画像処理装置および画像処理方法
【課題】格子上に画素を配置した入力画像データを千鳥記録により忠実に再現できる画像処理装置を提供する。
【解決手段】記録画素位置を千鳥状とする記録画像データに合わせて、画素を格子上に配置した入力画像データの所定方向における情報量を半分の情報量に解像度変換して新たな画像データを生成する解像度変換部を有し、前記解像度変換部は、入力画像データ中の情報量半減方向において連続する複数の画素を解像度変換の一変換単位とし、前記変換単位の位置を千鳥の記録位相に合わせて、入力画像データ中の情報量維持方向の奇数列と偶数列とでずらして解像度変換を行う。
【解決手段】記録画素位置を千鳥状とする記録画像データに合わせて、画素を格子上に配置した入力画像データの所定方向における情報量を半分の情報量に解像度変換して新たな画像データを生成する解像度変換部を有し、前記解像度変換部は、入力画像データ中の情報量半減方向において連続する複数の画素を解像度変換の一変換単位とし、前記変換単位の位置を千鳥の記録位相に合わせて、入力画像データ中の情報量維持方向の奇数列と偶数列とでずらして解像度変換を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、記録画素位置を千鳥状に配置する画像記録装置のためのデータハンドリング処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェットプリンタ、電子写真式プリンタ等の画像記録装置において、記録画素の位置を格子状に配置するのが一般的であるが、プリンタエンジンの高速化に伴って、画像処理の高速化、濃度の確保、記録特性の安定化等に対応するために、記録画素位置を例えば図14に示す千鳥状に配置する画像記録装置が提案されている。
【0003】
記録画素位置を千鳥状に配置する記録方式の画像記録装置において、原画像データを千鳥記録のために処理するハンドリング方法としては、例えば、原画像データに対して階調処理自体を格子上で行うことが前提となっていることから、格子上で階調処理された出力パターンを実際に記録される千鳥位置にシフトする方法が考えられる。
【0004】
この場合、格子上で階調処理された出力パターンを実際に記録される千鳥位置にシフトすることによる物理的な位置ずれを招き、本来発生しないはずの不正パターンが発生するおそれがある。
【0005】
この対策として、特殊なズラシ解像度変換の処理を行う、奇数ラインと偶数ラインで処理を強制的に切り替える処理を行う、または多値化のハーフトーンテーブルを複数持つ、といった追加の処理を必要とする。
【0006】
また、高画質化のために入力された画像の種類(文字、グラフィック、写真等)によって、階調処理の方式、あるいはパラメータを切り替える構成も考えられるが、さらに処理が複雑となり、高コスト化を招くおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、格子上に画素を配置した入力画像データを千鳥記録により忠実に再現できる画像処理装置および画像処理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態に係る画像処理装置は、記録画素位置を千鳥状とする記録画像データに合わせて、画素を格子上に配置した入力画像データの所定方向における情報量を半分の情報量に解像度変換して新たな画像データを生成する解像度変換部を有する。
【0009】
前記解像度変換部は、入力画像データ中の情報量半減方向において連続する複数の画素を解像度変換の一変換単位とし、前記変換単位の位置を千鳥の記録位相に合わせて、入力画像データ中の情報量維持方向の奇数列と偶数列とでずらして解像度変換を行う。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る複合機(MFP)のシステム構成を示す概略図。
【図2】図1のMFPにおけるプリント機能のデータの流れを示すブロック図。
【図3】(a)(b)は信号フロー側の画像データのハンドリング方法を示す図、(c)は画像記録側の千鳥状配置を示す図。
【図4】(a)は原画像データの矩形600dpiの格子状ラスター画像における隣接する画素間の関係を示し、(b)は420dpiの千鳥状ラスター画像における隣接する画素間の関係を示す図、(c)は原画像600dpiと千鳥420dpiの関係を示す図。
【図5】記録画素位置の千鳥配置を考慮したハンドリングの一例を示す図。
【図6】本実施形態の画像記録装置における千鳥配置を考慮したハンドリングから千鳥記録までの信号フローの簡易モデルを示す図。
【図7】解像度変換の問題点を説明するための図。
【図8】図5に示すハンドリングの解像度変換を説明する図。
【図9】データ処理と記録位相との関係を示し、(a)はデータ処理と記録位相が合っているモデル、(b)はデータ処理と記録位相が逆のモデル。
【図10】階調再現性の問題点を説明する図。
【図11】本実施形態の画像記録装置における千鳥配置を考慮したハンドリングから千鳥記録までの信号フローのモデルを示す図。
【図12】図11の画像記録装置における入力画像と、処理結果の記録画像との関係を示す図。
【図13】(a)は記録画素位置を千鳥状配置とする画像記録装置の印刷記録位置を示すモデル図、(b)は矩形の600dpiの印刷記録位置を示すモデル図。
【図14】千鳥状画素のパターンを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態の画像記録装置を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は本実施形態の複合機(MFP(Multi Function Peripheral))のシステム構成の概略図を示し、図2は図1のMFPにおけるプリント機能のデータの流れを示すブロック図である。
【0013】
図1に示すMFP1は、インクジェット画像記録装置を用いた構成としている。なお、画像記録装置としては、インクジェット方式以外に、電子写真方式あるいはサーマル方式等を用いることができる。
【0014】
図1に示すMFP1は、制御部をなすプロセッサ(あるいはコントローラ)2を有し、プロセッサ2はバスライン3を介して、通信インターフェース(I/F)4と、スキャナ部5と、プリンタエンジン部6と、機械的機構部を制御するメカニカルコントロール部7と、各種の情報を表示する表示部8と、メモリ部9と、記憶装置10等と接続されている。プロセッサ2は、メモリ部9または記憶装置10に格納された画像処理プログラムに基づいて所定の処理を実行し、画像形成動作を制御する。
【0015】
メモリ部9は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、VRAM(Video RAM)等から構成されることができ、MFP1において利用される種々の情報やプログラムを格納する役割を有している。
【0016】
図2において、MFP1には、通信インターフェース(I/F)4を介して接続するパーソナルコンピュータ等の通信端末21からの画像情報や文字情報等の記録情報がRIP(Raster Image Processor)色変換部31に入力される。RIP色変換部31で変換する変換情報は、圧縮・伸張部32で圧縮されて記憶装置10に記憶される。また、記憶装置10に記憶される記録情報は、圧縮・伸張部32で伸張され、補正処理(TRC(Tone Reproduction correction))/インク制限部(Ink Limit)33によりガンマ補正され、多値デイザ処理部34にて多値階調処理がなされる。そして、多値階調処理に基づいてインクジェットエンジン部35にてインク吐出制御が行われる。
【0017】
インク吐出制御により形成される千鳥配置の記録画素位置は、図3(c)に示すように、マスキングで示す部分である。図3(a)に示すように、原画像(入力画像)データを矩形配列の600dpiとすると、入力画像の画素数が600×600となる。千鳥配置は、600×600dpiの記録画素に対し、図3(c)に示すように、420×420dpiとなる。正確には、図13(a)に示すように、図13(b)の600×600dpiの記録画素に対し、600/√2=424.26dpiとなるが、以下の説明において簡易的に420dpiという表現とする。
