)で構成することができる。
【0035】
請求項14に記載の画像処理方法は、奥行きを有する空間が表現されている第1の平面画像データ(たとえば、図4の画像81)を取得して変換する画像処理装置(例えば、図2の画像処理装置41)の画像処理方法であって、第1の平面画像データの消失点と第1の平面画像データの画角の入力を制御する入力制御ステップと、入力制御ステップの処理により入力が制御された消失点、および画角を基に、所定の半径(例えば、図31または図32のa)の円柱のうち、画角に対応する部分の曲面に、円柱の中心かつ消失点と同一の高さとなる位置(例えば、図31または図32の(0,0,−a)となる点)を基準点として、第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成ステップ(例えば、図34のステップS4の処理)とを含むことを特徴とする。
【0036】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0037】
本発明を適用した画像処理装置は、通常のカメラによって撮像された所定の画角内の平面の画像または映像、すなわち、カメラのレンズ位置を視点として撮像された平面の画像または映像を基に、複数の視点から観察しても違和感を覚えない平面画像または映像を生成するものである。
【0038】
例えば、図1に示されるように、曲面1を含む円柱状の曲面には、その円柱の中心位置に存在する観察者11が水平方向に360度回転して観察した場合に、どの角度においても違和感がないような画像または映像を投影することが可能である。
【0039】
本発明を適用した画像処理装置は、通常のカメラによって撮像された平面画像または複数の平面画像からなる動画像(映像)を、曲面1に投影した場合と同様に変換し、変換された画像または映像を平面2に表示するか、または、同様の平面に印刷出力することができるようにするものである。このようにして平面2に提示された画像または映像は、その前面にいる複数の観察者12乃至14が、自分の位置から真正面を観察した場合(観察者の視線が、平面2に対して垂直または垂直に近い角度である場合)、曲面1を含む円柱の中央に存在する観察者11が曲面2に対する向き(角度)を変更した場合と同様の正しい網膜像を得ることができる。
【0040】
以下、画像の処理を例として説明するが、映像(動画像)は、複数フレームの画像(静止画像)により構成されるものとして、映像(動画像)が提示される場合にも、全てのフレーム画像に本発明を適用した処理が施されることにより、本発明は適用可能であることはいうまでもない。
【0041】
図2は、本発明を適用した画像処理装置41の構成例を示すブロック図である。
【0042】
画像処理装置41は、画像データ取得部51、消失点推定部52、画角推定部53、画像変換処理部54、および、画像データ出力部55で構成されている。
【0043】
画像データ取得部51は、通常のカメラによって撮像された平面の画像、すなわち、カメラのレンズ位置を視点として、いわゆるピンホールカメラの原理に基づいて撮像された通常の平面の画像に対応する画像データを取得し、消失点推定部52に供給する。
【0044】
消失点推定部52は、供給された画像データの消失点を検出し、検出された消失点の情報と、供給された画像データを、画角推定部53に供給する。消失点とは、透視変換によって三次元空間中の平行線を画像平面上に投影した場合に、それら平行線に対応する画面平面状の直線が収束する点のことである。すなわち、消失点とは、実際は奥行きを有している空間が投影された平面画像上において、「無限に遠い点」であり、奥行き方向に平行な線(例えば、部屋の画像であれば、その稜線)の延長線が交わる点や、奥行き方向に伸びる面(例えば、部屋の画像であれば、奥行き方向に伸びる床、壁、天井に対応するそれぞれの平面)の延長が無限遠方に収束する点として認識されるものである。消失点から画像内で水平方向に描画された直線は地平線であるため、消失点の推定は、換言すれば、地平線の推定である。消失点推定部52による消失点の推定方法はいかなる方法であっても良いが、その具体例として、2種類の消失点の推定方法について、図3乃至図13を用いて後述する。
【0045】
画角推定部53は、供給された画像データの画角、すなわち、画像データを撮像したカメラにおける撮像範囲を表す角度を推定し、画角の推定値と、供給された画像データを、画像変換処理部54に供給する。画角推定部53による画角の推定方法はいかなる方法であっても良いが、その具体例は、図14乃至図28を用いて後述する。
【0046】
画像変換処理部54は、画角推定部53から供給された画角の推定値を基に、供給された画像データを変換し、画像データ出力部55に供給する。画像変換処理部54の処理の詳細については、図29乃至図33を用いて後述する。
【0047】
画像データ出力部55は、画像変換処理部54から供給された変換済みの画像データを、例えば、平面形状の大型ディスプレイに出力して表示させたり、プリンタに出力して印刷出力させたり、所定の記録媒体に記録させたり、所定の通信媒体を用いて、他の装置に送信する処理などを実行する。
【0048】
なお、供給された画像データの消失点が予め分かっている場合、画角の推定処理に予め分かっている消失点の情報を用いることにより、消失点推定部52による消失点の推定処理を省略することが可能である。また、供給される画像データの画角が予め分かっている場合、画像変換処理部54による画像の変換処理に予め判っている画角の情報を用いることにより、画角推定部53による画角の推定処理を省略することが可能である。
【0049】
このような場合、例えば、図2に示される画像処理装置41に、図示しないデータ入力部が備えられ、消失点、または、画角を示すデータの入力を受けて、入力されたデータを画像変換処理部54に供給するようになされる。
【0050】
図3は、図1の消失点推定部52の第1の構成例であり、第1の消失点推定方法によって消失点を推定する消失点推定部52-1の構成を示すブロック図である。
【0051】
奥行き方向平行線抽出部71は、供給された画像データから、例えば、エッジフィルタなどを用いて直線成分を抽出するなどして、地面(水平面)に対して平行であり、かつ、画像手前から奥に(カメラの視線の方向に対して同一方向に)伸びる直線、いわゆる、パース線を抽出する。図4に示される画像に対応する画像データが供給された場合、抽出される直線には、例えば、部屋の稜線や、床のフローリングの板目などがある。消失点を求めるのみであれば、複数のパース線が描画できれば充分である。しかしながら、奥行き方向平行線抽出部71は、後述する処理において好適なように、抽出された直線(パース線)を基に、例えば、地面、床面など、所定の平面上に、実際空間において等間隔となる複数の平行線を描画する。換言すれば、奥行き方向平行線抽出部71は、平面画像が表す空間内の所定の平面上に等間隔の平行線(パース線)を描画する。このようにして描画された平行線を、以下、奥行き方向平行線と称するものとする。
【0052】
そして、消失点算出部72は、奥行き方向平行線抽出部71により抽出された奥行き方向平行線の交点を求め、この画像の消失点とする。
【0053】
すなわち、画像データ取得部51が、図4に示される画像81の入力を受け、この画像データを消失点推定部52-1に供給した場合、奥行き方向平行線抽出部71は、図5に示されるように、複数の奥行き方向平行線を描き、消失点算出部72は、この奥行き方向平行線の交点を消失点とする。例えば、奥行き方向平行線の抽出誤差などにより、奥行き方向平行線の交点が複数検出された場合、消失点算出部72は、それらの交点の重心を消失点としたり、最も多くの奥行き方向平行線が交わる点を消失点とするようにしても良い。
【0054】
図6は、図1の消失点推定部52の第2の構成例であり、第2の消失点推定方法によって消失点を推定する消失点推定部52-2の構成を示すブロック図である。
【0055】
図6を用いて説明する消失点推定部52-2は、いわゆる肌理の勾配を用いて、画像データから消失点を推定する。
【0056】
