説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】インクの吐出不良を防止すると共に印刷速度の向上を図る。
【解決手段】メインコントローラー側は、Kに合わせた解像度(600dpi)のRGBデータ中からグレースケールデータを抽出することによりKデータとして取り出してサブコントローラー50に送信し、残りのRGBデータをCMYに合わせた解像度(300dpi)に変換すると共に変換後のRGBデータを3D−LUTによりCMYデータに変換し変換したCMYデータをハーフトーン処理により2値化してCMY用のイメージデータを生成し、サブコントローラー側は、受信したKデータをハーフトーン処理により2値化し1パスでKインクを吐出したときのインク吐出量Qが閾値Qref以下のときには1パス分の2値化データから1パス分のイメージデータを生成し閾値Qrefよりも大きいときには1パス分の印刷が複数パスによって行われるよう分割して各パスのイメージデータを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、副走査方向に紙送りしながら主走査方向に記録ヘッドを走査することにより記録するシリアルプリンターにおいて、1走査分の記録を複数回の走査により行なうものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−290562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、シリアルプリンターでは、一度に大量のインクを必要とする場面で1走査分の記録を1回の走査によって行なうと、インクの供給が追いつかず、吐出不良が生じる場合があり、この場合、上述したように、1走査分の記録を複数回の走査に分けて行なうことによりインクの吐出不良を防止することができ、印刷品質を確保することができる。しかし、1走査分の記録を複数回の走査に分けるか否かは、1走査分の印刷データによってその都度判定する必要があり、処理負担が増加する。印刷装置は、通常、処理能力の比較的低いプロセッサが用いられることが多いため、こうした処理負担の増加は印刷速度に悪影響を与えてしまう。
【0005】
本発明の画像処理装置および画像処理方法は、インクの吐出不良を抑制すると共に印刷速度の向上を図ることを主目的とする。
【0006】
本発明の画像処理装置および画像処理方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像処理装置は、
カラー画像を形成する各色のうち第1の色のインクを吐出可能な第1ノズル群と該第1の色のインクよりも多いノズル数をもって第2の色のインクを吐出可能な第2ノズル群とが形成された印刷ヘッドを走査しながら該各ノズル群からインクを吐出することにより印刷する印刷装置における、該印刷ヘッドを駆動するための印刷データを生成する画像処理装置であって、
画像データを取得し、該取得した画像データから前記印刷ヘッドの1走査分の第1色インク用画像データと第2色インク用画像データとを抽出し、該抽出した1走査分の第1色インク用画像データから1走査分の第1色インク用印刷データを生成し、前記抽出した1走査分の第2色インク用画像データに基づいて1走査分の第2の色のインクの吐出量が所定量を超えるか否かを判定し該1走査分の第2の色のインクの吐出量が該所定量を超えないと判定した場合には前記抽出した1走査分の第2色インク用画像データから1走査分の第2色インク用印刷データを生成し前記1走査分の第2の色のインクの吐出量が前記所定量を超えると判定した場合には1走査分の前記第2の色のインクによる印刷が複数回の走査によって行なわれるよう分割して各走査分の第2色インク用印刷データを生成する
ことを要旨とする。
【0008】
この本発明の画像処理装置では、画像データを取得し、取得した画像データから印刷ヘッドの1走査分の第1色インク用画像データと第2色インク用画像データとを抽出し、抽出した1走査分の第1色インク用画像データから1走査分の第1色インク用印刷データを生成し、抽出した1走査分の第2色インク用画像データに基づいて1走査分の第2の色のインクの吐出量が所定量を超えるか否かを判定し1走査分の第2の色のインクの吐出量が所定量を超えないと判定した場合には抽出した1走査分の第2色インク用画像データから1走査分の第2色インク用印刷データを生成し1走査分の第2の色のインクの吐出量が所定量を超えると判定した場合には1走査分の第2の色のインクによる印刷が複数回の走査によって行なわれるよう分割して各走査分の第2色インク用印刷データを生成する。これにより、第2ノズル群により第2の色のインクを吐出する場合でもインクの供給が間に合わずに吐出不良が生じるのをより確実に防止することができる。また、1走査に必要なインクの量が比較的少ない第1ノズル群から第1の色のインクを吐出する場合にはこの判定処理を省略するから、処理負担を低減することができる。この結果、インクの吐出不良を防止すると共に印刷速度の向上を図ることができる。ここで、前記第1ノズル群は、前記第1の色のインクとしてCMYの各色インクの吐出が可能なノズル群であり、前記第2ノズル群は、前記第2の色のインクとしてKのインクの吐出が可能なノズル群であるものとすることもできる。
【0009】