【0018】
なお、千鳥記録は、図3(c)に示す状態の記録を駆動ドライバを介して実現され、図3(c)に示すように、インクジェットの駆動マージンを確保し、高速化を図るために千鳥配置で記録することにより、420dpi相当のピッチの2次元画像が形成される。
【0019】
ここで、主走査方向と副走査方向における解像度が共に等しい主・副対称の600dpiの入力解像度画像の画素配置と、主・副対称の420dpiの千鳥の記録画素配置との関係を図4に示す。
【0020】
図4は、600dpiの入力解像度画像と、千鳥420dpiの幾何学的タイリングの関係を示し、図4(a)は矩形配列の600dpi、図4(b)は千鳥420dpiで緻密に隙間なくタイリングされている。図4(a)画像と図4(b)の記録画素とを重ねると、図4(c)となる。図4(c)においてマスキング部は非印字領域を示しており、画像データの情報量は、当然の如く、600dpiの画像に対して、420dpiの画像は半分となる。図4(a)の画素配置と図4(b)の画素配置は、主・副対称の解像度であるため、幾何的に主、副の偏りがない。
【0021】
一方、420dpiの千鳥配置における必要情報量は、矩形600dpiの半分となるため、図2に示すRIP色変換部31等のデータ処理の上流側で、例えば図3(b)に示す主走査方向の解像度を600とし副走査方向の解像度を300とする600×300dpiの画像、あるいはこれと主副走査方向解像度を逆とする300×600dpiに展開して処理し、入力画像の情報量を千鳥配置の必要情報量とすることが必要となる。
【0022】
600×300dpiの画像、あるいは300×600dpiのように、主走査方向と副走査方向の解像度が異なる非対称解像度の画像においては、非対称解像度データを生成した時点で、300dpiに落とした側の解像度は、千鳥の特殊な記録特性に対応することができず、解像度情報が消失する。また、圧縮・伸張、フィルタ、識別等の画像記録に必要なその他の画像処理においても、その処理精度に影響を及ぼす。
【0023】
本実施形態では、矩形600dpiの解像度の画像の対称性を維持して、図3(b)に示す副走査方向側を300dpiに落とした600×300dpiの画像に変換し、最終的に対称性のある420dpiの記録を実現するために、図5に示す解像度変換処理を含む画像データのハンドリングを行っている。信号フロー側の画像データのハンドリングは、インクジェットエンジン部35になるべく近い処理ブロック、つまり階調処理の前(詳しくは、階調処理に強く関連するガンマ変換等その他の処理も入る)で行う。
【0024】
図5は、千鳥配置とする画像記録側に対し、信号フロー側の画像データのハンドリング方法について示している。一般に、デジタル画像機器は、ラスタライズされた画像を格子状にハンドリングするのが最も効率が良い。例えば、スキャナ等で読み取った画像を画像記録装置に記録する場合、あるいはプリンタとして原稿をRIPされた画像を扱う場合が該当する。これに対し、図4(b)に示すように、正副方向に沿って形成された升目を45度回転したような状態でタイリングされているものについて、デジタル処理で扱うには非常に面倒なものとなる。
【0025】
図5に示す画像データのハンドリングは、図6に示す画像処理部40において、ガンマ補正部42よりも上流側に配置された圧縮・伸張処理等を行う圧縮・伸張部32で処理された画像データについて、解像度変換部41で行われる。解像度変換部41は、図5(a)に示す正副対称解像度の600dpiの画像データに対し、図5(b)に示す解像度変換を行い、図5(c)に示す変換結果を得る。変換された画像をガンマ補正部42でガンマ補正し、階調処理部43で例えば5値の中間階調処理を行い、インクジェットヘッドドライバ44でデータの配置が再構成され、画像信号がエンジン部35に送信される。
【0026】
本実施形態の解像度変換は、原画像の主走査方向の奇数列と偶数列において、奇数列における奇数行の画素とその次の行(偶数行)の画素の2画素を一つの変換単位とし、偶数列における偶数行の画素とその次の行(奇数行)の画素の2画素を一つの変換単位とする。そして、各変換単位における2画素の平均値を変換値とする。但し、偶数列において、1行目の画素は白色の仮想画素とする。このような組み合わせにより、変換対象となる2画素1組の変換単位は、主走査方向において隣り合う変換単位と互い違いに位置をずらした状態としている。
【0027】
変換単位の位置ずらしは、図5(d)に示す千鳥420dpiの記録位相と同調するようにすらしている。図5(b)に示す解像度変換により内部的に変換された画像を、図5(c)に示すデジタル処理のデータハンドリングとして扱い易い600×300dpiの画像に変換する。その後、後述する階調処理(スクリーン)を行った後、千鳥420dpiの記録になるように、ドライバ44によりデータの配置が再構成され、図5(d)に示す記録が行われる。
【0028】
本実施形態の変換単位の位置をずらす解像度変換の詳細について、図7,8を参照して以下に説明する。
【0029】
図7は、600dpi画像に対し、一般的な線形補間(バイリニア:Bilinear)を用いて600dpi2画素ラインの黒横線(第1黒横線L1と第2黒横線L2)をエンジン側で千鳥420dpiに変換して記録する例を示している。ここで、線形補間として、600dpiの2画素について、例えば副走査方向における奇数番目の画素(o)と、その次の画素である偶数番目の画素(e)とを300dpiの1画素に変換し、当該2画素の濃度の平均値を変換値とする。この場合、画像を256階調に階調変換すると、白の画素が0、黒の画素が255の値となる。
【0030】
ここで、第1黒横線L1と第2黒横線L2は、線幅が共に600dpi2画素であるのに対し、第1黒横線L1は奇数番目の画素(o)とその次の画素(e)に形成されているため、変換する300dpiの1画素に対応する。この場合、線形補間すると、{黒(255)+黒(255)}/2で求められる黒(255)となり、線幅および階調も同じである300dpiの黒横線に解像度変換される。
【0031】
一方、第2黒横線L2は、600dpi2画素の線幅であるが、変換する300dpiの2画素に跨って形成されている。このため、奇数番目の白の1画素(0)とその次の黒の1画素(255)の第1組L2aと、その上の奇数番目の黒の1画素(255)とその次の白の1画素(0)の第2組L2bで構成されている。この場合、第1組L2aを線形補間すると、{白(0)+黒(255)}/2で求められる中間階調値画素(127)の変換値となり、第2組L2bを線形補間すると、{黒(255)+白(0)}/2で求められる中間階調値画素(127)の変換値となる。したがって、解像度変換の結果は、300dpi2画素に跨って変換され、濃度も黒(255)ではなく中間階調値画素(127)となる。
【0032】
次に、図7(b)に示す解像度変換の結果に対して階調処理を施した後に、千鳥420dpi記録に画素の配置を再構成させると、図7(c)に示す出力結果となる。600×300dpiの画像に対し、千鳥420dpi記録に画素の配置を再構成させる手法は、図10(a)(b)に示すように、インクジェットヘッド並び方向(主走査方向)に連続して並ぶ各行の画素(丸数字の番号1,2、丸数字の番号3,4)がヘッド並び方向に千鳥に配列される。この場合、300dpiの1画素は千鳥420dpiの2画素に対応することになる。
【0033】
そうすると、第1黒横線L1は千鳥記録画像において同じ2画素ラインの黒で記録されるのに対し、第2黒横線L2は千鳥記録画像において4画素ライン分に渡って中間値で記録されることになる。
【0034】