真上から見ると所定の模様(色や輝度など)が略一定に広がっているような場所、例えば、図7に示すような花畑を、カメラによって、一定の仰角で撮像すると、図8に示すように、所定の模様が手前になるほど粗く、遠ざかるほど細かくなる映像が得られる。一定の仰角で撮像された場合に、手前になる程粗く、遠ざかるほど細かくなる傾向を有する模様の単位を、肌理と称し、その傾向の程度を、肌理の勾配と称する。すなわち、肌理の勾配は、撮像の仰角によって決まる。
【0057】
特徴量抽出部131は、入力画像の各画素の特徴量(例えば、各画素の色差値やエッジ強度など)を抽出する。なお、エッジ強度を特徴量とする場合、特徴量抽出部131は、微分フィルタ(図示せず)を内蔵し、入力画像のエッジを強調してエッジ強度を抽出する。
【0058】
量子化部132は、特徴量抽出部131により抽出された各画素の特徴量に基づいて、入力画像を量子化する。例えば、特徴量が色差値である場合、所定の基準値と同じ色差値を有する画素の値が1とされ、それ以外の色差値を有する画素の値が0とされる。図8に示されるような画像の画像データを量子化した場合、例えば、図9に示されるような量子化データを得ることができる。
【0059】
肌理勾配算出部133は、量子化部132の処理により得られた量子化データ(例えば、図9を用いて説明した量子化データ)から、ライン毎に、白点(肌理)の間隔の平均値(肌理勾配データ)を算出する。例えば、図10に示すように、所定のラインにおいて値が1の画素が複数並んでいる場合、その間隔a1,a2,a3,a4の平均値が算出される。
【0060】
そして、肌理勾配算出部133は、図11に示されるように、算出したライン毎のこの平均値AVを、画像データ内のY軸(入力画像上のY軸)における位置に基づいてプロットし、図12に示すように回帰直線を設定する。すなわちこの回帰直線が肌理の勾配に相当する。肌理勾配算出部133は、設定された回帰直線を消失点算出部134に供給する。
【0061】
消失点算出部134は、設定された回帰直線と、そのY軸との交点を消失点として算出する。
【0062】
消失点は、入力画像を見た場合の被写体の平面が無限遠方に収束する点であるので、図13に示す消失点Rのように、入力画像の画像領域を超えた位置に存在する場合もある。なお、ここでは、消失点RのX軸座標は、入力画像の中心点のX軸座標とする。
【0063】
次に、図14は、図3の画角推定部53の構成例を示すブロック図である。
【0064】
画角推定部53は、水平方向平行線描画部171、平行線抽出部172、タイル画生成部173、および、画角算出部174により構成されている。
【0065】
水平方向平行線描画部171は、供給された画像の奥行き方向の平行線に対して実際の被写体空間において直交し、撮像された被写体の幅(間口)を示すベースラインを描画し、このベースラインを基準に、水平方向の平行線を描画する。この平行線を、水平方向平行線と称する。水平方向平行線は、奥行き方向平行線と同一の間隔となるように描画される。具体的には、図15に示されるように、ベースライン191が描画され、ベースライン191と平行で、かつ、平行線同士の間隔が奥行き方向平行線の間隔と同一の間隔になるように、すなわち、奥行き方向平行線と水平方向平行線により被写体空間において正方形が描かれるようにして、水平方向平行線が描画される。このとき、水平方向平行線描画部171は、ベースライン191と、その1つ奥の平行線のみを描画し、描かれた正方形の対角線を書き加えることにより、それ以外の水平方向平行線を容易に描画することが可能である。
【0066】
なお、消失点推定部52として、図6を用いて説明した消失点推定部52−2が用いられていた場合、奥行き方向の平行線は描画されていないので、水平方向平行線描画部171は、図3を用いて説明した消失点推定部52−1の奥行き方向平行線抽出部71と同様にして、奥行き方向の平行線を描画した後、水平方向の平行線を描画するものとする。
【0067】
平行線抽出部172は、奥行き方向平行線のうちのいずれかと、上述した正方形の対角線のいずれかのうち、画像上で平行となるものを抽出する。正方形の対角線が、画像上、左下から右上方向に描画されている場合、画像上右側のいずれかの対角線と、画像上左側のいずれかの奥行き方向平行線とが画像上で平行となる。図16に示される場合、対角線201と奥行き方向平行線202とが、画像上で平行であるので、平行線抽出部172により抽出される。また、正方形の対角線が、画像上、右下から左上方向に描画されている場合、画像上左側のいずれかの対角線と、画像上右側のいずれかの奥行き方向平行線とが画像上で平行となる。
【0068】
タイル画生成部173は、奥行き方向平行線と水平方向平行線とを基に、タイル画を生成する。具体的には、タイル画生成部173は、被写体とカメラを充分含む領域を真上から見た場合の平面図を生成し、その平面図に、図17に示されるように、奥行き方向平行線と水平方向平行線とをタイル状(グリット状)に描画する。奥行き方向平行線と水平方向平行線とがタイル状に描画された平面図を、タイル画と称するものとする。
【0069】
画角算出部174は、タイル画生成部173により生成されたタイル画、水平方向平行線描画部171により描画されたベースライン191、および、平行線抽出部172により抽出された画像上で平行となる奥行き方向平行線と描画された正方形における対角線とのペアを基に、カメラの画角を求める。すなわち、画角算出部174は、図17に示されるように、平行線抽出部172により抽出された対角線201および奥行き方向平行線202をタイル画内に描画する。タイル画内の対角線201および奥行き方向平行線202との交点と、ベースライン191との距離が、この画像を撮像したカメラとカメラの焦点との奥行きの距離に対応する。すなわち、タイル画内において、対角線201と奥行き方向平行線202との交点がカメラ221の位置であると想定することができる。ここで想定されるカメラ221の位置は、画像81における視点(画像81が正しい網膜像である場合の観察者の視点)に対応する。そして、タイル画において、カメラ221からベースライン191の両端に対して描かれる直線間の角度が、求められる画角である。
【0070】
図17における場合では、画角fovは、約57(deg)であると求められる。
【0071】
ところで、水平方向平行線描画部171は、奥行き方向平行線と同一の間隔の水平方向平行線を描画するものであるが、奥行き方向平行線と水平方向平行線とのそれぞれの間隔に誤差が生じた場合、画角算出部174において算出される画角に誤差が生じてしまう。
【0072】
例えば、図18に示されるように、図17を用いて説明した場合と異なる間隔で水平方向の平行線が描画されてしまった場合、タイル画を用いて求められる画角が、図17における場合の結果と異なるものとなってしまう。
【0073】
このような場合、消失点推定部52により推定された消失点を基に、上述した仰角を求め、入力された画像を真上から撮像した場合の像に対応する正体画像(例えば、入力された画像が図8に示される画像である場合の図7に示される画像)を生成し、これを基に、水平方向平行線を描画することができるようにしても良い。
【0074】
図19は、仰角を求めることができるようになされている場合の、水平方向平行線描画部171の構成例を示すブロック図である。
【0075】
水平方向平行線描画部171は、仰角算出部251、正体画像生成部252、および、水平ライン描画部253により構成することができる。
【0076】
仰角算出部251は、消失点推定部52から供給された消失点の座標を利用して、入力画像の撮像時の撮像部の仰角を算出し、その算出結果を正体画像生成部252に供給する。
【0077】
正体画像生成部252は、仰角算出部251から供給された仰角の算出結果を利用して、入力画像を正対画像に変換する。
【0078】
仰角算出部251および正体画像生成部252が実行する処理を、図20乃至図28を用いて説明する。
【0079】
例えば、図20に示すような等間隔に穴が空いた鉄板Tを、図21に示すように、カメラCAによって所定の仰角φで撮像すると、図22に示すようにして、穴の模様(肌理)が手前になるほどが粗く、遠ざかるほどが細かくなるような勾配を有する画像Daが得られる。なお、図22中の目盛りMは、穴の模様の縦方向(肌理の勾配方向)の位置を表している。
【0080】