こうした本発明の画像処理装置において、前記画像データを取得し、該取得した画像データから前記印刷ヘッドの1走査分の第1色インク用画像データと第2色インク用画像データとを抽出し、該抽出した1走査分の第2インク用の画像データを送信すると共に前記抽出した1走査分の第1色インク用画像データから1走査分の第1色インク用印刷データを生成する第1の処理装置と、前記第1の処理装置と所定の通信インターフェースを介して通信が可能に接続され、前記第1の処理装置から1走査分の前記第2色インク用画像データを受信したときには、該受信した1走査分の第2色インク用画像データに基づいて1走査分の第2の色のインクの吐出量が前記所定量を超えるか否かを判定し、該1走査分の第2の色のインクの吐出量が該所定量を超えないと判定した場合には前記抽出した1走査分の第2色インク用画像データから1走査分の第2色インク用印刷データを生成し、前記1走査分の第2の色のインクの吐出量が前記所定量を超えると判定した場合には1走査分の前記第2の色のインクによる印刷が複数回の走査によって行なわれるよう分割して各走査分の第2色インク用印刷データを生成する第2の処理装置とを備えるものとすることもできる。こうすれば、二つの処理装置を効率的に用いて印刷速度の向上を図ることができる。この態様の本発明の画像処理装置において、前記第1の処理装置は、前記抽出した第2色インク用画像データを所定の圧縮処理を用いて圧縮すると共に該圧縮した後の圧縮後画像を前記第2の処理装置に送信し、前記第2の処理装置は、前記受信した圧縮後画像を解凍すると共に該解凍により得られた画像データを用いて印刷データを生成するものとすることもできる。こうすれば、第2の処理装置への転送に必要なデータ量を小さくすることができるから、データ転送処理によって全体の処理速度が低下してしまうのを防止することができる。この場合、前記所定の圧縮処理は、可逆圧縮処理であるものとすることもできる。
【0010】
本発明の画像処理方法は、
カラー画像を形成する各色のうち第1の色のインクを吐出可能な第1ノズル群と該第1の色のインクよりも多いノズル数をもって第2の色のインクを吐出可能な第2ノズル群とが形成された印刷ヘッドを走査しながら該各ノズル群からインクを吐出することにより印刷する印刷装置における、該印刷ヘッドを駆動するための印刷データを生成する画像処理方法であって、
画像データを取得し、該取得した画像データから前記印刷ヘッドの1走査分の第1色インク用画像データと第2色インク用画像データとを抽出し、該抽出した1走査分の第1色インク用画像データから1走査分の第1色インク用印刷データを生成し、前記抽出した1走査分の第2色インク用画像データに基づいて1走査分の第2の色のインクの吐出量が所定量を超えるか否かを判定し該1走査分の第2の色のインクの吐出量が該所定量を超えないと判定した場合には前記抽出した1走査分の第2色インク用画像データから1走査分の第2色インク用印刷データを生成し前記1走査分の第2の色のインクの吐出量が前記所定量を超えると判定した場合には1走査分の前記第2の色のインクによる印刷が複数回の走査によって行なわれるよう分割して各走査分の第2色インク用印刷データを生成する
ことを要旨とする。
【0011】
この本発明の画像処理方法によれば、画像データを取得し、取得した画像データから印刷ヘッドの1走査分の第1色インク用画像データと第2色インク用画像データとを抽出し、抽出した1走査分の第1色インク用画像データから1走査分の第1色インク用印刷データを生成し、抽出した1走査分の第2色インク用画像データに基づいて1走査分の第2の色のインクの吐出量が所定量を超えるか否かを判定し1走査分の第2の色のインクの吐出量が所定量を超えないと判定した場合には抽出した1走査分の第2色インク用画像データから1走査分の第2色インク用印刷データを生成し1走査分の第2の色のインクの吐出量が所定量を超えると判定した場合には1走査分の第2の色のインクによる印刷が複数回の走査によって行なわれるよう分割して各走査分の第2色インク用印刷データを生成する。これにより、第2ノズル群により第2の色のインクを吐出する場合でもインクの供給が間に合わずに吐出不良が生じるのをより確実に防止することができる。また、1走査に必要なインクの量が比較的少ない第1ノズル群から第1の色のインクを吐出する場合にはこの判定処理を省略するから、処理負担を低減することができる。この結果、インクの吐出不良を防止すると共に印刷速度の向上を図ることができる。この結果、インクの吐出不良を防止すると共に印刷速度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】インクジェットプリンター10の構成の概略を示す構成図。
【図2】印刷ヘッド25の構成の概略を示す構成図。
【図3】ASIC43,53と印刷ヘッド25との電気的な接続関係を示す説明図。
【図4】ASIC43,53の機能ブロック図。
【図5】印刷処理のシーケンスを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の画像処理装置を搭載したインクジェットプリンター10の構成の概略を示す構成図であり、図2は印刷ヘッド25の構成の概略を示す構成図であり、図3はASIC43,53と印刷ヘッド25との電気的な接続関係を示す説明図である。本実施形態のインクジェットプリンター10は、図1に示すように、記録紙Sに画像を印刷するプリンター機構20と、各種処理を実行するメインコントローラー40と、メインコントローラー40にUSBケーブル14を介して通信可能に接続され各種処理を実行するサブコントローラー50とを備える。ここで、画像処理装置としては、メインコントローラー40とサブコントローラー50とが該当する。
【0014】