すなわち、600dpiの画像で、同じ2画素ラインのデータが、解像度変換を行う時の副走査方向の画素組の位置が300dpiの画素と重なるか、重ならないかの条件で、その千鳥420dpiへの出力が、同じ2画素ラインに渡って記録される場合と、4画素ライン分に渡って記録される場合が生じることになる。この4画素ラインで構成される横線は、中間値となるため、階調処理によって適度に薄くなるとはいえ、解像度的には大きな劣化となる。
【0035】
図8は、変換単位の位置をずらす解像度変換を用いて、図7(a)と同様に、図8(a)に示すように、600dpi2画素ラインの黒横線(第1黒横線L1と第2黒横線L2)をエンジン側で千鳥420dpiに変換して記録する例を示している。
【0036】
本実施形態では、主走査方向における奇数列と、偶数列において、副走査方向における2画素の組み合わせを異ならせており、奇数列では奇数番目の画素(o)とその次の画素(e)を一つの変換単位とし、偶数列では偶数番目の画素(e)とその次の画素(o)を一つの変換単位としている。但し、偶数列において、1行目の画素と組み合わされる画素が存在しないので、上述のように、白色の仮想画素と組み合わせる。
【0037】
図8(a)に示す第1黒横線L1と第2黒横線L2は図7(a)と同じ位置に形成されているので、奇数列(600dpiの主走査方向に沿った奇数番目の画素)では、図7(b)と同様に、第1黒横線L1は300dpi1画素の黒色階調(255)の画素Aに、第2黒横線L2は300dpi1画素の中間階調値(127)の画素B、Cに解像度変換される。
【0038】
これに対し、偶数列(600dpiの偶数番目の画素)では、第1黒横線L1の偶数番目(e)の黒色画素(255)と、その次(その上)の奇数番目(o)になる白色の画素(0)とを変換単位とし、隣接する奇数列に対して変換単位の位置を600dpiだけずらす解像度変換を行っている。この解像度変換によって、{黒(255)+白(0)}/2で求められる中間階調値(127)の画素Dに変換される。また、第1黒横線L1の奇数番目(o)の黒色画素(255)はその下の偶数番目の白色の画素(0)と一組の変換単位をなしているので、これを解像度変換すると、{白(0)+黒(255)}/2で求められる中間階調値(127)の画素Eに変換される。さらに、第2黒横線L2は、偶数番目(e)の黒色画素(255)とその上の奇数番目(o)の黒色画素(255)とを一組の変換単位としているので、これを解像度変換すると、{黒(255)+黒(255)}/2で求められる黒(255)の画素Fに変換される。
【0039】
したがって、図8(a)に示す第1黒横線L1に対する解像度変換は、図8(b)に示すように、白画素・中間階調値画素D・白画素の順に並ぶ300dpiの画素ラインGと、その下の行の黒画素A・中間階調値画素E・黒画素Aの順に並ぶ300dpiの画素ラインHに変換される。また、第2黒横線L2に対する解像度変換は、中間階調値画素B・黒色画素F・中間階調値画素Bの順に並ぶ300dpiの画素ラインIと、その下の行の中間階調値画素C・白画素・中間階調値画素Cの順に並ぶ300dpiの画素ラインJに変換される。
【0040】
図8(b)に示す変換結果の600×300dpi画像を千鳥420dpiへの記録を行うために画素の配置を再構成すると、図8(c)に示すようになる。
【0041】
すなわち、図8(c)において、図8(b)に示す画素ラインGの白色画素と中間階調値画素Dは、上下に白色画素と中間階調値画素Dを分けた千鳥の画素ラインgを構成し、画素ラインHの黒色画素Aと中間階調値画素Eは、上下に黒色画素Aと中間階調値画素Eを分けた千鳥の画素ラインhを構成する。また、図8(c)において、図8(b)に示す画素ラインIの中間階調値画素Dと黒色画素Fは、上下に中間階調値画素Bと黒色画素Fを分けた千鳥の画素ラインiを構成し、画素ラインJの中間階調値画素Cと白色画素は、上下に中間階調値画素Cと白色画素を分けた千鳥の画素ラインjを構成する。
【0042】
本実施形態によれば、図8に示すように、600dpiの2画素ラインで構成される第1黒横線L1と第2黒横線L2は、千鳥記録画像において中間階調値を含む3画素ラインq、rとなる。したがって、600dpiで同じ2画素ラインのデータが、副走査方向のどのような位置に配置されていようとも、千鳥420dpiへの記録においては同じ画素幅でラインが形成されることになり、解像度的には等価な出力を得ることができる。
【0043】
図9は、図8に示す原画像の変換単位における解像度変換結果と、千鳥420dpi記録画像の画素配置との関係を示し、符号1〜32がそれぞれ対応している。本実施形態では、図9(a)は、データ処理と記録の位相が合っているモデル図を示し、図9(b)は、データ処理と記録の位相が逆のモデル図を示す。なお、データ処理と記録の位相は、出力パターンが崩れるため逆としてはいけない。
【0044】
本実施形態では、図7及び図8において2画素ラインの横線を例にして説明したが、600dpi原画像と千鳥420dpiの記録画像を考慮すれば、2画素ラインの横線に限られるものではなく、例えば600dpiの1画素ライン、3画素ラインあるいはそれ以上の画素ラインのように、どのような画素幅の横線に対しても同様の解像性を確保できる効果が得られる。
【0045】
また、縦線は、解像上600dpiの解像度が確保され、そのまま記録されるため、縦線と横線の解像度のバランスが取れることになる。
【0046】
続いて、階調再現性について説明する。
【0047】
図10は、一面均一階調の画像データに対して図5に示す解像度変換を行った後、図10(a)(b)に示す方法に従って、図10(c)、(e)に示す600×300dpiの画像データ構成について通常の階調処理を実行し、図10(d)(f)に示す千鳥420dpi記録に画素の配置を再構成した場合を示す。
【0048】
図10(c)(e)は、階調処理後の出力を示し、図10(d)(f)はこれを千鳥420dpi記録に画素の配置を再構成したものを示している。図10(c)(e)のように、600×300dpiで均等に配置されたパターンは、画像記録時に、図10(a)(b)に示すように、画素を強制的にずらしているため、普通のラスターデータに対応した階調処理を行うと、千鳥420dpi記録時に、パターンが崩れて偏りが生じ、図10(d)(f)に示すように、ざらつき、ムラ、モアレの発生を招く。
【0049】
本実施形態の階調処理を図11を参照して以下に説明する。
【0050】
図11は、前述した解像度変換等の画像データのハンドリングと、階調処理の関係を示す概略図で、信号処理側で600×300dpiに解像度変換した画像と、多値デイザ処理で利用する多値デイザテーブルの関係を同調させている。
【0051】
具体的には、スクリーン(階調処理)側において、信号データと同じ600×300dpiに相当する多値デイザテーブルを用意するために、通常のテーブルである矩形FMスクリーン(組織的デイザテーブル)を45度回転させたものを新たに生成し、これを600×300dpiにパッキングすることにより、信号データとシンクロされた多値デイザテーブルが用意されたことになる。なお、通常の組織的デイザテーブルの回転方向は時計回り方向あるいは反時計回り方向のどちら側であっても良い。
【0052】
図11において、矩形FMスクリーンを45度回転させて新たに生成したテーブルは、千鳥状に置き換えられる。例えば、矩形FMスクリーンの符号36、37,44,45で示す画素は、矩形の4画素となるが、45度回転後に生成された符号36,37,44,45で示す画素は菱形の4画素に置き換えられる。なお、インクジェットプリンタにおいて、1画素を複数のドロップで構成する場合、ドロップ毎に矩形のFMスクリーンが用意され、例えば4枚(Z=4)される。
【0053】
矩形FMスクリーンの画素に付した番号(1〜64)を参照すると、この矩形FMスクリーンを45度回転させると、千鳥の配置に変換され、例えば一番上の行とその下の行の画素とは千鳥配置をなしているので、これを600×300dpiのテーブルに置き換えると(パッキングすると)、一番上の行の画素が主走査方向に沿って、順に符号33,34、26・・・に置き換えられる。このようにして置き換えられた中間値は、千鳥に変換された画像データに対応している。