このような肌理の勾配を有する画像Daを、今度は、図23に示すように、プロジェクタPJを用いて、カメラCAの仰角φと同じ分だけ傾けられたスクリーンSCに表示すると、図24に示されるように、実際の鉄板T(図20)と同様に、穴の模様が一定間隔で並ぶ鉄板Tの画像Dbが映し出される。
【0081】
なお、図24の矢印の元は、画像Daの所定の穴の模様の縦方向の位置を表し、矢印の先は、矢印の元の画像Daの穴の模様に対応する画像Dbの穴の模様の縦方向の位置を表している。
【0082】
すなわち、正体画像生成部252は、図24に示すような正対画像(画像Db)および入力画像(画像Da)の画素位置と仰角(φ)の幾何学的な関係を利用して、算出された仰角に基づいて、正対画像を構成する各画素に対応する入力画像の画素を検出し、検出した入力画像の画素の画像値を正対画像の画素に設定することで、正対画像を生成する。
【0083】
なお、消失点(正確には消失点の像)Rは、図22の例では、穴の模様の縦方向の間隔がなくなる図上、上方に存在する。また図24に示すように、消失点Rと焦点Qを結ぶ線は、被写体の面(図24の例では、スクリーンの面)と平行となることから、仰角(カメラ光軸と被写体の面の角度)は、消失点を求めることで得ることができる。すなわちこの理由から、仰角算出部251では、消失点を利用して仰角を算出する。
【0084】
仰角φは、図25に示すように、消失点Rと焦点Qを結ぶ直線と、結像面Zの中心点と焦点Qを結ぶ直線からなる角度と同値であるので、仰角は、式(1)に示すように算出される。
【0085】
【数1】

【0086】
なお式(1)中、pは、上述した図13に示される入力画像の中心点と消失点Rの距離であり、hは、図13に示される入力画像のY軸方向の大きさ(高さ)であり、rは、p/hである。またkは所定の係数である。また図25に示した幾何学関係は、図26に示すこともできる。
【0087】
このようして仰角が算出されると、正体画像生成部252は、その仰角を利用して、入力画像を正対画像に変換する。
【0088】
具体的には、正体画像生成部252は、図27に示されるように、正対画像の画素(x1,y1)毎に、それに対応する入力画像の画素(x0,y0)を検出する。
【0089】
正対画像の画素(x1,y1)、入力画像の画素(x0,y0)、および仰角φは、図28に示すような幾何学的な関係を有しているので、正対画像の画素(x1,y1)に対応する入力画像の画素(x0,y0)は、式(2)に示すように求められる。これを用いて、入力画像が与えられたとき被写体平面上の実際の模様が推定可能である。
【0090】
【数2】

【0091】
そして、水平ライン描画部253は、正体画像生成部252により生成された正体画像に、奥行き方向の水平線および水平方向の平行線を描画したのち、正体画像生成部252が実行した変換と逆変換を実行することにより、図16および図17を用いて説明した様な、正しい奥行き方向の水平線および水平方向の平行線が描画された画像データを生成し、平行線抽出部172に供給する。
【0092】
次に、図29は、図2の画像変換処理部54の構成を示すブロック図である。
【0093】
ピンホールカメラモデルを前提とする通常の画像においては、画像を平面スクリーンに結像させるようになされているが、画像変換処理部54においては、平面スクリーンに結像される画像を円柱に含まれる曲面からなるスクリーンに結像させた場合の画像に変換することができるようになされている。換言すれば、画像変換処理部54は、平面スクリーンの画像を、円柱のうちの画角に対応する部分の曲面で構成されるスクリーンに、円柱の中心かつ水平線の高さとなる位置を基準点として投影した場合に得られる画像に変換することができるようになされている。例えば、図30に示されるように、画像処理装置41に供給された、カメラ301によって撮像される画像は、通常画像の結像スクリーン302に結像される。これに対して、円柱の一部を切り取った形状である仮想結像スクリーン303を想定する。画像変換処理部54は、画像処理装置41に供給された画像、すなわち、通常画像の結像スクリーン302に結像される画像を、仮想結像スクリーン303に結像される画像に変換する。
【0094】
変換前画像データ取得部281は、画角推定部53から供給される、画像処理装置41に供給された画像、すなわち、変換前の画像の画像データを取得し、対応画素抽出部284に供給するとともに、変換前の画像の寸法情報を、変換先画像サーフェス生成部282に供給する。
【0095】
変換先画像サーフェス生成部282は、変換前画像データ取得部281から供給された変換前の画像の寸法情報を基に、変換元画像と同じ寸法で変換先画像のサーフェスを用意し、注目画素抽出部283および変換画像生成部285に供給する。
【0096】
注目画素抽出部283は、変換先画像サーフェス生成部282から供給された変換先画像のサーフェスから注目画素を抽出し、注目画素の座標情報を、対応画素抽出部284および変換画像生成部285に供給する。
【0097】
対応画素抽出部284は、画角推定部53から供給される画角の推定値を基に、注目画素抽出部283から供給される座標情報によって示される変換先画像の各画素について、変換元画像での対応する画素を求め、その画素値を変換画像生成部285に供給する。
【0098】
具体的には、対応画素抽出部284は、図31に示されるように、半径aの円柱状のスクリーンと平面スクリーンとが接している場合において、半径aの円柱状のスクリーンのうちの少なくとも一部に結ぶ像の各画素が、平面スクリーン上のどの画素位置になるかを求める。ここで、円柱状のスクリーンの半径aは、変換前画像の画角と横幅によって決まる値である。すなわち、変換前画像の横幅の1/2を1とし、画角の1/2をθとしたとき、aの値は、tanθ=1/aが成り立つ値となる。
【0099】
xyz座標系における原点(0,0,0)を、半径aの円柱状スクリーンと、平面スクリーンとの交線上の点で、かつ、高さが消失点と等しい(すなわち、水平線の高さ)となる座標とし、半径aの円柱状スクリーンの中心点を(0,0,−a)とする。半径aの円柱状のスクリーン上の座標を、x−z平面におけるz軸からの角度θと、y軸座標βとにより、(θ,β)と表した場合、これをxyz座標系に変換すると、(asinθ,β,A(cosθ−1))となる。したがって、半径aの円柱状のスクリーンに結ぶ像の画素(θ,β)に対応する平面スクリーン上の座標は、中心点(0,0,−a)と座標(asinθ,β,A(cosθ−1))とを結ぶ直線が、x−y平面と交わる点であり、座標(atanθ,β/cosθ,0)となる。
【0100】
また、対応画素抽出部284は、図32に示されるように、半径aの円柱状のスクリーンと平面スクリーンとが接している場合において、平面スクリーン上の各画素が、半径aの円柱状のスクリーンのうちの少なくとも一部のどの画素位置になるかを求めるようにしてもよい。
【0101】
図31を用いて説明した場合と同様に、xyz座標系における原点(0,0,0)を、半径aの円柱状スクリーンと、平面スクリーンとの交線上の点で、かつ、高さが消失点と等しい(すなわち、水平線の高さ)となる座標とし、半径aの円柱状スクリーンの中心点を(0,0,−a)としたとき、平面スクリーン上の座標(X,Y,0)に対応する円柱状のスクリーン上の座標は、中心点(0,0,−a)と座標(X,Y,0)とを結ぶ直線が、円柱スクリーン面と交わる点であり、次の式(3)で表される座標である。
【0102】
【数3】

・・・(3)
【0103】
変換画像生成部285は、上述したような方法で、対応画素抽出部284から供給された変換元画像での対応する画素の画素値を、変換先画像サーフェスの注目画素位置にコピーするという動作を繰り返すことにより、変換画像を生成し、画像データ出力部55に供給する。
【0104】
なお、図31を用いて説明した方法と図32を用いて説明した方法とを比較した場合、最終的に生成される画像データに画素落ちが生じないのは、図31を用いて説明した方法であるので、対応画素抽出部284は、図31を用いて説明した方法を用いて、変換先画像の各画素について変換元画像での対応する画素を求めるようにすると好適である。
【0105】