プリンター機構20は、左右方向にループ状に架け渡されたベルト21により駆動されガイド22に沿って左右(主走査方向)に往復動するキャリッジ23と、このキャリッジ23に搭載されシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)(以下、適宜C,M,Y,Kとする)の各色のインクを個別に収容したインクカートリッジ24と、各インクカートリッジ24から供給された各インクに圧力をかけて記録紙Sに向かってインクを吐出する印刷ヘッド25と、背面側から供給された記録紙Sを手前側へ送り出す搬送ローラー26とを備える。印刷ヘッド25には、図2に示すように、CMYの各色のインクを個別に吐出可能なノズル32C,32M,32Yが記録紙Sの搬送方向(副走査方向)に沿って配置されたノズル群30C,30M,30Yと、ブラック(K)のインクを吐出可能なノズル32Kが副走査方向に沿って配置されたノズル群30K1,30K2とが形成されている。ここで、各ノズル群の構成について、シアン(C)のノズル群30Cを例に挙げて説明する。ノズル群30Cは、2つのノズル列C1,C2からなり、各ノズル列C1,C2はそれぞれピッチが所定長さLとなるようにノズル32Cが配置されている。また、ノズル列C1のノズル32Cとノズル列C2のノズル32Cとは副走査方向に沿って千鳥(ジグザグ)になるよう配置され、そのピッチが所定長さLの半分の長さL/2となっている。本実施形態では、所定長さLはドットが150dpiの解像度となるように設定され、ノズル列C1によって形成されるドットとノズル列C2によって形成されるドットとが副走査方向に交互に一列に並ぶように印刷を行なうことにより、シアン(C)のドットの解像度は300dpiとなる。マゼンタ(M)のノズル群30Mおよびイエロー(Y)のノズル群30Yも同様に構成されているため、得られる解像度は300dpiとなる。また、ブラック(K)のノズル群30K1,30K2も同様にそれぞれ2つのノズル列K11,K12および2つのノズル列K21,K22からなる。さらに、ノズル群30K1のノズル32Kとノズル群30K2のノズル32Kとの副走査方向のピッチが長さL/2の半分の長さL/4となるよう配置されている。このため、ノズル群30K1によって形成されるドットとノズル群30K2によって形成されるドットとが副走査方向に交互に一列に並ぶように印刷を行なうことにより、ブラック(K)のドットの解像度は600dpiとなる。このように、印刷ヘッド25は、合計10列のノズル列を備え、CMYのドットの解像度が300dpi、Kのドットの解像度が600dpiとなるよう構成されている。即ち、CMYのノズル密度に比してKのノズル密度が高密度となっている。また、印刷ヘッド25は、各ノズルに個々に設けられた圧電素子に電圧を印加して変形させ、これにより加圧されたインクが吐出されることで記録紙Sにドットを形成している。図3では、ノズル列C1のノズル32Cにそれぞれ設けられる圧電素子をまとめて圧電素子38C1として図示し、印刷ヘッド25は、この圧電素子38C1に電圧を印可する回路として駆動回路36C1を備える。同様に、各ノズル列C2〜K22の圧電素子をまとめて圧電素子38C2〜38K22とし、これらの圧電素子38C2〜38K22に電圧を印加する回路として駆動回路36C2〜36K22を備える。なお、印刷ヘッド25は計10列のノズル列を備えるため、計10個の駆動回路36C1〜36K22を備えることになる。
【0015】
メインコントローラー40は、図1に示すように、CPU41などが搭載されたSOC(System On a Chip)40aと、各種データや各種テーブルなどを記憶したROM46と、データの読み書きが可能なSDRAM45と、写真などの画像データが保存されたメモリーカードMCとの接続に用いられるカードインターフェース(I/F)47とを備える。SOC40aには、CPU41の他に、サブコントローラー50と情報のやり取りを行なうUSBインターフェース(I/F)42と、印刷処理に関する各種処理を実行したりプリンター機構20を制御したりするASIC43と、SDRAM45よりも高速でアクセス可能な図示しないSRAMなどが搭載されており、これらは、バス48を介して互いに各種制御信号やデータのやり取りをすることができるよう接続されている。なお、バス48は、SOC40aとROM46やSDRAM45,カードI/F47とを接続する外部バスとしても機能する。また、ASIC43は、図3に示すように、印刷ヘッド25のCMYの各ノズル群30C,30M,30Yを駆動するための6個の駆動回路36C1〜36Y2のそれぞれに6本の送信ケーブル44(44a〜44f)を介して接続されており、各駆動回路36C1〜36Y2に駆動信号を送信する。したがって、メインコントローラー40は、印刷ヘッド25の各ノズル群30C,30M,30Y,30K1,30K2のうちCMY用のノズル群30C,30M,30Yを駆動することができる。また、メインコントローラー40は、プリンター機構20からの各種動作信号を入力したり、USBI/F42を介してサブコントローラー50から送信される各種制御信号を入力したり、カードI/F47を介してメモリーカードMCに保存された画像データを入力したりする。また、USBI/F42を介してサブコントローラー50に画像データや各種制御信号を出力したりする。カードI/F47を介してメモリーカードMCから入力された画像データは、印刷ヘッド25のKのドットの解像度に合わせて600dpiのRGBデータとしてSDRAM45に記憶される。なお、入力された画像データがRGBデータ以外のときにはCPU41によりRGBデータに色変換してから記憶し、解像度が600dpi以外のときには隣接する画素同士の間に補間により画素を生成したり所定の割合で画素を間引いたりする。なお、RGBデータの各値は濃淡に応じて値0〜255の256階調(8ビット)で表されるものとする。