【0054】
すなわち、最終的に記録構造が変わっても、記録対象位置をピンポイントで指定可能とする多値テーブルを用意できることになる。そして、この多値デイザテーブルを利用して、600×300dpiの画像信号データに対し多値デイザ処理を行うことにより、千鳥420dpiで記録したときに、パターンが崩れず、偏りが発生せず、幾何学的に整ったスクリーンパターン(中間階調パターン)が記録されることになる。
【0055】
ところで、実際の600×300dpiといった画像信号データのハンドリングに対し、420dpiの多値デイザテーブルを直接作成することは非常に難しく、特にハードウエア構成やエンジンの記録特性に対して適宜多値デイザテーブルを作成することは現実的ではない。特に、マスクサイズが巨大なFMスクリーン等では顕著である。
【0056】
図12は図11の構成で処理した結果の一例を示す。図12(a)に示す600×300dpiのパターンは、均一中間階調データを千鳥記録位置と同位相の関係となる主・副任意の一方向に解像度変換を施した画像に対して、多値デイザ処理を行った結果であり、これを420dpiで記録すると、図12(b)に示すように、偏りのない均一な中間階調パターンが形成される。
【0057】
これに対し、図10(c)(e)のデータハンドリングでは、図11に示すように、FMスクリーンを45度回転させて千鳥配置に対応して生成した新たなデイザテーブルを用いていないので、これを420dpiで記録すると、図10(d)(f)のような出力パターンが偏ったり、線テクスチャのようなパターンが記録されてしまう。
【0058】
このように、本実施形態によれば、千鳥記録される画像データに対して、スクリーン側では千鳥配置に対応したデイザテーブルを用意し、千鳥記録される画像データの各画素に対応して、当該画素の中間階調データが配置される。このため、記録パターンが崩れて偏りができ、ざらつきやモアレが等の不具合のある画像記録が発生することはなく、意図した通りの均一な出力結果が得られる。
【0059】
以上のように、本実施形態によれば、画像記録装置の記録画素位置が千鳥配置であることを逆算的に考慮し、これに沿った非対称の解像度変換と本来の格子状画像向けの多値デイザテーブルを45°回転変換した新たなテーブルを利用する解像度変換と多値の階調処理により、例えば600dpiの入力画像データ(プリンタ、コピー)に対して、420dpiの千鳥記録を実現する場合、その入力画像の持つデータの解像性、および階調再現性を最大限に引き出すことができる。
【0060】
つまり、前記記録位置と同位相の関係となる主・副任意の一方向に解像度変換を施した入力画像に対して、多値デイザ処理を行うことにより、原画像の持つデータ解像性の最大限の確保と、階調再現時における不正なテクスチャの発生やパターンの偏りを防止できると共に、主走査方向および副走査方向における出力の均一化を図ることができる。つまり、本実施形態では、幾何学的整合性のある信号フローを実現することができる。
【0061】
また、例えば図11において、FMスクリーン中の符号36,3744,45で示す画素の中間階調値は、最終的な千鳥420dpi記録において、菱形で中間階調処理された画像となることが示されている。つまり、本実施形態は、千鳥印刷時の隣接画素との境界の関係を一般的な水平・垂直の格子状で埋め合わせるという発想ではなく、菱形の画素形状と600×300dpiの画素構造を対比させ、この間のギャップを埋め合わせることで、画素の連続性を保存する。
【0062】
上記した実施形態では、600(主走査方向)×300(副走査方向)dpiの解像度変換を例にして説明したが、これに限ることはなく、同様の原理を用いて異なる解像度や、主・副逆の300×600dpiのデータハンドリングについても適用できることは言うまでもないことである。この場合、画像記録装置の記録方式やドライバの構成を考慮し、いずれかを選択すればよい。
【0063】
また、本実施形態では主にプリント機能について述べたが、これに限ることはなく、コピーやその他の印刷機能についても適用できることは言うまでもないことである。
【0064】
本実施形態では、インクジェット方式の画像記録装置を例に述べたが、インクジェット方式以外の他の画像記録装置にも適用できることはいうまでもないことである。
【0065】
さらに、本実施形態では多値の組織的デイザ処理について説明したが、これに限ることはなく、2値のデイザや多値・2値の濃度パターン法についても適用できることはいうまでもないことである。
【0066】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施できる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0067】
1 MFP
2 プロセッサ(コントロールユニット)
6 プリンタエンジン部
10 記憶装置
21 パーソナルコンピュータ(PC)
31 RIP色変換部
32 圧縮・伸張部
34 多値デイザ処理部
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、記録画素位置を千鳥状に配置する画像記録装置のためのデータハンドリング処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェットプリンタ、電子写真式プリンタ等の画像記録装置において、記録画素の位置を格子状に配置するのが一般的であるが、プリンタエンジンの高速化に伴って、画像処理の高速化、濃度の確保、記録特性の安定化等に対応するために、記録画素位置を例えば図14に示す千鳥状に配置する画像記録装置が提案されている。
【0003】
記録画素位置を千鳥状に配置する記録方式の画像記録装置において、原画像データを千鳥記録のために処理するハンドリング方法としては、例えば、原画像データに対して階調処理自体を格子上で行うことが前提となっていることから、格子上で階調処理された出力パターンを実際に記録される千鳥位置にシフトする方法が考えられる。
【0004】
この場合、格子上で階調処理された出力パターンを実際に記録される千鳥位置にシフトすることによる物理的な位置ずれを招き、本来発生しないはずの不正パターンが発生するおそれがある。
【0005】
この対策として、特殊なズラシ解像度変換の処理を行う、奇数ラインと偶数ラインで処理を強制的に切り替える処理を行う、または多値化のハーフトーンテーブルを複数持つ、といった追加の処理を必要とする。
【0006】
また、高画質化のために入力された画像の種類(文字、グラフィック、写真等)によって、階調処理の方式、あるいはパラメータを切り替える構成も考えられるが、さらに処理が複雑となり、高コスト化を招くおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、格子上に画素を配置した入力画像データを千鳥記録により忠実に再現できる画像処理装置および画像処理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態に係る画像処理装置は、記録画素位置を千鳥状とする記録画像データに合わせて、画素を格子上に配置した入力画像データの所定方向における情報量を半分の情報量に解像度変換して新たな画像データを生成する解像度変換部を有する。
【0009】
前記解像度変換部は、入力画像データ中の情報量半減方向において連続する複数の画素を解像度変換の一変換単位とし、前記変換単位の位置を千鳥の記録位相に合わせて、入力画像データ中の情報量維持方向の奇数列と偶数列とでずらして解像度変換を行う。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る複合機(MFP)のシステム構成を示す概略図。
【図2】図1のMFPにおけるプリント機能のデータの流れを示すブロック図。