なお、図31および図32においては、半径aの円柱の一部である仮想結像スクリーン303が、通常画像の結像スクリーン302と接している場合について説明したが、これらのスクリーンが接していない場合を想定して変換処理を行っても、上述した場合と同様の変換処理が可能である。すなわち、所定の半径の円柱のうちの画角に対応する領域(中心点とスクリーンとで描かれる扇形の中心角が画角となるような領域)に、同一の画角の平面スクリーンの画像が投影されていれば良い。ここで、円柱の半径は、画角と、スクリーン同士の位置関係によって決まる。また、変換先画像のサーフェスのサイズも、画角と、スクリーン同士の位置関係によって決まる。
【0106】
換言すれば、図33に示されるように、通常画像の結像スクリーン302に結像される変換前の画像と、仮想結像スクリーン303−1乃至303−4のそれぞれに結像される変換後の画像とにおいて、画角および視点(カメラ301の位置、すなわち、中心点(0,0,−a)に対応する点)が同一となるように画像が投影されていれば、通常画像の結像スクリーン302が仮想結像スクリーン303を含む円柱の外側に存在しても、内側に存在しても、上述した場合と基本的に同様の変換処理を行うことが可能である。
【0107】
次に、図34のフローチャートを参照して、図2の画像処理装置41が実行する処理について説明する。
【0108】
ステップS1において、画像データ取得部51は、変換前の画像データを取得し、消失点推定部52に供給する。
【0109】
ステップS2において、消失点推定部52は、図35を用いて後述する消失点推定処理1、または、図36を用いて後述する消失点推定処理2を実行する。
【0110】
ステップS3において、画角推定部53は、図41を用いて後述する画角推定処理を実行する。
【0111】
ステップS4において、画像変換処理部54は、図43を用いて後述する画像変換処理4を実行する。
【0112】
ステップS5において、画像データ出力部55は、ステップS2において消失点が算出され、ステップS3において画角が推定されて、ステップS4において変換されて生成された変換後の画像データの供給を受け、これを出力し、処理が終了される。
【0113】
このように、図2の画像処理装置41においては、消失点が算出され、画角が推定されて、これを基に、画像データが変換されて、変換後の画像データが出力される。出力された画像データは、大型の平面ディスプレイに表示されたり、印刷出力されたり、所定の記録媒体に記録されたり、所定の通信媒体を介して通信される。
【0114】
次に、図35のフローチャートを参照して、図34のステップS2において、図3を用いて説明した消失点推定部52−1により実行される消失点推定処理1について説明する。
【0115】
ステップS21において、奥行き方向平行線抽出部71は、画像データ取得部51により取得された画像から、地面(水平面)に対して平行であり、かつ、画像手前から奥に(カメラの視線の方向に対して同一方向に)伸びる直線を検出することにより、図5を用いて説明した様に、それぞれの間隔が等しい奥行き方向の平行線を複数抽出する。
【0116】
ステップS22において、消失点算出部72は、奥行き方向平行線抽出部71において抽出された奥行き方向の水平線を基に、図5を用いて説明した様に、それらの画像上での交点を求めることにより、消失点を算出し、処理は、図34のステップS2に戻り、ステップS3に進む。
【0117】
このような処理により、画像データの奥行き方向の平行線を基に、消失点が推定される。
【0118】
次に、図36のフローチャートを参照して、図34のステップS2において、図6を用いて説明した消失点推定部52−2により実行される消失点推定処理2について説明する。
【0119】
ステップS41において、特徴量抽出部131は、入力画像の各画素の特徴量を抽出する。特徴量としては、例えば、各画素の色差値やエッジ強度が抽出される。なおエッジ強度を特徴量とする場合、特徴量抽出部51は、微分フィルタ(図示せず)を内蔵し、入力画像のエッジを強調してエッジ強度を抽出する。
【0120】
ステップS42において、量子化部132は、ステップS41において抽出された各画素の特徴量に基づいて、入力画像の特徴量を量子化する。
【0121】
例えば、特徴量が色差値である場合、所定の基準値と同じ色差値を有する画素の値が1とされ、それ以外の色差値を有する画素の値が0とされる。
【0122】
例えば、図8に示した入力画像は、図9に示すように量子化される。なお図9中、白点は、値1の画素を表し、黒点は、値0の画素を表している。
【0123】
ステップS43において、肌理勾配算出部133および消失点算出部134の処理により、消失点が算出され、処理は、図34のステップS2に戻り、ステップS3に進む。
【0124】
具体的には、肌理勾配算出部133は、ステップS42で得られた量子化データ(図9)から、ライン毎に、白点(肌理)の間隔の平均値(肌理勾配データ)を算出する。例えば、図10を用いて説明したように、所定のラインにおいて値が1の画素が複数並んでいる場合、その間隔a1,a2,a3,a4の平均値が算出される。
【0125】
そして肌理勾配算出部133は、算出したライン毎のこの平均値AV(図12)に基づいて、図12を用いて説明したように、回帰直線を設定する。すなわちこの回帰直線が肌理の勾配に相当する。
【0126】
そして、消失点算出部134は、設定された回帰直線と、そのY軸(入力画像上のY軸)との交点を消失点として算出する。
【0127】
このような処理により、肌理勾配を基に、消失点が求められる。
【0128】
ところで、図36のステップS41において、特徴量抽出部131は、入力画像の各画素の特徴量を抽出する。特徴量としては、例えば、各画素の色差値やエッジ強度が抽出される。
【0129】
ここで、図37のフローチャートを参照して、特徴量として色差値が用いられる場合に、図36のステップS41において特徴量抽出部131が実行する、特徴量の基準値を決定するための処理について説明する。
【0130】
ステップS61において、特徴量抽出部131は、入力画像から、所定の特徴量(この例の場合、色差値)のヒストグラムを生成する。
【0131】
ステップS62において、特徴量抽出部131は、ステップS61で生成されたヒストグラムにおいて、度数の上位n個の色差値を選択する。
【0132】
ステップS63において、特徴量抽出部131は、ステップS62で選択されたn個の色差値の中から1個の色差値を選択する。そして、ステップS64において、特徴量抽出部131は、選択された色差値と同じ色差値を有する画素の位置を検出する。
【0133】
次にステップS65において、特徴量抽出部131は、図38乃至図40に示す例のように、ステップS64でその位置が検出された画素の、水平方向の位置(X軸座標)の最大値と最小値の差、および垂直方向の位置(Y軸座標)の最大値と最小値の差をそれぞれ算出するとともに、その合計値を算出する。
【0134】
ステップS66において、特徴量抽出部131は、ステップS62で選択されたn個の色差値の全てがステップS63で選択されたか否かを判断する。ステップS66において、まだ選択されていない色差値があると判断された場合、処理は、ステップS63に戻り、次の色差値が選択され、ステップS64以降の処理が繰り返される。
【0135】
ステップS66において、すべての色差値が選択されたと判断された場合、ステップS67おいて、特徴量抽出部131は、ステップS65で算出された合計値の中で最大の合計値が得られた色差値を基準値として選択する。
【0136】
このようにして基準値が決定される。例えば、入力画像に、比較的多く存在する色であって、入力画像全体に分布している色の色差値などが基準値となり、そのような色について量子化が実行される。
【0137】
なお、ここでは、特徴量が色差値である場合を例として説明したが、エッジ強度等の他の特徴量についても同様にして基準値が決定される。
【0138】
次に、図41のフローチャートを参照して、図34のステップS3において、図14を用いて説明した画角推定部53が実行する画角推定処理について説明する。
【0139】