【0016】
サブコントローラー50は、図1に示すように、CPU51などが搭載されたSOC50aと、各種データや各種テーブルなどを記憶したROM56と、データの読み書きが可能なSDRAM55とを備える。SOC50aは、メインコントローラー50と同様に、CPU51の他に、USBインターフェース(I/F)52と、印刷処理に関する各種処理を実行したりプリンター機構20を制御したりするASIC53と、SDRAM55よりも高速でアクセス可能な図示しないSRAMなどが搭載されており、これらは、バス58を介して互いに各種制御信号やデータのやり取りをすることができるよう接続されている。サブコントローラー50は、USBI/F52を介してメインコントローラー40から送信される画像データや各種制御信号を入力したり、USBI/F52を介してメインコントローラー40に各種制御信号を出力したりする。なお、入力した画像データは、SDRAM55に記憶される。また、ASIC53は、図3に示すように、印刷ヘッド25のKの各ノズル群30K1,30K2を駆動するための4個の駆動回路36K11〜36K22のそれぞれに4本の送信ケーブル54(54a〜54d)を介して接続されており、各駆動回路36K11〜36K22に駆動信号を送信する。したがって、サブコントローラー50は、印刷ヘッド25の各ノズル群30C,30M,30Y,30K1,30K2のうちK用のノズル群30K1,30K2を駆動することができる。
【0017】
ここで、メインコントローラー40のASIC43とサブコントローラー50のASIC53とが有する印刷処理に関する各機能について説明する。図4は、ASIC43,53の機能ブロック図である。ASIC43は、図4(a)に示すように、画像入力部43aと、グレースケールデータ抽出部43bと、圧縮処理部43cと、解像度変換処理部43dと、色変換処理部43eと、ハーフトーン処理部43fと、マイクロウィーブ処理部43gと、駆動信号送信部43hとを備える。画像入力部43aは、SDRAM45に記憶されているRGBデータを処理に必要な分、例えば印刷ヘッド25の1パス分の印刷データの生成処理に必要な分ずつ入力する。グレースケールデータ抽出処理部43bは、入力したRGBデータからグレースケールデータを抽出するための処理部であり、具体的には、RGBの各階調値が同一の値(R=G=B)である画素を抽出してKデータとして取り出す。圧縮処理部43cは、グレースケールデータ抽出処理部43bにより取り出されたKデータの圧縮処理を行なう。圧縮処理は、可逆圧縮方式により行ない、本実施形態では同一データの連続する長さを符号化して圧縮するランレングス圧縮を用いる。ここで、Kのインクは比較的濃い色の印刷にのみ用いられるため、カラー印刷におけるKデータの発生確率は他のCMYデータの発生確率に比して低くなることが多い。このため、CMYKデータからKデータを抽出してランレングス圧縮を行なう場合には、Kデータのない余白部分が連続することが多くなり圧縮処理をスムーズに行なうと共に圧縮効率を上げることができる。解像度変換処理部43dは、所定の割合で画素を間引いたり隣接する画素同士の各階調値の平均値を算出して1つの画素に置き換えたり隣接する画素同士の間に補間により新たに画素を生成したりすることにより解像度を変換する。色変換処理部43eは、入力したRGBデータをSDRAM45に記憶された3次元の色変換ルックアップテーブル(3D−LUT)を参照してCMYデータに変換する色変換処理を行なう。なお、色変換処理されたCMYデータの各値は濃淡に応じて値0〜255の256階調(8ビット)で表されるものとする。ハーフトーン処理部43fは、各8ビットのCMYKデータを各2ビットの2値化データに変換するハーフトーン処理を行なう。ハーフトーン処理は、ディザ法や誤差拡散法を用いて行なう。ディザ法は、予め設定されたディザマトリックスによって与えられる閾値と各画素の階調値との大小比較によってドットのオン/オフに2値化するものである。また、誤差拡散法は、注目画素の階調値と所定の閾値とを大小比較してドットのオン/オフに2値化し、2値化後の階調値と元の階調値との差分である誤差を注目画素の周囲の未処理画素に一定の割合で拡散するものである。このように、ハーフトーン処理では、いずれの処理を用いる場合であってもCMYKデータの各画素毎に処理が必要となる。マイクロウィーブ処理部43gは、ハーフトーン処理された2値化データを印刷ヘッド25がドットを形成する順番に並べ替えて1パス分のイメージデータを生成する。このとき、ノズルピッチが印刷解像度に相当する間隔よりも広い場合には、先のパスで形成されたドットのラインの間を次のパスで形成するドットのラインで埋めるいわゆるマイクロウィーブ処理が行なわれるようドットの形成順を決定する。駆動信号送信部43hは、1パス分のイメージデータから印刷ヘッド25の圧電素子38C1〜38K22に印可する電圧のパルスを駆動信号として生成し駆動回路36C1〜36K22にそれぞれ送信する。これらの各処理部は、処理が完了したデータをSDRAM45の図示しないデータバッファーに記憶したり、SDRAM45のデータバッファーから処理対象のデータを読み込んで処理を行なう。なお、図示は省略したが、プリンター機構20のキャリッジ23を往復動するモーターや搬送ローラー26を駆動するモーターの制御は、ASIC43が行なう。