【図3】(a)(b)は信号フロー側の画像データのハンドリング方法を示す図、(c)は画像記録側の千鳥状配置を示す図。
【図4】(a)は原画像データの矩形600dpiの格子状ラスター画像における隣接する画素間の関係を示し、(b)は420dpiの千鳥状ラスター画像における隣接する画素間の関係を示す図、(c)は原画像600dpiと千鳥420dpiの関係を示す図。
【図5】記録画素位置の千鳥配置を考慮したハンドリングの一例を示す図。
【図6】本実施形態の画像記録装置における千鳥配置を考慮したハンドリングから千鳥記録までの信号フローの簡易モデルを示す図。
【図7】解像度変換の問題点を説明するための図。
【図8】図5に示すハンドリングの解像度変換を説明する図。
【図9】データ処理と記録位相との関係を示し、(a)はデータ処理と記録位相が合っているモデル、(b)はデータ処理と記録位相が逆のモデル。
【図10】階調再現性の問題点を説明する図。
【図11】本実施形態の画像記録装置における千鳥配置を考慮したハンドリングから千鳥記録までの信号フローのモデルを示す図。
【図12】図11の画像記録装置における入力画像と、処理結果の記録画像との関係を示す図。
【図13】(a)は記録画素位置を千鳥状配置とする画像記録装置の印刷記録位置を示すモデル図、(b)は矩形の600dpiの印刷記録位置を示すモデル図。
【図14】千鳥状画素のパターンを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態の画像記録装置を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は本実施形態の複合機(MFP(Multi Function Peripheral))のシステム構成の概略図を示し、図2は図1のMFPにおけるプリント機能のデータの流れを示すブロック図である。
【0013】
図1に示すMFP1は、インクジェット画像記録装置を用いた構成としている。なお、画像記録装置としては、インクジェット方式以外に、電子写真方式あるいはサーマル方式等を用いることができる。
【0014】
図1に示すMFP1は、制御部をなすプロセッサ(あるいはコントローラ)2を有し、プロセッサ2はバスライン3を介して、通信インターフェース(I/F)4と、スキャナ部5と、プリンタエンジン部6と、機械的機構部を制御するメカニカルコントロール部7と、各種の情報を表示する表示部8と、メモリ部9と、記憶装置10等と接続されている。プロセッサ2は、メモリ部9または記憶装置10に格納された画像処理プログラムに基づいて所定の処理を実行し、画像形成動作を制御する。
【0015】
メモリ部9は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、VRAM(Video RAM)等から構成されることができ、MFP1において利用される種々の情報やプログラムを格納する役割を有している。
【0016】
図2において、MFP1には、通信インターフェース(I/F)4を介して接続するパーソナルコンピュータ等の通信端末21からの画像情報や文字情報等の記録情報がRIP(Raster Image Processor)色変換部31に入力される。RIP色変換部31で変換する変換情報は、圧縮・伸張部32で圧縮されて記憶装置10に記憶される。また、記憶装置10に記憶される記録情報は、圧縮・伸張部32で伸張され、補正処理(TRC(Tone Reproduction correction))/インク制限部(Ink Limit)33によりガンマ補正され、多値デイザ処理部34にて多値階調処理がなされる。そして、多値階調処理に基づいてインクジェットエンジン部35にてインク吐出制御が行われる。
【0017】
インク吐出制御により形成される千鳥配置の記録画素位置は、図3(c)に示すように、マスキングで示す部分である。図3(a)に示すように、原画像(入力画像)データを矩形配列の600dpiとすると、入力画像の画素数が600×600となる。千鳥配置は、600×600dpiの記録画素に対し、図3(c)に示すように、420×420dpiとなる。正確には、図13(a)に示すように、図13(b)の600×600dpiの記録画素に対し、600/√2=424.26dpiとなるが、以下の説明において簡易的に420dpiという表現とする。
【0018】
なお、千鳥記録は、図3(c)に示す状態の記録を駆動ドライバを介して実現され、図3(c)に示すように、インクジェットの駆動マージンを確保し、高速化を図るために千鳥配置で記録することにより、420dpi相当のピッチの2次元画像が形成される。
【0019】
ここで、主走査方向と副走査方向における解像度が共に等しい主・副対称の600dpiの入力解像度画像の画素配置と、主・副対称の420dpiの千鳥の記録画素配置との関係を図4に示す。
【0020】
図4は、600dpiの入力解像度画像と、千鳥420dpiの幾何学的タイリングの関係を示し、図4(a)は矩形配列の600dpi、図4(b)は千鳥420dpiで緻密に隙間なくタイリングされている。図4(a)画像と図4(b)の記録画素とを重ねると、図4(c)となる。図4(c)においてマスキング部は非印字領域を示しており、画像データの情報量は、当然の如く、600dpiの画像に対して、420dpiの画像は半分となる。図4(a)の画素配置と図4(b)の画素配置は、主・副対称の解像度であるため、幾何的に主、副の偏りがない。
【0021】
一方、420dpiの千鳥配置における必要情報量は、矩形600dpiの半分となるため、図2に示すRIP色変換部31等のデータ処理の上流側で、例えば図3(b)に示す主走査方向の解像度を600とし副走査方向の解像度を300とする600×300dpiの画像、あるいはこれと主副走査方向解像度を逆とする300×600dpiに展開して処理し、入力画像の情報量を千鳥配置の必要情報量とすることが必要となる。
【0022】
600×300dpiの画像、あるいは300×600dpiのように、主走査方向と副走査方向の解像度が異なる非対称解像度の画像においては、非対称解像度データを生成した時点で、300dpiに落とした側の解像度は、千鳥の特殊な記録特性に対応することができず、解像度情報が消失する。また、圧縮・伸張、フィルタ、識別等の画像記録に必要なその他の画像処理においても、その処理精度に影響を及ぼす。
【0023】
本実施形態では、矩形600dpiの解像度の画像の対称性を維持して、図3(b)に示す副走査方向側を300dpiに落とした600×300dpiの画像に変換し、最終的に対称性のある420dpiの記録を実現するために、図5に示す解像度変換処理を含む画像データのハンドリングを行っている。信号フロー側の画像データのハンドリングは、インクジェットエンジン部35になるべく近い処理ブロック、つまり階調処理の前(詳しくは、階調処理に強く関連するガンマ変換等その他の処理も入る)で行う。
【0024】
図5は、千鳥配置とする画像記録側に対し、信号フロー側の画像データのハンドリング方法について示している。一般に、デジタル画像機器は、ラスタライズされた画像を格子状にハンドリングするのが最も効率が良い。例えば、スキャナ等で読み取った画像を画像記録装置に記録する場合、あるいはプリンタとして原稿をRIPされた画像を扱う場合が該当する。これに対し、図4(b)に示すように、正副方向に沿って形成された升目を45度回転したような状態でタイリングされているものについて、デジタル処理で扱うには非常に面倒なものとなる。
【0025】
図5に示す画像データのハンドリングは、図6に示す画像処理部40において、ガンマ補正部42よりも上流側に配置された圧縮・伸張処理等を行う圧縮・伸張部32で処理された画像データについて、解像度変換部41で行われる。解像度変換部41は、図5(a)に示す正副対称解像度の600dpiの画像データに対し、図5(b)に示す解像度変換を行い、図5(c)に示す変換結果を得る。変換された画像をガンマ補正部42でガンマ補正し、階調処理部43で例えば5値の中間階調処理を行い、インクジェットヘッドドライバ44でデータの配置が再構成され、画像信号がエンジン部35に送信される。