ステップS91において、水平方向平行線描画部171は、消失点を求めるために予め奥行き方向の平行線が描画されている場合は、その奥行き方向の平行線に対して、図15および図16を用いて説明した様にして、水平方向平行線と同一の間隔で、すなわち、正体画像で正方形が描画されるように、水平方向平行線を描画する。または、奥行き方向の平行線が予め描画されていない場合は、水平方向平行線描画部171は、図5を用いて説明した場合と同様の処理において奥行き方向の平行線を描画して、描画された奥行き方向の平行線に対して、図15および図16を用いて説明した様にして、水平方向平行線と同一の間隔で、すなわち、正体画像で正方形が描画されるように、水平方向平行線を描画する。
【0140】
ステップS92において、平行線抽出部172は、図16を用いて説明した様に、奥行き方向平行線と、描画された正方形における対角線とで、画像データ内で平行となっているものを抽出する。
【0141】
ステップS93において、タイル画生成部173は、奥行き方向平行線と水平方向平行線とを基に、図17を用いて説明した様に、タイル画を生成する。
【0142】
ステップS94において、画角算出部174は、タイル画生成部173により生成されたタイル画、水平方向平行線描画部171により描画されたベースライン、および、平行線抽出部172により抽出された画像上で平行となる奥行き方向平行線と描画された正方形における対角線とのペアを基に、図17を用いて説明した様に、画角を算出し、処理は、図34のステップS3に戻り、ステップS4に進む。
【0143】
このような処理により、変換前画像を撮像したカメラの画角を推定することができる。
【0144】
また、奥行き方向平行線と同一の間隔で水平方向平行線を描画することが困難な場合、すなわち、正体画像で正方形が描画されるように水平方向平行線を描画することが困難な場合、奥行き方向平行線と水平方向平行線とのそれぞれの間隔に誤差が生じ、その結果、画角算出部174において算出される画角に誤差が生じてしまう。
【0145】
例えば、図18を用いて説明したように、図17を用いて説明した場合と異なる間隔で水平方向の平行線が描画されてしまった場合、タイル画を用いて求められる画角が、図17における場合の結果と異なるものとなってしまう。このような場合は、水平方向平行線描画部171の構成を図18を用いて説明した様な構成として、変換前の画像を撮像したときのカメラの仰角を算出し、正体画像を生成することにより、正確に、奥行き方向の平行線に対して、正体画像で正方形が描画されるように、水平方向の平行線を描画するようにしても良い。
【0146】
次に、仰角を算出し正体画像を生成する場合の、図41のステップS91の処理に該当する処理である水平方向平行線描画処理について、図42のフローチャートを参照して説明する。
【0147】
ステップS111において、仰角算出部251は、消失点推定部52の処理により求められている消失点を基に、カメラの仰角を算出する。
【0148】
具体的には、仰角は、図25に示すように、消失点Rと焦点Qを結ぶ直線と、結像面Zの中心点と焦点Qを結ぶ直線からなる角度と同値であるので、仰角は、上述した式(1)を用いて算出することができる。
【0149】
ステップS112において、正体画像生成部252は、その仰角を利用して、入力画像を正対画像に変換し正体画像を生成する。
【0150】
具体的には、正体画像生成部252は、図27を用いて説明した様に、正対画像の画素(x1,y1)毎に、それに対応する入力画像の画素(x0,y0)を検出する。
【0151】
正対画像の画素(x1,y1)、入力画像の画素(x0,y0)、および仰角φは、図28に示すような幾何学的な関係を有しているので、正対画像の画素(x1,y1)に対応する入力画像の画素(x0,y0)は、上述した式(2)を用いて求めることができる。これを用いて、入力画像が与えられたとき被写体平面上の実際の模様を推定することができる。
【0152】
ステップS113において、水平ライン描画部253は、生成された正体画像において、消失点を求めるために描画した奥行き方向の平行線に対して、正体画像で正方形が描画されるように、水平方向に平行線を描画する。
【0153】
そして、水平ライン描画部253は、正体画像生成部252に、奥行き方向の水平線および水平方向の平行線を描画したのち、正体画像生成部252が実行した変換と逆変換を実行することにより、図15および図16を用いて説明した様な、正しい奥行き方向の水平線および水平方向の平行線が描画された画像データを生成し、平行線抽出部172に供給する。
【0154】
このような処理により、仰角を基に正体画像が生成されるので、正確に、奥行き方向の平行線に対して、正体画像で正方形が描画されるように、水平方向に平行線を描画することができる。したがって、精度よく画角を推定することができる。
【0155】
次に、図43のフローチャートを参照して、図34のステップS4において、図29を用いて説明した画像変換処理部54が実行する、画像変換処理について説明する。
【0156】
ステップS131において、変換前画像データ取得部281は、変換前の画像データを取得し、変換先画像サーフェス生成部282および対応画素抽出部284に供給する。
【0157】
ステップS132において、変換先画像サーフェス生成部282は、変換前の画像データと同一の寸法の変換先画像サーフェスを用意し、注目画素抽出部283および変換画像生成部285に供給する。
【0158】
ステップS133において、注目画素抽出部283は、変換先画像サーフェス生成部282から供給された変換先画像サーフェスのうちの未処理の画素を注目画素として抽出し、注目画素の座標情報を、対応画素抽出部284および変換画像生成部285に供給する。
【0159】
ステップS134において、対応画素抽出部284は、画角推定部53から供給される画角の推定値を基に、図31または図32を用いて説明した変換式を基に、変換前の画像データの画素のうち、抽出された注目画素に対応する画素を抽出し、その画素値を変換画像生成部285に供給する。
【0160】
ステップS135において、変換画像生成部285は、変換先画像サーフェスの注目画素位置に、対応画素抽出部284から供給された変換元画像での対応する画素の画素値をコピーする。
【0161】
ステップS136において、変換画像生成部285は、全ての画素において画素をコピーする処理が終了されたか否かを判断する。ステップS136において、画素をコピーする処理が全ての画素において終了されていないと判断された場合、処理は、ステップS133に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS136において、画素をコピーする処理が全ての画素において終了されたと判断された場合、処理は、図34のステップS4に戻り、ステップS5に進む。
【0162】
このような処理により、所定のカメラ位置から撮像された平面画像データを構成する各画素が、画角および変換前の画像データの大きさに基づいて、円柱状の少なくとも一部として構成される仮想的なスクリーン上のいずれかの画素に置き換えられて、変換後の画像データが生成される。
【0163】
図44に、図4に示される変換前画像が、図17を用いて説明した様にして求められた画角fov1=57(deg)を基に変換されて生成された、変換後画像の例を示す。このとき、a=1.086となる。
【0164】
図44に示されるような「室内空間」を撮像した画像は、観察者が図45Aに示されるイの位置から正面に向かって観察したとき、図45Bに示されるように、「室内空間」の中央に存在する観察者351が方向イを見た場合の網膜像に相当する網膜像を得ることができ、観察者が図45Aに示されるロの位置から正面に向かって観察したとき、図45Bに示されるように、「室内空間」の中央に存在する観察者351が方向ロを見た場合の網膜像に相当する網膜像を得ることができ、観察者が図45Aに示されるハの位置から正面に向かって観察したとき、図45Bに示されるように、「室内空間」の中央に存在する観察者351が方向ハを見た場合の網膜像に相当する網膜像を得ることができる。すなわち、図44および図45に示される変換後画像は、図45Aに示される位置イ乃至位置ハなど、その観察者の位置にかかわらず、観察者に正しい網膜像を与えることができるものである。
【0165】