【0018】
一方、ASIC53は、図4(b)に示すように、SDRAM55に記憶された画像データを入力する画像入力部53aと、ランレングス圧縮により圧縮処理された画像データを解凍処理する解凍処理部53cと、解凍処理されたKデータを1次元の色変換ルックアップテーブル(1D−LUT)を参照して印刷に適したKデータに変換する色変換処理部53eと、ハーフトーン処理部53fと、マイクロウィーブ処理部53gと、駆動信号送信部53hとを備える。なお、色変換処理部53eで色変換処理されたKデータの各値は濃淡に応じて値0〜255の256階調(8ビット)で表されるものとする。これらの各処理部は、ASIC43の各処理部と同様に、SDRAM55の図示しないデータバッファーを用いて処理を行なう。このように、ASIC43,53はそれぞれSDRAM45,55の各データバッファーを用いて各処理を実行するため、メインコントローラー40とサブコントローラー50とは互いに独立して処理を実行することができる。
【0019】
ここで、ASIC53のマイクロウィーブ処理部53gは、ASIC43のマイクロウィーブ処理部43gと同様に、ハーフトーン処理された2値化データを印刷ヘッド25がドットを形成する順番に並べ替えて1パス分のイメージデータを生成するが、Kは他のCMYに比してノズル数が多く一度に大量のインクを吐出しなければならないことがあるため、場合によっては1パスの印刷中にKインクの供給が追いつかなくなりインク切れを起こすおそれがある。本実施形態では、ハーフトーン処理部53fによるハーフトーン処理後の1パス分のKデータに基づいてこれを1パスで印刷しようとしたときのKインクの吐出量Qを推定し、推定したインク吐出量Qと閾値Qrefとを比較し、インク吐出量Qが閾値Qref以下のときには前述したインク切れを起こす可能性はないと判断して1パス分のKデータから1パス分のイメージデータを生成し、インク吐出量Qが閾値Qrefよりも大きいときにはインク切れを起こす可能性があると判断して1パス分のKデータの印刷が複数パスによって行なわれるよう1パス分のKデータを複数パス分に分割して各パスのイメージデータを生成する。なお、ASIC43のマイクロウィーブ処理部43gは、1パスで大量のインクを吐出する必要がなく上述したインク切れの問題は生じないから、こうしたイメージデータの分割は行なわれない。
【0020】
次に、こうして構成された本実施形態のインクジェットプリンター10の動作、特にSDRAM45に記憶された解像度が600dpiの各8ビットのRGBデータに基づいて印刷処理する場合の動作について説明する。図5は、メインコントローラー40とサブコントローラー50とにより印刷処理を実行する際のシーケンスを示す説明図である。このシーケンスにおいて、メインコントローラー40はCPU41やASIC43の上述した各処理機能を適宜用いて処理を実行するものとし、サブコントローラー50も同様とする。なお、図中()内の数値は画像データのビット数を示す。まず、メインコントローラー40は、SDRAM45に記憶されたRGBデータのうち、1パス分の印刷処理に必要なRGBデータを入力する(ステップS100)。次に、入力した各8ビットのRGBデータから各階調値が同一(R=G=B)のグレースケールデータを抽出することにより例えばRの値を設定してKデータを取り出し(ステップS110)、取り出したKデータを圧縮して(ステップS120)、サブコントローラー50に送信する(ステップS130)。上述したように、ランレングス圧縮によりKデータを効率よく圧縮することができるから、スムーズに圧縮処理を行なって、データ送信時間を短くすることができる。また、ランレングス圧縮は可逆圧縮であるため、画質が損なわれるのを防止することができる。続いて、RGBデータからKデータを取り出した後の残りのRGBデータについて600dpiから300dpiに変換する解像度変換処理を実行すると共に(ステップS140)、解像度変換後のRGBデータを3D−LUTを用いて各8ビットのCMYデータに色変換する色変換処理を実行する(ステップS150)。ここで、色変換処理は、3D−LUTを用いているから比較的重い処理となるが、本実施形態では、Kデータを必要な600dpiの解像度で取り出すと共に残りのRGBデータを600dpiから300dpiに解像度変換した後でこの解像度変換後のRGBデータに対して適用することにより処理負担を大幅に軽減することができる。こうして色変換処理を行なうと、各8ビットのCMYデータを各2ビットの2値化データに変換するハーフトーン処理を実行し(ステップS160)、CMYの1パス分のイメージデータを生成して(ステップS170)、サブコントローラー50から送信される処理完了信号を受信するのを待つ(ステップS180)。
【0021】