【0026】
本実施形態の解像度変換は、原画像の主走査方向の奇数列と偶数列において、奇数列における奇数行の画素とその次の行(偶数行)の画素の2画素を一つの変換単位とし、偶数列における偶数行の画素とその次の行(奇数行)の画素の2画素を一つの変換単位とする。そして、各変換単位における2画素の平均値を変換値とする。但し、偶数列において、1行目の画素は白色の仮想画素とする。このような組み合わせにより、変換対象となる2画素1組の変換単位は、主走査方向において隣り合う変換単位と互い違いに位置をずらした状態としている。
【0027】
変換単位の位置ずらしは、図5(d)に示す千鳥420dpiの記録位相と同調するようにすらしている。図5(b)に示す解像度変換により内部的に変換された画像を、図5(c)に示すデジタル処理のデータハンドリングとして扱い易い600×300dpiの画像に変換する。その後、後述する階調処理(スクリーン)を行った後、千鳥420dpiの記録になるように、ドライバ44によりデータの配置が再構成され、図5(d)に示す記録が行われる。
【0028】
本実施形態の変換単位の位置をずらす解像度変換の詳細について、図7,8を参照して以下に説明する。
【0029】
図7は、600dpi画像に対し、一般的な線形補間(バイリニア:Bilinear)を用いて600dpi2画素ラインの黒横線(第1黒横線L1と第2黒横線L2)をエンジン側で千鳥420dpiに変換して記録する例を示している。ここで、線形補間として、600dpiの2画素について、例えば副走査方向における奇数番目の画素(o)と、その次の画素である偶数番目の画素(e)とを300dpiの1画素に変換し、当該2画素の濃度の平均値を変換値とする。この場合、画像を256階調に階調変換すると、白の画素が0、黒の画素が255の値となる。
【0030】
ここで、第1黒横線L1と第2黒横線L2は、線幅が共に600dpi2画素であるのに対し、第1黒横線L1は奇数番目の画素(o)とその次の画素(e)に形成されているため、変換する300dpiの1画素に対応する。この場合、線形補間すると、{黒(255)+黒(255)}/2で求められる黒(255)となり、線幅および階調も同じである300dpiの黒横線に解像度変換される。
【0031】
一方、第2黒横線L2は、600dpi2画素の線幅であるが、変換する300dpiの2画素に跨って形成されている。このため、奇数番目の白の1画素(0)とその次の黒の1画素(255)の第1組L2aと、その上の奇数番目の黒の1画素(255)とその次の白の1画素(0)の第2組L2bで構成されている。この場合、第1組L2aを線形補間すると、{白(0)+黒(255)}/2で求められる中間階調値画素(127)の変換値となり、第2組L2bを線形補間すると、{黒(255)+白(0)}/2で求められる中間階調値画素(127)の変換値となる。したがって、解像度変換の結果は、300dpi2画素に跨って変換され、濃度も黒(255)ではなく中間階調値画素(127)となる。
【0032】
次に、図7(b)に示す解像度変換の結果に対して階調処理を施した後に、千鳥420dpi記録に画素の配置を再構成させると、図7(c)に示す出力結果となる。600×300dpiの画像に対し、千鳥420dpi記録に画素の配置を再構成させる手法は、図10(a)(b)に示すように、インクジェットヘッド並び方向(主走査方向)に連続して並ぶ各行の画素(丸数字の番号1,2、丸数字の番号3,4)がヘッド並び方向に千鳥に配列される。この場合、300dpiの1画素は千鳥420dpiの2画素に対応することになる。
【0033】
そうすると、第1黒横線L1は千鳥記録画像において同じ2画素ラインの黒で記録されるのに対し、第2黒横線L2は千鳥記録画像において4画素ライン分に渡って中間値で記録されることになる。
【0034】
すなわち、600dpiの画像で、同じ2画素ラインのデータが、解像度変換を行う時の副走査方向の画素組の位置が300dpiの画素と重なるか、重ならないかの条件で、その千鳥420dpiへの出力が、同じ2画素ラインに渡って記録される場合と、4画素ライン分に渡って記録される場合が生じることになる。この4画素ラインで構成される横線は、中間値となるため、階調処理によって適度に薄くなるとはいえ、解像度的には大きな劣化となる。
【0035】
図8は、変換単位の位置をずらす解像度変換を用いて、図7(a)と同様に、図8(a)に示すように、600dpi2画素ラインの黒横線(第1黒横線L1と第2黒横線L2)をエンジン側で千鳥420dpiに変換して記録する例を示している。
【0036】
本実施形態では、主走査方向における奇数列と、偶数列において、副走査方向における2画素の組み合わせを異ならせており、奇数列では奇数番目の画素(o)とその次の画素(e)を一つの変換単位とし、偶数列では偶数番目の画素(e)とその次の画素(o)を一つの変換単位としている。但し、偶数列において、1行目の画素と組み合わされる画素が存在しないので、上述のように、白色の仮想画素と組み合わせる。
【0037】
図8(a)に示す第1黒横線L1と第2黒横線L2は図7(a)と同じ位置に形成されているので、奇数列(600dpiの主走査方向に沿った奇数番目の画素)では、図7(b)と同様に、第1黒横線L1は300dpi1画素の黒色階調(255)の画素Aに、第2黒横線L2は300dpi1画素の中間階調値(127)の画素B、Cに解像度変換される。
【0038】
これに対し、偶数列(600dpiの偶数番目の画素)では、第1黒横線L1の偶数番目(e)の黒色画素(255)と、その次(その上)の奇数番目(o)になる白色の画素(0)とを変換単位とし、隣接する奇数列に対して変換単位の位置を600dpiだけずらす解像度変換を行っている。この解像度変換によって、{黒(255)+白(0)}/2で求められる中間階調値(127)の画素Dに変換される。また、第1黒横線L1の奇数番目(o)の黒色画素(255)はその下の偶数番目の白色の画素(0)と一組の変換単位をなしているので、これを解像度変換すると、{白(0)+黒(255)}/2で求められる中間階調値(127)の画素Eに変換される。さらに、第2黒横線L2は、偶数番目(e)の黒色画素(255)とその上の奇数番目(o)の黒色画素(255)とを一組の変換単位としているので、これを解像度変換すると、{黒(255)+黒(255)}/2で求められる黒(255)の画素Fに変換される。
【0039】
したがって、図8(a)に示す第1黒横線L1に対する解像度変換は、図8(b)に示すように、白画素・中間階調値画素D・白画素の順に並ぶ300dpiの画素ラインGと、その下の行の黒画素A・中間階調値画素E・黒画素Aの順に並ぶ300dpiの画素ラインHに変換される。また、第2黒横線L2に対する解像度変換は、中間階調値画素B・黒色画素F・中間階調値画素Bの順に並ぶ300dpiの画素ラインIと、その下の行の中間階調値画素C・白画素・中間階調値画素Cの順に並ぶ300dpiの画素ラインJに変換される。
【0040】
図8(b)に示す変換結果の600×300dpi画像を千鳥420dpiへの記録を行うために画素の配置を再構成すると、図8(c)に示すようになる。
【0041】
すなわち、図8(c)において、図8(b)に示す画素ラインGの白色画素と中間階調値画素Dは、上下に白色画素と中間階調値画素Dを分けた千鳥の画素ラインgを構成し、画素ラインHの黒色画素Aと中間階調値画素Eは、上下に黒色画素Aと中間階調値画素Eを分けた千鳥の画素ラインhを構成する。また、図8(c)において、図8(b)に示す画素ラインIの中間階調値画素Dと黒色画素Fは、上下に中間階調値画素Bと黒色画素Fを分けた千鳥の画素ラインiを構成し、画素ラインJの中間階調値画素Cと白色画素は、上下に中間階調値画素Cと白色画素を分けた千鳥の画素ラインjを構成する。
【0042】