「室内空間」の中央に存在する観察者351が、方向イから方向ハまでを角度を変更しながら、部屋の左下隅の角から部屋の右下隅の角までの部屋の奥の壁と床との境界線を観察したとき、その境界線と観察者351との距離は、部屋の左下隅の角(方向イ)と部屋の右下隅の角(方向ハ)が最も遠く、部屋の中央部分(方向ロ)が最も近い。すなわち、図44および図45に示される変換後画像においては、部屋の奥の壁と床との境界線は、直線ではなく、やや下に凸の曲線となり、部屋の左下隅および右下隅の角は、部屋の中央部分の床と奥の壁の境界よりも、画像上で高い位置、換言すれば、観察者から遠く感じる位置に描画される。
【0166】
なお、変換後画像には、通常の画像には発生しない上辺と下辺の湾曲が発生してしまうため、図45Aに示されるように、その上辺と下辺の湾曲部分が削除された画像、すなわち、図45Aの直線352−1と直線352−2との間の部分の画像を観察者に提示するようにすると好適である。
【0167】
図46に、tanθ2=1.0、すなわち、画角fov2=2tan-11.0=90degであり、かつ、a=2における場合の変換後画像の例を示す。
【0168】
そして、図47に、tanθ3=0.25、すなわち、画角fov3=2tan-10.25=28.1degであり、かつ、a=0.5における場合の変換後画像の例を示す。
【0169】
すなわち、図44に示される変換後画像は、図48Aに示されるような画角fovおよびカメラとカメラの焦点との奥行きの距離aとの関係を基に変換され、図46に示される変換後画像は、図48Bに示されるような画角fovおよびカメラとカメラの焦点との奥行きの距離aとの関係を基に変換され、図47に示される変換後画像は、図48Cに示されるような画角fovおよびカメラとカメラの焦点との奥行きの距離aとの関係を基に変換されている。
【0170】
すなわち、図46に示される変換後画像は、正しく求められた図48Aに示されるような画角fovおよびカメラとカメラの焦点との奥行きの距離aに対して、図48Bに示されるように、実際よりも広い画角で、遠くのカメラにより撮像されたものとして生成されている。また、図47に示される変換後画像は、正しく求められた図48Aに示されるような画角fovおよびカメラとカメラの焦点との奥行きの距離aに対して、図48Cに示されるように、実際よりも狭い画角で、近くのカメラにより撮像されたものとして生成されている。
【0171】
このように、正しく推定された画角および焦点距離を基に画像が変換されなければ、その観察者の位置にかかわらず、観察者に正しい網膜像を与えることができる画像を生成することはできない。
【0172】
次に、所定のポイントから360度全ての向きにおける網膜像に対応する平面画像データを得る場合を例として、本発明を適用した場合の顕著な効果について説明する。
【0173】
例えば、図49に示されるように、ユーザ401が、ベンチ411およびベンチ422が設置され、周りに木413−1乃至413−8がある、直線状に伸びた歩道402において、自分自身の周辺360度の画像データを得る場合を想定して説明する。
【0174】
まず、図49に示されるように、ユーザ401から、90(deg)ずつ角度を変えて、歩道402の一方であって、ベンチ411およびベンチ422が設置されている方向に対応する方向a、方向aと90(deg)向きが異なり、木413−8がある方向に対応する方向b、方向aと180(deg)向きが異なる方向c、並びに、方向cと90(deg)向きが異なり、木413−1乃至413−7がある方向に対応する方向dの4方向の画像を撮像した場合に得られる画像を図50に示す。
【0175】
図50に示されるように、方向aを撮像した画像は、画像451である。画像451には、ベンチ411およびベンチ422が含まれ、歩道402は画像内の遠方方向に伸び、歩道402の境界線は、消失点(画像451の外部に存在する消失点)に収束する斜めの直線となる。方向bを撮像した画像は、画像452である。画像452には、木413−8が含まれ、歩道402の境界線は、画面上、水平方向の直線である。方向cを撮像した画像は、画像453である。画像453において、歩道402は画像内の遠方方向に伸び、歩道402の境界線は、消失点(画像453の外部に存在する消失点)に収束する斜めの直線となる。方向dを撮像した画像は、画像454である。画像454には、複数の木413が含まれ、歩道402の境界線は、画面上、水平方向の直線である。
【0176】
そして、図50に示される4枚の画像を単純に接続すると、図51に示される画像471となる。なお、画像417においては、画像と画像との境界部分に存在する木413などは、不自然ではないように補正されるものとする。
【0177】
ここで、その元となる画像451乃至画像454のそれぞれにおいて、歩道402の境界線は、消失点に向かって収束する直線であるか、水平方向の直線であるかのいずれかである。したがって、画像471においては、歩道402の境界線が、全て直線により構成されてしまうため、図49に示されるユーザ401が、自分自身の周辺360度を観察した場合に得られる網膜像とは異なり、上述した角度a乃至角度dのそれぞれのちょうど中間の角度(画像451乃至画像454の接続部分)において、歩道の境界が、所定の角度を持って曲がってしまうような、違和感のあるものとなってしまう。
【0178】
これに対して、例えば、図49に示されるユーザ401の位置から撮像される画像を増やして、例えば、2倍の8枚の画像を合成して接続することにより、画像を生成する場合について考える。
【0179】
例えば、図51を用いて説明した画像471において、画像451乃至画像454の接続部分に、上述した角度a乃至角度dのそれぞれのちょうど中間の角度で撮像された画像を接続した場合、図52に示される画像481を得ることができる。しかしながら、画像481においても、歩道の境界部分は、8枚のそれぞれの画像の接続部分において所定の角度で接続される直線の集合である。
【0180】
すなわち、従来のピンホールカメラの原理により得られる画像を用いて、周辺360度を観察した場合に得られる網膜像に近い画像を得るために、撮像される枚数(撮像される画像の方向)を増やしても、歩道の境界部分は、厳密には、直線が接続されたものとなり、観察者であるユーザ401の目に映る網膜像のようにはならない。
【0181】
これに対して、本発明を適用した画像処理装置41を用いて、従来のピンホールカメラの原理により得られる画像を上述した方法で変換し、適宜接続した場合、図53に示される画像501のように、歩道の境界部分はなだらかな曲線に変換される。すなわち、画像501の前面のいかなる位置からその正面が観察された場合であっても、観察者に与えられる網膜像は、ユーザ401が360度回転した場合にその目に映る網膜像と略同等のものとなる。
【0182】
このようにして、本発明を適用することにより、従来のピンホールカメラの原理により得られる画像を接続しただけでは得ることができない、実際空間のユーザ401の目に映る網膜像と略同等の網膜像を複数の観察者の視点において得ることが可能な平面画像を生成することが可能となる。
【0183】
また、本発明は、通常のカメラによって撮像された画像または映像を変換する以外にも、例えば、コンピュータグラフィクスなどを用いて画像または映像が作成される場合においても適用可能である。すなわち、ピンホールカメラの原理に基づいて撮像された画像と同様の方法で奥行きが表現されている画像または映像を、本発明を用いて変換するようにしてもよい。
【0184】
また、例えば、人がスクリーンに入り込んだり、スクリーンがミラーとなるようにユーザに感じさせるようなアプリケーションがある。具体的には、例えば、大型スクリーンに細かいビーズや液体状のものが降ってくる映像が投影され、そのスクリーン内のビーズや液体が、スクリーン前に存在するユーザのスクリーン上の影に当たって、現実世界においてビーズや液体がユーザに当たったときのような振る舞いをしたり、スクリーン内に蝶々が飛んできて、スクリーン前に存在するユーザのスクリーン上の影に止まるような、平面的でありながら、いわゆる、仮想現実(virtual reality)または複合現実感(mixed reality)をユーザに提供するアプリケーションがある。
【0185】
このようなアプリケーションにおいて、本発明を適用することも可能である。すなわち、スクリーンに表示される画像または映像の生成に本発明を適用することにより、スクリーンに表示される画像または映像に対して特定されない位置(例えば、図45Aにおける位置イロハなど)に存在するユーザに対して、より現実世界に近い感覚を与えることが可能となる。