一方、サブコントローラー50は、メインコントローラー40から送信されたKデータの受信が完了するのを待って(ステップS200)、受信したKデータの解凍処理を実行する(ステップS210)。解凍処理を実行すると、解凍処理されたKデータを1D−LUTを参照して印刷に適したKデータに変換する色変換処理を実行し(ステップS220)、8ビットのKデータを2ビットの2値化データに変換するハーフトーン処理を実行する(ステップS230)。なお、送信されたKデータは、Kの解像度に合わせて600dpiとなっているから、サブコントローラー50では解像度変換処理は行なわれない。色変換処理は、上述したCMYデータに比して高い解像度である600dpiのKデータの色変換を行なうことになるが、用いるルックアップテーブルは1D−LUTであるから、処理負担が過大となることはない。そして、ハーフトーン処理後の2値化データに基づいて1パスでKインクを吐出したときのインク吐出量Qを推定し(ステップS240)、推定したインク吐出量Qと閾値Qrefとを比較する(ステップS250)。インク吐出量Qが閾値Qref以下のときにはハーフトーン処理後の1パス分の2値化データから1パス分のイメージデータを生成し(ステップS260)、インク吐出量Qが閾値Qrefよりも大きいときには閾値Qref以下となるようにハーフトーン処理後の1パス分の2値化データを複数パスに分割して各パスのイメージデータを生成する(ステップS270)。この処理は、例えば、1パス分のKデータの印刷を2パスによって行なう場合には、Kインク用のノズル列K11〜K22の前半部分(図2のノズル列K11〜K22の上半分)で1パス目の印刷がなされ、ノズル列K11〜K22の後半部分(図2のノズル列K11〜K22の下半分)で2パス目の印刷がなされるよう分割してそれぞれイメージデータを生成することにより行なわれる。これにより、Kインクが1パスで大量に使用されることに起因してKインクの供給が追いつかなくなり、一時的にインク切れが生じるのを防止することができる。こうしてイメージデータを生成すると、処理完了信号をメインコントローラー40に送信して(ステップS280)、メインコントローラー40から送信される駆動信号送信指示を受信するのを待つ(ステップS285)。本実施形態では、Kデータの処理をサブコントローラー50で行なうことにより処理を分散させることができる。上述したように、メインコントローラー40とサブコントローラー50とは、独立して処理が可能であるから分散させた処理の並行処理が可能となる。特に、ASIC43の色変換処理部43bによる3D−LUTを用いた色変換処理とASIC53のマイクロウィーブ処理部53gによるイメージデータの分割生成処理は、比較的処理負担が大きいため、それぞれの処理を異なるASICにより分散させて並行処理することにより、処理効率を向上させることができる。なお、処理を分散させるためにKデータの圧縮処理や送信処理が必要となるが、上述したように、スムーズに圧縮処理してデータ送信時間を短くすることができ、また、各画素毎の処理となるハーフトーン処理に比して比較的短時間の処理となるため、各処理に要する時間がそれほど大きな問題となることはない。
【0022】
ステップS180で処理完了信号を受信したメインコントローラー40は、駆動信号送信指示をサブコントローラー50に送信してから(ステップS185)、1パス分のノズル32C,32M,32Yの駆動信号を印刷ヘッド25に送信する(ステップS190)。具体的には、1パス分のCMYデータから生成した駆動信号を送信ケーブル44a〜44fを介して印刷ヘッド25の駆動回路36C1〜36Y2にそれぞれ送信する。一方、ステップS285で駆動信号送信指示を受信したサブコントローラー50は、1パス分のノズル32Kの駆動信号を印刷ヘッド25に送信する(ステップS290)。具体的には、1パス分のKデータから生成した駆動信号をケーブル54a〜54dを介して印刷ヘッド25の駆動回路36K11〜36K22にそれぞれ送信する。また、ステップS270で1パス分のKデータを複数パスに分割してイメージデータを生成しているとき即ち次パスがあるときには(ステップS295)、ステップS290に戻って次パス分のノズル32Kの駆動信号を印刷ヘッド25に送信する。こうして1パス分のCMYKデータが印刷ヘッド25に送信されると、メインコントローラー40は、各モータを制御して1パス分の印刷処理を実行する(ステップS195)。このとき、メインコントローラー40は、1パス分のKデータが分割されて複数回のKデータが送信されているときには、1パス目のKデータとCMYデータとに基づく1パス目の印刷を行ない、CMYデータを伴わずに2パス目のKデータが送信されると、紙送りなしで印刷ヘッド25を主走査方向に駆動することによりKデータだけに基づく2パス目の印刷を行なう。これらの処理は、次パスのデータがなくなるまで繰り返し実行される。
【0023】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のメインコントローラー40が「第1の処理装置」に相当し、サブコントローラー50が「第2の処理装置」に相当し、印刷ヘッド25が「印刷ヘッド」に相当する。
【0024】
以上詳述した本実施形態のインクジェットプリンター10によれば、メインコントローラー40とサブコントローラー50とをUSBインターフェース42,52を介して接続しておき、メインコントローラー50側は、Kに合わせた解像度(600dpi)のRGBデータ中からグレースケールデータを抽出することによりKデータとして取り出してサブコントローラー50に送信し、残りのRGBデータをCMYに合わせた解像度(300dpi)に解像度変換すると共に解像度変換後のRGBデータを3D−LUTを参照することによりCMYデータに変換し変換したCMYデータをハーフトーン処理により2値化してCMY用のイメージデータを生成し、サブコントローラー50側は、メインコントローラー50と並行して、受信したKデータをハーフトーン処理により2値化し、2値化後のデータに基づいて1パスでKインクを吐出しようとしたときのインク吐出量Qを推定し、インク吐出量Qが閾値Qref以下のときには1パス分の2値化データから1パス分のイメージデータを生成し、インク吐出量Qが閾値Qrefよりも大きいときには閾値Qref以下となるように1パス分の2値化データを複数パスに分割して各パスのイメージデータを生成することにより1パス分のKデータの印刷を複数パスによって行なうから、一度に吐出するインク量が少ないCMYデータについては不要な処理を省略して処理負担を軽減することができ、一度に吐出するインク量が多いKデータについては大量のKインクを1パスで吐出することに起因してKインクの供給が追いつかなくなりインク切れを起こすのを防止することができる。