本実施形態によれば、図8に示すように、600dpiの2画素ラインで構成される第1黒横線L1と第2黒横線L2は、千鳥記録画像において中間階調値を含む3画素ラインq、rとなる。したがって、600dpiで同じ2画素ラインのデータが、副走査方向のどのような位置に配置されていようとも、千鳥420dpiへの記録においては同じ画素幅でラインが形成されることになり、解像度的には等価な出力を得ることができる。
【0043】
図9は、図8に示す原画像の変換単位における解像度変換結果と、千鳥420dpi記録画像の画素配置との関係を示し、符号1〜32がそれぞれ対応している。本実施形態では、図9(a)は、データ処理と記録の位相が合っているモデル図を示し、図9(b)は、データ処理と記録の位相が逆のモデル図を示す。なお、データ処理と記録の位相は、出力パターンが崩れるため逆としてはいけない。
【0044】
本実施形態では、図7及び図8において2画素ラインの横線を例にして説明したが、600dpi原画像と千鳥420dpiの記録画像を考慮すれば、2画素ラインの横線に限られるものではなく、例えば600dpiの1画素ライン、3画素ラインあるいはそれ以上の画素ラインのように、どのような画素幅の横線に対しても同様の解像性を確保できる効果が得られる。
【0045】
また、縦線は、解像上600dpiの解像度が確保され、そのまま記録されるため、縦線と横線の解像度のバランスが取れることになる。
【0046】
続いて、階調再現性について説明する。
【0047】
図10は、一面均一階調の画像データに対して図5に示す解像度変換を行った後、図10(a)(b)に示す方法に従って、図10(c)、(e)に示す600×300dpiの画像データ構成について通常の階調処理を実行し、図10(d)(f)に示す千鳥420dpi記録に画素の配置を再構成した場合を示す。
【0048】
図10(c)(e)は、階調処理後の出力を示し、図10(d)(f)はこれを千鳥420dpi記録に画素の配置を再構成したものを示している。図10(c)(e)のように、600×300dpiで均等に配置されたパターンは、画像記録時に、図10(a)(b)に示すように、画素を強制的にずらしているため、普通のラスターデータに対応した階調処理を行うと、千鳥420dpi記録時に、パターンが崩れて偏りが生じ、図10(d)(f)に示すように、ざらつき、ムラ、モアレの発生を招く。
【0049】
本実施形態の階調処理を図11を参照して以下に説明する。
【0050】
図11は、前述した解像度変換等の画像データのハンドリングと、階調処理の関係を示す概略図で、信号処理側で600×300dpiに解像度変換した画像と、多値デイザ処理で利用する多値デイザテーブルの関係を同調させている。
【0051】
具体的には、スクリーン(階調処理)側において、信号データと同じ600×300dpiに相当する多値デイザテーブルを用意するために、通常のテーブルである矩形FMスクリーン(組織的デイザテーブル)を45度回転させたものを新たに生成し、これを600×300dpiにパッキングすることにより、信号データとシンクロされた多値デイザテーブルが用意されたことになる。なお、通常の組織的デイザテーブルの回転方向は時計回り方向あるいは反時計回り方向のどちら側であっても良い。
【0052】
図11において、矩形FMスクリーンを45度回転させて新たに生成したテーブルは、千鳥状に置き換えられる。例えば、矩形FMスクリーンの符号36、37,44,45で示す画素は、矩形の4画素となるが、45度回転後に生成された符号36,37,44,45で示す画素は菱形の4画素に置き換えられる。なお、インクジェットプリンタにおいて、1画素を複数のドロップで構成する場合、ドロップ毎に矩形のFMスクリーンが用意され、例えば4枚(Z=4)される。
【0053】
矩形FMスクリーンの画素に付した番号(1〜64)を参照すると、この矩形FMスクリーンを45度回転させると、千鳥の配置に変換され、例えば一番上の行とその下の行の画素とは千鳥配置をなしているので、これを600×300dpiのテーブルに置き換えると(パッキングすると)、一番上の行の画素が主走査方向に沿って、順に符号33,34、26・・・に置き換えられる。このようにして置き換えられた中間値は、千鳥に変換された画像データに対応している。
【0054】
すなわち、最終的に記録構造が変わっても、記録対象位置をピンポイントで指定可能とする多値テーブルを用意できることになる。そして、この多値デイザテーブルを利用して、600×300dpiの画像信号データに対し多値デイザ処理を行うことにより、千鳥420dpiで記録したときに、パターンが崩れず、偏りが発生せず、幾何学的に整ったスクリーンパターン(中間階調パターン)が記録されることになる。
【0055】
ところで、実際の600×300dpiといった画像信号データのハンドリングに対し、420dpiの多値デイザテーブルを直接作成することは非常に難しく、特にハードウエア構成やエンジンの記録特性に対して適宜多値デイザテーブルを作成することは現実的ではない。特に、マスクサイズが巨大なFMスクリーン等では顕著である。
【0056】
図12は図11の構成で処理した結果の一例を示す。図12(a)に示す600×300dpiのパターンは、均一中間階調データを千鳥記録位置と同位相の関係となる主・副任意の一方向に解像度変換を施した画像に対して、多値デイザ処理を行った結果であり、これを420dpiで記録すると、図12(b)に示すように、偏りのない均一な中間階調パターンが形成される。
【0057】
これに対し、図10(c)(e)のデータハンドリングでは、図11に示すように、FMスクリーンを45度回転させて千鳥配置に対応して生成した新たなデイザテーブルを用いていないので、これを420dpiで記録すると、図10(d)(f)のような出力パターンが偏ったり、線テクスチャのようなパターンが記録されてしまう。
【0058】
このように、本実施形態によれば、千鳥記録される画像データに対して、スクリーン側では千鳥配置に対応したデイザテーブルを用意し、千鳥記録される画像データの各画素に対応して、当該画素の中間階調データが配置される。このため、記録パターンが崩れて偏りができ、ざらつきやモアレが等の不具合のある画像記録が発生することはなく、意図した通りの均一な出力結果が得られる。
【0059】
以上のように、本実施形態によれば、画像記録装置の記録画素位置が千鳥配置であることを逆算的に考慮し、これに沿った非対称の解像度変換と本来の格子状画像向けの多値デイザテーブルを45°回転変換した新たなテーブルを利用する解像度変換と多値の階調処理により、例えば600dpiの入力画像データ(プリンタ、コピー)に対して、420dpiの千鳥記録を実現する場合、その入力画像の持つデータの解像性、および階調再現性を最大限に引き出すことができる。
【0060】
つまり、前記記録位置と同位相の関係となる主・副任意の一方向に解像度変換を施した入力画像に対して、多値デイザ処理を行うことにより、原画像の持つデータ解像性の最大限の確保と、階調再現時における不正なテクスチャの発生やパターンの偏りを防止できると共に、主走査方向および副走査方向における出力の均一化を図ることができる。つまり、本実施形態では、幾何学的整合性のある信号フローを実現することができる。
【0061】
また、例えば図11において、FMスクリーン中の符号36,3744,45で示す画素の中間階調値は、最終的な千鳥420dpi記録において、菱形で中間階調処理された画像となることが示されている。つまり、本実施形態は、千鳥印刷時の隣接画素との境界の関係を一般的な水平・垂直の格子状で埋め合わせるという発想ではなく、菱形の画素形状と600×300dpiの画素構造を対比させ、この間のギャップを埋め合わせることで、画素の連続性を保存する。
【0062】
上記した実施形態では、600(主走査方向)×300(副走査方向)dpiの解像度変換を例にして説明したが、これに限ることはなく、同様の原理を用いて異なる解像度や、主・副逆の300×600dpiのデータハンドリングについても適用できることは言うまでもないことである。この場合、画像記録装置の記録方式やドライバの構成を考慮し、いずれかを選択すればよい。