【0186】
このようにして、本発明を適用して、通常のカメラで撮影した画像に対して、所定の画像変換を施して生成された変換後画像は、その画像を観察する観察者が、変換後画像の前面のいかなる位置から観察者自身の正面を観察しても(観察者の視線が変換後画像平面に対して垂直または略垂直の方向であれば)実際の世界に臨場した場合と同様の網膜像を観察者に提供することが可能になる。
【0187】
また、このようにして、本発明を適用して、通常のカメラで撮影した画像に対して、所定の画像変換を施して生成された変換後画像を表示するディスプレイは、大きいものがより好ましい。
【0188】
また、本発明の画像変換は、カメラなどで撮像された画像のみならず、例えば、コンピュータグラフィックスなどによって生成された画像に対して適用することも可能である。
【0189】
このように生成された画像または映像は、大型の平面スクリーンに表示されたり、印刷出力されて観察者に観察されるのみならず、画像または映像を利用する各種アプリケーションに適用することが可能である。
【0190】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、例えば、生体情報処理装置1は、図54に示されるようなパーソナルコンピュータ901により構成される。
【0191】
図54において、CPU(Central Processing Unit)921は、ROM(Read Only Memory)922に記憶されているプログラム、または記憶部928からRAM(Random Access Memory)923にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM923にはまた、CPU921が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0192】
CPU921、ROM922、およびRAM923は、バス924を介して相互に接続されている。このバス924にはまた、入出力インタフェース925も接続されている。
【0193】
入出力インタフェース925には、キーボード、マウスなどよりなる入力部926、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部927、ハードディスクなどより構成される記憶部928、モデムなどより構成される通信部929が接続されている。通信部929は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0194】
入出力インタフェース925にはまた、必要に応じてドライブ930が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリなどのリムーバブルメディア931が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部928にインストールされる。
【0195】
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0196】
この記録媒体は、図54に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア931により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM922や、記憶部928に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0197】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0198】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置(または特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合したものを意味し、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは問わない。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】曲面のスクリーンと平面のスクリーンについて説明するための図である。
【図2】本発明を適用した画像処理装置の構成例について説明するためのブロック図である。
【図3】図2の消失点推定部の第1の構成例について説明するためのブロック図である。
【図4】供給される画像の例を示す図である。
【図5】奥行き方向平行線と消失点について説明するための図である。
【図6】図2の消失点推定部の第2の構成例について説明するためのブロック図である。
【図7】正体図について説明するための図である。
【図8】所定の仰角をもって撮像された画像について説明するための図である。
【図9】量子化データについて説明するための図である。
【図10】肌理の間隔の平均値について説明するための図である。
【図11】肌理の間隔の平均値について説明するための図である。
【図12】肌理の間隔の平均値を基に求められる消失点について説明するための図である。
【図13】肌理の間隔の平均値を基に求められる消失点について説明するための図である。
【図14】図2の画角推定部の構成例について説明するためのブロック図である。
【図15】水平方向平行線について説明するための図である。
【図16】対角線と平行な奥行き方向平行線の抽出について説明するための図である。
【図17】タイル画の生成と推定される画角について説明するための図である。
【図18】奥行き方向平行線の描画に誤差があった場合について説明するための図である。
【図19】図14の水平方向平行線描画部の構成例について説明するためのブロック図である。
【図20】被写体の他の例を示す図である。
【図21】画像変換の原理を説明する図である
【図22】図20の被写体に対する撮像画像ついて説明するための図である。
【図23】撮像画像と正体画像の画像変換の原理を説明するための図である。
【図24】撮像画像と正体画像の画像変換の原理を説明するための図である。
【図25】撮像画像と正体画像の画像変換の原理を説明するための図である。
【図26】撮像画像と正体画像の画像変換の原理を説明するための図である。
【図27】撮像画像と正体画像の画像変換の原理を説明するための図である。
【図28】撮像画像と正体画像の画像変換の原理を説明するための図である。
【図29】図2の画像変換処理部の構成例について説明するためのブロック図である。
【図30】通常画像の結像スクリーンと、仮想的な結像スクリーンについて説明するための図である。
【図31】2つのスクリーンにおける画素位置の対応について説明するための図である。
【図32】2つのスクリーンにおける画素位置の対応について説明するための図である。
【図33】通常画像の結像スクリーンと、仮想的な結像スクリーンの位置について説明するための図である。
【図34】画像処理装置の処理について説明するためのフローチャートである。
【図35】消失点推定処理1について説明するためのフローチャートである。
【図36】消失点推定処理2について説明するためのフローチャートである。
【図37】基準値決定処理について説明するためのフローチャートである。
【図38】肌理を特定する際の基準値を決定する処理を説明するための図である。
【図39】肌理を特定する際の基準値を決定する処理を説明するための図である。
【図40】肌理を特定する際の基準値を決定する処理を説明するための図である。
【図41】画角推定処理について説明するためのフローチャートである。
【図42】水平方向平行線描画処理について説明するためのフローチャートである。
【図43】画像変換処理について説明するためのフローチャートである。
【図44】本発明を適用して正しく推定された画角を基に変更された画像について説明するための図である。
【図45】本発明を適用して正しく推定された画角を基に変更された画像について説明するための図である。
【図46】誤って推定された画角を基に変更された画像について説明するための図である。
【図47】誤って推定された画角を基に変更された画像について説明するための図である。