この結果、インクの吐出不良を防止することができると共に印刷速度をより向上させることができる。しかも、こうした処理をメインコントローラー40とサブコントローラー50とを組み合わせて行なうから、分散処理により印刷速度をさらに向上させることができる。特に、ASIC43の色変換処理部43bによる3D−LUTを用いた色変換処理とASIC53のマイクロウィーブ処理部53gによるイメージデータの分割生成処理は、比較的処理負担が大きいため、それぞれの処理を異なるASICにより分散させて並行処理することにより、処理効率を向上させることができる。また、Kデータは可逆圧縮方式であるランレングス圧縮により効率よく圧縮されて送信されるため、画質が損なわれることなくデータ送信時間なども短くすることができ、通信時間によって全体の処理速度が低下するのを抑制することができる。
【0025】
なお、本発明は上述した実施態様に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0026】
上述した実施形態では、1パス分の印刷を2パスによって行なう場合、1パス目と2パス目とをそれぞれKのノズル列K11〜K22の前半部分と後半部分とに分けて行なうものとしたが、これに限られず、例えば、ノズル列K11〜K22の列毎(ノズル列K11,K12とノズル列K21,K22)に分けて行なう等としてもよい。
【0027】
上述した実施形態では、ノズル群30C,30M,30Y,30K1,30K2は、ノズル列を各2列ずつ備える構成としたが、これに限られず、各1列ずつとしてもよいし3以上の複数列備えるものなどとしてもよい。
【0028】
上述した実施形態では、ランレングス圧縮によりKデータを圧縮するものとしたが、これに限られず、ハフマン符号化などの他の可逆圧縮方式により圧縮するものとしてもよい。また、可逆圧縮方式に限られず、不可逆圧縮方式を用いるものとしてもよい。さらに、このような圧縮処理を行なわないものとしてもよく、抽出したKデータをそのまま送信するものとしてもよい。ただし、データ送信時間を短縮するためには本実施形態のように圧縮処理することが好ましい。
【0029】
上述した実施形態では、メモリーカードMCに記憶された画像データを入力するものとしたが、これに限られず、パソコンなどから送信される画像データを入力するものなどとしてもよい。また、パソコンなどから送信される画像データとしてCMYKデータが送信されるものとしてもよい。この場合、ステップS140やステップS220の色変換処理については省略するものとしてもよい。
【0030】
上述した実施形態では、インク色はシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)の4色としたが、これに限られず、ライトシアン(LC)やライトマゼンタ(LM)などを含んで5色や6色としたり、それ以上の複数色としてもよい。
【0031】
上述した実施形態では、各コントローラーがUSBインターフェースを備えるものとしたが、これに限られず、IEEE1394インターフェースなど他の規格のインターフェースを備えるものとしてもよい。
【0032】
上述した実施形態では、メインコントローラー40とサブコントローラー50とを組み合わせて印刷ヘッド25の駆動に必要な駆動信号を生成するものとしたが、これに限定されるものではなく、単一のコントローラーを用いるものとしても構わない。
【0033】
上述した実施形態では、画像処理装置をインクジェットプリンター20の印刷ヘッド25に接続される形態としたが、これに限られず、ファクシミリ装置などのインクを吐出可能な印刷ヘッドに接続される形態としてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10 インクジェットプリンター、14 USBケーブル、20 プリンター機構、21 ベルト、22 ガイド、23 キャリッジ、24 インクカートリッジ、25 印刷ヘッド、26 搬送ローラー、30C,30M,30Y,30K1,30K2 ノズル群、32C,32M,32Y,32K ノズル、36C1,36C2,36M1,36M2,36Y1,36Y2,36K11,36K12,36K21,36K22 駆動回路、38C1,38C2,38M1,38M2,38Y1,38Y2,38K11,38K12,38K21,38K22 圧電素子、40 メインコントローラー、40a,50a SOC、41,51 CPU、42,52 USBインターフェース(I/F)、43,53 ASIC、43a,53a 画像入力部、43b グレースケールデータ抽出処理部、43c 圧縮処理部、53c 解凍処理部、43d 解像度変換処理部、43e,53e 色変換処理部、43f,53f ハーフトーン処理部、43g,53g マイクロウィーブ処理部、43h,53h 駆動信号送信部、44(44a〜44f),54(54a〜54d) 送信ケーブル、45,55 SDRAM、46,56 ROM、47 カードインターフェース(I/F)、48,58 バス、50 サブコントローラー、53C 解凍処理部、C1,C2,M1,M2,Y1,Y2,K11,K12,K21,K22 ノズル列、MC メモリーカード、S 記録紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー画像を形成する各色のうち第1の色のインクを吐出可能な第1ノズル群と該第1の色のインクよりも多いノズル数をもって第2の色のインクを吐出可能な第2ノズル群とが形成された印刷ヘッドを走査しながら該各ノズル群からインクを吐出することにより印刷する印刷装置における、該印刷ヘッドを駆動するための印刷データを生成する画像処理装置であって、