【0063】
また、本実施形態では主にプリント機能について述べたが、これに限ることはなく、コピーやその他の印刷機能についても適用できることは言うまでもないことである。
【0064】
本実施形態では、インクジェット方式の画像記録装置を例に述べたが、インクジェット方式以外の他の画像記録装置にも適用できることはいうまでもないことである。
【0065】
さらに、本実施形態では多値の組織的デイザ処理について説明したが、これに限ることはなく、2値のデイザや多値・2値の濃度パターン法についても適用できることはいうまでもないことである。
【0066】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施できる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0067】
1 MFP
2 プロセッサ(コントロールユニット)
6 プリンタエンジン部
10 記憶装置
21 パーソナルコンピュータ(PC)
31 RIP色変換部
32 圧縮・伸張部
34 多値デイザ処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録画素位置を千鳥状とする記録画像データに合わせて、画素を格子上に配置した入力画像データの所定方向における情報量を半分の情報量に解像度変換して新たな画像データを生成する解像度変換部を有し、
前記解像度変換部は、入力画像データ中の情報量半減方向において連続する複数の画素を解像度変換の一変換単位とし、前記変換単位の位置を千鳥の記録位相に合わせて、入力画像データ中の情報量維持方向の奇数列と偶数列とでずらして解像度変換を行う画像処理装置。
【請求項2】
前記解像度変換部は、解像度変換対象となる画素のデータを平均化する平均化処理であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記解像度変換部は、前記入力画像データの副走査方向の画素数を半減することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記解像度変換部で変換処理した画像変換データに対してハーフトーン処理を行うハーフトーン処理部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ハーフトーン処理部は、組織的デイザテーブルを45度回転させて45度回転のデイザテーブルを生成し、入力画像データを解像度変換した方向に前記45度回転のデイザテーブルをパッキングし、前記解像度変換部で生成した新たな画像データの画素に対応させたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
記録画素位置を千鳥状とする記録画像データに合わせて、画素を格子上に配置した入力画像データの所定方向における情報量を半分の情報量に解像度変換して新たな画像データを生成する解像度変換を行う画像処理方法であって、
入力画像データ中の情報量半減方向において連続する複数の画素を解像度変換の一変換単位とし、前記変換単位の位置を千鳥の記録位相に合わせて、入力画像データ中の情報量維持方向の奇数列と偶数列とでずらして解像度変換を行う画像処理方法。
【請求項7】
前記解像度変換は、解像度変換対象となる画素のデータを平均化する平均化処理であることを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記解像度変換は、前記入力画像データの副走査方向の画素数を半減することを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記解像度変換により変換処理した画像変換データに対してハーフトーン処理を行なうことを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記ハーフトーン処理は、組織的デイザテーブルを45度回転させて45度回転のデイザテーブルを生成し、入力画像データを解像度変換した方向に前記45度回転のデイザテーブルをパッキングし、前記解像度変換で生成した新たな画像データの画素に対応させたことを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項1】
記録画素位置を千鳥状とする記録画像データに合わせて、画素を格子上に配置した入力画像データの所定方向における情報量を半分の情報量に解像度変換して新たな画像データを生成する解像度変換部を有し、
前記解像度変換部は、入力画像データ中の情報量半減方向において連続する複数の画素を解像度変換の一変換単位とし、前記変換単位の位置を千鳥の記録位相に合わせて、入力画像データ中の情報量維持方向の奇数列と偶数列とでずらして解像度変換を行う画像処理装置。
【請求項2】
前記解像度変換部は、解像度変換対象となる画素のデータを平均化する平均化処理であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記解像度変換部は、前記入力画像データの副走査方向の画素数を半減することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記解像度変換部で変換処理した画像変換データに対してハーフトーン処理を行うハーフトーン処理部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ハーフトーン処理部は、組織的デイザテーブルを45度回転させて45度回転のデイザテーブルを生成し、入力画像データを解像度変換した方向に前記45度回転のデイザテーブルをパッキングし、前記解像度変換部で生成した新たな画像データの画素に対応させたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
記録画素位置を千鳥状とする記録画像データに合わせて、画素を格子上に配置した入力画像データの所定方向における情報量を半分の情報量に解像度変換して新たな画像データを生成する解像度変換を行う画像処理方法であって、
入力画像データ中の情報量半減方向において連続する複数の画素を解像度変換の一変換単位とし、前記変換単位の位置を千鳥の記録位相に合わせて、入力画像データ中の情報量維持方向の奇数列と偶数列とでずらして解像度変換を行う画像処理方法。
【請求項7】
前記解像度変換は、解像度変換対象となる画素のデータを平均化する平均化処理であることを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記解像度変換は、前記入力画像データの副走査方向の画素数を半減することを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記解像度変換により変換処理した画像変換データに対してハーフトーン処理を行なうことを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記ハーフトーン処理は、組織的デイザテーブルを45度回転させて45度回転のデイザテーブルを生成し、入力画像データを解像度変換した方向に前記45度回転のデイザテーブルをパッキングし、前記解像度変換で生成した新たな画像データの画素に対応させたことを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の画像処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−134968(P2012−134968A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−273118(P2011−273118)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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