【図48】図44、図46、および、図47における画角と焦点距離について説明するための図である。
【図49】ユーザの周囲360度を撮像する場合について説明するための図である。
【図50】図49において4方向を撮像して得られる画像について説明するための図である。
【図51】図50の画像を接続して得られる画像について説明するための図である。
【図52】図49において8方向を撮像して得られる画像を接続して生成される画像について説明するための図である。
【図53】本発明を適用して生成される画像について説明するための図である。
【図54】パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0200】
41 画像処理装置, 51 画像データ取得部, 52 消失点推定部, 53 画角推定部, 54 画像変換処理部, 55 画像データ出力部, 71 奥行き方向平行線抽出部, 72 消失点算出部, 131 特徴量抽出部, 132 量子化部, 133 肌理勾配算出部, 134 消失点算出部, 171 水平方向平行線描画部, 172 平行線抽出部, 173 タイル画生成部, 174 画角算出部, 191 ベースライン, 251 仰角算出部, 252 正体画像生成部, 253 水平ライン描画部, 281 変換前画像データ取得部, 182 変換先画像サーフェス生成部, 283 注目画素抽出部, 284 対応画素抽出部, 285 変換画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
奥行きを有する空間が表現されている第1の平面画像データを取得して変換する画像処理装置において、
前記第1の平面画像データの消失点を推定する消失点推定手段と、
前記第1の平面画像データの画角を推定する画角推定手段と、
前記消失点推定手段により推定された前記消失点、および、前記画角推定手段により推定された前記画角を基に、所定の半径の円柱のうち、前記画角に対応する部分の曲面に、前記円柱の中心かつ前記消失点と同一の高さとなる位置を基準点として、前記第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画角推定手段は、前記消失点推定手段により推定された前記消失点を基に、前記画角を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記消失点推定手段は、
前記第1の平面画像データのパース線を描画する描画手段と、
前記描画手段により描画された前記パース線を基に、前記第1の平面画像データの消失点を抽出する消失点抽出手段と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記消失点推定手段は、
前記第1の平面画像データの特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量抽出手段により抽出された前記特徴量を量子化する特徴量量子化手段と、
前記特徴量量子化手段により量子化された前記特徴量を基に、前記特徴量が前記第1の平面画像データの垂直方向にどのような勾配を伴って分布しているかを示す特徴量分布を算出する特徴量分布算出手段と、
前記特徴量分布算出手段により算出された前記特徴量分布を基に、前記第1の平面画像データの消失点を抽出する消失点抽出手段と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画角推定手段は、
前記第1の平面画像データにおいて表現される前記空間を垂直上方から観察した場合を想定した平面図を生成する平面図生成手段と、
前記平面図生成手段により生成された前記平面図内で、前記第1の平面画像データにおける視点の位置を検出することにより、前記画角を算出する画角算出手段と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記平面図生成手段は、前記第1の平面画像データの前記視点の仰角を求めることにより前記平面図を作成する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像生成手段は、前記円柱の半径を、前記画角推定手段により推定された前記画角、および、前記第1の平面画像データの画像サイズを基に決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像生成手段により生成された前記第2の平面画像データを表示する表示手段を更に備え、
前記表示手段は、平面形状のディスプレイでなる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
奥行きを有する空間が表現されている第1の平面画像データを取得して変換する画像処理装置の画像処理方法において、
前記第1の平面画像データの消失点を推定する消失点推定ステップと、
前記第1の平面画像データの画角を推定する画角推定ステップと、
前記消失点推定ステップの処理により推定された前記消失点、および、前記画角推定ステップの処理により推定された前記画角を基に、所定の半径の円柱のうち、前記画角に対応する部分の曲面に、前記円柱の中心かつ前記消失点と同一の高さとなる位置を基準点として、前記第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
奥行きを有する空間が表現されている第1の平面画像データを取得して変換する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記第1の平面画像データの消失点を推定する消失点推定ステップと、
前記第1の平面画像データの画角を推定する画角推定ステップと、
前記消失点推定ステップの処理により推定された前記消失点、および、前記画角推定ステップの処理により推定された前記画角を基に、所定の半径の円柱のうち、前記画角に対応する部分の曲面に、前記円柱の中心かつ前記消失点と同一の高さとなる位置を基準点として、前記第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成ステップと
を含むことを特徴とする処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムが記録されている記録媒体。
【請求項12】
奥行きを有する空間が表現されている第1の平面画像データを取得して変換する画像処理装置において、
前記第1の平面画像データの消失点と前記第1の平面画像データの画角が入力される入力手段と、
前記入力手段により入力された前記消失点、および前記画角を基に、所定の半径の円柱のうち、前記画角に対応する部分の曲面に、前記円柱の中心かつ前記消失点と同一の高さとなる位置を基準点として、前記第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項13】
前記画像生成手段により生成された前記第2の平面画像データを表示する表示手段を更に備え、
前記表示手段は、平面形状のディスプレイでなる
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
奥行きを有する空間が表現されている第1の平面画像データを取得して変換する画像処理装置の画像処理方法において、
前記第1の平面画像データの消失点と前記第1の平面画像データの画角の入力を制御する入力制御ステップと、
前記入力制御ステップの処理により入力が制御された前記消失点、および前記画角を基に、所定の半径の円柱のうち、前記画角に対応する部分の曲面に、前記円柱の中心かつ前記消失点と同一の高さとなる位置を基準点として、前記第1の平面画像データが投影された場合に対応する第2の平面画像データを生成する画像生成ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【公開番号】特開2006−311343(P2006−311343A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−133174(P2005−133174)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】