画像データを取得し、該取得した画像データから前記印刷ヘッドの1走査分の第1色インク用画像データと第2色インク用画像データとを抽出し、該抽出した1走査分の第1色インク用画像データから1走査分の第1色インク用印刷データを生成し、前記抽出した1走査分の第2色インク用画像データに基づいて1走査分の第2の色のインクの吐出量が所定量を超えるか否かを判定し該1走査分の第2の色のインクの吐出量が該所定量を超えないと判定した場合には前記抽出した1走査分の第2色インク用画像データから1走査分の第2色インク用印刷データを生成し前記1走査分の第2の色のインクの吐出量が前記所定量を超えると判定した場合には1走査分の前記第2の色のインクによる印刷が複数回の走査によって行なわれるよう分割して各走査分の第2色インク用印刷データを生成する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理装置であって、
前記画像データを取得し、該取得した画像データから前記印刷ヘッドの1走査分の第1色インク用画像データと第2色インク用画像データとを抽出し、該抽出した1走査分の第2インク用の画像データを送信すると共に前記抽出した1走査分の第1色インク用画像データから1走査分の第1色インク用印刷データを生成する第1の処理装置と、
前記第1の処理装置と所定の通信インターフェースを介して通信が可能に接続され、前記第1の処理装置から1走査分の前記第2色インク用画像データを受信したときには、該受信した1走査分の第2色インク用画像データに基づいて1走査分の第2の色のインクの吐出量が前記所定量を超えるか否かを判定し、該1走査分の第2の色のインクの吐出量が該所定量を超えないと判定した場合には前記抽出した1走査分の第2色インク用画像データから1走査分の第2色インク用印刷データを生成し、前記1走査分の第2の色のインクの吐出量が前記所定量を超えると判定した場合には1走査分の前記第2の色のインクによる印刷が複数回の走査によって行なわれるよう分割して各走査分の第2色インク用印刷データを生成する第2の処理装置と
を備える画像処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像処理装置であって、
前記第1の処理装置は、前記抽出した第2色インク用画像データを所定の圧縮処理を用いて圧縮すると共に該圧縮した後の圧縮後画像を前記第2の処理装置に送信し、
前記第2の処理装置は、前記受信した圧縮後画像を解凍すると共に該解凍により得られた画像データを用いて印刷データを生成する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
前記所定の圧縮処理は、可逆圧縮処理である請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記第1ノズル群は、前記第1の色のインクとしてCMYの各色インクの吐出が可能なノズル群であり、
前記第2ノズル群は、前記第2の色のインクとしてKのインクの吐出が可能なノズル群である
画像処理装置。
【請求項6】
カラー画像を形成する各色のうち第1の色のインクを吐出可能な第1ノズル群と該第1の色のインクよりも多いノズル数をもって第2の色のインクを吐出可能な第2ノズル群とが形成された印刷ヘッドを走査しながら該各ノズル群からインクを吐出することにより印刷する印刷装置における、該印刷ヘッドを駆動するための印刷データを生成する画像処理方法であって、
画像データを取得し、該取得した画像データから前記印刷ヘッドの1走査分の第1色インク用画像データと第2色インク用画像データとを抽出し、該抽出した1走査分の第1色インク用画像データから1走査分の第1色インク用印刷データを生成し、前記抽出した1走査分の第2色インク用画像データに基づいて1走査分の第2の色のインクの吐出量が所定量を超えるか否かを判定し該1走査分の第2の色のインクの吐出量が該所定量を超えないと判定した場合には前記抽出した1走査分の第2色インク用画像データから1走査分の第2色インク用印刷データを生成し前記1走査分の第2の色のインクの吐出量が前記所定量を超えると判定した場合には1走査分の前記第2の色のインクによる印刷が複数回の走査によって行なわれるよう分割して各走査分の第2色インク用印刷データを生成する
ことを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−31592(P2011−31592A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183135(P2009−183135)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】